説明

アニオン性洗浄界面活性剤およびカルシウム増大技術を含む固体洗濯洗剤組成物

本発明は、粒子形態の固体洗濯洗剤組成物であって、(a)アニオン性洗浄界面活性剤;(b)カルシウム増大技術;(c)前記組成物の0重量%〜5重量%未満のゼオライトビルダー;(d)前記組成物の0重量%〜5重量%未満のリン酸塩ビルダー;および(e)所望により前記組成物の0重量%〜5重量%未満のケイ酸塩を含む、固体洗濯洗剤組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アニオン性洗浄界面活性剤およびカルシウム増大技術を含む固体洗濯洗剤組成物に関する。本発明の組成物は、良好な分与および溶解特性、かつ優れた洗浄性能を有する。
【背景技術】
【0002】
比較的最近において、多くの洗剤製造業者は、粒状洗濯洗剤の溶解および分与性能を大幅に向上させようと試みてきた。多くの洗剤製造業者が焦点を合わせてきた取り組みは、ゼオライトビルダーのような非水溶性ビルダーの、粒状洗濯洗剤製剤中あるいは粒状洗濯洗剤製剤から濃度を著しく低減させること、または更に完全に除去することである。しかし、洗剤製造業者が粒状洗濯洗剤に十分な量のトリポリリン酸ナトリウムのようなリン酸塩系水溶性ビルダーを組み込むことを阻止する、多国でのリン酸塩使用回避法に起因して、および洗剤製造業者が利用できる実行可能な代わりの非リン酸塩系水溶性ビルダーがないことに起因して、多くの洗剤製造業者が焦点を合わせてきた取り組みは、ゼオライト系ビルダー系を、同等な程度のビルダー機能を有する水溶性ビルダー系に完全に置き換えるのではなく、その代わりに構築された(under-built)粒状洗濯洗剤組成物を処方することであった。
【0003】
この構築された取り組みは、粒状洗濯洗剤の溶解および分与性能を著しく改善するが、洗濯プロセス間に、粒状洗濯洗剤組成物のビルダー系によって洗浄溶液から除去されない著しい量のカルシウムのようなカチオンに起因して、問題が存在する。これらのカチオンは、溶液からアニオン性洗浄界面活性剤の沈殿を引き起こすような方法で、粒状洗濯洗剤組成物のアニオン性洗浄界面活性剤系の妨げとなり、これは、アニオン性洗浄界面活性剤活性および洗浄性能の低減を引き起こす。極端な場合は、これらの非水溶性錯体が布地に付着して、その結果、白色度の維持を低下させて、布地完全性効果(fabric integrity benefits)を低下させる可能性がある。洗濯洗剤が、高濃度のカルシウムカチオンが存在する硬水洗浄条件下で使用されるとき、これは特に問題である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、アニオン性洗浄界面活性剤とカルシウム増大技術を組み合わせて使用することにより、構築された(under-built)洗剤組成物の洗浄性能が改善されることを見出した。
【0005】
チャーチ&ドワイト社(Church & Dwight Co. Inc.)のカール(Carr)らによる米国特許第5,552,078号は、活性界面活性剤を含む粉末状洗濯洗剤組成物に関する。米国特許第5,552,078号の組成物は、実質的な量のリン酸塩ビルダーが組成物に存在するときに起こる富栄養化の問題を回避すると同時に、組成物が多量の炭酸塩ビルダーを含有するときに存在することが多い布地エンクラステーションの問題を最小限にする一方で、布地の優れた洗浄および漂白を示すとされている。
【0006】
チャーチ&ドワイト社(Church & Dwight Co. Inc.)のマッツォーラ(Mazzola)による米国特許第6,274,545B1号は、洗浄溶液中の不溶洗剤残留物の残留が最小限である冷水布地洗濯において利用できるとされている高炭酸塩低リン酸塩粉末洗濯洗剤製剤に関する。米国特許第6,274,545B1号の洗剤組成物は、部分的に硫酸化され中和されたエトキシ化アルコール界面活性剤とポリエチレングリコール成分とのアニオン性/非イオン性界面活性剤ブレンドを含み、洗浄溶液中の洗濯洗剤固体の溶解度を向上するとされている。
【0007】
プロクター・アンド・ギャンブル社のアスキュー(Askew)らによるPCT国際公開特許WO97/43366は、泡立ち系を含む洗剤組成物に関する。PCT国際公開特許WO97/43366は、炭酸塩構築(built)漂白剤を含まない洗剤組成物を例示する。
【0008】
プロクター・アンド・ギャンブル社のハートショーン(Hartshorn)らによるPCT国際公開特許WO00/18873は、良好な分与性能を有するとされる、および洗濯プロセス後、布地上に残留物を残さないとされる洗剤組成物に関する。
【0009】
プロクター・アンド・ギャンブル社のハートショーン(Hartshorn)らによるPCT国際公開特許WO00/18859は、洗濯プロセスにおける、洗浄溶液への成分の送達が改善されるとされる洗剤組成物に関する。PCT国際公開特許WO00/18859の組成物は、水との接触時にすぐにゲル化せず、洗濯プロセス後、布地上に非水溶性残留物を残さないとされる。PCT国際公開特許WO00/18859の組成物は、主に界面活性剤系と密接に混合される水溶性ビルダー系を含む。
【0010】
ヒンズーステイン・リーバー社(Hindustain Lever Limited)のファン・デル・ホーフェン(Van der Hoeven)らによるPCT国際公開特許WO02/053691は、10重量%超過のカルシウム耐性界面活性剤、0.1重量%〜10重量%のリン酸塩ビルダーおよび/またはゼオライトビルダーから選択される強力なビルダー系、並びに35重量%未満の非機能性非アルカリ水溶性無機塩を含む洗濯洗剤組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、粒子形態の固体洗濯洗剤組成物であって、(a)アニオン性洗浄界面活性剤、(b)カルシウム増大技術、(c)前記組成物の0重量%〜5重量%未満のゼオライトビルダー、(d)前記組成物の0重量%〜5重量%未満のリン酸塩ビルダー、および(e)所望により前記組成物の0重量%〜5重量%未満のケイ酸塩を含む、固体洗濯洗剤組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
固体洗濯洗剤組成物
組成物は、アニオン性洗浄界面活性剤、カルシウム増大技術、前記組成物の0重量%〜5重量%未満のゼオライトビルダー、前記組成物の0重量%〜5重量%未満のリン酸塩ビルダー、および所望により前記組成物の0重量%〜5重量%未満のケイ酸塩を含む。組成物は、他の補助剤構成成分を含んでよい。一方組成物は、5重量%以上の量でケイ酸塩を含んでよく、好ましくは組成物は、組成物の0重量%〜5重量%未満のケイ酸塩を含む。
【0013】
組成物は、粒塊、スプレー乾燥粉末、押出品、フレーク、麺状物、針状物、ビーズ、またはこれらのいずれかの組み合わせのような粒子形態である。組成物は、錠剤の形態のような圧縮粒子形態であってよい。組成物は、ポーチのようなある種の他の1回用量形態であってよく、典型的に少なくとも部分的に、好ましくは完全に、ポリビニルアルコールのような水溶性フィルムに封入される。好ましくは、組成物は、自由流動粒子形態である;自由流動粒子形態とは、典型的に組成物が別個の離散粒子の形態であることを意味する。組成物は、アグロメレーション、スプレー乾燥、押出成形、混合、乾燥混合、液体スプレー方式、ローラー圧縮、球形化、またはこれらのいずれかの組み合わせを包含する任意の好適な方法で作製されてよい。
【0014】
組成物は、典型的には、450g/l〜1,000g/lのバルク密度を有し、好ましい低バルク密度の洗剤組成物は、550g/l〜650g/lのバルク密度を有し、好ましい高バルク密度の洗剤組成物は、750g/l〜900g/lのバルク密度を有する。
【0015】
洗濯プロセス中、組成物は典型的に水と接触して、7を超えて〜13未満の、好ましくは7を超えて〜10.5未満のpHを有する洗浄溶液を形成する。これは、良好な洗浄を提供すると同時に、良好な布地ケア特性をも確実にするために最適なpHである。
【0016】
組成物は、典型的には、35℃の温度で測定するとき、0%〜30%未満、好ましくは0%〜20%の平衡相対湿度を有する。典型的に、平衡相対湿度は、次のように決定される:300gの組成物を水不透過性材料で作製された1リットル容器に入れ、容器を密閉できる蓋を取り付ける。蓋には、プローブを容器内部へ挿入できるように適合した、密封可能な孔が備えられている。容器とその内容物を温度35℃で24時間保持して、温度を平衡させる。固体素子湿度計(テストターム社(Testoterm Ltd)(英国ハプシャー(Hapshire))から販売されているハイグロテスト(Hygrotest)6100)を用いて、水蒸気圧を測定する。これは、容器の蓋の密封可能な孔から容器内部にプローブを挿入して、ヘッドスペースの水蒸気圧を測定することによって行われる。これらの測定は、水蒸気圧が平衡になるまで10分おきに行われる。その後、プローブは水蒸気圧測定値を平衡相対湿度値に自動的に変換する。
【0017】
好ましくは、組成物は、濃度9.2g/lおよび温度20℃で水と接触すると、(i)500比濁計濁度単位未満の濁度、および(ii)8〜12の範囲のpHを有する透明な洗浄溶液を形成する。好ましくは、得られる洗浄溶液の濁度は、400比濁計濁度単位未満、または300比濁計濁度単位未満、または10〜300比濁計濁度単位である。洗浄溶液の濁度は、典型的に、H1 93703マイクロプロセッサー濁度計を用いて測定される。洗浄溶液の濁度を測定するための典型的な方法は次の通りである:組成物9.2gをビーカー内の1リットルの水に加えて溶液を形成する。溶液を20℃において62.8rad/s(600rpm)で5分間攪拌する。次に、この溶液の濁度を、製造者の指示に従ってH193703マイクロプロセッサー濁度計を用いて測定する。
