説明

エアギャップ測定装置および方法

【課題】電動機のエアギャップ測定装置において、電動機の種類に関係なくエアギャップの偏心量および方向を精度よく計測することができるとともに、エアギャップの偏心状態のデータを基にエアギャップを調整することができる電動機のエアギャップ測定装置を提供する。
【解決手段】あらかじめモータ主軸とロータ外径の位置関係を測定しておき、ステータ内径測定装置10によりステータの内径を測定する。また、ロータ組み込み後の主軸軸心測定装置により主軸の軸心を測定することで、測定したステータ内径と軸心の位置関係よりエアギャップを算出する。さらに、ロータ回転時のエアギャップの変化も判定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機のエアギャップ偏心量を測定し、エアギャップ良否判定やエアギャップ偏心調整の可能な電動機のエアギャップ測定装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電動機では、ロータとステータ間にエアギャップが存在する。このエアギャップに偏りが生じると、電動機の運転中にその偏心量によってロータに作用する磁気吸引力が変化してロータが振動するので、効率やトルクの特性劣化、振動や雑音発生、軸受け劣化などの要因となってしまう。
【0003】
従って、電動機のエアギャップにどの程度の偏心が生じているか否かについては、常にチェックする必要がある。
特に、ロータやステータをフレーム等に組み込んだ後は、ブラケットやモータフレーム、軸受けなどの嵌合部の寸法交差や焼嵌めによるステータ変形などにより、ステータ周上や軸方向においてばらつきが生じるため、出力特性の不均一や電磁騒音の増大が発生する原因となってしまう。
【0004】
このため、特に、ロータやステータをフレーム等に組み込んだ後において、エアギャップを測定し、できるだけ均一なエアギャップを実現することが必要になる。
従来、電動機のエアギャップ偏心量を測定するものとして、一つの軸受けでロータ支持された縦型単相誘導電動機のロータリ圧縮機に対して、ロータが回転している状態の振動からエアギャップの偏心量を推定する方法が開示されている(特許文献1、2)。
【0005】
例えば、回転軸の両端部付近を軸受けで支持する電動機において、磁界を発生させる永久磁石を挟んで2つの強磁性体をヨーク表面と回転軸端部に当接させ、強磁性体とヨーク・ステータ・ロータおよび回転軸で磁気回路を形成する。その状態でヨーク表面に当接した強磁性体をヨーク周辺に回転させ、回転軸につけたホール素子で磁束密度を測定し、予め計測したエアギャップと磁束密度の相関データからエアギャップを求める発明が開示されている(特許文献1)
そのほか、事前にエアギャップの偏心量と偏心方向の分かっている電動機において、低速回転時の振動を計測し、エアギャップ偏心量と振動との相関関係を求めておく。そしてその相関関係に基づいて、計測振動値からエアギャップ偏心量を求める。偏心方向は、エアギャップの狭い方向に不平衡磁気吸引力が大きく働くことから、電動機軸方向の水平断面の直角2方向の振動波形を計測し、振動波形のDC変化成分よりエアギャップの偏心方向を推定する発明が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−295903号公報
【特許文献2】特開2010−4644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来のエアギャップ測定装置には、以下のような課題があった。
特許文献1では、電動機の種類として、フレーム表面が凹凸状の冷却フィン形状の三相誘導電動機や同期電動機である場合には、フレームを介して磁気回路を形成することができない。特に、固定子はフレームに圧入固定されるため、フレームと固定子の当接部が不均一(空隙の場合もある)になってしまう。そのため、組み立てた状態の磁気回路による磁束密度がばらついてしまい、磁束密度の相関データから正確なエアギャップを求めることができない。
【0008】
特許文献2では、電動機の種類が回転軸の両端部付近を軸受けで支持する三相誘導電動機である場合には、軸受けにより回転軸が拘束される。そのため、不平衡磁気吸引力による振動が検出できず、エアギャップ偏心量と振動との相関関係を求めることができず、正確なエアギャップ量を測定することが困難である。
【0009】
つまり、特許文献1および2では、いずれもステータにロータを組み込んだ後の状態のエアギャップを求めるという点では共通する。しかし、いずれも被測定対象となる電動機の種類によっては、正確なエアギャップを測定できず、また、ロータが回転する間のエアギャップの変化も分からないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決するために、様々な種類の電動機のエアギャップの偏心量および方向について、ロータ回転時のエアギャップの変化も判定したうえで、精度よく測定することができるエアギャップ測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明によれば、ステータと、該ステータとの間でエアギャップを有するように組み込まれたロータおよび主軸とから構成される電動機の該エアギャップを測定するエアギャップ測定装置であって、前記ステータの内径を計測するステータ内径計測手段と、前記ロータの外径を計測するロータ外径計測手段と、前記ステータに組み込まれた後の前記ロータおよび前記主軸の位置を計測するロータ位置計測手段とを備えており、前記ステータ内径計測手段で計測された前記ステータの内径と、前記ロータ外径計測手段で計測された前記ロータの外径と、前記ロータ位置計測手段で計測された前記ロータおよび前記主軸の位置とから、前記ロータの回転時のエアギャップの変化を算出するエアギャップ算出手段を備えることを特徴とするエアギャップ測定装置とする。
【0012】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記エアギャップ算出手段では、前記ロータの任意の回転角度ごとにエアギャップの最大値および最小値ならびにそれらの差異を求めることにより、エアギャップの変化を算出することを特徴とするエアギャップ測定装置とする。
【0013】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記ロータ位置計測手段で計測された前記ロータおよび前記主軸の位置が、前記ロータの外径位置ならびに前記主軸の水平および垂直位置であることを特徴とするエアギャップ測定装置とする。
【0014】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記エアギャップ算出手段で算出されたエアギャップの変化を表示するエアギャップ表示手段を備えることを特徴とするエアギャップ測定装置とする。
【0015】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記ステータ内径計測手段が、 頂部に前記ステータに当接して前記ステータの内径を計測する内径計測センサを有し、基部に該内径計測センサを移動させる駆動部を有するアームであることを特徴とするエアギャップ測定装置とする。
【0016】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記ロータ外径計測手段が、頂部に前記ロータの外径に当接して前記ロータの外径を計測する外径計測センサを有し、基部に該外径計測センサを移動させる駆動部を有するアームであることを特徴とするエアギャップ測定装置とする。
