説明

イソキノリノンカリウムチャネル阻害剤

本発明は、心不整脈などを治療するためのカリウムチャネル阻害剤として有用な、構造Iを有する化合物に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くカリウムチャネル阻害剤として有用である化合物に関する。このクラスの化合物は、心不整脈などの治療および予防のためのKv1.5アンタゴニスト類として有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
心房細動(AF)は、臨床実務において最も一般的な持続性心不整脈であり、集団の年齢増加と共に罹患率が増加しやすい。AFが致命的であることはまれであるが、これは、心機能を損ない、うっ血性心不全、血栓塞栓症、または心室細動の発症などの合併症を導き得る。
【0003】
現在利用できる抗不整脈剤は、心室性および心房性/上室性不整脈の治療用に開発されたものである。悪性心室不整脈は、直ちに生命を脅かすものであり、緊急治療を必要とする。心室性不整脈の薬物治療としては、催不整脈の重要な危険性を引き起こすクラスIa(例えば、プロカインアミド、キニジン)、クラスIc(例えば、フレカイニド、プロパフェノン)、およびクラスIII(アミオダロン)薬剤が挙げられる。これらのクラスIおよびIII薬物は、AFを洞調律に変換し、AFの再発を防止することが示されているが(Mounsey,JP、DiMarco,JP、Circulation、102:2665〜2670頁)、潜在的に致命的な心室催不整脈の許容できない危険性を引き起こし、したがって死亡率を増加させ得る(Pratt,CM、Moye,LA、Am J.Cardiol.、65:20B〜29B頁、1990年;Waldoら、Lancet、348:7〜12頁、1996年;Torp−Pedersonら、Expert Opin.Invest.Drugs、9:2695〜2704頁、2000年)。これらの所見は、心房性不整脈の治療のために、より安全でより有効な薬物を開発する、満足されていない明瞭な医薬的必要性を示している。クラスIIIの抗不整脈剤は、心伝導性または心収縮性機能の有意な低下なしでAPDの選択的な延長を引き起こす。心室細動の臨床使用に承認された唯一の選択的なクラスIIIの薬物は、ドフェチリドであり、人における心房および心室の双方に見られるIの迅速活性化成分であるIkrを遮断することにより、その抗不整脈作用を媒介する(Mounsey,JP、DiMarco,JP、Circulation、102:2665〜2670頁)。Ikr遮断剤は、伝導自体に影響を与えることなく、心房および心室の双方におけるAPDおよび不応状態を増加させることから、理論上、AFのような不整脈の治療に有用な薬剤となり得る(Torp−Pedersonら、Expert Opin.Invest.Drugs、9:2695〜2704頁、2000年)。しかしながら、これらの薬剤は、低心拍数での催不整脈の危険性の増大の主要な要因となり得る。
【0004】
超速遅延整流K電流IKurは、ヒトの心房に特異的に見られ、心室では見られない。ヒトの心房におけるIKurの分子的相関物は、Kv1.5と称されるカリウムチャネルである。IKurは、ヒト心房における再分極化にかなり寄与していると考えられている。その結果、Kv1.5を遮断する化合物であるIKurの特異的遮断剤は、催不整脈性後脱分極および現行のクラスIII薬物による治療中に見られる後天性QT延長症候群の根拠となる心室再分極の遅延を引き起こすことなく、ヒト心房における再分極の遅延による不応状態を延長させることにより他の化合物の欠点を克服すると思われる。これらの性質を示すKv1.5遮断剤類が記載されている(Peukertら、J.Med.Chem.46:486〜498頁、2003年;Knoblochら、Naunyn−Schmedieberg’s Arch.Pharmacol.366:482〜287頁、2002年;Merck社、WO0224655、2002年)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に記載された化合物は、Kv1.5アンタゴニストの新規な構造クラスを表している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一般構造式I
【0007】
【化10】

のカリウムチャネル阻害剤に関する。
【0008】
本発明の化合物は、心不整脈などの予防と治療に有用である。また、式Iの化合物および医薬用担体を含む医薬製剤は、本発明の範囲内である。
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、式Iの化合物または医薬として許容できる塩、結晶形態もしくは水和物である。
【0010】
【化11】

式中:
Aは、
a)アリール環であり、ここにおいて、任意の安定なアリール環原子は、独立して、非置換であるか、または
1)ハロゲン、
2)NO
3)CN、
4)CR46=C(R4748
5)C≡CR46
6)(CROR46
7)(CRN(R4647)、
8)(CRC(O)R46
9)(CRC(O)OR46
10)(CR46
11)(CRS(O)0〜261
12)(CRS(O)0〜2N(R4647)、
13)OS(O)0〜261
14)N(R46)C(O)R47
15)N(R46)S(O)0〜261
16)(CRN(R46)R61
17)(CRN(R46)R61OR47
18)(CRN(R46)(CRC(O)N(R4748)、
19)N(R46)(CR61
20)N(R46)(CRN(R4748)、
21)(CRC(O)N(R4748)、または
22)オキソ
で置換されており、または
b)ヘテロアリール環であり、ここにおいて、このヘテロアリール環は、
N、OまたはSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子の環原子を有する5員不飽和単環式環、
N、OおよびSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子の環原子を有する6員不飽和単環式環、ならびに
N、OまたはSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子の環原子を有する9員または10員不飽和の二環式環
からなる群から選択され、
任意の安定なSヘテロアリール環原子は、非置換であるか、またはオキソにより一置換もしくは二置換されており、
任意の安定なCまたはNヘテロアリール環原子は、独立して非置換であるか、または
1)ハロゲン、
2)NO
3)CN、
4)CR46=C(R4748
5)C≡CR46
6)(CROR46
7)(CRN(R4647)、
8)(CRC(O)R46
9)(CRC(O)OR46
10)(CR46
11)(CRS(O)0〜261
12)(CRS(O)0〜2N(R4647)、
13)OS(O)0〜261
14)N(R46)C(O)R47
15)N(R46)S(O)0〜261
16)(CRN(R46)R61
17)(CRN(R46)R61OR47
18)(CRN(R46)(CRC(O)N(R4748)、
19)N(R46)(CR61
20)N(R46)(CRN(R4748)、
21)(CRC(O)N(R4748)、または
22)オキソ
により置換されており;
は、
1)水素、
2)(CR40
3)(CROR40
4)(CRN(R4041
5)(CRN(R40)C(O)OR41
6)(CRN(R40)(CRN(R41)C(O)R49
7)C3〜8シクロアルキル、
8)(CRC(O)OR40
9)(CRN(R40)(CR1〜341
10)(CRS(O)0〜2
11)(CRS(O)0〜2N(R4041)、
12)(CRN(R40)ROR41
13)(CRN(R40)(CR0〜6C(O)N(R4142
からなる群から選択され、
は、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)S(O)0〜2N(R5350)、
4)S(O)0〜262
5)CH
6)C〜Cアルキル、
7)C〜C10シクロアルキル、
8)R82
からなる群から選択され、
前記アルキルおよびシクロアルキルは、非置換であるか、R22により一置換されているか、R22およびR23により二置換されているか、R22、R23およびR24により三置換されているか、またはR22、R23、R24およびR25により四置換されているか;または
およびRは、これらが結合している原子と一緒になって、
【0011】
【化12】

からなる構造群から選択される環を形成し、ここにおいて、uは0または1であり、R99は水素または−OHであり、およびXはOまたは
【0012】
【化13】

であり;
、R、RおよびR10は、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)NO
4)CN、
5)CR43=C(R4445)、
6)C≡CR43
7)(CROR43
8)(CRN(R4344)、
9)(CRC(O)R43
10)(CRC(O)OR43
11)(CR43
12)(CRS(O)0〜260
13)(CRS(O)0〜2N(R4344)、
14)OS(O)0〜260
15)N(R43)C(O)R44
16)N(R43)S(O)0〜260
17)(CRN(R43)R60
18)(CRN(R43)R60OR44
19)(CRN(R43)(CRC(O)N(R4445)、
20)N(R43)(CR60
21)N(R43)(CRN(R4445)、および
22)(CRC(O)N(R4344
から独立して選択されるか、または
およびRは、独立して上記に定義される通りであり、RおよびR10は、これらが結合している原子と一緒になって、環
【0013】
【化14】

を形成し、ここにおいて、RはC1〜6アルキルであり;
、R、R、R、R、R、Rg、R、R、Rj、RおよびRは、
1)水素、
2)C〜Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)アリール、
5)R80
6)C〜C10シクロアルキル、および
7)OR
からなる群から独立して選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、非置換であるか、Rにより一置換されているか、RおよびR15により二置換されているか、R、R15およびR16により三置換されているか、またはR、R15、R16およびR17により四置換されており;
、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52およびR53は、
1)水素、
2)C〜Cアルキル、
3)C〜C10シクロアルキル、
4)アリール、
5)R81
6)CF
7)C〜Cアルケニル、および
8)C〜Cアルキニル
からなる群から独立して選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、非置換であるか、R18により一置換されているか、R18およびR19により二置換されているか、R18、R19およびR20により三置換されているか、またはR18、R19、R20およびR21により四置換されており;
、R60、R61、R62およびR63は、
1)C〜Cアルキル、
2)アリール、
3)R83、および
4)C〜C10シクロアルキル
からなる群から独立して選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、非置換であるか、R26により一置換されているか、R26およびR27により二置換されているか、R26、R27およびR28により三置換されているか、またはR26、R27、R28およびR29により四置換されており;
、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28およびR29は、
1)C〜Cアルキル、
2)ハロゲン、
3)OR51
4)CF
5)アリール、
6)C〜C10シクロアルキル、
7)R84
8)S(O)0〜2N(R5152)、
9)C(O)OR51
10)C(O)R51
11)CN、
12)C(O)N(R5152)、
13)N(R51)C(O)R52
14)S(O)0〜263
15)NO、および
16)N(R5152
からなる群から独立して選択され、
80、R81、R82、R83およびR84は、N、OおよびSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子の環原子を有する4〜6員の不飽和または飽和単環式環からなる非置換または置換ヘテロ環式環、ならびにN、OまたはSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子の還原子を有する9員または10員の不飽和または飽和の二環式環からなる群から独立して選択され;ならびに
がOCHであり、RがCHであり、RがC(CHである場合、Aは置換されており、
n、p、q、rおよびsは、独立して0、1、2、3、4、5または6であり;
が水素であり、RがCHであり、Rが水素である場合、Aは置換されており、
が水素であり、RがCHであり、RがC(CHである場合、置換基がCHでないという条件でAは置換されており、
がOCHであり、RがCHであり、RがCHである場合、Aは置換されている。
【0014】
本発明の化合物のクラスまたは医薬として許容できるこれらの塩類において、
Aは、上記に定義された通りの非置換もしくは置換フェニルであり、またはピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、インドール、ピロロピリジン、ベンズイミダゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾキサジアゾールからなる群から選択される上記に定義された通りの非置換もしくは置換ヘテロアリール環から選択されるアリール環であり;
、R、RおよびR10は、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)OR43
4)(CR43
5)CN、および
6)(CRC(O)N(R4344
からなる群から独立して選択され、または
およびRは、独立して上記に定義される通りであり、RおよびR10は、これらが結合している原子と一緒になって、環
【0015】
【化15】

