説明

インゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法および接着装置

【課題】インゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法を提供する。
【解決手段】切り代プレート22、およびインゴット23をワイヤソーに取り付けるための取付プレート21を、主剤と硬化剤とからなる2液性接着剤によりインゴット23の外表面に接着する接着方法であって、取付プレート21と切り代プレート22との接着面、および切り代プレート22とインゴット23との接着面に2液性接着剤を所要パターンで塗布する工程において、混合した2液性接着剤を、接着面の各コーナー部の所要部位にスポット状に塗布すると共に、接着面の幅方向中央部に長手方向に伸びる帯状に塗布し、インゴット23側からの荷重により、2液性接着剤をスポット状部から接着面のコーナー部方向に、および帯状部から接着面の幅方向に展延させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法および接着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池用の半導体基板は、角柱状または円柱状に加工した多結晶(もしくは単結晶)シリコンインゴット(以下単にインゴットという)をワイヤソーにてスライス加工して多数枚の半導体基板を得るようにしている。この場合に、インゴットには、ワイヤソーに取り付ける金属製の取付プレートを接着剤によって固定するようにしている。また、ワイヤによって取付プレートまで切り込んではいけないので、インゴットと取付プレートとの間に、ガラス製、樹脂製またはカーボン製の切り代プレートを接着剤によって固定するようにしている。
【0003】
インゴットをワイヤソーでスライスする時には大きな切削抵抗がかかるため、取付プレート、切り代プレートを接着する接着剤には、強力な接着力を有するエポキシ系2液接着剤が一般に利用されている。
2液性接着剤は主剤と硬化剤とからなる。この2液性接着剤を用いて強固な接着を行う条件としては次の3点があげられる。
・ 混合比(重量比)
主剤と硬化剤の混合比は、製品により様々であるが、一般的には、1:1〜100:15程度のものが使用される。強固な接着力を得るには、決められた混合比となるように正確に計量する必要がある。従来、デジタル重量計や、より正確には電子天秤などを用いて1回の使用量分を計測し、紙コップなどの容器に入れ、さらに微調整を行うようにしている。
・ 撹拌
良く撹拌することにより、微細部分まで均一に硬化させることができる。従来は、紙コップに入れられた接着剤を、ヘラなどの撹拌棒を用いて良くかき混ぜるようにしている。この撹拌中にも既に硬化が始まっていることに注意を要する。
・ 塗布
面と面を接着するため、気泡の発生・侵入を抑え、均一で薄い膜状に塗布するようにする。従来は、接着面の片方に、紙コップの中の接着剤を載せ、ヘラ等で接着面全面に均一な厚さに伸ばしていくようにしている。
上記のように、従来は手作業で接着剤を塗布するようにしているのが一般的である。
なお、特許文献1には、接着剤を自動機を用いて塗布することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−50639
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
接着剤を手作業で塗布する場合には、次のような問題点がある。
・ 粘度が高いため、デジタル重量計や電子天秤を用いても、主剤と硬化剤とを正確に測り別けるのが困難。特に、微量調整ができない。また、その都度重量計算が必要となる。
・ 1回の接着ごとに混合接着剤の調整が必要となる。
・ 紙コップなど使い捨ての治具が多い。
・ 紙コップで撹拌するため、気泡が入りやすい。
・ 撹拌状態がその都度異なる。安定した撹拌ができない。
・ 環境によっては接着剤中に異物が混入するおそれがある。
・ 手作業での塗布の場合、接着剤を均一厚さに伸ばすのが困難であり、またエアー溜りが起こりやすい。
・ したがって、インゴット接着時に接着エリア内において接着剤の硬化状態にバラつきが生じる。
・ 手作業では、厚くしか塗れないため、接着時、所定の重量がかかると接着剤のはみだし量が多くなる。
なお、特許文献1には、単に接着剤の自動塗布を行うとの記載があるだけで、具体的な塗布方法、塗布装置についての記載はない。
【0006】
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、その目的とするところは、容易かつ正確に接着が行えるインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法および接着装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明方法は、インゴットをワイヤソーによりスライスするため、切り代プレートおよびインゴットをワイヤソーに取り付けるための取付プレートを、主剤と硬化剤とからなる2液性接着剤によりインゴットの外表面に接着する切り代プレートおよび取付プレートの接着方法であって、主剤と硬化剤をそれぞれ別の定量ポンプによりノズルに送り込んで混合し、該混合した2液性接着剤を、前記取付プレートと前記切り代プレートとの接着面、および前記切り代プレートと前記インゴットとの接着面に、前記ノズルを用いて所要パターンで塗布する工程と、前記取付プレート、前記切り代プレートおよび前記インゴットを、前記塗布した2液性接着剤を介在させて重ねる工程と、所要荷重により、前記塗布した2液性接着剤を前記接着面の全面に展延させる工程とを具備し、前記接着面に2液性接着剤を所要パターンで塗布する工程において、前記2液性接着剤を、前記接着面の各コーナー部の所要部位にスポット状に塗布すると共に、前記接着面の幅方向中央部に長手方向に伸びる帯状に塗布し、前記塗布した2液性接着剤を展延させる工程において、前記各プレート間および前記切り代プレートと前記インゴットとの間の空気を押し出しながら、2液性接着剤を前記スポット状部からコーナー部方向に、および前記帯状部から幅方向に展延させて、前記接着面の全面に2液性接着剤を展延させることを特徴とする。