【0018】
アニオン性洗浄界面活性剤
洗剤組成物はアニオン性洗浄界面活性剤を含む。好ましくは、組成物は、組成物の5重量%〜25重量%のアニオン性洗浄界面活性剤を含む。好ましくは、組成物は、組成物の6重量%〜20重量%、または7重量%〜18重量%、または8重量%〜15重量%、または8重量%〜11重量%、またはさらに9重量%〜10重量%のアニオン性洗浄界面活性剤を含む。アニオン性洗浄界面活性剤は、好ましくは、直鎖または分枝鎖、置換または非置換C8〜18アルキル硫酸塩;直鎖または分枝鎖、置換または非置換C8〜18直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩;平均アルコキシル化度1〜20の直鎖または分枝鎖、置換または非置換C8〜18アルキルアルコキシル化硫酸塩;直鎖または分枝鎖、置換または非置換C12〜18アルキルカルボン酸塩;およびこれらの混合物から成る群から選択される。アニオン性洗浄界面活性剤は、ローラー圧縮、球形化、またはたはこれらの任意の混合物であることができる。アニオン性界面活性剤は、C10〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、好ましくは直鎖状C10〜C13アルキルベンゼンスルホン酸塩;C10〜C20一級、分枝鎖、直鎖およびランダム鎖アルキル硫酸塩(AS)から成る群から選択されることができ、好ましくは典型的に次の式を有する直鎖状アルキル硫酸塩である:
CH(CHCH−OSO
Mは水素または電気的中性を提供するカチオンであり、好ましいカチオンはナトリウムおよびアンモニウムカチオンであり、xは少なくとも7の整数、好ましくは少なくとも9の整数であり;次式を有するC10〜C18二級(2,3)アルキル硫酸塩である:
【化1】

【0019】
Mは水素または電気的中性を提供するカチオンであり、好適なカチオンとしては、ナトリウムおよびアンモニウムカチオン、xは少なくとも7の整数であり、好ましくは少なくとも9の整数であり、yは少なくとも8の整数、好ましくは少なくとも9の整数である;C10〜C18のアルキルアルコキシカルボン酸塩;米国特許6,020,303号と同6,060,443号により詳細に記載されているような中鎖分岐状アルキル硫酸塩;PCT国際公開特許WO99/05243、同99/05242、同99/05244、同99/05082、同99/05084、同99/05241、同99/07656、同00/23549および同00/23548により詳細に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホン酸塩(MLAS);メチルエステルスルホン酸塩(MES);α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)およびこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
好ましいアニオン性洗浄界面活性剤は、直鎖または分枝鎖、置換または非置換、C12〜18アルキル硫酸塩;直鎖または分枝鎖、置換または非置換、C10〜18アルキルベンゼンスルホン酸塩、好ましくは直鎖状C10〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩;平均アルコキシル化度1〜20の直鎖または分枝鎖、置換または非置換アルキルアルコキシル化硫酸塩、好ましくは平均エトキシル化度3〜7の直鎖状C10〜18アルキルエトキシ化硫酸塩;およびこれらの混合物から成る群から選択される。非常に好ましいものは、市販のC10〜13直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩である。非常に好ましいものは、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得られる直鎖C10〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩であり、好適なLABには、商標名イソケム(Isochem)(登録商標)でサソール(Sasol)により供給されるものまたは商標名ペトレラブ(Petrelab)(登録商標)でペトレサ(Petresa)により供給されるもののような低級2−フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABには、商標名ハイブレン(Hyblene)(登録商標)でサソールから供給されるもののような高級2−フェニルLABが挙げられる。
【0021】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、アニオン性洗浄性界面活性剤がよりカルシウム耐性となり、遊離カルシウムイオンの存在下で洗浄溶液から析出し難くなるように、構造的に変性されることが好ましい可能性がある。この構造的修変性は、アニオン性洗浄性界面活性剤の先端基の付近にメチル部分またはエチル部分を導入することであり得るが、先端基の立体障害により、よりカルシウム耐性の高められたアニオン性洗浄性界面活性剤をもたらすことができ、それは該アニオン性洗浄性界面活性剤が、溶液から沈殿を引きおこすような様式で、遊離カルシウムカチオンと錯体を形成する、アニオン性洗浄性界面活性剤の親和性を低減させる可能性があるからである。他の構造的修飾としては、アニオン性洗浄性界面活性剤のアルキル鎖中にアミン部分のような官能性部分を導入することが挙げられる;これは、アニオン性洗浄性界面活性剤のアルキル鎖中の官能基の存在が、洗浄溶液中において遊離カルシウムイオンの存在下で滑らかな結晶構造を形成するというアニオン性洗浄性界面活性剤の望ましくない物理化学的特性を最小限にする可能性があるので、よりカルシウム耐性のアニオン性洗浄性界面活性剤を導くことができる。これは、アニオン性洗浄性界面活性剤が溶液から沈澱する傾向を低減させる可能性がある。
【0022】
好ましくは組成物は、組成物の0.1重量%〜10重量%のアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤を含む。これは、良好な脂汚れ洗浄性能を提供し、良好な発泡特性を与え、洗浄界面活性剤系全体の硬度耐性を高めるアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤の最適濃度である。組成物が、組成物の3重量%〜5重量%のアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤を含むことが好ましい可能性があり、または組成物が、組成物の1重量%〜3重量%のアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤を含むことが好ましい可能性がある。
【0023】
好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤は、平均アルコキシル化度が1〜30、好ましくは1〜10の、直鎖または分枝鎖、置換または非置換C12〜18アルキルアルコキシル化硫酸塩である。好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤は、平均エトキシル化度が1〜10の、直鎖または分枝鎖、置換または非置換C12〜18アルキルエトキシル化硫酸塩である。最も好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤は、平均エトキシル化度が3〜7の、直鎖状非置換C12〜18アルキルエトキシル化硫酸塩である。
【0024】
好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤の少なくとも一部、より好ましくは全てが、押出品、凝集体のような非スプレー乾燥の粉末の形態であり、好ましくは凝集体である。このことは、高濃度のアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤を組成物中に組み込むのが望ましい場合に、特に好ましい。
【0025】
アルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤は、遊離カルシウムカチオンの存在下で非アルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤が溶液から析出する可能性を低減することによって、当該非アルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤の活性を高める可能性もある。好ましくは、組成物に存在する非アルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤のアルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤に対する重量比は、5:1未満、または3:1未満、または1.7:1未満、あるいは1.5:1未満である。この比は、良好な硬度耐性特性および良好な発泡特性と併せて、最適な白色度の維持性能を与える。しかしながら、非アルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤のアルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤に対する重量比は、5:1超過、または6:1超過、または7:1超過、または更に10:1超過であることが好ましい可能性がある。この比は、良好な硬度耐性特性および良好な発泡特性と併せて、最適な脂汚れ洗浄性能を与える。
