説明

アニオン性ソイルリリースポリマー

テレフタル酸、スルホイソフタル酸−(ポリ)アルキレングリコール、ノニオン性末端基、場合によっては及び多官能性の架橋性モノマーからなるアニオン性ソイルリリースポリエステルが開示される。このポリエステルは、洗剤及び洗浄剤中のソイルリリース成分として適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノマーとしてのテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、アルキルジオールもしくはポリアルキレングリコール、及びポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルからなるポリエステルの製造法、並びに洗剤及び洗浄剤中にこれらを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族ジカルボン酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、スルホン化された芳香族ジカルボン酸、例えばスルホイソフタル酸、及びジオール、例えばアルキレングリコールからなるポリエステル、及びこれらを“ソイルリリースポリマー(SRP)”として使用することは昔から知られており、多数の特許文献に記載されている。
【0003】
米国特許第4,427,557号明細書には、モノマーとしてのエチレングリコール(1)、200〜1000g/モルの分子量を有するポリエチレングリコール(2)、芳香族ジカルボン酸(3)、及びスルホン化された芳香族ジカルボン酸のアルカリ塩(4)から製造された、2000〜10000g/モルの範囲の分子量を有するポリエステルが記載されており、そしてポリエステル布に対するそれのソイルリリース作用が公開されている。
【0004】
米国特許第4,702,857号明細書は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコールまたはこれらの混合物(1)、少なくとも10個のグリコール単位を有するポリエチレングリコール(2)(これは、一方の端部で、短鎖アルキル基、特にメチル基でキャップされている)、ジカルボン酸もしくはエステル(3)、場合によっては及びスルホン化された芳香族ジカルボン酸のアルカリ塩(4)からなるポリエステルを特許請求している。
【0005】
米国特許第4,721,580号明細書は、テレフタル酸単位及びスルホ含有末端基、特にスルホエトキシル化された末端基MO3S(CH2CH2O)n-Hを有するポリエステルを開示しており、そして洗剤及び繊維柔軟剤にこれらを使用することを公開している。
【0006】
米国特許第4,968,451号明細書は、(メタ)アリルアルコール、アルキレンオキシド、アリールジカルボン酸及びC2〜C4グリコールを共重合し、次いでスルホン化することによって得られる、スルホ含有末端基を有するポリエステルを記載している。
【0007】
米国特許第5,415,807号明細書には、スルホン化されたポリエトキシ/プロポキシ末端基を有するソイルリリースポリマーが結晶化する傾向があり、そのことからソイルリリース効果が低下する結果となることが説明されている。この文献は、SRPの結晶化傾向をハイドロトロープ剤の添加によって抑え得ることを教示している。
【0008】
米国特許第5,691,298号明細書には、ジ−もしくはポリヒドロキシスルホネート、テレフタレート及び1,2−オキシアルキレンオキシ単位からなる分枝状骨格及びノニオン性もしくはアニオン性末端基を有するソイルリリースポリマーが特許請求されている。
【0009】
スルホ含有基を有する従来公知のアニオン性ソイルリリースポリマーは良好な水溶性を特徴とするが、吸湿性及び粘着性を示す傾向がある。冷却されたポリエステル溶融物を、ハンマーミル、スクリーンミルまたは所謂ローラーミルにより直接粉砕することは可能ではない。粉砕工程の間の水の高い吸収は凝着を招き、それによって連続的な操業が妨げられる。特殊なエネルギー集約的な方法、例えば低温粉砕法(凍結(cryo)粉砕)または水溶液からの噴霧乾燥法によって許容可能な結果を達成することができた時でも、アニオン性SRP顆粒物の貯蔵安定性は、それの吸水能力の故に、限られたもののまま変わらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、水溶性が良好で、良好なソイルリリース作用を示し、洗剤及び洗浄剤に慣用の添加剤及び助剤と相溶性があり、調合物中に容易に配合でき、そして加水分解に対して安定しているアニオン性ポリエステルを製造することにある。
【0011】
加えて、前記ポリエステルが、エネルギーを多く消費することなく、貯蔵安定性の顆粒物の形に調製し得ることも狙いである。
【0012】
驚くべきことに、上記の課題は、テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸もしくは5−スルホイソフタル酸の塩、エチレングリコールもしくはポリエチレングリコール、プロピレングリコールもしくはポリプロピレングリコール、及びポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、場合によっては及び重縮合が可能な3〜6個の官能基、特に酸、アルコールまたはエステル官能基を有する更に別のモノマーから形式的に誘導されるアニオン性ポリエステルによって解決されることが見出された。
【0013】
前記アニオン性ポリエステルは、向上されたソイルリリース作用を示し、非常に良好な溶解挙動を有し、そして湿気に対する敏感さが明らかに低い。このポリエステルは、粉砕することによって簡単に顆粒物にすることができ、そして望ましい粒度分布で供することができる点が特に有利である。
【0014】
本発明の対象は、構造単位1〜3または1〜4を含むポリエステルである。
【0015】
【表1】

