説明

エアロゾル製剤及びブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン及びゾルピデムのエアロゾル送出

液体エアロゾル製剤はブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステル及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含む。液体製剤はプロピレングリコールのような有機溶剤及び一つまたはそれ以上の任意の賦形剤を含むことができる。活性成分は0.01から5重量%の量で存在することができ、製剤は3μm未満の質量メジアン空気力学的直径を持つエアロゾルを形成する蒸気を提供するために加熱されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に液体エアロゾル製剤に関する。特に、本発明はブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステル及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含む液体エアロゾル製剤に関する。更に、本発明はエアロゾル発生装置及びエアロゾルを発生する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルは微細固体または液体粒子のガス状懸濁物である。エアロゾルは広範囲の用途で有用である。例えば薬物を添加した液体はエアロゾルの形で投与されることができる。薬物を添加したエアロゾルは呼吸器疾患の治療で有用である物質を含む。かかる用途において、エアロゾルはエアロゾル発生器により生成され、患者の肺中に吸入されることができる。
【0003】
エアロゾル発生器は液体を蒸発させるための加熱チューブを含むことが知られている。例えば、ここに参考までにその全体を組入れられる本願と共通の譲渡人の米国特許5743251号はチューブとチューブ内の液体を揮発させるのに十分な温度にチューブを加熱するように操作可能なヒーターを含むエアロゾル発生器を開示する。揮発した物質はチューブの一端から膨張し、周辺空気と混合し、それによりエアロゾルを形成することが開示されている。
【0004】
エアロゾルを生成するために液体を蒸発させるための加熱チューブを含む他のエアロゾル発生器は本願と共通の譲渡人の米国特許6234167号、2001.9.21出願の米国特許出願09/956966号及び2001.12.6出願の10/003437号及び2002.9.6出願の米国仮出願60/408894号に記載されており、それらのそれぞれはここに参考までにその全体を組入れられる。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
本発明の一実施態様はブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステル及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含む液体エアロゾル製剤を提供する。この製剤は如何なる希望量の活性成分も含むことができる。好適実施態様において、製剤は0.01から5重量%の熱的に安定な活性成分を含むことができる。
【0006】
液体エアロゾル製剤は有機溶剤を更に含むことができる。有機溶剤は特に限定されないが、短鎖(C−C)アルコールであることができる。短鎖(C−C)アルコールは特に限定されないが、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エタノール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、及びヘキシレングリコールであることができる。好ましくは有機溶剤はプロピレングリコールまたはジプロピレングリコールである。
【0007】
液体エアロゾル製剤は少なくとも一つの薬学的に許容できる賦形剤を更に含むことができる。薬学的に許容できる賦形剤は特に限定されないが、酸化防止剤、安定剤、芳香剤、可溶化剤、共溶剤、防腐剤及びそれらの組合せであることができる。好ましくは、共溶剤はエタノール、水、グリセロール及び/またはジエチルエーテルである。好ましくは、可溶化剤はエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ブタンジオール及びその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスキュートール(transcutol)、ジメチルイソソルバイド(dimethyl isosorbide)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他のセルロール誘導体、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体、及び/またはそれらの混合物である。
【0008】
好適実施態様において、熱的に安定な活性成分はブスピロンを含み、有機溶剤はプロピレングリコールである。
【0009】
好適実施態様において、熱的に安定な活性成分はブプレノルフィンを含み、有機溶剤はプロピレングリコールである。
【0010】
好適実施態様において、熱的に安定な活性成分はトリアゾラムを含み、有機溶剤はプロピレングリコールである。
【0011】
好適実施態様において、熱的に安定な活性成分はシクロベンザプリンを含み、有機溶剤はプロピレングリコールである。
【0012】
好適実施態様において、熱的に安定な活性成分はゾルピデムを含み、有機溶剤はプロピレングリコールである。
【0013】
一実施態様によれば、本発明は、液体エアロゾル製剤を流通路に供給し、この流通路内の液体エアロゾル製剤を加熱してその液体成分を揮発させて流通路の出口から出る蒸気を形成し、この蒸気をエアロゾルを形成するようにガス状媒体と接触させることを含む、エアロゾルを発生する方法であって、この液体エアロゾル製剤はブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステルからなる群から選ばれた少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含む方法を提供する。薬剤送出のために、液体エアロゾル製剤は3μm未満の質量メジアン空気力学的粒径(mass median aerodynamic diameter)(MMAD)を持つプロピレングリコールの粒子を含むことが好ましい。液体エアロゾル製剤は少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を更に含み、エアロゾルは3μm未満のMMADを持つ熱的に安定な活性成分の粒子を含む。
【0014】
好適実施態様において、熱的に安定な活性成分はブスピロンを含み、エアロゾルは3μm未満のMMADを持つブスピロン粒子を含む。