を形成し、ここにおいて、RはC1〜6アルキルであり;
は、
1)水素、
2)(CR1〜240
3)(CR1〜2OR40
4)(CR1〜2N(R4041)、
5)(CR1〜2N(R40)C(O)OR41
6)(CR1〜2N(R40)(CRN(R41)C(O)R49
7)(CR1〜2C(O)OR40
8)(CR1〜2N(R40)(CR1〜341、および
9)シクロプロピル
からなる群から選択され;
は、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)S(O)0〜2N(R5350)、
4)S(O)0〜262
5)CH
6)C〜Cアルキル、
7)C〜C10シクロアルキル、
8)R82
からなる群から選択され、前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、非置換であるか、R22により一置換されているか、R22およびR23により二置換されているか、R22、R23およびR24により三置換されているか、またはR22、R23、R24およびR25により四置換されているか;または
およびRは、これらが結合している原子と一緒になって、
【0016】
【化16】

からなる構造の群から選択される環を形成し、ここにおいて、uは0または1であり、R99は水素または−OHであり、およびXはOまたは
【0017】
【化17】

である。
【0018】
本発明の化合物のクラスのサブクラスまたは医薬として許容できるこれらの塩類において、
、R、RおよびR10は、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)OR43、および
4)(CRC(O)N(R4344
からなる群から独立して選択される。
【0019】
化合物のサブクラスのグループまたは医薬として許容できるこれらの塩類において、
は、
1)水素
2)(CR1〜240
3)(CR1〜2OR40、または
4)(CR1〜2N(R4041
からなる群から選択され;
は、
1)水素、
2)C〜Cアルキル、および
3)CH
からなる群から選択され、
前記アルキルは、非置換であるか、R22により一置換されているか、R22およびR23により二置換されているか、R22、R23およびR24により三置換されているか、またはR22、R23、R24およびR25により四置換されているか;または
およびRは、これらが結合している原子と一緒になって、
【0020】
【化18】

からなる構造の群から選択される環を形成し、ここにおいて、uは1であり、R99は水素または−OHである。
【0021】
化合物のグループのサブグループまたは医薬として許容できるこれら塩類において、Aは、非置換フェニルであるか、またはハロゲンで置換されているフェニルである。
【0022】
化合物のサブグループのファミリー、または医薬として許容できるそれら塩類において、Rは、−CH、−CHCH、−(CHOCH、−(CHNHおよび−(CHNH、−CHC(O)OC(CHからなる群から選択され;
は、水素、−C(CH、−CHからなる群から選択されるか、または
およびRは、これらが結合している原子と一緒になって、
【0023】
【化19】

からなる構造の群から選択される環を形成し、ここにおいて、uは1であり、R99は水素またはOHである。
【0024】
好ましい実施形態は、
3−tert−ブチル−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−メチルイソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−4−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−メチルイソキノリン−1(2H)−オン、
6−メトキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オン、
4−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オン、
(1E)−11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1,6−ジオン1−オキシム、
3−tert−ブチル−6−ヒドロキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
2,3−ジメチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−2−エチル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
2−エチル−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
6−メトキシ−2−(2−メトキシエチル)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
2−(2−アミノエチル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
2−(3−アミノプロピル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボニトリル、
3−tert−ブチル−8−ヒドロキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
3−tert−ブチル−2−メチル−4−フェニル−6−(4−フェニルブトキシ)イソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−2−メチル−4−フェニル−6−[(5−フェニルペンチル)オキシ]イソキノリン−1(2H)−オン、
11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1,6−ジオン、
(+/−)−11−(3−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オン、
(1S)−11−(3−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オン、
(1R)−11−(3−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オン、および
11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オン
からなる群から選択される化合物または医薬として許容できるその塩である。
【0025】
上記に掲げた化合物は、下記のKv1.5の1つまたは複数のアッセイにおいて活性である。
【0026】
本発明の他の実施形態は、哺乳動物における状態を治療または予防する方法であり、この治療または予防は、式Iの化合物のK1.5を阻害するのに有効である量を投与することを含み、K1.5阻害により達成されるか、または促進される。
【0027】
好ましい実施形態は、式Iの化合物の治療的有効量を投与することを含む、哺乳動物における心不整脈、例えば、心房細動、心房粗動、心房不整脈および上室性頻拍、の治療または予防方法である。
【0028】
他の好ましい実施形態は、脳卒中などの血栓塞栓性事象を予防する方法である。
【0029】
他の好ましい実施形態は、うっ血性心不全を予防する方法である。
【0030】
他の好ましい実施形態は、AIDSなどの免疫抑制または免疫抑制を含めた障害、癌、老人性認知症、外傷(創傷治癒、外科およびショック)、慢性細菌性感染、ある種の中枢神経系障害、および臓器または組織の移植による抵抗性、骨髄移植によりもたらされる移植片対宿主疾患を含む障害を治療または予防する方法である。本発明の化合物を免疫抑制化合物と共に投与することにより免疫抑制を治療または予防する方法は、本実施形態の範囲内である。
【0031】
他の好ましい実施形態は、より低いおよびより高い悪性度のもの、好ましくは高い悪性度のものを含む神経膠腫の治療または予防する方法である。
【0032】
他の好ましい実施形態は、本発明の化合物により患者を治療することを含む、心房細動を有する患者において、正常な洞調律の状態を誘導する方法である。この誘導律動は、患者と大きさおよび年齢特性が類似した個体にとって正常と考えられる律動に相当する。
【0033】
他の好ましい実施形態は、請求項1に記載の化合物と組み合わせて抗頻拍装置(例えば、除細動器またはペースメーカー)により患者を治療することを含む、患者における頻拍(すなわち、急速心拍数、例えば1分間当たり100拍動)を治療する方法である。
【0034】
本発明はまた、医薬として許容できる担体および式Iの化合物または医薬として許容できるその結晶形あるいはその水和物を含む医薬製剤を包含する。好ましい実施形態は、さらに第2の薬剤を含む式Iの化合物の医薬組成物である。
【0035】
本発明の化合物は、不斉中心または不斉軸を有することができ、本発明は、すべての光学異性体およびそれらの混合物を含む。特に他に述べない限り、1つの異性体の言及は、両異性体に適用する。
【0036】
さらに炭素−炭素二重結合を有する化合物は、Z形およびE形を生じ得、これら化合物のすべての異性体が本発明に含まれる。
【0037】
特段の記載がある場合を除いて、本明細書に用いられる「アルキル」は、特定数の炭素原子を有するすべての異性体を含み、飽和脂肪族炭化水素基の分枝鎖および直鎖の両方を含むように意図されている。アルキル基に関して一般に使用される略号は、本明細書を通して使用され、例えば、メチルは「Me」またはCHにより表すことができ、エチルは「Et」またはCHCHにより表すことができ、プロピルは「Pr」またはCHCHCHにより表すことができ、ブチルは「Bu」またはCHCHCHCHなどにより表すことができ、例えば「C1〜6アルキル」(または「C〜Cアルキル」)は、特定数の炭素原子を有するすべての異性体を含み、直鎖または分枝鎖アルキル基を意味する。C〜Cアルキルは、ヘキシルアルキルおよびペンチルアルキルの異性体のすべてならびにn−、イソ−、s−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよびメチルを含む。「C〜Cアルキル」は、n−、イソ−、s−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよびメチルを意味する。用語の「アルコキシ」は、酸素架橋を介して結合している指定数の炭素原子の直鎖または分枝鎖アルキル基を表す。
【0038】
用語の「アルケニル」は、二重結合により結合している少なくとも2個の炭素原子を含有する分枝鎖または直鎖双方の不飽和炭化水素基を含む。例えばアルケンエチレンは、「CHCH」または代替的に「HC=CH」により表される。例えば「C2〜5アルケニル」(または「C〜Cアルケニル」)は、2個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルケニル基を意味し、ペンテニル異性体のすべてならびに1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびエテニル(またはエチレニル)を含む。「C2〜3アルケニル」などの同様の用語は、類似の意味を有する。
【0039】
用語の「アルキニル」は、三重結合により結合している少なくとも2個の炭素原子を含有する分枝鎖または直鎖双方の不飽和炭化水素基を含む。例えばアルキンアセチレンは、「CHCH」または代替的に「HC≡CH」により表される。例えば「C2〜5アルキニル」(または「C〜Cアルキニル」)は、2個から5個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルケニル基を意味し、ペンチニル異性体のすべてならびに1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−プロピニル、2−プロピニルおよびエチニル(またはアセチレニル)を含む。「C2〜3アルキニル」などの同様の用語は、類似の意味を有する。
【0040】
他に特記しない限り、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、非置換であるか、または各炭素原子上に、ハロ、C〜C20アルキル、CF、NH、N(C〜Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C〜Cアルキル)、C〜C10シクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、(C〜Cアルキル)S(O)0〜2−、(C〜Cアルキル)S(O)0〜2(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C〜Cアルキル)CF、(C〜Cアルキル)C(O)−、(C〜Cアルキル)OC(O)−、(C〜Cアルキル)O(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)C(O)1〜2(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、ヘテロ環、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−ヘテロ環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−ヘテロ環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキルによる1つから3つの置換基により置換されている。
【0041】
「C〜Cアルキル」などの表現に使用される用語の「C」とは、直接の共有結合を意味する。同様に、基にある一定の原子数の存在を規定する整数がゼロに等しい場合、隣接する原子が、結合により直接結合していることを意味する。例えば、wがゼロ、1または2に等しい整数である構造
【0042】
【化20】

