説明

インバータ装置

【課題】 昇圧回路を含むインバータ装置の各回路構成部品を効率的に冷却可能であるとともに、各回路構成部品を1つにまとめて効率的に配置することが可能なインバータ装置を提供する。
【解決手段】 内部に冷却液の流路を有する冷却プレート20の一方の面20Aに当接させて、昇圧用のリアクトルL、モータ・ジェネレータの各相の相電流を生成するための各相用スイッチングユニットS2〜S7、リアクトルLに接続される昇圧用スイッチングユニットS1、リアクトルLによる昇圧前の電圧を平滑化する昇圧前平滑用コンデンサC1、及びリアクトルLによる昇圧後の電圧を平滑化する昇圧後平滑用コンデンサC2を含む複数の回路構成部品Pの中の一部を配置し、残りを冷却プレート20の他方の面20Bに当接させて配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇圧された交流電流をモータ・ジェネレータに供給するためのインバータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)や電気自動車(Electric Vehicle)等に用いられるインバータ装置に関する技術として、例えば下記の特許文献1には、図10に示すような回路構成を備えるインバータ装置が開示されている。このインバータ装置は、直流電源BTの電圧を昇圧した後に交流に変換して2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2の一方又は双方に供給し、又は2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2の一方又は双方により発電した交流を直流に変換した後にその電圧を降圧して直流電源BTに供給するための装置である。以下では、インバータ装置が、直流電源BTの電圧を昇圧した後に交流に変換して2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2に供給する場合を基本として説明する。よって、各回路構成部品Pの名称は、この場合の各回路構成部品Pの機能に従った名称としている。
【0003】
このインバータ装置は、回路構成部品Pとして、昇圧前平滑用コンデンサC1、昇圧用のリアクトルL、昇圧用スイッチングユニットS1、昇圧後平滑用コンデンサC2、及び2個の3相交流モータ・ジェネレータMG1、MG2の各相に対応する6組の各相用スイッチングユニットS2〜S7を有している。これらの各回路構成部品Pのうち、昇圧前平滑用コンデンサC1、昇圧用のリアクトルL、及び昇圧用スイッチングユニットS1が、昇圧回路を構成している。また、このインバータ装置には、上記の直流電源BT及び2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2の他、直流電源BTの接続スイッチとなるリレーR1、R2、並びにリレーR1、R2、昇圧用スイッチングユニットS1、及び各相用スイッチングユニットS2〜S7の動作制御を行う制御装置CNが接続されている。
【0004】
ここで、昇圧前平滑用コンデンサC1は、直流電源BTに並列に接続されている。リアクトルLは、一方端が直流電源BTの正極側に接続され、他方端が昇圧用スイッチングユニットS1の直列接続された2個のスイッチング素子Qa1及びQb1の中間点に接続されている。昇圧用スイッチングユニットS1は、直列接続された2個のスイッチング素子Qa1及びQb1と、各スイッチング素子Qa1及びQb1に並列接続されたダイオードDa1及びDb1とを有して構成されている。そして、直列接続された2個のスイッチング素子Qa1及びQb1の一方端は図示しない正極端子を介して高圧電源ラインLhに接続され、他方端は図示しない負極端子を介してアースラインLeに接続されている。また、2個のスイッチング素子Qa1及びQb1の中間点は図示しない入力端子を介してリアクトルLの他方端に接続されている。なお、スイッチング素子Qa1及びQb1は、トランジスタにより構成されている。昇圧後平滑用コンデンサC2は、昇圧用スイッチングユニットS1及び各相用スイッチングユニットS2〜S7に並列接続されている。
【0005】
また、各相用スイッチングユニットS2〜S7は、第一モータ・ジェネレータMG1のU相、V相、W相にそれぞれ対応する第一U相用スイッチングユニットS1、第一V相用スイッチングユニットS2、及び第一W相用スイッチングユニットS3と、第二モータ・ジェネレータMG2のU相、V相、W相にそれぞれ対応する第二U相用スイッチングユニットS4、第二V相用スイッチングユニットS5、及び第二W相用スイッチングユニットS6とから構成される。各相用スイッチングユニットS2〜S7は、直列接続された2個のスイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7と、各スイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7に並列接続されたダイオードDa2〜Da7及びDb2〜Db7とを有して構成されている。そして、6組の各相用スイッチングユニットS2〜S7は、互いに並列に接続されており、いずれのユニットS2〜S7も、直列接続された2個のスイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7の一方端は図示しない正極端子を介して高圧電源ラインLhに接続され、他方端は図示しない負極端子を介してアースラインLeに接続されている。また、2個のスイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7の中間点は図示しない出力端子を介してモータ・ジェネレータMG1及びMG2の各相に接続されている。なお、各スイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7は、トランジスタにより構成されている。
【0006】
そして、モータ・ジェネレータMG1、MG2を駆動する際には、インバータ装置の各回路構成部品Pは以下のように動作する。すなわち、昇圧前平滑用コンデンサC1は、直流電源BTから供給された直流電圧を平滑化してリアクトルLに供給する。昇圧用スイッチングユニットS1は、制御装置CNからの制御信号に応じてスイッチング素子Qa1及びQb1のスイッチング動作を行い、リアクトルLに流れる電流を制御し、スイッチング素子Qb1のオン時間に応じて昇圧した直流電圧を昇圧後平滑用コンデンサC2に供給する。昇圧後平滑用コンデンサC2は、昇圧用スイッチングユニットS1から出力された昇圧後の直流電圧を平滑化して各相用スイッチングユニットS2〜S7に供給する。各相用スイッチングユニットS2〜S7は、制御装置CNからの制御信号に応じてスイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7のスイッチング動作を行い、直流電圧を交流電圧に変換してモータ・ジェネレータMG1、MG2の各相に供給する相電流を生成する。
【0007】
一方、モータ・ジェネレータMG1、MG2が発電する際には、インバータ装置の各回路構成部品Pは以下のように動作する。すなわち、各相用スイッチングユニットS2〜S7は、制御装置CNからの制御信号に応じてスイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7のスイッチング動作を行い、モータ・ジェネレータMG1、MG2が発電した交流電圧を直流電圧に変換して昇圧後平滑用コンデンサC2に供給する。昇圧後平滑用コンデンサC2は、供給された直流電圧を平滑化して昇圧用スイッチングユニットS1に供給する。昇圧用スイッチングユニットS1は、制御装置CNからの制御信号に応じてスイッチング素子Qa1及びQb1のスイッチング動作を行い、リアクトルLに流れる電流を制御し、供給された直流電圧を降圧する。そして、降圧した直流電圧を、昇圧前平滑用コンデンサC1を介して直流電源BTに供給して直流電源BTを充電する。