【0015】
好適実施態様において、熱的に安定な活性成分はブプレノルフィンを含み、エアロゾルは3μm未満のMMADを持つブプレノルフィン粒子を含む。
【0016】
好適実施態様において、熱的に安定な活性成分はトリアゾラムを含み、エアロゾルは3μm未満のMMADを持つトリアゾラム粒子を含む。
【0017】
好適実施態様において、熱的に安定な活性成分はシクロベンザプリンを含み、エアロゾルは3μm未満のMMADを持つシクロベンザプリン粒子を含む。
【0018】
好適実施態様において、熱的に安定な活性成分はゾルピデムを含み、エアロゾルは3μm未満のMMADを持つゾルピデム粒子を含む。
【0019】
好適実施態様において、流通路は毛管サイズの流通路であり、エアロゾルは手持ち吸入器のマウスピース内で形成される。エアロゾルは0.1から2.5μmのMMADを持つ熱的に安定な活性成分の粒子を含むことができ、エアロゾルは好ましくはエアロゾルの発生時に少なくとも90%の回収率を持つ。好ましくは、流通路は手持ち吸入器内に設けられた抵抗ヒーターにより加熱され、この吸入器は電力供給源と、ヒーターへの電力の供給を0.5から1オームの範囲内の抵抗目標値の関数として制御する制御エレクトロニクスとを含む。
【0020】
一実施態様によれば、本発明はエアロゾル発生器を提供し、それは液体エアロゾル製剤を液体供給源から受けるのに適合した流通路と、流通路の少なくとも一部内の液体製剤を加熱してこの液体製剤を十分に蒸発させ、活性成分を含むエアロゾルを発生するように操作可能なヒーターを含み、この液体エアロゾル製剤はブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステル及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含んでいる。エアロゾル発生器はマウスピースを持つ手持ち吸入器を含むことができ、流通路はこのマウスピースの内部と流体連通した出口を持つ毛管サイズの流通路を含む。好適実施態様において、ヒーターは金属毛管チューブの一部分を含む抵抗ヒーターであり、流通路は金属毛管チューブの内部からなる。エアロゾル発生器は電力供給源と、ヒーターへの電力の供給を流通路内の液体製剤の沸騰を達成するように選ばれた制御パラメーターの関数として制御する制御エレクトロニクスとを持つ手持吸入器を含むことができる。液体供給源は略大気圧以下の圧力下の液体製剤を含む液溜めを含むことができる。
【0021】
図面の簡略説明
本発明の種々の好適実施態様は以下の詳細な説明と添付図面を参照することにより容易に理解されるであろう。図面において:
【0022】
図1は典型的なブスピロン粒径分布を示す棒グラフを示す。
【0023】
図2は典型的なブプレノルフィン粒径分布を示す棒グラフを示す。
【0024】
図3は典型的なトリアゾラム粒径分布を示す棒グラフを示す。
【0025】
図4は典型的なシクロベンザプリン粒径分布を示す棒グラフを示す。
【0026】
図5は典型的なゾルピデム粒径分布を示す棒グラフを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
液体エアロゾル製剤、エアロゾル発生装置及びエアロゾルを発生する方法が提供される。
【0028】
この液体エアロゾル製剤は選ばれた組成と制御された粒径を持つエアロゾルを提供することができる。この液体エアロゾル製剤は薬剤の系統的送出を含む種々の用途のために適している。例えば、吸入を介して薬剤送出用途のためには、製剤は目標とした送出のために望ましい質量メジアン空気力学的粒径(MMAD)を持つエアロゾルを含む。肺送出のためには、より小さい粒径が気管支送出または口腔咽頭部または口への送出のためより望ましい。好適実施態様において、エアロゾルは薬剤製剤の肺送出を達成するのに効果的な制御された粒径を持つ。
【0029】
液体エアロゾル製剤は好ましくは有機溶剤と少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含む。熱的に安定な活性成分はブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステル及びそれらの誘導体からなる群から選ばれることができる。熱的に安定な活性成分は液体エアロゾル製剤中に幾分かまたは完全に可溶であることができる。加えて、液体エアロゾル製剤は好ましくは噴射剤を含まない。
【0030】
ブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステル及びそれらの誘導体は有機溶剤中に十分可溶であり周辺条件で溶液を形成する。溶液中のブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステルの濃度はかかるエアロゾル中の活性成分の量を制御するように変えられることができる。
【0031】
液体エアロゾル製剤はブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステル及び/またはそれらの誘導体と組合せて、追加の活性成分を更に含むことができる。
【0032】
液体エアロゾル製剤は有機溶剤を更に含むことができる。有機溶剤の例は特に限定されないが、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、及びヘキシレングリコールのような短鎖(C−C)アルコールを含む。好ましい短鎖アルコールはプロピレングリコール及びジプロピレングリコールである。プロピレングリコール(PG)が特に好ましい。
【0033】
液体エアロゾル製剤はいかなる薬学的に許容できる賦形剤も含むことができる。かかる賦形剤は特に限定されないが、酸化防止剤、安定剤、芳香剤、可溶化剤、共溶剤、防腐剤及びそれらの組合せを含むことができる。
【0034】
好ましくは、共溶剤はエタノール、水、グリセロール及びジエチルエーテルである。好ましくは可溶化剤はエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ブタンジオール及びその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスキュートール、ジメチルイソソルバイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他のセルロール誘導体、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体またはそれらの混合物である。
【0035】
好適実施態様において、液体エアロゾル製剤は毛管サイズの流通路を通して流され、そこで液体は液体を蒸発させるのに十分高い温度に加熱される。蒸気は流通路を出て、ガス、好ましくは周辺空気と混合し、使用者により吸入されるエアロゾルを生成する。このように生成されたエアロゾル粒子のサイズは肺に送出するために制御されることができる。
