説明

エラー予測装置

【課題】画像形成装置の構成要素に係る致命的なエラーの発生時点をより正確に予測可能とする。
【解決手段】画像形成装置所定のローラの使用量と、その回転速度と、の各情報に基づき、図14(b)に示すU―V実曲線V1(U)の関係式を求める。次に、求めたU−V実曲線V1(U)の関係式に、閾値(V=a(定数))を代入して、U−V実曲線V1(U)と閾値点線との交点(b、a)を求める。求めた交点を、ローラを含む構成要素の致命的なエラーの発生時点とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の構成要素に係わる致命的なエラーの発生時点を予測するエラー予測装置に関する。
【0002】
従来、画像形成装置に予め定められた致命的なエラー(以下、単にエラーと略す場合がある)が発生した場合、本体表示パネルにエラー表示(サービスマンコール)を行い、ユーザはそれを確認してサービスマンに連絡し、メンテナンスを依頼していた。
【0003】
ここで、「予め定められた致命的なエラー」とは、画像形成装置の表示画面にサービスマンコール、トナーエンプティ、用紙ジャム等が表示される等して、一部若しくは全ての画像形成装置の操作若しくは機能使用が不可能になった状態、又は異常な画像が出力された場合を言う。
【0004】
このようなエラー発生の際、ユーザは、機器内部のエラー情報や設定値情報などの機器情報を印刷してサービスマンに連絡していたが、致命的なエラー発生後に連絡した場合、サービスマンがユーザのもとへ行き、メンテナンスするまでの間、ユーザはその装置を使用できなくなり、また無理に使用すると機器をさらに壊すおそれがあった。
【0005】
よって、エラー発生前に機器情報を取得し、これに基づき致命的なエラーの発生時点を事前に予測して、サービスマンがユーザのもとへメンテナンスに行くか、または的確な対処指示をすることが望まれる。
【0006】
図14(a)は、画像形成装置の構成要素に係る致命的なエラー(例えば寿命切れに関するエラー)の発生を予測するために一般的に用いられている方法の説明図である。この方法では、上記構成要素の使用量U(例えば累積駆動時間又は累積駆動回数)が、経験則により予め定められた閾値(U=c)に達した場合に、構成要素の劣化により寿命が切れて致命的なエラーが発生したものと予測している。すなわち、従来では、使用量により構成要素の劣化度を把握し、その使用量の閾値を寿命切れ時点、すなわちエラー発生時点としている。
【特許文献1】特開2003−324570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記構成要素の劣化の度合い(以下、劣化度という)は、その使用量が同一であってもその使用環境によって変化するため、使用量ではその劣化度を正確に把握することができず、使用量に閾値を設けても、その値は寿命切れ時点として正確でない場合がある。また、構成要素に係る致命的なエラーは、使用環境又は構成要素同士の劣化の相互作用により、構成要素の寿命が切れる前にも発生する場合があるが、そのようなエラーの発生は、従来の方法では予測されていない。
【0008】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、画像形成装置の構成要素に係る致命的なエラーの発生時点をより正確に予測可能とするエラー予測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるエラー予測装置の第1態様では、
記憶装置と、表示装置とを備え、画像形成装置の構成要素に係るエラーの発生時点を予測するエラー予測装置であって、
該構成要素の使用量と、その構成要素の劣化度を示す物理量と、の各情報を取得する取得手段と、
該取得手段により取得された各情報を、該記憶装置に格納させる記憶制御手段と、
該記憶装置に格納された情報が示す物理量と使用量との関係をプロットしたグラフを作成するグラフ作成手段と、
該グラフ作成手段により作成されたグラフを、該物理量の閾値とともに、該表示装置に表示させる表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
本発明によるエラー予測装置の第2態様では、
該記憶装置に格納された各情報が示す物理量と使用量とに基づき、これらの関係式を求め、該関係式に該閾値を代入して使用量を算出することにより、該エラー発生時点を予測するエラー予測手段をさらに備え、
該表示制御手段は、該エラー予測手段による予測結果を、該表示装置に表示させる、
ことを特徴とする。
【0011】
本発明によるエラー予測装置の第3態様では、
該エラー予測手段はさらに、予測したエラー発生時点に基づき、現時点が該画像形成装置をメンテナンスする期間内であるか否かを判断し、
該表示制御手段は、該エラー予測手段が該期間内であると判断した場合、メンテナンスを行うべき旨を、該表示装置に表示させる、
ことを特徴とする。
【0012】
本発明によるエラー予測装置の第4態様では、
該記憶装置にはさらに、経験則により予め求められた該物理量と該使用量との関係を示す標準グラフに係るデータが、格納され、
該表示制御手段は、該標準グラフを、該グラフ作成手段により作成されたグラフとともに、該表示装置に表示させる、
ことを特徴とする。
【0013】
本発明によるエラー予測装置の第5態様では、
該エラー予測手段は、該記憶装置に格納された所定の情報が示す物理量と使用量との関係を該標準グラフと対比して、該関係が異常であるか否かを判断し、
該表示制御手段は、該エラー予測手段が該異常であると判断した場合、その旨を、該表示装置に表示させる、
ことを特徴とする。
【0014】
本発明によるエラー予測装置の第6態様では、
該取得手段はさらに、該エラーの予測に用いられる該画像形成装置の参考情報を取得し、
該記憶制御手段はさらに、該取得手段により取得された参考情報を該記憶装置に格納させ、
該表示制御手段はさらに、該記憶装置に格納された参考情報を、該表示装置に表示させる、
ことを特徴とする。
【0015】
本発明によるエラー予測装置の第7態様では、
該構成要素は、ローラを含み、
該物理量は、該ローラの回転速度である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載のエラー予測装置。
【0016】
本発明によるエラー予測装置の第8態様では、
通信媒体を介し、該画像形成装置と結合される通信手段をさらに備え、
該取得手段は、該通信手段を介して各情報を取得する、
ことを特徴とする。
【0017】
本発明によるエラー予測装置の第9態様では、
記憶装置と、表示装置と、指示入力手段とを備え、ネットワークを介して画像形成装置に結合されるエラー予測装置であって、
該画像形成装置における複数種のエラー予測情報を取得する取得手段と、
該取得手段により取得された各情報を、該記憶装置に格納させる記憶制御手段と、
該記憶装置に格納された該エラー予測情報に基づき、該画像形成装置に発生する致命的なエラーの発生時点を予測するエラー予測手段と、
該指示入力手段の指示に応答して、該記憶装置に格納された二種以上のエラー予測情報の関係をプロットしたグラフを作成するグラフ作成手段と、
