ぱちんこ遊技機
【課題】Ｖ入賞のチャンスであることを示唆することにより、初心者であっても興趣性を得ることができるとともに、演出効果を高めること。
【解決手段】ぱちんこ遊技機の開閉入賞口内にはＶ回転体が設けられる。Ｖ回転体は、外郭領域に遊技球を収容する複数の収容部を有し、所定数の収容部を、Ｖゾーンとしている。収容入球領域は、開閉入賞口内に入賞した遊技球が、収容部に収容される際に経由する領域である。ランプ系統６００は、各収容部を照射する。位置検出部８０１は、一定の周期にて移動するＶゾーンの位置を検出する。判断部８０２は、小当たり時に、位置検出部８０１によるＶゾーンの検出結果を用いて、Ｖゾーンが収容入球領域に対向する位置よりも手前のチャンス位置にあるか否かを判断する。ランプ演出部８０３は、判断部８０２によるＶゾーンの位置の判断結果に基づいて、ランプ系統６００を点灯制御する。
【解決手段】ぱちんこ遊技機の開閉入賞口内にはＶ回転体が設けられる。Ｖ回転体は、外郭領域に遊技球を収容する複数の収容部を有し、所定数の収容部を、Ｖゾーンとしている。収容入球領域は、開閉入賞口内に入賞した遊技球が、収容部に収容される際に経由する領域である。ランプ系統６００は、各収容部を照射する。位置検出部８０１は、一定の周期にて移動するＶゾーンの位置を検出する。判断部８０２は、小当たり時に、位置検出部８０１によるＶゾーンの検出結果を用いて、Ｖゾーンが収容入球領域に対向する位置よりも手前のチャンス位置にあるか否かを判断する。ランプ演出部８０３は、判断部８０２によるＶゾーンの位置の判断結果に基づいて、ランプ系統６００を点灯制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、旧第二種タイプの機能を備えたぱちんこ遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、「デジパチ」と称される旧第一種タイプのぱちんこ遊技機が知られている。旧第一種タイプのぱちんこ遊技機は、遊技球が特定の始動口に入賞すると、始動入賞したタイミングにて乱数を取得し、当該乱数が予め定められた大当たり乱数と一致するか否かの判定をおこなって、大当たり判定の抽選結果を特別図柄として表示する。そして、取得した乱数が大当たり乱数に一致する場合に、所定の大当たりを示す特別図柄を停止させて、大当たり遊技状態に移行させる。
【０００３】
大当たり遊技状態においては、大入賞口が所定のラウンド数、開放される。１回のラウンドは、大入賞口の開閉時間が規定時間（例えば３０秒）に達するか、または３０秒の開放中に遊技球が規定数（例えば１０個）入賞すると終了する。そして、当選した大当たりの内容に応じて次のラウンドが開始されて、最大ラウンドに至るまで、大入賞口の間欠的な開閉が繰り返される。このようにして、大当たり遊技状態においては多数の遊技球を獲得できるようになっている。
【０００４】
大当たりが終了すると、大当たりの種類に応じて、時短遊技状態または確変遊技状態など、電動チューリップによるサポート機能（電チューサポート）が付加される。電チューサポートが付加されると、第２始動口の近傍に設けられている電動チューリップを開放させやすくすることにより、第２始動口に遊技球が入賞しやすくなる。第２始動口に入賞した遊技球に対する大当たり抽選は、第１始動口に入賞した遊技球に比べて、遊技者にとって有利な大当たりが発生しやすくなっている。遊技者にとって有利な大当たりとは、具体的には、ラウンド数の多い大当たりや、電チューサポート付きの大当たりである。
【０００５】
また、従来、「ハネモノ」と称されている旧第二種タイプのぱちんこ遊技機が知られている。旧第二種タイプのぱちんこ遊技機は、一対の可動片（ハネ）を有する開閉入賞口が遊技盤上に設けられ、所定の始動口に遊技球が入賞すると、開閉入賞口のハネが例えば１回または２回開閉する小当たりとなり、遊技盤面を流下する遊技球を捕捉して、捕捉した遊技球を開閉入賞口内に導くようにしている。開閉入賞口の内部には、Ｖゾーンと称される特定領域が設けられており、開閉入賞口内に入賞した遊技球が、Ｖゾーンを通過（Ｖ入賞）した場合に、大当たり遊技状態に移行する。Ｖ入賞しない場合には、ハズレとなる。
【０００６】
大当たり遊技状態においては、所定のラウンド数、ハネが間欠的に開閉動作を繰り返す。例えば、１ラウンドは、ハネの開閉回数が規定回数（例えば１８回）に達するか、またはハネを規定回数開放させる間に遊技球が規定数（例えば１０個）開閉入賞口に入賞すると終了する。そして、当選した大当たりの内容に応じて次のラウンドが開始されてハネの間欠的な開閉がさらに繰り返される。ハネの開閉は、大当たりの内容に応じて設定された最終ラウンドまで最大限繰り返される。このようにして、大当たり遊技状態においては多数の遊技球を獲得できるようになっている。
【０００７】
特に、このような旧二種タイプのぱちんこ遊技機では、開閉入賞口内に、Ｖゾーンを含む複数の収容部が設けられた回転体を配置し、この回転体のＶゾーンに遊技球が収容されると大当たりに移行するようにしたものが知られている（例えば、下記特許文献１参照。）。このような従来技術は、ハネが開放するタイミングとＶゾーンの位置とによって、開閉入賞口内に入賞した遊技球がＶゾーンに収容されるか否かが決まることになる。
【０００８】
ここで、旧二種タイプの機能を備えたぱちんこ遊技機として、旧第一種タイプと旧第二種タイプとを複合した複合型のぱちんこ遊技機について補足しておく。複合型のぱちんこ遊技機は、例えば、第１始動口と、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球が始動入賞する第２始動口とからなる複数の始動口を設けるとともに、大入賞口および開閉入賞口を設けている。
【０００９】
このような複合型のぱちんこ遊技機は、始動口に遊技球が入賞すると、例えば、ハネを開放させる小当たりか、大入賞口を開放させる大当たりか否かの抽選をおこなう。当たり抽選によって大当たりに当選した場合、大当たりに移行した際の継続ラウンド数や、大当たり終了後の時短遊技の有無などの図柄判定がおこなわれ、大入賞口を開放させる大当たりが開始されるようになっている。
【００１０】
当たり抽選によって小当たりに当選した場合、Ｖ入賞により大当たりに移行した際の継続ラウンド数や、大当たり終了後の時短遊技の有無など、小当たり図柄判定がおこなわれる。小当たりに当選してハネが開放した際に、遊技球が開閉入賞口に入賞してＶ入賞すると、または、当たり抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口を開放させる大当たりが開始されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１１】
【特許文献１】特開２００９−２０１７１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１２】
上述した従来技術は、ハネが開放するタイミングとＶゾーンの位置とが遊技者にとっての関心事項となり、遊技者は、ハネが開放する際に、Ｖゾーンの位置を注視することとなる。しかしながら、上述した従来技術では、例えば初心者など、どのタイミングにて開閉入賞口内に遊技球が入賞するとＶ入賞のチャンスであるのかを知らない遊技者にとっては、遊技をしていても面白みに欠けるといった問題があった。また、遊技者にとっての関心事項である小当たり時のＶゾーンの位置に対して、特段、演出をおこなっておらず、演出効果に乏しいといった問題があった。
【００１３】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、初心者であっても興趣性を得ることができるとともに、演出効果を高めることができるぱちんこ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用した。括弧内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。この発明にかかるぱちんこ遊技機（１００）は、遊技球を誘引する開閉自在な開閉部材（１３１）、および当該開閉部材（１３１）を開放させる小当たり時に遊技球が通過することにより大当たりに移行する特定領域（３３２）、を有する開閉入賞口（１３０）と、前記開閉入賞口（１３０）内に一定の周期にて回転可能に設けられ、外郭領域に前記開閉入賞口（１３０）内に入賞した遊技球を収容する複数の収容部（１３４）を有し、当該複数の収容部（１３４）のうち、所定数の収容部（１３４）を、前記特定領域（３３２）に遊技球を導く特定収容部（１３２）とした回転体（１３３）と、前記開閉入賞口（１３０）内に入賞した遊技球が、前記収容部（１３４）に収容される際に経由する収容入球領域（２２０）と、各収容部（１３４）を照射する複数のランプ（６００）と、前記特定収容部（１３２）の位置を検出する位置検出手段（８０１）と、小当たり時に、前記位置検出手段（８０１）による前記特定収容部（１３２）の検出結果を用いて、前記特定収容部（１３２）が前記収容入球領域（２２０）に対向して前記開閉入賞口（１３０）と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断する判断手段（８０２）と、前記判断手段（８０２）による前記特定収容部（１３２）の位置の判断結果に基づいて、前記ランプ（６００）を点灯制御するランプ演出手段（８０３）と、を備えることを特徴とする。
【００１５】
上記発明において、前記ランプ演出手段（８０３）は、前記判断手段（８０２）によって前記特定収容部（１３２）が前記所定の近傍位置にあると判断された場合、前記回転体（１３３）の回転に伴う前記特定収容部（１３２）の移動に応じて、前記特定収容部（１３２）を照射するように、前記ランプ（６００）を点灯制御することを特徴とする。
【００１６】
上記発明において、前記開閉入賞口（１３０）内に設けられ、前記開閉入賞口（１３０）内に入賞した遊技球を前記回転体（１３３）の収容部（１３４）に導く通常経路（２０２）と、前記開閉入賞口（１３０）内に設けられ、前記開閉入賞口（１３０）内に入賞した遊技球を、前記通常経路（２０２）よりも前記特定領域（３３２）に導きやすくした特別経路（２０１）と、小当たり中に遊技球が通過した前記経路（２０１，２０２）を判定する経路判定手段（８０４）と、をさらに備え、前記判断手段（８０２）は、前記経路判定手段（８０４）によって遊技球の通過した経路（２０１，２０２）が前記通常経路（２０２）であると判定された場合、前記特定収容部（１３２）が前記所定の近傍位置にあるか否かを判断することを特徴とする。
【００１７】
上記発明において、前記開閉入賞口（１３０）内への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段（８０５）をさらに備え、前記判断手段（８０２）は、前記入賞検出手段（８０５）によって遊技球が検出された場合、前記位置検出手段（８０５）による前記特定収容部（１３２）の検出結果を用いて、前記特定収容部（１３２）が前記収容入球領域（２２０）に対向して前記開閉入賞口（１３０）と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断し、前記ランプ演出手段（８０３）は、前記入賞検出手段（８０５）によって遊技球が検出された場合であり、かつ、前記判断手段（８０２）によって前記特定収容部（１３２）が前記所定の近傍位置にあると判断された場合、前記特定収容部（１３２）の移動に応じて、前記ランプ（６００）を点灯制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【００１８】
本発明は、Ｖゾーンの位置に基づいてランプを点灯制御するようにしたので、Ｖ入賞のチャンスであるかを示唆することができ、初心者であっても興趣性を得ることができるとともに、演出効果を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】ぱちんこ遊技機を示した説明図である。
【図２】ぱちんこ遊技機の詳細な構成を示した説明図である。
【図３】Ｖ回転体の構成を示した説明図である。
【図４】Ｖ回転体のＶゾーンの位置と、駆動ギアの突起部との位置関係を示した説明図である。
【図５】Ｖゾーンおよび突起部の変形例を示した説明図である。
【図６】開閉入賞口のランプ系統を示した説明図である。
【図７】ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成を示したブロック図である。
【図８】本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示したブロック図である。
【図９】本実施の形態の概要を示したフローチャートである。
【図１０】主制御部がおこなうタイマ割込処理を示したフローチャートである。
【図１１】主制御部がおこなう始動口ＳＷ処理を示したフローチャートである。
【図１２】主制御部がおこなう特別図柄処理を示したフローチャートである。
【図１３】主制御部がおこなう当たり判定処理を示したフローチャートである。
【図１４】当たり乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。
【図１５】特１保留球を消化する際に用いられる図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。
【図１６】特２保留球を消化する際に用いられる図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。
【図１７−１】主制御部がおこなう変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
【図１７−２】特１保留球による小当たり時に用いられる長変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。
【図１７−３】特２保留球による小当たり時に用いられる短変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。
【図１８】主制御部がおこなう停止中処理を示したフローチャートである。
【図１９】主制御部がおこなう入賞役物処理を示したフローチャートである。
【図２０−１】主制御部がおこなう開閉入賞口処理を示したフローチャートである。
【図２０−２】主制御部がおこなう開閉入賞口処理を示したフローチャートである。
【図２１】ラウンド数／開放パターン設定テーブルの一例を示した説明図である。
【図２２−１】主制御部がおこなうＶゾーンＳＷ処理を示したフローチャートである。
【図２２−２】主制御部がおこなう開閉入賞口ＳＷ処理を示したフローチャートである。
【図２３】主制御部がおこなう可動体処理を示したフローチャートである。
【図２４】主制御部がおこなう大入賞口遊技処理を示したフローチャートである。
【図２５】主制御部がおこなう遊技状態設定処理を示したフローチャートである。
【図２６】主制御部がおこなう右打ち報知処理を示したフローチャートである。
【図２７】演出統括部がおこなうタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図２８−１】演出統括部がおこなうコマンド受信処理を示したフローチャートである。
【図２８−２】演出統括部がおこなうコマンド受信処理を示したフローチャートである。
【図２９】演出統括部がおこなう変動演出選択処理を示したフローチャートである。
【図３０】演出統括部がおこなう小当たり演出選択処理を示したフローチャートである。
【図３１】小当たり時の長オープニング中におこなう右打ち報知演出の一例を示した説明図である。
【図３２−１】ランプ制御部がおこなう小当たり演出中処理を示したフローチャートである。
【図３２−２】ランプ制御部がおこなう小当たり演出中処理を示したフローチャートである。
【図３３】ランプ制御部がおこなうＶゾーン位置検出処理を示したフローチャートである。
【図３４−１】遊技球がスペシャルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３４−２】遊技球がスペシャルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３５−１】遊技球がノーマルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３５−２】遊技球がノーマルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３５−３】遊技球がノーマルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３５−４】遊技球がノーマルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３６】演出統括部がおこなう小当たりエンディング演出選択処理を示したフローチャートである。
【図３７】特１保留球による小当たり終了時の演出画面の一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【００２１】
（実施の形態）
（ぱちんこ遊技機の基本構成）
まず、ぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図１は、ぱちんこ遊技機を示した説明図である。なお、本実施の形態では、いわゆる、旧第一種タイプ（デジパチタイプ）および旧第二種タイプ（ハネモノ）の複合型のぱちんこ遊技機を用いている。
【００２２】
図１において、ぱちんこ遊技機１００は、矩形形状の枠１０１を有し、この枠１０１の窓孔に対して遊技盤１０２が着脱可能に取り付けられている。遊技盤１０２の前面には、図示しないガラス枠が開閉可能に取り付けられている。また、遊技盤１０２の下部には遊技球を貯留する受け皿部１０３と、この受け皿部１０３の遊技球を発射する発射レバー１０４などが設けられている。
【００２３】
受け皿部１０３の上面には、例えば遊技者に操作をおこなわせて遊技に参加させるための演出ボタン１０５が設けられている。また、受け皿部１０３の上面には、不図示の、遊技球購入ボタン、遊技球購入取り消しボタン、受け皿部１０３内の遊技球を下方から外部に抜くための球抜きボタンなどが設けられている。遊技盤１０２の中央には、液晶表示器からなる画像表示部１０６が設けられ、演出用の画面情報が出力されるようになっている。
【００２４】
次に、ぱちんこ遊技機１００の遊技の流れについて、主要構成部とともに説明する。なお、主要構成部の詳細については、図２を用いて後述する。ぱちんこ遊技機１００は、第１始動口１１１と、第２始動口１１２と、第１特図表示部１２１と、第２特図表示部１２２と、普通図柄表示部１２３と、保留表示部１２４と、右打ち報知表示部１２５と、開閉入賞口１３０と、ゲート１４０と、電動チューリップ１４１と、大入賞口１５０とを備えている。以下の説明では、遊技手順を示した括弧書きの番号を用いて説明する。なお、この番号は、図１に記載した括弧書きの番号に対応させている。
【００２５】
（１）まず、通常遊技状態において、遊技者は、符号１７０に示すように、遊技盤１０２の左側領域または中央領域に打ち出す、いわゆる左打ちによる遊技をおこない、第１始動口１１１を狙う。（２）遊技球が第１始動口１１１に入賞すると、小当たりの抽選および大当たりの抽選を含む当たり抽選をおこない、第１特図表示部（以下「特１表示部」という）１２１を変動する。
【００２６】
特１表示部１２１に停止した当たり抽選の抽選結果を示す第１特別図柄（以下「特図１」という）がハネ１３１の開放を示す小当たり図柄である場合、所定のインターバル時間が経過した後に、（３）開閉入賞口１３０のハネ１３１を１回、例えば１．２秒開放させる。なお、ハネ１３１は本発明の開閉部材に相当する。
【００２７】
なお、当たり抽選の抽選結果としての特図１は、継続ラウンド数および時短遊技の有無を示す小当たり図柄、小当たりを経由せずに大当たりに移行する大当たり（直撃大当たり）図柄、またはハズレを示すハズレ図柄を示すようになっている。さらに、ハネ１３１の開放を示す小当たり時や直撃大当たり時の特図１には、後述する大当たりに移行した際の継続ラウンド数の情報や、大当たりが終了した後の遊技状態を時短遊技状態とするか否かの情報が含まれる。なお、画像表示部１０６には、特１表示部１２１の図柄内容に応じた演出画面が表示される。
【００２８】
ハネ１３１が開放される際に、遊技者は、符号１８０に示すように、遊技盤１０２の右側領域に打ち出す、いわゆる右打ちをおこない、遊技球を開閉入賞口１３０に入賞させる。（４）開閉入賞口１３０に入賞した遊技球が、Ｖ回転体１３３の収容部１３４のうちＶゾーン１３２、または小回転体１３５のＶゾーン１３６に入ると、（５）当たり抽選の抽選結果に対応したラウンド数、大入賞口１５０を開放させる大当たりとなる。大当たり中は、符号１８０に示す右打ちによって遊技がおこなわれる。なお、Ｖ回転体は本発明の回転体に相当し、Ｖゾーン１３２は、本発明の特定収容部に相当する。
【００２９】
なお、小当たり時の特図１が示すラウンド数には、小当たり時のハネ１３１の開放が１回のラウンド数に含まれている。大当たり終了後は、小当たり図柄が「時短無し」を示す図柄であった場合、通常遊技状態に戻り、また、小当たり図柄が「時短付き」を示す図柄であった場合、１００回の時短遊技状態に移行する。なお、１００回とは、特別図柄の変動回数に相当する。
【００３０】
また、特図１が大当たり図柄（直撃大当たり図柄）である場合、停止した特図１の図柄内容が時短付き大当たりであった場合、大当たり終了後に、１００回の時短遊技状態に移行する。なお、直撃大当たりは、小当たりを経由せず、すなわち、Ｖゾーン１３２，１３６への遊技球の通過を要することなく、大入賞口１５０を開放させる大当たりに移行する当たりである。この直撃大当たりの場合、例えば、画像表示部１０６に、「３，３，３」または「７，７，７」などの、特定の演出図柄を揃えて停止させることにより大当たりを示唆させる。
【００３１】
（６）時短遊技状態において、遊技者は、符号１８０に示す右打ちをおこない、ゲート１４０を狙う。遊技球がゲート１４０を通過すると、（７）普通図柄表示部１２３が１．５秒変動する。停止した普通図柄が当たり図柄の場合、（８）電動チューリップ１４１を１．８秒間、３回開放させる。なお、停止した普通図柄がハズレ図柄の場合、電動チューリップ１４１を開放させない。
【００３２】
遊技球が電動チューリップ１４１を介して、第１始動口１１１と離間配置されている第２始動口１１２に入賞すると、当たり抽選をおこない、（９）第２特図表示部（以下「特２表示部」という）１２２が変動する。停止した第２特別図柄（以下「特図２」という）が、ハネ１３１の開放を示す小当たり図柄である場合、所定のインターバル時間が経過した後に、（１０）開閉入賞口１３０のハネ１３１を１回、例えば１．２秒開放させる。
【００３３】
なお、ハネ１３１の開放を示す小当たり時または直撃大当たり時の特図２には、大当たりに移行した際の継続ラウンド数の情報や、大当たりが終了した後の遊技状態に時短遊技を付加するか否かの情報が含まれる。
【００３４】
（１１）小当たり中に、遊技球がハネ１３１を介して開閉入賞口１３０に入賞し、Ｖゾーン１３２，１３６に入ると、（１２）小当たり図柄に対応したラウンド数、大入賞口１５０を開放させる大当たりとなる。なお、小当たり時の特図２に示されるラウンド数には、小当たり時のハネ１３１の開放が１回のラウンド数に含まれている。
【００３５】
大当たりが終了すると、停止した特図２が時短付き大当たりを示す図柄であった場合、新たに１００回の時短遊技状態に移行する。
【００３６】
ここで、通常遊技状態において、遊技球がゲート１４０を通過した場合について補足しておく。通常遊技状態において、遊技球がゲート１４０を通過すると、普通図柄表示部１２３が４秒変動する。また、通常遊技状態において、停止した普通図柄が当たり図柄の場合、電動チューリップ１４１が０．１５秒間の開放を１回おこなう。
【００３７】
一方、時短遊技状態において、遊技球がゲート１４０を通過すると、普通図柄表示部１２３が１．５秒変動する。また、通常遊技状態において、停止した普通図柄が当たり図柄の場合、電動チューリップ１４１は１．８秒間の開放を３回おこなう。
【００３８】
このように、通常遊技状態においては普通図柄の変動時間を長くし、かつ、電動チューリップ１４１の開放時間を短くしているため、通常遊技状態における第２始動口１１２への入賞による小当たりの発生を抑え、すなわち、遊技者がゲート１４０を狙うといった不適切な遊技を抑止している。一方、時短遊技状態においては、普通図柄の変動時間を短くし、電動チューリップ１４１の開放を長くすることにより、大当たりを発生させやすくし、遊技者に出玉を獲得させるとともに、迅速な遊技を可能にしている。
【００３９】
（ぱちんこ遊技機の詳細な構成）
次に、図２を用いて、ぱちんこ遊技機１００の詳細な構成について説明する。図２は、ぱちんこ遊技機１００の詳細な構成を示した説明図である。図２において、遊技盤１０２の略中央には、開閉入賞口１３０が設けられている。開閉入賞口１３０の上部右側には、開閉自在なハネ１３１が設けられている。ハネ１３１は、右打ちによって遊技盤１０２の右側領域を通過する遊技球を捕捉する。
【００４０】
開閉入賞口１３０の内部には、Ｖ回転体１３３と、小回転体１３５と、可動体２０３とが設けられている。Ｖ回転体１３３は、ハネ１３１の開放や閉鎖にかかわらず、一定の速度で常時右回りに回転している。Ｖ回転体１３３は、外郭に複数の収容部１３４が設けられるとともに、収容部１３４のうち、例えば、等間隔に３つ、Ｖゾーン１３２が設けられている。Ｖゾーン１３２は、一定の周期にて６時の位置に移動する。６時の位置に対向する位置は、開口してあり、遊技球を収容部１３４へ導く、収容入球領域２２０になっている。
【００４１】
小当たり時にハネ１３１を介して開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球が、収容入球領域２２０を介して、６時の位置に位置するＶゾーン１３２に収容され、当該遊技球が後述するＶ入賞ＳＷによって検出されると、大当たりに移行するようになっている。一方、小当たり時に開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球が、６時の位置に位置するＶゾーン１３２を除く収容部１３４に収容されると、大当たりに移行しないようになっている。
【００４２】
可動体２０３は、ハネ１３１を介して入賞した遊技球を、スペシャルルート２０１（図中右側）、またはノーマルルート２０２（図中左側）に振り分けるように動作する。スペシャルルート２０１は、遊技球をＶゾーン１３２に到達させやすくする経路であり、本発明の特別経路に相当する。ノーマルルート２０２は、スペシャルルート２０１に比べて遊技球をＶゾーン１３２に到達させにくくする経路であり、本発明の通常経路に相当する。
【００４３】
スペシャルルート２０１を通過した遊技球は小回転体１３５に誘導される。小回転体１３５は、遊技球を収容する回転収容領域２１０を、例えば３つ備えている。３つの回転収容領域２１０のうち１つは、遊技球をＶゾーン１３６となっている。３つの回転収容領域２１０のうち２つは、ハズレとなる一般収容領域２１１になっている。すなわち、スペシャルルート２０１を通過した遊技球は、１／３程度の割合でＶゾーン１３６に入るようになっている。
【００４４】
なお、スペシャルルート２０１内には、遊技球がスペシャルルート２０１を通過したことを検出するスペシャルルートＳＷが設けられており、このＳＷによって遊技球が検出されると期待度の高い演出がおこなわれるようになっている。
【００４５】
一方、ノーマルルート２０２を通過した遊技球は開口２０５に誘導される。開口２０５に誘導された遊技球は、開口２０５から重力により落下し、収容入球領域２２０を介して、Ｖ回転体１３３のうち、６時の位置に位置する収容部１３４に収容される。このように、ノーマルルート２０２を通過した遊技球は、（Ｖゾーン１３２の数）／（収容部１３４の数）の割合でＶゾーン１３２に入るようになっており、スペシャルルート２０１を通過した遊技球に比べて、Ｖゾーン１３２に入る割合が低くなっている。
【００４６】
遊技盤１０２の右下方には、特図１の変動と表示をおこなう特１表示部１２１と、特図２の変動と表示をおこなう特２表示部１２２と、普通図柄の変動と表示をおこなう普通図柄表示部１２３と、保留球を表示する保留表示部１２４と、右打ち報知の表示をおこなう右打ち報知表示部１２５とが設けられている。特１表示部１２１および特２表示部１２２は、例えば７セグメント表示部により構成されており、表示される数字や当該数字の色により、それぞれ大当たり後の時短の有無や、継続ラウンド回数を示すようになっている。
【００４７】
保留表示部１２４は、複数のＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）からなり、第１始動口１１１に入賞した遊技球を、当たり抽選を受ける権利である特１保留球として表示する。また、保留表示部１２４は、第２始動口１１２に入賞した遊技球を、当たり抽選を受ける権利である特２保留球として表示する。右打ち報知表示部１２５は、ＬＥＤからなり、大当たり中や時短遊技中など、右打ちによって遊技がおこなわれる遊技状態にて点灯する。
【００４８】
開閉入賞口１３０の下方領域には、特１表示部１２１に表示される特図１を変動させるための第１始動口１１１が設けられている。第１始動口１１１の内部には第１始動口ＳＷが設けられており、第１始動口ＳＷにより遊技球が検出されると、特１表示部１２１の特図１を変動表示する。
【００４９】
開閉入賞口１３０の右側領域に配置されているゲート１４０の内部には、ゲートＳＷが設けられており、ゲートＳＷによって遊技球が検出されると、普通図柄表示部１２３の普通図柄を変動表示する。普通図柄表示部１２３に特定の普通図柄が停止した場合には、電動チューリップ１４１が開放される。
【００５０】
ゲート１４０の下方には、特２表示部１２２に表示される特図２を変動させるための第２始動口１１２が設けられている。第２始動口１１２の近傍には、遊技球を第２始動口１１２に誘導する、普通電動役物としての電動チューリップ１４１が設けられている。第２始動口１１２の内部には、第２始動口ＳＷが設けられており、第２始動口ＳＷにより遊技球が検出されると、特２表示部１２２の特図２が変動表示する。
【００５１】
第２始動口１１２の下方には、大入賞口１５０が設けられている。大入賞口１５０は、大当たり遊技状態のときに開放されるものであり、その内部には大入賞口ＳＷが設けられている。遊技盤１０２の最下部にはアウト口２４１が設けられている。
【００５２】
なお、ぱちんこ遊技機１００において、第１始動口１１１および第２始動口１１２の配置位置は、これに限らず、例えば、通常遊技状態において右打ちによって第１始動口１１１を狙わせる一方、時短遊技状態において左打ちによって第２始動口１１２を狙わせる構成としてもよい。具体的には、第２始動口１１２の近傍に電動チューリップ１４１を配置することを必須として、第１始動口１１１および第２始動口１１２をそれぞれ入れ替えた構成としてもよい。
【００５３】
また、第１始動口１１１の下方に第２始動口１１２を配置するようにし、右打ちや左打ちといった打ち分けをおこなわない構成としてもよい。また、大当たりは、大入賞口１５０を所定ラウンド数開放させるようにしているが、これに限らず、例えば大入賞口１５０を設けない構成とした場合には、開閉入賞口１３０のハネ１３１を所定ラウンド数開放させるようにしてもよい。さらに、ハネ１３１は、右側の一方にのみ配置した構成としているが、これに限らず、両側に配置した構成としてもよい。
【００５４】
（Ｖ回転体の構成）
次に、図３を用いて、Ｖ回転体１３３の構成について説明する。図３は、Ｖ回転体１３３の構成を示した説明図である。図３において、Ｖ回転体１３３は、駆動ギア３００に歯合連結されており、駆動ギア３００の回転が伝達されることにより、従動回転するようになっている。本実施の形態において、Ｖ回転体１３３と駆動ギア３００のギア比は１対４になっている。すなわち、Ｖ回転体１３３が１周する際に、駆動ギア３００は４周するようになっている。
【００５５】
また、Ｖ回転体１３３は、固定配置されているガイド３１１および内周支持部３１２に沿って回転する。Ｖ回転体１３３は、円盤形状の外郭領域に各々を仕切った複数の収容部１３４を有している。収容部１３４は、Ｖゾーン１３２を、等間隔に３つ備えている。Ｖゾーン１３２は、矩形状に形成されることにより底部を有し、Ｖ回転体１３３の回転に伴って、遊技球をＶ入賞排出路３３２に導くようになっている。
【００５６】
なお、不図示であるが、Ｖ入賞排出路３３２の入口には、ＶゾーンＳＷが設けられている。Ｖ入賞排出路３３２は、本発明の特定領域に相当する。なお、小回転体１３５のＶゾーン１３６に入賞した遊技球も、不図示の誘導経路を経由して、Ｖ入賞排出路３３２に排出されるようになっている。
【００５７】
一方、Ｖゾーン１３２以外の収容部１３４は、遊技球が収容されたとしても大当たりとはならないハズレゾーン３２１になっている。ハズレゾーン３２１は、Ｖゾーン１３２のように底部を有さず、すなわち、側面のみが仕切られており、Ｖ回転体１３３の回転に伴って、遊技球を一般排出路３３１に導くようになっている。すなわち、ハズレゾーン３２１は、Ｖゾーン１３２のように底部を有していないため、重力によって遊技球を一般排出路３３１に導くようになっている。
【００５８】
駆動ギア３００は、不図示の駆動モータに接続されており、駆動回転する。駆動ギア３００の一般面３０１には、突起部３０２が等間隔に３つ設けられている。すなわち、突起部３０２は、１２０°毎に配設されている。この突起部３０２は、固定配置されているセンサ３０３によって、検知される。このような構成により、駆動ギア３００が駆動回転して、突起部３０２がセンサ３０３を通過したときに、センサ３０３に内蔵されるギアスイッチ（ＳＷ）３０３ａがＯＮになることによって、突起部３０２が検知されるようになっている。
【００５９】
センサ３０３は、例えばＶ回転体１３３のＶゾーン１３２が所定の位置（３０°毎の位置）に位置したときに、３つの突起部３０２のうち、いずれか１つを検知することができる位置に配置されている。以下に、図４を用いて、Ｖ回転体１３３のＶゾーン１３２の位置と、駆動ギア３００の突起部３０２との位置関係について、説明する。
【００６０】
（Ｖ回転体のＶゾーンの位置と、駆動ギアの突起部との位置関係）
図４は、Ｖ回転体１３３のＶゾーン１３２の位置と、駆動ギア３００の突起部３０２との位置関係を示した説明図である。図４において、センサ３０３は、Ｖゾーン１３２が所定の位置に位置するときに、３つの突起部３０２のうち１つを検知できる位置に配置されている。
【００６１】
なお、ここでは、小当たり時に開閉入賞口１３０内に進入した遊技球がＶ入賞しやすいか否かに応じた演出をおこなうため、Ｖゾーン１３２が６時の位置に位置するよりも手前のチャンス位置（例えば５時の位置）に位置していることを検出するものとする。以下、Ｖゾーン１３２ａおよびＶゾーン１３２ｂの位置の検出について、詳述する。
【００６２】
Ｖ回転体１３３と駆動ギア３００のギア比は１対４になっている。このため、駆動ギア３００が１２０°回転すると、Ｖ回転体１３３は３０°回転する。図４において、Ｖゾーン１３２ａは５時の位置に位置し、センサ３０３が突起部３０２ａを検知した状態にある。この状態から、駆動ギア３００が駆動回転することにより、センサ３０３が次の突起部３０２ｂを検知した際（駆動ギア３００が１２０°回転した際）に、Ｖ回転体１３３はその１／４に相当する３０°回転する。このとき、Ｖゾーン１３２ａが６時の位置に移動するとともに、ポイント４０１が５時の位置に移動するようになっている。
【００６３】
さらに、駆動ギア３００が１２０°回転し、センサ３０３が次の突起部３０２ｃを検知したとすると、Ｖ回転体１３３はさらに３０°回転する。このとき、ポイント４０１が６時の位置に移動するとともに、ポイント４０２が５時の位置に移動する。同様に、駆動ギア３００が１２０°回転し、センサ３０３が次の突起部３０２ａを検知したとすると、Ｖ回転体１３３は３０°回転する。
【００６４】
このとき、ポイント４０２が６時の位置に移動するとともに、ポイント４０３が５時の位置に移動する。同様に、駆動ギア３００が１２０°回転し、センサ３０３が次の突起部３０２ｂを検知したとすると、Ｖ回転体１３３は３０°回転する。このとき、ポイント４０３が６時の位置に移動するとともに、Ｖゾーン１３２ｂが５時の位置に移動する。
【００６５】
なお、本実施の形態においては、センサ３０３が突起部３０２を４回検知することによって、Ｖゾーン１３２が５時の位置に位置していることを特定するようにしているが、これに限らず、例えば、センサ３０３が突起部３０２を検知する回数を変えることにより、Ｖゾーン１３２間の中間の位置（例えばポイント４０２の位置）を特定することも可能である。
【００６６】
なお、本実施の形態においては、ギア比およびＶゾーン１３２の数によって、突起部３０２を３つ配置した構成としたが、Ｖゾーン１３２および突起部３０２の数は、これに限られるものではない。Ｖゾーン１３２の数に応じた突起部３０２の数について、変形例として図５を用いて以下に補足しておく。
【００６７】
（Ｖゾーンおよび突起部の変形例）
図５は、Ｖゾーン１３２および突起部３０２の変形例を示した説明図である。図５において、Ｖ回転体５００は、Ｖゾーン１３２を等間隔に４つ備えている。駆動ギア３００は、突起部３０２を１つ備えている。Ｖ回転体５００と、駆動ギア３００とのギア比は、上述したＶ回転体１３３の場合と同様に１対４である。したがって、Ｖ回転体５００が１周するに際し、駆動ギア３００は４周する。言い換えれば、駆動ギア３００が１周する際に、Ｖ回転体５００は１／４周する。