【0036】
毛管通路は丸、楕円、三角、方形、長方形、他の多角形状等のような種々の横断面形状並びに他の非幾何学的形状を持つことができる。毛管通路の異なる部分は異なる横断面形状を持つことができる。以下に述べられるように、毛管通路のサイズはその横断面面積により規定されることができる。丸い断面を持つ毛管通路に対してはその直径により規定されることができる。これに代えて、毛管通路は断面が非円形であることができ、この毛管通路のサイズはその幅により規定されることができる。例えば、毛管通路は0.01から10mm、好ましくは0.05から1mm、より好ましくは0.1から0.5mmの最大幅を持つことができる。これに代えて、毛管通路はその横断面面積により規定されることができ、それは8×10−5から80mm、好ましくは2×10−3から8×10−1mm、より好ましくは8×10−3から2×10−1mmであることができる。
【0037】
液体製剤をエアロゾル化するために用いられることができるエアロゾル発生器の詳細は共通の譲渡人の米国特許5743251号、6234167号及び6516796号に述べられており、それらの全開示はここに参考迄に組入れられる。他の適当なエアロゾル発生器は共通の譲渡人の2003.1.14出願の米国特許出願10/341521号に述べられており、その全開示はここに参考迄に組入れられる。流通路を加熱するための制御策は共通の譲渡人の米国特許6501052号に述べられており、その全開示はここに参考までに組入れられ、かつ共通の譲渡人の2002.7.29出願の米国特許出願10/206320号に述べられており、その全開示はここに参考迄に組入れられる。
【0038】
ここに参考迄にその全体を組入れられる共通の譲渡人の2002.9.6出願の米国仮特許出願60/408295号に述べられているように、毛管通路の実施態様は、エアロゾル発生装置により発生されたエアロゾルの粒径を制御するように、毛管通路の出口端を出る蒸気の速度、すなわち蒸気の出口速度を制御する出口部を含むことができる。
【0039】
毛管通路を形成する材料は金属、プラスチックス、ポリマー、セラミックス、ガラス、またはこれらの材料の組合せを含む、いかなる適当な材料であることもできる。好ましくは、この材料は毛管通路内で発生した温度及び圧力に耐えることができ、かつまたエアロゾルの多数回投与を発生するために利用される繰返し加熱サイクルに耐えることができる耐熱性材料である。加えて、毛管通路を形成する材料は好ましくはエアロゾル化される液体と非反応性である。
【0040】
別の代替実施態様において、毛管通路はポリマー、ガラス、金属及び/またはセラミックの一体式または多層(積層)構造(図示せず)で形成されることができる。毛管通路を形成するための適当なセラミック材料は特に限定されないが、アルミナ、ジルコニア、シリカ、ケイ酸アルミニウム、チタニア、イットリア安定化ジルコニア、またはそれらの混合物を含む。毛管通路は例えば機械加工、成形、押出し等を含む、いかなる適当な技術によっても一体式または多層体で形成されることができる。
【0041】
ある実施態様において、毛管通路は0.5から10cm、好ましくは1から4cmの長さを持つことができる。
【0042】
液体源から供給された液体エアロゾル製剤は毛管通路内で加熱され、エアロゾル発生装置の作動時に蒸気を形成する。好適実施態様において、毛管は第一電極と第二電極を介して毛管チューブの長さに沿って電流を通過することにより加熱された金属チューブを含む。しかし、上述のように、毛管通路は一体式または多層構造のような他の代替構造を持つことができ、それらは毛管通路内の流体を加熱するように配置された抵抗加熱材料のようなヒーターを含む。例えば、抵抗加熱材料は毛管通路の内側に、またはそれに対して外部に配置されることができる。
【0043】
毛管通路は下流電極と上流電極を備えた電気伝導チューブを含むことができる。この実施態様において、毛管は同時係属中で共通の譲渡人の2001.9.21出願の米国特許出願番号09/957026に開示されたような制御された温度分布(CTP)構造であり、この出願はここに参考までにその全体を組入れられる。制御された温度分布毛管においては、下流電極はエアロゾル発生装置の作動時にそれが加熱させられるのに十分な電気抵抗を持ち、それにより毛管チューブの出口端での熱損失を最少とする。
【0044】
毛管通路を形成するチューブは全体的にステンレススチールまたは他の適当な電気伝導材料から作られることができる。これに代えて、チューブは白金のような電気伝導材料から作られたヒーターを組み込まれた非伝導性または半伝導性材料から作られることができる。チューブまたはヒーターの長さに沿って間隔を置いた位置で連結された電極は電極間の加熱領域を構成する。二つの電極間に付与された電圧はチューブまたはヒーターを作り上げる材料(単数または複数)の抵抗率、及び加熱領域部の断面面積及び長さのような他のパラメーターに基づいて毛管通路の加熱領域内に熱を発生する。流体が第一と第二電極間の加熱領域中に毛管通路を通して流れるとき、流体は加熱され、蒸気に変換される。蒸気は毛管通路の加熱領域から通過して出口端から出る。ある好適実施態様において、揮発された流体は揮発された流体が出口から出るとき周辺空気に同伴され、揮発された流体を小さな液滴に凝縮させ、凝縮エアロゾルを形成する。好適実施態様において、液滴サイズのMMADは0.1から2.5μmである。
【0045】
毛管通路内の液体の温度は加熱素子の測定されたまたは計算された抵抗に基づき計算されることができる。例えば、加熱素子は金属チューブの一部、またはこれに代えて抵抗加熱材料のストリップまたはコイルであることができる。制御エレクトロニクスはヒーターの抵抗を監視することにより毛管通路の温度を調節するために使用されることができる。例えば、制御エレクトロニクスはエアロゾル発生装置の作動時の毛管通路の温度分布を制御することができる。制御エレクトロニクスはまた、ディスプレイの出力を制御することができる。ディスプレイは好ましくは液晶ディスプレイ(LCD)である。ディスプレイはエアロゾル発生装置の状態または作動に関する選択された情報を示すことができる。制御エレクトロニクスはまた、エアロゾル発生装置の作動時の一つまたはそれ以上の弁の操作を制御し;吸入に起因しかつ圧力センサにより感知された初期圧力低下を監視し;かつエアロゾル発生装置の要素に電力を供給する電池装置の状態を監視することができる。
【0046】
好ましくは、エアロゾル粒子は約0.1μmと約2.5μmの間のMMADを持つ。上述の如く、エアロゾル発生装置は薬剤の肺への目標とした送出のためのサイズのエアロゾルを含む、制御された粒径を持つエアロゾルを提供することができる。これらのエアロゾルは薬剤の深層肺への送出のために多数の利点を提供する。例えば、口及びのど付着は最少化され、一方特に息こらえと組合せたときの深層肺での付着が最大化される。更に、適当な親水性担体を用いるとき、付着は吸湿性成長により更に強化されることができる。
