説明

アミノアルコール誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途

本発明は、β−アドレナリン受容体に対して強力な刺激作用と高い選択性を有する、一般式(I):


[式中、RおよびRは水素または低級アルキルであり、R、R、RおよびRは水素、ハロゲン、低級アルキルまたは低級アルコキシであり、RおよびRは水素、ハロゲン、低級アルキル、ハロ低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、水酸基、低級アシル、カルボキシ等であり、Rは−C(O)−R10、−A−C(O)−R10、−O−A−C(O)−R10またはテトラゾール−5−イル基である]で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、β−アドレナリン受容体刺激作用を有する新規なアミノアルコール誘導体、それを含有する医薬組成物およびそれらの用途に関する。
【背景技術】
交感神経のβ−アドレナリン受容体には、β、βおよびβとして分類される3種類のサブタイプが存在し、それらは特定の生体内組織に分布し、それぞれが特有の機能を有することが知られている。
β−アドレナリン受容体は、主に心臓に存在し、当該受容体を介する刺激は心拍数の増加、心収縮力の増強を引き起こす。β−アドレナリン受容体は、主に血管、気管支および子宮の平滑筋に存在し、当該受容体を介する刺激は、それぞれ血管および気管支の拡張、ならびに子宮収縮の抑制をもたらす。これまでに多くのβ−アドレナリン受容体刺激薬およびβ−アドレナリン受容体刺激薬が開発されており、強心剤、気管支拡張剤および切迫流・早産防止剤として医療に供されている。
一方、β−アドレナリン受容体は、脂肪細胞、脳、胆嚢、前立腺、膀胱、腸管などに存在することが知られており(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4参照)、当該受容体を介する刺激により、脂肪の分解作用、熱産生の促進作用、血糖降下作用;抗高脂血症作用(トリグリセライド低下作用、コレステロール低下作用、HDL−コレステロール上昇作用など);抗うつ作用;膀胱の弛緩作用;腸管運動の抑制などが引き起こされることが報告されている(例えば、非特許文献2、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7参照)。従って、β−アドレナリン受容体作動薬は、肥満症、糖尿病、高脂血症、うつ病、胆道運動亢進に由来する疾患、排尿障害、または消化管機能亢進に由来する疾患などの治療または予防剤として有用であると考えられている。
現在、抗肥満・糖尿病薬を中心に、β−アドレナリン受容体作動薬の研究開発が盛んに行われているが、それらの多くは、心拍数の増加、筋肉振戦、低カリウム血症などのβ受容体および/またはβ受容体の刺激に由来する作用を有しており、副作用の点で問題があった。また、最近、β受容体には種差が存在することが確認され、従来、ラットなどのげっ歯類においてβ受容体刺激作用が確認された化合物であっても、ヒトにおいては弱い刺激作用しか認められないことが報告されている(例えば、非特許文献8参照)。このような観点から、ヒトβ−アドレナリン受容体に対して強力な刺激作用を有し、β受容体およびβ受容体の刺激に由来する副作用の少ない新規なβ−アドレナリン受容体作動薬の開発が望まれている。
Donaldson K.H.らは、下記一般式:

[式中、Rは、必要に応じて、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C−6アルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、−NRおよび−NHSO(Rは水素またはC1−4アルキルである)からなる群から選択される1個以上の置換基で置換されてもよいフェニル基を表し;Rは水素またはC1−6アルキルを表し;Rはシアノ、テトラゾール−5−イルまたは−CO(Rは水素またはC1−6アルキルである)を表し;RおよびRは、独立して水素、C1−6アルキル、−COH、−CO1−6アルキル、シアノ、テトラゾール−5−イル、ハロゲン、トリフルオロメチルまたはC1−6アルコキシを表す]で表される化合物が開示されているが(例えば、特許文献1参照)、β−アドレナリン受容体に対する刺激作用、選択性ともに十分ではない。
【非特許文献】1.Berkowitz DE.ら,「Eur.J.Pharmacol.」,1995年,289巻,p.223−228
2.Howe R.,「Drugs of the Future」,1993年,18巻,6号,p.529−549
3.Ponti FD.ら,「Pharmacology」,1995年,51巻,p.288−297
4.Rodriguez M.ら,「Brain Res.Mol.Brain Res.」,1995年,29巻,2号,p.369−375
5.Simiand J.ら,「Eur.J.Pharm.」,1992年,219巻,p.193−201
6.Igawa Y.ら,「日本泌尿器科学会雑誌」,1997年,88巻,2号,p.183
7.Igawa Y.ら,「Neurourol.Urodyn.」,1997年,16巻,5号,p.363−365
8.Furutani Y.,「内分泌・糖尿病科」,2001年,12巻,4号,p.416−422
【特許文献】1.国際公開第99/65877号パンフレット
【発明の開示】
本発明者らは、ヒトβ−アドレナリン受容体に対して強力な刺激作用を示し、好ましくはβ−および/またはβ−アドレナリン受容体刺激作用の軽減された、新規な化合物について鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)で表されるアミノアルコール誘導体が、驚くべきことにβ−および/またはβ−アドレナリン受容体に比べて強力なヒトβ−アドレナリン受容体刺激作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式(I):

[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または低級アルキル基であり;
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、低級アルコキシ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、環状アミノ基、ジ(低級アルキル)アミノ低級アルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ヘテロアリール基、シアノ基、水酸基、低級アシル基、低級アルキルスルファニル基、低級アルキルスルホニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基またはアラルキルオキシカルボニル基を表すか、あるいはRおよびRが隣接する場合、それらが結合して−O−(CH−O−、−O−(CH−または−(CH−を形成し、
ここで、mは、1〜3の整数を表し、
nは、2〜4の整数を表し、
pは、3〜5の整数を表し;
は、−C(O)−R10、−A−C(O)−R10、−O−A−C(O)−R10またはテトラゾール−5−イル基であり、
ここで、R10は、水酸基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、または−NR1112を表し、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基または低級アルコキシカルボニル低級アルキル基を表すか、あるいはR11およびR12が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し、
は、低級アルキレン基または低級アルケニレン基であり、
は、低級アルキレン基である]
で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩に関する。
また別の局面において、本発明は、前記一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する肥満症、糖尿病、高脂血症、うつ病、排尿障害、胆石および胆道運動亢進に由来する疾患、または消化管機能亢進に由来する疾患の治療または予防剤に関する。
さらに別の局面において、本発明は、前記一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩と、β−アドレナリン受容体作動薬以外の抗肥満薬、抗糖尿病剤、抗高脂血症用剤および排尿障害治療薬から選択される少なくとも1種とを組み合わせてなる医薬に関する。
さらに別の局面において、本発明は、肥満症、糖尿病、高脂血症、うつ病、排尿障害、胆石および胆道運動亢進に由来する疾患、または消化管機能亢進に由来する疾患の治療または予防剤を製造するための前記一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用に関する。
さらに別の局面において、本発明は、肥満症、糖尿病、高脂血症、うつ病、排尿障害、胆石および胆道運動亢進に由来する疾患、または消化管機能亢進に由来する疾患の治療または予防方法に関し、該方法は、前記一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与する工程を包含する。
本発明において、下記の用語は、特に断らない限り、以下の意味を有する。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、好適には、フッ素原子または塩素原子である。
「低級アルキル基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などが挙げられる。R、R、R、R、RおよびRにおける低級アルキル基は、好適には炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好適にはメチル基である。R、RおよびRにおける低級アルキル基は、好適には炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好適にはメチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基である。
「ハロ低級アルキル基」とは、1〜3個の同種または異種のハロゲン原子で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、トリフルオロメチル基、2−クロロエチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基などが挙げられ、好適にはトリフルオロメチル基である。
「ヒドロキシ低級アルキル基」とは、水酸基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基などが挙げられ、好適にはヒドロキシメチル基である。
「シクロアルキル基」とは、炭素数3〜7の飽和環状炭化水素基を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられ、好適にはシクロペンチル基またはシクロヘキシル基である。
「ヘテロシクロアルキル基」とは、環内に酸素原子または硫黄原子を含有する3〜7員の飽和複素環基を意味し、例えば、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基などが挙げられる。
「低級アルコキシ基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。R、R、RおよびRにおける低級アルコキシ基は、好適には炭素数1〜4のアルコキシ基であり、さらに好適にはメトキシ基である。R、RおよびRにおける低級アルコキシ基は、好適には炭素数1〜4のアルコキシ基であり、さらに好適にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基またはイソプロポキシ基である。R10における低級アルコキシ基は、好適には炭素数1〜4のアルコキシ基であり、さらに好適にはエトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基またはブトキシ基である。
「ジ(低級アルキル)アミノ基」とは、低級アルキル基で二置換されたアミノ基を意味し、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などが挙げられる。
「ジ(低級アルキル)アミノ低級アルキル基」とは、ジ(低級アルキル)アミノ基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、ジメチルアミノメチル基などが挙げられる。
「低級アシル基」とは、(低級アルキル)−CO−で表される基を意味し、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、バレリル基、イソバレリル基などが挙げられ、好適にはアセチル基である。
「低級アルキルスルファニル基」とは、(低級アルキル)−S−で表される基を意味し、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、イソプロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ペンチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基などが挙げられ、好適にはメチルスルファニル基またはエチルスルファニル基である。
「低級アルキルスルホニル基」とは、(低級アルキル)−SO−で表される基を意味し、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ペンタンスルホニル基、ヘキサンスルホニル基などが挙げられ、好適にはメタンスルホニル基である。
「低級アルコキシカルボニル基」とは、(低級アルコキシ)−CO−で表される基を意味し、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられ、好適にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、またはブトキシカルボニル基である。
「アリール基」とは、非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基から独立して選択される1〜3個の基で置換される、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基を意味し、例えば、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−カルボキシフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられ、好適にはフェニル基である。
「アリールオキシ基」とは、(アリール)−O−で表される基を意味し、例えば、フェノキシ基、2−フルオロフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、4−フルオロフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、3,5−ジクロロフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−トリフルオロメチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2−ヒドロキシフェノキシ基、4−カルボキシフェノキシ基、4−メトキシカルボニルフェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基などが挙げられ、好適にはフェノキシ基、4−フルオロフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基または4−メトキシフェノキシ基である。
「アラルキルオキシ基」とは、アリール基で置換された低級アルコキシ基を意味し、例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、3−フェニルプロピルオキシ基、2−フルオロベンジルオキシ基、3−フルオロベンジルオキシ基、4−フルオロベンジルオキシ基、2−クロロベンジルオキシ基、3,5−ジクロロベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、4−トリフルオロメチルベンジルオキシ基、2−メトキシベンジルオキシ基、2−ヒドロキシベンジルオキシ基、4−カルボキシベンジルオキシ基、4−メトキシカルボニルベンジルオキシ基などが挙げられ、好適にはベンジルオキシ基である。
「アラルキルオキシカルボニル基」とは、(アラルキルオキシ)−CO−で表される基を意味し、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、3−フェニルプロピルオキシカルボニル基などが挙げられ、好適にはベンジルオキシカルボニル基である。
「ヘテロアリール基」とは、1〜5個の炭素原子、ならびに窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5または6員の芳香族複素環基を意味し、但し、これらの環は、隣接する酸素原子および/または硫黄原子を含まない。ヘテロアリール基の具体例として、例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基などが挙げられる。これらの芳香族複素環基の全ての位置異性体が考えられる(例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基など)。またこれらの芳香族複素環は、必要に応じてハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基、カルボキシ基および低級アルコキシカルボニル基からなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換することができる。好ましいヘテロアリール基は、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基またはピリミジル基である。
「カルボキシ低級アルキル基」とは、カルボキシ基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、1−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基などが挙げられ、好適にはカルボキシメチル基である。
「低級アルコキシカルボニル低級アルキル基」とは、低級アルコキシカルボニル基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、2−(エトキシカルボニル)エチル基、1−(エトキシカルボニル)エチル基、3−(エトキシカルボニル)プロピル基、4−(エトキシカルボニル)ブチル基などが挙げられ、好適にはメトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、またはブトキシカルボニルメチル基である。
「環状アミンまたは環状アミノ基」とは、環内に酸素原子を含んでもよい5〜7員の飽和環状アミノ基を意味し、例えば、ピロリジル基、ピペリジル基、モルホリニル基などが挙げられる。
「低級アルキレン基」とは、直鎖または分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素鎖を意味し、例えば、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CHCH(CH)−、−C(CH−、−CH(CHCH)−、−CHCHCHCH−などの基が挙げられ、好適には−CH−である。
「低級アルケニレン基」とは、少なくとも1個の二重結合を有する直鎖または分岐鎖状の炭素数2〜4の2価の不飽和炭化水素鎖を意味し、例えば、−CH=CH−、−C(CH)=CH−、−CH=CHCH−、−CHCH=CH−などの基が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物においてビフェニル結合とは、R、R、RまたはRが結合するフェニル環と、R、RまたはRが結合するフェニル環との間の結合を表す。
本発明の一般式(I)で表される化合物において1つまたはそれ以上の不斉炭素原子が存在する場合、本発明は各々の不斉炭素原子がR配置の化合物、S配置の化合物、およびそれらの任意の組み合せの化合物のいずれも包含する。またそれらのラセミ化合物、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物が本発明の範囲に含まれる。また本発明の一般式(I)で表される化合物において1つまたはそれ以上の幾何学異性が存在する場合、本発明はそのcis異性体、trans異性体、それらの混合物のいずれも包含する。さらに本発明の一般式(I)で表される化合物には、水和物やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
本発明の一般式(I)で表される化合物は、塩の形態で存在することができる。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸との付加塩、ギ酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の有機酸との付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の無機塩基との塩、トリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、リジン、エチレンジアミン等の有機塩基との塩を挙げることができる。
本発明において「プロドラッグ」とは、生体内において一般式(I)で表される化合物に変換される化合物を意味し、このようなプロドラッグはまた本発明の範囲内である。プロドラッグの様々な形態が当該分野において周知である。
例えば、本発明の一般式(I)で表される化合物がカルボキシ基を有する場合、プロドラッグとして、当該カルボキシ基の水素原子と、以下のような基:低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基など);低級アシルオキシメチル基(例えば、ピバロイルオキシメチル基など);1−(低級アシルオキシ)エチル基(例えば、1−(ピバロイルオキシ)エチル基など);低級アルコキシカルボニルオキシメチル基(例えば、tert−ブトキシカルボニルオキシメチル基など);1−(低級アルコキシカルボニルオキシ)エチル基(例えば、1−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル基など);または3−フタリジル基との置換により形成されるエステルが挙げられる。
また本発明の一般式(I)で表される化合物が水酸基を有する場合、プロドラッグとして、当該水酸基の水素原子と、以下のような基:低級アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基など);低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基など);スクシノイル基;低級アシルオキシメチル基(例えば、ピバロイルオキシメチル基など);1−(低級アシルオキシ)エチル基(例えば、1−(ピバロイルオキシ)エチル基など);または低級アルコキシカルボニルオキシメチル基(例えば、tert−ブトキシカルボニルオキシメチル基など)との置換により形成される化合物が挙げられる。
また本発明の一般式(I)で表される化合物が、−NHまたは−NHのようなアミノ基を有する場合、プロドラッグとして、当該アミノ基の水素原子と、以下のような基:低級アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基など);または低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基など)との置換により形成される化合物が挙げられる。
これらのプロドラッグ化合物は、自体公知の方法、例えば、T.W.GreenおよびP.G.H.Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版、およびそこに記載された参考文献に従って、一般式(I)で表される化合物から製造することができる。
上記一般式(I)で表される化合物において、
およびRは、それぞれ独立して、好ましくは水素原子またはC1−4低級アルキル基であり、さらに好ましくは水素原子であり;
一つの局面では、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、好ましくは水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基であり、さらに好ましくは水素原子または低級アルキル基であり、但し、R、R、RおよびRの少なくとも一つはハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、
別の局面では、R、R、RおよびRは、水素原子であり;
およびRは、それぞれ独立して、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、低級アルキルスルファニル基、水酸基または低級アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基または低級アシル基であり;
は、好ましくは−C(O)−R10または−OCHC(O)−R10であり;
ここで、R10は、好ましくは水酸基または低級アルコキシ基である。
本発明の好ましい実施態様は、一般式(II):