【００６８】
駆動ギア３００のセンサ３０３は、Ｖゾーン１３２ｐが５時の位置に位置するときに、突起部３０２を検知する位置に配置されている。すなわち、駆動ギア３００が駆動回転することにより、センサ３０３が次に突起部３０２を検知した際（３６０°回転した際）に、Ｖ回転体５００はその１／４に相当する９０°回転する。このとき、Ｖゾーン１３２ｑが５時の位置に移動するようになっている。このような構成であっても、Ｖゾーン１３２の位置を特定することが可能である。すなわち、突起部３０２を、ギア比およびＶゾーン１３２の数に応じて設けることにより、Ｖゾーン１３２の位置検出が可能になっている。
【００６９】
（開閉入賞口のランプ系統）
次に、図６を用いて、開閉入賞口１３０のランプ系統について説明する。図６は、開閉入賞口１３０のランプ系統を示した説明図である。図６において、ランプ系統６００は、第１系統６０１および第２系統６０２の、複数のランプ群からなる。各系統６０１，６０２は、それぞれ複数のＬＥＤ６１０からなり、それぞれが点灯することにより、収容部１３４毎に照射することが可能になっている。ＬＥＤ６１０は、Ｖ回転体１３３の裏に配置され、例えば、遊技盤１０２に対して固定配置されている。
【００７０】
Ｖ回転体１３３は、透明の樹脂などからなり、点灯したＬＥＤ６１０の光が、Ｖ回転体１３３の裏側から遊技者に向けて、透過する。各系統６０１，６０２は、それぞれ独立して点灯制御することが可能になっている。具体的には、例えば、系統６０１のみ赤色に点灯させたり、系統６０２のみ黄色に点滅させたりすることが可能になっている。特に、第１系統６０１は、Ｖゾーン１３２の位置に応じて、５時の位置に配置されるＬＥＤ６１０から６時に位置に配置されるＬＥＤ６１０に向けて、順次、点灯および消灯するようになっている。
【００７１】
なお、本実施の形態において、Ｖゾーン１３２は、遊技盤１０２の盤面に平行方向に回転するＶ回転体１３３に設けられたものとしているが、一定の周期にて移動するものであれば、これに限らない。例えば、Ｖゾーン１３２は、遊技盤１０２の盤面に直角方向に回転する回転体に設けられたものとしてもよい。ただし、このような構成とした場合であっても、各収容部１３４を照射するようにＬＥＤ６１０を配置することを必須とする。
【００７２】
（ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成）
次に、図７を用いて、ぱちんこ遊技機１００の制御部の内部構成について説明する。図７は、ぱちんこ遊技機１００の制御部の内部構成を示したブロック図である。図７に示すように、ぱちんこ遊技機１００の制御部７００は、遊技の進行を制御する主制御部７０１と、演出内容を制御する演出制御部７０２と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部７０３とを備えている。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
【００７３】
（１．主制御部）
主制御部７０１は、ＣＰＵ７１１と、ＲＯＭ７１２と、ＲＡＭ７１３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。主制御部７０１は、ＣＰＵ７１１がＲＡＭ７１３をワークエリアとして使用しながら、ＲＯＭ７１２に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機１００の遊技の進行を制御するように機能する。具体的には、主制御部７０１は、大当たり抽選、普通図柄抽選、遊技状態の制御などをおこない、遊技の進行を制御する。なお、主制御部７０１は、主制御基板によって実現される。
【００７４】
ＣＰＵ７１１は、予めＲＯＭ７１２に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ＲＯＭ７１２には、当たり抽選プログラム、特別図柄変動プログラム、普通図柄抽選プログラム、電動チューリップ制御プログラム、開閉入賞口制御プログラム、当たり実行プログラム、遊技状態設定プログラム、右打ち報知プログラム、入賞検出プログラムなどが記憶されている。
【００７５】
当たり抽選プログラムは、第１始動口ＳＷ１１１ａ、または第２始動口ＳＷ１１２ａによって遊技球が検出されることにより、小当たりの抽選および大当たりの抽選を含む当たり抽選をおこなうプログラムである。特別図柄変動プログラムは、当たり抽選の抽選結果を特別図柄として変動／停止させるプログラムである。
【００７６】
普通図柄抽選プログラムは、ゲートＳＷ１４０ａによって遊技球が検出されることにより、電動チューリップ１４１を開放させるか否かの普通図柄抽選をおこなうプログラムである。電動チューリップ制御プログラムは、通常時では電動チューリップ１４１を閉状態とする一方、普通図柄抽選に当選した場合、所定期間、電動チューリップ１４１を開放させるプログラムである。
【００７７】
開閉入賞口制御プログラムは、当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合に、ハネ１３１を所定時間、開放させるプログラムである。なお、ハネ１３１の開放時間は１．２秒である。当たり実行プログラムは、小当たり時にハネ１３１を開放させたり、小当たり時にＶ入賞した場合や、当たり抽選の抽選結果が大当たりの場合に、所定ラウンド数、大入賞口１５０を開放させたりするプログラムである。
【００７８】
遊技状態設定プログラムは、当たり抽選の抽選結果に応じて、大当たり後に、時短遊技状態または通常遊技状態を設定するプログラムである。時短遊技状態は、電動チューリップ１４１を開放しやすくした電チューサポート機能が付加され、右打ちによって遊技がおこなわれる遊技状態である。電チューサポート機能とは、普通図柄の変動時間が短く設定され、さらに、普通図柄抽選の当選時における電動チューリップ１４１の開放時間が長く設定される機能である。時短遊技状態は、時短付き大当たり終了後に設定される遊技状態である。
【００７９】
通常遊技状態は、電チューサポート機能が付加されない遊技状態であり、すなわち、電動チューリップ１４１を開放させにくくした遊技状態である。通常遊技状態では、主に左打ちによって遊技がおこなわれる。通常遊技状態は、通常大当たり終了後、または時短遊技状態にて所定の変動回数が終了した後に設定される遊技状態である。右打ち報知プログラムは、小当たり中、大当たり中、および時短遊技状態中に、右打ち報知表示部１２５を点灯させるプログラムである。入賞検出プログラムは、開閉入賞口ＳＷ１３０ａによって開閉入賞口１３０内への遊技球の入賞を検出するプログラムである。
【００８０】
主制御部７０１には、遊技球を検出する各種スイッチ（ＳＷ）、開閉入賞口１３０などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の特１表示部１２１、特２表示部１２２、普通図柄表示部１２３などが接続される。
【００８１】
具体的に、主制御部７０１に接続される上記の各種ＳＷとしては、第１始動口ＳＷ１１１ａと、第２始動口ＳＷ１１２ａと、開閉入賞口ＳＷ１３０ａと、ＶゾーンＳＷ１３２ａと、ゲートＳＷ１４０ａと、大入賞口ＳＷ１５０ａとがある。第１始動口ＳＷ１１１ａは、第１始動口１１１へ入賞した遊技球を検出する。第２始動口ＳＷ１１２ａは、第２始動口１１２へ入賞した遊技球を検出する。
【００８２】
開閉入賞口ＳＷ１３０ａは、開閉入賞口１３０へ入賞した遊技球を検出する。ゲートＳＷ１４０ａは、ゲート１４０を通過した遊技球を検出する。ＶゾーンＳＷ１３２ａは、Ｖゾーン１３２，１３６に収容され、Ｖ入賞排出路３３２を通過した遊技球を検出する。大入賞口ＳＷ１５０ａは、大入賞口１５０へ入賞した遊技球を検出する。それぞれのスイッチによる検出結果は主制御部７０１へ入力される。これらのスイッチには、近接スイッチなどが用いられる。
【００８３】
また、上記のソレノイドとしては、ハネソレノイド１３１ａと、電動チューリップソレノイド（図中、電チューソレノイド）１４１ａと、大入賞口ソレノイド１５０ｂとがある。ハネソレノイド１３１ａは、開閉入賞口１３０のハネ１３１を開閉動作させる。電動チューリップソレノイド１４１ａは、電動チューリップ１４１を開閉動作させる。大入賞口ソレノイド１５０ｂは、大入賞口１５０を開閉動作させる。
【００８４】
主制御部７０１は、それぞれのソレノイドに対する駆動を制御する。例えば、主制御部７０１は、大当たり抽選の抽選結果が小当たりの場合、ハネソレノイド１３１ａの駆動を制御する。また、主制御部７０１は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド１４１ａの駆動を制御する。さらに、主制御部７０１は、大当たり抽選の抽選結果、および遊技球のＶ入賞に基づいて、大入賞口ソレノイド１５０ｂの駆動を制御する。
【００８５】
また、主制御部７０１は、当たり抽選や普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、特１表示部１２１、特２表示部１２２、普通図柄表示部１２３の表示内容を制御する。特１表示部１２１は、第１始動口１１１に入賞した遊技球に対する当たり抽選の抽選結果を特図１として変動表示し、所定期間経過後に停止表示する。
【００８６】
同様に、特２表示部１２２は、第２始動口１１２に入賞した遊技球に対する当たり抽選の抽選結果を特図２として変動表示し、所定期間経過後に停止表示する。普通図柄表示部１２３は、ゲート１４０を通過した遊技球に対する普通図柄抽選をおこなって、普通図柄を変動表示し、所定期間経過後に停止表示する。
【００８７】
また、主制御部７０１は、特１保留表示部１２４ａと、特２保留表示部１２４ｂと、普図保留表示部１２４ｃとに接続されている。特１保留表示部１２４ａは、第１始動口１１１に入賞した遊技球を、当たり抽選を受けるための権利である特１保留球として表示する。特２保留表示部１２４ｂは、第２始動口１１２に入賞した遊技球を、当たり抽選を受けるための権利である特２保留球として表示する。普図保留表示部１２４ｃは、ゲート１４０を通過した遊技球を、普通図柄抽選を受けるための権利である普図保留球として表示する。
【００８８】
また、主制御部７０１は、右打ち報知表示部１２５に接続されている。右打ち報知表示部１２５は、大当たり中や時短遊技中など、右打ちによって遊技がおこなわれる遊技状態において、右打ちを促すための点灯表示をおこなう。
【００８９】
さらに、主制御部７０１は、Ｖ回転体１３３と、小回転体１３５と、可動体２０３と、に接続され、各部の動作を制御する。また、主制御部７０１は、演出制御部７０２および賞球制御部７０３にも接続され、それぞれの制御部に対して各種コマンドを出力する。例えば、主制御部７０１は、演出制御部７０２に対しては変動開始コマンド、変動停止コマンド、大当たり開始コマンドなどの演出コマンドを出力する。また、主制御部７０１は、賞球制御部７０３に対しては賞球コマンドを出力する。なお、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数を示す情報などが含まれている。
【００９０】
（２．演出制御部）
演出制御部７０２は、演出統括部７０２ａと、画像・音声制御部７０２ｂと、ランプ制御部７０２ｃとによって構成され、ぱちんこ遊技機１００の演出内容を制御する機能を有する。演出統括部７０２ａは、主制御部７０１から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部７０２全体を統括する。画像・音声制御部７０２ｂは、演出統括部７０２ａからの指示内容に基づいて画像および音声の制御をおこなう。また、ランプ制御部７０２ｃは、枠１０１および遊技盤１０２などに設けられたランプの点灯を制御する。
【００９１】
（２−１．演出統括部）
まず、演出統括部７０２ａの構成について説明する。演出統括部７０２ａは、ＣＰＵ７２１と、ＲＯＭ７２２と、ＲＡＭ７２３と、リアルタイムクロック（以下「ＲＴＣ」という）７２４と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。
【００９２】
ＣＰＵ７２１は、予めＲＯＭ７２２に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容を決定する処理を実行する。ＲＯＭ７２２には、ＣＰＵ７２１が上記の処理を実行するために必要となる演出実行プログラムなどの各種プログラムなどが記憶されている。ＲＡＭ７２３は、ＣＰＵ７２１のワークエリアとして機能するとともに、演出内容を示すデータなどが記憶されている。
【００９３】
演出実行プログラムは、ランプ制御部７０２ｃによってＶゾーン１３２が収容入球領域２２０に対向して開閉入賞口１３０と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置（チャンス位置）にある場合、大当たりへの期待度が高い旨を示すチャンス演出をおこなうプログラムである。
【００９４】
ＲＴＣ７２４は、実時間を計時出力する。ＲＴＣ７２４は、ぱちんこ遊技機１００の電源が遮断されているときもバックアップ電源（不図示）により計時動作を継続する。また、演出統括部７０２ａには、演出ボタン１０５が接続され、遊技者による操作入力を受け付ける。
【００９５】
（２−２．画像・音声制御部）
次に、画像・音声制御部７０２ｂの構成について説明する。画像・音声制御部７０２ｂは、ＣＰＵ７３１と、ＲＯＭ７３２と、ＲＡＭ７３３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。
【００９６】
ＣＰＵ７３１は、画像および音声の生成および出力処理を実行する。ＲＯＭ７３２には、画像および音声の生成および出力処理のためのプログラム、当該処理に必要となる背景画像・図柄画像・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。ＲＡＭ７３３は、ＣＰＵ７３１のワークエリアとして機能し、画像表示部１０６に表示させる画像データやスピーカ７３５から出力させる音声データが一時的に格納される。
【００９７】
すなわち、画像・音声制御部７０２ｂは、ＣＰＵ７３１がＲＡＭ７３３をワークエリアとして使用しながら、ＲＯＭ７３２に記憶された各種プログラムを実行することによって、演出統括部７０２ａからの指示に基づいて画像および音声の制御をおこなうように機能する。
【００９８】
例えば、ＣＰＵ７３１は、演出統括部７０２ａから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、演出図柄変動／停止表示処理、キャラクタ画像表示処理、文字画像表示処理などの各種画像処理と音声処理とを実行する。このときには、ＣＰＵ７３１は、処理に必要な画像データおよび音声データをＲＯＭ７３２から読み出してＲＡＭ７３３に書き込む。
【００９９】
ＲＡＭ７３３に書き込まれた背景画像や演出図柄画像などの画像データは、画像・音声制御部７０２ｂに接続された画像表示部１０６に対して出力され、画像表示部１０６の表示画面上に表示される。また、ＲＡＭ７３３に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部７０２ｂに接続されたスピーカ７３５に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ７３５から出力される。
【０１００】
（２−３．ランプ制御部）
次に、ランプ制御部７０２ｃの構成について説明する。ランプ制御部７０２ｃは、ＣＰＵ７４１と、ＲＯＭ７４２と、ＲＡＭ７４３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。ランプ制御部７０２ｃは、盤ランプ７４５と、枠ランプ７４６と、可動役物７４７と、ギアＳＷ３０３ａと、駆動モータ３００ａと、スペシャルルートＳＷ（図中ＳＰルートＳＷ）２０１ａと、ランプ系統６００とに接続されている。
【０１０１】
ＣＰＵ７４１は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ＲＯＭ７４２には、位置検出プログラム、経路判定プログラム、収容判断プログラム、演出実行プログラム、ランプ演出プログラムなどの各種プログラムや、各種処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。ＲＡＭ７４３は、ＣＰＵ７４１のワークエリアとして機能する。
【０１０２】
位置検出プログラムは、ギアＳＷ３０３ａの検出結果を用いて、Ｖ回転体１３３に設けられるＶゾーン１３２の位置を検出するプログラムである。なお、図４を用いて上述した通り、センサ３０３が突起部３０２を４回検知する度に、Ｖゾーン１３２の位置を検出する。経路判定プログラムは、スペシャルルートＳＷ２０１ａの検出結果に基づいて、小当たり中に開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球が通過した経路を判定するプログラムである。
【０１０３】
収容判断プログラムは、小当たり時に、Ｖゾーン１３２の位置に基づいて、Ｖゾーン１３２が収容入球領域２２０に対向して開閉入賞口１３０と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断するプログラムである。ランプ演出プログラムは、Ｖゾーン１３２が上記所定の近傍位置にある場合、ランプ系統６００を点灯制御するプログラムである。
【０１０４】
また、ランプ制御部７０２ｃは、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部７０２ｃは、盤ランプ７４５や枠ランプ７４６の点灯、可動役物７４７や駆動モータ３００ａの動作を制御する。
【０１０５】
演出制御部７０２は、演出統括部７０２ａと画像・音声制御部７０２ｂとランプ制御部７０２ｃとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
【０１０６】
（３．賞球制御部）
次に、賞球制御部７０３の構成について説明する。賞球制御部７０３は、ＣＰＵ７５１と、ＲＯＭ７５２と、ＲＡＭ７５３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。ＣＰＵ７５１は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ＲＯＭ７５２には、当該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。ＲＡＭ７５３は、ＣＰＵ７５１のワークエリアとして機能する。
【０１０７】
また、賞球制御部７０３は、払出部（払出駆動モータ）７５７と、払出球検出ＳＷ７５８ａと、球有り検出ＳＷ７５８ｂと、満タン検出ＳＷ７５８ｃと、発射部７５９とに接続される。
【０１０８】
賞球制御部７０３は、払出部７５７に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部７５７は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部７０３は、払出部７５７に対して各入賞口（第１始動口１１１、第２始動口１１２、開閉入賞口１３０、大入賞口１５０）に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
【０１０９】
また、賞球制御部７０３は、発射部７５９に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部７５９は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部７０３は、発射部７５９のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤１０２の遊技領域に遊技球を送り出す。
【０１１０】
また、この賞球制御部７０３には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、払出球検出ＳＷ７５８ａ、球有り検出ＳＷ７５８ｂ、満タン検出ＳＷ７５８ｃなどがある。例えば、賞球制御部７０３は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
【０１１１】
また、主制御部７０１には、盤用外部情報端子基板７６０が接続されており、主制御部７０１が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部７０３についても、枠用外部情報端子基板７７０が接続されており、賞球制御部７０３が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
【０１１２】
上記構成の主制御部７０１と、演出制御部７０２と、賞球制御部７０３とは、それぞれ異なるプリント基板（主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板）に設けられるが、これに限らず、例えば、賞球制御部７０３は、主制御部７０１と同一のプリント基板上に設けることもできる。
【０１１３】
（本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成）
次に、図８を用いて、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機１００の機能的構成について説明する。図８は、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機１００の機能的構成を示したブロック図である。図８において、ぱちんこ遊技機１００の演出制御部７０２は、位置検出部８０１と、判断部８０２と、ランプ演出部８０３と、経路判定部８０４と、を備えている。
【０１１４】
位置検出部８０１は、Ｖゾーン１３２の位置を検出する。本実施の形態において、位置検出部８０１は、図４を用いて上述した通り、センサ３０３が突起部３０２を４回検知する度に、Ｖゾーン１３２の位置を検出するが、これに限られるものではない。
【０１１５】
判断部８０２は、小当たり時に、位置検出部８０１によるＶゾーン１３２の検出結果を用いて、Ｖゾーン１３２が収容入球領域２２０に対向して開閉入賞口１３０と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断する。Ｖゾーン１３２が上記所定の近傍位置にあるとは、具体的には、Ｖゾーン１３２が図４に示した５時の位置付近に位置する、チャンス位置に位置していることである。
【０１１６】
本実施の形態においては、Ｖゾーン１３２が５時の位置にある場合（例えばＶ入賞の確率が１／２程度の場合）に、所定の近傍位置（チャンス位置）にあるものと判断するようにしているが、これに限らず、Ｖゾーン１３２が４〜６時の位置にある場合に、チャンス位置にあるものと判断するようにしてもよい。
【０１１７】
言い換えると、本実施の形態では、チャンス位置にあるとは、例えば、１／２程度の確率をもって、Ｖゾーン１３２に遊技球が収容される可能性があることとしているが、これに限らず、遊技者から見て明らかにＶ入賞しない場合を除いて、チャンス位置にあるものとしてもよい。また、スペシャルルート２０１を通過した場合と同程度の確率をもって、すなわち１／３割程度の確率をもって、チャンス位置にあるものとしてもよい。
【０１１８】
ランプ演出部８０３は、判断部８０２によるＶゾーン１３２の位置の判断結果に基づいて、ランプ系統６００を点灯制御する。特に、ランプ演出部８０３は、判断部８０２によってＶゾーン１３２がチャンス位置にあると判断された場合、Ｖ回転体１３３の回転に伴うＶゾーン１３２の移動に応じて、Ｖゾーン１３２を照射するように、ランプ系統６００を点灯制御する。
【０１１９】
例えば、ランプ系統の第１系統６０１に属するＬＥＤ６１０を点灯制御する。具体的には、５時の位置に配置されるＬＥＤ６１０から６時の位置に配置されるＬＥＤ６１０を順次点灯させる。なお、ＬＥＤ６１０の点灯態様、点灯色などは、任意であり、これに限られるものではなく、第２系統６０２を用いて点灯制御してもよい。
【０１２０】
また、経路判定部８０４は、小当たり中に開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球が通過した経路を判定する。具体的には、経路判定部８０４は、スペシャルルートＳＷ２０１ａによって遊技球が検出された場合、遊技球がスペシャルルート２０１を通過したものと判定し、スペシャルルートＳＷ２０１ａによって遊技球が検出されない場合、ノーマルルート２０２を通過したものと判定する。
【０１２１】
なお、本実施の形態において、遊技球の通過した経路の判定は、スペシャルルート２０１に配置したスペシャルルートＳＷ２０１ａを用いたが、これに限らず、ノーマルルート２０２に検出用のＳＷを配置し、このＳＷを用いるようにしてもよい。
【０１２２】
判断部８０２は、経路判定部８０４によって遊技球の通過した経路がノーマルルート２０２であると判定された場合、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にあるか否かを判断する。ランプ演出部８０３は、遊技球がノーマルルート２０２を通過し、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にある場合に、第１系統６０１のＬＥＤ６１０を点灯制御する。
【０１２３】
入賞検出部８０５は、開閉入賞口ＳＷ１３０ａを用いて、開閉入賞口１３０内への遊技球の入賞を検出する。判断部８０２は、入賞検出部８０５によって遊技球が検出された場合、位置検出部８０１によるＶゾーン１３２の検出結果を用いて、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にあるか否かを判断する。
【０１２４】
ランプ演出部８０３は、入賞検出部８０５によって遊技球が検出された場合であり、かつ、判断部８０２によってＶゾーン１３２がチャンス位置にあると判断された場合、Ｖゾーン１３２の移動に応じて、第１系統６０１のＬＥＤ６１０を点灯制御する。
【０１２５】
なお、位置検出部８０１と、判断部８０２と、ランプ演出部８０３と、経路判定部８０４とは、ランプ制御部７０２ｃのＣＰＵ７４１によって実現される。すなわち、ＣＰＵ７４１がＲＯＭ７４２に記憶される、位置検出プログラム、収容判断プログラム、ランプ演出プログラム、経路判定プログラムなどの各種プログラムを実行することにより各部の機能を実現する。入賞検出部８０５は、主制御部７０１のＣＰＵ７１１によって実現される。すなわち、ＣＰＵ７１１が入賞検出プログラムを実行することにより入賞検出部８０５の機能を実現する。
【０１２６】
（本実施の形態の概要）
次に、図９を用いて、本実施の形態の概要について説明する。図９は、本実施の形態の概要を示したフローチャートである。図９において、演出制御部７０２は、小当たりであるか否かを判定する（ステップＳ９０１）。小当たりではない場合（ステップＳ９０１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。小当たりである場合（ステップＳ９０１：Ｙｅｓ）、Ｖゾーン１３２が５時の位置付近にあるチャンス位置であるか否かを判定する（ステップＳ９０２）。
【０１２７】
Ｖゾーン１３２がチャンス位置ではない場合（ステップＳ９０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。Ｖゾーン１３２がチャンス位置である場合（ステップＳ９０２：Ｙｅｓ）、ランプ系統６００のうち、第１系統６０１の所定のＬＥＤ６１０を点灯させるチャンス点灯処理を実行し（ステップＳ９０３）、処理を終了する。
【０１２８】
（タイマ割込処理）
次に、図１０を用いて、主制御部７０１がおこなうタイマ割込処理について説明する。図１０は、主制御部７０１がおこなうタイマ割込処理を示したフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、電源供給期間中、所定期間（例えば４ｍｓ）毎に主制御部７０１が実行する主制御処理に割り込み動作する処理である。
【０１２９】
図１０において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、乱数更新処理をおこなう（ステップＳ１００１）。乱数更新処理では、大当たり乱数、図柄乱数などをそれぞれ、例えば＋１して、各乱数の更新をおこなう処理である。
【０１３０】
この後、第１始動口１１１、第２始動口１１２などの入賞口や、ゲート１４０などに遊技球が入賞した際におこなうスイッチ処理をおこなう（ステップＳ１００２）。スイッチ処理には、ゲートＳＷ処理や図１１を用いて後述する始動口ＳＷ処理、図２２−１を用いて後述するＶゾーンＳＷ処理、図２２−２を用いて後述する開閉入賞口ＳＷ処理などがある。
【０１３１】
この後、図柄処理をおこなう（ステップＳ１００３）。図柄処理には、普通図柄処理や、図１２を用いて後述する特別図柄処理などがある。さらに、電動役物処理をおこなう（ステップＳ１００４）。電動役物処理には、図１９を用いて後述する入賞役物処理や可動役物の動作を制御する処理などがある。この後、賞球処理をおこなう（ステップＳ１００５）。
【０１３２】
そして、遊技者に右打ちをおこなわせる旨を報知する右打ち報知処理をおこなう（ステップＳ１００６）。右打ち報知処理の詳細については、図２６を用いて後述する。この後、これらの出力処理をおこなう（ステップＳ１００７）。
【０１３３】
（始動口ＳＷ処理）
次に、図１１を用いて、図１０のステップＳ１００２に示したスイッチ処理に含まれる始動口ＳＷ処理について説明する。図１１は、主制御部７０１がおこなう始動口ＳＷ処理を示したフローチャートである。
【０１３４】
図１１において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、第１始動口１１１の第１始動口ＳＷ１１１ａがＯＮであるか否かの判定をおこない（ステップＳ１１０１）、第１始動口ＳＷ１１１ａがＯＮではない場合（ステップＳ１１０１：Ｎｏ）、ステップＳ１１０７に移行する。第１始動口ＳＷ１１１ａがＯＮである場合（ステップＳ１１０１：Ｙｅｓ）、第１始動口ＳＷ１１１ａの検知回数をカウントした第１始動口検知カウンタのカウント値Ｕ１が、「４」より小さいか否かの判定をおこなう（ステップＳ１１０２）。
【０１３５】
カウント値Ｕ１が「４」である場合（ステップＳ１１０２：Ｎｏ）、ステップＳ１１０７に移行する。カウント値Ｕ１が「４」より小さい場合（ステップＳ１１０２：Ｙｅｓ）、カウント値Ｕ１に「１」を加算する（ステップＳ１１０３）。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をＲＡＭ７１３に記憶する（ステップＳ１１０４）。なお、乱数は、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数などである。当たり乱数は、大当たり、小当たり、またはハズレのいずれかを決定するものであり、例えば「０」〜「３９９」の４００個の乱数から一つの当たり乱数が無作為に取得される。
【０１３６】
図柄乱数は、当たりの種類（時短遊技の有無）を決定するものであり、例えば「０」〜「２４９」の２５０個の乱数から一つの図柄乱数が無作為に取得される。リーチ乱数は、当たり抽選の抽選結果がハズレである場合に、リーチの有無を決定するものであり、例えば「０」〜「２４９」の２５０個の乱数から一つのリーチ乱数が無作為に取得される。変動パターン乱数は、変動パターンを決定するものであり、例えば「０」〜「９９」の１００個の乱数から一つの変動パターン乱数が無作為に取得される。
【０１３７】
この後、始動入賞したタイミングにて、当たり判定やリーチ判定などを事前におこなう事前判定処理を実行し（ステップＳ１１０５）、第１始動口１１１への遊技球の入賞により特１保留球数が増加した旨を示す特１保留球数増加コマンドをセットする（ステップＳ１１０６）。
【０１３８】
ステップＳ１１０７では、第２始動口１１２の第２始動口ＳＷ１１２ａがＯＮであるか否かの判定をおこない（ステップＳ１１０７）、第２始動口ＳＷ１１２ａがＯＦＦである場合（ステップＳ１１０７：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。また、第２始動口ＳＷ１１２ａがＯＮである場合（ステップＳ１１０７：Ｙｅｓ）、第２始動口ＳＷ１１２ａの検知回数をカウントした第２始動口検知カウンタのカウント値Ｕ２が、「４」より小さいか否かの判定をおこなう（ステップＳ１１０８）。
【０１３９】
カウント値Ｕ２が「４」である場合（ステップＳ１１０８：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。カウント値Ｕ２が「４」より小さい場合（ステップＳ１１０８：Ｙｅｓ）、カウント値Ｕ２に「１」を加算する（ステップＳ１１０９）。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をＲＡＭ７１３に記憶する（ステップＳ１１１０）。
【０１４０】
ステップＳ１１１０の処理の後、事前判定処理をおこない（ステップＳ１１１１）、第２始動口１１２への遊技球の入賞により特２保留球数が増加した旨を示す特２保留球数増加コマンドをセットし（ステップＳ１１１２）、処理を終了する。
【０１４１】
（特別図柄処理）
次に、図１２を用いて、図１０のステップＳ１００３に示した図柄処理に含まれる特別図柄処理について説明する。図１２は、主制御部７０１がおこなう特別図柄処理を示したフローチャートである。この特別図柄処理は、処理内容である。
【０１４２】
図１２において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、当たり遊技フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ１２０１）。当たり遊技フラグは、ステップＳ１２１４に示す停止中処理において、設定されるフラグであり、具体的には、停止している特別図柄が大当たりを示す大当たりフラグ、または小当たりを示す小当たりフラグが挙げられる。
【０１４３】
当たり遊技フラグがＯＮであれば（ステップＳ１２０１：Ｙｅｓ）、そのまま処理を終了する。当たり遊技フラグがＯＦＦであれば（ステップＳ１２０１：Ｎｏ）、特別図柄が変動中であるか否かを判定し（ステップＳ１２０２）、特別図柄が変動中である場合（ステップＳ１２０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ１２１１に移行する。特別図柄が変動中ではない場合（ステップＳ１２０２：Ｎｏ）、第２始動口１１２への入賞による特２保留球数を示す、第２始動口検知カウンタのカウント値Ｕ２が「１」以上であるか否かを判定する（ステップＳ１２０３）。
【０１４４】
カウント値Ｕ２が「１」以上である場合（ステップＳ１２０３：Ｙｅｓ）、カウント値Ｕ２を「１」減算したものを新たな特２保留球数とし（ステップＳ１２０４）、ステップＳ１２０７に移行する。ステップＳ１２０３において、カウント値Ｕ２が「１」以上ではない場合（ステップＳ１２０３：Ｎｏ）、すなわち「Ｕ２＝０」の場合、第１始動口１１１への入賞による特１保留球数としての第１始動口検知カウンタのカウント値Ｕ１が「１」以上であるか否かを判定する（ステップＳ１２０５）。
【０１４５】
カウント値Ｕ１が「１」以上ではない場合（ステップＳ１２０５：Ｎｏ）、すなわち「Ｕ１＝０」の場合、そのまま処理を終了する。カウント値Ｕ１が「１」以上である場合（ステップＳ１２０５：Ｙｅｓ）、カウント値Ｕ１を「１」減算したものを新たな特１保留球数とし（ステップＳ１２０６）、ステップＳ１２０７に移行する。
【０１４６】
ステップＳ１２０７では、当たり判定処理をおこなう（ステップＳ１２０７）。当たり判定処理は、詳細については図１３を用いて後述するが、遊技球が第１始動口１１１または第２始動口１１２に入賞した際に取得された当たり乱数が、予め設定される当たり乱数に一致するか否かを判定する処理である。
【０１４７】
なお、ステップＳ１２０３〜ステップＳ１２０６に示したように、第１始動口１１１への入賞による特１保留球よりも、第２始動口１１２への入賞による特２保留球を優先して消化するようにしている。この後、変動パターン選択処理をおこなう（ステップＳ１２０８）。この変動パターン選択処理は、当たり判定処理の判定結果に応じて、特別図柄の変動パターンを選択する処理であり、詳細については図１７−１を用いて後述する。
【０１４８】
この後、変動開始コマンドをＲＡＭ７１３にセットする（ステップＳ１２０９）。さらに、特別図柄の変動を開始する（ステップＳ１２１０）。そして、変動パターン選択処理によって選択された変動時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ１２１１）。変動時間が経過していない場合には（ステップＳ１２１１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０１４９】
変動時間が経過した場合には（ステップＳ１２１１：Ｙｅｓ）、変動停止コマンドをセットし（ステップＳ１２１２）、特別図柄の変動を停止する（ステップＳ１２１３）。この後、停止中処理を実行し（ステップＳ１２１４）、処理を終了する。なお、停止中処理は、詳細については図１８を用いて後述するが、停止している特別図柄が当たりを示すものである場合に当たりフラグを設定したり、時短遊技状態を示す時短フラグを残余回数に応じてＯＦＦにしたりする処理である。
【０１５０】
（当たり判定処理）
次に、図１３を用いて、図１２のステップＳ１２０７に示した当たり判定処理の詳細について説明する。図１３は、主制御部７０１がおこなう当たり判定処理を示したフローチャートである。
