説明

ウェーハキャリア

【課題】優れた気密効果を具備したウェーハキャリアを提供する。
【解決手段】開口を形成する一側面を有し、複数個のウェーハを収納可能な複数個のスロットが内部に設けられた筐体を含み、ドアを利用して前記筐体の開口と結合してその内部のウェーハを保護する。筐体は、開口の内縁に磁性体が配置され、ドアの内面の磁性体に対抗する箇所に、断面が凹形を呈する導磁体中に設けられた磁石が配置されていることを特徴とする。これによって、ドア上の磁石が筐体の開口箇所の磁性体を吸引し、ドアを筐体にロックして一体化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハキャリアに関し、特に磁石を利用してドアと筐体とを気密ロックするフープとするウェーハキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハは、各種の異なる流れの処理を経て、かつ工程設備を組み合わせる必要があるため、異なる作業ステーションに搬送される。ウェーハの搬送を便利にし、かつ外部からの汚染を受けないようにするため、常に密封容器を利用して自動化設備で輸送される。公知のフープ(Front Opening Unified Pod,FOUP)は、筐体とドアとを有し、複数個のウェーハを水平に収納可能な複数個のスロットが筐体内部に設けてある。かつウェーハのアンロードおよびロードが可能な開口が筐体の一側面に設けてあり、ドアは外面および内面を有する。ドアは、内面および筐体の開口により結合し、筐体内部の複数個のウェーハを保護する。また、ドアの外面と内面との間には、カムとカムに係合する1対の摺動手段とを含む2つのラッチ手段が配置されている。そのため、ある方向にカムが転動するときに、この摺動手段の自由端にドアを突出させ、筐体上の対応する挿孔中に係入し、ドアを筐体とロックして一体化する。
【0003】
前記フープは、筐体の開口付近に気密部材を有するため、摺動手段の自由端がドアを突出するときに、筐体の気密部材を当接して気密の効果を達成する。
しかしながら、通常、ドアは2つのカムおよび2対の摺動手段しか有していないため、ドアは4つの点のみで気密部材を当接し、フープの気密効果が悪くなりやすい。
図1は、公知のウェーハキャリアの概略図である(特許文献1)。このウェーハキャリアのドア200の内面220には、磁石250が配置されている。筐体100の開口120の内縁には、例えば、金属ブロックなど、磁石250が吸引する磁性素子130が設けてある。前記磁石250および磁性素子130は、外面が気密材質で被覆されている。そのため、ドア200の内面220と外面210との間のラッチ手段240が筐体100をロックするときに、磁石250が磁性素子130を吸引し、ドア200内面220の気密材質(すなわち磁石250を被覆する気密材質)を筐体100上の気密材質(すなわち磁性素子130を被覆する気密材質)と接触させて気密効果を高める。
【0004】
図2は、公知のもう1つのウェーハキャリアの筐体の概略図である(特許文献2)。このウェーハキャリアの筐体100の開口120の内縁には、磁石140および複数個の挿孔150が配置される。磁石140は第一ドア内面周囲の磁性素子(図には未表示)を吸引することができる。筐体100は磁気吸引の方式を利用してドアとロックして一体化する。かつ、同一の筐体100は、第二ドア(図には未表示)とロックして一体化することもできる。第二ドアの内面と外面との間には、カムと摺動手段とが配置されており、第二ドアがカムの転動により摺動手段を筐体100の複数個の挿孔150中に係入することができるようにする。そのため、この筐体100は、異なるロック形式のドアと組み合わせることができる。
【0005】
前記特許文献1は、磁石250および磁性素子130を利用して気密機能を増進するが、ラッチ手段240がドア200の内面220と外面210との間に配置され、ドア200自体の厚さが比較的大きいため、フープの前後径距離を効果的に短縮することができない。
【0006】
特許文献2は、磁気吸引の方式を利用して、ドアと筐体とをロックして一体化することを開示しているが、磁石の磁力線が筐体内部に漏洩して筐体内部のウェーハの回路の安定性に影響を及ぼす可能性がある。かつ、磁力線が漏洩することにより、磁性吸引力が下がるため、ウェーハ(例えば、450mmのウェーハ)を充填したウェーハキャリアの搬送中に、ドアと筐体が離脱しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0175792号明細書
