説明

エミッタの製造方法、エミッタ、電界放出発光素子の製造方法、電界放出発光素子及び照明装置

【課題】電子を放出するエミッションサイトの数を増やすことで発光効率を向上させたエミッタの製造方法、エミッタ、電界放出発光素子の製造方法、電界放出発光素子及び照明装置を提供する。
【解決手段】本発明のエミッタ製造方法は、金属物質をカーボンナノチューブに内包させる内包ステップと、基板に塗布されたカーボンナノチューブを大気雰囲気、窒素雰囲気及び一酸化炭素雰囲気の何れかで焼成し、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブに内包される金属物質との接面を酸化反応させ、カーボンナノチューブを切断する切断ステップと、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブを利用したエミッタの製造方法、エミッタ、電界放出発光素子の製造方法、電界放出発光素子及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電界放出発光素子は、平面発光で且つ素子自体の厚みが薄いので、取り付ける場所を選ばす、天井又は壁面等にも取り付けることができる。そのため、電界放出発光素子は、蛍光灯や冷陰極ランプに代わる照明光源として期待されている。
【0003】
電界放出発光素子では、陰極(カソード)と陽極(アノード)間に電界をかけ、陰極上の電子放出源(エミッタ)の先端部分に電界を集中することで、電子を放出する。そして、カソードとアノードの間の電位差によって放出した電子を加速し、アノード上に形成された蛍光体層に照射することにより、電界放出発光素子は発光する。上記電界放出発光素子において、エミッタとしてカーボンナノチューブ(CNT:Carbon Nano Tube)を使用する技術が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0004】
上記特許文献1や特許文献2に記載されているようにエミッタとしてカーボンナノチューブを利用する場合、カーボンナノチューブの分散性が悪いため、電界放出発光素子の発光が均一にならないという問題があった。上記問題を解決するために、カーボンナノチューブをバインダーなどと混ぜてペーストにし、そのカーボンナノチューブを含有したペーストをスプレー法又はスクリーン印刷法などにより電極に塗布する技術が開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4)。
【0005】
また、近年、カーボンナノチューブを基本とした新素材の開発が行われている。その新素材として、金属を内包したカーボンナノチューブの技術が開示されている(例えば、特許文献5、特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3594855号公報
【特許文献2】特許第3049019号公報
【特許文献3】特開2007−103313号公報
【特許文献4】特開2007−265749号公報
【特許文献5】特開2005−104814号公報
【特許文献6】特開2005−239481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1〜4に記載の技術では、カーボンナノチューブのような極細の先端部分に電界集中が起こりやすいが、電子放出する先端部分が少ないため、発光の均一性だけでなく効率性にも多くの課題があった。
【0008】
また、上記特許文献1〜4に記載の電界放出素子等では、カーボンナノチューブをエミッタとして電極に塗布するために、スプレー法、スクリーン印刷、インクジェット印刷等を利用するが、カーボンナノチューブの均一塗布が困難であるという課題があった。そのため、エミッタの活性化処理が必要であるという課題があった。さらに、エミッタの活性化処理は難しく、発光効率が十分とはいえないという課題もあった。
【0009】
また、上記特許文献5及び特許文献6には、金属を内包するカーボンナノチューブを製造する方法が記載されているが、処理が煩雑であるという問題があった。また、金属を内包するカーボンナノチューブを電界放出素子のエミッタに適用することについては、示唆もされていない。
【0010】
本発明はこのような実情を鑑みてなされたものであり、上記課題を解決し、電子を放出するエミッションサイトの数を増やすことで発光効率を向上させたエミッタの製造方法、エミッタ、電界放出発光素子の製造方法、電界放出発光素子及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のエミッタの製造方法は、金属物質をカーボンナノチューブに内包させる内包ステップと、基板に塗布されたカーボンナノチューブを大気雰囲気、窒素雰囲気及び一酸化炭素雰囲気の何れかで焼成し、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブに内包される金属物質との接面を酸化反応させ、カーボンナノチューブを切断する切断ステップと、を有することを特徴とすることができる。
【0012】
