説明

ウエザストリップ及びその製造方法

【課題】優れた外観品質等を確保するとともに、コストの著しい低減を実現することのできるウエザストリップ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】自動車用ドアのドア開口周縁にはウエザストリップ4が装着されている。ウエザストリップ4は、断面略U字形のトリム部5及び中空状のシール部6を備えるとともに、トリム部5には意匠リップ18が延出形成されている。ここで、意匠リップ18の外表面など、ウエザストリップ4の意匠面に、ホットメルト接着層25を介して、織布で構成される加飾層26を設ける。加飾層26を構成する織布を、生糸(なまいと)により構成するとともに、加硫後、所定の温度以下に冷却された余熱に基づいてホットメルト接着層25を熱溶着させ加飾層26を取着させることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両のドア開口周縁等に用いられるウエザストリップ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両の内装材に、織布を貼り付けることで、外観品質の向上を図ることが考えられている。内装品としては、例えば車両室内の天井板等が挙げられる。
【0003】
また、車両のドア開口周縁等にはウエザストリップが設けられる。ウエザストリップとしては、例えばドア開口周縁のフランジに嵌め込まれる断面略U字状のトリム部と、該トリム部から突出して設けられた中空状のシール部とを備えるものが知られている。そして、ドア閉時には、ドアの周縁部にシール部が圧接されることによって、ドアとボディとの間がシールされる。
【0004】
近年では、天井板等の内装材以外にも、上記のようなウエザストリップの意匠面に、織布を貼ることも考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−232144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記ウエザストリップは、押出成形により成形されるのが一般的である。ここで、当該ウエザストリップがEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合)ゴム等のゴム材料からなる場合には、未加硫ゴム材料を押出成形した後、加硫工程を経ることで加硫が施される。従って、一連の押出成形に際し織布を貼ることを考えた場合、前記加硫工程の直後の未だ表面が加熱された状態において、接着層を介して織布を取着することが有効となってくる。
【0006】
しかしながら、上記熱接着を行う場合、織布が収縮を起こしてしまうことが懸念される。このため、従来では、織布を構成する素材として予め仮撚加工を経た捲縮加工糸を用いることとしていた。
【0007】
一方で、上述した織布からなる加飾層を具備するウエザストリップは、高級感を呈しうる反面、著しくコストがかかってしまう。このため、所謂高級車には用いることができるものの、コスト面での制約がある比較的安価な車両に設けることは、著しく困難であった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、優れた外観品質等を確保するとともに、コストの著しい低減を実現することのできるウエザストリップ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記問題を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0010】
手段1.ウエザストリップ本体と、
前記ウエザストリップ本体の表面にホットメルト接着層を介して取着された織布からなる加飾層とを備えたウエザストリップであって、
前記加飾層を構成する織布を、生糸(なまいと)により構成したことを特徴とするウエザストリップ。
【0011】
ここで、生糸(なまいと)とあるのは、所謂「きいと」と称されるものとは異なり、長繊維であって、かつ、仮撚加工を経ていない、紡糸したままの化学繊維、合成繊維からなるものを指す。具体的には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維のマルチフィラメントヤーン等が挙げられる。
【0012】
手段1によれば、織布からなる加飾層の存在により、所謂ファブリック感、高級感が付与されることとなり、ウエザストリップの外観品質が確保される。また、加飾層を構成する織布が生糸(なまいと)よりなるため、織布自体のコストを著しく低く抑えることができる。結果として、ウエザストリップ全体としてのコストの低減を図ることができ、コスト面での制約がある比較的安価な車両であっても設けることが可能となる。
【0013】
手段2.車両のドア開口周縁のフランジに保持される断面略U字状のトリム部と、当該トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁に圧接される中空状のシール部とを具備するウエザストリップ本体と、
