説明

イオンバランスセンサ

【課題】簡単な構成でイオンバランスを正確に検出し、小形化及び製造コストの低減を可能にする。除電対象物の表面近くにおけるイオンバランスの検出を可能にする。
【解決手段】正イオンまたは負イオンにより帯電するアンテナ20と、アンテナ20がゲート電極Gに接続され、接地されたソース電極Sとゲート電極Gとの間にイオンバランス検出用抵抗Rが接続されると共に、ソース電極Sとドレイン電極Dとの間に直流電源VDSと負荷抵抗Rとが直列に接続されたノーマリーオン形のMOSFET11とを備える。帯電したアンテナ20接地間をイオンバランス検出用抵抗Rを介して流れる電流による電圧降下によってゲート電極Gの電圧を変化させ、この電圧によるドレイン電流の変化を検出してアンテナ20を帯電させたイオンの正負のバランスを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス等の製造プロセスにおいて、デバイスの帯電を防止するためにイオナイザにより正負イオンを前記デバイスに吹き付けて除電する際に、正負イオンの量をバランスさせるために使用するイオンバランスセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のイオナイザ(除電装置)に使用されるイオンバランスセンサの従来技術としては、例えば後述する特許文献1に記載されたものが知られている。
この従来技術は、イオンバランス測定器内に二つの静電位センサを設けると共に、除電対象物の静電位を測定する静電位センサを静電位測定対象物に向け、自己(イオンバランス測定器)の周囲の静電位を測定する静電位センサを静電位測定対象物に向けないように配置し、二つの静電位センサの測定値の差を演算し、自己の周囲のイオンの影響による対象物の静電位測定値に含まれる誤差を軽減して除電対象物の静電位を測定するものである。
【0003】
また、他の従来技術として、後述する特許文献2に記載されているように、イオナイザの吹き出し口にメッシュ状のイオンバランスセンサを配置し、このイオンバランスセンサにより測定した電圧を基準値と比較してその結果により正負の高電圧電源をオンオフ制御することによりイオンバランスを適正に保つようにしたイオナイザの正負イオン出力バランス方法及び装置が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−217892号公報(段落[0012]〜[0021]、図1〜図3等)
【特許文献2】特開2001−43992号公報(段落[0021]〜[0023]、図5等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載された発明では、二つの静電位センサや演算装置等が必要であるため、イオンバランス測定器の回路構成が複雑化し、その大形化や製造コストの上昇を招くおそれがあった。
また、特許文献2に記載された発明では、イオナイザの吹き出し口付近におけるイオンバランスを制御しているに過ぎず、実際の除電対象物の表面におけるイオンバランスを正確に制御できないという問題があった。
【0006】
そこで本発明の解決課題は、極めて簡単な構成でイオンバランスを正確に検出し、小形化及び製造コストの低減が可能であると共に、除電対象物の表面近くにおけるイオンバランスの検出を可能にしたイオンバランスセンサを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、正イオンまたは負イオンにより帯電するアンテナと、
このアンテナがゲート電極に接続され、接地されたソース電極とゲート電極との間にイオンバランス検出用抵抗が接続されると共に、ソース電極とドレイン電極との間に直流電源と負荷抵抗とが直列に接続されたノーマリーオン形のMOSFETと、を備え、
帯電したアンテナと接地との間を前記イオンバランス検出用抵抗を介して流れる電流による電圧降下によってゲート電極の電圧を変化させ、このゲート電極の電圧によるドレイン電流の変化を検出することにより、前記アンテナを帯電させたイオンの正負のバランスを検出するものである。
【0008】
請求項2に記載した発明は、正イオンまたは負イオンにより帯電するアンテナと、