【0017】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記ロータ位置計測手段が、頂部に前記主軸と軸方向に対向して設けられ、該対向面が円錐形状であって、その頂点が前記主軸の軸心位置に当接する棒状の軸心軸を有し、基部に該軸心軸を移動させる支持部を有する軸心位置決め手段と、頂部に水平および垂直方向から前記主軸に当接して前記主軸の水平および垂直位置を計測する水平および垂直位置計測センサを有し、基部に該水平および垂直位置計測センサを移動させる駆動部を有する軸位置計測手段とから構成されていることを特徴とするエアギャップ測定装置とする。
【0018】
また、本発明によれば、上記の構成において、前記ロータの位置を調整する調整手段を備えていることを特徴とするエアギャップ測定装置とする。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記調整手段として、前記軸位置計測手段を前記主軸へ当接させて前記主軸を移動させることにより、前記ロータの位置の調整を行うことを特徴とするエアギャップ測定装置とする。
【0019】
また、前記の目的を達成するために、本発明によれば、ステータと、該ステータとの間でエアギャップを有するように組み込まれたロータおよび主軸とから構成される電動機の該エアギャップを測定するエアギャップ測定方法であって、前記ステータの内径を計測するステップと、前記ロータの外径を計測するステップと、前記ステータに組み込まれた後の前記ロータおよび前記主軸の位置を計測するステップとを行い、前記ステータの内径を計測するステップで計測された前記ステータの内径と、前記ロータの外径を計測するステップで計測された前記ロータの外径と、 前記ロータおよび前記主軸の位置を計測するステップで計測された前記ロータおよび前記主軸の位置とから前記ロータの回転時のエアギャップの変化を算出するステップを行うエアギャップ測定方法とする。
【0020】
また、本発明によれば、上記の方法において、前記ロータの任意の回転角度ごとにエアギャップの最大値および最小値ならびにそれらの差異を求めて、エアギャップの変化を算出することを特徴とするエアギャップ測定方法とする。
【0021】
また、本発明によれば、上記の方法において、前記ステータに組み込まれた後の前記ロータおよび前記主軸の位置を計測するステップで計測された前記ロータおよび前記主軸の位置が、前記ロータの外径位置ならびに前記主軸の水平および垂直位置であることを特徴とするエアギャップ測定方法とする。
【0022】
また、本発明によれば、上記の方法において、算出されたエアギャップの変化を表示することを特徴とするエアギャップ測定方法。
また、本発明によれば、上記の方法において、前記主軸の位置を移動させることにより、前記ステータおよび前記ロータの位置を調整することを特徴とするエアギャップ測定方法とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、様々な種類の電動機のエアギャップ偏心量および方向について、ロータ回転時のエアギャップの変化も判定したうえで、精度よく測定できるエアギャップ測定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施例の被計測体となる三相誘導電動機の構成を示す断面図である。
【図2】本実施例の被計測体となる三相誘導電動機の構成を示す側面図である。
【図3】本実施例に係るエアギャップ測定装置のステータ内径計測手段等の構成を示す平面図である。
【図4】本実施例に係るエアギャップ測定装置のステータ内径計測手段等の構成を示すA−A線断面図である。
【図5】本実施例に係るエアギャップ測定装置のステータ内径計測手段等の構成を示すB−B線断面図である。
【図6】本実施例に係るエアギャップ測定装置のロータ外径計測手段の構成を示す正面図である。
【図7】本実施例に係るエアギャップ測定装置のロータ外径計測手段の構成を示す側面図である。
【図8】本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段等の構成を示す図である。
【図9】本実施例に係るエアギャップ測定装置の電動機が組み込まれた状態におけるステータ内径計測手段等の動作を示す平面図1である。
【図10】本実施例に係るエアギャップ測定装置の電動機が組み込まれた状態におけるステータ内径計測手段等の動作を示す平面図2である。
【図11】本実施例に係るエアギャップ測定装置の電動機が組み込まれた状態におけるステータ内径計測手段等の動作を示すC−C線断面図である。
【図12】本実施例に係るエアギャップ測定装置のロータ外径の計測の手順を示すフローチャートである。
【図13】本実施例に係るエアギャップ測定装置のステータ内径等の計測の手順を示すフローチャートである。
【図14】本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段で行われるエアギャップの演算方法を示す図である。
【図15】本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ表示手段で表示されるエアギャップ量の表示を示す図である。
【図16】本実施例に係るエアギャップ測定装置の変形例を示す図である。
【図17】本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段で行われるロータ回転時のエアギャップの変化の演算方法を示す図である。
【図18】本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段で行われるロータ回転時のエアギャップの変化の演算方法を示すフローチャートである。
【図19】本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ表示手段で表示されるロータ回転時のエアギャップ量の変化の表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施の一形態について説明する。ただし、以下の記載は、あくまでも本発明の例示であり、これに限定されるものではない。つまり、当分野で通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想内で多くの変形実施を行うことが可能である。
【実施例】
【0026】
<電動機の構成:図1および図2>
最初に、図1および図2により、本実施例の被計測体となる電動機の構成を説明する。
図1は、本実施例の被計測体となる三相誘導電動機の構成を示す断面図である。図2は、その側面図である。1はエアギャップ、2はロータ、3はステータ、4は電動機フレーム、5は主軸、5a・bは主軸端部、6a・bは軸受、7a・bはブラケット、8は円錐孔である。
【0027】
図1のとおり、電動機は主にロータ2とステータ3から構成されている。ロータ2とステータ3との間には、円筒状の空隙としてエアギャップ1が形成されている。ロータ2は、主軸5と焼嵌めにより一体固定されている。ステータ3は電動機フレーム4に焼嵌め固定されている。主軸5は、その両端部5a、bを軸受6a、bで支持されている。軸受6a、bはブラケット7a、bに固定されている。ブラケット7a、bは、電動機フレーム4のインロー加工部にボルト(図示しない)で固定されている。
【0028】
なお、主軸端部5bの端面には、後述する軸心の位置決めで使用する円錐孔8が形成されている。また、主軸端部5aの端面には、後述するロータ外径計測時に使用されるキー溝34が形成されているが、図1および図2では図示していない。
【0029】
図2のとおり、側面から見ると、円形状のブラケット7bの内周側には主軸端部5bが配置されている。主軸端部5bの中心付近には、上述の円錐孔8が形成されている。
以上が、本実施例の被計測体となる電動機の構成の説明である。この電動機におけるエアギャップが、以下のエアギャップ測定装置によって測定される。