【0047】
エアロゾル発生装置はエアロゾル粒子(エアロゾル液滴)の95%が約0.1μmと約2.5μmの間の範囲のサイズを持つエアロゾルを発生することが好ましい。エアロゾル発生装置は発生工程を制御するためのプロセッサーチップを組込まれることが好ましい。適当なセンサを持つプロセッサーはまた、吸入時の希望の時間にエアロゾル発生を起動する。エアロゾル化される薬剤は担体を備えている。適当な親水性担体の選択により、エアロゾル発生装置は呼吸器系での吸湿性成長の利点を得ることができる。
【0048】
エアロゾル化された熱的に安定な活性成分を送出するための好適エアロゾル発生装置の作動は次のとおりである。第一に、少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含む液体エアロゾル製剤が加熱された毛管通路に送出される。液体は毛管通路内で蒸発し、蒸気ジェットとして毛管通路の開放端から出る。蒸気ジェットは周辺空気を同伴し、それと混合して、高濃度の微細エアロゾルを形成する。上述の如く、液体を蒸発するための熱の付与は典型的にはヒーターを通して電流を通過することからの抵抗加熱により達成される。付与される電力は流体の蒸気への転換を最大とするように調整される。
【0049】
認められるように、エアロゾル発生装置は薬剤製剤の制御された蒸発及びエアロゾル形成をすることができる。エアロゾル発生装置は患者へのエアロゾルの即時送出を提供することができ、それにより患者の健康のために制限されるかもしれない肺活量の低下をもたらすことがない。また、エアロゾル発生装置は薬剤製剤の制御された量の患者への一貫した送出を提供することができる。加えて、好適実施態様において、毛管通路を含むエアロゾル発生装置により発生されたエアロゾルは相対湿度及び温度によりほんのわずかしか影響を受けない。
【実施例】
【0050】
実施例は本発明の特徴を示すために実施された。これらの実施例は本発明を限定することを意図しておらず、本発明を限定するものとして解釈されるべきでない。
【0051】
実施例1:ブスピロンエアロゾル
プロピレングリコール(PG)に溶解されたブスピロン(8−[4−[4−(2−ピリミジニル)−1−ピペラジニル]ブチル]−8−アザスピロ[4,5]デカン−7,9−ジオンモノヒドロクロライド)を用いて適当なエアロゾルが発生された。
【0052】
化学的に安定な0.5μmブスピロン(BUS)エアロゾルが5mg/秒の流速を用いる28ゲージ、44mm長のスチール毛管を用いて発生されることができるかどうかを決定するために実験が実施された。エアロゾル粒径が決定され、発生したエアロゾル中のブスピロンの化学安定性が評価された。ブスピロンはSigma Aldrich Chemical Co.から購入され、プロピレングリコールはDow Chemical Co.から購入された。
【0053】
強制劣化研究
ブスピロンが酸性及び塩基性溶液中に溶解され、酸及び塩基触媒加水分解を促進するために1時間の間50℃に加熱された。ブスピロンはまた、酸化を促進するために1時間の間50℃に加熱して過酸化物にさらされた。最終安定性検討として、固体ブスピロンに示差走査熱量測定による加熱を受けさせた。条件は350℃に加熱することにより熱劣化生成物を生成するために最適化された。
【0054】
模擬決定(Sham determinations)
模擬決定が毛管エアロゾル発生器(CAG)活性化当たりの活性成分の“予期された”量を決定するために実験の各組に対し実施された。これはエアロゾルの代わりに液体としてPG中のブスピロンの溶液をポンプ送出する0.2オームの目標抵抗で装置を運転することにより実施された。結果は、試料溶剤中に置かれて超音波処理されたキムワイプ(Kimwipe)上に集められた。この工程は三度実施された。PG中の約0.5%と約2%のブスピロンの二つの溶液濃度が調製された。
【0055】
投薬捕獲率(Dose capture)及び劣化決定
投薬捕獲率決定が実施された(表1)。投薬捕獲率実験1−6に対し、装置は1度起動され、エアロゾルは酸性化水中に集められ、40mLに希釈された。実験7−12は蒸留脱イオン水が酸性化水の代わりに用いられた以外は上記のように実施された。実験13−33に対しては、装置は4度起動され、エアロゾルは試料溶剤の8mL中に集められ、“安定性指示”検定を用いてブスピロン及び劣化生成物に対して分析された。無傷のブスピロンが計算された。劣化の大きさは劣化生成物が関心のある波長で母体と似た吸光係数を持つことを仮定することにより評価された。
【0056】
PG中0.5%のブスピロン濃度で実施された初期投薬捕獲率実験(実験1−6)はブスピロンがエアロゾル化工程中安定であったことを示した。PG中ブスピロンの2%溶液が調製され、エアロゾル化された。初期調査(実験7−15)は約80Jより大きなエネルギーがブスピロンをエアロゾル化するために必要であったことを示した。のど付着を最少化するためにより大きなエネルギーが必要であった。これは更に約90Jのエネルギー入力を提供するために0.605オームの目標抵抗に調整された。これらのパラメーターを用いて、予期されたブスピロンの104%がエアロゾル化され、集められた。
【0057】
データの評価後、CAGを介してのエアロゾル化後のブスピロン劣化をより表す劣化分布を作るためにブスピロンはDSCにより熱的に応力を加えられるべきであることが決定された。そうすることで、熱的劣化生成物が上述の条件下で生成された。これはCAGを使用したエアロゾル化後のブスピロンの潜在的な劣化生成物に対する保持時間の指標を提供した。0.605オームの目標抵抗値で集められた試料が劣化に対し評価された。表2に見ることができるように、劣化は活性の0.25%の平均劣化を伴って最少であり、一方活性回復は104%であった。分析時に九つの潜在的な劣化生成物が作られ、それらは加熱にさらされた後に観察された生成物の保持時間に調整した。主要な劣化ピークは多数の分析体を含むと仮定され、観察された劣化の略0.09%とみなされた。他の八つのピークはそれぞれ略0.02%とみなされた。エアロゾル発生後の集められた試料中で観察された九つのピークのうち、三つは略0.01%の水準で標準中に見出された。加えて、より劣化した生成物はエアロゾル化後に投薬捕獲率装置を用いて集められた試料に匹敵した加熱後に形成された。
【0058】
粒径決定
エアロゾル粒径は30L/分で操作された10段MOUDIを用いて決定された。試料箔がビーカー内に置かれ、10mLの試料溶剤が加えられ、ビーカーが十分に渦運動された。米国薬局方のどに対して、10mLの試料溶剤が加えられ、十分に振り動かされた。壁損失は試料溶剤に浸漬したキムワイプによりMOUDI壁を洗浄することにより評価された。同じ10mLの移動相が全段階の壁を洗浄するために使用された。集められた試料は分析された。
【0059】