【0026】
好適なアルコキシル化アニオン性洗浄性界面活性剤は、テキサパン(Texapan)LEST(登録商標)(コグニス社(Cognis));コスマコール(Cosmacol)AES(登録商標)(サソール社(Sasol));BES151(登録商標)(ステファン社(Stephan));エムピコール(Empicol)ESC70/U(登録商標);およびこれらの混合物である。
【0027】
組成物は、好ましくは米国特許第6,020,303号および米国特許第6,060,443号に記載されたもののような中鎖分枝状アルキル硫酸塩を含んでよい。組成物は、好ましくは米国特許第6,008,181号および米国特許第6,020,303号に記載されたもののような中鎖分枝状アルキルアルコキシ硫酸塩を含んでよい。組成物は、好ましくはメチルエステルスルホン酸塩(MES)を含んでよい。組成物は、好ましくはα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)を含んでよい。組成物は、好ましくはPCT国際公開特許WO99/05241、PCT国際公開特許WO99/05242、PCT国際公開特許WO99/05243、PCT国際公開特許WO99/05244、PCT国際公開特許WO99/05082、PCT国際公開特許WO99/05084、PCT国際公開特許WO99/07656、PCT国際公開特許WO00/23548、およびPCT国際公開特許WO00/23549に記載されたもののような変性アルキルベンゼンスルホン酸塩(sulphomate)(MLAS)を含んでよい。
【0028】
カルシウム増大技術
組成物は、カルシウム増大技術を含む。カルシウム増大技術は、典型的に組成物に組み込まれ、その性能が、カルシウムカチオン、特に高濃度のカルシウムカチオンの存在によって増大する成分のような技術である。好ましいカルシウム増大技術は、遷移金属イオン系漂白触媒;オキサジリジニウム(oxaziridinium)形成漂白剤促進化合物を包含するイミン系漂白剤促進化合物のような漂白促進成分;四級ニトリル漂白促進成分;リパーゼおよびグルカナーゼのような酵素から選択される。
【0029】
漂白促進成分
本発明の一実施形態では、漂白促進成分は、典型的に以下の式に対応する構造を有する:
【化2】

【0030】
は置換または非置換であり得るアリールまたはヘテロアリール基であり;Rは置換または非置換アルキルであり;RおよびRはイミニウムと共に結合すると、環を形成し、Rは、C〜C20置換アルキルであり;Rは水素、Rまたは、および好ましくは、部分Q−Aであり、Qは分枝状または非分枝状アルキレンであり、tは0または1であり、Aは典型的にOSO、SO、CO、OCO、OPO2−、OPOおよびOPOから成る群から選択されるアニオン基である;Rは、水素、Rまたは、および好ましくは、部分−CR1112−X−G−X−[(CR10−O]−Rであり、各Xは、独立してO、S、N−H、またはN−Rから成る群から選択され;各Rは、独立してアルキル、アリール、およびヘテロアリールから成る群から選択され、前記R部分は、置換または非置換であり、置換または非置換のいずれであっても前記R部分は、21個未満の炭素を有し;各Gは、独立してCO、SO、SO、PO、およびPOから成る群から選択され;RおよびR10は、独立してHおよびC〜Cアルキルから成る群から選択され;R11およびR12は、独立してHおよびアルキルから成る群から選択され、または一緒に連結して、カルボニルを形成してもよい;bは0または1であり;cは0または1であることができるが、bが0である場合、cは0でなくてはならず;yは1〜6の整数であり;kは0〜20の整数である;RはH、またはアルキル、アリール、またはヘテロアリール部分であり;前記部分は置換または非置換である。
【0031】
本発明の一実施形態では、漂白促進成分は、典型的に上の式1に対応する構造を有し、:Rは、置換または非置換であることができるアリールまたはヘテロアリール基であり;Rは、置換または非置換アルキルであり;RおよびRはイミニウムとともに結合して、環を形成し;Rは、C〜C12置換アルキルであり;Rは、部分Q−Aであり、QはC〜Cアルキル、tは0または1、AはOSO、SO、CO、およびOCOから成る群から選択されるアニオン基である;Rは、部分−CR1112−X−G−X−Rであり、各Xは、独立してO、S、N−H、またはN−Rから成る群から選択され;各Rは、独立してアルキル、アリール、およびヘテロアリールから成る群から選択され、前記R部分は、置換または非置換であり、置換または非置換のいずれであっても、前記R部分は、21個未満の炭素を有し;各Gは、独立してCO、SO、SO、PO、およびPOから成る群から選択され;R11およびR12は、独立してHおよびアルキルから成る群から選択され;bは0または1であり;cは0または1であることができるが、bが1である場合、cは0でなくてはならない;Rは、H、またはアルキル、アリール、またはヘテロアリール部分であり;前記部分は置換または非置換である。
【0032】
本発明の一実施形態では、漂白促進成分は、典型的に上の式1に対応する構造を有し、:Rは、置換または非置換であることができるアリールまたはヘテロアリール基であり;Rは、置換または非置換アルキルであり;RおよびRはイミニウムとともに結合して、6員環を形成し;Rは、置換Cアルキルであり;Rは、OSOであり;Rは、部分−CH−O−Rであり、Rは独立してアルキル、アリール、およびヘテロアリールから成る群から選択され、前記R部分は、置換または非置換であり、置換または非置換のいずれであっても、前記R部分は、21個未満の炭素を有する;Rは、H、またはアルキル、アリール、またはヘテロアリール部分であり;前記部分は置換または非置換である。
【0033】
本発明の別の実施形態では、漂白促進成分は、典型的に以下の式2に対応する構造を有する:
【化3】

:Rは、置換または非置換であることができるアリールまたはヘテロアリール基であり;Rは、置換または非置換アルキルであり;RおよびRは、オキサジリジニウム(oxaziridinium)の炭素および窒素とともに結合して環を形成し;RはC〜C20置換アルキルであり;Rは、水素、Rまたは、および好ましくは、部分Q−Aであり、Qは分枝状または非分岐状アルキレンであり、tは0または1であり、AはOSO、SO、CO、OCO、OPO2−、OPO、およびOPOから成る群から選択されるアニオン基である;Rは、水素、Rまたは、および好ましくは、部分−CR1112−X−G−X−[(CR10−O]−Rであり、各Xは、独立してO、S、N−H、またはN−Rから成る群から選択され;各Rは、独立してアルキル、アリール、およびヘテロアリールから成る群から選択され、前記R部分は、置換または非置換であり、置換または非置換のいずれであっても前記R部分は、21個未満の炭素を有し;各Gは、独立してCO、SO、SO、PO、およびPOから成る群から選択され;RおよびR10は、独立してHおよびC−Cアルキルから成る群から選択され;R11およびR12は、独立してHおよびアルキルから成る群から選択され、またはともに結合して、カルボニルを形成してよく;bは0または1であり;cは0または1であることができるが、bが0である場合、cは0でなくてはならず;yは1〜6の整数であり;kは0〜20の整数である;Rは、H、またはアルキル、アリール、またはヘテロアリール部分であり;前記部分は、置換または非置換である。
【0034】
本発明の一実施形態では、漂白促進成分は、典型的に上の式2に対応する構造を有し、:Rは、置換または非置換であることができるアリールまたはヘテロアリール基であり;Rは、置換または非置換アルキルであり;RおよびRはオキサジリジニウム(oxaziridinium)の炭素および窒素とともに結合して環を形成し;Rは、C〜C12置換アルキルであり;Rは、部分Q−Aであり、QはC〜Cアルキルであり;tは0または1であり、AはOSO、SO、CO、およびOCOから成る群から選択されるアニオン基である;Rは、部分−CR1112−X−G−X−Rであり、各Xは、独立してO、S、N−H、またはN−Rから成る群から選択され;各Rは、独立してアルキル、アリール、およびヘテロアリールから成る群から選択され、前記R部分は、置換または非置換であり、置換または非置換のいずれであっても、前記R部分は、21個未満の炭素を有し;各Gは、独立して、CO、SO、SO、PO、およびPOから成る群から選択され;R11およびR12は、独立してHおよびアルキルから成る群から選択され;bは0または1であり;cは0または1であることができるが、bが1である場合、cは0でなくてはならない;Rは、H、またはアルキル、アリール、またはヘテロアリール部分であり;前記部分は、置換または非置換である。
【0035】
本発明の一実施形態では、漂白促進成分は、典型的に上の式2に対応する構造を有し、:Rは、置換または非置換であることができるアリールまたはヘテロアリール基であり;Rは、置換または非置換アルキルであり;RおよびRはオキサジリジニウム(oxaziridinium)の炭素および窒素とともに結合して、6員環を形成し;Rは、置換Cアルキルであり;Rは、OSOであり;Rは、部分−CH−O−Rであり、Rは、独立してアルキル、アリール、およびヘテロアリールから成る群から選択され、前記R部分は、置換または非置換であり、置換または非置換のいずれであっても、前記R部分は、21個未満の炭素を有する;Rは、H、またはアルキル、アリール、またはヘテロアリール部分であり;前記部分は、置換または非置換である。
