説明

エンボス加工装置および加工方法

【課題】 エンボス加工用離型紙を用いてシート状材料にエンボス模様を施すにあたり、エンボス加工用離型紙を繰り返し使用した場合であっても当該エンボス加工用離型紙のエンボス形状の凹凸が平坦化されることを抑制することができ、エンボス模様が施されたシート状材料の意匠性を良好に保つことができるようなエンボス加工装置および加工方法を提供すること。
【解決手段】 エンボス加工装置10は、熱硬化性樹脂層形成手段20と、エンボス加工手段30とを備えている。熱硬化性樹脂層形成手段20は、離型紙の紙層1の表面のうち離型層2が積層されていない側の表面に、紙層1のエンボス形状を維持するための熱硬化性樹脂層3を形成する。エンボス加工手段30は、熱硬化性樹脂層3が形成されたエンボス加工用離型紙上にシート状材料を積層し、当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧することによりシート状材料にエンボス模様を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンボス模様が施されたシート状材料を製造するエンボス加工装置および加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、合成皮革等のシート状材料の意匠性を向上させることを目的として、当該シート状材料の表層に幾何学模様や木目状等の凹凸形状の模様(エンボス模様)を施すエンボス加工装置が用いられている。このようなエンボス模様が施されたシート状材料を製造するにあたり、例えば特許文献1に示すようなエンボス模様が施されたエンボス加工用離型紙が用いられ、このエンボス加工用離型紙のエンボス模様がシート状材料に転写されるようになっている。
【0003】
以下、図4乃至図6を参照してこのようなエンボス加工装置の詳細について説明する。このうち、図4は、従来のエンボス加工装置の構成を示す概略構成図であり、図5(a)は、図4のエンボス加工装置に用いられるエンボス加工用離型紙の初期状態における構成を示す縦断面図であり、(b)は、(a)のエンボス加工用離型紙が繰り返し使用された後の状態における構成を示す縦断面図である。また、図6は、エンボス加工用離型紙によりエンボス模様が転写されたシート状材料の構成を示す縦断面図である。
【0004】
図4に示すように、エンボス加工装置40は、エンボス模様が施されたエンボス加工用離型紙の供給ロール41および巻取ロール42を備えており、供給ロール41から連続的に送られたエンボス加工用離型紙は巻取ロール42により巻き取られるようになっている。ここで、供給ロール41に巻かれているエンボス加工用離型紙は、図5(a)に示すように紙層1とこの紙層1に積層された例えばポリプロピレンからなる離型層2との2層構造となっており、紙層1および離型層2は共にエンボス模様(凹凸形状の模様)が施されている。
【0005】
一方、図4に示すように、エンボス模様を施すべきシート状材料の供給ロール43およびエンボス模様が施されたシート状材料を巻き取るための巻取ロール44がエンボス加工装置40に設けられている。供給ロール43から連続的に送られた基布等のシート状材料は、後述の方法によりポリウレタン等のコーティング用樹脂4がコーティングされ、このコーティングが行われたシート状材料は合成皮革等として巻取ロール44により巻き取られるようになっている(特許文献2等参照)。
【0006】
供給ロール41の下流側には、エンボス加工用離型紙の離型層2側(図4の上方側)の表面にコーティング用樹脂4を塗着するコーター45が設けられている。このコーター45の下流側には、エンボス加工用離型紙に塗着されたコーティング用樹脂4上に、供給ロール43から送られたシート状材料を更に積層させ、当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧するラミネーター(押圧器)46が設置されている。このラミネーター46において、コーティング用樹脂4が離型層2に直接的に押圧されることにより、当該離型層2のエンボス模様がコーティング用樹脂4に転写されるようになっている。さらに、ラミネーター46の下流側には、当該ラミネーター46から送られたエンボス加工用離型紙とシート状材料との組合せ体を加熱し、コーティング用樹脂4をシート状材料にコーティングする加熱器47が設置されている。
図4および図6に示すように、加熱器47の下流側においてエンボス加工用離型紙とシート状材料は分離し、それぞれ巻取ロール42および巻取ロール44により巻き取られるようになっている。
【0007】
次に、図4に示すような構成からなるエンボス加工装置の作用について説明する。