初期投薬捕獲率実験はブスピロンがエアロゾル化され捕獲されることができることを示した。高回収率のため、ブスピロンは加熱及びCAGによるエアロゾル化時に比較的安定であることが想像された。ブスピロンをエアロゾル化するためのエネルギー条件を決定した後、粒径決定が実施された(表3)。略77Jのエネルギーで(実験8と10)、回収されたブスピロンの40%より大きな百分率がのど上に見出された。0.605オームの調整された目標抵抗値で(実験11−15)、エネルギーは略87Jであった。これは略0.30ミクロンの質量メジアン空気力学的粒径(MMAD)を持つモノモダル(monomodal)エアロゾルを生成した(図1)。これらの実験に対する回収率は100%を越え、5%未満ののど付着を持っていた。
【0060】
再生可能な効果的なエアロゾル化、適当な粒径、容認可能な回収率、及びブスピロンの高濃度を送出する能力に基づいて、ブスピロンはエアロゾル化のために適した化合物であることが結論付けられた。



【0061】
実施例2:ブプレノルフィンエアロゾル
化学的に安定な0.5μmブプレノルフィンエアロゾルが5mg/秒の流速を用いる28ゲージ、44mm長のスチール毛管を用いて発生されることができるかどうかを決定するために実験が実施された。エアロゾル粒径が決定され、発生したエアロゾル中のブプレノルフィンの化学安定性が評価された。ブプレノルフィン塩酸塩はSigma Aldrich Chemical Co.から購入され、プロピレングリコールはDow Chemical Co.から購入された。
【0062】
強制劣化研究
ブプレノルフィンに示差走査熱量測定による加熱を受けさせた。条件は325℃に加熱することにより熱劣化生成物を生成するために最適化された。
【0063】
模擬決定
模擬決定がエアロゾルの代わりに液体としてPG中のブプレノルフィンの溶液をポンプ送出する0.2オームの目標抵抗で装置を運転することにより実施された。結果は、試料溶剤中に置かれて超音波処理されたキムワイプ上に集められた。この工程は三度実施され、他の分析試料と一緒に分析された。ブプレノルフィンは略0.2%の濃度でPG中に溶解された。
【0064】
投薬捕獲率及び劣化決定
投薬捕獲率決定が実施された。表4参照。この表は各実験の作動の数、用いられた溶剤と容量、及び結果を記載する。ブプレノルフィンの劣化の大きさは劣化生成物が関心のある波長で母体と似た吸光係数を持つと仮定することにより評価された。
【0065】
調査は約70Jより大きなエネルギーがブプレノルフィンをエアロゾル化するためにかつのど付着を最少とするために必要であったことを示した。これは更に約70Jのエネルギー入力を提供するために0.595オームの目標抵抗に調整された。これらのパラメーターを用いて、ブプレノルフィンの>95%がエアロゾル化され、集められた(表4実験8−12)。実験8−12からの試料の分析は2%の平均劣化を示した。これは二つの提案された劣化生成物の形であった。
【0066】
粒径決定
エアロゾル粒径は30L/分で操作された10段MOUDIを用いて決定された。表5参照。この表は各実験の作動の数、用いられた溶剤と容量、及び結果を記載する。米国薬局方のどに対して5mLの試料溶剤が加えられ、十分に振り動かされた。壁損失は試料溶剤に浸漬したキムワイプによりMOUDI壁を洗浄することにより評価された。同じ試料溶剤が全段階の壁を洗浄するために使用された。集められた試料は検定法を用いて分析された。
【0067】
初期投薬捕獲率実験はブプレノルフィンがエアロゾル化され捕獲されることができることを示した。ブプレノルフィンをエアロゾル化するためのエネルギー条件を決定した後、粒径決定が実施された(表5)。略70Jのエネルギーで(実験8から20)、回収されたブプレノルフィンの約15%未満の小さな百分率がのど上に見出された。実験8−11は二つの段階のみからなる短縮されたMOUDIを用いてのど付着を評価するために実施された。従って、MMADは決定されなかった。0.595オームの調整された目標抵抗値で(実験18−20)、エネルギーは略71Jであった。これは略0.44ミクロンの平均MMADを持つエアロゾルを生成した(図2)。これらの実験に対する平均回収率は88%を越え、3%未満ののど付着を持っていた。
【0068】
再生可能な効果的なエアロゾル化、適当な粒径、及びブプレノルフィンの適切な量を送出する能力に基づいて、ブプレノルフィンはエアロゾル化のために適した化合物であることが結論付けられた。


【0069】
実施例3:トリアゾラムエアロゾル
プロピレングリコール(PG)に溶解されたトリアゾラム(8−クロロ−6−(2−クロロフェニル)−1−メチル−4H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン)を用いて適当なエアロゾルが発生された。化学的に安定な0.5μmトリアゾラムエアロゾルが5mg/秒の流速を用いる28ゲージ、44mm長のスチール毛管を用いて発生されることができるかどうかを決定するために実験が実施された。エアロゾル粒径が決定され、発生したエアロゾル中のトリアゾラムの化学安定性が評価された。トリアゾラムはSigma Aldrich Chemical Co.から購入された。プロピレングリコールはDow Chemical Co.から購入された。
【0070】
強制劣化研究
トリアゾラムが酸性及び塩基性溶液中に溶解され、酸及び塩基触媒加水分解を促進するために1時間の間50℃に加熱された。トリアゾラムはまた、酸化を促進するために1時間の間50℃に加熱して過酸化物にさらされた。最終安定性検討として、固体トリアゾラムに示差走査熱量測定による加熱を受けさせた。条件は350℃に加熱することにより熱劣化生成物を生成するために最適化された。
【0071】
模擬決定
模擬決定がCAG活性化当たりの活性成分の“予期された”量を決定するために実験の各組に対し実施された。これはエアロゾルの代わりに液体としてPG中のトリアゾラムの溶液をポンプ送出する0.2オームの目標抵抗で装置を運転することにより実施された。これは、試料溶剤中に置かれて超音波処理されたキムワイプ上に集められた。この工程は3度実施され、他の分析試料と一緒に分析された。トリアゾラムは略0.1%の濃度でPG中に溶解された。
【0072】
投薬捕獲率及び劣化決定
投薬捕獲率決定が実施された(表6)。投薬捕獲率実験1−3に対し、装置は1度起動され、エアロゾルは10mLの試料溶剤中に集められ、“安定性指示”法を用いて分析された。実験4−9は装置が2度作動され、10mLの試料溶剤中に集められた以外は上記のように実施された。実験10−14に対しては、装置は3度作動され、エアロゾルは蒸留脱イオン水の5mL中に集められ、“安定性指示”検定を用いてトリアゾラム及び劣化生成物に対して分析された。無傷のトリアゾラムが準備された基準に基づいて計算された。劣化の大きさは劣化生成物が関心のある波長で母体と似た吸光係数を持つことを仮定することにより評価された。
【0073】
