説明

オキサジアゾロン頭部基を有する、環付加された(annelated)N−複素環式スルホンアミド、それらの製造方法および医薬としてのそれらの使用

本発明は、PPARデルタ、又はPPARデルタ及びPPARアルファ作動活性を示す、オキサジアゾロン頭部基を有する、縮環された(annelated)N−複素環式スルホンアミド、並びにそれらの生理学的に許容される塩及び生理学的に機能性の誘導体に関する。
各基が定義されているとおりである式Iの化合物、それらの生理学的に受容可能な塩およびそれらの製造方法が記載されている。この化合物は、脂肪酸代謝障害およびグルコース利用障害ならびにインスリン抵抗性が関与する障害および中枢及び末梢神経系の脱髄及び他の神経変性障害の処置および/または予防に適切である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PPARデルタ、又はPPARデルタ及びPPARアルファ作動活性を示す、オキサジアゾロン頭部基を有する、環付加された(annelated)N−複素環式スルホンアミド、並びにそれらの生理学的に許容される塩及び生理学的に機能性の誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
スルホンアミド基を有するPPARデルタアゴニストが特許文献1、特許文献2および特許文献3ならびに特許文献4に記載されている。オキサジアゾロンを特徴とする化合物が特許文献5に開示されている。ピリドピラジン誘導体が、特許文献6に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2003/097607
【特許文献2】WO2004/005253
【特許文献3】DE 10335449
【特許文献4】WO2004/092117
【特許文献5】WO2005/097786
【特許文献6】WO2007/130468
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、脂質及び/又は炭水化物代謝の治療上利用可能なモジュレーションを可能にし、従って2型糖尿病及びアテローム性動脈硬化症並びにその多様な続発症のような疾患の予防及び/又は処置に適した化合物を提供する目的に基づくものであった。本発明の別の目的は、中枢及び末梢神経系の脱髄及び他の神経変性障害を処置することである。
【0005】
PPA受容体の活性を調節する一連の化合物が見いだされている。これらの化合物は、特にPPARデルタ又はPPARデルタ及びPPARアルファを活性化することに適しているが、特定の化合物によって相対的活性化が変化することが起こり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の化合物は、全ての立体異性形態及びあらゆる比率の混合物の、式I:
【化1】