で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩である;
ここで、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、低級アルキルスルファニル基、水酸基、または低級アシル基であり;
は、−C(O)−R10または−OCHC(O)−R10であり、
10は、水酸基、低級アルコキシ基またはアラルキルオキシ基であり;
但し、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つは、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基である。
上記一般式(II)で表される化合物において、
は、好ましくは水素原子であり;
は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基または低級アシル基であり、さらに好ましくは、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基または低級アシル基であり、なおさらに好ましくは低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基または低級アシル基であり;
一つの局面において、RおよびRが水素原子である場合、Rは、好ましくは水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基であり、Rは、好ましくはハロゲン原子または低級アルキル基であり、さらに好ましくはRおよびRは、それぞれ独立して低級アルキル基であり、
また別の局面において、RおよびRが水素原子である場合、Rは、好ましくはハロゲン原子または低級アルキル基であり、Rは、好ましくは水素原子、ハロゲン原子または低級アルキルである。
本発明の別の好ましい実施態様は、一般式(III):

で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩である;
ここで、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、低級アルキルスルファニル基、水酸基、または低級アシル基であり;
は、−C(O)−R10または−OCHC(O)−R10であり、
10は、水酸基、低級アルコキシ基またはアラルキルオキシ基であり;
但し、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つは、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基である。
上記一般式(III)で表される化合物において、
およびRは、好ましくは水素原子であり;
は、好ましくは水素原子または低級アルキル基であり;
は、好ましくは低級アルキル基であり;
は、好ましくは水素原子であり;
は、好ましくはハロゲン原子または低級アルキル基である。
本発明のさらに別の好ましい実施態様は、一般式(IV):

で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩である;
ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基またはアリールオキシ基であり;
は、−C(O)−R10または−OCHC(O)−R10であり、
10は、水酸基、低級アルコキシ基またはアラルキルオキシ基である。
上記一般式(IV)で表される化合物において、
は、好ましくは水素原子であり;
は、好ましくはハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、さらに好ましくは低級アルキル基、ハロ低級アルキル基またはアリールオキシ基である。
本発明の好ましい実施態様の具体例は、以下からなる群から選択される化合物またはその低級アルキルエステル、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩である:
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2,3’,5’−トリメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−イソプロピル−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
(3−アセチル−4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−イルオキシ)酢酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2,2’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
2−エチル−4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−イソプロピル−2’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2’−メチル−2−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−メトキシ−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチル−2−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
2−エチル−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’−メチル−2−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
3−シクロペンチル−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
2−エチル−3’−フルオロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
3’−フルオロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−イソプロピルビフェニル−4−カルボン酸;
3’−フルオロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
(4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ]−2,3’,5’−トリメチルビフェニル−4−イルオキシ)酢酸;
3−ヒドロキシ−4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチル−3−(p−トリルオキシ)ビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−クロロフェノキシ)−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−フルオロフェノキシ)−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−(4−メトキシフェノキシ)−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’−メチル−3−フェノキシビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−(4−メトキシフェノキシ)−3’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
3’−フルオロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−(4−メトキシフェノキシ)ビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−クロロフェノキシ)−3’−フルオロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2’−メチル−3−フェノキシビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−フルオロフェノキシ)−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ]−2’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−6−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−6−メトキシ−3’,5’−ジメチルビフェニル−3−カルボン酸;
6−クロロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−3−カルボン酸;
6−クロロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’−メチルビフェニル−3−カルボン酸;
2−エチル−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−イソプロピルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−トリフルオロメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
3−sec−ブチル−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
3−シクロペンチル−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−フェノキシビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−(4−メトキシフェノキシ)ビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−クロロフェノキシ)−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−フルオロフェノキシ)−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;および
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−(p−トリルオキシ)ビフェニル−4−カルボン酸。
本発明の一般式(I)で表される化合物は、スキーム1〜5に示す方法により製造することができる。

(式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは前記と同義であり、Yは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基またはp−トルエンスルホニルオキシ基などの脱離基を表す)
工程1−1
アミノアルコール誘導体(X)とアルキル化剤(XI)とを、不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなど)中、塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなど)の存在下または非存在下に反応させることにより、一般式(I)で表される化合物が得られる。
、R、R中にカルボン酸エステル基を有する化合物(I)は、必要に応じて、適切な溶媒(例えば、エタノールなど)中、アルカリ水溶液を用いて加水分解することにより対応するカルボン酸へ変換することができる。またR中にカルボキシル基を有する化合物(I)は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、縮合剤(例えば、ジフェニルホスホリルアジド、シアノリン酸ジエチル、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩など)の存在下にNHR12で表されるアミンと反応させることにより対応するカルボン酸アミドへ変換することができる。

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびYは前記と同義であり、R30は水素原子または低級アルキル基を表すか、あるいは2つのRが−C(CHC(CH−で表される基を形成し、Yは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す)
工程2−1および2−2
アミノアルコール誘導体(X)とアルキル化剤(XII)とを、工程1−1と同様にして反応させることにより、一般式(XIII)で表される化合物が得られる。
この化合物(XIII)とボロン酸誘導体(XIV)とを、不活性溶媒中、パラジウム触媒および塩基の存在下に反応させると化合物(I)が得られる。当該反応に使用できる不活性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、トルエンなどが挙げられる。パラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)などが挙げられる。塩基としては、例えば、ふっ化セシウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。また本反応は、必要に応じてビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどの配位子を添加して行うことができる。
工程2−3および2−4
また化合物(I)は、以下のような反応によっても得ることができる。すなわち、アミノアルコール誘導体(X)とアルキル化剤(XV)とを、工程1−1と同様にして反応させることにより、一般式(XVI)で表される化合物が得られる。この化合物(XVI)と化合物(XVII)とを、工程2−2と同様にして反応させることにより化合物(I)が得られる。
工程2−5
化合物(XVI)は、化合物(XIII)とビス(ピナコラート)ジボロンとを、不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサンなど)中、パラジウム触媒および塩基の存在下に反応させることによっても得ることができる。このようなパラジウム触媒としては、例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)などが挙げられる。塩基としては、例えば、酢酸カリウムなどが挙げられる。また本反応は、必要に応じてビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどの配位子を添加して行うことができる。

(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは前記と同義である)
工程3−1
アミノアルコール誘導体(X)とアルデヒド誘導体(XVIII)とを、適切な溶媒中、還元剤の存在下に反応させることにより、一般式(Ia)で表される化合物が得られる。この還元アミノ化反応に使用できる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、塩化メチレンなどのハロゲン化炭素類、酢酸などの有機カルボン酸類、トルエンなどの炭化水素類、メタノール、エタノール類などのアルコール類、アセトニトリルなどが挙げられ、必要に応じて、これらの溶媒を2種以上組み合わせて使用することができる。還元剤としては、例えば、NaBH、NaBHCN、NaBH(OAc)などの水素化ホウ素アルカリ金属類、BH・ピリジン、BH・N,N−ジエチルアニリンなどのボラン類などが挙げられる。また本反応は、必要に応じて酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、塩酸などの酸を添加して行うことができる。
また本反応は、上記還元剤を使用する代わりに、触媒量の金属触媒(例えば、5〜10%パラジウム炭素、ラネーニッケル、酸化白金、パラジウムブラック、10%白金カーボン(硫黄被毒)など)の存在下に水素雰囲気下で反応を行うことができる。
本還元アミノ化反応は、化合物(XVIII)中の置換基の種類に応じて適切な還元条件を選択して行われる。

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R30およびYは前記と同義である)
工程4−1および4−2
アミノアルコール誘導体(X)とアルデヒド(XIX)とを、工程3−1と同様にして反応させることにより、一般式(XX)で表される化合物が得られる。この化合物(XX)とボロン酸誘導体(XIV)とを、工程2−2と同様にして反応させることにより、一般式(Ia)で表される化合物が得られる。
工程4−3〜4−5
また化合物(Ia)は、以下のような反応によっても得ることができる。
すなわち、アミノアルコール誘導体(X)とアルデヒド(XXI)とを、工程3−1と同様にして反応させることにより、一般式(XXII)で表される化合物が得られる。またこの化合物(XXII)は、化合物(XX)とビス(ピナコラート)ジボロンとを工程2−5と同様に反応させることによっても得ることができる。この化合物(XXII)と化合物(XVII)とを、工程2−2と同様にして反応させることにより、化合物(Ia)が得られる。

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R30およびYは前記と同義である)
工程5−1
アミノアルコール誘導体(X)とカルボン酸誘導体(XXIII)とを、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、縮合剤の存在下に反応させることにより一般式(XXIV)で表されるアミド誘導体が得られる。このアミド化反応に使用できる縮合剤としては、例えば、ジフェニルホスホリルアジド、シアノリン酸ジエチル、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。また本反応は、必要に応じて、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの活性化剤を添加して行うことができる。
またこのアミド誘導体(XXIV)は、カルボン酸誘導体(XXIII)を常法に基づき活性エステル(例えば、4−ニトロフェニルエステル、2,5−ジオキサピロリジンエステルなど)に変換した後、アミノアルコール誘導体(X)と反応させることによっても得ることができる。
工程5−2および5−3
この化合物(XXIV)を、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフランなど)中、ジボラン、ボラン・テトラヒドロフラン錯体、ボラン・ジメチルスルフィド錯体、ボラン・ピリジン錯体、水素化ホウ素ナトリウム/酢酸などの還元剤と反応させることにより、一般式(XX)で表される化合物が得られる。
この化合物(XX)とボロン誘導体(XIV)とを、工程2−2と同様にして反応させることにより、一般式(Ia)で表される化合物が得られる。
工程5−4〜5−7
また化合物(Ia)は、以下のような反応によっても得ることができる。すなわち、アミノアルコール誘導体(X)とカルボン酸(XXV)とを、工程5−1と同様にして反応させることにより、一般式(XXVI)で表される化合物が得られる。この化合物(XXVI)を工程5−2と同様にして還元することにより一般式(XXII)で表される化合物が得られる。またこの化合物(XXII)は、化合物(XX)を用いて工程2−5と同様に反応させることによっても得ることができる。この化合物(XXII)と化合物(XVII)とを工程2−2と同様にして反応させることにより、化合物(Ia)が得られる。
スキーム1または2において用いられる出発物質のうち、アルキル化剤(XI)、(XII)および(XV)は、スキーム6または7に示す方法により製造することができる。

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R30、YおよびYは前記と同義であり、PhPはトリフェニルホスフィンを表し、DEADはアゾジカルボン酸ジアルキルエステルを表す)
工程6−1
一般式(XXVII)で表されるフェノール誘導体とアルコール誘導体(XXX)とを、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジアルキルエステルの存在下に光延反応として当業者に周知の反応に付すことにより、一般式(XII)で表される化合物が得られる。本反応に用いられるアゾジカルボン酸ジアルキルエステルとしては、例えば、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルなどが挙げられる。
工程6−2〜6−4
フェノール誘導体(XXVII)とボロン酸誘導体(XIV)とを工程2−2と同様にして反応させることにより、一般式(XXVIII)で表される化合物が得られる。またこの化合物(XXVIII)は、フェノール誘導体(XXIX)と化合物(XVII)とを工程2−2と同様にして反応させることによっても得ることができる。この化合物(XXVIII)とアルコール誘導体(XXX)とを、工程6−1と同様にして反応させることにより一般式(XI)で表される化合物が得られる。
工程6−5
フェノール誘導体(XXIX)とアルコール誘導体(XXX)とを工程6−1と同様にして反応させることにより、一般式(XV)で表される化合物が得られる。

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R30、YおよびYは前記と同義であり、R20は低級アルキル基を表し、Xは塩素原子または臭素原子を表す)
工程7−1
フェノール誘導体(XXVII)とエチレンオキシドとを、不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなど)中、塩基(炭酸カリウム、水素化ナトリウムなど)の存在下に反応させることにより、一般式(XXXII)で表される化合物が得られる。
またこの化合物(XXXII)は、以下のような反応によっても得ることができる。すなわち、フェノール誘導体(XXVII)と化合物(XXXI)とを、不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなど)中、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウムなど)の存在下に反応させることによりフェノキシ酢酸エステルが得られる。このフェノキシ酢酸エステルを、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフランなど)中、適切な還元剤(ボラン・テトラヒドロフラン錯体、ボラン・ジメチルスルフィド錯体、ボラン・ピリジン錯体、水素化ホウ素ナトリウムなど)を用いて還元することにより、化合物(XXXII)が得られる。
工程7−2
この化合物(XXXII)を、不活性溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルムなど)中、ハロゲン化試薬、または塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下にスルホニルハライドと反応させることにより、一般式(XIIa)で表される化合物が得られる。このようなハロゲン化試薬としては、例えば、塩化チオニル、三臭化リン、トリフェニルホスフィン/四臭化炭素などが挙げられる。スルホニルクロリドとしては、例えば、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドなどが挙げられる。
工程7−3および7−4
化合物(XXVIII)を、工程7−1と同様にして反応させることにより一般式(XXXIII)で表される化合物が得られる。この化合物(XXXIII)を、工程7−2と同様にして反応させることにより一般式(XIa)で表される化合物が得られる。
工程7−5および7−6
化合物(XXIX)を、工程7−1と同様にして反応させることにより一般式(XXXIV)で表される化合物が得られる。この化合物(XXXIV)を、工程7−2と同様にして反応させることにより一般式(XVa)で表される化合物が得られる。
工程7−7および7−8
化合物(XXXIII)は、化合物(XXXII)とボロン酸誘導体(XIV)とを工程2−2と同様に反応させることによっても得ることができる。さらにこの化合物(XXXIII)は、化合物(XXXIV)と化合物(XVII)とを工程2−2と同様に反応させることによっても得ることができる。
スキーム3または4において用いられる出発原料のうち、アルデヒド誘導体(XVIII)、(XIX)および(XXI)はスキーム8または9に示す方法により製造することができる。

