説明

エレベータの乗場用取付物検出装置及びそれを利用したエレベータの点検方法

【課題】例えば、エレベータ機器の点検などの作業を行った後、作業に先立って乗場に取り付けた点検札など、作業後に取り外すべき乗場用取付物の外し忘れを防止できるエレベータの乗場用取付物検出装置及びそれを利用したエレベータの点検方法を得ることを目的とする。
【解決手段】エレベータの乗場出入り口21に突出するように乗場20に取り付けられる点検札70を検出するエレベータの乗場用取付物検出装置50であって、かご出入り口を含む領域を撮影領域としてかご30内に設けられる撮影手段51と、乗場20に取り付けられた点検札70の昇降路12側の部位に設けられる反射材52と、エレベータドア28が開状態にある条件下、撮影手段51により撮影された映像データ中の反射材52の有無を点検札70の有無として判断する検出装置制御部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、エレベータの機器の点検を行う際に、乗場に取り付けられる点検札などの取付物を検出するエレベータの乗場用取付物の検出装置及びそれを利用したエレベータの点検方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの保守点検時、例えば、「点検中」の文字表示が付された点検札をエレベータの乗場出入り口を囲む三方枠に取り付けて、利用者にエレベータが利用できないことを報知することが一般的に行われる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−104637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業者が、エレベータを構成する各種機器の点検を行った後、点検札を取り忘れて帰ってしまうことがあった。
【0005】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、エレベータ機器の点検などの作業を行った後、作業に先立って乗場に取り付けた点検札など、作業後に取り外すべき乗場用取付物の外し忘れを防止できるエレベータの乗場用取付物検出装置及びそれを利用したエレベータの点検方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のエレベータの乗場用取付物検出装置は、各階に設けられた乗場、昇降路を昇降自在に設けられ、乗場に着床可能なかご、かご出入り口と乗場出入り口を開閉するエレベータドア、及びエレベータドアの開閉を制御するエレベータ本体制御部を備えるエレベータの乗場出入り口に突出するように乗場に取り付けられる取付物を検出するエレベータの乗場用取付物検出装置であって、かご出入り口を含む領域を撮影領域としてかご内に設けられる撮影手段と、乗場に取り付けられたときに、乗場出入り口を介して昇降路を臨む取付物の部位に設けられる識別手段と、エレベータドアが開状態にある条件下、撮影手段により撮影された映像データ中の識別手段の有無を取付物の有無として判断する検出装置制御部とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
この発明のエレベータの乗場用取付物検出装置は、エレベータドアが開くたびに点検札の有無を、検出装置制御部が判断可能に構成されている。例えば、エレベータ機器の点検などの作業の実施に先立ち、作業後に取り外すべき点検札などの取付物を、乗場に取り付け、作業を終えるときに、エレベータの各乗場の取付物の有無を乗場用取付物検出装置に判断させて判断結果を出力させるように構成しておくことで、乗場に設けられた取付物の取り忘れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置が設けられたエレベータの模式図である。
【図2】この発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置が設けられたエレベータのかご及び乗場を乗場側から見た図である。
【図3】この発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置が設けられたエレベータのかご内を乗場側に向かって見た図である。
【図4】この発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置が設けられたエレベータのシステム構成図である。
【図5】この発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置が設けられるエレベータの動作を説明するフロー図である。
【図6】この発明に一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置の動作を説明するフロー図である。
【図7】この発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置により行われる本点検前取付物確認制御のフロー図である。
【図8】この発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置により行われる遅延時取付物確認制御のフロー図である。
【図9】この発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置により行われる点検後取付物確認制御のフロー図である。