【０１５１】
図１３において、当たり判定処理は、始動口ＳＷ処理（図１１参照）にて取得した当たり乱数を基に、大当たりまたは小当たりか否かの当たり乱数判定処理をおこなう（ステップＳ１３０１）。なお、当たり乱数判定処理では、図１４を用いて後述する当たり乱数判定テーブルが用いられる。そして、当たり乱数判定処理の判定結果が大当たり（直撃大当たり）であるか否かを判定する（ステップＳ１３０２）。
【０１５２】
直撃大当たりである場合（ステップＳ１３０２：Ｙｅｓ）、直撃大当たりの継続ラウンド数や時短遊技の有無など大当たりの種別を判定する図柄乱数判定処理をおこなう（ステップＳ１３０３）。なお、この図柄乱数判定処理では、図１５および図１６を用いて後述する図柄乱数判定テーブルが用いられる。この後、直撃大当たり図柄をセットし（ステップＳ１３０４）、処理を終了する。
【０１５３】
ステップＳ１３０２において、直撃大当たりではない場合（ステップＳ１３０２：Ｎｏ）、小当たりであるか否かを判定する（ステップＳ１３０５）。小当たりである場合（ステップＳ１３０５：Ｙｅｓ）、大当たり移行後の継続ラウンド数や時短遊技の有無など小当たりの種別を判定する図柄乱数判定処理をおこなう（ステップＳ１３０６）。なお、この図柄乱数判定処理では、図１５および図１６を用いて後述する図柄乱数判定テーブルが用いられる。
【０１５４】
この後、小当たり図柄をセットし（ステップＳ１３０７）、処理を終了する。ステップＳ１３０５において、小当たりではない場合（ステップＳ１３０５：Ｎｏ）、ハズレ図柄をセットし（ステップＳ１３０８）、処理を終了する。
【０１５５】
（当たり乱数判定テーブルの一例）
次に、図１４を用いて、図１３のステップＳ１３０１に示した、当たり乱数判定処理にて用いられる当たり乱数判定テーブルについて説明する。図１４は、当たり乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。図１４において、当たり乱数判定テーブル１４００は、当たり種別１４０１と、始動口種別１４０２と、範囲１４０３と、割合１４０４と、乱数値１４０５とからなる。
【０１５６】
当たり種別１４０１は、大当たり（直撃大当たり）または小当たりの当たりの種別を示したものである。始動口種別１４０２は、遊技球が入賞した始動口の種別を示しており、具体的には、第１始動口１１１と、第２始動口１１２とからなる。範囲１４０３は、取得した乱数の取り得る値であり、「０〜３９９」の４００個ある。割合１４０４は、乱数値１４０５の個数を範囲１４０３の個数で除したものであり、すなわち、大当たりまたは小当たりが選択される確率を示したものである。
【０１５７】
当たり乱数判定テーブル１４００において、当たり種別１４０１のうち大当たりは、始動口種別１４０２にかかわらず、「１／４００」の割合１４０４で当選することを示している。また、小当たりは、第１始動口１１１への入賞による場合、「１／４００」の割合１４０４で当選することを示している。さらに、小当たりは、第２始動口１１２への入賞による場合、「３９９／４００」の割合１４０４で当選することを示している。なお、取得した乱数が、乱数値１４０５に記載されていない値であった場合、例えば、第１始動口１１１への入賞により取得した乱数が「３」および「７」を除く数値であった場合、ハズレとなる。
【０１５８】
このように、第１始動口１１１への入賞による遊技球に対して、小当たりの当選確率と、大当たりの当選確率とが同程度になっており、遊技者にとって小当たりに対する期待感は高いものとなっている。また、当たり乱数判定では、第２始動口１１２への入賞に基づく当たり乱数判定の方が、第１始動口１１１への入賞に基づく当たり乱数判定よりも、小当たりが容易に発生するようになっている。
【０１５９】
（図柄乱数判定テーブルの一例）
次に、図１５および図１６を用いて、図柄乱数判定テーブルについて説明する。図１５は、特１保留球を消化する際に用いられる図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。図１５において、図柄乱数判定テーブル１５００は、図１３のステップＳ１３０３またはステップＳ１３０６に示した図柄乱数判定処理にて用いられるテーブルであり、すなわち、当たり乱数判定の結果、大当たり、または小当たりに当選した場合に用いられるテーブルである。
【０１６０】
図柄乱数判定テーブル１５００は、図柄１５０１と、当たり種別１５０２と、範囲１５０３と、割合１５０４と、乱数値１５０５とからなる。図柄１５０１は、大当たり、または小当たりの内容を示したものである。当たり種別１５０２は、大当たり、または小当たりからなる。当たり種別１５０２が小当たりの場合、図柄１５０１に示すラウンド数には、小当たり時のハネ１３１の開放が１ラウンドとして含まれている。
【０１６１】
すなわち、Ｖ入賞により大当たりに移行した場合の大入賞口１５０を開放させるラウンド数は、実質的には、図柄１５０１に示すラウンド数よりも「１」少ないラウンド数となる。一方、当たり種別１５０２が大当たりの場合、図柄１５０１に示すラウンド数は、大入賞口１５０を開放させる回数に相当する。
【０１６２】
範囲１５０３は、取得した乱数の取り得る範囲を示しており、例えば、「０〜２４９」の２５０個ある。割合１５０４は、乱数値１５０５の個数を範囲１５０３の個数で除したものであり、当選確率を示している。図柄乱数判定テーブル１５００において、当たり種別１５０２が大当たりの場合、図柄１５０１に示す「１５ラウンド時短図柄」および「１５ラウンド通常図柄」が選択される割合１５０４は、それぞれ「１２５／２５０」になっている。
【０１６３】
また、図柄乱数判定テーブル１５００において、当たり種別１５０２が小当たりの場合、図柄１５０１に示す「１６ラウンド時短図柄」が選択される割合１５０４は、「１２５／２５０」になっている。また、図柄１５０１に示す「１６ラウンド通常図柄」が選択される割合１５０４は、「１２５／２５０」になっている。
【０１６４】
図１６は、特２保留球を消化する際に用いられる図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。図１６において、図柄乱数判定テーブル１６００は、図１３のステップＳ１３０３またはステップＳ１３０６に示した図柄乱数判定処理にて用いられるテーブルであり、すなわち、当たり乱数判定の結果、大当たり、または小当たりに当選した場合に用いられるテーブルである。
【０１６５】
図柄乱数判定テーブル１６００において、当たり種別１５０２が大当たりの場合、図柄１５０１に示す「１５ラウンド時短図柄」が選択される割合１５０４は、「１８７／２５０」になっている。すなわち、いわゆる時短継続率が７５％程度になっている。「１５ラウンド通常図柄」が選択される割合１５０４は、「６３／２５０」になっている。
【０１６６】
また、図柄乱数判定テーブル１６００において、当たり種別１５０２が小当たりの場合、図柄１５０１に示す「１６ラウンド時短図柄」が選択される割合１５０４は、「１８７／２５０」になっている。また、図柄１５０１に示す「１６ラウンド通常図柄」が選択される割合１５０４は、「６３／２５０」になっている。
【０１６７】
このように、図柄乱数判定では、第２始動口１１２への入賞に基づく図柄乱数判定の方が、第１始動口１１１への入賞に基づく図柄乱数判定よりも、時短付き大当たりが発生しやすくなっている。
【０１６８】
（変動パターン選択処理）
次に、図１７−１を用いて、特別図柄処理にて示した変動パターン選択処理（図１２のステップＳ１２０８参照）について説明する。図１７−１は、主制御部７０１がおこなう変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
【０１６９】
図１７−１において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、当たり判定処理の結果、大当たりであるか否かを判定する（ステップＳ１７０１）。大当たりである場合（ステップＳ１７０１：Ｙｅｓ）、大当たり変動パターンテーブルをセットする（ステップＳ１７０２）。なお、大当たり変動パターンテーブルは、大当たり時における長時間の変動パターンを選択するためのテーブルであり、乱数値と、特別図柄の変動パターンとを対応付けたものである。
【０１７０】
そして、セットしたテーブルを用いて、変動パターン乱数判定処理をおこなう（ステップＳ１７０３）。この後、変動パターン乱数判定処理によって決定した変動パターンを設定し（ステップＳ１７０４）、処理を終了する。
【０１７１】
ステップＳ１７０１において、大当たりではない場合（ステップＳ１７０１：Ｎｏ）、小当たりであるか否かを判定する（ステップＳ１７０５）。小当たりである場合（ステップＳ１７０５：Ｙｅｓ）、時短遊技状態であることを示す時短フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ１７０６）。なお、時短フラグは、図２５を用いて後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。
【０１７２】
時短フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ１７０６：Ｎｏ）、変動時間の長い長変動パターンテーブルをセットし（ステップＳ１７０７）、ステップＳ１７０３に移行する。
時短フラグがＯＦＦである場合の小当たりは、通常遊技状態における第１始動口１１１への入賞による特１保留球による抽選に基づくものである。長変動パターンとすることにより、リーチ演出等、遊技者に期待感または不安感を与える演出をおこなうことを可能にしている。
【０１７３】
なお、このほかにも、時短フラグがＯＦＦである場合の小当たりは、特２保留球が記憶されている時短遊技状態にて当選した通常大当たりの終了直後や、時短遊技状態にて所定の変動回数が終了した直後における特２保留球による抽選に基づくものもある。
【０１７４】
具体的に、補足すると、時短遊技状態において通常大当たりに当選した場合、通常大当たり終了直後には特２保留球が記憶されていることがあり、また、時短遊技状態にて所定の変動回数が終了した直後には特２保留球が記憶されていることがある。このように、通常遊技状態において特２保留球による変動がおこなわれることがあるが、この場合にも、長変動パターンテーブルをセットするようにしている。なお、長変動パターンテーブルを用いることにより、通常遊技状態において特２保留球による変動をおこなう際に、遊技者の期待感を高めるチャンス演出などをおこなうことが可能になっている。
【０１７５】
ステップＳ１７０６において、時短フラグがＯＮである場合（ステップＳ１７０６：Ｙｅｓ）、変動時間の短い短変動パターンテーブルをセットし（ステップＳ１７０８）、ステップＳ１７０３に移行する。ステップＳ１７０５において、小当たりではない場合（ステップＳ１７０５：Ｎｏ）、ハズレ変動パターンテーブルをセットし（ステップＳ１７０９）、ステップＳ１７０３に移行する。
【０１７６】
なお、ハズレ変動パターンテーブルは、保留球数と変動パターンとを対応付けたテーブルであり、このようなハズレ変動パターンテーブルを用いることにより、保留球数が多いほど、変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【０１７７】
（長変動パターンテーブルの一例）
次に、図１７−２を用いて、図１７−１のステップＳ１７０７においてセットされ、変動パターン乱数判定処理（図１７−１のステップＳ１７０３参照）において用いられる、長変動パターンテーブルについて説明する。図１７−２は、特１保留球による小当たり時に用いられる長変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。図１７−２において、長変動パターンテーブル１７２０は、通常遊技状態において用いられるテーブルであり、変動パターン１７２１と、範囲１７２２と、割合１７２３と、乱数値１７２４と、変動時間１７２５とからなる。
【０１７８】
変動パターン１７２１は、変動時間１７２５毎に特別図柄の変動をパターン化したものである。範囲１７２２は、取得する乱数値１７２４の最大限取り得る値を示しており、例えば「０〜９９」になっている。割合１７２３は、範囲１７２２の総数に対する乱数値１７２４の数の比率であり、具体的には、乱数値１７２４の個数を、範囲１７２２の総数（１００）で除したものである。
【０１７９】
変動時間１７２５は、各変動パターン１７２１の変動時間を示している。変動時間１７２５の長い変動パターン１７２１ほど、例えば期待感のある演出がおこなわれるようになっている。具体例を挙げると、変動パターン１７２１の「Ｐａ１」は、取得した乱数値１７２４が「０〜２４」の場合に、選択されるものであり、変動時間１７２５が４０秒になっている。
【０１８０】
このように、通常遊技状態における小当たり時には、リーチ演出等の演出をおこなうため、変動時間１７２５の長い変動パターン１７２１が選択されるようになっている。なお、本実施の形態では、特１保留球による小当たり時のオープニングにて右打ち報知演出をおこなうようにしているが、長変動パターンによる変動時に右打ち報知演出をおこなうようにすることも可能である。
【０１８１】
（短変動パターンテーブルの一例）
次に、図１７−３を用いて、図１７−１のステップＳ１７０８においてセットされ、変動パターン乱数判定処理（図１７−１のステップＳ１７０３参照）において用いられる、短変動パターンテーブルについて説明する。図１７−３は、特２保留球による小当たり時に用いられる短変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。なお、以下の説明において、図１７−２にて説明したものについては同様の符号を付し、その説明を省略する。
【０１８２】
図１７−３において、短変動パターンテーブル１７３０は、時短遊技状態において用いられるテーブルである。例えば、変動パターン１７２１の「Ｐｂ１」は、取得した乱数値１７２４が「０〜２４」の場合に、選択されるものであり、変動時間１７２５が２秒になっている。このように、時短遊技状態においては、迅速な遊技をおこなわせるため、変動時間１７２５の短い変動パターン１７２１が選択されるようになっている。
【０１８３】
（停止中処理）
次に、図１８を用いて、特別図柄処理にて示した停止中処理（図１２のステップＳ１２１４参照）の詳細について説明する。図１８は、主制御部７０１がおこなう停止中処理を示したフローチャートである。図１８において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、時短遊技状態を示す時短フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ１８０１）。なお、時短フラグは、図２５を用いて後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。
【０１８４】
時短フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ１８０１：Ｎｏ）、ステップＳ１８０５に移行する。時短フラグがＯＮである場合（ステップＳ１８０１：Ｙｅｓ）、時短遊技の遊技残余回数Ｊから「１」を減算する（ステップＳ１８０２）。この後、時短遊技の遊技残余回数Ｊが「０」であるか否かを判定する（ステップＳ１８０３）。遊技残余回数Ｊが「０」ではない場合（ステップＳ１８０３：Ｎｏ）、ステップＳ１８０５に移行する。遊技残余回数Ｊが「０」である場合（ステップＳ１８０３：Ｙｅｓ）、時短フラグをＯＦＦにし（ステップＳ１８０４）、ステップＳ１８０５に移行する。
【０１８５】
ステップＳ１８０５では、停止中の特図１または特図２が直撃大当たりを示す図柄であるか否かを判定する（ステップＳ１８０５）。直撃大当たりを示す図柄ではない場合（ステップＳ１８０５：Ｎｏ）、停止中の特図１または特図２が小当たりを示す図柄であるか否かを判定する（ステップＳ１８０６）。
【０１８６】
小当たりを示す図柄である場合（ステップＳ１８０６：Ｙｅｓ）、小当たり遊技状態にあることを示す小当たりフラグをＯＮにし（ステップＳ１８０７）、停止中の小当たり図柄が特図１小当たり図柄であるか否かを判定する（ステップＳ１８０８）。なお、特図１小当たり図柄は、特図１の変動による小当たり図柄に相当し、すなわち、主に、通常遊技状態における小当たり図柄に相当する。特図１小当たり図柄である場合（ステップＳ１８０８：Ｙｅｓ）、例えば１０秒といった長時間のオープニングを開始する旨を示す長オープニングコマンドをセットする（ステップＳ１８０９）。
【０１８７】
そして、小当たりオープニングを開始し（ステップＳ１８１０）、処理を終了する。ステップＳ１８０８において、停止中の小当たり図柄が特図１小当たり図柄ではない場合（ステップＳ１８０８：Ｎｏ）、例えば２秒の短時間のオープニングを開始する旨を示す短オープニングコマンドをセットし（ステップＳ１８１１）、ステップＳ１８１０に移行する。なお、特図１小当たり図柄ではない小当たり図柄は、特図２の変動による小当たり図柄に相当し、すなわち、主に、時短遊技状態における小当たり図柄に相当する。ステップＳ１８０６において、小当たりを示す図柄ではない場合（ステップＳ１８０６：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０１８８】
ステップＳ１８０５において、停止中の特図１または特図２が直撃大当たりを示す図柄である場合（ステップＳ１８０５：Ｙｅｓ）、大当たり遊技状態であることを示す大当たりフラグをＯＮにする（ステップＳ１８１２）。そして、遊技残余回数Ｊを「０」にするとともに（ステップＳ１８１３）、時短フラグをＯＦＦにする（ステップＳ１８１４）。この後、大当たりオープニングコマンドをセットするとともに（ステップＳ１８１５）、大当たりオープニングを開始し（ステップＳ１８１６）、処理を終了する。
【０１８９】
（入賞役物処理）
次に、図１９を用いて、大入賞口１５０または開閉入賞口１３０を作動させるための入賞役物処理について説明する。図１９は、主制御部７０１がおこなう入賞役物処理を示したフローチャートである。なお、入賞役物処理は、図１０のステップＳ１００４に示した電動役物処理に含まれる処理内容である。
【０１９０】
図１９において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、大当たりフラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ１９０１）。なお、大当たりフラグは、図１８に示した停止中処理にて設定されるフラグ（図１８のステップＳ１８１２参照）、または図２０−１および図２０−２に示す開閉入賞口処理にて後述するが、開閉入賞口１３０のＶ入賞によって設定されるフラグである（図２０−２のステップＳ２０１３参照）。
【０１９１】
大当たりフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ１９０１：Ｎｏ）、小当たりフラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ１９０２）。なお、小当たりフラグは、図１８に示した停止中処理にて設定されるフラグ（図１８のステップＳ１８０７参照）である。小当たりフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ１９０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０１９２】
小当たりフラグがＯＮである場合（ステップＳ１９０２：Ｙｅｓ）、図２０−１および図２０−２を用いて後述する開閉入賞口処理を実行する（ステップＳ１９０３）。この後、図２３を用いて後述する可動体処理をおこない（ステップＳ１９０４）、処理を終了する。ステップＳ１９０１において、大当たりフラグがＯＮである場合（ステップＳ１９０１：Ｙｅｓ）、図２４を用いて後述する大入賞口遊技処理を実行し（ステップＳ１９０５）、処理を終了する。
【０１９３】
（開閉入賞口処理）
次に、図２０−１および図２０−２を用いて、図１９のステップＳ１９０３に示した開閉入賞口処理の詳細について説明する。図２０−１および図２０−２は、主制御部７０１がおこなう開閉入賞口処理を示したフローチャートである。図２０−１および図２０−２において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間中であるか否かを判定する（ステップＳ２００１）。
【０１９４】
ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間中である場合（ステップＳ２００１：Ｙｅｓ）、ステップＳ２０１１に移行する。ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間中ではない場合（ステップＳ２００１：Ｎｏ）、小当たりオープニング中であるか否かを判定する（ステップＳ２００２）。なお、小当たりオープニングは、ハネ１３１を開放させる前の所定の時間である。
【０１９５】
小当たりオープニング中である場合（ステップＳ２００２：Ｙｅｓ）、ステップＳ２００７に移行する。小当たりオープニング中ではない場合（ステップＳ２００２：Ｎｏ）、ハネ１３１の開放中であるか否かを判定する（ステップＳ２００３）。ハネ１３１の開放中である場合（ステップＳ２００３：Ｙｅｓ）、ステップＳ２００９に移行する。ハネ１３１の開放中ではない場合（ステップＳ２００３：Ｎｏ）、当たり判定処理（図１３参照）にてセットされた特別図柄に基づいて、ハネ１３１または大入賞口１５０を開放させる際のラウンド数Ｒまたは開放パターンの設定をおこなう、Ｒ数／開放パターン設定処理を実行する（ステップＳ２００４）。
【０１９６】
Ｒ数／開放パターン設定処理では、図１５に示した図柄乱数判定テーブル１５００、または図１６に示した図柄乱数判定テーブル１６００を用いて、１５ラウンドまたは１６ラウンドを設定するとともに、図２１を用いて後述するラウンド数／開放パターン設定テーブルを用いて、ハネ１３１および大入賞口１５０の開放パターンを設定する。
【０１９７】
この後、ハネ１３１の開放中および開放終了後の有効期間を含むＶ有効期間の設定をおこなう、Ｖ有効期間設定処理を実行する（ステップＳ２００５）。さらに、ラウンド数Ｒに「１」を加算する（ステップＳ２００６）。そして、オープニング時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２００７）。オープニング時間が経過していない場合（ステップＳ２００７：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０１９８】
オープニング時間が経過した場合（ステップＳ２００７：Ｙｅｓ）、ハネ１３１の開放を開始する（ステップＳ２００８）。この後、ハネ１３１の開放時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２００９）。ハネ１３１の開放時間が経過していない場合（ステップＳ２００９：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。ハネ１３１の開放時間が経過した場合（ステップＳ２００９：Ｙｅｓ）、ハネ１３１の開放を終了し（ステップＳ２０１０）、ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間が終了したか否かを判定する（ステップＳ２０１１）。
【０１９９】
ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間が終了していない場合（ステップＳ２０１１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間が終了した場合（ステップＳ２０１１：Ｙｅｓ）、小当たり時のＶ入賞を示すＶフラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２０１２）。なお、Ｖフラグは、後述するＶゾーンＳＷ処理（図２２−１参照）にて設定されるフラグである。ＶフラグがＯＮである場合（ステップＳ２０１２：Ｙｅｓ）、大当たりを示す大当たりフラグをＯＮにし（ステップＳ２０１３）、時短フラグをＯＦＦにする（ステップＳ２０１４）。
【０２００】
そして、大当たりオープニングコマンドをセットするとともに（ステップＳ２０１５）、大当たりのオープニングを開始する（ステップＳ２０１６）。この後、ＶフラグをＯＦＦにするとともに（ステップＳ２０１７）、小当たりフラグをＯＦＦにし（ステップＳ２０１８）、処理を終了する。
【０２０１】
一方、ステップＳ２０１２において、ＶフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ２０１２：Ｎｏ）、停止中の小当たり図柄が特図１小当たり図柄であるか否かを判定する（ステップＳ２０１９）。なお、特図１小当たり図柄は、特図１の変動による小当たり図柄に相当し、すなわち、主に、通常遊技状態における小当たり図柄に相当する。
【０２０２】
停止中の小当たり図柄が特図１小当たり図柄である場合（ステップＳ２０１９：Ｙｅｓ）、特図１小当たりエンディングをおこなう旨を示す特図１小当たりエンディングコマンドをセットし（ステップＳ２０２０）、ステップＳ２０２２に移行する。なお、小当たりエンディングはハネ１３１の開放終了後の所定の時間であり、特図１小当たりエンディングは例えば５秒とする。
【０２０３】
ステップＳ２０１９において、停止中の小当たり図柄が特図１小当たり図柄ではない場合（ステップＳ２０１９：Ｎｏ）、すなわち、今回の小当たりが特図２の変動による特図２小当たり図柄である場合、時短遊技状態における短時間の小当たりエンディングをおこなう旨を示す特図２小当たりエンディングコマンドをセットし（ステップＳ２０２１）、小当たりエンディングを開始する（ステップＳ２０２２）。なお、特図２小当たりエンディングは例えば１秒である。そして、ラウンド数Ｒを「０」にし（ステップＳ２０２３）、ステップＳ２０１８に移行する。
【０２０４】
（ラウンド数／開放パターン設定テーブルの一例）
次に、図２１を用いて、図２０−１のステップＳ２００４に示したラウンド数／開放パターン設定処理において用いられる、ラウンド数／開放パターン設定テーブルについて説明する。図２１は、ラウンド数／開放パターン設定テーブルの一例を示した説明図である。図２１において、ラウンド数／開放パターン設定テーブル２１００は、当たり種別２１０１と、継続ラウンド数２１０２と、始動口種別２１０３と、「１Ｒ中のハネ１３１の開放パターン」２１０４と、「１Ｒ中の大入賞口１５０の開放パターン」２１０５とからなる。
【０２０５】
当たり種別２１０１は、大当たり、または小当たりのいずれかを示す当たりの種別である。継続ラウンド数２１０２は、大当たり中に、ハネ１３１または大入賞口１５０を開放させるラウンド数である。始動口種別２１０３は、遊技球が入賞した第１始動口１１１または第２始動口１１２のいずれかを示す種別である。「１Ｒ中のハネ１３１の開放パターン」２１０４は、小当たり時におけるハネ１３１の開放時間を示している。「１Ｒ中の大入賞口１５０の開放パターン」２１０５は、大当たり時における大入賞口１５０の開放時間を示している。
【０２０６】
具体的に説明すると、１５Ｒ大当たりの場合、大入賞口１５０が「２９．５秒×１５回」開放される。１６Ｒ小当たりの場合、１ラウンド目としての小当たり時にハネ１３１が「１．２秒×１回」開放される。このハネ１３１の開放時に、Ｖ入賞すると、大入賞口１５０が「２９．５秒×１５回」開放され、Ｖ入賞しなければ、大入賞口１５０の開放はおこなわれない。
【０２０７】
（ＶゾーンＳＷ処理）
次に、図２２−１を用いて、図１０のステップＳ１００２に示したスイッチ処理に含まれるＶゾーンＳＷ処理について説明する。図２２−１は、主制御部７０１がおこなうＶゾーンＳＷ処理を示したフローチャートである。図２２−１において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、ＶゾーンＳＷ１３２ａがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２２０１）。ＶゾーンＳＷ１３２ａがＯＦＦの場合（ステップＳ２２０１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２０８】
ＶゾーンＳＷ１３２ａがＯＮの場合（ステップＳ２２０１：Ｙｅｓ）、開閉入賞口１３０内のＶゾーン１３２，１３６の有効期間中であるか否かを判定する（ステップＳ２２０２）。Ｖゾーン１３２，１３６の有効期間中ではない場合（ステップＳ２２０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。Ｖゾーン１３２，１３６の有効期間中である場合（ステップＳ２２０２：Ｙｅｓ）、Ｖ入賞した旨を示すＶフラグをＯＮにする（ステップＳ２２０３）。そして、Ｖ入賞コマンドをセットし（ステップＳ２２０４）、処理を終了する。
【０２０９】
（開閉入賞口ＳＷ処理）
次に、図２２−２を用いて、図１０のステップＳ１００２に示したスイッチ処理に含まれる開閉入賞口ＳＷ処理について説明する。図２２−２は、主制御部７０１がおこなう開閉入賞口ＳＷ処理を示したフローチャートである。図２２−２において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、開閉入賞口ＳＷ１３０ａがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２２１１）。開閉入賞口ＳＷ１３０ａがＯＦＦの場合（ステップＳ２２１１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２１０】
開閉入賞口ＳＷ１３０ａがＯＮの場合（ステップＳ２２１１：Ｙｅｓ）、ハネ１３１の開放終了後の有効期間中であるか否かを判定する（ステップＳ２２１２）。有効期間中ではない場合（ステップＳ２２１２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。有効期間中である場合（ステップＳ２２１２：Ｙｅｓ）、開閉入賞コマンドをセットし（ステップＳ２２１３）、処理を終了する。なお、セットされた開閉入賞コマンドを受けて、賞球制御部７０３による遊技球の払い出しがおこなわれたり、ランプ制御部７０２ｃによる演出がおこなわれたりする。
【０２１１】
（可動体処理）
次に、図２３を用いて、図１９のステップＳ１９０４に示した可動体処理について説明する。図２３は、主制御部７０１がおこなう可動体処理を示したフローチャートである。図２３において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、可動体２０３を動作させる前のインターバル中であるか否かを判定する（ステップＳ２３０１）。インターバル中である場合（ステップＳ２３０１：Ｙｅｓ）、インターバル時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２３０２）。
【０２１２】
インターバル時間が経過していない場合（ステップＳ２３０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。インターバル時間が経過した場合（ステップＳ２３０２：Ｙｅｓ）、スペシャルルート（図中ＳＰルート）方向への可動体２０３の傾倒を開始する（ステップＳ２３０３）。そして、所定時間経過したか否かを判定する（ステップＳ２３０４）。なお、この所定時間は、例えば、ハネ１３１の開放開始から０．２秒といった時間である。
【０２１３】
所定時間が経過していない場合（ステップＳ２３０４：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。所定時間が経過した場合（ステップＳ２３０４：Ｙｅｓ）、ノーマルルート（図中ＮＲルート）方向への可動体２０３の傾倒を開始する（ステップＳ２３０５）。そして、所定時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２３０６）。なお、この所定時間は、ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間が経過する程度の時間である。所定時間が経過していない場合（ステップＳ２３０６：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２１４】
所定時間が経過した場合（ステップＳ２３０６：Ｙｅｓ）、可動体２０３を基準位置へ移動させ（ステップＳ２３０７）、処理を終了する。ステップＳ２３０１において、インターバル中ではない場合（ステップＳ２３０１：Ｎｏ）、可動体２０３がスペシャルルート方向に傾倒中であるか否かを判定する（ステップＳ２３０８）。
【０２１５】
可動体２０３がスペシャルルート方向に傾倒中である場合（ステップＳ２３０８：Ｙｅｓ）、ステップＳ２３０４に移行する。可動体２０３がスペシャルルート方向に傾倒中ではない場合（ステップＳ２３０８：Ｎｏ）、ステップＳ２３０６に移行する。
【０２１６】
（大入賞口遊技処理）
次に、図２４を用いて、図１９のステップＳ１９０５に示した大入賞口遊技処理の詳細について説明する。図２４は、主制御部７０１がおこなう大入賞口遊技処理を示したフローチャートである。図２４において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、大当たりのオープニング中であるか否かを判定する（ステップＳ２４０１）。大当たりオープニングは、大入賞口１５０を開放させる前の所定の時間のことをいう。
【０２１７】
大当たりオープニング中である場合（ステップＳ２４０１：Ｙｅｓ）、オープニング時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２４０２）。オープニング時間が経過していない場合（ステップＳ２４０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２１８】
オープニング時間が経過している場合（ステップＳ２４０２：Ｙｅｓ）、ラウンド数Ｒが「１」であるか否かを判定する（ステップＳ２４０３）。なお、ステップＳ２４０３の判定において、ラウンド数Ｒが「１」であるとは、開閉入賞口処理にてハネ１３１の開放があったことを示し（図２０−１のステップＳ２００６参照）、一方、ラウンド数Ｒが「１」ではないとは、開閉入賞口１３０のハネ１３１の開放がなく、すなわち、直撃大当たりであることを示す。
【０２１９】
ラウンド数Ｒが「１」である場合（ステップＳ２４０３：Ｙｅｓ）、すなわち、Ｖ入賞による大当たりの場合、ステップＳ２４０５に移行する。一方、ラウンド数Ｒが「１」ではない場合（ステップＳ２４０３：Ｎｏ）、すなわち、直撃大当たりである場合、当たり判定処理（図１３参照）にてセットされた図柄に基づいて、大当たり時のラウンド数Ｒ（１５ラウンド）の設定をおこなう、Ｒ数／作動パターン設定処理を実行する（ステップＳ２４０４）。
【０２２０】
そして、１ラウンド毎の入賞した遊技球数のカウント値Ｃを０にする（ステップＳ２４０５）。この後、ラウンド数Ｒに「１」加算した値を新たなＲとし（ステップＳ２４０６）、大入賞口ソレノイド１５０ｂを制御して、大入賞口１５０の作動を開始する（ステップＳ２４０７）。この後、大入賞口１５０の開放開始時からの所定時間（例えば２９．５秒）の作動時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２４０８）。
【０２２１】
作動時間が経過した場合（ステップＳ２４０８：Ｙｅｓ）、ステップＳ２４１０に移行する。作動時間が経過していない場合（ステップＳ２４０８：Ｎｏ）、大入賞口１５０への入賞数を示すカウント値Ｃが規定数（例えば１０個）であるか否かを判定する（ステップＳ２４０９）。
【０２２２】
カウント値Ｃが規定数ではない場合（ステップＳ２４０９：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。カウント値Ｃが規定数である場合には（ステップＳ２４０９：Ｙｅｓ）、大入賞口１５０の作動を終了させる（ステップＳ２４１０）。そして、最終ラウンドを示す最大ラウンド数Ｒであるか否かを判定する（ステップＳ２４１１）。
【０２２３】
最大ラウンド数Ｒではない場合（ステップＳ２４１１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。最大ラウンド数Ｒである場合（ステップＳ２４１１：Ｙｅｓ）、大当たりエンディングコマンドをセットする（ステップＳ２４１２）。なお、大当たりエンディングは、大入賞口１５０閉鎖後の所定の演出用の時間をいう。
【０２２４】
そして、大当たりエンディングを開始する（ステップＳ２４１３）。この後、ラウンド数Ｒを「０」にし（ステップＳ２４１４）、大当たりエンディング時間が経過したか判定する（ステップＳ２４１５）。大当たりエンディング時間が経過していれば（ステップＳ２４１５：Ｙｅｓ）、時短遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する（ステップＳ２４１６）。なお、遊技状態設定処理については、図２５を用いて後述する。
【０２２５】
この後、大当たりフラグをＯＦＦにし（ステップＳ２４１７）、処理を終了する。ステップＳ２４１５において、大当たりエンディング時間が経過していなければ（ステップＳ２４１５：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２２６】
