アンテナ装置
【課題】UHF放送よりも高い周波数の電波とUHF放送の電波を高利得で受信することが可能なアンテナ装置を提供する。
【解決手段】このアンテナ装置は、衛星放送受信用の平面アンテナ1と、平面アンテナ1の裏面に対向して設けられた地板2と、UHF放送受信用のダイポールアンテナ5と、地板2に対してダイポールアンテナ5を回転可能に支持するとともに、ダイポールアンテナ5の向きを固定する回転支持部材7およびボルト9を備える。したがって、ダイポールアンテナ5の向きを調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信できる。
【解決手段】このアンテナ装置は、衛星放送受信用の平面アンテナ1と、平面アンテナ1の裏面に対向して設けられた地板2と、UHF放送受信用のダイポールアンテナ5と、地板2に対してダイポールアンテナ5を回転可能に支持するとともに、ダイポールアンテナ5の向きを固定する回転支持部材7およびボルト9を備える。したがって、ダイポールアンテナ5の向きを調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はアンテナ装置に関し、特に、衛星放送とUHF(Ultra-High Frequency)放送の両方の電波を受信するアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、UHF帯の電波を利用した地上波デジタル放送が実用化されている。地上波デジタル放送(UHF放送)を受信するためにはUHFアンテナが必要である。また、衛星放送を受信するためには、放送衛星(BS;Broadcasting Satellite)からの電波を受信するためのパラボラアンテナのようなBSアンテナが必要である。
【0003】
また、UHF放送と衛星放送の両方を受信するアンテナ装置として、オフセット型パラボラアンテナの反射鏡の焦点に配置された受信部にUHFアンテナを固定したものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−60009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のアンテナ装置では、反射鏡の焦点側にUHFアンテナを固定したので、反射鏡の裏面側から到来する電波を受信することができなかった。また、衛星放送の受信を妨げずに大きなUHFアンテナを設けることは困難であった。このため、アンテナ装置の利得が低いと言う問題があった。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、UHF放送よりも高い周波数の電波とUHF放送の電波を高利得で受信することが可能なアンテナ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るアンテナ装置は、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、平面アンテナの裏面に対向して設けられた地板と、UHF放送の電波を受信するダイポールアンテナと、地板に対してダイポールアンテナを回転可能に支持するとともに、ダイポールアンテナの向きを固定する回転支持機構とを備えたものである。ダイポールアンテナを平面アンテナの正面方向に向けたとき、平面アンテナの正面から見るとダイポールアンテナは平面アンテナの外周の外側に設けられている。したがって、ダイポールアンテナの向きを調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0008】
好ましくは、平面アンテナおよび地板の各々は円形であり、ダイポールアンテナを平面アンテナの正面方向に向けたとき、ダイポールアンテナは平面アンテナの外周に沿うように円弧状に形成されている。この場合は、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0009】
また、この発明に係る他のアンテナ装置は、反射鏡およびその焦点に配置された受信部を含み、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信するパラボラアンテナと、UHF放送の電波を受信するダイポールアンテナと、反射鏡に対してダイポールアンテナを回転可能に支持するとともに、ダイポールアンテナの向きを固定する回転支持機構とを備えたものである。ダイポールアンテナを反射鏡の正面方向に向けたとき、反射鏡の正面から見るとダイポールアンテナは反射鏡の外周の外側に設けられている。したがって、ダイポールアンテナの向きを調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0010】
好ましくは、ダイポールアンテナを反射鏡の正面方向に向けたとき、ダイポールアンテナは反射鏡の外周に沿うように円弧状に形成されている。この場合は、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0011】
また、この発明に係るさらに他のアンテナ装置は、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、平面アンテナの裏面に対向して設けられた地板と、平面アンテナの正面から見て平面アンテナに隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信するホイップアンテナと、地板に対してホイップアンテナの基端部を回動可能に支持するとともに、ホイップアンテナの向きを固定する回動支持機構とを備えたものである。したがって、ホイップアンテナの向きを調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0012】
また、この発明に係る他のアンテナ装置は、反射鏡およびその焦点に配置された受信部を含み、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信するパラボラアンテナと、反射鏡の正面から見て反射鏡に隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信するホイップアンテナと、反射鏡に対してホイップアンテナの基端部を回動可能に支持するとともに、ホイップアンテナの向きを固定する回動支持機構とを備えたものである。したがって、ホイップアンテナの向きを調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0013】
好ましくは、ホイップアンテナおよび回動支持機構は複数組設けられ、さらに、複数のホイップアンテナによって受信された電波を合成する合成回路を備える。この場合は、さらに利得を高めることができる。
【0014】
また、この発明に係るさらに他のアンテナ装置は、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、平面アンテナの裏面に対向して設けられた第1の地板と、平面アンテナの正面から見て平面アンテナに隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信する複数のホイップアンテナと、第1の地板および複数のホイップアンテナの裏面に対向して設けられた第2の地板と、複数のホイップアンテナによって受信された電波の位相をずらして合成し、複数のホイップアンテナの指向性を調整する位相器とを備えたものである。したがって、ホイップアンテナの指向性を調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0015】
好ましくは、UHF放送よりも高い周波数の電波は衛星放送の電波である。この場合は、衛星放送の電波とUHF放送の電波の両方を受信することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、この発明に係るアンテナ装置では、UHF放送よりも高い周波数の電波とUHF放送の電波を高利得で受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した地板の構成を示す図である。
【図3】図1に示した給電ボックスの構成を示す図である。
【図4】図1に示した回転支持部材の構成を示す断面図である。
【図5】図1に示した受信部の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態2によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図7】図6に示した回転支持部材の構成を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態3によるアンテナ装置の構成を示す正面図である。