【0016】
前記式中、
1は、互いに独立して、Hまたは(C1〜C18)n−もしくはiso−アルキル基、好ましくはメチルを表し、
2は、線状もしくは分枝状(C1〜C30)アルキル基、または線状もしくは分枝状(C2〜C30)アルケニル基、炭素原子数5〜9のシクロアルキル基、(C6〜C30)アリール基、または(C6〜C50)アリールアルキル基、好ましくはフェニルもしくはベンジルを表し、
m、n、oは、互いに独立して、1〜200の数を表し、
x、y及びzは、互いに独立して、1〜50の数を表し、
但し、x+yは≧2、そしてzは>0でなければならず、
uは、0〜5の数、好ましくは0〜0.5の数、特に好ましくは0〜0.25の数を表し、そして
Meは、Li+、Na+、K+、Mg++/2、Ca++/2、Al+++/3、NH4+、モノアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン及び/またはテトラアルキルアンモニウムイオンを意味し、この際、これらのアンモニウムイオンのアルキル置換基は、互いに独立して(C1〜C22)アルキル基または(C2〜C10)ヒドロキシアルキル基である。
【0017】
本発明の好ましい対象の一つは、R1がH及び/またはメチルを意味し、R2がメチルを意味し、o、m及びnが1〜200、好ましくは1〜20、特に好ましくは1〜5の数を意味し、非常に好ましくはo及びmは1を意味しそしてnが2〜20の数であることができ、
xが、1〜30、好ましくは2〜15、特に好ましくは3〜10の数を意味し、
yが、1〜25、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5の数を意味し、そしてzは、0.05〜15、好ましくは0.1〜10、特に好ましくは0.25〜3の数を意味する、上に定義したポリエステルである。
【0018】
本発明のポリエステルは、テレフタル酸ジアルキルエステル、5−スルホイソフタル酸ジアルキルエステル、アルキレングリコール、場合によってはポリアルキレングリコール(m及び/または>1の場合)、及び片方の末端でキャップされたポリアルキレングリコール(末端停止部)を縮合することによって得られる。
【0019】
m、n、oの数が>1である場合は、ポリマー性骨格が存在し、それゆえこれらの係数は、上記の範囲の内の任意の値を取ることができる。この値は、数平均分子量を反映する。
【0020】
本発明の目的において、PET単位(1)とは、テレフタル酸と一種もしくは二種以上の二官能性脂肪族アルコールとのエステルを意味する。この際、エチレングリコール(R1がどれもH)または1,2−プロピレングリコール(R1=H及び−CH3)、及び/または100〜2000g/モルの数平均分子量を有する短鎖ポリエチレングリコール及び/またはポリ[エチレングリコール-co-プロピレングリコール]を使用することが好ましい。特に好ましいものは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを含む混合物である。本発明による構造では、一つのポリマー鎖あたり1〜50個のPET単位が含まれ得る。ただし、当業者には、これが常に系毎に異なる自然な分布を有する統計的な平均値であることは明らかである。
【0021】
本発明の目的においてSIP単位(2)とは、5−スルホイソフタル酸と一種もしくは二種以上の二官能性脂肪族アルコールとのエステルを意味する。この際、エチレングリコール(R1がいずれもH)及び/または1,2−プロピレングリコール(R1=H及び−CH3)または数平均分子量が100〜2000g/モルの短鎖ポリエチレングリコールが使用される。特に好ましいものは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを含む混合物である。本発明の構造には、1〜50個のSIP単位が存在し得る。この場合も、統計的分布についての先の記載と同じことが当てはまる。
【0022】
本発明の目的において末端停止部(3)としては、構造単位(3)に従う一方の端部でノニオン性にキャップされたポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルの全てが適当である。数平均分子量が100〜2000g/モルのポリ[エチレングリコール-co-プロピレングリコール]-モノメチルエーテルが好ましく使用され、そして一般式CH3-O-(C2H4O)n-H(nは≧1〜99であり、この際nは1〜20である)で表されるポリエチレングリコールモノメチルエーテルが好ましく使用される。特に、一般式CH3-O-(C2H4O)n-H(nは2〜10である)のポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルを末端基として有するポリエステルが非常に好ましい。
【0023】
末端停止部を使用することによって、定量的な転化の際にポリエステル構造の達成するべき理論的な最大平均分子量が前もって定められるので、構造単位(3)の本発明による使用量は、上記の本発明による平均分子量の達成に必要な量である。
【0024】
本発明の目的においては、上記の構造単位1〜3から得られる線状ポリエステルの他に、架橋されたまたは分枝状ポリエステル構造も可能である。これは、エステル反応が可能な少なくとも3個から最大で6個の官能基を有する架橋性多官能性構造単位(4)の存在によって発現される。この際、官能性基としては、例えば酸基、アルコール基、エステル基、酸無水物基またはエポキシ基などを挙げることができる。この際、本発明の目的においては、一つの分子中に様々な官能基が存在していてもよい。
【0025】
この際、好ましい例としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸及び没食子酸、特に好ましくは2,2−ジヒドロキシメチルプロピオン酸を挙げることができる。
【0026】
更に、多価アルコール、例えばペンタエリトリトール、グリセリン、ソルビトール及びトリメチロールプロパンも好ましく使用される。
【0027】
更に、多価脂肪族及び芳香族カルボン酸、例えばベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸(ヘミメリット酸)、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸(トリメリット酸)、特に好ましくはベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸(トリメシト酸(Trimesithsaeure)も好ましい。
【0028】
架橋性モノマーの重量割合は、ポリエステルの総質量を基準にして、好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜5重量%、就中好ましくは0〜3重量%である。
【0029】
構造単位1、2及び3、場合によっては更に架橋性モノマー4を含む本発明のポリエステルは、一般的に700〜50,000g/モルの数平均分子量を有する。この際、数平均分子量は、分布が狭いポリアクリル酸Na塩標準でのキャリブレーションを使用して、水溶液中でサイズ排除クロマトグラフィーによって測定される。これに関連して、本明細書に記載する分子量のデータは、特に明示がなくとも、全て数平均分子量であることをここに述べておく。
【0030】
好ましくは、数平均分子量は、800〜25,000g/モル、特に1,000〜15,000g/モル、特に好ましくは1,200〜12,000g/モルの範囲である。
【0031】
構造単位3の使用モル量は、本明細書に記載の数平均分子量が達成されるように選択される。本発明の好ましい対象の一つは、40℃を超える軟化点を有することを特徴とする、上に定義した固形のポリエステルである。本発明による固形のポリエステルは、好ましくは50〜200℃の軟化点、特に好ましくは80℃〜150℃の軟化点、非常に好ましくは100℃〜120℃の軟化点を有する。
【0032】
該ポリエステルの利点は、0〜40℃の温度で数ヶ月にわたって貯蔵した時でも自由流動性の性質を保ち、そして如何なる粘着性も示さない点にある。
【0033】
本発明のポリエステルの合成は、先ず、上記の成分を、触媒の添加及び不活性雰囲気の使用下に、常圧で160〜約220℃の温度に加熱することによって、それ自体公知の方法に従い行われる。次いで、減圧下及び160〜約240℃の温度において、使用したグリコールの当量超分の量を留去することによって、必要な分子量にする。この反応のためには、従来技術による公知のエステル交換触媒及び縮合触媒が適しており、例えばチタンテトライソプロポキシド、ジブチルスズオキシド、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属アルコレート、またはアンチモントリオキシド/カルシウムアセテートなどが適している。上記方法の実施のための更なる詳細については、欧州特許出願公開第442 101号明細書を参照されたい。
【0034】
本発明のポリエステルを製造するための好ましい方法の一つは、各成分の縮合をシングルポット法で行うことを特徴とする。この際、エステル交換触媒及び縮合触媒は、加熱の前に加えられる。
【0035】
本発明のポリエステルは、固体のコンシステンシーを有し、簡単に粉末に粉砕すること、または一定の粒度を有する顆粒物に圧密化もしくは集塊化することができる。
【0036】
本発明のポリエステルの造粒は、合成の際に溶融物として生じたコポリマーを、低温のガス流、例えば空気もしくは窒素流中でかまたは有利には、40〜80℃、好ましくは45〜55℃の温度でフレークロールもしくはコンベア上に載せて冷却することによって固化してフレーク状物とする方法で行うことができる。この粗粒物を、例えばロールミルまたはスクリーンミル中で粉砕することができ、これに次いで篩い分けすることができる。造粒は、本発明よるポリエステルを、固化した後に<400μmの粒度を有する粉末に粉砕し、次いで圧密化もしくは集塊化することによって一定の粒度を有する顆粒物にする方法で行うこともできる。
【0037】
具体的な実施形態としては、溶融物または固化したフレーク状物を水中に溶解し、そしてポリエステルを1〜99重量%の濃度で含む水溶液を、噴霧塔内において常圧下及び150〜180℃の入口温度及び80〜120℃の出口温度において流動床中で造粒することも有利であり得る。
【0038】
このようにして製造された顆粒物の粒度は、一般的に100μm〜2000μm、好ましくは300μm〜1800μm、特に好ましくは600μm〜1200μmの範囲である。嵩密度は、400〜700kg/m2の範囲である。
【0039】
本発明の更に別の対象は、洗剤及び洗浄剤、繊維材料のケア用剤、及び繊維材料の仕上げのための剤中での本発明のポリエステルの使用である。本発明のポリエステルは、かなり向上したソイルリリース性を繊維に与え、そして油性汚れ、脂性汚れもしくは色汚れに対する慣用の洗剤成分のソイルリリース力を大いに助ける。更に、洗濯物のための後処理剤、例えば柔軟剤中での本発明のポリエステルの使用も有利であり得る。
【0040】
硬質表面用の洗浄剤中で本発明のポリエステルを使用することによって、処理された表面に撥汚性を供することができる。
【0041】
本発明のポリエステルを使用することができる洗剤及び洗浄剤調合物は、粉末状、顆粒状、ペースト状、ゲル状または液状であることができる。
【0042】
これの例は、重質洗剤、マイルド洗剤、色物用洗剤、ウール用洗剤、カーテン用の洗剤、モジュラー洗剤(Baukastenwaschmittel)、タブレット状洗剤、棒状石鹸、染み取り剤、洗濯用澱粉のり及びのり付け剤、アイロンがけ用の助剤である。本発明のポリエステルは、家庭用の洗浄剤、例えば汎用洗浄剤、食器洗い用の洗浄剤、カーペット用の洗剤剤及び含浸剤、床及び他の硬質表面(例えば、プラスチック、セラミック、ガラス、またはナノ技術により被覆された表面)の洗浄剤及び手入れ剤にも配合することができる。
【0043】
産業用の洗浄剤の例は、プラスチック用の洗剤剤及び手入れ剤、例えば住居用及び自動車計器類のための洗浄剤及び手入れ剤、並びに塗装された表面、例えば自動車のボディのための洗浄剤及び手入れ剤である。
【0044】
本発明による洗剤調合物、手入れ用調合物及び洗浄剤調合物は、完成した調合物を基準にして少なくとも0.1重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.2〜3重量%の量で本発明のポリエステルを含む。
【0045】
これらの調合物の組成は、それらの予定された用途に従い、処理もしくは洗濯すべき繊維材料または洗浄すべき表面の種類に適合させる。本発明による洗剤及び洗浄剤は、慣用の成分、例えば界面活性剤、乳化剤、ビルダー、漂白触媒及び漂白活性化剤、金属イオン封鎖剤、黒ずみ防止剤、色移り防止剤、染料定着剤、酵素、蛍光増白剤、柔軟成分を含むことができる。更に、本発明の目的において、調合物または調合物の一部は、染料及び/またはフレグランスによって狙い通りに着色及び/または香り付けすることができる。
【0046】
完成した洗剤調合物及び洗浄剤調合物中の界面活性剤の総濃度は、1〜99%、好ましくは5〜80%(全て重量%)であることができる。使用される界面活性剤は、アニオン性、ノニオン性、両性またはカチオン性であることができる。上記の界面活性剤の混合物も使用することができる。好ましい洗剤調合物及び洗浄剤調合物は、アニオン性界面活性剤及び/またはノニオン性界面活性剤、及びこれらと更に別の界面活性剤との混合物を含む。アニオン性界面活性剤としては、スルフェート、スルホネート、カルボキシレート、ホスフェート及びこれらの混合物などが挙げられる。この際、適当なカチオンは、アルカリ金属、例えばナトリウムもしくはカリウムまたはアルカリ土類金属、例えばカルシウムもしくはマグネシウム、並びにアンモニウム、置換されたアンモニウム化合物、例えばモノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウムカチオン、及びこれらの混合物である。以下のタイプのアニオン性界面活性剤が特に重要である:
以下に記載されるようなアルキルエステルスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート及び石鹸。
【0047】
アルキルエステルスルホネートは、中でも、"The Journal of the American Oil Chemists Society" 52 (1975), 第323〜329頁に記載されるような、ガス状のSO3でスルホン化されたC8〜C20カルボキシル酸(すなわち脂肪酸)の線状エステルである。適当な原料は、天然の脂肪、例えば獣脂、椰子油及びパーム油であるが、合成のものでもよい。特に洗剤用途用の好ましいアルキルエステルスルホネートは、次式で表される化合物である。
【0048】
【化1】