本発明のエミッタの製造方法は、金属物質をカーボンナノチューブに内包させる内包ステップと、基板に塗布されたカーボンナノチューブを、スパッタ処理、プラズマ処理及びレーザ処理の何れかにより、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブに内包される金属物質との接面で切断する切断ステップと、を有することを特徴とすることができる。
【0013】
本発明のエミッタは、金属物質を内包しているカーボンナノチューブと金属物質を内包していないカーボンナノチューブとを含有し、カーボンナノチューブの端部は開孔していることを特徴とすることができる。
【0014】
本発明の電界放出発光素子の製造方法は、金属物質をカーボンナノチューブに内包させる内包ステップと、基板にカーボンナノチューブを塗布してエミッタを形成するエミッタ形成ステップと、基板に塗布されたカーボンナノチューブを大気雰囲気、窒素雰囲気及び一酸化炭素雰囲気の何れかで焼成し、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブに内包される金属物質との接面を酸化反応させ、カーボンナノチューブを切断する切断ステップと、を有することを特徴とすることができる。
【0015】
本発明の電界放出発光素子の製造方法は、金属物質をカーボンナノチューブに内包させる内包ステップと、基板にカーボンナノチューブを塗布してエミッタを形成するエミッタ形成ステップと、基板に塗布されたカーボンナノチューブを、スパッタ処理、プラズマ処理及びレーザ処理の何れかにより、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブに内包される金属物質との接面で切断する切断ステップと、を有することを特徴とすることができる。
【0016】
本発明の電界放出発光素子は、金属物質を内包しているカーボンナノチューブと金属物質を内包していないカーボンナノチューブとを含有するエミッタを有し、カーボンナノチューブの端部は開孔していることを特徴とすることができる。
【0017】
本発明の照明装置は、上記電界放出発光素子を有することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、金属物質を内包したカーボンナノチューブをエミッタに適用することで、電子を放出するエミッションサイトの数を増やすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る電界放出発光素子の構成例を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す電界放出発光素子の断面図である。
【図3】本実施形態に係るエミッタに適用される開孔加工したカーボンナノチューブの例を示す図である。
【図4】本実施形態に係るエミッタに適用される金属内包したカーボンナノチューブの図を示す。
【図5】本実施形態に係る電界放出発光素子における焼成前のエミッタの例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る電界放出発光素子における焼成後のエミッタの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る電界放出発光素子の概略構成例を示す。図1に示すように、本実施形態に係る電界放出発光素子1は、アノード基板10と、カソード基板20と、スペーサ30と、を有する。アノード基板10は、ガラス基板11と、陽極:アノード電極12と、蛍光体層13と、を有する。尚、本実施形態では、以下、アノード電極12として透明電極を適用する例を挙げて説明する。カソード基板20は、ガラス基板21と、陰極:カソード電極22と、エミッタ23と、を有する。カソード電極22は、導電層であり、エミッタ23は、電子放出層である。スペーサ30は、アノード基板10とカソード基板20との間に設けられる。アノード基板10とカソード基板20との間は真空である。
【0022】
尚、図1の電界放出発光素子は、平面発光する光源として使用する場合の例を示しているが、これに限定されるものではない。例えば、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)の1画素の発光単位であるRGB等の1つとして適用することも可能である。また、本実施形態では、電界放出発光素子を平面光源に適用する例について説明するが、立体的な構造にも適用可能であり、平面に限られたものではない。
【0023】
アノード基板10及びカソード基板20の大きさは、印刷可能な範囲であれば大型化は可能であり、印刷装置の能力に依存する。1mm〜1000mm角が好ましく、より好適には50mm〜200mm角である。
【0024】
アノード電極12とカソード電極22との電極間距離は、アノード基板10及びカソード基板20の間にスペーサ30を挟みこむことで決定する。アノード電極12とカソード電極との電極間距離が広すぎる場合は、構造上電子が放出されるべき場所以外に電子が放出されるため、発光効率の低下や放電が生じてしまう。他方、アノード電極12とカソード電極との電極間距離が短すぎる場合には、電子を容易に放出することはできるが、蛍光体層13を十分に発光させる電圧を得ることができない。以上のことから、アノード電極12とカソード電極22との電極間距離は0.1mm〜200mmが好ましく、より好適は1mm〜10mmである。