【図9】図8に示したアンテナ装置から平面アンテナを除去した状態を示す図である。
【図10】図9に示した回転支持部材の構成を示す図である。
【図11】図8に示しアンテナ装置の構成を示す後面図である。
【図12】図11に示した受信部の構成を示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態4によるアンテナ装置の構成を示す正面図である。
【図14】図13に示したアンテナ装置の構成を示す後面図である。
【図15】この発明の実施の形態5によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図16】図15のXVI−XVI線断面図である。
【図17】図16に示した受信部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態1]
図1(a)は本発明の実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示す正面図であり、図1(b)はその側面図である。図1(a)(b)において、このアンテナ装置は、平面アンテナ1、地板2、および受信部3を備える。平面アンテナ1は、ラジアルスロットラインアンテナであり、衛星放送の電波を受信する。平面アンテナ1は、所定の直径の円形の金属板(たとえば銅板)で形成されている。円形の金属板には、複数の同心円に沿って多数のハの字を書くように、多数のスロット1aが形成されている。
【0019】
地板2は、平面アンテナ1と同径の円形の金属板(たとえばアルミニウム板)で形成されている。平面アンテナ1と地板2は、所定の隙間を開けて平行に配置されている。平面アンテナ1と地板2の中心線は一致しており、地板2の表面は平面アンテナ1の裏面に対向して配置されている。平面アンテナ1は、絶縁材料で形成された複数のスペーサ4を介して地板2に固定されている。
【0020】
地板2の中心には、図2に示すように、孔2aが開口されている。放送衛星からの電波は、平面アンテナ1によって孔2aに収束される。受信部3は、地板2の裏側から孔2aを覆うようにして地板2の裏面の中央に設けられている。受信部3については、後述する。
【0021】
図1(a)(b)に戻って、このアンテナ装置は、さらに、ダイポールアンテナ5、給電ボックス6、および回転支持部材7を備える。ダイポールアンテナ5は、2つの放射素子5a,5bを含み、UHF放送の電波を受信する。2つの放射素子5a,5bの各々は、ダイポールアンテナ5を平面アンテナ1の正面方向に向けたときに、平面アンテナ1の外周の外側に設けられ、平面アンテナ1の外周に沿うように円弧状に形成されている。
【0022】
給電ボックス6は、図3に示すように、直方体状に形成されており、その下端面には円柱状の回転軸8が垂直に設けられている。放射素子5a,5bの基端部は、給電ボックス6の左右の端面を貫通して給電ボックス6内に固定されている。
【0023】
回転支持部材7は、図4に示すように、角柱状に形成されており、その中心には円形の孔7aが形成されている。回転支持部材7は、孔7aを垂直方向に向けて、地板2の上端部の中央に固定される。孔7aは、回転軸8よりも若干大きな径を有する。回転軸8は、孔7aに挿入され、回転支持部材7によって回転可能に支持される。回転支持部材7には、孔7aと直交するネジ孔7bが形成されている。ネジ孔7bにはボルト9が螺合される。ダイポールアンテナ5が最適な方向に向けられると、ボルト9が締め込まれ、ボルト9の先端によって回転軸8が固定され、ダイポールアンテナ5の向きが固定される。
【0024】
ダイポールアンテナ5の2つの給電点は、図1(b)に示すように、給電ボックス6内のバラン(図示せず)を介して同軸線10の一方端に接続され、同軸線10の他方端は受信部3に接続される。
【0025】
受信部3は、図5に示すように、プローブ11、コンバーター12、および合成回路13を含む。プローブ11は、地板2の孔2aの中心に配置され、平面アンテナ1によって収束された放送衛星からの電波を受信する。コンバーター12は、プローブ11によって受信された衛星放送の電波を衛星放送中間周波信号φAに変換する。合成回路13は、コンバーター12で変換された衛星放送中間周波信号φAと、ダイポールアンテナ5から給電ボックス6および同軸線10を介して供給される地上波受信信号φBとを合成し、合成されたテレビ放送信号φCを出力する。テレビ放送信号φCは、図1(b)に示すように、同軸線14を介してテレビ受信機(図示せず)に供給される。
【0026】
この実施の形態1では、衛星放送受信用の平面アンテナ1の上端部にUHF放送受信用のダイポールアンテナ5を回転可能に設けたので、平面アンテナ1の裏面方向から到来するUHF放送の電波も受信できる。したがって、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0027】
また、ダイポールアンテナ5を平面アンテナ1の正面方向に向けたとき、ダイポールアンテナ5が平面アンテナ1の外周に沿うようにダイポールアンテナ5を円弧状に形成したので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0028】
なお、この実施の形態1では、ダイポールアンテナ5を円弧状に形成したが、直線状に形成してもよいし、V字型に形成してもよい。V字型のダイポールアンテナ5では、放射素子5a,5bの各々は直線状に形成される。また、放射素子5a,5bの各々は、平面アンテナ1の正面から見て、平面アンテナ1の外周に近付くように斜めに配置される。
【0029】
また、この実施の形態1では、平面アンテナ1によって衛星放送の電波を受信したが、これに限るものではなく、平面アンテナ1によってUHF放送の電波よりも高い周波数の電波、たとえば、2.4GHz帯の無線LAN(Local Area Network)の電波やミリ波を受信してもよい。
【0030】
[実施の形態2]
図6(a)(b)は、この発明の実施の形態2によるアンテナ装置の構成を示す図であって、図1(a)(b)と対比される図である。このアンテナ装置が図1(a)(b)のアンテナ装置と異なる点は、平面アンテナ1がオフセット型のパラボラアンテナ20で置換されている点である。
【0031】
パラボラアンテナ20は、反射鏡21と、反射鏡21の焦点に配置された受信部22とを含む。受信部22はアーム23の先端に固定され、アーム23の基端は反射鏡21の裏面に固定されている。受信部22は、反射鏡21によって収束された放送衛星からの電波を衛星放送中間周波信号φAに変換する。反射鏡21の裏面には、合成回路部24が設けられている。受信部22で変換された衛星放送中間周波信号φAは、同軸線25を介して合成回路部24に与えられる。合成回路部24については、後述する。
【0032】
回転支持部材7は、反射鏡21の上端の中央部を挟み込んでボルト26によって固定されている。すなわち図7に示すように、回転支持部材7の下面には、反射鏡21の上端部を挿入するための溝7cが形成されている。また、回転支持部材7の正面の下側から斜め上方向にネジ孔7dが形成されており、ネジ孔7dは溝7cの側壁に連通している。ボルト26は、ネジ孔7dに螺合されている。回転支持部材7の溝7cに反射鏡21の上端の中央部を挿入してボルト26を締め込むと、回転支持部材7は反射鏡21の上端の中央部に垂直に固定される。
【0033】
図6(a)(b)に戻って、ダイポールアンテナの放射素子5a,5bの各々は、ダイポールアンテナ5を平面アンテナ1の正面方向に向けたときに、平面アンテナ1の外周の外側に設けられ、平面アンテナ1の外周に沿うように円弧状に形成されている。ダイポールアンテナ5は、実施の形態1と同様、給電ボックス6、回転軸8および回転支持部材7によって回転可能に支持されている。ダイポールアンテナ5を最適な向きに調整し、ボルト9を締め込むことにより、ダイポールアンテナ5の向きを固定することができる。
【0034】
ダイポールアンテナ5の2つの給電点は、給電ボックス6内のバラン(図示せず)を介して同軸線10の一方端に接続され、同軸線10の他方端は合成回路部24に接続される。
【0035】
合成回路部24は、受信部22から同軸線25を介して供給される衛星放送中間周波信号φAと、ダイポールアンテナ5から給電ボックス6および同軸線10を介して供給される地上波受信信号φBとを合成し、合成されたテレビ放送信号φCを出力する。テレビ放送信号φCは、同軸線14を介してテレビ受信機(図示せず)に供給される。
【0036】
この実施の形態2では、衛星放送受信用のパラボラアンテナ20の反射鏡21の上端部にUHF放送受信用のダイポールアンテナ5を回転可能に設けたので、反射鏡21の裏面方向から到来するUHF放送の電波も受信できる。したがって、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0037】