【図10】この発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置を利用したエレベータの点検方法について説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1はこの発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置が設けられたエレベータの模式図、図2はこの発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置が設けられたエレベータのかご及び乗場を乗場側から見た図、図3はこの発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置が設けられたエレベータのかご内を乗場側に向かって見た図、図4はこの発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置が設けられたエレベータのシステム構成図である。
【0011】
まず、エレベータの乗場用取付物検出装置に先立って、エレベータの構成について説明する。
図1において、エレベータ1は、エレベータ本体10、エレベータ本体10を制御するエレベータ本体制御部41を有するエレベータ制御盤40を備えている。
【0012】
エレベータ制御盤40は、図4に示されるように、エレベータ本体制御部41の他、タイマ42、及び外部との信号のやり取りを可能にする入出力インタフェース(図示せず)等を備えている。
エレベータ本体制御部41は、CPU(図示せず)、一時的にデータを記憶可能であり、CPUが演算を行う際のワーキングスペースに用いられるRAM(図示せず)、各種エレベータ機器を制御するためのプログラムが格納されたROM(図示せず)などにより構成される。
【0013】
エレベータ本体10は、図1に示されるように、建物2に設けられる昇降路12と、駆動綱車14及び駆動綱車14を回転させるトルクを発生する電動機15を有し、昇降路12の上部に形成された機械室16に設置される巻上機13と、機械室16に設置されたそらせ車17と、駆動綱車14及びそらせ車17に巻き掛けられて、昇降路12内に垂れ下げられる主索18とを備えている。
【0014】
また、エレベータ本体10は、昇降路12に開口する乗場出入り口21及び乗場出入り口21を開閉する乗場ドア22を有し、各階に設けられる乗場20と、主索18の一端に連結されて昇降路12に昇降自在に設けられ、かご出入り口31及びかご出入り口31を開閉するかごドア32を有するかご30と、主索18の他端に連結されるつり合いおもり19と、がご30に設けられてかごドア32及び乗場ドア22を開閉させる駆動力を発生するドアモータ35とを備えている。
なお、乗場ドア22及びかごドア32は、乗場出入り口21及びかご出入り口31を開閉するエレベータドア28を構成している。
【0015】
乗場出入り口21は、図示しない乗場敷居、及び図2に示される三方枠29により囲まれている。
三方枠29は、乗場出入り口21の両側部に設けられる一対の縦枠29aと、乗場出入り口21の上部に設けられ、各縦枠29a間に接続された上枠29bとを有している。
また、乗場20には、乗場呼びボタン23が設けられている。
【0016】
かご30内には、図3に示されるように、かご操作盤33がかご出入り口31の間口方向の一側に設けられている。
かご操作盤33は、所望するかご30の行き先階を指定するための行き先階ボタン33aを有している。また、かご操作盤33には、エレベータ1の本点検作業を開始するのに先立って、エレベータ本体制御部41に本点検作業に入ることを認識させ、後述の取付物確認用かご制御を行わせるための本点検開始用手段としての本点検開始用スイッチ(図示せず)が設けられている。
なお、本点検作業とは、エレベータ1を構成する各種機器(エレベータ機器)を、例えば、予め定められた点検項目に基づいて点検する作業をいう。
【0017】
また、本点検開始用手段は、本点検開始用スイッチに限らず、例えば、かご操作盤33の行き先階ボタン33aにより構成し、行き先階ボタン33aが、所定のパターンで順次押されたときに、エレベータ1の本点検作業が開始されるものとして、エレベータ本体制御部41に認識させてもよい。つまり、エレベータ本体制御部41では、本点検開始用スイッチ操作時または行き先階ボタン33aの所定パターンでの押圧時に出力される信号を本点検開始信号として認識する。
以下では、本点検開始信号を出力させるための本点検開始用スイッチの操作を本点検開始操作とする。
【0018】
また、かご操作盤33には、点検作業を終了することをエレベータ本体制御部41に認識させるための点検終了手段としての点検終了用スイッチが備えられている。なお、点検終了手段は、点検終了用スイッチに限らず、例えば、かご操作盤33の行き先階ボタン33aにより構成し、行き先階ボタン33aが所定のパターンで押されたときに、エレベータ1の点検作業が終了したものとしてエレベータ本体制御部41に認識させるようにしてもよい。つまり、エレベータ本体制御部41では、点検終了用スイッチの操作時または行き先階ボタン33aの所定パターンでの押圧時に出力される信号を点検終了信号として認識する。
以下では、点検終了信号を出力させるための点検終了用スイッチの操作を点検終了操作とする。
【0019】
さらに、かご操作盤33には、後述の取付物再確認用かご制御をエレベータ本体制御部41に行わせる指令を出力する取付物再確認指令手段としての取付物再確認指令スイッチ(図示せず)が設けられている。