【0008】
また、混合された2液性接着剤を前記ノズルから定量ずつ吐出しつつ、前記ノズルを、前記接着面上を、前記接着面の一端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部、前記帯状部の一端、前記帯状部の他端、前記接着面の他端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部の順に走行させて、2液性接着剤を塗布するようにすることができる。
【0009】
前記ノズルを、前記各スポット状部の位置、および前記帯状部の両端の位置において、所要時間走行を停止するようにして、所要量の接着剤を塗布するようにすることができる。
また、前記取付プレート、前記切り代プレートおよび前記インゴットを、塗布した2液性接着剤を介在させて重ねる際、2液性接着剤の直前で前記プレートまたは前記インゴットの載置スピードを遅くして、空気溜りを生じないようにすることができる。
また、前記プレートを載置する際、または前記インゴットを載置する際、前記プレートまたはインゴットにより2液性接着剤を押圧するようにしてもよい。
また、2液性接着剤を前記塗布パターンに塗布後、定量ポンプを所要回転数逆方向に駆動してノズル中の2液性接着剤を所要量サックバックし、次いでノズルを前記走行パターン上を逆方向に走行させて待機位置まで戻して、塗布軌跡以外への接着剤の垂れを防止するようにすると好適である。
【0010】
また、前記取付プレートを位置決めして配置して2液性接着剤を塗布し、次いで該取付プレート上に前記切り代プレートを位置決めして載置して2液性接着剤を塗布し、次いで該切り代プレート上にインゴットを位置決めして載置し、インゴット側からの荷重により塗布した2液性接着剤を展延させるようにすることができる。
あるいは、前記インゴットを位置決めして配置して2液性接着剤を塗布し、次いで該インゴット上に前記切り代プレートを位置決めして載置して2液性接着剤を塗布し、次いで該切り代プレート上に前記取付プレートを位置決めして載置し、該取付プレート上に荷重を加えて塗布した2液性接着剤を展延させるようにすることができる。
前記ノズルに、供給された主剤と硬化剤とを混合する撹拌機構を備えたノズルを用いることができる。
【0011】
本発明に係る接着装置は、インゴットをワイヤソーによりスライスするため、切り代プレートおよびインゴットをワイヤソーに取り付けるための取付プレートを、主剤と硬化剤とからなる2液性接着剤によりインゴットの外表面に接着する切り代プレートおよび取付プレートの接着装置であって、前記ノズルに2液性接着剤の主剤を送り込む定量ポンプと、前記ノズルに2液性接着剤の硬化剤を送り込む定量ポンプと、送り込まれた主剤および硬化剤を混合する撹拌機構を備えた前記ノズルと、該ノズルを水平面内の縦横方向および上下方向に移動させるノズル移動機構と、前記ノズルの下方の所定位置に配置され、前記取付プレート、前記切り代プレートおよびインゴットを位置決めして載置するパレットまたは位置決めステージと、該パレットまたは位置決めステージ上にインゴットを搬入する搬送装置とを具備することを特徴とする。
【0012】
また、混合された2液性接着剤を、前記取付プレートおよび前記切り代プレートの各コーナー部の所要部位にスポット状に塗布すると共に、前記各プレートの幅方向中央部に長手方向に伸びる帯状に塗布すべく、前記定量ポンプを駆動制御して、主剤と硬化剤をそれぞれ前記ノズル内に送り込んで混合し、混合された2液性接着剤を前記ノズルから定量ずつ吐出しつつ、前記ノズル移動機構を駆動制御して、前記ノズルを、前記取付プレートおよび前記切り代プレート上を、それぞれ、前記各プレートの一端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部、前記帯状部の一端、前記帯状部の他端、前記各プレートの他端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部の順に走行させて、2液性接着剤を塗布するように、前記定量ポンプおよび前記ノズル移動機構の駆動を制御する制御部を具備することを特徴とする。
【0013】
また、混合された2液性接着剤を、前記インゴットおよび前記切り代プレートの各接着面のコーナー部の所要部位にスポット状に塗布すると共に、前記各プレートの幅方向中央部に長手方向に伸びる帯状に塗布すべく、前記定量ポンプを駆動制御して、主剤と硬化剤をそれぞれ前記ノズル内に送り込んで混合し、混合された2液性接着剤を前記ノズルから定量ずつ吐出しつつ、前記ノズル移動機構を駆動制御して、前記ノズルを、前記インゴットおよび前記切り代プレート上を、それぞれ、前記各接着面の一端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部、前記帯状部の一端、前記帯状部の他端、前記各接着面の他端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部の順に走行させて、2液性接着剤を塗布するように、前記定量ポンプおよび前記ノズル移動機構の駆動を制御する制御部を具備することを特徴とする。
