アンテナ装置
【課題】アンテナ形状を小型化し、且つ指向性、広帯域性を維持することができるアンテナ装置を提供すること。
【解決手段】アンテナ装置は、所定の平面上で、上下対称及び左右対称に配置された4個の折返しダイポールアンテナと、所定の平面と水平で、4個の折返しダイポールアンテナの配置の外側寸法よりも大きな平板状の反射板と、反射板の前面中央に沿って反射板とは別体に設けられ、放射素子のそれぞれに給電部からの給電信号を供給する給電線路とを具備し、折返しダイポールアンテナのそれぞれは、ダイポールアンテナ様の1対の素子と、1対の素子の両端を直線状につなぐ略λ/2(λは使用周波数における波長)長の折返し素子を備え、折返し素子は、溝状の断面を押し出た形状をなし、該溝の底の外側において1対の素子と対向し、溝の幅は、1対の素子の幅よりも広く形成され、反射板からの折返し素子の最大距離が、0.1λ以下である。
【解決手段】アンテナ装置は、所定の平面上で、上下対称及び左右対称に配置された4個の折返しダイポールアンテナと、所定の平面と水平で、4個の折返しダイポールアンテナの配置の外側寸法よりも大きな平板状の反射板と、反射板の前面中央に沿って反射板とは別体に設けられ、放射素子のそれぞれに給電部からの給電信号を供給する給電線路とを具備し、折返しダイポールアンテナのそれぞれは、ダイポールアンテナ様の1対の素子と、1対の素子の両端を直線状につなぐ略λ/2(λは使用周波数における波長)長の折返し素子を備え、折返し素子は、溝状の断面を押し出た形状をなし、該溝の底の外側において1対の素子と対向し、溝の幅は、1対の素子の幅よりも広く形成され、反射板からの折返し素子の最大距離が、0.1λ以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信用基地局や放送用送信等に使用するアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種通信用基地局では、特定の水平方向領域に対して通信サービスを行うセクタアンテナが使用されている。セクタアンテナでは、アンテナ素子(放射素子)と金属反射板を用いた基本構造により、特定方向への指向性を強めている。
図16は、従来例1のアンテナ装置の構成を示す図である。ダイポール素子を2段スタックにして構成する場合、半値幅120°の指向性を得るには、一例として、反射板の幅Aを約0.62λ、長さBを約2.48λとし、その反射板上の高さH:0.25〜0.30λにダイポールアンテナを設ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7567211号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来技術によれば、VHF(very high frequency)帯等ではアンテナ形状が大きくなり、設置、外観等が問題となっている。すなわち、支柱がアンテナの重量や風圧に耐えらない、物理的に干渉して設置できない、等の支障が生じる。
【0005】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、アンテナ形状を小型化し、且つ指向性、広帯域性を維持することができるアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の態様は、所定の平面上で、上下対称及び左右対称に配置された4個の折返しダイポールアンテナと、前記所定の平面と水平で、前記4個の折返しダイポールアンテナの配置の外側寸法よりも大きな平板状の反射板と、前記反射板の前面中央に沿って前記反射板とは別体に設けられ、前記放射素子のそれぞれに給電部からの給電信号を供給する給電線路とを具備し、前記折返しダイポールアンテナのそれぞれは、ダイポールアンテナ様の1対の給電側素子と、前記1対の給電側素子の両端を直線状につなぐ略λ/2(λは使用周波数における波長)長の折返し素子を備え、前記折返し素子は、溝状の断面を押し出た形状をなし、該溝の底の外側において前記1対の給電側素子と対向し、前記溝の幅は、前記1対の給電側素子の幅よりも広く形成され、前記反射板からの前記折返し素子の最大距離が、0.1λ以下であることを特徴とするアンテナ装置である。
【0007】
また、この発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記給電線路の少なくとも一部は、不平衡線路で構成され、該不平衡線路のアース側と前記反射板との間に複数の金属製のスペーサを有し、前記反射板は、長方形であり、該長方形の長辺において後方へ折り返された折曲部を有し、該折曲部の一部は着脱可能に構成されるものである。
【0008】
また、この発明の第3の態様は、上記第2の態様において、前記反射板の前面に、該反射板と共働して、前記4個の折返しダイポールアンテナと前記給電線路とを収納するカバーを更に有し、該カバーは、底辺が反射板に対応し、鈍角が外側素子の端部付近に位置するような台形様の断面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
