説明

アルキルスルホスクシネート混合物およびその使用

本発明は、一般式(I)および/または(II)[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物に関する。本発明はまた、該混合物の、化粧組成物および/または医薬組成物の製造における使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキルスルホスクシネートの混合物、および化粧組成物および/または医薬組成物の製造におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧組成物および医薬組成物には、多数の物質が安定かつ均質な状態で存在しなければならない。例えば、様々なエマルションタイプでの油および水の安定かつ簡単な乳化は、不変の課題である。また、多数の(活性)成分(その一部は固体状である)も、とりわけ化粧組成物用および/または医薬組成物用キャリヤー中での活性成分の均質な分布を確実にするため、組成物中で均質に分散または安定化されなければならない。同じことは、液体状(活性)成分にも当てはまる。多数の化合物が既に市販されているにもかかわらず、この課題を解決する新規な化合物を提供することに対する不変の関心が存在する。既知の生成物(例えば、乳化剤、分散剤または安定剤)の場合、特に、電解質適合性、顔料適合性およびアルカリ安定性の改良が必要とされている。更に、噴霧乾燥作業を介して粉末として生成物を製造できることは、これによって生成物の取扱いおよび加工性がはるかに容易になるので関心が持たれている。また、低いpHでさえ安定である化粧組成物および/または医薬組成物を得ることを可能にする生成物を提供できることにも関心が持たれている。特に、エマルション形態の組成物の場合、付加的に貯蔵安定性に関心を持ち、相安定性(相分離せず)、安定な液滴寸法および安定な粘度を言及すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、化粧組成物および/または医薬組成物中の成分として、特に界面活性物質として、例えば乳化剤および/または分散剤として適当である新規な生成物を提供することである。これに関して、特に、高い電解質適合性、良好な顔料適合性および高いアルカリ安定性が重要である。加えて、生成物は、粉末として簡単な方法で製造することができる。更に、該生成物を用いて製造できる化粧組成物および/または医薬組成物が、広いpH範囲にわたって安定であることも重要である。また、組成物が高い貯蔵安定性を有することも重要である。これに関して、エマルションの相分離回避および/または安定な液滴寸法、並びに粘度の安定性が重要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
意外なことに、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物がこれらの目的を達成することが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0005】
アルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物
本発明において、用語「アルキルスルホスクシネート」は、用語「アルキルスルホスクシネートモノエステル」と同義に使用され、一般式(I)および/または(II):
【化1】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示される化合物の全てを指称する。
【0006】
本発明は、一般式(I)および/または(II):
【化2】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルに基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を提供する。
【0007】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、0〜90%、0〜80%、0〜70%、0〜60%、0〜50%、0〜40%、0〜30%、0〜20%、または0〜10%の、一般式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、または90〜100%の、一般式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、0〜90%、0〜80%、0〜70%、0〜60%、0〜50%、0〜40%、0〜30%、0〜20%、または0〜10%の、一般式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、または90〜100%の、一般式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。
【0008】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の好ましい態様では、本発明の混合物は、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルおよび式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、[10〜1]:1、特に[8〜1]:1、好ましくは[6〜1.5]:1、とりわけ[4〜2]:1、より好ましくは[3.5〜2.5]:1の重量比で含んでなる。本発明の1つの態様では、混合物は、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートおよび式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートを、3:1の重量比で含んでなる。
【0009】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の別の態様では、本発明の混合物は、式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルおよび式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、[10〜1]:1、特に[8〜1]:1、好ましくは[6〜1.5]:1、とりわけ[4〜2]:1、より好ましくは[3.5〜2.5]:1の重量比で含んでなる。
【0010】
従って、本発明は、1つの態様として、一般式(I):
【化3】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を含む。
【0011】
従って、本発明は、1つの態様として、一般式(II):
【化4】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を含む。
【0012】
本発明の好ましい態様では、XおよびYは各々独立に、Na、K、Mg、CaおよびNHからなる群から選択される。XとYが同じである混合物が特に好適であり、XおよびYが各々Naであることが好ましい。
【0013】
Rは、直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22、好ましくはC8〜18のアルキル基である。その例は、n−オクチル、i−オクチル、n−ノニル、i−ノニル、n−デシル、i−デシル、n−ウンデシル、i−ウンデシル、n−ドデシル(慣用名:ラウリル)、i−ドデシル、n−トリデシル、i−トリデシル、n−テトラデシル、i−テトラデシル、n−ペンタデシル、i−ペンタデシル、n−ヘキサデシル(慣用名:セチル)、i−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、i−ヘプタデシル、n−オクタデシル(慣用名:ステアリル)、i−オクタデシルおよびn−オクタデセニル(オレイル)を包含する。
【0014】
本発明の好ましい態様では、本発明の混合物は、アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて15重量%未満、特に10重量%未満、好ましくは5重量%未満の、一般式(I)および(II)[式中、Rは分岐アルキル基である。]で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0015】
本発明の好ましい態様では、本発明の混合物は、アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて15重量%未満、特に10重量%未満、好ましくは5重量%未満の、一般式(I)および(II)[式中、Rは不飽和アルキル基である。]で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0016】
本発明の混合物は、30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%、特に45〜55重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。用語「C16アルキルスルホスクシネートモノエステル」は、一般式(I)および/または(II)[式中、RはC16アルキル基である。]で示される化合物を指称する。本発明の混合物は、好ましくは、一般式(I)および/または(II)[式中、Rは直鎖飽和C16アルキル基(=ヘキサデシル基、慣用名:セチル基)である。]で示される化合物を含んでなる。
【0017】
本発明の混合物は、30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%、特に45〜55重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。用語「C18アルキルスルホスクシネートモノエステル」は、一般式(I)および/または(II)[式中、RはC18アルキル基である。]で示される化合物を指称する。本発明の混合物は、好ましくは、一般式(I)および/または(II)[式中、Rは直鎖飽和C18アルキル基(=オクタデシル基、慣用名:ステアリル基)である。]で示される化合物を含んでなる。
【0018】
16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの重量%は、混合物中に存在する一般式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づく。
【0019】
製造の結果として、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は、30重量%までの二次成分を含んでなり得る。二次成分は例えば、エステル化反応からの未転化反応体(例えば脂肪アルコールまたは無水マレイン酸)、または製造中に生じる副生物(例えばジエステル)である。従って、用語「アルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物」は、少なくとも70重量%の一般式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステル、および0〜30重量%の二次成分を含んでなる混合物を包含する。
【0020】
本発明の好ましい態様では、脂肪アルコールの含有量は、混合物中のアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
【0021】
本発明において脂肪アルコールは、6〜22個の炭素原子を含有する、直鎖の飽和または不飽和の第一級アルコール(アルカン−1−オール)を意味すると理解される。
【0022】
意外なことに、アルキルスルホスクシネートモノエステルに基づいて10重量%以下の脂肪アルコール含有量を有するアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物が、特に効果的に噴霧乾燥でき、従って、技術的に簡単な方法で粉末が得られることが見出された。
【0023】
本発明は更に、一般式(I)および/または(II):
【化5】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を提供する。
【0024】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0025】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、0〜90%、0〜80%、0〜70%、0〜60%、0〜50%、0〜40%、0〜30%、0〜20%、または0〜10%の、一般式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、または90〜100%の、一般式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、0〜90%、0〜80%、0〜70%、0〜60%、0〜50%、0〜40%、0〜30%、0〜20%、または0〜10%の、一般式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、または90〜100%の、一般式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。
【0026】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の好ましい態様では、本発明の混合物は、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルおよび式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、[10〜1]:1、特に[8〜1]:1、好ましくは[6〜1.5]:1、とりわけ[4〜2]:1、より好ましくは[3.5〜2.5]:1の重量比で含んでなる。本発明の1つの態様では、混合物は、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートおよび式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートを、3:1の重量比で含んでなる。
【0027】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の別の態様では、本発明の混合物は、式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルおよび式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、[10〜1]:1、特に[8〜1]:1、好ましくは[6〜1.5]:1、とりわけ[4〜2]:1、より好ましくは[3.5〜2.5]:1の重量比で含んでなる。
【0028】
従って、本発明は、1つの態様として、一般式(I):
【化6】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を含む。
【0029】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0030】
従って、本発明は、1つの態様として、一般式(II):
【化7】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を含む。
【0031】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0032】
本発明の好ましい態様では、XおよびYは各々独立に、Na、K、Mg、CaおよびNHからなる群から選択される。XとYが同じである混合物が特に好適であり、XおよびYが各々Naであることが好ましい。
【0033】
Rは、直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22、好ましくはC8〜18のアルキル基である。その例は、n−オクチル、i−オクチル、n−ノニル、i−ノニル、n−デシル、i−デシル、n−ウンデシル、i−ウンデシル、n−ドデシル(慣用名:ラウリル)、i−ドデシル、n−トリデシル、i−トリデシル、n−テトラデシル、i−テトラデシル、n−ペンタデシル、i−ペンタデシル、n−ヘキサデシル(慣用名:セチル)、i−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、i−ヘプタデシル、n−オクタデシル(慣用名:ステアリル)、i−オクタデシルおよびn−オクタデセニル(オレイル)を包含する。
【0034】
この態様では、本発明の混合物は、混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%、特に45〜55重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。用語「C16アルキルスルホスクシネートモノエステル」は、一般式(I)および/または(II)[式中、RはC16アルキル基である。]で示される化合物を指称する。混合物は、好ましくは、一般式(I)および/または(II)[式中、Rは直鎖飽和C16アルキル基(=ヘキサデシル基、慣用名:セチル基)である。]で示される化合物を含んでなる。
【0035】
この態様では、本発明の混合物は、混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%、特に45〜55重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。用語「C18アルキルスルホスクシネートモノエステル」は、一般式(I)および/または(II)[式中、RはC18アルキル基である。]で示される化合物を指称する。混合物は、好ましくは、一般式(I)および/または(II)[式中、Rは直鎖飽和C18アルキル基(=オクタデシル基、慣用名:ステアリル基)である。]で示される化合物を含んでなる。
【0036】
製造の結果として、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は、30重量%までの二次成分を含んでなり得る。二次成分は例えば、エステル化反応からの未転化反応体(例えば脂肪アルコールまたは無水マレイン酸)、または製造中に生じる副生物(例えばジエステル)である。従って、用語「アルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物」は、少なくとも70重量%の一般式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステル、および0〜30重量%の二次成分を含んでなる混合物を包含する。
【0037】
本発明の好ましい態様では、脂肪アルコールの含有量は、混合物中のアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
【0038】
本発明において脂肪アルコールは、6〜22個の炭素原子を含有する、直鎖の飽和または不飽和の第一級アルコール(アルカン−1−オール)を意味すると理解される。
【0039】
意外なことに、アルキルスルホスクシネートモノエステルに基づいて10重量%以下の脂肪アルコール含有量を有するアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物が、特に効果的に噴霧乾燥でき、従って、技術的に簡単な方法で粉末が得られることが見出された。
【0040】
製造
本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は、例えば、C16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを特許請求した割合で混合することによって得られる。個々のアルキルスルホスクシネートモノエステルは、例えば、無水マレイン酸と適当なC16またはC18脂肪アルコールとを、当業者に既知の方法で反応させることによって得られる。しかしながら、それらは、例えば、無水マレイン酸と適当な脂肪アルコール混合物とを反応させることによって得ることもできる。適当な脂肪アルコール混合物の例は、C16/C18脂肪アルコール混合物であり、これは、Cognis GmbHからLanette(登録商標) O(技術的名称:セテアリルアルコール)の商品名で入手可能である。遊離脂肪アルコールは、当業者に既知の方法(例えば蒸留)によって、反応混合物から除去することができる。
【0041】
使用
意外なことに、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物が、安定な化粧組成物および/または医薬組成物をもたらすことが見出された。本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は、特に、有利な乳化剤であることが見出された。本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は、更に、化粧組成物および/または医薬組成物中で固体状(活性)成分を安定化または分散するために有利であることが見出された。意外なことに、電解質含有量の高い組成物も安定な状態で得られる。更に、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は、顔料またはUVフィルターの化粧組成物および/または医薬組成物への安定な配合または乳化を可能にする。加えて、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は、アルカリ性組成物中で驚くべき安定性を示す。本発明の混合物はまた、低いpHでさえ安定に、化粧組成物および/または医薬組成物が得られることを可能にする。更に、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は、安定なエマルションの製造を可能にする。従って、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は、化粧組成物および/または医薬組成物の成分として適している。
【0042】
本発明は、一般式(I)および/または(II):
【化8】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物の、化粧組成物および/または医薬組成物の製造における使用を提供する。
【0043】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、0〜90%、0〜80%、0〜70%、0〜60%、0〜50%、0〜40%、0〜30%、0〜20%、または0〜10%の、一般式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、または90〜100%の、一般式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、0〜90%、0〜80%、0〜70%、0〜60%、0〜50%、0〜40%、0〜30%、0〜20%、または0〜10%の、一般式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、または90〜100%の、一般式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。
【0044】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の好ましい態様では、本発明の混合物は、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルおよび式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、[10〜1]:1、特に[8〜1]:1、好ましくは[6〜1.5]:1、とりわけ[4〜2]:1、より好ましくは[3.5〜2.5]:1の重量比で含んでなる。本発明の1つの態様では、混合物は、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートおよび式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートを、3:1の重量比で含んでなる。
【0045】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の別の態様では、本発明の混合物は、式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルおよび式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、[10〜1]:1、特に[8〜1]:1、好ましくは[6〜1.5]:1、とりわけ[4〜2]:1、より好ましくは[3.5〜2.5]:1の重量比で含んでなる。
【0046】
従って、本発明は、1つの態様として、一般式(I):
【化9】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物の、化粧組成物および/または医薬組成物の製造における使用を含む。
【0047】
従って、本発明は、1つの態様として、一般式(II):
【化10】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物の、化粧組成物および/または医薬組成物の製造における使用を含む。
【0048】
本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は特に、界面活性物質として、例えば乳化剤および/または分散剤として適している。
【0049】
本発明は更に、一般式(I)および/または(II):
【化11】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%含んでなる、化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0050】
本発明はより好ましくは、一般式(I)および/または(II):
【化12】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%含んでなる、化粧組成物および/または医薬組成物であって、一般式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルに基づいて10重量%未満、特に5重量%未満の脂肪アルコールを含んでなることを特徴とする化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0051】
本発明はまた、一般式(I)および/または(II):
【化13】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステル混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物の、化粧組成物および/または医薬組成物の製造における使用を提供する。
【0052】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0053】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、0〜90%、0〜80%、0〜70%、0〜60%、0〜50%、0〜40%、0〜30%、0〜20%、または0〜10%の、一般式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、または90〜100%の、一般式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、0〜90%、0〜80%、0〜70%、0〜60%、0〜50%、0〜40%、0〜30%、0〜20%、または0〜10%の、一般式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。本発明の混合物は、例えば、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、または90〜100%の、一般式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなり得る。
【0054】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の好ましい態様では、本発明の混合物は、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルおよび式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、[10〜1]:1、特に[8〜1]:1、好ましくは[6〜1.5]:1、とりわけ[4〜2]:1、より好ましくは[3.5〜2.5]:1の重量比で含んでなる。本発明の1つの態様では、混合物は、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートおよび式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートを、3:1の重量比で含んでなる。
【0055】
これらの本発明の混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、所望の割合で含んでなり得る。本発明の別の態様では、本発明の混合物は、式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルおよび式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルを、[10〜1]:1、特に[8〜1]:1、好ましくは[6〜1.5]:1、とりわけ[4〜2]:1、より好ましくは[3.5〜2.5]:1の重量比で含んでなる。
【0056】
従って、本発明は、1つの態様として、一般式(I):
【化14】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物の、化粧組成物および/または医薬組成物の製造における使用を含む。
【0057】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0058】
従って、本発明は、1つの態様として、一般式(II):
【化15】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物の、化粧組成物および/または医薬組成物の製造における使用を含む。
【0059】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0060】
