説明

ウイーンブリッジ発振回路の自動利得制御回路

【課題】ウイーンブリッジ発振回路の自動利得制御回路を、低コストで実現する。
【解決手段】ウイーンブリッジ発振回路を構成するオペアンプの出力を、抵抗3により電流に変換してNPN型バイポーラトランジスタ1のベースに入力し、NPN型バイポーラトランジスタ1のコレクタとエミッタ間の抵抗値を増減することにより、抵抗2と抵抗4とNPN型バイポーラトランジスタ1による合成抵抗を増減し、オペアンプの利得を増減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイーンブリッジ発振回路の自動利得制御回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウイーンブリッジ発振回路は、抵抗とコンデンサとオペアンプにより、手軽に正弦波を得られる回路として幅広く使われている。
【0003】
しかし、歪みの少ない正弦波を安定して発振させるには、オペアンプの利得を常に3倍に維持する必要があり、実用に用いる場合は、自動利得制御回路を用いることが必須である。
【0004】
自動利得制御回路として、従来、電界効果トランジスタやダイオード、オペアンプおよびこれらを組み合わせた回路が用いられてきたが、電界効果トランジスタやオペアンプは、抵抗やバイポーラトランジスタと比較して高価である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「トランジスタ技術 12月号」CQ出版 1993年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、ウイーンブリッジ発振回路の自動利得制御回路のコストが高い点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、NPN型バイポーラトランジスタと抵抗により、ウイーンブリッジ発振回路の自動利得制御回路を実現することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のウイーンブリッジ発振回路の自動利得制御回路は、NPN型バイポーラトランジスタと抵抗を用いるため、安価な部品の組み合わせにより実現できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1はウイーンブリッジ発振回路の自動利得制御回路の実施方法を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
安価な部品の組み合わせにより、ウイーンブリッジ発振回路の自動利得制御回路を実現するという目的を、最小の部品数で実現した。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例である。自動利得制御回路は抵抗2、抵抗3、抵抗4、NPN型バイポーラトランジスタ1からなる。
【0012】
発振回路の振幅が増加すると、抵抗3を通してNPN型バイポーラトランジスタ1のベースに流入する電流が増加し、NPN型バイポーラトランジスタ1のコレクタとエミッタ間の抵抗値が減少する。このことにより、抵抗4と抵抗2とNPN型バイポーラトランジスタ1による合成抵抗値を減少させ、ウイーンブリッジ発振回路を形成するオペアンプの利得を減少させる。
【0013】
発振回路の振幅が減少すると、抵抗3を通してNPN型バイポーラトランジスタ1のベースに流入する電流が減少し、NPN型バイポーラトランジスタ1のコレクタとエミッタ間の抵抗値が増加する。このことにより、抵抗4と抵抗2とNPN型バイポーラトランジスタ1による合成抵抗値を増加させ、ウイーンブリッジ発振回路を形成するオペアンプの利得を増加させる。
【0014】
以上の動作原理により、ウイーンブリッジ発振回路を実用に用いる場合に必要な自動利得制御回路を、NPN型バイポーラトランジスタ1個、抵抗3個で実現した。
【産業上の利用可能性】
【0015】
ウイーンブリッジ発振回路を、安価でコスト削減要求が厳しい用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0016】
1 NPN型バイポーラトランジスタ
2 抵抗
3 抵抗
4 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイーンブリッジ発振回路を構成するオペアンプの出力を、抵抗3により電流に変換してNPN型バイポーラトランジスタ1のベースに入力し、NPN型バイポーラトランジスタ1のコレクタとエミッタ間の抵抗値を増減することにより、抵抗2と抵抗4とNPN型バイポーラトランジスタ1による合成抵抗を増減し、オペアンプの利得を増減することを特徴とするウイーンブリッジ発振回路の自動利得制御回路。


【図1】
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【公開番号】特開2010−263393(P2010−263393A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112425(P2009−112425)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(305035808)
【Fターム(参考)】