すなわちこの発明によれば、アンテナ形状を小型化し、且つ指向性、広帯域性を維持することができるアンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1に係るアンテナ装置の構成を示す三面図。
【図2】図1のアンテナ装置の斜視図。
【図3】図1のアンテナ装置の放射素子12−2の斜視図。
【図4】図1のアンテナ装置のVSWR特性を示す図。
【図5】図1のアンテナ装置の垂直面指向性を示す図。
【図6】図1のアンテナ装置の水平面指向性を示す図。
【図7】図1のアンテナ装置のインピーダンス特性を示す図。
【図8】実施例2に係るアンテナ装置の3面図
【図9】図8のアンテナ装置の給電線路17の3面図
【図10】本発明に係る実施例3のアンテナ装置の構成を示す図。
【図11】実施例3のアンテナ装置のVSWR特性を示す図。
【図12】実施例3のアンテナ装置の垂直面指向性を示す図。
【図13】実施例3のアンテナ装置の水平面指向性を示す図。
【図14】実施例3のアンテナ装置のインピーダンス特性を示す図。
【図15】本発明に係る実施例4のアンテナ装置の構成を示す図。
【図16】従来例1のアンテナ装置の構成を示す図。
【図17】従来例1のアンテナ装置のVSWR特性を示す図。
【図18】従来例1のアンテナ装置の垂直面指向性を示す図。
【図19】従来例1のアンテナ装置の水平面指向性を示す図。
【図20】従来例1のアンテナ装置のインピーダンス特性を示す図。
【図21】従来例2のアンテナ装置の構成を示す図。
【図22】従来例2のアンテナ装置のVSWR特性を示す図。
【図23】従来例2のアンテナ装置の垂直面指向性を示す図。
【図24】従来例2のアンテナ装置の水平面指向性を示す図。
【図25】従来例2のアンテナ装置のインピーダンス特性を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係るアンテナ装置の構成を示す三面図、図2はその斜視図である。図1や図2において、アンテナ装置10は、左右両側に折返部(副反射板)11aを有する長方形の反射板11と、反射板11の略中央に設けられた給電部13と、反射板11の前面に、給電部13を中心に上下左右対称に配置された4個の放射素子12−1〜12−4(以下、放射素子12と総称する。)と、反射板11の前面中央に沿って設けられ、放射素子12のそれぞれに給電部13からの給電信号を供給する給電線路14、16とを備える。本例のアンテナ装置10は、垂直偏波で使用することを想定しており、取付け用の支柱も図示してある。
【0013】
図3は、放射素子12−2の拡大斜視図である。上記放射素子12のそれぞれは、折返しダイポール(folded dipole)アンテナであり、ダイポールアンテナに相当する2つの内側素子(給電側素子)12aと、2つの内側素子の両端を直線的に接続する外側素子(折返し素子)12bとを備える。折返しダイポールは通常のダイポールアンテナと同じ指向性(利得)でありながら、インピーダンスが高く、寸法によりにより特性を変えられる利点がある。
【0014】
外側素子12bは、長さdの押し出し形状のアルミ製部品であり、その断面は、幅c、深さeのチャネル状(溝状、コの字状)になっている。2つの内側素子12aは、外側素子12bの両端のチャネル底部中央の位置で外側素子12bと接合し、外側素子12bのチャネル外側の面に沿って間隔bを保って外側素子12bの中央付近まで直線的に伸びる、幅aの平板状のアルミ製部品である。本例において、c>a、すなわち外側素子12bは内側素子12aより幅広に形成される。対向する外側素子12bの底部と内側素子12aのそれぞれの面は略平行である。外側素子12bの中央付近で対向する2つの内側素子12aの端部が、この放射素子12の給電点となる。
【0015】
放射素子12−1と12−2は、間隔fでもって、それぞれの外側素子12bが互いに外側を向き(すなわち相手と反対を向き)、かつ面対称(鏡映対称)となるように配置される。
給電線路16は、同一面上に並設される2つの真鍮製の平板で構成され、放射素子12のインピーダンスに近い特性インピーダンスを有する給電線路であり、放射素子12−1と12−2のそれぞれの給電点を、放射素子12−1と12−2の間の中央(鏡映面)まで引き出す。なお、アルミ製の内側素子12aと真鍮製の給電線路16とは、亜鉛のめっきまたは板を介して接続し、電蝕を防止する。
【0016】
図1及び2に戻り、放射素子12−1、12−2と給電線路16とがなす概観がH型であるため、これらをH型折返しアンテナと呼ぶことにする。放射素子12−3、12−4も同様にH型折返しアンテナを構成する。この2つのH型折返しアンテナは、前述の放射素子12−1と12−2との鏡映面と垂直な面において面対称となるようスタックされ、その結果、放射素子12−1〜12−4は同一面上に並ぶことになる。反射板11は、その同一面と平行に設けられ、反射板11の中心は、放射素子12−1〜12−4の配列の中心と略等しい。
【0017】