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R30およびYは前記と同義である)
工程8−1
アルコール誘導体(XXXII)を、不活性溶媒(例えば、塩化メチレンなど)中、適切な酸化剤を用いて酸化することにより一般式(XIX)で表されるアルデヒド誘導体が得られる。このような酸化剤としては、例えば、オキサリルクロリド/ジメチルスルホキシド、または1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オンなどが挙げられる。
工程8−2および8−3
アルコール誘導体(XXXIII)または(XXXIV)を、工程8−1と同様にして酸化することにより一般式(XVIII)または(XXI)で表されるアルデヒド誘導体が得られる。

(式中、R、R、R、R、R、R、R、R20、R30、XおよびYは前記と同義である)
工程9−1
フェノール誘導体(XXVII)とアルキル化剤(XXXV)とを、不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなど)中、塩基(水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなど)の存在下に反応させることにより、一般式(XXXVI)で表されるアセタール誘導体が得られる。
工程9−2
このアセタール誘導体(XXXVI)を、常法に従って、酸を用いて加水分解することにより一般式(XIX)で表されるアルデヒド誘導体が得られる。
工程9−3および9−4
化合物(XXVIII)とアルキル化剤(XXXV)とを、工程9−1と同様にして反応させることにより一般式(XXXVII)で表される化合物が得られる。この化合物(XXXVII)を、工程9−2と同様にして加水分解することにより一般式(XVIII)で表されるアルデヒド誘導体が得られる。
工程9−5および9−6
化合物(XXIX)とアルキル化剤(XXXV)とを、工程9−1と同様にして反応させることにより一般式(XXXVIII)で表される化合物が得られる。この化合物(XXXVIII)を、工程9−2と同様にして加水分解することにより一般式(XXI)で表されるアルデヒド誘導体が得られる。
工程9−7および9−8
化合物(XXXVII)は、化合物(XXXVI)とボロン酸誘導体(XIV)とを工程2−2と同様に反応させることによっても得ることができる。さらにこの化合物(XXXVII)は、化合物(XXXVIII)と化合物(XVII)とを工程2−2と同様に反応させることによっても得ることができる。
スキーム5において用いられる出発原料のうち、カルボン酸誘導体(XXIII)および(XXV)は、スキーム10に示す方法により製造することができる。

(式中、R、R、R、R、R20、R30、XおよびYは前記と同義である)
工程10−1
フェノール誘導体(XXVII)と化合物(XXXI)とを、不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなど)中、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウムなど)の存在下に反応させることによりフェノキシ酢酸エステルが得られる。このフェノキシ酢酸エステルを、常法に従って加水分解することにより一般式(XXIII)で表される化合物が得られる。
工程10−2
フェノール誘導体(XXIX)を、工程10−1と同様にして反応させることにより一般式(XXV)で表される化合物が得られる。
スキーム2、4および5において用いられるボロン酸誘導体(XIV)は、市販の試薬を使用するか、または常法に従って合成することができる。例えば、Rが低級アルコキシカルボニル基およびカルボキシ基である化合物(XIVa)および(XIVb)は、スキーム11に示す方法により製造することができる。

(式中、R、RおよびR20は前記と同義であり、Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Bnはベンジル基を表す)
工程11−1〜11−3
アリールハライド誘導体(XXXIX)を、常法に基づきリチオ化し、二酸化炭素と反応させることにより一般式(LX)で表される安息香酸誘導体が得られる。
この化合物(LX)は、以下のような反応によっても得ることができる。すなわち、アリール誘導体(LXI)を、Vilsmeier反応などによりホルミル基を導入した後、適切な溶媒(例えば、tert−ブチルアルコール、2−メチル−2−ブテンなど)中、適切な酸化剤(例えば、亜塩素酸ナトリウムなど)を用いて酸化することにより、安息香酸誘導体(LX)が得られる。
次にこの化合物(LX)を、常法に従ってエステル化および脱ベンジル化を行うことにより一般式(LXII)で表される安息香酸エステル誘導体が得られる。
工程11−4および11−5
この化合物(LXII)のフェノール性水酸基を、不活性溶媒(例えば、塩化メチレンなど)中、塩基(例えば、ピリジンなど)の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させるとO−トリフルオロメタンスルホニル化合物が得られる。
このO−トリフルオロメタンスルホニル化合物とビス(ピナコラート)ジボロンとを、工程2−5と同様に反応させることにより一般式(XIVa)で表される化合物が得られる。またこのボロン酸エステル誘導体(XIVa)は、ハロゲン化安息香酸誘導体(XVIIa)とビス(ピナコラート)ジボロンとを同様に反応させることによっても得ることができる。
工程11−6
この化合物(XIVa)は、常法に従ってアルカリ水溶液を用いて加水分解することにより、一般式(XIVb)で表されるボロン酸誘導体が得られる。
スキーム7および8において用いられるアリールボロン酸エステル誘導体(XXXIV)は、スキーム12に示す方法によっても製造することができる。

(式中、R、R、R、R、R20、R30およびYは前記と同義である)
工程12−1および12−2
化合物(XXXII)を、塩基(例えば、水素化ナトリウムなど)の存在下にベンジルハライド(例えば、ベンジルブロミドなど)と反応させるとO−ベンジル化合物が得られる。このO−ベンジル化合物を、常法に従って、Grignard試薬またはリチウム化合物に変換後、ホウ酸エステル(LXIV)と反応させることにより一般式(LXV)で表される化合物が得られる。この化合物(LXV)を、常法に従って脱ベンジル化し、必要に応じて加水分解することにより一般式(XXXIV)で表される化合物が得られる。
工程12−3および12−4
また化合物(XXXIV)は、以下のような反応によっても得ることができる。すなわち、化合物(XXXII)とビス(ピナコラート)ジボロンとを、工程2−5と同様にして反応させることにより一般式(LXVI)で表される化合物が得られる。この化合物(LXVI)を、必要に応じて加水分解することにより化合物(XXXIV)が得られる。
スキーム11において用いられるハロゲン化安息香酸誘導体(XVIIa)のうちYが塩素原子または臭素原子である化合物(XVIIb)は、スキーム13に示す方法により製造することができる。