【0030】
<エアギャップ測定装置のステータ内径計測手段等の構成:図3>
本実施例のエアギャップ測定装置は、主に、図3〜5のステータ内径計測手段等、図6〜7のロータ外径計測手段、図8のエアギャップ算出手段などから構成されている。
【0031】
先ず、図3〜5により、本実施例のエアギャップ測定装置のステータ内径計測手段等の構成を説明する。
図3は、本実施例に係るエアギャップ測定装置のステータ内径計測手段等の構成を示す平面図である。図4は、そのA−A線断面図である。図5は、そのB−B線断面図である。9は基準支持台、10はステータ内径計測手段、11は 内径計測センサ、12は回転駆動軸、13は回転ハンドル、14は出力ケーブル、15はロータ軸受、16はすべり軸受、17はフレーム支持手段、18はフレーム取付台、19はフレーム移動装置、20は軸垂直位置計測手段、21a、bは軸垂直計測センサ、22a、bは軸垂直支持部、23a、bは軸垂直駆動装置、24は軸水平位置計測手段、25a、bは軸水平計測センサ、26a、bは軸水平支持部、27a、bは軸水平駆動装置、28は軸心位置決め手段、29は軸心軸、30は軸心位置駆動装置、31は軸心軸支持装置、39は軸受支持部である。
【0032】
図3のとおり、基準支持台9は、長方形状であり、測定基準となる平面度1/100以下として形成されている。
基準支持台9上には、ステータ3の内径を計測するステータ内径計測手段10、電動機フレーム4を固定するフレーム支持手段17、電動機の主軸5の垂直方向の位置を計測する軸垂直位置計測手段20、電動機の主軸5の水平方向の位置を計測する軸水平位置計測手段24、電動機の主軸5の軸心位置を計測する軸心位置決め手段28が配置されている。
【0033】
図3では、基準支持台9の長手方向の中央から一方側にステータ内径計測手段10、反対側にフレーム支持手段17、軸垂直位置計測手段20、軸水平位置計測手段24、軸心位置決め手段28が配置されている。
【0034】
また、軸垂直位置計測手段20、軸水平位置計測手段24および軸心位置決め手段28が、ステータ3に組み込まれた後のロータ2および主軸5の位置を計測するロータ位置計測手段である。
【0035】
<ステータ内径計測手段10の構成:図3〜4>
ステータ内径計測手段10は、軸受支持部39、ローラ軸受15、すべり軸受16、回転駆動軸12、回転ハンドル13、出力ケーブル14、内径計測センサ11とから構成されている。
【0036】
基準支持台9上には、軸受支持部39が2つ配置されている。このうち中央側に配置された軸受支持部39の先端部には、ローラ軸受15が支持されている。一方、外側に配置された軸受支持部39の先端部には、すべり軸受16が支持されている。
【0037】
そして、ローラ軸受15およびすべり軸受16により、回転駆動軸12が支持されている。回転駆動軸12は、一方の端部に内径計測センサ11、もう一方の端部に回転ハンドル13が設けられている。内径計測センサ11には出力ケーブル14が接続されている。出力ケーブル14は、回転駆動軸12の内部を貫通して、回転ハンドル13側から外部に引き出されており、最終的にはエアギャップ算出手段40(後述)に接続されている。
【0038】
<フレーム支持手段17の構成:図3〜4>
フレーム支持手段17は、フレーム取付台18およびフレーム移動装置19から構成されている。
【0039】
基準支持台9上には、フレーム移動装置19が配置されている。フレーム移動装置19の上にはフレーム支持手段17が支持されている。フレーム移動装置19は、フレーム支持手段17を垂直・水平方向および水平回転方向へ移動させることができる。そして、フレーム支持手段17の上には、電動機が固定される。その際、電動機はボルトやチャック等(図示しない)によりフレーム支持手段17に固定される。
【0040】
<軸垂直位置計測手段20の構成:図3〜4>
軸垂直位置計測手段20は、軸垂直計測センサ21a・b、軸垂直支持部22a・b、軸垂直駆動装置23a・bから構成されている。
【0041】
基準支持台9上には、軸垂直駆動装置23a・bが互いに平行に配置されている。軸垂直駆動装置23a・bは、短手方向に自在に移動可能である。軸垂直駆動装置23a・bの先端部には、それぞれ軸垂直計測センサ21a・bおよび軸垂直支持部22a・bが設けられている。軸垂直計測センサ21a・bおよび軸垂直支持部22a・bは、伸長自在である。
【0042】
<軸水平位置計測手段24の構成:図3および図5>
軸水平位置計測手段24は、軸水平計測センサ25a、b、軸水平支持部26a、b、軸水平駆動装置27a、bから構成されている。
【0043】
基準支持台9上には、軸水平駆動装置27a、bが互いに平行に配置されている。軸水平駆動装置27a、bは、長手方向に自在に移動可能である。軸水平駆動装置27a、bの先端部には、それぞれ軸水平計測センサ25a、bおよび軸水平支持部26a、bが設けられている。軸水平計測センサ25a、bおよび軸水平支持部26a、bは、伸長自在である。
【0044】
<軸心位置決め手段28の構成:図3〜4>
軸心位置決め手段28は、軸心軸29、軸心位置駆動装置30、軸心軸支持装置31から構成されている。
【0045】
基準支持台9上には、軸心軸支持装置31が配置されている。軸心軸支持装置31は、短手方向に自在に移動可能である。軸心軸支持装置31の上には、軸心位置駆動装置30が設けられている。軸心位置駆動装置30の上には、軸心軸29が支持されている。軸心位置駆動装置30は、軸心軸29を図3の長手方向に自在に移動させることができる。軸心軸29の先端は、円錐形状となっており、電動機の主軸5の円錐孔8と当接することができる。
【0046】
<ステータ内径計測手段等の構成について(その他)>
上述した内径計測センサ11、軸垂直計測センサ21a、b、軸水平計測センサ25a、bは、カンチレバー式やバネ加圧式の電気マイクロメータや、板バネにひずみゲージを貼り付けてひずみの変化量から計測を行う変位センサである。各センサの出力ケーブルや指示計は図示していないが、各センサの出力ケーブルは、エアギャップ算出手段40(後述)に接続されている。
【0047】
また、以上の構成において、ステータ内径計測手段10の回転駆動軸12は、真円度および撓み量が1/100mm以下の精度で構成されている。そのため、回転駆動軸12は、基準支持台9に対して、ロータ軸受15およびすべり軸受16により水平に保たれているだけでなく、回転による軸偏心量は、1/100以下になっている。
【0048】
軸水平計測手段24の軸水平駆動装置27a・bは、回転駆動軸12に対して平行移動を行い、さらに直角に移動するようになっている。なお、後述するエアギャップ算出手段40には、軸水平計測センサ25a・bが移動した後の回転駆動軸12の軸心までの距離が算出できるように、軸水平駆動装置27a・bと回転駆動軸12との位置寸法が予め保存されている。
【0049】
<エアギャップ測定装置のロータ外径計測手段32の構成:図6〜7>
次に、図6〜7により、本実施例のエアギャップ測定装置のロータ外径計測手段32の構成を説明する。図6は、本実施例に係るエアギャップ測定装置のロータ外径計測手段32の構成を示す正面図である。図7は、その側面図である。33は基準台、34はキー溝、35は軸径計測センサ、36は外径計測センサ、37は電動ローラ、38は電動ローラ支持部である。
【0050】
ロータ外径計測手段32は、基準台33、軸径計測センサ35、外径計測センサ36、電動ローラ37、電動ローラ支持部38から構成されている。なお、ここでは、ロータ外径計測手段32に既に電動機が組み込まれた状態が示されている。
【0051】
基準台33は、基準支持台9と同様、長方形状であり、測定基準となる平面度1/100以下として形成されている。なお、基準台33と基準支持台9とは、一体でもよいし、分離していてもよい。