反射板11の幅(短辺の長さ)Aは、放射素子12−1と12−2との間隔(H型折返しアンテナの幅)fよりも広く、長さBは、スタック間隔Cと放射素子長dの和よりも長い。すなわち反射板11は、放射素子12−1〜12−4の配列の外形寸法(外側寸法)よりも大きい。また反射板11の長辺には、放射素子12が設けられる面とは反対側(すなわちアンテナ装置の放射指向における後方)へ折り返された折返し部11aが設けられる。折り返しの角度は任意であるが、本例では90度である。折返し部11aは、反射板11同様に後方への放射(回り込み)を抑えるように働く。反射板11の幅(短辺の長さ)Aと折返し部11aの長さDは、調整可能であり、用途に応じて交換可能な部材により、幅Aや長さDを継ぎ足しても良い。
【0018】
給電線路14は、真鍮製の伝送導体14−aとストリップ線路アース板14−bとで構成されるマイクロストリップ線路であり、その両端が、2つのH型折返しアンテナのそれぞれの給電線路16の中央と接続され、その略中央部が、給電部13に接続される。これにより給電部13からの電力は、給電線路14の中央で2分され、更に給電線路16の中央と接続される際にそれぞれ2分され、各放射素子12に供給される。
【0019】
給電線路14は、ストリップ線路アース板14−b側が反射板11に向かい合うように設けられ、ストリップ線路アース板14−bは、その両端部において反射板11と4個の真鍮製のスペーサ15により支持され、電気的にも接続される。伝送導体14−aは、各所においてストリップ線路アース板14−bから絶縁性スペーサ(不図示)を介して支えられる。図1及び図2では、H型折返しアンテナは、この給電線路14の端部でのみ支えられているが、反射板11から複数の絶縁性スペーサにより直接支えるようにしても良い。また給電線路14は、トリプレート線路等の各種の不平衡線路と置換できる。
【0020】
ここで、アンテナ装置10の具体的な寸法例は、次のように表される。アンテナ装置10の通信周波数帯における中心周波数fcの波長をλcと表した場合、反射板11の横幅Aは0.3λc、反射板11の長さBは1.23λc、スタック間隔(2つのH型折返しアンテナの中心間の距離)Cは0.55λc、反射板11からの突出の最大高さHは0.09λc、内側素子12aの幅aは0.06λc、内側素子12aと外側素子12bとの間隔bは0.06λc、外側素子12bの幅cは0.04λc、放射素子長dは0.43λc、外側素子12bのチャネルの深さeは0.06λc、放射素子間隔fは0.10λcに設定される。
【0021】
図4は、上記のように設定した場合のアンテナ装置10のVSWR特性であり、横軸に周波数[MHz]をとり、縦軸にVSWRをとって示した。図4から、VSWR特性は、178MHzから193MHzに亘って1.5以下となり比帯域幅8%が得られる。また、垂直面指向性を図5に、水平面指向性を図6に示す。図5及び図6において、1点線は179MHz、実線は184MHz、二点鎖線は189MHzの場合を示している。
【0022】
図7は上記アンテナ装置10の給電部13におけるインピーダンス特性を示したもので、横軸に周波数[MHz]をとり、縦軸にインピーダンス[Ω]をとり、実部を実線で、虚部を破線で示した。このインピーダンス特性は、図7から明らかなように、179〜192MHz付近まで略一定のインピーダンス(抵抗値)が得られている。
【0023】
本例では図1及び2に示したように、外側素子12bの左右両端を折り曲げて溝状の形状にすることにより、反射板11からの放射素子12の最大高さHを0.09λcと低く設定しても、広帯域特性を維持することができる。
【実施例2】
【0024】
図8に、実施例2に係るアンテナ装置の3面図を示す。本例のアンテナ装置は、給電線路14、16を、放射素子12の中心と同一面から、より反射板11に近づけた点、反射板の中央からずらされた給電部13を給電線路14の中央に接続する新たな給電線路17を備えた点、及びカバー18を設けた点で実施例1と異なる。
【0025】
本例の給電線路16’は、放射素子12の給電点から反射板11へ向かって下りた後、実施例1の給電線路16と同様に反射板11に平行な線路となる。本例の給電線路14’は、給電線路16’と同じ反射板11からの距離に保たれている点以外は、実施例1の給電線路14と同じである。
【0026】
カバー18は、FRP(ファイバ強化プラスチック)等の絶縁性の素材であり、底辺が反射板11に対応する台形状の断面の内部空間を有する。カバー18の周囲の縁は、台形の底辺と同一平面をなして外側に張り出し、その縁においてボルトにより防水パッキンと共締めして反射板11に固定される。本例ではカバー18の幅及び長さは、反射板11の幅A及び長さBとそれぞれ略同一である。H型折返しアンテナや給電線路等は、反射板11とカバー18とで閉ざされた空間に収納され、特に、カバー18の角(台形の鈍角)が、H型折返しアンテナの外側素子12bの端部付近に位置するようになっている。
【0027】
