説明

アクリル系粘着剤組成物および該組成物を用いた粘着シート又は粘着テープ

【課題】アクリル系粘着剤の特徴である優れた耐候性、透明性有し、且つ低エネルギー表面に対する接着性、固定性、耐熱性に優れたアクリル系粘着剤組成物を提供する。また上記アクリル系粘着剤組成物を塗布して得られる耐候性、透明性、低エネルギー表面に対する接着性、固定性、耐熱性に優れる粘着シートまたは粘着テープを提供する。
【解決手段】アクリル系ポリマーのモノマー成分として、式(1)を代表例とする少なくとも一種のテルペン系(メタ)アクリレート化合物を含有するアクリル系粘着剤組成物。


上記式中、Xは水素原子またはメチル基を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた耐候性、透明性を有し、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、自動車の塗装面などの低エネルギー表面に対して良好な粘着特性を示し、更に優れた耐熱性、固定性を発現するアクリル系粘着剤組成物に関するものである。
また、このアクリル系粘着剤組成物を支持体の片面または両面に塗付した粘着シートまたは粘着テープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アクリル系粘着剤は耐候性や透明性に優れ、また粘着3物性のバランスが良好なことから、多くの粘・接着製品に応用されているが、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、シクロオレフィンポリマーやシクロオレフィンコポリマーなど環状ポリオレフィン、自動車の塗装面などの低エネルギー表面に対する接着力が弱いという欠点がある。
また、近年のエレクトロニクス分野の伸長に伴い液晶ディスプレーやプラズマディスプレーを構成する光学部材の貼り合わせ、半導体製造工程に使用される特殊テープ、携帯電話の部品の接着用の両面テープなど新たな粘接着用途が生まれてきている。これらの粘着剤製品には、粘着3物性に加え、更なる高い耐熱性と固定性の要求が高まってきている。
【0003】
これらの欠点を解消し、また新たな要求特性を満足させるために、粘着付与樹脂を配合して改質する方法等が知られている(文献1)。
しかしアクリル系粘着剤に粘着付与樹脂を添加すると、低エネルギー表面に対する粘着性、耐熱性、固定性の改質には有効であるが、粘着付与樹脂は一般的にアクリル粘着剤と比較すると耐候性に劣るため、アクリル系粘着剤の特徴である耐候性を低下させる弊害が生じる。また、アクリル系粘着剤と粘着付与樹脂の相溶性が劣る場合には、経時に粘着付与樹脂が粘着剤表面にブリードアウトし、粘着性の低下や白濁等の問題点が生じる。
【0004】
一方、アクリル系粘着剤を構成する(メタ)アクリル酸アクリルエステルのアルキル基の炭素数が15〜20の長鎖アルキルのアクリル系モノマーを共重合することによって低エネルギー表面の被着体に対する密着性を上げる方法が開示されている(文献2)。
しかしながらこれらの長鎖アルキル基を有するアクリル系モノマーは、一般的にガラス転移温度(Tg)が低く、耐熱性、固定性を満足させることはできない。
【0005】
更に、耐熱性や固定性を向上させるために、Tgの高い(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えばエチルアクリレートやブチルアクリレートなどを共重合する方法がとられるが、Tgの高い(メタ)アクリル酸アルキルエステルを共重合すると、耐熱性、固定性は向上するが、粘着剤の極性が高くなり低エネルギー表面に対する接着性に劣る。以上のことから、アクリル系粘着剤の耐候性、透明性を維持し、低エネルギー表面に対する接着性に優れ、且つ耐熱性、固定性に優れた粘着剤組成物は見いだされていない。
【特許文献1】特開2004−143420号公報
【特許文献2】特開平1−261479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたもので、アクリル系粘着剤の特徴である優れた耐候性、透明性有し、且つ低エネルギー表面に対する接着性に優れ、さらに固定性、耐熱性に優れたアクリル系粘着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明はまた上記アクリル系粘着剤組成物を塗布して得られる耐候性、透明性、低エネルギー表面に対する接着性、固定性、耐熱性に優れる粘着シートまたは粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために鋭意検討した結果、式(1)〜(5)に示すテルペン系(メタ)アクリレート化合物をアクリル系ポリマーのモノマー成分としていずれか一種含有するアクリル系粘着剤組成物を使用することによって、耐候性、透明性を損なわずに、低エネルギー表面に対する接着性に優れ、さらに固定性、耐熱性に優れる粘着剤組成物を得られることが見いだされた。
【0008】
さらに本発明のアクリル系粘着剤組成物は、下記式(1)〜(5)のテルペン系(メタ)アクリレート化合物をいずれか一種含有することが好ましい。
【0009】
【化1】