【0052】
基準台33上に、電動ローラ支持部38が長手方向に一対配置されている。そして、それらの一対の電動ローラ支持部38の間に、外径計測センサ36が配置されている。一対の電動ローラ支持部38のそれぞれの外側には、一対の軸径計測センサ35がそれぞれ配置されている。
【0053】
軸径計測センサ35は、ロータ2の主軸5の外径を計測するものである。外径計測センサ36は、ロータ2の外径を計測するものであり、非接触式または接触式変位計によるものである。なお、ここでは、各センサは駆動手段も備えた一体型であるが、それに限定される必要はない。
【0054】
ここで、電動ローラ支持部38は基準台33に固定されている。それに対し、外形計測センサ36は、図6の長手方向に自在に移動可能である。また、軸径計測センサ35は、図6の長手方向および基準台33の平面に対する垂直方向に自在に移動可能である。
【0055】
一対の電動ローラ支持部38の先端には、それぞれ電動ローラ37が設けられている。電動ローラ37には、ロータ2の主軸5の主軸端部5a・bが支持および回転される。なお、主軸端部5aのキー溝34は、外径計測時において測定基準(目印)として使用されるが、この点は後述する。
【0056】
<エアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段等の構成:図8>
続けて、図8により、本実施例のエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段等の構成を説明する。図8は、本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段等の構成を示す図である。40はエアギャップ算出手段、41はエアギャップ表示手段、42は駆動制御手段、43はロータ外径演算手段である。
【0057】
エアギャップ算出手段40には、内径計測センサ11、軸垂直計測センサ21a・b、軸水平計測センサ25a・bの各センサ(図3〜5のステータ内径計測手段等に係るセンサ)が接続されている。
【0058】
このため、エアギャップ算出手段40において、図3〜5の各センサの計測結果を保存することができる。なお、エアギャップ算出手段40には、図3〜5の各センサと基準支持台9との位置関係が予め保存されている。
【0059】
また、エアギャップ算出手段40には、ロータ外径演算手段43が接続されている。そして、ロータ外径演算手段43には、軸径計測センサ35および外径計測センサ36(図6〜7)が接続されている。ロータ外径演算手段43において、図6〜7の各センサの計測結果を保存することができる。なお、ロータ外径演算手段43には、図6〜7の各センサと基準台33との位置関係が予め保存されている。
【0060】
このため、エアギャップ算出手段40では、ロータ外径演算手段43を通じて、各センサ(図6〜7のロータ外径計測手段に係るセンサ)の計測結果をを保存することができる。
【0061】
さらに、エアギャップ算出手段40には、駆動制御手段42が接続されている。駆動制御手段42には、ステータ内径計測手段10等の各駆動装置(フレーム移動装置19、軸垂直駆動装置23a・b、軸水平駆動装置27a、bなど)およびロータ外径計測手段32の各駆動装置(電動ローラ37など)が接続されている。また、駆動制御手段42は、ロータ外径演算手段43とも接続されている。
【0062】
そのため、駆動制御手段42では、エアギャップ算出手段40およびロータ外径演算手段43からのデータに基づいて、各駆動装置へ駆動制御信号を送ることにより、各駆動装置の駆動を制御することができる。
【0063】
そして、エアギャップ算出手段41は、エアギャップ表示手段41と接続されている。エアギャップ表示手段41では、エアギャップ算出手段40で演算されたエアギャップ量などを表示する。このエアギャップ量などの演算〜表示の手順の詳細は、後述する動作やフローチャートで説明する。
【0064】
<エアギャップ測定装置のロータ外径計測手段32の動作:図6〜8>
本実施例のエアギャップ測定装置の動作を説明する。最初に、図6〜8によりロータ外径計測手段の動作を説明する。次に、図8〜11によりステータ内径計測手段等の動作を説明する。そして、図12〜13により、エアギャップ量等の演算〜表示の手順をフローチャートにより説明する。
【0065】
図6〜8は、既に説明したとおり、本実施例に係るエアギャップ測定装置のロータ外径計測手段32および電動機を組み込んだ状態を示す正面図および側面図、そして、エアギャップ算出手段40等の構成を示す図である。
【0066】
ロータ外径計測手段32において、ロータ2の主軸5が、電動ローラ支持部38に支持された電動ローラ37に組み込まれている。このとき、一方側の軸径計測センサ35で基準台33からロータ2の主軸5の下部と上部の高さを計測する。そして、軸径計測センサ35に接続されたロータ外径演算手段43において、この計測結果からロータ2の主軸5の軸心高さおよび外形寸法を演算して、保存する。
【0067】
同様の方法により、ロータ2の主軸5の反対側の軸心高さを計測し、ロータ外径演算手段43で演算、保存する。そして、ロータ外径演算手段43でそれらの両軸心高さの差を演算して、その演算結果を駆動制御手段42へ入力する。その後、駆動制御手段42からの信号により、両軸心の高さの寸法差に応じた距離だけ電動ローラ支持部38を上下移動させて、ロータ2の主軸5の両端の軸心高さを一致させる(=イ)。
【0068】
軸心高さを一致させた後、駆動制御手段42は、外径計測センサ36をロータ2の下部に移動させる。そして、電動ローラ37をロータ2の主軸5のキー溝34を基準に360度回転させて、連続または適宜の角度ごとに基準台33からロータ2の外周までの高さを計測する。計測した高さ寸法は、ロータ外径演算手段43に保存される。
【0069】
さらに、適宜のロータ外面の軸方向の複数個所で、基準台33から外周までの高さを計測して、ロータ外径演算手段43に保存する。
計測終了後、ロータ外径演算手段43では、ロータ2の外周高さの360度周上データの平均距離、つまり、基準台33からロータ2の外周までの高さの外面の複数個所を含んだ平均距離(=ロ)を演算して、保存する。
【0070】
そして、(イ)軸心高さ寸法、および(ロ)外周の高さ寸法(平均距離)の数値から、軸心から外周までの距離(=ハ)を演算する。
演算後、ロータ外径演算手段43では、ロータ2に関する寸法データ(=(イ)軸心高さ寸法、(ロ)外周の高さ寸法、(ハ)軸心から外周までの距離)を、エアギャップ算出手段40へ送信する。この寸法データは、エアギャップ算出手段40で保存される。
【0071】
なお、ロータ外径計測手段32の動作の詳細は、後述するフローチャートでも説明する。
<エアギャップ測定装置のステータ内径計測手段等の動作:図9〜11>
次に、本実施例に係るエアギャップ測定装置の電動機が組み込まれた状態におけるステータ内径計測手段等の動作を、図9〜11により説明する。
【0072】
図9は、本実施例に係るエアギャップ測定装置の電動機が組み込まれた状態におけるステータ内径計測手段等の動作を示す平面図である。図10はその平面図2である。図11はそのC−C線断面図である。なお、図9では、電動機フレーム4およびステータ3は断面図で示している。
【0073】
最初に、図9により、被計測対象の電動機フレーム4およびステータ3を組み込み、ステータ3の内径を計測する動作を説明する。
先ず、電動機フレーム4およびステータ3が、フレーム取付台18に組み込まれて固定される。次に、内径計測手段10の内径計測センサ11を、組み込まれたステータ3の軸心位置決め手段28側の端部(内径計測センサ11からみた奥側)まで移動させる。そして、回転ハンドル13で回転駆動軸12を回転させて、内径計測センサ11により、ステータ3の上下・左右の寸法を計測する。