なお、取付物再確認指令手段は、取付物再確認指令スイッチに限定されず、例えば、かご操作盤33の行き先階ボタン33aで構成し、行き先階ボタン33aが所定のパターンで押されたときに、取付物再確認指令が出力されたものとしてエレベータ本体制御部41に認識させるように構成してもよい。
以下では、取付物再確認指令を出力させるための取付物再確認指令スイッチの操作を取付物再確認指令操作とする。
【0020】
また、エレベータ1は、図4に示されるように、エレベータ制御盤40から入力される信号に応じたエレベータ1の運転状態の情報を監視センタ80に出力する監視装置75を備えている。
【0021】
次いで、エレベータの乗場用取付物検出装置50の構成について説明する。
取付物検出装置50は、図2及び図3に示されるように、乗場出入り口21に突出するように三方枠29の上枠29bに取り付けられて、エレベータ1が点検中であることを表示する点検札70などに代表される取付物を検出するためのものである。
【0022】
図2〜図4において、取付物検出装置50は、かご出入り口31を含む領域を撮影領域としてかご30内に設けられるビデオカメラ等の撮影手段51と、乗場20に取り付けられたときに、乗場出入り口21を介して昇降路12を臨む取付物としての点検札70の部位に設けられる識別手段としての反射材52とを備えている。さらに、取付物検出装置50は、かご30内に設けられる発光手段55と、撮影手段51により撮影された映像データを解析し、当該映像データ中の反射材52の有無を点検札70の有無として判断する検出装置制御部57とを備えている。
【0023】
図4に示されるように、検出装置制御部57は、エレベータ制御盤40の一部の機能が兼ねており、検出装置制御部57でも、上述の本点検開始信号、点検終了信号、及び取付物再確認指令を認識可能になっている。なお、検出装置制御部57は、エレベータ制御盤40とは別に用意してもよい。
【0024】
次いで、取付物検出装置50を設けたエレベータ1のシステム構成図について説明する。
図4において、エレベータ制御盤40と監視装置75が、通信可能に接続されている。監視装置75は、通信網77を介して監視センタ80に接続されている。通信網77は、電話回線、インターネット回線、もしくは無線通信システムにより構成してもよい。
【0025】
エレベータ本体制御部41にはドアモータ35が接続され、エレベータ本体制御部41は、ドアモータ35の駆動を制御可能になっている。また、エレベータ本体制御部41には電動機15が接続され、エレベータ本体制御部41は、電動機15の駆動を制御可能になっている。これにより、エレベータ本体制御部41は、エレベータドア28の開閉制御及びかご30の昇降制御を行うことが可能になっている。
【0026】
撮影手段51と検出装置制御部57とが通信可能に接続され、撮影手段51により取得された映像データは、検出装置制御部57に入力される。
また、検出装置制御部57は、発光手段55の発光を制御可能に発光手段55に接続されている。
また、エレベータ本体制御部41が、かご操作盤33の行き先階ボタン33a及び乗場呼びボタン23の操作に応じた信号を認識可能に行き先階ボタン33a及び乗場呼びボタン23に接続されている。
【0027】
次いで、取付物検出装置50による所定の乗場20に設けられた点検札70の有無の判断方法について説明する。
取付物検出装置50による乗場20に設けられた点検札70の有無の判断は、かご30が乗場20に着床し、エレベータドア28が開いた状態で行われる。
【0028】
エレベータドア28の開動作前、検出装置制御部57に、発光手段55の発光を停止させておき、エレベータドア28の開動作後に、発光手段55を発光させる。このとき、かご30内に向けられた反射材52によって光が反射されるので、反射材52が取り付けられた点検札70の部位が、周りと比較して非常に明るくなる。
【0029】
検出装置制御部57は、撮影手段51が取得する映像を監視し、発光手段55の発光時に取得された映像データにおいて、まわりに比べて所定量以上の明るくなる部分が有る場合に、反射材52の存在を認識して点検札70が乗場20に取り付けられているものとして判断する。また、検出装置制御部57は、所定量以上の明るくなる部分が無い場合には、反射材52の存在を認識せず、点検札70は乗場20に取り付けられていないと判断する。
【0030】
次いで、エレベータ1の動作について図面を参照しつつ説明する。
図5はこの発明に一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置が設けられるエレベータの動作を説明するフロー図である。
なお、図5では、ステップ101〜ステップ120を、説明の便宜上、S101〜S120と記載する。
【0031】
ステップ101で、エレベータ本体制御部41は、本点検開始操作が実行されたか否かを判断し、本点検開始操作が実行されていないと判断すると、エレベータ本体10を通常の運転モードで制御する(ステップ102)。なお、通常の運転モードとは、一般の利用者をかご30に乗せて運ぶためのモードであり、かご操作盤33の行き先階ボタン33aにより指定された行き先階や、乗場呼びボタン23で指定された乗場20の階床にかご30を昇降させて、エレベータドア28を開閉するものをいう。
【0032】
ステップ101で、エレベータ本体制御部41は、本点検開始操作が実行されたと判断すると、以下に説明する取付物確認用かご制御を行う(ステップ103)。つまり、ここでは、本点検開始操作は、取付物確認用かご制御の指令を出力するのに用いられる。
取付物確認用かご制御は、点検札70の取り付け対象の階床を行き先階として設定し、設定した階床の乗場20にかご30が着床する毎に、エレベータドア28を開閉動作させるとともに、エレベータドア28の全開時にチェック信号を出力するものである。