一方、ステップＳ２４０１において、大当たりオープニング中ではない場合（ステップＳ２４０１：Ｎｏ）、大当たりエンディング中であるか否かを判定する（ステップＳ２４１８）。大当たりエンディング中である場合（ステップＳ２４１８：Ｙｅｓ）、ステップＳ２４１５に移行する。
【０２２７】
大当たりエンディング中ではない場合（ステップＳ２４１８：Ｎｏ）、大入賞口１５０が作動中であるか否かを判定する（ステップＳ２４１９）。大入賞口１５０が作動中である場合（ステップＳ２４１９：Ｙｅｓ）、ステップＳ２４０８へ移行する。大入賞口１５０が作動中ではない場合（ステップＳ２４１９：Ｎｏ）、ステップＳ２４０５に移行する。
【０２２８】
（遊技状態設定処理）
次に、図２５を用いて、図２４のステップＳ２４１６に示した遊技状態設定処理の詳細について説明する。図２５は、主制御部７０１がおこなう遊技状態設定処理を示したフローチャートである。図２５において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、時短付き大当たりであるか否かを判定する（ステップＳ２５０１）。
【０２２９】
時短付き大当たりではない場合（ステップＳ２５０１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。時短付き大当たりである場合（ステップＳ２５０１：Ｙｅｓ）、時短フラグをＯＮにする（ステップＳ２５０２）。この後、時短遊技の遊技残余回数Ｊを１００にセットし（ステップＳ２５０３）、処理を終了する。
【０２３０】
（右打ち報知処理）
次に、図２６を用いて、図１０のステップＳ１００６に示した右打ち報知処理について説明する。図２６は、主制御部７０１がおこなう右打ち報知処理を示したフローチャートである。図２６において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、時短遊技状態であることを示す時短フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２６０１）。時短フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ２６０１：Ｎｏ）、小当たり遊技状態であることを示す小当たりフラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２６０２）。
【０２３１】
小当たりフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ２６０２：Ｎｏ）、大当たり遊技状態であることを示す大当たりフラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２６０３）。大当たりフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ２６０３：Ｎｏ）、右打ち報知表示部１２５に相当する報知ランプが点灯中であるか否かを判定する（ステップＳ２６０４）。
【０２３２】
報知ランプが点灯中ではない場合（ステップＳ２６０４：Ｎｏ）、すなわち、報知ランプが消灯中である場合、そのまま処理を終了する。報知ランプが点灯中である場合（ステップＳ２６０４：Ｙｅｓ）、報知ランプを消灯し（ステップＳ２６０５）、処理を終了する。
【０２３３】
一方、ステップＳ２６０１において、時短フラグがＯＮである場合（ステップＳ２６０１：Ｙｅｓ）、報知ランプが点灯中であるか否かを判定する（ステップＳ２６０６）。報知ランプが点灯中である場合（ステップＳ２６０６：Ｙｅｓ）、そのまま処理を終了する。報知ランプが点灯中ではない場合（ステップＳ２６０６：Ｎｏ）、すなわち、報知ランプが消灯中である場合、報知ランプを点灯し（ステップＳ２６０７）、処理を終了する。
【０２３４】
ステップＳ２６０２において、小当たりフラグがＯＮである場合（ステップＳ２６０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ２６０６に移行する。ステップＳ２６０３において、大当たりフラグがＯＮである場合（ステップＳ２６０３：Ｙｅｓ）、ステップＳ２６０６に移行する。
【０２３５】
（演出統括部がおこなうタイマ割込処理）
次に、図２７を用いて、演出制御部７０２の演出統括部７０２ａがおこなうタイマ割込処理について説明する。図２７は、演出統括部７０２ａがおこなうタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、演出統括部７０２ａが、起動中、所定期間（例えば４ｍｓ）毎に演出統括部７０２ａが実行する主演出制御処理に割り込み動作する処理である。
【０２３６】
図２７において、演出統括部７０２ａのＣＰＵ７２１は、主制御部７０１からコマンドを受信した際におこなうコマンド受信処理を実行する（ステップＳ２７０１）。なお、コマンド受信処理については、図２８−１および図２８−２を用いて後述する。そして、画像・音声制御部７０２ｂまたはランプ制御部７０２ｃに対してコマンドを送信するコマンド送信処理を実行し（ステップＳ２７０２）、処理を終了する。
【０２３７】
（コマンド受信処理）
次に、図２８−１および図２８−２を用いて、図２７のステップＳ２７０１に示したコマンド受信処理の詳細について説明する。図２８−１および図２８−２は、演出統括部７０２ａがおこなうコマンド受信処理を示したフローチャートである。図２８−１および図２８−２において、演出統括部７０２ａのＣＰＵ７２１は、主制御部７０１から、特別図柄の変動開始を示す変動開始コマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８０１）。なお、変動開始コマンドは、主制御部７０１による特別図柄処理においてセットされたコマンドである（図１２のステップＳ１２０９参照）。
【０２３８】
変動開始コマンドを受信しない場合（ステップＳ２８０１：Ｎｏ）、ステップＳ２８０３に移行する。変動開始コマンドを受信した場合（ステップＳ２８０１：Ｙｅｓ）、変動演出選択処理を実行する（ステップＳ２８０２）。変動演出選択処理は、特別図柄の変動に応じて、リーチ演出などの演出内容や停止させる演出図柄を選択する処理であり、図２９を用いて後述する。
【０２３９】
この後、演出図柄を停止させるための変動停止コマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８０３）。なお、変動停止コマンドは、特別図柄の変動停止を示すコマンドであり、主制御部７０１の特別図柄処理においてセットされるコマンドである（図１２のステップＳ１２１２参照）。
【０２４０】
変動停止コマンドを受信しない場合（ステップＳ２８０３：Ｎｏ）、ステップＳ２８０５に移行する。変動停止コマンドを受信した場合（ステップＳ２８０３：Ｙｅｓ）、変動演出終了中処理を実行する（ステップＳ２８０４）。なお、変動演出終了中処理は、演出図柄の変動を停止させたり、演出モードを変動回数に応じて終了させたりする処理である。
【０２４１】
この後、小当たりの開始を示す小当たりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８０５）。なお、小当たりオープニングコマンドは、主制御部７０１の停止中処理においてセットされるコマンドである（図１８のステップＳ１８０９およびステップＳ１８１１）。小当たりオープニングコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８０５：Ｎｏ）、ステップＳ２８０７に移行する。
【０２４２】
小当たりオープニングコマンドを受信した場合（ステップＳ２８０５：Ｙｅｓ）、小当たり中の演出内容を選択する小当たり演出選択処理を実行する（ステップＳ２８０６）。なお、小当たり演出選択処理の詳細については、図３０を用いて後述する。この後、ランプ制御部７０２ｃから、チャンスコマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８０７）。
【０２４３】
なお、チャンスコマンドは、遊技球がノーマルルート２０２を経由した場合であっても、Ｖ回転体１３３が５時の位置付近のチャンス位置にあり、Ｖゾーン１３２に収容されることが見込めるタイミングである際に、ランプ制御部７０２ｃから送信されるコマンドである。チャンスコマンドの詳細については、図３２−１および図３２−２に示す小当たり演出中処理にて後述する。
【０２４４】
チャンスコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８０７：Ｎｏ）、ステップＳ２８０９に移行する。チャンスコマンドを受信した場合（ステップＳ２８０７：Ｙｅｓ）、チャンス演出選択処理をおこなう（ステップＳ２８０８）。チャンス演出は、遊技球がノーマルルート２０２を経由したときにおこなわれる演出であり、詳細については、図３５−１〜図３５−３を用いて後述する。
【０２４５】
この後、ランプ制御部７０２ｃから、スペシャルルートコマンド（図中ＳＰルートコマンド）を受信したか否かを判定する（ステップＳ２８０９）。スペシャルルートコマンドは、遊技球がスペシャルルート２０１を経由した場合に、ランプ制御部７０２ｃから送信されるコマンドである。チャンスコマンドの詳細については、図３２−１および図３２−２に示す小当たり演出中処理にて後述する。
【０２４６】
スペシャルルートコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８０９：Ｎｏ）、ステップＳ２８１１に移行する。スペシャルルートコマンドを受信した場合（ステップＳ２８０９：Ｙｅｓ）、スペシャルルート演出選択処理（図中ＳＰルート演出選択処理）をおこなう（ステップＳ２８１０）。スペシャルルート演出は、遊技球がスペシャルルート２０１を経由したときにおこなわれる演出であり、詳細については、図３４−１および図３４−２を用いて後述する。
【０２４７】
この後、小当たりの終了を示す小当たりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８１１）。なお、小当たりエンディングコマンドは、主制御部７０１の開閉入賞口処理においてセットされるコマンドである（図２０−２のステップＳ２０２０およびステップＳ２０２１参照）。小当たりエンディングコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８１１：Ｎｏ）、ステップＳ２８１３に移行する。
【０２４８】
小当たりエンディングコマンドを受信した場合（ステップＳ２８１１：Ｙｅｓ）、小当たりエンディング用の演出を選択する小当たりエンディング演出選択処理をおこなう（ステップＳ２８１２）。なお、小当たりエンディング演出選択処理の詳細については、図３６を用いて後述する。
【０２４９】
この後、大当たりの開始を示す大当たりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８１３）。なお、大当たりオープニングコマンドは、主制御部７０１の停止中処理または開閉入賞口処理においてセットされるコマンドである（図１８のステップＳ１８１５および図２０−２のステップＳ２０１５参照）。
【０２５０】
大当たりオープニングコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８１３：Ｎｏ）、ステップＳ２８１５に移行する。大当たりオープニングコマンドを受信した場合（ステップＳ２８１３：Ｙｅｓ）、大当たり中の演出内容を選択する大当たり演出選択処理を実行する（ステップＳ２８１４）。
【０２５１】
この後、大当たりの終了を示す大当たりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８１５）。なお、大当たりエンディングコマンドは、主制御部７０１の大入賞口遊技処理においてセットされるコマンドである（図２４のステップＳ２４１２参照）。大当たりエンディングコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８１５：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２５２】
大当たりエンディングコマンドを受信した場合（ステップＳ２８１５：Ｙｅｓ）、大当たりエンディング用の演出を選択する大当たりエンディング演出選択処理をおこない（ステップＳ２８１６）、処理を終了する。
【０２５３】
（変動演出選択処理）
次に、図２９を用いて、図２８−１のステップＳ２８０２に示した変動演出選択処理の詳細について説明する。図２９は、演出統括部７０２ａがおこなう変動演出選択処理を示したフローチャートである。図２９において、演出統括部７０２ａのＣＰＵ７２１は、変動開始コマンドの解析をおこなう（ステップＳ２９０１）。ステップＳ２９０１では、具体的には、主制御部７０１の遊技状態や、当たりか否か、またはリーチか否か、などの解析をおこなう。この後、モードフラグを参照する（ステップＳ２９０２）。
【０２５４】
なお、モードフラグは、主制御部７０１の遊技状態に対応して、モード毎に設定される識別フラグであり、例えば、時短遊技状態における時短モードを示すフラグ、通常遊技状態における通常モードを示すフラグ、などがある。この後、主制御部７０１の特別図柄の変動時間に対応する変動演出パターンを選択するための、変動演出パターン選択処理をおこなう（ステップＳ２９０３）。
【０２５５】
変動演出パターン選択処理では、停止させる演出図柄などを選択する。なお、時短モードである場合には、変動演出パターン選択処理において選択された演出パターンにかかわらず、右打ち報知演出を継続しておこなう。この後、演出図柄の変動開始を示す変動演出開始コマンドをセットし（ステップＳ２９０４）、処理を終了する。
【０２５６】
（小当たり演出選択処理）
次に、図３０を用いて、図２８−２のステップＳ２８０６に示した小当たり演出選択処理の詳細について説明する。図３０は、演出統括部７０２ａがおこなう小当たり演出選択処理を示したフローチャートである。図３０において、演出統括部７０２ａのＣＰＵ７２１は、主制御部７０１から受信した小当たりオープニングコマンドを解析する（ステップＳ３００１）。ステップＳ３００１では、具体的には、長オープニングコマンドであるか短オープニングコマンドであるかなどの解析をおこなう。
【０２５７】
そして、解析の結果、長オープニングコマンドである場合（ステップＳ３００２：Ｙｅｓ）、右打ち報知演出パターン選択処理を実行する（ステップＳ３００３）。右打ち報知演出は、遊技者に右打ちをおこなわせるための演出であり、具体例については、図３１を用いて後述する。この後、ハネ１３１開放時の演出を選択するための、開放演出パターン選択処理を実行する（ステップＳ３００４）。さらに、小当たりオープニング演出開始コマンドをセットし（ステップＳ３００５）、処理を終了する。
【０２５８】
ステップＳ３００２において、長オープニングコマンドではない場合（ステップＳ３００２：Ｎｏ）、すなわち、短オープニングコマンドである場合、通常の（時短遊技状態用の）オープニング演出パターン選択処理を実行し（ステップＳ３００６）、ステップＳ３００４に移行する。
【０２５９】
（右打ち報知演出の一例）
次に、図３１を用いて、右打ち報知演出パターン選択処理（図３０のステップＳ３００３参照）において選択される右打ち報知演出の一例について説明する。図３１は、小当たり時の長オープニング中におこなう右打ち報知演出の一例を示した説明図である。
【０２６０】
図３１において、画像表示部１０６に表示される右打ち報知演出３１００には、「右打ちチャンス！右打ち開始！！」が表示されており、遊技者に右打ちを開始させる旨が表示されている。また、矢印表示３１０１により、ハネ１３１が開放される旨を示唆している。これにより、ハネ１３１の開放タイミングに合わせて、遊技者は遊技球を遊技盤１０２の右側領域に打ち出すことができ、よって、開閉入賞口１３０内に遊技球を入賞させやすくすることができる。
【０２６１】
（小当たり演出中処理）
次に、図３２−１および図３２−２を用いて、小当たり演出中にランプ制御部７０２ｃがおこなう小当たり演出中処理について説明する。図３２−１および図３２−２は、ランプ制御部７０２ｃがおこなう小当たり演出中処理を示したフローチャートである。図３２−１および図３２−２において、ランプ制御部７０２ｃのＣＰＵ７４１は、小当たり演出中であるか否かを判定する（ステップＳ３２０１）。小当たり演出中であるか否かの判定は、具体的には例えば、演出統括部７０２ａから小当たりオープニング演出の開始を示すコマンドを受信したか否かを判定することによっておこなわれる。
【０２６２】
小当たり演出中ではない場合（ステップＳ３２０１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。小当たり演出中である場合（ステップＳ３２０１：Ｙｅｓ）、開閉入賞口１３０への遊技球の入賞があった旨を示す入賞フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ３２０２）。入賞フラグがＯＮである場合（ステップＳ３２０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ３２０５に移行する。
【０２６３】
入賞フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ３２０２：Ｎｏ）、開閉入賞口１３０への入賞があるか否かを判定する（ステップＳ３２０３）。開閉入賞口１３０への入賞があるか否かの判定は、具体的には、主制御部７０１の開閉入賞口ＳＷ処理（図２２−２参照）によってセットされた開閉入賞コマンドを、演出統括部７０２ａを介して受信したか否かを判定することによっておこなわれる。
【０２６４】
開閉入賞口１３０への入賞がない場合（ステップＳ３２０３：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。開閉入賞口１３０への入賞がある場合（ステップＳ３２０３：Ｙｅｓ）、入賞フラグをＯＮにする（ステップＳ３２０４）。この後、スペシャルルート２０１を通過した旨を示すスペシャルルートフラグ（図中ＳＰルートフラグ）がＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ３２０５）。
【０２６５】
スペシャルルートフラグがＯＮである場合（ステップＳ３２０５：Ｙｅｓ）、ステップＳ３２１４に移行する。スペシャルルートフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ３２０５：Ｎｏ）、スペシャルルート２０１を通過したか否かを判定するために、スペシャルルートＳＷ２０１ａがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ３２０６）。
【０２６６】
スペシャルルートＳＷ（図中ＳＰルートＳＷ）２０１ａがＯＮである場合（ステップＳ３２０６：Ｙｅｓ）、すなわち、遊技球がスペシャルルート２０１を通過した場合、スペシャルルートフラグをＯＮにする（ステップＳ３２０７）。この後、スペシャルルートコマンドをセットする（ステップＳ３２０８）。このセットされたスペシャルルートコマンドを受けて、演出統括部７０２ａはスペシャルルート演出選択処理（図２８−２のステップＳ２８１０参照）をおこなう。
【０２６７】
この後、ランプ系統６００の全系統６０１，６０２を全て所定の点灯パターンや色に点灯させる全系統点灯処理をおこない（ステップＳ３２０９）、ステップＳ３２１４に移行する。なお、全系統点灯処理によって点灯したランプ系統６００の一例については、図３４−２を用いて後述する。
【０２６８】
ステップＳ３２０６において、スペシャルルートＳＷ２０１ａがＯＦＦである場合（ステップＳ３２０６：Ｎｏ）、可動体２０３がノーマルルート２０２側に傾倒するまでに要する所定期間が経過したか否かを判定する（ステップＳ３２１０）。所定期間が経過していない場合（ステップＳ３２１０：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２６９】
所定期間が経過した場合（ステップＳ３２１０：Ｙｅｓ）、Ｖゾーン１３２が５時の位置付近に位置するチャンス位置であることを示す、チャンス位置フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ３２１１）。なお、チャンス位置フラグは、図３３を用いて後述するＶゾーン位置検出処理にて後述する。
【０２７０】
チャンス位置フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ３２１１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。チャンス位置フラグがＯＮである場合（ステップＳ３２１１：Ｙｅｓ）、チャンスコマンドをセットする（ステップＳ３２１２）。このセットされたチャンスコマンドを受けて、演出統括部７０２ａはチャンス演出選択処理（図２８−１のステップＳ２８０８参照）をおこなう。
【０２７１】
この後、ランプ系統６００のうち、第１系統６０１のＬＥＤ６１０を順次点灯させる、チャンス点灯処理をおこなう（ステップＳ３２１３）。チャンス点灯処理は、具体的には、５時の位置に配置されるＬＥＤ６１０から、６時の位置に配置されるＬＥＤ６１０を順次、赤色に高速点灯させる処理である。この後、小当たり演出が終了したか否かを判定する（ステップＳ３２１４）。小当たり演出中であるか否かの判定は、具体的には例えば、演出統括部７０２ａから、小当たりエンディング演出の開始を示すコマンドを受信したか否か、または、変動演出の開始を示すコマンドを受信したか否かを判定することによっておこなわれる。
【０２７２】
小当たり演出が終了していない場合（ステップＳ３２１４：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。小当たり演出が終了した場合（ステップＳ３２１４：Ｙｅｓ）、ランプ系統６００の点灯を停止し（ステップＳ３２１５）、入賞フラグをＯＦＦにする（ステップＳ３２１６）。さらに、スペシャルルートフラグをＯＦＦにし（ステップＳ３２１７）、処理を終了する。
【０２７３】
なお、上述した処理では、開閉入賞口１３０内に遊技球が入賞した場合に、チャンス点灯をおこなうようにしているが、これに限らず、開閉入賞口１３０内への遊技球の入賞にかかわらず、チャンス点灯をおこなうようにしてもよい。具体的には、ステップＳ３２０１〜ステップＳ３２０４の処理を省略してもよい。
【０２７４】
さらに、上述した処理では、ノーマルルート２０２を通過した場合にチャンス点灯をおこなうようにしているが、これに限らず、通過したルート２０１，２０２にかかわらず、チャンス点灯をおこなうようにしてもよい。具体的には、ステップＳ３２０５〜ステップＳ３２１０の処理を省略してもよい。
【０２７５】
（Ｖゾーン位置検出処理）
次に、図３３を用いて、ランプ制御部７０２ｃがおこなうＶゾーン１３２の位置を検出するためのＶゾーン位置検出処理について説明する。図３３は、ランプ制御部７０２ｃがおこなうＶゾーン位置検出処理を示したフローチャートである。図３３において、ランプ制御部７０２ｃのＣＰＵ７４１は、Ｖゾーン１３２が５時の位置付近に位置するチャンス位置であることを示す、チャンス位置フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ３３０１）。
【０２７６】
チャンス位置フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ３３０１：Ｎｏ）、ステップＳ３３０４に移行する。チャンス位置フラグがＯＮである場合（ステップＳ３３０１：Ｙｅｓ）、チャンス位置フラグがＯＮにセットされた後の所定時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ３３０２）。なお、この所定時間は、開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球がＶゾーン１３２に入賞することのないタイミングであり、具体的には、例えば、５時の位置に位置していたＶゾーン１３２が６時の位置付近に移動するまでに要する時間である。
【０２７７】
チャンス位置フラグがＯＮにセットされた後の所定時間が経過していない場合（ステップＳ３３０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。チャンス位置フラグがＯＮにセットされた後の所定時間が経過した場合（ステップＳ３３０２：Ｙｅｓ）、チャンス位置フラグをＯＦＦにする（ステップＳ３３０３）。この後、Ｖゾーン１３２が５時の位置付近であることを示すか否かを判定すべく、ギアＳＷ３０３ａがＯＮになったか否かを判定する（ステップＳ３３０４）。
【０２７８】
ギアＳＷ３０３ａがＯＦＦである場合（ステップＳ３３０４：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。ギアＳＷ３０３ａがＯＮである場合（ステップＳ３３０４：Ｙｅｓ）、ギアＳＷ３０３ａを検知した回数を示す計測値Ｇが「４」であるか否かを判定する（ステップＳ３３０５）。計測値Ｇが「４」であるとは、Ｖゾーン１３２が５時の位置にあることに相当する。
【０２７９】
計測値Ｇが「４」である場合（ステップＳ３３０５：Ｙｅｓ）、計測値Ｇを「１」にセットするとともに（ステップＳ３３０６）、チャンス位置フラグをＯＮにし（ステップＳ３３０７）、処理を終了する。計測値Ｇが４ではない場合（ステップＳ３３０５：Ｎｏ）、計測値Ｇに「１」を加算し（ステップＳ３３０８）、処理を終了する。
【０２８０】
（開閉入賞口内に遊技球が入賞した際の演出の一例）
次に図３４−１〜図３５−４を用いて、開閉入賞口内に遊技球が入賞した際の演出の一例について説明する。図３４−１および図３４−２は、遊技球がスペシャルルート２０１を経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。図３４−１に示す説明図は、ハネ１３１の開放直後を示しており、可動体２０３がスペシャルルート２０１側に傾倒している。このとき、遊技球が開閉入賞口１３０内に入賞したとすると、図３４−２に示す状態に移行する。
【０２８１】
図３４−２に示す説明図は、遊技球がスペシャルルート２０１を経由し、小回転体１３５の回転収容領域２１０のうち、遊技球がＶゾーン１３６に収容された状態を示している。画像表示部１０６には、スペシャルルート２０１を経由した旨が表示されている。また、ランプ系統６００は、第１系統６０１および第２系統６０２が点灯し、大当たりへの期待度の高い演出がおこなわれている。
【０２８２】
図３５−１〜図３５−４は、遊技球がノーマルルート２０２を経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。図３５−１に示す説明図は、ハネ１３１の開放後、所定時間経過し、可動体２０３がノーマルルート２０２側に傾倒している。このとき、遊技球が開閉入賞口１３０内に入賞したとすると、図３５−２に示す状態に移行する。
【０２８３】
図３５−２に示す説明図は、遊技球がノーマルルート２０２を経由している状態を示している。可動体２０３がノーマルルート２０２側に傾倒するまでに要する所定期間内にスペシャルルートＳＷ２０１ａによって遊技球が検出されなかったことにより、画像表示部１０６には、ノーマルルート２０２を経由した旨が表示されている。また、ランプ系統６００のうち第１系統６０１は、チャンス位置（Ｖゾーン１３２が５時の位置付近）に位置するＶゾーン１３２の移動に応じて、Ｖゾーン１３２を点灯し、Ｖゾーン１３２を強調した演出をおこなっている。この状態から、遊技球が開口２０５を通過すると（Ｖゾーン１３２が移動すると）、図３５−３に示す状態に移行する。
【０２８４】
図３５−３に示す説明図は、遊技球が開口２０５を通過した直後の状態を示している。このとき、Ｖ回転体１３３のＶゾーン１３２が６時手前の位置にある。また、第１系統６０１のうち、６時の手前の位置に配置されるＬＥＤ６１０が点灯され、Ｖゾーン１３２を強調した演出をおこなっている。さらに、この状態から、Ｖゾーン１３２が移動すると、図３５−４に示す状態に移動する。
【０２８５】
図３５−４に示す説明図は、Ｖ回転体１３３のＶゾーン１３２が６時の位置にある状態を示している。遊技球は、収容入球領域２２０を経由して、Ｖゾーン１３２に収容される。このとき、第１系統６０１のうち、６時の位置に配置されるＬＥＤ６１０が点灯され、Ｖゾーン１３２を強調した演出をおこなっている。このように、本実施の形態では、遊技球がノーマルルート２０２を経由した場合であっても、遊技球がＶゾーン１３２への入賞が見込める場合には、Ｖゾーン１３２を強調した演出をおこない、遊技者に大当たりへの期待感を示すようにしている。
【０２８６】
（小当たりエンディング演出選択処理）
次に、図３６を用いて、図２８−２のステップＳ２８１２に示した小当たりエンディング演出選択処理の詳細について説明する。図３６は、演出統括部７０２ａがおこなう小当たりエンディング演出選択処理を示したフローチャートである。図３６において、演出統括部７０２ａのＣＰＵ７２１は、小当たりエンディングコマンドの解析をおこなう（ステップＳ３６０１）。ステップＳ３６０１では、具体的には、小当たりの種別や、小当たり終了後の主制御部７０１の遊技状態などの解析をおこなう。
【０２８７】
そして、エンディングコマンドの解析の結果、受信したエンディングコマンドが長時間のエンディングをおこなう旨を示す特図１エンディングコマンドであるか否かを判定する（ステップＳ３６０２）。特図１エンディングコマンドである場合（ステップＳ３６０２：Ｙｅｓ）、すなわち、今回の小当たりが第１始動口１１１への入賞による小当たりである場合、残念演出選択処理をおこなう（ステップＳ３６０３）。残念演出は、Ｖ入賞しなかったことにより、遊技者に不運な旨を示唆する演出であり、その一例については図３７を用いて後述する。
【０２８８】
この後、小当たりエンディング演出開始コマンドをセットし（ステップＳ３６０４）、処理を終了する。ステップＳ３６０２において、受信したエンディングコマンドが特図１エンディングコマンドではない場合（ステップＳ３６０２：Ｎｏ）、すなわち、今回の小当たりが第２始動口１１２への入賞による小当たりであることを示す特図２エンディングコマンドである場合、短エンディング演出選択処理をおこない（ステップＳ３６０５）、ステップＳ３６０４も移行する。短エンディング演出は、小当たりの終了を示す演出である。
【０２８９】
（特１保留球による小当たり終了時の演出画面の一例）
次に、図３７を用いて、特１保留球による小当たり時に大当たりに至らなかった場合の当該小当たり終了時の演出画面の一例について説明する。図３７は、特１保留球による小当たり終了時の演出画面の一例を示した説明図である。
【０２９０】
図３７において、演出画面３７００は、小当たり終了後の画面を示している。この演出画面３７００は、Ｖ入賞しなかった旨を示すとともに、Ｖ入賞しなかったことにより、遊技者に不運な旨を示唆する残念演出を示している。長エンディング中、この演出画面３７００を表示した後、次に消化される保留球がある場合には、次の特別図柄の変動に対応して演出図柄の変動が開始される。
【０２９１】
以上説明したように、本実施の形態によれば、Ｖゾーン１３２の位置に基づいてランプ系統６００を点灯制御し、チャンス点灯をおこなうようにしたので、Ｖ入賞のチャンスであるかを示唆することができる。したがって、初心者であっても興趣性を得ることができるとともに、演出効果を高めることができる。
【０２９２】
また、本実施の形態では、Ｖゾーン１３２が所定の近傍位置（チャンス位置）にある場合、Ｖ回転体１３３の回転に伴うＶゾーン１３２の移動に応じて、Ｖゾーン１３２を照射するように、系統６０１のＬＥＤ６１０を点灯制御するようにした。このように、Ｖゾーン１３２の移動に合わせてＬＥＤ６１０を点灯させることにより、遊技者はＶゾーン１３２の位置を把握しやすくなり、Ｖ入賞に対する期待感を高めることができる。
【０２９３】
また、本実施の形態では、開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球がＶ入賞の見込みの低いノーマルルート２０２を経由した場合であっても、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にある場合には、ランプ系統６００を点灯制御し、チャンス点灯をおこなうようにした。したがって、遊技球がノーマルルート２０２を経由した場合であっても、遊技者に期待感を与えるランプ演出をおこなうことができる。これにより、遊技の興趣性を高めることができる。
【０２９４】
また、本実施の形態では、開閉入賞口１３０内に遊技球が入賞し、かつ、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にある場合に、Ｖゾーン１３２の移動に応じて、ランプ系統６００を点灯制御し、チャンス点灯をおこなうようにした。言い換えれば、開閉入賞口１３０内に遊技球が入賞していない場合に、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にあったとしても、ランプ系統６００を点灯制御しないようにした。
【０２９５】
このように、開閉入賞口１３０内に遊技球が入賞せず、遊技者の期待感を得ることができない場合には、チャンス点灯をおこなわないようにし、一方、開閉入賞口１３０内に遊技球が入賞し、遊技者の期待感が高まった場合にチャンス点灯をおこなうようにしたので、遊技者の心理状況に応じたチャンス点灯をおこなうことができる。
【０２９６】
なお、本実施の形態では、旧一種タイプおよび旧第二種タイプの複合タイプのぱちんこ遊技機１００に本発明を適用した一例について説明したが、旧二種タイプの遊技機に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【０２９７】
１００ ぱちんこ遊技機
１０６ 画像表示部
１１１ 第１始動口
１１２ 第２始動口
１３０ 開閉入賞口
１３０ａ 開閉入賞口ＳＷ
１３１ ハネ（開閉部材）
１３２ Ｖゾーン（特定収容部）
１３３ Ｖ回転体（回転体）
１３４ 収容部
２０１ スペシャルルート（特別経路）
２０１ａ スペシャルルートＳＷ
２０２ ノーマルルート（通常経路）
３００ 駆動ギア
３０２ 突起部
３０３ センサ
３０３ａ ギアＳＷ
６００ ランプ系統（ランプ）
６０１ 第１系統
６０２ 第２系統
６１０ ＬＥＤ
７０１ 主制御部
７１１ ＣＰＵ
７１２ ＲＯＭ
７１３ ＲＡＭ
７０２ 演出制御部
７０２ａ 演出統括部
７０２ｃ ランプ制御部
７２１ ＣＰＵ
７２２ ＲＯＭ
７２３ ＲＡＭ
７４１ ＣＰＵ
７４２ ＲＯＭ
７４３ ＲＡＭ
８０１ 位置検出部（位置検出手段）
８０２ 判断部（判断手段）
８０３ ランプ演出部（ランプ演出手段）
８０４ 経路判定部（経路判定手段）
８０５ 入賞検出部（入賞検出手段）
【技術分野】
【０００１】
この発明は、旧第二種タイプの機能を備えたぱちんこ遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、「デジパチ」と称される旧第一種タイプのぱちんこ遊技機が知られている。旧第一種タイプのぱちんこ遊技機は、遊技球が特定の始動口に入賞すると、始動入賞したタイミングにて乱数を取得し、当該乱数が予め定められた大当たり乱数と一致するか否かの判定をおこなって、大当たり判定の抽選結果を特別図柄として表示する。そして、取得した乱数が大当たり乱数に一致する場合に、所定の大当たりを示す特別図柄を停止させて、大当たり遊技状態に移行させる。
【０００３】
大当たり遊技状態においては、大入賞口が所定のラウンド数、開放される。１回のラウンドは、大入賞口の開閉時間が規定時間（例えば３０秒）に達するか、または３０秒の開放中に遊技球が規定数（例えば１０個）入賞すると終了する。そして、当選した大当たりの内容に応じて次のラウンドが開始されて、最大ラウンドに至るまで、大入賞口の間欠的な開閉が繰り返される。このようにして、大当たり遊技状態においては多数の遊技球を獲得できるようになっている。
【０００４】
大当たりが終了すると、大当たりの種類に応じて、時短遊技状態または確変遊技状態など、電動チューリップによるサポート機能（電チューサポート）が付加される。電チューサポートが付加されると、第２始動口の近傍に設けられている電動チューリップを開放させやすくすることにより、第２始動口に遊技球が入賞しやすくなる。第２始動口に入賞した遊技球に対する大当たり抽選は、第１始動口に入賞した遊技球に比べて、遊技者にとって有利な大当たりが発生しやすくなっている。遊技者にとって有利な大当たりとは、具体的には、ラウンド数の多い大当たりや、電チューサポート付きの大当たりである。
【０００５】
また、従来、「ハネモノ」と称されている旧第二種タイプのぱちんこ遊技機が知られている。旧第二種タイプのぱちんこ遊技機は、一対の可動片（ハネ）を有する開閉入賞口が遊技盤上に設けられ、所定の始動口に遊技球が入賞すると、開閉入賞口のハネが例えば１回または２回開閉する小当たりとなり、遊技盤面を流下する遊技球を捕捉して、捕捉した遊技球を開閉入賞口内に導くようにしている。開閉入賞口の内部には、Ｖゾーンと称される特定領域が設けられており、開閉入賞口内に入賞した遊技球が、Ｖゾーンを通過（Ｖ入賞）した場合に、大当たり遊技状態に移行する。Ｖ入賞しない場合には、ハズレとなる。
【０００６】