まず、供給ロール41から送られたエンボス加工用離型紙について、コーター45により当該エンボス加工用離型紙の離型層2側(図4の上方側)の表面にコーティング用樹脂4を塗着する。次に、ラミネーター46において、供給ロール43から送られたシート状材料をコーティング用樹脂4上に積層してこのシート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧する。このことにより、離型層2のエンボス模様がコーティング用樹脂4に転写される。さらに、加熱器47によりエンボス加工用離型紙とシート状材料との組合せ体を加熱し、シート状材料にコーティング用樹脂4を固着させる。加熱器47の下流側において、図6に示すように、コーティング用樹脂4が離型層2から分離することにより、シート状材料とエンボス加工用離型紙とが分離され、最終的にエンボス模様が施されるとともにコーティングされた合成皮革等のシート状材料を得ることができる。
【0008】
【特許文献1】特開平11−140778号公報
【特許文献2】特開2001−315181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図4に示すようなエンボス加工装置においては、製造コスト削減のため、巻取ロール42により巻き取られたエンボス加工用離型紙を複数回繰り返して使用している。しかしながら、初期状態におけるエンボス加工用離型紙は、図5(a)に示すようにエンボス形状が明確な状態となっているが、このエンボス加工用離型紙を複数回使用すると、図5(b)に示すようにエンボス形状の凹凸が平坦化されてしまい、エンボス模様が施されたシート状材料の意匠性が製品条件を満たさなくなるおそれがある。
【0010】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、エンボス加工用離型紙を用いてシート状材料にエンボス模様を施すにあたり、エンボス加工用離型紙を繰り返し使用した場合であっても当該エンボス加工用離型紙のエンボス形状の凹凸が平坦化されることを抑制することができ、エンボス模様が施されたシート状材料の意匠性を良好に保つことができるようなエンボス加工装置および加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、エンボス模様が施されたシート状材料を製造するエンボス加工装置であって、紙層と当該紙層の一方の表面に積層された離型層とを有しエンボス模様が施された離型紙に対して、当該離型紙の紙層の他方の表面側に、紙層のエンボス形状を維持するための熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂層形成手段と、前記熱硬化性樹脂層形成手段により熱硬化性樹脂層が形成された離型紙であるエンボス加工用離型紙上にシート状材料を積層し、当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧することによりシート状材料にエンボス模様を施すエンボス加工手段と、を備えたことを特徴とするエンボス加工装置である。
また、本発明は、エンボス模様が施されたシート状材料を製造するエンボス加工方法であって、紙層と当該紙層の一方の表面に積層された離型層とを有しエンボス模様が施された離型紙に対して、当該離型紙の紙層の他方の表面側に、紙層のエンボス形状を維持するための熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂層形成工程と、熱硬化性樹脂層形成工程により熱硬化性樹脂層が形成された離型紙であるエンボス加工用離型紙上にシート状材料を積層し、当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧することにより、シート状材料にエンボス模様を施すエンボス加工工程と、を備えたことを特徴とするエンボス加工方法である。
このようなエンボス加工装置および加工方法によれば、エンボス模様が施された離型紙について、当該離型紙の紙層の表面のうち離型層が積層されていない側の表面に熱硬化性樹脂層を更に形成しているので、この熱硬化性樹脂層が紙層のエンボス形状を維持するよう当該紙層を支持することとなる。このため、エンボス加工用離型紙を用いてシート状材料にエンボス模様を施すにあたり、エンボス加工用離型紙を繰り返し使用した場合であっても当該エンボス加工用離型紙のエンボス形状の凹凸が平坦化されることを抑制することができ、エンボス模様が施されたシート状材料の意匠性を良好に保つことができる。
【0012】
本発明のエンボス加工装置においては、前記エンボス加工手段は、エンボス加工用離型紙の離型層側の表面にコーティング用樹脂を塗着するコーターと、このコーティング用樹脂上に更にシート状材料を積層して当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧する押圧器と、押圧器から送られたシート状材料を加熱することによりコーティング用樹脂がコーティングされたシート状材料を形成する加熱器とを有することが好ましい。