前記トリム部の外表面に、ホットメルト層を介して取着された織布からなる加飾層とを備えたウエザストリップであって、
前記加飾層を構成する織布を、生糸(なまいと)により構成したことを特徴とするウエザストリップ。
【0014】
手段2によれば、断面略U字状のトリム部と中空状のシール部とを具備するウエザストリップにおいて、トリム部の外表面に取着された加飾層の存在により、上述した手段1と同様の作用効果が奏される。
【0015】
手段3.車両のドア開口周縁のフランジに保持される断面略U字状のトリム部と、当該トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁に圧接される中空状のシール部と、前記トリム部の外表面から延出形成されたリップ部とを備えたウエザストリップ本体と、
少なくとも前記リップ部の外表面に、ホットメルト接着層を介して取着された織布からなる加飾層とを備えたウエザストリップであって、
前記加飾層を構成する織布を、生糸(なまいと)により構成したことを特徴とするウエザストリップ。
【0016】
手段3によれば、断面略U字状のトリム部と、中空状のシール部と、トリム部の外表面から延出形成されたリップ部とを具備するウエザストリップにおいて、リップ部の外表面に取着された加飾層の存在により、上述した手段1と同様の作用効果が奏される。
【0017】
手段4.前記ウエザストリップ本体は、ゴム材料からなり、
前記生糸はポリエステル長繊維からなり、
前記ホットメルト接着層は、前記ゴム材料の加硫直後における余熱で前記織布を接着可能な素材よりなることを特徴とする手段1乃至3に記載のウエザストリップ。
【0018】
手段4によれば、ウエザストリップ本体を形成するゴム材料の加硫直後における余熱でホットメルト接着層が溶融し、ゴム材料からなるウエザストリップ本体に対し、ポリエステル長繊維の織布が接着され、これにより加飾層が形成される。従って、熱接着のための加熱装置等を特段設けたりする必要がなく、装置の簡素化を図ることができる。
【0019】
手段5.手段1乃至4に記載のウエザストリップの製造方法であって、
前記ウエザストリップ本体を形成するべく、未加硫EPDMゴムを押出成形する押出成形工程と、
前記押出成形された未加硫EPDMゴムを加硫する加硫工程と、
前記加硫されたEPDMゴムの所定の外表面に、前記ホットメルト接着層を介し前記織布を圧着させて、前記加硫の余熱による前記ホットメルト接着層の熱溶着により、前記織布で構成される加飾層を形成する加飾層形成工程とを備えたウエザストリップの製造方法。
【0020】
手段5によれば、押出成形工程において未加硫EPDMゴムが押出成形され、加硫工程において、押出された未加硫EPDMゴムが加硫される。そして、加飾層形成工程では、加硫されたEPDMゴムの所定の外表面に、ホットメルト接着層を介し織布が圧着させられ、前記加硫の余熱によるホットメルト接着層の熱溶着により、織布で構成される加飾層が形成される。このように、一連の押出成形における加硫の余熱でもって加飾層を形成することができる。そのため、手段4でも述べたように、熱接着のための加熱装置等を特段設けたりする必要がなく、装置の簡素化を図ることができる。
【0021】
手段6.前記加硫工程と、前記加飾層形成工程との間に、
前記加硫されたEPDMゴムの所定の外表面の温度を、所定温度以下に冷却する冷却工程を設けたことを特徴とする手段5に記載のウエザストリップの製造方法。
【0022】
各手段における織布は、仮撚加工を経ていない生糸(なまいと)よりなるため、一般的に熱収縮しやすい。このため、加硫されたEPDMゴムの所定の外表面の温度があまりにも高い場合には、織布が熱で収縮を起こしてしまい外観に悪影響を与えてしまうことが懸念される。この点、手段6によれば、加硫工程と加飾層形成工程との間に設けられた冷却工程において、前記加硫されたEPDMゴムの所定の外表面の温度が、所定温度以下に冷却される。従って、熱収縮の程度が顕著になりすぎてしまうことに起因する不具合を抑制することができる。
【0023】
手段7.前記冷却工程においては、前記加硫されたEPDMゴムの所定の外表面の温度を均一化しつつ冷却することを特徴とする手段6に記載のウエザストリップの製造方法。
【0024】
一般に、ウエザストリップ本体内部には、インサートと称される金属製の補強部材が埋設されることも多く、特にこのような場合、加硫工程を経ることで、インサート近傍の温度が極端に高いものとなってしまうことがある。この場合、加硫直後の温度が部位によって相違しやすいケースも生じうる。これに対し、手段7では、冷却工程において、前記加硫されたEPDMゴムの所定の外表面の温度が均一化されつつ冷却される。従って、熱収縮が局部的に顕著になってしまうことによる外観品質への悪影響を払拭することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、車両としての自動車1の側方にはドア2が開閉可能に設けられ、ドア2に対応するボディ側のドア開口3周縁にはウエザストリップ4が装着されている。本実施形態のウエザストリップ4は、主として押出成形法によって成形され、全体として環状をなす。