において、この構造は、wがゼロである場合、
【0043】
【化21】

である。
【0044】
用語の「C3〜8シクロアルキル」(または「C〜Cシクロアルキル」)は、3個から8個の全炭素原子を有するアルカンの環式環(すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル)を意味する。用語の「C3〜7シクロアルキル」、「C3〜6シクロアルキル」、「C5〜7シクロアルキル」などは、類似の意味を有する。
【0045】
用語の「ハロゲン」(または「ハロ」)とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を称す(あるいは、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)およびヨード(I)と称される)。
【0046】
用語の「C〜Cハロアルキル」(あるいは、C〜Cハロアルキルまたは「ハロゲン化C〜Cアルキル」)とは、1つまたは複数のハロゲン置換基を有する上記に定義されたCからCの直鎖または分枝鎖アルキル基を意味する。用語の「C〜Cハロアルキル」は、類似の意味を有する。用語の「C〜Cフルオロアルキル」は、ハロゲン置換基が、フルオロに限定されていること以外、類似の意味を有する。適切なフルオロアルキル類としては、一連の(CH0〜4CF(すなわち、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピルなど)が挙げられる。
【0047】
本明細書に用いられる用語の「炭素環」(および「炭素環式」または「炭素シクリル」などの変化)とは、他に指定しない限り、(i)CからCの単環式飽和環または不飽和環または(ii)CからC12の二環式飽和または不飽和環系を称す。(ii)における各環は、独立しているか、または互いに縮合しており、各環は、飽和または不飽和である。この炭素環は、分子の残部の任意の炭素原子に結合して、安定な化合物を生成し得る。縮合二環式炭素環は、炭素環のサブセットである。すなわち、用語の「縮合二環性炭素環」とは、一般に各環が、飽和または不飽和であり、2つの隣接炭素原子が、環系における各々の環により分けられるCからC10二環式環系を称す。1つの環が飽和であり、他の環が飽和である縮合二環式炭素環は、飽和二環式環系である。1つの環がベンゼンであり、他の環が飽和である縮合二環式炭素環は、不飽和二環式環系である。1つの環がベンゼンであり、他の環が不飽和である縮合二環式炭素環は、不飽和環系である。飽和炭素環式環はまた、シクロアルキル環、例えば、シクロプロピル、シクロブチルなどとして称される。他に特記されない限り、炭素環は、非置換であるか、またはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、ハロゲン、NHまたはOHにより置換されている。縮合二環式不飽和炭素環のサブセットは、1つの環がベンゼン環であり、他の環が、安定な化合物を生じる任意の炭素原子を介する結合により飽和または不飽和である、これらの二環式炭素環である。このサブセットの代表的な例としては、以下のもの:
【0048】
【化22】

が挙げられる。
【0049】
用語の「アリール」とは、芳香族モノ−およびポリ−炭素環式環系を称し、多環系の個々の炭素環式環が、単結合を介して互いに縮合または結合している。適切なアリール基としては、フェニル、ナフチル、およびビフェニレニルが挙げられる。
【0050】
用語の「ヘテロ環」(および「ヘテロ環式」または「ヘテロシクリル」などのその変形)とは、広く(i)安定な4員から8員の飽和または不飽和単環式環、または(ii)安定な7員から12員の二環式環系を称し、(ii)の各環は、他の環もしくは複数環と独立しているか、または縮合しており、各環は、飽和または不飽和である。単環式環または二環式環系は、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子(例えば、1個から6個のヘテロ原子、または1個から4個のヘテロ原子)と残りの炭素原子(単環式環は典型的に少なくとも1個の炭素原子を含有し、環系は典型的に少なくとも2個の炭素原子を含有する。)を含有する。任意の1個または複数の窒素ヘテロ原子および硫黄ヘテロ原子は、酸化されていてもよく、任意の1個または複数の窒素ヘテロ原子は、四級化されていてもよい。ヘテロ環式環は、結合によって安定な構造が生成されるという条件で、任意のヘテロ原子または炭素原子に結合していてもよい。ヘテロ環式環が置換基を有する場合、この置換基は、安定な化学構造を生じるという条件で、ヘテロ原子でも炭素原子でも環の任意の原子に結合できることが理解される。
【0051】
本明細書に用いられる用語の「置換C〜C10シクロアルキル」、「置換アリール」および「置換へテロ環」は、化合物の残部への結合点に加えて1つから3つの置換基を含有する環式基を含むように意図されている。好ましくは、この置換基は、これらに限らないが、ハロ、C〜C20アルキル、CF、NH、N(C〜Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C〜Cアルキル)、C〜C10シクロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、(C〜Cアルキル)S(O)0〜2−、(C〜Cアルキル)S(O)0〜2(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C〜Cアルキル)CF、(C〜Cアルキル)C(O)−、(C〜Cアルキル)OC(O)−、(C〜Cアルキル)O(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)C(O)1〜2(C〜Cアルキル)−、(C〜Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−ヘテロ環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−ヘテロ環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキルを含む基から選択される。
【0052】
飽和へテロ環は、ヘテロ環のサブセットを形成する。すなわち、用語の「飽和ヘテロ環式」とは、一般に環系全体が(単環式または多環式であっても)、飽和されている上記に定義されたヘテロ環を称す。用語の「飽和ヘテロ環式環」とは、炭素原子ならびにN、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子からなる4員から8員の飽和単環式環、または安定な7員から12員の二環式環系を称す。代表的な例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびテトラヒドロフリル(またはテトラヒドロフラニル)が挙げられる。
【0053】
ヘテロ芳香族は、ヘテロ環の他のサブセットを形成する。すなわち、用語の「ヘテロ芳香族」(あるいは「ヘテロアリール」)は、一般に環系全体が(単環式または多環式であっても)、芳香族環系である上記に定義されたヘテロ環を称す。用語の「ヘテロ芳香族環」とは、炭素原子ならびにN、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子からなる5員または6員の単環式芳香族環、または7員から12員の二環式環系を称す。ヘテロ芳香族環の代表例としては、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル(またはチオフェニル)、チアゾリル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、およびチアジアゾリルが挙げられる。
【0054】
二環式へテロ環の代表例としては、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、クロマニル、イソクロマニル、テトラヒドロキノリニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(すなわち、
【0055】
【化23】

)、イミダゾ(2,1−b)(1,3)チアゾール(すなわち、
【0056】
【化24】

)、およびベンゾ−1,3−ジオキソリル(すなわち、
【0057】
【化25】

)が挙げられる。本明細書のある文脈において、
【0058】
【化26】

は、2個の隣接した炭素原子に結合している置換基メチレンジオキシを有するフェニルと別称される。
【0059】
明白にそれと反対に述べられない限り、「不飽和」環は、部分的または完全に不飽和環である。例えば、「不飽和単環式C炭素環」とは、シクロヘキセン、シクロヘキサジエンおよびベンゼンを称す。
【0060】
明白にそれと反対に述べられない限り、本明細書に言及されたすべての範囲を含んでいる。例えば、「1個から4個のヘテロ原子」を含有して記載されるヘテロ原子とは、ヘテロ環が1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含有できることを意味する。
【0061】
任意の可変因子が、本発明の化合物に記載されているいずれかの構成体またはいずれかの表示式において2回以上出現する場合、各出現におけるその定義は、他のすべての出現におけるその定義とは無関係である。また、置換基および/または可変因子の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生成する場合にのみ許容できる。
【0062】
用語の「置換されている」(例えば、「1つまたは複数の置換基により置換されていてもよいアリールにおいて」)は、指定置換基による一置換および多置換をかかる単一または複数の置換の範囲(同じ部位における多数置換を含む)が化学的に許容される程度に含む。
【0063】
ピリジルN−オキシド部分を有する本発明の化合物において、このピリジル−N−オキシド部分は、
【0064】
【化27】

のような従来の表現法を用いて構造的に示され、これらは等しい意味を有する。
【0065】
繰り返しの用語を含有する可変因子の定義に関して、例えば、rが整数2であり、Rが規定された可変因子であり、Rjが規定された可変因子である(CRRj)において、Rの値は、これが出現する各々の場合において異なり得、Rjの値は、これが出現する各々の場合において異なり得る。例えば、RおよびRが、メチル、エチル、プロピルおよびブチルからなる群から独立して選択される場合、(CRは、
【0066】
【化28】

であり得る。
【0067】
医薬として許容できる塩類としては、これらに限らないが、金属(無機)塩類と有機塩類の双方が挙げられる。これらのリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、1418頁(1985年)に記載されている。適切な塩形態は、物理化学的な安定性、流動性、吸湿性および溶解性に基づき選択されることが当業者によく知られている。当業者により理解されるように、医薬として許容できる塩類としては、これらに限らないが、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ジリン酸塩、臭化水素酸塩および硝酸塩などの無機酸塩類、またはリンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩またはパルモ酸塩、サリチル酸塩およびステアリン酸塩などの有機酸塩が挙げられる。同様に、医薬として許容できるカチオン類としては、これらに限らないが、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、リチウム塩、およびアンモニウム塩(特に第二級アミン類とのアンモニウム塩)が挙げられる。上記に言及された理由のため、本発明の好ましい塩類としては、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびアンモニウム塩が挙げられる。式Iの化合物の結晶形態、水和物および溶媒和物も、本発明の範囲内に含まれる。
【0068】
本発明の化合物を調製する方法は、以下のスキームに示され、R、RおよびRは、上記に定義された通りであり、可変因子Rは、Aが置換アリール環である場合、可能な置換基として上記に掲げた置換基群から選択される置換基である。他の合成プロトコルは、当業者にとって容易に明らかであろう。
【0069】
【化29】

【0070】
【化30】

【0071】
【化31】

【0072】
以下の実施例は、式Iの化合物の調製を例示するものであり、したがってこのように、本明細書に添付されている特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものとして考慮してはならない。
【実施例1】
【0073】
【化32】

【0074】
11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1,6−ジオン
54mlのトルエン中、塩化2−(3−フルオロベンゾイル)−4−メトキシベンゾイル(3.36g)および塩酸ピペリジン−3−オン(1.88g)の混合物に、2,6−ルチジン(4.01ml)を加えた。反応液を、24時間(3:10pm)加熱還流してから、EtOAcと400mLの1N HClとに分配した。この水溶液を、EtOAcにより2回以上抽出した。有機溶液を合わせて、乾燥(MgSO)し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(40〜100% EtOAc/ヘキサン類)により標題化合物を得た。
HRMS(ES):計算値:338.1187;実測値:338.1188
【実施例2】
【0075】
【化33】

【0076】
11−(3−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オン
11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1,6−ジオンの5mL 1:1MeOH:CHCl溶液に、NaBH(17mg)を加えた。反応液を室温で1時間攪拌してから、重炭酸塩とEtOAcとで希釈し、30分間攪拌した。混合物をEtOAcで1回抽出し、有機溶液をブラインで1回洗浄し、乾燥(NaSO)し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカ、50〜100% EtOAc/ヘキサン類)により標題化合物を得た。
HRMS(ES):計算値:340.1343;実測値:340.1353。
【0077】
11−(3−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オンを、キラルHPLCによりその構成エナンチオマーに分割した。2つの純粋なエナンチオマーは、HRMSおよびNMRによりラセミ化合物に一致した。
【実施例3】
【0078】
【化34】