【0036】
遷移金属イオン系漂白触媒
組成物は、遷移金属イオン系漂白触媒を含んでよい。好適な遷移金属イオンとしては、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、またはマンガンのカチオンが挙げられる。遷移金属イオン系漂白触媒は、米国特許第5,576,282号(ミラクル(Miracle)ら)に開示されたもののようなマンガン系漂白触媒であってよい。これらの漂白触媒の好ましい例としては、MnIV(u−O)(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)(PF、MnIII(u−O)(u−OAc)(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)(ClO、MnIV(u−O)(1,4,7−トリアザシクロノナン)(ClO、MnIIIMnIV(u−O)(u−OAc)2−(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)(ClO、MnIV(1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン)−(OCH(PF)、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
遷移金属イオン系漂白触媒は、米国特許第5,597,936号(パーキンス(Perkins)ら)および米国特許第5,595,967号(ミラクル(Miracle)ら)に記載されたもののようなコバルト系漂白触媒であってよい。最も好ましいコバルト系漂白触媒としては、式[Co(NHOAc]Tを有するコバルトペンタアミン酢酸塩が挙げられ、「OAc」はアセテート部分を表し、「T」はアニオンであり)特にコバルトペンタアミンアセテートクロライド、[Co(NHOAc]Cl;並びに[Co(NHOAc](OAc);[Co(NHOAc](PF;[Co(NHOAc](SO);[Co(NHOAc](BF;および[Co(NHOAc](NO(本明細書では「PAC」)が挙げられる。こうしたコバルト系漂白触媒は、例えば米国特許第5,597,936号、および米国特許第5,595,967号に教示されるような既知の手順により、容易に調製される。
【0038】
また遷移金属イオン系漂白触媒は、マクロ多環式剛性配位子―「MRL」と省略される―を含んでもよい。実際問題として、限定するためではないが、本明細書の組成物および洗浄工程は、洗浄溶液において、少なくとも1億分の1のオーダーのMRLを提供するように調整することができ、好ましくは、約0.005ppm〜約25ppm、より好ましくは約0.05ppm〜約10ppm、最も好ましくは約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。これらの漂白触媒としては、マンガン、鉄、およびクロム系漂白触媒が挙げられる。
【0039】
好ましいMRLは、以下に示す配位子のような架橋する超剛性配位子の種類である:
【化4】

【0040】
各Rがエチルである場合、この配位子は、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンと命名される。
【0041】
他の好適なMRLとしては、ジクロロ−5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(ii);ジアクオ−5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(ii);ヘキサフルオロホスフェート;アクオ−ヒドロキシ−5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(iii);ヘキサフルオロホスフェートジアクオ−5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(ii);テトラフルオロボレートジクロロ−5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(iii);ヘキサフルオロホスフェート;ジクロロ−5,12−ジ−n−ブチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(ii);ジクロロ−5,12−ジベンジル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(ii);ジクロロ−5−n−ブチル−12−メチル−1,5,8,12−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(ii);ジクロロ−5−n−オクチル−12−メチル−1,5,8,12−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(ii);ジクロロ−5−n−ブチル−12−メチル−1,5,8,12−テトラアザ−ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(ii)が挙げられる。
【0042】
好適な遷移金属MRLは、PCT国際公開特許WO00/332601および米国特許第6,225,464号で教示されているような既知の手順によって容易に調製される。
【0043】
高エトキシ化非イオン性界面活性剤
組成物は、高エトキシ化非イオン性界面活性剤を含んでもよく、好ましくは組成物の1重量%〜20重量%、または2重量%〜6重量%、または3重量%〜5重量%の高エトキシ化非イオン性界面活性剤を含んでもよい。好ましい高エトキシ化非イオン性界面活性剤は、13〜25、好ましくは15〜22、より好ましくは16〜22、IO最も好ましくは14〜19.5の親水性/親油性バランス(HLB)値を有する。HLB値は、グリフィン(Griffin)、化粧品化学者協会ジャーナル(J. Soc. Cosmetic Chemists)、5(1954)249〜256に与えられた方法に従って計算できる。
【0044】
好ましい実施形態においては、アニオン性洗浄界面活性剤と高エトキシ化非イオン性界面活性剤の重量比は、0.25:1〜40:1、好ましくは1:1〜15:1、または1:1〜10:1、より好ましくは2:1〜6:1、最も好ましくは2.5:1〜5:1の範囲内である。好適な高エトキシ化非イオン性界面活性剤の例としては、脂肪族C8〜20、好ましくはC10〜16一級または二級直鎖または分枝鎖アルコールまたはフェノールと、アルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、最も好ましくはエチレンオキシドとの縮合生成物であり、一般に15〜80、好ましくは16〜80、より好ましくは20以下または20〜80、最も好ましくは20〜50のアルキレンオキシド基を有し;典型的に、アルキレンオキシド基は親水性の反復単位である。
【0045】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、非イオン性界面活性剤は、以下の式のエトキシ化脂肪族アルコールである:
R−(−O−CH2−CH2)n−OH
:Rは8〜16個の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり、平均エトキシル化度nは、15〜50、好ましくは20〜50である。ヒドロカルビル鎖は、好ましくは飽和であり、好ましくは10〜16個の炭素原子、より好ましくは12〜15個の炭素原子を含有する。鎖長の散らばりを含有する市販の材料において、これらの数字は平均を表す。ヒドロカルビル鎖は、直鎖または分枝鎖であってよい。アルコールは、天然または合成原料に由来してよい。好ましいアルコール原料は、ココナツ、主にC12〜14、およびオキソC12アルコールである。平均エトキシル化度は、15〜50、好ましくは16〜50、より好ましくは20〜50、最も好ましくは25〜40の範囲である。好ましい材料は、平均アルキル鎖長C12〜16、平均エトキシル化度15〜50、より好ましくは25〜40を有する。好適な市販材料の例は、平均エトキシル化度30のC13〜15アルコールであるルテンゾール(Lutensol)AO30(BASFから)である。好適な市販材料の別の例は、非イオン性エトキシ化アルコール20EOゲナポール(Genapol)C200(クラリアント(Clariant)から)、同様に非イオン性エトキシ化アルコール20EOルテンゾール(Lutensol)T020(BASFから)である。
【0046】
ポリアミドアミン
組成物は、組成物の0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.01重量%〜10重量%、より好ましくは0.01重量%〜8重量%のポリアミドアミン、好ましくは変性ポリアミノアミドを含んでよい。
【0047】
好適な変性ポリアミノアミドは、そのアルコキシル化度に依存して、1.66E−21g(1,000Da)〜1.66E−18g(1,000,000Da)、好ましくは3.32E−21g(2,000Da)〜1.66E−18g(1,000,000Da)、より好ましくは3.32E−21g(2,000Da)〜8.30E−20g(50,000Da)の数平均分子量を有する。
【0048】