【0049】
[式中、R1は、C8〜C20炭化水素基、好ましくはアルキルであり、そしてRは、C1〜C6炭化水素基、好ましくはアルキルである]
Mは、アルキルエステルスルホネートと水溶性の塩を形成するカチオンを表す。好適なカチオンは、ナトリウム、カリウム、リチウム、またはアンモニウムカチオン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンである。好ましくは、R1はC10〜C16アルキルを意味し、そしてRはメチル、エチルまたはイソプロピルを意味する。特に好ましいものは、R1がC10〜C16アルキルを意味するメチルエステルスルホネートである。
【0050】
アルキルスルフェートは、式ROSO3Mで表される水溶性の塩または酸であり、前記式中、Rは、C10〜C24炭化水素基、好ましくはC10〜C20アルキル成分を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12〜C18アルキルまたはヒドロキシアルキル基である。Mは、水素またはカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム)またはアンモニウムもしくは置換されたアンモニウム、例えばメチル−、ジメチル−及びトリメチル−アンモニウムカチオン、及び第四アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウムカチオン及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン及びこれらの混合物などのアルキルアミンから誘導される第四アンモニウムカチオンである。C12〜C16のアルキル鎖は、低い洗浄温度(例えば約50℃以下)に、C16〜C18のアルキル鎖は、より高い洗浄温度(例えば約50℃以上)に好ましい。
【0051】
アルキルエーテルスルフェートは、式RO(A)mSO3Mで表される水溶性塩または酸であり、前記式中、Rは、置換されていないC10〜C24アルキルまたはヒドロキシアルキル基、好ましくはC12〜C20アルキルまたはヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12〜C18アルキルまたはヒドロキシアルキル基を表す。Aはエポキシ単位またはプロポキシ単位であり、mは0よりも大きな数、好ましくは約0.5〜約6の数、特に好ましくは約0.5〜約3の数であり、そしてMは、水素原子、またはカチオン、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、または置換されたアンモニウムカチオンである。置換されたアンモニウムカチオンの具体的な例は、メチル−、ジメチル−、トリメチルアンモニウムカチオン、及び第四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンまたはこれらの混合物などのアルキルアミンから誘導される第四級アンモニウムカチオンである。例としては、C12〜C18脂肪アルコールエーテルスルフェートが挙げられ、この際、脂肪アルコールエーテルスルフェート1モル当たりのEO含有量は1、2、2.5、3または4モルであり、そしてMはナトリウムまたはカリウムである。
【0052】
第二アルカンスルホネートにおいては、そのアルキル基は飽和状または不飽和状、分枝状または線状であることができ、また場合によってはヒドロキシル基によって置換されていてもよい。スルホ基は、炭素鎖の任意の位置にあることができるが、但し、鎖始端と鎖終端のところの第一メチル基はスルホ基を持たない。好ましい第二アルカンスルホネートは、炭素原子数が約9〜25、好ましくは約10〜約20、特に好ましくは約13〜17の線状アルキル鎖を含む。カチオンは、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−またはトリエタノールアンモニウム、カルシウムまたはマグネシウム、及びこれらの混合物である。カチオンとしてはナトリウムが好ましい。
【0053】
第二アルカンスルホネートの他、第一アルカンスルホネートも本発明の洗剤及び洗浄剤中に使用することができる。好ましいアルキル鎖及びカチオンは、第二アルカンスルホネートについて上に挙げたものと同じである。
【0054】
界面活性剤として作用する対応するスルホネートを与える第一アルカンスルホン酸の製造法は、例えば欧州特許出願公開第854 136 A1号明細書に記載されている。
【0055】
更に別の好適なアニオン性界面活性剤は、アルケニル−またはアルキルベンゼンスルホネートである。そのアルケニルまたはアルキル基は分枝状かまたは線状であることができ、また場合によってはヒドロキシル基で置換されていてもよい。好ましいアルキルベンゼンスルホネートは、炭素原子数が約9〜25、好ましくは約10〜約13の線状アルキル鎖を含み、カチオンは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウム、カルシウムまたはマグネシウム、またはこれらの混合物である。マイルドな界面活性剤系にはマグネシウムがカチオンとして好ましく、それに対して標準的な洗浄用途にはナトリウムが好ましい。これと同じことが、アルケニルベンゼンスルホネートにも当てはまる。
【0056】
アニオン性界面活性剤という用語には、C12〜C24−、好ましくはC14〜C16−α−オレフィンを三酸化硫黄でスルホン化し、次いで中和して得られるオレフィンスルホネートも包含される。これらのオレフィンスルホネートは、製造方法に由来して、少量のヒドロキシアルカンスルホネート及びアルカンジスルホネートも含み得る。α−オレフィンスルホネートの具体的な混合物は米国特許第3,332,880号明細書に記載されている。
【0057】
更に別の好ましいアニオン性界面活性剤はカルボキシレート、例えば脂肪酸石鹸及びこれに匹敵する界面活性剤である。石鹸は、飽和状もしくは不飽和状であることができ、そして様々な置換基、例えばヒドロキシル基またはα−スルホネート基を含むことができる。好ましいものは、疎水性部としての、炭素原子数が約6〜約30、好ましくは約10〜約18の線状の飽和または不飽和炭化水素基である。
【0058】
更に、アニオン性界面活性剤としては、アシルアミノカルボン酸の塩、アルカリ性媒体中で脂肪酸塩化物とサルコシン酸ナトリウムとを反応させることによって生ずるアシルサルコシネート; 脂肪酸塩化物とオリゴペプチドとの反応によって得られる脂肪酸−タンパク質縮合生成物; アルキルスルファミドカルボン酸の塩; アルキル−及びアルキルアリールエーテルカルボン酸の塩; C8〜C24オレフィンスルホネート、例えば英国特許出願公開第1,082,179号明細書に記載されるような、クエン酸アルカリ土類金属塩の熱分解生成物のスルホン化によって製造されるスルホン化されたポリカルボキシル酸; アルキルグリセリンスルフェート、オレイルグリセリンスルフェート、アルキルフェノールエーテルスルフェート、第一パラフィンスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、イセチオネート、例えばアシルイセチオネート、N−アシルタウリド、アルキルスクシネート、スルホスクシネート、スルホスクシネートのモノエステル(特に、飽和もしくは不飽和C12〜C18モノエステル)、及びスルホスクシネートのジエステル(特に、飽和もしくは不飽和C12〜C18ジエステル)、アシルサルコシネート、アルキルポリサッカライドのスルフェート、例えばアルキルポリグリコシドのスルフェート、分枝状第一アルキルスルフェート及びアルキルポリエトキシカルボキシレート、例えば式RO(CH2CH2)kCH2COO-M+(式中、RはC8〜C22アルキルであり、kは0〜10の数であり、そしてMはカチオンである)で表されるもの、樹脂酸または水素化された樹脂酸、例えばロジンもしくは水素化されたロジンまたはトール油樹脂もしくはトール油樹脂酸も挙げられる。
【0059】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば次の化合物、すなわちアルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、ポリプロピレンオキシド縮合物及びポリブチレンオキシド縮合物などが挙げられる。
【0060】
これらの化合物は、線状もしくは分枝状のいずれかであることができるC6〜C20アルキル基を有するアルキルフェノールとアルケンオキシドとの縮合生成物を包含する。好ましいものは、アルキルフェノール1モル当たり約5〜25モルのアルケンオキシドを有する化合物である。商業的に入手可能なこの種の界面活性剤は、例えばIgepal(R) CO-630、Triton(R) X-45、X-114、X-100及びX102、並びにClariant GmbHの(R)Arkopal-N-ブランドである。これらの界面活性剤は、アルキルフェノールアルコキシレート、例えばアルキルフェノールエトキシレートとも称される。
【0061】
脂肪族アルコールとエチレンオキシド約1〜約25モルとの縮合生成物
脂肪族アルコールのアルキル鎖は、線状または分枝状、第一または第二であることができ、そして一般的に約8〜約22個の炭素原子を含むことができる。特に好ましいものは、C10〜C20アルコールと、アルコール1モルあたり約2〜約18モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。前記アルキル鎖は、飽和または不飽和であることができる。アルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの狭い同族体分布(“狭範エトキシレート”( Narrow Range Ethoxilates))またはエチレンオキシドの広い同族体分布(“広範エトキシレート”(Broad Range Ethoxilates))を有することができる。商業的に入手可能なこのタイプのノニオン性界面活性剤の例は、Tergitol(R) 15-S-9(線状第二C11〜C15アルコールとエチレンオキシド9モルとの縮合生成物)、Tergitol(R)24-L-NMW(狭い分子量分布での線状第一C12〜C14アルコールとエチレンオキシド6モルとの縮合生成物)である。同様に、この部類の材料には、Clariant GmbH製のGenapol(R)のブランドの商品も該当する。
【0062】
プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成される疎水性ベースを有するエチレンオキシドの縮合生成物
これらの化合物の疎水性部は、好ましくは約1500〜約1800の分子量を有する。この疎水性部にエチレンオキシドを付加すると水溶性が向上される。この材料は、縮合生成物の総重量の約50%のポリオキシエチレン含有率まで液状である。このポリオキシエチレン含有率は、約40モルまでのエチレンオキシドとの縮合に相当する。この部類の材料の商業的に入手が可能な例は、BASF社のPluronic(R)ブランド品及びClariant GmbHの(R)Genapol PFブランド品である。
【0063】
プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生成物とエチレンオキシドとの縮合生成物
これらの化合物の疎水性単位は、エチレンジアミンと過剰のプロピレンオキシドとの反応生成物からなり、一般的に約2500〜約3000の分子量を有する。この疎水性単位に、約40〜約80重量%のポリオキシエチレン含有率までの及び約5000〜11000の分子量までのエチレンオキシドが付加される。この部類の化合物の商業的に入手可能な例は、BASF社の(R)Tetronicブランド品及びClariant GmbHの(R)Genapol PNブランド品である。
【0064】
半極性ノニオン性界面活性剤
このカテゴリーのノニオン性化合物には、各々約10〜約18個の炭素原子を有するアルキル基を持つ水溶性アミンオキシド、水溶性ホスフィンオキシド及び水溶性スルホキシドが包含される。半極性ノニオン性界面活性剤は、以下の式
【0065】
【化2】