大当たり遊技状態においては、所定のラウンド数、ハネが間欠的に開閉動作を繰り返す。例えば、１ラウンドは、ハネの開閉回数が規定回数（例えば１８回）に達するか、またはハネを規定回数開放させる間に遊技球が規定数（例えば１０個）開閉入賞口に入賞すると終了する。そして、当選した大当たりの内容に応じて次のラウンドが開始されてハネの間欠的な開閉がさらに繰り返される。ハネの開閉は、大当たりの内容に応じて設定された最終ラウンドまで最大限繰り返される。このようにして、大当たり遊技状態においては多数の遊技球を獲得できるようになっている。
【０００７】
特に、このような旧二種タイプのぱちんこ遊技機では、開閉入賞口内に、Ｖゾーンを含む複数の収容部が設けられた回転体を配置し、この回転体のＶゾーンに遊技球が収容されると大当たりに移行するようにしたものが知られている（例えば、下記特許文献１参照。）。このような従来技術は、ハネが開放するタイミングとＶゾーンの位置とによって、開閉入賞口内に入賞した遊技球がＶゾーンに収容されるか否かが決まることになる。
【０００８】
ここで、旧二種タイプの機能を備えたぱちんこ遊技機として、旧第一種タイプと旧第二種タイプとを複合した複合型のぱちんこ遊技機について補足しておく。複合型のぱちんこ遊技機は、例えば、第１始動口と、遊技盤の右側領域に打ち出された遊技球が始動入賞する第２始動口とからなる複数の始動口を設けるとともに、大入賞口および開閉入賞口を設けている。
【０００９】
このような複合型のぱちんこ遊技機は、始動口に遊技球が入賞すると、例えば、ハネを開放させる小当たりか、大入賞口を開放させる大当たりか否かの抽選をおこなう。当たり抽選によって大当たりに当選した場合、大当たりに移行した際の継続ラウンド数や、大当たり終了後の時短遊技の有無などの図柄判定がおこなわれ、大入賞口を開放させる大当たりが開始されるようになっている。
【００１０】
当たり抽選によって小当たりに当選した場合、Ｖ入賞により大当たりに移行した際の継続ラウンド数や、大当たり終了後の時短遊技の有無など、小当たり図柄判定がおこなわれる。小当たりに当選してハネが開放した際に、遊技球が開閉入賞口に入賞してＶ入賞すると、または、当たり抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口を開放させる大当たりが開始されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１１】
【特許文献１】特開２００９−２０１７１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１２】
上述した従来技術は、ハネが開放するタイミングとＶゾーンの位置とが遊技者にとっての関心事項となり、遊技者は、ハネが開放する際に、Ｖゾーンの位置を注視することとなる。しかしながら、上述した従来技術では、例えば初心者など、どのタイミングにて開閉入賞口内に遊技球が入賞するとＶ入賞のチャンスであるのかを知らない遊技者にとっては、遊技をしていても面白みに欠けるといった問題があった。また、遊技者にとっての関心事項である小当たり時のＶゾーンの位置に対して、特段、演出をおこなっておらず、演出効果に乏しいといった問題があった。
【００１３】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、初心者であっても興趣性を得ることができるとともに、演出効果を高めることができるぱちんこ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用した。括弧内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。この発明にかかるぱちんこ遊技機（１００）は、遊技球を誘引する開閉自在な開閉部材（１３１）、および当該開閉部材（１３１）を開放させる小当たり時に遊技球が通過することにより大当たりに移行する特定領域（３３２）、を有する開閉入賞口（１３０）と、前記開閉入賞口（１３０）内に一定の周期にて回転可能に設けられ、外郭領域に前記開閉入賞口（１３０）内に入賞した遊技球を収容する複数の収容部（１３４）を有し、当該複数の収容部（１３４）のうち、所定数の収容部（１３４）を、前記特定領域（３３２）に遊技球を導く特定収容部（１３２）とした回転体（１３３）と、前記開閉入賞口（１３０）内に入賞した遊技球が、前記収容部（１３４）に収容される際に経由する収容入球領域（２２０）と、各収容部（１３４）を照射する複数のランプ（６００）と、前記特定収容部（１３２）の位置を検出する位置検出手段（８０１）と、小当たり時に、前記位置検出手段（８０１）による前記特定収容部（１３２）の検出結果を用いて、前記特定収容部（１３２）が前記収容入球領域（２２０）に対向して前記開閉入賞口（１３０）と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断する判断手段（８０２）と、前記判断手段（８０２）による前記特定収容部（１３２）の位置の判断結果に基づいて、前記ランプ（６００）を点灯制御するランプ演出手段（８０３）と、を備えることを特徴とする。
【００１５】
上記発明において、前記ランプ演出手段（８０３）は、前記判断手段（８０２）によって前記特定収容部（１３２）が前記所定の近傍位置にあると判断された場合、前記回転体（１３３）の回転に伴う前記特定収容部（１３２）の移動に応じて、前記特定収容部（１３２）を照射するように、前記ランプ（６００）を点灯制御することを特徴とする。
【００１６】
上記発明において、前記開閉入賞口（１３０）内に設けられ、前記開閉入賞口（１３０）内に入賞した遊技球を前記回転体（１３３）の収容部（１３４）に導く通常経路（２０２）と、前記開閉入賞口（１３０）内に設けられ、前記開閉入賞口（１３０）内に入賞した遊技球を、前記通常経路（２０２）よりも前記特定領域（３３２）に導きやすくした特別経路（２０１）と、小当たり中に遊技球が通過した前記経路（２０１，２０２）を判定する経路判定手段（８０４）と、をさらに備え、前記判断手段（８０２）は、前記経路判定手段（８０４）によって遊技球の通過した経路（２０１，２０２）が前記通常経路（２０２）であると判定された場合、前記特定収容部（１３２）が前記所定の近傍位置にあるか否かを判断することを特徴とする。
【００１７】
上記発明において、前記開閉入賞口（１３０）内への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段（８０５）をさらに備え、前記判断手段（８０２）は、前記入賞検出手段（８０５）によって遊技球が検出された場合、前記位置検出手段（８０５）による前記特定収容部（１３２）の検出結果を用いて、前記特定収容部（１３２）が前記収容入球領域（２２０）に対向して前記開閉入賞口（１３０）と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断し、前記ランプ演出手段（８０３）は、前記入賞検出手段（８０５）によって遊技球が検出された場合であり、かつ、前記判断手段（８０２）によって前記特定収容部（１３２）が前記所定の近傍位置にあると判断された場合、前記特定収容部（１３２）の移動に応じて、前記ランプ（６００）を点灯制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【００１８】
本発明は、Ｖゾーンの位置に基づいてランプを点灯制御するようにしたので、Ｖ入賞のチャンスであるかを示唆することができ、初心者であっても興趣性を得ることができるとともに、演出効果を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】ぱちんこ遊技機を示した説明図である。
【図２】ぱちんこ遊技機の詳細な構成を示した説明図である。
【図３】Ｖ回転体の構成を示した説明図である。
【図４】Ｖ回転体のＶゾーンの位置と、駆動ギアの突起部との位置関係を示した説明図である。
【図５】Ｖゾーンおよび突起部の変形例を示した説明図である。
【図６】開閉入賞口のランプ系統を示した説明図である。
【図７】ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成を示したブロック図である。
【図８】本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示したブロック図である。
【図９】本実施の形態の概要を示したフローチャートである。
【図１０】主制御部がおこなうタイマ割込処理を示したフローチャートである。
【図１１】主制御部がおこなう始動口ＳＷ処理を示したフローチャートである。
【図１２】主制御部がおこなう特別図柄処理を示したフローチャートである。
【図１３】主制御部がおこなう当たり判定処理を示したフローチャートである。
【図１４】当たり乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。
【図１５】特１保留球を消化する際に用いられる図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。
【図１６】特２保留球を消化する際に用いられる図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。
【図１７−１】主制御部がおこなう変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
【図１７−２】特１保留球による小当たり時に用いられる長変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。
【図１７−３】特２保留球による小当たり時に用いられる短変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。
【図１８】主制御部がおこなう停止中処理を示したフローチャートである。
【図１９】主制御部がおこなう入賞役物処理を示したフローチャートである。
【図２０−１】主制御部がおこなう開閉入賞口処理を示したフローチャートである。
【図２０−２】主制御部がおこなう開閉入賞口処理を示したフローチャートである。
【図２１】ラウンド数／開放パターン設定テーブルの一例を示した説明図である。
【図２２−１】主制御部がおこなうＶゾーンＳＷ処理を示したフローチャートである。
【図２２−２】主制御部がおこなう開閉入賞口ＳＷ処理を示したフローチャートである。
【図２３】主制御部がおこなう可動体処理を示したフローチャートである。
【図２４】主制御部がおこなう大入賞口遊技処理を示したフローチャートである。
【図２５】主制御部がおこなう遊技状態設定処理を示したフローチャートである。
【図２６】主制御部がおこなう右打ち報知処理を示したフローチャートである。
【図２７】演出統括部がおこなうタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図２８−１】演出統括部がおこなうコマンド受信処理を示したフローチャートである。
【図２８−２】演出統括部がおこなうコマンド受信処理を示したフローチャートである。
【図２９】演出統括部がおこなう変動演出選択処理を示したフローチャートである。
【図３０】演出統括部がおこなう小当たり演出選択処理を示したフローチャートである。
【図３１】小当たり時の長オープニング中におこなう右打ち報知演出の一例を示した説明図である。
【図３２−１】ランプ制御部がおこなう小当たり演出中処理を示したフローチャートである。
【図３２−２】ランプ制御部がおこなう小当たり演出中処理を示したフローチャートである。
【図３３】ランプ制御部がおこなうＶゾーン位置検出処理を示したフローチャートである。
【図３４−１】遊技球がスペシャルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３４−２】遊技球がスペシャルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３５−１】遊技球がノーマルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３５−２】遊技球がノーマルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３５−３】遊技球がノーマルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３５−４】遊技球がノーマルルートを経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。
【図３６】演出統括部がおこなう小当たりエンディング演出選択処理を示したフローチャートである。
【図３７】特１保留球による小当たり終了時の演出画面の一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００２０】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【００２１】
（実施の形態）
（ぱちんこ遊技機の基本構成）
まず、ぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図１は、ぱちんこ遊技機を示した説明図である。なお、本実施の形態では、いわゆる、旧第一種タイプ（デジパチタイプ）および旧第二種タイプ（ハネモノ）の複合型のぱちんこ遊技機を用いている。
【００２２】
図１において、ぱちんこ遊技機１００は、矩形形状の枠１０１を有し、この枠１０１の窓孔に対して遊技盤１０２が着脱可能に取り付けられている。遊技盤１０２の前面には、図示しないガラス枠が開閉可能に取り付けられている。また、遊技盤１０２の下部には遊技球を貯留する受け皿部１０３と、この受け皿部１０３の遊技球を発射する発射レバー１０４などが設けられている。
【００２３】
受け皿部１０３の上面には、例えば遊技者に操作をおこなわせて遊技に参加させるための演出ボタン１０５が設けられている。また、受け皿部１０３の上面には、不図示の、遊技球購入ボタン、遊技球購入取り消しボタン、受け皿部１０３内の遊技球を下方から外部に抜くための球抜きボタンなどが設けられている。遊技盤１０２の中央には、液晶表示器からなる画像表示部１０６が設けられ、演出用の画面情報が出力されるようになっている。
【００２４】
次に、ぱちんこ遊技機１００の遊技の流れについて、主要構成部とともに説明する。なお、主要構成部の詳細については、図２を用いて後述する。ぱちんこ遊技機１００は、第１始動口１１１と、第２始動口１１２と、第１特図表示部１２１と、第２特図表示部１２２と、普通図柄表示部１２３と、保留表示部１２４と、右打ち報知表示部１２５と、開閉入賞口１３０と、ゲート１４０と、電動チューリップ１４１と、大入賞口１５０とを備えている。以下の説明では、遊技手順を示した括弧書きの番号を用いて説明する。なお、この番号は、図１に記載した括弧書きの番号に対応させている。
【００２５】
（１）まず、通常遊技状態において、遊技者は、符号１７０に示すように、遊技盤１０２の左側領域または中央領域に打ち出す、いわゆる左打ちによる遊技をおこない、第１始動口１１１を狙う。（２）遊技球が第１始動口１１１に入賞すると、小当たりの抽選および大当たりの抽選を含む当たり抽選をおこない、第１特図表示部（以下「特１表示部」という）１２１を変動する。
【００２６】
特１表示部１２１に停止した当たり抽選の抽選結果を示す第１特別図柄（以下「特図１」という）がハネ１３１の開放を示す小当たり図柄である場合、所定のインターバル時間が経過した後に、（３）開閉入賞口１３０のハネ１３１を１回、例えば１．２秒開放させる。なお、ハネ１３１は本発明の開閉部材に相当する。
【００２７】
なお、当たり抽選の抽選結果としての特図１は、継続ラウンド数および時短遊技の有無を示す小当たり図柄、小当たりを経由せずに大当たりに移行する大当たり（直撃大当たり）図柄、またはハズレを示すハズレ図柄を示すようになっている。さらに、ハネ１３１の開放を示す小当たり時や直撃大当たり時の特図１には、後述する大当たりに移行した際の継続ラウンド数の情報や、大当たりが終了した後の遊技状態を時短遊技状態とするか否かの情報が含まれる。なお、画像表示部１０６には、特１表示部１２１の図柄内容に応じた演出画面が表示される。
【００２８】
ハネ１３１が開放される際に、遊技者は、符号１８０に示すように、遊技盤１０２の右側領域に打ち出す、いわゆる右打ちをおこない、遊技球を開閉入賞口１３０に入賞させる。（４）開閉入賞口１３０に入賞した遊技球が、Ｖ回転体１３３の収容部１３４のうちＶゾーン１３２、または小回転体１３５のＶゾーン１３６に入ると、（５）当たり抽選の抽選結果に対応したラウンド数、大入賞口１５０を開放させる大当たりとなる。大当たり中は、符号１８０に示す右打ちによって遊技がおこなわれる。なお、Ｖ回転体は本発明の回転体に相当し、Ｖゾーン１３２は、本発明の特定収容部に相当する。
【００２９】
なお、小当たり時の特図１が示すラウンド数には、小当たり時のハネ１３１の開放が１回のラウンド数に含まれている。大当たり終了後は、小当たり図柄が「時短無し」を示す図柄であった場合、通常遊技状態に戻り、また、小当たり図柄が「時短付き」を示す図柄であった場合、１００回の時短遊技状態に移行する。なお、１００回とは、特別図柄の変動回数に相当する。
【００３０】
また、特図１が大当たり図柄（直撃大当たり図柄）である場合、停止した特図１の図柄内容が時短付き大当たりであった場合、大当たり終了後に、１００回の時短遊技状態に移行する。なお、直撃大当たりは、小当たりを経由せず、すなわち、Ｖゾーン１３２，１３６への遊技球の通過を要することなく、大入賞口１５０を開放させる大当たりに移行する当たりである。この直撃大当たりの場合、例えば、画像表示部１０６に、「３，３，３」または「７，７，７」などの、特定の演出図柄を揃えて停止させることにより大当たりを示唆させる。
【００３１】
（６）時短遊技状態において、遊技者は、符号１８０に示す右打ちをおこない、ゲート１４０を狙う。遊技球がゲート１４０を通過すると、（７）普通図柄表示部１２３が１．５秒変動する。停止した普通図柄が当たり図柄の場合、（８）電動チューリップ１４１を１．８秒間、３回開放させる。なお、停止した普通図柄がハズレ図柄の場合、電動チューリップ１４１を開放させない。
【００３２】
遊技球が電動チューリップ１４１を介して、第１始動口１１１と離間配置されている第２始動口１１２に入賞すると、当たり抽選をおこない、（９）第２特図表示部（以下「特２表示部」という）１２２が変動する。停止した第２特別図柄（以下「特図２」という）が、ハネ１３１の開放を示す小当たり図柄である場合、所定のインターバル時間が経過した後に、（１０）開閉入賞口１３０のハネ１３１を１回、例えば１．２秒開放させる。
【００３３】
なお、ハネ１３１の開放を示す小当たり時または直撃大当たり時の特図２には、大当たりに移行した際の継続ラウンド数の情報や、大当たりが終了した後の遊技状態に時短遊技を付加するか否かの情報が含まれる。
【００３４】
（１１）小当たり中に、遊技球がハネ１３１を介して開閉入賞口１３０に入賞し、Ｖゾーン１３２，１３６に入ると、（１２）小当たり図柄に対応したラウンド数、大入賞口１５０を開放させる大当たりとなる。なお、小当たり時の特図２に示されるラウンド数には、小当たり時のハネ１３１の開放が１回のラウンド数に含まれている。
【００３５】
大当たりが終了すると、停止した特図２が時短付き大当たりを示す図柄であった場合、新たに１００回の時短遊技状態に移行する。
【００３６】
ここで、通常遊技状態において、遊技球がゲート１４０を通過した場合について補足しておく。通常遊技状態において、遊技球がゲート１４０を通過すると、普通図柄表示部１２３が４秒変動する。また、通常遊技状態において、停止した普通図柄が当たり図柄の場合、電動チューリップ１４１が０．１５秒間の開放を１回おこなう。
【００３７】
一方、時短遊技状態において、遊技球がゲート１４０を通過すると、普通図柄表示部１２３が１．５秒変動する。また、通常遊技状態において、停止した普通図柄が当たり図柄の場合、電動チューリップ１４１は１．８秒間の開放を３回おこなう。
【００３８】
このように、通常遊技状態においては普通図柄の変動時間を長くし、かつ、電動チューリップ１４１の開放時間を短くしているため、通常遊技状態における第２始動口１１２への入賞による小当たりの発生を抑え、すなわち、遊技者がゲート１４０を狙うといった不適切な遊技を抑止している。一方、時短遊技状態においては、普通図柄の変動時間を短くし、電動チューリップ１４１の開放を長くすることにより、大当たりを発生させやすくし、遊技者に出玉を獲得させるとともに、迅速な遊技を可能にしている。
【００３９】
（ぱちんこ遊技機の詳細な構成）
次に、図２を用いて、ぱちんこ遊技機１００の詳細な構成について説明する。図２は、ぱちんこ遊技機１００の詳細な構成を示した説明図である。図２において、遊技盤１０２の略中央には、開閉入賞口１３０が設けられている。開閉入賞口１３０の上部右側には、開閉自在なハネ１３１が設けられている。ハネ１３１は、右打ちによって遊技盤１０２の右側領域を通過する遊技球を捕捉する。
【００４０】
開閉入賞口１３０の内部には、Ｖ回転体１３３と、小回転体１３５と、可動体２０３とが設けられている。Ｖ回転体１３３は、ハネ１３１の開放や閉鎖にかかわらず、一定の速度で常時右回りに回転している。Ｖ回転体１３３は、外郭に複数の収容部１３４が設けられるとともに、収容部１３４のうち、例えば、等間隔に３つ、Ｖゾーン１３２が設けられている。Ｖゾーン１３２は、一定の周期にて６時の位置に移動する。６時の位置に対向する位置は、開口してあり、遊技球を収容部１３４へ導く、収容入球領域２２０になっている。
【００４１】
小当たり時にハネ１３１を介して開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球が、収容入球領域２２０を介して、６時の位置に位置するＶゾーン１３２に収容され、当該遊技球が後述するＶ入賞ＳＷによって検出されると、大当たりに移行するようになっている。一方、小当たり時に開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球が、６時の位置に位置するＶゾーン１３２を除く収容部１３４に収容されると、大当たりに移行しないようになっている。
【００４２】
可動体２０３は、ハネ１３１を介して入賞した遊技球を、スペシャルルート２０１（図中右側）、またはノーマルルート２０２（図中左側）に振り分けるように動作する。スペシャルルート２０１は、遊技球をＶゾーン１３２に到達させやすくする経路であり、本発明の特別経路に相当する。ノーマルルート２０２は、スペシャルルート２０１に比べて遊技球をＶゾーン１３２に到達させにくくする経路であり、本発明の通常経路に相当する。
【００４３】
スペシャルルート２０１を通過した遊技球は小回転体１３５に誘導される。小回転体１３５は、遊技球を収容する回転収容領域２１０を、例えば３つ備えている。３つの回転収容領域２１０のうち１つは、遊技球をＶゾーン１３６となっている。３つの回転収容領域２１０のうち２つは、ハズレとなる一般収容領域２１１になっている。すなわち、スペシャルルート２０１を通過した遊技球は、１／３程度の割合でＶゾーン１３６に入るようになっている。
【００４４】
なお、スペシャルルート２０１内には、遊技球がスペシャルルート２０１を通過したことを検出するスペシャルルートＳＷが設けられており、このＳＷによって遊技球が検出されると期待度の高い演出がおこなわれるようになっている。
【００４５】
一方、ノーマルルート２０２を通過した遊技球は開口２０５に誘導される。開口２０５に誘導された遊技球は、開口２０５から重力により落下し、収容入球領域２２０を介して、Ｖ回転体１３３のうち、６時の位置に位置する収容部１３４に収容される。このように、ノーマルルート２０２を通過した遊技球は、（Ｖゾーン１３２の数）／（収容部１３４の数）の割合でＶゾーン１３２に入るようになっており、スペシャルルート２０１を通過した遊技球に比べて、Ｖゾーン１３２に入る割合が低くなっている。
【００４６】
遊技盤１０２の右下方には、特図１の変動と表示をおこなう特１表示部１２１と、特図２の変動と表示をおこなう特２表示部１２２と、普通図柄の変動と表示をおこなう普通図柄表示部１２３と、保留球を表示する保留表示部１２４と、右打ち報知の表示をおこなう右打ち報知表示部１２５とが設けられている。特１表示部１２１および特２表示部１２２は、例えば７セグメント表示部により構成されており、表示される数字や当該数字の色により、それぞれ大当たり後の時短の有無や、継続ラウンド回数を示すようになっている。
【００４７】
保留表示部１２４は、複数のＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）からなり、第１始動口１１１に入賞した遊技球を、当たり抽選を受ける権利である特１保留球として表示する。また、保留表示部１２４は、第２始動口１１２に入賞した遊技球を、当たり抽選を受ける権利である特２保留球として表示する。右打ち報知表示部１２５は、ＬＥＤからなり、大当たり中や時短遊技中など、右打ちによって遊技がおこなわれる遊技状態にて点灯する。
【００４８】
開閉入賞口１３０の下方領域には、特１表示部１２１に表示される特図１を変動させるための第１始動口１１１が設けられている。第１始動口１１１の内部には第１始動口ＳＷが設けられており、第１始動口ＳＷにより遊技球が検出されると、特１表示部１２１の特図１を変動表示する。
【００４９】
開閉入賞口１３０の右側領域に配置されているゲート１４０の内部には、ゲートＳＷが設けられており、ゲートＳＷによって遊技球が検出されると、普通図柄表示部１２３の普通図柄を変動表示する。普通図柄表示部１２３に特定の普通図柄が停止した場合には、電動チューリップ１４１が開放される。
【００５０】
ゲート１４０の下方には、特２表示部１２２に表示される特図２を変動させるための第２始動口１１２が設けられている。第２始動口１１２の近傍には、遊技球を第２始動口１１２に誘導する、普通電動役物としての電動チューリップ１４１が設けられている。第２始動口１１２の内部には、第２始動口ＳＷが設けられており、第２始動口ＳＷにより遊技球が検出されると、特２表示部１２２の特図２が変動表示する。
【００５１】
第２始動口１１２の下方には、大入賞口１５０が設けられている。大入賞口１５０は、大当たり遊技状態のときに開放されるものであり、その内部には大入賞口ＳＷが設けられている。遊技盤１０２の最下部にはアウト口２４１が設けられている。
【００５２】
なお、ぱちんこ遊技機１００において、第１始動口１１１および第２始動口１１２の配置位置は、これに限らず、例えば、通常遊技状態において右打ちによって第１始動口１１１を狙わせる一方、時短遊技状態において左打ちによって第２始動口１１２を狙わせる構成としてもよい。具体的には、第２始動口１１２の近傍に電動チューリップ１４１を配置することを必須として、第１始動口１１１および第２始動口１１２をそれぞれ入れ替えた構成としてもよい。
【００５３】
また、第１始動口１１１の下方に第２始動口１１２を配置するようにし、右打ちや左打ちといった打ち分けをおこなわない構成としてもよい。また、大当たりは、大入賞口１５０を所定ラウンド数開放させるようにしているが、これに限らず、例えば大入賞口１５０を設けない構成とした場合には、開閉入賞口１３０のハネ１３１を所定ラウンド数開放させるようにしてもよい。さらに、ハネ１３１は、右側の一方にのみ配置した構成としているが、これに限らず、両側に配置した構成としてもよい。
【００５４】
（Ｖ回転体の構成）
次に、図３を用いて、Ｖ回転体１３３の構成について説明する。図３は、Ｖ回転体１３３の構成を示した説明図である。図３において、Ｖ回転体１３３は、駆動ギア３００に歯合連結されており、駆動ギア３００の回転が伝達されることにより、従動回転するようになっている。本実施の形態において、Ｖ回転体１３３と駆動ギア３００のギア比は１対４になっている。すなわち、Ｖ回転体１３３が１周する際に、駆動ギア３００は４周するようになっている。
【００５５】
また、Ｖ回転体１３３は、固定配置されているガイド３１１および内周支持部３１２に沿って回転する。Ｖ回転体１３３は、円盤形状の外郭領域に各々を仕切った複数の収容部１３４を有している。収容部１３４は、Ｖゾーン１３２を、等間隔に３つ備えている。Ｖゾーン１３２は、矩形状に形成されることにより底部を有し、Ｖ回転体１３３の回転に伴って、遊技球をＶ入賞排出路３３２に導くようになっている。
【００５６】
なお、不図示であるが、Ｖ入賞排出路３３２の入口には、ＶゾーンＳＷが設けられている。Ｖ入賞排出路３３２は、本発明の特定領域に相当する。なお、小回転体１３５のＶゾーン１３６に入賞した遊技球も、不図示の誘導経路を経由して、Ｖ入賞排出路３３２に排出されるようになっている。
【００５７】
一方、Ｖゾーン１３２以外の収容部１３４は、遊技球が収容されたとしても大当たりとはならないハズレゾーン３２１になっている。ハズレゾーン３２１は、Ｖゾーン１３２のように底部を有さず、すなわち、側面のみが仕切られており、Ｖ回転体１３３の回転に伴って、遊技球を一般排出路３３１に導くようになっている。すなわち、ハズレゾーン３２１は、Ｖゾーン１３２のように底部を有していないため、重力によって遊技球を一般排出路３３１に導くようになっている。
【００５８】
駆動ギア３００は、不図示の駆動モータに接続されており、駆動回転する。駆動ギア３００の一般面３０１には、突起部３０２が等間隔に３つ設けられている。すなわち、突起部３０２は、１２０°毎に配設されている。この突起部３０２は、固定配置されているセンサ３０３によって、検知される。このような構成により、駆動ギア３００が駆動回転して、突起部３０２がセンサ３０３を通過したときに、センサ３０３に内蔵されるギアスイッチ（ＳＷ）３０３ａがＯＮになることによって、突起部３０２が検知されるようになっている。
【００５９】
センサ３０３は、例えばＶ回転体１３３のＶゾーン１３２が所定の位置（３０°毎の位置）に位置したときに、３つの突起部３０２のうち、いずれか１つを検知することができる位置に配置されている。以下に、図４を用いて、Ｖ回転体１３３のＶゾーン１３２の位置と、駆動ギア３００の突起部３０２との位置関係について、説明する。
【００６０】
（Ｖ回転体のＶゾーンの位置と、駆動ギアの突起部との位置関係）
図４は、Ｖ回転体１３３のＶゾーン１３２の位置と、駆動ギア３００の突起部３０２との位置関係を示した説明図である。図４において、センサ３０３は、Ｖゾーン１３２が所定の位置に位置するときに、３つの突起部３０２のうち１つを検知できる位置に配置されている。
【００６１】
なお、ここでは、小当たり時に開閉入賞口１３０内に進入した遊技球がＶ入賞しやすいか否かに応じた演出をおこなうため、Ｖゾーン１３２が６時の位置に位置するよりも手前のチャンス位置（例えば５時の位置）に位置していることを検出するものとする。以下、Ｖゾーン１３２ａおよびＶゾーン１３２ｂの位置の検出について、詳述する。
【００６２】
Ｖ回転体１３３と駆動ギア３００のギア比は１対４になっている。このため、駆動ギア３００が１２０°回転すると、Ｖ回転体１３３は３０°回転する。図４において、Ｖゾーン１３２ａは５時の位置に位置し、センサ３０３が突起部３０２ａを検知した状態にある。この状態から、駆動ギア３００が駆動回転することにより、センサ３０３が次の突起部３０２ｂを検知した際（駆動ギア３００が１２０°回転した際）に、Ｖ回転体１３３はその１／４に相当する３０°回転する。このとき、Ｖゾーン１３２ａが６時の位置に移動するとともに、ポイント４０１が５時の位置に移動するようになっている。
【００６３】
さらに、駆動ギア３００が１２０°回転し、センサ３０３が次の突起部３０２ｃを検知したとすると、Ｖ回転体１３３はさらに３０°回転する。このとき、ポイント４０１が６時の位置に移動するとともに、ポイント４０２が５時の位置に移動する。同様に、駆動ギア３００が１２０°回転し、センサ３０３が次の突起部３０２ａを検知したとすると、Ｖ回転体１３３は３０°回転する。
【００６４】
このとき、ポイント４０２が６時の位置に移動するとともに、ポイント４０３が５時の位置に移動する。同様に、駆動ギア３００が１２０°回転し、センサ３０３が次の突起部３０２ｂを検知したとすると、Ｖ回転体１３３は３０°回転する。このとき、ポイント４０３が６時の位置に移動するとともに、Ｖゾーン１３２ｂが５時の位置に移動する。
【００６５】
なお、本実施の形態においては、センサ３０３が突起部３０２を４回検知することによって、Ｖゾーン１３２が５時の位置に位置していることを特定するようにしているが、これに限らず、例えば、センサ３０３が突起部３０２を検知する回数を変えることにより、Ｖゾーン１３２間の中間の位置（例えばポイント４０２の位置）を特定することも可能である。
【００６６】
なお、本実施の形態においては、ギア比およびＶゾーン１３２の数によって、突起部３０２を３つ配置した構成としたが、Ｖゾーン１３２および突起部３０２の数は、これに限られるものではない。Ｖゾーン１３２の数に応じた突起部３０２の数について、変形例として図５を用いて以下に補足しておく。
【００６７】
（Ｖゾーンおよび突起部の変形例）
図５は、Ｖゾーン１３２および突起部３０２の変形例を示した説明図である。図５において、Ｖ回転体５００は、Ｖゾーン１３２を等間隔に４つ備えている。駆動ギア３００は、突起部３０２を１つ備えている。Ｖ回転体５００と、駆動ギア３００とのギア比は、上述したＶ回転体１３３の場合と同様に１対４である。したがって、Ｖ回転体５００が１周するに際し、駆動ギア３００は４周する。言い換えれば、駆動ギア３００が１周する際に、Ｖ回転体５００は１／４周する。
【００６８】
駆動ギア３００のセンサ３０３は、Ｖゾーン１３２ｐが５時の位置に位置するときに、突起部３０２を検知する位置に配置されている。すなわち、駆動ギア３００が駆動回転することにより、センサ３０３が次に突起部３０２を検知した際（３６０°回転した際）に、Ｖ回転体５００はその１／４に相当する９０°回転する。このとき、Ｖゾーン１３２ｑが５時の位置に移動するようになっている。このような構成であっても、Ｖゾーン１３２の位置を特定することが可能である。すなわち、突起部３０２を、ギア比およびＶゾーン１３２の数に応じて設けることにより、Ｖゾーン１３２の位置検出が可能になっている。
【００６９】
（開閉入賞口のランプ系統）
次に、図６を用いて、開閉入賞口１３０のランプ系統について説明する。図６は、開閉入賞口１３０のランプ系統を示した説明図である。図６において、ランプ系統６００は、第１系統６０１および第２系統６０２の、複数のランプ群からなる。各系統６０１，６０２は、それぞれ複数のＬＥＤ６１０からなり、それぞれが点灯することにより、収容部１３４毎に照射することが可能になっている。ＬＥＤ６１０は、Ｖ回転体１３３の裏に配置され、例えば、遊技盤１０２に対して固定配置されている。
【００７０】
Ｖ回転体１３３は、透明の樹脂などからなり、点灯したＬＥＤ６１０の光が、Ｖ回転体１３３の裏側から遊技者に向けて、透過する。各系統６０１，６０２は、それぞれ独立して点灯制御することが可能になっている。具体的には、例えば、系統６０１のみ赤色に点灯させたり、系統６０２のみ黄色に点滅させたりすることが可能になっている。特に、第１系統６０１は、Ｖゾーン１３２の位置に応じて、５時の位置に配置されるＬＥＤ６１０から６時に位置に配置されるＬＥＤ６１０に向けて、順次、点灯および消灯するようになっている。
【００７１】
なお、本実施の形態において、Ｖゾーン１３２は、遊技盤１０２の盤面に平行方向に回転するＶ回転体１３３に設けられたものとしているが、一定の周期にて移動するものであれば、これに限らない。例えば、Ｖゾーン１３２は、遊技盤１０２の盤面に直角方向に回転する回転体に設けられたものとしてもよい。ただし、このような構成とした場合であっても、各収容部１３４を照射するようにＬＥＤ６１０を配置することを必須とする。
【００７２】
（ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成）
次に、図７を用いて、ぱちんこ遊技機１００の制御部の内部構成について説明する。図７は、ぱちんこ遊技機１００の制御部の内部構成を示したブロック図である。図７に示すように、ぱちんこ遊技機１００の制御部７００は、遊技の進行を制御する主制御部７０１と、演出内容を制御する演出制御部７０２と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部７０３とを備えている。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
【００７３】
（１．主制御部）
主制御部７０１は、ＣＰＵ７１１と、ＲＯＭ７１２と、ＲＡＭ７１３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。主制御部７０１は、ＣＰＵ７１１がＲＡＭ７１３をワークエリアとして使用しながら、ＲＯＭ７１２に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機１００の遊技の進行を制御するように機能する。具体的には、主制御部７０１は、大当たり抽選、普通図柄抽選、遊技状態の制御などをおこない、遊技の進行を制御する。なお、主制御部７０１は、主制御基板によって実現される。
【００７４】
ＣＰＵ７１１は、予めＲＯＭ７１２に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ＲＯＭ７１２には、当たり抽選プログラム、特別図柄変動プログラム、普通図柄抽選プログラム、電動チューリップ制御プログラム、開閉入賞口制御プログラム、当たり実行プログラム、遊技状態設定プログラム、右打ち報知プログラム、入賞検出プログラムなどが記憶されている。
【００７５】