【0008】
【特許文献1】特開2003−309997号公報(第13−14頁、第25−26頁、第23図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記のようなインバータ装置の回路構成部品Pの中には、スイッチングユニットS1〜S7やリアクトルL等のように発熱量が大きい部品も含まれているため、それらの回路構成部品Pを効率的に冷却することが要望される。また、上記のような回路構成を有するインバータ装置を車両等に搭載する場合には、このような回路構成部品Pの冷却構造を備えつつ、昇圧回路を含むインバータ装置の各回路構成部品Pを1つにまとめて効率的に配置することが要望される。しかしながら、現状では、このような要望を満たす昇圧回路を含んだインバータ装置の配置構成は示されていない。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、昇圧回路を含むインバータ装置の各回路構成部品を効率的に冷却可能であるとともに、各回路構成部品を1つにまとめて効率的に配置することが可能なインバータ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係るインバータ装置の特徴構成は、内部に冷却液の流路を有する冷却プレートの一方の面に当接させて、昇圧用のリアクトル、モータ・ジェネレータの各相の相電流を生成するための各相用スイッチングユニット、前記リアクトルに接続される昇圧用スイッチングユニット、前記リアクトルによる昇圧前の電圧を平滑化する昇圧前平滑用コンデンサ、及び前記リアクトルによる昇圧後の電圧を平滑化する昇圧後平滑用コンデンサを含む複数の回路構成部品の中の一部を配置し、残りを前記冷却プレートの他方の面に当接させて配置した点にある。
【0012】
この特徴構成によれば、冷却プレートの両面にそれぞれ回路構成部品を配置することにより、冷却プレートの両側の冷却面を効率的に利用して回路構成部品の冷却を行うことができる。また、全ての回路構成部品を冷却プレートの両面に1つにまとめて効率的に配置することができる。したがって、インバータ装置の全体を小型化することも容易になる。
【0013】
ここで、前記リアクトル及び前記昇圧後平滑用コンデンサを前記冷却プレートの一方の面に配置し、前記各相用スイッチングユニット、前記昇圧用スイッチングユニット、及び前記昇圧前平滑用コンデンサを前記冷却プレートの他方の面に配置すると好適である。
【0014】
通常、リアクトル及び昇圧後平滑用コンデンサは、容積が大きい傾向が高いために設置面からの高さも高いことが多く、各相用スイッチングユニット、昇圧用スイッチングユニット、及び昇圧前平滑用コンデンサは、容積が小さい傾向が高いために設置面からの高さも低いことが多い。したがって、この構成によれば、支持プレートのそれぞれの面に配置される回路構成部品の高さを揃えることができる。よって、インバータケースのケース側収納空間及びインバータカバーのカバー側収納空間を小さく抑えることが容易になり、装置全体を小型化することが可能となる。
【0015】
また、前記冷却プレートを前記他方の面側から支持するプレート支持部と、前記冷却プレートの前記他方の面に配置されている前記回路構成部品を収納する収納空間と、該収納空間を介して前記冷却プレートに平行に設けられた隔壁により前記収納空間と隔てられ、冷却液が流れる冷却液室と、を有するインバータケースを更に備える構成とすると好適である。
【0016】
この構成によれば、冷却プレートの他方の面に配置されている回路構成部品を収納空間に収納することができる。そして、インバータケースの収納空間内の回路構成部品は、冷却プレートと冷却液室を背後に有する隔壁とに挟まれることになる。したがって、収納空間内に配置された回路構成部品の冷却を効率的に行うことができる。
【0017】
また、前記冷却プレートは、前記冷却液の流路の両端部近傍に、それぞれ接続用流路を介して前記冷却液室と連通する流路開口部を備える構成とすると好適である。
【0018】
このように構成すれば、インバータケースの冷却液室に流れる冷却液を、冷却プレートに供給することができる。したがって、冷却プレートに冷却液を供給するための配管等を別途に設ける必要がない。
【0019】
また、前記冷却プレートの一方の面側と他方の面側とを電気的に接続するためのバスバーが、前記冷却プレートを法線方向に貫通して配置されている構成とすると好適である。
【0020】
この構成によれば、バスバーを、冷却プレートの外周側に迂回させて配置する必要がなくなり、冷却プレートの一方の面側と他方の面側の回路構成部品を結んで最短距離で配置することが可能となる。したがって、バスバーのインダクタンスを低減することが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態に係るインバータ装置について図面に基づいて説明する。本実施形態においては、本発明を、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)のトランスミッションケース70(図8参照)にインバータケース50が取り付けられ、トランスミッションケース70内に配置された駆動及び発電用の2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2を動作させるためのインバータ装置に適用する場合を例として説明する。図1は、本実施形態に係るインバータ装置の全体を示すものであって、装置本体10をインバータケース50及びインバータカバー60から外した状態の斜視図である。この図に示すように、本実施形態に係るインバータ装置は、装置本体10と、この装置本体10を収納するためのインバータケース50及びインバータカバー60とを有して構成されている。装置本体10は、2個の3相交流モータ・ジェネレータMG1、MG2(図4参照)を駆動するための電気回路を構成する複数の回路構成部品Pを一つにまとめて配置したものである。図2はこの装置本体10の分解斜視図であり、図3は装置本体10の制御基板CN及びそのブラケット40を外した状態を示す斜視図である。また、図4は装置本体10の概略の回路構成を示すとともに、各スイッチングユニットS1〜S7の機械的な配置構成も示す模式図である。
【0022】
なお、本実施形態に係るインバータ装置の装置本体10の電気回路の構成は、上記のとおり図10を用いて背景技術として説明したインバータ装置の電気回路と同様である。したがって、上記背景技術に係る各回路構成部品Pと同じ機能を有する回路構成部品Pについては、同じ符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
【0023】
1.装置本体10の全体構成
本実施形態においては、装置本体10の各回路構成部品Pは、図4に示すように、直流電源BTの電圧を昇圧した後に交流に変換して2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2の一方又は双方に供給し、又は2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2の一方又は双方により発電した交流を直流に変換した後にその電圧を降圧して直流電源BTに供給するための電気回路を構成している。
【0024】
