説明

エンコーダ

【課題】スケールに対する被検出光の照射位置が基準からずれた場合でも、絶対角度を精度良く検出することができるエンコーダ、及びこのようなエンコーダに用いるエンコーダ用受光装置を提供する。
【解決手段】エンコーダ1では、一直線状の光透過部17に被検出光を透過させることにより、スケール板11において、配列ラインL1,L2の互いに離間した一部を含む領域に被検出光が照射される明部19が形成され、他の領域に被検出光が照射されない暗部20が形成される。したがって、光強度ピークP1,P2間の相対角度(基準相対角度)は、光透過部17の形状から一義的に算出できる。そこで、エンコーダ1では、角度検出時の相対角度と基準相対角度とのずれ量を補正量α°として算出することにより、スケール板11に対する被検出光の照射位置が基準からずれた場合でも、絶対角度を精度良く検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式のエンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光学式のエンコーダとして、例えば特許文献1に記載の光学式エンコーダがある。この従来のエンコーダは、異なる回折パターンを持つ格子窓が環状に配置された光学スケールを有しており、スリットを通して格子窓に照射した被検出光の回折パターンをイメージセンサで撮像する。そして、撮像した回折パターンから格子窓を特定すると共に、画像中における回折パターンの位置に基づいて格子窓の位置を特定し、測定対象物の絶対角度を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平8−10145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の光学式のエンコーダでは、特定された各格子窓の位置から直接絶対角度の検出を行っている。そのため、例えばスケールの円板加工の困難性やその後の経時変化等によって光学系を構成する各部材の配置関係がずれ、スケールに対する被検出光の照射位置が基準からずれてしまうと、絶対角度の検出精度が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、スケールに対する被検出光の照射位置が基準からずれた場合でも、絶対角度を精度良く検出することができるエンコーダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決のため、本発明に係るエンコーダは、回転体と、回転体に対して被検出光を出射する光源装置と、複数の受光素子が配列されたスケール、及び回転体を経由して受光素子に入射する被検出光の光強度に基づく出力信号を出力する出力部を有する受光装置とを備え、複数の受光素子は、環状の配列ラインに沿ってスケールに環状に配列されるとともに、角度情報がそれぞれ割り当てられており、回転体は、スケールにおいて、配列ラインの互いに離間する第1の部分および第2の部分を含む領域を被検出光が照射される明部とし、配列ラインの第1の部分および第2の部分を除く他の部分を含む領域を被検出光が照射されない暗部とし、出力信号の1次元プロファイルを用いて、明部に対応する受光素子に割り当てられた角度情報に基づいて絶対角度を検出することを特徴としている。
【0007】
このエンコーダは、複数の受光素子が環状に配列されたスケールにおいて、配列ラインの互いに離間した一部を含む領域を被検出光が照射される明部とし、配列ラインの一部を除く他の部分を含む領域を被検出光が照射されない暗部とする回転体を有している。したがって、受光素子からの出力信号の1次元プロファイルからは少なくとも2つの光強度ピークが得られ、一の光強度ピークに対応する受光素子を特定することによって絶対角度を算出することができる。一方、一の光強度ピークと他の光強度ピークとの間の相対角度(基準相対角度)は、スケールに形成される明部の形状から予め把握しておくことができる。ここで、スケールに対する被検出光の照射位置が基準からずれている場合、角度検出時における光強度ピーク間の相対角度は、基準相対角度から一定量ずれることとなる。そこで、このエンコーダでは、相対角度のずれ量を補正量として算出し、一の光強度ピークから求めた絶対角度に対して補正量を加減することにより、スケールに対する被検出光の照射位置が基準からずれた場合でも、絶対角度を精度良く検出することができる。
【0008】
また、回転体には、一直線状の光透過部が形成されており、明部は、光透過部を通過した被検出光によって形成されていることが好ましい。この場合、出力信号の1次元プロファイルからは2つの光強度ピークが得られ、その基準相対角度は一義的に180°となる。したがって、補正量の算出を容易化できる。
【0009】
また、光透過部は、一端側の幅と他端側の幅とが異なっていることが好ましい。こうすると、2つの光強度ピークの幅(半値幅)に差異が生じるので、これらの光強度ピークを区別することができる。これにより、エンコーダの角度検出範囲の広範化が可能となる。
【0010】
また、回転体には、一直線状の光反射部が形成されており、明部は、光反射部で反射した被検出光によって形成されていることが好ましい。
【0011】