【0079】
11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オン
ステップA
2ml THFおよび2mL TMEDA中、11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1,6−ジオンの懸濁液を、0℃に冷却し、リチウムジイソプロピルアミド溶液(Aldrich、2M、0.445mL)で処理した。1時間攪拌後、TfNPhの2ml THF/2ml TMEDA溶液を、カニューレを介して加えた。反応液を室温に温め、2時間攪拌してから、CHClとpH7緩衝液とに分配した。この水溶液を、CHClにより1回以上抽出した。有機溶液を合わせて、乾燥(NaSO)し、濃縮してから、フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカ、30〜90% EtOAc/ヘキサン類)により精製して、57mgのトリフルオロメタンスルホン酸11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−6−オキソ−3,6−ジヒドロ−4H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1−イルを得た。
【0080】
ステップB
EtOH(4ml)およびEtOAc(2mL)中、トリフルオロメタンスルホン酸11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−6−オキソ−3,6−ジヒドロ−4H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1−イルの懸濁液に、PtOをEtOH中のスラリとして加えた。この反応液を、Hバルーン下、室温で16時間攪拌した。混合物をセライトを通してろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(40gシリカ、30〜80% EtOAc/ヘキサン類)により精製して標題化合物を得た。
HRMS(ES):計算値:324.1395;実測値:324.1394
【実施例4】
【0081】
【化35】

【0082】
(1E)−11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1,6−ジオン1−オキシム
11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1,6−ジオン(125mg)の4mLピリジン溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(51mg)を加えた。反応液を、5時間加熱還流してから、室温に冷却し、エーテルと水とに分配した。この水溶液をエーテルで抽出した(2×)。有機溶液を合わせて、1N HCl(1×)、および10%重炭酸塩(1×)で洗浄してから、乾燥(MgSO)し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10〜70% EtOAc/ヘキサン類)により標題化合物を得た。
HRMS(ES):計算値:353.1296;実測値:353.1305
【実施例5】
【0083】
【化36】

【0084】
2,3−ジメチル−4−フェニル−2H−イソキノリン−1−オン
ステップA
アルゴン下、室温でα−フェニル−o−トルイル酸(2.0g、9.43mmol)のメチレンクロリド(500mL)攪拌溶液に、塩化オキサリル(0.988mL、11.3mmol)のメチレンクロリド(50mL)溶液を滴下添加により加えた。N,N−ジメチルホルムアミド(10滴)を加え、反応フラスコの内容物を1.5時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、メチレンクロリド(100mL)および塩酸メチルアミン(950mg、14.1mmol)を加えた。氷浴冷却して、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.10mL、23.6mmol)のメチレンクロリド(10mL)溶液を滴下により加えた。飽和重炭酸ナトリウムを加え、生じた混合物を、メチレンクロリド(3×)で抽出した。有機抽出液を合わせて、硫酸ナトリウム(無水)で乾燥した。ろ過に次いで、溶媒の減圧留去により、固体が得られ、エーテルとの粉砕後、N−メチル−2−(フェニルメチル)ベンズアミド(974mg、4.23mol、46%)を得た。MS[M+H]226
【0085】
ステップB
アルゴン下でTHF(20mL)中、N−メチル−2−(フェニルメチル)ベンズアミド(1.00g、4.44mol)のイソプロパノール/ドライアイス冷却溶液に、n−ブチルリチウム溶液(2.5M、4.44mL、11.1mmol)を滴下により加えた。10分後、ニートの塩化アセチル(0.447mL、6.66mmol)を、反応溶液にゆっくり加えた。反応フラスコの内容物を室温に温め、2時間後、反応液を飽和塩化アンモニウムでクエンチした。混合物を、エーテルで抽出し(3×)、次に有機部分を合わせて、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過に次いで、溶媒の減圧蒸発により粗製物が得られ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル70:30、次いで50:50)に供して、標題化合物を白色固体として得た。
MS[M+H] 250
HNMR(CHCl,300MHz)δ8.48(m,1H);7.54〜7.38(m,5H);7.28〜7.20(m,2H);6.98(m,1H)、3.70(s,3H);2.21(s,3H)。
【実施例6】
【0086】
【化37】

【0087】
3−t−ブチル−6−ヒドロキシ−2−メチル−4−フェニル−2H−イソキノリン−1−オン
アルゴン下、−70℃で3−t−ブチル−6−メトキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(100mg、0.311mmol)のメチレンクロリド(5mL)溶液に、ボロントリブロミド(1.0M、0.934mL、0.934mmol)を加えた。反応フラスコの内容物を室温に温め、24時間攪拌した。メチレンクロリドで抽出し(3×)、次に有機抽出液を合わせて、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過に次いで、溶媒の減圧蒸発により固体が得られ、エタノールで粉砕した。酢酸エチル/エタノールからの再結晶により、標題化合物を得た。
MS[M+H] 308
HN MR(CDCl,300MHz)δ9.21(s,1H);8.27(d,1H);7.45〜7.25(m,3H);7.28〜7.22(m,2H)、6.95(dd,1H);6.23(m,1H);3.74(s,3H);1.35(s,9H)。
【実施例7】
【0088】
【化38】

【0089】
6−メトキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン
ステップA
2−ベンジル−4−メトキシ−N−メチルベンズアミド(125mg)の5mL THF溶液を、−78℃に冷却した。n−BuLi(0.400mL、ヘキサン類中2.5M)を加え、反応液を−78℃で20分間攪拌した。ギ酸エチル(0.160mL)の1mL THF溶液を、カニューレを介して加えた。反応液を、−78℃で飽和酢酸アンモニウム水の添加によりクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、濃縮して4−メトキシ−N−メチル−2−(2−オキソ−1−フェニルエチル)ベンズアミドが得られ、これをさらに精製することなく用いた。
【0090】
ステップB
4−メトキシ−N−メチル−2−(2−オキソ−1−フェニルエチル)ベンズアミド(100mg)を、温和に加熱しながら2mLのリン酸に溶解した。溶液が得られたら、反応液を水とEtOAcとに分配した。有機溶液を乾燥(NaSO)し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(25% CHCl中EtOAc)により標題化合物を白色固体として得た。
[M+H]計算値:266;実測値:266(FAB)。
【実施例8】
【0091】
【化39】

【0092】
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オン
ステップA
4−メトキシ−N−メチルベンズアミド(2.0g)の−78℃のTHF溶液に、n−BuLi(10mL、ヘキサン類中2.5M)を加えた。反応液を−78℃で10分間攪拌し、0℃に温めてから、冷却を−78℃に戻した。3−フルオロベンズアルデヒド(1.90mL)をTHF溶液として、カニューレを介して加えた。反応液を室温に温めてから、飽和NHCl水によりクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中5% MeOH)により精製して2−[(3−フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−4−メトキシ−N−メチルベンズアミドを得た。
【0093】
ステップB
2−[(3−フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]−4−メトキシ−N−メチルベンズアミド(500mg)のメタノール溶液に、500mgのPd/C(10%)を加えた。H(1気圧)下、反応液を一晩攪拌してから、セライトを通してろ過し、濃縮して2−(3−フルオロベンジル)−4−メトキシ−N−メチルベンズアミドが得られ、これをさらに精製することなく用いた。
【0094】
ステップC
2−(3−フルオロベンジル)−4−メトキシ−N−メチルベンズアミド(500mg)の−78℃の15mL THF溶液に、n−BuLi(1.64mL、ヘキサン類中2.5M)を滴下により加えた。10分後、塩化アセチル(170mg)を、2mL THF溶液として加えた。冷浴を取り外し、反応液を2時間攪拌した。反応液を飽和NHCl水によりクエンチし、EtOAcで抽出した。有機溶液を濃縮し、溶液が得られるまでリン酸と最少量のCHClで処理した。CHClの除去に次いで、反応液を中和するために重炭酸塩/EtOAcを加えた。混合物をEtOAcで抽出し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中20% EtOAc)により精製して固体が得られ、EtOAcと粉砕して標題化合物を得た。
[M]計算値:297;実測値:297(EI)。
【実施例9】
【0095】
【化40】

【0096】
4−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オン
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オンにおける手法に従って、3−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−フルオロベンズアルデヒドを用いて(ステップAにおける)、標題化合物を合成した。
[M]計算値:297;実測値:297(EI)。
【実施例10】
【0097】
【化41】

【0098】
3−t−ブチル−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−メチルイソキノリン−1(2H)−オン
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オンにおける手法に従って、塩化アセチルの代わりに塩化ピバロイルを用い、最終リン酸溶液を100℃に加熱して(ステップCにおける)、標題化合物を合成した。
[M]計算値:339;実測値:339(EI)。
【実施例11】
【0099】
【化42】

【0100】
3−t−ブチル−4−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−メチルイソキノリン−1(2H)−オン
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オンにおける手法に従って、3−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−フルオロベンズアルデヒドを用い(ステップAにおける)、塩化アセチルの代わりに塩化ピバロイルを用い(ステップCにおける)、最終リン酸溶液を100℃に加熱して(ステップCにおける)標題化合物を合成した。
[M]計算値:339;実測値:339(EI)。
【実施例12】
【0101】
【化43】

【0102】
3−t−ブチル−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボニトリル
ステップA
3−t−ブチル−6−メトキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(0.333g)および48% HBr(30mL)の混合物を、8時間加熱還流した。反応液を濃縮して3−t−ブチル−6−ヒドロキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オンが褐色固体として得られ、これをさらに精製することなく用いた。
【0103】
ステップB
3−t−ブチル−6−ヒドロキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(210mg)の7mLDMF溶液に、炭酸カリウム(281mg)とN−フェニルトリフリミド(731mg)とを加えた。反応液を室温で90分間攪拌してから、水とEtOAcとに分配した。有機溶液を乾燥し(NaSO)、濃縮してから、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類中20% EtOAc)により精製して175mgのトリフルオロメタンスルホン酸3−t−ブチル−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イルを得た。
【0104】
ステップC
トリフルオロメタンスルホン酸3−t−ブチル−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−イル(225mg)の3mLDMF溶液を、アルゴンにより10分間掃流した。Zn(CN)(250mg)およびPd(PPh(100mg)を加え、反応液を80℃で5時間加熱してから、トルエンと2N NaOHとに分配した。有機溶液を2N NaOH(2×)で洗浄してから、乾燥し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類中20% EtOAc)により精製して標題化合物を得た。
2120O−0.45HO−0.05EtOAcに関する元素分析の計算値:C77.41;H6.53;N8.52;実測値:C77.36;H6.45;N8.53。
【実施例13】
【0105】
【化44】