【0025】
図2は、本実施形態に係る電界放出発光素子の断面例を示す。図2に示すように、アノード基板10は、透明なガラス基板11と、透明なガラス基板11上に形成された透明なアノード電極12と、アノード電極12上に形成された蛍光体層13を有している。また、カソード基板20は、透明なガラス基板21と、透明なガラス基板21上に形成されたカソード電極22と、カソード電極22上に形成されたエミッタ23を有している。尚、本実施形態では「上」や「下」と表現することがあるが、これは相対的な位置関係を便宜的に表現したものに過ぎず、例えば、上下を入れ替えたり上下を左右に置き換えたりしてもよい。また、図2では、図面の簡易化のためにスペーサ30を省略している。
【0026】
アノード電極12は、例えば、ITO、ZnO、TiO2、CNT、カーボンナノホーン等から構成される透明電極である。蛍光体層13には、CRT(Cathode Ray Tube)に用いられるような蛍光体を適用することができる。例えば、電子線が照射されると蛍光を発する電子線励起蛍光体である硫化物蛍光体、酸化物蛍光体又は窒化物蛍光体等を用いることができる。蛍光体層13は、スプレー法、スクリーン印刷、手塗り印刷、又は沈降法を用いて形成することが可能である。蛍光体層13の膜厚は、例えば、0.1μm〜100μmであることが好ましい。
【0027】
カソード電極22は、金属や導電性のある金属酸化物等で構成される電極である。カソード電極22として使用される金属は、Ag、Au、Pt、Ti、Al、Cu、Cd、Pd、Zr、C、金属酸化物は、ITO、TiO2、ZnOの中から選ばれる単体もしくは合金を用いることができる。エミッタ23は、カーボンナノチューブに金属を内包したナノカーボン材料で構成される電子放出層である。エミッタ23を塗布する方法としては、例えば、スプレー法、スクリーン印刷、手塗り印刷、又はインクジェット等を適用することができる。
【0028】
カーボンナノチューブは、炭素によって形成される六員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層又は多層の同軸管状になった構造である。カーボンナノチューブのうち、単層のものはシングルウォールナノチューブ(SWNT:Single Wall carbon Nano Tube)、二層のものはダブルウォールナノチューブ(DWNT:Double Wall carbon Nano Tube)、二層以上の多層のものはマルチウォールナノチューブ(MWNT:Multi Wall carbon Nano Tube)である。
【0029】
図2に示すように、アノード基板10の蛍光体層13と、カソード基板20のエミッタ23は、スペーサ30で囲まれた空間を挟んで対向して設けられており、蛍光体層13とエミッタ23の間は真空である。カソード電極22からアノード電極12に向かって正の電界をかけると、エミッタ23は電子を放出する。放出された電子をカソード電極22とアノード電極12との間の電位差で加速し、蛍光体層13に照射する。その結果、蛍光体層13が発光する。
【0030】
アノード電極12は透明電極なので、蛍光体層13の発光を透過する。そのため、蛍光体層13から放射された光は、アノード電極12と透明ガラス基板11を透過して、外部を照射する。
【0031】
図3〜図6は、本実施形態に係る電界放出発光素子のエミッタ製造プロセスを説明するための図である。次に、本発明実施形態に係る電界放出発光素子のエミッタ製造プロセスの概要例について、図3〜図6を参照して説明する。
【0032】
まず、図3に示すように、カーボンナノチューブ30に、触媒微粒子又はその前駆体等の内包物質31を導入するための開孔部101を酸化処理により形成する。カーボンナノチューブ30に酸化処理を行うことで、カーボンナノチューブ30の先端や側面等の五員環や七員環を有する部位が開孔する。
【0033】
開孔部101を形成した後は、図4に示すように、開孔部101を介してカーボンナノチューブ30の内部に触媒微粒子又はその前駆体等の内包物質31を導入する。内包物質31のカーボンナノチューブ30への導入方法は、内包物質31を昇華させて直接カーボンナノチューブ30の内部に導入する方法、あるいは溶媒に内包物質31を溶解した状態でカーボンナノチューブ30内部に導入する方法等を適用することができる。内包物質31は、例えば、Fe等の金属を用いた触媒物質又はその前駆体である。
【0034】
図5は、上述したプロセスで作成した物質内包カーボンナノチューブを適用したエミッタの構成例を示す。図5の例では、電子を放出するCNT先端突出部50の数は1つである。図6は、図5に示すエミッタにおいて加熱処理を行った後のエミッタの構成例を示す。加熱処理は、導入された触媒微粒子又はその前駆体等の内包物質31とカーボンナノチューブ30とが接触する部位のカーボンナノチューブが空気中などで触媒作用により燃焼開始する温度付近で行う。内包物質31の触媒効果を利用して先端部のカーボン層を取り除くことで、カーボンナノチューブ30を切断する。図6に示すように、カーボンナノチューブ30切断後のエミッタ23には、CNT先端突出部50の数が増加している。
【0035】