図9に、実施例2に係るアンテナ装置の給電線路17の3面図を示す。給電線路17は、平板上の中心導体を、それに平行な2枚のアース板で挟んだ構造のトリプレート線路であり、中心導体の反射板11からの高さは、給電線路14’の伝送導体14’−aと同じである。給電線路17は、給電線路14’の中央に接続し、側方に向かった後、直角に折れ曲がって、反射板11を貫通して設けられた接栓の直上まで伸びている。本例の給電線路17はその一部において、本アンテナ装置の接栓における公称インピーダンス(50Ω)と異なる特性インピーダンスを有しており、静電容量を給電部13に並列に装荷したように作用する。
【0028】
本例によれば、最大高さHが低いため、カバー18の高さも低くでき、風圧の受けにくさや外観を改善することができる。また、給電線路14’や16’は、反射板11からの高さが低くなったものの、反射板11とは別体に構成されており、カバー18内に侵入し反射板を伝ってくる、或いはカバー18内で結露した水分による腐食の影響を受けにくくできる効果は保たれる。給電線路14’や16’が放射素子12から離れたことで、放射素子との結合が減り、アンテナの設計が容易になることが期待できる。
【実施例3】
【0029】
図10に、アンテナ装置10の実施例3を示す。アンテナ装置10Aの放射素子12は、一体の部材を折り曲げ等して内側素子12aと外側素子12bとを形成してなるものである。また、上記同様に、アンテナ装置10AのVSWR特性を図11に示し、垂直面指向性を図12に、水平面指向性を図13に、インピーダンス特性を図14に示す。
【実施例4】
【0030】
また、図15に、このアンテナ装置10の実施例4を示す。アンテナ装置10Bは、放射素子12の外側素子12bを、外側ではなく反射板11に向け、内側素子12a及び外側素子12bの幅方向が反射板11と平行になるよう配置したものである。
ここで、本発明の実施例に係るアンテナ装置との対比のため、従来例のアンテナ装置の特性を示す。
【0031】
図16の従来例1のアンテナ装置の、VSWR特性を図17に、垂直面指向性を図18に、水平面指向性を図19に、インピーダンス特性を図20に示す。なお、従来例1のアンテナ装置では、放射素子として平板状のダイポールを用い、そのスタック間隔Cは0.55λc、放射素子長Dは0.47λc、放射素子と反射板の間隔Hは0.30λcである。大きな反射板のサイズおよび反射板からの突出が許容されるなら、広帯域のセクタアンテナを構成することは従来から可能である。
【0032】
また、従来例2のアンテナ構成を図21に示す。図22に従来例2のアンテナ装置のVSWR特性、図23に垂直面指向性、図24に水平面指向性、図25にインピーダンス特性を示す。従来例2のアンテナ構成は、従来例1に比べ反射板からの間隔を0.09λcと短くしたものであり、そのことにより図20に示すようにVSWR特性が急激に悪化している。つまり、反射板と放射素子(の中心)との距離が0.1λ以下の場合には、放射素子が低インピーダンスとなり整合が困難になる。
【0033】
これに対し、本実施形態では、従来例1、2のようなダイポールアンテナを、図1に示したようなH型の折返しアンテナに置き換えることにより、最大突出高さHを0.09λcに固定し、反射板11を横幅約0.3λc、長さ約1.23λcのように小型化して、且つ、指向性、VSWRも広帯域特性とすることができる。
【0034】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示した各寸法は、比帯域幅(例えば8%)と同程度の範囲内で、変更できる可能性がある。また、放射素子12はその中央で給電するものに限らず、内側素子12aの長さを異ならせても良い。また放射素子12と反射板11の間の空間に空気以外の誘電体を充填し、更なる小型化を図ってもよい。また3面以上の多面合成を行って、セクタアンテナではなく無指向性アンテナを実現してもよい。
【符号の説明】
【0035】
10…アンテナ装置、11…反射板、11a…折返部、12−1〜12−4…放射素子、12a…内側素子、12b…外側素子、13…給電部、14…給電線路、15…スペーサ、16…給電線路、17…給電線路、18…カバー。
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信用基地局や放送用送信等に使用するアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種通信用基地局では、特定の水平方向領域に対して通信サービスを行うセクタアンテナが使用されている。セクタアンテナでは、アンテナ素子(放射素子)と金属反射板を用いた基本構造により、特定方向への指向性を強めている。
図16は、従来例1のアンテナ装置の構成を示す図である。ダイポール素子を2段スタックにして構成する場合、半値幅120°の指向性を得るには、一例として、反射板の幅Aを約0.62λ、長さBを約2.48λとし、その反射板上の高さH:0.25〜0.30λにダイポールアンテナを設ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7567211号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来技術によれば、VHF(very high frequency)帯等ではアンテナ形状が大きくなり、設置、外観等が問題となっている。すなわち、支柱がアンテナの重量や風圧に耐えらない、物理的に干渉して設置できない、等の支障が生じる。