また、前記パレットが、搬入される取付プレート、切り代プレートおよびインゴットの少なくとも隣接する2辺に当接する位置決め部材を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、次のような作用効果を奏する。
・ 定量ポンプで定量ずつ主剤および硬化剤をノズルに送り込んで2液性接着剤を調整するので、接着剤の調整が容易である。
・ 2液性接着剤が空気に触れることがないので、一定の品質を維持できる。
・ 密閉されたノズル内で撹拌するので、2液性接着剤に気泡や異物が入り難い。
・ 常に同じ撹拌状態を連続して行える。
・ 2液性接着剤の量、塗布パターン、押圧荷重が一定のため、接着後の接着剤の厚みを均一にできる。また2液性接着剤を内側から外へ押し出すので、エアー抜けがよい。
・ 2液性接着剤を調整から塗布、硬化まで一定のパターンで行えるので、2液性接着剤の硬化状態を均一に維持できる。
・ 塗布量の調節が自動的に行え、はみ出し量の調整が簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】接着装置の正面図である。
【図2】接着装置の側面図である。
【図3】接着装置の平面図である。
【図4】パレットと搬送装置の位置関係を示す平面図である。
【図5】図1の部分拡大図である。
【図6】図2の部分拡大図である。
【図7】図3の部分拡大図である。
【図8】パレットの正面図である。
【図9】パレットの側面図である。
【図10】パレットの平面図である。
【図11】ノズル装置の正面図である。
【図12】ノズル装置の側面図である。
【図13】ノズル装置の平面図である。
【図14】ノズル装置の他方の実施形態を示す説明図である。
【図15】搬送装置の正面図である。
【図16】搬送装置の側面図である。
【図17】搬送装置の平面図である。
【図18】制御部を示す接着装置の正面図である。
【図19】接着剤の塗布パターンを示す説明図である。
【図20】接着剤の塗布パターンの他方の例を示す説明図である。
【図21】接着剤の塗布パターンのさらに他方の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
まず太陽電池用等のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着装置10(以下単に接着装置という)について説明する。
図1は接着装置10の正面図、図2はその側面図、図3はその平面図、図4はパレットと搬送装置の位置関係を示す平面図、図5は図1の部分拡大図、図6は図2の部分拡大図、図7は図3の部分拡大図である。図8はパレットの正面図、図9はその側面図、図10はその平面図である。
12はノズルであり、ノズル移動機構14によって、XY方向(水平面内における縦横方向)およびZ方向(上下方向)に移動可能となっている。
ノズル12およびノズル移動機構14は、接着装置10の上部部分に設けられている。これらの機構の詳細は後記する。
【0017】
図1、図8において、18はパレットであり、ノズル12およびノズル移動機構14の下方に位置する基台20上の所定位置に搬出入自在に配置されている。パレット18上には、取付プレート21、切り代プレート22およびインゴット23が位置決めして載置可能となっている。
なお、パレット18は必ずしも用いなくともよい。この場合、基台20上の位置決めステージ(図示せず)上に、取付プレート21、切り代プレート22およびインゴット23をピン等の位置決め部材(図示せず)により位置決めして載置するようにする。
25は搬送装置である。搬送装置25は、基台20上に搬入されたインゴット23を吸引して、パレット18上に搬出入するものである。
パレット18および搬送装置25の詳細も後記する。
【0018】
続いて各部の詳細を説明する。
図5〜図7によりノズル移動機構14について説明する。
26はX方向可動板であり、サーボモータ27とボールねじ28により駆動される。X方向可動板26は、レール29にガイドされてX方向(図1の左右方向)に往復動する。
【0019】
X方向可動板26には、Y方向に突出する固定板30が固定されている(図6)。X方向可動板26と固定板30とはL字状をなすことになる。もちろん、固定板30はX方向可動板26と共にX方向に移動する。
固定板30には電動シリンダ装置32のシリンダ部33が固定され、ロッド34が上下方向に突出入されるようになっている。ロッド34の下端にはリニアガイド35が水平に固定され、ロッド34と共に上下動する。リニアガイド35の上面には2本のガイドポールが立設され、このガイドポールが固定板30上に立設したガイドブッシュ36にスライド自在にガイドされることによって、リニアガイド35が横振れすることなく上下動する。リニアガイド35もY方向に伸びている。なお、40はケーブルチエーンであり、一端がノズル移動機構14の上部の適所に固定され、他端がリニアガイド35に固定されている。ケーブルチエーン40内には、後記するサーボモータや定量ポンプ等への給電用のケーブルが配設されている。
【0020】
リニアガイド35に沿って、可動ブロック37が移動自在にガイドされている。リニアガイド35内にはボールねじ38が配設され、このボールねじ38は、サーボモータ39によって回転駆動される。可動ブロック37の雌ねじ孔にボールねじ38が螺合している。したがって、サーボモータ39によってボールねじ38が回転駆動されると、可動ブロック37はリニアガイド35にガイドされてY方向(図2、図6の左右方向)に移動する。