このアンテナが各ゲート電極に接続され、接地された各ソース電極と各ゲート電極との間にイオンバランス検出用抵抗がそれぞれ接続されると共に、各ソース電極と各ドレイン電極との間に直流電源と発光ダイオードとがそれぞれ直列に接続されたノーマリーオフ形のnチャンネルMOSFET及びノーマリーオフ形のpチャンネルMOSFETと、を備え、
帯電したアンテナと接地との間を前記イオンバランス検出用抵抗を介して流れる電流による電圧降下によってゲート電極の電圧を変化させ、このゲート電極の電圧により何れかのMOSFETのドレイン電流を増加させて当該MOSFET側の発光ダイオードを発光させることにより、前記アンテナを帯電させたイオンの正負のバランスを検出するものである。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載したイオンバランスセンサにおいて、
前記イオンバランス検出用抵抗を、個々の抵抗値が異なる複数の抵抗により構成し、これらの抵抗のうちの一つを選択してソース電極とゲート電極との間に接続するものである。
【0010】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載したイオンバランスセンサにおいて、
前記アンテナを構成するプローブにより中空の空間を形成し、ゲート電極を含むMOSFET及び前記イオンバランス検出用抵抗を前記空間に内蔵したものである。
【0011】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載したイオンバランスセンサにおいて、前記イオンバランス検出用抵抗の抵抗値を、MOSFETのソース電極とゲート電極との間に接続されて静電破壊を防止する保護用ダイオードの逆方向抵抗値よりも小さくしたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、正イオンまたは負イオンにより帯電したアンテナと接地との間に、イオンバランス検出用抵抗を介して電流が流れ、この抵抗における電圧降下によってMOSFETのゲート電極に電圧が印加される。この電圧に応じてMOSFETのチャンネルが制御され、ドレイン電流が変化するため、ドレイン電流の変化を電圧の変化として取り出すことにより、アンテナが正負何れのイオンにより帯電したかを検出することができ、言い換えれば正負イオンのイオンバランスを検出することができる。
上記の本発明では、回路構成が極めて簡単であるため、小形化及び製造コストの低減が可能である。また、アンテナを除電対象物の近傍において使用できるから、正負イオンの到達位置におけるイオンバランスを正確に検出でき、半導体デバイス等の製造プロセスに適用した際に極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。まず、図1は本発明の第1実施形態に係るイオンバランスセンサの構成図であり、請求項1の発明に相当する。
図1において、11はノーマリーオン形(ディプレッション形)のnチャンネルMOSFETであり、そのゲート電極Gには導電性のアンテナ20が接続されている。このアンテナ20には、図示されていないイオナイザにより発生した正負イオンが吹き付けられるようになっている。すなわち、半導体デバイス等の除電対象物の表面近傍にアンテナ20を配置することにより、アンテナ20が正負イオンを捕捉するように構成されている。
【0014】
MOSFET11のソース電極Sとドレイン電極Dとの間には、負荷抵抗Rと直流電源VDSとが直列に接続されている。なお、ソース電極Sは接地(バルク電極に接続)されている。また、Outは負荷抵抗Rと直流電源VDSとの間から引き出された出力端子である。
更に、DGSは、MOSFET11の静電破壊を防止するためにその製造プロセスで予め作り込まれた保護用ダイオードであり、図示する極性でゲート電極Gとソース電極Sとの間に接続されている。
【0015】
さて、この実施形態では、ゲート電極Gとソース電極Sとの間にイオンバランス検出用抵抗Rが接続されている。この抵抗Rの抵抗値は、保護用ダイオードDGSの逆方向抵抗値よりも十分に低い既知の値であるものとする。
【0016】
次に、この実施形態の動作を説明する。
MOSFET11はノーマリーオン形であるため、周知の図2(a)のような特性を持ち、ゲート電圧(VGS)が0[V]の状態でソース電極S、ドレイン電極間にチャンネル(図1の例ではnチャンネル)が形成され、直流電源VDSによってドレイン電流Iが流れている。ここで、ゲート電圧が0[V]の状態とは、アンテナ20が正負何れにも帯電していない状態であり、イオナイザから吹き付けられる正負イオンのイオンバランスがとれている状態に相当する。