【0066】
[式中、Rは約8〜約22個の炭素原子の鎖長を有するアルキル-、ヒドロキシアルキル-またはアルキルフェノール基であり、R2は約2〜3個の炭素原子を有するアルキレン-またはヒドロキシアルキレン基あるいはこれらの混合物であり、各々の基R1は約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル-またはヒドロキシアルキル基あるいは約1〜約3個のエチレンオキシド単位を有するポリエチレンオキシド基であり、そしてxは0〜約10の数を意味する]
で表されるアミンオキシドでもある。各R1基は、酸素原子または窒素原子を介して互いに結合することができ、それゆえ環を形成することができる。この種のアミンオキシドは、特に、C10〜C18-アルキルジメチルアミンオキシド及びC8〜C12-アルコキシエチル-ジヒドロキシエチルアミンオキシドである。
【0067】
脂肪酸アミド
脂肪酸アミドは以下の式を有する:
【0068】
【化3】

【0069】
式中、Rは約7〜約21個、好ましくは約9〜約17個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして各々の基R1は水素、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ヒドロキシアルキルまたは(C24O)XHを意味し、xは約1〜約3の範囲である。好ましいものは、C8〜C20-アミド、-モノエタノールアミド、-ジエタノールアミド及び-イソプロパノールアミドである。
【0070】
更に別の適当なノニオン性界面活性剤は、アルキル-及びアルケニルオリゴグリコシド、並びに各々脂肪アルキル基中に8〜20個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸ポリグリコールエステルまたは脂肪アミンポリグリコールエステル、アルコキシル化されたトリグリカミド、混合エーテルもしくは混合ホルミル、アルキルオリゴグリコシド、アルケニルオリゴグリコシド、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシド及びタンパク質加水分解物である。
【0071】
両性もしくは双イオン性界面活性剤の典型例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、あるいは以下の式で表される両性イミダゾリニウム化合物である。
【0072】
【化4】