本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は特に、界面活性物質として、例えば乳化剤および/または分散剤として適している。
【0061】
本発明は更に、一般式(I)および/または(II):
【化16】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%含んでなる、化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0062】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0063】
本発明はより好ましくは、一般式(I)および/または(II):
【化17】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%含んでなる、化粧組成物および/または医薬組成物であって、一般式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルに基づいて10重量%未満、特に5重量%未満の脂肪アルコールを含んでなることを特徴とする化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0064】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0065】
化粧組成物および/または医薬組成物は、ボディケアのための組成物、例えば、ボディミルク、クリーム、ローション、噴霧可能なエマルション、体臭を消すための製品などであり得る。本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は、界面活性剤含有組成物、例えば、シャワージェルおよびバスジェル、シャンプーおよびケアリンスに使用することもできる。最終用途に従って、化粧組成物および/または医薬組成物は、一連の更なる助剤および添加剤、例えば、界面活性剤、油体、(更なる)界面活性物質(例えば乳化剤または界面活性剤)、真珠光沢ワックス、コンシステンシー付与剤、増粘剤、過脂肪剤、安定剤、ポリマー、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、生物活性成分、フケ防止剤、フィルム形成剤、膨潤剤、虫除け剤、セルフタンニング剤、チロシナーゼ阻害剤(脱色剤(depigmenting agent))、ヒドロトロープ、可溶化剤、防腐剤、香油、染料などを含んでなる。
【0066】
本発明の化粧組成物および/または医薬組成物は、例えば、O/WケアエマルションまたはW/Oケアエマルションとして、多重エマルション(例えばW/O/WエマルションまたはO/W/Oエマルション)、日焼け止め剤、制汗/消臭剤、装飾用化粧品のための組成物、油性ケア組成物、および基材(例えば紙製品および不織製品)のための含浸液として存在し得る。例は、ウェットワイプ、ティッシュ、オムツまたは衛生用品を包含する。
【0067】
本発明のアルキルスルホスクシネート混合物並びに本発明の化粧組成物および/または医薬組成物は特に、手軽な噴霧可能の用途に、および/または乳幼児衛生分野、乳幼児ケア、スキンケア、日焼け防止、日焼け後の処置、虫除け、クレンジング、フェイスクレンジング、制汗/消臭の用途における、ティッシュ、紙、ワイプ、スポンジ(例えばポリウレタンスポンジ)、絆創膏のためのケアエマルションの成分として、適している。それらは、クレンジング、衛生および/またはケアの分野での使用が知られている、ティッシュ、紙、ワイプ、不織製品、スポンジ、パフ、絆創膏および包帯に適用され得る(乳幼児衛生および乳幼児ケアのためのウェットワイプ、クレンジングワイプ、フェイスクレンジングワイプ、スキンケアワイプ、皮膚老化に対する活性成分を含有するケアワイプ、日焼け止め剤および虫除け剤を含有するワイプ、装飾用化粧品のためのワイプまたは日焼け後の処置のためのワイプ、トイレ用ウェットワイプ、制汗用ワイプ、オムツ、ティッシュ、ウェットワイプ、衛生用品、セルフタンニングワイプ、トイレットペーパー、リフレッシュ用ワイプ、アフターシェーブ用ワイプ)。それらは、毛髪のケア、毛髪の洗浄または毛髪の着色のための組成物に使用することもできる。本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は特に、装飾用化粧組成物(例えば、口紅、アイメイク(例として、アイシャドウ、マスカラ、アイペンシル、コール)、マニキュア液など、およびメーキャップ用組成物)の成分として適している。
【0068】
本発明のアルキルスルホスクシネート混合物は特に、紫外線保護フィルターを安定に乳化または分散させるために使用することができる。従って、本発明は更に、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化18】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種の紫外線保護フィルター
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0069】
本発明はまた、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化19】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種の紫外線保護フィルター
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0070】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0071】
本発明によれば、適当な紫外線保護フィルターは、紫外線を吸収して、吸収したエネルギーをより長波長の放射線(例えば熱)として再び放出できる、室温で液体状または結晶性の有機物質(光保護フィルター)である。UVフィルターは、油溶性または水溶性であり得る。典型的な油溶性UV Bフィルターおよび/または広域スペクトルUV A/Bフィルターの例は以下を包含する:
・3−ベンジリデンカンファーまたは3−ベンジリデンノルカンファー(Mexoryl SDS 20)およびその誘導体、例えばEP 0693471 B1に記載されているような3−(4−メチルベンジリデン)カンファー;
・3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチルスルフェート(Mexoryl SO);
・3,3’−(1,4−フェニレンジメチン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−メタンスルホン酸)およびその塩(Mexoryl SX)
・3−(4’−スルホ)−ベンジリデンボルナン−2−オンおよびその塩(Mexoryl SL)
・N−{(2および4)−[2−オキソボルン−3−イリデン)メチル}ベンジル]アクリルアミドのポリマー(Mexoryl SW)
・2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(Mexoryl SL)
・4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは、2−エチルヘキシル 4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−オクチル 4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、およびアミル 4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート;
・桂皮酸エステル、好ましくは、2−エチルヘキシル 4−メトキシシンナメート、プロピル 4−メトキシシンナメート、イソアミル 4−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−フェニルシンナメート(オクトクリレン);
・サリチル酸エステル、好ましくは、2−エチルヘキシルサリチレート、4−イソプロピルベンジルサリチレート、ホモメンチルサリチレート;
・ベンゾフェノン誘導体、好ましくは、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
・ベンザルマロン酸エステル、好ましくはジ−2−エチルヘキシル 4−メトキシベンズマロネート;
・トリアジン誘導体、例えば、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジンおよびEP 0818450 A1に記載されているような2,4,6−トリス[p−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)−アニリノ]−1,3,5−トリアジン(Uvinul T 150)、またはビス(2−エチルヘキシル)4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ベンゾエート(Uvasorb(登録商標) HEB)など;
・2,2−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(Tinosorb M);
・2,4−ビス[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Tinosorb S);
・プロパン−1,3−ジオン、例えば1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン;
・EP 0694521 B1に記載されているようなケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体;
・ジメチコジエチルベンザルマロネート(Parsol SLX)。
【0072】
有用な水溶性UVフィルターは以下を包含する:
・2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、およびそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカンモニウム塩;
・2,2−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、モノナトリウム塩)(Neo Heliopan AP);
・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩;
・3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば、4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)−ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸およびそれらの塩。
【0073】
有用な典型的なUV Aフィルターは特に、ベンゾイルメタン誘導体、例えば1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標) 1789)、1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオン、およびDE 19712033 A1(BASF)に記載されているようなエナミン化合物、並びに安息香酸2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標) A plus)である。
【0074】
UV AフィルターおよびUV Bフィルターはもちろん、混合物として用いてもよい。特に好適な組み合わせは、ベンゾイルメタン誘導体、例えば4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標) 1789)および2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−フェニルシンナメート(オクトクリレン)と、桂皮酸エステル、好ましくは2−エチルヘキシル 4−メトキシシンナメートおよび/またはプロピル 4−メトキシシンナメートおよび/またはイソアミル 4−メトキシシンナメートとからなる。このタイプの組み合わせは有利には、水溶性フィルター、例えば、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカンモニウム塩と組み合わせる。
【0075】
適当な紫外線保護フィルターは特に、Commission Directiveの添付書類VII(バージョン:その添付書類VIIを技術的進歩に適合させる目的で化粧品に関してCouncil Directive 76/768/EECを補正した、2005年1月28日のCommission Directive 2005/9/EC)に認可されている物質であり、これによって明確に言及がなされている。
【0076】
一次光保護物質の前記群に加えて、紫外線が皮膚に侵入した際に誘発される光化学反応連鎖を遮断する、酸化防止剤型の二次光保護剤を使用することも可能である。その典型例は以下である:非常に少ない許容量(例えばpmol〜mol/kg)での、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびそれらの誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えば、−カロテン、−カロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびそれらの誘導体、リポ酸およびそれらの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、並びにそれらのグリコシルエステル、N−アセチルエステル、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、アミルエステル、ブチルエステルおよびラウリルエステル、パルミトイルエステル、オレイルエステル、リノレイルエステル、コレステリルエステルおよびグリセリルエステル)並びにそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、並びにスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタ−チオニンスルホキシミン;そして、(金属)キレート剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(例えば、γ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびそれらの誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよびそれらの誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよびその誘導体(ビタミンAパルミテート)、およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびそれらの誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク酸、ノルジヒドログアヤレト酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、酸化スチルベン、トランス−酸化スチルベン)、並びに本発明に適したこれら特定の活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)。
【0077】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化20】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
4−メチルベンジリデンカンファー、ベンゾフェノン−3、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、エチルヘキシルトリアゾンおよびジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチルスルフェート、3,3’−(1,4−フェニレンジメチン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−メタンスルホン酸)およびその塩、3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オンおよびその塩、N−{(2および4)−[2−オキソボルン−3−イリデン)メチル}ベンジル]アクリルアミドのポリマー、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール、ジメチコジエチルベンザルマロネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される紫外線保護フィルターの少なくとも1種
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0078】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化21】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
4−メチルベンジリデンカンファー、ベンゾフェノン−3、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、エチルヘキシルトリアゾンおよびジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチルスルフェート、3,3’−(1,4−フェニレンジメチン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−メタンスルホン酸)およびその塩、3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オンおよびその塩、N−{(2および4)−[2−オキソボルン−3−イリデン)メチル}ベンジル]アクリルアミドのポリマー、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール、ジメチコジエチルベンザルマロネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される紫外線保護フィルターの少なくとも1種
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0079】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0080】
これらの紫外線保護フィルターは、例えば以下の商品名で市販されている:NeoHeliopan(登録商標) MBC(INCI:4−メチルベンジリデンカンファー、製造メーカー:Symrise);NeoHeliopan(登録商標) BB(INCI:ベンゾフェノン−3、製造メーカー:Symrise);Parsol(登録商標) 1789(INCI:ブチルメトキシジベンゾイルメタン、製造メーカー:Hoffmann-La Roche(Givaudan));Tinosorb(登録商標) S(INCI:ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン);Tinosorb(登録商標) M(INCI:メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、製造メーカー:Ciba Specialty Chemicals Corporation);Uvasorb(登録商標) HEB(INCI:ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、製造メーカー:3V Inc.);Uvinul(登録商標) T 150(INCI:エチルヘキシルトリアゾン、製造メーカー:BASF AG);Uvinul(登録商標) A plus(INCI:ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、製造メーカー:BASF AG);Mexoryl(登録商標) SO(3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチルスルフェート、INCI:カンファーベンザルコニウムメトスルフェート);Mexoryl(登録商標) SX(3,3’−(1,4−フェニレンジメチン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−メタンスルホン酸))、CTFA(INCI:テレフタリリデンジカンファースルホン酸);Mexoryl(登録商標) SL(3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オン、INCI:ベンジリデンカンファースルホン酸);Mexoryl(登録商標) SW(N−{(2および4)−[2−オキソボルン−3−イリデン)メチル}ベンジル]アクリルアミドのポリマー、INCI:ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー);Mexoryl(登録商標) SL(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール、INCI:ベンジリデンカンファースルホン酸);Parsol(登録商標) SLX(ジメチコジエチルベンザルマロネート、INCI:ポリシリコーン−15;Mexoryl(登録商標) XL(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール、INCI:ドロメトリゾールトリシロキサン)。
【0081】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化22】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
光保護顔料の群から、特に酸化亜鉛および酸化チタンの群から選択される紫外線保護フィルターの少なくとも1種
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0082】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化23】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
光保護顔料の群から、特に酸化亜鉛および酸化チタンの群から選択される紫外線保護フィルターの少なくとも1種
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0083】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0084】
意外なことに、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物が、紫外線保護フィルターを、特に光保護顔料を効果的に分散または安定化し、従って、化粧組成物および/または医薬組成物において、紫外線保護フィルターの均一な分布を確実にすることが見出された。
【0085】
有用な光保護顔料は、微分散された金属酸化物および塩を包含する。適当な金属酸化物の例は、特に酸化亜鉛および二酸化チタン、更に酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化セリウムおよびそれらの混合物である。使用される塩は、シリケート(タルク)、硫酸バリウムまたはステアリン酸亜鉛であり得る。酸化物および塩は、スキンケアエマルションおよび皮膚保護エマルションのため、および装飾用化粧品のための顔料として使用される。その粒子は、100nm未満、好ましくは5〜50nm、特に15〜30nmの平均直径を有すべきである。それらは球状であり得るが、楕円体、または球形状から幾分逸脱した形状のものを使用することもできる。顔料は、表面処理された状態、即ち親水化状態または疎水化状態で存在することもできる。その典型例は、被覆された二酸化チタン、例えば、T 805二酸化チタン(Degussa)またはEusolex(登録商標) T、Eusolex(登録商標) T-2000、Eusolex(登録商標) T-Aqua、Eusolex(登録商標) AVO、Eusolex(登録商標) T-ECO、Eusolex(登録商標) T-OLEOおよびEusolex(登録商標) T-S(Merck)である。その典型例は、酸化亜鉛、例えば、酸化亜鉛neutral、酸化亜鉛NDM(Symrise)またはZ-Cote(登録商標)(BASF)またはSUNZnO-ASおよびSUNZnO-NAS(Sunjun Chemical Co. Ltd.)である。適当な疎水性被覆剤は特に、シリコーン、とりわけトリアルコキシオクチルシランまたはシメチコンである。日焼け止め組成物では、ミクロ顔料またはナノ顔料を用いることが好ましい。微粉化された酸化亜鉛を使用することが好ましい。更に適当な紫外線保護フィルターは、P. FinkelによるSOEFW-Journal 122, 8/1996, 第543〜548頁およびParf. Kosm., 第80巻、第3号/1999, 第10〜16頁に見られる。
【0086】
本発明の組成物は、化粧組成物および/または医薬組成物の総重量に基づいて0.5〜30重量%、好ましくは2.5〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%の量で紫外線保護フィルターを含んでなり得る。
【0087】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、一般式(I)および/または(II):
【化24】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種の直接染料または酸化染料前駆体
を含んでなる、皮膚および毛髪を着色するための化粧組成物を提供する。
【0088】
本発明は更に、この化粧組成物の毛髪を着色するための使用、およびこの組成物を用いた毛髪の着色方法または毛髪の色をリフレッシュする方法を提供する。
【0089】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化25】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種の直接染料または酸化染料前駆体
を含んでなる、皮膚および毛髪を着色するための化粧組成物を提供する。
【0090】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0091】
本発明は更に、この化粧組成物の毛髪を着色するための使用、およびこの組成物を用いた毛髪の着色方法または毛髪の色をリフレッシュする方法を提供する。
【0092】
毛髪を着色するため、一般には、1種以上の顕色剤成分同士の、または1種以上の顕色剤成分と1種以上の発色剤成分との酸化カップリングをもたらす酸化染料、または直接染料のいずれかを使用する。発色剤成分および顕色剤成分は、酸化染料前駆体とも称される。
【0093】
使用される顕色剤成分は典型的には、パラ位またはオルト位に更なる遊離のまたは置換されたヒドロキシル基またはアミノ基を含有する第一級芳香族アミン、ジアミノピリジン誘導体、複素環式ヒドラゾン、4−アミノピラゾロン誘導体、並びに2,4,5,6−テトラアミノピリミジンおよびその誘導体である。特定の例は、例えば、p−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン、p−アミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−(2,5−ジアミノフェニル)エタノール、2−(2,5−ジアミノフェノキシ)エタノール、1−フェニル−3−カルボキシアミド−4−アミノ−5−ピラゾロン、4−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノメチル−4−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−4−アミノフェノール、2−ヒドロキシ−4,5,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジヒドロキシ−5,6−ジアミノピリミジンおよび2,5,6−トリアミノ−4−ヒドロキシピリミジンである。
【0094】
使用される発色剤成分は、一般に、m−フェニレンジアミン誘導体、ナフトール、レゾルシノールおよびレゾルシノール誘導体、ピラゾロンおよびm−アミノフェノールである。適当な発色剤物質は特に、c−ナフト’’1,5−、2,7−および1,7−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−2−メチルフェノール、m−アミノフェノール、レゾルシノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、2,4−ジクロロ−3−アミノフェノール、1,3−ビス(2,4−ジアミノフェノキシ)プロパン、2−クロロレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、2−クロロ−6−メチル−3−アミノフェノール、2−メチルレゾルシノールおよび5−メチルレゾルシノールである。
【0095】
更なる通常の染料成分については、"Dermatology"シリーズ、Ch. Culnan, H. Maibach編、Marcel Dekker Inc. publishers, New York, Basle, 1986, 第7巻、Ch. Zviak, The Science of Hair Care, 第7章、第248〜250頁(直接染料)および第8章、第264〜267頁(酸化染料);並びにBundesverband der deutschen Industrie- und Handelsunternehmen fuer Arzneimittel, Reformwaren und Koerperpflegemittel e.V., Mannheimからディスケット状態で入手可能な、"European inventory of cosmetic ingredients", 1996, European Commission[Hnhd-01938 (203-058-I)]出版に明確に言及がなされている。
【0096】