【0026】
図2に示すように、ウエザストリップ4はトリム部5及びシール部6を備えている。トリム部5は、車内側側壁部11、車外側側壁部12及び両側壁11,12を連結する連結部13を備えており、全体として断面略U字状をなす。トリム部5は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合)ソリッドゴムによって構成されており、その内部には金属製のインサート14が埋設されている。
【0027】
車外側側壁部12の内面(車内側面)にはトリム部5の内側(車内側)に向かって延びる複数の保持リップ部15が一体形成され、車内側側壁部11の内面(車外側面)にはトリム部5の内側(車外側)に向かって延びる保持リップ部16が一体形成されている。連結部13には図示しないガーニッシュ等の内装品の端部を覆う意匠リップ18が延出形成されている。意匠リップ18が本実施形態におけるリップ部に相当する。尚、内部にインサートが埋設されていなくてもよい。また、保持リップを省略し、両面接着テープによってフランジに貼着される構成としてもよい。
【0028】
また、ドア開口3周縁には、前記ボディのインナパネル21及びアウタパネル22が接合されることによりフランジ23が形成されており、このフランジ23にトリム部5が嵌め込まれることにより、ウエザストリップ4がドア開口3周縁に保持される。
【0029】
一方、シール部6は、車外側側壁部12の車外側において突出して一体に設けられ、EPDMスポンジゴムによって中空状に構成されている。そして、ドア2閉時には、シール部6がドア2の周縁に圧接されることで、ドア2と自動車1のボディとの間がシールされる。
【0030】
ウエザストリップ4の取付状態では、意匠リップ18の略先端部から基端部、さらにはトリム部5の連結部13、車外側側壁部12におけるシール部6との連接部に至る範囲の外表面は、外観に現れる意匠面D(「所定の外表面」に相当する)となる。図4の部分拡大断面図に示すように、当該意匠面Dには、シート状(フィルム状を含む)のホットメルト接着層25を介して、織布で構成される加飾層26が形成されている。なお、意匠面Dにおいては、図2,3に示すように、意匠リップ18の先端にまで織布が貼着されてなり、折返し部を含んでいる。
【0031】
本実施形態におけるホットメルト接着層25は、オレフィン系熱可塑性樹脂であるポリエチレン(PE)層と、ポリエステル系熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)層とからなる2層構造を具備している。また、このホットメルト接着層25には所定の着色が施されている。もちろん、ホットメルト接着層25に着色される色種は特に限定されるものではなく、ガーニッシュ等の内装品に合わせたどのような色であってもよい(例えば、白、赤、青、緑等)。なお、室内の内装品等が黒色系である場合、室内の内装品等と色・艶を合わせるために黒色顔料を加えて調整する場合もある。また、着色を省略してもよい。
【0032】
さらに、本実施形態における加飾層26は、例えばポリエチレンフタレート(PET)等のポリエステル長繊維製の織布で構成されている。但し、本実施形態における織布は、仮撚加工、捲縮加工を経ていない、紡糸したままの化学繊維、合成繊維からなる所謂「生糸(なまいと)」が用いられている。尚、本実施形態では、紡糸前の合成樹脂チップ中に着色剤が混入されており、織布には所定の(例えばホットメルト接着層25と同色の)着色が施されている。
【0033】
次に、上記ウエザストリップ4の製造方法について説明する。図5はウエザストリップ4の製造ラインの一部を示す模式図であり、同図中においてウエザストリップ4は左側から右方向に進みながら製造される。
【0034】
まず、押出成形工程においては、ゴム押出機31に対し、EPDM未加硫ゴムとともにインサート14が連続的に供給される。そして、EPDM未加硫ゴムによってインサート14が被覆された状態で、ゴム押出機31のダイスからウエザストリップ4の本体部となる中間成形体32(図3参照)が押出成形される。この段階では、トリム部5に対応するインサート14を埋設した部位が図3に示すように開いた状態で略平板状に押出される。
【0035】