【0106】
3−t−ブチル−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド
3−t−ブチル−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボニトリル(300mg)、10N NaOH(6mL)、およびメタノール(1mL)を合わせて、110℃で一晩加熱した。反応液を、6N HClにより酸性にすると沈殿が得られ、ろ過により単離した。この物質を、一晩激しく攪拌することによりEtOAcと1N NaOHとに分配した。有機溶液を廃棄し、水溶液を一晩放置し、その時間に沈殿が形成された。ろ過により標題化合物を得た。
[M+H]計算値:335;実測値:335(FAB)。
【実施例14】
【0107】
【化45】

【0108】
3−t−ブチル−2−メチル−4−フェニル−6−(4−フェニルブトキシ)イソキノリン−1(2H)−オン
3−t−ブチル−6−ヒドロキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(50mg)、4−フェニル−1−ヨードブタン(100mg)および炭酸セシウム(100mg)のDMF(2.5mL)溶液を、80℃で6時間加熱した。反応液を水とEtOAcとに分配した。有機溶液を乾燥し(NaSO)、濃縮してから、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類中20% EtOAc)により精製して標題化合物を得た。
[M+H]計算値:440;実測値:440(FAB)。
【実施例15】
【0109】
【化46】

【0110】
3−t−ブチル−2−メチル−4−フェニル−6−[(5−フェニルペンチル)オキシ]イソキノリン−1(2H)−オン
3−t−ブチル−2−メチル−4−フェニル−6−(4−フェニルブトキシ)イソキノリン−1(2H)−オンの手法に従って、4−フェニル−1−ヨードブタンの代わりに5−フェニル−1−ヨードペンタンを用いて、標題化合物を得た。
H NMR(CDCl,300MHz)δ8.34(d,J=9Hz,1H);7.40(m,2H);7.29〜7.14(m,SH);6.95(dd,J=9,2Hz,1H);6.14(d,J=2Hz,1H);3.75(s,3H);3.71〜3.75(m,2H);2.59(t,J=8Hz,2H);1.72〜1.56(m,4H);1.44〜1.33(m,2H);1.27(s,9H)
【実施例16】
【0111】
【化47】

【0112】
3−t−ブチル−8−ヒドロキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン
ステップA
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オンにおける手法に従って、4−メトキシ−N−メチルベンズアミドの代わりに2−メトキシ−N−メチルベンズアミドを用い(ステップAにおける)、塩化アセチルの代わりに塩化ピバロイルを用い(ステップCにおける)、最終リン酸溶液を100℃に加熱して(ステップCにおける)3−t−ブチル−8−メトキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オンを合成した。
【0113】
ステップB
3−t−ブチル−8−メトキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(0.500g)および48% HBr(15mL)の混合物を、一晩加熱還流した。反応液を濃縮してフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類中10% EtOAc)により精製して標題化合物を得た。
2021NO−0.10HO−0.10EtOAcに関する元素分析の計算値:C77.04;H6.97;N4.40;実測値:C77.04;H6.97;N4.40。
【実施例17】
【0114】
【化48】

【0115】
3−t−ブチル−2−エチル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン
ステップA
2−ベンジル−4−メトキシ安息香酸(5g)の250mL CHClの0℃溶液に、触媒量のDMFおよび塩化オキサリル(2mL)の40mL CHCl溶液を加えた。反応液を室温に温め、一晩攪拌してから、濃縮乾固し、トルエンから共沸させた(2×)。残渣を、50mL THFに溶解し、エチルアミン(10mL、70%水溶液)の0℃の200mL THF溶液に滴下により加えた。反応液を室温に温め、2時間攪拌してから、飽和KHSO水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した(2×)。有機溶液を乾燥し(NaSO)、濃縮してから、ヘキサン類と粉砕して5.2gの2−ベンジル−N−エチル−4−メトキシベンズアミドを得た。
【0116】
ステップB
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オンにおける手法に従って(ステップCにおける)、2−(3−フルオロベンジル)−4−メトキシ−N−メチルベンズアミドの代わりに2−ベンジル−N−エチル−4−メトキシベンズアミドを用い、塩化アセチルの代わりに塩化ピバロイルを用い、最終リン酸溶液を100℃に加熱して、標題化合物を合成した。
2225NO−0.35HOに関する元素分析の計算値:C77.31;H7.58;N4.10;実測値:C77.32;H7.29;N3.83。
【実施例18】
【0117】
【化49】

【0118】
3−t−ブチル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン
ステップA
2−ベンジル−4−メトキシ安息香酸(14.2g)の600mL CHCl溶液に、触媒量のDMF、次いで塩化オキサリル(8.7g)の100mL CHCl溶液を加えた。反応液を一晩室温で攪拌してから、濃縮し、トルエンと共沸させた(2×)。残渣を、700mL CHClに溶解し、0℃に冷却した。t−ブチルアミン(13.9g)を加え、反応液を室温に温めた。1.5時間後、反応液を、5%KHSO水でクエンチした。有機溶液を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水で1回洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮すると15.9gの2−ベンジル−N−(t−ブチル)−4−メトキシベンズアミドを得た。
【0119】
ステップB
2−ベンジル−N−(t−ブチル)−4−メトキシベンズアミド(3.1g)の50mL THF溶液を、Arにより10分間掃流した。この溶液を、−78℃に冷却し、n−BuLi(10mL2.5Mヘキサン類溶液)を滴下により加えた。−78℃で1時間攪拌後、塩化ピバロイル(0.99g)を滴下により加えた。反応液を、−78℃で10分間、次いで室温で1時間攪拌してから、飽和NHCl水でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出(3×)してから、有機溶液を合わせて、ブライン(1×)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。残渣を25mLの80% HPOと合わせて、100℃に3時間加熱した。反応液を氷に注ぎ、次いでCHCl(3×)で抽出した。有機溶液を、飽和重炭酸ナトリウム水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。ジエチルエーテルとの粉砕により、2.7gの標題化合物を得た。
2021NOに関する元素分析の計算値:C78.14;H6.89;N4.56;実測値:C77.81;H6.77;N4.65。
【実施例19】
【0120】
【化50】

【0121】
2−エチル−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オンにおける手法に従って(ステップCにおける)、2−(3−フルオロベンジル)−4−メトキシ−N−メチルベンズアミドの代わりに2−ベンジル−N−エチル−4−メトキシベンズアミドを用い、最終リン酸溶液を100℃に加熱して、標題化合物を合成した。
[M+H]計算値:294;実測値:294(FAB)。
【実施例20】
【0122】
【化51】

【0123】
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン
2−ベンジル−N−(t−ブチル)−4−メトキシベンズアミド(3.1g)の50mL THF溶液を、Arにより10分間掃流した。この溶液を、−78℃に冷却し、n−BuLi(10mL2.5Mヘキサン類溶液)を滴下により加えた。−78℃で1時間攪拌後、塩化アセチル(0.99g)を滴下により加えた。反応液を、−78℃で10分間、次いで室温で1時間攪拌してから、飽和NHCl水でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出(3×)してから、有機溶液を合わせて、ブライン(1×)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。残渣を25mLの80% HPOと合わせて、100℃に3時間加熱した。反応液を氷に注ぎ、次いでCHCl(3×)で抽出した。有機溶液を、飽和重炭酸ナトリウム水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。ジエチルエーテルとの粉砕により、標題化合物を得た。
1715NO−1.0HOに関する元素分析の計算値:C72.06;H6.05;N4.94;実測値:C72.40;H5.52;N4.61。
【実施例21】
【0124】
【化52】

【0125】
6−メトキシ−2−(2−メトキシエチル)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン
25mLのDMF中、6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(0.85g)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、240mg)の組合せを、60℃で30分間加熱してから、室温に冷却した。4−ブロモ−1−メトキシエタン(1mL)をシリンジを介して加え、反応液を室温で一晩攪拌してから、飽和NHCl水の添加によりクエンチした。混合物をEtOAcで抽出(3×)した。有機溶液を合わせて、水(1×)とブライン(1×)とで洗浄してから、乾燥し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20% EtOAc/ヘキサン類)により固体が得られ、ジエチルエーテルと粉砕して標題化合物を得た。
2021NOに関する元素分析の計算値:C74.28;H6.55;N4.33;実測値:C74.33;H6.58;N4.18。
【実施例22】
【0126】
【化53】

【0127】
3−(6−メトキシ−3−メチル−1−オキソ−4−フェニルイソキノリン−2(1H)−イル)プロパン−1−アミニウムクロリド
ステップA
25mLのDMF中、6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン(0.85g)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、186mg)の組合せを、60℃で30分間加熱してから、室温に冷却した。3−フタルイミド−1−ブロモプロパン(1mL)をシリンジを介して加え、反応液を室温で一晩攪拌してから、飽和NHCl水の添加によりクエンチした。混合物をEtOAcで抽出(3×)した。有機溶液を合わせて、水(1×)とブライン(1×)とで洗浄してから、乾燥し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(20% EtOAc/ヘキサン類)により固体が得られ、ジエチルエーテルと粉砕して500mgの2−[3−(6−メトキシ−3−メチル−1−オキソ−4−フェニルイソキノリン−2(1H)−イル)プロピル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンを得た。
【0128】
ステップB
2−[3−(6−メトキシ−3−メチル−1−オキソ−4−フェニルイソキノリン−2(1H)−イル)プロピル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(0.46g)を、20mLメタノールに溶解し、ヒドラジン(0.100mL)を加えた。反応液を、室温で一晩攪拌してから、ブラインで希釈してEtOAc(3×)で抽出した。有機溶液を合わせて、乾燥し(NaSO)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5% CHCl中MeOH)により固体が得られ、過剰のHClで処理し、イソプロパノール/ジエチルエーテルから再結晶すると標題化合物を得た。
2022−HClに関する元素分析の計算値:C66.93;H6.46;N7.81;実測値:C66.57;H6.41;N7.47。
【実施例23】
【0129】
【化54】

【0130】
2−(2−アミノエチル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン
ステップA
2−[3−(6−メトキシ−3−メチル−1−オキソ−4−フェニルイソキノリン−2(1H)−イル)プロピル]−1H−イソインドール−1,3−(2H)−ジオンの手法に従って、3−フタルイミド−1−ブロモプロパンの代わりに臭化2−(Boc−アミノ)エチルを用いて、t−ブチル2−(6−メトキシ−3−メチル−1−オキソ−4−フェニルイソキノリン−2(1H)−イル)エチルカルバメートを得た。
【0131】
ステップB
t−ブチル2−(6−メトキシ−3−メチル−1−オキソ−4−フェニルイソキノリン−2(1H)−イル)エチルカルバメート(800mg)を200mL EtOAcに溶解し、0℃に冷却した。HClガスを、5分間溶液を通して発泡させ、反応液を室温に温めた。4時間攪拌後、反応液をろ過して標題化合物の塩酸塩を白色固体として単離した。
[M+H]計算値:309;実測値:309(FAB)。
【0132】
以下の追加の化合物を、一般的に上記の手法、例えば、実施例1および2を用いて調製した。
【0133】
【表1】