該エラー予測手段により予測された該エラーの発生時点と、該グラフ作成手段により作成されたグラフと、を該表示装置に表示させる表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記第1態様の構成によれば、「該構成要素の使用量と、その構成要素の劣化度を示す物理量と、の各情報を取得する取得手段と、該取得手段により取得された各情報を、該記憶装置に格納させる記憶制御手段と、該記憶装置に格納された情報が示す物理量と使用量との関係をプロットしたグラフを作成するグラフ作成手段と、該グラフ作成手段により作成されたグラフを、該物理量の閾値とともに、該表示装置に表示させる表示制御手段と」を備えるので、例えば図14(b)に示すように、サービスマンは、構成要素の劣化度を(間接的に)示す使用量と、構成要素の劣化度を(直接的に)示す物理量との関係をグラフで把握し、これと物理量の閾値とを比較することにより、寿命切れ時点、すなわちエラー発生時点を正確に予測することができるという効果を奏する。
【0019】
上記第2態様の構成によれば、「該記憶装置に格納された各情報が示す物理量と使用量とに基づき、これらの関係式を求め、該関係式に該閾値を代入して使用量を算出することにより、該エラー発生時点を予測するエラー予測手段をさらに備え、該表示制御手段は、該エラー予測手段による予測結果を、該表示装置に表示させる」ので、寿命切れ時点、すなわちエラー発生時点をコンピュータにより正確に予測することができるという効果を奏する。この場合、サービスマンは、上記第1態様のグラフを参照することなく正確なエラー発生時点を把握することができる。
【0020】
上記第3態様の構成によれば、「該エラー予測手段はさらに、予測したエラー発生時点に基づき、現時点が該画像形成装置をメンテナンスする期間内であるか否かを判断し、該表示制御手段は、該エラー予測手段が該期間内であると判断した場合、メンテナンスを行うべき旨を、該表示装置に表示させる」ので、サービスマンは、上記表示装置の表示を見て、致命的なエラーが発生する前の適切な期間内に、サービスマンがユーザのもとへメンテナンスに行くか、または的確な対処指示をすることができるという効果を奏する。この場合、エラー発生時点が正確に予測されているので、上記メンテナンス期間も正確に求めることができる。
【0021】
上記第4態様の構成によれば、「該記憶装置にはさらに、経験則により予め求められた該物理量と該使用量との関係を示す標準グラフに係るデータが、格納され、該表示制御手段は、該標準グラフを、該グラフ作成手段により作成されたグラフとともに、該表示装置に表示させる」ので、例えば図14(b)に示すように、サービスマンは、上記記憶装置に格納された所定の情報が示す物理量と使用量との関係を該標準グラフと対比して、該関係が異常であるか否かを判断することができる。異常である場合には、一般的な寿命切れとは異なる特異状態であることを示しており、この特異状態は致命的なエラーに直結する場合がある。よってこの構成により、使用環境又は構成要素同士の劣化の相互作用により、構成要素の寿命が切れる前の致命的なエラーの発生を予測可能であるという効果を奏する。
【0022】
上記第5態様の構成によれば、「該エラー予測手段は、該記憶装置に格納された所定の情報が示す物理量と使用量との関係を該標準グラフと対比して、該関係が異常であるか否かを判断し、該表示制御手段は、該エラー予測手段が該異常であると判断した場合、その旨を、該表示装置に表示させる」ので、サービスマンが上記第4態様で説明した判断をすることなく、取得した構成要素の物理量と使用量との関係が異常であるか否かの結果を把握することができるという効果を奏する。
【0023】
上記第6態様の構成によれば、「該取得手段はさらに、該エラーの予測に用いられる該画像形成装置の参考情報を取得し、該記憶制御手段はさらに、該取得手段により取得された参考情報を該記憶装置に格納させ、該表示制御手段はさらに、該記憶装置に格納された参考情報を、該表示装置に表示させる」ので、例えば、上記第4又は第5態様で異常と判断した場合に、即ち特異状態であると判断した場合に、その特異状態が致命的なエラーに直結するか否かを、参考情報を参照して判断することができるという効果を奏する。ここで、サービスマンは、その特異状態が致命的なエラーに直結すると判断した場合には即座に画像形成装置のメンテナンスを行うことができる。
【0024】
本発明の他の目的、構成及び効果は以下の説明から明らかになる。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明の実施例1に係わるメンテナンスシステムの概略構成を示す図である。
[1]メンテナンスシステムの概略構成
このシステムは、画像形成装置10、例えば複合機に、インターネット400を介して管理サーバ500が結合されて構成されている。
【0026】
画像形成装置10は、致命的なエラーに結びつく機器内部の情報(以下、エラー予測情報という)を検出又は計測等して取得し、この取得した情報を、定期的にエラー予測情報履歴の要素として記憶手段に蓄積し、所定のタイミングでエラー予測情報履歴を管理サーバ500へ送信する。
【0027】
管理サーバ500は、受信したエラー予測情報履歴に基づき、後述する抽出及びグラフ化などの情報処理を行う。サービスマンは、この処理結果に基づき、致命的なエラーを予測し、その発生前にユーザのもとへ行き、画像形成装置10のメンテナンスを行って致命的なエラーの発生を未然に防止する。また、サービスマンが行くまでの間、後述する延命処理を施して致命的なエラーのうち寿命切れエラーの発生を抑止する。
【0028】
本実施例1では、画像形成装置10によるエラー予測情報の蓄積及び送信の詳細を述べる。
[2]画像形成装置のハードウェア構成
図2は、本発明の実施例1に係わる画像形成装置10のハードウェア構成を概略的に示す図である。簡単化のために、以下では画像形成装置10をプリンタとして利用する場合の構成について説明する。
【0029】
画像形成装置10は、A4給紙トレイ111及びA3給紙トレイ112を備え、それぞれA4サイズの用紙121、A3サイズの用紙122が縦向きにセットされている。
【0030】
給紙トレイ111〜112にはそれぞれ、用紙受け板131a〜132aとコイルスプリング131b〜132bと昇降装置131c〜132cとを含む付勢手段131〜132が配設されている。また画像形成装置10には、給紙トレイ111〜112に対応して、それぞれ給紙ローラ141〜142が配設され、さらに給紙ローラ141〜142に対応して、それぞれ用紙搬送ローラ151〜152が配設されている。
【0031】
例えば上記用紙受け板131aは、昇降装置131cの駆動に連動して突出されるコイルスプリング131bによって上方に向けて付勢され、これによって用紙受け板131a上の用紙束の先端側上面が、給紙トレイ111の先端上方に設けられた給紙ローラ141に押接するようになっている。そして、給紙ローラ141の駆動でA4給紙トレイ111の用紙束からA4用紙121が搬送路100へ1枚ずつ繰り出され、用紙搬送ローラ151を介して画像形成部20へ給紙可能となっている。
【0032】
図3は、図2に示す給紙ローラ141付近(以下、給紙部という)の具体的構成の一実施例を示す概略構成図である。なお、給紙ローラ142付近の給紙部の構成も、以下の構成と同一である。
【0033】
給紙部はA4給紙トレイ111の他、給紙ローラ141、該給紙ローラ141の回転軸300、該回転軸300に装着された回転検知エンコーダ301、駆動源である駆動モータ304、複数のギヤ列305、該駆動モータ304と該給紙ローラ141を断続可能に連結する連結手段としての電磁クラッチ306等から構成されている。
【0034】
