説明

ウェーハ外観検査装置、ウェーハ外観検査方法、及び半導体装置

【課題】安価な構成により、外観検査の検査精度を向上する。
【解決手段】ウェーハ外観検査装置1は、同一の基板に複数の半導体装置が形成されているウェーハを搬送し、半導体装置を検査位置に移動させるプローバ装置10と、検査位置の半導体装置に照明光を照射する光源部(マルチアングル照明50)と、照明光を照射された半導体装置の画像を撮像するカメラ40と、カメラ40によって撮像された画像データに基づいて、半導体装置を検査する画像判定部(外観コントローラ20)と、半導体装置のサイズに応じて半導体装置を複数の領域に分割し、分割した複数の領域に対応してカメラ40に撮像させる検査位置に、ウェーハを順次移動させる制御部(PC30)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ外観検査装置、ウェーハ外観検査方法、及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置が形成される半導体ウェーハ(以下ウェーハという)における傷、異物、パターンの形成不良などを外観検査するウェーハ外観検査装置が知られている。従来のこのようなウェーハ外観検査装置は、ラインセンサと検査ステージとを備え、ラインセンサによって撮像された画像データを処理して、ウェーハの外観検査を行っている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−33073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようなウェーハ外観検査装置では、高い精度で外観検査するために、高価なキセノンランプや超高圧水銀ランプのようなインコヒーレンス光源、レーザ等を照明光として照射し、複雑な欠陥検出処理が行われている。そのため、特許文献1のようなウェーハ外観検査装置では、安価な構成により、検査精度を向上することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、安価な構成により、外観検査の検査精度を向上することを可能とするウェーハ外観検査装置、及びウェーハ外観検査方法を提供し、このウェーハ外観検査方法により検査された半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明は、同一の基板に複数の半導体装置が形成されているウェーハを搬送し、前記半導体装置を検査位置に移動させるプローバ部と、前記検査位置の半導体装置に照明光を照射する光源部と、前記照明光を照射された前記半導体装置の画像を撮像するカメラ部と、前記カメラ部によって撮像された画像データに基づいて、前記半導体装置を検査する画像判定部と、前記半導体装置のサイズに応じて前記半導体装置を複数の領域に分割し、分割した前記複数の領域に対応して前記カメラ部に撮像させる検査位置に、前記ウェーハを順次移動させる制御部とを備えることを特徴とするウェーハ外観検査装置である。
【0007】
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記カメラ部の撮像範囲を示す視野範囲と、前記半導体装置のサイズに基づいて、前記複数の領域に分割する分割数を定めることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記光源部は、照射方向の異なる複数の照明光を有し、前記制御部は、前記半導体装置に形成されたパターンに応じて、前記複数の照明光を切り替えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記画像判定部は、前記撮像された画像データと、半導体装置の正しい画像の状態を示すマスタデータとを比較し、比較した結果に基づいて、半導体装置に欠陥があるか否かを判定し、前記制御部は、複数の前記ウェーハを有するロットを検査するごとに、当該ロット内の前記半導体装置から、前記マスタデータを取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、プローバ部が、同一の基板に複数の半導体装置が形成されているウェーハを搬送し、前記半導体装置を検査位置に移動させる過程と、光源部が、前記検査位置の半導体装置に照明光を照射する過程と、カメラ部が、前記照明光を照射された前記半導体装置の画像を撮像する過程と、画像判定部が、前記カメラ部によって撮像された画像データに基づいて、前記半導体装置を検査する画像判定過程と、制御部が、前記半導体装置のサイズに応じて前記半導体装置を複数の領域に分割し、前記プローバ部に対して、分割した前記複数の領域に対応して前記カメラ部に撮像させる検査位置に、前記ウェーハを順次移動させる制御過程とを有することを特徴とするウェーハ外観検査方法である。
【0011】
また、本発明は、上記のウェーハ外観検査方法を使用して検査されたことを特徴とする半導体装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ウェーハ外観検査装置は、ウェーハを搬送し、半導体装置を検査位置に移動させるプローバ部と、検査位置の半導体装置に照明光を照射する光源部と、照明光によって照明された半導体装置の画像を撮像するカメラ部と、カメラ部によって撮像された画像データに基づいて、半導体装置を検査する画像判定部とを備える。また、ウェーハ外観検査装置は、制御部が、半導体装置のサイズに応じて半導体装置を複数の領域に分割し、プローバ部に対して、分割した複数の領域に対応してカメラ部に撮像させる検査位置にウェーハを順次移動させる。半導体装置のサイズに応じて、複数の領域に分割して検査するため、ウェーハ外観検査装置は、検出精度を低下させずに、外観検査を行うことができる。これにより、本発明のウェーハ外観検査装置は、安価な構成により、外観検査の検査精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態によるウェーハ外観検査装置を示す構成図である。
【図2】本実施形態におけるウェーハの外観検査を示す概念図である。