また、本発明のエンボス加工方法においては、前記エンボス加工工程において、エンボス加工用離型紙の離型層側の表面にコーティング用樹脂を塗着し、このコーティング用樹脂上に更にシート状材料を積層して当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧するとともに加熱することによりコーティング用樹脂がコーティングされたシート状材料を形成することが好ましい。
このようなエンボス加工装置および加工方法によれば、エンボス模様が施されるとともにコーティングが行われたシート状材料を確実に得ることができる。
【0013】
本発明のエンボス加工装置においては、前記コーティング用樹脂はポリウレタンからなることが好ましい。
【0014】
本発明のエンボス加工方法においては、前記エンボス加工工程において、連続的に搬送されるシート状材料に対してエンボス模様を順次施し、この際に、熱硬化性樹脂層形成工程により熱硬化性樹脂層が一旦形成されたエンボス加工用離型紙を複数回再使用することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のエンボス加工装置および加工方法によれば、エンボス加工用離型紙を用いてシート状材料にエンボス模様を施すにあたり、エンボス加工用離型紙を繰り返し使用した場合であっても当該エンボス加工用離型紙のエンボス形状の凹凸が平坦化されることを抑制することができ、エンボス模様が施されたシート状材料の意匠性を良好に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は、本発明によるエンボス加工装置および加工方法の実施の形態を示す図である。
このうち、図1は、本実施の形態におけるエンボス加工装置の構成を示す概略構成図であり、図2(a)は、図1のエンボス加工装置において表面(底面)に熱硬化性樹脂層を形成する前の離型紙の縦断面図であり、(b)は、表面(底面)に熱硬化性樹脂層が形成された離型紙の縦断面図である。図3は、図1のエンボス加工装置においてエンボス加工用離型紙のエンボス模様をシート状材料に転写する際の状態を示す説明図である。
【0017】
図1に示すように、エンボス加工装置10は、エンボス模様が施されたエンボス加工用離型紙の供給ロール11および巻取ロール12を備えており、供給ロール11から連続的に送られたエンボス加工用離型紙は巻取ロール12により巻き取られるようになっている。ここで、初期状態において供給ロール11に巻かれているエンボス加工用離型紙は、図2(a)に示すように紙層1とこの紙層1に積層された例えばポリプロピレンからなる離型層2との2層構造となっており、紙層1および離型層2は共にエンボス模様(凹凸形状の模様)が施されている。
【0018】
一方、図1に示すように、エンボス模様を施すべきシート状材料(基布)の供給ロール13およびエンボス模様が施されたシート状材料を巻き取るための巻取ロール14がエンボス加工装置10に設けられている。供給ロール13から連続的に送られた基布等のシート状材料は、後述の方法によりポリウレタン等のコーティング用樹脂4がコーティングされ、このコーティングが行われたシート状材料は合成皮革等として巻取ロール14に巻き取られるようになっている。
【0019】
本実施の形態においては、エンボス加工装置10は、供給ロール11から送られた離型紙に対して、当該離型紙の紙層1の表面のうち離型層2が積層されていない側の表面に熱硬化性樹脂層3を形成する熱硬化性樹脂層形成手段20と、熱硬化性樹脂層形成手段20により熱硬化性樹脂層3が形成されたエンボス加工用離型紙上にシート状材料を積層し、このシート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧することによりシート状材料にエンボス模様を施すエンボス加工手段30とを備えている。
このようなエンボス加工装置10の各構成要素について以下に詳述する。
【0020】
図1に示すように、熱硬化性樹脂層形成手段20は、離型紙の紙層1の表面(底面)に熱硬化性樹脂を塗着するコーター21と、熱硬化性樹脂が塗着された離型紙を加熱する加熱器22とを有している。コーター21は、供給ロール11から連続的に送られた離型紙に対して、この離型紙の紙層1の表面のうち離型層2が積層されていない側の表面(底面)に熱硬化性樹脂を塗着するようになっている。また、加熱器22は、コーター21により離型紙の表面に塗着された熱硬化性樹脂を加熱して硬化させ、図2(b)に示すように熱硬化性樹脂層3を形成するようになっている。
【0021】