上記式中、Xは水素原子またはメチル基を表す。
【0010】
【化2】

上記式中、Yは水素原子またはメチル基を表す。
【0011】
【化3】

上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表す。
【0012】
【化4】

上記式中、Aは水素原子またはメチル基を表す。
【0013】
【化5】

上記式中、Bは水素原子またはメチル基を表す。
【0014】
このアクリル系粘着剤組成物は、溶剤型、エマルジョン型、UV硬化型、ホットメルト型いずれの形態の製品化も可能であり、あらゆる支持体や塗布プロセスにも対応できるものである。
【0015】
本発明は、上記アクリル系粘着剤組成物を支持体の片面または両面に塗布してなる粘着シートまたは粘着テープも含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、耐候性、透明性に優れ、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィン、環状ポリオレフィン、自動車の塗装面に対して良好な粘着力を示し、かつ、耐熱性、固定性に優れたものである。また、本発明のアクリル系粘着剤組成物を塗布して得られる粘着シートまたは粘着テープは、耐熱性、固定性に優れるためエレクトロニクス分野の用途に最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のアクリル系粘着剤組成物について説明するが、まず、その構成モノマーである式(1)〜(5)のテルペン系(メタ)アクリレート化合物について説明する。
【0018】
【化6】

上記式中、Xは水素原子またはメチル基を表す。
【0019】
【化7】

上記式中、Yは水素原子またはメチル基を表す。
【0020】
【化8】


上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表す。
【0021】
【化9】

上記式中、Aは水素原子またはメチル基を表す。
【0022】
【化10】

上記式中、Bは水素原子またはメチル基を表す。
【0023】
本発明のテルペン系(メタ)アクリレート化合物は、テルペンアルコール系化合物と(メタ)アクリル酸とをエステル化することによって得られるが、出発物質、合成方法、合成レートは特に限定されない。
【0024】
テルペンアルコール系化合物には、例えば下記式(6)〜(10)に示すものが挙げられるが、出発物質、合成方法、合成レートは特に限定されない。
【0025】
【化11】