【図3】本実施形態におけるウェーハ外観検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態における検査モードの検査画面の一例を示す図である。
【図5】本実施形態における外観検査処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態における外観検査の結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態によるウェーハ外観検査装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるウェーハ外観検査装置1を示す構成図である。
この図において、ウェーハ外観検査装置1は、プローバ装置10、外観コントローラ20、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)30、カメラ40、マルチアングル照明50、ハードディスク60、GPIBコンバータ71、及びデジタル入出力ターミナル72を備えている。
【0015】
プローバ装置10(プローバ部)は、例えば、半導体ウェーハ(以下、ウェーハという)に形成された半導体チップ(以下、チップ又は半導体装置という)の電気特性を評価又は検査する際に使用する装置であり、本実施形態においては、半導体装置の外観検査に使用する。すなわち、本実施形態のウェーハ外観検査装置1では、プローバ装置10をウェーハハンドラーとして活用する。半導体装置とは、例えば、ダイオード、サイリスタ、IC(Integrated Circuit)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)などである。
【0016】
プローバ装置10は、GPIBコンバータ71を経由して、GPIB(General Purpose Interface Bus)インターフェースL5を介してPC30に接続されている。プローバ装置10は、PC30の制御に基づいて、複数のウェーハを格納するウェーハカセットから、内部のステージにウェーハを搬送し、ウェーハ上の半導体装置を検査位置に移動させる機能を有している。
ここで、検査位置とは、プローバ装置10の上部に設けられた半導体装置の観察用窓から、カメラ40が半導体装置の所定の範囲を撮像できる位置を示す。また、この半導体装置の観察用窓は、半導体装置の電気特性を評価又は検査する際に、プローブ(検査用針)の位置等を確認するためのものであるが、本実施形態においては、この観察用窓から半導体装置の外観を検査する。
【0017】
また、プローバ装置10は、複数種類のウェーハサイズに対応し、例えば、5インチ、6インチ、及び8インチのウェーハを検査可能である。
なお、ウェーハには、同一の基板に複数の半導体装置(チップ)が形成されており、プローバ装置10は、PC30の制御に基づいて、各半導体装置(各チップ)を検査位置に移動させる。また、プローバ装置10は、外観検査が完了したウェーハをウェーハカセットに格納する。
【0018】
マルチアングル照明50(光源部)は、カメラ40とプローバ装置10のステージとの間に配置される。マルチアングル照明50は、例えば、LED(Light Emitting Diode)照明であり、カメラ40の画角(視野範囲)に入らないようにドーナツ型又は中央部に穴が設けられた四角型の形状をしている。マルチアングル照明50は、制御線を介して外観コントローラ20に接続されている。マルチアングル照明50は、この制御線を介して、点灯又は消灯を制御される。
マルチアングル照明50は、プローバ装置10のステージに搬送されたウェーハ上の半導体装置、すなわち、検査位置の半導体装置に照明光を照射する。なお、マルチアングル照明50は、半導体装置の周辺から照明光を照射する。
【0019】
カメラ40(カメラ部)は、プローバ装置10のステージに搬送されたウェーハ上の半導体装置を上述した観察用窓から撮像できるように、プローバ装置10の上方に位置に配置されている。カメラ40は、制御線を介して外観コントローラ20に接続され、制御線を介して外観コントローラ20によって制御される。
【0020】
また、カメラ40は、同軸照明(光源部)を備えており、撮像方向から照明光を照射する。なお、本実施形態において、光源部は、この同軸照明とマルチアングル照明50とに対応する。つまり、光源部は、照射方向の異なる2つの照明光(同軸照明及びマルチアングル照明50)を有している。この2つの照明光は、後述するように、半導体装置に形成されたパターンに応じて、切り替えて使用される。
【0021】
また、カメラ40は、光源部(同軸照明又はマルチアングル照明50)から照射される照明光によって照明された半導体装置の画像を撮像する。すなわち、カメラ40は、照明光を照射された半導体装置の画像を撮像する。そして、カメラ40は、制御線を介して、撮像した画像データを外観コントローラ20に供給する。
【0022】
外観コントローラ20(画像判定部)は、カメラ40によって撮像された半導体装置の画像データに基づいて、半導体装置の外観を検査する。つまり、外観コントローラ20は、カメラ40によって撮像された画像データと、半導体装置の正しい画像の状態を示すマスタデータとを比較し、比較した結果に基づいて、半導体装置の外観に欠陥があるか否かを判定する。つまり、外観コントローラ20は、例えば、パターンマッチング技術に基づいて、半導体装置の外観に欠陥があるか否かを判定する。ここでいう欠陥とは、半導体装置の表面又は内部の傷や汚れ、異物の混入、及びパターンの形成異常などのことである。
【0023】
また、外観コントローラ20は、デジタル入出力ターミナル72を介してPC30に接続されている。上述したマスタデータは、デジタル入出力ターミナル72を介してPC30から供給される。また、外観コントローラ20は、デジタル入出力ターミナル72を介して、半導体装置の外観に欠陥があるか否かの判定結果をPC30に供給する。
【0024】
ハードディスク60は、LAN(Local Area Network)L3によって、外観コントローラ20と、PC30とに接続されていて、Fail判定された時の撮像データ(Fail画像)を記憶する。
