説明

アンカー

【課題】アンカーにおいて、ストッパプレートとカバープレートとが、貯留槽の半径方向に相対移動することを防止する。
【解決手段】下部が溶接によって固定される帯板状のストラッププレート10と、ストラッププレートの上部においてストラッププレートの表面から突出して設けられるストッパプレート11と、貯留槽に固定されると共にストッパプレートの下方においてストラッププレートを覆うカバープレート12とを備えるアンカーであって、ストッパプレートとカバープレートとの貯留槽Tbの周方向の摺動を許容しながら貯留槽の径方向の摺動を制止する位置決め機構20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンカーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、液化天然ガス(LNG)等の液体を貯蔵するタンクは、コンクリート製の外槽と、その外槽内に設けられる鋼製の内槽とからなる二重殻タンクで構成されている。
そして、このようなタンクでは、地震や内圧により内槽が浮き上がることを防止するためのアンカーが設置されている。
【0003】
このようなアンカーとしては、例えば特許文献1に示すように、内槽の温度変化による
熱収縮に起因した半径方向の変形を許容しながら、浮き上がりを防止するものが提案されている。
より詳細には、このアンカーは、帯板状のストラッププレートと、ストラッププレートの上部において当該ストラッププレートの表面から突出するように取り付けられるストッパプレートと、内槽に固定されると共にストッパプレートの下方においてストラッププレートを覆うカバープレートとを備えている。
そして、ストラッププレートは、下部がアンカーボックスやセカンダリーバリアに溶接されて固定されるが、上部は内槽に対して溶接されずに移動が自由な状態とされている。これによって、内槽が半径方向に変形した場合にストラッププレートから内槽に無理な荷重が作用することを防止でき、内槽の半径方向の変形を許容することができる。
一方、内槽が浮き上がろうとした場合には、内槽の移動と共にカバープレートが上方に移動しようとするが、このカバープレートがストラッププレートの表面から突出するストッパプレートに当接することによってカバープレートの移動が抑えられ、さらには内槽の浮き上がりが防止される。
【0004】
また、ストッパプレートの上端面とカバープレートの下端面とは、摺動可能とされている。これによって地震等により内槽が周方向に移動した際に、カバープレートがストッパプレートに対して周方向に摺動し、ストラッププレートの溶接部に作用する剪断応力を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−269698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ストッパプレートとカバープレートとは、本来上述のように内槽の周方向に摺動するものである。
しかしながら、地震等により内槽が移動する場合には、周方向のみに移動するとは限らず、半径方向に大きく移動することもある。このように内槽が半径方向に大きく移動した場合には、ストッパプレートとカバープレートとが上記半径方向に摺動してしまうこととなる。
ストッパプレート及びカバープレートの上記半径方向の板厚は、半径方向の長さと比較して極めて狭い。このため、ストッパプレートとカバープレートとが上記半径方向に摺動してずれた場合には、ストッパプレートの下端面とカバープレートの上端面との接触面積が小さくなる等により、本来求められる周方向への滑らかな摺動が阻害される虞がある。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、アンカーにおいて、ストッパプレートとカバープレートとが、貯留槽の半径方向に相対移動することを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0009】
第1の発明は、下部が溶接によって固定される帯板状のストラッププレートと、該ストラッププレートの上部において当該ストラッププレートの表面から突出して設けられるストッパプレートと、貯留槽に固定されると共に上記ストッパプレートの下方において上記ストラッププレートを覆うカバープレートとを備えるアンカーであって、上記ストッパプレートと上記カバープレートとの上記貯留槽の周方向の摺動を許容しながら上記貯留槽の径方向の摺動を制止する位置決め機構を備えるという構成を採用する。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記位置決め機構が、上記ストッパプレートの下端面に上記貯留槽の周方向に延在して設けられる第1の段部と、上記カバープレートの上端面に上記貯留槽の周方向に延在して設けられると共に上記第1の段部と嵌合する第2の段部とからなるという構成を採用する。