【0026】
【化12】

【0027】
【化13】

【0028】
【化14】

【0029】
【化15】

【0030】
テルペンアルコール系化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル化方法は、上記テルペンアルコール系化合物と(メタ)アクリル酸を共存させる直接エステル化法、各種低級アルコール(メタ)アクリル酸エステルを使用するエステル交換法、(メタ)アクリル酸クロリドを使用する酸クロ法等、通常行われているエステル化方法により行うことができ、製造方法としては特に限定しない。
【0031】
本発明のアクリル系粘着剤組成物は、上記式(1)〜(5)のテルペン系(メタ)アクリレート化合物を単独で重合させるか、または他のアクリル系モノマー成分と共重合させることにより製造することができる。
(共)重合方法は、溶液重合、エマルジョン重合、UV重合等いずれでもよく、特に限定されない。また形態として溶剤型、エマルジョン型、ホットメルト型、UV硬化型いずれでもよい。
ここで(共)重合可能なアクリル系モノマーについて述べるが、特に限定はないが具体的な例として次のようなものが挙げられる。
【0032】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類として(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等が挙げられ、単独若しくは2種類以上が併用されてもよい。
【0033】
(メタ)アクリル酸エステル類として(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニルエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコールエステル等が挙げられ、(メタ)アクリル酸アリールエステル類として、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸メチルフェニル等が挙げられる。
【0034】
カルボキシル基含有モノマーとして(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル、こはく酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート等が挙げられ、水酸基含有モノマーとして、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等が挙げられる。
【0035】
エーテル基含有モノマーとして(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、1,3−ブチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、クレジルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる
【0036】
その他にグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマーとしてN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等、有機ケイ素基含有モノマーとしてトリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等、リン含有モノマーとしてジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等、イソシアネート基含有モノマーとして(メタ)アクリロイルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が上げられる。
【0037】
なお、(共)重合方法には、上記した本発明の必須重合成分であるテルペン系(メタ)アクリレート系化合物と他のアクリル系モノマー以外に、任意の共重合成分を用いることもできる。かかる任意の共重合成分としては、スチレン類としてスチレン、ヒドロキシスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、tert−ブトキシスチレン、tert−ブトキシカルボニルスチレン、tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、α−メチルスチレン等、ビニル化合物として酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等、アリル化合物として酢酸アリル、アリルグリシジルエーテル等、カルボキシル基含有モノマーとしてイタコン酸、クロトン酸、フマル酸等、酸無水物残基含有モノマーとして無水マレイン酸等、有機ケイ素基含有モノマーとしてビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、2−メトキシエトキシトリメトキシシラン等、酸アミド化合物としてアクリルアミド等が挙げられる。
【0038】
このアクリル系ポリマー中に含まれる本発明のテルペン系(メタ)アクリレート化合物の構成単位の割合は、通常、他のアクリル系モノマーを含めた全量に対して1〜100モル%、好ましくは3〜90モル%である。テルペン系(メタ)アクリレート化合物の構成単位の割合が1モル%未満では、ポリオレフィンに対する接着性が不充分となり、好ましくなく、一方、90モル%を超えると粘着3物性のバランスが崩れやすく、より好ましくない。
【0039】