【0073】
上記式中、R1は、C8〜C22-アルキルまたは-アルケニルであり、R2は水素またはCH2CO2Mであり、R3はCH2CH2OHまたはCH2CH2OCH2CH2CO2Mであり、R4は水素、CH2CH2OHまたはCH2CH2COOMであり、ZはCO2MまたはCH2CO2Mであり、nは2または3、好ましくは2であり、Mは水素またはカチオン、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたはアルカノールアンモニウムを意味する。
【0074】
この式で表される両性界面活性剤で好ましいものはモノカルボキシレート及びジカルボキシレートである。例は、ココアンフォ(Cocoampho)カルボキシプロピオネート、ココアミドカルボキシプロピオン酸、ココアンフォカルボキシグリシネート(またはココアンフォジアセテートととも呼ばれる)及びココアンフォアセテートである。
【0075】
更に別の好ましい両性界面活性剤は、約8〜約22個、好ましくは8〜18個、特に好ましくは約12〜約18個の炭素原子を有する、線状でも分枝状でもよいアルキル基を持つアルキルジメチルベタイン及びアルキルジポリエトキシベタインである。これらの化合物は、例えばClariant GmbHから(R)Genagen LABの商品名で販売されている。
【0076】
適当なカチオン性界面活性剤は、R1N(CH3)3rXs、R1R2N(CH3)2rXs、R1R2R3N(CH3)rXsまたはR1R2R3R4NrXsのタイプの置換されているかもしくは置換されていない、直鎖状もしくは分枝状の第四アンモニウム塩である。好ましくは、これらの基R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、8〜24個、特に10〜18個の炭素原子の鎖長を有する置換されていないアルキル、約1〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、フェニル、C2〜C18-アルケニル、C7〜C24-アラルキル、(C2H4O)xH(この際、xは約1〜約3である)、一つまたはそれ以上のエステル基を含むアルキル基、または環状第四アンモニウム塩であることができる。Xは適当なアニオンである。
【0077】
好ましい態様の一つでは、本発明の洗剤及び洗浄剤は、線状のアルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましいアルキルベンゼンスルホネートは、約9〜25個の炭素原子、好ましくは約10〜約13個の炭素原子を有する線状アルキル鎖を含み、そのカチオンはナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ-、ジ-またはトリエタノールアンモニウム、カルシウムまたはマグネシウムあるいはこれらの混合物である。マイルドな界面活性剤系のためには、マグネシウムがカチオンとして好ましく、他方、標準的な洗剤用途には、ナトリウムが好ましい。同様に好ましい態様の一つにおいては、本発明の洗剤及び洗浄剤は、炭素原子数が約9〜25、好ましくは約10〜約20、特に好ましくは約13〜17の線状アルキル鎖を有する第二アルカンスルホネートを含む。そのカチオンは、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノ−、ジ−もしくはトリエタノールアンモニウム、カルシウムもしくはマグネシウム、及びこれらの混合物である。ナトリウムがカチオンとして好ましい。
【0078】
同様に好ましい態様の一つでは、本発明の洗剤及び洗浄剤は、式RO(A)m SO3Mのアルキルエーテルスルフェートを含む。前記式中、Rは置換されていないC10〜C24-アルキル基または−ヒドロキシアルキル基、好ましくはC12〜C20-アルキル基または−ヒドロキシアルキル基、特に好ましくはC12〜C18-アルキル基または−ヒドロキシアルキル基である。Aはエトキシ-またはプロポキシ単位であり、mは0より大きい数、好ましくは約0.5〜約6の数、特に好ましくは約0.5〜約3の数であり、そしてMは水素原子またはカチオン、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、または置換されたアンモニウムカチオンである。置換されたアンモニウムカチオンの具体例は、メチル-、ジメチル-、トリメチルアンモニウムカチオン、及び第四アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウムカチオン及びジメチルピペリジニウムカチオン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンまたはこれらの混合物等のアルキルアミンから誘導される第四アンモニウムカチオンである。例えば、C12〜C18-脂肪アルコールエーテルスルフェートが挙げられ、この際、EOの含有量は、脂肪アルコールエーテルスルフェート1モルにつき1、2、2.5、3または4モルであり、Mはナトリウムまたはカリウムである。
【0079】
乳化剤としては、炭素原子数8〜22の線状もしくは分枝状で飽和もしくは不飽和の脂肪アルコール、炭素原子数12〜22の脂肪酸、アルキル基中の炭素原子数が8〜15のアルキルフェノール及びソルビタンエステルに0〜30モルのアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/またはブチレンオキシドを付加した付加生成物;
グリセリンに0〜30モルのエチレンオキシドを付加した付加生成物の(C12〜C18)脂肪酸モノ−もしくはジエステル;
炭素原子数6〜22の飽和もしくは不飽和脂肪酸及び場合によってはこれらのエチレンオキシド付加生成物のグリセリンモノ−もしくはジエステル並びにソルビタンモノ−もしくはジエステル;
ヒマシ油及び/または硬化ヒマシ油に5〜60モル、好ましくは15〜60モルのエチレンオキシドを付加した付加生成物;
ポリオールエステル、特にポリグリセリンエステル、例えばポリグリセリンポリリシノレート及びポリグリセリンポリ−12−ヒドロキシステアレート。
などが挙げられる。
【0080】
好ましいものは、液状脂肪酸エステルであり、これは、エトキシル化されたもの(PEG−10ポリグリセリル−2ラウレート)でも、エトキシル化されていないもの(ポリグリセリル−2セスキイソステアレート)でもよい。
【0081】
更に別の好ましい本発明による混合物は、ソルビトールと脂肪酸メチルエステルまたは脂肪酸トリグリセリドとの反応によって製造されるソルビトールエステルを含む。前記脂肪酸メチルエステル及び脂肪酸トリグリセリド中の脂肪酸残基は、一般的に8〜22個の炭素原子を含み、そして直鎖状もしくは分枝状で飽和もしくは不飽和であることができる。これの例は、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸またはオレイン酸である。脂肪酸トリグリセリドとしては、全ての天然の動物性もしくは植物性油、脂肪及びワックスが挙げられ、例えばオリーブ油、ナタネ油、パーム核油、ヒマワリ油、ヤシ油、アマニ油、ヒマシ油、ダイズ油などであり、これらは場合によっては精製もしくは水素化した形で使用される。これの天然の脂肪、脂及びワックスは、通常は、様々な鎖長を有する複数種の脂肪酸の混合物であるため、これは、本発明に従い使用されるソルビトールエステル中の脂肪酸残基にも言えることである。本発明に従い使用されるソルビトールエステルは、アルコキシル化、好ましくはエトキシル化されたものでもよい。
【0082】
更に、アニオン性乳化剤、例えばエトキシル化されたもしくはエトキシル化されていないモノ−、ジ−もしくはトリリン酸エステル、並びにカチオン性乳化剤、例えばモノ−、ジ−もしくはトリアルキルクワット(alkylquat)及びこれらのポリマー性誘導体を使用することができる。
【0083】
これらの物質群の複数から選ばれた化合物の混合物も同様に好適である。
【0084】
本発明に含まれ得る更に別の洗剤及び洗浄剤成分には、水の硬度を低減するための無機及び/または有機ビルダーが挙げられる。
【0085】
これらのビルダーは、該洗剤及び洗浄剤組成物中に約5〜約80%の重量割合で含まれ得る。無機ビルダーには、例えば、ポリリン酸のアルカリ−、アンモニウム−もしくはアルカノールアンモニウム塩、例えばトリポリリン酸塩、ピロリン酸塩及びガラス質のポリマー性メタリン酸塩、ホスホン酸塩、ケイ酸塩、重炭酸塩及びセスキ炭酸塩も包含する炭酸塩、硫酸塩及びアルミノケイ酸塩などが挙げられる。
【0086】
ケイ酸塩系ビルダーの例は、アルカリ金属ケイ酸塩、特に1.6:1〜3.2:1のSiO2:Na2O比を有するこのようなケイ酸塩、並びに層状ケイ酸塩であり、例えば、Clariant GmbHからSKS(R)、SKS-6(R)の商号で入手できる、米国特許第4,664,839号に記載されるような層状ケイ酸ナトリウムが特に好ましい層状ケイ酸塩ビルダーである。
【0087】
アルミノケイ酸塩ビルダーは、本発明において特に好ましい。これは、特に、式Naz[(AlO2)z(SiO2)y]・xH2O(式中、z及びyは少なくとも6の整数であり、z:yの比率は1.0〜約0.5の範囲であり、そしてxは約15〜約264の整数を意味する)で表されるゼオライトである。
【0088】
アルミノケイ酸塩に基づく適当なイオン交換体は市販されている。これらのアルミノケイ酸塩は結晶質構造もしくは非晶質構造を有することができ、そして天然に存在するものでも、合成して製造したものでもよい。アルミノケイ酸塩に基づくイオン交換体の製造方法は、米国特許第3,985,669号明細書及び米国特許第4,605,509号明細書に記載されている。合成結晶性アルミノケイ酸塩に基づく好ましいイオン交換体は、ゼオライトA、ゼオライトP(B)(欧州特許出願公開第0 384 070号明細書に開示されているものも包含する)及びゼオライトXの名称で入手することができる。好ましいものは、0.1〜10μmの粒径を有するアルミノケイ酸塩である。
【0089】
適当な有機系ビルダーには、ポリカルボキシル化合物、例えば、エーテルポリカルボキシレート及びオキシジスクシネート、例えば米国特許第3,128,287号明細書及び米国特許第3,635,830号明細書に記載されるようなものが包含される。同様に、米国特許第4,663,071号明細書に記載の“TMS/TDS”ビルダーも挙げられる。
【0090】
他の適当なビルダーには、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、マレイン酸無水物とエチレンもしくはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸のアルカリ−、アンモニウム−もしくは置換されたアンモニウム塩、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸及びニトリロトリ酢酸のこのような塩、並びにポリカルボン酸、例えばメリット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、並びにこれらの可溶性塩が包含される。
【0091】
クエン酸塩に基づくビルダー、例えばクエン酸及びこれの可溶性塩、特にナトリウム塩は、造粒した調合物中でも、特にゼオライト及び/または層状ケイ酸塩と一緒に使用することもできる好ましいポリカルボン酸ビルダーである。
【0092】
更に別の適当なビルダーは、米国特許第4,566,984号明細書に開示されているような、3,3−ジカルボキシ−4−オキサ−1,6−ヘキサンジオエート及びこれと類似の化合物である。
【0093】
リンをベースとするビルダーが使用できる時、特に人手による洗濯のための固形石鹸を調合すべき場合は、様々なアルカリ金属リン酸塩、例えばトリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム及びオルトリン酸ナトリウムを使用できる。また同様に、ホスホン酸塩系のビルダー、例えばエタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホネート及び他の公知のホスホン酸塩、例えば米国特許第3,159,581号明細書、米国特許第3,213,030号明細書、米国特許第3,422,021号明細書、米国特許第3,400,148号明細書及び米国特許第3,422,137号明細書に開示されるようなものも同様に使用できる。
【0094】
本発明の洗剤及び洗浄剤組成物は、場合によっては、本発明のポリエステルと反応しない、一種またはそれ以上の慣用の漂白剤、並びに活性化剤もしくは安定化剤、特にパーオキシ酸を含むことができる。
【0095】
パーオキシ酸は、遊離のパーオキシ酸でもよいし、無機過酸塩、例えば過ホウ酸ナトリウムもしくは過炭酸ナトリウムと有機パーオキシ酸前駆体との組み合わせでもよい。この際、この有機パーオキシ酸前駆体は、上記過酸塩とパーオキシ酸前駆体との組み合わせ物が水中に溶解した時にパーオキシ酸に転化される。この有機過酸前駆体は、従来技術においてしばしば漂白活性化剤とも呼ばれる。
【0096】
本発明に使用するのに好ましいパーオキシ酸の例には、パーオキシドデカン二酸(DPDA)、パーオキシコハク酸のノニルアミド(NAPSA)、パーオキシアジピン酸のノニルアミド(NAPAA)及びデシルジパーオキシコハク酸(DDPSA)が挙げられる。このパーオキシ酸は、好ましくは、米国特許第4,374,035号明細書に記載の方法に対応して、可溶性粒状物中に含まれる。好ましい漂白剤粒状物は、重量%単位で、発熱溶解性の化合物、例えばホウ酸1%〜50%; パーオキシ酸と相容性の表面活性有効物質、例えばC13LAS1%〜25%; 一種またはそれ以上のキレート安定化剤、例えばピロリン酸ナトリウム0.1%〜10%; 及び水溶性塩、例えば硫酸ナトリウム10%〜70%を含む。
【0097】
このパーオキシ酸含有漂白剤は、約0.1%〜約10%、好ましくは約0.5%〜約5%、特に約1%〜4%の量の有効酸素を与えるような量で使用される。これらの百分率の数値は、洗浄剤組成物の総重量を基準とするものである。
【0098】
本発明による洗剤組成物の単位投入量(15〜60℃の水を約65リットル含む典型的な洗液に使用されるような単位投入量)を基準とした、パーオキシ酸含有漂白剤の好適な量は、約1ppm〜約150ppmの有効酸素、好ましくは約2ppm〜約20ppmの有効酸素を与える。この洗液は、十分な漂白の成果を得るために、7〜11、好ましくは7.5〜10.5のpH値を有するべきである。米国特許第4,374,035号明細書の第6欄の第1行〜第10行の記載を参照されたい。
【0099】
これの代わりに、漂白剤組成物は、水性アルカリ性溶液中で過酸化水素と反応した時に、上記のパーオキシ酸のうちの一つを生成する適当な有機パーオキシ酸前駆体を含むことができる。過酸化水素源は、水溶液中で過酸化水素を遊離する任意の無機過酸化物、例えば過ホウ酸ナトリウム(一水和物及び四水物)及び過炭酸ナトリウムであることができる。
【0100】
漂白活性化剤としては、N,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、グルコースペンタアセテート(GPA)、キシローステトラアセテート(TAX)、4−ベンゾイルオキシ−ベンゼンスルホン酸ナトリウム(SBOBS)、トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(STHOBS)、テトラアセチルグルコールウリル(TAGU)、テトラアセチルシアン酸(TACA)、ジ−N−アセチルジメチルグリオキシン(ADMG)、及び1−フェニル−3−アセチルヒダントイン(PAH)、ノナノイルカプロラクタムフェニル−スルホネートエステル(APES)、ノナノイルフェニルスルホネートエステル(NOPS)、ニトリロトリアセテート(NTA)及びアンモニウムニトリルが利用できる。
【0101】
本発明の洗剤及び洗浄剤組成物は、一種またはそれ以上の慣用の酵素を含むことができる。このような酵素は、例えばリパーゼ類、アミラーゼ類、プロテアーゼ類、セルラーゼ類、プリナーゼ類(pullinases)、クチナーゼ類、パーオキシダーゼ類などである。プロテアーゼ類には、BLAP(R)、Opticlean(R)、Maxacal(R)、Maxapem(R)、Esperase(R)、Savinase(R)、Purafect(R) OxP及び/またはDuraxym(R)を、アミラーゼ類にはTermamyl(R)、Amylase-LT(R)、Maxamyl(R)、Duramyl(R)及び/またはPruafect(R) OxAmを、リパーゼ類にはLipolase(R)、Lipomax(R)、Lumafast(R)及び/またはLipozym(R)を利用できる。好ましい酵素の一つはセルラーゼである。この際使用されるセルラーゼは、バクテリアまたは菌類から得ることができ、そして5〜9.5の最適なpH範囲を有するべきである。好ましいセルラーゼ類は、国際公開第91/17 243号パンフレットに記載されている。
【0102】
同様に好ましい酵素の一つはリパーゼ類であり、これは脂肪分解酵素として、汚れた布から天然の油脂をより良好に剥がすことを可能にし、そうして本発明のポリエステルの作用を援助する。この際、一般的には相加作用、並びに相乗作用も達成することができる。
【0103】
酵素は、単体物質上に吸着させること及び/または被覆材中に埋め込むことができる。
【0104】
本発明のポリエステルを含む洗剤及び洗浄剤組成物の重量を基準にして、酵素の割合は少なくとも0.001重量%、好ましくは約0.001〜約5重量%、特に約0.001〜約1重量%、就中約0.01〜約1重量%である。
【0105】
金属イオン封鎖剤としては、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、塩、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ポリアクリレート、ホスホネート、シュウ酸、シュウ酸塩、クエン酸、ゼオライト、縮合したホスフェート、カーボネート、ポリカーボネートを利用できる。
【0106】
黒ずみ防止剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0107】
色移り防止剤も使用でき、例えばポリアミン−N−オキシド、例えばポリ−(4−ビニルピリジン−N−オキシド)、例えばISP社のChromabond S-400、ポリビニルピロリドン、例えばBASF社のSokalan(R)HP 50、及びN−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾール及び場合によっては他のモノマーとからなるコポリマーなどがある。
【0108】
本発明は、有効物質として染料定着剤を含む洗剤及び洗浄剤も包含し、染料定着剤は、例えば、ジエチレントリアミン、ジシアンジアミド及びアミド硫酸の反応、アミン類とエピクロロヒドリンとの反応、例えばジメチルアミノプロピルアミンとエピクロロヒドリンとの反応またはジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応、あるいはジシアンジアミド、ホルムアルデヒド及び塩化アンモニウムの反応、あるいはジシアンジアミド、エチレンジアミン及びホルムアルデヒドの反応、あるいはシアナミドとアミン類及びホルムアルデヒドとの反応、あるいはポリアミン類とシアナミド類及びアミド硫酸との反応、あるいはシアナミド類とアルデヒド類及びアンモニウム塩との反応によって得られる染料定着剤、並びにポリアミン−N−オキシド、例えばポリ(4−ビニルピリジン−N−オキシド)、例えばISP社のChromabond S-400; ポリビニルピロリドン、例えばBASF社のSokalan(R) HP 50、及びN−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾール及び場合によっては他のモノマーとからなるコポリマーであることができる。
【0109】
本発明の洗剤及び洗浄剤は、錯化剤、例えばアミノカルボキシレート類、例えばエチレンジアミンテトラアセテート、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、シクロヘキサンジアミンテトラアセテート、ホスホネート類、例えばアザシクロヘプタンジホスホネート、Na塩、ピロホスフェート類、エチドロン酸(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエチアン−1,1−ジホスホン酸、アセトホスホン酸)及びこれらの塩、アミノホスホネート類、例えばエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホネート)、アミントリメチレンホスホン酸、シクロデキストリン類、並びに多官能性置換芳香族錯化剤、例えばジヒドロキシジスルホベンゼンまたはエチレンジアミンジスクシネート類を含むことができる。
【0110】
蛍光増白剤としては、環状炭化水素、例えばジスチリルベンゼン類、ジスチリルビフェニル類、ジフェニルスチルベン類、トリアジニルアミノスチルベン類、スチルベニル−2H−トリアゾ−ル類、例えばスチルベンジル−2H−ナフトール[1,2−d]トリアゾ−ル類及びビス(1,2,3−トリアゾ−ル−2−イル)スチルベン類、ベンゾキサゾール類、例えばスチルベニルベンゾキサゾール及びビス(ベンゾキサゾール)、フラン類、ベンゾフラン類及びベンズイミダゾール類、例えばビス(ベンゾ[b]フラン−2−イル)ビフェニル及びカチオン性ベンズイミダゾール類、1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン、クマリン、ナフタルイミド類、1,3,5−2−イル−誘導体、メチンシアニン及びジベンゾチオフェン−5,5−オキシドを使用することができる。
【0111】
好ましいものは、アニオン性蛍光増白剤、特にスルホン化された化合物である。
【0112】
更に、トリアジニルアミノスチルベン類、ジスチリルビフェニル類及びこれらの混合物、2−(4−スチリルフェニル)−2H−ナフト[1,2−d]トリアゾ−ル、4,4’−ビス−(1,2,3−トリアゾ−ル−2−イル)スチルベン、アミノクマリン、4−メチル−7−エチルアミノクマリン、1,2−ビス(ベンズイミダゾール−2−イル)エチレン、1,3−ジフェニルフラゾリン、2,5−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン、2−スチリル−ナフト[1,2−d]オキサゾール、2−(4−スチリル−3−スルホフェニル)−2H−ナフト[1,2−d]トリアゾ−ル及び2−(スチルベン−4−イル)−2H−ナフト[1,2−d]トリアゾ−ルが挙げられる。
【0113】
本発明の洗剤は、蛍光増白剤を、0.001重量%〜2重量%、好ましくは0.002重量%〜0.8重量%、特に好ましくは0.003重量%〜0.4重量%の量で含むことができる。
【0114】
柔軟性成分としては、次のタイプの第四アンモニウム塩が使用される。
【0115】
【化5】

