説明

インターホン装置

【課題】 呼出通話時のマイク感度と、侵入者の監視等他の目的で動作させた場合のマイク感度が異なるインターホン装置を提供する。
【解決手段】 玄関子機1は、訪問者または侵入者を検知する為の人感センサ14を備え、玄関子機1が呼出操作された場合は、子機CPU15がマイクアンプ11を制御して子機マイク10を第1の感度で集音させ、同時にカメラ7を起動して居室親機のモニタに映像を表示させるが、人感センサ14が感知動作した場合、居室親機からモニタ操作された場合、更にはカメラ7がズーム/ワイド操作された場合は、子機CPU15が第1の感度より高い第2の感度で子機マイク10を集音させて、集音した音声を居室親機で報音させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインターホン装置に関し、詳しくは玄関子機から離れた場所で発生する音も集音可能としたインターホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より居住者を呼び出すために玄関等に設置された玄関子機に人感センサを設けて、訪問者が呼出操作する前に或いは侵入者を検知し、玄関子機のカメラを起動させて訪問者或いは侵入者の撮像を行うインターホン装置がある。このようなインターホン装置は、人感センサの感知動作を受けて居室親機のモニタにその映像が出画され、同時に玄関子機のマイクが集音を開始して、居室親機のスピーカで報音されるよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来より居室親機に玄関子機を操作するためのモニタボタンを設けて、居室親機側の操作で玄関子機のカメラを起動させて、玄関周りをモニタすることができるインターホン装置がある(例えば、特許文献2参照)。このモニタボタンの操作によっても、上記人感センサ動作の場合と同様に、玄関子機のカメラが起動して居室親機のモニタにカメラの撮像映像が出画されると同時に、玄関子機のマイクが集音を開始して、居室親機のスピーカで報音される。
【0004】
【特許文献1】特開2008−60963号公報
【特許文献2】特開平9−70037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のインターホン装置の場合、呼出ボタンが押されなくても玄関子機のカメラ及びマイクを能動として不審者や侵入者を監視することができた。しかしながら、玄関子機のマイクは、訪問者と通話する際に良好に訪問者音声を集音するために設置されているため、玄関子機の近くに居る訪問者の音声は良好に集音するものであるが、人感センサが動作した場合やモニタボタン操作により集音する場合は、侵入者が玄関子機の近くにいることはなく、また静かに行動するため、玄関子機のマイクでは侵入者の動静を集音することはできなかった。
また、音声が小さい場合は居室親機側で音量を大きくして報音させる構成が考えられるが、ボリューム操作程度では玄関子機から離れた場所の音を確認することは難しかった。
【0006】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、呼出通話時のマイク感度と、侵入者の監視等他の目的で動作させた場合のマイク感度が異なるインターホン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、玄関等に設置されて居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、住戸内に設置されて玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機とを有するインターホン装置において、玄関子機は、訪問者または侵入者を検知する為の人感センサと、内蔵されているマイクの感度を変更する感度制御手段とを備える一方、居室親機は、玄関子機の呼出操作、或いは人感センサの感知動作を受けて、マイクが集音した音を居室親機に内蔵されているスピーカから報音させる報音制御手段を備え、感度制御手段は、玄関子機が呼出操作された場合は、マイクを所定の第1の感度で集音させる一方、人感センサが感知動作した場合は、第1の感度より高い第2の感度で集音させることを特徴とする。
この構成によれば、人感センサが動作した場合のマイク感度は呼出通話時のマイク感度より高いので、小さな物音や音声を聞き取ることが可能となる。よって、玄関子機から離れた位置に侵入者が居る場合でも物音や音声を聞き取ることが可能となり、防犯性が向上する。また、居室親機に比べ安価な玄関子機のみを交換するだけでこの構成を実施することが可能であり、安価に防犯性を向上させたインターホンに変更できる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、玄関子機が訪問者を撮像するためのカメラを備え、居室親機がカメラの撮像映像を表示するモニタを備えたインターホン装置にあっては、人感センサが感知動作したら、カメラを起動してモニタに表示させる表示制御手段を有することを特徴とする。