エンボス加工手段30は、熱硬化性樹脂層形成手段20から送られたエンボス加工用離型紙の離型層2側(図1の上方側)の表面にコーティング用樹脂4を塗着するコーター31を有している。さらに、このコーター31の下流側には、エンボス加工用離型紙に塗着されたコーティング用樹脂4上に、供給ロール13から送られたシート状材料を更に積層させ、当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧するラミネーター(押圧器)32が設置されている。このラミネーター32において、コーティング用樹脂4が離型層2に直接的に押圧されることにより、当該離型層2のエンボス模様がコーティング用樹脂4に転写されるようになっている。さらに、ラミネーター32の下流側には、当該ラミネーター32から送られたエンボス加工用離型紙とシート状材料との組合せ体を加熱し、コーティング用樹脂4をシート状材料にコーティングする加熱器33が設置されている。
【0022】
図1に示すように、エンボス加工手段30の下流側においてエンボス加工用離型紙とシート状材料は分離し、それぞれ巻取ロール12および巻取ロール14により巻き取られるようになっている。
【0023】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、紙層1と離型層2とからなりエンボス模様が施された離型紙(図2(a)参照)が巻かれた供給ロール11を準備する。
次に、供給ロール11から離型紙を連続的に巻き出し、図1に示すように熱硬化性樹脂層形成手段20にこの巻き出された離型紙を送る。熱硬化性樹脂層形成手段20において、まずコーター21により離型紙の紙層1の表面のうち離型層2が積層されていない側の表面(底面)に熱硬化性樹脂を塗着し、次に加熱器22により離型紙の表面に塗着された熱硬化性樹脂を加熱することにより、図2(b)に示すように熱硬化性樹脂層3を紙層1の底面に形成する。
【0024】
熱硬化性樹脂層形成手段20により熱硬化性樹脂3が形成されたエンボス加工用離型紙は、次にエンボス加工手段30に送られる。このエンボス加工手段30によりシート状材料にエンボス模様を施す工程について図1および図3を用いて説明する。
まず、熱硬化性樹脂層形成手段20から送られたエンボス加工用離型紙について、コーター31により当該エンボス加工用離型紙の離型層2側(図1の上方側)の表面にコーティング用樹脂を塗着する。次に、ラミネーター32において、供給ロール13から送られたシート状材料をコーティング用樹脂4上に積層してこのシート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧する。このことにより、離型層2のエンボス模様がコーティング用樹脂4に転写される(図3参照)。さらに、加熱器33によりエンボス加工用離型紙とシート状材料との組合せ体を加熱し、シート状材料にコーティング用樹脂4を固着させることによりシート状材料に対してコーティングを行う。加熱器33の下流側において、コーティング用樹脂4が離型層2から分離することにより、シート状材料とエンボス加工用離型紙とが分離され、最終的にエンボス模様が施されるとともにコーティングされた合成皮革等のシート状材料を得ることができる。
【0025】
一方、シート状材料へのエンボス模様の転写に用いられたエンボス加工用離型紙は巻取ロール12により巻き取られる。このエンボス加工用離型紙が巻かれた巻取ロール12は再び供給ロール11として再使用される。ここで、熱硬化性樹脂層形成手段20により熱硬化性樹脂層3が一旦形成されたエンボス加工用離型紙は、2回目以降の再使用においては熱硬化性樹脂層3が再度形成されることはなく直接エンボス加工手段30においてシート状材料へのエンボス模様の転写に用いられる。すなわち、熱硬化性樹脂層3が一旦形成されたエンボス加工用離型紙は、追加の熱硬化性樹脂層3を都度形成することなく繰り返し再使用することができる。
【0026】
以上のように本実施の形態のエンボス加工装置10および加工方法によれば、エンボス模様が施された離型紙について、当該離型紙の紙層1の表面のうち離型層2が積層されていない側の表面に熱硬化性樹脂層3を更に形成しているので、この熱硬化性樹脂層3が紙層1のエンボス形状を維持するよう当該紙層1を支持することとなる。このため、エンボス加工用離型紙を用いてシート状材料にエンボス模様を施すにあたり、エンボス加工用離型紙を繰り返し使用した場合であっても当該エンボス加工用離型紙のエンボス形状の凹凸が平坦化されることを抑制することができ、エンボス模様が施されたシート状材料の意匠性を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施の形態におけるエンボス加工装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】(a)は、図1のエンボス加工装置において表面(底面)に熱硬化性樹脂層を形成する前の離型紙の縦断面図であり、(b)は、表面(底面)に熱硬化性樹脂層が形成された離型紙の縦断面図である。