【0025】
PC30(制御部)は、ウェーハ外観検査装置1の各部を制御する。例えば、PC30は、プローバ装置10に対して、GPIBインターフェースL5を介して、ウェーハの供給、移動、及び排出を制御する。また、PC30は、半導体装置のサイズに応じて半導体装置を複数の領域に分割し、分割した複数の領域に対応してカメラ40に撮像させる検査位置に、ウェーハを順次移動させる。なお、PC30は、カメラ40の撮像範囲を示す視野範囲と、半導体装置のサイズ(チップサイズ)に基づいて、複数の領域に分割する分割数を定める。つまり、PC30は、カメラ40の撮像範囲とチップサイズを比較して、縦方向及び横方向に何分割すれば、適切に外観検出ができるか判定し、分割数を決定する。
PC30に実装されるハードディスクには外観検査に関する各種情報を記憶する。ここで、各種情報には、半導体装置の品種情報や各種設定情報、外観検査結果(Fail(フェイル)情報及びPass(パス)情報など)、及びマップ情報などが含まれる。ここで、「Pass」とは、良品のことであり、「Fail」とは、不良品又は欠陥品のことである。
【0026】
例えば、カメラ40の視野範囲が、横4mm(ミリメートル)×縦3mmであり、チップサイズが横6.38mm×縦5.04mmである場合、PC30は、縦方向及び横方向にそれぞれ2分割することで、適切に外観検査を行うことができると判定する。なお、分割される領域は、互いに一部分の領域が重なった状態(オーバラップした状態)に設定されてもよい。
また、PC30は、デジタル入出力ターミナル72を介して、外観コントローラ20を制御する。PC30は、上述の各検査位置における外観検査処理を外観コントローラ20に実行させる。
【0027】
なお、PC30は、複数のウェーハを有するロットを検査するごとに、当該ロット内の半導体装置から、マスタデータを取得してもよい。つまり、PC30は、検査対象となるロットごとに、作業者の指示に基づいて、外観コントローラ20に対して、カメラ40に半導体装置を撮像させて画像データを取得する。そして、PC30は、作業者の指示に基づいて、撮像した画像データの中から、良品のマスタデータとして使用する画像データを選定し、選定したマスタデータを外観コントローラ20に供給する。この場合、外観コントローラ20は、各ロット内から取得したマスタデータに基づいて、外観検査処理を実行するので、ロットごとにばらつきのあるプローブの針跡を考慮した外観検査を行うことができる。つまり、プローブの針跡のばらつきによって歩留が低下することを低減できる。
なお、電気特性を検査する製造工程(プロービングという)において、ウェーハ上の各チップは、チップの端子にプローブ(針)を接触させて検査される。ここでいう「プローブの針跡」とは、この電気特性を検査する際に、チップの端子表面に付いた針の跡を示す。
【0028】
GPIBコンバータ71は、PC30とプローバ装置10との間に配置され、PC30と接続されるUSB(Universal Serial Bus)インターフェースL4を、プローバ装置10に接続されるGPIBインターフェースL5に変換する。
【0029】
デジタル入出力ターミナル72は、例えば、絶縁型のデジタル入出力ターミナルであり、PC30と外観コントローラ20との間に配置されている。デジタル入出力ターミナル72は、PC30と接続されるUSBインターフェースL1を、外観コントローラ20に接続されるデジタル入出力信号L2に変換する。
【0030】
次に、本実施形態におけるウェーハ外観検査装置1の動作について説明する。
図2は、本実施形態におけるウェーハの外観検査を示す概念図である。
この図において、半導体装置(チップC1)は、ウェーハW1がプローバ装置10に搬送された場合に最初に検査される半導体装置である。また、経路K1は、ウェーハW1において、各半導体装置が検査される経路を示している。つまり、プローバ装置10は、経路K1にしたがって、ウェーハW1上の半導体装置の検査位置にステージ(又はウェーハ)を、順番に移動させる。
【0031】
また、チップC1は、複数の領域に分割されて外観検査される。この実施形態では、例えば、4つの領域に分割される例を示している。つまり、PC30は、プローバ装置10に、ポイントP0〜P4の検査位置にチップC1を順次移動させて、外観コントローラ20に外観検査処理を実行させる。
ポイントP0は、チップC1の中央部(中心)から外観検査する検査位置であり、主に、プロービングによる電気特性の検査において、特性不良であったことを示すバッドマーク12があるか否かを検査する。なお、バッドマーク12は、インクにより、チップC1の表面に付けられている。
【0032】
ポイントP1は、チップC1の左上部分の外観検査する検査位置であり、ガードリング部11とその内側に形成されたセル部との両方を検査する。
同様に、ポイントP2は、チップC1の左下部分の外観を、ポイントP3は、チップC1の右下部分の外観を、ポイントP4は、チップC1の右上部分の外観をそれぞれ検査する検査位置である。
【0033】
PC30は、上述のように、ポイントP0〜P4の検査位置で、外観コントローラ20に外観検査処理を実行させた後、プローバ装置10に経路K1にしたがって、順次半導体装置を移動させて、外観コントローラ20に同様の外観検査処理を実行させる。
【0034】
次に、本実施形態におけるウェーハ外観検査装置1の動作を詳細に説明する。
図3は、本実施形態におけるウェーハ外観検査装置1の動作を示すフローチャートである。
この図において、まず、ウェーハ外観検査装置1は、半導体装置の品種を登録する(ステップS101)。つまり、PC30は、作業者に、検査対象のウェーハの品種、すなわち、検査条件を登録させる。この検査条件には、例えば、検査方法、ウェーハサイズ、画像センサ設定番号、及びチップサイズなどが含まれる。検査方法では、例えば、「バッドマーク12のみ」、「チップの外観のみ」、及び「バッドマーク12とチップの外観との両方」のいずれかの方法が選択される。なお、本実施形態では、「バッドマーク12とチップの外観との両方」が選択された場合について説明する。