この構成によれば、侵入者がいる場合に、音声と共に映像により監視でき、更に防犯性を向上できる。
【0009】
請求項3の発明は、玄関等に設置されて訪問者を撮像するためのカメラを有し、居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、住戸内に設置されて前記カメラの撮像映像を表示するモニタを有し、玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機とを有するインターホン装置において、居室親機は、カメラ及び玄関子機に内蔵されたマイクを起動させるモニタボタンを備えると共に、玄関子機は内蔵しているマイクの感度を変更制御する感度制御手段を備え、感度制御手段は、玄関子機が呼出操作された場合は、マイクを所定の第1の感度で集音させ、モニタボタンが操作された場合は、第1の感度より高い第2の感度で集音させることを特徴とする。
この構成によれば、居室親機の操作により玄関子機を起動させた場合のマイク感度は、呼出通話時のマイク感度より高いので、小さな物音や音声を聞き取ることが可能となる。よって、玄関子機から離れた位置に侵入者が居る場合でも、物音や音声を聞き取ることが可能となり、防犯性が向上する。また、居室親機に比べ安価な玄関子機のみを交換するだけでこの構成を実施することが可能であり、安価に防犯性を向上させたインターホンに変更できる。
【0010】
請求項4の発明は、玄関等に設置されて訪問者を撮像するためのカメラを有し、居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、住戸内に設置されてカメラの撮像映像を表示するモニタを有し、玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機とを有するインターホン装置において、居室親機は、モニタに表示されるカメラ撮像映像をズーム/ワイド或いはパン/チルト操作するカメラ操作部を有する一方、玄関子機は、内蔵しているマイクの感度を変更制御する感度制御手段を備え、感度制御手段は、玄関子機が呼出操作された場合は、マイクを所定の第1の感度で集音させ、通話状態においてカメラ操作部が操作されたら、玄関子機のマイク感度を前記第1の感度より高い第2の感度で集音させることを特徴とする。
この構成によれば、通話状態でも、ズーム/ワイド操作或いはパン/チルト操作するとマイク感度が上がるので、小さな物音や音声を聞き取ることが可能となる。よって、玄関子機から離れた位置に不審者や侵入者が居る場合でも音声等を聞き取ることが可能となり、防犯性が向上する。また、居室親機に比べ安価な玄関子機のみを交換するだけでこの構成を実施することが可能であり、安価に防犯性を向上させたインターホンに変更できる。
【0011】
請求項5の発明は、玄関等に設置されて訪問者を撮像するためのカメラを有し、居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、住戸内に設置されてカメラの撮像映像を表示するモニタを有し、玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機とを有するインターホン装置において、居室親機にカメラと玄関子機に内蔵されたマイクとを起動させるモニタボタンと、玄関子機に訪問者または侵入者を検知してマイクを起動させる人感センサとの少なくとも一方を設け、更に玄関子機にマイクの感度を少なくとも2段階変更する感度制御手段を設け、感度制御手段が、玄関子機が呼出操作を受けた場合のみ最も低い感度でマイクを起動させ、モニタボタン動作或いは人感センサ動作等他の集音動作の場合は、呼出操作時より高い感度で集音させることを特徴とする。
この構成によれば、玄関子機からの呼出操作以外はマイクが高感度で集音動作する。よって、玄関子機近くに確実に人物が居る場合を除き高感度で音声を集音でき、防犯性を向上できる。また、居室親機に比べ安価な玄関子機のみを交換するだけでこの構成を実施することが可能であり、安価に防犯性を向上させたインターホンに変更できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、人感センサが動作した場合のマイク感度は呼出通話時のマイク感度より高いので、小さな物音や音声を聞き取ることが可能となる。よって、玄関子機から離れた位置に侵入者が居る場合でも物音や音声を聞き取ることが可能となり、防犯性が向上する。また、居室親機に比べ安価な玄関子機のみを交換することで本発明を実施することが可能であり、安価に防犯性を向上させたインターホンに変更できる。