【0033】
後述するが、チェック信号が出力されるたびに、取付物検出装置50は、点検札70の有無を検出するように制御される。つまり、取付物確認用かご制御が完了すると、取付物検出装置50では、点検札70の取り付け対象とした階床の全ての乗場20について、点検札70の有無を判断したことになる。また、取付物検出装置50では、各乗場20における点検札70の有無の情報を取付物確認情報として出力するように構成されている。
【0034】
ステップ104で、エレベータ本体制御部41は、取付物確認情報を参照し、点検札70の取り付けを所望した全ての乗場20に点検札70が有るか否かを判断し、少なくとも一つの乗場20で点検札70が無い場合には、ステップ105に進み、点検札70が有る場合にはステップ107に進む。
【0035】
ステップ105で、エレベータ本体制御部41は、取付物再確認指令が入力されたか否かを判断し、取付物再確認指令が入力されないと判断すると、ステップ105を繰り返し、取付物再確認指令が入力されたと判断すると、ステップ106に進む。
ステップ106で、エレベータ本体制御部41は、取付部再確認用かご制御を行い、ステップ104に戻る。
取付物再確認用かご制御とは、点検札70が検出されなかった乗場20を有する階床を行き先階として設定し、設定された階床の乗場20にかご30が着床する毎に、エレベータドア28を開動作させるとともに、エレベータドア28の全開時にチェック信号を出力するものである。
【0036】
ステップ107で、エレベータ本体制御部41は、エレベータ本体10の運転モードを点検モードをONとする。なお、点検モードとは、例えば、乗場呼びボタン23を点滅させたり、通常時には異常として判断されるような操作が本点検作業により行われた場合でも、エレベータ本体制御部41が生成して監視装置75に出力する異常信号を監視装置75が無効として、監視センタ80へ異常発生の報知を行わないようにしたりするモードである。
【0037】
次いで、ステップ108で、エレベータ本体制御部41は、タイマ42のタイムカウントを開始させる。
ステップ109で、エレベータ本体制御部41は、点検終了操作が実行されたか否かを判断し、点検終了操作が実行されていないと判断するとステップ110に進む。
【0038】
ステップ110で、エレベータ本体制御部41は、タイマ42がカウントした時間が、以下に説明する点検遅延認定時間を経過したか否かを判断する。
点検遅延認定時間は、予想されるエレベータ1の本点検作業に要する時間より所定時間だけ長く設定されている。
【0039】
ステップ110で、エレベータ本体制御部41は、タイマ42の時間が、点検遅延認定時間を経過していないと判断すると、ステップ109に戻り、点検遅延認定時間を経過したと判断すると、ステップ111に進む。
【0040】
ステップ111で、エレベータ本体制御部41は、遅延フラグをONにする。なお、遅延フラグの初期値はOFFに設定されている。
ステップ112で、エレベータ本体制御部41は、ステップ103と同様の、遅延時取付物確認用かご制御を行う。
【0041】
ステップ113で、エレベータ本体制御部41は、取付物確認情報を参照し、乗場20の全てで点検札70が無いか否か、言い換えれば、取付工程で点検札70の取り付けを所望した乗場20の全てから点検札70が外されているか否かを判断する。
ステップ113で、エレベータ本体制御部41は、全ての乗場20に点検札70が無い場合にはステップ119に進み、少なくとも一つの乗場20に点検札70が残されている場合にはステップ114に進む。
ステップ114で、エレベータ本体制御部41は、監視装置75に、点検操作が点検遅延認定時間を経過しても実行されず、かつ、点検札70が乗場20に残されている情報を監視センタ80に通報させる。
【0042】
また、ステップ109において、エレベータ本体制御部41は、点検終了操作が実行されたと判断すると、ステップ103と同様に、取付物確認用かご制御を行い(ステップ115)、ステップ116に進む。
なお、ステップ103で説明したのと同様、ステップ115での取付物確認用かご制御が行われると、取付物検出装置50では、各乗場20における点検札70の有無の情報を取付物確認情報として出力するように構成されている。
【0043】
ステップ116で、エレベータ本体制御部41は、取付物確認情報を参照し、乗場20の全てで点検札70が無いか否か、言い換えれば、取付工程で点検札70の取り付けを所望した乗場20の全てから点検札70が外されているか否かを判断する。
ステップ116で、エレベータ本体制御部41は、乗場20に一つでも点検札70が残されていると判断すると、ステップ105と同様のフローをステップ117で行う。
【0044】
ステップ117で、エレベータ本体制御部41は、取付物再確認指令が入力されたと判断すると、取付物再確認用かご制御を行う(ステップ118)。
ここでの取付物再確認用かご制御は、点検札70が検出された乗場20を有する階床を行き先階として設定し、設定された階床の乗場20にかご30が着床する毎に、エレベータドア28を開動作させるとともに、エレベータドア28の全開時にチェック信号を出力するものである。
【0045】
ステップ116で、エレベータ本体制御部41は、乗場20の全てに点検札70が無いと判断すると、点検モードをOFFとする(ステップ119)。