また、光透過部は、スリットであることが好ましい。この場合、光透過部の構成が簡単化され、エンコーダの低コスト化を実現できる。
【0012】
また、光反射部は、一端側の幅と他端側の幅とが異なっていることが好ましい。こうすると、2つの光強度ピークの幅(半値幅)に差異が生じるので、これらの光強度ピークを区別することができる。これにより、エンコーダの角度検出範囲の広範化が可能となる。
【0013】
また、受光素子は、配列ラインに沿って千鳥状に配列されていることが好ましい。この場合、スケールを小型に保ちつつ、角度検出の分解能を向上させることができる。
【0014】
また、スケールにおいて、受光素子が配列された領域を除く領域には、光吸収膜が形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、被検出光の多重反射等の影響を緩和でき、受光素子から得られる出力信号の1次元プロファイルのSN比を向上させることができる。
【0015】
また、出力部は、光強度に基づく出力信号を受光素子から順次出力させるシフトレジスタを有し、シフトレジスタは、配列ラインの内側に配置されていることが好ましい。配列ラインの内側にある余剰なスペースにシフトレジスタを配置することにより、スケールを小型化することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るエンコーダによれば、スケールに対する被検出光の照射位置が基準からずれた場合でも、絶対角度を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエンコーダを示す斜視図である。
【図2】図1に示したエンコーダの光学系を示す斜視図である。
【図3】受光装置の平面図である。
【図4】歯車付き回転板の平面図である。
【図5】光透過部とスケールとの配置関係を示す図である。
【図6】図1に示したエンコーダによって測定対象物の絶対角度を検出する際の処理を示すフローチャートである。
【図7】被検出光の光強度の1次元プロファイルを示す図である。
【図8】位置ずれが生じている場合の光透過部とスケールとの配置関係を示す図である。
【図9】位置ずれが生じている場合の被検出光の光強度の1次元プロファイルを示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るエンコーダを示す斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るエンコーダを示す斜視図である。
【図12】図11に示したエンコーダの光学系を示す斜視図である。
【図13】受光装置の平面図である。
【図14】歯車付きスリット板の平面図である。
【図15】スリットとスケールとの配置関係を示す図である。
【図16】図11に示したエンコーダによって測定対象物の絶対角度を検出する際の処理を示すフローチャートである。
【図17】被検出光の光強度の1次元プロファイルを示す図である。
【図18】位置ずれが生じている場合のスリットとスケールとの配置関係を示す図である。
【図19】位置ずれが生じている場合の被検出光の光強度の1次元プロファイルを示す図である。
【図20】変形例に係るスリットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るエンコーダの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るエンコーダを示す斜視図である。図1に示すエンコーダ1は、いわゆるアブソリュート型のロータリエンコーダであり、例えば自動車のハンドルといった測定対象物(図示しない)の絶対角度を検出するデバイスである。このエンコーダ1は、測定対象物に連結される回転軸2と、この回転軸2に固定された歯車付き円板3とを備えている。歯車付き円板3は、測定対象物と連動する回転軸2の回転に伴って、矢印A方向に回転する。
【0020】
図2は、エンコーダ1の光学系Sを示す斜視図である。図2に示すように、エンコーダ1の光学系Sは、被検出光を出射する点光源のLED(光源装置)6と、LED6に対向するように配置され、被検出光を受光する受光装置(エンコーダ用受光装置)7と、歯車付き円板3と噛合する歯車付き回転板(回転体)8と、歯車付き回転板8を挟むように配置された一対の平行レンズ9A,9Bとによって構成されている。
【0021】
受光装置7は、図3に示すように、複数のPD(受光素子)10が配列されてなるスケール板11と、各PD10からの出力信号を出力する出力部12とを有している。スケール板11には、同心円状の第1配列ラインL1及び第2配列ラインL2が設定されており、各PD10は、各配列ラインL1,L2に渡って円環状かつ千鳥状に配置されている。そして、各PD10には、1番目のPD10(0°)から最終番目のPD10(359.5°)まで、例えば時計回りに0.5°刻みで角度情報が割り当てられている。また、スケール板11の表面において、PD10が配列された領域を除いた領域には、例えばカーボンを含有する黒色の樹脂からなる光吸収膜18が印刷等によって形成されている。
【0022】