(式中、R、RおよびR20は、前記と同義であり、Yは塩素原子または臭素原子を表す)
工程13−1
フェノール誘導体(LXVII)を、適切な溶媒中、ハロゲン化剤を用いて反応させることにより、一般式(LXVIII)で表される化合物が得られる。このハロゲン化反応に使用できる溶媒としては、例えば、硫酸などの無機酸、酢酸などの有機カルボン酸類、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。ハロゲン化剤としては、例えば、臭素、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド、臭化水素酸/ジメチルスルホキシドなどが使用される。
工程13−2
この化合物(LXVIII)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物とを反応させるとO−トリフルオロメタンスルホニル化合物が得られる。
このO−トリフルオロメタンスルホニル化合物を、不活性溶媒中、ホスフィン配位子、パラジウム触媒および塩基の存在下に、一酸化炭素およびR20OHと反応させることにより、一般式(XVIIb)で表される化合物が得られる。本反応に使用できる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。ホスフィン配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる。パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウムなどが挙げられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミンなどが挙げられる。
上記スキームにおいて用いられる式(X)で表されるアミノアルコール誘導体は、市販のエナンチオマー混合物を常法に従って光学分割するか、文献記載の方法(例えば、「J.Med.Chem.」1977年,20巻7号,p.978−981)に従って合成することができる。
上記に示したスキームは、本発明の化合物またはその製造中間体を製造するための方法のいくつかの例示であり、当業者には容易に理解され得るようにこれらのスキームの様々な改変が可能である。
本発明の一般式(I)で表される化合物、および当該化合物を製造するために使用される中間体は、必要に応じて、当該分野の当業者には周知の単離・精製手段である溶媒抽出、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー、分取高速液体クロマトグラフィーなどの操作を行うことにより、単離・精製することができる。
このようにして製造される本発明の化合物は、脂肪の分解作用および/または熱産生促進作用を有するので肥満症の治療または予防剤として有用である。
また、本発明の化合物は、必要に応じて、β−アドレナリン受容体作動薬以外の抗肥満薬と組み合わせて使用することができる。このような抗肥満薬としては、例えば、食欲抑制剤が挙げられる。当該食欲抑制剤としては、例えば、モノアミン再取り込み阻害剤、セロトニン作動薬、ドーパミン作動薬、ニューロペプチドYアンタゴニスト、レプチン、またはCCK−A(コレシストキニン−A)アゴニストが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるモノアミン再取り込み阻害剤としては、例えば、シブトラミン、ミルナシプラン、デュロキセチンおよびベンラファキシンなどが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるセロトニン作動薬としては、例えば、フェンフルラミンおよびデキスフェンフルラミンなどが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるドーパミン作動薬は、例えば、ブロモクリプチンなどである。本発明の化合物と組み合わせて使用されるニューロペプチドYアンタゴニストとしては、例えば、CP−671906−01およびJ−115814などが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるレプチンとしては、例えば、ヒト遺伝子組換え型レプチンなどが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるCCK−Aアゴニストとしては、例えば、GW−7178およびSR−146131などが挙げられる。
また、本発明の化合物は、血糖降下作用を有し、さらにはインスリン抵抗性改善作用を有するので糖尿病、特にII型糖尿病、および糖尿病に起因する疾患の治療または予防剤として有用である。
また、本発明の化合物は、必要に応じて、β−アドレナリン受容体作動薬以外の抗糖尿病薬と組み合わせて使用することができる。このような抗糖尿病薬としては、例えば、α−グリコシダーゼ阻害剤、インスリン感受性増強剤、インスリン製剤、インスリン分泌促進剤、ビグアナイド、グルカゴン様ペプチド−1、DPPIV阻害剤、およびSGLT阻害剤が挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるα−グリコシダーゼ阻害剤の具体例としては、例えば、アカルボース、ミグリトールおよびボグリボースなどが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるインスリン感受性増強剤の具体例としては、例えば、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン、エングリタゾン、ダルグリタゾン、イサグリタゾン、MCC−555、GI−262570、およびJTT−501などが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるインスリン製剤としては、例えば、遺伝子工学的に合成されたヒトインスリン、およびウシ、ブタの膵臓から抽出されたインスリンなどが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるインスリン分泌促進剤の具体例としては、例えば、トルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリベンクラミド、グリピシドおよびグリクラシドなどのスルホニルウレア剤、ならびにミチグリニド(KAD−1229)、ナテグリニド(AY−4166)およびグリメピリド(Hoe490)などが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるビグアナイドの具体例としては、例えば、フェンホルミン、メトホルミンおよびブトホルミンなどが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)としては、例えば、GLP−1(1−36)アミド、GLP−1(7−36)アミドおよびGLP−1(7−37)などが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるDPPIV(dipeptidyl peptidase IV)阻害剤の具体例としては、例えば、P−32/98、およびNVP−DPP−728などが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるSGLT(Na−dependent glucose cotransporter)阻害剤としては、例えば、WO01/16147、WO01/68660、WO01/27128、WO01/74834、WO01/74835、WO02/28872、WO02/44192、WO02/53573、WO02/64606、WO02/68439、WO02/68440、WO02/98893、EP850948、JP12/080041、JP11/21243、JP09/188625に開示されたSGLT阻害剤が挙げられる。
また、本発明の化合物は、血清トリグリセリド低下作用および/またはコレステロール低下作用を有するので高脂血症の治療または予防剤として有用である。
また、本発明の化合物は、必要に応じて、β−アドレナリン受容体作動薬以外の抗高脂血症用剤と組み合わせて使用することができる。このような抗高脂血症用剤としては、例えば、HMG−CoA還元酵素阻害剤、陰イオン交換樹脂、フィブレート剤、MTP阻害剤、CETP阻害剤およびACAT阻害剤が挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるHMG−CoA還元酵素阻害剤の具体例としては、例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトロバスタチン、セリバスタチンおよびニスバスタチンなどが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用される陰イオン交換樹脂の具体例としては、例えば、コレスチラミンおよびコレスチポールなどが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるフィブレート剤の具体例としては、例えば、ベザフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、シンフィブラート、シプロフィブラートおよびクリノフィブラートなどが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるMTP(microsomal triglyceride transfer protein)阻害剤としては、例えば、BMS−201038、BMS−212122、およびR−103757などが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるCETP(cholesteryl ester transfer protein)阻害剤の具体例としては、例えば、CETi−1、JTT−705、およびCP−529414などが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるACAT(acyl−CoA:cholesterol O−acyl transferase)阻害剤の具体例としては、例えば、アバシミベ(CI−1011)、およびエフルシミベ(F−12511)などが挙げられる。
また、本発明の化合物は、脳におけるβ−アドレナリン受容体の刺激により抗うつ作用を示すのでうつ病の治療または予防剤として有用である。
また、本発明の化合物は、膀胱排尿筋を弛緩させ、膀胱用量を増加させる作用を有するので排尿障害(例えば、神経性頻尿症、神経因性膀胱機能障害、夜間頻尿症、不安定膀胱、膀胱痙攣、慢性膀胱炎、慢性前立腺炎、前立腺肥大などにおける頻尿症、尿失禁など)の治療または予防剤として有用である。
また、本発明の化合物は、必要に応じて、β−アドレナリン受容体作動薬以外の排尿障害治療薬と組み合わせて使用することができる。このような排尿障害治療薬としては、例えば、抗コリン剤、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、NKアンタゴニストおよびカリウムチャネルオープナーが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用される抗コリン剤の具体例としては、例えば、オキシブチニン、プロピベリン、トルテリジンなどが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるα−アドレナリン受容体アンタゴニストの具体例としては、例えば、タムスロシン、ウラピジル、ナフトピジルおよびシロドシン(KMD−3213)などが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるNK(Neurokinin 1)アンタゴニストの具体例としては、例えば、TAK−637などが挙げられる。本発明の化合物と組み合わせて使用されるカリウムチャネルオープナーの具体例としては、例えば、KW−7158などが挙げられる。
また、本発明の化合物は、腸管運動の抑制作用を有するので消化管機能亢進に由来する疾患(例えば、食道アカラシア、胃炎、胆嚢炎、膵炎、腹膜炎、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群、大腸憩室炎、単純性下痢など)の治療または予防剤として有用である。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物は、用法に応じ種々の剤型のものが使用される。このような剤型としては例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、液剤、軟膏剤、坐剤、貼付剤などを挙げることができ、経口または非経口的に投与される。
これらの医薬組成物は、その剤型に応じ製剤学的に公知の手法により、適切な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤などの医薬品添加物と適宜混合または希釈・溶解することにより調剤することができる。
一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩の投与量は、患者の年齢、性別、体重、疾患および治療の程度等により適宜決定されるが、経口投与の場合成人1日当たり約0.03mg〜約300mgの範囲で、非経口投与の場合は、成人1日当たり約0.003mg〜約30mgの範囲で、一回または数回に分けて適宜投与することができる。
本発明の一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩と、β−アドレナリン受容体作動薬以外の抗肥満薬、抗糖尿病剤、抗高脂血症用剤および排尿障害治療薬から選択される少なくとも1種とを組み合わせてなる医薬は、これらの有効成分を一緒に含有する製剤、またはこれらの有効成分の各々を別々に製剤化した製剤として投与することができる。別々に製剤化した場合、それらの製剤を別々にまたは同時に投与することができる。また、別々に製剤化した場合、それらの製剤を使用時に希釈剤などを用いて混合し、同時に投与することができる。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩と、β−アドレナリン受容体作動薬以外の抗肥満薬、抗糖尿病剤、抗高脂血症用剤および排尿障害治療薬から選択される少なくとも1種とを組み合わせてなる医薬において、薬剤の投与量は、患者の年齢、性別、および体重、症状、投与時間、剤形、投与方法、薬剤の組み合わせなどにより、適宜選択することができる。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物は、ヒトβ−アドレナリン受容体に対して強力な刺激作用を有する。また本発明の化合物は、優れた経口吸収性を有する。さらに本発明の化合物は、β−アドレナリン受容体刺激作用に比べて軽微なβ−および/またはβ−アドレナリン受容体刺激作用しか示さないので、肥満症、糖尿病、高脂血症、うつ病、排尿障害、胆石および胆道運動亢進に由来する疾患、または消化管機能亢進に由来する疾患の治療または予防剤として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の内容を以下の参考例、実施例および試験例でさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
参考例1
2−ベンジルオキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸ベンジル
4−ベンゾイルオキシ−2−ヒドロキシ安息香酸ベンジル(2.23g)と炭酸セシウム(2.29g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)混合液に、ベンジルブロミド(0.80mL)を室温下に加え、50℃にて3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を中圧液体シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=6/1)にて精製し、4−ベンゾイルオキシ−2−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(2.87g)を得た。
4−ベンゾイルオキシ−2−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(2.80g)のメタノール(10mL)とテトラヒドロフラン(10mL)混合溶液に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(6.39mL)を加え、室温下に5時間撹拌した。反応混合物に2mol/L塩酸(6.39mL)を室温下に加え、減圧下に溶媒を留去後、残留物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。残留物を中圧液体シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、2−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル(0.86g)を得た。
2−ベンジルオキシ−4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル(0.40g)とピリジン(0.11mL)の塩化メチレン(1.5mL)溶液に、氷冷撹拌下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.22mL)を加え、室温下に30分間撹拌した。反応混合物を塩酸−酢酸エチル混合液に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を中圧液体シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=6/1)にて精製し、2−ベンジルオキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸ベンジル(0.56g)を得た。
2−ベンジルオキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸ベンジル(0.56g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.33g)、[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.026g)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.020g)および酢酸カリウム(0.35g)の1,4−ジオキサン(8mL)混合液を100℃にて12時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルパッドで濾過(溶出溶媒:酢酸エチル)し、ろ液を減圧下に濃縮後、残留物を中圧液体シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、表題化合物(0.24g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.35(12H,s),5.19(2H,s),5.33(2H,s),7.28−7.39(8H,m),7.41−7.49(4H,m),7.82(1H,d,J=7.7Hz)
参考例2
2−ヒドロキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸
2−ベンジルオキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸ベンジル(0.24g)のメタノール(6mL)/テトラヒドロフラン(6mL)溶液に、室温アルゴン雰囲気下、10%パラジウム炭素(0.05g)を加え、室温水素雰囲気下に3時間撹拌した。触媒を濾去後、減圧下に溶媒を留去し、表題化合物(0.146g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.37(12H,s),7.33(1H,d,J=7.9Hz),7.45(1H,s),7.91(1H,d,J=7.9Hz),10.40(1H,br)
参考例3
4−ブロモ−2−(N,N−ジメチルアミノ)フェノール
2−アミノ−4−ブロモフェノール(2.27g)と37%ホルムアルデヒド水溶液(9.55mL)のアセトニトリル(60mL)溶液に、氷冷撹拌下、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(15.4g)を加え、室温下に終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水で分配後、水層を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製し、表題化合物(2.24g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.64(6H,s),6.81(1H,d,J=8.5Hz),7.15(1H,dd,J=2.3,8.5Hz),7.24(1H,d,J=2.3Hz)
参考例4
4−ブロモ−2−イソプロピルフェノール
2−イソプロピルフェノール(3.0g)の酢酸(30mL)/ジメチルスルホキシド(15mL)混合液に、48%臭化水素酸(15mL)を室温下に滴下し、30分間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、表題化合物(4.62g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.24(6H,d,J=6.9Hz),3.17(1H,septet,J=6.9Hz),4.83(1H,s),6.62(1H,d,J=8.4Hz),7.15(1H,dd,J=2.5,8.4Hz),7.28(1H,d,J=2.5Hz)
参考例5
対応するフェノールを用い、参考例4と同様にして以下の化合物を得た。
4−ブロモ−2−エチルフェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.22(3H,t,J=7.6Hz),2.60(2H,q,J=7.6Hz),6.64(1H,d,J=8.5Hz),7.17(1H,dd,J=8.5,2.5Hz),7.25(1H,d,J=2.5Hz)
4−ブロモ−2−プロピルフェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.97(3H,t,J=7.3Hz),1.55−1.70(2H,m),2.50−2.60(2H,m),6.64(1H,d,J=8.5Hz),7.16(1H,dd,J=2.5,8.5Hz),7.22(1H,d,J=2.5Hz)
4−ブロモ−2−sec−ブチルフェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.87(3H,t,J=7.3Hz),1.21(3H,d,J=6.9Hz),1.55−1.70(2H,m),2.85−2.90(1H,m),6.63(1H,m),7.15(1H,d,J=8.5Hz),7.15(1H,dd,J=2.5,8.5Hz),7.23(1H,d,J=2.5Hz)
4−ブロモ−2−tert−ブチルフェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.38(9H,s),4.89(1H,br s),6.55(1H,d,J=8.4Hz),7.16(1H,dd,J=8.4,2.4Hz),7.35(1H,d,J=2.4Hz)
4−ブロモ−2−シクロペンチルフェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.50−2.10(8H,m),3.12−3.25(1H,m),4.84(1H,s),6.64(1H,d,J=8.5Hz),7.15(1H,dd,J=2.5,8.5Hz),7.28(1H,d,J=2.5Hz)
4−ブロモ−3−エチルフェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.21(3H,t,J=7.6Hz),2.69(2H,q,J=7.6Hz),4.85(1H,br s),6.55(1H,dd,J=8.6,3.0Hz),6.73(1H,d,J=3.0Hz),7.35(1H,d,J=8.6Hz)
4−ブロモ−3−プロピルフェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.98(3H,t,J=7.4Hz),1.58−1.69(2H,m),2.61−2.66(2H,m),6.55(1H,dd,J=8.6,3.0Hz),6.71(1H,d,J=3.0Hz),7.35(1H,d,J=8.6Hz)
4−ブロモ−3−イソプロピルフェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.21(6H,d,J=6.9Hz),3.30(1H,septet,J=6.9Hz),4.86(1H,br s),6.55(1H,dd,J=8.6,3.0Hz),6.77(1H,d,J=3.0Hz),7.36(1H,d,J=8.6Hz)
参考例6
4−ブロモ−2−イソプロピル安息香酸メチル
4−ブロモ−2−イソプロピルフェノール(0.5g)とピリジン(0.28mL)の塩化メチレン(5mL)混合液に、氷冷撹拌下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.47mL)を加え、10分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと1mol/L塩酸の混液中に注ぎ、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジエチルエーテル/n−ヘキサン=1/10)にて精製し、メタンスルホン酸4−ブロモ−2−イソプロピルフェニル(0.71g)を得た。
このメタンスルホン酸4−ブロモ−2−イソプロピルフェニル(0.71g)、酢酸パラジウム(0.023g)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(0.042g)およびトリエチルアミン(0.63mL)のメタノール(6mL)/ジメチルスルホキシド(9mL)混合物を、55℃一酸化炭素雰囲気下に終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジエチルエーテル/n−ヘキサン=1/10)にて精製し、表題化合物(0.355g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.24(6H,d,J=6.6Hz),3.65−3.80(1H,m),3.88(3H,s),7.35(1H,dd,J=8.2,2.0Hz),7.53(1H,d,J=2.0Hz),7.61(1H,d,J=8.2Hz)
参考例7
4−ブロモ−2−イソプロピル安息香酸
4−ブロモ−2−イソプロピル安息香酸メチル(0.41g)と水酸化リチウム一水和物(0.67g)の水(1mL)/1,4−ジオキサン(3mL)混合液を、室温下に5日間撹拌した。この反応混合物に2mol/L塩酸(10mL)を加え、酢酸エチルで抽出し、減圧下に溶媒を留去後、得られた残留物を再結晶(再結晶溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン)にて精製し、表題化合物(0.276g)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ ppm:1.19(6H,d,J=6.9Hz),3.69(1H,septet,J=6.9Hz),7.47(1H,dd,J=2.1,8.3Hz),7.58−7.61(2H,m),13.10(1H,br s)
参考例8
対応するブロモフェノールを用い、参考例6および7と同様にして以下の化合物を得た。
4−ブロモ−2−エチル安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.26(3H,t,J=7.4Hz),3.03(2H,q,J=7.4Hz),7.42(1H,dd,J=8.6,2.0Hz),7.47(1H,d,J=2.0Hz),7.89(1H,d,J=8.6Hz),11.0(1H,br)
4−ブロモ−2−プロピル安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.99(3H,t,J=7.2Hz),1.60−1.70(2H,m),2.95−3.05(2H,m),7.42(1H,dd,J=8.3,2.0Hz),7.45(1H,d,J=2.0Hz),7.89(1H,d,J=8.3Hz),11.0(1H,br)
4−ブロモ−2−sec−ブチル安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.86(3H,t,J=7.3Hz),1.25(3H,d,J=6.7Hz),1.55−1.70(2H,m),3.65−3.75(1H,m),7.40(1H,dd,J=8.5,1.9Hz),7.52(1H,d,J=1.9Hz),7.80(1H,d,J=8.5Hz),11.5(1H,br)
4−ブロモ−2−tert−ブチル安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.46(9H,s),7.35−7.45(2H,m),7.66(1H,d,J=1.7Hz),10.5(1H,br)
4−ブロモ−2−シクロペンチル安息香酸
H−NMR(DMSO−d)δ ppm:1.45−1.68(4H,m),1.70−1.85(2H,m),1.93−2.05(2H,m),3.62−3.72(1H,m),7.46(1H,dd,J=2.0,8.4Hz),7.55−7.60(2H,m),13.12(1H,br)
4−ブロモ−2−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸
H−NMR(DMSO−d)δ ppm:2.81(6H,s),7.32(1H,dd,J=1.9,8.4Hz),7.62(1H,d,J=1.9Hz),7.70(1H,d,J=8.4Hz),15.55(1H,br)
2−アセチル−4−ブロモ安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.90(3H,s),7.70−7.77(3H,m)
4−ブロモ−3−エチル安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.27(3H,t,J=7.5Hz),2.82(2H,q,J=7.5Hz),7.64(1H,d,J=8.2Hz),7.77(1H,dd,J=8.2,2.3Hz),7.97(1H,d,J=2.3Hz),11.5(1H,br)
4−ブロモ−3−プロピル安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.00(3H,t,J=7.4Hz),1.65−1.75(2H,m),2.75−2.80(2H,m),7.64(1H,d,J=8.4Hz),7.76(1H,dd,J=8.4,2.1Hz),7.94(1H,d,J=2.1Hz),11.0(1H,br)
4−ブロモ−3−イソプロピル安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.29(6H,d,J=6.8Hz),3.35−3.45(1H,m),7.65(1H,d,J=8.3Hz),7.76(1H,dd,J=8.3,2.3Hz),8.01(1H,d,J=2.3Hz),11.0(1H,br)
4−ブロモ−2−メチルスルファニル安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.47(3H,s),7.32(1H,dd,J=8.4,1.8Hz),7.39(1H,d,J=1.8Hz),7.98(1H,d,J=8.4Hz)
参考例9
4−ベンジルオキシ−2−エトキシ安息香酸メチル
4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.30g)と炭酸カリウム(0.32g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.9mL)混合液に、室温撹拌下、ヨウ化エチル(0.14mL)を加え、同温にて1.6時間、50℃にて1.4時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、表題化合物(0.29g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.45(3H,t,J=6.9Hz),3.85(3H,s),4.07(2H,q,J=6.9Hz),5.09(2H,s),6.50−6.60(2H,m),7.30−7.50(5H,m),7.83(1H,dd,J=0.9,7.9Hz)
参考例10
対応するアルキルハライドを用い、参考例9と同様にして以下の化合物を得た。
4−ベンジルオキシ−2−メトキシ安息香酸メチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:3.83(3H,s),3.84(3H,s),5.07(2H,s),6.50−6.60(2H,m),7.25−7.45(5H,m),7.80−7.85(1H,m)
4−ベンジルオキシ−2−イソプロポキシ安息香酸メチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.35(6H,d,J=6.0Hz),3.84(3H,s),4.52(1H,septet,J=6.0Hz),5.09(2H,s),6.50−6.60(2H,m),7.30−7.45(5H,m),7.75−7.85(1H,m)
参考例11
4−ヒドロキシ−2−メトキシ安息香酸メチル
4−ベンジルオキシ−2−メトキシ安息香酸メチル(3.08g)のメタノール(5mL)/テトラヒドロフラン(7.5mL)混合溶液に、室温アルゴン雰囲気下、10%パラジウム炭素(0.3g)を加え、室温水素雰囲気下に2時間撹拌した。触媒を濾去後、濾液を減圧下に濃縮し、表題化合物(2.02g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:3.84(3H,s),3.86(3H,s),6.41(1H,dd,J=2.2,8.5Hz),6.44(1H,d,J=2.2Hz),7.77(1H,d,J=8.5Hz)
参考例12
対応するベンジルエーテル誘導体を用い、参考例11と同様にして以下の化合物を得た。
2−エトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.47(3H,t,J=7.3Hz),3.84(3H,s),4.08(2H,q,J=7.3Hz),5.13−5.16(1H,m),6.39(1H,dd,J=2.4,8.5Hz),6.43(1H,d,J=2.4Hz),7.78(1H,d,J=8.5Hz)
4−ヒドロキシ−2−イソプロポキシ安息香酸メチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.37(6H,d,J=6.0Hz),3.84(3H,s),4.52(1H,septet,J=6.0Hz),6.35−6.50(2H,m),7.70−7.80(1H,m)
参考例13
2−メトキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸
4−ヒドロキシ−2−メトキシ安息香酸メチル(2.02g)とピリジン(0.14mL)の塩化メチレン(15mL)溶液に、氷冷撹拌下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.24mL)を加え、室温下に30分間撹拌した。反応混合物を塩酸−酢酸エチル混合液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、2−メトキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸メチル(3.49g)を得た。
この2−メトキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸メチル(3.49g)と硫酸(90%,0.1mL)の酢酸(10mL)−水(2mL)混合溶液を、加熱還流下に16時間撹拌した。反応混合物を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物を再結晶(再結晶溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン)にて精製し、表題化合物(1.25g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:4.12(3H,s),6.98(1H,d,J=2.5Hz),7.07(1H,dd,J=2.5,8.7Hz),8.29(1H,d,J=8.7Hz)
参考例14
対応するフェノール誘導体を用い、参考例13と同様にして以下の化合物を得た。
2−エトキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.61(3H,t,J=6.9Hz),4.37(2H,q,J=6.9Hz),6.97(1H,d,J=2.2Hz),7.06(1H,dd,J=2.2,8.8Hz),8.31(1H,d,J=8.8Hz)
2−イソプロポキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.53(6H,d,J=6.0Hz),4.86(1H,septet,J=6.0Hz),6.97(1H,d,J=2.2Hz),7.04(1H,dd,J=2.2,8.8Hz),8.30(1H,d,J=8.8Hz)
参考例15
3−ヒドロキシ−4−ヨード安息香酸エチルと対応するアルキルハライドを用い、参考例9と同様にして以下の化合物を得た。
3−エトキシ−4−ヨード安息香酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.39(3H,t,J=7.2Hz),1.50(3H,t,J=6.9Hz),4.16(2H,q,J=6.9Hz),4.37(2H,q,J=7.2Hz),7.36(1H,dd,J=8.0,1.6Hz),7.42(1H,d,J=1.6Hz),7.84(1H,d,J=8.0Hz)
4−ヨード−3−イソプロポキシ安息香酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.35−1.45(9H,m),4.37(2H,q,J=7.1Hz),4.60−4.75(1H,m),7.34(1H,dd,J=8.1,1.8Hz),7.44(1H,d,J=1.8Hz),7.84(1H,d,J=8.1Hz)
4−ヨード−3−プロポキシ安息香酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.11(3H,t,J=7.4Hz),1.39(3H,t,J=7.1Hz),1.80−1.95(2H,m),4.05(2H,t,J=6.4Hz),4.37(2H,q,J=7.1Hz),7.35(1H,dd,J=8.1,1.8Hz),7.42(1H,d,J=1.8Hz),7.84(1H,d,J=8.1Hz)
参考例16
2,5−ジメチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸メチル
4−ヨード−2,5−ジメチルフェノール(1.0g)、酢酸パラジウム(0.045g)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(0.083g)およびトリエチルアミン(0.90mL)のメタノール(20mL)、ジメチルスルホキシド(30mL)混合液を、60℃一酸化炭素雰囲気下に終夜撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下に濃縮後、残留物を酢酸エチルと水に分配し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1−3/1)にて精製し、4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル安息香酸メチル(0.16g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.23(3H,s),2.53(3H,s),3.85(3H,s),4.94(1H,br s),6.62(1H,s),7.77(1H,s)
4−ヒドロキシ−2,5−ジメチル安息香酸メチル(0.144g)とピリジン(0.095g)の塩化メチレン(10mL)溶液に、氷冷撹拌下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.27g)を加え、室温下に30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと2mol/L塩酸の混液中に注ぎ、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)にて精製し、表題化合物(0.226g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.36(3H,s),2.58(3H,s),3.90(3H,s),7.12(1H,s),7.87(1H,s)
参考例17
3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサポロラン−2−イル)安息香酸エチル
バニリン酸エチル(1.0g)とピリジン(0.45mL)の塩化メチレン(5mL)溶液に、氷冷撹拌下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.94mL)を加え、10分間撹拌した。反応混合物を1mol/L塩酸と酢酸エチル混液中に注ぎ、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/10)にて精製し、3−メトキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸エチル(1.47g)を得た。
3−メトキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸エチル(0.66g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.56g)、[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.044g)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.033g)および酢酸カリウム(0.59g)の1,4−ジオキサン(4mL)混合物を、80℃にて24時間撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/5)にて精製し、表題化合物(0.079g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.36(12H,s),1.40(3H,t,J=7.1Hz),3.89(3H,s),4.38(2H,q,J=7.1Hz),7.50(1H,d,J=1.3Hz),7.60(1H,dd,J=1.3,7.6Hz),7.69(1H,d,J=7.6Hz)
参考例18
4−カルボキシ−2−メトキシフェニルボロン酸
3−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチル(0.075g)の水(1mL)、テトラヒドロフラン(4mL)混液に、室温撹拌下、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(0.157g)を加え、同温度にて10分間撹拌した。反応混合物に2mol/L塩酸(0.082mL)を加え、さらに室温下に2時間撹拌後、水および酢酸エチルを加えた。有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、4−エトキシカルボニル−2−メトキシフェニルボロン酸(0.049g)を得た。
この4−エトキシカルボニル−2−メトキシフェニルボロン酸(0.049g)の水(1mL)、1,4−ジオキサン(1mL)混液に、水酸化リチウム1水和物(0.092g)を加え、室温下に終夜撹拌した。反応混合物に2mol/L塩酸(1.09mL)を加え、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物を水で洗浄し、表題化合物(0.035g)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ ppm:3.84(3H,s),7.44(1H,d,J=1.2Hz),7.51(1H,dd,J=1.2,7.5Hz),7.58(1H,d,J=7.5Hz),7.91(2H,s),12.93(1H,br)
参考例19
2−イソプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチル
参考例17の合成中間体である3−メトキシ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸エチルの代わりに、アリールハライドである4−ブロモ−2−イソプロピル安息香酸メチルを用い、参考例17と同様にして表題化合物を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.28(6H,d,J=6.6Hz),1.35(12H,s),3.55−3.70(1H,m),3.89(3H,s),7.60−7.70(2H,m),7.82(1H,s)
参考例20
(2−アセチル−4−ブロモフェノキシ)酢酸
5−ブロモ−2−ヒドロキシアセトフェノン(1.0g)と炭酸カリウム(0.96g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)混合液に、室温撹拌下、ブロモ酢酸エチル(0.62mL)を加え、同温度にて終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、クルードの(2−アセチル−4−ブロモフェノキシ)酢酸エチルを得た。
この(2−アセチル−4−ブロモフェノキシ)酢酸エチルをエタノール(5mL)に溶解し、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5mL)を加え、室温下に1時間撹拌した。反応混合物に2mol/L塩酸(7mL)を加え酸性とし、続いて飽和食塩水および酢酸エチルを加えた。有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を再結晶(再結晶溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン)にて精製し、表題化合物(0.85g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.67(3H,s),4.75(2H,s),6.85(1H,d,J=8.9Hz),7.62(1H,dd,J=2.5,8.9Hz),7.89(1H,d,J=2.5Hz)
参考例21
(4−ブロモ−2−ヒドロキシメチルフェノキシ)酢酸
4−ブロモ−2−ヒドロキシメチルフェノールを用い、参考例20と同様にして表題化合物を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ ppm:4.52(2H,s),4.70(2H,s),6.83(1H,d,J=8.7Hz),7.34(1H,dd,J=2.6,8.7Hz),7.49(1H,d,J=2.6Hz)
参考例22
[2−イソプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]酢酸
4−ブロモ−2−イソプロピルフェノール(1.0g)と炭酸カリウム(0.96g)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)混合液に、ブロモ酢酸ベンジル(0.88mL)を加え、室温下に終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジエチルエーテル/n−ヘキサン=1/10)にて精製し、(4−ブロモ−2−イソプロピルフェノキシ)酢酸ベンジル(1.70g)を得た。
この(4−ブロモ−2−イソプロピルフェノキシ)酢酸ベンジル(0.25g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.19g)、[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.015g)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.011g)および酢酸カリウム(0.20g)の1,4−ジオキサン(4mL)混合液を、100℃にて24時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、不溶物を濾去後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)により精製し、[2−イソプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]酢酸ベンジル(0.24g)を得た。
[2−イソプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]酢酸ベンジル(0.24g)と10%パラジウム炭素(0.05g)のエタノール(10mL)混合物を、室温水素雰囲気下に2時間撹拌した。触媒を濾去後、減圧下に溶媒を留去し、表題化合物(0.156g)を得た。
H−NMR(CDOD)δ ppm:1.23(6H,d,J=7.1Hz),1.33(12H,s),3.35−3.45(1H,m),4.70(2H,s),6.79(1H,d,J=8.3Hz),7.53(1H,dd,J=1.5,8.3Hz),7.61(1H,d,J=1.5Hz)
参考例23
[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]酢酸
4−ブロモ−3−メチルフェノールを用い、参考例22と同様にして表題化合物を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ ppm:1.28(12H,s),2.42(3H,s),4.67(2H,s),6.69(1H,dd,J=1.4,8.2Hz),6.72(1H,d,J=1.4Hz),7.55(1H,d,J=8.2Hz),12.94(1H,br s)
参考例24
4−カルボキシメトキシ−3−エトキシフェニルボロン酸
4−ブロモ−2−エトキシフェノール(1.69g)と炭酸カリウム(1.62g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)混合液に、ブロモ酢酸エチル(1.04mL)を加え、室温下に終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジエチルエーテル/n−ヘキサン=1/10)にて精製し、(4−ブロモ−2−エトキシフェノキシ)酢酸エチル(2.26g)を得た。
この(4−ブロモ−2−エトキシフェノキシ)酢酸エチル(2.26g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(2.08g)、[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.16g)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.12g)および酢酸カリウム(2.20g)の1,4−ジオキサン(10mL)混合液を、100℃にて24時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、不溶物を濾去後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1−5/1)にて精製し、[2−エトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]酢酸エチル(2.28g)を得た。
[2−エトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]酢酸エチル(0.15g)のエタノール(10mL)溶液に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(2.14mL)を加え、60℃にて3時間撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、水相を分離後、酢酸エチルで洗浄し、2mol/L塩酸を加え酸性とした。酢酸エチルで抽出後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、表題化合物(0.066g)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ ppm:1.20−1.40(3H,m),3.95−4.15(2H,m),4.60−4.75(2H,m),6.75−7.45(3H,m),12.91(1H,br)
参考例25
(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノキシ)酢酸エチル
4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノール(1.0g)と炭酸カリウム(1.03g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)混合液に、ブロモ酢酸エチル(0.66mL)を加え、80℃にて3時間撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/10)にて精製し、表題化合物(1.29g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.33(3H,t,J=7.2Hz),2.27(6H,s),4.30(2H,q,J=7.2Hz),4.36(2H,s),7.14(2H,s)
参考例26
対応するフェノール誘導体を用い、参考例25と同様にして以下の化合物を得た。
(4−ブロモ−2−メチルフェノキシ)酢酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.20(3H,t,J=7.1Hz),2.18(3H,s),4.16(2H,q,J=7.1Hz),4.80(2H,s),6.82(1H,d,J=9.1Hz),7.20−7.40(2H,m)
(4−ブロモ−2−クロロフェノキシ)酢酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.21(3H,t,J=7.1Hz),4.17(2H,q,J=7.1Hz),4.93(2H,s),7.04(1H,d,J=8.9Hz),7.42−7.50(1H,m),7.69(1H,d,J=2.2Hz)
(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)酢酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.21(3H,t,J=7.1Hz),4.17(2H,q,J=7.1Hz),4.89(2H,s),7.00−7.60(3H,m)
(4−ブロモ−3−メチルフェノキシ)酢酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.21(3H,t,J=7.1Hz),2.30(3H,s),4.16(2H,q,J=7.1Hz),4.76(2H,s),6.68−6.76(1H,m),6.97(1H,d,J=3.1Hz),7.45(1H,d,J=9.0Hz)
(4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノキシ)酢酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.30(3H,t,J=7.2Hz),2.37(6H,s),4.27(2H,q,J=7.2Hz),4.57(2H,s),6.65(2H,s)
[2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]酢酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.30−1.35(15H,m),2.30(6H,s),4.30(2H,q,J=7.2Hz),4.40(2H,s),7.48(2H,s)
(4−ヨード−2,5−ジメチルフェノキシ)酢酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.30(3H,t,J=7.2Hz),2.20(3H,s),2.36(3H,s),4.27(2H,q,J=7.2Hz),4.60(2H,s),6.59(1H,s),7.55(1H,s)
参考例27
2−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノキシ)エタノール
(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノキシ)酢酸エチル(0.78g)のテトラヒドロフラン(5mL)、エタノール(5mL)混合液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.21g)を加え、室温下に4時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/2)にて精製し、表題化合物(0.65g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.08(1H,t,J=6.2Hz),2.26(6H,s),3.85−3.90(2H,m),3.90−4.00(2H,m),7.15(2H,s)
参考例28
対応するフェノキシ酢酸エチル誘導体を用い、参考例27と同様にして、以下の化合物を得た。
2−(4−ブロモ−2−メチルフェノキシ)エタノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.21(3H,s),3.94−4.08(4H,m),6.69(1H,t,J=8.2Hz),7.12−7.32(2H,m)
2−(4−ブロモ−2−クロロフェノキシ)エタノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:3.95−4.04(2H,m),4.08−4.16(2H,m),6.82(1H,d,J=8.7Hz),7.32(1H,dd,J=2.2,8.7Hz),7.51(1H,d,J=2.5Hz)
2−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)エタノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:3.94−4.00(2H,m),4.08−4.16(2H,m),6.87(1H,t,J=8.7Hz),7.15−7.30(2H,m)
2−(4−ブロモ−3−メチルフェノキシ)エタノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.36(3H,s),3.90−4.00(2H,m),4.00−4.10(2H,m),6.63(1H,dd,J=3.0,8.6Hz),6.81(1H,d,J=3.0Hz),7.40(1H,d,J=8.6Hz)
2−(4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノキシ)エタノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.96(1H,t,J=6.3Hz),2.38(6H,s),3.90−4.00(2H,m),4.00−4.10(2H,m),6.67(2H,s)
2−[2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エタノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.34(12H,s),2.15(1H,t,J=6.3Hz),2.30(6H,s),3.85−4.00(4H,m),7.50(2H,s)
2−(4−ヨード−2,5−ジメチルフェノキシ)エタノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.16(3H,s),2.38(3H,s),3.95−4.00(2H,m),4.00−4.10(2H,m),6.72(1H,s),7.54(1H,s)
参考例29
2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エタノール
2−(4−ブロモ−2−メチルフェノキシ)エタノール(5.43g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(6.56g)、[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.52g)、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.39g)および酢酸カリウム(6.92g)の1,4−ジオキサン(50mL)混合液を、100℃窒素雰囲気下にて15時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をバッチカラム(溶出溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1)、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/4)にて精製し、表題化合物(5.26g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.33(12H,s),2.24(3H,s),3.94−4.03(2H,m),4.06−4.16(2H,m),6.76−6.86(1H,m),7.56−7.68(2H,m)
参考例30
対応するアリールブロミドを用い、参考例29と同様にして以下の化合物を得た。
2−[2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エタノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.33(12H,s),3.95−4.05(2H,m),4.13−4.23(2H,m),6.92(1H,d,J=8.1Hz),7.66(1H,dd,J=1.4,8.2Hz),7.81(1H,d,J=1.1Hz)
2−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エタノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.33(12H,s),3.94−4.04(2H,m),4.13−4.23(2H,m),6.92−7.00(1H,m),7.44−7.56(2H,m)
2−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エタノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.33(12H,s),2.52(3H,s),3.90−4.00(2H,m),4.02−4.12(2H,m),6.64−6.80(2H,m),7.71(1H,d,J=7.8Hz)
参考例31
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸
2−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノキシ)エタノール(0.65g)、4−カルボキシフェニルボロン酸(0.87g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(O)(0.15g)およびふっ化セシウム(2.40g)の1,4−ジオキサン(7.5mL)、エタノール(2.5mL)および水(1.5mL)の混合物を、90℃アルゴン雰囲気下にて終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1−2/1)にて精製し、表題化合物(0.29g)を得た。
H−NMR(CDOD)δ ppm:2.36(6H,s),3.85−3.95(4H,m),7.33(2H,s),7.67(2H,d,J=8.5Hz),8.05(2H,d,J=8.5Hz)
参考例32
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸ベンジル
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸(0.29g)と炭酸カリウム(0.17g)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)混合液に、ベンジルブロミド(0.13mL)を加え、室温下に終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3−1/2)にて精製し、表題化合物(0.38g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.15(1H,t,J=6.0Hz),2.35(6H,s),3.90−4.00(4H,m),5.38(2H,s),7.28(2H,s),7.30−7.45(3H,m),7.45−7.50(2H,m),7.60(2H,d,J=8.5Hz),8.11(2H,d,J=8.5Hz)
参考例33
対応するアリールボロン酸誘導体と2−(4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノキシ)エタノールを用い、参考例31と同様にして以下の化合物を得た。
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸エチル
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.42(3H,t,J=7.1Hz),1.99(6H,s),3.90−4.00(2H,m),4.08−4.16(2H,m),4.41(2H,q,J=7.1Hz),6.69(2H,s),7.21(2H,d,J=8.4Hz),8.10(2H,d,J=8.4Hz)
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−オール
H−NMR(CDOD)δ ppm:1.97(6H,s),3.80−3.90(2H,m),4.00−4.05(2H,m),6.66(2H,s),6.82(2H,d,J=8.6Hz),6.89(2H,d,J=8.6Hz)
参考例34
[4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−イルオキシ]酢酸エチル
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−オールを用い、参考例25と同様にして表題化合物を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.31(3H,t,J=7.1Hz),2.01(6H,s),3.94−3.99(2H,m),4.08−4.12(2H,m),4.30(2H,q,J=7.1Hz),4.66(2H,s),6.68(2H,s),6.95(2H,d,J=8.8Hz),7.04(2H,d,J=8.8Hz)
参考例35
メタンスルホン酸2−[2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチル
2−[2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エタノール(0.5g)とトリエチルアミン(0.29mL)の塩化メチレン(10mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.14mL)を加え、室温下に1時間撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、表題化合物(0.632g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.33(12H,s),2.29(6H,s),3.10(3H,s),4.00−4.10(2H,m),4.50−4.60(2H,m),7.50(2H,s)
参考例36
4−((1R,2S)−2−{2−[2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチルアミノ}−1−ヒドロキシプロピル)フェノール
メタンスルホン酸2−[2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチル(0.63g)、4−((1R,2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシプロピル)フェノール(0.29g)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.36mL)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)混合物を、80℃にて終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=10/1)にて精製し、表題化合物(0.2g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.91(3H,d,J=6.5Hz),1.34(12H,s),2.27(6H,s),2.93−3.01(2H,m),3.10−3.20(1H,m),3.88−3.93(2H,m),4.70(1H,d,J=4.2Hz),6.80(2H,d,J=8.5Hz),7.21(2H,d,J=8.5Hz),7.49(2H,s)
参考例37
対応するフェノキシエタノールを用い、参考例35および36と同様にして以下の化合物を得た。
4−{(1R,2S)−2−[2−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノキシ)エチルアミノ]−1−ヒドロキシプロピル}フェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.93(3H,d,J=6.5Hz),2.27(6H,s),2.92−3.01(2H,m),3.12−3.18(1H,m),3.82−3.88(2H,m),4.70(1H,d,J=4.1Hz),6.80(2H,d,J=8.5Hz),7.14(2H,s),7.20(2H,d,J=8.5Hz)
4−((1R,2S)−1−ヒドロキシ−2−{2−[2−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチルアミノ}プロピル)フェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.92(3H,d,J=6.5Hz),1.33(12H,s),2.13(3H,s),2.90−3.20(3H,m),4.05−4.15(2H,m),4.65(1H,d,J=4.4Hz),6.77(2H,d,J=8.5Hz),6.80(1H,d,J=8.1Hz),7.17(2H,d,J=8.5Hz),7.55−7.65(2H,m)
4−((1R,2S)−2−{2−[2−クロロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチルアミノ}−1−ヒドロキシプロピル)フェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.90(3H,d,J=6.8Hz),1.33(12H,s),2.85−3.25(3H,m),4.10−4.25(2H,m),4.67(1H,d,J=4.2Hz),6.78(2H,d,J=8.6Hz),6.90(1H,d,J=8.1Hz),7.19(2H,d,J=8.6Hz),7.64(1H,dd,J=8.1,1.5Hz),7.79(1H,d,J=1.5Hz)
4−((1R,2S)−2−{2−[2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチルアミノ}−1−ヒドロキシプロピル)フェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.89(3H,d,J=6.7Hz),1.33(12H,s),2.90−3.20(3H,m),4.10−4.20(2H,m),4.68(1H,d,J=4.0Hz),6.79(2H,d,J=8.6Hz),6.80−7.00(1H,m),7.19(2H,d,J=8.6Hz),7.45−7.55(2H,m)
4−((1R,2S)−1−ヒドロキシ−2−{2−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチルアミノ}プロピル)フェノール
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.90(3H,d,J=6.4Hz),1.33(12H,s),2.51(3H,s),2.90−3.15(3H,m),4.05−4.15(2H,m),4.66(1H,d,J=4.5Hz),6.60−6.70(2H,m),6.76(2H,d,J=8.5Hz),7.16(2H,d,J=8.5Hz),7.69(1H,d,J=8.0Hz)
4−{(1R,2S)−1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヨード−2,5−ジメチルフェノキシ)エチルアミノ]プロピル}フェノール
H−NMR(DMSO−d)δ ppm:0.89(3H,d,J=6.3Hz),1.94(3H,s),2.30(3H,s),2.69−2.76(2H,m),2.79−2.92(1H,m),3.86−3.92(1H,m),3.95−4.01(1H,m),4.36(1H,t,J=4.1Hz),4.97(1H,d,J=3.8Hz),6.65−6.70(2H,m),6.90(1H,s),7.07−7.11(2H,m),7.50(1H,s),9.17(1H,br s)
参考例38
1−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロパン−2−オン
4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノールとクロロアセトンを用い、参考例25と同様にして表題化合物を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:2.24(6H,s),2.33(3H,s),4.31(2H,s),7.16(2H,s)
参考例39
3−イソプロピル−3’,5’−ジメチル−4’−(2−オキソプロポキシ)ビフェニル−4−カルボン酸メチル
1−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノキシ)プロパン−2−オンと2−イソプロピル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸メチルを用い、参考例31と同様にして表題化合物を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.31(6H,d,J=6.9Hz),2.35(6H,s),2.37(3H,s),3.75−3.85(1H,m),3.91(3H,s),4.39(2H,s),7.25(2H,s),7.37(1H,dd,J=1.9,82Hz),7.55(1H,d,J=1.9Hz),7.80(1H,d,J=8.2Hz)
参考例40
[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]酢酸エチル
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノール(1.0g)と炭酸カリウム(0.94g)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)混合液に、ブロモ酢酸エチル(0.60mL)を加え、80℃にて終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)にて精製し、表題化合物(1.33g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.29(3H,t,J=7.2Hz),1.33(12H,s),4.26(2H,q,J=7.2Hz),4.64(2H,s),6.90(2H,d,J=8.6Hz),7.75(2H,d,J=8.6Hz)
参考例41
2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エタノール
[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]酢酸エチル(1.33g)のテトラヒドロフラン(10mL)、エタノール(10mL)混合液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.33g)を加え、室温下に4時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製し、表題化合物(1.13g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.34(12H,s),2.01(1H,t,J=6.3Hz),3.90−4.00(2H,m),4.10−4.15(2H,m),6.91(2H,d,J=8.7Hz),7.76(2H,d,J=8.7Hz)
参考例42
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル−4−カルボン酸エチル
4’−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸エチルを用い、参考例40および41と同様にして表題化合物を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.41(3H,t,J=7.1Hz),4.00(2H,t,J=4.4Hz),4.10−4.20(2H,m),4.40(2H,q,J=7.1Hz),7.02(2H,d,J=8.9Hz),7.58(2H,d,J=8.9Hz),7.62(2H,d,J=8.5Hz),8.09(2H,d,J=8.5Hz)
参考例43
メタンスルホン酸2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチル
2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エタノール(0.92g)とトリエチルアミン(0.73mL)の塩化メチレン(18mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.33mL)を加え、室温下に1時間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、表題化合物(1.28g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:1.34(12H,s),2.87(3H,s),3.21(2H,t,J=6.9Hz),4.45(2H,t,J=6.9Hz),7.29(2H,d,J=7.5Hz),7.64(2H,d,J=7.5Hz)
参考例44
4−((1R,2S)−2−{2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチルアミノ}−1−ヒドロキシプロピル)フェノール
メタンスルホン酸2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチル(1.20g)と4−((1R,2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシプロピル)フェノール(1.76g)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)混合液を、80℃にて5時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1および塩化メチレン/メタノール=9/1)にて精製し、表題化合物(0.24g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.92(3H,d,J=6.3Hz),1.33(12H,s),2.90−3.25(3H,m),4.05−4.15(2H,m),4.66(1H,d,J=4.3Hz),6.76(2H,d,J=8.7Hz),6.85(2H,d,J=8.4Hz),7.15(2H,d,J=8.7Hz),7.73(2H,d,J=8.4Hz)
【実施例1】
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸(化合物1)
工程1
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸ベンジル(0.38g)とトリエチルアミン(0.21mL)の塩化メチレン(5mL)溶液に、氷冷撹拌下、メタンスルホニルクロリド(0.10mL)を加え、室温下に1時間撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、4’−(2−メタンスルホニルオキシエトキシ)−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸ベンジル(0.45g)を得た。
工程2
4’−(2−メタンスルホニルオキシエトキシ)−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸ベンジル(0.20g)、4−((1R,2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシプロピル)フェノール(0.074g)およびジイソプロピルアミン(0.074mL)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)混合物を、80℃にて終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=15/1−10/1)にて精製し、4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸ベンジル(0.108g)を得た。
工程3
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸ベンジル(0.108g)と10%パラジウム炭素(50%wet,0.05g)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)混合物を、室温水素雰囲気下に1.5時間撹拌した。触媒を濾去後、濾液を減圧下に濃縮し、得られた残留物に塩化メチレンを加え、生じた沈殿物を濾取し、オクタデシルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:アセトニトリル/水=1/1)にて精製し、白色非晶性固体の表題化合物(0.025g)を得た。構造式および物性値を表1に示した。
【実施例2】
(4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−イルオキシ)酢酸(化合物2)
工程1
[4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−イルオキシ]酢酸エチル(0.58g)とトリエチルアミン(0.36mL)の塩化メチレン(5mL)混合液に、氷冷撹拌下、メタンスルホニルクロリド(0.17mL)を加え、室温下に1時間撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、[4’−(2−メタンスルホニルオキシエトキシ)−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−イルオキシ]酢酸エチルを得た。
工程2
[4’−(2−メタンスルホニルオキシエトキシ)−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−イルオキシ]酢酸エチルと4−((1R,2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシプロピル)フェノール(0.71g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)混合液を80℃にて終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=10/1)にて精製し、(4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−イルオキシ)酢酸エチル(0.47g)を得た。
工程3
(4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2’,6’−ジメチルビフェニル−4−イルオキシ)酢酸エチル(0.16g)の水(1mL)、1,4−ジオキサン(2mL)混合液に、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.81mL)を加え、室温下に終夜撹拌した。1mol/L塩酸(0.81mL)を加え、減圧下に有機溶媒を留去後、得られた残留物を濾取し、淡黄色非晶性固体の表題化合物(0.12g)を得た。構造式および物性値を表1に示した。
【実施例3】
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2,3’,5’−トリメチルビフェニル−4−カルボン酸(化合物3)
4−((1R,2S)−2−{2−[2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチルアミノ}−1−ヒドロキシプロピル)フェノール(0.02g)、4−ブロモ−3−メチル安息香酸(0.020g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.0027g)およびふっ化セシウム(0.041g)の1,4−ジオキサン(0.75mL)、エタノール(0.25mL)および水(0.15mL)混合液を、100℃にて終夜撹拌した。放冷後、反応混合物をテトラヒドロフラン(2.5mL)で希釈し、テトラヒドロフランでコンディショニングしたSCXイオン交換カラム(アルゴノート社製1g,洗浄溶媒:テトラヒドロフラン,溶出溶媒:2mol/Lアンモニアメタノール溶液)、続いて逆相分取カラムクロマトグラフィー(資生堂社製CAPCELL PAK C18 ODS,5μm,120Å,20×50mm,リニアグラージェント,0.1%ギ酸水溶液/アセトニトリル=90/10−60/40)にて精製し、白色非晶性固体の表題化合物(0.0046g)を得た。構造式および物性値を表1に示した。
【実施例4】
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−イソプロピル−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸(化合物4)
4−ブロモ−2−イソプロピル安息香酸を用い、実施例3と同様にして白色非晶性固体の表題化合物を得た。構造式および物性値を表1に示した。
【実施例5】
対応するアリールハライド誘導体またはアリールトリフラート誘導体と、対応するアリールボロン酸誘導体を用い、実施例3、および必要に応じ実施例2の工程3と同様にして、以下の化合物5〜144を得た。これらの構造式および物性値を表1に示した。





