そのため、図2に示すように、装置本体10は、回路構成部品Pとして、昇圧前平滑用コンデンサC1、昇圧用のリアクトルL、昇圧用スイッチングユニットS1、昇圧後平滑用コンデンサC2、及び2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2の各相(U相、V相、W相)に対応する6組の各相用スイッチングユニットS2〜S7を有している。また、装置本体10は、前記複数の回路構成部品Pの支持部材(支持プレート)としての冷却プレート20と、前記複数の回路構成部品Pの端子間を電気的に接続するためのバスバー30と、昇圧用スイッチングユニットS1及び各相用スイッチングユニットS2〜S7の動作制御を行うための制御基板CN及びこの制御基板CNを支持するためのブラケット40とを有している。なお、本実施形態の説明では、バスバー30というときは、後述する各バスバー31〜37を包括する概念として用いることとする。
【0025】
そして、装置本体10の上記各回路構成部品Pは、冷却プレート20を支持部材(支持プレート)として、その両面に当接するように配置されている。ここでは、図1〜3に示すように、冷却プレート20の第一面20A(図1〜3における上面)側に、昇圧用スイッチングユニットS1、各相用スイッチングユニットS2〜S7、及び昇圧前平滑用コンデンサC1が配置されている。一方、冷却プレート20の第二面20B(図1〜3における下面)側にリアクトルL及び昇圧後平滑用コンデンサC2が配置されている。これは、各回路構成部品Pの高さを揃えるように配置した結果である。すなわち、本例では、昇圧用スイッチングユニットS1、各相用スイッチングユニットS2〜S7、及び昇圧前平滑用コンデンサC1の高さが低く、リアクトルL及び昇圧後平滑用コンデンサC2の高さが高いことから、高さの低い回路構成部品Pを第一面20A側に、高さの高い回路構成部品Pを第二面20B側に配置している。また、昇圧用スイッチングユニットS1、各相用スイッチングユニットS2〜S7、及び昇圧前平滑用コンデンサC1における、冷却プレート20とは反対側(図1〜3における上側)に、ブラケット40を介して制御基板CNが配置されている。
【0026】
2.スイッチングユニットの構成及び配置
次に、昇圧用スイッチングユニットS1及び各相用スイッチングユニットS2〜S7の構成及びその配置について説明する。図4に示すように、昇圧用スイッチングユニットS1は、一方端が直流電源BTの正極側に接続されたリアクトルLの他方端に接続され、リアクトルLに流れる電流のスイッチングを行うためのユニットである。また、各相用スイッチングユニットS2〜S7は、第一モータ・ジェネレータMG1のU相、V相、W相のそれぞれの相電流を生成するための第一U相用スイッチングユニットS2、第一V相用スイッチングユニットS3、及び第一W相用スイッチングユニットS4と、第二モータ・ジェネレータMG2のU相、V相、W相のそれぞれの相電流を生成するための第二U相用スイッチングユニットS5、第二V相用スイッチングユニットS6、及び第二W相用スイッチングユニットS7とから構成される。
【0027】
図5は、各スイッチングユニットS1〜S7の内部構成を示す概略模式図である。本実施形態においては、昇圧用スイッチングユニットS1及び各相用スイッチングユニットS2〜S7は、いずれも同様の構成を有している。すなわち、図5に括弧が付されていない符号で示すように、昇圧用スイッチングユニットS1は、一組(ここでは2個)のスイッチング素子Qa1及びQb1と、各スイッチング素子Qa1及びQb1に並列接続されたダイオードDa1及びDb1と、スイッチング素子Qa1及びダイオードDa1に接続された正極端子Tp1と、スイッチング素子Qb1及びダイオードDb1に接続された負極端子Tn1と、リアクトルL(図4参照)に接続される入力端子Tiと、を備えている。また、図5に括弧内の符号で示すように、各相用スイッチングユニットS2〜S7は、一組(ここでは2個)のスイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7と、各スイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7に並列接続されたダイオードDa2〜Da7及びDb2〜Db7と、スイッチング素子Qa2〜Qa7及びダイオードDa2〜Da7に接続された正極端子Tp2〜Tp7と、スイッチング素子Qb2〜Qb7及びダイオードDb2〜Db7に接続された負極端子Tn2〜Tn7と、モータ・ジェネレータMG1及びMG2の各相に接続される出力端子To2〜To7と、を備えている。ここで、スイッチング素子Qa1〜Qa7及びQb1〜Qb7は、トランジスタにより構成されている。
【0028】
ここでは、各スイッチングユニットS1〜S7について、並列接続されるスイッチング素子Qa1〜Qa7とダイオードDa1〜Da7とが第一の導体板76a上に配置され、同じく並列接続されるスイッチング素子Qb1〜Qb7とダイオードDb1〜Db7とが第二の導体板76b上に配置されている。そして、正極端子Tp1〜Tp7は、第一の導体板76aに接続され、スイッチング素子Qa1〜Qa7の配置位置近傍に配置されている。また、負極端子Tn1〜Tn7は、スイッチング素子Qb1〜Qb7及びダイオードDb1〜Db7に接続され、スイッチング素子Qb1〜Qb7の配置位置近傍に配置されている。また、入力端子Ti及び出力端子To2〜To7は、第二の導体板76bに接続され、正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7とを結ぶ方向の負極端子Tn1〜Tn7側の延長上に配置されている。なお、図5では明らかでないが、これら正極端子Tp1〜Tp7、負極端子Tn1〜Tn7、並びに入力端子Ti及び出力端子To2〜To7は、後述するように、各スイッチングユニットS1〜S7を構成するパッケージの上面S1a〜S7a(図4参照)に配置されている。
【0029】
本実施形態においては、図2〜4に示すように、各スイッチングユニットS1〜S7は、それぞれ物理的に独立して形成されている。すなわち、各スイッチングユニットS1〜S7は、各ユニット毎に、それを構成する上記の素子や端子等を樹脂成形により所定形状にパッケージングしたものとしている。ここでは、各スイッチングユニットS1〜S7のパッケージは、いずれもほぼ同じ外形を有しており、一対のスイッチング素子Qa1とQb1、Qa2とQb2、・・・Qa7とQb7を結ぶ方向が長辺方向である長方形を平面形状とする立方体形状に形成されている。そして、正極端子Tp1〜Tp7及び負極端子Tn1〜Tn7は、いずれも各スイッチングユニットS1〜S7を構成するパッケージの同じ側の上面S1a〜S7a(スイッチングユニットS1〜S7の一側面、図2及び図3における上面であって図4に示される面)に配置されている。また、各スイッチングユニットS1〜S7について、正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7とを結ぶ方向が、各スイッチングユニットS1〜S7についての一対のスイッチング素子Qa1とQb1、Qa2とQb2、・・・Qa7とQb7を結ぶ方向、すなわちパッケージの上面S1a〜S7aの長辺方向と平行に配置されている。更に、正極端子Tp1〜Tp7が各スイッチングユニットS1〜S7のパッケージの長辺方向一方側(図4における上側)に配置され、負極端子Tn1〜Tn7が他方側(図4における下側)に配置されている。なお、ここでは、各スイッチングユニットS1〜S7について、正極端子Tp1〜Tp7及び負極端子Tn1〜Tn7は、パッケージの上面S1a〜S7aの短辺方向中央よりも一方側(図4における左側)にずらして配置されているが、この方向の配置については任意に定めることができる。
【0030】