【特許文献2】米国特許第6,491,177号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は先行技術のウェーハキャリアの気密効果がよくなく、ドアの厚さが比較的大きく、磁力線が漏洩するなどの問題に鑑みてなされたもので、本発明の主な目的は、ドア内面周囲に磁石が設けてあり、かつ筐体の開口の内縁に、例えば金属バーなどの、磁石で吸引可能な素子が配置されている、磁石を利用してロック方式とするウェーハキャリアを提供することである。
このロック方式は、ドア内部にカムと摺動手段とを設ける必要がないため、ドアの厚さを効果的に薄くすることができる。かつ、カムと摺動手段との間の作動がないため、微粒子(particle)の生成を減少することもできる。
【0009】
本発明のもう1つの主な目的は、ドア内面の周囲に磁石が設けてあり、かつ磁石の外面にさらに気密部材が設けてあり、筐体の開口の内縁に金属バーが設けてあるため、ドアと筐体とをロックして一体化したときに、気密部材が磁石と金属バーとの間に挟まれ、ウェーハキャリアに比較的優れた気密効果をもたせる、磁石を利用してロック方式とするウェーハキャリアを提供することである。
【0010】
本発明のさらにもう1つの主な目的は、ドア内面の周囲に磁石が設けてあり、かつ磁石は断面が凹形を呈する導磁体中に配置されているため、磁石の磁力線を筐体の開口の内縁に効果的に誘導し、または集中させることができ、磁力線が他の方向に漏洩することを防止することができ、ドアと筐体とをしっかりとロックして一体化し、かつ筐体内部のウェーハの回路の安定性を高めることができる、磁石を利用してロック方式とするウェーハキャリアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した目的を達成するため、本発明は、筐体とドアとを含み、複数個のウェーハを収納する複数個のスロットが筐体の内部に設けてあり、かつウェーハの出し入れを行う開口が筐体の一側面に設けてあり、開口の内縁に磁性体が配置され、ドアの内面の磁性体に対向する位置に磁石が配置され、断面が凹形を呈する導磁体中に磁石が配置されることによって、ドアの磁石が筐体の開口箇所の磁性体を吸引し、ドアを筐体にロックするウェーハキャリアを開示する。
【0012】
本発明のもう1つのウェーハキャリアは、筐体とドアとを含み、磁石を筐体上に配置し、磁性体をドア上に配置しても、同様にドアを筐体にロックして一体化することができる。本発明のウェーハキャリアは、磁石の外面にも気密部材が配置されているため、ドアを筐体にロックして一体化するときに、気密部材が磁石と磁性体との間に挟持され、公知のウェーハキャリアの気密がよくないという欠点を改善することができる。
【0013】
また、本発明のウェーハキャリアは、筐体とドアとを含み、複数個のウェーハを収納する複数個のスロットが筐体の内部に設けてあり、かつウェーハの出し入れを行う開口が筐体の一側面に設けてあり、開口の内縁に磁性体が配置され、ドアの内面の磁性体に対向する位置に磁石が配置されることによって、断面が凹形を呈する導磁体中に磁石が置かれ、かつドア自体に金属粉体が混入しているため、磁石の磁力線を筐体の開口の内縁にさらに集中させ、ドアをさらにしっかりと筐体にロックして一体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】公知のウェーハキャリアの概略図である。
【図2】公知のもう1つのウェーハキャリアの筐体の概略図である。
【図3】本発明の1種類目のウェーハキャリアの概略図である。
【図4】本発明の1種類目のウェーハキャリアの筐体の概略図である。
【図5】本発明の1種類目のウェーハキャリアのドアの概略図である。
【図6】本発明の1種類目のウェーハキャリアのドアを筐体にロックしたときの断面図である。
【図7】本発明の1種類目のウェーハキャリアのドア上の制限部材モジュールの概略図である。
【図8】本発明の2種類目のウェーハキャリアのドアの概略図である。
【図9】本発明の2種類目のウェーハキャリアの制限部材モジュールがウェーハに接触した概略図である。
【図10】本発明の2種類目のウェーハキャリアの制限部材モジュールの概略図である。
【図11】本発明の3種類目のウェーハキャリアの概略図である。
【図12】本発明の3種類目のウェーハキャリアの制限部材モジュールの概略図である。
【図13】本発明のウェーハキャリアのドアに金属粉体を混入した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明で説明する技術内容、発明の目的およびその達成する効果をさらに完全かつ明確に開示するため、図面および符号を用いて、以下のとおり詳細に説明する。