【0005】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、アンテナ形状を小型化し、且つ指向性、広帯域性を維持することができるアンテナ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の態様は、所定の平面上で、上下対称及び左右対称に配置された4個の折返しダイポールアンテナと、前記所定の平面と水平で、前記4個の折返しダイポールアンテナの配置の外側寸法よりも大きな平板状の反射板と、前記反射板の前面中央に沿って前記反射板とは別体に設けられ、前記放射素子のそれぞれに給電部からの給電信号を供給する給電線路とを具備し、前記折返しダイポールアンテナのそれぞれは、ダイポールアンテナ様の1対の給電側素子と、前記1対の給電側素子の両端を直線状につなぐ略λ/2(λは使用周波数における波長)長の折返し素子を備え、前記折返し素子は、溝状の断面を押し出た形状をなし、該溝の底の外側において前記1対の給電側素子と対向し、前記溝の幅は、前記1対の給電側素子の幅よりも広く形成され、前記反射板からの前記折返し素子の最大距離が、0.1λ以下であることを特徴とするアンテナ装置である。
【0007】
また、この発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記給電線路の少なくとも一部は、不平衡線路で構成され、該不平衡線路のアース側と前記反射板との間に複数の金属製のスペーサを有し、前記反射板は、長方形であり、該長方形の長辺において後方へ折り返された折曲部を有し、該折曲部の一部は着脱可能に構成されるものである。
【0008】
また、この発明の第3の態様は、上記第2の態様において、前記反射板の前面に、該反射板と共働して、前記4個の折返しダイポールアンテナと前記給電線路とを収納するカバーを更に有し、該カバーは、底辺が反射板に対応し、鈍角が外側素子の端部付近に位置するような台形様の断面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
すなわちこの発明によれば、アンテナ形状を小型化し、且つ指向性、広帯域性を維持することができるアンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1に係るアンテナ装置の構成を示す三面図。
【図2】図1のアンテナ装置の斜視図。
【図3】図1のアンテナ装置の放射素子12−2の斜視図。
【図4】図1のアンテナ装置のVSWR特性を示す図。
【図5】図1のアンテナ装置の垂直面指向性を示す図。
【図6】図1のアンテナ装置の水平面指向性を示す図。
【図7】図1のアンテナ装置のインピーダンス特性を示す図。
【図8】実施例2に係るアンテナ装置の3面図
【図9】図8のアンテナ装置の給電線路17の3面図
【図10】本発明に係る実施例3のアンテナ装置の構成を示す図。
【図11】実施例3のアンテナ装置のVSWR特性を示す図。
【図12】実施例3のアンテナ装置の垂直面指向性を示す図。
【図13】実施例3のアンテナ装置の水平面指向性を示す図。
【図14】実施例3のアンテナ装置のインピーダンス特性を示す図。
【図15】本発明に係る実施例4のアンテナ装置の構成を示す図。
【図16】従来例1のアンテナ装置の構成を示す図。
【図17】従来例1のアンテナ装置のVSWR特性を示す図。
【図18】従来例1のアンテナ装置の垂直面指向性を示す図。
【図19】従来例1のアンテナ装置の水平面指向性を示す図。
【図20】従来例1のアンテナ装置のインピーダンス特性を示す図。
【図21】従来例2のアンテナ装置の構成を示す図。
【図22】従来例2のアンテナ装置のVSWR特性を示す図。
【図23】従来例2のアンテナ装置の垂直面指向性を示す図。
【図24】従来例2のアンテナ装置の水平面指向性を示す図。
【図25】従来例2のアンテナ装置のインピーダンス特性を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係るアンテナ装置の構成を示す三面図、図2はその斜視図である。図1や図2において、アンテナ装置10は、左右両側に折返部(副反射板)11aを有する長方形の反射板11と、反射板11の略中央に設けられた給電部13と、反射板11の前面に、給電部13を中心に上下左右対称に配置された4個の放射素子12−1〜12−4(以下、放射素子12と総称する。)と、反射板11の前面中央に沿って設けられ、放射素子12のそれぞれに給電部13からの給電信号を供給する給電線路14、16とを備える。本例のアンテナ装置10は、垂直偏波で使用することを想定しており、取付け用の支柱も図示してある。
【0013】
図3は、放射素子12−2の拡大斜視図である。上記放射素子12のそれぞれは、折返しダイポール(folded dipole)アンテナであり、ダイポールアンテナに相当する2つの内側素子(給電側素子)12aと、2つの内側素子の両端を直線的に接続する外側素子(折返し素子)12bとを備える。折返しダイポールは通常のダイポールアンテナと同じ指向性(利得)でありながら、インピーダンスが高く、寸法によりにより特性を変えられる利点がある。