入力端子Ti及び出力端子To2〜To7についても、各スイッチングユニットS1〜S7を構成するパッケージの上面S1a〜S7aに配置されている。また、各スイッチングユニットS1〜S7について、入力端子Ti及び出力端子To2〜To7は、正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7とを結ぶ方向の負極端子Tn1〜Tn7側、すなわち、一対のスイッチング素子Qa1とQb1、Qa2とQb2、・・・Qa7とQb7を結ぶ方向のスイッチング素子Qb1〜Qb7側の延長上に配置されている。また、図2及び図3に示すように、各スイッチングユニットS1〜S7を構成するパッケージの上面S1a〜S7aには、制御入力端子Tcが突出するように配置されている。各制御入力端子Tcの図示しない基端部は、各スイッチングユニットS1〜S7内の各スイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7に接続されている。一方、制御入力端子Tcの先端部は、ブラケット40に形成された端子挿通孔41に挿通されて制御基板CNに接続されている。そして、この制御入力端子Tcを介して送られる制御基板CNからの制御信号(バイアス)により各スイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7が動作する。なお、各スイッチングユニットS1〜S7を構成するパッケージの下面は、冷却プレート20の第一面20Aに当接するように配置されている。
【0031】
そして、図2〜4に示すように、各スイッチングユニットS1〜S7は、上面S1a〜S7aを同一方向に揃えるとともに、各スイッチングユニットS1〜S7の正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7とを結ぶ方向(一対のスイッチング素子Qa1とQb1、Qa2とQb2、・・・Qa7とQb7を結ぶ方向)に対して直交する方向に一列に並べて配置している。これにより、平面形状が長方形の立方体形状である各スイッチングユニットS1〜S7を、そのパッケージの短辺方向に並べて配置されることになるので、7個のスイッチングユニットS1〜S7を、全長を小さく抑え、コンパクトにまとめて配置することができる。また、各スイッチングユニットS1〜S7の正極端子Tp1〜Tp7及び負極端子Tn1〜Tn7は、これらを結ぶ方向に対して直交する方向に一列に並べて配置されることになる。したがって、後述するように、正極主バスバー31及び負極主バスバー32を、直線的で単純な配置形状とすることが可能となる。なお、ここで「直交」は、厳密な意味での直交である必要はなく、略直交までも含まれるものとする。
【0032】
3.その他の回路構成部品Pの構成及び配置
次に、装置本体10のその他の回路構成部品Pの構成及びその配置について説明する。図2及び図3に示すように、昇圧前平滑用コンデンサC1は、各スイッチングユニットS1〜S7の平面形状の長辺と略同一長さの長辺を有するとともに各スイッチングユニットS1〜S7の平面形状の短辺よりも長い短辺を有する長方形を平面形状とし、各スイッチングユニットS1〜S7よりも僅かに高い高さを有する立方体形状に形成されている。この昇圧前平滑用コンデンサC1は、昇圧用スイッチングユニットS1の第一U相用スイッチングユニットS2とは反対側に隣接して、昇圧前平滑用コンデンサC1の長辺が各スイッチングユニットS1〜S7の長辺と平行になる向きで配置されている。すなわち、昇圧前平滑用コンデンサC1は、各スイッチングユニットS1〜S7の正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7とを結ぶ方向に対して直交する方向に、各スイッチングユニットS1〜S7と並べて配置されている。また、昇圧前平滑用コンデンサC1は、正極側入力端子C1a、負極側入力端子C1b、正極側出力端子C1c、及び負極側出力端子C1dを有している。そして、正極側入力端子C1aと正極側出力端子C1c、及び負極側入力端子C1bと負極側出力端子C1dは、それぞれ内部で電気的に接続されており、これらの間にコンデンサが接続されている。
【0033】
昇圧用のリアクトルLは、昇圧前平滑用コンデンサC1の平面形状と略同一の平面形状を有するとともに、各スイッチングユニットS1〜S7及び昇圧前平滑用コンデンサC1よりも高い高さを有する立方体形状に形成されている。このリアクトルLは、昇圧前平滑用コンデンサC1に対して冷却プレート20を挿んだ反対側(冷却プレート20の第二面20B側)に配置されている。また、リアクトルLは、第一端子La及び第二端子Lbを有している。そして、これら第一端子Laと第二端子Lbとの間に鉄芯を有するコイルが接続されている。なお、ここでは、第一端子Laは第一垂直バスバー34aと一体的に形成されており、第二端子Lbは第二垂直バスバー34bと一体的に形成されている。
【0034】
昇圧後平滑用コンデンサC2は、7個のスイッチングユニットS1〜S7の全体の平面形状と略同一の平面形状を有するとともに、リアクトルLと略同一の高さを有する立方体形状に形成されている。この昇圧後平滑用コンデンサC2は、7個のスイッチングユニットS1〜S7に対して冷却プレート20を挿んだ反対側(冷却プレート20の第二面20B側)であって、リアクトルLに隣接する位置に配置されている。また、昇圧後平滑用コンデンサC2は、正極側端子C2a及び負極側端子C2bを有している。そして、正極側端子C2aと負極側端子C2bとの間にコンデンサが接続されている。なお、ここでは、正極側端子C2aは第三垂直バスバー35aと一体的に形成されており、負極側端子C2bは第四垂直バスバー35bと一体的に形成されている。
【0035】
4.回路構成部品Pの電気的接続(バスバー30の構成)
図2に示すように、バスバー30は、正極主バスバー31(正極バスバー)、負極主バスバー32(負極バスバー)、正極入力バスバー33a、負極入力バスバー33b、第一垂直バスバー34a、第二垂直バスバー34b、第三垂直バスバー35a、第四垂直バスバー35b、連結バスバー36、及び6本の出力バスバー37を有して構成されている。
【0036】
図3に示すように、正極入力バスバー33aは、基端が昇圧前平滑用コンデンサC1の正極側入力端子C1aに接続され、負極入力バスバー33bは、基端が昇圧前平滑用コンデンサC1の負極側入力端子C1bに接続される。また図示は省略するが、正極入力バスバー33aの先端は直流電源BTの正極側に接続され、負極入力バスバー33bの先端は直流電源BTの負極側に接続される(図4参照)。
【0037】
第一垂直バスバー34a、第二垂直バスバー34b、第三垂直バスバー35a、及び第四垂直バスバー35bは、いずれも冷却プレート20の法線方向(冷却プレート20に垂直な方向)に沿って直線的に配置されている。ここでは、これら第一から第四垂直バスバー34a、34b、35a、35bの形状は、いずれも一定幅の帯状としている。そして、第一から第四垂直バスバー34a、34b、35a、35bは、冷却プレート20に形成されたバスバー挿通孔22に挿通されることにより、冷却プレート20を法線方向に貫通して配置されている。これにより、第一から第四垂直バスバー34a、34b、35a、35bは、冷却プレート20の第一面20A側と第二面20B側とを電気的に接続している。
【0038】