駆動モータ304のモータシャフトにはギヤが接続され、一連のギヤ列305によって回転速度が調整されながら回転駆動力が伝達される。そして、最終段のギヤシャフトには電磁クラッチ306が設けられており、電磁コイルへの電源のオン・オフにより、駆動モータ304の回転駆動力の被駆動側への伝達を制御している。
【0035】
給紙ローラ141のローラ回転軸300には被駆動ギヤ307が同軸に装着されており、複数のギヤ列305と電磁クラッチ306等を介して伝達される回転駆動力は,被駆動ギヤ307を回転駆動することにより給紙ローラ141に伝達される。
【0036】
また、給紙ローラ141のローラ回転軸300には給紙ローラ141の回転速度や給紙ローラ141の回転立ち上り時間を計測するための回転検知エンコーダ301が設けられている。この回転検知エンコーダ301はローラ回転軸300と同軸に装着された円盤状遮光板302と発光素子と受光素子から構成されるフォトセンサ303及び図示しない波形処理部からなっている。
【0037】
透明板で構成される円盤状遮光板302の外周線の内側近傍には、放射状に、かつ等間隔に形成されたバーラインが設けられており、このバーラインを両側から挟んでフォトセンサ303の発光素子と受光素子が配置されている。そして、円盤状遮光板302が回転すると、バーラインがフォトセンサ303の光を遮断し、フォトセンサ303の受光側出力から回転速度に応じたパルス列が検出されるように構成されている。
【0038】
フォトセンサ303の他に、給紙ローラ141の下流側にも同様のフォトセンサ308が搬送路100に向けて配置されており、給紙ローラ141から搬送されたA4用紙121がフォトセンサ308の光を遮断することによりA4用紙121が当該位置まで到達したことが検出される。
【0039】
図2に戻って、画像形成部20では、感光体ドラム21の表面がチャージローラ22により一様に帯電され、レーザビームLBにより感光体ドラム21上の帯電が選択的に消去されて感光体ドラム21上に静電潜像が形成され、現像器23によりにトナーが帯電部に付着されて現像される。
【0040】
感光体ドラム21付近には、温度を検出する温度センサ及び湿度を検出する湿度センサを兼ね備えた温湿度センサ16が配設されている。
【0041】
レジストレーションローラ24は、用紙搬送ローラ151〜152から供給される用紙の搬送を一旦停止し、所定のタイミングで搬送を再開して静電転写ローラ25と感光体ドラム21との間に用紙を供給する。静電転写ローラ25は、感光体ドラム21上のトナー像を、給紙される用紙に静電転写させる。転写された用紙は、定着器30を通って加熱・加圧され、これによりトナー像が用紙に定着される。感光体ドラム21上の転写後のトナー残りは、クリーナ26で除去される。
【0042】
例えば普通紙片面印刷の場合、この用紙は、排紙ローラ155を通って、排紙トレイ15上にフェイスダウン排出される。両面印刷の場合、上記排出前に、排紙ローラ155が逆回転して用紙がスイッチバックされ、用紙搬送ローラ156及び157を通って画像形成部20のレジストレーションローラ24へ戻される。
【0043】
画像形成装置10内を制御するため、画像形成装置10にはシステム制御装置40が備えられ、このシステム制御装置40に、メイン電源41と、RAM42と、ROM43と、HDD44と、操作部45と、搬送制御装置46と、画像形成部制御装置47と、RTC(Real Time Clock)48と、NIC(Network Interface Card)49と、USBポート50と、が結合されている。
【0044】
システム制御装置40は、例えば操作部45から印刷指示があった場合、RAM42に格納された印刷対象の画像情報を、画像形成部制御装置47に供給するとともに、搬送制御装置46に対し用紙搬送制御を行わせる。画像形成部制御装置47は、この画像情報をビットマップ展開し、レーザビームLBを感光体ドラム21上で走査させながら、ビットマップデータに基づいてレーザビームLBをオン/オフ制御することにより、感光体ドラム21上に所望の静電潜像を形成させる。また、操作部45から設定指示があった場合、設定された値をROM43に格納する。
【0045】
メイン電源41は、画像形成装置10の電源のオン又はオフをユーザが指示するための電源スイッチと、該指示に応答してシステム制御装置40の電源のオン/オフを制御する電源オン/オフ制御部と、を含んで構成される。メイン電源41で電源が投入された後、一般的に初期化処理が行われる。初期化処理には、例えば、不図示のトナータンクへのトナー補給有無の判定、カラーレジストの調整処理、濃度の調整処理等複数の処理項目がある。このような初期化処理により、画像形成に係る各機能が正常に機能するように準備される。
【0046】
RAM42は、ワークエリア用であり、印刷対象の画像情報等を一時格納する。ROM43は、例えばフラッシュメモリなどの再書き込み可能な不揮発性メモリであり、画像形成装置10の機種名及び各種設定値情報が格納される。
【0047】
HDD44は、データ格納用である。操作部45は、タッチパネルとハードウェアキーの組合せで構成され、指示又は設定値を入力し、各種操作画面又は確認画面などを表示させるためのものである。
【0048】
RTC48は、日時をカウントするものであり、独自のバッテリで駆動し、メイン電源41がOFFされても絶えずカウント動作を行っている。また、RTC48はタイムアウトパルスをシステム制御装置40の割込入力端子に周期的に供給する。システム制御装置40はこれに応答して、内部のCPUに割込をかける。
【0049】
NIC49は、インターネット400を介し画像形成装置10と管理サーバ500との互いの通信を可能とする。USBポート50は、USBメモリ1000を脱着可能で、画像形成装置10とUSBメモリ1000との電子データの遣り取りを仲介する。
[3]画像形成装置の主要部構成
図4は、本発明の実施例1に係わる画像形成装置10の主要部構成を示す機能ブロック図である。
【0050】
本発明を実現するために、画像形成装置10は、制御部160と、送信部160aと、機器情報検出部161と、監視対象部162と、一時記憶部163と、履歴記憶部164と、メイン電源41と、ROM43と、RTC48と、を主に備える。
【0051】
制御部160は、上記システム制御装置40、搬送制御装置46及び画像形成部制御装置47を含み、CPU、OS、該OS上で動作する制御プログラムから構成される。送信部160aは、上記システム制御装置40、NIC49、ROM43を含み、CPU、OS、該OS上で動作するメールソフトから構成される。
【0052】
以下、括弧内は図4のステップ識別符号である。この制御部160は、機器情報検出部161の検出又は監視対象部162の動作から計測等して得たエラー予測情報を一時記憶部163に格納し(Sa)、RTC48を参照して定期的に、一時記憶部163に格納されたエラー予測情報と、ROM43に格納さているエラー予測情報(設定値情報)とを監視し、監視して得た情報を履歴記憶部164に随時格納する(Sb、Sc)。上記格納後、一時記憶部163の記憶内容を消去する(Sd)。上記ステップSa〜Sdを所定期間(送信期間)繰り返す。送信部160aは、上記送信期間満了後、履歴記憶部164に格納されたエラー予測情報履歴200を管理サーバ500に送信する(Se)。なお、この制御部160及び送信部160aの各動作の詳細説明は、後述する。
【0053】