毛髪着色剤は、特に着色が酸化的にもたらされる場合、大気中酸素または他の酸化剤(例えば過酸化水素)によって、典型的には弱酸性からアルカリ性になる。即ち、約5〜11の範囲にpH値を有する。この目的のために、着色剤は、アルカリ化剤、典型的には、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物、アンモニアまたは有機アミンを含んでなる。好ましいアルカリ化剤は、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチルブタノールおよびトリエタノールアミン、およびアルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物である。この群に関して、特に、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、および2−アミノ−2−メチルプロパノールおよび2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールが好ましい。アルカリ化剤として、ω−アミノカプロン酸のようなω−アミノ酸を使用することも可能である。
【0097】
酸化過程で実際に毛髪着色を実施する際、通常の酸化剤、例えば特に、過酸化水素、またはウレア、メラミンまたはホウ酸ナトリウムへの過酸化水素の付加生成物を使用できる。しかしながら、単独の酸化剤として大気中酸素を用いた酸化が好ましいこともある。付加的に、酵素を用いた酸化を実施することも可能である。この場合、酵素は、化合物ごとの酸化をもたらすためと、存在する少量の酸化剤の作用または適当な顕色剤成分(還元剤)から大気中酸素に電子を移動する他の酵素の作用を強めるための両方に使用される。オキシダーゼ、例えば、チロシナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼおよびラッカーゼが好ましいが、グルコースオキシダーゼ、ウリカーゼまたはピルビン酸オキシダーゼも好ましい。少量(例えば組成物全体に基づいて1%以下)の過酸化水素の効果をペルオキシダーゼによって強める方法も挙げるべきである。
【0098】
毛髪の着色直前に、酸化剤組成物を、酸化染料前駆体含有組成物と混合することが適切である。生じた即用毛髪着色組成物は、好ましくは6〜10の範囲にpHを有すべきである。弱アルカリ性媒体中で毛髪着色剤を使用することが特に好ましい。使用温度は、好ましくは頭皮の温度で、15〜40℃の範囲内であり得る。約5〜45分、特に15〜30分の接触時間後、濯ぎによって毛髪着色剤を着色した毛髪から除去する。次いで、シャンプーでの洗浄を、界面活性剤含有量が高いキャリヤー、例えばカラーリングシャンプーを使用した場合は実施する。
【0099】
特に着色することが困難な毛髪の場合、酸化染料前駆体を含有する組成物は、酸化成分との事前の混合なしに毛髪に適用され得る。20〜30分の接触時間の後、場合により中間の濯ぎの後、酸化成分を適用する。10〜20分の更なる接触時間の後、濯ぎ、所望により、シャンプーをする。酸化染料前駆体の事前の適用が毛髪へのより良好な浸透をもたらすと考えられる第一変法におけるこの態様では、対応する組成物は約4〜7のpHに設定される。第二変法では、最初の意図は空気酸化である。この場合、適用される組成物は好ましくは7〜10のpHを有する。続く促進される後酸化では、酸化剤として、酸性化ペルオキソジスルフェート溶液を使用することが好ましいこともある。
【0100】
加えて、色の形成は、組成物への特定の金属イオンの添加によって促進および増強され得る。そのような金属イオンは、例えば、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、Mn2+、Mn4+、Li、Mg2+、Ca2+およびAl3+である。Zn2+、Cu2+およびMn2+が特に適している。金属イオンは、基本的に、生理的適合性塩として使用され得る。好ましい塩は、酢酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、乳酸塩および酒石酸塩である。これら金属塩を使用することによって、色の形成を促進でき、色合いを制御できる。
【0101】
直接染料または酸化染料前駆体は、典型的には、組成物の総重量に基づいて0.001〜0.1重量%の濃度で使用される。
【0102】
本発明の組成物のpHは、基本的に、2〜11の値であり得る。本発明の組成物の目的および使用によって、完全に制御して、pHを選択および調整できる。着色剤には、例えば5〜11のpHが好ましく、6〜10のpHが特に好ましい。このpHを確立するため、化粧目的の使用に適した、実質的に如何なる酸または塩基も使用できる。好ましい塩基は、アンモニア、アルカリ金属水酸化物、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、およびN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンである。典型的には、使用される酸は食品用の酸である。食品用の酸は、典型的な食品消費において消費され、かつ人体に良い影響を与える酸を意味すると理解される。食品用の酸は、例えば、酢酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸およびグルコン酸である。
【0103】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化26】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種の活性制汗/消臭成分
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0104】
本発明は更に、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化27】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種の活性制汗/消臭成分
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0105】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0106】
本発明によれば、適当な活性制汗/消臭成分は、体臭を中和、マスクまたは消す活性成分の全てである。体臭は、離出分泌発汗時に皮膚バクテリアが作用して、不快な臭いのする分解生成物が生成されることによって生じる。適当な活性制汗/消臭成分は特に、制汗剤、エステラーゼ阻害剤、殺菌性または静菌性活性成分および/または汗吸収物質からなる群から選択される化合物である。
【0107】
制汗剤
制汗剤は、アルミニウム塩、ジルコニウム塩または亜鉛塩である。そのような適当な制汗活性成分は、例えば、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、およびそれらと例えば1,2−プロピレングリコールとの錯体、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタートレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、およびそれらと例えばアミノ酸(例としてグリシン)との錯体である。アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロクロロハイドレート、およびそれらの錯体を使用することが好ましい。
【0108】
本発明の組成物は、化粧組成物および/または医薬組成物の総重量に基づいて1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、特に8〜25重量%の量で制汗剤を含んでなり得る。
【0109】
エステラーゼ阻害剤
脇の下に汗が存在すると、バクテリアが汗の中に存在するエステルを分解し、従って臭気物質を放出する細胞外酵素(エステラーゼ、好ましくはプロテアーゼおよび/またはリパーゼ)を生成する。適当なエステラーゼ阻害剤は、好ましくは、クエン酸トリアルキル、例えば、クエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、特にクエン酸トリエチル(Hydagen(登録商標) CAT、Cognis GmbH(ドイツ国デュッセルドルフ在))である。該物質は、酵素活性を阻害し、従って、臭気生成を低減する。可能なエステラーゼ阻害剤である別の物質は、硫酸ステロールまたはリン酸ステロール、例えば、硫酸ラノステロール、リン酸ラノステロール、硫酸コレステロール、リン酸コレステロール、硫酸カンペステロール、リン酸カンペステロール、硫酸スチグマステロール、リン酸スチグマステロール、硫酸シトステロール、リン酸シトステロール、ジカルボン酸およびそれらの塩、例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸、アジピン酸モノエチル、アジピン酸ジエチル、マロン酸およびマロン酸ジエチル、ヒドロキシカルボン酸およびそれらのエステル、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチル、ならびにグリシン酸亜鉛である。
【0110】
本発明の組成物は、化粧組成物および/または医薬組成物の総重量に基づいて0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に0.3〜5重量%の量でエステラーゼ阻害剤を含んでなり得る。
【0111】
殺菌性または静菌性活性成分
適当な殺菌性または静菌性活性成分の典型例は特に、キトサンおよびフェノキシエタノールである。5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノールが特に有効であることが見出された。これは、Ciba-Geigy(スイス国バーゼル在)によってIrgasan(登録商標)ブランドで販売されている。適当な殺菌剤は、基本的に、グラム陽性バクテリアに対して作用する物質の全てであり、その例は以下である:4−ヒドロキシ安息香酸並びにその塩およびエステル、N−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)ウレア、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、クロルヘキシジン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(TTC)、抗菌性臭気物質、チモール、タイム油、オイゲノール、丁子油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、モノカプリン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル(GML)、モノカプリン酸ジグリセリル(DMC)、およびN−アルキルサリチルアミド、例えば、n−オクチルサリチルアミドまたはn−デシルサリチルアミドである。
【0112】
本発明の組成物は、化粧組成物および/または医薬組成物の総重量に基づいて0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の量で殺菌性または静菌性活性成分を含んでなり得る。
【0113】
汗吸収物質
有用な汗吸収物質は、汗の吸収に適当であることが知られている、変性デンプン、例えばDry Flo Plus(National Starch社製)、シリケート、タルクおよび他の類似多形物質を包含する。本発明の組成物は、化粧組成物および/または医薬組成物の総重量に基づいて0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、特に2〜8重量%の量で汗吸収物質を含んでなり得る。
【0114】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化28】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種のセルフタンニング剤
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0115】
本発明は更に、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化29】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種のセルフタンニング剤
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0116】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0117】
セルフタンニング剤は、皮膚を褐色にする物質を意味すると理解される。その例は、メイラード反応によって皮膚内でアミノ酸と反応して着色化合物を生じる、α,β−不飽和アルデヒドを包含する。セルフタンニング剤に有用な活性成分はまた、天然または合成のケトールまたはアルドールも包含する。適当な活性成分の例は、ジヒドロキシアセトン、エリスルロース、グリセロールアルデヒド、アロキサン、ヒドロキシメチルグリオキサール、γ−ジアルデヒド、6−アルド−D−フルクトース、ニンヒドリンおよびメソ−タルタルアルデヒドを包含する。適当なセルフタンニング剤は特に、ジヒドロキシアセトンおよび/またはエリスルロースである。
【0118】
前記活性成分の互いの混合物、または前記活性成分とムコンアルデヒドおよび/またはナフトキノン(例えば、5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ユグロン)および2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン)との混合物が、特に有利であることが見出された。
【0119】
本発明の組成物は、化粧組成物および/または医薬組成物の総重量に基づいて、典型的には1〜10重量%、特に2〜5重量%の濃度でセルフタンニング剤を含んでなる。
【0120】
本発明の好ましい態様では、本発明の化粧組成物および/または医薬組成物は、少なくとも1種のセルフタンニング剤および少なくとも1種の紫外線保護フィルターを含んでなる。
【0121】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化30】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種の顔料および/または染料
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0122】
本発明は更に、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化31】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種の顔料および/または染料
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0123】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0124】
用語「顔料」は、白色または有色、有機または無機であり、組成物に不溶であり、組成物を着色するのに役立つ、任意の種類の粒子を包含する。好ましい態様では、無機顔料を使用し、金属酸化物が特に好ましい。
【0125】
無機顔料の例は、以下を包含する:二酸化チタン、場合により表面被覆された、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、並びに酸化亜鉛、酸化鉄(黒色、黄色または赤色)および酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロムハイドレートおよび鉄(III)ブルー、並びにアルミニウム粉末または銅粉末のような金属粉末。
【0126】
本発明の好ましい態様では、顔料は、無機顔料から、好ましくは金属酸化物から選択される。好ましい態様では、顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0127】
顔料は、単独でまたは混合物として存在し得る。
本発明では、白色顔料(例えば、カオリン、二酸化チタンまたは酸化亜鉛)および無機着色顔料(例えば酸化鉄顔料、酸化クロム)からなる顔料混合物が好ましく、顔料は被覆状態または未被覆状態で存在し得る。着色顔料のうち、酸化鉄が特に好ましい。
【0128】
本発明では有利には、顔料は、化粧組成物に対し、単なる色に加えて付加的特性(例えば、色の角度依存(フロップ)、光沢(表面光沢ではない)または質感)ももたらす効果顔料の群から選択されてもよい。そのような効果顔料は、1種以上の白色顔料および/または着色顔料に加え、本発明に従って有利に使用される。
【0129】
効果顔料の最も重要な群は光沢顔料であり、該顔料は、DIN 55944:2003−11に準じて金属効果顔料および真珠光沢顔料を包含する。一部の特定の効果顔料、例えば、グラファイト小板、酸化鉄小板および微粉化二酸化チタンは、これら二群に分類できない。後者は光沢効果ではなく、むしろ角度依存光散乱効果をもたらす。DIN 55943:2001−10に準じた光沢顔料は主に、効果顔料小板である。平行に配列された光沢顔料は、特徴のある光沢を示す。光沢顔料の視覚効果は、金属粒子(金属効果顔料)上でのまたは高い屈折率を有する透明粒子(真珠光沢顔料)上での有向反射、或いは干渉現象(干渉顔料)に基づく(DIN 55944:2003−11)。
【0130】
本発明に好ましい市販の効果顔料の例は、以下である:Merck社製Timiron and #174、Merck社製Iriodin and #174(装飾用工業用途のための真珠光沢顔料および着色光沢顔料)、Merck社製Xirallic and #174(強い色調の結晶効果顔料)。
【0131】
加えて本発明の組成物は、有利には、有機着色顔料、即ち組成物に実質的に不溶である有機染料も含んでなり得る。DIN 55944:1990−04に準じて、有機顔料は、化学的特徴によってアゾ顔料と多環式顔料とに分類することができ、着色特徴によって有彩顔料と黒色顔料とに分類することができる。
【0132】
本発明において顔料は、有利には、商業的に入手可能な油性分散体または水性分散体として使用することもできる。
【0133】
本発明の組成物は、化粧組成物および/または医薬組成物の総重量に基づいて、典型的には0.1〜40重量%の顔料を含んでなる。
【0134】
本発明ではまた、本発明の組成物が1種以上の染料を含んでなる場合も有利である。
染料は、合成由来のものまたは天然由来のものであり得る。適当な染料のリストは、EP 1 371 359 A2、第8頁の第25〜57行、第9頁、第10頁、第11頁の第1〜54行に見られ、これによって明確に言及がなされている。
【0135】
本発明の組成物は、化粧組成物および/または医薬組成物の総重量に基づいて、典型的には0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%の量で染料を含んでなる。本発明の組成物は、化粧組成物および/または医薬組成物の総重量に基づいて、典型的には0.01〜30重量%、特に0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲で、染料および顔料の総量を含んでなる。
【0136】
適当な染料および顔料は特に、Commission Directiveの添付書類IV(バージョン:その添付書類IVおよびVIを技術的進歩に適合させる目的で化粧品に関してCouncil Directive 76/768/EECを補正した、2007年4月17日のCommission Directive 2007/22/EC)に認可されている染料および顔料であり、これによって明確に言及がなされている。
【0137】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化32】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種の(更なる)界面活性物質および/またはワックス成分および/またはポリマーおよび/または油性物質
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0138】
本発明は更に、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化33】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
少なくとも1種の(更なる)界面活性物質および/またはワックス成分および/またはポリマーおよび/または油性物質
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0139】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0140】
界面活性物質
本発明の1つの態様では、本発明の化粧組成物および/または医薬組成物は、少なくとも1種の界面活性物質を含んでなる。本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて0〜80重量%、特に0〜40重量%、好ましくは0.1〜20重量%、好適には0.1〜15重量%、とりわけ0.1〜10重量%の量で、(本発明のアルキルスルホスクシネート混合物以外の)界面活性物質を含んでなる。
【0141】
適当な界面活性物質は、基本的に、水相と非水相の間の界面張力を低下する任意の物質である。界面活性物質は、乳化剤および界面活性剤を包含する。
【0142】
本発明の化粧組成物および/または医薬組成物が、界面活性物質として、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物を含んでなる場合、この請求項は、更なる界面活性物質の存在に関する。
【0143】
本発明の1つの態様では、本発明の組成物は、2種以上の界面活性物質を含んでなる。当業者は、もう1つの成分に依存して、常套の系(例えば乳化剤および共乳化剤)を使用する。
【0144】
適当な乳化剤は、基本的に、任意の界面活性物質であるが、特に、グリフィン法によって1〜20のHLB値を有する物質である。グリフィン法は、WC Griffin, J. Soc. Cosmet. Chem. 1 (1949) 311;WC Griffin, J. Soc. Cosmet. Chem. 5 (1954) 249に記載されている。各乳化剤にいわゆるHLB値(1〜20の無次元数、グリフィン法)が与えられ、それは、優先的な水溶性または油溶性が存在するかどうかを表している。9未満の数は優先的に油溶性の疎水性乳化剤であることを示し、11より大きい数は、水溶性親水性乳化剤であることを示している。HLB値は、乳化剤の親水性基および親油性基の大きさおよび強度の平衡を表している。
【0145】
二相における乳化剤の溶解性が、エマルションのタイプを有効に決定する。乳化剤が良好な水溶性を有する場合、O/Wエマルションが得られる。これに対して、乳化剤が油相中で良好な溶解性を有する場合、それ以外は同一の製造条件下で、W/Oエマルションが生じる。
【0146】
非イオン性乳化剤
非イオン性乳化剤の群は、例えば以下を包含する:
(1)直鎖C8〜40脂肪アルコール、C12〜40脂肪酸、およびアルキル基中に8〜15個の炭素原子を含有するアルキルフェノールへの、エチレンオキシド2〜50molおよび/またはプロピレンオキシド1〜20molの付加生成物、
(2)グリセロールへのエチレンオキシド1〜50molの付加生成物のC12〜18脂肪酸モノおよびジエステル、
(3)飽和および不飽和C6〜22脂肪酸およびそれらのエチレンオキシド付加生成物の、ソルビタンモノおよびジエステル、
(4)アルキル基中に8〜22個の炭素原子を含有するアルキルモノおよびオリゴグリコシド、およびそれらのエトキシル化類似物、
(5)ひまし油および/または水素化ひまし油へのエチレンオキシド7〜60molの付加生成物、
(6)ポリオール、特にポリグリセリルエステル、例えばポリオールポリ−12−ヒドロキシステアレート、ポリグリセリルポリリシノレエート、ポリグリセリルジイソステアレート、またはポリグリセリルダイメレート。これら物質類の2種以上の化合物の混合物も同様に適当である。
(7)ひまし油および/または水素化ひまし油へのエチレンオキシド2〜15molの付加生成物、
(8)直鎖、分岐、不飽和または飽和C6〜22脂肪酸、リシノール酸および12−ヒドロキシステアリン酸およびポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)に基づく部分エステル、または混合エステル、例えばグリセリルステアレートラクテート、
(9)ポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体、
(10)ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル、および/またはC6〜22脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル。
【0147】
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセリルモノエステルおよび脂肪酸のグリセリルジエステル、脂肪酸のソルビタンモノエステルおよび脂肪酸のソルビタンジエステル、またはひまし油への、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は、既知の市販製品である。これらは、その平均アルコキシル化度が、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、付加反応を実施するための基質との量比に相当する、均質な混合物である。エトキシル化度に依存して、それらは、W/O乳化剤またはO/W乳化剤である。グリセロールへのエチレンオキシドの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、化粧組成物のための脂肪回復剤として知られている。
【0148】
本発明に特に適している穏やかな乳化剤は、ポリオールポリ−12−ヒドロキシステアレートおよびそれらの混合物であり、それらは例えば、Cognis Deutschland GmbHによってDehymuls(登録商標) PGPH(W/O乳化剤)またはEumulgin(登録商標) VL 75(1:1の重量比でのラウリルグルコシドとの混合物、O/W乳化剤)またはDehymuls(登録商標) SBL(W/O乳化剤)の商品名で販売されている。これに関しては特に、EP 766 661 B1を参照することができる。これら乳化剤のポリオール成分は、少なくとも2個、好ましくは3〜12個、特に3〜8個のヒドロキシル基と2〜12個の炭素原子とを含有する物質に由来し得る。
【0149】
特に好ましい乳化剤は、例えば以下である:セチルジメチコンコポリオール(例えばAbil EM-90)、ポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステアレート(例えばDehymuls PGPH)、ポリグリセリル−3 ジイソステアレート(例えばLameform TGI)、ポリグリセリル−4 イソステアレート(例えばIsolan GI 34)、ポリグリセリル−3 オレエート(例えばIsolan GO 33)、ジイソステアロイルポリグリセリル−3 ジイソステアレート(例えばIsolan PDI)、ポリグリセリル−3 メチルグルコースジステアレート(例えばTego Care 450)、ポリグリセリル−3 密蝋(例えばCera Bellina)、ポリグリセリル−4 カプレート(例えばポリグリセロールカプレート T2010/90)、ポリグリセリル−3 セチルエーテル(例えばChimexane NL)、ポリグリセリル−3 ジステアレート(例えばCremophor GS 32)およびポリグリセリルポリリシノレエート(例えばAdmul WOL 1403)、グリセリルオレエート(例えばMonomuls 90-O 18)、アルキルグルコシド(例えばPlantacare 1200、Emulgade PL 68/50、Montanov 68、Tego Care CG 90、Tego Glucosid L 55)、メチルグルコースイソステアレート(例えばTego Care IS)、メチルグルコースセスキステアレート(Tego Care PS)、ナトリウムココイル加水分解小麦タンパク質(例えばGluadin WK)、セチルリン酸カリウム(例えばAmphisol K、Crodafos CKP)、ナトリウムアルキルスルフェート(例えばLanette E)、スクロースエステル(例えばCrodesta F-10、F-20、F-50、F-70、F-110、F-160、SL-40、Emulgade(登録商標) Sucro)、エトキシル化および/またはプロポキシル化された脂肪アルコール、脂肪酸、ひまし油および水素化ひまし油(例えば、Eumulgin B2、B2、B3、L、HRE 40、HRE 60、RO 40、Cremophor HRE 40、HRE 60、L、WO 7、Dehymuls HRE 7、Arlacel 989)、PEG−30 ジポリヒドロキシステアレート(例えばArlacel P 135、Dehymuls LE)、ソルビタンエステル、エトキシル化および/またはプロポキシル化ソルビタンエステル、およびそれらの混合物。特に有効な混合物は、ポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステアレートおよびラウリルグルコシドおよびグリセロールからなる(例えばEumulgin VL 75)。また、ポリグリセリル−4 ジイソステアレート/ポリヒドロキシステアレート/セバケート(Isolan(登録商標) GPS)、ジイソステアロイルポリグリセリル−3 ジイソステアレート(例えばIsolan PDI)、およびアルカリ金属アシルグルタメート(例えばEumulgin SG)も適している。
【0150】
適当な親油性W/O乳化剤は、基本的には、1〜8のHLB値を有する乳化剤であり、それらは、多数の表にした文献に纏められており、当業者に知られている。これら乳化剤の一部は、例えば、Kirk-Othmer, "Encyclopedia of Chemical Technology", 第3版、1979, 第8巻、第913頁に挙げられている。エトキシル化生成物について、HLB値は下記式:
【数1】