出力部12は、複数(本実施形態では4個)のシフトレジスタ13と、ビデオライン14と、信号処理部16とを有している。各シフトレジスタ13は、各配列ラインL1,L2よりも内側で、スケール板11と同心に略矩形状に配置され、各PD10に対して、受光した被検出光の光強度に基づく出力信号を出力させるための走査信号を供給する。また、ビデオライン14は、各配列ラインL1,L2よりも外側で同心円状に配置され、各PD10からの出力信号を信号処理部16に出力する。そして、信号処理部16は、ビデオライン14を介して各PD10から受け取った出力信号を外部出力する。なお、各シフトレジスタ13への駆動信号の供給ライン(図示しない)は、例えば、PD10とPD10との間に接続されている。
【0023】
一方、歯車付き回転板8は、図4に示すように、LED6から出射した被検出光の一部を通過させる光透過部17を有している。この光透過部17は、例えばガラスにより、歯車付き回転板8の中心を通るように一直線状に形成されている。また、光透過部17は、一端側から他端側に向かって徐々に幅が小さくなるように形成され、一端側の幅W1は、他端側の幅W2の約2倍程度となっている。さらに、歯車付き回転板8の表面において、光透過部17を除く領域には、光吸収膜18と同じ材料からなる光吸収膜21が形成されている。
【0024】
この光透過部17は、測定対象物が回転すると、歯車付き円板3と歯車付き回転板8との協働により、図1に示すように、被検出光の光軸X周りに矢印B方向に回転する。光透過部17を通過した被検出光は、光透過部17の形状と同様に一直線状となる。これにより、図5に示すように、スケール板11のうち、配列ラインL1,L2の互いに離間する一部を含む領域、すなわち、配列ラインL1,L2と光透過部17の一端側及び他端側とが交差する部分を含む直線状の領域に、被検出光が照射される明部19が形成される。また、被検出光のうち、光透過部17を通過しなかった部分は、光吸収膜21によって吸収される。これにより、スケール板11のうち、明部19を除いた領域には、被検出光が照射されない暗部20が形成される。
【0025】
このような光学系Sでは、図2に示すように、点光源であるLED6から被検出光が出射されると、この被検出光が平行レンズ9Aによって平行光束化され、光透過部17に入射する。光透過部17を通過して一直線状となった被検出光は、平行レンズ9Bによって収束され、この被検出光の一端側と他端側とが円環状に配列された各PD10に対して2箇所で入射する。各PD10からは、受光した被検出光の光強度に基づく出力信号がそれぞれ出力され、信号処理部16から外部出力される。
【0026】
次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、上述した構成を有するエンコーダ1によって測定対象物の絶対角度を検出する際の処理について説明する。
【0027】
まず、各PD10から得られる出力信号をそれぞれ収集し、各PD10に対する被検出光の光強度の1次元プロファイルを取得する(ステップS01)。このとき、エンコーダ1では、光透過部17を通過した被検出光は、円環状に配列された各PD10に対して2箇所で入射するので、1次元プロファイルを解析すると、図7(a)に示すように、互いに離間する2つの光強度ピークP1,P2が得られることとなる。また、エンコーダ1では、光透過部17の一端側の幅W1が他端側の幅W2の約2倍であるので、光強度ピークP1は、光強度ピークP2の約2倍の半値幅を有している。
【0028】
次に、所定のコンパレートレベルに基づいて、図7(b)に示すように、得られた光強度ピークP1,P2を二値化する(ステップS02)。この後、二値化した光強度ピークP1の半値中心に対応するPD10を、絶対角度を決定するための基準点とし、光強度ピークP2の半値中心に対応するPD10を、光強度ピークP1,P2間の相対角度を決定するための相対点とする。そして、各PD10に割り当てられた角度情報に基づいて、基準点及び相対点の角度を検出する(ステップS03)。
【0029】
ここで、エンコーダ1においては、光透過部17が一直線状に形成されている。そのため、スケール板11に対する光透過部17の位置ずれが生じていない場合には、基準点と相対点との間の相対角度(以下、「基準相対角度」と称す)は、一義的に180°と算出される。一方、図8に示すように、歯車付き回転板8の軸ずれ及び回転ずれ等により、スケール板11に対する光透過部17の位置ずれが生じている場合には、図9に示すように、例えば基準点の位置がα°だけ真の位置からずれる。そのため、検出時の基準点と相対点との間の相対角度は、180°+α°と算出される。
【0030】
そこで、基準相対角度と検出時の相対角度との差α°が生じた場合には、このα°を角度ずれの補正量として算出する(ステップS04)。そして、ステップS03で検出した基準点の角度から補正量α°を加算(または減算)することにより、基準点における絶対角度を算出する(ステップS05)。
【0031】
以上説明したように、エンコーダ1では、歯車付き回転板8に形成された一直線状の光透過部17に被検出光を透過させることにより、スケール板11において、配列ラインL1,L2の互いに離間した一部を含む領域に被検出光が照射される明部19が形成され、他の領域に被検出光が照射されない暗部20が形成される。したがって、PD10からの出力信号の1次元プロファイルから2つの光強度ピークP1,P2が得られ、一方の光強度ピークP1に対応するPD10を特定することによって絶対角度を算出することができる。