点検モードをOFFにするとは、点検モードをONにしたときに点滅させた乗場呼びボタン23の発光制御を、乗場呼びボタン23の操作に応じて発光する通常の発光制御に戻し、また、監視装置75により拒否されていた監視センタ80へのエレベータ本体10の異常の通報を許可するものをいう。つまり、点検モードをOFFにするとは、エレベータ本体10の制御を、一般の利用者が利用する際に行われる通常の運転制御に戻すものをいう。
【0046】
ステップ120で、エレベータ本体制御部41は、タイマ42のタイムカウントを停止、リセットして制御を終了する。
【0047】
次いで、取付物検出装置50の動作について図面を参照しつつ説明する。
図6はこの発明に一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置の動作を説明するフロー図である。
なお、図6では、ステップ201〜ステップ206を、説明の便宜上、S201〜S206と記載する。
【0048】
ステップ201で、検出装置制御部57は、本点検開始操作が実行されたか否かを判断する。
ステップ201で、検出装置制御部57は、本点検開始操作が実行されていないと判断すると、ステップ201を繰り返し、実行されたと判断すると本点検前取付物確認制御を行う(ステップ202)。
【0049】
以下、本点検前取付物確認制御について説明する。
図7はこの発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置により行われる本点検前取付物確認制御のフロー図である。
なお、図7では、ステップ301〜ステップ306を、説明の便宜上、S301〜S306と記載する。
【0050】
ステップ301で、検出装置制御部57は、チェック信号を受信したか否かを判断する。
なお、エレベータ本体10の動作で上述したように、チェック信号は、本点検開始操作が実行された後、かご30が乗場20に着床してエレベータドア28が全開されるたびに出力される。
ステップ301で、検出装置制御部57は、チェック信号を受信していないと判断すると、ステップ301を繰り返す。
ステップ301で、検出装置制御部57は、チェック信号を受信したと判断すると、点検札70の有無を確認し、確認結果を現在かご30が着床している乗場20の階床と関連付けして記憶する(ステップ302)。
【0051】
ステップ303で、検出装置制御部57は、点検札70の取り付け対象とした階床の全ての乗場20(所望する全乗場20)について、点検札70の確認が終わったか否かを判断する。
【0052】
ステップ303で、検出装置制御部57は、所望の全乗場20について、点検札70の確認が終わっていないと判断すると、ステップ301に戻り、所望の全乗場20について点検札70の確認が終わったと判断すると、ステップ304に進む。
ステップ304で、検出装置制御部57は、乗場20毎の点検札70の有無の情報である取付物確認情報をエレベータ本体制御部41に配信する。
【0053】
ステップ305で、検出装置制御部57は、取付物再確認指令が入力されたか否かを判断し、取付物再確認指令が入力されたと判断すると、ステップ301に戻る。
取付物再確認指令が入力されると、エレベータ本体10では、取付物再確認用かご制御が行われるので、ステップ301〜304では、検出装置制御部57は、取付物再確認用かご制御においてかご30が停止された階床の乗場20の点検札70の有無を確認し、取付物確認情報を更新して送信することになる。
【0054】
ステップ305で、検出装置制御部57は、取付物再確認指令が入力されていないと判断すると、点検モードがONになったか否かを判断する(ステップ306)。
ステップ306で、検出装置制御部57は、点検モードがONになっていないと判断すると、ステップ305に戻り、点検モードがONになったと判断すると、点検前取付物確認制御を終了し、ステップ203に移行する。
【0055】
ステップ203で、検出装置制御部57は、遅延フラグがONになったか否かを判断する。遅延フラグがONになったと判断すると、遅延時取付物確認制御(工程)を行う(ステップ204)。
【0056】
以下、遅延時取付物確認制御について説明する。
図8はこの発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置により行われる遅延時取付物確認制御のフロー図である。
なお、図8では、ステップ401〜ステップ404を、説明の便宜上、S401〜S404とする。
図8において、ステップ401〜ステップ404は、上述のステップ301〜ステップ304と同様である。即ち、遅延フラグがONとなると、上述したようにエレベータ本体10では、取付物確認用かご制御を開始され、これに連動して、検出装置制御部57は、各乗場20の点検札70の有無を判断して取付物確認情報を送信し、遅延時取付物確認制御を終了する。
【0057】
また、ステップ203で、検出装置制御部57は、遅延フラグがONになっていないと判断すると、点検終了操作が実行されたか否かを判断する(ステップ205)。
ステップ205で、検出装置制御部57は、点検終了操作が実行されていないと判断すると、ステップ203に戻り、点検終了操作が実行されたと判断すると、点検後取付物確認制御(工程)を行う。
【0058】
以下、点検後取付物確認制御について説明する。
図9はこの発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置により行われる点検後取付物確認制御のフロー図である。
なお、図9では、ステップ501〜ステップ506を、説明の便宜上、S501〜S506とする。
【0059】
図9において、ステップ501〜ステップ505は、ステップ301〜ステップ305と同様である。