機器情報検出部161は、例えば上記温湿度センサ16又は回転検知エンコーダ301である。この回転検知エンコーダ301では、給紙ローラ141又は142の回転速度の平均値が検出される。なお、給紙ローラ141又は142の回転速度以外にも、ローラ付近に図3に示すような回転検知エンコーダ301を備える構成であれば、チャージローラ22、レジストレーションローラ24、静電転写ローラ25、用紙搬送ローラ151〜152、排紙ローラ155、又は用紙搬送ローラ156〜157の回転速度を検出してもよい。また、スキャナが搭載されている場合には、スキャナローラの回転速度を検出するようにしてもよい。
【0054】
監視対象部162は、本発明に係るエラー予測情報の一部である、累積駆動回数、累積駆動時間、又は、ジョブ履歴を取得するために、制御部160が監視する動作対象である。累積駆動回数又は累積駆動時間を取得(計測)するための監視対象としては、例えば、メイン電源41のオン/オフ動作、RAM42、ROM43若しくはHDD44のアクセス、現像器23の駆動、定着器30の駆動、感光体ドラム21の駆動、上記に例示した各種ローラの駆動、電磁クラッチ306の駆動、付勢手段131〜132の昇降装置131c〜132cの駆動、画像形成部20のキャリブレーション動作若しくは印刷動作、又は、スキャナ搭載される場合のスキャン動作等、が挙げられる。ジョブ履歴を取得するための監視対象は、例えばジョブ実行指示である。
【0055】
一時記憶部163は、例えば上記RAM42の記憶領域のうちエラー予測情報が格納される領域である。
【0056】
図5は、一時記憶部163の記憶内容の概略説明図である。一時記憶部163には、例えば機器情報検出部161によって検出された、所定の期間(保存期間)の、ローラ回転速度の履歴170、温度の履歴171及び湿度の履歴172が一時格納される。他にも、制御部160によって計測された、保存期間の、監視対象部162の各種動作による累積駆動回数173、累積駆動時間174又はジョブ情報の履歴175が一時格納される。上記保存期間が経過すると、記憶可能領域(空き領域)が欠乏するのを防止するため、制御部160によって一時記憶部163の記憶内容は消去され、次の期間の満了時まで上記エラー予測情報が格納されていく。なお、上記保存期間は、1時間、3時間又は1日等であってもよく、エラー予測情報毎に異なる期間でもよい。
【0057】
図4に戻って、履歴記憶部164には、検出・計測等によって一時記憶部163に格納された、及び、ROM43に予め格納されている、複数種のエラー予測情報がエラー予測情報履歴200の要素として定期的に格納される。
[4]履歴記憶部164の記憶内容
図6は、履歴記憶部164の記憶内容の概略説明図である。この履歴記憶部164には、各種機器情報のうち、致命的なエラーに結びつく複数種のエラー予測情報が定期的に格納され、エラー予測情報の履歴200が形成される。このエラー予測情報履歴200の要素には、例えば以下のものが挙げられる。
(1)機器設定履歴200a
(2)回転速度履歴200b
(3)温度履歴200c
(4)湿度履歴200d
(5)累積加算駆動回数200e
(6)累積加算駆動時間200f
(7)ジョブ履歴200g
以下、上記各要素について図6を参照しながら簡単に説明する。
【0058】
(1)機器設定履歴200aには、ROM43から定期的にコピーされた、致命的なエラーに結びつく各種機器設定と、そのコピー日時(エラー予測情報を監視した日時)と、が複数個含まれる。
【0059】
(2)回転速度履歴200bは、機器情報検出部161によって検出され、一時記憶部163に格納されている所定期間の回転速度履歴170のうち、一日毎に一つの回転速度、例えば、一日毎に、最初の省電力モードから復帰されて一回目の画像形成時の回転速度がコピーされたものであり、その回転速度と、その計測日時と、が複数個含まれる。この回転速度履歴200dは、例えば、搬送に係る構成要素の寿命切れエラーの発生、又は、駆動モータ304の故障エラー若しくは異常状態の発生等を予測するために役立てられる。なお、検出部161が上述した複数種のローラの回転速度を検出可能な場合は、回転速度履歴200bには、ローラ毎の回転速度履歴が含まれる。
【0060】
(3)温度履歴200cは、機器情報検出部161によって検出され、一時記憶部163に格納されている温度履歴171のうち、例えば一時間毎に一つの温度がコピーされたものであり、その温度と、その計測日時と、が複数個含まれる。この温度履歴200cは、例えば、定着器30のサーミスタの寿命切れエラーの発生、又は、故障等の異常状態の発生を予測するために役立てられる。
【0061】
(4)湿度履歴200dは、機器情報検出部161によって検出され、一時記憶部163に格納されている所定期間の湿度履歴172のうち、例えば一時間毎に一つの湿度がコピーされたものであり、その湿度と、その計測日時と、が複数個含まれる。この湿度履歴200dは、定着不良等による印刷画像の不具合が発生することを予測するために役立てられる。
【0062】
(5)累積加算駆動回数200eは、制御部160によって計測され、一時記憶部163に格納されている所定期間の累積駆動回数173が、定期的に、制御部160によって履歴記憶部164に格納されている累積駆動回数に加算されたものである。監視対象部162に上述した複数種の動作が含まれる場合は、累積加算駆動回数200eには、監視対象毎に一つ累積駆動回数が含まれる。この累積加算駆動回数200eは、例えば、駆動に係る構成要素の寿命切れエラーの発生を予測するために役立てられる。なお、致命的なエラーを予測するためには用いないが、所定期間の累積駆動回数173の履歴も履歴記憶部164に格納するようにしてもよい。
【0063】
(6)累積加算駆動時間200fは、制御部160によって計測され、一時記憶部163に格納されている所定期間の累積駆動時間174が、定期的に、制御部160によって履歴記憶部164に格納されている累積駆動時間に加算されたものである。監視対象部162に上述した複数種の動作が含まれる場合は、累積加算駆動時間200fには、監視対象毎に一つ累積時間が含まれる。この駆動時間200fは、例えば、駆動に係る構成要素の寿命切れエラーの発生を予測するために役立てられる。なお、致命的なエラーを予測するためには用いないが、所定期間の累積駆動時間174の履歴も履歴記憶部164に格納するようにしてもよい。
【0064】
(7)ジョブ履歴200gは、制御部160によって取得され、一時記憶部163に格納されている所定期間のジョブ履歴175が、定期的にコピーされたものである。このジョブ履歴200gは、各種ジョブに係る構成要素の寿命切れエラーの発生を予測するために役立てられる。
[5]制御部160の動作の詳細説明
以下、図7を参照しながら制御部160の動作の詳細説明をする。図7は、制御部160の動作の一部詳細フローチャートである。
【0065】
この処理は、RTC48のタイマ割込により、例えば10msec毎に開始される。以下、括弧内は図7のステップ識別符号である。
【0066】
(S1)機器情報検出部161が、エラー予測情報の一部である、各種ローラの回転速度、温度又は湿度等を検出したか否かを判定する。肯定判定した場合にはステップS2に進み、否定判定した場合にはステップS3に進む。
【0067】
(S2)上記検出されたエラー予測情報を、RTC48が示す日時とともに、一時記憶部163に格納する。
【0068】
(S3)現像器23の駆動など、監視対象部162に含まれる各種動作が開始されたか否かを判定する。肯定判定した場合にはステップS4に進み、否定判定した場合にはステップS10に進む。