加熱処理による切断後のカーボンナノチューブ30としては、内包物質31を内包したカーボンナノチューブと内包していないカーボンナノチューブが存在する。切断後に内包物質31を内包しているカーボンナノチューブ30の割合が、35〜65%になるように内包物質31を導入させておくとよい。また、加熱処理後のカーボンナノチューブ30は、内包物質31と接触していた箇所で切断されているため、端が開孔している。また、加熱処理の雰囲気などによって端の官能基が変化する。例えば、空気又は一酸化炭素雰囲気においては、カーボンナノチューブ30の端の官能基は、50〜90%がカルボニル基に変化する。他方、酸素雰囲気で加熱処理を行うと、カーボンナノチューブ30の端の官能基は、30〜70%がカルボキシル基に変化する。さらに、カーボンナノチューブ30の加熱処理の際には、内包物質31の周囲が燃焼し、カーボンナノチューブ30がある程度燃えてしまうため、カーボンナノチューブ30の鞘が短くなる。
【0036】
尚、上述した例では、空気やガス雰囲気で内包物質31を導入したカーボンナノチューブ30を加熱処理する例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、カーボンナノチューブ30の切断方法として、プラズマやレーザを適用することも可能である。つまり、金属物質等を内包したカーボンナノチューブ30からなるエミッタ23に、スパッタ処理、プラズマ処理又はレーザ処理等を行うことで、カーボンナノチューブ30と内包物質31との接面で、カーボンナノチューブ30を切断することができる。
【0037】
エミッタ23製造の出発物質として用いるカーボンナノチューブ30は、単層ナノチューブ、二層ナノチューブ、あるいは多層ナノチューブの何れでもよい。単層ナノチューブとしては、直径が0.5nm〜2nm、長さが100nm〜100μm、二層ナノチューブとしては、直径が1nm〜2.5nm、長さが100nm〜100μm、多層ナノチューブとしては、直径が8nm〜50nm、長さが100nm〜100μmのものを使用することができる。
【0038】
上述したカーボンナノチューブにおける開孔部101形成は、気相中及び液相中において、様々な酸化条件で行うことができる。気相は、例えば、空気、酸素、一酸化炭素等が使用できる。液相は、例えば、過酸化水素、硝酸、硫酸又はこれらの混合物等が使用できる。気相においては、例えば、酸素雰囲気中での熱処理による酸化であれば、350℃〜700℃の温度範囲でカーボンナノチューブ30に開孔部101を形成することが可能である。
【0039】
他方、液相においては、例えば、硝酸溶液であれば、23℃〜130℃、15分〜24時間の条件で酸化処理することで、カーボンナノチューブ30に開孔部101を形成することが可能である。また、過酸化水素であれば、70℃〜100℃、1時間〜48時間の条件で酸化処理することで、カーボンナノチューブ30に開孔部101を形成することが可能である。また、硫酸と過酸化水素の混合溶液では、23℃〜70℃、15分〜10時間の条件で酸化処理することで、カーボンナノチューブ30に開孔部101を形成することが可能である。後述するように、内包物質31の取り込み時の条件を変えることによってもカーボンナノチューブ30の内部に取り込む内包物質31の量を制御することができる。
【0040】
また、真空、不活性ガス、水素中及びそれらの組み合わせで加熱処理することで、内包物31はカーボンナノチューブ30内部又は外部に移動して凝集化する。この場合、加熱処理温度は室温〜1800℃の範囲が好ましい。加熱する温度は、内包物質31の融点付近で適宜温度制御することが望ましい。また、内包物質31の種類によっては、内包物質31の蒸発温度でも内包物質31は移動する。ここで、1800℃以上では、カーボンナノチューブのグラファイト化が起こりやすくなるため、好ましくない。不活性ガスの種類としては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等が好ましい。更に水素などで内包物質31を還元しながら、内包物質31を移動させることも可能である。
【0041】
酸化開孔処理されたカーボンナノチューブ30に内包される内包物質31は、その種類に特に制限はない。しかし、本実施形態に係る電界放出発光素子1のエミッタ23を構成する内包物質31を導入したカーボンナノチューブ30の製造プロセスにおいて、内包物質31を導入する際に、真空中や不活性ガス中で昇華するものや溶媒に溶解されて溶液中に存在する物質を適用することができる。このような物質であれば、有機金属錯体、無機物、金属のいずれか1種又は2種以上の混合物を用いることができる。内包される内包物質31が複数種であるとき、それらの物質の化学反応により目的の触媒を得ることができる。その場合、内包される複数種の物質の混合比を制御することにより触媒物質の組成を制御することができる。あるいは、内包される物質が複数種であるとき、それぞれを異なる触媒として機能するようにすることもできる。
【0042】