このときの出力端子Outの電圧Voutを、図2(b)に示す如くV(負の値)とする。
【0017】
次いで、例えば図2(b)の時刻t以後に正イオンの方が負イオンより多くなると、余剰の正イオンによりアンテナ20からイオンバランス検出用抵抗Rを介して接地側に電流が流れる。これにより、抵抗Rの両端にはゲート電極G側が正となる電圧VGSが発生し、この電圧がゲート−ソース間に印加される。この電圧VGSは、MOSFET11のnチャンネルを拡げるように作用するため、ドレイン電流Iが時刻t以前より増加し、結果的に電圧Voutが負側に増加して図2(b)のV1pのように変化する。
【0018】
また、時刻t以後に負イオンの方が正イオンより多くなると、アンテナ20の余剰の負イオンにより、前記とは逆に接地側からイオンバランス検出用抵抗Rを介してアンテナ20側に電流が流れるため、抵抗Rの両端にはゲート電極G側が負となる電圧VGSが発生する。この電圧VGSは、nチャンネルを狭めるように作用するため、ドレイン電流Iが時刻t以前より減少し、結果的に電圧Voutが正側に増加して図2(b)のV1nのように変化する。
【0019】
ここで、イオンバランス検出用抵抗Rの抵抗値を、並列に接続されている保護用ダイオードDGSの逆方向抵抗値よりも十分に低い値にすることにより、両者の合成抵抗値は抵抗Rによって支配的になり、正負何れかに帯電したアンテナ20から抵抗Rを流れる電流による電圧降下を確実にゲート−ソース間の電圧VGSとして検出することができる。
特に、温度変化の影響を受けやすく、個々のMOSFETによってばらつきがある保護用ダイオードDGSの逆方向抵抗値として所望の値を得るのは難しいことから、抵抗値が既知である抵抗Rを用いることは、イオンバランスに応じたMOSFET11の動作を確実にするものである。
【0020】
以上のように、本実施形態によれば、イオンバランスがとれているVGS=0の状態の出力電圧Voutを予め測定しておき、この電圧Voutが正負どちら側に変化したかによってアンテナ20を帯電させた余剰イオンの極性、言い換えればアンテナ20に吹き付けられた正負イオンのアンバランス状態を検出することができる。
従って、検出したアンバランス状態に応じてフィードバック制御によりイオナイザのエミッタに印加する正または負の電圧を調整することにより、正負のイオンバランスを適正に制御することも可能になる。
【0021】
なお、図3はノーマリーオン形のpチャンネルMOSFET12を使用した第2実施形態であり、この実施形態も請求項1の発明に相当する。回路構成上は、直流電源VDS及び保護用ダイオードDGSの極性を除いて図1と同様である。
この実施形態においても、イオンバランスがとれているVGS=0の状態から出力電圧Voutが正負どちらに変化したかによって正負イオンのアンバランス状態を検出することが可能である。
【0022】
次に、図4は本発明の第3実施形態を示しており、請求項3の発明に相当する。
前述した第1、第2実施形態において、正負イオンのアンバランスが大きいと、イオンバランス検出用抵抗Rの電圧降下によってゲート電極Gに印加される電圧VGSが大きくなり、ドレイン電流Iが飽和してこのIによる出力電圧Voutの変化の様子が検出不可能になってしまう。
そこで、この第3実施形態では、イオンバランス検出用抵抗として抵抗値(何れの抵抗値も保護用ダイオードDGSの逆方向抵抗値より十分に低い値とする)が異なる複数の抵抗を並列的に設け、対象とする除電システムに最適な抵抗値のイオンバランス検出用抵抗を選択できるようにしたものである。
【0023】
すなわち、図4において、R,R,R,……は、ゲート電極Gとソース電極Sとの間に、何れかが切替スイッチ13によって選択的に接続されるイオンバランス検出用抵抗であり、これ以外の構成は図1と同様である。なお、図4ではnチャンネルのMOSFET11を使用しているが、図3に示したpチャンネルのMOSFET12にも適用可能であるのは言うまでもない。