【実施例6】
(4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2,3’,5’−トリメチルビフェニル−4−イルオキシ)酢酸(化合物145)
4−{(1R,2S)−2−[2−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノキシ)エチルアミノ]−1−ヒドロキシプロピル}フェノール(0.03g)、[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]酢酸(0.045g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.0046g)およびふっ化セシウム(0.069g)の1,4−ジオキサン(0.75mL)、エタノール(0.25mL)および水(0.15mL)混合液を、100℃にて終夜撹拌した。放冷後、反応混合物をテトラヒドロフラン(2.5mL)で希釈し、テトラヒドロフランでコンディショニングしたSCXイオン交換カラム(アルゴノート社製1g,洗浄溶媒:テトラヒドロフラン,溶出溶媒:2mol/Lアンモニアメタノール溶液)、続いて逆相分取カラムクロマトグラフィー(資生堂社製CAPCELL PAK C18 ODS,5μm,120Å,20×50mm,リニアグラージェント,0.1%ギ酸水溶液/アセトニトリル=90/10−60/40)にて精製し、白色非晶性固体の表題化合物(0.0085g)を得た。構造式および物性値を表2に示した。
【実施例7】
4−{(1R,2S)−2−[2−(4−ブロモ−2,6−ジメチルフェノキシ)エチルアミノ]−1−ヒドロキシプロピル}フェノールまたは4−{(1R,2S)−2−[2−(4−ブロモ−2,5−ジメチルフェノキシ)エチルアミノ]−1−ヒドロキシプロピル}フェノールと、対応するアリールボロン酸誘導体を用い、実施例6と同様にして以下の化合物146〜150を得た。これらの構造式および物性値を表2に示した。
【実施例8】
4’−{(2RS)−2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]プロポキシ}−3−イソプロピル−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸(化合物151)
工程1
4−((1R,2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシプロピル)フェノール(0.082g)、3−イソプロピル−3’,5’−ジメチル−4’−(2−オキソプロポキシ)ビフェニル−4−カルボン酸メチル(0.17g)および酢酸(0.03mL)のテトラヒドロフラン(2.5mL)溶液に、室温撹拌下、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.23g)を加え、50℃にて4時間撹拌した。放冷後、反応混合物を飽和重曹水および酢酸エチルに分配し、有機層を分離後、水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=9/1)、さらにアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、4’−{(2RS)−2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]プロポキシ}−3−イソプロピル−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸メチル(0.074g)を得た。
H−NMR(CDCl)δ ppm:0.85−0.95(3H,m),1.15−1.35(9H,m),2.32(2.7H,s),2.36(3.3H,s),3.05−3.20(1H,m),3.20−3.35(1H,m),3.65−3.85(3H,m),3.91(3H,s),4.69(0.45H,d,J=4.1Hz),4.71(0.55H,d,J=3.8Hz),6.75−6.85(2H,m),7.15−7.20(2H,m),7.20−7.25(2H,m),7.35−7.40(1H,m),7.50−7.60(1H,m),7.75−7.85(1H,m)
MS(ESI,m/z):506(M+H)
工程2
4’−{(2RS)−2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]プロポキシ}−3−イソプロピル−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸メチルを用い、実施例2の工程3と同様にして、灰白色非晶性固体の表題化合物を得た。構造式および物性値を表2に示した。