可動ブロック37に取付部材41(図11〜図13)を介してノズル装置42が固定されている。したがってノズル装置42は、X方向、Y方向および上下方向に移動する。
【0021】
図11はノズル装置42の正面図、図12はその側面図、図13は平面図である。
ノズル装置42は、2液性接着剤の主剤と硬化剤とを定量ポンプによりノズル12に送り込み、ノズル12中で混合して吐出するようになっている。
図において、43aはサーボモータ、44aは減速機、45aは公知の機構の定量ポンプである。46aはホッパーであり、定量ポンプ45aに接続され、貯留されている主剤を定量ポンプ45aに供給するようになっている。
43bはサーボモータ、44bは減速機、45bは公知の機構の定量ポンプである。ホッパー46b(図5)が定量ポンプ45bに接続され、ホッパ46bに貯留されている硬化剤を定量ポンプ45bに供給するようになっている。なお図11ではホッパー46bの図示を省略し、図13では両方のホッパー46a、46bの図示を省略している。
【0022】
定量ポンプ45a、45bからは主剤および硬化剤が、それぞれ流路47a、47bから合流ブロック48に送り込まれ、主剤と硬化剤とが合流する。合流ブロック48は、流路47a、47b側のブロックからは取り外し自在に設けられている。合流ブロック48には、公知のスタティックミキサーを内蔵したノズル12が着脱自在に取り付けられている。
サーボモータ43a、43bの回転数を変更して定量ポンプ45a、45bの回転数を調整することによって、定量ポンプ45a、45bから吐出される主剤と硬化剤の単位時間当たりの量(容量)を調整できる。なお、主剤と硬化剤の混合比は通常重量比で提供されているので、容量比に換算する。
定量ポンプ45a、45bは公知の機構のものを採用できるのでその説明は省略する。
なお、49はサーボモータ43a、43bのコネクタである。
【0023】
図14はノズル装置42の他の実施の形態を示す。
本実施の形態では、合流ブロック48の流路内に、撹拌羽根の付いた撹拌棒51を回転自在に設け、この撹拌棒51をモータ52によって回転駆動することによって、さらに効率よく主剤と硬化剤とを撹拌、混合するようになっている。
合流ブロック48内やノズル12内の接着剤は主剤と硬化剤とが混合されて硬化を開始するために、接着剤塗布作業を終了もしくは中断する場合には、合流ブロック48内やノズル12内の接着剤は排出して廃棄しなければならない。本実施の形態のように、強制撹拌装置を設けて効率よく撹拌することによって、スタティックミキサー付きのノズル12のみの場合に比して、スタティックミキサー付きのノズル12の長さを短くでき、廃棄処分する接着剤の量を少なくできるメリットがある。
【0024】
次に搬送装置25について説明する。
図15は搬送装置25の拡大正面図、図16はその側面図、図17はその平面図である。
搬送装置25は、基台20上の所定位置に位置決めして配置されているパレット18上の所定位置に、もしくは基台20の位置決めステージ上の所定位置に人手により搬入されたインゴット23を、該搬入位置から、取付プレート21および切り代プレート22の接着位置へ吸着搬送するものである。
図15において、55はY方向(図16の左右方向)に伸びるリニアガイドであり、支持板56の下面側に支持されている。リニアガイド55はサーボモータ57によって回転されるボールねじ58を内蔵している。ボールねじ58には可動ブロック59が螺合している。可動ブロック59には取付部材60を介して可動板61が固定されている。また可動板61には、スライド板62がスライド自在に固定されている。
【0025】
スライド板62の下面にはシリンダ装置64が固定されている。シリンダ装置64のロッド65の下端には吸引管66が固定され、この吸引管66の下端には吸盤67が固定されている。本実施の形態では、ロッド65の下端に、X方向(図15の左右方向)に所要間隔をおいて2つの吸引管66が固定され、この2つの吸引管66のそれぞれに吸盤67が固定されている。吸引管66は図示しない真空装置に接続されている。2つの吸引管66は、搬入されるインゴット23の長手方向に所要間隔をおいて設けられ、これにより、細長いインゴット23をバランスよく吸引可能となっている。
また、スライド板62にはX方向(図15の左右方向)に伸びる長孔70(図17)が設けられ、スライド板62は、この長孔70に沿ってスライド可能に設けられ、適当な位置で可動板61にねじ(図示せず)止めすることによって、X方向における位置調整が行えるようになっている。これにより、長さの異なるインゴット23に対応して、吸引管66の位置調整を行える。
シリンダ装置64は、ボールねじ58が回転されることによって、図16の左右方向(Y方向)に移動可能となっている。
図1〜図4から明らかなように、ノズル移動機構14の作動、ノズル12の移動、搬送装置25の作動は、空間的に干渉しないように、それぞれの機構が配置されている。
なお、71はケーブルチエーンである。
【0026】
次いで、パレット18について説明する。
図8〜図10に示されるように、パレット18は、接着装置10の基台20上の所定位置に位置決めピン等によって位置決めして搬入される。
パレット18上には、多数の位置決めピン74挿入用の孔73が設けられ、対応するインゴット23の外表面の位置に併せて、この孔73に位置決めピン74を挿入することによって、少なくともインゴット23の隣接する2面の位置決めをするようになっている。