[式中、Lは、エチレンオキシド付加生成物中の親油性基(即ち、脂肪アルキル基または脂肪アシル基)の重量分率(単位:重量%)である。]
に従って計算することもできる。
【0151】
W/O乳化剤の群の中で特に有利なものは、以下である:ポリオール、特にC〜Cポリオールの部分エステル、例えばペンタエリスリトールの部分エステル、または糖エステル、例えば、ジステアリン酸スクロース、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノエルカ酸ソルビタン、セスキエルカ酸ソルビタン、ジエルカ酸ソルビタン、トリエルカ酸ソルビタン、モノリシノール酸ソルビタン、セスキリシノール酸ソルビタン、ジリシノール酸ソルビタン、トリリシノール酸ソルビタン、モノヒドロキシステアリン酸ソルビタン、セスキヒドロキシステアリン酸ソルビタン、ジヒドロキシステアリン酸ソルビタン、トリヒドロキシステアリン酸ソルビタン、モノ酒石酸ソルビタン、セスキ酒石酸ソルビタン、ジ酒石酸ソルビタン、トリ酒石酸ソルビタン、モノクエン酸ソルビタン、セスキクエン酸ソルビタン、ジクエン酸ソルビタン、トリクエン酸ソルビタン、モノマレイン酸ソルビタン、セスキマレイン酸ソルビタン、ジマレイン酸ソルビタン、トリマレイン酸ソルビタン、およびそれらの工業用品質の混合物。特定のソルビタンエステルへのエチレンオキシド1〜30mol、好ましくは5〜10molの付加生成物も、乳化剤として適している。
【0152】
組成物に依存して、付加的に、非イオン性O/W乳化剤(HLB値:8〜18)および/または可溶化剤の群からの少なくとも1種の乳化剤を使用することが有利な場合もある。これらは例えば、先に記載され、かつ対応して高いエトキシル化度(例えば、O/W乳化剤については10〜20エチレンオキシド単位、可溶化剤については20〜40エチレンオキシド単位)を有するエチレンオキシド付加生成物である。本発明によれば、Ceteareth-12およびPEG−20 ステアレートが、O/W乳化剤として特に有利である。優先的に適当な可溶化剤は、Eumulgin(登録商標) HRE 40(INCI:PEG−40 水素化ひまし油)、Eumulgin(登録商標) HRE 60(INCI:PEG−60 水素化ひまし油)、Eumulgin(登録商標) L(INCI:PPG−1−PEG−9 ラウリルグリコールエーテル)、およびEumulgin(登録商標) SML 20(INCI:ポリソルベート−20)である。
【0153】
アルキルオリゴグリコシドの群からの非イオン性乳化剤は、特に肌に優しく、従ってO/W乳化剤として優先的に適当である。C〜C22アルキルモノおよびオリゴグリコシド、それらの製造方法および使用は、従来技術から知られている。それらの製造は特に、グルコースまたはオリゴ糖類とC8〜22第一級アルコールとを反応させることによって実施される。グリコシド基に関しては、環式糖基が脂肪アルコールにグリコシド結合しているモノグリコシド、または好ましくは約8までのオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドのいずれも適当である。本発明において、オリゴマー化度は、そのような工業用品質の製品に一般的な同族体分布に基づく統計的平均である。Plantacare(登録商標)の商品名で入手可能な製品は、平均オリゴマー化度が1〜2であるオリゴグルコシド基にグルコシド結合C〜C16アルキル基を含有する。グルカミン由来のアシルグルカミドも、非イオン性乳化剤として適している。本発明によれば、Cognis Deutschland GmbHによってEmulgade(登録商標) PL 68/50の名称で販売され、かつアルキルポリグルコシドと脂肪アルコールとの1:1混合物である製品が好ましい。本発明によれば、ラウリルグルコシド、ポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステアレート、グリセロールおよび水の混合物を使用することも有利であり得、該混合物は、Eumulgin(登録商標) VL 75の名称で市販されている。
【0154】
乳化剤として、レシチンおよびリン脂質のような物質も適している。挙げることができる天然レシチンの例はケファリンであり、これは、ホスファチジン酸とも称され、かつ1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸の誘導体である。一方、リン脂質は通常、リン酸とグリセロールとのモノエステル、好ましくはジエステル(リン酸グリセロール)を意味すると理解され、一般に脂肪に包含される。加えて、スフィンゴシンおよびスフィンゴ脂質も適当である。
【0155】
存在する乳化剤は、例えば、シリコーン乳化剤であり得る。これらは、例えば、アルキルメチコンコポリオールおよび/またはアルキルジメチコンコポリオールの群から、特に、以下の化学構造:
【化34】