【図3】図1のエンボス加工装置においてエンボス加工用離型紙のエンボス模様をシート状材料に転写する際の状態を示す説明図である。
【図4】従来のエンボス加工装置の構成を示す概略構成図である。
【図5】(a)は、図4のエンボス加工装置に用いられるエンボス加工用離型紙の初期状態における構成を示す縦断面図であり、(b)は、(a)のエンボス加工用離型紙が繰り返し使用された後の状態における構成を示す縦断面図である。
【図6】エンボス加工用離型紙によりエンボス模様が転写されたシート状材料の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 紙層
2 離型層
3 熱硬化性樹脂層
4 コーティング用樹脂
10 エンボス加工装置
11 供給ロール
12 巻取ロール
13 供給ロール
14 巻取ロール
20 熱硬化性樹脂層形成手段
21 コーター
22 加熱器
30 エンボス加工手段
31 コーター
32 ラミネーター(押圧器)
33 加熱器
40 エンボス加工装置
41 供給ロール
42 巻取ロール
43 供給ロール
44 巻取ロール
45 コーター
46 ラミネーター(押圧器)
47 加熱器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンボス模様が施されたシート状材料を製造するエンボス加工装置であって、
紙層と当該紙層の一方の表面に積層された離型層とを有しエンボス模様が施された離型紙に対して、当該離型紙の紙層の他方の表面側に、紙層のエンボス形状を維持するための熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂層形成手段と、
前記熱硬化性樹脂層形成手段により熱硬化性樹脂層が形成された離型紙であるエンボス加工用離型紙上にシート状材料を積層し、当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧することによりシート状材料にエンボス模様を施すエンボス加工手段と、
を備えたことを特徴とするエンボス加工装置。
【請求項2】
前記エンボス加工手段は、エンボス加工用離型紙の離型層側の表面にコーティング用樹脂を塗着するコーターと、このコーティング用樹脂上に更にシート状材料を積層して当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧する押圧器と、押圧器から送られたシート状材料を加熱することによりコーティング用樹脂がコーティングされたシート状材料を形成する加熱器とを有することを特徴とする請求項1記載のエンボス加工装置。
【請求項3】
前記コーティング用樹脂はポリウレタンからなることを特徴とする請求項2記載のエンボス加工装置。
【請求項4】
エンボス模様が施されたシート状材料を製造するエンボス加工方法であって、
紙層と当該紙層の一方の表面に積層された離型層とを有しエンボス模様が施された離型紙に対して、当該離型紙の紙層の他方の表面側に、紙層のエンボス形状を維持するための熱硬化性樹脂層を形成する熱硬化性樹脂層形成工程と、
熱硬化性樹脂層形成工程により熱硬化性樹脂層が形成された離型紙であるエンボス加工用離型紙上にシート状材料を積層し、当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧することにより、シート状材料にエンボス模様を施すエンボス加工工程と、
を備えたことを特徴とするエンボス加工方法。
【請求項5】
前記エンボス加工工程において、エンボス加工用離型紙の離型層側の表面にコーティング用樹脂を塗着し、このコーティング用樹脂上に更にシート状材料を積層して当該シート状材料をエンボス加工用離型紙側に押圧するとともに加熱することによりコーティング用樹脂がコーティングされたシート状材料を形成することを特徴とする請求項4記載のエンボス加工方法。
【請求項6】
前記エンボス加工工程において、連続的に搬送されるシート状材料に対してエンボス模様を順次施し、この際に、熱硬化性樹脂層形成工程により熱硬化性樹脂層が一旦形成されたエンボス加工用離型紙を複数回再使用することを特徴とする請求項4または5記載のエンボス加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−90552(P2007−90552A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−279993(P2005−279993)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】