また、居室親機操作で玄関周りの映像を見る場合も、高いマイク感度で集音するので、小さな物音や音声を聞き取ることが可能となる。よって、玄関子機から離れた位置に侵入者が居る場合でも音声等を聞き取ることが可能となり、防犯性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るインターホン装置の構成図であり、1は玄関等住戸外に設置されて居住者を呼び出して通話するための玄関子機、2は住戸内に設置されて玄関子機1からの呼び出しに応答するための居室親機、3は人物の接近を感知する人感センサを備えて、人物が接近したら撮像を行うセンサカメラであり、玄関子機1と居室親機2、センサカメラ3と居室親機2はそれぞれ伝送線L1,L2により接続されている。
【0014】
図2は玄関子機1の回路ブロック図であり、居住者を呼び出すための呼出ボタン6、訪問者を撮像するためのカメラ7及びカメラ駆動回路7a、映像信号の変調処理等を実施する映像処理回路8、映像信号を送信するための映像インターフェース(映像IF)9、通話するための子機マイク10及びマイク駆動回路10a、音声信号を増幅するマイクアンプ11、通話するため及び警報音等を発報するための子機スピーカ12及びスピーカアンプ12a、居室親機2と通話路を形成するための通話インターフェース(通話IF)13、人物の接近を検知する人感センサ14、玄関子機1全体を制御する子機CPU15、居室親機2との間で通信を可能とするデータインターフェース(データIF)16、映像信号、音声信号、データを混合/分離する子機信号混合分離回路17等を備えている。
【0015】
図3は居室親機の回路ブロック図であり、呼び出しに応答するための通話ボタン19、カメラ7が撮像した映像を表示するモニタとしてのLCD20及びLCD制御回路20a、映像信号を受信するための映像インターフェース(映像IF)21、通話するための親機マイク22及びマイクアンプ22a、通話するため及び警報を発報するための親機スピーカ23及びスピーカアンプ23a、呼出音や警報音を生成する報知音発生回路24、玄関子機1と通話路を形成するための通話インターフェース(通話IF)25、カメラ7のズーム/ワイド、パン/チルト等の映像操作を行うカメラ操作ボタン26、カメラ7及び子機マイク10を起動させるモニタボタン27、居室親機2全体を制御する親機CPU28、玄関子機との間で通信を可能とするデータインターフェース(データIF)29、映像信号、音声信号、データを混合/分離する親機信号混合分離回路30等を備えている。
【0016】
尚、センサカメラ3は、図1に示すようにカメラ33、人感センサ34に加えて、マイク35及びスピーカ36を備え、人感センサ34の動作を受けてカメラ33が撮像を開始したら、マイク35も合わせて能動となり、居室親機2において映像に合わせて物音や音声を確認できるよう構成されている。また、その後居室親機2により通話操作が成されたら、スピーカ36も能動となり、接近した人物と通話ができるよう構成されている。
【0017】
このように構成されたインターホン装置は次のように動作する。最初に呼出/応答動作を説明する。訪問者が玄関子機1の呼出ボタン6を押下すると、子機CPU15の制御により呼出信号がデータIF16、子機信号混合分離回路17、伝送線L1を介して居室親機2へ伝送される。また、カメラ7が起動して、その撮像映像が映像処理回路8、映像IF9、子機信号混合分離回路17、伝送線L1を介して居室親機2に伝送される。
【0018】
居室親機2では、受信した呼出信号及び映像信号が、親機信号混合分離回路30で分離され、呼出信号はデータIF29を介して親機CPU28に伝送される。親機CPU28は、呼出信号を受信したら報知音発生回路24を制御して呼出音を生成し、スピーカアンプ23aを介して親機スピーカ23より呼出音を報音させる。また、LCD制御回路20aを制御し、親機信号混合分離回路30で分離された映像信号を、映像IF21、LCD制御回路20aを介してLCD20で出画させる。
【0019】
親機スピーカ23から報音された呼出音を認識した居住者により、通話ボタン19が操作されたら、それを検出した親機CPU28により、通話信号をデータIF29、親機信号混合分離回路30、伝送線L1を介して玄関子機1に通話信号が送信される。同時に、親機CPU28は親機マイク22を能動とし、集音された音声をマイクアンプ22a、通話IF25、親機信号混合分離回路30、伝送線L1を介して玄関子機1に送信する。