また、ダイポールアンテナ5を反射鏡21の正面方向に向けたとき、ダイポールアンテナ5が反射鏡21の外周に沿うようにダイポールアンテナ5を円弧状に形成したので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0038】
[実施の形態3]
図8は、この発明の実施の形態3によるアンテナ装置の構成を示す正面図であって、図1(a)と対比される図である。図9は、図8から平面アンテナ1を除去した状態を示す図である。図8および図9において、このアンテナ装置は、衛星放送を受信する平面アンテナ1と、地板2とを備える。平面アンテナ1および地板2は、実施の形態1で説明したとおりであり。所定の間隔を開けて平行に配置されている。地板2の中心には、孔2aが開口されている。
【0039】
また、このアンテナ装置は、2つのホイップアンテナ30,31、2つの回動支持部材32,33、およびボルト34,35を備える。ホイップアンテナ30,31の各々は、二等辺三角形状の金属板(たとえば、銅板)で形成されており、UHF放送の電波を受信する。ホイップアンテナ30,31の各々の長さは、UHF放送の電波の波長をλとすると、約λ/2である。なお、ホイップアンテナ30,31の各々の長さをλ/4とすることも可能である。また、ローディング部材(たとえばコイル)をホイップアンテナ30,31の各々に設けることにより、アンテナ長を短縮することも可能である。地板2は、ホイップアンテナ30,31のアース素子として使用される。地板2の直径は、たとえば360mmである。
【0040】
回動支持部材32は、地板2の図中の左端部にネジ等で固定され、ホイップアンテナ30を回動可能に支持する。ボルト34は、ホイップアンテナ30の向きを固定するために用いられる。回動支持部材33は、地板2の図中の右端部にネジ等で固定され、ホイップアンテナ31を回動可能に支持する。ボルト35は、ホイップアンテナ31の向きを固定するために用いられる。
【0041】
図10は、回動支持部材33の構成を例示する図である。図10において、二等辺三角形のホイップアンテナ31の頂点には、金属製の球体31aが設けられている。回動支持部材33は、弾性を有する絶縁材料によって形成され、円筒部33aと、2枚の平板部33b,33cと、突出部33dとを含む。突出部33dは、円筒部33aの基端の一方側から円筒部33aの長さ方向に突出している。突出部33dは、地板2の裏面にネジ等によって固定される。また、円筒部33aの他方側には、その長さ方向に切り欠き部が形成されている。円筒部33aの先端部の内周部にはU字型の溝がリング状に形成されており、球体31aはその溝によって把持される。これにより、ホイップアンテナ31は、球体31aを中心として回動可能に支持される。
【0042】
また、平板部33b,33cは、円筒部33aの切り欠き部の両側に互いに対向して設けられ、円筒部33aに接合されている。平板部33bにはネジ孔が形成され、平板部33cには丸孔が形成されている。ボルト35は、平板部33cの丸孔を介して平板部33bのネジ孔に螺合されている。ホイップアンテナ31を最適な向きに設定した後、ボルト35を締め込むと、円筒部33aの内径が小さくなり、球体31aが円筒部33aの内周面によって固定され、ホイップアンテナ31の向きが固定される。ホイップアンテナ30および回動支持部材32も、ホイップアンテナ31および回動支持部材33と同じ構成である。
【0043】
図11は、地板2の裏面側から見たアンテナ装置の構成を示す図である。地板2の裏面の中央部には、地板2の孔2aを覆うようにして受信部36が設けられている。ホイップアンテナ30の基端部の給電点P30には、同軸線37の中心導体の一方端が接続され、その他方端は受信部36に接続される。同軸線37の外部導体は、地板2の外周部に接続される。また、ホイップアンテナ31の基端部の給電点P31には、同軸線38の中心導体の一方端が接続され、その他方端は受信部36に接続される。同軸線38の外部導体は、地板2の外周部に接続される。
【0044】
受信部36は、図12に示すように、プローブ40、コンバーター41、および合成回路42を含む。プローブ40は、地板2の孔2aの中心に配置され、平面アンテナ1によって収束された衛星放送の電波を受信する。コンバーター41は、プローブ40によって受信された衛星放送の電波を衛星放送中間周波信号φAに変換する。合成回路42は、コンバーター41で生成された衛星放送中間周波信号φAと、ホイップアンテナ30から同軸線37を介して供給された地上波受信信号φB1と、ホイップアンテナ31から同軸線38を介して供給された地上波受信信号φB2とを合成し、合成されたテレビ放送信号φCを出力する。
【0045】
このとき、地上波受信信号φB1とφB2は位相が180度ずれているので、合成回路42は地上波受信信号φB1,φB2のうちのいずれか一方の信号(たとえばφB2)の位相を180度ずらして他方の信号(この場合、φB1)と合成する。これにより、高い利得が得られる。テレビ放送信号φCは、図10に示すように、同軸線39を介してテレビ受信機(図示せず)に供給される。
【0046】
この実施の形態3では、衛星放送受信用の平面アンテナ1の左右にUHF放送受信用のホイップアンテナ30,31を回動可能に設けたので、平面アンテナ1の裏面方向から到来するUHF放送の電波も受信できる。したがって、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0047】
また、平面アンテナ1とホイップアンテナ30,31で地板2を共用するので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0048】
なお、この実施の形態3では、2つのホイップアンテナ30,31で生成された地上波受信信号φB1,φB2を合成したが、地上波受信信号φB1,φB2を合成せずに別々に使用してもよい。
【0049】
[実施の形態4]
図13は、この発明の実施の形態4によるアンテナ装置の構成を示す正面図であって、図8と対比される図である。図13において、このアンテナ装置が図8のアンテナ装置と異なる点は、平面アンテナ1が図6のパラボラアンテナ20で置換されている点である。
【0050】
回動支持部材32は、パラボラアンテナ20の反射鏡21の図中の左端部に固定され、ホイップアンテナ30を回動可能に支持する。ボルト34は、ホイップアンテナ30の向きを固定するために用いられる。回動支持部材33は、反射鏡21の図中の右端部に固定され、ホイップアンテナ31を回動可能に支持する。ボルト35は、ホイップアンテナ31の向きを固定するために用いられる。
【0051】
図14は、反射鏡21の裏面側から見たアンテナ装置の構成を示す図である。反射鏡21の裏面の中央部には、合成回路部45が設けられている。ホイップアンテナ30の基端部の給電点P30には、同軸線37の中心導体の一方端が接続され、その他方端は合成回路部45に接続される。同軸線37の外部導体は、反射鏡21の外周部に接続される。また、ホイップアンテナ31の基端部の給電点P31には、同軸線38の中心導体の一方端が接続され、その他方端は合成回路部45に接続される。同軸線38の外部導体は、反射鏡21の外周部に接続される。また、パラボラアンテナ20の受信部22は同軸線25を介して合成回路部45に接続される。
【0052】
合成回路部45は、受信部22から同軸線25を介して供給された衛星放送中間周波信号φAと、ホイップアンテナ30から同軸線37を介して供給された地上波受信信号φB1と、ホイップアンテナ31から同軸線38を介して供給された地上波受信信号φB2とを合成し、合成されたテレビ放送信号φCを出力する。
【0053】
このとき、地上波受信信号φB1とφB2は位相が180度ずれているので、合成回路部45は地上波受信信号φB1,φB2のうちのいずれか一方の信号(たとえばφB2)の位相を180度ずらして他方の信号(この場合、φB1)と合成し、合成した信号φBと衛星放送中間周波信号φAとを合成する。これにより、高い利得が得られる。テレビ放送信号φCは、同軸線39を介してテレビ受信機(図示せず)に供給される。
【0054】
この実施の形態3では、衛星放送受信用のパラボラアンテナ20の反射鏡21の左右にUHF放送受信用のホイップアンテナ30,31を回動可能に設けたので、反射鏡21の裏面方向から到来するUHF放送の電波も受信できる。したがって、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0055】