【0074】
計測結果は、出力ケーブル14を通じて、エアギャップ算出手段40に保存される。エアギャップ算出手段40では、この計測結果に基づいて、ステータ3の軸心位置を演算する。そして、その演算結果により、エアギャップ算出手段40から駆動制御手段42へ信号を送る。駆動制御手段42では、受信した信号に基づいて、フレーム移動装置19を移動させて、ステータ3の軸心位置と、回転駆動軸12の軸心位置とを一致させる。
【0075】
なお、この動作は、回転駆動軸12の軸心位置が、ステータ3の軸心位置からずれていると、内径計測センサ11の計測範囲外となってステータ3の内径が計測できなくなるため、その防止として行う動作である。従って、内径計測センサ11の計測範囲が十分に広く、広範囲まで計測可能な場合には、ステータ3の軸心位置と回転駆動軸12の軸心位置を一致させるこの動作は必要ではない。
【0076】
その後、内径計測センサ11をステータ3の適宜の軸方向位置に移動させる。そして、回転ハンドル13で回転駆動軸12を回転させて、内径計測センサ11によりステータ3の内径寸法(360度)を計測する。計測されたステータ3の内径寸法データは、出力ケーブル14を通じてエアギャップ算出手段40へ送られて、保存される。
【0077】
次に、図10により、被計測対象のロータ2および主軸5を組み込み、ロータ2の計測を行う動作を説明する。
最初に、ロータ2および主軸5をフレーム取付台18に組み込んで固定する。次に、軸心位置決め手段28の軸心位置駆動装置30および軸心軸支持装置31により、軸心軸29の先端部をロータ2の主軸5の円錐孔8に当接させる。これにより、軸心位置決め手段28の軸心軸29と、ロータ2の主軸5の軸心位置を一致させる。
【0078】
続いて、ロータ2の主軸5の垂直位置を計測する。
先ず、軸垂直位置計測手段20の一方側の軸垂直駆動装置23bにより、軸垂直計測センサ21bを、軸心軸29の下方に移動させる。そして、軸垂直計測センサ21bを軸心軸29に当接させて、基準支持台9から軸心軸29の下部までの高さ寸法を計測する。この計測結果は、エアギャップ算出手段40へ送られて保存される。
【0079】
エアギャップ算出手段40では、この計測結果と、予め保存された軸心軸29の外径寸法とから、軸垂直位置計測手段20側の軸心高さを算出する。
さらに、反対側の軸垂直駆動装置23aにより、軸垂直計測センサ21aをロータ2の主軸端部5aの下方に移動させる。さらに、軸垂直計測センサ21aを主軸端部5aに当接させて、基準支持台9から主軸5の下部までの高さ寸法を計測する。この計測結果は、エアギャップ算出手段40へ送られて保存される。
【0080】
エアギャップ算出手段40では、この計測結果と、ロータ外径計測手段20で計測したロータ2の主軸5の外径寸法とから、反対側の軸心高さを算出する。
同様の方法で、ロータ2の主軸5の水平位置を計測する。
【0081】
先ず、軸水平位置計測手段24の一方側の軸水平駆動装置27bにより、軸水平計測センサ25bを、軸心軸29の横方向に移動させる。さらに、軸水平計測センサ25bを軸心軸29に当接させて、軸心軸29の水平位置を計測する。この計測結果は、エアギャップ算出手段40へ送られて保存される。
【0082】
エアギャップ算出手段40では、この計測結果と、予め保存された軸心軸29の外径寸法とから、軸垂直位置計測手段20側の軸心の水平位置を算出する。
さらに、反対側の軸水平駆動装置27aにより、軸水平計測センサ25aを、ロータ2の主軸端部5aの横方向に移動させる。さらに、軸水平計測センサ25aを主軸端部5aに当接させて、主軸5の水平位置を計測する。この計測結果は、エアギャップ算出手段40へ送られて保存される。
【0083】
エアギャップ算出手段40では、この計測結果と、ロータ外径計測手段20で計測したロータ2の主軸5の外径寸法とから、反対側の軸心の水平位置を算出する。
その後、エアギャップ算出手段40により、エアギャップ量の算出等が行われるが、詳細は、後述するフローチャートで説明する。なお、ステータ内径計測手段等の動作の詳細は、後述するフローチャートでも説明する。
【0084】
次に、軸垂直計測センサ21aおよび軸水平計測センサ25aで計測されている状態のロータ2の主軸5について、図11を用いて説明する。
図11のとおり、軸垂直計測センサ21aおよび軸水平計測センサ25aが、それぞれ主軸端部5aに当接している。これにより、各センサの計測が行われる。
【0085】
以上により、ロータ2の主軸5の垂直位置および水平位置の計測が完了する。
<本実施例に係るエアギャップ測定装置のロータ外径の計測の手順を示すフローチャートの説明:図12>
続いて、本実施例に係るエアギャップ測定装置のロータ外径の計測の手順と、ステータ内径等の計測の手順について、それぞれフローチャートを用いて説明する。
【0086】
最初に、図12を用いて、本実施例のロータ外径の計測の手順を示すフローチャートを説明する。
図12は、本実施例に係るエアギャップ測定装置のロータ外径の計測の手順を示すフローチャートである。
【0087】
S1として、ロータ2の主軸5を、ロータ外径計測手段32の電動ローラ37(電動ローラ支持部38で支持)に組み込む。
S2として、一方側のロータ2の主軸5の下部と上部の高さを、一方側の軸径計測センサ35で計測し、ロータ外径演算手段43に保存する。
【0088】
S3として、反対側のロータ2の主軸5の下部と上部の高さを、反対側の軸径計測センサ35で計測し、ロータ外径演算手段43に保存する。
S4として、ロータ外径演算手段43で、両側の主軸5の軸心高さを演算する。演算方法は、[=下部高さ+(上部高さ−下部高さ)/2]である。
【0089】
S5として、ロータ外径演算手段43で、S2およびS3で保存されたロータ2の両側の主軸5の高さデータより、両側の主軸5の軸心高さの差を演算する。
S6として、その演算結果(主軸5の両側の軸心高さの差)が、例えば0.01mmを超える場合には、S7へ進む。0.01mm以内であれば、軸心高さが一致しているものとして扱い、S8へ進む。
【0090】
S7として、主軸5の両側の軸心高さの差が例えば0.01mmを超える場合には、その軸心高さの寸法差を、ロータ外径演算手段43から駆動制御手段42に送る。そして、駆動制御手段42で、片方の電動ローラ37の高さを寸法差だけ上(下)移動させて、ロータ2の主軸5の両端の軸心高さを一致させて(=イ)、S2へ戻る。
【0091】
S8として、駆動制御手段42は、外径計測センサ36を、計測対象となるロータ2の下部に移動させる。
S9として、例えば主軸5のキー溝34を基準として、電動ローラ37を360度回転させて、外径計測センサ36により基準台33から外周までの高さを計測し、ロータ外径演算手段43に保存する。
【0092】
S10として、同様に、適宜のロータ軸方向数断面(軸方向の複数個所)で、基準台33から外周までの高さを計測し、ロータ外径演算手段43に保存する。そして、ロータ外径演算手段43において、ロータ2の外周高さの360度周上データの平均距離、つまり、基準台33からロータ2の外周までの高さの数断面を含んだ平均距離(=ロ)を求める。
【0093】
S11として、ロータ外径演算手段43に保存された軸心高さ(イ)と外周の高さ(ロ)から、軸心から外周までの距離(=ハ)を演算する。演算後、これらのロータ2に関する寸法データ(=イ、ロ、ハ)は、エアギャップ算出手段40へ送られて、そこで保存される。
【0094】
<本実施例に係るエアギャップ測定装置のステータ内径等の計測の手順を示すフローチャートの説明:図13>
次に、図13を用いて、本実施例のエアギャップ測定装置のステータ内径等の計測の手順を示すフローチャートを説明する。
【0095】
図13は、本実施例に係るエアギャップ測定装置のステータ内径等の計測の手順を示すフローチャートの説明である。