【0016】
先ず、図3は、本発明の1種類目のウェーハキャリアの概略図である。
このウェーハキャリアは、一種のフープであり、主に筐体10とドア20とを含み、筐体10内部に収納スペースを有する。
複数個のウェーハを収納する複数個のスロット11がこの収納スペースに設けてあり、かつウェーハの出し入れを行う開口12が筐体10の一側面に設けてある。
ドア20は、外面21と内面22とを有し、ドア20の内面22の約中間の領域に、陥没領域23が設けてある。
かつ陥没領域23は、ドア20の内面22を左右2つの突出プラットフォーム24に分割する。
各突出プラットフォーム24上の陥没領域23に近い箇所に、ドア20と一体成形した制限部材モジュール30がそれぞれ1個形成されている。
間隔をあけて配列した複数個の凹溝32が各制限部材モジュール30上に配置されているため、ドア20を筐体10にロックするときに、これらの凹溝32を筐体10内部のウェーハに接触させ、各ウェーハの一部の面積を陥没領域23内に延伸させることができる。
前記ドア20を筐体10にロックする方式は、主にドア20内面22の周囲に磁石25が配置され、筐体10上の磁石25に対向する箇所に磁性体(図には未表示)が配置され、ドア20上の磁石25を介して筐体10上の磁性体(例えば一種の金属材料)を吸引し、ドア20と筐体10の開口とを1つに結合するものである。
このような設計によって、ドア内部にカムと摺動手段とを設ける必要がなくなり、ドアの厚さを薄くすることができるだけでなく、カムと摺動手段との間の作動のために微粒子(particle)が生成することも防止することができる。かつ、自動化機械上で真空チャックを利用するだけでドアを開くことができ、キーバー(key bar)を利用せずにカムを転動させることができる。
【0017】
続いて、図4および図5は、前記図3のウェーハキャリアの筐体およびドアの概略図である。
図4に示すように、横方向に外向きに延伸する接触プラットフォーム13を筐体10の一側と開口12との間に形成し、ドア20を筐体10と結合するときに、ドア20は開口12の内縁に置かれ、かつドア20の内面22の辺縁領域は接触プラットフォーム13と接触して接合して一体化する。
特に説明すべきことは、筐体10周囲の接触プラットフォーム13上に、第一溝14がそれぞれ設けてあり、各第一溝14中に磁性体15を嵌入することである。
また、磁性体15を第一溝14内に置いた後、本発明はさらに第一蓋板16と各第一溝14とを利用して固定するとともに、前記磁性体15を被覆することができる。
また、前記磁性体15の材質は金属、セラミックスまたは高分子材質とすることができ、磁石25に吸引される特性を有すればよい。第一蓋板16の材料は、例えばプラスチックなどの高分子材質とすることができる。
【0018】
続いて、図5に示すように、ドア20の内面22の4つの辺に近い場所、すなわちドア20の内面22の磁性体15に対向する場所に、第二溝26がそれぞれ配置される。
断面が「凹形」を呈する導磁体27が各第二溝26内に置かれ、かつ各導磁体27内にさらに磁石25が配置されている。
前記導磁体27の材質は、例えば鉄類または鋼類などの金属である。
特に強調すべきことは、導磁体27は、筐体20の接触プラットフォーム13に対向する開放された側面を有することである。
そのため、導磁体27は磁石25の磁力線を筐体10の接触プラットフォーム13の方向に誘導し、または集中させることができ、磁力線を吸引磁性体15に集中させることができる。
かつ、磁力線は、筐体10内部のウェーハ方向ではなく、接触プラットフォーム13の方向に集中させることができ、筐体内部のウェーハの回路の安定性に影響を及ぼすことを防止することができる。
また、ドア20上の磁石25と磁性体15外の第一蓋板16とが直接接触することによって不純物(particle)が生成されることを防止するため、本発明の磁石25が導磁体27に被覆されていない側面上に、さらに高分子材質の第二蓋板28を提供し、各第二溝26および導磁体27と固定する。
好ましい実施例においては、本発明の第二蓋板28は1対の第二蓋板28を使用し、導磁体27の開放側面の2つの側部上に配置し、気密部材29を収納可能な隙間をこの蓋板28の間に残す。
この気密部材29は、円形または円形に近似した一種のOリング(O‐ring)である。
Oリングを収納可能な隙間をドア20内面22の4つの角に有するため、図6に示すように、ドア20と筐体10とをドア20上の磁石25により筐体10上の磁性体15に吸引してロックし、一体化した後、前記Oリングが筐体10上の第一蓋板16と接触し、ウェーハキャリア内部の気体と筐体外部の気体とが阻隔を形成する。