また、反射鏡21をホイップアンテナ30,31の地板として使用するので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0056】
[実施の形態5]
図15(a)は、この発明の実施の形態5によるアンテナ装置の構成を示す正面図であって、図8と対比される図である。図15(b)は、アンテナ装置の下面図である。図15(a)(b)において、このアンテナ装置が図8のアンテナ装置と異なる点は、回動支持部材32,33およびボルト34,35が除去され、長方形の反射板(地板)50が追加されている点である。
【0057】
図15(a)において、平面アンテナ1の中心点を原点Oとし、図中の左右方向にX軸を設け、上下方向にY軸を設けると、ホイップアンテナ30と31は、Y軸を中心線として線対称に配置されている。また、ホイップアンテナ30,31の各々は、X軸を中心線として線対称に形成されている。また、長方形の反射板50の長辺はX軸に平行に配置され、その短辺はY軸に平行に配置されている。
【0058】
また図15(b)に示すように、ホイップアンテナ30,31および平面アンテナ1の各々と反射板50とは所定の間隔を開けて平行に配置されており、ホイップアンテナ30,31および平面アンテナ1の表面は1つの平面に沿って配置されている。ホイップアンテナ30の裏面は、絶縁材料で形成された複数の支持棒51を介して反射板50の表面の一方端部に固定されている。ホイップアンテナ31の裏面は、複数の支持棒51を介して反射板50の表面の他方端部に固定されている。地板2の裏面は、絶縁材料で形成された複数の支持棒52を介して反射板50の表面の中央部に固定されている。
【0059】
図16は、図15(b)のXVI−XVI線断面図である。ただし、支持棒51,52の図示は省略されている。地板2の裏面の中央部には、地板2の孔2aを覆うようにして受信部53が設けられている。ホイップアンテナ30の基端部の給電点P30には同軸線37の中心導体の一方端が接続され、その他方端は受信部53に接続される。同軸線37の外部導体は、地板2の外周部に接続される。また、ホイップアンテナ31の基端部の給電点P31には同軸線38の中心導体の一方端が接続され、その他方端は受信部53に接続される。同軸線38の外部導体は、地板2の外周部に接続される。
【0060】
受信部53は、図17に示すように、プローブ60、コンバーター61、合成回路62、および位相器63を含む。プローブ60は、地板2の孔2aの中心に配置され、平面アンテナ1によって収束された放送衛星からの電波を受信する。コンバーター61は、プローブ60によって受信された衛星放送からの電波を衛星放送中間周波信号φAに変換する。位相器63は、ホイップアンテナ30から同軸線37を介して供給される地上波受信信号φB1と、ホイップアンテナ31から同軸線38を介して供給される地上波受信信号φB2とを合成して地上波受信信号φBを出力する。
【0061】
このとき、地上波受信信号φB1とφB2は位相が180度ずれているので、位相器63は、位相制御信号CNTに従って、地上波受信信号φB1,φB2のうちのいずれか一方の信号(たとえばφB2)の位相を所定角度だけずらして他方の信号(この場合、φB1)と合成する。これにより、ホイップアンテナ30,31の指向性を調整することができ、高い利得を得ることが可能となる。
【0062】
合成回路62は、コンバーター61で生成された衛星放送中間周波信号φAと、位相器63で生成された地上波受信信号φBとを合成し、合成されたテレビ放送信号φCを出力する。テレビ放送信号φCは、同軸線54を介してテレビ受信機(図示せず)に供給される。
【0063】
この実施の形態5では、衛星放送受信用の平面アンテナ1の左右にUHF放送受信用のホイップアンテナ30,31を設け、ホイップアンテナ30,31の指向性を調整する位相器63を設けたので、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0064】
また、平面アンテナ1とホイップアンテナ30,31で地板2を共用するので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0065】
また、以上の実施の形態1〜5では、衛星放送受信用のアンテナとUHF放送受信用のアンテナを一体化したので、部品点数の低減化、低コスト化、小型化を図ることができる。たとえば、アンテナ装置をポール(マスト)の先端部に取付ける場合、1つの取付部材で取付けることができる。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
1 平面アンテナ、1a スロット、2 地板、2a 孔、3,22,36,53 受信部、4 スペーサ、5 ダイポールアンテナ、5a,5b 放射素子、6 給電ボックス、7 回転支持部材、7a 孔、7b,7d ネジ孔、7c 溝、8 回転軸、9,26,34,35 ボルト、10,14,25,37〜39,54 同軸線、11,40,60 プローブ、12,41,61 コンバーター、13,42,62 合成回路、20 パラボラアンテナ、21 反射鏡、23 アーム、24,45 合成回路部、30,31 ホイップアンテナ、31a 球体、32,33 回動支持部材、33a 円筒部、33b,33c 平板部、50 反射板、51,52 支持棒、63 位相器。
【技術分野】
【0001】
この発明はアンテナ装置に関し、特に、衛星放送とUHF(Ultra-High Frequency)放送の両方の電波を受信するアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、UHF帯の電波を利用した地上波デジタル放送が実用化されている。地上波デジタル放送(UHF放送)を受信するためにはUHFアンテナが必要である。また、衛星放送を受信するためには、放送衛星(BS;Broadcasting Satellite)からの電波を受信するためのパラボラアンテナのようなBSアンテナが必要である。
【0003】
また、UHF放送と衛星放送の両方を受信するアンテナ装置として、オフセット型パラボラアンテナの反射鏡の焦点に配置された受信部にUHFアンテナを固定したものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−60009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のアンテナ装置では、反射鏡の焦点側にUHFアンテナを固定したので、反射鏡の裏面側から到来する電波を受信することができなかった。また、衛星放送の受信を妨げずに大きなUHFアンテナを設けることは困難であった。このため、アンテナ装置の利得が低いと言う問題があった。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、UHF放送よりも高い周波数の電波とUHF放送の電波を高利得で受信することが可能なアンテナ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るアンテナ装置は、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、平面アンテナの裏面に対向して設けられた地板と、UHF放送の電波を受信するダイポールアンテナと、地板に対してダイポールアンテナを回転可能に支持するとともに、ダイポールアンテナの向きを固定する回転支持機構とを備えたものである。ダイポールアンテナを平面アンテナの正面方向に向けたとき、平面アンテナの正面から見るとダイポールアンテナは平面アンテナの外周の外側に設けられている。したがって、ダイポールアンテナの向きを調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0008】
好ましくは、平面アンテナおよび地板の各々は円形であり、ダイポールアンテナを平面アンテナの正面方向に向けたとき、ダイポールアンテナは平面アンテナの外周に沿うように円弧状に形成されている。この場合は、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0009】
また、この発明に係る他のアンテナ装置は、反射鏡およびその焦点に配置された受信部を含み、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信するパラボラアンテナと、UHF放送の電波を受信するダイポールアンテナと、反射鏡に対してダイポールアンテナを回転可能に支持するとともに、ダイポールアンテナの向きを固定する回転支持機構とを備えたものである。ダイポールアンテナを反射鏡の正面方向に向けたとき、反射鏡の正面から見るとダイポールアンテナは反射鏡の外周の外側に設けられている。したがって、ダイポールアンテナの向きを調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0010】