ここで電子材料用途に広く使用されている溶剤型アクリル系粘着剤組成物を例にとって、さらに詳しく説明する。溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法としては、重合開始剤を用いて(メタ)アクリル系モノマーを有機溶剤中で重合させる工程を含む。その際用いる有機溶剤には、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール系溶液、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶液、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤などがある。これらの有機溶剤は、その一種を単独で使用してもよいし、二種以上を混合使用してもよい。
【0040】
重合開始剤としては、所望の重合率と重合度が得られるものならば特に限定はなく、汎用のものが好適に使用できる。例えばベンゾイルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。重合開始剤は単独でも、複数種類を併用してもよい。さらに、必要に応じて、汎用の連鎖移動剤も使用することができる。また、重合温度、窒素置換等の重合条件も所望の重合率と重合度が得られるものならば特に限定はなく、通常の重合条件が用いられる。ここで、本発明における「共重合」とは、ポリマー鎖中に取り込まれている状態のみならず、ポリマー末端に結合している状態をも指す。
【0041】
本発明のアクリル系ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、5,000〜2,000,000、好ましくは5,000〜1,000,000である。Mwが5,000未満では凝集力が不足する場合があり、粘着3物性の粘着力や保持力が劣るという問題が生じる。一方、2,000,000を超えると粘度が上がるために塗工性が低下し、粘着3物性のタックが劣るという問題が生じる。また、(共)重合体の分散度(Mw/ポリスチレン換算数平均分子量)は、好ましくは1〜20、さらに好ましくは5〜20、特に好ましくは5〜10である。
【0042】
本発明のアクリル系粘着剤組成物には上記アクリル系ポリマーに架橋剤を配合することが好ましい。架橋剤を配合したアクリル系粘着剤組成物は凝集力が増大し、高温や低温下での感温性も増大する。
アクリル系ポリマーを架橋するための架橋剤としては、上記した官能基含有アクリル系モノマーの有する官能基であってアクリル系ポリマーに導入された官能基との反応性を有する官能基を1分子中に2個以上有する化合物を用いることができる。このような官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メチロール基、アルコキシメチル基、イミノ基、金属キレート基、アジリジニル基等が挙げられる。
具体的な化合物としては、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能メラミン化合物、金属架橋剤、アジリジン化合物等が挙げられる。
【0043】
イソシアネート基を2個以上有する多官能イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;「スミジュールN」(住友バイエルウレタン(株)製)等のビュレットポリイソシアネート化合物;「デスモジュールIL」、「デスモジュールHL」(いずれもバイエルA.G.社製)、「コロネートEH」(日本ポリウレタン工業(株)製)等として知られるイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物;「スミジュールL」(住友バイエルウレタン(株)製)等のアダクトポリイソシアネート化合物;「コロネートL」および「コロネートL−55E」(いずれも日本ポリウレタン工業(株)製)等のアダクトポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用することもできる。また、これらの化合物のイソシアネート基を、活性水素を有するマスク剤と反応させて不活性化したいわゆるブロックイソシアネートも使用可能である。
【0044】
多官能エポキシ化合物としては、1分子当たりエポキシ基を2個以上有する化合物であれば特に限定されるものではない。具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン等が挙げられる。
【0045】
多官能メラミン化合物としては、メチロール基またはアルコキシメチル基またはイミノ基を合計で1分子当たり2個以上有する化合物であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン等が挙げられる。
【0046】
金属架橋剤としては、特に限定されるものではない。具体例としては、アルミニウム、亜鉛、カドミウム、ニッケル、コバルト、銅、カルシウム、バリウム、チタン、マンガン、鉄、鉛、ジルコニウム、クロム、錫等の金属に、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、サリチル酸メチル等が配位した金属キレート化合物等が挙げられる。
【0047】
アジリジン化合物としては、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフォンオキサイド、N,N’−ジフェニルエタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
【0048】
架橋剤の使用量は特に限定されないが、アクリル系ポリマー(固形分)に対し、架橋剤を0.05〜15質量%とすることが好ましい。0.05質量%よりも少ないと、架橋が不充分となって架橋密度が低く、凝集力不足となることがある。15質量%を超えると、架橋密度が高くなり過ぎて、粘着力が低くなることがある。より好ましい下限は0.1質量%、上限は10質量%である。
【0049】
アクリル系粘着剤組成物には、特徴である耐候性、透明性を低下させない程度に、必要により、他のアクリル系(共)重合体、粘着付与剤が配合されていてもよい。粘着付与剤としては、(重合)ロジン系、(重合)ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、クマロン系、クマロンインデン系、スチレン樹脂系、キシレン樹脂系、フェノール樹脂系、石油樹脂系等が挙げられる。これらは一種または二種以上組み合わせて使用できる。