ステップ506で、検出装置制御部57は、点検モードがOFFになったか否かを判断し、点検モードがOFFになっていないと判断すると、ステップ505に戻り、点検モードがOFFになったと判断すると、点検後取付物確認制御を終了する。
【0060】
次いで、取付物検出装置50を利用したエレベータ1の点検方法について説明する。
図10はこの発明の一実施の形態に係るエレベータの乗場用取付物検出装置を利用したエレベータの点検方法について説明するフロー図である。
【0061】
撮影手段51は、予めかご30内にない場合には、かご30内に取り付けておく。
図10に示されるように、ステップ601で、作業者は、点検札70の取り付けを所望する階床の乗場20の全てに点検札70を取り付ける取り付け工程を行う。
ステップ602で、作業者は、本点検開始操作を行う。
本点検開始操作と同時にエレベータ本体制御部41により、取付物確認用かご制御が行われる。つまり、かご30が順次乗場20に着床させて、エレベータドア28を開閉させる制御が行われる。これに連動して、取付物検出装置50では、検出装置制御部57が、各乗場20でエレベータドア28が開かれたときに、撮影手段51が取得した映像データの中の反射材の有無に基づいて点検札70の有無を判断する本点検前取付物確認工程が行われる。このとき、取付物検出装置50は、各乗場20の点検札70の有無に関する取付物確認情報を出力する。
【0062】
なお、作業者は、取付物確認情報の外部への送信用にかご操作盤33に設けられている出力端子にPC端末を接続するなどすることで取付物確認情報を確認可能となっている。
【0063】
ステップ603で、取付物確認情報を確認し、点検札70を取り付け忘れた乗場20が有るか否かを確認する。
ステップ603で、作業者は、点検札70を取り付け忘れた乗場20が有ると判断すると、該当する乗場20に点検札70を取り付け(ステップ604)、さらに、ステップ605で、取付物再確認指令操作を行って、ステップ603のフローに戻る。
【0064】
なお、ステップ603で、点検札70の取り付け忘れがないことを作業者が確認する方法は以下のものである。点検札70の取り付け忘れが無い場合、エレベータ本体制御部41では、自動的に点検モードをONとするとともに、タイマ42のカウントをスタートする工程が実施される。そして、点検モードがONとなったことを持って、作業者は、点検札70の取り付け忘れが無いことを自認して、本点検作業を実施する(ステップ606)。
【0065】
ステップ607で、作業者は、点検札70を取り付けた全ての乗場20から点検札70を取り外す。
ステップ608で、作業者は、点検終了操作を行う。
点検終了操作と同時にエレベータ本体制御部41により、取付物確認用かご制御が行われる。これに連動して、上述の本点検前取付物確認工程と同様の点検後取付物確認工程が行われ、取付物検出装置50は、取付物確認情報を出力する。
【0066】
ステップ609で、作業者は、取付物確認情報を確認し、点検札70を外し忘れた乗場20が有るか否かを確認する。
ステップ609で、作業者は、点検札70を外し忘れた乗場20が有ると判断すると、言い換えれば、取付工程で取り付けを所望した乗場20に、点検札70が残されていると判断すると、該当する乗場20から点検札70を外し(ステップ610)、さらに、ステップ611で、取付物再確認指令操作を行って、ステップ608のフローに戻る。
【0067】
ステップ609で、作業者は、点検札70を外し忘れた乗場20が無いと判断すると、エレベータ1の点検作業を終了する。
【0068】
また、以上のエレベータの点検方法では、作業者が、ステップ608で、点検終了操作を行うことを前提としたが、仮にステップ608で作業者が点検終了操作を行わずに点検作業を終了してしまい、タイマ42のカウント時間が、点検遅延認定時間だけ経過した場合に、以下の工程を自動的に実施するようになっている。
【0069】
点検遅延認定時間の経過は、ステップ111に相当するものであり、エレベータ本体10では、点検札70の取り付けを所望した乗場20に対し、かご30を順次着床させてエレベータドア28を開閉させる制御を行う遅延時取付物確認用かご制御工程が行われる。これに連動して、取付物検出装置50では、撮影手段51が取得した映像データの中の反射材52の有無に基づいて点検札70の有無を検出装置制御部57に判断させて、取付物確認情報を出力させる遅延時取付物確認工程が行われる。
【0070】
遅延時取付物確認工程で行われる各乗場20の点検札70の有無の判断結果から、エレベータ本体制御部41が乗場20に取付物が残されていると判断した場合には、エレベータ1の点検作業が未終了である情報を監視センタ80に出力させる工程が行われる。
また、遅延時取付物確認工程において、乗場20に取付物が無い場合には、エレベータ本体制御部41は、エレベータ本体10の制御を通常の運転モードに自動的に戻す工程を実施する。
【0071】
この発明のエレベータの乗場用取付物検出装置50は、かご出入り口31を含む領域を撮影領域としてかご30内に設けられる撮影手段51と、乗場20に取り付けられたときに、乗場出入り口21を介して昇降路12を臨む点検札70の部位に設けられる反射材52、エレベータドア28が開状態にある条件下、撮影手段51により撮影された映像データ中の反射材52の有無を点検札70の有無として判断する検出装置制御部57とを備えている。
【0072】