好ましくは、ダイポールアンテナを反射鏡の正面方向に向けたとき、ダイポールアンテナは反射鏡の外周に沿うように円弧状に形成されている。この場合は、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0011】
また、この発明に係るさらに他のアンテナ装置は、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、平面アンテナの裏面に対向して設けられた地板と、平面アンテナの正面から見て平面アンテナに隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信するホイップアンテナと、地板に対してホイップアンテナの基端部を回動可能に支持するとともに、ホイップアンテナの向きを固定する回動支持機構とを備えたものである。したがって、ホイップアンテナの向きを調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0012】
また、この発明に係る他のアンテナ装置は、反射鏡およびその焦点に配置された受信部を含み、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信するパラボラアンテナと、反射鏡の正面から見て反射鏡に隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信するホイップアンテナと、反射鏡に対してホイップアンテナの基端部を回動可能に支持するとともに、ホイップアンテナの向きを固定する回動支持機構とを備えたものである。したがって、ホイップアンテナの向きを調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0013】
好ましくは、ホイップアンテナおよび回動支持機構は複数組設けられ、さらに、複数のホイップアンテナによって受信された電波を合成する合成回路を備える。この場合は、さらに利得を高めることができる。
【0014】
また、この発明に係るさらに他のアンテナ装置は、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、平面アンテナの裏面に対向して設けられた第1の地板と、平面アンテナの正面から見て平面アンテナに隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信する複数のホイップアンテナと、第1の地板および複数のホイップアンテナの裏面に対向して設けられた第2の地板と、複数のホイップアンテナによって受信された電波の位相をずらして合成し、複数のホイップアンテナの指向性を調整する位相器とを備えたものである。したがって、ホイップアンテナの指向性を調整することにより、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0015】
好ましくは、UHF放送よりも高い周波数の電波は衛星放送の電波である。この場合は、衛星放送の電波とUHF放送の電波の両方を受信することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、この発明に係るアンテナ装置では、UHF放送よりも高い周波数の電波とUHF放送の電波を高利得で受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した地板の構成を示す図である。
【図3】図1に示した給電ボックスの構成を示す図である。
【図4】図1に示した回転支持部材の構成を示す断面図である。
【図5】図1に示した受信部の構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態2によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図7】図6に示した回転支持部材の構成を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態3によるアンテナ装置の構成を示す正面図である。
【図9】図8に示したアンテナ装置から平面アンテナを除去した状態を示す図である。
【図10】図9に示した回転支持部材の構成を示す図である。
【図11】図8に示しアンテナ装置の構成を示す後面図である。
【図12】図11に示した受信部の構成を示すブロック図である。
【図13】この発明の実施の形態4によるアンテナ装置の構成を示す正面図である。
【図14】図13に示したアンテナ装置の構成を示す後面図である。
【図15】この発明の実施の形態5によるアンテナ装置の構成を示す図である。
【図16】図15のXVI−XVI線断面図である。
【図17】図16に示した受信部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施の形態1]
図1(a)は本発明の実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示す正面図であり、図1(b)はその側面図である。図1(a)(b)において、このアンテナ装置は、平面アンテナ1、地板2、および受信部3を備える。平面アンテナ1は、ラジアルスロットラインアンテナであり、衛星放送の電波を受信する。平面アンテナ1は、所定の直径の円形の金属板(たとえば銅板)で形成されている。円形の金属板には、複数の同心円に沿って多数のハの字を書くように、多数のスロット1aが形成されている。
【0019】
地板2は、平面アンテナ1と同径の円形の金属板(たとえばアルミニウム板)で形成されている。平面アンテナ1と地板2は、所定の隙間を開けて平行に配置されている。平面アンテナ1と地板2の中心線は一致しており、地板2の表面は平面アンテナ1の裏面に対向して配置されている。平面アンテナ1は、絶縁材料で形成された複数のスペーサ4を介して地板2に固定されている。
【0020】
地板2の中心には、図2に示すように、孔2aが開口されている。放送衛星からの電波は、平面アンテナ1によって孔2aに収束される。受信部3は、地板2の裏側から孔2aを覆うようにして地板2の裏面の中央に設けられている。受信部3については、後述する。
【0021】
図1(a)(b)に戻って、このアンテナ装置は、さらに、ダイポールアンテナ5、給電ボックス6、および回転支持部材7を備える。ダイポールアンテナ5は、2つの放射素子5a,5bを含み、UHF放送の電波を受信する。2つの放射素子5a,5bの各々は、ダイポールアンテナ5を平面アンテナ1の正面方向に向けたときに、平面アンテナ1の外周の外側に設けられ、平面アンテナ1の外周に沿うように円弧状に形成されている。
【0022】
給電ボックス6は、図3に示すように、直方体状に形成されており、その下端面には円柱状の回転軸8が垂直に設けられている。放射素子5a,5bの基端部は、給電ボックス6の左右の端面を貫通して給電ボックス6内に固定されている。
【0023】
回転支持部材7は、図4に示すように、角柱状に形成されており、その中心には円形の孔7aが形成されている。回転支持部材7は、孔7aを垂直方向に向けて、地板2の上端部の中央に固定される。孔7aは、回転軸8よりも若干大きな径を有する。回転軸8は、孔7aに挿入され、回転支持部材7によって回転可能に支持される。回転支持部材7には、孔7aと直交するネジ孔7bが形成されている。ネジ孔7bにはボルト9が螺合される。ダイポールアンテナ5が最適な方向に向けられると、ボルト9が締め込まれ、ボルト9の先端によって回転軸8が固定され、ダイポールアンテナ5の向きが固定される。
【0024】
ダイポールアンテナ5の2つの給電点は、図1(b)に示すように、給電ボックス6内のバラン(図示せず)を介して同軸線10の一方端に接続され、同軸線10の他方端は受信部3に接続される。
【0025】
受信部3は、図5に示すように、プローブ11、コンバーター12、および合成回路13を含む。プローブ11は、地板2の孔2aの中心に配置され、平面アンテナ1によって収束された放送衛星からの電波を受信する。コンバーター12は、プローブ11によって受信された衛星放送の電波を衛星放送中間周波信号φAに変換する。合成回路13は、コンバーター12で変換された衛星放送中間周波信号φAと、ダイポールアンテナ5から給電ボックス6および同軸線10を介して供給される地上波受信信号φBとを合成し、合成されたテレビ放送信号φCを出力する。テレビ放送信号φCは、図1(b)に示すように、同軸線14を介してテレビ受信機(図示せず)に供給される。
【0026】