【実施例9】
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸(化合物152)
工程1
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル−4−カルボン酸エチル(0.41g)とトリエチルアミン(0.30mL)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に、氷冷撹拌下、メタンスルホニルクロリド(0.13mL)を加え、同温度にて30分間、室温下に30分間、そして45℃で1時間撹拌した。反応混合物にメタンスルホニルクロリド(0.13mL)とトリエチルアミン(0.30mL)を加え45℃で1時間撹拌、メタンスルホニルクロリド(0.13mL)とトリエチルアミン(0.30mL)を加え45℃で1時間撹拌、さらにメタンスルホニルクロリド(0.13mL)とトリエチルアミン(0.30mL)を加え70℃にて3時間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸と酢酸エチルを加え、有機層を分離後、水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、4’−(2−メタンスルホニルオキシエトキシ)ビフェニル−4−カルボン酸エチル(0.32g)を得た。
工程2
4’−(2−メタンスルホニルオキシエトキシ)ビフェニル−4−カルボン酸エチル(0.32g)と4−((1R,2S)−2−アミノ−1−ヒドロキシプロピル)フェノール(0.32g)のN,N−ジメチルホルムアミド(6mL)混合物に、ジイソプロピルアミン(0.40mL)を室温下に加え、80℃にて14時間撹拌した。放冷後、反応混合物を塩化メチレンと水に分配し、得られた有機層を水および飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=15/1)にて精製し、4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸エチル(0.22g)を得た。
H−NMR(CDOD)δ ppm:1.50(3H,d,J=6.2Hz),1.42(3H,t,J=7.1Hz),2.85−3.10(3H,m),4.00−4.05(1H,m),4.10−4.20(1H,m),4.43(2H,q,J=7.1Hz),4.53(1H,d,J=6.7Hz),6.87(2H,d,J=8.5Hz),7.00(2H,d,J=8.9Hz),7.29(2H,d,J=8.5Hz),7.70(2H,d,J=8.9Hz),7.79(2H,d,J=8.7Hz),8.16(2H,d,J=8.7Hz)
工程3
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸エチル(0.15g)のエタノール(20mL)、テトラヒドロフラン(5mL)混合液に、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.43mL)を加え、60℃にて16時間、100℃加熱還流下に7.5時間撹拌した。更に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.17mL)を加え、加熱還流下に16時間撹拌した。放冷後、反応混合物に2mol/L塩酸水溶液(0.60mL)を加え、析出物を濾取し、淡黄色非晶性固体の表題化合物(0.13g)を得た。構造式および物性値を表3に示した。
【実施例10】
2−エチル−4’−{(1S,2R)−2−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸(化合物153)
4−((1R,2S)−2−{2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチルアミノ}−1−ヒドロキシプロピル)フェノール(0.04g)、4−ブロモ−3−エチル安息香酸(0.044g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.011g)およびふっ化セシウム(0.088g)の1,4−ジオキサン(0.6mL)、エタノール(0.12mL)および水(0.2mL)の混合液を、封管中140℃にて5分間撹拌した。放冷後、反応混合物をテトラヒドロフランでコンディショニングしたSCXイオン交換カラム(2g,洗浄溶媒:テトラヒドロフラン,溶出溶媒:2mol/Lアンモニアメタノール溶液)、続いて逆相分取カラムクロマトグラフィー(資生堂社製CAPCELL PAK C18 ODS,5μm,120Å,20×50mm,リニアグラージェント,0.1%ギ酸水溶液/アセトニトリル=90/10−60/40)にて精製し、白色非晶性固体の表題化合物(0.010g)を得た。構造式および物性値を表3に示した。
【実施例11】
4−((1R,2S)−2−{2−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェノキシ]エチルアミノ}−1−ヒドロキシプロピル)フェノールと、対応するアリールハライド誘導体またはアリールトリフラート誘導体を用い、実施例10と同様にして以下の化合物154〜178を得た。これらの構造式および物性値を表3に示した。