当たり抽選プログラムは、第１始動口ＳＷ１１１ａ、または第２始動口ＳＷ１１２ａによって遊技球が検出されることにより、小当たりの抽選および大当たりの抽選を含む当たり抽選をおこなうプログラムである。特別図柄変動プログラムは、当たり抽選の抽選結果を特別図柄として変動／停止させるプログラムである。
【００７６】
普通図柄抽選プログラムは、ゲートＳＷ１４０ａによって遊技球が検出されることにより、電動チューリップ１４１を開放させるか否かの普通図柄抽選をおこなうプログラムである。電動チューリップ制御プログラムは、通常時では電動チューリップ１４１を閉状態とする一方、普通図柄抽選に当選した場合、所定期間、電動チューリップ１４１を開放させるプログラムである。
【００７７】
開閉入賞口制御プログラムは、当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合に、ハネ１３１を所定時間、開放させるプログラムである。なお、ハネ１３１の開放時間は１．２秒である。当たり実行プログラムは、小当たり時にハネ１３１を開放させたり、小当たり時にＶ入賞した場合や、当たり抽選の抽選結果が大当たりの場合に、所定ラウンド数、大入賞口１５０を開放させたりするプログラムである。
【００７８】
遊技状態設定プログラムは、当たり抽選の抽選結果に応じて、大当たり後に、時短遊技状態または通常遊技状態を設定するプログラムである。時短遊技状態は、電動チューリップ１４１を開放しやすくした電チューサポート機能が付加され、右打ちによって遊技がおこなわれる遊技状態である。電チューサポート機能とは、普通図柄の変動時間が短く設定され、さらに、普通図柄抽選の当選時における電動チューリップ１４１の開放時間が長く設定される機能である。時短遊技状態は、時短付き大当たり終了後に設定される遊技状態である。
【００７９】
通常遊技状態は、電チューサポート機能が付加されない遊技状態であり、すなわち、電動チューリップ１４１を開放させにくくした遊技状態である。通常遊技状態では、主に左打ちによって遊技がおこなわれる。通常遊技状態は、通常大当たり終了後、または時短遊技状態にて所定の変動回数が終了した後に設定される遊技状態である。右打ち報知プログラムは、小当たり中、大当たり中、および時短遊技状態中に、右打ち報知表示部１２５を点灯させるプログラムである。入賞検出プログラムは、開閉入賞口ＳＷ１３０ａによって開閉入賞口１３０内への遊技球の入賞を検出するプログラムである。
【００８０】
主制御部７０１には、遊技球を検出する各種スイッチ（ＳＷ）、開閉入賞口１３０などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の特１表示部１２１、特２表示部１２２、普通図柄表示部１２３などが接続される。
【００８１】
具体的に、主制御部７０１に接続される上記の各種ＳＷとしては、第１始動口ＳＷ１１１ａと、第２始動口ＳＷ１１２ａと、開閉入賞口ＳＷ１３０ａと、ＶゾーンＳＷ１３２ａと、ゲートＳＷ１４０ａと、大入賞口ＳＷ１５０ａとがある。第１始動口ＳＷ１１１ａは、第１始動口１１１へ入賞した遊技球を検出する。第２始動口ＳＷ１１２ａは、第２始動口１１２へ入賞した遊技球を検出する。
【００８２】
開閉入賞口ＳＷ１３０ａは、開閉入賞口１３０へ入賞した遊技球を検出する。ゲートＳＷ１４０ａは、ゲート１４０を通過した遊技球を検出する。ＶゾーンＳＷ１３２ａは、Ｖゾーン１３２，１３６に収容され、Ｖ入賞排出路３３２を通過した遊技球を検出する。大入賞口ＳＷ１５０ａは、大入賞口１５０へ入賞した遊技球を検出する。それぞれのスイッチによる検出結果は主制御部７０１へ入力される。これらのスイッチには、近接スイッチなどが用いられる。
【００８３】
また、上記のソレノイドとしては、ハネソレノイド１３１ａと、電動チューリップソレノイド（図中、電チューソレノイド）１４１ａと、大入賞口ソレノイド１５０ｂとがある。ハネソレノイド１３１ａは、開閉入賞口１３０のハネ１３１を開閉動作させる。電動チューリップソレノイド１４１ａは、電動チューリップ１４１を開閉動作させる。大入賞口ソレノイド１５０ｂは、大入賞口１５０を開閉動作させる。
【００８４】
主制御部７０１は、それぞれのソレノイドに対する駆動を制御する。例えば、主制御部７０１は、大当たり抽選の抽選結果が小当たりの場合、ハネソレノイド１３１ａの駆動を制御する。また、主制御部７０１は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド１４１ａの駆動を制御する。さらに、主制御部７０１は、大当たり抽選の抽選結果、および遊技球のＶ入賞に基づいて、大入賞口ソレノイド１５０ｂの駆動を制御する。
【００８５】
また、主制御部７０１は、当たり抽選や普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、特１表示部１２１、特２表示部１２２、普通図柄表示部１２３の表示内容を制御する。特１表示部１２１は、第１始動口１１１に入賞した遊技球に対する当たり抽選の抽選結果を特図１として変動表示し、所定期間経過後に停止表示する。
【００８６】
同様に、特２表示部１２２は、第２始動口１１２に入賞した遊技球に対する当たり抽選の抽選結果を特図２として変動表示し、所定期間経過後に停止表示する。普通図柄表示部１２３は、ゲート１４０を通過した遊技球に対する普通図柄抽選をおこなって、普通図柄を変動表示し、所定期間経過後に停止表示する。
【００８７】
また、主制御部７０１は、特１保留表示部１２４ａと、特２保留表示部１２４ｂと、普図保留表示部１２４ｃとに接続されている。特１保留表示部１２４ａは、第１始動口１１１に入賞した遊技球を、当たり抽選を受けるための権利である特１保留球として表示する。特２保留表示部１２４ｂは、第２始動口１１２に入賞した遊技球を、当たり抽選を受けるための権利である特２保留球として表示する。普図保留表示部１２４ｃは、ゲート１４０を通過した遊技球を、普通図柄抽選を受けるための権利である普図保留球として表示する。
【００８８】
また、主制御部７０１は、右打ち報知表示部１２５に接続されている。右打ち報知表示部１２５は、大当たり中や時短遊技中など、右打ちによって遊技がおこなわれる遊技状態において、右打ちを促すための点灯表示をおこなう。
【００８９】
さらに、主制御部７０１は、Ｖ回転体１３３と、小回転体１３５と、可動体２０３と、に接続され、各部の動作を制御する。また、主制御部７０１は、演出制御部７０２および賞球制御部７０３にも接続され、それぞれの制御部に対して各種コマンドを出力する。例えば、主制御部７０１は、演出制御部７０２に対しては変動開始コマンド、変動停止コマンド、大当たり開始コマンドなどの演出コマンドを出力する。また、主制御部７０１は、賞球制御部７０３に対しては賞球コマンドを出力する。なお、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数を示す情報などが含まれている。
【００９０】
（２．演出制御部）
演出制御部７０２は、演出統括部７０２ａと、画像・音声制御部７０２ｂと、ランプ制御部７０２ｃとによって構成され、ぱちんこ遊技機１００の演出内容を制御する機能を有する。演出統括部７０２ａは、主制御部７０１から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部７０２全体を統括する。画像・音声制御部７０２ｂは、演出統括部７０２ａからの指示内容に基づいて画像および音声の制御をおこなう。また、ランプ制御部７０２ｃは、枠１０１および遊技盤１０２などに設けられたランプの点灯を制御する。
【００９１】
（２−１．演出統括部）
まず、演出統括部７０２ａの構成について説明する。演出統括部７０２ａは、ＣＰＵ７２１と、ＲＯＭ７２２と、ＲＡＭ７２３と、リアルタイムクロック（以下「ＲＴＣ」という）７２４と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。
【００９２】
ＣＰＵ７２１は、予めＲＯＭ７２２に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容を決定する処理を実行する。ＲＯＭ７２２には、ＣＰＵ７２１が上記の処理を実行するために必要となる演出実行プログラムなどの各種プログラムなどが記憶されている。ＲＡＭ７２３は、ＣＰＵ７２１のワークエリアとして機能するとともに、演出内容を示すデータなどが記憶されている。
【００９３】
演出実行プログラムは、ランプ制御部７０２ｃによってＶゾーン１３２が収容入球領域２２０に対向して開閉入賞口１３０と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置（チャンス位置）にある場合、大当たりへの期待度が高い旨を示すチャンス演出をおこなうプログラムである。
【００９４】
ＲＴＣ７２４は、実時間を計時出力する。ＲＴＣ７２４は、ぱちんこ遊技機１００の電源が遮断されているときもバックアップ電源（不図示）により計時動作を継続する。また、演出統括部７０２ａには、演出ボタン１０５が接続され、遊技者による操作入力を受け付ける。
【００９５】
（２−２．画像・音声制御部）
次に、画像・音声制御部７０２ｂの構成について説明する。画像・音声制御部７０２ｂは、ＣＰＵ７３１と、ＲＯＭ７３２と、ＲＡＭ７３３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。
【００９６】
ＣＰＵ７３１は、画像および音声の生成および出力処理を実行する。ＲＯＭ７３２には、画像および音声の生成および出力処理のためのプログラム、当該処理に必要となる背景画像・図柄画像・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。ＲＡＭ７３３は、ＣＰＵ７３１のワークエリアとして機能し、画像表示部１０６に表示させる画像データやスピーカ７３５から出力させる音声データが一時的に格納される。
【００９７】
すなわち、画像・音声制御部７０２ｂは、ＣＰＵ７３１がＲＡＭ７３３をワークエリアとして使用しながら、ＲＯＭ７３２に記憶された各種プログラムを実行することによって、演出統括部７０２ａからの指示に基づいて画像および音声の制御をおこなうように機能する。
【００９８】
例えば、ＣＰＵ７３１は、演出統括部７０２ａから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、演出図柄変動／停止表示処理、キャラクタ画像表示処理、文字画像表示処理などの各種画像処理と音声処理とを実行する。このときには、ＣＰＵ７３１は、処理に必要な画像データおよび音声データをＲＯＭ７３２から読み出してＲＡＭ７３３に書き込む。
【００９９】
ＲＡＭ７３３に書き込まれた背景画像や演出図柄画像などの画像データは、画像・音声制御部７０２ｂに接続された画像表示部１０６に対して出力され、画像表示部１０６の表示画面上に表示される。また、ＲＡＭ７３３に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部７０２ｂに接続されたスピーカ７３５に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ７３５から出力される。
【０１００】
（２−３．ランプ制御部）
次に、ランプ制御部７０２ｃの構成について説明する。ランプ制御部７０２ｃは、ＣＰＵ７４１と、ＲＯＭ７４２と、ＲＡＭ７４３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。ランプ制御部７０２ｃは、盤ランプ７４５と、枠ランプ７４６と、可動役物７４７と、ギアＳＷ３０３ａと、駆動モータ３００ａと、スペシャルルートＳＷ（図中ＳＰルートＳＷ）２０１ａと、ランプ系統６００とに接続されている。
【０１０１】
ＣＰＵ７４１は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ＲＯＭ７４２には、位置検出プログラム、経路判定プログラム、収容判断プログラム、演出実行プログラム、ランプ演出プログラムなどの各種プログラムや、各種処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。ＲＡＭ７４３は、ＣＰＵ７４１のワークエリアとして機能する。
【０１０２】
位置検出プログラムは、ギアＳＷ３０３ａの検出結果を用いて、Ｖ回転体１３３に設けられるＶゾーン１３２の位置を検出するプログラムである。なお、図４を用いて上述した通り、センサ３０３が突起部３０２を４回検知する度に、Ｖゾーン１３２の位置を検出する。経路判定プログラムは、スペシャルルートＳＷ２０１ａの検出結果に基づいて、小当たり中に開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球が通過した経路を判定するプログラムである。
【０１０３】
収容判断プログラムは、小当たり時に、Ｖゾーン１３２の位置に基づいて、Ｖゾーン１３２が収容入球領域２２０に対向して開閉入賞口１３０と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断するプログラムである。ランプ演出プログラムは、Ｖゾーン１３２が上記所定の近傍位置にある場合、ランプ系統６００を点灯制御するプログラムである。
【０１０４】
また、ランプ制御部７０２ｃは、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部７０２ｃは、盤ランプ７４５や枠ランプ７４６の点灯、可動役物７４７や駆動モータ３００ａの動作を制御する。
【０１０５】
演出制御部７０２は、演出統括部７０２ａと画像・音声制御部７０２ｂとランプ制御部７０２ｃとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
【０１０６】
（３．賞球制御部）
次に、賞球制御部７０３の構成について説明する。賞球制御部７０３は、ＣＰＵ７５１と、ＲＯＭ７５２と、ＲＡＭ７５３と、不図示の入出力インターフェース（Ｉ／Ｏ）などを備えて構成される。ＣＰＵ７５１は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ＲＯＭ７５２には、当該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。ＲＡＭ７５３は、ＣＰＵ７５１のワークエリアとして機能する。
【０１０７】
また、賞球制御部７０３は、払出部（払出駆動モータ）７５７と、払出球検出ＳＷ７５８ａと、球有り検出ＳＷ７５８ｂと、満タン検出ＳＷ７５８ｃと、発射部７５９とに接続される。
【０１０８】
賞球制御部７０３は、払出部７５７に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部７５７は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部７０３は、払出部７５７に対して各入賞口（第１始動口１１１、第２始動口１１２、開閉入賞口１３０、大入賞口１５０）に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
【０１０９】
また、賞球制御部７０３は、発射部７５９に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部７５９は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部７０３は、発射部７５９のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤１０２の遊技領域に遊技球を送り出す。
【０１１０】
また、この賞球制御部７０３には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、払出球検出ＳＷ７５８ａ、球有り検出ＳＷ７５８ｂ、満タン検出ＳＷ７５８ｃなどがある。例えば、賞球制御部７０３は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
【０１１１】
また、主制御部７０１には、盤用外部情報端子基板７６０が接続されており、主制御部７０１が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部７０３についても、枠用外部情報端子基板７７０が接続されており、賞球制御部７０３が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
【０１１２】
上記構成の主制御部７０１と、演出制御部７０２と、賞球制御部７０３とは、それぞれ異なるプリント基板（主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板）に設けられるが、これに限らず、例えば、賞球制御部７０３は、主制御部７０１と同一のプリント基板上に設けることもできる。
【０１１３】
（本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成）
次に、図８を用いて、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機１００の機能的構成について説明する。図８は、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機１００の機能的構成を示したブロック図である。図８において、ぱちんこ遊技機１００の演出制御部７０２は、位置検出部８０１と、判断部８０２と、ランプ演出部８０３と、経路判定部８０４と、を備えている。
【０１１４】
位置検出部８０１は、Ｖゾーン１３２の位置を検出する。本実施の形態において、位置検出部８０１は、図４を用いて上述した通り、センサ３０３が突起部３０２を４回検知する度に、Ｖゾーン１３２の位置を検出するが、これに限られるものではない。
【０１１５】
判断部８０２は、小当たり時に、位置検出部８０１によるＶゾーン１３２の検出結果を用いて、Ｖゾーン１３２が収容入球領域２２０に対向して開閉入賞口１３０と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断する。Ｖゾーン１３２が上記所定の近傍位置にあるとは、具体的には、Ｖゾーン１３２が図４に示した５時の位置付近に位置する、チャンス位置に位置していることである。
【０１１６】
本実施の形態においては、Ｖゾーン１３２が５時の位置にある場合（例えばＶ入賞の確率が１／２程度の場合）に、所定の近傍位置（チャンス位置）にあるものと判断するようにしているが、これに限らず、Ｖゾーン１３２が４〜６時の位置にある場合に、チャンス位置にあるものと判断するようにしてもよい。
【０１１７】
言い換えると、本実施の形態では、チャンス位置にあるとは、例えば、１／２程度の確率をもって、Ｖゾーン１３２に遊技球が収容される可能性があることとしているが、これに限らず、遊技者から見て明らかにＶ入賞しない場合を除いて、チャンス位置にあるものとしてもよい。また、スペシャルルート２０１を通過した場合と同程度の確率をもって、すなわち１／３割程度の確率をもって、チャンス位置にあるものとしてもよい。
【０１１８】
ランプ演出部８０３は、判断部８０２によるＶゾーン１３２の位置の判断結果に基づいて、ランプ系統６００を点灯制御する。特に、ランプ演出部８０３は、判断部８０２によってＶゾーン１３２がチャンス位置にあると判断された場合、Ｖ回転体１３３の回転に伴うＶゾーン１３２の移動に応じて、Ｖゾーン１３２を照射するように、ランプ系統６００を点灯制御する。
【０１１９】
例えば、ランプ系統の第１系統６０１に属するＬＥＤ６１０を点灯制御する。具体的には、５時の位置に配置されるＬＥＤ６１０から６時の位置に配置されるＬＥＤ６１０を順次点灯させる。なお、ＬＥＤ６１０の点灯態様、点灯色などは、任意であり、これに限られるものではなく、第２系統６０２を用いて点灯制御してもよい。
【０１２０】
また、経路判定部８０４は、小当たり中に開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球が通過した経路を判定する。具体的には、経路判定部８０４は、スペシャルルートＳＷ２０１ａによって遊技球が検出された場合、遊技球がスペシャルルート２０１を通過したものと判定し、スペシャルルートＳＷ２０１ａによって遊技球が検出されない場合、ノーマルルート２０２を通過したものと判定する。
【０１２１】
なお、本実施の形態において、遊技球の通過した経路の判定は、スペシャルルート２０１に配置したスペシャルルートＳＷ２０１ａを用いたが、これに限らず、ノーマルルート２０２に検出用のＳＷを配置し、このＳＷを用いるようにしてもよい。
【０１２２】
判断部８０２は、経路判定部８０４によって遊技球の通過した経路がノーマルルート２０２であると判定された場合、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にあるか否かを判断する。ランプ演出部８０３は、遊技球がノーマルルート２０２を通過し、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にある場合に、第１系統６０１のＬＥＤ６１０を点灯制御する。
【０１２３】
入賞検出部８０５は、開閉入賞口ＳＷ１３０ａを用いて、開閉入賞口１３０内への遊技球の入賞を検出する。判断部８０２は、入賞検出部８０５によって遊技球が検出された場合、位置検出部８０１によるＶゾーン１３２の検出結果を用いて、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にあるか否かを判断する。
【０１２４】
ランプ演出部８０３は、入賞検出部８０５によって遊技球が検出された場合であり、かつ、判断部８０２によってＶゾーン１３２がチャンス位置にあると判断された場合、Ｖゾーン１３２の移動に応じて、第１系統６０１のＬＥＤ６１０を点灯制御する。
【０１２５】
なお、位置検出部８０１と、判断部８０２と、ランプ演出部８０３と、経路判定部８０４とは、ランプ制御部７０２ｃのＣＰＵ７４１によって実現される。すなわち、ＣＰＵ７４１がＲＯＭ７４２に記憶される、位置検出プログラム、収容判断プログラム、ランプ演出プログラム、経路判定プログラムなどの各種プログラムを実行することにより各部の機能を実現する。入賞検出部８０５は、主制御部７０１のＣＰＵ７１１によって実現される。すなわち、ＣＰＵ７１１が入賞検出プログラムを実行することにより入賞検出部８０５の機能を実現する。
【０１２６】
（本実施の形態の概要）
次に、図９を用いて、本実施の形態の概要について説明する。図９は、本実施の形態の概要を示したフローチャートである。図９において、演出制御部７０２は、小当たりであるか否かを判定する（ステップＳ９０１）。小当たりではない場合（ステップＳ９０１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。小当たりである場合（ステップＳ９０１：Ｙｅｓ）、Ｖゾーン１３２が５時の位置付近にあるチャンス位置であるか否かを判定する（ステップＳ９０２）。
【０１２７】
Ｖゾーン１３２がチャンス位置ではない場合（ステップＳ９０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。Ｖゾーン１３２がチャンス位置である場合（ステップＳ９０２：Ｙｅｓ）、ランプ系統６００のうち、第１系統６０１の所定のＬＥＤ６１０を点灯させるチャンス点灯処理を実行し（ステップＳ９０３）、処理を終了する。
【０１２８】
（タイマ割込処理）
次に、図１０を用いて、主制御部７０１がおこなうタイマ割込処理について説明する。図１０は、主制御部７０１がおこなうタイマ割込処理を示したフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、電源供給期間中、所定期間（例えば４ｍｓ）毎に主制御部７０１が実行する主制御処理に割り込み動作する処理である。
【０１２９】
図１０において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、乱数更新処理をおこなう（ステップＳ１００１）。乱数更新処理では、大当たり乱数、図柄乱数などをそれぞれ、例えば＋１して、各乱数の更新をおこなう処理である。
【０１３０】
この後、第１始動口１１１、第２始動口１１２などの入賞口や、ゲート１４０などに遊技球が入賞した際におこなうスイッチ処理をおこなう（ステップＳ１００２）。スイッチ処理には、ゲートＳＷ処理や図１１を用いて後述する始動口ＳＷ処理、図２２−１を用いて後述するＶゾーンＳＷ処理、図２２−２を用いて後述する開閉入賞口ＳＷ処理などがある。
【０１３１】
この後、図柄処理をおこなう（ステップＳ１００３）。図柄処理には、普通図柄処理や、図１２を用いて後述する特別図柄処理などがある。さらに、電動役物処理をおこなう（ステップＳ１００４）。電動役物処理には、図１９を用いて後述する入賞役物処理や可動役物の動作を制御する処理などがある。この後、賞球処理をおこなう（ステップＳ１００５）。
【０１３２】
そして、遊技者に右打ちをおこなわせる旨を報知する右打ち報知処理をおこなう（ステップＳ１００６）。右打ち報知処理の詳細については、図２６を用いて後述する。この後、これらの出力処理をおこなう（ステップＳ１００７）。
【０１３３】
（始動口ＳＷ処理）
次に、図１１を用いて、図１０のステップＳ１００２に示したスイッチ処理に含まれる始動口ＳＷ処理について説明する。図１１は、主制御部７０１がおこなう始動口ＳＷ処理を示したフローチャートである。
【０１３４】
図１１において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、第１始動口１１１の第１始動口ＳＷ１１１ａがＯＮであるか否かの判定をおこない（ステップＳ１１０１）、第１始動口ＳＷ１１１ａがＯＮではない場合（ステップＳ１１０１：Ｎｏ）、ステップＳ１１０７に移行する。第１始動口ＳＷ１１１ａがＯＮである場合（ステップＳ１１０１：Ｙｅｓ）、第１始動口ＳＷ１１１ａの検知回数をカウントした第１始動口検知カウンタのカウント値Ｕ１が、「４」より小さいか否かの判定をおこなう（ステップＳ１１０２）。
【０１３５】
カウント値Ｕ１が「４」である場合（ステップＳ１１０２：Ｎｏ）、ステップＳ１１０７に移行する。カウント値Ｕ１が「４」より小さい場合（ステップＳ１１０２：Ｙｅｓ）、カウント値Ｕ１に「１」を加算する（ステップＳ１１０３）。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をＲＡＭ７１３に記憶する（ステップＳ１１０４）。なお、乱数は、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数などである。当たり乱数は、大当たり、小当たり、またはハズレのいずれかを決定するものであり、例えば「０」〜「３９９」の４００個の乱数から一つの当たり乱数が無作為に取得される。
【０１３６】
図柄乱数は、当たりの種類（時短遊技の有無）を決定するものであり、例えば「０」〜「２４９」の２５０個の乱数から一つの図柄乱数が無作為に取得される。リーチ乱数は、当たり抽選の抽選結果がハズレである場合に、リーチの有無を決定するものであり、例えば「０」〜「２４９」の２５０個の乱数から一つのリーチ乱数が無作為に取得される。変動パターン乱数は、変動パターンを決定するものであり、例えば「０」〜「９９」の１００個の乱数から一つの変動パターン乱数が無作為に取得される。
【０１３７】
この後、始動入賞したタイミングにて、当たり判定やリーチ判定などを事前におこなう事前判定処理を実行し（ステップＳ１１０５）、第１始動口１１１への遊技球の入賞により特１保留球数が増加した旨を示す特１保留球数増加コマンドをセットする（ステップＳ１１０６）。
【０１３８】
ステップＳ１１０７では、第２始動口１１２の第２始動口ＳＷ１１２ａがＯＮであるか否かの判定をおこない（ステップＳ１１０７）、第２始動口ＳＷ１１２ａがＯＦＦである場合（ステップＳ１１０７：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。また、第２始動口ＳＷ１１２ａがＯＮである場合（ステップＳ１１０７：Ｙｅｓ）、第２始動口ＳＷ１１２ａの検知回数をカウントした第２始動口検知カウンタのカウント値Ｕ２が、「４」より小さいか否かの判定をおこなう（ステップＳ１１０８）。
【０１３９】
カウント値Ｕ２が「４」である場合（ステップＳ１１０８：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。カウント値Ｕ２が「４」より小さい場合（ステップＳ１１０８：Ｙｅｓ）、カウント値Ｕ２に「１」を加算する（ステップＳ１１０９）。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をＲＡＭ７１３に記憶する（ステップＳ１１１０）。
【０１４０】
ステップＳ１１１０の処理の後、事前判定処理をおこない（ステップＳ１１１１）、第２始動口１１２への遊技球の入賞により特２保留球数が増加した旨を示す特２保留球数増加コマンドをセットし（ステップＳ１１１２）、処理を終了する。
【０１４１】
（特別図柄処理）
次に、図１２を用いて、図１０のステップＳ１００３に示した図柄処理に含まれる特別図柄処理について説明する。図１２は、主制御部７０１がおこなう特別図柄処理を示したフローチャートである。この特別図柄処理は、処理内容である。
【０１４２】
図１２において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、当たり遊技フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ１２０１）。当たり遊技フラグは、ステップＳ１２１４に示す停止中処理において、設定されるフラグであり、具体的には、停止している特別図柄が大当たりを示す大当たりフラグ、または小当たりを示す小当たりフラグが挙げられる。
【０１４３】
当たり遊技フラグがＯＮであれば（ステップＳ１２０１：Ｙｅｓ）、そのまま処理を終了する。当たり遊技フラグがＯＦＦであれば（ステップＳ１２０１：Ｎｏ）、特別図柄が変動中であるか否かを判定し（ステップＳ１２０２）、特別図柄が変動中である場合（ステップＳ１２０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ１２１１に移行する。特別図柄が変動中ではない場合（ステップＳ１２０２：Ｎｏ）、第２始動口１１２への入賞による特２保留球数を示す、第２始動口検知カウンタのカウント値Ｕ２が「１」以上であるか否かを判定する（ステップＳ１２０３）。
【０１４４】
カウント値Ｕ２が「１」以上である場合（ステップＳ１２０３：Ｙｅｓ）、カウント値Ｕ２を「１」減算したものを新たな特２保留球数とし（ステップＳ１２０４）、ステップＳ１２０７に移行する。ステップＳ１２０３において、カウント値Ｕ２が「１」以上ではない場合（ステップＳ１２０３：Ｎｏ）、すなわち「Ｕ２＝０」の場合、第１始動口１１１への入賞による特１保留球数としての第１始動口検知カウンタのカウント値Ｕ１が「１」以上であるか否かを判定する（ステップＳ１２０５）。
【０１４５】
カウント値Ｕ１が「１」以上ではない場合（ステップＳ１２０５：Ｎｏ）、すなわち「Ｕ１＝０」の場合、そのまま処理を終了する。カウント値Ｕ１が「１」以上である場合（ステップＳ１２０５：Ｙｅｓ）、カウント値Ｕ１を「１」減算したものを新たな特１保留球数とし（ステップＳ１２０６）、ステップＳ１２０７に移行する。
【０１４６】
ステップＳ１２０７では、当たり判定処理をおこなう（ステップＳ１２０７）。当たり判定処理は、詳細については図１３を用いて後述するが、遊技球が第１始動口１１１または第２始動口１１２に入賞した際に取得された当たり乱数が、予め設定される当たり乱数に一致するか否かを判定する処理である。
【０１４７】
なお、ステップＳ１２０３〜ステップＳ１２０６に示したように、第１始動口１１１への入賞による特１保留球よりも、第２始動口１１２への入賞による特２保留球を優先して消化するようにしている。この後、変動パターン選択処理をおこなう（ステップＳ１２０８）。この変動パターン選択処理は、当たり判定処理の判定結果に応じて、特別図柄の変動パターンを選択する処理であり、詳細については図１７−１を用いて後述する。
【０１４８】
この後、変動開始コマンドをＲＡＭ７１３にセットする（ステップＳ１２０９）。さらに、特別図柄の変動を開始する（ステップＳ１２１０）。そして、変動パターン選択処理によって選択された変動時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ１２１１）。変動時間が経過していない場合には（ステップＳ１２１１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０１４９】
変動時間が経過した場合には（ステップＳ１２１１：Ｙｅｓ）、変動停止コマンドをセットし（ステップＳ１２１２）、特別図柄の変動を停止する（ステップＳ１２１３）。この後、停止中処理を実行し（ステップＳ１２１４）、処理を終了する。なお、停止中処理は、詳細については図１８を用いて後述するが、停止している特別図柄が当たりを示すものである場合に当たりフラグを設定したり、時短遊技状態を示す時短フラグを残余回数に応じてＯＦＦにしたりする処理である。
【０１５０】
（当たり判定処理）
次に、図１３を用いて、図１２のステップＳ１２０７に示した当たり判定処理の詳細について説明する。図１３は、主制御部７０１がおこなう当たり判定処理を示したフローチャートである。
【０１５１】
図１３において、当たり判定処理は、始動口ＳＷ処理（図１１参照）にて取得した当たり乱数を基に、大当たりまたは小当たりか否かの当たり乱数判定処理をおこなう（ステップＳ１３０１）。なお、当たり乱数判定処理では、図１４を用いて後述する当たり乱数判定テーブルが用いられる。そして、当たり乱数判定処理の判定結果が大当たり（直撃大当たり）であるか否かを判定する（ステップＳ１３０２）。
【０１５２】
直撃大当たりである場合（ステップＳ１３０２：Ｙｅｓ）、直撃大当たりの継続ラウンド数や時短遊技の有無など大当たりの種別を判定する図柄乱数判定処理をおこなう（ステップＳ１３０３）。なお、この図柄乱数判定処理では、図１５および図１６を用いて後述する図柄乱数判定テーブルが用いられる。この後、直撃大当たり図柄をセットし（ステップＳ１３０４）、処理を終了する。
【０１５３】
ステップＳ１３０２において、直撃大当たりではない場合（ステップＳ１３０２：Ｎｏ）、小当たりであるか否かを判定する（ステップＳ１３０５）。小当たりである場合（ステップＳ１３０５：Ｙｅｓ）、大当たり移行後の継続ラウンド数や時短遊技の有無など小当たりの種別を判定する図柄乱数判定処理をおこなう（ステップＳ１３０６）。なお、この図柄乱数判定処理では、図１５および図１６を用いて後述する図柄乱数判定テーブルが用いられる。
【０１５４】
この後、小当たり図柄をセットし（ステップＳ１３０７）、処理を終了する。ステップＳ１３０５において、小当たりではない場合（ステップＳ１３０５：Ｎｏ）、ハズレ図柄をセットし（ステップＳ１３０８）、処理を終了する。
【０１５５】
（当たり乱数判定テーブルの一例）
次に、図１４を用いて、図１３のステップＳ１３０１に示した、当たり乱数判定処理にて用いられる当たり乱数判定テーブルについて説明する。図１４は、当たり乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。図１４において、当たり乱数判定テーブル１４００は、当たり種別１４０１と、始動口種別１４０２と、範囲１４０３と、割合１４０４と、乱数値１４０５とからなる。
【０１５６】
当たり種別１４０１は、大当たり（直撃大当たり）または小当たりの当たりの種別を示したものである。始動口種別１４０２は、遊技球が入賞した始動口の種別を示しており、具体的には、第１始動口１１１と、第２始動口１１２とからなる。範囲１４０３は、取得した乱数の取り得る値であり、「０〜３９９」の４００個ある。割合１４０４は、乱数値１４０５の個数を範囲１４０３の個数で除したものであり、すなわち、大当たりまたは小当たりが選択される確率を示したものである。
【０１５７】
当たり乱数判定テーブル１４００において、当たり種別１４０１のうち大当たりは、始動口種別１４０２にかかわらず、「１／４００」の割合１４０４で当選することを示している。また、小当たりは、第１始動口１１１への入賞による場合、「１／４００」の割合１４０４で当選することを示している。さらに、小当たりは、第２始動口１１２への入賞による場合、「３９９／４００」の割合１４０４で当選することを示している。なお、取得した乱数が、乱数値１４０５に記載されていない値であった場合、例えば、第１始動口１１１への入賞により取得した乱数が「３」および「７」を除く数値であった場合、ハズレとなる。
【０１５８】
このように、第１始動口１１１への入賞による遊技球に対して、小当たりの当選確率と、大当たりの当選確率とが同程度になっており、遊技者にとって小当たりに対する期待感は高いものとなっている。また、当たり乱数判定では、第２始動口１１２への入賞に基づく当たり乱数判定の方が、第１始動口１１１への入賞に基づく当たり乱数判定よりも、小当たりが容易に発生するようになっている。
【０１５９】
（図柄乱数判定テーブルの一例）
次に、図１５および図１６を用いて、図柄乱数判定テーブルについて説明する。図１５は、特１保留球を消化する際に用いられる図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。図１５において、図柄乱数判定テーブル１５００は、図１３のステップＳ１３０３またはステップＳ１３０６に示した図柄乱数判定処理にて用いられるテーブルであり、すなわち、当たり乱数判定の結果、大当たり、または小当たりに当選した場合に用いられるテーブルである。