【0069】
(S4)動作の種類に応じて、エラー予測情報の一部である駆動回数又は/及び駆動時間を計測する。またその動作が、ジョブ実行指示である場合には、そのジョブ情報を取得する。例えば、プリントジョブが開始された場合は、ジョブ情報には、ジョブ名(プリントジョブ)、用紙サイズ、印刷枚数及び印刷タイプ(カラー/モノクロ)等が含まれる。
【0070】
(S5)上記計測又は取得したエラー予測情報を、RTC48が示す日時とともに、一時記憶部163に格納する。
【0071】
(S10)RTC48を参照し、前回のステップS24で一時記憶部163の記憶内容を全消去してから所定期間、例えば一時間経過したか否か判定する。肯定判定した場合にはステップS11に進み、否定判定した場合には処理を終える。
【0072】
(S11)ROM43に格納されている機器設定のうち、エラー予測情報となるものを履歴記憶部164にコピーする。
【0073】
(S12)取得され一時記憶部163に格納されたジョブ履歴175を、履歴記憶部164にコピーする。
【0074】
(S13)検出され一時記憶部163に格納された温度履歴171及び湿度履歴172の中から、例えば一組のみ、又は、10分間隔の温度履歴及び湿度履歴を抽出し、これらを履歴記憶部164にコピーする。
【0075】
(S14、S17)機器情報検出部161の検出対象となるローラの数だけ、以下のステップS15及び16を繰り返す。
【0076】
(S15)検出され一時記憶部163に格納された回転速度履歴170の中に、一日の間で、最初に省電力モードから復帰されてその後一回目の画像形成時の回転速度が含まれているか否かを判定し、肯定判定した場合にはステップS16に進み、否定判定した場合にはステップS17に進む。
【0077】
(S16)回転速度履歴170から、一日の間で最初に省電力モードから復帰されてその後一回目の画像形成時の回転速度のみを抽出し、これを履歴記憶部164にコピーする。
【0078】
(S18、20)監視対象部162において累積駆動回数の計測対象となる数だけ、以下のステップS19を繰り返す。
【0079】
(S19)計測され一時記憶部163に格納された累積駆動回数173を、履歴記憶部164に格納されている累積加算駆動回数200eに加算し、履歴記憶部164に上書きする。
【0080】
(S21、S23)監視対象部162の中で、累積駆動時間の計測対象となる数だけ、以下のステップS22を繰り返す。
【0081】
(S22)計測され一時記憶部163に格納された累積駆動時間174を、履歴記憶部164に格納されている累積加算駆動時間200fに加算し、履歴記憶部164に上書きする。
【0082】
(S24)一時記憶部163の記録内容を全消去する。
[6]送信部160aの動作の詳細説明
以下、図8を参照しながら送信部160aの動作の詳細説明をする。図8は、送信部160aの動作の一部詳細フローチャートである。
【0083】
(S30)RTC48を参照し、前回のステップS37におけるエラー予測情報履歴200の削除日から、例えば三週間経過したか否か判定する。肯定判定した場合にはステップS31に進み、否定判定した場合には処理を終える。
【0084】
(S31)NIC49を介してインターネット400の接続処理を行う。
【0085】
(S32)インターネット400に接続済みか否かを判定する。肯定判定した場合にはステップS33に進み、否定した場合にはステップS32aに進む。
【0086】
(S32a)接続回数をカウントする。
【0087】
(S32b)接続回数が四回であるか否かを判定する。肯定判定した場合にはステップS32cに進み、否定した場合にはステップS31に戻る。
【0088】
(S32c)USB1000がポート50に挿着されているか否かを判定する。肯定した場合にはステップS32dに進み、否定した場合には処理を終える。
【0089】
(S32d)履歴記憶部164に格納されているエラー予測情報履歴200をUSBメモリ1000にコピーし、ステップS36に進む。
【0090】
(S33)メールソフトを起動し、エラー予測情報履歴200が添付されている旨を本文に記載し、電子メールの宛先に管理サーバ500のメールアドレスを入力して電子メールを作成する。
【0091】
(S34)履歴記憶部164に格納されているエラー予測情報履歴200をファイルとして、作成した電子メールに添付する。
【0092】
(S35)添付ファイル付きの電子メールを宛先に送信する。
【0093】
(S36)送信した旨又はUSBメモリ1000にコピーした旨を操作部45のパネルに表示する。
【0094】
(S37)エラー予測情報履歴200を履歴記憶部164から削除する。
[7]実施例1の発明の効果
本実施例1によれば、制御部160が、検出・計測等により致命的なエラーに結びつく様々なエラー予測情報170〜175を取得して一時記憶部163に格納し、定期的に、蓄積したエラー予測情報を監視し、これらをエラー予測情報履歴200の要素として履歴記憶部164に蓄積し、所定のタイミングで履歴200を管理サーバ500に送信する。これにより、サービスマンは、管理サーバ500でこの履歴200を参照し、種々の致命的なエラーを事前に予測することができるという効果を奏する。
【0095】
本実施例1では、特に、一般的な送信対象となる機器設定履歴200aの他に、回転速度履歴200b、温度履歴200c、湿度履歴200d、累積加算駆動回数200e、累積加算駆動時間200f、ジョブ履歴200gを管理サーバ500に送信するので、上述のように画像形成装置10の各構成要素の寿命切れエラーの発生又は異常状態の発生をより適切に予測することができる。
【実施例2】
【0096】
本実施例2は、実施例1の発明の一つの変形例を示す。本実施例2では、上述の実施例1とは、検出されたローラ回転速度を一時記憶部163から履歴記憶部164に保存するタイミングが異なる。以下、説明しない構成及びステップは、実施例1で説明した構成と同一である。
[8]実施例2に係る制御部160の動作説明
図9は、ローラ回転速度のみを対象とした制御部160及び送信部160aの各動作の一部詳細フローチャートである。その他のエラー予測情報は、実施例1と同様に履歴記憶部164に、定期的に保存される。
【0097】
この処理は、RTC48のタイマ割込により、例えば10msec毎に開始される。以下、括弧内は図9のステップ識別符号である。
【0098】
(S50、S56)機器情報検出部161の検出対象となるローラの数だけ、以下のステップS51〜55を繰り返す。
【0099】
(S51)機器情報検出部161が、エラー予測情報の一部である、所定のローラの回転速度を検出したか否かを判定する。肯定判定した場合にはステップS52に進み、否定判定した場合にはステップS56に進む。
【0100】
(S52)上記検出された回転速度を、RTC48が示す日時とともに、一時記憶部163に格納する。
【0101】
(S53)一時記憶部163に格納されたローラ回転速度が、履歴記憶部164に格納されているローラ回転速度履歴200bの中で直近の回転速度と比較して、変化があるか否かを判定する。肯定判定した場合にはステップS54に進み、否定判定した場合にはステップS56に進む。
【0102】
(S54)変化のあったローラ回転速度を、一時記憶部163から履歴記憶部164にコピーする。
【0103】
(S55)一時記憶部163に格納されたローラ回転速度を削除する。
【0104】