一般に、ポリアミノアミドは、その主鎖にアミン官能基(*−NH−*)およびアミド官能基(*−NH−C(O)−*)の両方を包含するポリマーで、星印はポリマー主鎖を示す。典型的に、ポリアミノアミドは、ポリマー鎖の末端に一級アミノ基(−NH)および/またはカルボキシ基(−COOH)をも含有する。本明細書で使用するとき、用語「アミノ」は、ポリマー主鎖の二級アミン官能基およびポリマー鎖末端の一級アミン官能基の両方を含む。一般に、ポリアミノアミドは直鎖状である。
【0049】
好適な変性ポリアミノアミドは、以下の式3に対応する構造を有する:
【化5】

:nは1〜500、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、最も好ましくは1、2または3の整数であり;Rは、C〜Cアルカンジイル、好ましくはC〜Cアルカンジイル、より好ましくは1,2−エタンジイルまたは1,3−プロパンジイルから選択され;Rは、化学結合、C〜C20−アルカンジイル、酸素、イオウ、および窒素(イミノ)から成る群から選択されるへテロ原子1〜6個を含むC〜C20−アルカンジイル、酸素、イオウ、および窒素(イミノ)から成る群から選択されるへテロ原子1〜6個を含み、更に1以上のヒドロキシル基を含むC〜C20−アルカンジイル、置換または非置換二価の芳香族ラジカル、並びにこれらの混合物から選択される。酸素、イオウ、および窒素(イミノ)から成る群から選択される1〜6個のへテロ原子を含むC〜C20アルカンジイルは、1個または2個の炭素−炭素二重結合を包含してよい。酸素、イオウ、および窒素(イミノ)から成る群から選択される1〜6個のへテロ原子を含むC〜C20アルカンジイルは、完全にまたは部分的に、1以上の飽和または不飽和炭素環式5〜8員環の構成要素であってよい。好ましいRは、C〜Cアルカンジイルである。
【0050】
好ましい実施形態では、洗剤組成物は、以下の式に対応する構造を有する変性ポリアミノアミドを含む:
【化6】

:xは10〜200、好ましくは約15〜約150、最も好ましくは約21〜約10k0であり;EOはエトキシ部分を表す。
【0051】
四級ニトリル漂白促進成分
組成物は、以下の式に対応する構造を有するニトリル漂白剤促進化合物のような四級ニトリル漂白促進成分を含んでよい:
(R)(R)(R)N−(CR)−CN X
:R1は、H、CH、C2〜24−アルキルまたはアルケニルラジカル、Cl、Br、OH、NH、CNから成る群からの少なくとも1つの置換基を有する置換C2〜24−アルキルまたは−アルケニルラジカル、C1〜24−アルキル基を有するアルキルラジカルまたはアルケニルアリールラジカル、あるいはC1〜24−アルキル基および芳香環上に少なくとも1つの更なる置換基を有する置換アルキルまたはアルケニルアリールラジカルであり;RおよびRは、互いに独立して、−CH−CN、−CH、−CH−CH、−CH−CH−CH、−CH(CH)−CH、−CH−OH、−CH−CH−OH、−CH(OH)−CH、−CH−CH−CH−OH、−CH−CH(OH)−CH、−CH(OH)−CH−CH、−(CH−CH−O)Hから選択され、n=1、2、3、4、5または6である;RおよびRは、互いに独立して、R、RまたはRについて上で指定された意味を有し;Xは、単独でまたは任意の混合物で、塩化物、フッ化物、ヨウ化物、および臭化物を包含するハロゲン化物、硝酸塩、水酸化物、リン酸塩、水素リン酸塩、二水素リン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、C1〜20−アルキル硫酸塩、C1〜20−アルキルスルホン酸塩、非置換またはC1〜18アルキル置換アリールスルホン酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩のような任意の好適な対イオン、並びに/若しくはギ酸塩、酢酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、またはクエン酸塩のようなC1〜24−カルボン酸のアニオンである。
【0052】
好ましい化合物は、上式に従うものであり、R、R、およびRは、同一であり、好ましくはR、R、およびRはメチル基である。他の好ましい化合物は、上式に従うものであり、R、R、およびRの少なくとも1つまたは2つがメチル基であり、他はC2〜24アルキル基である。
【0053】
バーク石
組成物は、バーク石、またはいくつかの他の好適な担体物質を含んでよい。好適なおよび好ましい担体物質は、結晶成長変性セスキ炭酸ナトリウム(NaCO.NaHCO.2HO)、炭酸ナトリウム(NaCO.HO)、炭酸ナトリウム/硫酸ナトリウム複塩(NaCO.(NaSOバーク石)およびこれらの混合物である。こうした担体物質は、塩と結晶成長変性剤の溶液またはスラリーを調製し、その後、スプレー乾燥のような当該技術分野において既知の任意の好適な手段によりこうした溶液またはスラリーを乾燥させることによって調製されてよい。好適な結晶成長変性剤は、ポリカルボン酸塩化合物である。これらは、EDTA、NTA、およびクエン酸塩のようなモノマーのポリカルボン酸の塩であってよい。しかし、好ましい結晶成長変性剤は、アクリル酸および/またはマレイン酸のホモポリマーおよびコポリマーのようなポリマーのポリカルボン酸塩である。結晶成長変性炭酸ナトリウム、バーク石およびこれらの混合物、並びにこれらの調製は、EP0221776A2に十分記載されている。結晶成長変性剤およびここに記載された手順は、セスキ炭酸ナトリウムの調製にも適用できる。好ましい担体物質は、結晶変性バーク石、および結晶変性バーク石と結晶変性炭酸ナトリウムとの混合物である。硫酸ナトリウム、並びに炭酸ナトリウムおよび結晶成長変性剤を含むスラリーまたは溶液は、乾燥の際、炭酸塩と硫酸塩との重量比が0.37:1である結晶変性バーク石の形態で、可能な限り結晶すると考えられる。任意の過剰な硫酸塩は、硫酸塩として結晶するであろう;任意の過剰な炭酸塩は、結晶変性炭酸塩として結晶化するであろう。結晶塊において十分な多孔性を得るためには、炭酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムのスラリーまたは溶液は、炭酸塩と硫酸塩との重量比が少なくとも0.03:1、好ましくは少なくとも0.1:1、最も好ましくは0.3:1〜0.45:1であるべきである。組成物は、組成物の0.1重量%〜20重量%、または0.2重量%〜10重量%のポリマーのカルボン酸塩を含んでよい。組成物は、組成物の0.2重量%〜10重量%のセスキ炭酸塩、炭酸塩および/または硫酸塩を含んでよい。
【0054】
グルカナーゼ
組成物は、エンド−1,3−1,4−β−D−グルカン−4−グルカノヒドロラーゼ(EC3.2.1.73;リチナーゼ)の部類からの酵素であるβ−グルカナーゼのようなグルカナーゼを含んでよい。本発明に関するβ−グルカナーゼは、同様にエンド−1,3−β−D−グルコシダーゼ(EC3.2.1.39;ラミナリナーゼ)を包含する。好適なβ−グルカナーゼは、微生物、例えばアクロモバクター・ルナータス(Achromobacter lunatus)、アスロバクター・ルテウス(Athrobacter luteus)、アスペルギルス・アクレアタス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、バチルス・ズブチルス(Bacillus subtilis)、ディスポロトリチュム・ジモルフォスポラム(Disporotrichum dimorphosporum)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、ペニシリウム・エマゾーニ(Penicillium emersonii)、ペニシリウム・フニクロサム(Penicillium funiculosum)またはトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderna reesei)から得られる。市販品は、例えば、セレフロ(Cereflo)(登録商標)(製造業者:ノボノルディスク(Novo Nordisk)A/S)の名称で販売されている。好ましいβ−グルカナーゼとしては、ドイツ特許出願DE19732751に付されるバチルスアルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)(DSM9956)から得られる酵素が挙げられる。
【0055】
β−グルカナーゼは、組成物が、好ましくは0.05U/g〜1.00U/gの範囲、より好ましくは0.06U/g〜0.25U/gの範囲のグルカノリチック(glucanolytic)活性を有するような量で、組成物に組み込まれる。グルカノリチック(glucanolytic)活性の決定は、M.リーバー(Lever)、生化学分析(Anal. Biochem.)の47 (1972)、273〜279、および生化学分析(Anal. Biochem.)、81(1977)、21〜27に記載されるプロセスの変更に基づく。50mMグリシン緩衝剤(pH9.0)中のβ−グルカン(シグマNo.G6513)の0.5重量%溶液が、この目的のために使用される。この溶液250μLを、グルカノリチック(glucanolytic)活性を試験すべき剤を含有する250μL溶液に添加し、40℃で30分間インキュベートする。次に、1mM硝酸ビスマスおよび1mM酒石酸カリウムナトリウムを含有する0.5M NaOH中の、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド(PAHBAH)の1重量%溶液1.5mLを添加し、その後、溶液を70℃で10分間加熱する。冷却後(2分/0℃)、410nmにおける吸収は、グルコース検量線を使用して、(例えば、ウビコン(Uvikon)(登録商標)930光度計にて)、室温において、ブランク値に対して決定される。ブランク値は、PAHBAH溶液の後にグルカン溶液を添加すること以外は、測定溶液と同様に調製される溶液である。1.00Uは、これらの条件下で1分当たりグルコース1μモルを生じる酵素の量に一致する。