【0032】
一方、光強度ピークP1,P2間の相対角度(基準相対角度)は、光透過部17の形状から一義的に180°と算出できる。ここで、スケール板11に対する被検出光の照射位置が基準からずれている場合、角度検出時における光強度ピークP1,P2間の相対角度は、基準相対角度から一定量ずれることとなる。そこで、このエンコーダ1では、相対角度のずれ量を補正量α°として算出し、光強度ピークP1から求めた絶対角度に対して補正量α°を加減することにより、スケール板11に対する被検出光の照射位置が基準からずれた場合でも、絶対角度を精度良く検出することができる。
【0033】
また、エンコーダ1では、光透過部17が一直線状であるので、その形成が容易であり、エンコーダ1の低コスト化を実現できる。また、光透過部17がガラスから形成されているため、スリットを用いる場合に比べれば、塵埃による目詰まりが生じにくく、長期間の使用によっても、出力信号のレベル低下等による絶対角度の検出精度の低下を抑制することが可能となる。さらに、光透過部17は、その一端側の幅W1と他端側の幅W2とが異なっている。そのため、各PD10から得られる出力信号の1次元プロファイルを解析すると、異なる半値幅を持つ光強度ピークP1,P2が得られる。これにより、基準点と相対点とを互いに区別することができ、スケール全周に渡る広範な角度検出が可能となる。
【0034】
一方、受光装置7側では、各PD10に入射する被検出光の光強度に基づく出力信号を外部出力するといった簡素な処理のみが行われるので、信号処理が迅速になされる。また、フレームメモリ等も不要であり、受光装置7の小型化及び低コスト化が図られる。さらに、受光装置7では、各シフトレジスタ13は、配列ラインL1,L2の内側で、スケール板11と同心に略矩形状に配置されている。このように、配列ラインL1,L2の内側にある余剰なスペースに各シフトレジスタ13を配置することにより、受光装置7の一層の小型化が図られる。
【0035】
また、スケール板11において、各PD10は、円環状の各配列ラインL1,L2に渡って千鳥状に配列されている。このようなPD10の配置により、スケール板11を小型に保ちつつ、角度検出の分解能を向上させることができる。これに加え、スケール板11の表面において、PD10が配列された領域を除く領域には、光吸収膜18が形成されている。これにより、被検出光の多重反射等の影響を緩和でき、各PD10から得られる出力信号の1次元プロファイルのSN比を向上させることができる。
【0036】
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係るエンコーダについて説明する。図10に示すように、第2実施形態に係るエンコーダ30は、スケール板11に明部19及び暗部20を形成するにあたり、LED6から出射した被検出光を歯車付き回転板31の光反射部32で反射させる点で、被検出光を歯車付き回転板8の光透過部17から通過させる第1実施形態と異なっている。
【0037】
すなわち、エンコーダ30の光学系Saにおいて、歯車付き回転板31は、LED6から出射した被検出光の一部を反射させる光反射部32を有している。光反射部32は、例えばアルミニウム薄膜により、歯車付き回転板31の中心を通るように一直線状に形成されている。また、光反射部32は、第1実施形態における光透過部17と同様に、一端側から他端側に向かって徐々に幅が小さくなるように形成され、光反射部32の一端側の幅W3は、他端側の幅W4の約2倍程度となっている。さらに、歯車付き回転板31において、光反射部32を除く部分には、例えばカーボンを含有する黒色の樹脂からなる光吸収膜33が印刷等によって形成されている。そして、LED6は、受光装置7におけるスケール板11の中央部分に配置されている。
【0038】
このエンコーダ30では、LED6から歯車付き回転板31に向けて被検出光が出射されると、この被検出光のうち、光反射部32に当たった一直線状の部分が受光装置7側に反射する。これにより、第1実施形態と同様に、スケール板11において、配列ラインL1,L2の互いに離間する一部を含む領域、すなわち、配列ラインL1,L2と光反射部32の一端側及び他端側とが交差する部分を含む直線状の領域に、被検出光が照射される明部19が形成される(図5参照)。また、被検出光のうち、光反射部32に当たらなかった部分は、光吸収膜33によって吸収される。これにより、スケール板11のうち、明部19を除いた領域には、被検出光が照射されない暗部20が形成される。各PD10からは、受光した被検出光の光強度に基づく出力信号がそれぞれ出力され、信号処理部16から外部出力される。したがって、このエンコーダ30においても、第1実施形態と同様の手順に従って被検出光の出力信号の1次元プロファイルを解析することにより、スケール板11に対する被検出光の照射位置が基準からずれた場合でも、測定対象物の絶対角度を精度良く検出することができる。
【0039】