(S57)送信部160aが、実施例1で説明した図8に示すステップS30〜S37と同一の送信処理を行う。なお、ローラ回転速度の変化履歴は、他の履歴より致命的なエラーに結びつく重要な情報であるため、上記ステップS30に示した三週間毎などの定期的な送信に代えて、変化があったときに即時送信する処理を行うようにしてもよい。
[9]実施例2の発明の効果
本実施例2によれば、各種エラー予測情報のうちローラ回転速度については、その速度に変化があった場合にのみ、その情報をエラー予測情報履歴200の要素として履歴記憶部164に保存するので、エラー予測に重要な情報のみを含んだ履歴200を送信することができる。これにより、履歴記憶部164の記憶容量を少なくし、コストを抑えることができる。また、重要な情報のみ送信するので、その履歴200の参照の際に煩雑とならない。
[10]実施例1及び2の発明の変形例
なお、上述した本発明の実施例1及び2は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなしに、様々な変形が可能である。以下に、その変形の一部を例示する。
【0105】
本発明が適用される装置は、実施例1で説明した画像形成装置10に限られず、メンテナンスを必要とする情報処理装置であればよい。例えば、パソコン、ビデオデッキ、DVDプレイヤー、ゲーム機、及び、テレビなどが挙げられる。
【0106】
さらに、エラー予測情報履歴200は、図8のステップS30に示すように定期的に送信される以外にも、操作部45によるユーザの指示又は管理サーバ500の指示に応答して送信されるように構成してもよい。操作部45による指示とは、例えば送信ボタン又は送信アイコンを押下することが挙げられる。
【0107】
さらにまた、エラー予測情報履歴200の送信方法は電子メールに限られず、SNMP(Simple Network Management Protocol)又はSOAP(Simple Object Access Protocol)などの他の送信方法を用いて送信するようにしてもよい。
【0108】
SNMPを用いて送信する場合、画像形成装置10の不図示のプログラム格納部に、SNMPエージェント及びMIB(Management Information Base)が格納され、MIBには、各種エラーに結びつく情報(エラー予測情報)が登録される。このSNMPエージェントはtrapコマンドにより各種エラー予測情報を常に監視し、その値が指定された状態に変化した場合、その旨を管理サーバ500に通知する。一方、管理サーバ500の不図示のハードディスクドライブには、SNMPマネージャ、及び、画像形成装置10のIDとIPアドレスとを対応させたテーブルが格納され、画像形成装置10に対しOID(Object ID)を指定してGETコマンドを送信することにより、OIDで識別されるMIB内のオブジェクト(エラー予測情報)がSNMPエージェントにより読み出されて管理サーバ500のマネージャへレスポンスとして送信される。
【0109】
一方、SOAPを用いて送信する場合には、画像形成装置10及び管理サーバ500の両者にSOAPエンジンとSOAPリスナが搭載されている必要がある。この構成では、画像形成装置10は、管理サーバ500の宛先をSOAPヘッダに記述し、蓄積したエラー予測情報履歴200の内容とこの解析依頼をSOAPボディに記述してSOAPメッセージを作成し、このメッセージを管理サーバ500に送信する。
【0110】
また、実施例1では、送信手段がない場合又はインターネット400に接続できなかった場合等には、図7に示すようにエラー予測情報履歴200は、USBメモリ1000に格納される構成を説明したが、USBメモリ1000の代わりに、例えばフローピー(登録商標)ディスク、CD、MD、HDD、SDカード、又は、CFカードのような他のリムーバブル記憶装置を用いる構成であってもよい。
【0111】
さらに、実施例1では、機器情報検出部161が検出した又は制御部160が計測等したエラー予測情報を、一時記憶部163に格納し、定期的にこの記憶部163から履歴記憶部164にコピーする場合を説明したが、検出・計測等したエラー予測情報を直に履歴記憶部164に格納するようにしてもよい。この場合、検出した情報は、適宜制御部160によって取捨選択され、必要な情報のみが履歴記憶部164に格納される。
【0112】
さらにまた、画像形成装置10は、上述した構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、或いは、上記した構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0113】
また、本発明は、上記した実施例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲において、種々改変することができる。
【実施例3】
【0114】
本実施例3では、実施例1で説明した画像形成装置10に発生し得る致命的なエラーの発生及びその発生時点を予測するエラー予測装置としての管理サーバ500の詳細を述べる。
[11]管理サーバ500のハードウェア構成
図10は、本発明の実施例3に係わる管理サーバ500のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【0115】
管理サーバ500では、MPU501にインタフェース502を介して、RAM503、ROM504、HDD505、対話型入力装置506、表示装置507、NIC508及びUSBポート509が結合されている。図10では、簡単化のため、複数の基本的なインタフェースを1つのブロックで示している。
【0116】
RAM503は、主メモリ用である。ROM504には、ブートストラップ及びBIOSが格納されている。HDD505には、OS、各種アプリケーション及び各種デバイスドライバが格納されている。
【0117】
対話型入力装置506は、ユーザの入力を受け取るものであり、例えばキーボードやポインティングデバイスなどである。表示装置507は、画面上に文字又は画像を表示するためのものである。
【0118】
NIC508は、ケーブル又は無線の通信媒体を介してインターネット400に結合され、画像形成装置10から実施例1で説明したエラー予測情報履歴200を含んだ電子メールを受信する。USBポート509は、USBメモリ1000を脱着可能で、管理サーバ500とUSBメモリ1000との間の電子データの遣り取りを仲介する。
【0119】
本実施例3では、上記HDD505にはさらに、OS上で動作するエラー予測プログラム510が格納され、また、上記電子メールやUSB1000で取得したエラー予測情報履歴200が蓄積される。
[12]エラー予測グラフの説明
図14(b)は、本実施例3に係るエラー予測グラフの説明図である。本実施例3では、上記HDD505に蓄積された複数のエラー予測情報履歴200から、例えば図3に示す給紙ローラ141の二週間毎の、使用量としての累積駆動回数又は累積駆動時間と、劣化度を示す物理量としての回転速度と、を把握することができる。このエラー予測グラフ550には、使用量Uを横軸、回転速度Vを縦軸にして両者の関係がプロットされ、これらのプロットに基づいて得られた関係式のU−V実曲線V1(U)が描かれている。他にも、回転速度の閾値を示す閾値点線V=aと、経験則により予め求められたU−V標準曲線V2(U)と、が描かれている。
[13]MPU501の処理
図11は、MPU501の処理の一部詳細フローチャートである。この処理は、MPU501がエラー予測プログラム510を実行することにより実現され、例えば一日毎に開始される。以下、括弧内は図11中のステップ識別符号である。