【0019】
続いて、図7は、図3のウェーハキャリアのドア上の制限部材モジュールの概略図である。
上述したように、ドア20の内面22は陥没領域23によって2つの突出プラットフォーム24に仕切られ、2つの突出プラットフォーム24の陥没領域23に近い両側に、ドア20と一体成形された制限部材モジュール30をそれぞれ有する。
この一体成形とは、ドア20内面22または突出プラットフォーム24と、陥没領域23と、2つの制限部材モジュール30とが、高分子プラスチック材料により、射出成形または射出圧縮成形などの方式でともに形成されることをいう。
各制限部材モジュール30は、陥没領域23から筐体10の方向に突出した後、突出プラットフォーム24に向けて延伸して細長い台座31を形成する。
この細長い台座31上に、さらに間隔をあけて配列した複数個の凹溝32を形成する。
前記2つの突出プラットフォーム24上の制限部材モジュール30は、凹溝32が相互に面一であり、左右の対向する凹溝32が、共同でウェーハと接触して、ウェーハの一部が陥没領域23内に伸び入るとともに、ウェーハ搬送中の筐体10開口12方向への移動を制限する。
凹溝32は、「V」形または弧形に近似したガイド溝構造とすることができ、ウェーハをその中にスムーズに導入し、しっかりと固定する。
かつ、この凹溝32の表面は、さらに例えばPEEK材質などの耐磨耗材で被覆するか、または塗り、ウェーハに対する摩擦を下げることができる。
【0020】
続いて、図8は、本発明の2種類目のウェーハキャリアのドアの概略図である。図9は、図8のドアの制限部材モジュールがウェーハに接触した概略図である。図10は、図8のドアの制限部材モジュールの概略図である。
本発明の2種類目のウェーハキャリアは、ドア上の制限部材モジュールが独立素子であり、回転して係合する方式でドア20の2つの突出プラットフォーム24上に固定する。
制限部材モジュール40は、2つの長辺41Lおよび2つの短辺41Sを有する台座41を含み、陥没領域23に近い方の長辺41L上に複数個のカンチレバー401が延伸して形成されている。
各カンチレバー401は、その自由端との間に半円形に近似した突出部402が形成されており、突出部402上に中央ガイド溝403を有し、これらの中央ガイド溝403を介して筐体内部のウェーハと接触する。
中央ガイド溝403がウェーハと接触する場所は、例えばポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone,PEEK)などの耐磨耗材を表面被覆するか、または塗り、摩擦および微粒子粉塵の生成を減少させることができる。
また、中央ガイド溝403の幅は、ウェーハの厚度と同じとすることができ、ウェーハをこの中央ガイド溝403中に陥入させ、ウェーハが上下に移動しないようにすることができる。
台座41がカンチレバー401と角度を形成することは明らかであり、この角度は10〜60度とすることができる。
【0021】
台座41上には取付穴43を有し、この取付穴43の形状は、矩形、菱形または楕円形とすることができる。
ドア20の内面22には固定部材44が設けてあり、この固定部材44は、突出部441と固定部442とを含み、突出部441の一端はドア20の内面22に固定し、他端または自由端は固定部442に接続する。
固定部442の形状または大きさは、台座41の取付穴43と同じであり、矩形、菱形または楕円形とすることができる。
そのため、固定部材44は、台座41上の取付穴43を貫通することができ、かつ制限部材モジュール40を一定の角度回転(例えば図8は時計回りに90度回転)させた後、固定部材44が制限部材モジュール40の台座41を固定し、制限部材モジュール40をドア20の内面22に固定することができる。
【0022】
続いて、図11は、本発明の3種類目のウェーハキャリアの概略図である。図12は、図11のウェーハキャリアの制限部材モジュール50の概略図である。
この実施例のウェーハキャリアは、ドア20の内面22に、図7または図8のような陥没領域23を有さず、かつ制限部材モジュール50がドア20の内面22の中央に配置されている。
制限部材モジュール50は、ベース51を有し、かつベース51の中央に複数個の制限部材500を有する。隣接する制限部材500の間には隙間があり、制限部材500が筐体10内の対向するウェーハに対応するようにする。各制限部材500は、ベース51の中央から両側に向けてそれぞれ湾曲部501を形成し、かつ各湾曲部501は、その自由端がガイド溝502を形成し、このガイド溝502を介してウェーハと接触する。