【実施例12】
4’−{(1S,2R)−2−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2,5−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸(化合物179)
4’−{(1S,2R)−2−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2,5−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸メチル(化合物178)を用い、実施例9の工程3と同様にして、灰白色非晶性固体の表題化合物を得た。構造式および物性値を表3に示した。
【実施例13】
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸塩酸塩(化合物180)
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸(化合物1)(0.089g)の1,4−ジオキサン(1.0mL)懸濁液に、氷冷撹拌下、4mol/L塩化水素−1,4−ジオキサン溶液(0.1mL)を加え、室温下に30分間撹拌した。得られた澄明な反応溶液を過剰量のエーテルにて希釈し、室温下に1時間撹拌した後、析出物を濾取し、灰白色非晶性固体の表題化合物(0.083g)を得た。構造式および物性値を表4に示した。
【実施例14】
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−イソプロピル−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸塩酸塩(化合物181)
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−イソプロピル−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸(化合物4)を用い、実施例13と同様にして、灰白色非晶性固体の表題化合物を得た。構造式および物性値を表4に示した。
【実施例15】
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸p−トルエンスルホン酸塩(化合物182)
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸(化合物1)(0.094g)の1,4−ジオキサン(1.1mL)懸濁液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.042g)を加え、室温下に1時間撹拌した。得られた澄明な反応溶液を過剰量のエーテルにて希釈後、析出物を濾取し、白色非晶性固体の表題化合物(0.059g)を得た。構造式および物性値を表4に示した。
【実施例16】
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸臭化水素酸塩(化合物183)
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸(化合物1)(0.079g)の1,4−ジオキサン(0.91mL)懸濁液に、47%臭化水素酸(0.042mL)を加え、室温下に10分間撹拌した。得られた澄明な反応溶液を過剰量のエーテルにて希釈後、析出物を濾取し、微褐色非晶性固体の表題化合物(0.037g)を得た。構造式および物性値を表4に示した。
【実施例17】
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−イソプロピル−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸p−トルエンスルホン酸塩(化合物184)
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−イソプロピル−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸(化合物4)を用い、実施例15と同様にして、白色非晶性固体の表題化合物を得た。構造式および物性値を表4に示した。
【実施例18】
実施例13〜17と同様にして、以下の化合物185〜192を得た。これらの構造式および物性値を表4に示した。



試験例1
ヒトβ−アドレナリン受容体アゴニスト活性の測定
1.ヒトβ−アドレナリン受容体アゴニスト活性の測定
試験化合物を50%ジメチルスルホキシドにて10−2Mとなるよう溶解し、さらにD−PBS(−)(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES社製)にて1x10−4Mを最高用量とする10倍希釈系列を作成し、これを活性測定の検体とした。SK−N−MC細胞(American Type Culture Collection社,1x10cell/mL)を100μLずつ96ウェルプレートに入れて約24時間培養した。D−PBS(−)40μLおよびCGP−201712A(フナコシ、3x10−6mol/L D−PBS(−)溶液)20μLを添加して20分間反応させた。その後、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(SIGMA、1x10−2mol/L D−PBS(−)溶液)20μLと検体20μLを添加して37℃、5%COの条件下で30分間インキュベートした。細胞内に蓄積したcAMP濃度はcAMP−Screen(Applied Biosystems)にて反応させ、Microplate LuminometerTR717(Applied Biosystems)にて検出した。陽性対照であるイソプロテレノールの最大反応を100%とし、その50%の反応を与える被験化合物の濃度をEC50値として算出した。またイソプロテレノールの最大反応に対する各被験化合物の最大反応の比を内活性(I.A.)として算出した。対照例としてイソプロテレノールを、比較例としてWO99/65877実施例17に記載の(R)−3’−[[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノエトキシ]−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸を同様に試験した。結果を表5に示した。
2.ヒトβ−およびβ−アドレナリン受容体アゴニスト活性の測定
1)ヒトβ−およびβ−アドレナリン受容体発現プラスミドベクターの作製
(1)ヒトβ−アドレナリン受容体
GenBank/EMBLデータベースにAccession No.J03019として登録されているDNA塩基情報を基に、ヒトβ−アドレナリン受容体の全長を含む領域の両端を増幅した。増幅されたDNA断片をクローニング用ベクターに挿入後、大腸菌内で増幅した。クローニングされたプラスミドを蛋白質発現用ベクターpCI−neo(Promega社製)に組み込み、プラスミドDNAを抽出精製し、以下の発現細胞の調製に用いた。
(2)ヒトβ−アドレナリン受容体
GenBank/EMBLデータベースにAccesion No.M15169として登録されている塩基情報を基に、5’末端に制限酵素認識部位を付加したプライマーを設計し、ヒト膀胱由来cDNAを鋳型としてPCRを行いクローンを得た。そのクローンをpGEM−Tvectorに組込み、プラスミドとして大腸菌で増幅した後、精製を行い、挿入配列の全長とその前後に渡り310 Genetic Analyzer(ABI社製)を用いてシークエンスを決定した。クローニングされたDNA断片はGenBank/EMBLデータベースに登録された塩基情報との相違は認められなかった。
2)ヒトβ−およびβ−アドレナリン受容体発現細胞の調製
(1)ヒトβ−アドレナリン受容体発現細胞の作成
10%ウシ胎仔血清(三光純薬)を含むDMEM培地(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES社製)を加え懸濁したCHO細胞5x10個あたり、前項で得られた発現用のプラスミド320ngをLipofectoamine2000(Invitrogen社)を用いてトランスフェクトした。この細胞を96ウェルプレートに1ウェルあたり5x10個/100μLずつ分注した。37℃、5%COの条件下で24時間培養後、測定に用いた。
(2)ヒトβ−アドレナリン受容体発現細胞の作成
10%ウシ胎仔血清を含むDMEM培地を加え懸濁したCHO細胞5x10個あたり、前項で得られた発現用のプラスミド80ngをLipofectoamine2000を用いてトランスフェクトした。この細胞を96ウェルプレートに1ウェルあたり5x10個/100μLずつ分注した。37℃、5%COの条件下で24時間培養後、測定に用いた。
3)ヒトβ−およびβ−アドレナリン受容体アゴニスト活性の測定
試験化合物を50%ジメチルスルホキシドにて10−2Mとなるよう溶解し、さらにD−PBS(−)にて2x10−4Mを最高用量とする10倍希釈系列を作成し、これを活性測定の検体とした。前項のCHO細胞の培養液を除去し、D−PBS(−)を用いて1ウェルあたり200μLで2回洗浄した後、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(SIGMA)1mMを50μLずつ加え、室温下に5分間静置後、検体を50μLずつ加え、37℃、5%COの条件下で30分間インキュベートした。細胞内に蓄積したcAMP濃度はcAMP−Screenにて反応させ、Microplate LuminometerTR717にて検出した。陽性対照であるイソプロテレノールの最大反応を100%とし、その50%の反応を与える被験化合物の濃度をEC50値として算出した。またイソプロテレノールの最大反応に対する各被験化合物の最大反応の比を内活性(I.A.)として算出した。
対照例としてイソプロテレノールを、比較例としてWO99/65877実施例17に記載の(R)−3’−[[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノエトキシ]−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸を同様に試験した。結果を表5に示した。