【0120】
(S100)HDD505に蓄積された複数のエラー予測情報履歴200のうち、例えば図3に示す給紙ローラ141の上記二週間毎の使用量と、上記二週間毎の回転速度と、を抽出する。
【0121】
(S101)抽出した使用量を順次累積した値Uと、各値Uでの回転度速度Vと、に基づき、関係式を例えば最小二乗法により求める。図14(b)のU−V実曲線V1(U)は、この関係式を表したものである。
【0122】
(S102)求めたU−V実曲線V1(U)の関係式に、閾値(V=a(定数))を代入して、U−V実曲線V1(U)と閾値点線との交点(b、a)を求める。この交点の使用量bは、画像形成装置10の構成要素の劣化により寿命が切れて致命的なエラーが発生するであろうと予測される時の使用量を示している。
【0123】
ここで、上記構成要素の劣化とは、給紙ローラ141自体の劣化だけでなく、ローラ141に連結される駆動モータ304、ギヤ列305又は電磁クラッチ306の劣化など、ローラに係る全体としての劣化である。
【0124】
(S103)使用量bに達するエラー発生予測日Dを算出する。エラー発生予測日Dは、例えば以下の関係式により求められる。
D=D0+(D1−D0)×b/U1
ここで、D0は使用量が0の日で、D1は最も最近の使用量取得日であり、U1はD0からD1の日までの累積使用量である。なお、エラー発生予測日Dの替わりに、現在からエラー発生予測日までの日数を求めてもよい。
【0125】
(S104)エラー発生予測日Dと、現在の日との差ΔDを求める。
【0126】
(S105)上記差ΔDが、閾値以内、例えばメンテナンス派遣期間の二週間以内であるか否かを判断する。肯定した場合にはステップS106に進み、否定した場合にはステップS110に進む。
【0127】
(S106)図12(a)に示すような、メンテナンス通知ダイアログ600を表示装置507に表示させる。このメンテナンス通知ダイアログ600には、エラー発生予測日Dに致命的なエラーの発生が予測される旨と、メンテナンスを促す旨と、OKボタン601が含まれる。
【0128】
(S110)直近の使用量におけるU−V標準曲線V2(U)上の回転速度を求め、この速度と、直近の使用量に対応するU−V実曲線V1(U)の回転速度と、の速度差ΔVを算出する。
【0129】
(S111)速度差ΔVが、直近の使用量における閾値以内であるか否かを判断する。肯定した場合には処理を終え、否定した場合、すなわち使用量と回転速度との関係が異常であると判断した場合にはステップS112に進む。異常である場合には、一般的な寿命切れとは異なる特異状態であることを示している。この特異状態は、致命的なエラーである場合だけでなく、一時的な使用環境の変化等による致命的なエラーでない場合もある。よって、本案ではその特異状態が致命的なエラーに直結するか否かを以下の詳細を把握することによって判断する。
【0130】
(S112)図12(b)に示すような、メンテナンス通知ダイアログ610を表示装置507に表示させる。このメンテナンス通知ダイアログ610には、特異状態が既に発生しているか又は近日中にその特異状態が発生する可能性がある旨と、詳細を確認すべき旨と、OKボタン611と、詳細ボタン612と、が含まれる。
【0131】
(S113)入力装置506による、OKボタン611又は詳細ボタン612の押下を受け付ける。OKボタン611の押下を受け付けた場合には処理を終え、詳細ボタン612の押下を受け付けた場合には、ステップS114に進む。
【0132】
(S114)上述で説明した図14(b)に示すエラー予測グラフ550を作成する。
【0133】
(S115)HDD505に蓄積された複数のエラー予測情報履歴200のうち、特異状態が致命的なエラーに直結するか否かを判断するための参考情報を抽出する。参考情報には、例えば上述の温度履歴171、湿度履歴172及びジョブ履歴175などが含まれる。
【0134】
(S116)図13に示すような詳細ダイアログ620を表示する。この詳細ダイアログ620には、上記作成した予測グラフ550と、抽出した温度履歴171及び湿度履歴172に基づいて、温度と時間の関係、及び湿度と時間の関係をそれぞれプロットした参考グラフ621と、抽出した各情報を一覧可能な表示ボックス622と、OKボタン623と、が含まれる。
【0135】
サービスマンは、この詳細ダイアログ620で参考グラフ621又は表示ボックス622を適宜参照することによって、発生する又は発生した特異状態が致命的なエラーに直結するか否かを判断することができる。ここで、直結すると判断した場合には、サービスマンは、OKボタン623を押下して上記一連の処理を終了させて即座に画像形成装置10のメンテナンスを行う。
[14]実施例3の発明の効果
本実施例3によれば、給紙ローラ141の使用量と、回転速度とを、該ローラ付近の構成要素全体に係る致命的なエラーの発生時点を予測するためにHDD505に蓄積しておき、所定のタイミングで、蓄積された複数の使用量と、複数の回転速度との関係式V1(U)を求め(S101)、この関係式に閾値V=aを代入することにより、使用量U=bを求めることができ(S102)、劣化によって構成要素の寿命が切れる時点、すなわち、致命的なエラーの発生時点(b、a)を正確に予測することができるという効果を奏する。
[15]実施例3の発明の変形例
なお、本発明には他にも種々の変形例が含まれる。
【0136】
本実施例3では、構成要素の劣化度を示す物理量は、給紙ローラ141の回転速度である場合を説明したが、他のローラの回転速度や駆動モータ304の回転速度であってもよく、また劣化度を示す回転速度以外の他の物理量であってもよい。
【0137】
また、上述の予測グラフ550は、図11に示すステップS113で詳細ボタン612を押下した場合のみ表示されるように説明したが、ステップS106又はS110の前に表示するようにしてもよい。
【0138】
さらに、使用量が所定値になる毎にデータを取得することによりグラフ上の使用量の間隔を一定にし、又は使用量が1つ又は複数の基準値になる毎にこの間隔を狭める構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の実施例1に係わるメンテナンスシステムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係わる画像形成装置のハードウェア構成を概略的に示す図である。
【図3】図2に示す給紙ローラ付近(以下、給紙部という)の具体的構成の一実施例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の実施例1に係わる画像形成装置の主要部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図4に示す一時記憶部の記憶内容の概略説明図である。
【図6】図4に示す履歴記憶部の記憶内容の概略説明図である。
【図7】図4に示す制御部の動作の一部詳細フローチャートである。
【図8】図4に示す送信部の動作の一部詳細フローチャートである。
【図9】実施例2に係わる制御部及び送信部の各動作の一部詳細フローチャートである。
【図10】本発明の実施例3に係わる管理サーバのハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【図11】図10に示すMPUの処理の一部詳細フローチャートである。