尚、本実施形態において、上述したようにカーボンナノチューブ30に導入される内包物質31は、その種類に制限はないが、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr等のアルカリ金属、Th、Gd、Ce、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Er、Ho、Tm、Yb等の希土類金属、Sr、Ba、Ca、Y、Sc、Hf、Mg、Tl、Ti、Zr、Zn、Cd、Be、Nb、Al、Ta、W、Os、Cr、Re、Ir、Rf、Mo、Mn、Fe、Ni、Co、Ru、Rh、Cu、Ag、Au、PtならびにPd等から選択される金属の単体、酸化物、合金等を用いることができる。
【0043】
上述した内包物質31をカーボンナノチューブ30に内包させるには、気相では、1気圧以下が好ましい。内包量、温度、時間等変えることで、カーボンナノチューブに内包させる内包物質31のサイズや量を制御することができる。内包量は、カーボンナノチューブの量に対して重量比で80%程度までが好ましい。また、温度は、23℃〜1800℃が好ましく、時間は1〜48時間が好ましい。
【0044】
他方、内包物質31をカーボンナノチューブ30に内包させるには、液相では、溶媒の種類や溶液中のpH、濃度、温度、時間等を変えることで、カーボンナノチューブ30に内包させる金属40のサイズや量を制御することができる。濃度は、各溶媒での飽和濃度まで利用でき、温度は23℃〜300℃が好ましく、時間は1〜200時間が好ましい。
【0045】
上述したような方法を用いて、カーボンナノチューブ30の側面部等に形成された開孔部101からカーボンナノチューブ30内部に侵入した内包物質31を、真空又は不活性ガス若しくは還元性雰囲気中で熱処理を加えることで、カーボンナノチューブの任意の位置に移動することができる。
【0046】
次に、電界放出発光素子1の作製方法について説明する。
【0047】
まず、アノード側のガラス基板11にアノード電極12として、ITO、ZnO、TiO2に代表される透明導電体をスパッタ法により電極パターン形状に形成する。次に、アノード電極12を形成したガラス基板11上に、蛍光体層13をスクリーン印刷によって形成する。ここで、スクリーン印刷を適用するためには塗布する蛍光体をペースト化させる必要がある。そこで、塗布する蛍光体とバインダーと溶媒を用いて、ペースト化を行う。蛍光体には硫化物蛍光体を用いることができる。バインダーには、ニトロセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂等を用いることができる。溶媒には、テルピネオール、酢酸アミル、酢酸ブチル、IPA、トルエン、キシレンから選択して用いることができる。このようにして、蛍光体層13をアノード電極12上に、0.1μm〜100μmの厚さで塗布する。そして塗布した蛍光体層13を大気中350〜500℃で焼成する。これによりアノード基板10を作成する。
【0048】
次に、カソード側のガラス基板21に、Au、Ag、Al、Cu、Fe、Ni、Co、Pd、Pt、Mo若しくはWの金属の群から1種類又は2種類以上の金属の合金、又は、ITO、ZnO、TiO2に代表される透明電極の中から選択された導体で、カソード電極22を形成する。また、透明電極には、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどで形成された透明導電膜を使用することも可能である。カソード電極22の形成方法は、選択された導体に応じて、スクリーン印刷、蒸着又はスパッタ法等から選択して用いることができる。
【0049】
カソード電極22が形成されたガラス基板21に、金属を内包させたカーボンナノチューブ30をスプレー法、スクリーン印刷又は手塗り等の方法で塗布して、エミッタ23を形成する。ナノカーボン材料を使用したエミッタ23は、0.1μm〜10μmの厚さで均一に塗布することが好ましく、より好適には0.5μm〜3μmの厚さで塗布することが好ましい。ここで、エミッタ23においても、スクリーン印刷するためにはペースト化する必要がある。塗布するエミッタ材料とバインダーと溶媒を用い混合してペースト化を行う。バインダーにはニトロセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂等を用いることができる。決着剤には、ガラスフリット、金属錯体、導電性微粒子等から1種類もしくは2種類から選択して用いることができる。溶媒には、テルピネオール、酢酸アミル、酢酸ブチル、IPA、トルエン、キシレンから選択して用いることができる。
【0050】
上述のようにペースト化されたエミッタ材料をスクリーン印刷によりエミッタ形状に印刷して、カソード基板20を大気中の雰囲気で350℃〜500℃、15分〜30分もしくは酸素量を制御した窒素中の雰囲気で400℃〜600℃、15分〜30分の条件で焼成を行う。
【0051】
次に、大気中の雰囲気で、アノード基板10、カソード基板20、スペーサ30、排気用ガラス管を封着用フリットガラスで貼り合わせ、400℃〜500℃、15〜30分の条件で焼成して組立てる。組立てたデバイスの排気用ガラス管から真空引きを行い、電界放出発光素子1内部を真空に封止し、電界放出発光素子1を作成する。電界放出発光素子1の内部は高真空度1.0×10-3Pa以下が好ましい。より好適には1.0×10-4Pa以下の高真空が好ましい。電界放出発光素子1は、例えば、アノード電極12及びカソード電極22から端子にそれぞれリード線を接続して、電界放出ライト又は電界放出発光素子として用いることが可能である。