【０１６０】
図柄乱数判定テーブル１５００は、図柄１５０１と、当たり種別１５０２と、範囲１５０３と、割合１５０４と、乱数値１５０５とからなる。図柄１５０１は、大当たり、または小当たりの内容を示したものである。当たり種別１５０２は、大当たり、または小当たりからなる。当たり種別１５０２が小当たりの場合、図柄１５０１に示すラウンド数には、小当たり時のハネ１３１の開放が１ラウンドとして含まれている。
【０１６１】
すなわち、Ｖ入賞により大当たりに移行した場合の大入賞口１５０を開放させるラウンド数は、実質的には、図柄１５０１に示すラウンド数よりも「１」少ないラウンド数となる。一方、当たり種別１５０２が大当たりの場合、図柄１５０１に示すラウンド数は、大入賞口１５０を開放させる回数に相当する。
【０１６２】
範囲１５０３は、取得した乱数の取り得る範囲を示しており、例えば、「０〜２４９」の２５０個ある。割合１５０４は、乱数値１５０５の個数を範囲１５０３の個数で除したものであり、当選確率を示している。図柄乱数判定テーブル１５００において、当たり種別１５０２が大当たりの場合、図柄１５０１に示す「１５ラウンド時短図柄」および「１５ラウンド通常図柄」が選択される割合１５０４は、それぞれ「１２５／２５０」になっている。
【０１６３】
また、図柄乱数判定テーブル１５００において、当たり種別１５０２が小当たりの場合、図柄１５０１に示す「１６ラウンド時短図柄」が選択される割合１５０４は、「１２５／２５０」になっている。また、図柄１５０１に示す「１６ラウンド通常図柄」が選択される割合１５０４は、「１２５／２５０」になっている。
【０１６４】
図１６は、特２保留球を消化する際に用いられる図柄乱数判定テーブルの一例を示した説明図である。図１６において、図柄乱数判定テーブル１６００は、図１３のステップＳ１３０３またはステップＳ１３０６に示した図柄乱数判定処理にて用いられるテーブルであり、すなわち、当たり乱数判定の結果、大当たり、または小当たりに当選した場合に用いられるテーブルである。
【０１６５】
図柄乱数判定テーブル１６００において、当たり種別１５０２が大当たりの場合、図柄１５０１に示す「１５ラウンド時短図柄」が選択される割合１５０４は、「１８７／２５０」になっている。すなわち、いわゆる時短継続率が７５％程度になっている。「１５ラウンド通常図柄」が選択される割合１５０４は、「６３／２５０」になっている。
【０１６６】
また、図柄乱数判定テーブル１６００において、当たり種別１５０２が小当たりの場合、図柄１５０１に示す「１６ラウンド時短図柄」が選択される割合１５０４は、「１８７／２５０」になっている。また、図柄１５０１に示す「１６ラウンド通常図柄」が選択される割合１５０４は、「６３／２５０」になっている。
【０１６７】
このように、図柄乱数判定では、第２始動口１１２への入賞に基づく図柄乱数判定の方が、第１始動口１１１への入賞に基づく図柄乱数判定よりも、時短付き大当たりが発生しやすくなっている。
【０１６８】
（変動パターン選択処理）
次に、図１７−１を用いて、特別図柄処理にて示した変動パターン選択処理（図１２のステップＳ１２０８参照）について説明する。図１７−１は、主制御部７０１がおこなう変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
【０１６９】
図１７−１において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、当たり判定処理の結果、大当たりであるか否かを判定する（ステップＳ１７０１）。大当たりである場合（ステップＳ１７０１：Ｙｅｓ）、大当たり変動パターンテーブルをセットする（ステップＳ１７０２）。なお、大当たり変動パターンテーブルは、大当たり時における長時間の変動パターンを選択するためのテーブルであり、乱数値と、特別図柄の変動パターンとを対応付けたものである。
【０１７０】
そして、セットしたテーブルを用いて、変動パターン乱数判定処理をおこなう（ステップＳ１７０３）。この後、変動パターン乱数判定処理によって決定した変動パターンを設定し（ステップＳ１７０４）、処理を終了する。
【０１７１】
ステップＳ１７０１において、大当たりではない場合（ステップＳ１７０１：Ｎｏ）、小当たりであるか否かを判定する（ステップＳ１７０５）。小当たりである場合（ステップＳ１７０５：Ｙｅｓ）、時短遊技状態であることを示す時短フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ１７０６）。なお、時短フラグは、図２５を用いて後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。
【０１７２】
時短フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ１７０６：Ｎｏ）、変動時間の長い長変動パターンテーブルをセットし（ステップＳ１７０７）、ステップＳ１７０３に移行する。
時短フラグがＯＦＦである場合の小当たりは、通常遊技状態における第１始動口１１１への入賞による特１保留球による抽選に基づくものである。長変動パターンとすることにより、リーチ演出等、遊技者に期待感または不安感を与える演出をおこなうことを可能にしている。
【０１７３】
なお、このほかにも、時短フラグがＯＦＦである場合の小当たりは、特２保留球が記憶されている時短遊技状態にて当選した通常大当たりの終了直後や、時短遊技状態にて所定の変動回数が終了した直後における特２保留球による抽選に基づくものもある。
【０１７４】
具体的に、補足すると、時短遊技状態において通常大当たりに当選した場合、通常大当たり終了直後には特２保留球が記憶されていることがあり、また、時短遊技状態にて所定の変動回数が終了した直後には特２保留球が記憶されていることがある。このように、通常遊技状態において特２保留球による変動がおこなわれることがあるが、この場合にも、長変動パターンテーブルをセットするようにしている。なお、長変動パターンテーブルを用いることにより、通常遊技状態において特２保留球による変動をおこなう際に、遊技者の期待感を高めるチャンス演出などをおこなうことが可能になっている。
【０１７５】
ステップＳ１７０６において、時短フラグがＯＮである場合（ステップＳ１７０６：Ｙｅｓ）、変動時間の短い短変動パターンテーブルをセットし（ステップＳ１７０８）、ステップＳ１７０３に移行する。ステップＳ１７０５において、小当たりではない場合（ステップＳ１７０５：Ｎｏ）、ハズレ変動パターンテーブルをセットし（ステップＳ１７０９）、ステップＳ１７０３に移行する。
【０１７６】
なお、ハズレ変動パターンテーブルは、保留球数と変動パターンとを対応付けたテーブルであり、このようなハズレ変動パターンテーブルを用いることにより、保留球数が多いほど、変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【０１７７】
（長変動パターンテーブルの一例）
次に、図１７−２を用いて、図１７−１のステップＳ１７０７においてセットされ、変動パターン乱数判定処理（図１７−１のステップＳ１７０３参照）において用いられる、長変動パターンテーブルについて説明する。図１７−２は、特１保留球による小当たり時に用いられる長変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。図１７−２において、長変動パターンテーブル１７２０は、通常遊技状態において用いられるテーブルであり、変動パターン１７２１と、範囲１７２２と、割合１７２３と、乱数値１７２４と、変動時間１７２５とからなる。
【０１７８】
変動パターン１７２１は、変動時間１７２５毎に特別図柄の変動をパターン化したものである。範囲１７２２は、取得する乱数値１７２４の最大限取り得る値を示しており、例えば「０〜９９」になっている。割合１７２３は、範囲１７２２の総数に対する乱数値１７２４の数の比率であり、具体的には、乱数値１７２４の個数を、範囲１７２２の総数（１００）で除したものである。
【０１７９】
変動時間１７２５は、各変動パターン１７２１の変動時間を示している。変動時間１７２５の長い変動パターン１７２１ほど、例えば期待感のある演出がおこなわれるようになっている。具体例を挙げると、変動パターン１７２１の「Ｐａ１」は、取得した乱数値１７２４が「０〜２４」の場合に、選択されるものであり、変動時間１７２５が４０秒になっている。
【０１８０】
このように、通常遊技状態における小当たり時には、リーチ演出等の演出をおこなうため、変動時間１７２５の長い変動パターン１７２１が選択されるようになっている。なお、本実施の形態では、特１保留球による小当たり時のオープニングにて右打ち報知演出をおこなうようにしているが、長変動パターンによる変動時に右打ち報知演出をおこなうようにすることも可能である。
【０１８１】
（短変動パターンテーブルの一例）
次に、図１７−３を用いて、図１７−１のステップＳ１７０８においてセットされ、変動パターン乱数判定処理（図１７−１のステップＳ１７０３参照）において用いられる、短変動パターンテーブルについて説明する。図１７−３は、特２保留球による小当たり時に用いられる短変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。なお、以下の説明において、図１７−２にて説明したものについては同様の符号を付し、その説明を省略する。
【０１８２】
図１７−３において、短変動パターンテーブル１７３０は、時短遊技状態において用いられるテーブルである。例えば、変動パターン１７２１の「Ｐｂ１」は、取得した乱数値１７２４が「０〜２４」の場合に、選択されるものであり、変動時間１７２５が２秒になっている。このように、時短遊技状態においては、迅速な遊技をおこなわせるため、変動時間１７２５の短い変動パターン１７２１が選択されるようになっている。
【０１８３】
（停止中処理）
次に、図１８を用いて、特別図柄処理にて示した停止中処理（図１２のステップＳ１２１４参照）の詳細について説明する。図１８は、主制御部７０１がおこなう停止中処理を示したフローチャートである。図１８において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、時短遊技状態を示す時短フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ１８０１）。なお、時短フラグは、図２５を用いて後述する遊技状態設定処理にて設定されるフラグである。
【０１８４】
時短フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ１８０１：Ｎｏ）、ステップＳ１８０５に移行する。時短フラグがＯＮである場合（ステップＳ１８０１：Ｙｅｓ）、時短遊技の遊技残余回数Ｊから「１」を減算する（ステップＳ１８０２）。この後、時短遊技の遊技残余回数Ｊが「０」であるか否かを判定する（ステップＳ１８０３）。遊技残余回数Ｊが「０」ではない場合（ステップＳ１８０３：Ｎｏ）、ステップＳ１８０５に移行する。遊技残余回数Ｊが「０」である場合（ステップＳ１８０３：Ｙｅｓ）、時短フラグをＯＦＦにし（ステップＳ１８０４）、ステップＳ１８０５に移行する。
【０１８５】
ステップＳ１８０５では、停止中の特図１または特図２が直撃大当たりを示す図柄であるか否かを判定する（ステップＳ１８０５）。直撃大当たりを示す図柄ではない場合（ステップＳ１８０５：Ｎｏ）、停止中の特図１または特図２が小当たりを示す図柄であるか否かを判定する（ステップＳ１８０６）。
【０１８６】
小当たりを示す図柄である場合（ステップＳ１８０６：Ｙｅｓ）、小当たり遊技状態にあることを示す小当たりフラグをＯＮにし（ステップＳ１８０７）、停止中の小当たり図柄が特図１小当たり図柄であるか否かを判定する（ステップＳ１８０８）。なお、特図１小当たり図柄は、特図１の変動による小当たり図柄に相当し、すなわち、主に、通常遊技状態における小当たり図柄に相当する。特図１小当たり図柄である場合（ステップＳ１８０８：Ｙｅｓ）、例えば１０秒といった長時間のオープニングを開始する旨を示す長オープニングコマンドをセットする（ステップＳ１８０９）。
【０１８７】
そして、小当たりオープニングを開始し（ステップＳ１８１０）、処理を終了する。ステップＳ１８０８において、停止中の小当たり図柄が特図１小当たり図柄ではない場合（ステップＳ１８０８：Ｎｏ）、例えば２秒の短時間のオープニングを開始する旨を示す短オープニングコマンドをセットし（ステップＳ１８１１）、ステップＳ１８１０に移行する。なお、特図１小当たり図柄ではない小当たり図柄は、特図２の変動による小当たり図柄に相当し、すなわち、主に、時短遊技状態における小当たり図柄に相当する。ステップＳ１８０６において、小当たりを示す図柄ではない場合（ステップＳ１８０６：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０１８８】
ステップＳ１８０５において、停止中の特図１または特図２が直撃大当たりを示す図柄である場合（ステップＳ１８０５：Ｙｅｓ）、大当たり遊技状態であることを示す大当たりフラグをＯＮにする（ステップＳ１８１２）。そして、遊技残余回数Ｊを「０」にするとともに（ステップＳ１８１３）、時短フラグをＯＦＦにする（ステップＳ１８１４）。この後、大当たりオープニングコマンドをセットするとともに（ステップＳ１８１５）、大当たりオープニングを開始し（ステップＳ１８１６）、処理を終了する。
【０１８９】
（入賞役物処理）
次に、図１９を用いて、大入賞口１５０または開閉入賞口１３０を作動させるための入賞役物処理について説明する。図１９は、主制御部７０１がおこなう入賞役物処理を示したフローチャートである。なお、入賞役物処理は、図１０のステップＳ１００４に示した電動役物処理に含まれる処理内容である。
【０１９０】
図１９において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、大当たりフラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ１９０１）。なお、大当たりフラグは、図１８に示した停止中処理にて設定されるフラグ（図１８のステップＳ１８１２参照）、または図２０−１および図２０−２に示す開閉入賞口処理にて後述するが、開閉入賞口１３０のＶ入賞によって設定されるフラグである（図２０−２のステップＳ２０１３参照）。
【０１９１】
大当たりフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ１９０１：Ｎｏ）、小当たりフラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ１９０２）。なお、小当たりフラグは、図１８に示した停止中処理にて設定されるフラグ（図１８のステップＳ１８０７参照）である。小当たりフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ１９０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０１９２】
小当たりフラグがＯＮである場合（ステップＳ１９０２：Ｙｅｓ）、図２０−１および図２０−２を用いて後述する開閉入賞口処理を実行する（ステップＳ１９０３）。この後、図２３を用いて後述する可動体処理をおこない（ステップＳ１９０４）、処理を終了する。ステップＳ１９０１において、大当たりフラグがＯＮである場合（ステップＳ１９０１：Ｙｅｓ）、図２４を用いて後述する大入賞口遊技処理を実行し（ステップＳ１９０５）、処理を終了する。
【０１９３】
（開閉入賞口処理）
次に、図２０−１および図２０−２を用いて、図１９のステップＳ１９０３に示した開閉入賞口処理の詳細について説明する。図２０−１および図２０−２は、主制御部７０１がおこなう開閉入賞口処理を示したフローチャートである。図２０−１および図２０−２において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間中であるか否かを判定する（ステップＳ２００１）。
【０１９４】
ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間中である場合（ステップＳ２００１：Ｙｅｓ）、ステップＳ２０１１に移行する。ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間中ではない場合（ステップＳ２００１：Ｎｏ）、小当たりオープニング中であるか否かを判定する（ステップＳ２００２）。なお、小当たりオープニングは、ハネ１３１を開放させる前の所定の時間である。
【０１９５】
小当たりオープニング中である場合（ステップＳ２００２：Ｙｅｓ）、ステップＳ２００７に移行する。小当たりオープニング中ではない場合（ステップＳ２００２：Ｎｏ）、ハネ１３１の開放中であるか否かを判定する（ステップＳ２００３）。ハネ１３１の開放中である場合（ステップＳ２００３：Ｙｅｓ）、ステップＳ２００９に移行する。ハネ１３１の開放中ではない場合（ステップＳ２００３：Ｎｏ）、当たり判定処理（図１３参照）にてセットされた特別図柄に基づいて、ハネ１３１または大入賞口１５０を開放させる際のラウンド数Ｒまたは開放パターンの設定をおこなう、Ｒ数／開放パターン設定処理を実行する（ステップＳ２００４）。
【０１９６】
Ｒ数／開放パターン設定処理では、図１５に示した図柄乱数判定テーブル１５００、または図１６に示した図柄乱数判定テーブル１６００を用いて、１５ラウンドまたは１６ラウンドを設定するとともに、図２１を用いて後述するラウンド数／開放パターン設定テーブルを用いて、ハネ１３１および大入賞口１５０の開放パターンを設定する。
【０１９７】
この後、ハネ１３１の開放中および開放終了後の有効期間を含むＶ有効期間の設定をおこなう、Ｖ有効期間設定処理を実行する（ステップＳ２００５）。さらに、ラウンド数Ｒに「１」を加算する（ステップＳ２００６）。そして、オープニング時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２００７）。オープニング時間が経過していない場合（ステップＳ２００７：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０１９８】
オープニング時間が経過した場合（ステップＳ２００７：Ｙｅｓ）、ハネ１３１の開放を開始する（ステップＳ２００８）。この後、ハネ１３１の開放時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２００９）。ハネ１３１の開放時間が経過していない場合（ステップＳ２００９：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。ハネ１３１の開放時間が経過した場合（ステップＳ２００９：Ｙｅｓ）、ハネ１３１の開放を終了し（ステップＳ２０１０）、ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間が終了したか否かを判定する（ステップＳ２０１１）。
【０１９９】
ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間が終了していない場合（ステップＳ２０１１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間が終了した場合（ステップＳ２０１１：Ｙｅｓ）、小当たり時のＶ入賞を示すＶフラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２０１２）。なお、Ｖフラグは、後述するＶゾーンＳＷ処理（図２２−１参照）にて設定されるフラグである。ＶフラグがＯＮである場合（ステップＳ２０１２：Ｙｅｓ）、大当たりを示す大当たりフラグをＯＮにし（ステップＳ２０１３）、時短フラグをＯＦＦにする（ステップＳ２０１４）。
【０２００】
そして、大当たりオープニングコマンドをセットするとともに（ステップＳ２０１５）、大当たりのオープニングを開始する（ステップＳ２０１６）。この後、ＶフラグをＯＦＦにするとともに（ステップＳ２０１７）、小当たりフラグをＯＦＦにし（ステップＳ２０１８）、処理を終了する。
【０２０１】
一方、ステップＳ２０１２において、ＶフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ２０１２：Ｎｏ）、停止中の小当たり図柄が特図１小当たり図柄であるか否かを判定する（ステップＳ２０１９）。なお、特図１小当たり図柄は、特図１の変動による小当たり図柄に相当し、すなわち、主に、通常遊技状態における小当たり図柄に相当する。
【０２０２】
停止中の小当たり図柄が特図１小当たり図柄である場合（ステップＳ２０１９：Ｙｅｓ）、特図１小当たりエンディングをおこなう旨を示す特図１小当たりエンディングコマンドをセットし（ステップＳ２０２０）、ステップＳ２０２２に移行する。なお、小当たりエンディングはハネ１３１の開放終了後の所定の時間であり、特図１小当たりエンディングは例えば５秒とする。
【０２０３】
ステップＳ２０１９において、停止中の小当たり図柄が特図１小当たり図柄ではない場合（ステップＳ２０１９：Ｎｏ）、すなわち、今回の小当たりが特図２の変動による特図２小当たり図柄である場合、時短遊技状態における短時間の小当たりエンディングをおこなう旨を示す特図２小当たりエンディングコマンドをセットし（ステップＳ２０２１）、小当たりエンディングを開始する（ステップＳ２０２２）。なお、特図２小当たりエンディングは例えば１秒である。そして、ラウンド数Ｒを「０」にし（ステップＳ２０２３）、ステップＳ２０１８に移行する。
【０２０４】
（ラウンド数／開放パターン設定テーブルの一例）
次に、図２１を用いて、図２０−１のステップＳ２００４に示したラウンド数／開放パターン設定処理において用いられる、ラウンド数／開放パターン設定テーブルについて説明する。図２１は、ラウンド数／開放パターン設定テーブルの一例を示した説明図である。図２１において、ラウンド数／開放パターン設定テーブル２１００は、当たり種別２１０１と、継続ラウンド数２１０２と、始動口種別２１０３と、「１Ｒ中のハネ１３１の開放パターン」２１０４と、「１Ｒ中の大入賞口１５０の開放パターン」２１０５とからなる。
【０２０５】
当たり種別２１０１は、大当たり、または小当たりのいずれかを示す当たりの種別である。継続ラウンド数２１０２は、大当たり中に、ハネ１３１または大入賞口１５０を開放させるラウンド数である。始動口種別２１０３は、遊技球が入賞した第１始動口１１１または第２始動口１１２のいずれかを示す種別である。「１Ｒ中のハネ１３１の開放パターン」２１０４は、小当たり時におけるハネ１３１の開放時間を示している。「１Ｒ中の大入賞口１５０の開放パターン」２１０５は、大当たり時における大入賞口１５０の開放時間を示している。
【０２０６】
具体的に説明すると、１５Ｒ大当たりの場合、大入賞口１５０が「２９．５秒×１５回」開放される。１６Ｒ小当たりの場合、１ラウンド目としての小当たり時にハネ１３１が「１．２秒×１回」開放される。このハネ１３１の開放時に、Ｖ入賞すると、大入賞口１５０が「２９．５秒×１５回」開放され、Ｖ入賞しなければ、大入賞口１５０の開放はおこなわれない。
【０２０７】
（ＶゾーンＳＷ処理）
次に、図２２−１を用いて、図１０のステップＳ１００２に示したスイッチ処理に含まれるＶゾーンＳＷ処理について説明する。図２２−１は、主制御部７０１がおこなうＶゾーンＳＷ処理を示したフローチャートである。図２２−１において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、ＶゾーンＳＷ１３２ａがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２２０１）。ＶゾーンＳＷ１３２ａがＯＦＦの場合（ステップＳ２２０１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２０８】
ＶゾーンＳＷ１３２ａがＯＮの場合（ステップＳ２２０１：Ｙｅｓ）、開閉入賞口１３０内のＶゾーン１３２，１３６の有効期間中であるか否かを判定する（ステップＳ２２０２）。Ｖゾーン１３２，１３６の有効期間中ではない場合（ステップＳ２２０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。Ｖゾーン１３２，１３６の有効期間中である場合（ステップＳ２２０２：Ｙｅｓ）、Ｖ入賞した旨を示すＶフラグをＯＮにする（ステップＳ２２０３）。そして、Ｖ入賞コマンドをセットし（ステップＳ２２０４）、処理を終了する。
【０２０９】
（開閉入賞口ＳＷ処理）
次に、図２２−２を用いて、図１０のステップＳ１００２に示したスイッチ処理に含まれる開閉入賞口ＳＷ処理について説明する。図２２−２は、主制御部７０１がおこなう開閉入賞口ＳＷ処理を示したフローチャートである。図２２−２において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、開閉入賞口ＳＷ１３０ａがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２２１１）。開閉入賞口ＳＷ１３０ａがＯＦＦの場合（ステップＳ２２１１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２１０】
開閉入賞口ＳＷ１３０ａがＯＮの場合（ステップＳ２２１１：Ｙｅｓ）、ハネ１３１の開放終了後の有効期間中であるか否かを判定する（ステップＳ２２１２）。有効期間中ではない場合（ステップＳ２２１２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。有効期間中である場合（ステップＳ２２１２：Ｙｅｓ）、開閉入賞コマンドをセットし（ステップＳ２２１３）、処理を終了する。なお、セットされた開閉入賞コマンドを受けて、賞球制御部７０３による遊技球の払い出しがおこなわれたり、ランプ制御部７０２ｃによる演出がおこなわれたりする。
【０２１１】
（可動体処理）
次に、図２３を用いて、図１９のステップＳ１９０４に示した可動体処理について説明する。図２３は、主制御部７０１がおこなう可動体処理を示したフローチャートである。図２３において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、可動体２０３を動作させる前のインターバル中であるか否かを判定する（ステップＳ２３０１）。インターバル中である場合（ステップＳ２３０１：Ｙｅｓ）、インターバル時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２３０２）。
【０２１２】
インターバル時間が経過していない場合（ステップＳ２３０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。インターバル時間が経過した場合（ステップＳ２３０２：Ｙｅｓ）、スペシャルルート（図中ＳＰルート）方向への可動体２０３の傾倒を開始する（ステップＳ２３０３）。そして、所定時間経過したか否かを判定する（ステップＳ２３０４）。なお、この所定時間は、例えば、ハネ１３１の開放開始から０．２秒といった時間である。
【０２１３】
所定時間が経過していない場合（ステップＳ２３０４：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。所定時間が経過した場合（ステップＳ２３０４：Ｙｅｓ）、ノーマルルート（図中ＮＲルート）方向への可動体２０３の傾倒を開始する（ステップＳ２３０５）。そして、所定時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２３０６）。なお、この所定時間は、ハネ１３１の開放終了後のＶ有効期間が経過する程度の時間である。所定時間が経過していない場合（ステップＳ２３０６：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２１４】
所定時間が経過した場合（ステップＳ２３０６：Ｙｅｓ）、可動体２０３を基準位置へ移動させ（ステップＳ２３０７）、処理を終了する。ステップＳ２３０１において、インターバル中ではない場合（ステップＳ２３０１：Ｎｏ）、可動体２０３がスペシャルルート方向に傾倒中であるか否かを判定する（ステップＳ２３０８）。
【０２１５】
可動体２０３がスペシャルルート方向に傾倒中である場合（ステップＳ２３０８：Ｙｅｓ）、ステップＳ２３０４に移行する。可動体２０３がスペシャルルート方向に傾倒中ではない場合（ステップＳ２３０８：Ｎｏ）、ステップＳ２３０６に移行する。
【０２１６】
（大入賞口遊技処理）
次に、図２４を用いて、図１９のステップＳ１９０５に示した大入賞口遊技処理の詳細について説明する。図２４は、主制御部７０１がおこなう大入賞口遊技処理を示したフローチャートである。図２４において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、大当たりのオープニング中であるか否かを判定する（ステップＳ２４０１）。大当たりオープニングは、大入賞口１５０を開放させる前の所定の時間のことをいう。
【０２１７】
大当たりオープニング中である場合（ステップＳ２４０１：Ｙｅｓ）、オープニング時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２４０２）。オープニング時間が経過していない場合（ステップＳ２４０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２１８】
オープニング時間が経過している場合（ステップＳ２４０２：Ｙｅｓ）、ラウンド数Ｒが「１」であるか否かを判定する（ステップＳ２４０３）。なお、ステップＳ２４０３の判定において、ラウンド数Ｒが「１」であるとは、開閉入賞口処理にてハネ１３１の開放があったことを示し（図２０−１のステップＳ２００６参照）、一方、ラウンド数Ｒが「１」ではないとは、開閉入賞口１３０のハネ１３１の開放がなく、すなわち、直撃大当たりであることを示す。
【０２１９】
ラウンド数Ｒが「１」である場合（ステップＳ２４０３：Ｙｅｓ）、すなわち、Ｖ入賞による大当たりの場合、ステップＳ２４０５に移行する。一方、ラウンド数Ｒが「１」ではない場合（ステップＳ２４０３：Ｎｏ）、すなわち、直撃大当たりである場合、当たり判定処理（図１３参照）にてセットされた図柄に基づいて、大当たり時のラウンド数Ｒ（１５ラウンド）の設定をおこなう、Ｒ数／作動パターン設定処理を実行する（ステップＳ２４０４）。
【０２２０】
そして、１ラウンド毎の入賞した遊技球数のカウント値Ｃを０にする（ステップＳ２４０５）。この後、ラウンド数Ｒに「１」加算した値を新たなＲとし（ステップＳ２４０６）、大入賞口ソレノイド１５０ｂを制御して、大入賞口１５０の作動を開始する（ステップＳ２４０７）。この後、大入賞口１５０の開放開始時からの所定時間（例えば２９．５秒）の作動時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ２４０８）。
【０２２１】
作動時間が経過した場合（ステップＳ２４０８：Ｙｅｓ）、ステップＳ２４１０に移行する。作動時間が経過していない場合（ステップＳ２４０８：Ｎｏ）、大入賞口１５０への入賞数を示すカウント値Ｃが規定数（例えば１０個）であるか否かを判定する（ステップＳ２４０９）。
【０２２２】
カウント値Ｃが規定数ではない場合（ステップＳ２４０９：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。カウント値Ｃが規定数である場合には（ステップＳ２４０９：Ｙｅｓ）、大入賞口１５０の作動を終了させる（ステップＳ２４１０）。そして、最終ラウンドを示す最大ラウンド数Ｒであるか否かを判定する（ステップＳ２４１１）。
【０２２３】
最大ラウンド数Ｒではない場合（ステップＳ２４１１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。最大ラウンド数Ｒである場合（ステップＳ２４１１：Ｙｅｓ）、大当たりエンディングコマンドをセットする（ステップＳ２４１２）。なお、大当たりエンディングは、大入賞口１５０閉鎖後の所定の演出用の時間をいう。
【０２２４】
そして、大当たりエンディングを開始する（ステップＳ２４１３）。この後、ラウンド数Ｒを「０」にし（ステップＳ２４１４）、大当たりエンディング時間が経過したか判定する（ステップＳ２４１５）。大当たりエンディング時間が経過していれば（ステップＳ２４１５：Ｙｅｓ）、時短遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する（ステップＳ２４１６）。なお、遊技状態設定処理については、図２５を用いて後述する。
【０２２５】
この後、大当たりフラグをＯＦＦにし（ステップＳ２４１７）、処理を終了する。ステップＳ２４１５において、大当たりエンディング時間が経過していなければ（ステップＳ２４１５：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２２６】
一方、ステップＳ２４０１において、大当たりオープニング中ではない場合（ステップＳ２４０１：Ｎｏ）、大当たりエンディング中であるか否かを判定する（ステップＳ２４１８）。大当たりエンディング中である場合（ステップＳ２４１８：Ｙｅｓ）、ステップＳ２４１５に移行する。
【０２２７】
大当たりエンディング中ではない場合（ステップＳ２４１８：Ｎｏ）、大入賞口１５０が作動中であるか否かを判定する（ステップＳ２４１９）。大入賞口１５０が作動中である場合（ステップＳ２４１９：Ｙｅｓ）、ステップＳ２４０８へ移行する。大入賞口１５０が作動中ではない場合（ステップＳ２４１９：Ｎｏ）、ステップＳ２４０５に移行する。
【０２２８】
（遊技状態設定処理）
次に、図２５を用いて、図２４のステップＳ２４１６に示した遊技状態設定処理の詳細について説明する。図２５は、主制御部７０１がおこなう遊技状態設定処理を示したフローチャートである。図２５において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、時短付き大当たりであるか否かを判定する（ステップＳ２５０１）。
【０２２９】
時短付き大当たりではない場合（ステップＳ２５０１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。時短付き大当たりである場合（ステップＳ２５０１：Ｙｅｓ）、時短フラグをＯＮにする（ステップＳ２５０２）。この後、時短遊技の遊技残余回数Ｊを１００にセットし（ステップＳ２５０３）、処理を終了する。
【０２３０】
（右打ち報知処理）
次に、図２６を用いて、図１０のステップＳ１００６に示した右打ち報知処理について説明する。図２６は、主制御部７０１がおこなう右打ち報知処理を示したフローチャートである。図２６において、主制御部７０１のＣＰＵ７１１は、時短遊技状態であることを示す時短フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２６０１）。時短フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ２６０１：Ｎｏ）、小当たり遊技状態であることを示す小当たりフラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２６０２）。
【０２３１】
小当たりフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ２６０２：Ｎｏ）、大当たり遊技状態であることを示す大当たりフラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ２６０３）。大当たりフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ２６０３：Ｎｏ）、右打ち報知表示部１２５に相当する報知ランプが点灯中であるか否かを判定する（ステップＳ２６０４）。
【０２３２】
報知ランプが点灯中ではない場合（ステップＳ２６０４：Ｎｏ）、すなわち、報知ランプが消灯中である場合、そのまま処理を終了する。報知ランプが点灯中である場合（ステップＳ２６０４：Ｙｅｓ）、報知ランプを消灯し（ステップＳ２６０５）、処理を終了する。
【０２３３】
一方、ステップＳ２６０１において、時短フラグがＯＮである場合（ステップＳ２６０１：Ｙｅｓ）、報知ランプが点灯中であるか否かを判定する（ステップＳ２６０６）。報知ランプが点灯中である場合（ステップＳ２６０６：Ｙｅｓ）、そのまま処理を終了する。報知ランプが点灯中ではない場合（ステップＳ２６０６：Ｎｏ）、すなわち、報知ランプが消灯中である場合、報知ランプを点灯し（ステップＳ２６０７）、処理を終了する。
【０２３４】
ステップＳ２６０２において、小当たりフラグがＯＮである場合（ステップＳ２６０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ２６０６に移行する。ステップＳ２６０３において、大当たりフラグがＯＮである場合（ステップＳ２６０３：Ｙｅｓ）、ステップＳ２６０６に移行する。
【０２３５】
（演出統括部がおこなうタイマ割込処理）
次に、図２７を用いて、演出制御部７０２の演出統括部７０２ａがおこなうタイマ割込処理について説明する。図２７は、演出統括部７０２ａがおこなうタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、演出統括部７０２ａが、起動中、所定期間（例えば４ｍｓ）毎に演出統括部７０２ａが実行する主演出制御処理に割り込み動作する処理である。