【0011】
第3の発明は、上記第1の発明において、上記位置決め機構が、上記ストッパプレートの下端面あるいは上記カバープレートの上端面に上記貯留槽の周方向に延在して設けられる凹部と、該凹部の設けられていない上記ストッパプレートあるいは上記カバープレートの上端面に上記貯留槽の周方向に延在して設けられると共に上記凹部に嵌合する凸部とからなるという構成を採用する。
【0012】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記凹部及び上記凸部が、断面形状が湾曲されており面接触して嵌合しているという構成を採用する。
【0013】
第5の発明は、上記第1の発明において、上記位置決め機構が、上記ストッパプレートの下端面に上記貯留槽の周方向に延在して設けられる第1の傾斜面と、上記カバープレートの上端面に上記貯留槽の周方向に延在して設けられると共に上記第1の傾斜面と当接される第2の傾斜面とからなるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、位置決め機構によって、ストッパプレートとカバープレートとの貯留槽の周方向の摺動が許容されながら貯留槽の径方向の摺動が制止される。
このため、本発明によれば、ストッパプレートとカバープレートとが貯留槽の径方向に相対移動することを防止することができ、本来求められるストッパプレートとカバープレートとの滑らかな摺動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るアンカーを適用したLNG用地上タンクの断面図であって、(a)がセカンダリーバリアを有しないLNG用地上タンクの断面図、(b)がセカンダリーバリアを有するLNG用地上タンクの断面図である。
【図2】(a)が図1(a)のアンカーを矢印Y方向から見た正面図、(b)が図2(a)のX−X線断面図である。
【図3】図2(b)の位置決め機構部分の拡大図である。
【図4】他の位置決め機構部分の拡大図である。
【図5】さらに他の位置決め機構部分の拡大図である。
【図6】さらに他の位置決め機構部分の拡大図である。
【図7】さらに他の位置決め機構部分の拡大図である。
【図8】さらに他の位置決め機構部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係るアンカーの一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更する。
【0017】
図1は、本実施形態のアンカーを適用したタンクの断面図であり、(a)がセカンダリーバリアを備えないタンクの断面図であり、(b)がセカンダリーバリアを備えるタンクの断面図である。
【0018】
図1(a)に示すタンクT1は、液化天然ガス(LNG)を貯留する大型の地上タンクであり、PC工法で施工された外槽Taと、本実施形態のアンカーAが取り付けられる内槽Tb(貯留槽)とからなる二重殻タンクで構成されている。
なお、図1(a)において、外槽Taと内槽Tbとの間の空間には、図示しないが、フォームグラス等の保冷材(断熱材)が充填されている。
【0019】
タンクT1の基礎に当るとともに、外槽Taの底面に当るスラブ1は、地盤に打ち込まれた図示しない複数の基礎杭の杭頭に接合されている。そして、このスラブ1上には保冷ブロック2が設けられ、その保冷ブロック2上に、9%ニッケル鋼やステンレス鋼等の低温用鋼材からなる平底円筒状の内槽Tbが載置されている。
【0020】
図1(b)に示すタンクT2は、上述のタンクT1と同様に、LNGの液体を貯留する大型の地上タンクであり、外槽Taと内槽Tbとの間に、内槽Tbの材質と同様の9%ニッケル鋼やステンレス鋼等の低温用鋼材からなる上端開口の平底円筒状のセカンダリーバリア3が設けられている。
このように、外槽Taと内槽Tbとの間にもう一つの貯留槽に当るセカンダリーバリア3が設けられたときは、何らかの原因で内槽TbからLNGの液体が漏洩したときに、その漏洩した液体を受け止めることができので、液体が外槽Ta外に漏出するのを防止することができる。
【0021】
なお、図1(a),(b)とも、アンカーAは2本しか示されていないが、実際は内槽Tbの周方向に所定の間隔で複数本設けられている。その本数は、内槽Tbの大きさにもよるが、タンクT1,T2がLNG用の大型の地上タンクで、そのタンクT1,T2の外槽Taの直径が100メートルにも及ぶような場合には100本を越える。