【0134】
下記の方法論を用いて、本発明の代表的化合物が評価され、Kv1.5アッセイにおいて活性を示すことが判明した。これにより、Kv1.5阻害剤および抗不整脈剤としての本発明の化合物の有用性が示され確認された。このタイプの化合物は、順方向の速度依存性を示し得、より速い脱分極速度または心拍数においてより大きくまたは優先的に外向きK電流の遮断を示す。このような化合物は、下記の電気生理学的試験において特定することができた。例えば、1Hzおよび3Hzの周波数で送達された一連の脱分極の間の、3Hzで10秒列の間に見られた遮断量が1Hzにおける遮断量より多ければ、この遮断は「速度依存的」である。Kv1.5遮断剤はまた使用依存性を示し得て、外向きK電流の遮断が、心細胞の使用と共にまたは脱分極を繰り返す間に増大する。遮断の使用依存性は、所与の速度または周波数における、パルスまたは脱分極の列または系列における連続的な各脱分極によって、より高程度に生じる。例えば、1Hzの周波数で10回の脱分極列の間において、10回目のパルスの遮断量が、その列の1回目のパルスの遮断量より多ければ、遮断は「使用依存的」である。Kv1.5遮断剤は、使用依存性と速度依存性の両方を示す。
【0135】
Kv1.5遮断剤はまた、ヒト、ラット、マウス、イヌ、サル、フェレット、ウサギ、モルモットまたはヤギなど、これらに限らないが、種々の種からの心筋細胞または他の組織を用いて、天然IKurの電気生理学的試験によって特定できる。天然組織において、Kv1.5は、ホモオリゴマーとして、または他のKvファミリーメンバーとのヘテロオリゴマーとして存在し得るか、あるいは、βサブユニットとの複合体として存在し得る。本発明の化合物は、Kv1.5ホモオリゴマーもしくはヘテロオリゴマーまたはβサブユニットとの複合体のKv1.5を遮断できる。
【0136】
Kv1.5アッセイ
ハイスループットKv1.5平面パッチクランプアッセイは、系統的な一次スクリーンである。このアッセイは、Kv1.5カリウムチャネルに特異的に影響を与える薬剤の活性を確認し、薬剤効力の機能的な尺度を提供する。Kissら(Assay and Drug Dev.Tech.、1(1〜2):127〜135頁、2003年)およびSchroederら(J.ofBiomol.Screen.、8(1);50〜64頁、2003年)は、Kv1.5および他の電位作動型イオンチャネルについてこの機器の使用法を記載している。
【0137】
ヒト心臓からクローン化されたヒトKv1.5カリウムチャネルαサブユニットを安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)を、10%FBS、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、1000μg/mlのG−418硫酸塩が補足されたハムの(Ham‘s)F12培地中、90%〜100%集密度まで増殖させる。細胞を、ヴェルセン(Versene)による処理によって継代培養し、次いで、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁化して、遠心分離する。この細胞ペレットをPBSに再懸濁し、生じた懸濁液を、IonWorks(商標)HT機器の細胞リザーバに入れる。
【0138】
電気生理学的記録は、K−グルコネート100、KCl40、MgCl 3.2、EGTA 3、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N−2−エタンスルホン酸(HEPES)5を含有し(mM)、pH7.3に調整した細胞内溶液により実施される。アムホテリシン(Sigma)を、30mg/mlの保存溶液として調製し、内部緩衝溶液中、0.1mg/mlの最終使用濃度に希釈する。外部溶液はダルベッコのPBS(Invitrogen)であり、CaCl 0.90、KCl 2.67、KPO 1.47、MgCl 0.50、NaCl 138、NaPO 8.10を含有し(mM)、pHは7.4である。すべての化合物は、DMSO中、10mM保存溶液として調製される。化合物は外部緩衝液中に希釈され、次いで実験時に、薬物プレートからパッチプレート(Patchplate)に移される(最終DMSO濃度<0.66容量%)。
【0139】
Kv1.5イオン電流は、室温で記録される。膜電流は増幅され(RMS〜10pA)10kHzでサンプル採取される。試験パルス前に160ms過分極(10mV)前パルス200msを印加することにより、すべての実験においてリーク減算を行って、リークコンダクタンスを測定した。
【0140】
パッチクランプ刺激プロトコルは以下の通りである。
1.パッチプレートウェルに3.5μLの外部緩衝液を充填する。
2.各ホールに10mV、160msの電位差を印加することにより平面マイクロピペットホール抵抗(Rp)を決定する(ホール試験)。
3.細胞をピペットでパッチプレートに入れ、各パッチプレートウェルの底部に、1〜2μmのホールを有する高抵抗シールを形成する。シール試験走査を行って、どれだけ多くのパッチプレートウェルがシールを形成した細胞を有するかを決定する。
4.細胞への電気的アクセスを確保するため、アムホテリシンを含有する細胞内溶液をパッチプレートの底面に4分間循環させる。
5.化合物添加前試験パルスを、パッチプレート上の各ウェルに印加する。プロトコル:15秒間−80mVの膜保持電位において、細胞を電圧固定する。これに引き続き、5Hzの刺激列(+40mVまで、27×150msの脱分極化)を適用する。+40mVまでの膜電位ステップにより、外向き(正の)イオン電流が誘発される。
6.化合物をパッチプレートの各ウェルに添加する。化合物を5分間温置する。
7.化合物添加後試験パルスプロトコルを適用する。プロトコル:15秒間−80mVの膜保持電位において、細胞を電圧固定する。これに引き続き、5Hzの刺激列(+40mVまで、27×150msの脱分極)を適用する。
【0141】
データ解析はオフラインで行われる。薬物添加前と薬物添加後との間の一対比較を用いて、各化合物の阻害効果を決定する。+40mV(5Hz列)への27回目の脱分極の間のピーク制御電流の阻害%を、アンタゴニスト濃度の関数としてプロットする。濃度応答データにヒル方程式を適合させることにより、50%電流阻害(IC50)に必要な薬物濃度を決定する:制御%=100×(1+(〔薬物〕/IC50−1
【0142】
各細胞に関して、4つの算術測定値が得られる。
1)シール抵抗
2)ベースライン測定値(+40mVへの1回目の脱分極前の−70mVにおける5msから45msの平均電流)
3)電流増加測定値(+40mVへの1回目の脱分極の間の化合物前平均電流強さマイナス+40mVへの27回目の脱分極の間の化合物前平均電流強さ)
4)ピーク電流(5Hz列時、+40mVへの27回目の脱分極の間の最大電流強さ)。
【0143】
すべての測定値は、化合物添加前と添加後の双方の追跡の間に得られる。以下の場合、細胞はさらなる分析から除外される。
1)シール抵抗が<50MΩである。
2)化合物前の時のベースライン測定値が>±100pAである。
3)電流到達測定値が>−0.2nAである。
4)読み取り前ピーク測定値が<400pAである。
【0144】
上述のハイスループットKv1.5平面パッチクランプアッセイにおいて、上に挙げた化合物は、33μM以下の濃度で、≧20%阻害を提供する。
【0145】
原子吸光分析プロトコル:
このアッセイは、CHO細胞において異種発現されたヒトKv1.5K+チャネルを特異的に遮断する薬剤を、フレーム原子吸光分析(FAAS)を用い、Rb外向き電流により測定して特定する。イオンチャネル活性を測定するFAASの利用は、Terstappenら、Anal.Biochem.、272:149〜155頁、1999年からのものである。
【0146】
ヒトKv1.5を発現するCHO細胞を、上記の通り培養し、次いで、トリプシン−EDTAにより採集して、培地で洗浄する。
1.1ウェル当たり40,000個の細胞を96ウェルの細胞培養プレート(アッセイプレート)に播種し、細胞を、37℃で48時間増殖させる。
2.培地を除去し、200μlのRbロードバッファ(Aurona Biomed、ブリティッシュコロンビア州、バンクーバー)を、5%CO下、37℃で3時間かけて加える。
3.細胞を、200μlのハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で5回洗浄した後、試験化合物または0.5%DMSOを含有する100μlのHBSSを加える。
4.10分後、140mM KClを含有する100μlのHEPES緩衝生理食塩水を加え、プレートを静かに振盪しながら、室温で5分間、温置する。
5.その後直ちに、150μlの上澄み液を、新鮮な96ウェルプレートに移し、残存する上澄み液を吸引する。
6.120μlのCell Lysis Buffer(Aurora Biomed、ブリティッシュコロンビア州、バンクーバー)を、アッセイプレートに加え、分析前に、10分間振盪する。
7.ICR−8000自動AAS機器(Aurora Biomed、ブリティッシュコロンビア州、バンクーバー)を用いて、上澄み液(SUP)とライセート(LYS)のサンプルにおけるRb含量を測定する。
%FLUX=100%(SUP/(LYS+SUP))。%INH=100%*(1−(A−B)/(C−B))。式中、Aは、試験化合物存在下での%FLUXであり、Bは、10mM塩化(6−メトキシ−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミニウム存在下での%FLUXであり、Cは、0.25DMSO存在下での%FLUXである。
【0147】
上記AASアッセイにおいて、上記に挙げた化合物は、25μM以下の濃度で、≧25%阻害を提供する。
【0148】
本発明の化合物は、有効成分化合物と、温血動物の体内における作用部位との接触に影響を与える任意の手段により、病気、疾病および疾患の、本発明による治療または予防のために投与できる。例えば、投与は、経口、(経皮を含む)局所、眼内、頬側、鼻腔内、吸入、膣内、経直腸、嚢内および非経口であり得る。本明細書に用いられている用語の「非経口」とは、皮下、静脈内、筋肉内、関節内の注射または注入、胸骨内および腹腔内を含む投与様式を言う。
【0149】
これら化合物は、個々の治療薬として、または治療薬の組合せにおいて、医薬品に関連した使用に利用できる任意の従来の手段によって投与できる。これらは、単独で投与できるが、一般には、選択された投与経路および標準的な医薬慣例に基づいて選択される医薬担体と共に投与される。
【0150】
本開示の目的のための温血動物は、ホメオスタシス機構を有する動物界のメンバーであり、哺乳動物および鳥類が含まれる。
【0151】
投与される用量は、レシピエントの年齢、健康状態および体重、疾病の程度、存在する場合は併用治療の種類、治療の頻度および望まれる効果の性質に依る。通常は、有効成分化合物の1日の用量は、1日当たり、約1ミリグラム〜500ミリグラムとなる。通常、所望の結果を得るためには、1回または複数回の適用において、1日当たり、10ミリグラムから100ミリグラムが有効である。これらの用量は、上記の病気、疾病および疾患、例えば、心房細動、心房粗動、心房不整脈および上室性頻拍などの心不整脈、脳卒中およびうっ血性心不全などの血栓塞栓事象、および免疫抑制の治療および予防にとって有効な量である。
【0152】
有効成分は、カプセル剤、錠剤、トローチ剤、糖衣剤、顆粒剤および散剤などの固体剤形、またはエリキシル剤、シロップ剤、乳剤、分散剤および懸濁剤などの液体剤形において、経口投与できる。また、有効成分は、分散剤、懸濁剤または液剤などの滅菌液体剤形において、非経口的に投与できる。有効成分を投与するために、局所投与に関しては、軟膏、クリーム、滴剤、経皮用パッチまたは粉末として、眼用投与に関しては、眼科用液剤または懸濁剤形成物として、すなわち、点眼剤として、吸入または鼻腔内投与に関しては、エアロゾルスプレーまたは粉体組成物として、経直腸また経膣投与に関しては、クリーム、軟膏、スプレーまたは坐剤として、他の剤形もまた、使用できる。
【0153】
ゼラチンカプセル剤は、有効成分および乳糖、澱粉、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などの粉末担体を含有する。圧縮錠剤を作製するために、同様な希釈剤を用いることができる。数時間にわたる薬剤の継続的放出を提供するために、錠剤とカプセル剤の双方が、徐放製品として製造できる。圧縮錠剤は、不快な味を遮蔽するため、および環境空気から錠剤を保護するために、糖コーティングまたはフィルムコーティングできるか、あるいは胃腸管内における選択的崩壊のために、腸溶コーティングできる。
【0154】
経口投与のための液体剤形は、患者受容性を高めるために、着色料および着香料を含有し得る。
【0155】
一般に、水、好適な油、生理食塩水、水性デキストロース、(ブドウ糖)、および関連糖溶液ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコール類は、非経口液剤にとって好適な担体である。経口投与用液剤は、有効成分の水溶性の塩、好適な安定化剤、および必要ならば、緩衝物質を含有することが好ましい。重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸などの抗酸化剤は、単独で、または組合せにおいて、好適な安定化剤である。クエン酸およびその塩ならびにEDTAナトリウムもまた用いられる。また、非経口液剤は、塩化ベンザルコニウム、メチルパラベンまたはプロピルパラベンおよびクロロブタノールなどの防腐剤を含有できる。
【0156】
好適な医薬担体は、この分野における標準的な参考書であるRemington’s Pharmaceutical Sciences、A.Osolに記載されている。
【0157】
吸入による投与に関して、本発明の化合物は、加圧容器またはネブライザーからエアロゾルスプレーの提供形態において、便利に送達され得る。化合物はまた、製剤化できる粉体として送達でき、粉体組成物は、吹送粉体吸入装置の補助により、吸入できる。吸入用の好ましい送達システムは、式Iの化合物の懸濁液または溶液として、炭化フッ素または炭化水素などの適した噴射剤中で製剤化できる計量吸入(MDI)エアロゾルである。
【0158】
眼用投与に関しては、化合物が、眼表面との接触を十分な時間、維持され、化合物が、角膜および眼の内部領域まで浸透できるように、適切な眼科用ビヒクル中の式Iの化合物の適切な重量パーセントの溶液または懸濁液によって眼科用製剤が製剤化できる。
【0159】
本発明の化合物投与のための有用な医薬剤形としては、これらに限らないが、ハードおよびソフトゼラチンカプセル、錠剤、非経口注射剤および経口懸濁剤が挙げられる。
【0160】
標準的なツーピースハードゼラチンカプセル各々に、100ミリグラムの粉末化有効成分、150ミリグラムの乳糖、50ミリグラムのセルロース、および6ミリグラムのステアリン酸マグネシウムを充填することにより、多数の単位カプセル剤が調製される。
【0161】
大豆油、綿実油またはオリーブ油などの消化可能な油中に有効成分の混合物を調製し、容量型ポンプにより、ゼラチン内へ注入して、100ミリグラムの有効成分を含有するソフトゼラチンカプセル剤が形成される。カプセル剤を洗浄し、乾燥する。
【0162】
多くの錠剤が、単位剤形が100ミリグラムの有効成分、0.2ミリグラムのコロイド状二酸化ケイ素、5ミリグラムのステアリン酸マグネシウム、275ミリグラムの微結晶セルロース、11ミリグラムの澱粉および98.8ミリグラムの乳糖となるように、従来の手順により調製される。嗜好性の増加または吸収遅延のために適切なコーティングを適用できる。
【0163】
注射による投与のために好適な非経口組成物は、10容量%のプロピレングリコール中、1.5重量%の有効成分を攪拌することにより調製される。この溶液を、注射用の水により容量に作製し滅菌する。
【0164】
経口投与用の水性懸濁液は、各5ミリリットルが、100ミリグラムの微細分割有効成分、100ミリグラムのカルボキシメチルセルロースナトリウム、5ミリグラムの安息香酸ナトリウム、1.0グラムのソルビトール溶液、U.S.P.および0.025ミリリットルのバニリンを含有するように調製される。
【0165】
本発明の化合物が段階的に、または他の治療薬と共に投与される場合、一般に同一の剤形を用いることができる。薬物が、物理的組合せにおいて投与される場合、その剤形および投与経路は、組み合わされる薬物の適合性に依存して選択する必要がある。したがって、共投与と言う用語は、2種の薬剤の同時投与または逐次投与、あるいは、2種の有効成分の一定の用量組合せとしての投与を含むものとして理解される。
【0166】
本発明の化合物は、単独有効成分として、あるいはキニジン、プロパフェノン、アンバシリド、アミオダロン、フレカイニド、ソタロール、ブレチリウム、ドフェチリド、アルモカラント、ベプリジル、クロフィリウムなどのKv1.5の遮断活性を有する他の抗不整脈剤、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブピバカイン、エリスロマイシン、ベラパミル、ニフェジピン、ザテブラジン、ビスインドリルマレイミドなどのKv1.5の遮断活性を有する他の化合物、または、これらに限らないが、ベナゼピン、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペルインドプリルエルブミン、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルなどのACE阻害剤などの他の心血管剤、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタンなどのアンジオテンシンIIアンタゴニスト類、ジゴキシンなどの強心配糖体類、Lタイプカルシウムチャネル遮断剤、Tタイプカルシウムチャネル遮断剤、選択的および非選択的β遮断剤、免疫抑制化合物、エンドセリンアンタゴニスト、トロンビン阻害剤、アスピリン、ナプロキセンなどのアスピリン以外の非選択的NSAID類、ワルファリン、Xa因子阻害剤、低分子量ヘパリン、非分画性ヘパリン、クロピドグレル、チクロピジン、チロフィバンなどのIIb/IIIa受容体アンタゴニスト、5HT受容体アンタゴニスト、インテグリン受容体アンタゴニスト、トロンボキサン受容体アンタゴニスト、TAFI阻害剤およびP2T受容体アンタゴニストなどの第2の有効成分と組み合わせて投与できる。本発明の化合物はまた、単独有効成分として、あるいはペースメーカーまたは除細動装置と組み合わせて投与できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造の化合物または医薬として許容できる塩、結晶形態もしくは水和物。
【化1】