続く、加硫工程では、押出された中間成形体32が高周波加硫槽(UHF)33に案内され、一次加硫が施される。その後、熱風加硫槽(HAV)34に案内され、二次加硫が施され、加硫が完了する。尚、熱風加硫槽(HAV)34を経た直後の加硫済EPDMゴムは、表面温度が例えば170〜180℃となっており、場所によっては、200℃を超えるケースも生じうる。そこで、本実施形態では、熱風加硫槽(HAV)34の直下流側において、冷却装置41が設けられている。当該冷却装置41は、図6(a)に示す非接触式の温度計測手段42,43、図示しない送風手段、及び、図6(b)に示す送風手段に連結されたノズル44等を備えている。本実施形態において、一方の温度計測手段42は、最もインサート14に近く、かつ高温となりうる意匠リップ18の付け根部分の温度を計測可能となっており、他方の温度計測手段43は、インサート14から遠く、さほど高温となりにくい意匠リップ18の先端部分の温度を計測可能となっている。そして、各温度計測手段42,43で計測される表面温度が、所定温度以下のほぼ一定の温度(例えば130〜150℃)となるように、送風手段の風量、ノズル44の設置数や設置個所等が予め設定されている(例えば、図6(b)に実線で示すように、意匠リップ18の付け根部分のみが積極的に冷却されるようにノズル44を設置するといった具合である)。
【0036】
これにより、加硫済EPDMゴムの意匠面Dの温度が、均一化されつつ所定温度以下に冷却される。
【0037】
その後、加飾層形成工程において、中間成形体32に加飾層26を形成する。より詳しくは、前述した生糸からなる織布にホットメルト接着層25が裏打ちされたラミネート織布35を繰り出し、加硫の直後で比較的高温となっている中間成形体32の意匠面Dに対応する部位に圧着させる。これにより、ホットメルト接着層25(のPE層)が溶融し、前記ラミネート織布35が中間成形体32に熱溶着される。当該熱溶着に際しては、意匠面Dの温度が所定温度以下となっており(例えば130℃〜150℃)、かつ、温度の均一化が図られていることから、熱収縮をほとんど起こすことなく、均等な取着を行うことができる。
【0038】
そして、加飾層形成工程を経た中間成形体32は曲げ加工機37により曲げ加工され、断面略U字状のトリム部5が形成される。その後、カッター38で所定の寸法に裁断され、ウエザストリップ4が得られる。
【0039】
以上詳述したように、本実施形態によれば、意匠リップ18の外表面など、ウエザストリップ4の意匠面Dに形成される加飾層26が織布で構成されており、所謂ファブリック調の外観とすることができ、美しい外観が得られ、風合いも優れたものとなる。
【0040】
また、加飾層26を構成する織布が生糸(なまいと)よりなるため、織布自体のコストを著しく低く抑えることができる。結果として、ウエザストリップ4全体としてのコストの低減を図ることができ、コスト面での制約がある比較的安価な車両であっても設けることが可能となる。
【0041】
さらに、一連の押出成形における加硫の余熱でもって加飾層26を形成することができる。そのため、熱接着のための加熱装置等を特段設けたりする必要がなく、装置の簡素化を図ることができる。
【0042】
また、本実施形態における織布は、仮撚加工を経ていない生糸(なまいと)よりなり、熱収縮しやすい。このため、加硫済EPDMゴムの所定の外表面の温度があまりにも高い場合には、織布が熱で収縮を起こしてしまい外観に悪影響を与えてしまうことが懸念される。この点、加硫工程と加飾層形成工程との間に設けられた冷却装置41において、前記加硫済EPDMゴムの所定の外表面の温度が、所定温度以下に冷却される。従って、熱収縮の程度が顕著になりすぎてしまうことに起因する不具合を抑制することができる。
【0043】
また特に、ウエザストリップ本体内部には、金属製のインサート14が埋設されていることもあって、加硫直後にあってはインサート14近傍の温度が極端に高くなる傾向にある。これに対し、本実施形態では、ノズル44の設置態様等を調整することで、加硫済EPDMゴムの所定の外表面の温度が均一化されつつ冷却される。従って、熱収縮が局部的に顕著になってしまうことによる外観品質への悪影響を払拭することができる。
【0044】
さらにまた、本実施形態では、ホットメルト接着層25及び加飾層26に着色が施されているため、EPDMゴムの素材色である黒色を隠すことができる。結果として、素地色の隠蔽性が高まり、色合いという面からも、美しい外観や優れた風合いを得ることができる。しかも、ホットメルト接着層25及び加飾層26を同色とすることで、素地色の隠蔽性をさらに高めることができる。
【0045】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0046】
(a)上記実施形態では、(サイドフロント)ドア2に対応するボディ側のドア開口3周縁に設けられるウエザストリップ4について具体化しているが、リヤドア、バックドア、ラッゲージドア(トランクリッド)、ルーフドア(スライディングルーフパネル)等の他のドアに対向するドアの開口周縁に設けられるウエザストリップについて適用することも可能である。
【0047】
(b)意匠リップ18を省略し、トリム部5の外表面が意匠面となるウエザストリップにおいては、トリム部5の外表面にホットメルト接着層25及び加飾層26を形成する構成としてもよい。
【0048】