[式中、XおよびYは各々独立に、H(水素)、並びに1〜24個の炭素原子を含有する分岐および非分岐のアルキル基、アシル基およびアルコキシ基の群から選択され、pは0〜200であり、qは1〜40であり、rは1〜100である。]
で示される化合物の群から選択され得る。
【0156】
本発明において特に有利に使用されるシリコーン乳化剤の一例は、ジメチコンコポリオールのシリコーン乳化剤であり、それらは、Evonik Goldschmidtによって、AXIL(登録商標) B 8842、ABIL(登録商標) B 8843、ABIL(登録商標) B 8847、ABIL(登録商標) B 8851、ABIL(登録商標) B 8852、ABIL(登録商標) B 8863、ABIL(登録商標) B 8873およびABIL(登録商標) B 88183の商品名で販売されている。
【0157】
本発明において特に有利に使用される界面活性物質の更なる例は、セチル PEG/PPG−10/1 ジメチコン(セチルジメチコンコポリオール)の界面活性物質であり、それらは、Evonik GoldschmidtによってABIL(登録商標) EM 90の商品名で販売されている。
【0158】
本発明において特に有利に使用される界面活性物質の更なる例は、シクロメチコンジメチコンコポリオールの界面活性物質であり、それらは、Evonik GoldschmidtによってABIL(登録商標) EM 97およびABIL(登録商標) WE 09の商品名で販売されている。
【0159】
加えて、乳化剤ラウリル PEG/PPG−18/18 メチコン(ラウリルメチコンコポリオール)が、極めて特に有利であることが見出され、Dow Corning Ltd.からDow Corning(登録商標) 5200 Formulation Aidの商品名で入手可能である。更に有利なシリコーン乳化剤は、Wacker社製のオクチルジメチコンエトキシグルコシドである。
【0160】
本発明のシリコーン油中水型エマルションには、このタイプのエマルションに使用される既知の乳化剤全てを使用できる。本発明に特に好ましいシリコーン中水型乳化剤は、セチル PEG/PPG−10/1 ジメチコンおよびラウリル PEG/PPG−18/18 メチコン[例えば、ABIL(登録商標) EM 90(Evonik Goldschmidt)、DC5200 Formulation Aid(Dow Corning)]およびそれら2つの乳化剤の所望の混合物である。
【0161】
本発明の1つの態様では、本発明の化粧組成物および/または医薬組成物は更に、界面活性物質として、少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる。
【0162】
存在する界面活性物質は、アニオン性、非イオン性、カチオン性および/または両性或いは双性イオン性の界面活性剤であり得る。界面活性剤含有化粧組成物、例えば、シャワージェル、フォームバス、シャンプーなどには、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤が好ましくは存在する。
【0163】
非イオン性界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルおよび混合ホルマール、任意に部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドおよびグルクロン酸誘導体、脂肪酸N−アルキルグルカミド、タンパク質水解物(特に、小麦に基づく植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベートおよびアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を有するなら、それらは通常の同族体分布を有し得るが、好ましくは狭い同族体分布を有する。
【0164】
双性イオン性界面活性剤は、分子内に、少なくとも1個の第四級アンモニウム基と少なくとも1個の−COO(−)基または−SO3(−)基とを含有する界面活性化合物を指称する。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、ベタイン、例として、各々の場合にアルキル基またはアシル基中に8〜18個の炭素原子を含有する、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリンであり、ココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインのINCI名で知られている脂肪酸アミド誘導体である。
【0165】
特に共界面活性剤として、両性界面活性剤も同様に適当である。両性界面活性剤は、分子内にC〜C18アルキルまたはアシル基以外に少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の−COOH基または−SOH基を有し、かつ内部塩を形成できる界面活性化合物を意味すると理解される。適当な両性界面活性剤の例は、各々の場合にアルキル基中に約8〜18個の炭素原子を有する、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12〜18アシルサルコシンである。
【0166】
両性界面活性剤または双性イオン性界面活性剤の典型例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。特定の界面活性剤は、もっぱら既知の化合物である。それら物質の構造および製造方法については、この分野における関連した検討文献を参照できる。特に適当な穏やかな、即ち特に肌に優しい界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、ジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α−オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、および/またはそれらとアルキルオリゴグルコシドカルボキシレート、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、アンフォアセタールおよび/またはタンパク質脂肪酸縮合物(好ましくは小麦タンパク質またはその塩に基づくもの)との混合物である。
【0167】
アニオン性界面活性剤は、水可溶化アニオン性基、例えば、カルボキシレート基、スルフェート基、スルホネート基またはホスフェート基と、親油性基とを特徴とする。皮膚適合性アニオン性界面活性剤は、多数の関連便覧から当業者に知られており、市販されている。これらは特に、C12〜18直鎖アルキルまたはアシル基を含有する、アルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアルカノールアンモニウム塩としてのアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルカーボネート、アシルイセチオネート、アシルサルコシネート、アシルタウリン、並びにアルカリ金属塩またはアンモニウム塩としてのジアルキルスルホスクシネートおよびアシルグルタメートである。
【0168】
アニオン性界面活性剤の典型例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α−メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、ジアルキルスルホスクシネート、モノ−およびジ−アルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えば、アシルラクチレート、アシルタートレート、アシルグルタメートおよびアシルアルパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に小麦の基づく植物生成物)およびアルキル(エーテル)ホスフェートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有するなら、それらは通常の同族体分布を有し得るが、好ましくは狭い同族体分布を有する。適当なアニオン性界面活性剤は、例えば、グリセリルステアレートシトレートである。
【0169】
使用できるカチオン性界面活性剤は特に、第四級アンモニウム化合物である。ハロゲン化アンモニウム、特に塩化アンモニウムおよび臭化アンモニウム、例えば塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムおよび塩化トリアルキルメチルアンモニウム、例えば塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルジメチルアンモニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウムおよび塩化トリセチルメチルアンモニウムが好ましい。加えて、極めて容易に生物分解できる第四級エステル化合物、例えば、Stepantex(登録商標)およびDehyquart(登録商標)シリーズの対応製品として販売されている、ジアルキルアンモニウムメトスルフェートおよびメチルヒドロキシアルキルジアルキルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェートも、カチオン性界面活性剤として使用できる。用語「エステルクオート」は一般に、四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩を意味すると理解される。それらは本発明の組成物に、非常に優れた滑らか感を与え得る。それらは、有機化学の関連法によって製造される既知の物質である。本発明で使用できる別のカチオン性界面活性剤は、四級化タンパク質水解物である。
【0170】
本発明の1つの態様では、本発明の化粧組成物および/または医薬組成物は更に、少なくとも1種のワックス成分を含んでなる。
【0171】
本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、典型的には0〜40重量%、特に0〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、とりわけ0.1〜10重量%の量でワックス成分を含んでなる。
【0172】
用語「ワックス」は典型的には、以下の特性を有する天然または合成の物質および物質混合物の全てを意味すると理解される:固体乃至脆くて堅い、粗結晶性乃至微結晶性、透明乃至濁っている、30℃超で分解することなく溶融する。それらは、融点より僅かに高い温度でさえ低粘度であり、糸曳きせず、非常に温度依存性のコンシステンシーおよび溶解性を示す。本発明では、30℃以上で溶融する、ワックス成分またはワックス成分混合物を使用できる。
【0173】
本発明で使用されるワックスは、所要の融点を有するならば、ワックスのようなコンシステンシーを有する、脂肪および脂肪様物質であってもよい。それらはとりわけ、脂肪(トリグリセリド)、モノ−およびジ−グリセリド、天然および合成ワックス、脂肪およびワックスアルコール、脂肪酸、脂肪アルコールと脂肪酸とのエステル、脂肪酸アミド、またはこれら物質の所望の混合物を包含する。
【0174】
脂肪は、トリアシルグリセロール、即ち脂肪酸とグリセロールとのトリプルエステルを意味すると理解される。それらは好ましくは、飽和、非分枝および未置換脂肪酸基を含有する。それらは、混合エステル、すなわち、グリセロールと様々な脂肪酸とのトリプルエステルであってもよい。本発明では、部分水素化により得られ、かつ特にコンシステンシー調整剤として適している水素化油脂を使用することができる。植物性水素化油脂が好ましく、その例は、水素化された、ひまし油、ピーナッツ油、大豆油、アブラナ種子油、ナタネ油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、パーム油、パーム核油、亜麻仁油、アーモンド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ゴマ油、ココアバターおよびココヤシ脂肪である。
【0175】
適当な例は、グリセロールとC12〜C60脂肪酸、特にC12〜C36脂肪酸とのトリプルエステルを包含する。これらは、水素化ひまし油、例えばCutina HRの名称で市販されているグリセロールとヒドロキシステアリン酸とのトリプルエステルを包含する。トリステアリン酸グリセロール、トリベヘン酸グリセロール(例えば、Syncrowax HRC)、トリパルミチン酸グリセロール、またはSyncrowax HGLCの名称で知られているトリグリセリド混合物も、ワックス成分またはその混合物の融点が30℃以上であるならば、同様に適当である。
【0176】
本発明では、使用できるワックス成分は特に、モノ−およびジ−グリセリド、並びにそれらの部分グリセリドの混合物である。本発明で使用できるグリセリド混合物は、Cognis Deutschland GmbH & Co. KG.によって販売されている、Novata ABおよびNovata B(C12〜C18−モノ−、ジ−およびトリ−グリセリドの混合物)並びにCutina MDまたはCutina GMS(ステアリン酸グリセリル)を包含する。
【0177】
ワックス成分として本発明で使用できる脂肪アルコールは、C12〜C50−脂肪アルコールを包含する。脂肪アルコールは、天然の脂肪、油およびワックス、例えば、ミリスチルアルコール、1−ペンタデカノール、セチルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、1−ノナデカノール、アラキジルアルコール、1−ヘネイコサノール、ベヘニルアルコール、ブラシジルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコールまたはミリシルアルコールから得ることができる。本発明では、飽和非分岐脂肪アルコールが好ましい。しかしながら、本発明では、ワックス成分として不飽和の分岐または非分岐脂肪アルコールを、それらが所要の融点を有するならば、使用することもできる。本発明では、天然由来油脂(例えば、牛脂、ピーナッツ油、ナタネ油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、パーム核油、亜麻仁油、ひまし油、トウモロコシ油、アブラナ種子油、ゴマ油、ココアバターおよびココヤシ脂肪)の還元時に生じるような脂肪アルコールカットを使用することもできる。しかしながら、合成アルコール、例えば、チーグラー合成からの直鎖偶数脂肪アルコール(アルフォール)またはオキソ合成からの部分分枝アルコール(ドバノール)を使用することもできる。本発明では、例えばCognis Deutschland GmbHによってLanette 18(C18−アルコール)、Lanette 16(C16−アルコール)、Lanette 14(C14−アルコール)、Lanette O(C16/C18−アルコール)およびLanette 22(C18/C22−アルコール)の名称で販売されている、C14〜C22−脂肪アルコールが特に好ましい。脂肪アルコールは、トリグリセリドよりも乾燥した皮膚感触を組成物に与えるため、後者より好ましい。
【0178】
使用されるワックス成分は、C14〜C40脂肪酸またはそれらの混合物であってもよい。これらは、例えば、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、エルカ酸およびエレオステアリン酸、および置換脂肪酸、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸、並びに脂肪酸のアミドまたはモノエタノールアミドを包含する。このリストは例示であって特性を限定するものではない。
【0179】
本発明では、例えば、天然植物性ワックス、例えば、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋、木蝋、エスパルトグラスワックス、コルクワックス、グアルマワックス、米胚芽ワックス、サトウキビワックス、オウリカリーワックス、モンタン蝋、ヒマワリワックス、フルーツワックス、例えば、オレンジワックス、レモンワックス、グレープフルーツワックス、ヤマモモワックス、および、動物性ワックス、例えば、密蝋、セラック蝋、鯨蝋、羊毛蝋および尾羽脂を使用することが可能である。本発明において、水素化または硬化ワックスを使用することが有利であり得る。本発明で使用できる天然ワックスは、鉱蝋、例えばセレシンおよびオゾケライト、または石油化学ワックス、例えば、ペトロラタム、パラフィンワックス、マイクロワックスも包含する。使用できるワックス成分は、化学変性ワックス、特に硬質ワックス、例えば、モンタンエステルワックス、サソールワックスおよび水素化ホホバワックスも包含する。本発明で使用できる合成ワックスは、例えば、ワックス様ポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスを包含する。本発明によれば、植物性ワックスが好ましい。
【0180】
ワックス成分はまた、飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸と飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルコールとのワックスエステルの群から、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸(例えば、12−ヒドロキシステアリン酸)と飽和および/または不飽和、分枝および/または非分枝アルコールとのエステルの群から、並びに長鎖ヒドロキシカルボン酸のラクチドの群から選択することができる。そのようなエステルの例は、C16〜C40アルキルステアレート、C20〜C40アルキルステアレート(例えば、Kesterwachs K82H)、ダイマー酸のC20〜C40ジアルキルエステル、C18〜C38アルキルヒドロキシステアロイルステアレートまたはC20〜40アルキルエルケートである。また、C30〜C50アルキル密蝋、クエン酸トリステアリル、クエン酸トリイソステアリル、ヘプタン酸ステアリル、オクタン酸ステアリル、クエン酸トリラウリル、ジパルミチン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、エチレングリコールジ(12−ヒドロキシステアレート)、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸パルミチル、ベヘン酸ステアリル、セチルエステル、ベヘン酸セテアリルおよびベヘン酸ベヘニルを使用することもできる。脂肪酸部分グリセリド、即ち、グリセロールとC12〜18脂肪酸との工業用品質のモノ−および/またはジ−エステル、例えば、モノ/ジラウリン酸グリセロール、モノ/ジパルミチン酸グリセロール、モノ/ジミリスチン酸グリセロール、またはモノ/ジステアリン酸グリセロールをこの目的に使用することも有用である。
【0181】
適当なワックスは、付加的には真珠光沢ワックスである。特に界面活性組成物に使用するための、有用な真珠光沢ワックスは、例えば以下である:アルキレングリコールエステル、特にジステアリン酸エチレングリコール;脂肪酸アルカノールアミド、特にココヤシ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多塩基の任意にヒドロキシ置換されたカルボン酸とC6〜22脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪物質、例えば、少なくとも24個の炭素原子の総量を有する、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸;C12〜22脂肪アルコールおよび/または2〜10個のヒドロキシル基を含有するC2〜15ポリオールによるC12〜22オレフィンエポキシドの開環生成物、並びにそれらの混合物。
【0182】
ポリマー
本発明の1つの態様では、本発明の化粧組成物および/または医薬組成物は更に、少なくとも1種のポリマーを含んでなる。
【0183】
本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、典型的には0〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、特に0.1〜10重量%の量でポリマーを含んでなる。
【0184】
適当なカチオン性ポリマーは、例えば以下である:カチオン性セルロール誘導体、例えばAmercholからPolymer JR 400(登録商標)の名称で入手可能な四級化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標) L/Gruenau)、四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretine(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標) 550/Chemviron)、ポリアミノポリアミド、カチオン性キチン誘導体、例えば場合により微晶質分布での四級化キトサン、ジハロアルキレン(例えばジブロモブタン)とビスジアルキルアミン(例えばビスジメチルアミノ−1,3−プロパン)との縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えば、Celanese社製のJaguar(登録商標) CBS、Jaguar(登録商標) C-17、Jaguar(登録商標) C-16、並びに四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば、Miranol社製のMirapol(登録商標) A-15、Mirapol(登録商標) AD-1、Mirapol(登録商標) AZ-1。
【0185】
有用なアニオン性、双性イオン性、両性および非イオン性のポリマーは、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそれらのエステル、未架橋ポリアクリル酸およびポリオールで架橋されたポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、並びに任意に誘導体化されていてよいセルロースエーテルおよびシリコーンである。
【0186】
同様に適当なポリマーは、多糖類、特に、キサンタンガム、グアール、寒天、アルギネート、チロース、例として、Aerosil grade(親水性シリカ)、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびベントナイト、例えばBentone(登録商標) Gel VS-5PC(Rheox)である。
【0187】
同様に適当なのは、第四級ポリマー、例えばINCI名ポリクオタニウム−37を有し、以下の一般式:
【化35】