また、ウェーハサイズでは、例えば、5インチ、6インチ、及び8インチのいずれかのウェーハが選択される。また、チップサイズは、作業者によって、検査対象となる半導体装置(チップ)のサイズがPC30に入力される。
【0035】
また、PC30は、入力されたチップサイズとカメラ40の視野範囲とに基づいて、複数の領域に分割する分割数を定め、検査条件に追加する(ここでは、4分割の例である)。PC30は、この検査条件を半導体装置の品種名と関連付けてPC30内のハードディスクに記憶させる。
【0036】
また、ステップS101では、プローバ装置10にPC30と同様に、ウェーハサイズ、チップサイズ等の品種情報が入力される。
なお、ステップS101の処理は、新しく品種を登録する場合に、実施する形態でもよく、その場合、PC30は、すでに登録されている検査条件を、検査対象の品種名に基づいて、作業者に選択させてもよい。
【0037】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、検査を実行するロットを登録する(ステップS102)。つまり、PC30は、作業者に、検査を実行するロット名を登録させる。これにより、PC30は、検査結果を管理するデータファイルをPC30内のハードディスクに作成する。また、同様に、作業者によって、プローバ装置10にロット名が登録される。
【0038】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、作業者によって、ウェーハがセットされる(ステップS103)。つまり、検査対象のウェーハがウェーハカセットにセットされ、作業者により、ウェーハカセットがプローバ装置10にセットされる。
【0039】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、ウェーハをロードする(ステップS104)。つまり、プローバ装置10は、セットされたウェーハカセットからウェーハをステージ上に搬送され、アライメントを行う。ここでアライメントとは、登録されたウェーハサイズ、チップサイズ等の品種情報に基づいて、ウェーハ上の半導体装置を認識し、ウェハの向きを調整する処理である。ウェーハ外観検査装置1は、アライメントを行った後、スタートチップ(図2のチップC1)の検査位置にウェーハを移動する。
【0040】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、マスタデータを登録する(ステップS105)。つまり、PC30は、検査モードに移行させて検査画面(図4参照)を表示し、作業者に、マスタデータを登録させる。
【0041】
図4は、本実施形態における検査モードの検査画面の一例を示す図である。
図4(a)は、検査画面の全体を示し、検査画面には、ロット登録内容M31、検査イメージM32、ロット積算カウンタM33、現在のウェーハ番号M34、及び手動運転メニューM35が表示されている。また、手動運転メニューM35には、インデックス動作ボタンM36、サブインデックス動作ボタンM37、手動操作メニューM38、及び画像登録メニューM39が表示されている。
【0042】
なお、インデックス動作とは、検査位置をチップ単位で上下左右にウェーハを移動させる機能のことである。例えば、インデックス動作ボタンM36のうち、作業者が上矢印ボタンを1回クリックした場合、PC30は、プローバ装置10に対して、現在の検査位置にあるチップの1つ上に位置するチップにおける検査位置に、ウェーハを移動させる。
【0043】
また、サブインデックス動作とは、分割される複数の領域の検査位置に、それぞれウェーハを移動させる機能のことである。例えば、サブインデックス動作ボタンM37のうち、作業者が“1”のボタンをクリックした場合、PC30は、プローバ装置10に対して、現在の検査位置にあるチップにおいて、左上の検査位置(図2のポイントP1)にウェーハを移動させる。同様に、PC30は、作業者が“2”のボタンをクリックした場合に左下の検査位置(図2のポイントP2)に、作業者が“3”のボタンをクリックした場合に右下の検査位置(図2のポイントP3)にそれぞれウェーハを移動させる。また、同様に、PC30は、作業者が“4”のボタンをクリックした場合に右上の検査位置(図2のポイントP4)に、作業者が“中心”のボタンをクリックした場合に中心の検査位置(図2のポイントP0)にそれぞれウェーハを移動させる。
【0044】
ステップS105において、マスタデータを登録する場合、作業者は、画像登録メニューM39を選択する。図4(b)は、画像登録メニューM39の表示例を示している。作業者は、インデックス動作ボタンM36及びサブインデックス動作ボタンM37を操作して、マスタデータとなる画像を選定する。つまり、PC30は、作業者の操作指示に基づいて、プローバ装置10に対して、マスタデータを取るチップの検査位置にウェーハを移動させ、外観コントローラ20を介してカメラ40に撮像させる。PC30は、カメラ40によって撮像された画像データを外観コントローラ20から取得する。この取得された画像データは、作業者によって、例えば、検査イメージM32において確認され、マスタデータとして登録する指示がされた場合に、マスタデータとして登録される。すなわち、PC30は、画像登録メニューM39における作業者の指示に基づいて、マスタデータを外観コントローラ20に記憶させる。
【0045】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、外観検査処理を実行する(ステップS106)。つまり、PC30は、プローバ装置10のウェーハカセットに格納された各ウェーハに対して、後述する外観検査処理を実行する。