SS1として、電動機フレーム4およびステータ3をフレーム取付台18に固定する。このとき、内径計測センサ11を、組み込まれたステータ3の軸心位置決め手段28側の端部つまり、内径計測センサ11からみた奥側に移動させる。
【0096】
SS2として、ステータ3の上下・左右の内寸法を計測する。これは、回転ハンドル13で回転駆動軸12を回転させて内径計測センサ11を移動させることにより、ステータ3の上下・左右の寸法を計測する。なお、この計測結果は、出力ケーブル14を通じて、エアギャップ算出手段40に保存される。
【0097】
SS3として、ステータ3の軸心を回転駆動軸12の軸心に一致させる。このステップは具体的には次のとおりである。SS2での計測結果を保存したエアギャップ算出手段40では、計測結果から、ステータ3の軸心位置の演算を行う。その演算結果に基づき、エアギャップ算出手段40では、駆動制御手段42へ信号を送る。そして、駆動制御手段42は、受信した信号に基づいて、フレーム移動装置19を移動させて、ステータ3の軸心位置と回転駆動軸12の軸心位置とを一致させる。
【0098】
なお、このSS3のステップは、回転駆動軸12の軸心位置が、ステータ3の軸心位置からずれていると、内径計測センサ11の計測範囲外となってステータ3の内径が計測できなくなってしまうため、その防止として行う動作である。従って、内径計測センサ11の計測範囲が十分に広く、広範囲まで計測可能な場合には、ステータ3の軸心位置と回転駆動軸12の軸心位置を一致させるこのステップは必要ではない。
【0099】
SS4として、内径計測センサ11により、ステータ3の内径を計測する。このステップは具体的には次のとおりである。内径計測センサ11をステータ3の適宜の軸方向位置に移動させる。そして、回転ハンドル13で回転駆動軸12を回転させて、内径計測センサ11によりステータ3の内径寸法(360度)を計測する。
【0100】
SS5として、ステータ3の寸法、内径データをエアギャップ算出手段40で保存する。計測されたステータ3の内径寸法データは、出力ケーブル14を通じてエアギャップ算出手段40へ送られて、保存される。
【0101】
SS6として、被計測対象のロータ2および主軸5を電動機フレーム4に組み込み、ロータ2の計測を行う。ロータ2および主軸5をフレーム取付台18に組み込んで固定する。
【0102】
SS7として、軸心軸29とロータ2の主軸5の軸心を一致させる。このステップは具体的には次のとおりである。軸心位置決め手段28の軸心位置駆動装置30と軸心軸支持装置31とにより、軸心軸29の先端部をロータ2の主軸5の円錐孔8に当接させる。これにより、軸心位置決め手段28の軸心軸29と、ロータ2の主軸5の軸心位置を一致させることができる。
【0103】
SS8として、基準支持台9から軸心軸29までの高さを計測する(=A)。このステップは具体的には次のとおりである。軸垂直位置計測手段20の一方側の軸垂直駆動装置23bにより、軸垂直計測センサ21bを軸心軸29の下方に移動させる。そして、軸垂直計測センサ21bを軸心軸29に当接させて、基準支持台9から軸心軸29の下部までの高さ寸法を計測する。なお、この計測結果は、エアギャップ算出手段40へ送られて保存される。
【0104】
SS9として、A+軸心軸29の外径寸法から、この一方側の軸心高さを算出する。このステップは具体的には次のとおりである。エアギャップ算出手段40では、SS8の計測結果(A)と、予め保存された軸心軸29の外径寸法とから、軸垂直位置計測手段20側の軸心高さの算出を行う。
【0105】
SS10として、基準支持台9から主軸端部5aまでの高さを計測する(=B)。このステップは具体的には次のとおりである。反対側の軸垂直駆動装置23aで軸垂直計測センサ21aを、ロータ2の主軸端部5aの下方に移動させる。そして、軸垂直計測センサ21aを主軸端部5aに当接させて、基準支持台9から主軸5の下部までの高さ寸法を計測する(=B)。この計測結果は、エアギャップ算出手段40へ送られて保存される。
【0106】
SS11として、B+主軸端部5aの外径寸法から反対側の主軸5の軸心高さを算出する。このステップは具体的には次のとおりである。エアギャップ算出手段40では、SS10の計測結果(B)と、ロータ外径計測手段20で計測したロータ2の主軸5の外径寸法とから、反対側の軸心高さの算出を行う。
【0107】
SS12として、軸水平駆動装置27bから軸心軸29までの水平位置を計測する(=C)。このステップは具体的には次のとおりである。軸水平位置計測手段24の片方の軸水平駆動装置27bで軸水平計測センサ25bを、軸心軸29の横方向に移動させる。そして、軸水平計測センサ25bを軸心軸29に当接させて、軸心軸29の水平位置を計測する。この計測結果は、エアギャップ算出手段40へ送られて保存される。
【0108】
SS13として、C+軸心軸29の外径寸法から一方側の軸心の水平位置を算出する。このステップは具体的には次のとおりである。エアギャップ算出手段40において、SS12の計測結果と、予め保存された軸心軸29の外径寸法とから、軸垂直位置計測手段20側の軸心の水平位置を算出する。
【0109】
SS14として、軸水平駆動装置27aから主軸端部5aまでの水平位置を計測する(=D)。このステップは具体的には次のとおりである。反対側の軸水平駆動装置27aで軸水平計測センサ25aを、ロータ2の主軸端部5aの横方向に移動させる。そして、軸水平計測センサ25aを主軸端部5aに当接させて、主軸5の水平位置を計測する。この計測結果は、エアギャップ算出手段40へ送られて保存される。
【0110】
SS15として、D+主軸端部5aの外径寸法から反対側の主軸5の軸心水平位置を算出する。このステップは具体的には次のとおりである。エアギャップ算出手段40において、SS14の計測結果と、ロータ外径計測手段20で計測したロータ2の主軸5の外径寸法とから、反対側の軸心の水平位置を算出する。
【0111】
SS16として、エアギャップ算出手段40において、これまでに演算・保存されたデータからエアギャップ量を演算する。具体的には、(1)ステータ3の寸法、内径(=SS5)、(2)ロータ2軸心位置と外径(=S11)、(3)組み込み後のロータ2の軸心高さ・水平位置(回転駆動軸との相対的な位置)(=SS8〜15)である。この演算については、図14を用いて後述する。
【0112】
SS17として、エアギャップ算出手段40から、演算結果をエアギャップ表示手段41へ送る。そして、エアギャップ表示手段41では、(ア)ステータ3の内径寸法、(イ)ロータ2指定角度での外径位置、(ウ)ロータ2回転角度でのエアギャップ量を表示する。この表示については、図15を用いて後述する。
【0113】
<本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段で行われるエアギャップの演算方法:図14>
さらに、本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段で行われるエアギャップの演算方法について、図14を用いて説明する。
【0114】
図14は、本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段で行われるエアギャップの演算方法を示す図である。
上述のとおり、ロータ外径計測手段32およびステータ内径計測手段10等の計測結果はエアギャップ算出手段40へ送られて、演算・保存される。そして、それらの数値から、例えば、図14の関係が得られる。
【0115】
図14では、ステータ3の軸心位置(=i)および内径位置、ならびにロータ2の軸心位置(=ii)および外形位置が表示されており、それらの数値からエアギャップ量が演算される。
【0116】