調査は約80Jより大きなエネルギーがトリアゾラムをエアロゾル化するためにかつのど付着を最少とするために必要であったことを示した。これは更に約90Jのエネルギー入力を提供する0.605オームの目標抵抗に調整された。これらのパラメーターを用いて、トリアゾラムの90%(表6、実験10−14)が模擬実験に匹敵するようにエアロゾル化され、集められた。
【0074】
CAGを介してのエアロゾル化後のトリアゾラム劣化をより表す劣化分布を作るためにトリアゾラムはDSCにより熱的に応力を加えられた。熱的劣化生成物が上述の条件下で生成された。これはCAGを使用したエアロゾル化後のトリアゾラムの可能な劣化生成物に対する保持時間の指標を提供した。0.605オームの目標抵抗値で集められた試料が劣化に対し評価された。トリアゾラムより長い保持時間を持つ分析体が全試料(標準、模擬、及び投薬捕獲率実験)で観察された。このピークはトリアゾラムのピーク面積の6−8%であった。これは不純物の特徴である。
【0075】
粒径決定
エアロゾル粒径は30L/分で操作された10段MOUDIを用いて決定された。MOUDI実験1−4のために、試料箔がビーカー内に置かれ、5mLの試料溶剤が加えられ、ビーカーが十分に振り動かされた。米国薬局方のどに対し、5mLの試料溶剤が加えられ、十分に振り動かされた。壁損失は試料溶剤に浸漬したキムワイプによりMOUDI壁を洗浄することにより評価された。同じ5mLの試料溶剤が全段階の壁を洗浄するために使用された。集められた試料は検定法を用いて分析された。MOUDI実験5−9のために、試料溶剤の代わりに蒸留脱イオン水が用いられた以外は工程は上記と同じであった。これは同時PG粒径分析を可能とするためになされた。MOUDI実験1と7を除き、全てのMOUDI実験のために、二つの作動が用いられた。
【0076】
初期投薬捕獲率実験はトリアゾラムがエアロゾル化され捕獲されることができることを示した。トリアゾラムは加熱及びCAGによるエアロゾル化時に安定であった。トリアゾラムをエアロゾル化するためのエネルギー条件を決定した後、粒径決定が実施された(表7)。略70Jのエネルギーで(実験1と2)、回収されたトリアゾラムの30%より大きな百分率がのど上に見出された。0.605オームの調整された目標抵抗値で(実験5−9)、エネルギーは略90Jであった。これは略0.46ミクロンの平均MMADを持つエアロゾルを生成した(図3)。これらの実験に対する平均回収率は99%を越え、3%未満ののど付着を持っていた。


【0077】
実施例4:シクロベンザプリンエアロゾル
プロピレングリコール(PG)に溶解されたシクロベンザプリン(3−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプタン−5−イリデン)−N,N−ジメチル−1−プロパンアミン)を用いて適当なエアロゾルが発生された。化学的に安定な0.5μmシクロベンザプリンエアロゾルが5mg/秒の流速を用いる28ゲージ、44mm長のスチール毛管を用いて発生されることができるかどうかを決定するために実験が実施された。エアロゾル粒径が決定され、発生したエアロゾル中のシクロベンザプリンの化学安定性が評価された。シクロベンザプリンはSigma Aldrich Chemical Co.から購入された。プロピレングリコールはDow Chemical Co.から購入された。
【0078】
強制劣化研究
シクロベンザプリンに示差走査熱量測定による加熱を受けさせた。条件は300℃に加熱することにより熱劣化生成物を生成するために最適化された。
【0079】
模擬決定
模擬決定がCAG作動当たりの活性成分の“予期された”量を決定するために実験の各組に対し実施された。これはエアロゾルの代わりに液体としてPG中のシクロベンザプリンの溶液をポンプ送出する0.2オームの目標抵抗で装置を運転することにより実施された。これは、試料溶剤中に置かれて超音波処理されたキムワイプ上に集められた。この工程は三度実施され、他の分析試料と一緒に分析された。シクロベンザプリンは略2%の濃度でPG中に溶解された。
【0080】
投薬捕獲率及び劣化決定
投薬捕獲率決定が実施された。正確な詳細は表8中に見出されることができ、それは各実験の作動の数、用いられた溶剤と容量、及び結果を記載する。無傷のシクロベンザプリンが計算された。劣化の大きさは劣化生成物が関心のある波長で母体と似た吸光係数を持つことを仮定することにより評価された。
【0081】
調査は約70Jより大きなエネルギーがシクロベンザプリンをエアロゾル化するためにかつのど付着を最少化するために必要であったことを示した。これは更に約73Jのエネルギー入力を提供するために0.595オームの目標抵抗に調整された。これらのパラメーターを用いて、シクロベンザプリンの>95%(実験13−17)が模擬実験に匹敵してエアロゾル化され、集められた。実験13−17からの試料の分析が0.3%未満の平均劣化を示した。これは多数の提案された劣化生成物の形であった。
【0082】
再生可能な効果的なエアロゾル化及び適当な粒径に基づいて、シクロベンザプリンはエアロゾル化のために適した化合物であることが結論付けられた。
【0083】
粒径決定
エアロゾル粒径は30L/分で操作された10段MOUDIを用いて決定された。表9参照。この表は各実験の作動の数、用いられた溶剤と容量、及び結果を記載する。米国薬局方のどに対して10mLの試料溶剤が加えられ、十分に振り動かされた。壁損失は試料溶剤に浸漬したキムワイプによりMOUDI壁を洗浄することにより評価された。同じ試料溶剤が全段階の壁を洗浄するために使用された。集められた試料は検定法を用いて分析された。
【0084】
実験3に対して一段階が省略され、実験3からのデータは最終分析で使用されなかった。0.595オームの調整された目標抵抗値で(実験1−6、実験3を除く)、エネルギーは略71Jであった。これは略0.33ミクロンの平均MMADを持つエアロゾルを生成した(図4)。これらの実験に対する平均回収率は93%を越え、4%未満ののど付着を持っていた。


【0085】
実施例5:ゾルピデムエアロゾル
プロピレングリコール(PG)に溶解されたゾルピデム(N,N,6−トリメチル−2−(4−メチルフェニル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−アセトアミド)を用いて適当なエアロゾルが発生された。化学的に安定な0.5μmゾルピデムエアロゾルが5mg/秒の流速を用いる28ゲージ、44mm長のスチール毛管を用いて発生されることができるかどうかを決定するために実験が実施された。エアロゾル粒径が決定され、発生したエアロゾル中のゾルピデムの化学安定性が評価された。ゾルピデムはSigma Aldrich Chemical Co.から購入され、プロピレングリコールはDow Chemical Co.から購入された。
【0086】
模擬決定