【0014】
外側素子12bは、長さdの押し出し形状のアルミ製部品であり、その断面は、幅c、深さeのチャネル状(溝状、コの字状)になっている。2つの内側素子12aは、外側素子12bの両端のチャネル底部中央の位置で外側素子12bと接合し、外側素子12bのチャネル外側の面に沿って間隔bを保って外側素子12bの中央付近まで直線的に伸びる、幅aの平板状のアルミ製部品である。本例において、c>a、すなわち外側素子12bは内側素子12aより幅広に形成される。対向する外側素子12bの底部と内側素子12aのそれぞれの面は略平行である。外側素子12bの中央付近で対向する2つの内側素子12aの端部が、この放射素子12の給電点となる。
【0015】
放射素子12−1と12−2は、間隔fでもって、それぞれの外側素子12bが互いに外側を向き(すなわち相手と反対を向き)、かつ面対称(鏡映対称)となるように配置される。
給電線路16は、同一面上に並設される2つの真鍮製の平板で構成され、放射素子12のインピーダンスに近い特性インピーダンスを有する給電線路であり、放射素子12−1と12−2のそれぞれの給電点を、放射素子12−1と12−2の間の中央(鏡映面)まで引き出す。なお、アルミ製の内側素子12aと真鍮製の給電線路16とは、亜鉛のめっきまたは板を介して接続し、電蝕を防止する。
【0016】
図1及び2に戻り、放射素子12−1、12−2と給電線路16とがなす概観がH型であるため、これらをH型折返しアンテナと呼ぶことにする。放射素子12−3、12−4も同様にH型折返しアンテナを構成する。この2つのH型折返しアンテナは、前述の放射素子12−1と12−2との鏡映面と垂直な面において面対称となるようスタックされ、その結果、放射素子12−1〜12−4は同一面上に並ぶことになる。反射板11は、その同一面と平行に設けられ、反射板11の中心は、放射素子12−1〜12−4の配列の中心と略等しい。
【0017】
反射板11の幅(短辺の長さ)Aは、放射素子12−1と12−2との間隔(H型折返しアンテナの幅)fよりも広く、長さBは、スタック間隔Cと放射素子長dの和よりも長い。すなわち反射板11は、放射素子12−1〜12−4の配列の外形寸法(外側寸法)よりも大きい。また反射板11の長辺には、放射素子12が設けられる面とは反対側(すなわちアンテナ装置の放射指向における後方)へ折り返された折返し部11aが設けられる。折り返しの角度は任意であるが、本例では90度である。折返し部11aは、反射板11同様に後方への放射(回り込み)を抑えるように働く。反射板11の幅(短辺の長さ)Aと折返し部11aの長さDは、調整可能であり、用途に応じて交換可能な部材により、幅Aや長さDを継ぎ足しても良い。
【0018】
給電線路14は、真鍮製の伝送導体14−aとストリップ線路アース板14−bとで構成されるマイクロストリップ線路であり、その両端が、2つのH型折返しアンテナのそれぞれの給電線路16の中央と接続され、その略中央部が、給電部13に接続される。これにより給電部13からの電力は、給電線路14の中央で2分され、更に給電線路16の中央と接続される際にそれぞれ2分され、各放射素子12に供給される。
【0019】
給電線路14は、ストリップ線路アース板14−b側が反射板11に向かい合うように設けられ、ストリップ線路アース板14−bは、その両端部において反射板11と4個の真鍮製のスペーサ15により支持され、電気的にも接続される。伝送導体14−aは、各所においてストリップ線路アース板14−bから絶縁性スペーサ(不図示)を介して支えられる。図1及び図2では、H型折返しアンテナは、この給電線路14の端部でのみ支えられているが、反射板11から複数の絶縁性スペーサにより直接支えるようにしても良い。また給電線路14は、トリプレート線路等の各種の不平衡線路と置換できる。
【0020】
ここで、アンテナ装置10の具体的な寸法例は、次のように表される。アンテナ装置10の通信周波数帯における中心周波数fcの波長をλcと表した場合、反射板11の横幅Aは0.3λc、反射板11の長さBは1.23λc、スタック間隔(2つのH型折返しアンテナの中心間の距離)Cは0.55λc、反射板11からの突出の最大高さHは0.09λc、内側素子12aの幅aは0.06λc、内側素子12aと外側素子12bとの間隔bは0.06λc、外側素子12bの幅cは0.04λc、放射素子長dは0.43λc、外側素子12bのチャネルの深さeは0.06λc、放射素子間隔fは0.10λcに設定される。
【0021】
図4は、上記のように設定した場合のアンテナ装置10のVSWR特性であり、横軸に周波数[MHz]をとり、縦軸にVSWRをとって示した。図4から、VSWR特性は、178MHzから193MHzに亘って1.5以下となり比帯域幅8%が得られる。また、垂直面指向性を図5に、水平面指向性を図6に示す。図5及び図6において、1点線は179MHz、実線は184MHz、二点鎖線は189MHzの場合を示している。
【0022】