【0046】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、ロット終了か否か、つまり、同一のロットに次に検査するウェーハがあるか否かを判定する(ステップS107)。つまり、PC30は、作業者にウェーハカセットに格納された全ウェーハの外観検査が終了したことを示す警告する(例えば、モニタにメッセージを表示する)。作業者は、同一のロットに次に検査するウェーハがある場合に、次に検査するウェーハを格納したウェーハカセットをプローバ装置10にセットし、外観検査処理の再開をPC30に指示する。また、作業者は、同一のロットに次に検査するウェーハがない場合(ロット終了の場合)に、外観検査の終了をPC30に指示する。これにより、PC30は、ロット終了か否かを判定し、ロット終了でないと判定した場合に、処理をステップS108に進める。また、PC30は、ロット終了であると判定した場合に、処理を終了させる。
【0047】
次に、ステップS108において、作業者によって、次に検査するウェーハを格納したウェーハカセットがプローバ装置10にセットされ、ウェーハ外観検査装置1は、ウェーハをロードする。つまり、PC30は、プローバ装置10に対して、ステップS103と同様の処理を実行させる。
【0048】
次に、PC30は、再びステップS106の処理を実行させ、1ロットにおける外観検査が完了するまで、ステップS106からステップS108までの処理を繰り返し実行させる。
【0049】
次に、ステップS106における外観検査処理について、詳細に説明する。
図5は、本実施形態における外観検査処理を示すフローチャートである。
この図において、まず、PC30は、プローバ装置10に対して、現在の検査対象のチップの中心位置に対応する検査位置(図2のポイントP0)に、ウェーハを移動させる(ステップS201)。
【0050】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、バッドマーク12を検査する(ステップS202)。つまり、PC30は、外観コントローラ20にバッドマークを検査させる。すなわち、外観コントローラ20は、カメラ40にチップの中心位置(図2のポイントP0)における画像データを撮像させて取得した画像データをマスタデータと比較してバッドマークがあるか否かを判定する。外観コントローラ20は、デジタル入出力ターミナル72を介して、この判定結果をPC30に供給する。
なお、バッドマーク12を検査する際に、PC30は、カメラ40の同軸照明を照射させて、外観コントローラ20に画像データを取得させる。
【0051】
次に、PC30は、外観コントローラ20から供給された判定結果に基づいて、検査対象のチップがFailであるか否かを判定する(ステップS203)。PC30は、検査対象のチップがFailであると判定した場合、処理をステップS217に進め、検査対象のチップがFailでない(Passである)と判定した場合、処理をステップS204に進める。
【0052】
次に、ステップS204において、PC30は、プローバ装置10に対して、現在の検査対象のチップの左上領域に対応する検査位置(図2のポイントP1)に、ウェーハを移動させる。
【0053】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、外観検査を実行する(ステップS205)。つまり、PC30は、外観コントローラ20にチップの左上領域に対応する検査位置(図2のポイントP1)の外観を検査させる。なお、PC30は、外観検査を実行する際に、カメラ40の同軸照明とマルチアングル照明50との照射方向の異なる2つの照明光を切り替えて、外観コントローラ20に2回の外観検査を実行させる。すなわち、外観コントローラ20は、まず、カメラ40の同軸照明から照明光を照射させて、カメラ40にチップの左上領域(図2のポイントP1)における画像データを撮像させる。外観コントローラ20は、カメラ40から取得した画像データをマスタデータと比較して、主にセル部分のパターンに外観不良(欠陥)があるか否かを判定する。
【0054】
次に、外観コントローラ20は、マルチアングル照明50に照明を切り替えて、マルチアングル照明50から照明光を照射させて、カメラ40にチップの左上領域(図2のポイントP1)における画像データを撮像させる。外観コントローラ20は、カメラ40から取得した画像データをマスタデータと比較して、主にガードリング部11のパターンに外観不良(欠陥)があるか否かを判定する。外観コントローラ20は、デジタル入出力ターミナル72を介して、この判定結果をPC30に供給する。
なお、ステップS205において、外観不良(欠陥)があった場合に、外観コントローラ20は、カメラ40から取得した画像データを検査対象のチップにおけるウェーハ上の位置情報と関連付けて、ハードディスク60に記憶させる。
【0055】
次に、PC30は、外観コントローラ20から供給された判定結果に基づいて、検査対象のチップがFailであるか否かを判定する(ステップS206)。PC30は、検査対象のチップがFailであると判定した場合、処理をステップS217に進め、検査対象のチップがFailでない(Passである)と判定した場合、処理をステップS207に進める。
【0056】
次に、ステップS207において、PC30は、プローバ装置10に対して、現在の検査対象のチップの左下領域に対応する検査位置(図2のポイントP2)に、ウェーハを移動させる。
【0057】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、外観検査を実行する(ステップS208)。つまり、PC30は、外観コントローラ20にチップの左下領域に対応する検査位置(図2のポイントP2)の外観を検査させる。なお、このステップS208における処理は、検査位置がチップの左下領域に対応する検査位置(図2のポイントP2)であることを除き、ステップS205の処理と同様である。
【0058】
次に、PC30は、外観コントローラ20から供給された判定結果に基づいて、検査対象のチップがFailであるか否かを判定する(ステップS209)。PC30は、検査対象のチップがFailであると判定した場合、処理をステップS217に進め、検査対象のチップがFailでない(Passである)と判定した場合、処理をステップS210に進める。
【0059】
次に、ステップS210において、PC30は、プローバ装置10に対して、現在の検査対象のチップの右下領域に対応する検査位置(図2のポイントP3)に、ウェーハを移動させる。