模擬決定がCAG作動当たりの活性成分の“予期された”量を決定するために実験の各組に対し実施された。これは0.2オームの目標抵抗で装置を運転することにより実施された。これは本質的にエアロゾルの代わりに液体としてPG中のゾルピデムの溶液をポンプ送出した。これは、試料溶剤中に置かれて超音波処理されたキムワイプ上に集められた。この工程は3度実施され、他の分析試料と一緒に分析された。ゾルピデムは略0.2%の濃度でPG中に溶解された。
【0087】
投薬捕獲率及び劣化決定
投薬捕獲率決定が実施された。表10参照。この表は各実験の作動の数、用いられた溶剤と容量、及び結果を記載する。劣化の大きさは劣化生成物が関心のある波長で母体と似た吸光係数を持つことを仮定することにより評価された。
【0088】
実験は約75Jより大きなエネルギーがゾルピデムをエアロゾル化するためにかつのど付着を最少化するために必要であったことを示した。これは更に約78Jのエネルギー入力を提供するために0.600オームの目標抵抗に調整された。これらのパラメーターを用いて、予期されたゾルピデムの>94%が模擬実験に匹敵してエアロゾル化され、集められた(実験5−9)。実験5−9からの試料の分析が0.1%未満の平均劣化を示した。これは三つの提案された劣化生成物の形であった。提案された劣化生成物はまた、模擬中に観察された。
【0089】
粒径決定
エアロゾル粒径は30L/分で操作された10段MOUDIを用いて決定された。表11参照。この表は各実験の作動の数、用いられた溶剤と容量、及び結果を記載する。米国薬局方のどに対して5mLの試料溶剤が加えられ、十分に振り動かされた。壁損失は試料溶剤に浸漬したキムワイプによりMOUDI壁を洗浄することにより評価された。同じ試料溶剤が全段階の壁を洗浄するために使用された。集められた試料は検定法を用いて分析された。
【0090】
初期投薬捕獲率実験はゾルピデムがエアロゾル化され捕獲されることができることを示した。ゾルピデムをエアロゾル化するためのエネルギー条件を決定した後、粒径決定が実施された(表11)。略75Jのエネルギーで(実験5−8)、回収されたゾルピデムの小さな百分率がのど上に見出された。0.600オームの調整された目標抵抗値で(実験5−8)、エネルギーは略75Jであった。この生成されたエアロゾルは略0.45ミクロンの平均MMADを持っていた(図5)。これらの実験に対する平均回収率は90%を越え、4%未満ののど付着を持っていた。
【0091】
再生可能な効果的なエアロゾル化及び適当な粒径に基づいて、ゾルピデムはエアロゾル化のために適した化合物であることが結論付けられた。


【0092】
実施例6:好適放射投薬及び微細粒子画分
好適実施態様において、ブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、及びゾルピデムに対する放射投薬(すなわちエアロゾル化投薬)及び放射投薬の微細粒子画分が以下の表12にまとめられている:

【0093】
本発明を実施する上述の例示方式は限定されることを意図しない。それに対する変更は特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲を逸脱することなく行うことができる。
【0094】
例えば、加熱された毛管チューブが毛管通路の好適構造として述べられたが、毛管通路は通路(単数または複数)に沿って配置されたヒーターを持つ積層体の一つまたはそれ以上の通路、多数の毛管チューブ配置、通路の内側に設けられたヒーターを持つ通路、流体流のための環状通路を含む共軸配置、等を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】典型的なブスピロン粒径分布を示す棒グラフを示す。
【図2】典型的なブプレノルフィン粒径分布を示す棒グラフを示す。
【図3】典型的なトリアゾラム粒径分布を示す棒グラフを示す。
【図4】典型的なシクロベンザプリン粒径分布を示す棒グラフを示す。
【図5】典型的なゾルピデム粒径分布を示す棒グラフを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステル及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含むことを特徴とする液体エアロゾル製剤。
【請求項2】
有機溶剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項3】
有機溶剤が短鎖(C−C)アルコールであることを特徴とする請求項2に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項4】
短鎖(C−C)アルコールがグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エタノール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、及びヘキシレングリコールからなる群から選ばれることを特徴とする請求項3に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項5】
少なくとも一つの薬学的に許容できる賦形剤を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項6】
薬学的に許容できる賦形剤が酸化防止剤、安定剤、芳香剤、可溶化剤、共溶剤、防腐剤及びそれらの組合せからなる群から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項7】
共溶剤がエタノール、水、グリセロール及びジエチルエーテルからなる群から選ばれることを特徴とする請求項6に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項8】
可溶化剤がエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ブタンジオール及びその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスキュートール、ジメチルイソソルバイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他のセルロール誘導体、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体、及びそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項6に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項9】
製剤が0.01から5重量%の熱的に安定な活性成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項10】
熱的に安定な活性成分がブスピロンを含み、有機溶剤がプロピレングリコールであることを特徴とする請求項2に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項11】