なお、インゴット23の位置決めは、位置決めピン74には限定されず、ピンと長孔によって位置調整可能な位置決めブロック75なども用いることができる。
【0027】
インゴット23は、図1、図15において、パレット18上(図2、図16において右側)の手前側の所定位置に人手によって、長手方向が正面側を向くように搬入される。インゴット23の搬入時に、搬送装置25のシリンダ装置64がインゴット23の真上にくるように位置している。なお、72は、インゴット23の搬入時の位置決めブロックであり、ピンと長孔によって位置調整可能となっている(図3、図10)。インゴット23の搬送の際には、シリンダ装置64が駆動され、ロッド65が下降され、吸盤67がインゴット23の上面に当接する。真空装置が作動され、インゴット23が吸盤67に吸着され、次いでロッド65が上昇される。さらに、ボールねじ58が回転され、シリンダ装置64が図16において左方向(Y方向)に所要位置まで移動され、さらにこの位置で、ロッド65が下降されることによって、インゴット23をパレット18上の、取付プレート21および切り代プレート22の接着作業位置に搬入される。
なお、本実施の形態では、四角柱状のインゴット23を吸着搬送する例で示したが、円柱状のインゴット23を吸着搬送する場合には、複数の吸盤の配置位置を円柱の外表面に当接するように配置すればよい。
なお、ノズル移動機構14、搬送機構25、定量ポンプ45a、45b等の駆動制御は、制御部78(図18)によって、所定のプログラムに従って行われる。
【0028】
続いて、上記接着装置10を用いて、インゴット23と切り代プレート22および取付プレート21を接着する方法について説明する。
先ず、取付プレート21をパレット18上(もしくは基台20の位置決めステージ上)の接着作業位置に位置決めピン74等によって位置決めして搬入する。パレット18上への取付プレート21の搬入は人手によって行うことができる。
次に、この取付プレート21の表面に、ノズル12を用いて所要パターンで主剤と硬化剤とが混合されている2液性接着剤を塗布する。
図19に、2液性接着剤の塗布パターンの一例を示す。
本実施の形態では、2液性接着剤を、取付プレートの各コーナー部の所要部位にスポット状に塗布する(スポット状部80)と共に、取付プレート21の幅方向中央部に長手方向に伸びる帯状に塗布する(帯状部82)ようにしている。
なお、取付プレート21、切り代プレート22は、インゴット23の外表面に沿う長方形に形成されている。
【0029】
2液性接着剤をスポット状に塗布するには、ノズル12を各位置に所要時間停止して、当該位置でノズル12から所要量の2液性接着剤を吐出すればよい。2液性接着剤を帯状に塗布するには、ノズル12から所要量の2液性接着剤を連続的に吐出させながら、ノズル12を帯状部82の一端側から他端側に走行させればよい。一連のノズル12の走行は、ノズル移動機構14によって行うことはもちろんである。定量ポンプの駆動制御やノズル移動機構14の駆動制御は制御部78によって行われる。
【0030】
上記のように取付プレート21に所要パターンで2液性接着剤を塗布した後、切り代プレート22を取付プレート21上に2液性接着剤を介在させて位置決めして搬入する。この切り代プレート22の搬入も人手によって行うことができる。
次いで、ノズル12により、切り代プレート22上にも図19に示すパターンで2液性接着剤を塗布する。
次に、パレット18の所要位置に搬入されているインゴット23を搬送装置25により吸着搬送して、切り代プレート22の上に2液性接着剤を介在させて位置決めして搬入する。
【0031】
取付プレート21と切り代プレート22との間、および切り代プレート22とインゴット23との間には上記所要パターンで塗布された2液性接着剤が存在する。取付プレート21、切り代プレート22、インゴット23を隣接する2面で位置決めしただけでは、これらが横方向にずれるおそれがある。そこで、他方の2面側にも位置決めピン74を当接させて、これらを完全に位置決め、固定するようにするとよい。このようにすることで、インゴット23からの荷重により、各プレート21、22間および切り代プレート22とインゴット23との間の空気を押し出しながら、2液性接着剤はスポット状部80から取付プレート21や切り代プレート22のコーナー部方向に、および帯状部82からこれらの幅方向に展延し、接着エリアの全面に2液性接着剤が展延する(図19の破線)。なお、2液性接着剤の一部は取付プレート21や切り代プレート22からはみ出る。この場合にもインゴット23が一番上に位置することから、はみ出た2液性接着剤がインゴット23の側面に垂れてインゴット側面を汚すことはない。
【0032】
2液性接着剤に接着エリア全面に展延し固定できるような接着剤を選択するようにする。接着剤の特性(粘度、強度など)によっては、インゴット23からの荷重がインゴット23の自重のみでも全面に展延できる場合がある。また自重のみで足りない場合は、インゴット23に錘などにより荷重を加えて2液性接着剤を展延させてもよい。
2液性接着剤の硬化には所要の時間を要する。そこで、上記のように、取付プレート21、切り代プレート22、インゴット23をセットしたパレット18を基台20から他所に移動させ、この他所で2液性接着剤を硬化させるようにするとよい。基台20上へ別のパレット18を搬入し、次の接着作業を行う。基台20上へのパレット18の搬出入は別途図示しない搬出入装置で行うようにする。なお、次の接着作業を行う場合には、ノズル12中の2液性接着剤の所要量を捨て打して排出するようにするのがよい。ノズル12中の接着剤は多少とも硬化を始めているからである。
【0033】