すなわち、第一垂直バスバー34aは、リアクトルLの第一端子Laと一体的に形成されており、先端が昇圧前平滑用コンデンサC1の正極側出力端子C1cに接続されている。第二垂直バスバー34bは、リアクトルLの第二端子Lbと一体的に形成されており、先端が連結バスバー36の先端に接続されている。連結バスバー36は、冷却プレート20の第一面20A側において冷却プレート20に平行に配置されており、基端は昇圧用スイッチングユニットS1の入力端子Tiに接続されている。すなわち、連結バスバー36は、リアクトルLから延びる第二垂直バスバー34bと昇圧用スイッチングユニットS1の入力端子Tiとを連結している。第三垂直バスバー35aは、昇圧後平滑用コンデンサC2の正極側端子C2aと一体的に形成されており、先端が後述する正極主バスバー31の入力端部31bに接続されている。第四垂直バスバー35bは、昇圧後平滑用コンデンサC2の負極側端子C2bと一体的に形成されており、先端が昇圧前平滑用コンデンサC1の負極側出力端子C1d及び後述する負極主バスバー32の入力端部32bに接続されている。
【0039】
正極主バスバー31及び負極主バスバー32は、共に各スイッチングユニットS1〜S7の正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7との間に、各スイッチングユニットS1〜S7における正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7とを結ぶ方向に対して直交する方向に沿って延びるように配置されている。そして、正極主バスバー31は、各スイッチングユニットS1〜S7の各正極端子Tp1〜Tp7に接続され、負極主バスバー32は、各スイッチングユニットS1〜S7の各負極端子Tn1〜Tn7に接続される。なお、ここで「直交」は、厳密な意味での直交である必要はなく、略直交までも含まれるものとする。
【0040】
正極主バスバー31は、本体部31aと、入力端部31bと、枝部31cとを有して構成されている。本体部31aは、直線的な一定幅の帯状に形成されている。そして、本体部31aは、各スイッチングユニットS1〜S7についての正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7とを結ぶ方向に対して直交する方向に沿って延びるように配置される。この本体部31aの長さは、一方端に配置されるスイッチングユニットである昇圧用スイッチングユニットS1の正極端子Tp1と負極端子Tn1とを結ぶ線と、他方端に配置される第二W相用スイッチングユニットS7の正極端子Tp7と負極端子Tn7とを結ぶ線との間の距離より長く形成する。入力端部31bは、本体部31aの一方の端部(ここでは昇圧用スイッチングユニットS1側の端部)に形成されている。この入力端部31bは、ここでは、スイッチングユニットS1〜S7が配置される側とは反対側(図2及び図3における上側)に折り曲げて形成されている。そして、この入力端部31bに、昇圧用スイッチングユニットS1と昇圧前平滑用コンデンサC1との隙間付近に配される第三垂直バスバー35aの先端部が接続されている。枝部31cは、本体部31aと、各正極端子Tp1〜Tp7とを接続するための部分である。そのため、枝部31cは、本体部31aに対して正極端子Tp1〜Tp7が配置されている側に、正極端子Tp1〜Tp7の数と同数(ここでは7個)、本体部31aから突出して形成されている。ここでは、本体部31aと各正極端子Tp1〜Tp7とをほぼ最短距離で接続するため、本体部31aに直交する方向(正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7とを結ぶ方向)に突出するように形成されている。また、枝部31cの正極端子Tp1〜Tp7と接続される先端部は、スイッチングユニットS1〜S7が配置される側とは反対側(図2及び図3における上側)に僅かに折り曲げられて形成されている。
【0041】
負極主バスバー32は、正極主バスバー31と同様に、本体部32aと、入力端部32bと、枝部32cとを有して構成されている。これら本体部32a、入力端部32b、及び枝部32cの構成は、正極主バスバー31の本体部31a、入力端部31b、及び枝部31cの構成と同様である。但し、ここでは、負極主バスバー32の入力端部32bは折り曲げて形成されていない。また、枝部32cは、本体部32aに対して負極端子Tn1〜Tn7が配置されている側に、負極端子Tn1〜Tn7の数と同数(ここでは7個)、本体部32aから突出して形成されている。ここで、負極主バスバー32の枝部32cの形状は、正極主バスバー31の枝部31cと対象な形状としている。したがって、負極主バスバー32の枝部32cの長さと、正極主バスバー31の枝部31cの長さとは等しくなっている。したがって、正極バスバー及び負極バスバーに供給される電流又は電圧が変動した場合であっても、各スイッチングユニットについての正極端子及び負極端子に対して電流又は電圧の変動がほぼ同時に伝達されるようにできる。よって、各スイッチングユニットについての正極端子と負極端子とで供給される電流又は電圧に差が生じることを抑制できる。
【0042】
また、正極主バスバー31の本体部31aと、負極主バスバー32の本体部32aとは、重ね合わせて配置されている。このように配置することにより、正極主バスバー31の本体部31a及び負極主バスバー32の本体部32aをそれぞれ反対方向に流れる平行な電流の影響により、本体部31a及び本体部32aの周りに発生する磁界を相殺することができ、正極主バスバー31及び負極主バスバー32のインダクタンスを低減することができる。なお、本実施形態においては、正極主バスバー31の本体部31aと、負極主バスバー32の本体部32aとが全体的に重なるように配置しているが、これらの一部のみが重なるように配置してもよい。
【0043】
6本の出力バスバー37は、それぞれ基端が各相用スイッチングユニットS2〜S7の出力端子To2〜To7に接続される。また、6本の出力バスバー37の先端は、それぞれモータ・ジェネレータMG1、MG2の各相(U相、V相、W相)に接続される。ここでは、各出力バスバー37の形状は、いずれも一定幅の帯状としている。そして、各出力バスバー37は、正極端子Tp1〜Tp7と負極端子Tn1〜Tn7とを結ぶ方向に沿って配置されている。この際、各出力バスバー37の先端側は、各相用スイッチングユニットS2〜S7のパッケージの長辺方向の一方の端面から突出するように配置されている。なお、この出力バスバー37と、モータ・ジェネレータMG1、MG2との接続部の構成については、図8に基づいて後に説明する。
【0044】
5.冷却プレート20の構成
図6は、冷却プレート20の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。この図に示すように、冷却プレート20は、内部に冷却液の流路となる冷却流路21を有する平板状に形成されている。冷却流路21は、冷却プレート20の両面に配置される回路構成部品Pを効率的に冷却できるように、後述するバスバー挿通孔22を回避しつつ、冷却プレート20の回路構成部品Pが配置される領域の略全体に配されている。ここでは、冷却流路21は、略U字状に循環する流路を形成している。また、冷却流路21は、その流路の両端部に、後述するインバータケース50に設けられた接続用流路53(図7参照)の端部に接続され、この接続用流路53を介してインバータケース50の冷却液室52(図1参照)と連通する流路開口部21aを有している。後述するように、冷却プレート20は、第一面20Aがインバータケース50に対向して支持されるので、流路開口部21aは、第一面20Aに設けられている。そして、冷却プレート20の第一面20A又は第二面20Bに当接するように、上記各回路構成部品Pが配置されている。これにより、各回路構成部品Pは、冷却流路21内を流れる冷却液との間で熱交換して冷却される。なお、本実施形態に係る回路構成部品Pの中で、最も発熱量が大きいのは昇圧用スイッチングユニットS1及び各相用スイッチングユニットS2〜S7であり、次に発熱量が大きいのはリアクトルLである。昇圧前平滑用コンデンサC1及び昇圧後平滑用コンデンサC2はほとんど発熱しないが、熱に弱いので同様に冷却される。