この実施の形態1では、衛星放送受信用の平面アンテナ1の上端部にUHF放送受信用のダイポールアンテナ5を回転可能に設けたので、平面アンテナ1の裏面方向から到来するUHF放送の電波も受信できる。したがって、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0027】
また、ダイポールアンテナ5を平面アンテナ1の正面方向に向けたとき、ダイポールアンテナ5が平面アンテナ1の外周に沿うようにダイポールアンテナ5を円弧状に形成したので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0028】
なお、この実施の形態1では、ダイポールアンテナ5を円弧状に形成したが、直線状に形成してもよいし、V字型に形成してもよい。V字型のダイポールアンテナ5では、放射素子5a,5bの各々は直線状に形成される。また、放射素子5a,5bの各々は、平面アンテナ1の正面から見て、平面アンテナ1の外周に近付くように斜めに配置される。
【0029】
また、この実施の形態1では、平面アンテナ1によって衛星放送の電波を受信したが、これに限るものではなく、平面アンテナ1によってUHF放送の電波よりも高い周波数の電波、たとえば、2.4GHz帯の無線LAN(Local Area Network)の電波やミリ波を受信してもよい。
【0030】
[実施の形態2]
図6(a)(b)は、この発明の実施の形態2によるアンテナ装置の構成を示す図であって、図1(a)(b)と対比される図である。このアンテナ装置が図1(a)(b)のアンテナ装置と異なる点は、平面アンテナ1がオフセット型のパラボラアンテナ20で置換されている点である。
【0031】
パラボラアンテナ20は、反射鏡21と、反射鏡21の焦点に配置された受信部22とを含む。受信部22はアーム23の先端に固定され、アーム23の基端は反射鏡21の裏面に固定されている。受信部22は、反射鏡21によって収束された放送衛星からの電波を衛星放送中間周波信号φAに変換する。反射鏡21の裏面には、合成回路部24が設けられている。受信部22で変換された衛星放送中間周波信号φAは、同軸線25を介して合成回路部24に与えられる。合成回路部24については、後述する。
【0032】
回転支持部材7は、反射鏡21の上端の中央部を挟み込んでボルト26によって固定されている。すなわち図7に示すように、回転支持部材7の下面には、反射鏡21の上端部を挿入するための溝7cが形成されている。また、回転支持部材7の正面の下側から斜め上方向にネジ孔7dが形成されており、ネジ孔7dは溝7cの側壁に連通している。ボルト26は、ネジ孔7dに螺合されている。回転支持部材7の溝7cに反射鏡21の上端の中央部を挿入してボルト26を締め込むと、回転支持部材7は反射鏡21の上端の中央部に垂直に固定される。
【0033】
図6(a)(b)に戻って、ダイポールアンテナの放射素子5a,5bの各々は、ダイポールアンテナ5を平面アンテナ1の正面方向に向けたときに、平面アンテナ1の外周の外側に設けられ、平面アンテナ1の外周に沿うように円弧状に形成されている。ダイポールアンテナ5は、実施の形態1と同様、給電ボックス6、回転軸8および回転支持部材7によって回転可能に支持されている。ダイポールアンテナ5を最適な向きに調整し、ボルト9を締め込むことにより、ダイポールアンテナ5の向きを固定することができる。
【0034】
ダイポールアンテナ5の2つの給電点は、給電ボックス6内のバラン(図示せず)を介して同軸線10の一方端に接続され、同軸線10の他方端は合成回路部24に接続される。
【0035】
合成回路部24は、受信部22から同軸線25を介して供給される衛星放送中間周波信号φAと、ダイポールアンテナ5から給電ボックス6および同軸線10を介して供給される地上波受信信号φBとを合成し、合成されたテレビ放送信号φCを出力する。テレビ放送信号φCは、同軸線14を介してテレビ受信機(図示せず)に供給される。
【0036】
この実施の形態2では、衛星放送受信用のパラボラアンテナ20の反射鏡21の上端部にUHF放送受信用のダイポールアンテナ5を回転可能に設けたので、反射鏡21の裏面方向から到来するUHF放送の電波も受信できる。したがって、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0037】
また、ダイポールアンテナ5を反射鏡21の正面方向に向けたとき、ダイポールアンテナ5が反射鏡21の外周に沿うようにダイポールアンテナ5を円弧状に形成したので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0038】
[実施の形態3]
図8は、この発明の実施の形態3によるアンテナ装置の構成を示す正面図であって、図1(a)と対比される図である。図9は、図8から平面アンテナ1を除去した状態を示す図である。図8および図9において、このアンテナ装置は、衛星放送を受信する平面アンテナ1と、地板2とを備える。平面アンテナ1および地板2は、実施の形態1で説明したとおりであり。所定の間隔を開けて平行に配置されている。地板2の中心には、孔2aが開口されている。
【0039】
また、このアンテナ装置は、2つのホイップアンテナ30,31、2つの回動支持部材32,33、およびボルト34,35を備える。ホイップアンテナ30,31の各々は、二等辺三角形状の金属板(たとえば、銅板)で形成されており、UHF放送の電波を受信する。ホイップアンテナ30,31の各々の長さは、UHF放送の電波の波長をλとすると、約λ/2である。なお、ホイップアンテナ30,31の各々の長さをλ/4とすることも可能である。また、ローディング部材(たとえばコイル)をホイップアンテナ30,31の各々に設けることにより、アンテナ長を短縮することも可能である。地板2は、ホイップアンテナ30,31のアース素子として使用される。地板2の直径は、たとえば360mmである。
【0040】
回動支持部材32は、地板2の図中の左端部にネジ等で固定され、ホイップアンテナ30を回動可能に支持する。ボルト34は、ホイップアンテナ30の向きを固定するために用いられる。回動支持部材33は、地板2の図中の右端部にネジ等で固定され、ホイップアンテナ31を回動可能に支持する。ボルト35は、ホイップアンテナ31の向きを固定するために用いられる。
【0041】
図10は、回動支持部材33の構成を例示する図である。図10において、二等辺三角形のホイップアンテナ31の頂点には、金属製の球体31aが設けられている。回動支持部材33は、弾性を有する絶縁材料によって形成され、円筒部33aと、2枚の平板部33b,33cと、突出部33dとを含む。突出部33dは、円筒部33aの基端の一方側から円筒部33aの長さ方向に突出している。突出部33dは、地板2の裏面にネジ等によって固定される。また、円筒部33aの他方側には、その長さ方向に切り欠き部が形成されている。円筒部33aの先端部の内周部にはU字型の溝がリング状に形成されており、球体31aはその溝によって把持される。これにより、ホイップアンテナ31は、球体31aを中心として回動可能に支持される。
【0042】
また、平板部33b,33cは、円筒部33aの切り欠き部の両側に互いに対向して設けられ、円筒部33aに接合されている。平板部33bにはネジ孔が形成され、平板部33cには丸孔が形成されている。ボルト35は、平板部33cの丸孔を介して平板部33bのネジ孔に螺合されている。ホイップアンテナ31を最適な向きに設定した後、ボルト35を締め込むと、円筒部33aの内径が小さくなり、球体31aが円筒部33aの内周面によって固定され、ホイップアンテナ31の向きが固定される。ホイップアンテナ30および回動支持部材32も、ホイップアンテナ31および回動支持部材33と同じ構成である。
【0043】
図11は、地板2の裏面側から見たアンテナ装置の構成を示す図である。地板2の裏面の中央部には、地板2の孔2aを覆うようにして受信部36が設けられている。ホイップアンテナ30の基端部の給電点P30には、同軸線37の中心導体の一方端が接続され、その他方端は受信部36に接続される。同軸線37の外部導体は、地板2の外周部に接続される。また、ホイップアンテナ31の基端部の給電点P31には、同軸線38の中心導体の一方端が接続され、その他方端は受信部36に接続される。同軸線38の外部導体は、地板2の外周部に接続される。
【0044】
受信部36は、図12に示すように、プローブ40、コンバーター41、および合成回路42を含む。プローブ40は、地板2の孔2aの中心に配置され、平面アンテナ1によって収束された衛星放送の電波を受信する。コンバーター41は、プローブ40によって受信された衛星放送の電波を衛星放送中間周波信号φAに変換する。合成回路42は、コンバーター41で生成された衛星放送中間周波信号φAと、ホイップアンテナ30から同軸線37を介して供給された地上波受信信号φB1と、ホイップアンテナ31から同軸線38を介して供給された地上波受信信号φB2とを合成し、合成されたテレビ放送信号φCを出力する。