【0060】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、外観検査を実行する(ステップS211)。つまり、PC30は、外観コントローラ20にチップの右下領域に対応する検査位置(図2のポイントP3)の外観を検査させる。なお、このステップS211における処理は、検査位置がチップの右下領域に対応する検査位置(図2のポイントP3)であることを除き、ステップS205の処理と同様である。
【0061】
次に、PC30は、外観コントローラ20から供給された判定結果に基づいて、検査対象のチップがFailであるか否かを判定する(ステップS212)。PC30は、検査対象のチップがFailであると判定した場合、処理をステップS217に進め、検査対象のチップがFailでない(Passである)と判定した場合、処理をステップS213に進める。
【0062】
次に、ステップS213において、PC30は、プローバ装置10に対して、現在の検査対象のチップの右上領域に対応する検査位置(図2のポイントP4)に、ウェーハを移動させる。
【0063】
次に、ウェーハ外観検査装置1は、外観検査を実行する(ステップS214)。つまり、PC30は、外観コントローラ20にチップの右上領域に対応する検査位置(図2のポイントP4)の外観を検査させる。なお、このステップS214における処理は、検査位置がチップの右上領域に対応する検査位置(図2のポイントP4)であることを除き、ステップS205の処理と同様である。
【0064】
次に、PC30は、外観コントローラ20から供給された判定結果に基づいて、検査対象のチップがFailであるか否かを判定する(ステップS215)。PC30は、検査対象のチップがFailであると判定した場合、処理をステップS217に進め、検査対象のチップがFailでない(Passである)と判定した場合、処理をステップS216に進める。
【0065】
次に、ステップS216において、PC30は、Pass情報を検査対象のチップにおけるウェーハ上の位置情報と関連付けて、PC30内のハードディスクに記憶させる。
また、ステップS217において、PC30は、Fail情報を検査対象のチップにおけるウェーハ上の位置情報と関連付けて、PC30内のハードディスクに記憶させる。
なお、Pass情報及びFail情報は、図3のステップS102において作成されたデータファイルに記憶される。また、PC30は、後述するチップ分類カウンタM40(図6)とウェーハのマップデータM41(図6)とをリアルタイムに表示する。
【0066】
次に、PC30は、プローバ装置10に現在ロードされているウェーハ上に、次に検査するチップがあるか否かを判定する(ステップS218)。PC30は、次に検査するチップがあると判定した場合に、処理をステップS221に進める。また、PC30は、次に検査するチップがないと判定した場合(1枚のウェーハの検査が完了した場合)に、処理をステップS219に進める。
【0067】
次に、ステップS219において、PC30は、プローバ装置10のウェーハカセット内に次に検査するウェーハがあるか否かを判定する。PC30は、次に検査するウェーハがあると判定した場合に、処理をステップS220に進める。また、PC30は、次に検査するウェーハがないと判定した場合に、現在ロードされているウェーハをウェーハカセットに排出して、外観検査処理を終了する(処理を図3のステップS107に進める)。
【0068】
次に、ステップS220において、PC30は、次に検査するウェーハをロードする。PC30は、プローバ装置10に対して、図3のステップS103と同様の処理を実行させる。
【0069】
次に、ステップS221において、PC30は、プローバ装置10に対して、次に検査するチップの検査位置に、ウェーハを移動させる。なお、プローバ装置10は、図2の経路K1に基づいて、ウェーハを移動させる。PC30は、ウェーハを移動させた後に、処理をステップS201に戻す。
これにより、ステップS201からステップS221までの処理が、プローバ装置10にセットされた全ウェーハの外観検査を完了するまで繰り返される。
【0070】
図6は、本実施形態における外観検査の結果の一例を示す図である。
この図において、現在のウェーハ番号M34は、検査中のウェーハ番号を示し、チップ分類カウンタM40は、検査中のウェーハにおけるPass数(良品数)とFail数(不良数)を示す。なお、Fail数は、バッドマーク12と、周辺部(ガードリング部11)と、セル部とに分類されて表示される。また、マップデータM41は、検査中のウェーハにおけるマップデータを示している。このマップデータM41において、検査されたチップは、チップ分類カウンタM40と同様に分類されて表示される。
【0071】
なお、ウェーハ外観検査装置1によってFailと判定されたチップは、PC30内のハードディスクに記憶された検査結果データに基づいて、プローバ装置10などを使用してバッドマーク12を付けてもよい。また、プローバ装置10がバッドマーク12をチップに付けるインカー部を備え、ウェーハ外観検査装置1による外観検査において、Failと判定された際に、プローバ装置10によって、バッドマーク12をチップに付けてもよい。
【0072】
以上のように、本実施形態におけるウェーハ外観検査装置1は、PC30が、半導体装置のサイズに応じて半導体装置を複数の領域に分割し、プローバ装置10に対して、分割した複数の領域に対応してカメラ40に撮像させる検査位置にウェーハを順次移動させる。半導体装置のサイズに応じて、複数の領域に分割して検査するため、ウェーハ外観検査装置1は、不良の検出精度を低下させずに、外観検査を行うことができる。
【0073】