【０２３６】
図２７において、演出統括部７０２ａのＣＰＵ７２１は、主制御部７０１からコマンドを受信した際におこなうコマンド受信処理を実行する（ステップＳ２７０１）。なお、コマンド受信処理については、図２８−１および図２８−２を用いて後述する。そして、画像・音声制御部７０２ｂまたはランプ制御部７０２ｃに対してコマンドを送信するコマンド送信処理を実行し（ステップＳ２７０２）、処理を終了する。
【０２３７】
（コマンド受信処理）
次に、図２８−１および図２８−２を用いて、図２７のステップＳ２７０１に示したコマンド受信処理の詳細について説明する。図２８−１および図２８−２は、演出統括部７０２ａがおこなうコマンド受信処理を示したフローチャートである。図２８−１および図２８−２において、演出統括部７０２ａのＣＰＵ７２１は、主制御部７０１から、特別図柄の変動開始を示す変動開始コマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８０１）。なお、変動開始コマンドは、主制御部７０１による特別図柄処理においてセットされたコマンドである（図１２のステップＳ１２０９参照）。
【０２３８】
変動開始コマンドを受信しない場合（ステップＳ２８０１：Ｎｏ）、ステップＳ２８０３に移行する。変動開始コマンドを受信した場合（ステップＳ２８０１：Ｙｅｓ）、変動演出選択処理を実行する（ステップＳ２８０２）。変動演出選択処理は、特別図柄の変動に応じて、リーチ演出などの演出内容や停止させる演出図柄を選択する処理であり、図２９を用いて後述する。
【０２３９】
この後、演出図柄を停止させるための変動停止コマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８０３）。なお、変動停止コマンドは、特別図柄の変動停止を示すコマンドであり、主制御部７０１の特別図柄処理においてセットされるコマンドである（図１２のステップＳ１２１２参照）。
【０２４０】
変動停止コマンドを受信しない場合（ステップＳ２８０３：Ｎｏ）、ステップＳ２８０５に移行する。変動停止コマンドを受信した場合（ステップＳ２８０３：Ｙｅｓ）、変動演出終了中処理を実行する（ステップＳ２８０４）。なお、変動演出終了中処理は、演出図柄の変動を停止させたり、演出モードを変動回数に応じて終了させたりする処理である。
【０２４１】
この後、小当たりの開始を示す小当たりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８０５）。なお、小当たりオープニングコマンドは、主制御部７０１の停止中処理においてセットされるコマンドである（図１８のステップＳ１８０９およびステップＳ１８１１）。小当たりオープニングコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８０５：Ｎｏ）、ステップＳ２８０７に移行する。
【０２４２】
小当たりオープニングコマンドを受信した場合（ステップＳ２８０５：Ｙｅｓ）、小当たり中の演出内容を選択する小当たり演出選択処理を実行する（ステップＳ２８０６）。なお、小当たり演出選択処理の詳細については、図３０を用いて後述する。この後、ランプ制御部７０２ｃから、チャンスコマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８０７）。
【０２４３】
なお、チャンスコマンドは、遊技球がノーマルルート２０２を経由した場合であっても、Ｖ回転体１３３が５時の位置付近のチャンス位置にあり、Ｖゾーン１３２に収容されることが見込めるタイミングである際に、ランプ制御部７０２ｃから送信されるコマンドである。チャンスコマンドの詳細については、図３２−１および図３２−２に示す小当たり演出中処理にて後述する。
【０２４４】
チャンスコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８０７：Ｎｏ）、ステップＳ２８０９に移行する。チャンスコマンドを受信した場合（ステップＳ２８０７：Ｙｅｓ）、チャンス演出選択処理をおこなう（ステップＳ２８０８）。チャンス演出は、遊技球がノーマルルート２０２を経由したときにおこなわれる演出であり、詳細については、図３５−１〜図３５−３を用いて後述する。
【０２４５】
この後、ランプ制御部７０２ｃから、スペシャルルートコマンド（図中ＳＰルートコマンド）を受信したか否かを判定する（ステップＳ２８０９）。スペシャルルートコマンドは、遊技球がスペシャルルート２０１を経由した場合に、ランプ制御部７０２ｃから送信されるコマンドである。チャンスコマンドの詳細については、図３２−１および図３２−２に示す小当たり演出中処理にて後述する。
【０２４６】
スペシャルルートコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８０９：Ｎｏ）、ステップＳ２８１１に移行する。スペシャルルートコマンドを受信した場合（ステップＳ２８０９：Ｙｅｓ）、スペシャルルート演出選択処理（図中ＳＰルート演出選択処理）をおこなう（ステップＳ２８１０）。スペシャルルート演出は、遊技球がスペシャルルート２０１を経由したときにおこなわれる演出であり、詳細については、図３４−１および図３４−２を用いて後述する。
【０２４７】
この後、小当たりの終了を示す小当たりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８１１）。なお、小当たりエンディングコマンドは、主制御部７０１の開閉入賞口処理においてセットされるコマンドである（図２０−２のステップＳ２０２０およびステップＳ２０２１参照）。小当たりエンディングコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８１１：Ｎｏ）、ステップＳ２８１３に移行する。
【０２４８】
小当たりエンディングコマンドを受信した場合（ステップＳ２８１１：Ｙｅｓ）、小当たりエンディング用の演出を選択する小当たりエンディング演出選択処理をおこなう（ステップＳ２８１２）。なお、小当たりエンディング演出選択処理の詳細については、図３６を用いて後述する。
【０２４９】
この後、大当たりの開始を示す大当たりオープニングコマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８１３）。なお、大当たりオープニングコマンドは、主制御部７０１の停止中処理または開閉入賞口処理においてセットされるコマンドである（図１８のステップＳ１８１５および図２０−２のステップＳ２０１５参照）。
【０２５０】
大当たりオープニングコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８１３：Ｎｏ）、ステップＳ２８１５に移行する。大当たりオープニングコマンドを受信した場合（ステップＳ２８１３：Ｙｅｓ）、大当たり中の演出内容を選択する大当たり演出選択処理を実行する（ステップＳ２８１４）。
【０２５１】
この後、大当たりの終了を示す大当たりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する（ステップＳ２８１５）。なお、大当たりエンディングコマンドは、主制御部７０１の大入賞口遊技処理においてセットされるコマンドである（図２４のステップＳ２４１２参照）。大当たりエンディングコマンドを受信しない場合（ステップＳ２８１５：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２５２】
大当たりエンディングコマンドを受信した場合（ステップＳ２８１５：Ｙｅｓ）、大当たりエンディング用の演出を選択する大当たりエンディング演出選択処理をおこない（ステップＳ２８１６）、処理を終了する。
【０２５３】
（変動演出選択処理）
次に、図２９を用いて、図２８−１のステップＳ２８０２に示した変動演出選択処理の詳細について説明する。図２９は、演出統括部７０２ａがおこなう変動演出選択処理を示したフローチャートである。図２９において、演出統括部７０２ａのＣＰＵ７２１は、変動開始コマンドの解析をおこなう（ステップＳ２９０１）。ステップＳ２９０１では、具体的には、主制御部７０１の遊技状態や、当たりか否か、またはリーチか否か、などの解析をおこなう。この後、モードフラグを参照する（ステップＳ２９０２）。
【０２５４】
なお、モードフラグは、主制御部７０１の遊技状態に対応して、モード毎に設定される識別フラグであり、例えば、時短遊技状態における時短モードを示すフラグ、通常遊技状態における通常モードを示すフラグ、などがある。この後、主制御部７０１の特別図柄の変動時間に対応する変動演出パターンを選択するための、変動演出パターン選択処理をおこなう（ステップＳ２９０３）。
【０２５５】
変動演出パターン選択処理では、停止させる演出図柄などを選択する。なお、時短モードである場合には、変動演出パターン選択処理において選択された演出パターンにかかわらず、右打ち報知演出を継続しておこなう。この後、演出図柄の変動開始を示す変動演出開始コマンドをセットし（ステップＳ２９０４）、処理を終了する。
【０２５６】
（小当たり演出選択処理）
次に、図３０を用いて、図２８−２のステップＳ２８０６に示した小当たり演出選択処理の詳細について説明する。図３０は、演出統括部７０２ａがおこなう小当たり演出選択処理を示したフローチャートである。図３０において、演出統括部７０２ａのＣＰＵ７２１は、主制御部７０１から受信した小当たりオープニングコマンドを解析する（ステップＳ３００１）。ステップＳ３００１では、具体的には、長オープニングコマンドであるか短オープニングコマンドであるかなどの解析をおこなう。
【０２５７】
そして、解析の結果、長オープニングコマンドである場合（ステップＳ３００２：Ｙｅｓ）、右打ち報知演出パターン選択処理を実行する（ステップＳ３００３）。右打ち報知演出は、遊技者に右打ちをおこなわせるための演出であり、具体例については、図３１を用いて後述する。この後、ハネ１３１開放時の演出を選択するための、開放演出パターン選択処理を実行する（ステップＳ３００４）。さらに、小当たりオープニング演出開始コマンドをセットし（ステップＳ３００５）、処理を終了する。
【０２５８】
ステップＳ３００２において、長オープニングコマンドではない場合（ステップＳ３００２：Ｎｏ）、すなわち、短オープニングコマンドである場合、通常の（時短遊技状態用の）オープニング演出パターン選択処理を実行し（ステップＳ３００６）、ステップＳ３００４に移行する。
【０２５９】
（右打ち報知演出の一例）
次に、図３１を用いて、右打ち報知演出パターン選択処理（図３０のステップＳ３００３参照）において選択される右打ち報知演出の一例について説明する。図３１は、小当たり時の長オープニング中におこなう右打ち報知演出の一例を示した説明図である。
【０２６０】
図３１において、画像表示部１０６に表示される右打ち報知演出３１００には、「右打ちチャンス！右打ち開始！！」が表示されており、遊技者に右打ちを開始させる旨が表示されている。また、矢印表示３１０１により、ハネ１３１が開放される旨を示唆している。これにより、ハネ１３１の開放タイミングに合わせて、遊技者は遊技球を遊技盤１０２の右側領域に打ち出すことができ、よって、開閉入賞口１３０内に遊技球を入賞させやすくすることができる。
【０２６１】
（小当たり演出中処理）
次に、図３２−１および図３２−２を用いて、小当たり演出中にランプ制御部７０２ｃがおこなう小当たり演出中処理について説明する。図３２−１および図３２−２は、ランプ制御部７０２ｃがおこなう小当たり演出中処理を示したフローチャートである。図３２−１および図３２−２において、ランプ制御部７０２ｃのＣＰＵ７４１は、小当たり演出中であるか否かを判定する（ステップＳ３２０１）。小当たり演出中であるか否かの判定は、具体的には例えば、演出統括部７０２ａから小当たりオープニング演出の開始を示すコマンドを受信したか否かを判定することによっておこなわれる。
【０２６２】
小当たり演出中ではない場合（ステップＳ３２０１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。小当たり演出中である場合（ステップＳ３２０１：Ｙｅｓ）、開閉入賞口１３０への遊技球の入賞があった旨を示す入賞フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ３２０２）。入賞フラグがＯＮである場合（ステップＳ３２０２：Ｙｅｓ）、ステップＳ３２０５に移行する。
【０２６３】
入賞フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ３２０２：Ｎｏ）、開閉入賞口１３０への入賞があるか否かを判定する（ステップＳ３２０３）。開閉入賞口１３０への入賞があるか否かの判定は、具体的には、主制御部７０１の開閉入賞口ＳＷ処理（図２２−２参照）によってセットされた開閉入賞コマンドを、演出統括部７０２ａを介して受信したか否かを判定することによっておこなわれる。
【０２６４】
開閉入賞口１３０への入賞がない場合（ステップＳ３２０３：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。開閉入賞口１３０への入賞がある場合（ステップＳ３２０３：Ｙｅｓ）、入賞フラグをＯＮにする（ステップＳ３２０４）。この後、スペシャルルート２０１を通過した旨を示すスペシャルルートフラグ（図中ＳＰルートフラグ）がＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ３２０５）。
【０２６５】
スペシャルルートフラグがＯＮである場合（ステップＳ３２０５：Ｙｅｓ）、ステップＳ３２１４に移行する。スペシャルルートフラグがＯＦＦである場合（ステップＳ３２０５：Ｎｏ）、スペシャルルート２０１を通過したか否かを判定するために、スペシャルルートＳＷ２０１ａがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ３２０６）。
【０２６６】
スペシャルルートＳＷ（図中ＳＰルートＳＷ）２０１ａがＯＮである場合（ステップＳ３２０６：Ｙｅｓ）、すなわち、遊技球がスペシャルルート２０１を通過した場合、スペシャルルートフラグをＯＮにする（ステップＳ３２０７）。この後、スペシャルルートコマンドをセットする（ステップＳ３２０８）。このセットされたスペシャルルートコマンドを受けて、演出統括部７０２ａはスペシャルルート演出選択処理（図２８−２のステップＳ２８１０参照）をおこなう。
【０２６７】
この後、ランプ系統６００の全系統６０１，６０２を全て所定の点灯パターンや色に点灯させる全系統点灯処理をおこない（ステップＳ３２０９）、ステップＳ３２１４に移行する。なお、全系統点灯処理によって点灯したランプ系統６００の一例については、図３４−２を用いて後述する。
【０２６８】
ステップＳ３２０６において、スペシャルルートＳＷ２０１ａがＯＦＦである場合（ステップＳ３２０６：Ｎｏ）、可動体２０３がノーマルルート２０２側に傾倒するまでに要する所定期間が経過したか否かを判定する（ステップＳ３２１０）。所定期間が経過していない場合（ステップＳ３２１０：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。
【０２６９】
所定期間が経過した場合（ステップＳ３２１０：Ｙｅｓ）、Ｖゾーン１３２が５時の位置付近に位置するチャンス位置であることを示す、チャンス位置フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ３２１１）。なお、チャンス位置フラグは、図３３を用いて後述するＶゾーン位置検出処理にて後述する。
【０２７０】
チャンス位置フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ３２１１：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。チャンス位置フラグがＯＮである場合（ステップＳ３２１１：Ｙｅｓ）、チャンスコマンドをセットする（ステップＳ３２１２）。このセットされたチャンスコマンドを受けて、演出統括部７０２ａはチャンス演出選択処理（図２８−１のステップＳ２８０８参照）をおこなう。
【０２７１】
この後、ランプ系統６００のうち、第１系統６０１のＬＥＤ６１０を順次点灯させる、チャンス点灯処理をおこなう（ステップＳ３２１３）。チャンス点灯処理は、具体的には、５時の位置に配置されるＬＥＤ６１０から、６時の位置に配置されるＬＥＤ６１０を順次、赤色に高速点灯させる処理である。この後、小当たり演出が終了したか否かを判定する（ステップＳ３２１４）。小当たり演出中であるか否かの判定は、具体的には例えば、演出統括部７０２ａから、小当たりエンディング演出の開始を示すコマンドを受信したか否か、または、変動演出の開始を示すコマンドを受信したか否かを判定することによっておこなわれる。
【０２７２】
小当たり演出が終了していない場合（ステップＳ３２１４：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。小当たり演出が終了した場合（ステップＳ３２１４：Ｙｅｓ）、ランプ系統６００の点灯を停止し（ステップＳ３２１５）、入賞フラグをＯＦＦにする（ステップＳ３２１６）。さらに、スペシャルルートフラグをＯＦＦにし（ステップＳ３２１７）、処理を終了する。
【０２７３】
なお、上述した処理では、開閉入賞口１３０内に遊技球が入賞した場合に、チャンス点灯をおこなうようにしているが、これに限らず、開閉入賞口１３０内への遊技球の入賞にかかわらず、チャンス点灯をおこなうようにしてもよい。具体的には、ステップＳ３２０１〜ステップＳ３２０４の処理を省略してもよい。
【０２７４】
さらに、上述した処理では、ノーマルルート２０２を通過した場合にチャンス点灯をおこなうようにしているが、これに限らず、通過したルート２０１，２０２にかかわらず、チャンス点灯をおこなうようにしてもよい。具体的には、ステップＳ３２０５〜ステップＳ３２１０の処理を省略してもよい。
【０２７５】
（Ｖゾーン位置検出処理）
次に、図３３を用いて、ランプ制御部７０２ｃがおこなうＶゾーン１３２の位置を検出するためのＶゾーン位置検出処理について説明する。図３３は、ランプ制御部７０２ｃがおこなうＶゾーン位置検出処理を示したフローチャートである。図３３において、ランプ制御部７０２ｃのＣＰＵ７４１は、Ｖゾーン１３２が５時の位置付近に位置するチャンス位置であることを示す、チャンス位置フラグがＯＮであるか否かを判定する（ステップＳ３３０１）。
【０２７６】
チャンス位置フラグがＯＦＦである場合（ステップＳ３３０１：Ｎｏ）、ステップＳ３３０４に移行する。チャンス位置フラグがＯＮである場合（ステップＳ３３０１：Ｙｅｓ）、チャンス位置フラグがＯＮにセットされた後の所定時間が経過したか否かを判定する（ステップＳ３３０２）。なお、この所定時間は、開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球がＶゾーン１３２に入賞することのないタイミングであり、具体的には、例えば、５時の位置に位置していたＶゾーン１３２が６時の位置付近に移動するまでに要する時間である。
【０２７７】
チャンス位置フラグがＯＮにセットされた後の所定時間が経過していない場合（ステップＳ３３０２：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。チャンス位置フラグがＯＮにセットされた後の所定時間が経過した場合（ステップＳ３３０２：Ｙｅｓ）、チャンス位置フラグをＯＦＦにする（ステップＳ３３０３）。この後、Ｖゾーン１３２が５時の位置付近であることを示すか否かを判定すべく、ギアＳＷ３０３ａがＯＮになったか否かを判定する（ステップＳ３３０４）。
【０２７８】
ギアＳＷ３０３ａがＯＦＦである場合（ステップＳ３３０４：Ｎｏ）、そのまま処理を終了する。ギアＳＷ３０３ａがＯＮである場合（ステップＳ３３０４：Ｙｅｓ）、ギアＳＷ３０３ａを検知した回数を示す計測値Ｇが「４」であるか否かを判定する（ステップＳ３３０５）。計測値Ｇが「４」であるとは、Ｖゾーン１３２が５時の位置にあることに相当する。
【０２７９】
計測値Ｇが「４」である場合（ステップＳ３３０５：Ｙｅｓ）、計測値Ｇを「１」にセットするとともに（ステップＳ３３０６）、チャンス位置フラグをＯＮにし（ステップＳ３３０７）、処理を終了する。計測値Ｇが４ではない場合（ステップＳ３３０５：Ｎｏ）、計測値Ｇに「１」を加算し（ステップＳ３３０８）、処理を終了する。
【０２８０】
（開閉入賞口内に遊技球が入賞した際の演出の一例）
次に図３４−１〜図３５−４を用いて、開閉入賞口内に遊技球が入賞した際の演出の一例について説明する。図３４−１および図３４−２は、遊技球がスペシャルルート２０１を経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。図３４−１に示す説明図は、ハネ１３１の開放直後を示しており、可動体２０３がスペシャルルート２０１側に傾倒している。このとき、遊技球が開閉入賞口１３０内に入賞したとすると、図３４−２に示す状態に移行する。
【０２８１】
図３４−２に示す説明図は、遊技球がスペシャルルート２０１を経由し、小回転体１３５の回転収容領域２１０のうち、遊技球がＶゾーン１３６に収容された状態を示している。画像表示部１０６には、スペシャルルート２０１を経由した旨が表示されている。また、ランプ系統６００は、第１系統６０１および第２系統６０２が点灯し、大当たりへの期待度の高い演出がおこなわれている。
【０２８２】
図３５−１〜図３５−４は、遊技球がノーマルルート２０２を経由したときにおこなわれる演出の遷移を示した説明図である。図３５−１に示す説明図は、ハネ１３１の開放後、所定時間経過し、可動体２０３がノーマルルート２０２側に傾倒している。このとき、遊技球が開閉入賞口１３０内に入賞したとすると、図３５−２に示す状態に移行する。
【０２８３】
図３５−２に示す説明図は、遊技球がノーマルルート２０２を経由している状態を示している。可動体２０３がノーマルルート２０２側に傾倒するまでに要する所定期間内にスペシャルルートＳＷ２０１ａによって遊技球が検出されなかったことにより、画像表示部１０６には、ノーマルルート２０２を経由した旨が表示されている。また、ランプ系統６００のうち第１系統６０１は、チャンス位置（Ｖゾーン１３２が５時の位置付近）に位置するＶゾーン１３２の移動に応じて、Ｖゾーン１３２を点灯し、Ｖゾーン１３２を強調した演出をおこなっている。この状態から、遊技球が開口２０５を通過すると（Ｖゾーン１３２が移動すると）、図３５−３に示す状態に移行する。
【０２８４】
図３５−３に示す説明図は、遊技球が開口２０５を通過した直後の状態を示している。このとき、Ｖ回転体１３３のＶゾーン１３２が６時手前の位置にある。また、第１系統６０１のうち、６時の手前の位置に配置されるＬＥＤ６１０が点灯され、Ｖゾーン１３２を強調した演出をおこなっている。さらに、この状態から、Ｖゾーン１３２が移動すると、図３５−４に示す状態に移動する。
【０２８５】
図３５−４に示す説明図は、Ｖ回転体１３３のＶゾーン１３２が６時の位置にある状態を示している。遊技球は、収容入球領域２２０を経由して、Ｖゾーン１３２に収容される。このとき、第１系統６０１のうち、６時の位置に配置されるＬＥＤ６１０が点灯され、Ｖゾーン１３２を強調した演出をおこなっている。このように、本実施の形態では、遊技球がノーマルルート２０２を経由した場合であっても、遊技球がＶゾーン１３２への入賞が見込める場合には、Ｖゾーン１３２を強調した演出をおこない、遊技者に大当たりへの期待感を示すようにしている。
【０２８６】
（小当たりエンディング演出選択処理）
次に、図３６を用いて、図２８−２のステップＳ２８１２に示した小当たりエンディング演出選択処理の詳細について説明する。図３６は、演出統括部７０２ａがおこなう小当たりエンディング演出選択処理を示したフローチャートである。図３６において、演出統括部７０２ａのＣＰＵ７２１は、小当たりエンディングコマンドの解析をおこなう（ステップＳ３６０１）。ステップＳ３６０１では、具体的には、小当たりの種別や、小当たり終了後の主制御部７０１の遊技状態などの解析をおこなう。
【０２８７】
そして、エンディングコマンドの解析の結果、受信したエンディングコマンドが長時間のエンディングをおこなう旨を示す特図１エンディングコマンドであるか否かを判定する（ステップＳ３６０２）。特図１エンディングコマンドである場合（ステップＳ３６０２：Ｙｅｓ）、すなわち、今回の小当たりが第１始動口１１１への入賞による小当たりである場合、残念演出選択処理をおこなう（ステップＳ３６０３）。残念演出は、Ｖ入賞しなかったことにより、遊技者に不運な旨を示唆する演出であり、その一例については図３７を用いて後述する。
【０２８８】
この後、小当たりエンディング演出開始コマンドをセットし（ステップＳ３６０４）、処理を終了する。ステップＳ３６０２において、受信したエンディングコマンドが特図１エンディングコマンドではない場合（ステップＳ３６０２：Ｎｏ）、すなわち、今回の小当たりが第２始動口１１２への入賞による小当たりであることを示す特図２エンディングコマンドである場合、短エンディング演出選択処理をおこない（ステップＳ３６０５）、ステップＳ３６０４も移行する。短エンディング演出は、小当たりの終了を示す演出である。
【０２８９】
（特１保留球による小当たり終了時の演出画面の一例）
次に、図３７を用いて、特１保留球による小当たり時に大当たりに至らなかった場合の当該小当たり終了時の演出画面の一例について説明する。図３７は、特１保留球による小当たり終了時の演出画面の一例を示した説明図である。
【０２９０】
図３７において、演出画面３７００は、小当たり終了後の画面を示している。この演出画面３７００は、Ｖ入賞しなかった旨を示すとともに、Ｖ入賞しなかったことにより、遊技者に不運な旨を示唆する残念演出を示している。長エンディング中、この演出画面３７００を表示した後、次に消化される保留球がある場合には、次の特別図柄の変動に対応して演出図柄の変動が開始される。
【０２９１】
以上説明したように、本実施の形態によれば、Ｖゾーン１３２の位置に基づいてランプ系統６００を点灯制御し、チャンス点灯をおこなうようにしたので、Ｖ入賞のチャンスであるかを示唆することができる。したがって、初心者であっても興趣性を得ることができるとともに、演出効果を高めることができる。
【０２９２】
また、本実施の形態では、Ｖゾーン１３２が所定の近傍位置（チャンス位置）にある場合、Ｖ回転体１３３の回転に伴うＶゾーン１３２の移動に応じて、Ｖゾーン１３２を照射するように、系統６０１のＬＥＤ６１０を点灯制御するようにした。このように、Ｖゾーン１３２の移動に合わせてＬＥＤ６１０を点灯させることにより、遊技者はＶゾーン１３２の位置を把握しやすくなり、Ｖ入賞に対する期待感を高めることができる。
【０２９３】
また、本実施の形態では、開閉入賞口１３０内に入賞した遊技球がＶ入賞の見込みの低いノーマルルート２０２を経由した場合であっても、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にある場合には、ランプ系統６００を点灯制御し、チャンス点灯をおこなうようにした。したがって、遊技球がノーマルルート２０２を経由した場合であっても、遊技者に期待感を与えるランプ演出をおこなうことができる。これにより、遊技の興趣性を高めることができる。
【０２９４】
また、本実施の形態では、開閉入賞口１３０内に遊技球が入賞し、かつ、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にある場合に、Ｖゾーン１３２の移動に応じて、ランプ系統６００を点灯制御し、チャンス点灯をおこなうようにした。言い換えれば、開閉入賞口１３０内に遊技球が入賞していない場合に、Ｖゾーン１３２がチャンス位置にあったとしても、ランプ系統６００を点灯制御しないようにした。
【０２９５】
このように、開閉入賞口１３０内に遊技球が入賞せず、遊技者の期待感を得ることができない場合には、チャンス点灯をおこなわないようにし、一方、開閉入賞口１３０内に遊技球が入賞し、遊技者の期待感が高まった場合にチャンス点灯をおこなうようにしたので、遊技者の心理状況に応じたチャンス点灯をおこなうことができる。
【０２９６】
なお、本実施の形態では、旧一種タイプおよび旧第二種タイプの複合タイプのぱちんこ遊技機１００に本発明を適用した一例について説明したが、旧二種タイプの遊技機に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【０２９７】
１００ ぱちんこ遊技機
１０６ 画像表示部
１１１ 第１始動口
１１２ 第２始動口
１３０ 開閉入賞口
１３０ａ 開閉入賞口ＳＷ
１３１ ハネ（開閉部材）
１３２ Ｖゾーン（特定収容部）
１３３ Ｖ回転体（回転体）
１３４ 収容部
２０１ スペシャルルート（特別経路）
２０１ａ スペシャルルートＳＷ
２０２ ノーマルルート（通常経路）
３００ 駆動ギア
３０２ 突起部
３０３ センサ
３０３ａ ギアＳＷ
６００ ランプ系統（ランプ）
６０１ 第１系統
６０２ 第２系統
６１０ ＬＥＤ
７０１ 主制御部
７１１ ＣＰＵ
７１２ ＲＯＭ
７１３ ＲＡＭ
７０２ 演出制御部
７０２ａ 演出統括部
７０２ｃ ランプ制御部
７２１ ＣＰＵ
７２２ ＲＯＭ
７２３ ＲＡＭ
７４１ ＣＰＵ
７４２ ＲＯＭ
７４３ ＲＡＭ
８０１ 位置検出部（位置検出手段）
８０２ 判断部（判断手段）
８０３ ランプ演出部（ランプ演出手段）
８０４ 経路判定部（経路判定手段）
８０５ 入賞検出部（入賞検出手段）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
遊技球を誘引する開閉自在な開閉部材、および当該開閉部材を開放させる小当たり時に遊技球が通過することにより大当たりに移行する特定領域、を有する開閉入賞口と、
前記開閉入賞口内に一定の周期にて回転可能に設けられ、外郭領域に前記開閉入賞口内に入賞した遊技球を収容する複数の収容部を有し、当該複数の収容部のうち、所定数の収容部を、前記特定領域に遊技球を導く特定収容部とした回転体と、
前記開閉入賞口内に入賞した遊技球が、前記収容部に収容される際に経由する収容入球領域と、
各収容部を照射する複数のランプと、
前記特定収容部の位置を検出する位置検出手段と、
小当たり時に、前記位置検出手段による前記特定収容部の検出結果を用いて、前記特定収容部が前記収容入球領域に対向して前記開閉入賞口と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による前記特定収容部の位置の判断結果に基づいて、前記ランプを点灯制御するランプ演出手段と、
を備えることを特徴とするぱちんこ遊技機。
【請求項２】
前記ランプ演出手段は、前記判断手段によって前記特定収容部が前記所定の近傍位置にあると判断された場合、前記回転体の回転に伴う前記特定収容部の移動に応じて、前記特定収容部を照射するように、前記ランプを点灯制御することを特徴とする請求項１に記載のぱちんこ遊技機。
【請求項３】
前記開閉入賞口内に設けられ、前記開閉入賞口内に入賞した遊技球を前記回転体の収容部に導く通常経路と、
前記開閉入賞口内に設けられ、前記開閉入賞口内に入賞した遊技球を、前記通常経路よりも前記特定領域に導きやすくした特別経路と、
小当たり中に遊技球が通過した前記経路を判定する経路判定手段と、
をさらに備え、
前記判断手段は、前記経路判定手段によって遊技球の通過した経路が前記通常経路であると判定された場合、前記特定収容部が前記所定の近傍位置にあるか否かを判断することを特徴とする請求項１または２に記載のぱちんこ遊技機。
【請求項４】
前記開閉入賞口内への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記入賞検出手段によって遊技球が検出された場合、前記位置検出手段による前記特定収容部の検出結果を用いて、前記特定収容部が前記収容入球領域に対向して前記開閉入賞口と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断し、
前記ランプ演出手段は、前記入賞検出手段によって遊技球が検出された場合であり、かつ、前記判断手段によって前記特定収容部が前記所定の近傍位置にあると判断された場合、前記特定収容部の移動に応じて、前記ランプを点灯制御することを特徴とする請求項１〜３のいずれか一つに記載のぱちんこ遊技機。
【請求項１】
遊技球を誘引する開閉自在な開閉部材、および当該開閉部材を開放させる小当たり時に遊技球が通過することにより大当たりに移行する特定領域、を有する開閉入賞口と、
前記開閉入賞口内に一定の周期にて回転可能に設けられ、外郭領域に前記開閉入賞口内に入賞した遊技球を収容する複数の収容部を有し、当該複数の収容部のうち、所定数の収容部を、前記特定領域に遊技球を導く特定収容部とした回転体と、
前記開閉入賞口内に入賞した遊技球が、前記収容部に収容される際に経由する収容入球領域と、
各収容部を照射する複数のランプと、
前記特定収容部の位置を検出する位置検出手段と、
小当たり時に、前記位置検出手段による前記特定収容部の検出結果を用いて、前記特定収容部が前記収容入球領域に対向して前記開閉入賞口と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による前記特定収容部の位置の判断結果に基づいて、前記ランプを点灯制御するランプ演出手段と、
を備えることを特徴とするぱちんこ遊技機。
【請求項２】
前記ランプ演出手段は、前記判断手段によって前記特定収容部が前記所定の近傍位置にあると判断された場合、前記回転体の回転に伴う前記特定収容部の移動に応じて、前記特定収容部を照射するように、前記ランプを点灯制御することを特徴とする請求項１に記載のぱちんこ遊技機。
【請求項３】
前記開閉入賞口内に設けられ、前記開閉入賞口内に入賞した遊技球を前記回転体の収容部に導く通常経路と、
前記開閉入賞口内に設けられ、前記開閉入賞口内に入賞した遊技球を、前記通常経路よりも前記特定領域に導きやすくした特別経路と、
小当たり中に遊技球が通過した前記経路を判定する経路判定手段と、
をさらに備え、
前記判断手段は、前記経路判定手段によって遊技球の通過した経路が前記通常経路であると判定された場合、前記特定収容部が前記所定の近傍位置にあるか否かを判断することを特徴とする請求項１または２に記載のぱちんこ遊技機。
【請求項４】
前記開閉入賞口内への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記入賞検出手段によって遊技球が検出された場合、前記位置検出手段による前記特定収容部の検出結果を用いて、前記特定収容部が前記収容入球領域に対向して前記開閉入賞口と連通接続される位置よりも手前の所定の近傍位置にあるか否かを判断し、
前記ランプ演出手段は、前記入賞検出手段によって遊技球が検出された場合であり、かつ、前記判断手段によって前記特定収容部が前記所定の近傍位置にあると判断された場合、前記特定収容部の移動に応じて、前記ランプを点灯制御することを特徴とする請求項１〜３のいずれか一つに記載のぱちんこ遊技機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７−１】
【図１７−２】
【図１７−３】
【図１８】
【図１９】
【図２０−１】
【図２０−２】
【図２１】
【図２２−１】
【図２２−２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８−１】
【図２８−２】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２−１】
【図３２−２】
【図３３】
【図３４−１】
【図３４−２】
【図３５−１】
【図３５−２】
【図３５−３】
【図３５−４】
【図３６】
【図３７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７−１】
【図１７−２】
【図１７−３】
【図１８】
【図１９】
【図２０−１】
【図２０−２】
【図２１】
【図２２−１】
【図２２−２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８−１】
【図２８−２】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２−１】
【図３２−２】
【図３３】
【図３４−１】
【図３４−２】
【図３５−１】
【図３５−２】
【図３５−３】
【図３５−４】
【図３６】
【図３７】
【公開番号】特開２０１１−１１５２３８（Ｐ２０１１−１１５２３８Ａ）
【公開日】平成２３年６月１６日（２０１１．６．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２７２９４３（Ｐ２００９−２７２９４３）
【出願日】平成２１年１１月３０日（２００９．１１．３０）
【出願人】（０００１６１８０６）京楽産業．株式会社 (4,820)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年６月１６日（２０１１．６．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１１月３０日（２００９．１１．３０）
【出願人】（０００１６１８０６）京楽産業．株式会社 (4,820)
【Ｆターム（参考）】
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