【0045】
このとき、地上波受信信号φB1とφB2は位相が180度ずれているので、合成回路42は地上波受信信号φB1,φB2のうちのいずれか一方の信号(たとえばφB2)の位相を180度ずらして他方の信号(この場合、φB1)と合成する。これにより、高い利得が得られる。テレビ放送信号φCは、図10に示すように、同軸線39を介してテレビ受信機(図示せず)に供給される。
【0046】
この実施の形態3では、衛星放送受信用の平面アンテナ1の左右にUHF放送受信用のホイップアンテナ30,31を回動可能に設けたので、平面アンテナ1の裏面方向から到来するUHF放送の電波も受信できる。したがって、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0047】
また、平面アンテナ1とホイップアンテナ30,31で地板2を共用するので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0048】
なお、この実施の形態3では、2つのホイップアンテナ30,31で生成された地上波受信信号φB1,φB2を合成したが、地上波受信信号φB1,φB2を合成せずに別々に使用してもよい。
【0049】
[実施の形態4]
図13は、この発明の実施の形態4によるアンテナ装置の構成を示す正面図であって、図8と対比される図である。図13において、このアンテナ装置が図8のアンテナ装置と異なる点は、平面アンテナ1が図6のパラボラアンテナ20で置換されている点である。
【0050】
回動支持部材32は、パラボラアンテナ20の反射鏡21の図中の左端部に固定され、ホイップアンテナ30を回動可能に支持する。ボルト34は、ホイップアンテナ30の向きを固定するために用いられる。回動支持部材33は、反射鏡21の図中の右端部に固定され、ホイップアンテナ31を回動可能に支持する。ボルト35は、ホイップアンテナ31の向きを固定するために用いられる。
【0051】
図14は、反射鏡21の裏面側から見たアンテナ装置の構成を示す図である。反射鏡21の裏面の中央部には、合成回路部45が設けられている。ホイップアンテナ30の基端部の給電点P30には、同軸線37の中心導体の一方端が接続され、その他方端は合成回路部45に接続される。同軸線37の外部導体は、反射鏡21の外周部に接続される。また、ホイップアンテナ31の基端部の給電点P31には、同軸線38の中心導体の一方端が接続され、その他方端は合成回路部45に接続される。同軸線38の外部導体は、反射鏡21の外周部に接続される。また、パラボラアンテナ20の受信部22は同軸線25を介して合成回路部45に接続される。
【0052】
合成回路部45は、受信部22から同軸線25を介して供給された衛星放送中間周波信号φAと、ホイップアンテナ30から同軸線37を介して供給された地上波受信信号φB1と、ホイップアンテナ31から同軸線38を介して供給された地上波受信信号φB2とを合成し、合成されたテレビ放送信号φCを出力する。
【0053】
このとき、地上波受信信号φB1とφB2は位相が180度ずれているので、合成回路部45は地上波受信信号φB1,φB2のうちのいずれか一方の信号(たとえばφB2)の位相を180度ずらして他方の信号(この場合、φB1)と合成し、合成した信号φBと衛星放送中間周波信号φAとを合成する。これにより、高い利得が得られる。テレビ放送信号φCは、同軸線39を介してテレビ受信機(図示せず)に供給される。
【0054】
この実施の形態3では、衛星放送受信用のパラボラアンテナ20の反射鏡21の左右にUHF放送受信用のホイップアンテナ30,31を回動可能に設けたので、反射鏡21の裏面方向から到来するUHF放送の電波も受信できる。したがって、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0055】
また、反射鏡21をホイップアンテナ30,31の地板として使用するので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0056】
[実施の形態5]
図15(a)は、この発明の実施の形態5によるアンテナ装置の構成を示す正面図であって、図8と対比される図である。図15(b)は、アンテナ装置の下面図である。図15(a)(b)において、このアンテナ装置が図8のアンテナ装置と異なる点は、回動支持部材32,33およびボルト34,35が除去され、長方形の反射板(地板)50が追加されている点である。
【0057】
図15(a)において、平面アンテナ1の中心点を原点Oとし、図中の左右方向にX軸を設け、上下方向にY軸を設けると、ホイップアンテナ30と31は、Y軸を中心線として線対称に配置されている。また、ホイップアンテナ30,31の各々は、X軸を中心線として線対称に形成されている。また、長方形の反射板50の長辺はX軸に平行に配置され、その短辺はY軸に平行に配置されている。
【0058】
また図15(b)に示すように、ホイップアンテナ30,31および平面アンテナ1の各々と反射板50とは所定の間隔を開けて平行に配置されており、ホイップアンテナ30,31および平面アンテナ1の表面は1つの平面に沿って配置されている。ホイップアンテナ30の裏面は、絶縁材料で形成された複数の支持棒51を介して反射板50の表面の一方端部に固定されている。ホイップアンテナ31の裏面は、複数の支持棒51を介して反射板50の表面の他方端部に固定されている。地板2の裏面は、絶縁材料で形成された複数の支持棒52を介して反射板50の表面の中央部に固定されている。
【0059】
図16は、図15(b)のXVI−XVI線断面図である。ただし、支持棒51,52の図示は省略されている。地板2の裏面の中央部には、地板2の孔2aを覆うようにして受信部53が設けられている。ホイップアンテナ30の基端部の給電点P30には同軸線37の中心導体の一方端が接続され、その他方端は受信部53に接続される。同軸線37の外部導体は、地板2の外周部に接続される。また、ホイップアンテナ31の基端部の給電点P31には同軸線38の中心導体の一方端が接続され、その他方端は受信部53に接続される。同軸線38の外部導体は、地板2の外周部に接続される。
【0060】
受信部53は、図17に示すように、プローブ60、コンバーター61、合成回路62、および位相器63を含む。プローブ60は、地板2の孔2aの中心に配置され、平面アンテナ1によって収束された放送衛星からの電波を受信する。コンバーター61は、プローブ60によって受信された衛星放送からの電波を衛星放送中間周波信号φAに変換する。位相器63は、ホイップアンテナ30から同軸線37を介して供給される地上波受信信号φB1と、ホイップアンテナ31から同軸線38を介して供給される地上波受信信号φB2とを合成して地上波受信信号φBを出力する。
【0061】
このとき、地上波受信信号φB1とφB2は位相が180度ずれているので、位相器63は、位相制御信号CNTに従って、地上波受信信号φB1,φB2のうちのいずれか一方の信号(たとえばφB2)の位相を所定角度だけずらして他方の信号(この場合、φB1)と合成する。これにより、ホイップアンテナ30,31の指向性を調整することができ、高い利得を得ることが可能となる。
【0062】
合成回路62は、コンバーター61で生成された衛星放送中間周波信号φAと、位相器63で生成された地上波受信信号φBとを合成し、合成されたテレビ放送信号φCを出力する。テレビ放送信号φCは、同軸線54を介してテレビ受信機(図示せず)に供給される。
【0063】
この実施の形態5では、衛星放送受信用の平面アンテナ1の左右にUHF放送受信用のホイップアンテナ30,31を設け、ホイップアンテナ30,31の指向性を調整する位相器63を設けたので、UHF放送の電波を高い利得で受信することができる。
【0064】
また、平面アンテナ1とホイップアンテナ30,31で地板2を共用するので、装置寸法の小型化を図ることができる。
【0065】
また、以上の実施の形態1〜5では、衛星放送受信用のアンテナとUHF放送受信用のアンテナを一体化したので、部品点数の低減化、低コスト化、小型化を図ることができる。たとえば、アンテナ装置をポール(マスト)の先端部に取付ける場合、1つの取付部材で取付けることができる。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