また、ウェーハ外観検査装置1は、プローバ装置10が、ウェーハを搬送し、半導体装置を検査位置に移動させ、光源部(同軸照明又はマルチアングル照明50)が、検査位置の半導体装置に照明光を照射する。また、カメラ40が、照明光を照射された半導体装置の画像を撮像し、外観コントローラ20が、カメラ40によって撮像された画像データに基づいて、半導体装置を検査する。つまり、ウェーハ外観検査装置1は、半導体装置の電気特性を検査する際に使用するプローバ装置10を使用し、安価なカメラ40と光源部とを使用する。すなわち、ウェーハ外観検査装置1は、キセノンランプや超高圧水銀ランプのようなインコヒーレンス光源、レーザ等の高価な照明光を使用せずに、半導体装置の外観検査を行うことができる。そのため、本実施形態におけるウェーハ外観検査装置1は、安価な構成により、外観検査を行うことができる。よって、本実施形態におけるウェーハ外観検査装置1は、安価な構成により、外観検査の検査精度を向上することができる。
【0074】
また、本実施形態におけるウェーハ外観検査装置1は、外観検査処理において、Failと判定されたチップの画像データをハードディスク60に記憶する。すなわち、外観コントローラ20は、外観不良(欠陥)があった場合に、カメラ40から取得した画像データを検査対象のチップにおけるウェーハ上の位置情報と関連付けて、ハードディスク60に記憶させる。
これにより、検査工程の後で、Failと判定されたチップの画像データを読み出して、Failの原因を解析することが可能になる。
【0075】
また、本実施形態におけるウェーハ外観検査装置1において、プローバ装置10は、複数のウェーハを格納したウェーハカセットをセットすることにより、複数のウェーハを自動で搬送し、連続して外観検査することができる。これにより、ウェーハ外観検査装置1は、製造効率を向上することができ、半導体装置の製造コストを低減することができる。
【0076】
なお、本実施形態によれば、ウェーハ外観検査装置1は、プローバ装置10(プローバ部)が、同一の基板に複数の半導体装置が形成されているウェーハを搬送し、半導体装置を検査位置に移動させる。光源部(同軸照明又はマルチアングル照明50)が、検査位置の半導体装置に照明光を照射する。カメラ40(カメラ部)が、照明光によって照明された半導体装置の画像を撮像する。外観コントローラ20(画像判定部)が、カメラ40によって撮像された画像データに基づいて、半導体装置を検査する。そして、PC30(制御部)が、半導体装置のサイズに応じて半導体装置を複数の領域に分割し、分割した複数の領域に対応してカメラ40に撮像させる検査位置に、ウェーハを順次移動させる。
これにより、本実施形態におけるウェーハ外観検査装置1は、安価な構成により、外観検査の検査精度を向上することができる。
【0077】
また、PC30は、カメラ40の撮像範囲を示す視野範囲と、半導体装置のサイズに基づいて、複数の領域に分割する分割数を定める。
これにより、ウェーハ外観検査装置1は、カメラ40の視野範囲によって、複数の領域に分割して外観検査を行うため、外観検査に使用する画像データの解像度、すなわち、カメラ40の撮像倍率を固定にすることができる。よって、ウェーハ外観検査装置1は、半導体装置のサイズによって、不良の検出精度が低下することを防止でき、外観検査の検査精度を向上することができる。
【0078】
また、光源部は、照射方向の異なる複数の照明光(同軸照明及びマルチアングル照明50)を有し、外観コントローラ20は、半導体装置に形成されたパターンに応じて、複数の照明光を切り替える。つまり、ウェーハ外観検査装置1では、チップの周辺部(ガードリング部11)を検査する場合には、マルチアングル照明50を使用し、チップのセル部を検査する場合には、同軸照明を使用する。
これにより、検査するパターンに応じて、適切な照明を使用するため、ウェーハ外観検査装置1は、外観検査の誤判定を低減し、検査精度を向上することができる。
【0079】
また、外観コントローラ20は、撮像された画像データと、半導体装置の正しい画像の状態を示すマスタデータとを比較し、比較した結果に基づいて、半導体装置に欠陥があるか否かを判定する。そして、外観コントローラ20は、複数のウェーハを有するロットを検査するごとに、当該ロット内の半導体装置から、マスタデータを取得する。
これにより、マスタデータとの比較により、Pass/Failを判定するため、ウェーハ外観検査装置1は、特許文献1に記載されているような複雑な欠陥検出処理を行わずに、外観検査を行うことができる。また、ウェーハ外観検査装置1は、各ロット内から取得したマスタデータに基づいて外観検査を行うので、ロットごとにばらつきのあるプローブの針跡を考慮した外観検査を行うことができる。つまり、ウェーハ外観検査装置1は、プローブの針跡のばらつきによって歩留が低下することを低減することができる。
【0080】
また、半導体装置は、製造プロセスにおけるばらつきにより、ロットごとに、形成されるパターンの幅や膜厚にばらつきが生じることがある。この場合、照明光による反射状態が変化して、撮像された画像データにおいてもばらつきが生じることがある。例えば、このようなロットごとのばらつきが生じた場合であっても、各ロット内から取得したマスタデータに基づいて外観検査を行うので、ウェーハ外観検査装置1は、歩留が低下することなく適切に外観検査を行うことができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、ウェーハ外観検査方法は、プローバ装置10が、同一の基板に複数の半導体装置が形成されているウェーハを搬送し、半導体装置を検査位置に移動させる過程と、光源部(同軸照明又はマルチアングル照明50)が、検査位置の半導体装置に照明光を照射する過程と、カメラ40が、照明光を照射された半導体装置の画像を撮像する過程と、外観コントローラ20が、カメラ40によって撮像された画像データに基づいて、半導体装置を検査する画像判定過程と、PC30が、半導体装置のサイズに応じて半導体装置を複数の領域に分割し、プローバ装置10に対して、分割した複数の領域に対応してカメラ40に撮像させる検査位置に、ウェーハを順次移動させる制御過程と、を有する。
これにより、本実施形態におけるウェーハ外観検査方法は、安価な構成により、外観検査の検査精度を向上することができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、半導体装置は、上述したウェーハ外観検査方法を使用して検査される。