【0056】
洗浄溶液中のグルカノリチック(glucanolytic)活性は、水性洗浄溶液中0.2U/L〜4U/L、より具体的には、0.25U/L〜1U/Lであることが好ましい。機械洗浄プロセスにおいて、例えば家庭の洗濯物を洗濯機で日常的に洗う際に、記載の範囲のグルカノリチック(glucanolytic)活性が、少なくとも短時間、例えば約5〜20分間有効であることが保証されるならば、言及されたグルカノリチック活性は、要求される洗浄結果を得るために洗浄サイクル全体において維持される必要はない。
【0057】
β−グルカナーゼは、特に、例えば、他の酵素について欧州特許EP0564476またはPCT国際公開特許WO94/23005に記載されるような粒子状洗剤に使用される場合、早期の不活性化から保護するために、支持体上へ吸収されてよく、および/またシェル形成材料内にカプセル封入されてよい。
【0058】
リパーゼ
組成物は、好ましくはリポラーゼ(Lipolase)、リポラーゼウルトラ(Lipolase ultra)、10リポプライム(LipoPrime)、リポマックス(Lipomax)、リポサム(Liposam)、リペックス(Lipex)、およびリゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)からのリパーゼ(例えば、EP−A−238023(ノボノルディスク(Novo Nordisk))に記載されている)から成る群から選択されるリパーゼを含んでよい。
【0059】
組成物は、組成物が10〜20,000LU/g、好ましくは50〜2,000LU/gの範囲のリパーゼ活性を有するような量で、リパーゼを含んでよい。LU(リパーゼ単位)は、典型的にEP−A−258068(ノボノルディスク(Novo Nordisk))で定義される。リパーゼは、フミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)およびリゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)からのもののような真菌性リパーゼであることができる。特に好適なリパーゼは、EP−A−305216(ノボノルディスク(Novo Nordisk))に記載されており、リポラーゼ(TM)として市販されているフミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)菌株SM4109からのものである。同様に好適なリパーゼは、PCT国際公開特許WO−A−92/05249、PCT国際公開特許WO−A−94/25577、PCT国際公開特許WO−A−95/22615、PCT国際公開特許WO−A−97/04079、PCT国際公開特許WO−A−97/07202、PCT国際公開特許WO−A−99/42566、PCT国際公開特許WO−A−00/60063により詳細に記載されている。特に好ましいリパーゼは、ノボザイム(Novozymes)からリポラーゼウルトラ(Lipolase ultra)として市販されているリパーゼ変異型D96L、ノボザイム(Novozymes)から商標名リポプライム(LipoPrime)として販売されているリパーゼ変異型、およびノボザイム(Novozymes)から商標名リペックス(Lipex)として販売されているリパーゼ変異型である。リペックス(Lipex)は、PCT国際公開特許WO−A−00/60063により詳細に記載されている。リペックス(Lipex)は、以下のアミノ酸配列を有するポリペプチドであるリパーゼである:(a)フミコラ・ラヌギノサ(Humicola Ianuginosa)菌株DSM4109由来の野生型リパーゼに少なくとも90%の同一性を有する;(b)前記野生型リパーゼと比較して、正に荷電したアミノ酸を有するE1またはQ249の15A゜内の三次元構造体の表面に電気的に中性または負に荷電したアミノ酸との置換を含む;(c)C末端においてペプチド添加を含む;並びに/若しくは
(d)以下の限定に適合する:(i)前記野生型リパーゼのE210の位置に負のアミノ酸を含む;(ii)前記野生型リパーゼの9−101の位置に対応する領域に、負に荷電したアミノ酸を含む;および(iii)前記野生型リパーゼのN94に対応する位置に中性または負のアミノ酸を含む、および/または前記野生型リパーゼの90−101の位置に対応する領域に負のまたは中性の純電荷を有する。リペックス(Lipex)(正確なリパーゼ変異型は、突然変異T231RおよびN233Rを有するリポラーゼである)は、最初の洗濯において、より良い性能(より良い染み除去)を示し、漂白触媒と組み合わせるとき、特に有益な相乗効果を示す。
【0060】
ポリビニルピロリドン
組成物は、好ましくは1,000〜200,000g/molの範囲、より具体的には1,000〜100,000g/molの範囲の分子量を有するポリビニルピロリドンを含んでよい。好適なポリビニルピロリドンは、典型的に水溶性であり、典型的に置換または非置換ビニルピロリドンモノマーの重合により形成される。これらは、ホモポリマーおよびモノマーの少なくとも1つがビニルピロリドンであり、コポリマーのビニルピロリドン含量が少なくとも50モル%であるいずれのコポリマーであってもよく;好適なコモノマーとしては、例えば、アクリロニトリルまたは無水マレイン酸が挙げられる。
【0061】
カルボキシメチルセルロース
組成物は、カルボキシメチルセルロースを含んでよい。組成物は、メチルセルロースおよび典型的に非イオン性セルロースエーテルを基準にして15重量%〜30重量%のメトキシ基および1重量%〜15重量%のヒドロキシプロポキシ基を含むメチルヒドロキシプロピルセルロースを包含する非イオン性セルロースエーテルのような他のセルロース系成分、並びにフタル酸および/またはテレフタル酸のポリマーあるいはその誘導体、より具体的にはエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレングリコールテレフタレートのポリマーあるいはそのアニオンおよび/または非イオン変性誘導体を含んでよい。これらの中でも、フタル酸およびテレフタル酸ポリマーのスルホン化誘導体が特に好ましい。
【0062】
蛍光漂白剤
組成物は蛍光漂白剤を含んでよい。蛍光漂白剤は、典型的に約0.05重量%〜約1.2重量%の量で洗剤組成物に組み込まれることができる。好適であり得る市販の蛍光漂白剤は、サブグループに分類することができ、スチルベン、ピラゾリン、コーナリン(cournarin)、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン(dibenzothiphene)−5,5−二酸化物、アゾール、および5および6員環複素環の誘導体が挙げられるが、これらに必ずしも限定されない。
【0063】
好適な蛍光漂白剤としては、ジアミノスチルベンジスルホン酸またはそのアルカリ金属塩、好ましくは4,4−ビス−(2−アニリノ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)−スチルベン−2,2−ジスルホン酸の塩、あるいはモルホリノ基の代わりにジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、およびアニリノ基または2−メトキシエチルアミノ基を含有する同様な構造の化合物が挙げられる。置換ジフェニルスチリル型の蛍光漂白剤、例えば、4,4−ビス−(2−スルホスチリル)−ジフェニル、4,4−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ジフェニルまたは4−(4−クロロスチリル)−4−(2−スルホスチリル)−ジフェニルのアルカリ金属塩も同様に好ましい可能性がある。上記の蛍光漂白剤の混合物もまた使用してよい。
【0064】
硫酸マグネシウム
組成物は、硫酸マグネシウムを含んでよい。組成物は、十分に水和したときに、その重量の少なくとも25%が水であり、25℃における平衡相対湿度が60%未満であるように水を吸収できる、任意の脱水剤を含んでよい。このように、水分がすぐに蒸発せず、粉末流動問題を引き起こさないように、水分を「閉じ込め(locked away)」ずに、著しい量の水分を吸収できる。また、硫酸マグネシウムのような脱水剤は、水分損失に関して50℃まで安定であることが非常に好ましい。これは、吸収された水が50℃まで安定な状態で残存することを意味する。
【0065】
好適な脱水剤は、好ましくは硫酸マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよびこれらの混合物から成る群から選択される。これらの中で、そのより高い有効性に起因して、硫酸マグネシウムが好ましい。
【0066】
泡立ち系
組成物は、泡立ち系、典型的に水との接触時に気体を解放することができる任意の泡立ち系を含んでよい。好ましい泡立ち系は、炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムのような炭酸塩の供給源を、クエン酸、スルファミン酸、マレイン酸、アクリル酸、またはこれらのポリマーのような酸の供給源と組み合わせて含む。炭酸塩の供給源および酸の供給源は、共粒子混合物の形態で組成物に存在してよく、典型的に組成物に同じ粒子で存在してよく、あるいはこれらは、互いに別個の粒子混合物で存在してよい。