【0020】
玄関子機1に送信された通話信号は、子機信号混合分離回路17、データIF16を介して、子機CPU15に送信される。通話信号を受けた子機CPU15は、マイクアンプ11の増幅度を「感度=中」として子機マイク10を能動とし、集音された音声が通話IF13、子機信号混合分離回路17、伝送線L1を介して居室親機2へ送信される。
また、合わせて居室親機2から送信された音声は、子機信号混合分離回路17で分離され、通話IF13、スピーカアンプ12aを介して子機スピーカ12より出力される。こうして居室親機2と玄関子機1の間で通話路が形成され、通話が成立する。
【0021】
尚、子機CPU15は、上述したように呼出操作を受けて子機マイク10を能動とした場合は、子機マイク10が標準感度である「感度=中」(第1の感度)で集音するようマイクアンプ11を制御し、他の操作或いは信号を受けた場合は、「感度=中」より高感度な「感度=大」(第2の感度)で子機マイク10が集音するようマイクアンプ11を制御するよう設定されている。
【0022】
但し、居室親機2において子機マイク10が集音した音声が出力され、LCD20にカメラ7の撮像映像が表示されている状態で、カメラ操作ボタン26がズーム/ワイド操作、或いはパン/チルト操作されると、マイクアンプ11の増幅度が「感度=大」に変更され、子機マイク10は高感度で集音を行う。
具体的には、カメラ操作ボタン26の操作を受けて親機CPU28はズーム/ワイド信号或いはパン/チルト信号(以下、カメラ操作信号とする)を送出する。このカメラ操作信号は、データIF29、親機信号混合分離回路30、伝送線L1を介して玄関子機1へ送信される。
【0023】
玄関子機1では、このカメラ操作信号が、子機信号混合分離回路17、データIF16を介して子機CPU15に送信され、子機CPU15が撮像中のカメラ7のズーム/ワイド操作等を実施する。具体的に、子機CPU15は、カメラ操作信号に基づいて映像処理回路8を制御し、カメラ7が撮像した映像データからズーム/ワイド映像データ、或いはパン/チルト映像データを作成し、カメラ操作信号に基づく所望の映像を生成して居室親機2へ送信する。
こうして映像処理回路8で生成されて送出された映像信号は、呼出動作と同様の経路を通り居室親機2のLCDに表示される。同時に、子機CPU15は、カメラ操作信号を受けると、マイクアンプ11の増幅度を「感度=大」に変更し、集音した音声を引き続き居室親機2へ向けて送出する。
【0024】
このように、呼出通話状態でも、訪問者が移動して玄関子機から離れたり立ち位置が不自然な場合等、訪問者を撮像するためにカメラを操作した場合に、連動してマイク感度が上がる。こうして、小さな物音や音声を聞き取ることが可能となり、防犯性が向上する。
また、カメラのズーム/ワイド操作等が可能な居室親機が設置されている場合は、居室親機に比べ安価な玄関子機のみを交換するだけでこの構成を実施でき、安価に防犯性を向上させたインターホンに変更できる。
【0025】
尚、センサカメラ3が人物の接近を感知して撮像を開始した場合も、センサカメラ3の撮像映像が居室親機2のLCD20に表示され、合わせてマイク35が集音した音声や物音も報音されるが、この場合も玄関子機1の子機マイク10を「感度=大」で能動とし、センサカメラ3のマイク35と合わせて居室親機2から報音させても良い。
【0026】
次に、玄関子機1の人感センサ14が人物の接近を感知した場合の動作を説明する。インターホン装置が動作しない待受状態で、人感センサ14が不審者等人物の接近を検知すると、子機CPU15に感知信号を出力する。子機CPU15は、この感知信号を受けて、居室親機2に対してセンサ動作信号を送信する。また、子機マイク10及びカメラ7を起動させて、集音した音声、及び玄関周りの映像を送信する。但し、人感センサ14の動作を受けて、子機CPU15はマイクアンプ11の増幅度を「感度=大」に制御して子機マイク10を起動させる。
センサ動作信号は、データIF29、子機信号混合分離回路17、伝送線L1を経て居室親機2に送信され、音声信号、映像信号は上記呼出通話動作と同様に、居室親機2に送信される。
【0027】
居室親機2は、センサ動作信号を受けた親機CPU28が、報知音発生回路24を制御して親機スピーカ23から警報音を報音させる。そして、送信された音声を親機スピーカ23から出力させ、送信された撮像映像をLCD20に表示させる。
【0028】
このように、人感センサが動作した場合のマイク感度は、呼出通話時のマイク感度より高いので、小さな物音や音声を聞き取ることが可能となる。よって、玄関子機から離れた位置に侵入者が居る場合でも物音や音声を聞き取ることが可能となり、防犯性が向上する。また、音声と共に映像により監視でき、更に防犯性を向上できる。