ここで、(i)ステータセンタ(回転駆動軸の軸心)からα方向のエアギャップ量を求めるときには、(i)ステータセンタ(回転駆動軸の軸心)からのα方向に対して、ステータ内径との交点を(iii)とする。そして、エアギャップ量は、(i)(ii)(iii)の三角形の寸法から求められることになる。
【0117】
その後、エアギャップ算出手段40は、これらのデータをエアギャップ表示手段41へ送る。そして、エアギャップ表示手段41において、エアギャップ量が表示される。
<本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ表示手段で表示されるエアギャップ量の表示の説明:図15>
続けて、本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ表示手段で表示されるエアギャップ量の表示について、図15を用いて説明する。
【0118】
図15は、本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ表示手段で表示されるエアギャップ量の表示を示す図である。
上述のとおり、ロータ外径計測手段32およびステータ内径計測手段10等の計測結果に基づいてエアギャップ算出手段40で演算されたエアギャップ量は、例えば、図15として表示されることになる。
【0119】
図15では、ステータ3の内径位置、ロータ2の外径位置およびエアギャップ量を表示している。▲がロータ2の外形、●がステータ3の内径であり、それぞれの位置関係が表示されている。これにより、エアギャップ量が分かるようになる。図15では、ロータ2の偏心方向が30度方向であり、30度方向のエアギャップが狭くなっていることが分かる。
【0120】
<ロータ回転時のエアギャップの変化の演算方法の説明:図17、図18>
続いて、本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段で行われる、ロータが一回転する間のエアギャップの変化の測定について、図17〜19により説明する。
【0121】
先ず、図17および図18により、エアギャップ算出手段で行われるロータ回転時のエアギャップの変化の演算方法を説明する。
図17は、本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ算出手段で行われるロータ回転時のエアギャップの変化の演算方法を示す図である。図18は、そのフローチャートである。
【0122】
図17では、ステータ3の軸心位置および内径位置、ならびにロータ2の軸心位置および外形位置が表示されている。
ここでは、ステータ3の軸心位置に対して、組み込み後のロータ2の軸心位置がX、Y軸でRx、Ryずれている場合を例として示している。なお、ロータ2の外径計測時の角度は、キー溝の基準方向を0°とする。
【0123】
このとき、基準軸として水平を0°とし、角度10度間隔のエアギャップを求める場合にエアギャップ算出手段40が行う演算について、さらに図18のフローチャートを用いて説明する。
【0124】
図18では、ロータ2が一回転する間のエアギャップの変化の演算方法を示すフローチャートが示されている。本実施例では、この演算がエアギャップ算出手段40で行われるが、別途演算手段を設けてもよい。
【0125】
ST1として、最初は、ロータ角度をRe=0°とする。
ST2として、ロータ角度:Reを基準軸として設定する。
ST3として、ステータ角度:β=0°と設定する。
【0126】
ST4として、ロータの水平方向=0°に対して、ロータ軸心:Ro点とステータ角度β°での内径a点を結ぶ角度αを求める。算出方法は数式1として図18中に示す。
ST5として、ロータ角度αにおけるロータ外周計測距離:Rrを抽出する。なお、計測時の角度がαと一致しない場合は、α前後の計測距離の平均値を用いる。
【0127】
ST6として、ステータβ°における軸心から内周までの計測距離Srと、ロータ角度αでの計測距離Rrの差から角度β°のエアギャップ量Eg0を求める。
ST7として、β=350°のエアギャップ(Eg0〜Eg35)の算出を完了するまで、ST4〜6までを繰り返す。繰り返しに際しては、本実施例では角度10°間隔のエアギャップを求めるため、β=β+10とした上で(=ST8)、ST4〜6の繰り返しを行う。
【0128】
ST9として、ロータ角度:Reが350°となっていなければ、ST2へ戻る。戻る際には、ロータの初期角度:Re=Re+10°とした上で(=ST10)、ST2へ戻る。
【0129】
ST10として、各ロータ角度におけるエアギャップの最大・最小およびその差を求める。
ST11として、エアギャップ表示手段41に対して、後述する図19の出力を行う。
【0130】
<ロータ回転時のエアギャップの変化の表示の説明:図19>
図19により、エアギャップ表示手段で表示されるロータ回転時のエアギャップ量の変化の表示を説明する。
【0131】
図19は、本実施例に係るエアギャップ測定装置のエアギャップ表示手段で表示されるロータ回転時のエアギャップ量の変化の表示を示す図である。
上述したとおり、エアギャップ算出手段40では、ロータ2が一回転する間のエアギャップの変化の演算では、角度10°間隔でエアギャップが求められて、エアギャップ表示手段41へ送られている。
【0132】
そして、図19では、エアギャップ表示手段41による表示が示されている。ここでは、ロータ2の外径を計測したときの基準角度を0°としている。ロータ2の一回転におけるエアギャップについて、最大(□)、最小(○)およびその差(△)をロータ2の回転角度ごとに表示している。
【0133】
0°のときのエアギャップが、最大・最小の差(△)が最も大きい。また、180°のときのエアギャップが、最大・最小の差(△)が最も小さくなっている。そのため、ロータ2の回転時のエアギャップを正確に判定することができる。
【0134】
<本実施例の効果>
かくして本発明の実施例によれば、ステータの内径とロータの外径、ステータの内径軸心位置とステータへの組み込み後のロータの軸心位置の関係から、エアギャップ量を求めるようにしたことに加えて、ロータ回転時のエアギャップの変化についても演算および表示するようにしたことにより、様々な種類の電動機のエアギャップ偏心量および方向について、ロータ回転時のエアギャップの変化も判定したうえで、精度よく測定することができる。
【0135】
また、本実施例のエアギャップ測定装置によれば、機種の異なる電動機のエアギャップの偏心量および方向を精度よく計測することができるため、電動機ごとに異なるエアギャップ測定装置を使用する手間やコストを不要とすることができる。
【0136】
<実施例の変形例>
なお、内径計測手段10では、回転ハンドル13に代えて、回転駆動軸12を回転させる回転駆動装置を用いることもできる。また、回転駆動軸12を移動させる軸移動装置を設けて、回転駆動軸12および内径計測センサ11の移動を行うこともできる。
【0137】
図16により、回転駆動装置および軸移動装置を使用した場合を説明する。
図16は、本実施例に係るエアギャップ測定装置の変形例を示す図である。44は回転駆動装置、45は軸移動装置である。
【0138】
ここでは、回転ハンドル13に代えて回転駆動軸12を使用するとともに、軸駆動装置を設けている。なお、これらの装置は駆動制御手段42で駆動することができる。
そのほかの変形例としては、本実施例に係る動作をサーボモータなどを用いることにより、電動駆動による自動計測方式とすることもできる。
【0139】
また、本実施例において、エアギャップ表示手段41に表示されたエアギャップ量に基づいて、軸垂直支持部22a、bと軸水平支持部26a、bを駆動可能な構造とすることもできる。この場合には、表示されたエアギャップ量に基づいて、軸垂直支持部22a、bおよび軸水平支持部26a、bによってロータ2や主軸5を移動させることにより、エアギャップ量を調整することが可能になる。