【0045】
また、本実施形態においては、冷却プレート20の外形は、後述するインバータケース50の一方側端面50A(図7参照)の外周形状と略同一形状に形成されている。そして、冷却プレート20の外周部分には、インバータケース50の一方側端面50Aの形状に合わせて複数の膨出部が形成されており、主としてこの膨出部に、締結部材としてのボルト71を挿通するための複数の締結用孔23が形成されている。各締結用孔23は、後述するインバータケース50の雌ねじ部55a(図7参照)の位置に対応して配置されている。また、冷却プレート20には、上記のとおり、第一から第四垂直バスバー34a、34b、35a、35bが挿通される4個のバスバー挿通孔22が、冷却プレート20の法線方向に貫通するように設けられている。これらの4個のバスバー挿通孔22の配置は、リアクトルL又は昇圧後平滑用コンデンサC2の端子と一体的に形成された第一から第四垂直バスバー34a、34b、35a、35bの配置に合わせたものとなっている。また、各バスバー挿通孔22の形状は、ここでは、第一から第四垂直バスバー34a、34b、35a、35bの断面形状に合わせて、スリット状に形成されている。
【0046】
冷却プレート20には、図1及び図7に示すように、第一面20A側に配置されている6本の出力バスバー37の先端部近傍の領域に、第二面20B側と連通して開口する第一連通開口部24が形成されている。この第一連通開口部24は、出力バスバー37の先端部とモータ・ジェネレータMG1、MG2の各相(U相、V相、W相)との電気的接続を、冷却プレート20の第二面20B側から外すことを可能にするための開口部である。ここでは、第一連通開口部24の形状は、後述するインバータケース50の接続開口空間57の一方側端面50Aでの開口部形状と同一形状としている。また、第一面20A側に配置されている正極入力バスバー33a及び負極入力バスバー33bの先端部近傍の領域にも、第二面20B側と連通して開口する第二連通開口部25が形成されている。この第二連通開口部25は、正極入力バスバー33a及び負極入力バスバー33bの先端部と直流電源BTとの電気的接続を、冷却プレート20の第二面20B側から外すことを可能にするための開口部である。なお、これら第一連通開口部24及び第二連通開口部25の役割については、後に詳細に説明する。
【0047】
5.制御基板CN及びブラケット40
制御基板CNは、昇圧用スイッチングユニットS1及び各相用スイッチングユニットS2〜S7の動作制御を行う。本実施形態においては、制御基板CNは、ブラケット40を介して、各スイッチングユニットS1〜S7及び昇圧前平滑用コンデンサC1における、冷却プレート20とは反対側(図1〜3における上側)に支持されている。この制御基板CNには、各スイッチングユニットS1〜S7の上面S1a〜S7a上に突出して設けられた複数の制御入力端子Tcの先端部が接続されている。これらの制御入力端子Tcを挿通するために、ブラケット40における各制御入力端子Tcに対応する位置には端子挿通孔41が形成されている。制御基板CNは、この制御入力端子Tcを介して各スイッチングユニットS1〜S7内のスイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7に制御信号(バイアス)を出力し、スイッチング素子Qa2〜Qa7及びQb2〜Qb7の動作制御を行う。
【0048】
6.インバータケース50及びインバータカバー60
次に、装置本体10を収納するためのインバータケース50及びインバータカバー60について説明する。図7は、インバータケース50及びインバータカバー60による装置本体10の収納状態を示す図である。この図7及び図8は、図1〜3とは上下関係が逆に描かれている。
【0049】
図1、図7及び図8に示すように、インバータケース50は、平面視が概略長方形状の外周に沿って立設された周壁55と、一方側(図1における下側、図7及び図8における上側)に開口部を有するケース側収納空間51と、このケース側収納空間51と隔壁54により隔てられ、他方側(図1における上側、図7及び図8における下側)に開口部を有する冷却液室52とを有する箱状に形成されている。図7に示すように、ケース側収納空間51は、周壁55と隔壁54とにより区画され、隔壁54の一方側に形成された略立方体形状の空間となっている。インバータケース50の周壁55の一方側端面50A(プレート支持部)には、ボルト71が締結される雌ねじ部55aが形成されている。そして、ケース側収納空間51の開口部の周囲におけるインバータケース50の周壁55の一方側端面50Aに、冷却プレート20の他方側面である第一面20Aの外周部分が載置されて支持される。この際、冷却プレート20は、締結用孔23に挿通されて雌ねじ部55aに締結されるボルト71により、後述するインバータカバー60とともに、インバータケース50に固定される。
【0050】
インバータケース50に冷却プレート20が支持された状態では、ケース側収納空間51内に、冷却プレート20の第一面20Aに配置された昇圧用スイッチングユニットS1、各相用スイッチングユニットS2〜S7、及び昇圧前平滑用コンデンサC1、並びにブラケット40を介してスイッチングユニットS1〜S7上に配置された制御基板CNが収納される。よって、ケース側収納空間51は、これらが収納可能な大きさ及び形状を備えるように形成されている。また、上記のとおり、冷却プレート20の外周形状は、インバータケース50の一方側端面50Aの外周形状と略同一形状に形成されている。そして、この冷却プレート20の外周部分と、インバータケース50の周壁55の一方側端面50Aとの間は、シール材等により防水される。
【0051】
また、ケース側収納空間51の内部における、冷却プレート20の流路開口部21aが設けられた位置に対応する位置には、接続用流路53を構成する円筒部53aが立設されている。この円筒部53aの一方側端面は、インバータケース50の周壁55の一方側端面50Aと同一平面状に配置されている。したがって、冷却プレート20を周壁55の一方側端面50Aに載置した状態で、冷却プレート20の第一面20Aに設けられた流路開口部21aが接続用流路53に接続されることになる。図1に示すように、この接続用流路53は、隔壁54を貫通して冷却液室52に連通している。
【0052】
図1に示すように、冷却液室52は、周壁55と隔壁54とにより区画され、隔壁54の他方側に形成された略立方体形状の空間となっている。冷却液室52の開口部の周囲におけるインバータケース50の周壁55の他方側端面50Bは、図8に示すように、ミッションケース70に載置されて取り付けられる。冷却液室52は、ミッションケース70に設けられた冷却液の流路と連通しており、冷却液室52内に冷却液が流れるように構成されている。また、インバータケース50は、図7及び図8に示すように、周壁55の外周側(ケース外周側)に、ミッションケース70への取付部としてのフランジ部58を有している。このフランジ部58には、締結部材としてのボルト72を挿通するための複数の締結用孔58aが形成されている。インバータケース50は、この締結用孔58aに挿通されたボルト72によりミッションケース70に一体的に締結される。
【0053】