更に、人感センサの動作を受けて子機マイクの感度を上げるこの構成も、居室親機として従来の居室親機を使用することが可能であり、居室親機に比べ安価な玄関子機のみを交換するだけでこの構成を実施することができ、安価に防犯性を向上させたインターホンに変更できる。
【0029】
尚、この場合、警報音を認識してLCD20を見ている居住者がカメラ操作ボタン26を操作してズーム/ワイド操作が成された場合に、撮像中のカメラ7がズーム/ワイド動作を実施すると共に、ズーム/ワイド信号に基づき子機CPU15が「感度=大」より更に高い感度で子機マイク10が動作するようマイクアンプ11を制御しても良い。このように動作させれば、更に小さな物音でも聞き取るとことが可能となり、防犯に有効となる。
【0030】
居住者により居室親機2のモニタボタン27が操作された場合は、以下のように動作する。待受状態でモニタボタン27が操作されると、親機CPU28は、データIF29、親機信号混合分離回路30、伝送線L1を介して玄関子機1へモニタ信号を送信する。玄関子機1では、子機信号混合分離回路17、データIF16を介して、モニタ信号が子機CPU15に送信される。
【0031】
子機CPU15は、モニタ信号を受けてカメラ7を起動し、撮像した映像を映像処理回路8、映像IF9、子機信号混合分離回路17、伝送線L1を介して居室親機2へ送信する。また、マイクアンプ11の増幅度を「感度=大」に制御しして子機マイク10を起動し、子機マイク10から集音した音声をマイクアンプ11、通話IF13、子機信号混合分離回路17、伝送線L1を介して居室親機2へ送信する。
【0032】
居室親機2では、呼出通話と同様な動作で親機スピーカ23から子機マイク10が集音した音声を出力し、LCD20からカメラ7撮像映像を表示する。これにより、玄関子機1近傍の映像及び音声を視聴できる。尚、この時、子機スピーカ12はオフ状態にあり、親機マイク22で集音された音声は玄関子機1からは出力されない。
【0033】
このように、居室親機の操作により玄関子機を起動させた場合は、マイク感度は呼出通話時のマイク感度より高いので、小さな物音や音声を聞き取ることが可能となる。よって、玄関子機から離れた位置に侵入者が居る場合でも物音や音声を聞き取ることが可能となり、防犯性が向上する。また、モニタボタンを備えた居室親機であれば、従来の親機が使用でき、安価な玄関子機のみを交換するだけでこの構成を実施することが可能であり、安価に防犯性を向上させたインターホンに変更できる。
そして、以上説明したように、玄関子機からの呼出操作以外は、マイクが「感度=大」で集音動作するため、玄関子機近くに確実に人物が居る場合を除き高感度で音声を集音でき、防犯性を向上できる。
【0034】
尚、モニタボタン27の操作により、カメラ7の撮像映像が表示されたLCD20を見ている居住者が、カメラ操作ボタン26を操作してズーム/ワイド操作した場合に、撮像中のカメラ7がズーム/ワイド動作を実施させると共に、ズーム/ワイド信号に基づき、子機CPU15が「感度=大」より更に高い感度で子機マイク10が動作するようマイクアンプ11を制御しても良い。このように動作させれば、更に小さな物音でも聞き取るとことが可能となり、防犯に有効となる。
【0035】
また、上記実施形態においては、玄関子機1のマイクアンプ11の増幅度の可変により「感度=中」「感度=大」を実施させたが、マイクアンプ11とは別に感度可変用アンプを設けても良いし、マイク周辺回路のインピーダンスを変化させて感度を可変としても良い。
更に、上記実施形態においては、パン/チルト操作においては、玄関子機1のカメラ7自体は固定しておき、撮像された映像の電子的処理により撮像方向の変更を実施する構成を説明したが、パン/チルト操作を機構を設けて機械的に操作しても良い。また、子機マイク10においては、集音方向が異なる複数の固定マイクからの選択、または複数の固定マイクから同時に集音された音声の電子処理による集音方向の可変としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るインターホン装置の実施形態の一例を示す構成図である。
【図2】玄関子機の回路ブロック図である。