式中:
Aは、
a)アリール環であり、ここにおいて、任意の安定なアリール環原子は、独立して、非置換であるか、または
1)ハロゲン、
2)NO
3)CN、
4)CR46=C(R4748
5)C≡CR46
6)(CROR46
7)(CRN(R4647)、
8)(CRC(O)R46
9)(CRC(O)OR46
10)(CR46
11)(CRS(O)0〜261
12)(CRS(O)0〜2N(R4647)、
13)OS(O)0〜261
14)N(R46)C(O)R47
15)N(R46)S(O)0〜261
16)(CRN(R46)R61
17)(CRN(R46)R61OR47
18)(CRN(R46)(CRC(O)N(R4748)、
19)N(R46)(CR61
20)N(R46)(CRN(R4748)、
21)(CRC(O)N(R4748)、または
22)オキソ
で置換されており、または
b)ヘテロアリール環であり、ここにおいて、このヘテロアリール環は、
N、OまたはSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子の環原子を有する5員不飽和単環式環、
N、OおよびSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子の環原子を有する6員不飽和単環式環、ならびに
N、OまたはSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子の環原子を有する9員または10員不飽和の二環式環
からなる群から選択され、
任意の安定なSヘテロアリール環原子は、非置換であるか、またはオキソにより一置換もしくは二置換されており、
任意の安定なCまたはNヘテロアリール環原子は、独立して、非置換であるか、または
1)ハロゲン、
2)NO
3)CN、
4)CR46=C(R4748
5)C≡CR46
6)(CROR46
7)(CRN(R4647)、
8)(CRC(O)R46
9)(CRC(O)OR46
10)(CR46
11)(CRS(O)0〜261
12)(CRS(O)0〜2N(R4647)、
13)OS(O)0〜261
14)N(R46)C(O)R47
15)N(R46)S(O)0〜261
16)(CRN(R46)R61
17)(CRN(R46)R61OR47
18)(CRN(R46)(CRC(O)N(R4748)、
19)N(R46)(CR61
20)N(R46)(CRN(R4748)、
21)(CRC(O)N(R4748)、または
22)オキソ
により置換されており;
は、
1)水素、
2)(CR40
3)(CROR40
4)(CRN(R4041)、
5)(CRN(R40)C(O)OR41
6)(CRN(R40)(CRN(R41)C(O)R49
7)C3〜8シクロアルキル、
8)(CRC(O)OR40
9)(CRN(R40)(CR1〜341
10)(CRS(O)0〜2
11)(CRS(O)0〜2N(R4041)、
12)(CRN(R40)ROR41
13)(CRN(R40)(CR0〜6C(O)N(R4142
からなる群から選択され;
は、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)S(O)0〜2N(R5350)、
4)S(O)0〜262
5)CH
6)C〜Cアルキル、
7)C〜C10シクロアルキル、
8)R82
からなる群から選択され、
前記アルキルおよびシクロアルキルは、非置換であるか、R22により一置換されているか、R22およびR23により二置換されているか、R22、R23およびR24により三置換されているか、またはR22、R23、R24およびR25により四置換されているか;または
およびRは、これらが結合している原子と一緒になって、
【化2】