【0140】
なお、本実施例では、横軸型の電動機を説明したが、横軸型だけでなく、縦軸型の電動機に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0141】
1 エアギャップ
2 ロータ
3 ステータ
4 電動機フレーム
5 主軸
5a、b 主軸端部
6a、b 軸受
7a、b ブラケット
8 円錐孔
9 基準支持台
10 ステータ内径計測手段
11 内径計測センサ
12 回転駆動軸
13 回転ハンドル
14 出力ケーブル
15 ロータ軸受
16 すべり軸受
17 フレーム支持手段
18 フレーム取付台
19 フレーム移動装置
20 軸垂直位置計測手段
21a、b 軸垂直計測センサ
22a、b 軸垂直支持部
23a、b 軸垂直駆動装置
24 軸水平位置計測手段
25a、b 軸水平計測センサ
26a、b 軸水平支持部
27a、b 軸水平駆動装置
28 軸心位置決め手段
29 軸心軸
30 軸心位置駆動装置
31 軸心軸支持装置
32 ロータ外径計測手段
33 基準台
34 キー溝
35 軸径計測センサ
36 外径計測センサ
37 電動ローラ
38 電動ローラ支持部
39 軸受支持部
40 エアギャップ算出手段
41 エアギャップ表示手段
42 駆動制御手段
43 軸心高さ演算手段
44 回転駆動装置
45 軸移動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、該ステータとの間でエアギャップを有するように組み込まれたロータおよび主軸とから構成される電動機の該エアギャップを測定するエアギャップ測定装置であって、
前記ステータの内径を計測するステータ内径計測手段と、
前記ロータの外径を計測するロータ外径計測手段と、
前記ステータに組み込まれた後の前記ロータおよび前記主軸の位置を計測するロータ位置計測手段とを備えており、
前記ステータ内径計測手段で計測された前記ステータの内径と、
前記ロータ外径計測手段で計測された前記ロータの外径と、
前記ロータ位置計測手段で計測された前記ロータおよび前記主軸の位置とから、前記ロータの回転時のエアギャップの変化を算出するエアギャップ算出手段を備えることを特徴とするエアギャップ測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエアギャップ測定装置において、
前記エアギャップ算出手段では、
前記ロータの任意の回転角度ごとにエアギャップの最大値および最小値ならびにそれらの差異を求めることにより、エアギャップの変化を算出することを特徴とするエアギャップ測定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエアギャップ測定装置において、
前記ロータ位置計測手段で計測された前記ロータおよび前記主軸の位置が、前記ロータの外径位置ならびに前記主軸の水平および垂直位置であることを特徴とするエアギャップ測定装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエアギャップ測定装置において、
前記エアギャップ算出手段で算出されたエアギャップの変化を表示するエアギャップ表示手段を備えることを特徴とするエアギャップ測定装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエアギャップ測定装置において、
前記ステータ内径計測手段が、
頂部に前記ステータに当接して前記ステータの内径を計測する内径計測センサを有し、
基部に該内径計測センサを移動させる駆動部を有するアームであることを特徴とするエアギャップ測定装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のエアギャップ測定装置において、
前記ロータ外径計測手段が、
頂部に前記ロータの外径に当接して前記ロータの外径を計測する外径計測センサを有し、
基部に該外径計測センサを移動させる駆動部を有するアームであることを特徴とするエアギャップ測定装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のエアギャップ測定装置において、
前記ロータ位置計測手段が、
頂部に前記主軸と軸方向に対向して設けられ、該対向面が円錐形状であって、その頂点が前記主軸の軸心位置に当接する棒状の軸心軸を有し、基部に該軸心軸を移動させる支持部を有する軸心位置決め手段と、
頂部に水平および垂直方向から前記主軸に当接して前記主軸の水平および垂直位置を計測する水平および垂直位置計測センサを有し、基部に該水平および垂直位置計測センサを移動させる駆動部を有する軸位置計測手段とから構成されていることを特徴とするエアギャップ測定装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のエアギャップ測定装置において、
前記ロータの位置を調整する調整手段を備えていることを特徴とするエアギャップ測定装置。
【請求項9】
請求項8に記載のエアギャップ測定装置において、
前記調整手段として、
前記軸位置計測手段を前記主軸へ当接させて前記主軸を移動させることにより、前記ロータの位置の調整を行うことを特徴とするエアギャップ測定装置。
【請求項10】
ステータと、該ステータとの間でエアギャップを有するように組み込まれたロータおよび主軸とから構成される電動機の該エアギャップを測定するエアギャップ測定方法であって、
前記ステータの内径を計測するステップと、
前記ロータの外径を計測するステップと、
前記ステータに組み込まれた後の前記ロータおよび前記主軸の位置を計測するステップとを行い、
前記ステータの内径を計測するステップで計測された前記ステータの内径と、
前記ロータの外径を計測するステップで計測された前記ロータの外径と、
前記ロータおよび前記主軸の位置を計測するステップで計測された前記ロータおよび前記主軸の位置とから前記ロータの回転時のエアギャップの変化を算出するステップを行うエアギャップ測定方法。
【請求項11】
請求項10に記載のエアギャップ測定方法において、
前記ロータの任意の回転角度ごとにエアギャップの最大値および最小値ならびにそれらの差異を求めて、エアギャップの変化を算出することを特徴とするエアギャップ測定方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載のエアギャップ測定方法において、
前記ステータに組み込まれた後の前記ロータおよび前記主軸の位置を計測するステップで計測された前記ロータおよび前記主軸の位置が、前記ロータの外径位置ならびに前記主軸の水平および垂直位置であることを特徴とするエアギャップ測定方法。
【請求項13】
請求項10ないし12のいずれか1項に記載のエアギャップ測定方法において、
算出されたエアギャップの変化を表示することを特徴とするエアギャップ測定方法。
【請求項14】
請求項10ないし13のいずれか1項に記載のエアギャップ測定方法において、
前記主軸の位置を移動させることにより、前記ステータおよび前記ロータの位置を調整することを特徴とするエアギャップ測定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図14】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−44699(P2013−44699A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184519(P2011−184519)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】