なお、切り代プレート22を取付プレート21上に、塗布した2液性接着剤を介して載置する際、および切り代プレート22上にインゴット23を、塗布した2液性接着剤を介して載置する際、2液性接着剤に接触する直前で切り代プレート22およびインゴット23の載置スピードをそれぞれ遅くすることにより、空気の巻き込みを防止して、空気溜りを生じないようにすることができる。また、その際、切り代プレート22およびインゴット23によりそれぞれ2液性接着剤を若干押圧するようにすると、空気を排除でき、より空気溜りを生じさせないようにすることができる。
【0034】
2液性接着剤の塗布パターンは種々考えられるところであるが、できるだけ、シンプルなパターンが好ましく、また展延した際に欠けがなく、均一な厚さとなるようにする。
図20の場合は、取付プレート21や切り代プレート22の中央に長手方向に伸びる帯状部のみのパターンに塗布した例を示す。しかしながら、この場合には、図20の破線に示すように4つのコーナー部に接着剤が行き渡らず、欠けが生じた。
そこで、本実施の形態では、各コーナー部の不足分を補うべく、各コーナー部の所要部位に、スポット状に接着剤を塗布した。スポット状部80の塗布量は各コーナー部の不足分を補う量である。また、帯状部82の塗布量は、接着剤が接着エリアの幅方向に展延した際、端縁部から若干はみ出す量とする。
スポット状部80や帯状部82における接着剤の塗布量は、その塗布(展延)面積や厚みからあらかじめ算出することもできる。
【0035】
インゴット23の長さが変われば、接着剤の塗布位置や塗布量も変える必要がある。実際、様々なインゴットに対応する必要があり、インゴットの長さも一定ではない。この場合、タッチパネルから制御部78にインゴットの長さを入力し、あるいはセンサでインゴットの長さを計測して、その長さに基づいて塗布位置および塗布量を調整するようにするとよい。あるいは、インゴットの違いによってパレットを替えて、パレットの種類によって塗布位置および塗布量を自動で調整できるようにしてもよい。さらに、接着剤の塗布量だけでなく、プレートの種類(長さ、幅等)を替えてもよい。プレートを替えることで、ワイヤソーによる後工程の変更にも対応できる。
【0036】
本実施の形態では、定量ポンプで主剤と硬化剤をノズル12に送り込んで混合、撹拌し、該ノズル12から前記所要パターンで取付プレート21および切り代プレート22に2液性接着剤を塗布し、インゴット23側からの荷重により該2液性接着剤を展延させるようにしたので、次のような効果を奏する。
・ 定量ポンプで定量ずつ主剤および硬化剤をノズル12に送り込んで2液性接着剤を調整するので、接着剤の調整が容易である。
・ 2液性接着剤が空気に触れることがないので、一定の品質を維持できる。
・ 密閉されたノズル12内で撹拌するので、2液性接着剤に気泡や異物が入り難い。
・ 常に同じ撹拌状態を連続して行える。
・ 2液性接着剤の量、塗布パターン、押圧荷重が一定のため、接着後の接着剤の厚みを均一にできる。また2液性接着剤を内側から外へ押し出すので、エアー抜けがよい。
・ 2液性接着剤を調整から塗布、硬化まで一定のパターンで行えるので、2液性接着剤の硬化状態を均一に維持できる。
・ 塗布量の調節が自動的に行え、はみ出し量の調整が簡単に行える。
【0037】
図21は接着剤の塗布パターンの他の実施の形態を示す。
本実施の形態では、混合された2液性接着剤をノズル12から定量ずつ吐出しつつ、ノズル12を、取付プレート21、切り代プレート22上を、取付プレート21および切り代プレート22の一端側の、一方のスポット状部80(図21の部位1)、他方のスポット状部80(図21の部位2)、帯状部82の一端(図21の部位3)、帯状部82の他端(図21の部位4)、接着エリアの他端部側の、一方のスポット状部80(図21の部位5)、他方のスポット状部80(図21の部位6)の順に走行させて、2液性接着剤を塗布するようにしている。
【0038】
この場合、ノズル12を、上記各部位1〜6において所要時間走行を停止するようにする。このようにして部位1、2、5、6においては、所要量の接着剤をスポット状に塗布する。部位1と部位2との間、部位2と部位3との間、部位4と部位5との間、および部位5と部位6との間においても、接着剤は定量ずつ吐出されながらノズル12が走行するので、接着剤が直線状に塗布されるが、塗布量をできるだけ少なくするように、これらの各間では、ノズル12をできるだけ速く走行させるようにする。
部位3と部位4との間は、接着剤が所要量必要となるので、ノズル12の走行速度を遅くし、帯状部82が所要の幅となるように、ノズル12の走行速度を設定するのである。
本実施の形態では、上記のように、ノズル12から一定量の接着剤を吐出させつつノズル12を移動させるので、制御が容易となる。また、接着剤が連続して吐出されることによって、ポンプ起動等による接着剤混合比のバラつきが低減される。
なお、部位2と部位3との間、および部位4と部位5との間では、定量ポンプを停止し、この間では接着剤を吐出させないようにしてもよい。
【0039】
2液性接着剤を前記塗布パターンに塗布後、定量ポンプを所要回転数逆方向に駆動してノズル12中の2液性接着剤を所要量サックバックし、次いでノズル12を前記走行パターン上を逆方向に走行させて待機位置まで戻すようにすると好適である。2液性接着剤を所要量サックバックすることによって、ノズル12からの2液性接着剤の垂れを防止できる。また、ノズル12を、塗布時の走行パターン上を逆方向に走行させて待機位置まで戻すことによって、ノズル12から例え接着剤が垂れたとしても、接着剤が塗布パターン上に垂れるだけであるから、正確なパターンに塗布作業が行える。