からなる構造の群から選択される環を形成し、ここにおいて、uは0または1であり、R99は水素または−OHであり、XはOまたは
【化3】

であり;
、R、RおよびR10は、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)NO
4)CN、
5)CR43=C(R4445)、
6)C≡CR43
7)(CROR43
8)(CRN(R4344)、
9)(CRC(O)R43
10)(CRC(O)OR43
11)(CR43
12)(CRS(O)0〜260
13)(CRS(O)0〜2N(R4344)、
14)OS(O)0〜260
15)N(R43)C(O)R44
16)N(R43)S(O)0〜260
17)(CRN(R43)R60
18)(CRN(R43)R60OR44
19)(CRN(R43)(CRC(O)N(R4445)、
20)N(R43)(CR60
21)N(R43)(CRN(R4445)、および
22)(CRC(O)N(R4344
から独立して選択されるか、または
およびRは、独立して上記に定義される通りであり、RおよびR10は、これらが結合している原子と一緒になって、環
【化4】

を形成し、ここにおいて、RはC1〜6アルキルであり;
、R、R、R、R、R、Rg、R、R、Rj、RおよびRは、
1)水素、
2)C〜Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)アリール、
5)R80
6)C〜C10シクロアルキル、および
7)OR
からなる群から独立して選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、非置換であるか、Rにより一置換されているか、RおよびR15により二置換されているか、R、R15およびR16により三置換されているか、またはR、R15、R16およびR17により四置換されており;
、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52およびR53は、
1)水素、
2)C〜Cアルキル、
3)C〜C10シクロアルキル、
4)アリール、
5)R81
6)CF
7)C〜Cアルケニル、および
8)C〜Cアルキニル
からなる群から独立して選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、非置換であるか、R18により一置換されているか、R18およびR19により二置換されているか、R18、R19およびR20により三置換されているか、またはR18、R19、R20およびR21により四置換されており;
、R60、R61、R62およびR63は、
1)C〜Cアルキル、
2)アリール、
3)R83、および
4)C〜C10シクロアルキル
からなる群から独立して選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、非置換であるか、R26により一置換されているか、R26およびR27により二置換されているか、R26、R27およびR28により三置換されているか、またはR26、R27、R28およびR29により四置換されており;
、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28およびR29は、
1)C〜Cアルキル、
2)ハロゲン、
3)OR51
4)CF
5)アリール、
6)C〜C10シクロアルキル、
7)R84
8)S(O)0〜2N(R5152)、
9)C(O)OR51
10)C(O)R51
11)CN、
12)C(O)N(R5152)、
13)N(R51)C(O)R52
14)S(O)0〜263
15)NO、および
16)N(R5152
からなる群から独立して選択され;
80、R81、R82、R83およびR84は、N、OおよびSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子の環原子を有する4〜6員の不飽和または飽和単環式環からなる非置換または置換ヘテロ環式環、ならびにN、OまたはSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子の環原子を有する9員または10員の不飽和または飽和の二環式環からなる群から独立して選択され;
n、p、q、rおよびsは、独立して0、1、2、3、4、5または6であり;
がOCHであり、RがCHであり、Rが(CHである場合、Aは置換されており、
が水素であり、RがCHであり、Rが水素である場合、Aは置換されており、
が水素であり、RがCHであり、Rが(CHである場合、置換基がCHでないという条件でAは置換されており、
がOCHであり、RがCHであり、RがCHである場合、Aは置換されている。
【請求項2】
Aが、請求項1に記載された通りの非置換もしくは置換フェニルであり、またはピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、インドール、ピロロピリジン、ベンズイミダゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾキサジアゾールからなる群から選択される請求項1に記載された通りの非置換もしくは置換ヘテロアリール環から選択されるアリール環であり;
、R、RおよびR10が、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)OR43
4)(CR43
5)CN、および
6)(CRC(O)N(R4344
からなる群から独立して選択され、または
およびRが、独立して上記に定義される通りであり、RおよびR10が、これらが結合している原子と一緒になって、環
【化5】

を形成し、ここにおいて、RはC1〜6アルキルであり;
が、
1)水素、
2)(CR1〜240
3)(CR1〜2OR40
4)(CR1〜2N(R4041)、
5)(CR1〜2N(R40)C(O)OR41
6)(CR1〜2N(R40)(CRN(R41)C(O)R49
7)(CR1〜2C(O)OR40
8)(CR1〜2N(R40)(CR1〜341、および
9)シクロプロピル
からなる群から選択され;
が、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)S(O)0〜2N(R5350)、
4)S(O)0〜262
5)CH
6)C〜Cアルキル、
7)C〜C10シクロアルキル、
8)R82
からなる群から選択され、
前記アルキル、アリールおよびシクロアルキルは、非置換であるか、R22により一置換されているか、R22およびR23により二置換されているか、R22、R23およびR24により三置換されているか、またはR22、R23、R24およびR25により四置換されているか;または
およびRは、これらが結合している原子と一緒になって、
【化6】

からなる構造群から選択される環を形成し、ここにおいて、uは0または1であり、R99は水素または−OHであり、およびXはOまたは
【化7】

である、請求項1に記載の化合物または医薬として許容できるその塩。
【請求項3】
、R、RおよびR10が、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)OR43、および
4)(CRC(O)N(R4344
からなる群から独立して選択される、請求項2に記載の化合物または医薬として許容できるその塩。
【請求項4】
が、
1)水素、
2)(CR1〜240
3)(CR1〜2OR40、または
4)(CR1〜2N(R4041
からなる群から選択され;
が、
1)水素、
2)C〜Cアルキル、および
3)CH
からなる群から選択され、
前記アルキルが、非置換であるか、R22により一置換されているか、R22およびR23により二置換されているか、R22、R23およびR24により三置換されているか、またはR22、R23、R24およびR25により四置換されているか;または
およびRは、これらが結合している原子と一緒になって、
【化8】

からなる構造の群から選択される環を形成し、ここにおいて、uは1であり、R99は水素または−OHである、請求項3に記載の化合物または医薬として許容できるその塩。
【請求項5】
Aが、非置換フェニルであるか、またはハロゲンで置換されているフェニルである、請求項4に記載の化合物または医薬として許容できるその塩。
【請求項6】
が、−CH、−CHCH、−(CHOCH、−(CHNHおよび−(CHNH、−CHC(O)OC(CHからなる群から選択され、
が、水素、−C(CH、−CHからなる群から選択され、または
およびRが、これらが結合している原子と一緒になって、
【化9】

からなる構造の群から選択される環を形成し、ここにおいて、uは1であり、R99は水素または−OHである、請求項5に記載の化合物または医薬として許容できるその塩。
【請求項7】
3−tert−ブチル−4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−メチルイソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−4−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−メチルイソキノリン−1(2H)−オン、
6−メトキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
4−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オン、
4−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,3−ジメチルイソキノリン−1(2H)−オン、
(1E)−11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1,6−ジオン1−オキシム、
3−tert−ブチル−6−ヒドロキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
2,3−ジメチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−2−エチル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−6−メトキシ−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
2−エチル−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
6−メトキシ−2−(2−メトキシエチル)−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
2−(2−アミノエチル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
2−(3−アミノプロピル)−6−メトキシ−3−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボニトリル、
3−tert−ブチル−8−ヒドロキシ−2−メチル−4−フェニルイソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−2−メチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボキサミド、
3−tert−ブチル−2−メチル−4−フェニル−6−(4−フェニルブトキシ)イソキノリン−1(2H)−オン、
3−tert−ブチル−2−メチル−4−フェニル−6−[(5−フェニルペンチル)オキシ]イソキノリン−1(2H)−オン、
11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−1,6−ジオン、
(+/−)−11−(3−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オン、
(1S)−11−(3−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オン、
(1R)−11−(3−フルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オン、および
11−(3−フルオロフェニル)−9−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6H−ピリド[1,2−b]イソキノリン−6−オン
からなる群から選択される、請求項6に記載の化合物または医薬として許容できるその塩。
【請求項8】
治療が、K1.5の阻害において有効である量の請求項1の化合物を投与することを含み、K1.5阻害により達成されるか、または促進される、哺乳動物における状態を治療する方法。
【請求項9】
前記状態が、心不整脈である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記心不整脈が、心房粗動、心房不整脈および上室性頻拍からなる群から選択される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記心不整脈が、心房細動である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
予防が、K1.5の阻害において有効である量の請求項1の化合物を投与することを含み、K1.5阻害により達成されるか、または促進される、哺乳動物における状態を予防する方法。
【請求項13】
前記状態が、心不整脈である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記心不整脈が、心房粗動、心房不整脈および上室性頻拍からなる群から選択される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記心不整脈が、心房細動である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記状態が、血栓塞栓事象である請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記血栓塞栓事象が、脳卒中である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記状態が、うっ血性心不全である請求項12に記載の方法。
【請求項19】
医薬として許容できる担体および請求項1に記載の化合物または医薬として許容できる結晶形態あるいはその水和物を含む医薬製剤。
【請求項20】
請求項1に記載の化合物および医薬として許容できる担体を組み合わせることにより作製される医薬組成物。
【請求項21】
Kv1.5の遮断活性を有する抗不整脈剤類、ACE阻害剤類、アンジオテンシンIIアンタゴニスト類、強心配糖体類、Lタイプカルシウムチャネル遮断剤類、Tタイプカルシウムチャネル遮断剤類、選択的および非選択的β遮断剤類、エンドセリンアンタゴニスト類、トロンビン阻害剤類、アスピリン、非選択的NSAID類、ワルファリン、Xa因子阻害剤類、低分子量ヘパリン、非分画性ヘパリン、クロピドグレル、チクロピジン、IIb/IIIa受容体アンタゴニスト類、5HT受容体アンタゴニスト類、インテグリン受容体アンタゴニスト類、トロンボキサン受容体アンタゴニスト類、TAFI阻害剤類およびP2T受容体アンタゴニスト類からなる化合物のクラスのうち1種から選択される化合物と共に請求項1に記載の化合物を投与することを含む、心不整脈を治療する方法。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物により患者を治療することを含む、心房細動を有する患者における正常な洞調律の状態を誘導する方法。
【請求項23】
請求項1に記載の化合物と組み合わせて抗頻拍装置により患者を治療することを含む、患者における頻拍を治療する方法。

【公表番号】特表2007−516218(P2007−516218A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528067(P2006−528067)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030431
【国際公開番号】WO2005/030791
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】