その動作としては、切替スイッチ13により抵抗値の異なるイオンバランス検出用抵抗R,R,R,……のうち何れかを選択可能である点以外は図1の実施形態と同様である。例えば、ある抵抗Rをゲート電極Gとソース電極Sとの間に接続した状態で正負イオンのアンバランスによりドレイン電流Iが飽和し、出力電圧Voutに変化が見られない場合には、ドレイン電流Iが非飽和領域になる電圧VGSを発生させる他の抵抗R,R,……を選択するように切替スイッチ13を切り替えればよい。
【0024】
次いで、図5は本発明の第4実施形態を示しており、請求項4の発明に相当する。
上述した第1〜第3実施形態において、アンテナ20が帯電している極性に関わらず、アンテナ20とゲート電極Gとの間のリード線に周囲からノイズが混入すると、このノイズによってMOSFETがオンしてしまい、ドレイン電流Iが増加するおそれがある。この第4実施形態は、上記の不都合を解消するためのものである。
【0025】
すなわち、第1〜第3実施形態におけるアンテナ20に相当する導電性部材として、中空の球状部21a及び管状部21bからなるプローブ21を形成し、前記球状部21a内にゲート電極Gを含むMOSFET11自体を内蔵すると共に、この球状部21aの一点をゲート電極Gに接続する。
なお、ソース電極S及びドレイン電極にはリード線31が接続され、これらのリード線31はシールドカバー32により包囲されて管状部21b内を通り、外部に導出されている。リード線31には、図示されていない直流電源及び負荷抵抗が接続されている。また、図5では、MOSFET11の静電破壊を防止する保護用ダイオードは図示を省略してある。
【0026】
図5のように構成すれば、外来ノイズがプローブ21とゲート電極Gとの間のリード線に混入する恐れはなく、MOSFET11の誤動作も防止することができる。
また、前記球状部21aには、図4に示したようにMOSFET11と複数のイオンバランス検出用抵抗R,R,R,……とからなる構成部品を内蔵しても良く、また、pチャンネルのMOSFET12を用いても良いのは勿論である。
なお、この実施形態において、図5に示したように球状部21a及び管状部21bを一体化して導電性部材により形成するだけでなく、球状部21aを導電性部材により形成してアンテナとして動作させ、管状部21bを絶縁体により形成しても良い。また、球状部21a及び管状部21bを導電性部材により形成すると共に両者を絶縁体により電気的に分離し、球状部21aをアンテナとして動作させる一方で、管状部21bを接地しても良い。この場合には、接地された管状部21bの周辺のイオンは検出されることなく管状部21bから大地へ吸収されることになる。
【0027】
次に、図6は本発明の第5実施形態を示す回路構成図であり、前後するが請求項2の発明に相当する。この実施形態は、イオンバランスを視覚的に表示可能としたものである。
図6において、nチャンネルのMOSFET11’及びpチャンネルのMOSFET12’は何れもノーマリーオフ形(エンハンスメント形)であり、これらのゲート電極Gは何れもアンテナ20に接続されている。また、各MOSFET11’,12’のゲート電極Gとソース電極Sとの間には前記同様にイオンバランス検出用抵抗Rがそれぞれ接続されている。なお、この図でも、保護用ダイオードの図示を省略してある。
【0028】
更に、MOSFET11’のソース電極Sとドレイン電極Dとの間には、発光ダイオードLEDと直流電源VDS1とが直列に接続されていると共に、MOSFET12’のソース電極Sとドレイン電極Dとの間にも、発光ダイオードLEDと直流電源VDS2とが直列に接続されている。ここで、発光ダイオードLED,LEDの発光色は、例えば一方が赤、他方が緑というように異なっている。
【0029】
上記の構成によれば、アンテナ20が帯電した正負イオンのアンバランスに応じて、例えば正イオンが多い場合には発光ダイオードLEDを発光させ、負イオンが多い場合には発光ダイオードLEDを発光させることができ、正負のイオンバランスを色分けにより視覚的に表示することができる。
図示されていないが、この実施形態においても、イオンバランス検出用抵抗を複数設けて切替可能としたり、アンテナ20を図5のプローブ21のように形成してその球状部に発光ダイオードLED,LED及び直流電源VDS1,VDS2以外の構成部品を内蔵しても良い。
【0030】
上記のように、本発明の各実施形態によれば、MOSFETに若干の部品を追加するだけで、実用的かつ安価なイオンバランスセンサを提供することができる。