【0040】
なお、上記実施の形態では、取付プレート21、切り代プレート22に所要パターンで2液性接着剤を塗布し、取付プレート21、切り代プレート22、インゴット23の順に重ねて2液性接着剤を展延させるようにしたが、逆の順、すなわち、インゴット23、切り代プレート22に所要パターンで2液性接着剤を塗布し、インゴット23、切り代プレート22、取付プレート21の順に重ねて2液性接着剤を展延させるようにしてもよい。
【0041】
すなわち、この場合に次の工程を具備することを特徴とする。
主剤と硬化剤をそれぞれ別の定量ポンプによりノズル12に送り込んで混合し、該混合した2液性接着剤をノズル12を用いてインゴット23に所要パターンで塗布する工程と、該塗布した2液性接着剤を介してインゴット23に切り代プレート22を重ねる工程と、混合した2液性接着剤をノズル12を用いて切り代プレート22に所要パターンで塗布する工程と、該切り代プレート22上に塗布した2液性接着剤を介して取付プレート21を載置する工程と、該取付プレート21上に荷重を加える工程とを具備する。
なお、2液性接着剤の塗布パターンや塗布方法は、上記実施の形態と同様にすることができる。
【符号の説明】
【0042】
10 接着装置、12 ノズル、14 ノズル移動機構、18 パレット、20 基台、21 取付プレート、22 切り代プレート、23 インゴット、25 搬送装置、26 X方向可動板、27 サーボモータ、28 ボールねじ、29 レール、30 固定板、32 電動シリンダ装置、33 シリンダ部、34 ロッド、35 リニアガイド、36 ガイドブッシュ、37 可動ブロック、38 ボールねじ、39 サーボモータ、40 ケーブルチエーン、41 取付部材、42 ノズル装置、43a 43b サーボモータ、44a 44b 減速機、45a 45b 定量ポンプ、46a 46b ホッパ、47a 47b 流路、48 合流ブロック、49 コネクタ、51 撹拌棒、52 モータ、55 リニアガイド、56 支持板、57 サーボモータ、58 ボールねじ、59 可動ブロック、60 取付部材、61 可動板、62 スライド板、64 シリンダ装置、65 ロッド、66 吸引管、67 吸盤、70 長孔、71 ケーブルチエーン、73 孔、74 位置決めピン、75 位置決めブロック、78 制御部、80 スポット状部、82 帯状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インゴットをワイヤソーによりスライスするため、切り代プレートおよびインゴットをワイヤソーに取り付けるための取付プレートを、主剤と硬化剤とからなる2液性接着剤によりインゴットの外表面に接着する切り代プレートおよび取付プレートの接着方法であって、
主剤と硬化剤をそれぞれ別の定量ポンプによりノズルに送り込んで混合し、該混合した2液性接着剤を、前記取付プレートと前記切り代プレートとの接着面、および前記切り代プレートと前記インゴットとの接着面に、前記ノズルを用いて所要パターンで塗布する工程と、
前記取付プレート、前記切り代プレートおよび前記インゴットを、前記塗布した2液性接着剤を介在させて重ねる工程と、
所要荷重により、前記塗布した2液性接着剤を前記接着面の全面に展延させる工程とを具備し、
前記接着面に2液性接着剤を所要パターンで塗布する工程において、前記2液性接着剤を、前記接着面の各コーナー部の所要部位にスポット状に塗布すると共に、前記接着面の幅方向中央部に長手方向に伸びる帯状に塗布し、
前記塗布した2液性接着剤を展延させる工程において、前記各プレート間および前記切り代プレートと前記インゴットとの間の空気を押し出しながら、2液性接着剤を前記スポット状部からコーナー部方向に、および前記帯状部から幅方向に展延させて、前記接着面の全面に2液性接着剤を展延させることを特徴とするインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法。
【請求項2】
混合された2液性接着剤を前記ノズルから定量ずつ吐出しつつ、前記ノズルを、前記接着面上を、前記接着面の一端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部、前記帯状部の一端、前記帯状部の他端、前記接着面の他端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部の順に走行させて、2液性接着剤を塗布するようにすることを特徴とする請求項1記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法。
【請求項3】
前記ノズルを、前記各スポット状部の位置、および前記帯状部の両端の位置において、所要時間走行を停止することを特徴とする請求項2記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法。
【請求項4】
前記取付プレート、前記切り代プレートおよび前記インゴットを、塗布した2液性接着剤を介在させて重ねる際、2液性接着剤の直前で前記プレートまたは前記インゴットの載置スピードを遅くして、空気溜りを生じないようにすることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法。
【請求項5】
前記プレートを載置する際、または前記インゴットを載置する際、前記プレートまたはインゴットにより2液性接着剤を押圧することを特徴とする請求項4記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法。
【請求項6】