従って、点検札70を設置した乗場20に対して、各乗場20にかご30を着床させ、エレベータドア28が開いたときに、取付物検出装置50は点検札70の有無を確認することが可能となる。つまり、反射材52により常時、光が反射されることになり、検出装置制御部57は、撮影手段51が取得した映像の中に、まわりに比べて非常に明るくなっている箇所がある場合に、点検札70が乗場20に設けられていると判断できる。
【0073】
例えば、上述したように、作業員が点検作業するのに、点検終了操作を行ったときに、取付物検出装置50が、点検札70の有無を確認するように構成しておくことで、仮に作業員が点検札70を外し忘れていたとしても、作業員は取付物検出装置50による点検札70の有無の判断結果を確認するだけで、点検札70の外し忘れを自認でき、点検札70を外し忘れたまま、エレベータ1の点検作業が終わったものとして帰ってしまうことがなくなる。
【0074】
また、取付物検出装置50は、発光手段55を発光させたときに撮影手段51により撮影される映像から点検札70の有無を判断するように構成されている。
これにより、仮に、乗場出入り口21に向けて非常に明るく光る物体が乗場20側に設けられていたとしても、検出装置制御部57が、この物体を点検札70と間違えて判断することが確実に防止される。但し、常時、発光手段55を発光させたままでも、点検札70の検出効果が失われるものではない。
【0075】
また、識別手段は、反射材52として説明したが、反射材52に限定されず、QRコードや文字などの所定形状の識別マークでもよい。この場合、特に発光手段55は常時かご30内を照らすようにしておけばよく、検出装置制御部57は、撮影手段51により取得される映像データの中に識別マークが有ると判断したときに、かご30が着床した乗場20に点検札70が取り付けられていると判断するように構成すればよい。
識別手段を識別マークとすることで、反射材52を用いるものに比べて安価に識別手段を構成できる。
【0076】
また、エレベータの取付物検出装置50を利用したエレベータ1の点検方法は、本点検作業の終了後に、点検札70を取り外す取り外し工程と、取り外し工程後に、点検札70の取り付けを所望した乗場20に対し、かご30を順次着床させてエレベータドア28を開閉させる制御を行わせる工程と、各乗場20でエレベータドアが28が開かれたときに、撮影手段51が取得した映像データの中の有無に基づいて、点検札70の有無を検出装置制御部57に判断させる点検後取付物確認工程と、点検札70の有無の判断結果から乗場20に点検札70が残されていると判断した場合に、乗場20に残された点検札70を取り外す工程とを備える。
【0077】
従って、点検札70の取り外し工程で、仮に点検札70を外し忘れた乗場20が有ったとしても、その後に実施される点検後取付物確認工程における点検札70の有無の判断結果を確認することで、作業者は、点検札70の外し忘れを自認するので、点検札70の外し忘れを防止できる。
【0078】
さらに、エレベータ1の点検方法では、本点検工程の直前にタイマ42のカウントを開始させる工程と、タイマ42のカウント時間が、点検遅延認定時間だけ、エレベータの本点検作業の終了操作が行われないまま経過した場合に、取付工程で点検札70の取り付けを所望した乗場20に対し、かご30を順次着床させてエレベータドア28を開閉させる制御を行わせる遅延時取付物確認用かご制御工程と、遅延時取付物確認用かご制御工程中にエレベータドア28が開かれる毎に、各乗場20での点検札70の有無を検出装置制御部57に判断させる遅延時取付物確認工程とを行うようになっている。さらに、遅延時取付物確認工程における点検札70の有無の判断結果から、乗場20に点検札70が残されていると判断した場合に、エレベータ1の点検作業が未終了である情報を出力させる工程が行われる。
【0079】
従って、エレベータ1の点検作業が未終了である情報の出力先を、エレベータ1の管理者のいる管理センタに設定しておけば、仮に作業者は、何らかの原因で点検札70を取り残したまま、放置した場合には、エレベータ1の管理者が速やかに対応することができ、不必要にエレベータ1の通常運転を停止させることを防止できる。
【0080】
さらに、エレベータ1の点検方法は、本点検工程に先立って、エレベータ本体10の制御を、点検用モードに切り替える工程と、遅延時取付物確認工程において、乗場20に点検札70が無い場合には、エレベータ本体制御部41がエレベータ本体10の制御を通常の運転モードに自動的に戻す工程とを備えている。
【0081】
ここで、作業者が、本点検作業を終え、乗場20の全てで点検札70を取り外した場合には、エレベータ1の通常運転の復帰に支障が無い。上記のように制御することで、本点検作業を終了させ、点検札70を取り外した作業者が、通常の運転モードにエレベータ本体10の運転モードを戻すのを忘れて帰ってしまった場合でも、点検遅延認定時間が経過したときに、自動的にエレベータ本体10が通常運転モードに復帰されるので、不必要にエレベータ1の通常運転を停止させることを防止できる。
【0082】
なお、本発明は、取付物としての点検札70を検出するものとして説明したが、乗場出入り口21に突出するように取り付けられる取付物であれば、点検札70以外の取付物を検出するものにも適用できる。