(c)上記実施形態では、ウエザストリップ4を構成する素材としてEPDMを例示しているが、IR(イソプレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)等の他のゴム材料を用いてもよい。
【0049】
(d)上記実施形態では、ホットメルト接着層25を構成する素材として、PE、PETの2層構造を具備するものを例示しているが、他の樹脂材料を用いてもよい。
【0050】
(e)上記実施形態では、ウエザストリップ4がドア開口3周縁の全周にわたって取付けられているが、必ずしも全周でなくてもよく、例えば部分的に取付けられるウエザストリップであってもよい。また、部分的に型成形部を備えていても良い。
【0051】
(f)織布を構成する生糸としては、PETの外にも他の合成繊維(PE、PP、ポリアミド等)を用いることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】自動車を示す斜視図である。
【図2】一実施形態におけるウエザストリップを示す断面図である。
【図3】ウエザストリップの中間成形体を示す断面図である。
【図4】ホットメルト接着層及び加飾部を説明するための部分拡大断面図である。
【図5】ウエザストリップの製造ラインの一部を示す模式図である。
【図6】(a)は冷却装置の温度検出手段等の設置態様等を説明する模式図であり、(b)は冷却装置のノズル等の設置態様等を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0053】
1…自動車、2…ドア、3…ドア開口、4…ウエザストリップ、5…トリム部、6…シール部、18…意匠リップ、25…ホットメルト接着層、26…加飾層、32…中間成形体、35…ラミネート織布、D…意匠面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエザストリップ本体と、
前記ウエザストリップ本体の表面にホットメルト接着層を介して取着された織布からなる加飾層とを備えたウエザストリップであって、
前記加飾層を構成する織布を、生糸(なまいと)により構成したことを特徴とするウエザストリップ。
【請求項2】
車両のドア開口周縁のフランジに保持される断面略U字状のトリム部と、当該トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁に圧接される中空状のシール部とを具備するウエザストリップ本体と、
前記トリム部の外表面に、ホットメルト層を介して取着された織布からなる加飾層とを備えたウエザストリップであって、
前記加飾層を構成する織布を、生糸(なまいと)により構成したことを特徴とするウエザストリップ。
【請求項3】
車両のドア開口周縁のフランジに保持される断面略U字状のトリム部と、当該トリム部から突出して設けられ、ドア閉時にドアの周縁に圧接される中空状のシール部と、前記トリム部の外表面から延出形成されたリップ部とを備えたウエザストリップ本体と、
少なくとも前記リップ部の外表面に、ホットメルト接着層を介して取着された織布からなる加飾層とを備えたウエザストリップであって、
前記加飾層を構成する織布を、生糸(なまいと)により構成したことを特徴とするウエザストリップ。
【請求項4】
前記ウエザストリップ本体は、ゴム材料からなり、
前記生糸はポリエステル長繊維からなり、
前記ホットメルト接着層は、前記ゴム材料の加硫直後における余熱で前記織布を接着可能な素材よりなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のウエザストリップの製造方法であって、
前記ウエザストリップ本体を形成するべく、未加硫EPDMゴムを押出成形する押出成形工程と、
前記押出成形された未加硫EPDMゴムを加硫する加硫工程と、
前記加硫されたEPDMゴムの所定の外表面に、前記ホットメルト接着層を介し前記織布を圧着させて、前記加硫の余熱による前記ホットメルト接着層の熱溶着により、前記織布で構成される加飾層を形成する加飾層形成工程とを備えたウエザストリップの製造方法。
【請求項6】
前記加硫工程と、前記加飾層形成工程との間に、
前記加硫されたEPDMゴムの所定の外表面の温度を、所定温度以下に冷却する冷却工程を設けたことを特徴とする請求項5に記載のウエザストリップの製造方法。
【請求項7】
前記冷却工程においては、前記加硫されたEPDMゴムの所定の外表面の温度を均一化しつつ冷却することを特徴とする請求項6に記載のウエザストリップの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−201309(P2008−201309A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40952(P2007−40952)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】