【0022】
続いて本実施形態のアンカーAについて説明する。図2(a)は、図1(a)を矢印Y方向から見たときのアンカーAの上部部分の正面図であり、図2(b)が図2(a)のX−X線断面図である。なお、図2は、セカンダリーバリアを備えないタンクに設置されるアンカーAを示すものである。なお、セカンダリーバリアを備えるタンクに設置されるアンカーAも、途中部位がセカンダリーバリアに溶接される点を除けば、図2に示すアンカーAとほぼ同様である。
【0023】
本実施形態のアンカーAは、ストラッププレート10と、ストッパプレート11と、カバープレート12と、本発明の固定部材に相当する一対のブラケット13a,13bと、一対の座板14a,14bとから構成されている。これら各部材は、内槽Tbの材質と同様の9%ニッケル鋼やステンレス鋼等の低温用鋼材から作られている。
【0024】
ストラッププレート10は所定長さの帯板状の部材である。そして、ストラッププレート10の下端は、ストラッププレート10が内槽Tb側に傾くように、スラブ1に設けられたアンカーボックス1aの底面に溶接により固定されている。また、ストラッププレート10の上部10aは、直立する内槽Tbの外側面と平行になるように屈曲されている。この屈曲されて平行する部分の長さは、ストッパプレート11の大きさによって決められている。なお、ストラッププレート10の傾斜される領域(すなわち上部10aを除く領域)は、本発明におけるストラッププレートの下部に相当し、以下下部10bと称する。
また、ストラッププレート10の長さは、内槽Tbに対する取付位置からそのアンカーボックス1aの底面に達するように決められている。例えば、ストラッププレート10の長さは、外槽Taの直径が上述したような100mにも及ぶような場合は、2m程度とされる。
【0025】
なお、ストラッププレート10は、図1(b)に示されるように、セカンダリーバリア3が設けられているとき、そのセカンダリーバリア3を貫通して設置される。そして、ストラッププレート10は、液蜜性を保つために、貫通箇所においてセカンダリーバリア3と溶接されている。
つまり、本実施形態のアンカーAにおいてストラッププレート10の下部10bは、アンカーボックス1aの底面、あるいはアンカーボックス1aの底面及びセカンダリーバリア3に溶接されている。
【0026】
ストッパプレート11は、ストラッププレート10の上部10aにおいて、ストラッププレート10の表面から内槽Tbと反対側に突出して設けられた矩形状のプレートである。このストッパプレート11は、ストラッププレート10の長手方向と直交する方向の長さ、すなわち幅はストラッププレート10の幅と略同じであり、ストラッププレート10の長手方向側の長さは、ストラッププレート10の上部10aの長さと略同じであり、内槽Tbの外側面と直交する方向の長さ、すなわち厚さは、ストラッププレート10の上部10aが内槽Tbの外側面に当接してもストッパプレート11の下端面がカバープレート12の上端面に十分に係止できるように決められている。
【0027】
そして、本実施形態のアンカーAにおいては、ストッパプレート11の下端面に内槽Tbの周方向に延在して設けられる第1の段部11aが設けられている。
この第1の段部11aは、本実施形態のアンカーAが備える位置決め機構20を構成するものであり、ストッパプレート11の下端面のうち、内槽Tbと反対側を上記周方向全体に渡って切り欠いて段差を付けた形状を有している。
なお、第1の段部11aの表面には、二硫化モリブデン等からなる固体潤滑材皮膜が形成されている。
【0028】
カバープレート12は、内槽Tbに固定されると共にストッパプレート11の下方においてストラッププレート10を覆って配置される長方形状の板材である。このカバープレート12の長辺方向の長さはストラッププレート10の幅よりも長くなるように決められている。また、このカバープレート12の短辺方向の長さ及び板厚は、ストラッププレート10に生じる張力に十分に耐えられるように設定されている。
【0029】
このカバープレート12は、上端面の水平が保たれ、かつ、そのカバープレート12の上端面とストッパプレート11の下端面とが当接される。また、カバープレート12は、ストラッププレート10側の面が、ストラッププレート10の面と平行とされ、かつ、当接される。また、カバープレート12は、両端部がブラケット13a,13b及び座板14a,14bを用いて内槽Tbの外側面にそれぞれ固定されている。