これにより、半導体装置は、上述したウェーハ外観検査方法により適切に検査されるため、品質を向上することができる。また、上述したウェーハ外観検査方法は、安価な構成により自動外観検査を行うことができるため、半導体装置の製造コストを低減することができる。
【0083】
なお、本実施形態におけるウェーハ外観検査装置1及びウェーハ外観検査方法は、半導体装置をウェーハの形態で販売する場合の出荷検査や、半導体装置をウェーハの形態で購入した場合の受け入れ検査において、好適に適用することができる。
【0084】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。上記の実施形態において、検査する領域の分割数が4つの場合の形態を説明したが、チップサイズに応じて、他の分割数でもよい。また、チップサイズが、カメラ40の視野範囲より小さい場合には、検査する領域を分割しない形態でもよい。この検査する領域を分割しない場合には、バッドマーク12の検査において、照明光を切り替えて行う外観検査を行う形態でもよい。
【0085】
また、上記の実施形態において、照明光を照射方向の異なる同軸照明とマルチアングル照明50とで切り替えて使用する形態を説明したが、1つの照明光を使用する形態でもよいし、2つの照明光を組み合わせて使用する形態でもよい。また、照射方向とともに照明光の強さを変更する形態でもよい。
また、上記の実施形態において、「バッドマーク12とチップの外観との両方」が検査される形態を説明したが、「バッドマーク12のみ」、又は「チップの外観のみ」が検査される形態でもよい。
【0086】
また、上記の実施形態において、カメラ40及びマルチアングル照明50をプローバ装置10の外部に備える形態を説明したが、プローバ装置10の外部に備える形態でもよい。また、プローバ装置10は、外観コントローラ20の機能を備える形態でもよい。
また、プローバ装置10は、半導体装置の電気特性を評価又は検査する機能と上記の実施形態における外観検査を行う機能とを一台の装置において切り替えて使用できる形態でもよい。
また、上記の実施形態において、外観検査結果であるマップデータをPC30が画面に表示する形態を説明したが、例えばCSV(Comma-Separated Values)形式のファイルに出力する形態でもよい。
【0087】
上述のウェーハ外観検査装置1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した外観検査の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 ウェーハ外観検査装置
10 プローバ装置
11 ガードリング部
12 バッドマーク
20 外観コントローラ
30 パーソナルコンピュータ(PC)
40 カメラ
50 マルチアングル照明
60 ハードディスク
71 GPIBコンバータ
72 デジタル入出力ターミナル
W1 ウェーハ
C1 チップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の基板に複数の半導体装置が形成されているウェーハを搬送し、前記半導体装置を検査位置に移動させるプローバ部と、
前記検査位置の半導体装置に照明光を照射する光源部と、
前記照明光を照射された前記半導体装置の画像を撮像するカメラ部と、
前記カメラ部によって撮像された画像データに基づいて、前記半導体装置を検査する画像判定部と、
前記半導体装置のサイズに応じて前記半導体装置を複数の領域に分割し、分割した前記複数の領域に対応して前記カメラ部に撮像させる検査位置に、前記ウェーハを順次移動させる制御部と
を備えることを特徴とするウェーハ外観検査装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記カメラ部の撮像範囲を示す視野範囲と、前記半導体装置のサイズに基づいて、前記複数の領域に分割する分割数を定める
ことを特徴とする請求項1に記載のウェーハ外観検査装置。
【請求項3】
前記光源部は、照射方向の異なる複数の照明光を有し、
前記制御部は、前記半導体装置に形成されたパターンに応じて、前記複数の照明光を切り替える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウェーハ外観検査装置。
【請求項4】
前記画像判定部は、
前記撮像された画像データと、半導体装置の正しい画像の状態を示すマスタデータとを比較し、比較した結果に基づいて、半導体装置に欠陥があるか否かを判定し、
前記制御部は、
複数の前記ウェーハを有するロットを検査するごとに、当該ロット内の前記半導体装置から、前記マスタデータを取得する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のウェーハ外観検査装置。
【請求項5】
プローバ部が、同一の基板に複数の半導体装置が形成されているウェーハを搬送し、前記半導体装置を検査位置に移動させる過程と、
光源部が、前記検査位置の半導体装置に照明光を照射する過程と、
カメラ部が、前記照明光を照射された前記半導体装置の画像を撮像する過程と、
画像判定部が、前記カメラ部によって撮像された画像データに基づいて、前記半導体装置を検査する画像判定過程と、
制御部が、前記半導体装置のサイズに応じて前記半導体装置を複数の領域に分割し、前記プローバ部に対して、分割した前記複数の領域に対応して前記カメラ部に撮像させる検査位置に、前記ウェーハを順次移動させる制御過程と
を有することを特徴とするウェーハ外観検査方法。
【請求項6】
請求項5に記載のウェーハ外観検査方法を使用して検査されたことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−204703(P2012−204703A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69077(P2011−69077)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】