で示されるものである。別の態様として、アルキル化またはプロトン化によって得られる他のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートおよびそのアンモニウム塩、アルキル化またはプロトン化によって得られるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドおよびそのアンモニウム塩を使用することもできる。MAPTAC、APTAC、MADAME、ADAME、DMAEMAおよびTMAEMACを含むポリマーが特に好ましい。更に本発明では、アニオン性、更にカチオン性または非荷電のモノマーを含有するコポリマー、特に、特定のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマーまたはアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドモノマーに加えて、(メタ)アクリル酸および/または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および/またはアクリルアミドおよび/またはビニルピロリドンおよび/またはアルキル(メタ)アクリレートを付加的に含んでなるコポリマーを使用することも可能である。
【0188】
例として、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−13、ポリクオタニウム−14、ポリクオタニウム−15、ポリクオタニウム−28、ポリクオタニウム−32、ポリクオタニウム−43、ポリクオタニウム−47のINTI名を有するポリマーを挙げることができる。
【0189】
油性物質
本発明の1つの態様では、本発明の化粧組成物および/または医薬組成物は更に、少なくとも1種の油性物質を含んでなる。
【0190】
油性物質は、典型的には0.1〜90重量%、特の0.1〜80重量%、とりわけ0.5〜70重量%、好ましくは1〜60重量%、特に1〜50重量%、とりわけ1〜40重量%、好ましくは5〜25重量%、特に5〜15重量%の総量で存在する。更なる油性物質は、組成物の総重量に基づいて、典型的には0.1〜40重量%の量で存在する。
【0191】
適当な更なる油性物質は、例えば、C6〜18、好ましくはC8〜10の脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、別の付加的なエステル、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシルおよびエルカ酸エルシルである。付加的に適当なのは以下である:C18〜C38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐C〜C22脂肪アルコールとのエステル、特にマレイン酸ジオクチル、直鎖および/または分岐脂肪酸と多価アルコール(例えばプロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオール)とのエステル、C〜C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C〜C18脂肪酸に基づく液体状モノ−/ジ−/トリ−グリセリド混合物、C〜C22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(特に安息香酸)とのエステル、C〜C12ジカルボン酸と2〜6個のヒドロキシル基を含有するC2〜10ポリオールとのエステル、植物油、分岐第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分岐C〜C22脂肪アルコールカーボネート、例えば炭酸ジカプリリル(Cetiol(登録商標) CC)、C6〜18、好ましくはC8〜10の脂肪アルコールに基づくゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分岐C〜C22アルコールとのエステル(例えばFinsolv(登録商標) TN)、1つのアルキル基につき6〜22個の炭素原子を含有する直鎖または分岐、対称または非対称のジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標) OE)、並びにポリオールによるエポキシ化脂肪酸エステルの開環生成物、および炭化水素、またはそれらの混合物。付加的に適当なのは、例えばCetiol(登録商標) SenSoft(Cognis GmbH)の商品名で市販されているような、2−プロピルヘプタノールとn−オクタン酸とのエステルである。更に適当なのは、炭化水素、例えばn−ウンデカンおよびn−トリデカンである。付加的に適当なのは、アルカン、例えばINCI名ココヤシ/パーム/パーム核油アルカン(Biosynthesis社製商品名Vegelight 1214)を有する混合物である。
【0192】
有用な別の油性物質は、例えばシリコーン油である。それらは、環式および/または直鎖シリコーン油として存在し得る。シリコーン油は高分子量合成ポリマー化合物であり、ケイ素原子が酸素原子を介して鎖様および/または格子状に結合しており、ケイ素の残りの原子価は炭化水素基(通常メチル基、より好ましくは、エチル基、プロピル基、フェニル基など)によって飽和されている。体系的に、シリコーン油は、ポリオルガノシロキサンと称される。この群の中で体積の観点から最も重要な化合物であって、以下の構造式:
【化36】