1 平面アンテナ、1a スロット、2 地板、2a 孔、3,22,36,53 受信部、4 スペーサ、5 ダイポールアンテナ、5a,5b 放射素子、6 給電ボックス、7 回転支持部材、7a 孔、7b,7d ネジ孔、7c 溝、8 回転軸、9,26,34,35 ボルト、10,14,25,37〜39,54 同軸線、11,40,60 プローブ、12,41,61 コンバーター、13,42,62 合成回路、20 パラボラアンテナ、21 反射鏡、23 アーム、24,45 合成回路部、30,31 ホイップアンテナ、31a 球体、32,33 回動支持部材、33a 円筒部、33b,33c 平板部、50 反射板、51,52 支持棒、63 位相器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、
前記平面アンテナの裏面に対向して設けられた地板と、
UHF放送の電波を受信するダイポールアンテナと、
前記地板に対して前記ダイポールアンテナを回転可能に支持するとともに、前記ダイポールアンテナの向きを固定する回転支持機構とを備え、
前記ダイポールアンテナを前記平面アンテナの正面方向に向けたとき、前記平面アンテナの正面から見ると前記ダイポールアンテナは前記平面アンテナの外周の外側に設けられている、アンテナ装置。
【請求項2】
前記平面アンテナおよび前記地板の各々は円形であり、
前記ダイポールアンテナを前記平面アンテナの正面方向に向けたとき、前記ダイポールアンテナは前記平面アンテナの外周に沿うように円弧状に形成されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
反射鏡およびその焦点に配置された受信部を含み、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信するパラボラアンテナと、
UHF放送の電波を受信するダイポールアンテナと、
前記反射鏡に対して前記ダイポールアンテナを回転可能に支持するとともに、前記ダイポールアンテナの向きを固定する回転支持機構とを備え、
前記ダイポールアンテナを前記反射鏡の正面方向に向けたとき、前記反射鏡の正面から見ると前記ダイポールアンテナは前記反射鏡の外周の外側に設けられている、アンテナ装置。
【請求項4】
前記ダイポールアンテナを前記反射鏡の正面方向に向けたとき、前記ダイポールアンテナは前記反射鏡の外周に沿うように円弧状に形成されている、請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、
前記平面アンテナの裏面に対向して設けられた地板と、
前記平面アンテナの正面から見て前記平面アンテナに隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信するホイップアンテナと、
前記地板に対して前記ホイップアンテナの基端部を回動可能に支持するとともに、前記ホイップアンテナの向きを固定する回動支持機構とを備える、アンテナ装置。
【請求項6】
反射鏡およびその焦点に配置された受信部を含み、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信するパラボラアンテナと、
前記反射鏡の正面から見て前記反射鏡に隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信するホイップアンテナと、
前記反射鏡に対して前記ホイップアンテナの基端部を回動可能に支持するとともに、前記ホイップアンテナの向きを固定する回動支持機構とを備える、アンテナ装置。
【請求項7】
前記ホイップアンテナおよび前記回動支持機構は複数組設けられ、
さらに、複数の前記ホイップアンテナによって受信された電波を合成する合成回路を備える、請求項5または請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、
前記平面アンテナの裏面に対向して設けられた第1の地板と、
前記平面アンテナの正面から見て前記平面アンテナに隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信する複数のホイップアンテナと、
前記第1の地板および前記複数のホイップアンテナの裏面に対向して設けられた第2の地板と、
前記複数のホイップアンテナによって受信された電波の位相をずらして合成し、前記複数のホイップアンテナの指向性を調整する位相器とを備える、アンテナ装置。
【請求項9】
前記UHF放送よりも高い周波数の電波は衛星放送の電波である、請求項1から請求項8までのいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項1】
UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、
前記平面アンテナの裏面に対向して設けられた地板と、
UHF放送の電波を受信するダイポールアンテナと、
前記地板に対して前記ダイポールアンテナを回転可能に支持するとともに、前記ダイポールアンテナの向きを固定する回転支持機構とを備え、
前記ダイポールアンテナを前記平面アンテナの正面方向に向けたとき、前記平面アンテナの正面から見ると前記ダイポールアンテナは前記平面アンテナの外周の外側に設けられている、アンテナ装置。
【請求項2】
前記平面アンテナおよび前記地板の各々は円形であり、
前記ダイポールアンテナを前記平面アンテナの正面方向に向けたとき、前記ダイポールアンテナは前記平面アンテナの外周に沿うように円弧状に形成されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
反射鏡およびその焦点に配置された受信部を含み、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信するパラボラアンテナと、
UHF放送の電波を受信するダイポールアンテナと、
前記反射鏡に対して前記ダイポールアンテナを回転可能に支持するとともに、前記ダイポールアンテナの向きを固定する回転支持機構とを備え、
前記ダイポールアンテナを前記反射鏡の正面方向に向けたとき、前記反射鏡の正面から見ると前記ダイポールアンテナは前記反射鏡の外周の外側に設けられている、アンテナ装置。
【請求項4】
前記ダイポールアンテナを前記反射鏡の正面方向に向けたとき、前記ダイポールアンテナは前記反射鏡の外周に沿うように円弧状に形成されている、請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、
前記平面アンテナの裏面に対向して設けられた地板と、
前記平面アンテナの正面から見て前記平面アンテナに隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信するホイップアンテナと、
前記地板に対して前記ホイップアンテナの基端部を回動可能に支持するとともに、前記ホイップアンテナの向きを固定する回動支持機構とを備える、アンテナ装置。
【請求項6】
反射鏡およびその焦点に配置された受信部を含み、UHF放送よりも高い周波数の電波を受信するパラボラアンテナと、
前記反射鏡の正面から見て前記反射鏡に隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信するホイップアンテナと、
前記反射鏡に対して前記ホイップアンテナの基端部を回動可能に支持するとともに、前記ホイップアンテナの向きを固定する回動支持機構とを備える、アンテナ装置。
【請求項7】
前記ホイップアンテナおよび前記回動支持機構は複数組設けられ、
さらに、複数の前記ホイップアンテナによって受信された電波を合成する合成回路を備える、請求項5または請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
UHF放送よりも高い周波数の電波を受信する平面アンテナと、
前記平面アンテナの裏面に対向して設けられた第1の地板と、
前記平面アンテナの正面から見て前記平面アンテナに隣接して設けられ、UHF放送の電波を受信する複数のホイップアンテナと、
前記第1の地板および前記複数のホイップアンテナの裏面に対向して設けられた第2の地板と、
前記複数のホイップアンテナによって受信された電波の位相をずらして合成し、前記複数のホイップアンテナの指向性を調整する位相器とを備える、アンテナ装置。
【請求項9】
前記UHF放送よりも高い周波数の電波は衛星放送の電波である、請求項1から請求項8までのいずれかに記載のアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−39538(P2012−39538A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180032(P2010−180032)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】
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