図7は上記アンテナ装置10の給電部13におけるインピーダンス特性を示したもので、横軸に周波数[MHz]をとり、縦軸にインピーダンス[Ω]をとり、実部を実線で、虚部を破線で示した。このインピーダンス特性は、図7から明らかなように、179〜192MHz付近まで略一定のインピーダンス(抵抗値)が得られている。
【0023】
本例では図1及び2に示したように、外側素子12bの左右両端を折り曲げて溝状の形状にすることにより、反射板11からの放射素子12の最大高さHを0.09λcと低く設定しても、広帯域特性を維持することができる。
【実施例2】
【0024】
図8に、実施例2に係るアンテナ装置の3面図を示す。本例のアンテナ装置は、給電線路14、16を、放射素子12の中心と同一面から、より反射板11に近づけた点、反射板の中央からずらされた給電部13を給電線路14の中央に接続する新たな給電線路17を備えた点、及びカバー18を設けた点で実施例1と異なる。
【0025】
本例の給電線路16’は、放射素子12の給電点から反射板11へ向かって下りた後、実施例1の給電線路16と同様に反射板11に平行な線路となる。本例の給電線路14’は、給電線路16’と同じ反射板11からの距離に保たれている点以外は、実施例1の給電線路14と同じである。
【0026】
カバー18は、FRP(ファイバ強化プラスチック)等の絶縁性の素材であり、底辺が反射板11に対応する台形状の断面の内部空間を有する。カバー18の周囲の縁は、台形の底辺と同一平面をなして外側に張り出し、その縁においてボルトにより防水パッキンと共締めして反射板11に固定される。本例ではカバー18の幅及び長さは、反射板11の幅A及び長さBとそれぞれ略同一である。H型折返しアンテナや給電線路等は、反射板11とカバー18とで閉ざされた空間に収納され、特に、カバー18の角(台形の鈍角)が、H型折返しアンテナの外側素子12bの端部付近に位置するようになっている。
【0027】
図9に、実施例2に係るアンテナ装置の給電線路17の3面図を示す。給電線路17は、平板上の中心導体を、それに平行な2枚のアース板で挟んだ構造のトリプレート線路であり、中心導体の反射板11からの高さは、給電線路14’の伝送導体14’−aと同じである。給電線路17は、給電線路14’の中央に接続し、側方に向かった後、直角に折れ曲がって、反射板11を貫通して設けられた接栓の直上まで伸びている。本例の給電線路17はその一部において、本アンテナ装置の接栓における公称インピーダンス(50Ω)と異なる特性インピーダンスを有しており、静電容量を給電部13に並列に装荷したように作用する。
【0028】
本例によれば、最大高さHが低いため、カバー18の高さも低くでき、風圧の受けにくさや外観を改善することができる。また、給電線路14’や16’は、反射板11からの高さが低くなったものの、反射板11とは別体に構成されており、カバー18内に侵入し反射板を伝ってくる、或いはカバー18内で結露した水分による腐食の影響を受けにくくできる効果は保たれる。給電線路14’や16’が放射素子12から離れたことで、放射素子との結合が減り、アンテナの設計が容易になることが期待できる。
【実施例3】
【0029】
図10に、アンテナ装置10の実施例3を示す。アンテナ装置10Aの放射素子12は、一体の部材を折り曲げ等して内側素子12aと外側素子12bとを形成してなるものである。また、上記同様に、アンテナ装置10AのVSWR特性を図11に示し、垂直面指向性を図12に、水平面指向性を図13に、インピーダンス特性を図14に示す。
【実施例4】
【0030】
また、図15に、このアンテナ装置10の実施例4を示す。アンテナ装置10Bは、放射素子12の外側素子12bを、外側ではなく反射板11に向け、内側素子12a及び外側素子12bの幅方向が反射板11と平行になるよう配置したものである。
ここで、本発明の実施例に係るアンテナ装置との対比のため、従来例のアンテナ装置の特性を示す。
【0031】
図16の従来例1のアンテナ装置の、VSWR特性を図17に、垂直面指向性を図18に、水平面指向性を図19に、インピーダンス特性を図20に示す。なお、従来例1のアンテナ装置では、放射素子として平板状のダイポールを用い、そのスタック間隔Cは0.55λc、放射素子長Dは0.47λc、放射素子と反射板の間隔Hは0.30λcである。大きな反射板のサイズおよび反射板からの突出が許容されるなら、広帯域のセクタアンテナを構成することは従来から可能である。
【0032】
また、従来例2のアンテナ構成を図21に示す。図22に従来例2のアンテナ装置のVSWR特性、図23に垂直面指向性、図24に水平面指向性、図25にインピーダンス特性を示す。従来例2のアンテナ構成は、従来例1に比べ反射板からの間隔を0.09λcと短くしたものであり、そのことにより図20に示すようにVSWR特性が急激に悪化している。つまり、反射板と放射素子(の中心)との距離が0.1λ以下の場合には、放射素子が低インピーダンスとなり整合が困難になる。
【0033】
これに対し、本実施形態では、従来例1、2のようなダイポールアンテナを、図1に示したようなH型の折返しアンテナに置き換えることにより、最大突出高さHを0.09λcに固定し、反射板11を横幅約0.3λc、長さ約1.23λcのように小型化して、且つ、指向性、VSWRも広帯域特性とすることができる。