また、図1及び図7に示すように、インバータケース50は、ケース側収納空間51内に、各相用スイッチングユニットS2〜S7の出力端子To2〜To7に接続された6本の出力バスバー37が配されるバスバー配置溝56と、6本の出力バスバー37の先端部近傍の領域において、周壁55に沿ってインバータケース50の一方側端面50Aから他方側端面50Bまで一方側端面50Aの法線方向に貫通して開口する接続開口空間57とを有している。バスバー配置溝56は、各出力バスバー37の配置に合わせて設けられ、ケース側収納空間51と接続開口空間57とをつなぐ断面コの字状の6本の溝である。接続開口空間57は、ここでは、6本の出力バスバー37の先端部近傍の領域をつないで一つの空間として形成している。図8に示すように、この接続開口空間57内には、モータ・ジェネレータMG1、MG2の各相(U相、V相、W相)にそれぞれ電気的に接続された6本のモータ接続端子77が、ミッションケース70側から延設されて配置されている。ここでは、各出力バスバー37の先端部にボルト挿通孔が設けられており、このボルト挿通孔に挿通された締結部材としてのボルト73により、各出力バスバー37の先端部がモータ接続端子77の先端部(図8における上端部)に接続されている。よって、本実施形態においては、2個のモータ・ジェネレータMG1、MG2がインバータ装置による電力供給対象である。そして、これらのモータ・ジェネレータMG1、MG2を収納するミッションケース70が、電力供給対象が収納される本体ケースとなる。また、ここでは、各出力バスバー37の先端部及び各モータ接続端子77の先端部が、回路構成部品Pと電力供給対象との接続端子となる。
【0054】
図1、図7及び図8に示すように、インバータカバー60は、カバー本体61と、このカバー本体61から分離可能な補助カバー62とを有して構成されている。カバー本体61は、他方側(図1における上側、図7及び図8における下側)に開口部を有する略立方体形状のカバー側収納空間61aを内部に形成する箱状の部材である。このカバー本体61の他方側端部には、冷却プレート20と平行な方向に拡張されたフランジ部61bが形成されている。このフランジ部61bには、ボルト71が挿通される締結用孔61cが設けられている。各締結用孔61cは、冷却プレート20の締結用孔23及びインバータケース50の雌ねじ部55aの位置に対応して配置されている。そして、図8にも示すように、カバー本体61は、冷却プレート20の一方側面である第二面20B上に載置されて支持される。この際、カバー本体61は、締結用孔61c及び冷却プレート20の締結用孔23に挿通されて雌ねじ部55aに締結されるボルト71により、冷却プレート20とともに、インバータケース50に固定される。
【0055】
冷却プレート20の第二面20B上にカバー本体61が載置された状態では、カバー側収納空間61a内に、冷却プレート20の第二面20Bに配置されたリアクトルL及び昇圧後平滑用コンデンサC2が収納される。よって、カバー側収納空間61aは、これらが収納可能な大きさ及び形状を備えるように形成されている。そして、カバー本体61のフランジ部61bと冷却プレート20との間は、シール材等により防水される。
【0056】
図1及び図7に示すように、補助カバー62は、カバー本体61に隣接して配置され、カバー本体61から分離可能に構成されたインバータカバー60の一部である。この補助カバー62は、冷却プレート20の第一連通開口部24の一方側(第二面20B側)を覆うことにより、6本の出力バスバー37の先端部近傍及び6本のモータ接続端子77の先端部が配置されたインバータケース50の接続開口空間57の一方側を覆うカバーである。ここでは、補助カバー62は、冷却プレート20の第一連通開口部24の形状に合致する形状の膨出部62aと、この膨出部62aの周囲において冷却プレート20と平行な方向に拡張されたフランジ部62bが形成されている。このフランジ部62bには、ボルト71が挿通される締結用孔62cが設けられている。各挿通孔62cは、冷却プレート20の締結用孔23及びインバータケース50の雌ねじ部55aの位置に対応して配置されている。そして、図8にも示すように、補助カバー62は、冷却プレート20の一方側面である第二面20B上における、第一連通開口部24の周囲に載置されて支持される。この際、補助カバー62は、カバー本体61と同様に、締結用孔61c及び冷却プレート20の締結用孔23に挿通されて雌ねじ部55aに締結されるボルト71により、冷却プレート20とともに、インバータケース50に固定される。
【0057】
冷却プレート20の第二面20B上に補助カバー62が載置された状態では、冷却プレート20の第一連通開口部24、及びこれに連通するインバータケース50の接続開口空間57の一方側が補助カバー62により覆われる。そして、補助カバー62のフランジ部62bと冷却プレート20との間は、シール材等により防水される。
【0058】
7.インバータ装置のミッションケース70からの分離
上記のとおり、インバータケース50の接続開口空間57内に6本の出力バスバー37の先端部近傍が配置されている。また、図8に示すように、この接続開口空間57内には、モータ・ジェネレータMG1、MG2の各相にそれぞれ電気的に接続された6本のモータ接続端子77が、ミッションケース70側から延設されて配置されている。そして、モータ接続端子77の先端部に、各出力バスバー37の先端部がボルト73により接続されている。一方、補助カバー62は、冷却プレート20の第一連通開口部24の一方側(第二面20B側)を覆うことにより、6本の出力バスバー37の先端部近傍が配置されたインバータケース50の接続開口空間57の一方側を覆うように設けられている。したがって、各出力バスバー37の先端部と6本のモータ接続端子77との接続部は、補助カバー62を冷却プレート20から分離した状態で、その接続を分離可能に露出するように設けられている。すなわち、図9に示すように、補助カバー62を取り外した状態では、接続開口空間57の内部にあるボルト73は、冷却プレート20の一方側(第二面20B側)から工具を挿入可能な状態で露出する。よって、冷却プレート20の第一連通開口部24の一方側(第二面20B側)から、工具を挿入してボルト73を外すことにより、容易に出力バスバー37とモータ接続端子77との接続を外すことができる。これにより、インバータ装置は、ミッションケース70に対して、インバータケース50の外周側のボルト72により締結されているのみとなる。
【0059】
また、インバータケース50は、図7及び図8に示すように、周壁55の外周側(ケース外周側)のフランジ部58に設けられた複数の締結用孔58aに挿通されたボルト72により、ミッションケース70に一体的に締結されている。すなわち、このインバータケース50をミッションケース70に固定しているボルト72は、常にインバータケース50の外側に露出した状態となっている。したがって、上記のとおり、補助カバー62を取り外して出力バスバー37とモータ接続端子77との接続を外しておけば、インバータケース50は、冷却プレート20及びインバータカバー60のカバー本体61を支持した状態のままで、ミッションケース70から容易に分離することができる。このため、本実施形態に係るインバータ装置は、回路構成部品Pを含む内部の構成を分解することなく、一体的な状態のままでミッションケース70から分離することができる。したがって、インバータ装置の交換等の作業を非常に容易に行うことができる。
【0060】
8.その他の実施形態
(1)上記実施形態においては、各スイッチングユニットS1〜S7がそれぞれ物理的に独立して形成されている場合について説明した。しかし、本発明におけるスイッチングユニットは、各ユニットが物理的に独立したものに限定されない。したがって、例えば、全てのスイッチングユニットS1〜S7が樹脂成形等により一体的に形成し、或いは各モータ・ジェネレータMG1、MG2に対応する3個等の複数のスイッチングユニットを一組として樹脂成形等により一体的に形成することも、好適な実施形態の一つである。