また、ステップ113及びステップ114において、点検終了操作が、点検遅延認定時間を過ぎても実効されず、かつ、点検札70が乗場20に残されている場合の監視センタ80への通報は、エレベータ本体制御部41が行うものとして説明したが、検出装置制御部57が、タイマ42のカウントを監視し、さらに、所望の全乗場の点検札70の有無を判断するように構成して、判断結果に応じて監視センタ80へ情報を通報するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 エレベータ、12 昇降路、21 乗場出入り口、28 エレベータドア、30 かご、31 かご出入り口、41 エレベータ本体制御部、42 タイマ、50 エレベータの乗場用取付物検出装置、51 撮影手段、52 反射材(識別手段)、55 発光手段、57 検出装置制御部、70 点検札(取付物)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各階に設けられた乗場、昇降路を昇降自在に設けられ、上記乗場に着床可能なかご、かご出入り口と乗場出入り口を開閉するエレベータドア、及び上記エレベータドアの開閉を制御するエレベータ本体制御部を備えるエレベータの上記乗場出入り口に突出するように上記乗場に取り付けられる取付物を検出するエレベータの乗場用取付物検出装置であって、
上記かご出入り口を含む領域を撮影領域として上記かご内に設けられる撮影手段と、
上記乗場に取り付けられたときに、上記乗場出入り口を介して上記昇降路を臨む上記取付物の部位に設けられる識別手段と、
上記エレベータドアが開状態にある条件下、上記撮影手段により撮影された映像データ中の上記識別手段の有無を上記取付物の有無として判断する検出装置制御部と
を備えていることを特徴とするエレベータの乗場用取付物検出装置。
【請求項2】
上記識別手段は、反射材であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの乗場用取付物検出装置。
【請求項3】
上記識別手段に光を照射可能に上記かご内に設けられる発光手段を備え、
上記検出装置制御部は、上記発光手段による発光と消灯を制御可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載のエレベータの乗場用取付物検出装置。
【請求項4】
上記識別手段は、上記取付物に付される所定形状の識別マークであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの乗場用取付物検出装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの乗場用取付物検出装置を利用したエレベータの点検方法であって、
上記取付物を所望する上記乗場に取り付ける取付工程と、
エレベータ機器の点検作業を行う本点検工程と、
上記本点検工程の終了後に、上記取付物を取り外す取り外し工程と、
上記取り外し工程後に、上記取付工程で上記取付物の取り付けを所望した上記乗場に対し、上記かごを順次着床させて上記エレベータドアを開閉させる制御を行わせる取付物確認用かご制御工程と、
上記取付物確認用かご制御工程中に上記エレベータドアが開かれたときに、各上記乗場での上記取付物の有無を上記検出装置制御部に判断させる点検後取付物確認工程と、
上記点検後取付物確認工程での上記取付物の有無の判断結果から、上記乗場に上記取付物が残されていると判断した場合に、上記乗場に残された上記取付物を取り外す工程と、
を備えることを特徴とするエレベータの点検方法。
【請求項6】
上記本点検工程の直前にタイマを開始させる工程と、
上記タイマのカウント時間が、予想される上記本点検工程に要する時間より長く設定された点検遅延認定時間だけ、上記エレベータの本点検作業の終了操作が行われないまま経過した場合には、上記取付工程で上記取付物の取り付けを所望した上記乗場に対し、上記かごを順次着床させて上記エレベータドアを開閉させる制御を行わせる遅延時取付物確認用かご制御工程と、
上記遅延時取付物確認用かご制御工程中に上記エレベータドアが開かれる毎に、各上記乗場での上記取付物の有無を上記検出装置制御部に判断させる遅延時取付物確認工程と、
上記遅延時取付物確認工程での上記取付物の有無の判断結果に基づいて、上記乗場に上記取付物が残されていると判断した場合に、上記エレベータの点検作業が未終了である情報を出力させる工程と
を備えていることを特徴とする請求項5に記載のエレベータの点検方法。
【請求項7】
上記本点検工程に先立って、上記エレベータ本体制御部による上記エレベータ本体の制御を、点検モードに切り替える工程と、
上記本点検工程の直前にタイマを開始させる工程と、
上記タイマのカウント時間が、予想される上記本点検工程に要する時間より長く設定された点検遅延認定時間だけ、上記エレベータの本点検作業の終了操作が行われないまま経過した場合には、上記取付工程で上記取付物の取り付けを所望した上記乗場に対し、上記かごを順次着床させて上記エレベータドアを開閉させる制御を行わせる遅延時取付物確認用かご制御工程と、
上記遅延時取付物確認用かご制御工程中に上記エレベータドアが開かれる毎に、各上記乗場での上記取付物の有無を上記検出装置制御部に判断させる遅延時取付物確認工程と、
上記遅延時取付物確認工程での上記取付物の有無の判断結果に基づいて、上記乗場に残されている上記取付物が無いと判断した場合には、上記エレベータ本体の制御を通常の運転モードに自動的に戻す工程と
を備えていることを特徴とする請求項5に記載のエレベータの点検方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−96918(P2012−96918A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248459(P2010−248459)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】