なお、上記各実施形態では、単体のMOSFETを用いる場合について説明したが、いわゆるFET入力オペアンプと呼ばれるオペアンプの入力段に形成されたMOSFETに対しても、本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態を示す回路構成図である。
【図2】第1実施形態の動作説明図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す回路構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示す回路構成図である。
【図5】本発明の第4実施形態を示す回路構成図である。
【図6】本発明の第5実施形態を示す回路構成図である。
【符号の説明】
【0032】
11,11’:MOSFET(nチャンネル)
12,12’:MOSFET(pチャンネル)
13:切替スイッチ
20:アンテナ
21:プローブ
21a:球状部
21b:管状部
31:リード線
32:シールドカバー
G:ゲート電極
S:ソース電極
D:ドレイン電極
DS,VDS1,VDS2:直流電源
:負荷抵抗
R,R,R,R:イオンバランス検出用抵抗
GS:保護用ダイオード
LED,LED:発光ダイオード
Out:出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正イオンまたは負イオンにより帯電するアンテナと、
このアンテナがゲート電極に接続され、接地されたソース電極とゲート電極との間にイオンバランス検出用抵抗が接続されると共に、ソース電極とドレイン電極との間に直流電源と負荷抵抗とが直列に接続されたノーマリーオン形のMOSFETと、を備え、
帯電したアンテナと接地との間を前記イオンバランス検出用抵抗を介して流れる電流による電圧降下によってゲート電極の電圧を変化させ、このゲート電極の電圧によるドレイン電流の変化を検出することにより、前記アンテナを帯電させたイオンの正負のバランスを検出することを特徴とするイオンバランスセンサ。
【請求項2】
正イオンまたは負イオンにより帯電するアンテナと、
このアンテナが各ゲート電極に接続され、接地された各ソース電極と各ゲート電極との間にイオンバランス検出用抵抗がそれぞれ接続されると共に、各ソース電極と各ドレイン電極との間に直流電源と発光ダイオードとがそれぞれ直列に接続されたノーマリーオフ形のnチャンネルMOSFET及びノーマリーオフ形のpチャンネルMOSFETと、を備え、
帯電したアンテナと接地との間を前記イオンバランス検出用抵抗を介して流れる電流による電圧降下によってゲート電極の電圧を変化させ、このゲート電極の電圧により何れかのMOSFETのドレイン電流を増加させて当該MOSFET側の発光ダイオードを発光させることにより、前記アンテナを帯電させたイオンの正負のバランスを検出することを特徴とするイオンバランスセンサ。
【請求項3】
請求項1または2に記載したイオンバランスセンサにおいて、
前記イオンバランス検出用抵抗を、個々の抵抗値が異なる複数の抵抗により構成し、これらの抵抗のうちの一つを選択してソース電極とゲート電極との間に接続することを特徴とするイオンバランスセンサ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載したイオンバランスセンサにおいて、
前記アンテナを構成するプローブにより中空の空間を形成し、ゲート電極を含むMOSFET及び前記イオンバランス検出用抵抗を前記空間に内蔵したことを特徴とするイオンバランスセンサ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載したイオンバランスセンサにおいて、
前記イオンバランス検出用抵抗の抵抗値を、MOSFETのソース電極とゲート電極との間に接続されて静電破壊を防止する保護用ダイオードの逆方向抵抗値よりも小さくしたことを特徴とするイオンバランスセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−19650(P2006−19650A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198346(P2004−198346)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(394021317)
【Fターム(参考)】