【0030】
そして、本実施形態のアンカーAにおいては、カバープレート12の上端面に内槽の周方向に延在して設けられると共に、上述の第1の段部11aと嵌合する第2の段部12aが設けられている。
この第2の段部12aは、本実施形態のアンカーAが備える位置決め機構20を構成するものであり、カバープレート12の上端面のうち、内槽Tb側を上記周方向全体に渡って切り欠いて段差を付けた形状を有している。
なお、第2の段部12aの表面にも、二硫化モリブデン等からなる固体潤滑材皮膜が形成されている。
【0031】
そして、本実施形態のアンカーAにおいては、位置決め機構20が第1の段部11aと第2の段部12aとから構成されている。すなわち、本実施形態のアンカーAは、第1の段部11aと第2の段部12aとからなる位置決め機構20を備えている。
この位置決め機構20は、ストッパプレート11とカバープレート12との内槽Tbの周方向の摺動を許容しながら内槽Tbの径方向の摺動を制止する。
【0032】
上記構成からなるアンカーAを取り付ける場合には、例えば、まずカバープレート12、ブラケット13a,13b及び座板14a,14bの組み立てが行なわれる。続いて、カバープレート12、ブラケット13a,13b及び座板14a,14bの組立体が内槽Tbの外壁面の所定位置に取り付ける。そして、先に工場においてストッパプレート11が溶接されたストラッププレート10をカバープレート12と内槽Tbとの間に挿入し、ストラッププレート10の下端部をアンカーボックス1aに溶接して固定する。
なお、図1(b)のようにタンクがセカンダリーバリア3を有しているときは、ストラッププレート10がセカンダリーバリア3を貫通する位置が最後に溶接される。
また、先にストラッププレート10をアンカーボックス1aに溶接し、その後カバープレート12、ブラケット13a,13b及び座板14a,14bの組み立てを行っても良い。
【0033】
上述の実施の形態に係るアンカーAは、ストッパプレート11に第1の段部11aを設けるとともに、カバープレート12に第2の段部12aを設けている。このため、ストッパプレート11とカバープレート12との内槽Tbの周方向への相対的な摺動が、内槽Tbの半径方向への摺動が制止されながら行なわれる。
つまり、ストッパプレート11とカバープレート12とは、第1の段部11aと第2の段部12aとによって、内槽Tbの半径方向の相対位置が位置決めされている。
このため、ストッパプレートの下端面とカバープレートの上端面との接触面積が小さくなって局所的な面圧が上昇することを抑制し、ストッパプレートとカバープレートとの滑らかな摺動を実現することができる。
【0034】
以上のように、本実施形態のアンカーAによれば、第1の段部11aと第2の段部12aとによって構成される位置決め機構20によって、ストッパプレートとカバープレートとの貯留槽の周方向の摺動が許容されながら貯留槽の径方向の摺動が制止される。
このため、本実施形態のアンカーAによれば、ストッパプレート11とカバープレート12とが内槽Tbの径方向に相対移動することを防止することができ、本来求められるストッパプレート11とカバープレート12との滑らかな摺動を実現することができ、さらにはストラッププレート10の溶接部に作用する剪断応力を低減させることができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、位置決め機構20が第1の段部11aと第2の段部12aとによって構成される例について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、位置決め機構20が、ストッパプレート11の下端面に内槽Tbの周方向に延在して設けられる角切状の凹部11bと、カバープレート12の上端面に内槽Tbの周方向に延在して設けられると共に凹部11bに嵌合する角切状の凸部12bとからなる構成を採用することもできる。このような構成においても、本実施形態と同様にストッパプレート11とカバープレート12とが内槽Tbの径方向に相対移動することを防止することができる。
なお、図5に示すように、角切状の凹部11bと角切状の凸部12bとに替えて、湾曲された凹部11cと湾曲された凸部12cとを備える構成を採用しても良い。このような構成を採用する場合には、ストッパプレート11の下端面とカバープレート12の上端面とが常に面接触するため、局所的に大きな応力が作用することを防止することができる。
【0036】