また、エンコーダ30では、明部19及び暗部20の形成にあたって一直線状の光反射部32を用いているので、第1実施形態と同様に、塵埃による目詰まりが生じにくい。したがって、長期間にわたって使用した場合でも、出力信号のレベル低下等による絶対角度の検出精度の低下を抑制することが可能となる。さらに、スケール板11側にLED6を配置することが可能となるので、光学系Saの小型化が図られる。これに加え、光反射部32は、一端側の幅W3と他端側の幅W4とが異なっている。そのため、各PD10から得られる出力信号の1次元プロファイルを解析すると、第1実施形態と同様に、異なる半値幅を持つ2つの光強度ピークが得られる。これにより、基準点と相対点とを互いに区別することができ、スケール全周に渡る広範な角度検出が可能となる。
【0040】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、第1実施形態に係るエンコーダ1では、歯車付き回転板8において、光透過部17を除く領域には光吸収膜21を形成しているが、光吸収膜21に代えて光反射膜(図示しない)を形成してもよい。この場合、光透過部17を通過しない被検出光は、光反射膜によって受光装置7の反対側に反射するので、各PD10から得られる出力信号の1次元プロファイルのSN比を向上させることができる。
【0041】
また、エンコーダ1及びエンコーダ30において、スケール板11に形成する明部19と暗部20の形成パターンを反転させるようにしてもよい。すなわち、エンコーダ1において、歯車付き回転板8の光透過部17の形成位置に光吸収膜(又は光反射膜)を形成し、その他の領域に光透過部を形成してもよい。同様に、エンコーダ30において、歯車付き回転板31の光反射膜32の形成位置に光透過部(又は光吸収膜)を形成し、その他の領域に光反射部を形成してもよい。
【0042】
この場合、各PD10から得られる出力信号の1次元プロファイルは上述した実施形態の場合と反転するが、光強度ピークP1,P2の代わりに得られる2つのボトムに基づいて、上述したステップS01〜ステップS05と同様の処理を行うことにより、スケール板11に対する被検出光の照射位置が基準からずれた場合でも、測定対象物の絶対角度を精度良く検出することができる。
【0043】
[第3実施形態]
続いて、本発明の第3実施形態に係るエンコーダについて説明する。
【0044】
図11は、本発明に係るエンコーダの一実施形態を示す斜視図である。図11に示すエンコーダ101は、いわゆるアブソリュート型のロータリエンコーダであり、例えば自動車のハンドルといった測定対象物(図示しない)の絶対角度を検出するデバイスである。このエンコーダ101は、測定対象物に連結される回転軸102と、この回転軸102に固定された歯車付き円板103とを備えている。歯車付き円板103は、測定対象物と連動する回転軸102の回転に伴って、矢印A方向に回転する。
【0045】
図12は、エンコーダ101の光学系Sbを示す斜視図である。図12に示すように、エンコーダ101の光学系Sbは、被検出光を出射する点光源のLED(光源装置)106と、LED106に対向するように配置され、被検出光を受光する受光装置(エンコーダ用受光装置)107と、歯車付き円板103と噛合する歯車付きスリット板(回転体)108と、歯車付きスリット板108を挟むように配置された一対の平行レンズ109A,109Bとによって構成されている。
【0046】
受光装置107は、図13に示すように、複数のPD(受光素子)110が配列されてなるスケール板111と、各PD110からの出力信号を出力する出力部112とを有している。スケール板111の縁部には、同心円状の第1配列ラインL101及び第2配列ラインL102が設定されており、各PD110は、各配列ラインL1,L2に渡って円環状かつ千鳥状に配置されている。そして、各PD110には、1番目のPD110(0°)から最終番目のPD110(359.5°)まで、例えば時計回りに0.5°刻みで角度情報が割り当てられている。
【0047】
出力部112は、複数(本実施形態では4個)のシフトレジスタ113と、ビデオライン114と、信号処理部116とを有している。各シフトレジスタ113は、各配列ラインL101,L102よりも内側で、スケール板111と同心に略矩形状に配置され、各PD110に対して、受光した被検出光の光強度に基づく出力信号を出力させるための走査信号を供給する。また、ビデオライン114は、各配列ラインL101,L102よりも外側で同心円状に配置され、各PD110からの出力信号を信号処理部116に出力する。そして、信号処理部116は、ビデオライン114を介して各PD110から受け取った出力信号を外部出力する。なお、各シフトレジスタ113への駆動信号の供給ライン(図示しない)は、例えば、PD110とPD110との間に接続されている。
【0048】
一方、歯車付きスリット板108は、図14に示すように、LED106から出射した被検出光の一部を通過させるスリット117を有している。このスリット117は、歯車付きスリット板108の中心を通るように一直線状に形成されている。また、スリット117は、一端側から他端側に向かって徐々にスリット幅が小さくなるように形成され、一端側のスリット幅W101は、他端側のスリット幅W102の約2倍程度となっている。
【0049】