【0052】
図5に示すような金属を内包したカーボンナノチューブ30をエミッタ材料にしたものを焼成すると、図6に示すように金属表面に接触しているカーボンナノチューブ30が燃焼する。この時の焼成条件は、空気又は酸素中では、300〜550℃の温度範囲で行うことができる。一酸化炭素では、400〜650℃で行うことができる。
【0053】
上記のような焼成処理により、カーボンナノチューブ30の先端部分がエミッタ23表面上に現れる。すなわち、同じ電界強度中では電子を放出する部分が増えることで、電界放出発光素子1の電流密度が増加する。また同じ電流密度を得るための電界強度が小さくなる。これは、カーボンナノチューブ30自体の直径は変わらず、カーボンナノチューブの特性は同じであるが、電子を放出するCNT先端突出部50が増えたからと考えられる。
【0054】
以上説明したように、エミッタ23にカーボンナノチューブ30に金属等の内包物質31を内包したナノカーボン材料を用いることによって、電界放出発光素子1の発光効率を向上することが可能である。
【実施例】
【0055】
以下に実施例を示し、さらに詳しく本発明について例示説明する。もちろん、以下の例によって発明が限定されることはない。
【0056】
(実施例1)
HIPco単層ナノチューブ精製品(HIPco SWNT)200mgと酢酸鉄50mgをエタノール溶液100ml中で混合し、室温で約24時間攪拌した。その後、フィルターを使って3回ろ過した後、24時間真空乾燥を行い、含まれている溶媒などを蒸発させて完全に取り除き、鉄内包カーボンナノチューブを得た。得られた鉄内包カーボンナノチューブ200mgをトルエン10mlとαテルピネオール15ml混合溶液中で30分間超音波分散させた。その分散液にセルロース系有機バインダー200mgとガラスフリット400mgを混ぜ、30分間超音波分散を行い、鉄内包カーボンナノチューブペーストを調整した。
【0057】
鉄内包カーボンナノチューブペーストを、ITOをスパッタしたガラス基板上に厚みが100μm程度になるようにスクリーン印刷した。その後、有機バインダーを除去するために窒素中において480℃で熱処理を行い、鉄内包カーボンナノチューブペーストにより形成されたエミッタを作製した。次に作製したエミッタを空気中において350℃、10分間加熱し、内包金属の触媒作用によりカーボンナノチューブを切断した。
【0058】
走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)によりカーボンナノチューブ切断処理後のエミッタ表面の観察を行った。その結果、上記特許文献1〜2の単層ナノチューブエミッタと比べ、カーボンナノチューブのエッジが多く観察され、カーボンナノチューブが切断されていることが分かった。切断処理後のカーボンナノチューブの長さは、500nm〜10μm程度であった。また、切断処理後に鉄を内包しているカーボンナノチューブの割合は、8割程度であった。また、切断処理後のカーボンナノチューブ端の官能基は、50〜90%がカルボニル基に変化していた。
【0059】
上記エミッタを使用してランプを作製した。ここでアノード電極は、透明なガラス基板の表面に、ITPを塗布し、その上に蛍光体を塗布することで作製した。電極サイズは2cm×2cmで、電極間距離は3mmに設定した。ランプ内部の真空度は、4×10-6Paであった。ランプ点灯による輝度を測定した結果、カーボンナノチューブの切断処理をしないエミッタに比べ、同一電圧での輝度が平均2倍になり、鉄内包カーボンナノチューブを切断したことにより輝点が増加したことが分かった。また、SEMにより、これらの電極断面の観察を行った。その結果、カーボンナノチューブ切断処理後は、カーボンナノチューブが基板に対して垂直方向に向いている数が多くなっていることが分かった。
【0060】
(実施例2)
鉄内包カーボンナノチューブの長さを短くするために、実施例1と同様にして作製した鉄内包カーボンナノチューブエミッタを空気中400℃で10分間加熱した。得られたエミッタをSEMで観察した結果、長さが100〜1000nm程度のナノチューブが多くなり、実施例1に比べて鉄内包カーボンナノチューブの長さが短くなっていた。また、上記実施例1と同様の方法でランプを作製した結果、カーボンナノチューブの切断処理をしないエミッタに比べ、同一電圧での輝度が平均2倍となった。また、上記実施例1と同様に、カーボンナノチューブ切断処理後は、カーボンナノチューブが基板に対して垂直方向に向いている数が多くなっていた。
【0061】
(実施例3)
上記実施例1と同様の方法で作成した鉄内包カーボンナノチューブをレーザ処理により切断した。波長は248nmのKrFのエキシマレーザを使用し、真空下で電極をスキャンすることでカーボンナノチューブの切断を行った。実施例1と同様に切断処理後のカーボンナノチューブについてSEM観察を行った結果、上記特許文献1〜2に記載の単層ナノチューブエミッタに比べ、カーボンナノチューブのエッジが多く観察された。また、レーザ処理後に鉄内包カーボンナノチューブを大気中に出す際に、カーボンナノチューブ端の官能基はカルボニル基又は水酸基等に変化した。