熱的に安定な活性成分がブプレノルフィンを含み、有機溶剤がプロピレングリコールであることを特徴とする請求項2に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項12】
熱的に安定な活性成分がトリアゾラムを含み、有機溶剤がプロピレングリコールであることを特徴とする請求項2に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項13】
熱的に安定な活性成分がシクロベンザプリンを含み、有機溶剤がプロピレングリコールであることを特徴とする請求項2に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項14】
熱的に安定な活性成分がゾルピデムを含み、有機溶剤がプロピレングリコールであることを特徴とする請求項2に記載の液体エアロゾル製剤。
【請求項15】
液体エアロゾル製剤を流通路に供給し、この流通路内の液体エアロゾル製剤を加熱してその液体成分を揮発させて流通路の出口から出る蒸気を形成し、この蒸気をエアロゾルを形成するようにガス状媒体と接触させることを含む、エアロゾルを発生する方法であって、この液体エアロゾル製剤がブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステルからなる群から選ばれた少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
ガス状媒体が空気を含み、エアロゾルが3μm未満のMMADを持つプロピレングリコールの粒子を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
液体エアロゾル製剤が少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を更に含み、エアロゾルが3μm未満のMMADを持つ熱的に安定な活性成分の粒子を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
熱的に安定な活性成分がブスピロンを含み、エアロゾルが3μm未満のMMADを持つブスピロン粒子を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
熱的に安定な活性成分がブプレノルフィンを含み、エアロゾルが3μm未満のMMADを持つブプレノルフィン粒子を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
熱的に安定な活性成分がトリアゾラムを含み、エアロゾルが3μm未満のMMADを持つトリアゾラム粒子を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
熱的に安定な活性成分がシクロベンザプリンを含み、エアロゾルが3μm未満のMMADを持つシクロベンザプリン粒子を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
熱的に安定な活性成分がゾルピデムを含み、エアロゾルが3μm未満のMMADを持つゾルピデム粒子を含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
流通路が毛管サイズの流通路であり、エアロゾルが手持ち吸入器のマウスピース内で形成されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項24】
液体エアロゾル製剤が少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含み、エアロゾルが0.1から2.5μmのMMADを持つ熱的に安定な活性成分の粒子を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項25】
流通路が手持ち吸入器内に設けられた抵抗ヒーターにより加熱され、この吸入器が電力供給源とヒーターへの電力の供給を0.5から1オームの範囲内の抵抗目標値の関数として制御する制御エレクトロニクスを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項26】
液体供給源からの液体エアロゾル発生製剤を受けるのに適合した流通路、ここで液体エアロゾル製剤はブスピロン、ブプレノルフィン、トリアゾラム、シクロベンザプリン、ゾルピデム、それらの薬学的に許容できる塩及びエステル及びそれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つの熱的に安定な活性成分を含む;
流通路の少なくとも一部内の液体製剤を加熱してこの液体製剤を十分に蒸発させ、活性成分を含むエアロゾルを発生するように操作可能なヒーター;
を含むことを特徴とするエアロゾル発生器。
【請求項27】
エアロゾル発生器がマウスピースを持つ手持ち吸入器を含み、流通路がこのマウスピースの内部と流体連通した出口を持つ毛管サイズの流通路を含むことを特徴とする請求項26に記載のエアロゾル発生器。
【請求項28】
ヒーターが金属毛管チューブの一部分を含む抵抗ヒーターであり、流通路が金属毛管チューブの内部からなることを特徴とする請求項26に記載のエアロゾル発生器。
【請求項29】
エアロゾル発生器が電力供給源と、ヒーターへの電力の供給を流通路内の液体製剤の沸騰を達成するように選ばれた制御パラメーターの関数として制御する制御エレクトロニクスとを持つ手持吸入器を含むことを特徴とする請求項26に記載のエアロゾル発生器。
【請求項30】
液体供給源が略大気圧以下の圧力下の液体製剤を含む液溜めを含むことを特徴とする請求項26に記載のエアロゾル発生器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−516963(P2006−516963A)
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568324(P2004−568324)
【出願日】平成15年12月15日(2003.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2003/039819
【国際公開番号】WO2004/071491
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(501154448)クリサリス テクノロジーズ インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】CHRYSALIS TECHNOLOGIES INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7801 Whitepine Road, Richmond, VA 23237 United States of America
【Fターム(参考)】