このスリット117は、測定対象物が回転すると、歯車付き円板103と歯車付きスリット板108との協働により、図11に示すように、被検出光の光軸X周りに矢印B方向に回転する。スリット117を通過した被検出光は、スリット117の形状と同様に一直線状となり、図15に示すように、互いにスリット幅が異なる一端側と他端側との2箇所で、各配列ラインL101,L102と交差する。
【0050】
このような光学系Sbでは、図12に示すように、点光源であるLED106から被検出光が出射されると、この被検出光が平行レンズ109Aによって平行光束化され、スリット117に入射する。スリット117を通過して一直線状となった被検出光は、平行レンズ109Bによって収束され、この被検出光の一端側と他端側とが円環状に配列された各PD110に対して2箇所で入射する。各PD110からは、受光した被検出光の光強度に基づく出力信号がそれぞれ出力され、信号処理部116から外部出力される。
【0051】
次に、図16に示すフローチャートを参照しながら、上述した構成を有するエンコーダ101によって測定対象物の絶対角度を検出する際の処理について説明する。
【0052】
まず、各PD110から得られる出力信号をそれぞれ収集し、各PD110に対する被検出光の光強度の1次元プロファイルを取得する(ステップS101)。このとき、エンコーダ101では、スリット117を通過した被検出光は、円環状に配列された各PD110に対して2箇所で入射するので、1次元プロファイルを解析すると、図17(a)に示すように、互いに離間する2つの光強度ピークP101,P102が得られることとなる。また、エンコーダ101では、一端側のスリット幅W101が他端側のスリット幅W102の約2倍であるので、光強度ピークP101は、光強度ピークP102の約2倍の半値幅を有している。
【0053】
次に、所定のコンパレートレベルに基づいて、図17(b)に示すように、得られた光強度ピークP101,P102を二値化する(ステップS102)。この後、二値化した光強度ピークP101の半値中心に対応するPD110を、絶対角度を決定するための基準点とし、光強度ピークP102の半値中心に対応するPD110を、光強度ピークP101,P102間の相対角度を決定するための相対点とする。そして、各PD110に割り当てられた角度情報に基づいて、基準点及び相対点の角度を検出する(ステップS103)。
【0054】
ここで、エンコーダ101においては、スリット117が一直線状に形成されている。そのため、スケール板111に対するスリット117の位置ずれが生じていない場合には、基準点と相対点との間の相対角度(以下、「基準相対角度」と称す)は、一義的に180°と算出される。一方、図18に示すように、歯車付きスリット板108の軸ずれ及び回転ずれ等により、スケール板111に対するスリット117の位置ずれが生じている場合には、図19に示すように、例えば基準点の位置がα°だけ真の位置からずれる。そのため、検出時の基準点と相対点との間の相対角度は、180°+α°と算出される。
【0055】
そこで、基準相対角度と検出時の相対角度との差α°が生じた場合には、このα°を角度ずれの補正量として算出する(ステップS104)。そして、ステップS103で検出した基準点の角度から補正量α°を加算(または減算)することにより、基準点における絶対角度を算出する(ステップS105)。
【0056】
以上説明したように、エンコーダ101では、スケールとして環状に配列された複数のPD110のうちの2箇所で、一直線状のスリット117を通過した被検出光を検出する。このとき、一直線状のスリット117の形状から、被検出光の光強度ピークP101に対応する基準点と光強度ピークP102に対応する相対点との間の基準相対角度は、一義的に180°と算出できる。したがって、エンコーダ101では、スケール板111に対するスリット117の位置ずれが生じていても、角度検出時における基準点と相対点との間の相対角度と、基準相対角度とのずれ量から補正量α°を算出することにより、測定対象物の絶対角度を精度良く検出することができる。
【0057】
また、エンコーダ101では、スリット117が一直線状であるので、スリット117の形成が容易であり、エンコーダ101の低コスト化を実現できる。さらに、スリット117は、一端側のスリット幅W101と他端側のスリット幅W102とが異なっているので、異なる半値幅を持つ光強度ピークP101,P102が得られる。これにより、基準点と相対点とを互いに区別することができ、スケール全周に渡る広範な角度検出が可能となる。
【0058】
また、エンコーダ101では、各PD110は、円環状の各配列ラインL101,L102に渡って千鳥状に配列されている。このようなPD110の配置により、スケール板111を小型に保ちつつ、角度検出の分解能を向上させることができる。
【0059】
一方、受光装置107側では、各PD110に入射する被検出光の光強度に基づく出力信号を外部出力するといった簡素な処理のみが行われるので、信号処理が迅速になされる。また、フレームメモリ等も不要であり、受光装置107の小型化及び低コスト化が図られる。さらに、受光装置107では、各シフトレジスタ113は、配列ラインL101,L102の内側で、スケール板111と同心に略矩形状に配置されている。このように、配列ラインL101,L102の内側にある余剰なスペースに各シフトレジスタ113を配置することにより、受光装置107の一層の小型化が図られる。