【0062】
本実施形態により、エミッタを形成する鉄等の内包物質を導入したカーボンナノチューブを切断することで、電子放出箇所を増加させることができるので、電界放出発光素子の発光効率を向上することが可能となる。
【0063】
また、切断処理後のカーボンナノチューブが基板に対して垂直方向に向いている数が増加することで、カーボンナノチューブがカソード電極に近くなるので、電子の放出効率を向上させることが可能となる。これにより、電界放出発光素子の発光効率を向上することが可能となる。
【0064】
以上好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述したエミッタの製造方法、エミッタ、電界放出発光素子の製造方法、電界放出発光素子及び照明装置に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0065】
1 電界放出発光素子
10 アノード基板
11 ガラス基板
12 アノード電極
13 蛍光体層
20 カソード基板
21 ガラス基板
22 カソード電極
23 エミッタ
30 カーボンナノチューブ
31 内包物質
50 CNT先端突出部
101 開孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属物質をカーボンナノチューブに内包させる内包ステップと、
基板に塗布された前記カーボンナノチューブを大気雰囲気、窒素雰囲気及び一酸化炭素雰囲気の何れかで焼成し、前記カーボンナノチューブと該カーボンナノチューブに内包される前記金属物質との接面を酸化反応させ、前記カーボンナノチューブを切断する切断ステップと、を有することを特徴とするエミッタの製造方法。
【請求項2】
前記切断ステップは、前記焼成の条件を変更することで、前記カーボンナノチューブの切断後の長さを調整することを特徴とする請求項1記載のエミッタの製造方法。
【請求項3】
金属物質をカーボンナノチューブに内包させる内包ステップと、
基板に塗布された前記カーボンナノチューブを、スパッタ処理、プラズマ処理及びレーザ処理の何れかにより、前記カーボンナノチューブと該カーボンナノチューブに内包される前記金属物質との接面で切断する切断ステップと、を有することを特徴とするエミッタの製造方法。
【請求項4】
前記内包ステップは、前記カーボンナノチューブを酸化処理することにより前記カーボンナノチューブに開孔部を形成し、該開孔部を介して前記金属物質を前記カーボンナノチューブに内包させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のエミッタの製造方法。
【請求項5】
前記内包ステップは、前記金属物質を昇華させ、前記開孔部を介して昇華させた前記金属物質を前記カーボンナノチューブに内包させることを特徴とする請求項4記載のエミッタの製造方法。
【請求項6】
前記内包ステップは、前記金属物質を溶媒に溶解させ、前記開孔部を介して溶媒に溶解させた前記金属物質を前記カーボンナノチューブに内包させることを特徴とする請求項4記載のエミッタの製造方法。
【請求項7】
前記カーボンナノチューブは、スプレー法、スクリーン印刷、手塗り印刷、インクジェット法の何れかにより前記基板に塗布されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のエミッタの製造方法。
【請求項8】
前記金属物質は、金属、金属酸化物及びそれらの合金の何れかであることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のエミッタの製造方法。
【請求項9】
前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブの何れかであることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のエミッタの製造方法。
【請求項10】
金属物質を内包しているカーボンナノチューブと前記金属物質を内包していないカーボンナノチューブとを含有し、
前記カーボンナノチューブの端部は開孔していることを特徴とするエミッタ。
【請求項11】
前記カーボンナノチューブは、前記金属物質との接面で切断されていることを特徴とする請求項10記載のエミッタ。
【請求項12】
前記カーボンナノチューブは、35〜65%の割合で金属物質を内包していることを特徴とする請求項10又は11に記載のエミッタ。
【請求項13】
前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブの何れかであることを特徴とする請求項10から12の何れか1項に記載のエミッタ。
【請求項14】
前記金属物質は、金属、金属酸化物及びそれらの合金の何れかであることを特徴とする請求項10から13の何れか1項に記載のエミッタ。
【請求項15】
前記カーボンナノチューブの端部の官能基は、少なくとも半数以上がカルボニル基であることを特徴とする請求項10から14の何れか1項に記載のエミッタ。
【請求項16】
前記カーボンナノチューブの端部の官能基は、30%〜70%がカルボキシル基であることを特徴とする請求項10から14の何れか1項に記載のエミッタ。