【0061】
(2)上記実施形態においては、冷却プレート20の第一面20A側に、昇圧用スイッチングユニットS1、各相用スイッチングユニットS2〜S7、及び昇圧前平滑用コンデンサC1を配置し、第二面20B側にリアクトルL及び昇圧後平滑用コンデンサC2を配置する場合を例として説明した。しかし、この各回路構成部品Pの配置は一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0062】
(3)上記実施形態においては、冷却プレート20の外形は、インバータケース50の一方側端面50Aの外周形状と略同一形状に形成されている場合について説明した。しかし、冷却プレート20の外形はこれに限定されるものではなく、インバータケース50の一方側端面50Aの外周形状より大きい形状、すなわち冷却プレート20の外周部分がインバータケース50の周壁55の外周よりも外方に突出する形状とすることも可能である。また逆に、冷却プレート20の外周部分がインバータケース50の一方側端面50Aの外周より内方に位置するような冷却プレート20の外形とすることも可能である。但し、この場合においても、冷却プレート20の外周部分の少なくとも一部がインバータケース50の一方側端面50Aに載置されて支持される構成とすると好適である。なお、このような構成とする場合には、インバータカバー60がインバータケース50の一方側端面50A上に直接に載置される部分もできるので、その部分では、インバータケース50の一方側端面50Aとインバータカバー60との間をシール材等により防水する。
【0063】
(4)上記実施形態においては、2個のモータ・ジェネレータMG1及びMG2を動作させるためのインバータ装置を例として説明した。しかし、モータ・ジェネレータの数は適宜変更が可能である。したがって、本発明を1個のモータ・ジェネレータの動作のためのインバータ装置に適用することも好適な実施形態の一つである。この場合、各相用スイッチングユニットは3個となる。また、本発明を3個以上のモータ・ジェネレータの動作のためのインバータ装置に適用することも好適な実施形態の一つである。
【0064】
(5)上記実施形態においては、出力バスバー37の先端部が、冷却プレート20の第一面20A側にあるインバータケース50のケース側収納空間51の一部である接続開口空間57内に配置されている場合を例として説明した。しかし、出力バスバー37の配置はこれに限定されるものではない。したがって、例えば冷却プレート20の第一面20A側の回路構成部品Pと第二面20B側の回路構成部品Pとを入れ替えて、出力バスバー37の先端部が、冷却プレート20の第二面20B側にあるカバー側収納空間61a内に配置される構成とすることも好適な実施形態の一つである。この場合、ミッションケース70側から延設されるモータ接続端子77は、インバータケース50の接続開口空間57及び冷却プレート20の第一連通開口部24内を通って、その先端部がカバー側収納空間61a内となるように設けられる。そして、インバータカバー60は、出力バスバー37の先端部近傍を覆う補助カバー62をカバー本体61から分離可能に設けることも可能であるが、このような補助カバー62を設けない一体的なインバータカバー60とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態に係るインバータ装置の全体を示す分解斜視図
【図2】本発明の実施形態に係る装置本体の分解斜視図
【図3】本発明の実施形態に係る装置本体の斜視図
【図4】本発明の実施形態に係る装置本体の概略の回路構成を示す模式図
【図5】本発明の実施形態に係るスイッチングユニットの内部構成を示す概略模式図
【図6】本発明の実施形態に係る冷却プレートの構成を示す図
【図7】本発明の実施形態に係るインバータケース及びインバータカバーによる装置本体の収納状態を示す図
【図8】本発明の実施形態に係るインバータ装置の縦断面図
【図9】本発明の実施形態に係るインバータ装置の補助カバーを分離した状態の平面図
【図10】背景技術に係るインバータ装置の回路構成を示す図
【符号の説明】
【0066】
10:装置本体
20:冷却プレート(支持プレート)
20A:第一面(他方側面)
20B:第二面(一方側面)
21:冷却流路
21a:流路開口部
24:第一連通開口部(連通開口部)
30:バスバー
31:正極主バスバー(正極バスバー)
31a:正極主バスバーの本体部
31c:正極主バスバーの枝部
32:負極主バスバー(負極バスバー)
32a:負極主バスバーの本体部
32c:負極主バスバーの枝部
37:出力バスバー(接続端子)
50:インバータケース
50A:一方側端面(プレート支持部)
51:ケース側収納空間
52:冷却液室
53:接続用流路
54:隔壁
58:フランジ部(取付部)
60:インバータカバー
61:カバー本体
61a:カバー側収納空間
62:補助カバー
70:トランスミッションケース(本体ケース)
77:モータ接続端子(接続端子)
MG1、MG2:モータ・ジェネレータ(電力供給対象)
P:回路構成部品
L:リアクトル
C1:昇圧前平滑用コンデンサ
C2:昇圧後平滑用コンデンサ
S1:昇圧用スイッチングユニット
S2〜S7:各相用スイッチングユニット
S1a〜S7a:上面(一側面)
Qa1〜Qa7、Qb1〜Qb7:スイッチング素子
Tp1〜Tp7:正極端子
Tn1〜Tn7:負極端子
Ti:入力端子
To2〜To7:出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に冷却液の流路を有する冷却プレートの一方の面に当接させて、昇圧用のリアクトル、モータ・ジェネレータの各相の相電流を生成するための各相用スイッチングユニット、前記リアクトルに接続される昇圧用スイッチングユニット、前記リアクトルによる昇圧前の電圧を平滑化する昇圧前平滑用コンデンサ、及び前記リアクトルによる昇圧後の電圧を平滑化する昇圧後平滑用コンデンサを含む複数の回路構成部品の中の一部を配置し、残りを前記冷却プレートの他方の面に当接させて配置したインバータ装置。
【請求項2】
前記リアクトル及び前記昇圧後平滑用コンデンサを前記冷却プレートの一方の面に配置し、前記各相用スイッチングユニット、前記昇圧用スイッチングユニット、及び前記昇圧前平滑用コンデンサを前記冷却プレートの他方の面に配置した請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項3】
前記冷却プレートを前記他方の面側から支持するプレート支持部と、前記冷却プレートの前記他方の面に配置されている前記回路構成部品を収納する収納空間と、該収納空間を介して前記冷却プレートに平行に設けられた隔壁により前記収納空間と隔てられ、冷却液が流れる冷却液室と、を有するインバータケースを更に備える請求項1又は2に記載のインバータ装置。
【請求項4】
前記冷却プレートは、前記冷却液の流路の両端部近傍に、それぞれ接続用流路を介して前記冷却液室と連通する流路開口部を備える請求項3に記載のインバータ装置。
【請求項5】
前記冷却プレートの一方の面側と他方の面側とを電気的に接続するためのバスバーが、前記冷却プレートを法線方向に貫通して配置されている請求項1から4の何れか一項に記載のインバータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−89258(P2007−89258A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272174(P2005−272174)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】