このように本発明の化合物は、ヒトβ−アドレナリン受容体に対して強力な刺激作用を示した。また本発明の化合物は、β−アドレナリン受容体刺激作用に比べて軽微なβ−および/またはβ−アドレナリン受容体刺激作用しか持たないことが示された。
試験例2
摘出組織におけるβアドレナリン受容体刺激測定試験
1)β−アドレナリン受容体刺激作用測定試験
雄性フェレット(体重1100−1400g)の膀胱を摘出し、長さ約10mm、幅約2mmの膀胱平滑筋標本を作製し、Magnus法に準じて実験を行った。標本は37℃で95%の酸素と5%の炭酸ガスを含む混合ガスを通気したKrebs−Henseleit液中に懸垂し、1gの負荷をかけた。膀胱静止時張力は張力トランスデューサーを介して等尺性に導出し、レクチグラム上に記録した。被験化合物は約5分毎に累積的にMagnus管内に添加した。薬効評価は、被験化合物処置前の膀胱平滑筋の張力を100%、フォルスコリン10−5M処置後の最大弛緩時張力を0%とし、50%弛緩させるときの被験化合物濃度をEC50値として評価した。
2)β−アドレナリン受容体刺激作用測定試験
SD系雄性ラット(体重250−400g)の心房を摘出し、Magnus法に準じて実験を行った。標本は37℃で95%の酸素と5%の炭酸ガスを含む混合ガスを通気したKrebs−Henseleit液中に懸垂し、0.5gの負荷をかけた。心収縮力は張力トランスデューサーを介して等尺性に導出し、瞬時心拍計を介してレクチグラム上に記録した。被験化合物は累積的にMagnus管内に添加した。薬効評価は、イソプロテレノール10−8M添加時での毎分の心拍数増加を100%として、毎分の心拍数を50%増加させるときの被験化合物濃度をEC50値として評価した。
3)β−アドレナリン受容体刺激作用測定試験
SD系妊娠ラット(妊娠21日目)の子宮を摘出し、胎盤付着部を避けて、縦走筋方向に幅約5mm、長さ約15mmの標本を作製し、Magnus法に準じて実験を行った。標本は37℃で95%の酸素と5%の炭酸ガスを含む混合ガスを通気したLocke−Ringer液中に懸垂し、0.5gの負荷をかけた。子宮自動運動は張力トランスデューサーを介して等尺性に導出し、レクチグラム上に記録した。被験化合物は約5分毎に累積的にMagnus管内に添加した。薬効評価は、被験化合物の添加前5分間の子宮収縮高の和を100%として、各濃度での被験化合物添加後5分間の子宮収縮高の和と比較し、50%抑制する被験化合物濃度をEC50値として評価した。
比較例としてWO99/65877実施例17に記載の(R)−3’−[[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノエトキシ]−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸を同様に試験した。これらの結果を表6に示した。

これらの試験の結果、本発明の化合物は、β−アドレナリン受容体刺激作用に比べて弱いβ−および/またはβ−アドレナリン受容体刺激作用しか持たないことが示された。
試験例3
ヒト小腸上皮組織での薬物透過性試験
1)培養培地の調製
10%ウシ胎仔血清(三光純薬)、1%MEM−Non essential amino acid solution、200mM L−Glutamine(Invitrogen Life Technologies社)、1%Penicillin−Streptomycin 10000units/mL−10000μg/mL(Invitrogen Life Technologies社)を含むDMEM培地(Invitrogen Life Technologies社)を調製し、培養培地とした。
2)Caco−2細胞の培養
Caco−2細胞(American Type Culture Collection社)を、培養培地を用いてカルチャーフラスコにて継代培養した。
細胞がコンフルエントに達する前に培養培地を除去後、Hank’s balanced salt solution Ca,Mg Free(Invitrogen Life Technologies社)にて洗浄し、0.25%トリプシン/1mM EDTA処理により細胞を剥がし、遠心により回収した。培養培地にて再懸濁し1.18x10cells/mLに調製した。その細胞をcollagen−coated membrane filter(3μm pores,0.33cm growth area)を有するTranswell cell culture chamber(Costar社)に播種し、5%CO、加湿下37℃インキュベーター内で培養した。21〜25日培養後、Millicell−ERS(Millipore社)にて膜抵抗値を測定し、250Ω・cm以上のものを薬物の透過性試験に用いた。
3)薬物透過性試験
TranswellのInside側およびOutside側の培養培地を除去後、透過性試験用の緩衝液10mM HEPES pH7.4あるいは10mM MES pH6.0で置換し、Inside側(0.1mL)はpH6.0、Outside側(0.5mL)はpH7.4に保持した。Inside側を薬液を含む緩衝液(pH6.0)に置換した。37℃でインキュベーションしOutside側に透過された薬物を定量するために1時間後、Outside側の緩衝液を100μL採取した。
膜透過係数を下式により算出した。すなわち、採取されたOutside側の緩衝液中薬物量を時間により除して、単位時間(秒)あたりの透過薬物量を添加薬物濃度および膜表面積で除して算出した。

Papp:膜透過係数(x10−6cm/sec)
dQ/dt:単位時間あたりの薬物透過量
Co:添加薬物濃度(100μM)
A:膜表面積(0.33cm
薬物定量を下記条件のLC/MS/MSにて行った。
1)LC条件
装置:Alliance2690(Waters社)
カラム:Inertsil ODS−3(3μm,4.6×50mm,GL Science社)
移動相:0.1%酢酸/アセトニトリル/混液(60/40%)
流速:0.2mL/min
注入量:10μL
2)MS/MS条件
装置:API−365(PE Sciex社)
イオン化法:エレクトロスプレー法(ESI)
検出:各化合物の分子量+1の質量,[M+H],を検出し、窒素ガスを用いてフラグメンテーションを起こさせたイオンを用いて分析。
結果を表7に示した。

陽性対象として用いたアテノロールは、ヒト消化管吸収率が約50%と標準的な化合物である。本発明の化合物はアテノロールに比べて良好な透過係数を示したことから、ヒトにおいて十分な経口吸収性を有すると期待される。
試験例4
ddYマウス脂肪細胞脂肪分解試験
ddYマウス(体重35g)の副睾丸周囲脂肪組織を摘出し、37℃に加温した培養液(3%BSA,1.2mM CaCl,25mM HEPESを含む重曹不含Krebs−Henseleit液,pH7.4)中でコラゲナーゼ(typeI,1mg/ml)により、単一細胞に分離した。細胞を培養液で洗浄後、50,000個/穴となるように96穴培養プレートに蒔き各種濃度の被験化合物存在下に37℃で培養した。2時間後、培養液中の遊離脂肪酸濃度を測定し脂肪分解の指標とした。遊離脂肪酸濃度はNEFA C−テストワコー(和光純薬)を用いて行った。薬効評価は、イソプロテレノール10−6M添加条件下での遊離脂肪酸濃度を100%として、その50%に対応する遊離脂肪酸濃度の測定される被験化合物濃度をEC50値として評価した。
比較例としてWO99/65877実施例17に記載の(R)−3’−[[2−[[2−(3−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノエトキシ]−[1,1’−ビフェニル]−3−カルボン酸を同様に試験した。これらの結果を表8に示した。

これらの試験の結果、本発明の化合物は、良好な脂肪分解作用を有することが示された。
試験例5
循環血液中遊離脂肪酸濃度測定試験ならびに発熱試験
本発明化合物をddYマウス(SLC)に、1μg/kgから100mg/kgまでの適宜な用量を経口投与した。一定時間経過後に採血し、NEFA C−テストワコー(和光純薬)を用いて血中遊離脂肪酸濃度を測定し、デジタル温度計を用いて直腸温を測定した。
その結果、血中遊離脂肪酸濃度の有意な上昇ならびに有意な体温上昇が観測された。さらに、血中遊離脂肪酸濃度の有意な上昇が観測されない低い投与量においても、有意かつ十分な体温上昇が観測された。
試験例6
血糖、血漿インスリン、血漿中性脂肪、遊離脂肪酸および耐糖能に対する影響
本発明化合物の血糖、血漿インスリン、血漿中性脂肪、遊離脂肪酸および耐糖能に対する影響は、以下のようにして評価することができる。すなわち、本発明化合物をKK−Ay/Ta Jclマウス(日本クレア)に、1μg/kgから100mg/kgの適宜な用量を、数週間もしくは数ヶ月、1日1回もしくは2回の強制経口投与もしくは混餌にて経口投与する。投与期間を通して、体重と摂餌量を測定する。投与期間終了の前日に採血を行い、生化学パラメータを測定する。生化学パラメータとは血糖値、血漿インスリン値、血漿中性脂肪、および遊離脂肪酸である。また投与期間終了日の翌日に経口ブドウ糖負荷試験を行い、血糖値と血漿インスリン値の経時変化を測定し、耐糖能試験を実施する。
試験例7
循環器に対する影響
本発明化合物のβ−およびβ−アドレナリン受容体刺激作用の有無を、それぞれ心拍数および血圧の変動を指標として調べた。
ウレタン麻酔下のSDラット(SLC)の頚動脈に、ヘパリン添加生理食塩水を満たしたポリエチレンカテーテルを挿入した。カテーテルの他端は圧トランスデューサーに接続し、アンプを介して血圧を測定した。またアンプに接続した計数計により心拍数を測定した。
本発明化合物を適切な溶媒に溶解し、最低用量10μg/kgから最大用量1mg/kgまでSDラットに静脈内投与した。各々の用量について被験薬投与後一定時間経過後の血圧と心拍数を測定し、投与前の数値と比較した。いずれも極めて軽微な変化であった。
また本発明化合物を適切な溶媒に溶解し、最低用量1ng/kgから最大用量10mg/kgまでペントバルビタール麻酔下のカニクイサルに静脈内投与した。各々の用量について被験薬投与後一定時間経過後の血圧と心拍数を測定し、投与前の数値と比較した。各用量において、血圧ならびに心拍数の変化はラット同様に極めて軽微であった。
これらの試験の結果、本発明化合物の循環器への影響は極めてわずかであり、β−およびβ−アドレナリン受容体刺激作用に由来する副作用発現の可能性の低いことが示唆された。
試験例8
急性毒性試験
本発明化合物を適切な溶媒に溶解し、400mg/kgをSDラット(SLC)に静脈内投与した。全例に死亡例は観測されず、本発明化合物の毒性の低さが示唆された。
【産業上の利用可能性】
本発明の前記一般式(I)で表される化合物はヒトβ−アドレナリン受容体に対して強力な刺激作用を有するので、肥満症、糖尿病、高脂血症、うつ病、排尿障害、胆石および胆道運動亢進に由来する疾患、または消化管機能亢進に由来する疾患の治療または予防剤として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):

[式中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または低級アルキル基であり;
、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、低級アルコキシ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、環状アミノ基、ジ(低級アルキル)アミノ低級アルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ヘテロアリール基、シアノ基、水酸基、低級アシル基、低級アルキルスルファニル基、低級アルキルスルホニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基またはアラルキルオキシカルボニル基を表すか、あるいはRおよびRが隣接する場合、それらが結合して−O−(CH−O−、−O−(CH−または−(CH−を形成し、
ここで、mは、1〜3の整数を表し、
nは、2〜4の整数を表し、
pは、3〜5の整数を表し;
は、−C(O)−R10、−A−C(O)−R10、−O−A−C(O)−R10またはテトラゾール−5−イル基であり、
ここで、R10は、水酸基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、または−NR1112を表し、
11およびR12は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基または低級アルコキシカルボニル低級アルキル基を表すか、あるいはR11およびR12が、それらが結合している窒素原子と一緒になって環状アミンを形成し、
は、低級アルキレン基または低級アルケニレン基であり、
は、低級アルキレン基である]
で表される化合物またはそのプロドラッグ、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩。
【請求項2】
およびRが、水素原子であり、
およびRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、低級アルキルスルファニル基、水酸基、または低級アシル基であり、
が、−C(O)−R10または−OCHC(O)−R10であり、
10が、水酸基、低級アルコキシ基またはアラルキルオキシ基であり、
但し、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つは、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基である、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項3】
が、ビフェニル結合に対してパラ位に結合する、請求項2に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項4】
が水素原子であり、
が、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、水酸基または低級アシル基である、請求項3に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項5】
およびRが水素原子であり、
が、水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基であり、
が、ハロゲン原子または低級アルキル基である、請求項4に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項6】
が、ハロゲン原子または低級アルキル基であり、
およびRが水素原子であり、
が水素原子、ハロゲン原子または低級アルキルである、請求項4に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項7】
が、ビフェニル結合に対してメタ位に結合する、請求項2に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項8】
が水素原子であり、
が、ハロゲン原子または低級アルコキシ基である、請求項7に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項9】
およびRが水素原子であり、
が、水素原子または低級アルキル基であり、
が、低級アルキル基である、請求項8に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項10】
、R、R、R、RおよびRが、水素原子であり、
およびRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、
が、−C(O)−R10または−OCHC(O)−R10であり、
10が、水酸基、低級アルコキシ基またはアラルキルオキシ基である、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項11】
が、ビフェニル結合に対してパラ位に結合する、請求項10に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項12】
が水素原子であり、
が、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシ基またはアリールオキシ基である、請求項11に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩。
【請求項13】
以下からなる群:
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2,3’,5’−トリメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−イソプロピル−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
(3−アセチル−4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−イルオキシ)酢酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2,2’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
2−エチル−4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−イソプロピル−2’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2’−メチル−2−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−メトキシ−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチル−2−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
2−エチル−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’−メチル−2−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
3−シクロペンチル−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
2−エチル−3’−フルオロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
3’−フルオロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ]−2−イソプロピルビフェニル−4−カルボン酸;
3’−フルオロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
(4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2,3’,5’−トリメチルビフェニル−4−イルオキシ)酢酸;
3−ヒドロキシ−4’−{2−[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチル−3−(p−トリルオキシ)ビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−クロロフェノキシ)−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−フルオロフェノキシ)−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−(4−メトキシフェノキシ)−3’,5’−ジメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’−メチル−3−フェノキシビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−(4−メトキシフェノキシ)−3’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
3’−フルオロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ]−3−(4−メトキシフェノキシ)ビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−クロロフェノキシ)−3’−フルオロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2’−メチル−3−フェノキシビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−フルオロフェノキシ)−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2’−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−6−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−6−メトキシ−3’,5’−ジメチルビフェニル−3−カルボン酸;
6−クロロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’,5’−ジメチルビフェニル−3−カルボン酸;
6−クロロ−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3’−メチルビフェニル−3−カルボン酸;
2−エチル−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−イソプロピルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−トリフルオロメチルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−2−プロピルビフェニル−4−カルボン酸;
3−sec−ブチル−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
3−シクロペンチル−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−フェノキシビフェニル−4−カルボン酸;
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−(4−メトキシフェノキシ)ビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−クロロフェノキシ)−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}ビフェニル−4−カルボン酸;
3−(4−フルオロフェノキシ)−4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ]ビフェニル−4−カルボン酸;および
4’−{2−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチルアミノ]エトキシ}−3−(p−トリルオキシ)ビフェニル−4−カルボン酸、
またはその低級アルキルエステル、あるいはそれらの薬理学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、肥満症、糖尿病、高脂血症、うつ病、排尿障害、胆石および胆道運動亢進に由来する疾患、または消化管機能亢進に由来する疾患の治療または予防剤。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩と、β−アドレナリン受容体作動薬以外の抗肥満薬、抗糖尿病剤、抗高脂血症用剤および排尿障害治療薬から選択される少なくとも1種とを組み合わせてなる医薬。
【請求項17】
肥満症、糖尿病、高脂血症、うつ病、排尿障害、胆石および胆道運動亢進に由来する疾患、または消化管機能亢進に由来する疾患の治療または予防剤を製造するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項18】
肥満症、糖尿病、高脂血症、うつ病、排尿障害、胆石および胆道運動亢進に由来する疾患、または消化管機能亢進に由来する疾患の治療または予防方法であって、該方法は請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与する工程を包含する、方法。

【国際公開番号】WO2004/072016
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【発行日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504940(P2005−504940)
【国際出願番号】PCT/JP2004/000893
【国際出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【出願人】(000104560)キッセイ薬品工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】