【0060】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、歯車付きスリット板108に形成するスリットは、図20に示すスリット120のように、一端側と他端側とを分離させた形状としてもよい。この場合、歯車付きスリット板108の中央部分から被検出光が透過せず、光強度ピークP101,P102のS/N比が向上するので、測定対象物の絶対角度を一層精度良く検出することができる。また、受光装置107にA/Dコンバータを搭載し、各PD110からの出力信号をデジタル出力としてもよい。
【0061】
なお、絶対角度を精度良く検出するという観点から言えば、スリット117の一端側のスリット幅W101と他端側のスリット幅W102とは、等幅であってもよい。この場合、基準点と相対点とを区別できなくなり、エンコーダ101の角度検出範囲が実質的に180°の範囲に限定される。そのため、歯車付き円板103の1周に対して歯車付きスリット板108を半周だけ回転させるギア等(図示しない)を介在させてもよい。
【0062】
以上説明した本発明の第3実施形態から、以下の解決すべき課題が導かれる。
【0063】
すなわち、本発明に係るエンコーダは、スリットが形成された回転体と、スリットに対して被検出光を出射する光源装置と、複数の受光素子が配列されたスケール、及びスリットを通過して受光素子に入射する被検出光の光強度に基づく出力信号を出力する出力部を有する受光装置とを備え、受光素子は、環状の配列ラインに沿ってスケールに配列され、スリットを通過した被検出光は、互いに離間した少なくとも2箇所で、配列ラインと交差していることを特徴としている。
【0064】
このエンコーダでは、スケールとして環状に配列された複数の受光素子のうち、互いに離間した少なくとも2箇所で、スリットを通った被検出光を検出する。このとき、出力信号がピークとなる点のうちのいずれか1点を絶対角度を算出するための基準点と規定すれば、この基準点と他の点との相対角度(基準相対角度)を、スリットの形状から予め把握しておくことができる。ここで、スケールに対するスリットの位置ずれが生じている場合、角度検出時における基準点と他の点との相対角度は、基準相対角度から一定量ずれることとなる。そこで、このエンコーダでは、相対角度のずれ量を補正量として算出し、基準点が示す絶対角度に対して補正量を加減することにより、スケールに対するスリットの位置ずれが生じていても、絶対角度を精度良く検出することができる。
【0065】
また、スリットは一直線状であり、当該スリットを通過した被検出光の一端側と他端側とが、配列ラインとそれぞれ交差していることが好ましい。一直線状のスリットの形成は容易であり、エンコーダの低コスト化を実現できる。
【0066】
また、スリットは、一端側のスリット幅と他端側のスリット幅とが異なっていることが好ましい。この場合、基準点と他の点とで異なるピークを持つ出力信号が得られるため、基準点と他の点とを区別することができる。これにより、エンコーダの角度検出範囲の広範化が可能となる。
【0067】
また、受光素子は、配列ラインに沿って千鳥状に配列されていることが好ましい。この場合、スケールを小型に保ちつつ、角度検出の分解能を向上させることができる。
【0068】
本発明に係るエンコーダ用受光装置は、複数の受光素子が配列されたスケールと、受光素子に入射する被検出光の光強度に基づく出力信号を出力する出力部とを備え、受光素子は、環状の配列ラインに沿ってスケールに配列されていることを特徴としている。
【0069】
このエンコーダ用受光装置は、スケールとして環状に配列された複数の受光素子を有している。このため、スリットが形成された回転体を光源装置との間に介在させることにより、互いに離間した少なくとも2箇所でスリットを通った被検出光を検出することが可能となっている。このとき、出力信号がピークとなる点のうちのいずれか1点を絶対角度を算出するための基準点と規定すれば、この基準点と他の点との相対角度(基準相対角度)を、スリットの形状から予め把握しておくことができる。ここで、スケールに対するスリットの位置ずれが生じている場合、角度検出時における基準点と他の点との相対角度は、基準相対角度から一定量ずれることとなる。そこで、このエンコーダ用受光装置では、相対角度のずれ量を補正量として算出し、基準点が示す絶対角度に対して補正量を加減することにより、スケールに対するスリットの位置ずれが生じていても、絶対角度を精度良く検出することができる。
【0070】
また、出力部は、光強度に基づく出力信号を受光素子から順次出力させるシフトレジスタを有し、シフトレジスタは、配列ラインの内側に配置されていることが好ましい。配列ラインの内側にある余剰なスペースにシフトレジスタを配置することにより、スケールを小型化することが可能となる。
【0071】
また、受光素子は、配列ラインに沿って千鳥状に配列されていることが好ましい。この場合、スケールを小型に保ちつつ、角度検出の分解能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0072】