【図12】(a)(b)は、図10に示す表示装置に表示されるメンテナンス通知ダイアログの説明図である。
【図13】図10に示す表示装置に表示される詳細ダイアログの説明図である。
【図14】(a)は、画像形成装置の構成要素に係る致命的なエラーの発生を予測するために一般的に用いられている方法の説明図であり、(b)は本案に係るエラー予測方法の説明図である。
【符号の説明】
【0140】
10 画像形成装置
15 排紙トレイ
16 温湿度センサ
20 画像形成部
21 感光体ドラム
22 チャージローラ
LB レーザビーム
23 現像器
24 レジストレーションローラ
25 静電転写ローラ
26 クリーナ
30 定着装置
40 システム制御装置
41 メイン電源
42 画像情報メモリ
43 設定情報メモリ
44 エラー予測情報履歴記憶装置
45 操作部
46 搬送制御装置
47 画像形成部制御装置
48 RTC
49 NIC
50 USBポート
100 搬送路
111 A4給紙トレイ
112 A3給紙トレイ
121 A4用紙
122 A3用紙
131a、132a 用紙受け板
131b、132b コイルスプリング
131c、132c 昇降装置
131、132 付勢手段
141、142 給紙ローラ
151、152 用紙搬送ローラ
155 排紙ローラ
156、157 用紙搬送ローラ
160 制御部
160a 送信部
161 機器情報検出部
162 監視対象部
163 一時記憶部
164 履歴記憶部
170 回転速度履歴
171 温度履歴
172 湿度履歴
173 累積駆動回数
174 累積駆動時間
175 ジョブ履歴
200 エラー予測情報履歴
200a 機器設定履歴
200b 回転速度履歴
200c 温度履歴
200d 湿度履歴
200e 累積加算駆動回数
200f 累積加算駆動時間
200g ジョブ履歴
300 回転軸
301 回転検知エンコーダ
302 円盤状遮光板
303 フォトセンサ
304 駆動モータ
305 複数のギヤ列
306 電磁クラッチ
307 被駆動ギヤ
308 フォトセンサ
310 制御部
311 機器情報検出部
312 機器情報記憶部
313 エラー予測情報履歴記憶部
314 送信部
400 インターネット
500 管理サーバ
501 MPU
502 インタフェース
503 RAM
504 ROM
505 HDD
506 対話型入力装置
507 表示装置
508 NIC
509 USBポート
510 エラー予測プログラム
550 エラー予測グラフ
600 メンテナンス通知ダイアログ
601 OKボタン
610 メンテナンス通知ダイアログ
611 OKボタン
612 詳細ボタン
620 詳細ダイアログ
621 参考グラフ
622 表示ボックス
623 OKボタン
1000 USBメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置と、表示装置とを備え、画像形成装置の構成要素に係るエラーの発生時点を予測するエラー予測装置であって、
該構成要素の使用量と、その構成要素の劣化度を示す物理量と、の各情報を取得する取得手段と、
該取得手段により取得された各情報を、該記憶装置に格納させる記憶制御手段と、
該記憶装置に格納された情報が示す物理量と使用量との関係をプロットしたグラフを作成するグラフ作成手段と、
該グラフ作成手段により作成されたグラフを、該物理量の閾値とともに、該表示装置に表示させる表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とするエラー予測装置。
【請求項2】
該記憶装置に格納された各情報が示す物理量と使用量とに基づき、これらの関係式を求め、該関係式に該閾値を代入して使用量を算出することにより、該エラー発生時点を予測するエラー予測手段をさらに備え、
該表示制御手段は、該エラー予測手段による予測結果を、該表示装置に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のエラー予測装置。
【請求項3】
該エラー予測手段はさらに、予測したエラー発生時点に基づき、現時点が該画像形成装置をメンテナンスする期間内であるか否かを判断し、
該表示制御手段は、該エラー予測手段が該期間内であると判断した場合、メンテナンスを行うべき旨を、該表示装置に表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載のエラー予測装置。
【請求項4】
該記憶装置にはさらに、経験則により予め求められた該物理量と該使用量との関係を示す標準グラフに係るデータが、格納され、
該表示制御手段は、該標準グラフを、該グラフ作成手段により作成されたグラフとともに、該表示装置に表示させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のエラー予測装置。
【請求項5】
該エラー予測手段は、該記憶装置に格納された所定の情報が示す物理量と使用量との関係を該標準グラフと対比して、該関係が異常であるか否かを判断し、
該表示制御手段は、該エラー予測手段が該異常であると判断した場合、その旨を、該表示装置に表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載のエラー予測装置。
【請求項6】
該取得手段はさらに、該エラーの予測に用いられる該画像形成装置の参考情報を取得し、
該記憶制御手段はさらに、該取得手段により取得された参考情報を該記憶装置に格納させ、
該表示制御手段はさらに、該記憶装置に格納された参考情報を、該表示装置に表示させる、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のエラー予測装置。
【請求項7】
該構成要素は、ローラを含み、
該物理量は、該ローラの回転速度である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載のエラー予測装置。
【請求項8】
通信媒体を介し、該画像形成装置と結合される通信手段をさらに備え、
該取得手段は、該通信手段を介して各情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載のエラー予測装置。
【請求項9】
記憶装置と、表示装置と、指示入力手段とを備え、ネットワークを介して画像形成装置に結合されるエラー予測装置であって、
該画像形成装置における複数種のエラー予測情報を取得する取得手段と、
該取得手段により取得された各情報を、該記憶装置に格納させる記憶制御手段と、
該記憶装置に格納された該エラー予測情報に基づき、該画像形成装置に発生する致命的なエラーの発生時点を予測するエラー予測手段と、
該指示入力手段の指示に応答して、該記憶装置に格納された二種以上のエラー予測情報の関係をプロットしたグラフを作成するグラフ作成手段と、
該エラー予測手段により予測された該エラーの発生時点と、該グラフ作成手段により作成されたグラフと、を該表示装置に表示させる表示制御手段と、
をさらに備えることを特徴とするエラー予測装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−212767(P2009−212767A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53156(P2008−53156)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】