【0034】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示した各寸法は、比帯域幅(例えば8%)と同程度の範囲内で、変更できる可能性がある。また、放射素子12はその中央で給電するものに限らず、内側素子12aの長さを異ならせても良い。また放射素子12と反射板11の間の空間に空気以外の誘電体を充填し、更なる小型化を図ってもよい。また3面以上の多面合成を行って、セクタアンテナではなく無指向性アンテナを実現してもよい。
【符号の説明】
【0035】
10…アンテナ装置、11…反射板、11a…折返部、12−1〜12−4…放射素子、12a…内側素子、12b…外側素子、13…給電部、14…給電線路、15…スペーサ、16…給電線路、17…給電線路、18…カバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の平面上で、上下対称及び左右対称に配置された4個の折返しダイポールアンテナと、
前記所定の平面と水平で、前記4個の折返しダイポールアンテナの配置の外側寸法よりも大きな平板状の反射板と、
前記反射板の前面中央に沿って前記反射板とは別体に設けられ、前記放射素子のそれぞれに給電部からの給電信号を供給する給電線路と
を具備し、
前記折返しダイポールアンテナのそれぞれは、ダイポールアンテナ様の1対の素子と、前記1対の素子の両端を直線状につなぐ略λ/2(λは使用周波数における波長)長の折返し素子を備え、前記折返し素子は、溝状の断面を押し出た形状をなし、該溝の底の外側において前記1対の素子と対向し、前記溝の幅は、前記1対の素子の幅よりも広く形成され、
前記反射板からの前記折返し素子の最大距離が、0.1λ以下であることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記給電線路の少なくとも一部は、不平衡線路で構成され、該不平衡線路のアース側と前記反射板との間に複数の金属製のスペーサを有し、
前記反射板は、長方形であり、該長方形の長辺において後方へ折り返された折曲部を有し、該折曲部の一部は着脱可能に構成されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記使用周波数はVHFであり、
前記反射板の前面に、該反射板と共働して、前記4個の折返しダイポールアンテナと前記給電線路とを収納するカバーを更に有し、該カバーは、底辺が反射板に対応し、鈍角が外側素子の端部付近に位置するような台形状の断面を有することを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
【請求項1】
所定の平面上で、上下対称及び左右対称に配置された4個の折返しダイポールアンテナと、
前記所定の平面と水平で、前記4個の折返しダイポールアンテナの配置の外側寸法よりも大きな平板状の反射板と、
前記反射板の前面中央に沿って前記反射板とは別体に設けられ、前記放射素子のそれぞれに給電部からの給電信号を供給する給電線路と
を具備し、
前記折返しダイポールアンテナのそれぞれは、ダイポールアンテナ様の1対の素子と、前記1対の素子の両端を直線状につなぐ略λ/2(λは使用周波数における波長)長の折返し素子を備え、前記折返し素子は、溝状の断面を押し出た形状をなし、該溝の底の外側において前記1対の素子と対向し、前記溝の幅は、前記1対の素子の幅よりも広く形成され、
前記反射板からの前記折返し素子の最大距離が、0.1λ以下であることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記給電線路の少なくとも一部は、不平衡線路で構成され、該不平衡線路のアース側と前記反射板との間に複数の金属製のスペーサを有し、
前記反射板は、長方形であり、該長方形の長辺において後方へ折り返された折曲部を有し、該折曲部の一部は着脱可能に構成されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記使用周波数はVHFであり、
前記反射板の前面に、該反射板と共働して、前記4個の折返しダイポールアンテナと前記給電線路とを収納するカバーを更に有し、該カバーは、底辺が反射板に対応し、鈍角が外側素子の端部付近に位置するような台形状の断面を有することを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図15】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−124653(P2011−124653A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278824(P2009−278824)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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