2液性接着剤を前記塗布パターンに塗布後、定量ポンプを所要回転数逆方向に駆動してノズル中の2液性接着剤を所要量サックバックし、次いでノズルを前記走行パターン上を逆方向に走行させて待機位置まで戻して、塗布軌跡以外への接着剤の垂れを防止することを特徴とする請求項2または3記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法。
【請求項7】
前記取付プレートを位置決めして配置して2液性接着剤を塗布し、次いで該取付プレート上に前記切り代プレートを位置決めして載置して2液性接着剤を塗布し、次いで該切り代プレート上にインゴットを位置決めして載置し、インゴット側からの荷重により塗布した2液性接着剤を展延させることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法。
【請求項8】
前記インゴットを位置決めして配置して2液性接着剤を塗布し、次いで該インゴット上に前記切り代プレートを位置決めして載置して2液性接着剤を塗布し、次いで該切り代プレート上に前記取付プレートを位置決めして載置し、該取付プレート上に荷重を加えて塗布した2液性接着剤を展延させることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法。
【請求項9】
前記ノズルに、供給された主剤と硬化剤とを混合する撹拌機構を備えたノズルを用いることを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着方法。
【請求項10】
インゴットをワイヤソーによりスライスするため、切り代プレートおよびインゴットをワイヤソーに取り付けるための取付プレートを、主剤と硬化剤とからなる2液性接着剤によりインゴットの外表面に接着する切り代プレートおよび取付プレートの接着装置であって、
前記ノズルに2液性接着剤の主剤を送り込む定量ポンプと、
前記ノズルに2液性接着剤の硬化剤を送り込む定量ポンプと、
送り込まれた主剤および硬化剤を混合する撹拌機構を備えた前記ノズルと、
該ノズルを水平面内の縦横方向および上下方向に移動させるノズル移動機構と、
前記ノズルの下方の所定位置に配置され、前記取付プレート、前記切り代プレートおよびインゴットを位置決めして載置するパレットまたは位置決めステージと、
該パレットまたは位置決めステージ上にインゴットを搬入する搬送装置とを具備することを特徴とするインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着装置。
【請求項11】
混合された2液性接着剤を、前記取付プレートおよび前記切り代プレートの各コーナー部の所要部位にスポット状に塗布すると共に、前記各プレートの幅方向中央部に長手方向に伸びる帯状に塗布すべく、
前記定量ポンプを駆動制御して、主剤と硬化剤をそれぞれ前記ノズル内に送り込んで混合し、混合された2液性接着剤を前記ノズルから定量ずつ吐出しつつ、前記ノズル移動機構を駆動制御して、前記ノズルを、前記取付プレートおよび前記切り代プレート上を、それぞれ、前記各プレートの一端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部、前記帯状部の一端、前記帯状部の他端、前記各プレートの他端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部の順に走行させて、2液性接着剤を塗布するように、
前記定量ポンプおよび前記ノズル移動機構の駆動を制御する制御部を具備することを特徴とする請求項10記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着装置。
【請求項12】
混合された2液性接着剤を、前記インゴットおよび前記切り代プレートの各接着面のコーナー部の所要部位にスポット状に塗布すると共に、前記各プレートの幅方向中央部に長手方向に伸びる帯状に塗布すべく、
前記定量ポンプを駆動制御して、主剤と硬化剤をそれぞれ前記ノズル内に送り込んで混合し、混合された2液性接着剤を前記ノズルから定量ずつ吐出しつつ、前記ノズル移動機構を駆動制御して、前記ノズルを、前記インゴットおよび前記切り代プレート上を、それぞれ、前記各接着面の一端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部、前記帯状部の一端、前記帯状部の他端、前記各接着面の他端側の、一方の前記スポット状部、他方の前記スポット状部の順に走行させて、2液性接着剤を塗布するように、
前記定量ポンプおよび前記ノズル移動機構の駆動を制御する制御部を具備することを特徴とする請求項10記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着装置。
【請求項13】
前記パレットが、搬入される取付プレート、切り代プレートおよびインゴットの少なくとも隣接する2辺に当接する位置決め部材を有することを特徴とする請求項10〜12いずれか1項記載のインゴットへの切り代プレートおよび取付プレートの接着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−71225(P2013−71225A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213616(P2011−213616)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000236687)不二越機械工業株式会社 (48)
【Fターム(参考)】