また、図6に示すように、位置決め機構20が、カバープレート12の上端面に内槽Tbの周方向に延在して設けられる角切状の凹部12dと、ストッパプレート11の下端面に内槽Tbの周方向に延在して設けられると共に凹部12dに嵌合する角切状の凸部12bとからなる構成を採用することもできる。このような構成においても、本実施形態と同様にストッパプレート11とカバープレート12とが内槽Tbの径方向に相対移動することを防止することができる。
なお、図7に示すように、角切状の凹部12dと角切状の凸部11dとに替えて、湾曲された凹部12eと湾曲された凸部11eとを備える構成を採用しても良い。このような構成を採用する場合にも、ストッパプレート11の下端面とカバープレート12の上端面とが常に面接触するため、局所的に大きな応力が作用することを防止することができる。
【0037】
また、例えば、図8に示すように、位置決め機構20が、ストッパプレート11の下端面に内槽Tbの周方向に延在して設けられる第1の傾斜面11fと、カバープレート12の上端面に内槽Tbの周方向に延在して設けられると共に第1の傾斜面11fと当接される第2の傾斜面12fとからなる構成を採用することもできる。このような構成においても、本実施形態と同様にストッパプレート11とカバープレート12とが内槽Tbの径方向に相対移動することを防止することができる。
【0038】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態においては、本発明の貯留槽が、液化天然ガス(LNG)を貯留するタンクの内槽Tbである構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、貯留槽が液化石油ガス(LPG)や水等を貯留する構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0040】
A……アンカー、T1,T2……タンク、Ta……外槽、Tb……内槽(貯留槽)、1……スラブ、1a……アンカーボックス、2……保冷ブロック、3……セカンダリーバリア、10……ストラッププレート、11……ストッパプレート、11a…第1の段部、11b…凹部、11c…凹部、11d……凸部、11e……凸部、11f…第1の傾斜面、12……カバープレート、12a…第2の段部、12b…凸部、12c…凸部、12d……凹部、12e……凹部、12f…第2の傾斜面、13a,13b……ブラケット、14a,14b……座板、20……位置決め機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部が溶接によって固定される帯板状のストラッププレートと、該ストラッププレートの上部において当該ストラッププレートの表面から突出して設けられるストッパプレートと、貯留槽に固定されると共に前記ストッパプレートの下方において前記ストラッププレートを覆うカバープレートとを備えるアンカーであって、
前記ストッパプレートと前記カバープレートとの前記貯留槽の周方向の摺動を許容しながら前記貯留槽の径方向の摺動を制止する位置決め機構を備えることを特徴とするアンカー。
【請求項2】
前記位置決め機構は、前記ストッパプレートの下端面に前記貯留槽の周方向に延在して設けられる第1の段部と、前記カバープレートの上端面に前記貯留槽の周方向に延在して設けられると共に前記第1の段部と嵌合する第2の段部とからなることを特徴とする請求項1記載のアンカー。
【請求項3】
前記位置決め機構は、前記ストッパプレートの下端面あるいは前記カバープレートの上端面に前記貯留槽の周方向に延在して設けられる凹部と、該凹部の設けられていない前記ストッパプレートあるいは前記カバープレートの上端面に前記貯留槽の周方向に延在して設けられると共に前記凹部に嵌合する凸部とからなることを特徴とする請求項1記載のアンカー。
【請求項4】
前記凹部及び前記凸部は、断面形状が湾曲されており面接触して嵌合していることを特徴とする請求項3記載のアンカー。
【請求項5】
前記位置決め機構は、前記ストッパプレートの下端面に前記貯留槽の周方向に延在して設けられる第1の傾斜面と、前記カバープレートの上端面に前記貯留槽の周方向に延在して設けられると共に前記第1の傾斜面と当接される第2の傾斜面とからなることを特徴とする請求項1記載のアンカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−64297(P2011−64297A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216969(P2009−216969)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】