【0116】
式中、
1 = C8〜C24 n−もしくはiso−アルキル、好ましくはC10〜C18 n−アルキル、
2 = C1〜C4−アルキル、好ましくはメチル、
3 = R1またはR2
4 = R2、またはヒドロキシエチルもしくはヒドロキシプロピルまたはこれらのオリゴマー、
- = 臭化物イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、メト硫酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、乳酸イオン。
【0117】
これの例は、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジタローアルキルメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、または対応するベンジル誘導体、例えばドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドである。環状の第四アンモニウム塩、例えばアルキルモルホリン誘導体も同様に使用できる。
【0118】
更に、第四アンモニウム化合物の他に、イミダゾリニウム化合物(1)及びイミダゾリン誘導体(2)も使用することができる。
【0119】
【化6】

【0120】
式中、
R = C8〜C24n−もしくはiso−アルキル、好ましくはC10〜C18n−アルキル、
X = 臭化物イオン、塩化物イオン、ヨウ化物イオン、メト硫酸イオン、
A = -NH-CO-、-CO-NH-、-O-CO-、-CO-O-。
【0121】
特に好ましい部類の化合物は、所謂エステルクワット(Esterquats)である。これは、次いで慣用のアルキル化剤またはヒドロキシアルキル化剤で四級化されたアルカノールアミン及び脂肪酸との反応生成物である。
【0122】
アルカノールアミンとして好ましいものは、次式に従う化合物である。
【0123】
【化7】

【0124】
1 =C1〜C3ヒドロキシアルキル、好ましくはヒドロキシエチル、
2、R3=R1またはC1〜C3アルキル、好ましくはメチル。
【0125】
特に好ましいものは、トリエタノールアミン及びメチルジエタノールアミンである。
【0126】
エステルクワットのための更に別の特に好ましい原料は、アミノグリセリン誘導体、例えばジメチルアミノプロパンジオールである。アルキル化剤またはヒドロキシアルキル化剤は、ハロゲン化アルキル、好ましくは塩化メチル、硫酸ジメチル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドである。
【0127】
エステルクワットの例は、次式の化合物である。
【0128】
【化8】

【0129】
式中、R−C−Oは、飽和もしくは不飽和であることができるC8〜C24脂肪酸から誘導される。これの例は、カプロン酸、カプリル酸、水素化されているかまたは水素化されていないかもしくは部分的にのみ水素化された獣脂肪酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、ベヘン酸、パルミンステアリン酸、ミリスチン酸及びエライジン酸である。nは、0〜10、好ましくは0〜3、特に好ましくは0〜1の範囲である。
【0130】
本発明のポリエスエルと組み合わせることができる更に別の好ましい繊維柔軟剤用原料は、アミド−アミン、例えばジアルキルトリアミン類及び長鎖脂肪酸に基づくアミド−アミン、並びにそれらのオキシエチレートもしくは四級化物である。これらの化合物は、次の構造を有する。
【0131】
【化9】