で示されることを特徴とするメチル置換ポリオルガノシロキサンは、ポリジメチルシロキサンまたはジメチコン(INCI)とも称される。ジメチコンは、種々の鎖長および種々の分子量を有する。
【0193】
本発明において有利なポリオルガノシロキサンは、例えばジメチルポリシロキサン(ポリ(ジメチルシロキサン))であり、例としてEvonik GoldschmidtからAbil 10〜10000の商品名で入手可能である。また、フェニルメチルポリシロキサン(INCI:フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン)、INCIに従ってシクロメチコンとも称される環式シリコーン(オクタメチルシクロテトラシロキサンまたはデカメチルシクロペンタシロキサン)、アミノ変性シリコーン(INCI:アモジメチコン)およびシリコーンワックス、例えばポリシロキサン−ポリアルキレンコポリマー(INCI:ステアリルジメチコンおよびセチルジメチコン)、およびEvonik Goldschmidtから種々のAbilワックスグレードとして入手可能なジアルコキシジメチルポリシロキサン(ステアロキシジメチコンおよびベヘノキシステアリルジメチコン)も有利である。しかしながら、本発明では、別のシリコーン油を有利に使用することもでき、その例は、セチルジメチコン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)である。本発明において特に好ましいシリコーンは、ジメチコンおよびシクロメチコンである。
【0194】
本発明の組成物は更に、生物活性成分、虫除け剤、チロシナーゼ阻害剤、防腐剤、香油、過脂肪剤、安定剤および/またはヒドロトロープを含んでなり得る。
【0195】
本発明は、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化37】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
生物活性成分、虫除け剤、チロシナーゼ阻害剤、防腐剤、香油、安定剤および/またはヒドロトロープからなる群から選択される少なくとも1種の化合物
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0196】
本発明は更に、化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、
一般式(I)および/または(II):
【化38】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示される混合物中に存在するC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなり、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも50重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、並びに
生物活性成分、虫除け剤、チロシナーゼ阻害剤、防腐剤、香油、安定剤および/またはヒドロトロープからなる群から選択される少なくとも1種の化合物
を含んでなる化粧組成物および/または医薬組成物を提供する。
【0197】
本発明の好ましい態様では、この混合物は、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%のC16およびC18アルキルスルホスクシネートモノエステルを含んでなる。
【0198】
生物活性成分は、例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、β−グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、疑似セラミド、精油、植物抽出物、例えば、アロエベラ、ピーナッツ抽出物、バンバラナッツ抽出物およびビタミン複合体を意味すると理解される。
【0199】
有用な虫除け剤は、例えば、N,N−ジメチル−m−トルアミド、1,2−ペンタンジオール、またはMerck KGaAによってInsect Repellent(登録商標) 3535の名称で販売されている3−(N−n−ブチルN−アセチルアミノ)プロピオン酸エチル、およびブチルアセチルアミノプロピオネートを包含する。
【0200】
メラミンの生成を防ぎ、かつ脱色剤における使用が知られている有用なチロシナーゼ阻害剤は、例えば、アルブチン、フェルラ酸、コウジ酸、クマリン酸およびアスコルビン酸(ビタミンC)を包含する。
【0201】
適当な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、バラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、およびSurfacine(登録商標)の名称で知られている銀複合体である。更に防腐剤として、5〜8個の炭素原子を含有する1,2−アルカンジオールも適しており、WO 07/048757に記載されている。
【0202】
適当な防腐剤は特に、Commission Directiveの添付書類VI(バージョン:その添付書類IVおよびVIを技術的進歩に適合させる目的で化粧品に関してCouncil Directive 76/768/EECを補正した、2007年4月17日のCommission Directive 2007/22/EC)に認可されている物質であり、これによって明確に言及がなされている。
【0203】
香油は、天然および合成の付臭剤の混合物を包含する。天然付臭剤は、花、茎および葉、果実、果実の殻、根、木、ハーブおよび草、針状葉および枝、樹枝およびバルサムからの抽出物である。更に、動物性原料、例えばシベットおよびカストリウム、並びにエステル型、エーテル型、アルデヒド型、ケトン型、アルコール型および炭化水素型の合成付臭化合物も有用である。
【0204】
使用される安定剤は、脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム塩、アルミニウム塩および/または亜鉛塩であり得る。
【0205】
流動挙動を改善するために、ヒドロトロープを使用することもでき、その例は、エタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールである。本発明において有用なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子と少なくとも2個のヒドロキシル基を含有する。ポリオールは、更なる官能基、特にアミノ基を含有してもよいし、窒素で変性されていてもよい。
【実施例】
【0206】
1.製造例
ステージ1:
382.5g(1.5mol)のC16/18脂肪アルコール混合物(INCI:セテアリルアルコール、商品名Lanette(登録商標) O、Cognis GmbHから入手可能)、149.3g(1.52mol)の無水マレイン酸、1.9の炭酸ナトリウムを、2リットル容のガラス製フラスコに計量供給し、撹拌しながら80℃まで3時間加熱した。
【0207】
ステージ2:
4リットル容のガラス製フラスコに、まず、亜硫酸ナトリウム198.5g(1.53mol)の水1336.0g溶液を導入し、撹拌しながら80℃まで加熱した。これに、ステージ1の生成物518gを撹拌しながら添加し、混合物を80℃で2時間撹拌した。白色固体生成物は以下の組成を有していた:
スルホスクシネート:29.3重量%(このうち、48重量%がC16スルホスクシネートモノエステルであり、52重量%がC18スルホスクシネートモノエステルであった。)、硫酸ナトリウム:0.78%、乾燥残渣:34.8%;C16/18アルコール:1.2%(=乾燥残渣に基づいて3.4%)。これは、スルホスクシネートに基づいて4.1重量%の脂肪アルコールの割合に相当する。
【0208】
ステージ3:
以下の条件の下、2つの物質ノズルおよび回転型プランジャーポンプを備えたNiro社製Mobile Minor 2000噴霧塔で噴霧乾燥を実施した。
噴霧圧: 1.5bar
乾燥ガス速度: 100m/h
乾燥ガス温度:入口:170℃
乾燥ガス温度:出口:103℃
噴霧速度: 900g/h
【0209】
粘度を下げるためおよび溶液をポンプ輸送可能にするため、ステージ1の生成物を、乾燥前に、40%の水で希釈した。水溶液を塔底部から上向きに、乾燥ガスを塔頂部から下向きに導入しながら、乾燥を向流で実施した。生成物は、1.5%の含水率まで、問題なく噴霧可能であった。壁面上にケーキングは観察されなかった。このようにして得られた粉末は、以下の組成を有していた:
スルホスクシネート:72重量%(このうち、48重量%がC16スルホスクシネートモノエステルであり、52重量%がC18スルホスクシネートモノエステルであった。)、硫酸ナトリウム:2.6%、水:1.6%、C16/18アルコール:3.4%。これは、スルホスクシネートに基づいて4.7重量%の脂肪アルコールの割合に相当する。
【0210】
2.乳化特性
製造例1で製造した本発明のアルキルスルホスクシネート混合物(粉末状態)を使用して、以下のエマルションを製造した。比較例では、市販乳化剤であるAmphisol(登録商標) K(INCI:セチルリン酸カリウム、DMS Nutritional Productsから入手可能)を使用した。以下の表から明らかであるように、本発明のアルキルスルホスクシネート混合物を用いた場合のみ、安定なエマルションが得られた。全ての数は重量%である。
【0211】
【表1】

【0212】
実施例は以下のように製造した:相Iを85℃まで加熱し、均質に撹拌し、相IIを85℃まで加熱し、撹拌しながら相Iに添加した。混合物を撹拌しながら冷却した。相IIIを45℃で、相IVを35℃で添加した。30℃に達した時点で、撹拌を止めた。
【0213】
以下の組成物は、製造例1のアルキルスルホスクシネート混合物を含んでなる。この化合物のINCI名はジナトリウムセテアリルスルホスクシネートである。これは、Cognis GmbH(デュッセルドルフ在)からEumulgin(登録商標) Prismaの商品名で入手可能である。全ての数は、組成物全体に基づいた重量%である。
【0214】
【表2−1】

【0215】
【表2−2】

【0216】
【表3】

【0217】
【表4−1】

【0218】
【表4−2】

【0219】
【表5】

【0220】
【表6】

【0221】
【表7】

【0222】
相Iおよび水を撹拌しながら室温で混合することによって製造を実施した。次いで、相IIIを添加し、均質な膨潤混合物が存在するようになるまで混合物を撹拌した。続いて、相IVを添加し、相Vを添加し、pHを5.5に調整した。
【0223】
【表8】

【0224】
このクリームは、相Iを80℃まで加熱し、同様に相IIも80℃まで加熱し、相IIを撹拌しながら相Iに添加することによって製造した。この混合物を撹拌しながら冷却し、適当な分散装置(例えばUltra Turrax)を用いて約55℃で均質化した。その後、相IIIを連続して撹拌しながら添加し、相IVを添加し、pHを調整した。
【0225】
【表9】