【請求項17】
前記カーボンナノチューブの長さは、0.5μm〜10μmであることを特徴とする請求項10から16の何れか1項に記載のエミッタ。
【請求項18】
金属物質をカーボンナノチューブに内包させる内包ステップと、
基板に前記カーボンナノチューブを塗布してエミッタを形成するエミッタ形成ステップと、
前記基板に塗布された前記カーボンナノチューブを大気雰囲気、窒素雰囲気及び一酸化炭素雰囲気の何れかで焼成し、前記カーボンナノチューブと該カーボンナノチューブに内包される前記金属物質との接面を酸化反応させ、前記カーボンナノチューブを切断する切断ステップと、を有することを特徴とする電界放出発光素子の製造方法。
【請求項19】
前記切断ステップは、前記焼成の条件を変更することで、前記カーボンナノチューブの切断後の長さを調整することを特徴とする請求項18記載の電界放出発光素子の製造方法。
【請求項20】
金属物質をカーボンナノチューブに内包させる内包ステップと、
基板に前記カーボンナノチューブを塗布してエミッタを形成するエミッタ形成ステップと、
前記基板に塗布された前記カーボンナノチューブを、スパッタ処理、プラズマ処理及びレーザ処理の何れかにより、前記カーボンナノチューブと該カーボンナノチューブに内包される前記金属物質との接面で切断する切断ステップと、を有することを特徴とする電界放出発光素子の製造方法。
【請求項21】
前記内包ステップは、前記カーボンナノチューブを酸化処理することにより前記カーボンナノチューブに開孔部を形成し、該開孔部を介して前記金属物質を前記カーボンナノチューブに内包させることを特徴とする請求項18から20の何れか1項に記載の電界放出発光素子の製造方法。
【請求項22】
前記内包ステップは、前記金属物質を昇華させ、前記開孔部を介して昇華させた前記金属物質を前記カーボンナノチューブに内包させることを特徴とする請求項21記載の電界放出発光素子の製造方法。
【請求項23】
前記内包ステップは、前記金属物質を溶媒に溶解させ、前記開孔部を介して溶媒に溶解させた前記金属物質を前記カーボンナノチューブに内包させることを特徴とする請求項21記載の電界放出発光素子の製造方法。
【請求項24】
前記エミッタ形成ステップは、スプレー法、スクリーン印刷、手塗り印刷、インクジェット法の何れかにより前記カーボンナノチューブを前記基板に塗布することを特徴とする請求項18から23の何れか1項に記載の電界放出発光素子の製造方法。
【請求項25】
前記金属物質は、金属、金属酸化物及びそれらの合金の何れかであることを特徴とする請求項18から24の何れか1項に記載の電界放出発光素子の製造方法。
【請求項26】
前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブの何れかであることを特徴とする請求項18から25の何れか1項に記載の電界放出発光素子の製造方法。
【請求項27】
金属物質を内包しているカーボンナノチューブと前記金属物質を内包していないカーボンナノチューブとを含有するエミッタを有し、
前記カーボンナノチューブの端部は開孔していることを特徴とする電界放出発光素子。
【請求項28】
前記カーボンナノチューブは、前記金属物質との接面で切断されていることを特徴とする請求項27記載の電界放出発光素子。
【請求項29】
前記カーボンナノチューブは、35〜65%の割合で金属物質を内包していることを特徴とする請求項27又は28に記載の電界放出発光素子。
【請求項30】
前記エミッタから放出される電子によって発光する蛍光体を含有する蛍光体層を有し、
前記蛍光体層は、前記エミッタに対向して設けられていることを特徴とする請求項27から29の何れか1項に記載の電界放出発光素子。
【請求項31】
前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブの何れかであることを特徴とする請求項27から30の何れか1項に記載の電界放出発光素子。
【請求項32】
前記金属物質は、金属、金属酸化物及びそれらの合金の何れかであることを特徴とする請求項27から31の何れか1項に記載の電界放出発光素子。
【請求項33】
前記カーボンナノチューブの端部の官能基は、少なくとも半数以上がカルボニル基であることを特徴とする請求項27から32の何れか1項に記載の電界放出発光素子。
【請求項34】
前記カーボンナノチューブの端部の官能基は、30%〜70%がカルボキシル基であることを特徴とする請求項27から32の何れか1項に記載の電界放出発光素子。
【請求項35】
前記カーボンナノチューブの長さは、0.5μm〜10μmであることを特徴とする請求項27から34の何れか1項に記載の電界放出発光素子。
【請求項36】
請求項27から35の何れか1項に記載の電界放出発光素子を有することを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−192245(P2010−192245A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35173(P2009−35173)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】