【0132】
式中、
1及びR2は、互いに独立して、C8〜C24n−もしくはiso−アルキル、好ましくはC10〜C18 n−アルキルを意味し、
Aは、-CO-NH-または-NH-CO-を意味し、
nは、1〜3、好ましくは2を意味し、
mは、1〜5、好ましくは2〜4を意味する。
【0133】
第三アミノ基を四級化することによって、追加的に基R3(これは、C1〜C4アルキル、好ましくはメチルであることができる)及び対イオンX(これは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンまたはメチル硫酸イオンであることができる)を導入することができる。アミドアミノオキシエチレート及びこれの四級化された二次生成物は、(R)Varisoft 510、(R)Varisoft 512、(R)Rewopal V 3340及び(R)Rewoquat W 222 LMの商品名で上市されている。
【0134】
柔軟剤調合物中での本発明に従い使用されるポリエステルの好ましい使用濃度は、洗剤調合物について上に記載した濃度と同じである。
【0135】
本発明の洗剤及び洗浄剤は、好ましくは染料及びフレグランスもしくは香料を含む。
【0136】
染料としては、アシッドレッド 18 (CI 16255)、アシッドレッド 26、アシッドレッド 27、アシッドレッド 33、アシッドレッド 51、アシッドレッド 87、アシッドレッド 88、アシッドレッド 92、アシッドレッド 95、アシッドレッド 249 (CI )18134、アシッドレッド 52 (CI45100)、アシッドバイオレット 126、アシッドバイオレット 48、アシッドバイオレット 54、アシッドイエロー 1、アシッドイエロー 3 (CI 47005)、アシッドイエロー 11、アシッドイエロー 23 (CI 19140)、アシッドイエロー 3、ダイレクトブルー 199 (CI 74190)、ダイレクトイエロー 28 (CI 19555)、フードブルー 2 (CI 42090)、フードブルー 5:2 (CI 42051:2)、フードレッド 7 (CI 16255)、フードイエロー 13 (CI 47005)、フードイエロー 3 (CI 15985)、フードイエロー 4 (CI 19140)、リアクティブグリーン 12、ソルベントグリーン 7 (CI 59040)が好ましい。
【0137】
特に好ましい染料は水溶性酸性染料、例えばフードイエロー 13 (アシッドイエロー 3、CI 47005)、フードイエロー 4 (アシッドイエロー 23、CI 19140)、フードレッド 7 (アシッドレッド 18、CI 16255)、フードブルー 2 (アシッドブルー 9、CI 42090)、フードブルー 5 (アシッドブルー 3、CI 42051)、アシッドレッド 249 (CI 18134)、アシッドレッド 52 (CI 45100)、アシッドバイオレット 126、アシッドバイオレット 48、アシッドブルー 80 (CI 61585)、アシッドブルー 182、アシッドブルー 182、アシッドグリーン 25 (CI 61570)、アシッドグリーン 81である。また水溶性直接染料、例えばダイレクトイエロー 28 (CI 19555)、ダイレクトブルー 199 (CI 74190)、及び水溶性反応性染料、例えばリアクティブグリーン 12、並びにフードイエロー 3 (CI 15985)、アシッドイエロー 184などの染料も同様に好ましく使用される。
【0138】
また、以下の顔料の水性分散液も同様に好ましく使用され、この際、溶液または分散液の着色に使用される顔料分散液の濃度は0.1重量%から50重量%、好ましくは1重量%〜45重量%、特に好ましくは5重量%〜40重量%、就中好ましくは10重量%〜35重量%である。水性顔料分散液が、顔料の他に、分散剤、場合によっては及び更に別の助剤、例えば殺生剤を含むことは当業者には公知である。
【0139】
顔料系着色剤としては、ピグメントブラック 7 (CI 77266)、ピグメントブルー 15 (CI 74160)、ピグメントブルー 15:1 (CI 74160)、ピグメントブルー 15:3 (CI 74160)、ピグメントグリーン 7 (CI 74260)、ピグメントオレンジ 5、ピグメントレッド 112 (CI 12370)、ピグメントレッド 112 (CI 12370)、ピグメントレッド 122 (CI 73915)、ピグメントレッド 179 (CI 71130)、ピグメントレッド 184 (CI 12487)、ピグメントレッド 188 (CI 12467)、ピグメントレッド 4(CI 12085)、ピグメントレッド 5 (CI 12490)、ピグメントレッド 9、ピグメントViolet 23 (CI 51319)、ピグメントイエロー 1 (CI 11680)、ピグメントイエロー 13 (CI 21100)、ピグメントイエロー 154、ピグメントイエロー 3 (CI 11710)、ピグメントイエロー 74、ピグメントイエロー 83(CI 21108)、ピグメントイエロー 97などが挙げられる。
【0140】
好ましい態様の一つでは、次に挙げる顔料系着色剤、すなわちピグメントイエロー 1 (CI 11680)、ピグメントイエロー 3 (CI 11710)、ピグメントレッド 112 (CI 12370)、ピグメントレッド 5 (CI 12490)、ピグメントレッド 181 (CI 73360)、ピグメントバイオレット 23 (CI 51319)、ピグメントブルー 15:1 (CI 74160)、ピグメントグリーン 7 (CI 74260)、ピグメントブラック 7 (CI 77266)が分散体の形で使用される。
【0141】
同様に好ましい態様の一つでは、水溶性ポリマー着色剤、例えばLiquitint RTM、Liquitint Blue HP.RTM.、Liquitint Blue 65.RTM.、Liquitint Patent Blue.RTM.、Liquitint Royal Blue.RTM.、Liquitint Experimental Yellow 8949-43.RTM.、Liquitint Green HMC.RTM.、Liquitint Yellow II.RTM.、及びこれらの混合物が使用される。
【0142】
フレグランスまたは香料としては、個々の香気性化合物、例えばエステル類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン類、アルコール類及び炭化水素のタイプの合成物質を使用することができる。エステルタイプの香気性化合物は、例えば酢酸ベンジル、フェノキシエチルイソブチレート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチル−メチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート及びベンジルサリチレートである。エーテル類としては、例えばベンジルエチルエーテルなどが、アルデヒド類としては、例えば炭素原子数8〜18の線状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びボージェナール(Bourgeonal)などが、ケトン類としては、例えばイオノン類、アルファ−イソメチルイオノン及びメチル−セドリルケトンなどが、アルコール類としては、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオン、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールなどが、炭化水素としては、主にテルペン類及びバルサム類などが挙げられる。一緒になって心地よい香りを生じる様々な香気物質の混合物も好ましく使用される。
【0143】
香油は、天然の香気物質混合物、例えば植物性または動物性の源から入手できる香気物質混合物、例えばパイン油、シトラス油、ジャスミン油、ユリ油、バラ油、またはイランイラン油などを含むこともできる。多くの場合に芳香成分として使用される揮発性の小さい精油も香油として適しており、例えばサルビア油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、シナモンリーフ油、リンデンブロッサム油、及びジェニパーベリー油などが挙げられる。
【0144】
慣用の方法により製造することができる上記のフレグランスまたは香油の溶液またはエマルションが好ましく使用される。
【0145】
以下の例は、本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
【実施例】
【0146】
例1: ポリエステル1
KPG攪拌機、内部温度計、ガス導入管及び蒸留橋を備えた2リットル容積の四つ首フラスコに、1,2−プロパンジオール281.5g、エチレングリコール229.6g、PEG−250モノメチルエーテル250g、テレフタル酸ジメチルエステル970.9g、及び5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルNa塩236.98gを仕込み、次いでこの反応混合物をN2の導入によって不活性化した。次いで、チタンテトライソプロポキシド1g及び酢酸ナトリウム0.8gを向流で上記反応混合物に加えた。この混合物を油浴でゆっくりと加熱し、この際、約120〜150℃の内部温度から、固形の成分が溶け始めた。ここで、攪拌しながら、30分間のうちに190℃に加熱した。約173℃で、エステル交換または蒸留が始まった。2時間かけて化学量論に従い必要な凝縮物量が達成されるまで、内部温度は210℃まで高められた。その後、油浴温度を約240〜250℃まで高め、そして内圧を30分内に最良のオイルポンプ減圧まで下げた。3時間の減圧段階の間、過剰のアルコール量を留去することによって縮合が完了した。この間、ポリエステル溶融物の内部温度は、反応の終了時の約220℃までゆっくりと上昇した。次いで、N2で換気し、そして溶融物を金属プレート上に注いだ。
【0147】
例2: ポリエステル2
KPG攪拌機、内部温度計、ガス導入管及び蒸留橋を備えた3リットル容積の四つ首フラスコに、1,2−プロパンジオール418.5g、エチレングリコール279.3g、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル212.4g、テレフタル酸ジメチルエステル1359.3g、及び5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルNa塩296.22g、及び250gのポリエチレングリコール250を仕込み、次いでこの反応混合物をN2の導入によって不活性化した。次いで、ナトリウムメトキシド1.5g及び炭酸ナトリウム0.5gを向流でこの反応混合物に加えた。この混合物を油浴でゆっくりと加熱した。この際、約120〜150℃の内部温度から、固形の成分が溶け始めた。ここで、攪拌しながら、30分内に190℃に加熱した。約173℃で、エステル交換または蒸留が始まった。2時間かけて化学量論量に従い必要な凝縮物の量が達成されるまで、内部温度は210℃まで高められた。その後、油浴温度を約240〜250℃に高め、そして内圧を30分内に最良のオイルポンプ減圧まで下げた。三時間の減圧段階の間に、過剰のアルコール量の留去によって縮合を完了した。この間、ポリエステル溶融物の内部温度は、反応の終了時の約220℃までゆっくりと上昇した。次いで、N2で換気し、そして溶融物を金属プレート上に注いだ。
【0148】
例3: ポリエステル3
KPG攪拌機、内部温度計、ガス導入管及び蒸留橋を備えた3リットル容積の四つ首フラスコに、1,2−プロパンジオール281.5g、エチレングリコール223.4g、トリエチレングリコールモノメチルエーテル202g、テレフタル酸ジメチルエステル582.5g、及び5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルNa塩296.22gを仕込み、次いでこの反応混合物をN2の導入によって不活性化した。次いで、チタンテトライソプロポキシド1.02g及び酢酸ナトリウム0.8gを向流でこの反応混合物に加えた。この混合物を油浴でゆっくりと加熱した。この際、約120〜150℃の内部温度から、固形の成分が溶け始めた。ここで、攪拌しながら45分内に195℃まで加熱した。約173℃で、エステル交換または蒸留が始まった。3時間かけて化学量論に従い必要な凝縮物量が達成されるまで、内部温度は210℃まで高められた。その後、油浴温度を約240〜255℃まで高め、そして内圧を60分内に<20mbarに下げた。4時間の減圧段階の間に、過剰のアルコール量の留去によって縮合を完了した。この間、ポリエステル溶融物の内部温度は反応の終了時の225℃までゆっくりと上昇した。次いで、N2で換気し、そして溶融物を金属プレート上に注いだ。
例4: ポリエステル4
例2に従う反応手順
【0149】
【表2】