【0226】
【表10】

【0227】
【表11】

【0228】
【表12】

【0229】
【表13】

【0230】
【表14】

【0231】
【表15】

【0232】
【表16】

【0233】
【表17】

【0234】
【表18】

【0235】
【表19】

【0236】
【表20】

【0237】
【表21】

【0238】
【表22】

【0239】
【表23】

【0240】
【表24】

【0241】
【表25】

【0242】
【表26】

【0243】
【表27】

【0244】
【表28】

【0245】
【表29】

【0246】
【表30】

【0247】
【表31】

【0248】
【表32】

【0249】
【表33】

【0250】
【表34】

【0251】
【表35】

【0252】
【表36】

【0253】
【表37】

【0254】
【表38】

【0255】
【表39】

【0256】
【表40−1】

【0257】
【表40−2】

【0258】
【表41−1】

【0259】
【表41−2】

【0260】
【表42】

【0261】
【表43】

【0262】
【表44】

【0263】
【表45】

【0264】
【表46】

【0265】
【表47】

【0266】
【表48】

【0267】
【表49】

【0268】
【表50】

【0269】
【表51】

【0270】
【表52】

【0271】
【表53−1】

【0272】
【表53−2】

【0273】
【表54−1】

【0274】
【表54−2】

【0275】
【表55】

【0276】
【表56】

【0277】
【表57】

【0278】
【表58】

【0279】
【表59】

【0280】
【表60】

【0281】
【表61】

【0282】
付録−成分:商品名およびINCI名
AMP-95, INCI:アミノメチルプロパノール、Dow Chemical Co;Abil(登録商標) EM 90, INCI:セチルジメチコンコポリオール、Tego Cosmetics(Goldschmidt);Allianz(登録商標) OPT, INCI:アクリレート/C12−22アルキルメタクリレートコポリマー、Rohm und Haas;Amphisol(登録商標) K, INCI:セチルリン酸カリウム、Hoffmann La Roche;Admul(登録商標) WOL 1403, INCI:ポリグリセロールのポリリシノレエート、Quest;Antaron(登録商標) V 220, INCI:PVP/エイコセンコポリマー、GAF General Aniline Firm Corp.(IPS-Global);Antaron(登録商標) V 216, INCI:PVP/ヘキサデセンコポリマー、GAF General Aniline Firm Corp.(IPS-Global);Arlacel(登録商標) 83, INCI:セスキオレイン酸ソルビタン、Uniqema(ICI Surfactants);Arlacel(登録商標) P 135, INCI:PEG−30 ジポリヒドロキシステアレート、Uniqema(ICI Surfactants);Carbopol(登録商標) 980, INCI:カルボマー、Goodrich;Carbopol(登録商標) 2984, INCI:カルボマー、Noveon, Inc.;Carbopol(登録商標) ETD 2001, INCI:カルボマー、Noveon, Inc.;Carbopol(登録商標) Ultrez 10, INCI:カルボマー、Noveon, Inc.;Cegesoft(登録商標) C17, 乳酸ミリスチル、Cognis GmbH;Cegesoft(登録商標) PFO, INCI:Passiflora Incarnata(EU), Cognis GmbH;Cegesoft(登録商標) PS 6, INCI:Olus, Cognis GmbH;Cegesoft(登録商標) SH, INCI:Shorea Stenoptera Seed Butter, Cognis GmbH;Ceraphyl(登録商標) 45, INCI:リンゴ酸ジエチルヘキシル、International Specialty Products;
【0283】
Cetiol(登録商標) 868, INCI:ステアリン酸エチルヘキシル、製造メーカー:Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) A, INCI:ラウリン酸ヘキシル、Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) B, INCI:アジピン酸ジブチル、Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) CC, INCI:炭酸ジカプリリル、Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) J 600, INCI:エルカ酸オレイル、Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) LC, INCI:ココ−カプリレート/カプレート、Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) MM, INCI:ミリスチン酸ミリスチル、Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) OE, INCI:ジカプリリルエーテル、Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) PGL, INCI:ヘキシルデカノール、ラウリン酸ヘキシルデシル、Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) S, INCI:ジエチルヘキシルシクロヘキサン、Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) SB 45, INCI:Shea Butter Butyrospermum Parkii (Linne), Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) SN, INCI:イソノナン酸セテアリル、Cognis GmbH;Cetiol(登録商標) Sensoft, INCI:カプリル酸プロピルヘプチル;Copherol(登録商標) F 1300 C, INCI:トコフェロール、Cognis GmbH;Copherol 1250 C, INCI:酢酸トコフェリル、Cognis GmbH;Cosmedia(登録商標) DC, INCI:水素化ダイマージリノレイル/ジメチルカーボネートコポリマー、Cognis GmbH;Cosmedia(登録商標) SP, INCI:ポリアクリル酸ナトリウム、Cognis GmbH;Crodesta(登録商標) F-50, INCI:ジステアリン酸スクロース、Croda;Cutina(登録商標) E 24, INCI:PEG−20 ステアリン酸グリセリル、Cognis GmbH;Cutina(登録商標) HR, INCI:水素化ひまし油、Cognis GmbH;Cutina(登録商標) MD, INCI:ステアリン酸グリセリル、Cognis GmbH;
【0284】
Cutina(登録商標) PES, INCI:ジステアリン酸ペンタエリスリチル、Cognis GmbH;Cutina(登録商標) FS-45, INCI:パルミチン酸、ステアリン酸、Cognis GmbH;Cutina(登録商標) GMS-SE, INCI:ステアリン酸グリセリルSE、Cognis GmbH;Cutina(登録商標) LM conc, INCI:ポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステアレート、オクチルドデカノール、Copernicia Cerifera(カルナウバ)蝋、Euphorbia Cerifera(カンデリラ)蝋、密蝋、セテアリルグルコシド、セテアリルアルコール、Cognis GmbH;Dehymuls(登録商標) FCE, INCI:ジココイルペンタエリスリチルジステアリルシトレート、Cognis GmbH;Dehymuls(登録商標) HRE 7, INCI:PEG−7 水素化ひまし油、Cognis GmbH;Dehymuls(登録商標) PGPH, INCI:ポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステアレート、Cognis GmbH;Dehymuls(登録商標) LE, INCI:PEG−30 ジポリヒドロキシステアレート、Cognis GmbH;Dow Corning(登録商標) 244 Fluid, INCI:シクロメチコン、Dow Corning;Dow Corning(登録商標) 1503 Fluid, INCI:ジメチコンおよびジメチコノール、Dow Corning;Dow Corning(登録商標) 246 Fluid, シクロペンタシロキサン、Dow Corning;Dow Corning(登録商標) 2502, INCI:セチルジメチコン、Dow Corning;Dow Corning DC(登録商標) 245 INCI:シクロペンタシロキサン、Dow Corning;Dehyquart(登録商標) C 4046, INCI:セテアリルアルコール、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトスルフェート、Ceteareth-20、Cognis GmbH;Dry(登録商標) Flo Plus, INCI:アルミニウムデンプンオクテニルスクシネート、National Starch;Dry(登録商標) Flo PC, INCI:アルミニウムデンプンオクテニルスクシネート、Akzo Nobel;
【0285】
Elfacos(登録商標) ST 37, INCI:PEG−22 ドデシルグリコールコポリマー、Akzo-Nobel;Elfacos(登録商標) ST 9, INCI:PEG−45 ドデシルグリコールコポリマー、Akzo-Nobel;Emery(登録商標) 1780, INCI:ラノリンアルコール、Cognis Corp.;Emulgade(登録商標) CM, INCI:イソノナン酸セテアリルおよびCeteareth-20およびセテアリルアルコールおよびステアリン酸グリセリルおよびグリセリンおよびCeteareth-12およびパルミチン酸セチル、Cognis GmbH;Emulgade(登録商標) PL 68/50, INCI:セテアリルグルコシド、セテアリルアルコール、Cognis GmbH;Emulgade(登録商標) SE-PF, INCI:ステアリン酸グリセリル(および)Ceteareth-20(および)Ceteareth-12(および)セテアリルアルコール(および)パルミチン酸セチル、Cognis GmbH;Emulgade(登録商標) SUCRO, INCI:ポリステアリン酸スクロース(および)水素化ポリイソブテン、Cognis GmbH;Eumulgin(登録商標) B1, INCI:Ceteareth-12, Cognis GmbH;Eumulgin(登録商標) B2, INCI:Ceteareth-20, Cognis GmbH;Eumulgin(登録商標) HRE 40, INCI:PEG−40 水素化ひまし油、Cognis GmbH;Eumulgin(登録商標) Prisma, INCI:セテアリルスルホコハク酸二ナトリウム;Eumulgin(登録商標) SG, INCI:ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、Cognis GmbH;Eumulgin(登録商標) VL 75, INCI:ラウリルグルコシド(および)ポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステアレート(および)グリセリン、Cognis GmbH;Eusolex(登録商標) OCR, INCI:オクトクリレン、Merck;Eusolex(登録商標) 2292, INCI:メトキシ桂皮酸エチルヘキシルおよびBHT、Merck;Eusolex(登録商標) T-AVO, INCI:二酸化チタン(および)シリカ、Merck;
【0286】
Eusolex(登録商標) T 2000, INCI:二酸化チタン、アルミナ、シメチコン、Merck;Eusolex(登録商標) T AQUA, INCI:水および二酸化チタンおよびアルミナおよびメタリン酸ナトリウムおよびフェノキシエタノールおよびナトリウムメチルパラベン、Merck;Eutanol(登録商標) G, INCI:オクチルドデカノール、Cognis GmbH;Eutanol(登録商標) G 16, INCI:ヘキシルデカノール、Cognis GmbH;Eutanol(登録商標) G 16 S, INCI:ステアリン酸ヘキシルデシル、Cognis GmbH;Euxyl(登録商標) K100, INCI:ベヘニルアルコールおよびメチルクロロイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノン;Finsolv(登録商標) TN, INCI:C12/15アルキルベンゾエート、Findex(Nordmann/Rassmann);Fitoderm(登録商標)、INCI:スクアラン、Cognis GmbH;Generol(登録商標) R, INCI:Brassica Campestris(アブラナ種子)ステロール、Cognis GmbH;Glucate(登録商標) DO, INCI:メチルグルコースジオレエート、NRD Nordmann/Rassmann;Hispagel(登録商標) 200, INCI:グリセリン、ポリアクリル酸グリセリル、Cognis GmbH;Hostaphat(登録商標) KL 340 N, INCI:Trilaureth-4 Phosphate, Clariant;Hydagen(登録商標) C.A.T., INCI:クエン酸トリエチル、Cognis GmbH;Hydagen(登録商標) CMF, INCI:グリコール酸キトサン、Cognis GmbH;Hydagen(登録商標) DCMF, INCI:キトサン、Cognis GmbH;Imwitor(登録商標) 372 P, INCI:グリセリルステアレートシトレート;Insect Repellent(登録商標) 3535, INCI:ブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル、EMD Chemicals, Inc;Isolan(登録商標) PDI, INCI:ジイソステアロイルポリグリセリル−3 ジイソステアレート、Goldschmidt AG;
【0287】
Isolan(登録商標) GPS, INCI:ポリグリセリル−4 ジイソステアレート/ポリヒドロキシステアレート/セバケート、Evonik Goldschmidt;Isolan(登録商標) GI 34, INCI:ポリグリセリル−4 イソステアレート、Evonik Goldschmidt;Irwinol(登録商標) LS 9319, INCI:オクチルデカノール、Irvingia Gabonensis Kernel Butter, 水素化ココ−グリセリド;Keltrol(登録商標) T, INCI:キサンタンガム、CP Kelco;Lameform(登録商標) TGI, INCI:ポリグリセリル−3 ジイソステアレート、Cognis GmbH;Lanette(登録商標) 14, INCI:ミリスチルアルコール、Cognis GmbH;Lanette(登録商標) 18, INCI:ステアリルアルコール、Cognis GmbH;Lanette(登録商標) 22, INCI:ベヘニルアルコール、Cognis GmbH;Lanette(登録商標) E, INCI:セテアリル硫酸ナトリウム、Cognis GmbH;Lanette(登録商標) O, INCI:セテアリルアルコール、Cognis GmbH;Locron(登録商標) L, INCI:アルミニウムクロロハイドレート、Clariant;Lucentite(登録商標) SAN, INCI:クオタニウム−18 ヘクトライト、Co-Op Chemical Co. Ltd.;Microna(登録商標) Matte White(INCI:二酸化チタン、酸化亜鉛);Microna(登録商標) Matte Black(INCI:酸化鉄;マイカ);Microna(登録商標) Matte Yellow(INCI:酸化鉄;マイカ);Microna(登録商標) Matte Red(INCI:酸化鉄;マイカ);Cosmetic white C47056(INCI:二酸化チタン、マイカ);FDC Yellow 6 Al Lake C705270(INCI:Colour Index 15985);DC Red 7 Ca Lake C19003(INCI:Colour Index 15850);Irodin 100 Silverpearl(INCI:マイカ、二酸化チタン);Colophane Claire type Y(INCI:コロホニウム);
【0288】
Mexoryl(登録商標) XL:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)−ジイソキサニル)プロピル)フェノール、INCI:ドロメトリゾールトリシロキサン;Monomuls(登録商標) 90-O 18, INCI:オレイン酸グリセリル、Cognis GmbH;Monomuls(登録商標) 90 L 12, INCI:ラウリン酸グリセリル、Cognis GmbH;Myrj(登録商標) 51, INCI:PEG−30−ステアレート、Uniqema;Myritol(登録商標) 312, INCI:カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、Cognis GmbH;Myritol(登録商標) 331, INCI:ココグリセリド、Cognis GmbH;Myritol(登録商標) PC, INCI:プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、Cognis GmbH;Neo Heliopan(登録商標) 303, INCI:オクトクリレン、Symrise;Neo Heliopan(登録商標) AP, INCI:ジナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート、Symrise;Neo Heliopan(登録商標) AV, INCI:メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、Symrise;Neo Heliopan(登録商標) BB, INCI:ベンゾフェノン−3、Symrise;Neo Heliopan(登録商標) E 1000, INCI:イソアミル−p−メトキシシンナメート、Symrise;Neo Heliopan(登録商標) Hydro, INCI:フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、Symrise;Neo Heliopan(登録商標) HMS, INCI:ホモサレート;Neo Heliopan(登録商標) MBC, INCI:4−メチルベンジリデンカンファー、Symrise;Neo Heliopan(登録商標) OS, INCI:サリチル酸エチルヘキシル、Symrise;Novata(登録商標) AB, INCI:ココグリセリド、Cognis GmbH;Parsol(登録商標) 1789, INCI:ブチルメトキシジベンゾイルメタン、Hoffmann-La Roche(Givaudan);
【0289】
Phenonip(登録商標) XB:INCI:フェノキシエタノールおよびメチルパラベンおよびプロピルパラベンおよびエチルパラベン;Pemulen(登録商標) TR-2 Polymer, INCI:アクリレート/C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー、Noveon, Inc.;Photonyl(登録商標) LS, INCI:アルギニン、アデノシン三リン酸二ナトリウム、マンニトール、ピリドキシンHCL、フェニルアラニン、チロシン、Laboratoires Serobiologiques(Cognis);Prisorine(登録商標) 3505, INCI:イソステアリン酸、Uniqema;Prisorine(登録商標) 3758, INCI:水素化ポリイソブテン、Uniqema;Rezal 36G, INCI:アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレックスGLY、Reheis, Inc.;Rheocare(登録商標) C Plus, INCI:カルボマー、Cognis GmbH;Rheocare(登録商標) TTN, INCI:アクリレートコポリマー、Cognis GmbH;Ronasphere(登録商標) LDP(INCI:シリカ、二酸化チタン、酸化鉄);Squatol(登録商標) S, INCI:水素化ポリイソブテン、BASF Corp.;Poloxamer(登録商標) 101, INCI:ポロキサマー、BASF SE;SFE(登録商標) 839, INCI:シクロペンタシロキサンおよびジメチコン/ビニルジメチコン架橋ポリマー、GE Silicones;Wacker AK(登録商標) 350シリコーン油、INCI:ジメチコン、Wacker;Tego(登録商標) Care 450, INCI:ポリグリセリル−3 メチルグルコースジステアレート、Goldschmidt;Tego(登録商標) Care CG 90, INCI:セテアリルグルコシド、Goldschmidt;Tegosoft(登録商標) DEC, INCI:炭酸ジエチルヘキシル、Goldschmidt;Tinosorb(登録商標) S, INCI:ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、Ciba Specialty Chemicals Corporation;
【0290】
Tinosorb(登録商標) M, INCI:メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、Ciba Specialty Chemicals Corporation;Tween(登録商標) 60, INCI:ポリソルベート60、Uniqema(ICI Surfactants);Uvasorb(登録商標) HEB, INCI:ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、3V Inc.;Ultragel(登録商標) 300, INCI:ポリクオタニウム−37;Unirep(登録商標) U-18, INCI:フタル酸ジメチルおよびジエチルトルアミドおよびエチルヘキサンジオール、Induchem AG;Uvinul(登録商標) T 150, INCI:エチルヘキシルトリアゾン、BASF;Uvinul(登録商標) A plus, INCI:ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、BASF;Veegum(登録商標) Ultra, INCI:ケイ酸マグネシウムアルミニウム、R. T. Vanderbilt Company, Inc.;Veegum(登録商標) Plus, INCI:ケイ酸マグネシウムアルミニウムおよびセルロースガム、R. T. Vanderbilt Company, Inc.;Z-Cote(登録商標) HP 1, INCI:酸化亜鉛およびトリエトキシ−カプリリルシラン、BASF;酸化亜鉛NDM, INCI:酸化亜鉛、Symrise。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)および/または(II):
【化1】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物。
【請求項2】
脂肪アルコールの含有量が、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて10重量%以下、好ましくは5重量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の混合物の、化粧組成物および/または医薬組成物の製造における使用。
【請求項4】
請求項1または2に記載の混合物の、界面活性物質としての、特に乳化剤または分散剤としての、とりわけ紫外線保護フィルターのための乳化剤または分散剤としての使用。
【請求項5】
化粧組成物におよび/または医薬組成物に適したキャリヤー中に、一般式(I)および/または(II):
【化2】

[式中、Rは直鎖または分枝、飽和または不飽和のC6〜22アルキル基であり、XおよびYは各々独立に水素原子、または水溶性塩を形成でき、かつアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび有機アンモニウムからなる群から選択されるカチオンである。]
で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの混合物であって、式(I)および(II)で示されるアルキルスルホスクシネートモノエステルの総量に基づいて、
・30〜70重量%のC16アルキルスルホスクシネートモノエステルおよび
・30〜70重量%のC18アルキルスルホスクシネートモノエステル
を含んでなることを特徴とする混合物を、組成物に基づいて0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%含んでなる、化粧組成物および/または医薬組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の紫外線保護フィルターを更に含んでなる、請求項5に記載の化粧組成物および/または医薬組成物。
【請求項7】
少なくとも1種の直接染料または酸性染料前駆体を更に含んでなる、請求項5に記載の皮膚および毛髪を着色するための化粧組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の活性制汗/消臭成分を更に含んでなる、請求項5に記載の化粧組成物および/または医薬組成物。
【請求項9】
少なくとも1種の顔料および/または染料を更に含んでなる、請求項5に記載の化粧組成物および/または医薬組成物。
【請求項10】
少なくとも1種の(更なる)界面活性物質および/またはワックス成分および/またはポリマーおよび/または油性物質を更に含んでなる、請求項5に記載の化粧組成物および/または医薬組成物。

【公表番号】特表2012−506392(P2012−506392A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532522(P2011−532522)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007382
【国際公開番号】WO2010/046048
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】