【0067】
別の好適な泡立ち系は、水との接触時に気体を解放することができる過炭酸塩を含む。
【0068】
非イオン性洗浄性界面活性剤
組成物は、非イオン性洗浄性界面活性剤を含んでよい。組成物は、組成物の0.5重量%〜10重量%の非イオン性洗浄性界面活性剤を含んでよい。好ましくは、組成物は組成物の1重量%〜7重量%、または2重量%〜4重量%の非イオン性洗浄性界面活性剤を含む。非イオン性洗浄界面活性剤は、シェル(Shell)製ネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤のようなC12〜C18アルキルエトキシレート;ここで、アルコキシラート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、またはこれらの混合物であるC〜C12アルキルフェノールアルコキシラート;BASF製プルロニック(Pluronic)(登録商標)のようなエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとの、C12〜C18アルコールおよびC〜C12アルキルフェノール縮合物;米国特許第6,150,322号においてより詳細に記載されているC14〜C22中鎖分枝状アルコール,BA;米国特許第6,153,577号、米国特許第6,020,303号および米国特許第6,093,856号においてより詳細に記載されているC14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシラート,BAEx、ここで、xは1〜30である;米国特許第4,565,647号においてより詳細に記載されているアルキル多糖、特に、米国特許第4,483,780号および米国特許第4,483,779号においてより詳細に記載されているアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号、PCT国際公開特許WO92/06162、PCT国際公開特許WO93/19146、PCT国際公開特許WO93/19038、およびPCT国際公開特許WO94/09099においてより詳細に記載されているポリヒドロキシ脂肪酸アミド;米国特許第6,482,994号およびPCT国際公開特許WO01/42408においてより詳細に記載されているエーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤;並びにこれらの混合物から成る群より選択することができる。
【0069】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、典型的にアルカリおよびアルカリ土類金属との炭酸エステル塩であり得る。好適な炭酸エステル塩は、次の式に対応する構造を有する:
R−O−C(O)−O
Xは、Naのような任意の好適な対イオンであり、Rは、任意の置換または非置換、直鎖または分枝鎖アルキル、好ましくはアルコキシル化アルキルであり、好ましくは1〜20のエトキシ部分を含むエトキシ化アルキルである。
【0070】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、アルキルポリグルコシドおよび/またはアルキルアルコキシル化アルコールであり得る。好ましくは、非イオン性洗浄性界面活性剤は平均エトキシル化度1〜10の直鎖または分枝鎖、置換または非置換C8〜18アルキルエトキシ化アルコールである。
【0071】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、付加的な脂汚れ洗浄性能を提供するだけでなく、遊離カルシウムカチオンの存在下で溶液から沈殿しにくいアニオン性洗浄界面活性剤を作ることによって、アニオン性洗浄界面活性剤の活性を向上させる可能性もある。好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤の非イオン性洗浄性界面活性剤に対する重量比は、もし存在するならば、8:1未満、または7:1未満、または6:1未満、または5:1未満、好ましくは1:1〜5:1、または2:1〜5:1、またはさらに3:1〜4:1の範囲である。
【0072】
非イオン性洗浄界面活性剤またはその少なくとも一部は、組成物中に液体スプレー式の形態で組み込まれることができ、この場合、液状(例えば、ホットメルト形態)の非イオン性洗浄界面活性剤またはその少なくとも一部が、組成物の残りに噴霧される。非イオン性洗浄界面活性剤またはその少なくとも一部は、粒子形態であってよく、非イオン性洗浄界面活性剤またはその少なくとも一部は、組成物の残りに乾燥追加されてよい。非イオン性洗浄性界面活性剤またはその少なくとも一部は、炭酸塩、硫酸塩、バーク石、シリカ、またはこれらのいずれかの混合物のような固体キャリア材料との共粒子混合物の形態であってよい。
【0073】
非イオン性洗浄性界面活性剤またはその少なくとも一部は、アニオン性洗浄界面活性剤またはカチオン性洗浄性界面活性剤のいずれかとの共粒子混合物であってよい。しかし、非イオン性洗浄性界面活性剤またはその少なくとも一部は、好ましくはアニオン性洗浄界面活性剤およびカチオン性洗浄性界面活性剤両方との共粒子混合物ではない。非イオン性洗浄性界面活性剤またはその少なくとも一部は、アニオン性洗浄界面活性剤またはカチオン性洗浄性界面活性剤のいずれかと共に凝集または押出成形され得る。
【0074】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、25℃においてポリグルコシドまたは炭酸塩エステルのような固体形態であってよい。組成物は、シリカ並びに所望によりナトリウムクメンスルホン酸塩、ナトリウムトルエンスルホン酸塩、ナトリウムキシレンスルホン酸塩、またはこれらの任意の混合物のようなヒドロトロープを含むことが可能である。非イオン性洗浄性界面活性剤は、シリカおよび所望によりヒドロトロープとの共粒子混合物の形態であってよい。
【0075】
組成物が非イオン性洗浄性界面活性剤を含むとき、組成物は、典型的には、非イオン性洗浄性界面活性剤を超加熱スチームスプレー乾燥プロセスに付される方法により調製される。典型的にスチームは、少なくとも200℃、好ましくは少なくとも250℃、または少なくとも300℃、または少なくとも350℃、または少なくとも400℃の温度である。平均乾燥持続時間は、典型的に60秒未満、または40秒未満、または更に20秒未満である。プロセスは、典型的に、(i)アニオン性洗浄界面活性剤のような洗剤成分を含む水性混合物を調製する工程、(ii)非イオン性洗浄性界面活性剤を前記水性混合物に接触させる工程、および(iii)工程(ii)から得られた前記混合物を乾燥工程に付す工程を含み、前記工程(iii)が前記工程(ii)において非イオン性界面活性剤が水性混合物に接触してから300秒以内、好ましくは200秒以内、または100秒以内、または50秒以内、または25秒以内、または10秒以内、または5秒以内に開始される方法を含む。好ましくは工程(iii)はスプレー乾燥工程である。
【0076】
また組成物は、(i)アニオン性洗浄界面活性剤のような洗剤成分を超加熱スチームスプレー乾燥工程に付す工程、および(ii)非イオン性界面活性剤を工程(i)で形成された生成物に接触させる工程、を含む方法により調製されることが可能である。
【0077】
ゼオライトビルダー
組成物は、組成物の0重量%〜5重量%未満、または〜4重量%、または〜3重量%、または〜2重量%、または〜1重量%のゼオライトビルダーを含む。組成物は、本質的にゼオライトビルダーフリーであることが更に好ましい場合がある。本質的にゼオライトビルダーフリーであるとは、典型的に、組成物が、意図的に添加されたゼオライトビルダーを含まないことを意味する。このことは、非水溶性残留物(例えば、これは布地表面に沈着する可能性がある)の量を最小限にするために、組成物が非常に溶解性が高いことが望ましい場合、および同様に透明な洗浄溶液を有することが極めて望ましい場合に、特に好ましい。ゼオライトビルダーとしては、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトP、およびゼオライトMAPが挙げられる。
【0078】
リン酸塩ビルダー
組成物は、組成物の0重量%〜5重量%未満、または〜4重量%、または〜3重量%、または〜2重量%、または〜1重量%のリン酸塩ビルダーを含む。組成物は、本質的にリン酸塩ビルダーフリーであることが更に好ましい可能性がある。本質的にリン酸塩ビルダーフリーであるとは、組成物が、典型的に、意図的に添加されたリン酸塩ビルダーを含まないことを意味する。このことは、組成物が非常に良好な環境プロファイルを有することが望ましい場合に、特に好ましい。リン酸塩ビルダーとしては、トリポリリン酸ナトリウムが挙げられる。
【0079】
ケイ酸塩
組成物は、所望により組成物の0重量%〜5重量%未満、または〜4重量%,または〜3重量%、または〜2重量%、または〜1重量%のケイ酸塩を含む。組成物は、本質的にケイ酸塩フリーであることが更に好ましい場合がある。本質的にケイ酸塩フリーであるとは、組成物が、意図的に添加されたケイ酸塩を含まないことを意味する。このことは、組成物が非常に良好な分配および溶解特性を有することを確実にするため、および組成物を水に溶解する際に透明な洗浄溶液がもたらされることを確実にするために、特に好ましい。ケイ酸塩としては、非水溶性ケイ酸塩が挙げられる。ケイ酸塩としては、非晶質ケイ酸塩および結晶性層状ケイ酸塩(例えば、SKS−6)が挙げられる。好ましいケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。