【図3】居室親機の回路ブロック図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・玄関子機、2・・居室親機、6・・呼出ボタン、7・・カメラ、10・・子機マイク、12・・子機スピーカ、14・・人感センサ、15・・子機CPU(感度制御手段、表示制御手段)、19・・通話ボタン、20・・LCD、22・・親機マイク、23・・親機スピーカ、26・・カメラ操作ボタン、27・・モニタボタン、28・・親機CPU(報音制御手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関等に設置されて居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、住戸内に設置されて前記玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機とを有するインターホン装置において、
前記玄関子機は、訪問者または侵入者を検知する為の人感センサと、内蔵されているマイクの感度を変更する感度制御手段とを備える一方、前記居室親機は、前記玄関子機の呼出操作、或いは前記人感センサの感知動作を受けて、前記マイクが集音した音を前記居室親機に内蔵されているスピーカから報音させる報音制御手段を備え、
前記感度制御手段は、前記玄関子機が呼出操作された場合は、前記マイクを所定の第1の感度で集音させる一方、前記人感センサが感知動作した場合は、前記第1の感度より高い第2の感度で集音させることを特徴とするインターホン装置。
【請求項2】
前記玄関子機が訪問者を撮像するためのカメラを備え、前記居室親機が前記カメラの撮像映像を表示するモニタを備えたインターホン装置にあっては、
前記人感センサが感知動作したら、前記カメラを起動して前記モニタに表示させる表示制御手段を有することを特徴とする請求項1記載のインターホン装置。
【請求項3】
玄関等に設置されて訪問者を撮像するためのカメラを有し、居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、住戸内に設置されて前記カメラの撮像映像を表示するモニタを有し、前記玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機とを有するインターホン装置において、
前記居室親機は、前記カメラ及び前記玄関子機に内蔵されたマイクを起動させるモニタボタンを備えると共に、前記玄関子機は内蔵しているマイクの感度を変更制御する感度制御手段を備え、
前記感度制御手段は、前記玄関子機が呼出操作された場合は、前記マイクを所定の第1の感度で集音させ、前記モニタボタンが操作された場合は、前記第1の感度より高い第2の感度で集音させることを特徴とするインターホン装置。
【請求項4】
玄関等に設置されて訪問者を撮像するためのカメラを有し、居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、住戸内に設置されて前記カメラの撮像映像を表示するモニタを有し、前記玄関子機からの呼び出しに対して応答する機能を備えた居室親機とを有するインターホン装置において、
前記居室親機は、前記モニタに表示されるカメラ撮像映像をズーム/ワイド或いはパン/チルト操作するカメラ操作部を有する一方、前記玄関子機は、内蔵しているマイクの感度を変更制御する感度制御手段を備え、
前記感度制御手段は、前記玄関子機が呼出操作された場合は、前記マイクを所定の第1の感度で集音させ、通話状態において前記カメラ操作部が操作されたら、前記玄関子機のマイク感度を前記第1の感度より高い第2の感度で集音させることを特徴とするインターホン装置。
【請求項5】
玄関等に設置されて訪問者を撮像するためのカメラを有し、居住者を呼び出して通話する機能を備えた玄関子機と、住戸内に設置されて前記カメラの撮像映像を表示するモニタを有し、前記玄関子機からの呼び出しに応答する機能を備えた居室親機とを有するインターホン装置において、
前記居室親機に前記カメラと前記玄関子機に内蔵されたマイクとを起動させるモニタボタンと、前記玄関子機に訪問者または侵入者を検知して前記マイクを起動させる人感センサとの少なくとも一方を設け、更に前記玄関子機に前記マイクの感度を少なくとも2段階変更する感度制御手段を設け、
前記感度制御手段が、前記玄関子機が呼出操作を受けた場合のみ最も低い感度で前記マイクを起動させ、前記モニタボタン動作或いは前記人感センサ動作等他の集音動作の場合は、前記呼出操作時より高い感度で集音させることを特徴とするインターホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−81074(P2010−81074A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244609(P2008−244609)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】