【0050】
粘着付与剤の量は特に限定されないが、アクリル系ポリマー100質量部に対して、通常、5〜100質量部とするのが好ましい。粘着付与剤の添加量が5質量部より少ないと、粘着付与剤による粘着力向上効果が発揮されないことがある。一方、上記粘着付与剤の添加量が100質量部より多いと、逆にタックが減少して粘着力が低下するおそれがある。10〜50質量部の範囲内がさらに好ましい。
【0051】
さらにアクリル系粘着剤組成物には、必要に応じて、通常配合される充填剤、顔料、希釈剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、静電防止剤等の従来公知の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤は、一種類または二種以上使用可能である。
【0052】
本発明のアクリル系粘着剤組成物を支持体の片面または両面に塗布して層を設けることにより、粘着シートまたは粘着テープを得ることができる。ここで使用される支持体は特に制限されず、例えば、プラスチックフィルム、紙、不織布のほか、金属箔やプラスチック製あるいはゴム製の発泡体などのシートあるいはテープ状のものなどが適用できる。
【0053】
アクリル系粘着剤組成物を上記支持体へ加工する方法としては特に限定されないが、溶剤型アクリル系粘着剤の製造方法を例として次に挙げる。有機溶剤、例えばトルエンと酢酸エチル、アクリル系ポリマー等の混合液を撹拌溶解させ、固形分含有量10〜70重量%の粘着液として調製する。このように調製したアクリル系粘着剤組成物を、例えばロールコーターやリバースコーターなどで支持体に塗布し、加熱して溶剤を揮発させることにより本発明の粘着テープまたは粘着シートが得られる。粘着剤層の厚みは特に制限されないが、通常0.01〜1.0mm程度である。
【0054】
本発明のアクリル系粘着剤組成物を支持体に塗布して得られる粘着シートまたは粘着テープは、耐候性、透明性を損なわずに、低エネルギー表面に対する接着性に優れ、さらに固定性、耐熱性に優れている。
【実施例】
【0055】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部および%は、特に断らない限り、重量基準である。
【0056】
下記実施例における分析は、下記の機器を使用した。
1.純度…ガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC−MS)により求めた。装置;Hewlett Packard社製、HP6890 GC System、カラム;HP−5MS(Crosslinked 5% Ph Me Siloxane)径0.25mm×30m、イオン化モード;EI
2.分子量…ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)を求めた。装置;Waters社製、モデル510、カラム;Waters社製、Styragel (HR5+HR4)×2、溶媒;テトラヒドロフラン、標準物質;ポリスチレン
3.ガラス転移温度(Tg)…DSC測定により求めた。装置;(株)島津製作所製、示差走査熱量計 DSC−60、測定温度;−100〜150℃(10℃/min)、測定環境;窒素雰囲気
【0057】
合成例1
(式(1)に示すテルペン系アクリレート化合物の合成)
ディーンスターク管、冷却管、温度計、撹拌棒を備えた2,000mlの四つ口フラスコに、式(6)のテルペンアルコール系化合物176g(1.0モル)とトルエン1,000g、アクリル酸127g(1.8モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル25mg、およびイオン交換樹脂(アンバーリスト15E、ロームアンドハース社製)20gを仕込んだ。混合液を減圧下100℃で12時間還流させた後、得られた混合液をろ過して触媒をろ別した。次いで、減圧下80℃でトルエンを留去して、式(1)で表されるテルペン系アクリレート化合物(式(1)のXは水素原子を表す)197.4g(収率84.1%、純度97.5%)を得た。
【0058】
実施例1
(式(1)のテルペン系アクリレート化合物と他のアクリル系モノマーとの共重合)
2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、式(1)のテルペン系アクリレート化合物(式(1)のXは水素原子を表す)を、100:6.0:0.4:100の重量比率で100g調製し、重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.2g、溶媒にトルエン/酢酸エチル400mlを温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器を備えた1,000mlの四つ口フラスコに仕込んだ。窒素気流下でフラスコ内を60℃まで昇温しながら撹拌を行い、12時間反応を行った。得られたアクリル系ポリマー432.6gの重量平均分子量(Mw)は350,000であった。(試料A)
上記試料A100部に対してイソシアネート系架橋剤であるコロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製)を0.5部添加し、均一に混合してアクリル系粘着剤組成物を調整した。この粘着剤組成物を基材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製:厚さ38μm)に乾燥後の厚さが20〜25μmとなるように塗布した後、100℃で3分間乾燥させた。その後、粘着剤組成物からなる層の表面に離型紙(サンエー化研(株)製「K−80HS」)を貼着して保護したのち、温度50℃、相対湿度65%の雰囲気下で3日間養生した。