【0150】
例5: ポリエステル5
例3に従う反応手順
【0151】
【表3】

【0152】
例6: ポリエステル6
例1に従う反応手順
【0153】
【表4】

【0154】
例7: ポリエステル7
例1に従う反応手順
【0155】
【表5】

【0156】
例8: ポリエステル8
例1に従う反応手順
【0157】
【表6】

【0158】
例9: スルホ基で末端基が部分的にキャップされたポリエステル
反応の手順及び成分は例3と同様であるが、トリエチレングリコールモノメチルエーテルの50モル%を、イセチオン酸のナトリウム塩に置き換えた。
【0159】
本発明のポリエステルを、それらの吸湿性及びソイルリリース効果について、従来技術のソイルリリースポリマーと比較した。
【0160】
ソイルリリース試験:
本発明によるアニオン性ソイルリリースポリエステルを、“ダーティーモーターオイル試験(Dirty Motor Oil Test)”を用いてそれらのソイルリリース効果について試験した。このためには、ポリマーを、使用した試験洗剤を基準にして1%(有効成分量)の濃度で各々の洗浄液に加えた。これらの洗浄液を用いて、白色のポリエステル布Testex PES 730(Testfabrics Inc., USA)を予備洗浄した。こうして予備処理された布を乾燥し、次いでモーター廃油で汚した。一時間の作用時間の後、汚した布試験標本を、各々の試験洗剤を用いて同じ洗浄条件下に、本発明のポリマーを加えて後洗浄した。次いで、試験布の反射率を測定した。比較のために、ソイルリリースポリマー無しの試験洗剤及び従来技術による市販のソイルリリースポリマーを添加した試験洗剤を用いてダーティーモーターオイル試験を行った。
【0161】
このダーティーモーターオイル試験には、試験洗剤として、クレーフェルト洗濯研究所の標準洗濯粉IEC−A及びIEC−B、色物用洗濯粉及び液状洗剤を使用した(表1〜4)。
【0162】
【表7】

【0163】
【表8】

【0164】
【表9】

【0165】
【表10】

【0166】
ダーティーモーターオイル試験を、表5に記載の洗濯条件に従い行った。
【0167】
【表11】

【0168】
以下の市販のソイルリリースポリマーも比較用に試験した(表6)。
【0169】
【表12】

【0170】
ソイルリリース試験において以下の試験結果が得られた(表7〜9)。
【0171】
【表13】

【0172】
【表14】

【0173】
【表15】

【0174】
表10: 表4に記載の液状洗剤中で、従来技術のソイルリリースポリエステルと比較した本発明のソイルリリースポリエステルのソイルリリース効果
一次洗浄力(Primaerwaschvermoegen):
さらに、本発明のソイルリリースポリマーを、試験汚染布を複数回洗浄してそれらの一次洗浄力について試験した。
【0175】
このために、ポリエステル試験汚染布wfk20c及びwfk30c(クレフェールト洗濯研究所)を、表1または表2に記載の試験洗剤を用いて及びポリマーをそれぞれ1%(有効物質量)の量で添加して四回洗浄した。洗浄する毎に反射率値(白色度)を測定した。
【0176】
洗浄条件は、表5に記載のものに相当する。比較としては、従来技術のソイルリリースポリマーを使用した。以下の結果が得られた(表11〜13)。
【0177】
【表16】

【0178】
【表17】

【0179】
【表18】

【0180】
【表19】

【0181】
本発明のポリエステルを、それらの吸湿性に関して従来技術のソイルリリースポリマーと比較した。
【0182】
【表20】

【0183】
上記の結果は、本発明のポリエステル(ポリエステル3)が、スルホン含有末端基を有する類似のポリエステル(ポリエステル9及びSRA200)と比べて、吸湿性がかなり低いことを示している。
【0184】
【表21】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造単位1〜3または1〜4からなるポリエステル。
【化1】

[前記式中、
1は、互いに独立して、Hを表すかまたは(C1〜C18)n−もしくはiso−アルキル基、好ましくはメチルを表し、
2は、線状もしくは分枝状(C1〜C30)アルキル基を表すか、または線状もしくは分枝状(C2〜C30)アルケニル基、炭素原子数が5〜9のシクロアルキル基、(C6〜C30)アリール基、または(C6〜C50)アリールアルキル基を表し、
m、n、oは、互いに独立して、1〜200の数を表し、
x、y及びzは、互いに独立して、1〜50の数を表し、
但し、x+yは≧2、そしてzは>0でなければならず、
uは、0〜5の数、好ましくは0〜0.5、特に好ましくは0〜0.25の数を表し、そして
Meは、Li+、Na+、K+、Mg++/2、Ca++/2、Al+++/3、NH4+、モノアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン及び/またはテトラアルキルアンモニウムイオンを意味し、この際、前記アンモニウムイオンのアルキル置換基は、互いに独立して、(C1〜C22)アルキル基または(C2〜C10)ヒドロキシアルキル基である]
【請求項2】
1がH及び/またはメチルを表し、R2がメチルを表し、o、m及びnが1〜200の数であり、xが1〜30の数であり、yが1〜25の数であり、そしてzが0.05〜15の数である、請求項1のポリエステル。
【請求項3】
o、m及びnが1〜20の数である、請求項1または2のポリエステル。
【請求項4】
o、m及びnが1〜5の数である、請求項1または2のポリエステル。
【請求項5】
o及びmが1であり、そしてnが2〜10の数である、請求項1または2のポリエステル。
【請求項6】
xが2〜15の数である、請求項1または2のポリエステル。
【請求項7】
xが3〜10の数である、請求項1または2のポリエステル。
【請求項8】
yが1〜10の数である、請求項1または2のポリエステル。
【請求項9】
yが1〜5の数である、請求項1または2のポリエステル。
【請求項10】
zが0.1〜10の数である、請求項1または2のポリエステル。
【請求項11】
zが0.25〜3の数である、請求項1または2のポリエステル。
【請求項12】
uが0の数を表す、請求項1または2のポリエステル。
【請求項13】
40℃を超える軟化点を有する、請求項1のポリエステル。
【請求項14】
50〜200℃の軟化点を有する、請求項1のポリエステル。
【請求項15】
80〜150℃の軟化点を有する、請求項1のポリエステル。
【請求項16】
100〜120℃の軟化点を有する、請求項1のポリエステル。
【請求項17】
請求項1のポリエステルを含む、洗剤及び洗浄剤。

【公表番号】特表2009−520841(P2009−520841A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546189(P2008−546189)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/011756
【国際公開番号】WO2007/079850
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(597109656)クラリアント・プロドゥクテ・(ドイチュラント)・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (115)
【Fターム(参考)】