【0080】
補助剤成分
組成物は、典型的に補助剤成分を含む。これらの補助剤成分としては、以下が挙げられる:カチオン性洗浄性界面活性剤、双極性イオン洗浄性界面活性剤、両性洗浄性界面活性剤のような洗浄性界面活性剤;好ましいカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ−C6〜18アルキルモノ−ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド、より好ましいのは、モノ−C8〜10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド、モノ−C10〜12アルキルモノ−ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド、およびモノ−C10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライドである;過炭酸塩および/または過ホウ酸塩のような過酸素の供給源、好ましいのは過炭酸ナトリウムであり、過酸素の供給源は、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、またはこれらの混合塩を包含する混合物のようなコーティング成分により、好ましくは少なくとも部分的にコーティングされる、好ましくは完全にコーティングされる;テトラアセチルエチレンジアミンのような漂白活性剤、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩のようなオキシベンゼンスルホン酸塩漂白活性剤、カプロラクタム漂白活性剤、N−ノナノイル−N−メチルアセトアミドのようなイミド漂白活性剤、N,N−フタロイルアミノペルオキシカプロン酸、ノニルアミノペルオキシアジピン酸または過酸化ジベンゾイルのような事前形成過酸;アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ラッカーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、ペクチン酸リア−ゼおよびマンナーゼのような酵素;シリコーン系泡抑制剤のような泡抑制系;光漂白剤;硫酸塩、好ましくは硫酸ナトリウムのような充填剤塩;クレイ、シリコーンおよび/または四級アンモニウム化合物のような布地柔軟化剤;ポリエチレンオキシドのような凝集剤;ポリビニルピロリドン、ポリ4−ビニルピリジンN−オキシドおよび/またはビニルピロリドンとビニルイミダゾールのコポリマーのような移染防止剤;イミダゾールとエピクロロヒドリンを縮合することにより製造される疎水変性セルロースおよびオリゴマーのような布地完全性構成成分(fabric integrity components);アルコキシ化ポリアミンおよびエトキシ化エチレンイミンポリマーのような汚れ分散剤および抗汚れ再付着助剤;ポリエステルのような抗再付着構成成分;香料;スルファミン酸またはその塩;クエン酸またはその塩;橙色染料、青色染料、緑色染料、紫色染料、桃色染料、またはこれらの混合物のような染料;炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムのような炭酸塩;マレイン酸とアクリル酸のコポリマーのようなカルボン酸ポリマー。
【0081】
好ましくは、組成物は、1重量%未満の塩素漂白剤および1重量%未満の臭素漂白剤を含む。好ましくは、組成物は、本質的に臭素漂白剤および塩素漂白剤フリーである。典型的に、「本質的にフリーである」とは、「意図的に添加されたものを含まない」ことを意味する。
【実施例】
【0082】
以下の固体洗濯洗剤組成物は、本発明に従う:
【表1】

*成分は、遷移金属イオン系漂白触媒、漂白促進成分、高エトキシ化非イオン性界面活性剤、ポリアミドアミン、四級ニトリル漂白促進成分、硬度耐性界面活性剤、バーク石、グルカナーゼ、リパーゼ、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、蛍光漂白剤、および非イオン性洗浄性界面活性剤から成る群から選択される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子形態の固体洗濯洗剤組成物であって、
(a)アニオン性洗浄界面活性剤、
(b)カルシウム増大技術、
(c)前記組成物の0重量%〜5重量%未満のゼオライトビルダー、
(d)前記組成物の0重量%〜5重量%未満のリン酸塩ビルダー、および
(e)所望により前記組成物の0重量%〜5重量%未満のケイ酸塩
を含む、固体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記組成物が漂白促進成分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が遷移金属イオン系漂白触媒を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が高エトキシ化非イオン性界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物がポリアミドアミンを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が四級ニトリル漂白促進成分を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が硬度耐性界面活性剤系を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物がバーク石を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物がグルカナーゼを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物がリパーゼを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物がポリビニルピロリドンを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物がカルボキシメチルセルロースを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が蛍光漂白剤を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が硫酸マグネシウムを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が泡立ち系を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が非イオン性洗浄界面活性剤を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記非イオン性洗浄性界面活性剤が固体形態である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記非イオン性洗浄性界面活性剤が炭酸エステル塩である、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記非イオン性洗浄性界面活性剤がアルキルポリグルコシドである、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物がシリカおよび所望によりヒドロトロープを含み、かつ前記非イオン性洗浄性界面活性剤がシリカと所望によりヒドロトロープとの共粒子の形態である、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
請求項16に記載の組成物を調整するための方法であって、
前記非イオン性洗浄性界面活性剤が超加熱スチームスプレー乾燥プロセスに付される、方法。
【請求項22】
請求項16に記載の組成物を調製するための方法であって、
(i)アニオン性洗浄界面活性剤を含む水性混合物を調製する工程、
(ii)非イオン性洗浄性界面活性剤を前記水性混合物に接触させる工程、および
(iii)工程(ii)から得られた前記混合物を乾燥工程に付す工程
を含み、
前記工程(iii)が前記工程(ii)終了から300秒以内に開始される、方法。
【請求項23】
前記工程(iii)がスプレー乾燥工程である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項16に記載の組成物を調整するための方法であって、
(i)アニオン性洗浄界面活性剤を超加熱スチームスプレー乾燥工程に付す工程、および
(ii)非イオン性界面活性剤を工程(i)で形成された生成物に接触させる工程、
を含む、方法。

【公表番号】特表2009−504871(P2009−504871A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526604(P2008−526604)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052856
【国際公開番号】WO2007/020609
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】