【0059】
合成例2
(式(2)のテルペン系アクリレート化合物の合成)
攪拌装置および還流冷却器を取り付けた2,000mlの四つ口フラスコ中に、式(7)のテルペンアルコール系化合物156g(1.0モル、純度98%)、トルエン400g、ハイドロキノン0.3g、およびトリエチルアミン510.1g(5.0モル、純度99%)を入れて、攪拌しながら40℃に加熱し、その中に、アクリル酸クロリド142.9g(1.5モル、純度95%)を3時間かけて滴下した後、80℃で2時間加熱攪拌し、反応を実施した。
冷却後、反応液をn−ヘキサン中に投入し、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、上水で2回洗浄後、減圧蒸留することにより、式(2)で表されるテルペン系アクリレート化合物(式(2)のYは水素原子を表す)195.1g(沸点126〜128℃/1mmHg、純度97%)を得た。
【0060】
実施例2
(式(2)のテルペン系アクリレート化合物と他のアクリル系モノマーとの共重合)
2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、式(2)のテルペン系アクリレート化合物(式(2)のYは水素原子を表す)を、150:6.0:0.4:50の重量比率で100g調製し、重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.2g、溶媒にトルエン/酢酸エチル400mlを温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器を備えた1,000mlの四つ口フラスコに仕込んだ。窒素気流下でフラスコ内を60℃まで昇温しながら撹拌を行い、12時間反応を行った。得られたアクリル系ポリマー94.1gの重量平均分子量(Mw)は450,000であった。(試料B)
上記試料B100部に対してイソシアネート系架橋剤であるコロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製)を0.5部添加し、均一に混合してアクリル系粘着剤組成物を調整した。この粘着剤組成物を基材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製:厚さ38μm)に乾燥後の厚さが20〜25μmとなるように塗布した後、100℃で3分間乾燥させた。その後、粘着剤組成物からなる層の表面に離型紙(サンエー化研(株)製「K−80HS」)を貼着して保護したのち、温度50℃、相対湿度65%の雰囲気下で3日間養生した。
【0061】
合成例3
(式(3)のテルペン系アクリレート化合物の合成)
合成例1において式(6)のテルペンアルコール系化合物176g(1.0モル)を式(8)のテルペンアルコール系化合物200g(1.0モル)とした以外は同様の方法で合成を行ったところ、式(3)で表されるテルペン系アクリレート化合物(式(3)のZは水素原子を表す)206.4g(収率70%、純度72%)を得た。
【0062】
実施例3
(式(3)のテルペン系アクリレート化合物と他のアクリル系モノマーとの共重合)
実施例2において式(2)のテルペン系アクリレート化合物(式(2)のYは水素原子を表す)を式(3)のテルペン系アクリレート化合物(式(3)のZは水素原子を表す)とした以外は同様の方法で共重合を行った。得られたアクリル系ポリマー93.4gの重量平均分子量(Mw)は460,000であった。(試料C)
その後実施例2で試料Bを試料Cとした以外は同様の方法で架橋剤を配合し、粘着テープの作成を行った。
【0063】
合成例4
(式(4)のテルペン系アクリレート化合物の合成)
合成例1において式(6)のテルペンアルコール系化合物176g(1.0モル)を式(9)のテルペンアルコール系化合物200g(1.0モル)とした以外は同様の方法で合成を行ったところ、式(4)で表されるテルペン系アクリレート化合物(式(4)のAは水素原子を表す)184.5g(収率65%、純度70%)を得た。
【0064】
実施例4
(式(4)のテルペン系アクリレート化合物と他のアクリル系モノマーとの共重合)
実施例2において式(2)のテルペン系アクリレート化合物(式(2)のYは水素原子を表す)を式(4)のテルペン系アクリレート化合物(式(4)のAは水素原子を表す)とした以外は同様の方法で共重合を行った。得られたアクリル系ポリマー95.3gの重量平均分子量(Mw)は440,000であった。(試料D)
その後実施例2で試料Bを試料Dとした以外は同様の方法で架橋剤を配合し、粘着テープの作成を行った。
【0065】
合成例5
(式(5)のテルペン系アクリレート化合物の合成)
合成例1において式(6)のテルペンアルコール系化合物176g(1.0モル)を式(10)のテルペンアルコール系化合物200g(1.0モル)とした以外は同様の方法で合成を行ったところ、式(5)で表されるテルペン系アクリレート化合物(式(5)のBは水素原子を表す)161.9g(収率62%、純度72%)を得た。
【0066】
実施例5
(式(5)のテルペン系アクリレート化合物と他のアクリル系モノマーとの共重合)
実施例2において式(2)のテルペン系アクリレート化合物(式(2)のYは水素原子を表す)を式(5)のテルペン系アクリレート化合物(式(5)のBは水素原子を表す)とした以外は同様の方法で共重合を行った。得られたアクリル系ポリマー89.4gの重量平均分子量(Mw)は470,000であった。(試料E)
その後実施例2で試料Bを試料Eとした以外は同様の方法で架橋剤を配合し、粘着テープの作成を行った。
【0067】
比較例1
(他のアクリル系モノマーの共重合)
ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸を100:6.0:0.4の重量比率で100g調製し、重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.2g、溶媒にトルエン/酢酸エチル400mlを温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器を備えた1,000mlの四つ口フラスコに仕込んだ。窒素気流下でフラスコ内を60℃まで昇温しながら撹拌を行い、12時間反応を行った。得られたアクリル系ポリマー425.2gの重量平均分子量(Mw)は516,000であった。(試料F)
上記試料F100部に対してイソシアネート系架橋剤であるコロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製)を0.5部添加し、均一に混合してアクリル系粘着剤組成物を調整した。
【0068】
比較例2
(粘着付与樹脂の添加)
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸を100:6.0:0.4の重量比率で100g調製し、重合開始剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.2g、溶媒にトルエン/酢酸エチル400mlを温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器を備えた1,000mlの四つ口フラスコに仕込んだ。窒素気流下でフラスコ内を60℃まで昇温しながら撹拌を行い、12時間反応を行った。得られたアクリル系ポリマー412.4gの重量平均分子量(Mw)は504,000であった。(試料G)
上記試料G100部に対して、軟化点125℃の重合ロジンエステルを30部、イソシアネート系架橋剤であるコロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製)を0.5部添加し、均一に混合してアクリル系粘着剤組成物を調整した。
【0069】
<評価方法>
評価方法は下記のとおりである。
1.粘着力…ポリエチレン板(PE)またはシクロオレフィンポリマー板(COP)を被着体とし、該被着体に粘着テープ試料(初期試料)を貼り付け、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で2kgのゴムローラを3往復させて圧着したのち、30分間放置した。その後、23℃、相対湿度65%の雰囲気下、引張試験機を用い、被着体と粘着テープのフィルム部分(粘着剤組成物が塗布されていない部分)をそれぞれ把持し、速度300mm/分で試料を180°方向に引っ張って、被着体から剥離させたときの強度を測定した。
2.保持力…SUS304ステンレス鋼板(SUS)、ポリエチレン板(PE)、シクロオレフィンポリマー板(COP)を被着体とし、該被着体に粘着テープ試料(初期試料または経時試料)を面積25mm×25mmで貼り付け、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で2kgのゴムローラを3往復させて圧着したのち、30分間放置した。その後、40℃、70℃(70℃についてはSUS304ステンレス鋼板のみ評価)に設定した保持力試験機中の鉛直に吊り下げた状態として、さらに30分間放置した。その後、粘着テープに1kgの荷重を均一に掛け、1時間後に粘着テープがずれた距離(1時間後に被着体に貼り付いている粘着テープの位置と当初の貼り付け位置とのずれ;以下「ずれ距離」と称する)および落下時間を測定した。
3.定荷重…シクロオレフィンポリマー板(COP)を被着体とし、該被着体に粘着テープ試料(初期試料または経時試料)を面積10mm×50mmで貼り付け、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で2kgのゴムローラを3往復させて圧着したのち、30分間放置した。その後、23℃に設定した保持力試験機中に粘着テープを貼り合わせた被着体を水平に保持し、粘着テープを鉛直に吊り下げた状態として、さらに30分間放置した。その後、粘着テープに100gの荷重を均一に掛け、評価を行った(○:良好、△:やや良好、×:不良)。
4.透明性…日本電色工業(株)製COH−300Aで試料の曇り度(Haze)を測定した。
5.耐候性…スガ試験機(株)製テーブルサンXT750に試料を入れ、照度48,000lx、照射100時間、温度50℃にて照射後、日本電色工業(株)製COH−300Aで黄色度(ΔYI値)を測定した。
【0070】
【表1】

【産業上の利用の可能性】
【0071】
本発明のアクリル系ポリマーのモノマー成分として、テルペン系(メタ)アクリレート化合物を含有するアクリル系粘着剤組成物は、クラフトテープやOPPテープなどの一般包装用テープ、両面テープ、医療用テープ、保護フィルム、ラベル、タック紙などはもとより、エレクトロニクス分野で使用される粘着シート、保護フィルムなどにも使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル系ポリマーのモノマー成分として、下記式(1)〜(5)のテルペン系(メタ)アクリレート化合物をいずれか一種含有するアクリル系粘着剤組成物。
【化1】

上記式中、Xは水素原子またはメチル基を表す。
【化2】

上記式中、Yは水素原子またはメチル基を表す。
【化3】

上記式中、Zは水素原子またはメチル基を表す。
【化4】

上記式中、Aは水素原子またはメチル基を表す。
【化5】

上記式中、Bは水素原子またはメチル基を表す。
【請求項2】
請求項1記載のアクリル系粘着剤組成物を支持体の片面または両面に塗布してなる粘着シートまたは粘着テープ。

【公開番号】特開2008−50563(P2008−50563A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357451(P2006−357451)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000117319)ヤスハラケミカル株式会社 (85)
【Fターム(参考)】