1,30…エンコーダ、6…LED(光源装置)、7…受光装置、8,31…歯車付き回転板(回転体)、10…PD(受光素子)、11…スケール板、12…出力部、13…シフトレジスタ、17…光透過部、18…光吸収膜、19…明部、20…暗部、32…光反射部、L1…第1配列ライン、L2…第2配列ライン、W1…光透過部の一端側の幅、W2…光透過部の他端側の幅、W3…光反射部の一端側の幅、W4…光反射部の他端側の幅、101…エンコーダ、106…LED(光源装置)、107…受光装置、108…歯車付きスリット板(回転体)、110…PD(受光素子)、111…スケール板、112…出力部、113…シフトレジスタ、117,120…スリット(光透過部)、L101…第1配列ライン、L102…第2配列ライン、W101…一端側のスリット幅、W102…他端側のスリット幅、X…光軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体と、
前記回転体に対して被検出光を出射する光源装置と、
複数の受光素子が配列されたスケール、及び前記回転体を経由して前記受光素子に入射する前記被検出光の光強度に基づく出力信号を出力する出力部を有する受光装置とを備え、
前記複数の受光素子は、環状の配列ラインに沿って前記スケールに環状に配列されるとともに、角度情報がそれぞれ割り当てられており、
前記回転体は、前記スケールにおいて、前記配列ラインの互いに離間する第1の部分および第2の部分を含む領域を前記被検出光が照射される明部とし、前記配列ラインの前記第1の部分および前記第2の部分を除く他の部分を含む領域を前記被検出光が照射されない暗部とし、
前記出力信号の1次元プロファイルを用いて、前記明部に対応する受光素子に割り当てられた角度情報に基づいて絶対角度を検出することを特徴とするエンコーダ。
【請求項2】
前記回転体には、一直線状の光透過部が形成されており、
前記明部は、前記光透過部を通過した前記被検出光によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項3】
前記光透過部は、一端側の幅と他端側の幅とが異なっていることを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ。
【請求項4】
前記光透過部は、スリットであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のエンコーダ。
【請求項5】
前記回転体には、一直線状の光反射部が形成されており、
前記明部は、前記光反射部で反射した前記被検出光によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項6】
前記光反射部は、一端側の幅と他端側の幅とが異なっていることを特徴とする請求項5に記載のエンコーダ。
【請求項7】
前記受光素子は、前記配列ラインに沿って千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のエンコーダ。
【請求項8】
前記スケールにおいて、前記受光素子が配列された領域を除く領域には、光吸収膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のエンコーダ。
【請求項9】
前記出力部は、前記光強度に基づく出力信号を前記受光素子から順次出力させるシフトレジスタを有し、
前記シフトレジスタは、前記配列ラインの内側に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のエンコーダ。
【請求項10】
前記明部は、前記第1の部分に対応する第1の明部と、前記第2の部分に対応する第2の明部と、を含み、前記出力信号の1次元プロファイルにおいて、前記第1の明部に対応する第1のピークと、前記第2の明部に対応する第2のピークと、を生じさせ、
前記第1のピークに対応する受光素子に割り当てられた第1の角度情報と前記第2のピークに対応する受光素子に割り当てられた第2の角度情報とに基づいて前記絶対角度を検出することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のエンコーダ。
【請求項11】
前記回転体は、測定対象物と連動して回転し、
前記絶対角度は、前記測定対象物の絶対角度であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載のエンコーダ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−185175(P2012−185175A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−123172(P2012−123172)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【分割の表示】特願2006−553382(P2006−553382)の分割
【原出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】