ガイド溝502がウェーハと接触する場所は、耐磨耗材(例えばPEEK材質)を表面被覆するか、または塗り、摩擦および微粒子粉塵の生成を減少させることができる。ベース51と湾曲部501とは、角度θを形成し、この角度は10〜60度とすることができる。
角度が小さいほど、左右の2つのガイド溝502の距離が遠くなり、開口の比較的外側方向への制限を提供することができる。角度が大きいほど、制限の方向は開口方向の中央に集中する。
【0023】
ここで特に説明すべきことは、前記図8〜図10および図11〜図12は、異なる制限部材モジュールであるが、この2つの制限部材モジュールは、いずれもドア20の内面22に取り付け可能であり、かつドア20の内面22の4つの辺に近い場所に、図5に示すような第二溝26、導磁体27、磁石25、第二蓋板28および気密部材29の構造を有し、磁力吸引の方式を利用してドア20を筐体10と結合できるようにすることである。
また、前記3つの実施例は、磁石25および磁性体15を4つの組成に分離するが、本発明の磁石25、磁性体15は、連続したものとすることもでき、筐体10およびドア20の4つの角に溝を形成し、かつ連続した磁石25および磁性体15を置いてもよい。
連続した磁石25および磁性体15を使用する場合には、気密部材29は、連続して、または完全に磁石25と磁性体15との間に挟持されるため、このウェーハキャリアはさらに優れた気密効果を有する。
【0024】
続いて、図13に示すように、本発明は、さらに反復射出成形の方式を利用して、ドア20内部の導磁体27の周囲の領域に、例えば鉄粉などの金属粉体27Bを混入し、この追加した金属粉体27Bを利用して、導磁体27の開口の脇から漏れ出す磁力線を吸収するか、または依然として導磁体27から漏れ出す一部の磁力線を吸収することができる。
また、ここで特に強調すべきことは、本発明の前記ウェーハキャリアは、磁石25をドア20の中に配置し、磁性体15を筐体10に配置する実施例で説明しているが、本発明は筐体10の接触プラットフォーム13の中に導磁体27、磁石25、第二蓋板28および気密部材29を配置し、ドア20の中に磁性体15および第一蓋板16を配置しても、同様にドア20を筐体10にロックして一体化する結果を達成することができることである。
【0025】
本発明は、前記好ましい実施例を以上のとおり開示したが、これは本発明を限定するためのものではなく、当業者は、本発明の主旨および範囲を逸脱せずに、いくつかの修正および変更を行うことが可能であるため、本発明の特許の保護範囲は、本明細書に添付した特許請求の範囲で定めたものを基準とする。
【符号の説明】
【0026】
10 筐体
11 スロット
12 開口
13 接触プラットフォーム
14 第一溝
15 磁性体
16 第一蓋板
20 ドア
21 外面
22 内面
23 陥没領域
24 突出プラットフォーム
25 磁石
26 第二溝
27 導磁体
27B 金属粉体
28 第二蓋板
29 気密部材
30 制限部材モジュール
31 台座
32 凹溝
40 制限部材モジュール
41 台座
43 取付穴
44 固定部材
50 制限部材モジュール
51 ベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に複数個のウェーハを収納し、かつ一側面に複数個のウェーハの出し入れを行う開口が形成された筐体と、外面および内面を有し、該内面が該筐体の該開口と結合したドアとを主に含むウェーハキャリアであって、
該筐体は、該開口の内縁に磁性体が配置され、該ドアの該内面が該磁性体に対向する箇所に、断面が凹形を呈する導磁体の中に設けられた磁石が配置され、
該ドアの該磁石が該筐体の開口箇所の該磁性体を吸引することによって、該ドアを該筐体にロックして一体化することを特徴とするウェーハキャリア。
【請求項2】
請求項1において、前記筐体の導磁体の周囲が特殊な複合磁性材質であることを特徴とするウェーハキャリア。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−263185(P2010−263185A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25418(P2010−25418)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(506017182)家登精密工業股▲ふん▼有限公司 (6)
【Fターム(参考)】