[式中、
YはO、S、SO、SO2、(C0−C2)アルキレン−N(R10)、C(R3)(R4)であり、
R1はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリールであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R2はH、(C1−C8)アルキル、ハロゲン、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R3はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R4はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R3およびR4はそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C7)シクロアルキル環を形成し、ここで1個の炭素原子はO、SまたはNからなる群より選択される1つのヘテロ原子で置き換えられていてもよく;
R5はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R6はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R5およびR6はそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C7)シクロアルキル環を形成し、ここで1つの炭素原子はO、SまたはNからなる群より選択される1つのヘテロ原子で置換されていてもよく;
R7はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R8はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され、ここでR8は唯一炭素原子に接続しており;
R9はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリールであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R10はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R11はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
X1、X2、X3、X4、X5は独立してNまたはCHである]
の化合物並びにその生理学的に許容しうる塩および互変異性体によって記載される。
【0007】
本発明の別の実施態様は、式I
[式中、
YはO、S、SO、SO2、(C0−C2)アルキレン−N(R10)、C(R3)(R4)であり;
R1はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R2はH、(C1−C8)アルキル、ハロゲンであり;
R3はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R4はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R3およびR4はそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C7)シクロアルキル環を形成し;
R5はH、(C1−C8)アルキルであり;
R6はH、(C1−C8)アルキルであり;
R5およびR6はそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C7)シクロアルキル環を形成し;
R7はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキルであり;
R8はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキルであり;
R9はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R10はH、(C1−C8)アルキルであり;
R11はH、(C1−C8)アルキルであり;
X1、X2、X3、X4、X5のうち1つまたは2つがNでありその他がCHである]の化合物である。
【0008】
本発明の別の実施態様は、YがO、S、C(R3)(R4)である、式Iの化合物である。
【0009】
本発明の別の実施態様は、R1がF、Cl、(C1−C4)アルキル、(C0−C2)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C2)アルキレン−(C5−C6)ヘテロアリール、(C0−C2)アルキレン−O−(C1−C6)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換されている、式Iの化合物である。
【0010】
本発明の別の実施態様は、R2がR1のパラ位にある、式Iの化合物である。
【0011】
本発明の別の実施態様は、R2がH、(C1−C3)アルキル、F、Clである、式Iの化合物である。
【0012】
本発明の別の実施態様は、R3がH、(C1−C4)アルキル、N(R10)(R11)である、式Iの化合物である。
【0013】
本発明の別の実施態様は、R4がH、(C1−C4)アルキルである、式Iの化合物である。
【0014】
本発明の別の実施態様は、R3およびR4がそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C6)シクロアルキル環を形成する、式Iの化合物である。
【0015】
本発明の別の実施態様は、R5がH、(C1−C4)アルキルである、式Iの化合物である。
【0016】
本発明の別の実施態様は、R6がH、(C1−C4)アルキルである、式Iの化合物である。
【0017】
本発明の別の実施態様は、R5およびR6がそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C6)シクロアルキル環を形成する、式Iの化合物である。
【0018】
本発明の別の実施態様は、R7がH、F、Cl、(C1−C4)アルキル、好ましくはHである、式Iの化合物である。
【0019】
本発明の別の実施態様は、R8がH、F、好ましくはHである、式Iの化合物である。
【0020】
本発明の別の実施態様は、R9がH、Cl、(C1−C)アルキル、O−(C1−C4)アルキルであり、ここでアルキルは非置換であるかまたは1〜3回Fで置換されており、好ましくはCF3である、式Iの化合物である。
【0021】
本発明の別の実施態様は、R10がHである、式Iの化合物である。
【0022】
本発明の別の実施態様は、R11がHである、式Iの化合物である。
【0023】
本発明の別の実施態様は、X1、X2、X3のうちの1つがNであってその他がCHであり、かつX4およびX5がCHであるか、またはX1、X2、X3がCHであって、かつX4およびX5のうちの1つがNであって他方がCHである、式Iの化合物である。
【0024】
本発明の別の実施態様は、X1、X2、X3、X4がCHであり、かつX5がNである、式Iの化合物である。
【0025】
本発明の別の実施態様は、式I:
[式中、
YはO、S、SO2、CR3R4、CH2−NR10であり;
R1はH、F、Cl、(C1−C4)アルキル、O−(C1−C4)アルキル、(C3)シクロアルキル、(C5)ヘテロアリールであり、ここでアルキルは非置換であるかまたは1〜3回Fで置換されており;
R2はH、Clであり;
R3はH、(C1−C4)アルキル、NH2であり;
R4はH、(C1−C4)アルキルであり;
R5はH、(C1−C4)アルキルであり;
R6はH、(C1−C4)アルキルであり;
R7はHであり;
R8はHであり;
R9はCF3であり;
R10はHであり、
X1、X4、X5は独立してCHまたはNであり;
X2、X3はCHである]
の化合物である。
【0026】
本発明のさらなる実施態様は以下の化合物である:
3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{4−[4−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−2−クロロ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2,3−ジクロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[1,1−ジオキソ−7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【0027】
3−{2−クロロ−4−[2,2−ジメチル−7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−ブロモ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−シクロプロピル−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−イソブチル−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フラン−3−イル−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{2−クロロ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フルオロ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−メチル−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−エトキシ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−[4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【0028】
本発明はまた、本明細書に記載される本発明の好ましい局面の全ての組み合わせを包含する。
【0029】
本明細書において使用される用語アルキルは、最も広い意味で、線状、すなわち直鎖、又は分枝鎖であり得る飽和炭化水素残基を意味すると理解されるべきである。他に規定がなければ、アルキルは1〜8個の炭素原子を有する。「−(C1−C8)−アルキル」の例は、1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を含有するアルキル残基であり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチル、全てのこれらの残基のn−異性体、イソプロピル、イソブチル、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソヘキシル、sec−ブチル、tert−ブチル又はtert−ペンチルである。用語「−(C0−C8)−アルキル」は1、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を含有する炭化水素残基であり、ここで用語「−C0−アルキル」は共有結合である。全てのこれらの記述は用語アルキレンにも適用される。
【0030】
本明細書において使用される用語アルケニルは、1〜4つの二重結合を有し、かつ線状、すなわち直鎖でも分枝鎖でもよい炭化水素残基を意味すると最も広い意味で理解されるべきである。他に規定がなければ、アルケニルは2〜8個の炭素原子を有する。「−(C2−C8)−アルケニル」の例は、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を含有するアルケニル残基であり、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(=アリル)、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、5−ヘキセニル又は1,3−ペンタジエニルである。全てのこれらの記述は用語アルケニレンにも適用される。
【0031】
本明細書において使用される用語アルキニルは、1〜4つの三重結合を有し、かつ線状、すなわち直鎖でも分枝でもよい炭化水素残基を意味すると最も広い意味で理解されるべきである。他に規定がなければ、アルキニルは2〜8個の炭素原子を有する。「−(C2−C8)−アルキニル」の例は、2、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を含有するアルキニル残基であり、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル(=プロパルギル)又は2−ブチニルである。全てのこれらの記述は用語アルキリデンにも適用される。
【0032】
全てのこれらの記述は、アルキル基が別の残基上の置換基として存在する場合、例えば、アルキルオキシ残基、アルキルオキシカルボニル残基又はアリールアルキル残基においても適用される。
【0033】
他に規定がなければ、アルキル及びアルキレンは、非置換であるか、又は互いに独立して例えば以下のような適切な基で一置換、二置換若しくは三置換される: F、Cl、Br、I、CF3、NO2、CN、COOH、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−O−(C1−C4)アルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、O−(C0−C6)−アルキル、O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C12)シクロアルキル、O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−O−(C1−C4)アルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、S−(C1−C4)アルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、SO−(C1−C4)アルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、SO2−(C1−C4)アルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、[ここでアリール環又は複素環式環は、非置換であるか又はF、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−Hで一置換若しくは二置換されている];
【0034】
N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、[ここでアリール環又は複素環式環は、非置換であるか又はF、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、SO2−CH3、COOH、COO−(C1−C6)−アルキル、SF5、CONH2で一置換若しくは二置換されている]。
【0035】
他に規定がなければ、用語シクロアルキルは、3から13個の炭素原子を単環式若しくは二環式、縮合環、架橋環又はスピロ環式環中に含有する飽和炭化水素環を意味すると理解されるべきである。(C3−C13)−シクロアルキル 環状アルキル残基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル又はシクロドデシルのような3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13個の環炭素原子を含有するシクロアルキル残基である。用語シクロアルキルには、上記シクロアルキル環のいずれかがベンゼン環に縮合した二環式基、例えばインダン及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンも含まれる。
【0036】
他に規定がなければ、シクロアルキルは非置換であるか、又は互いに独立して例えば以下のような適切な基で一置換、二置換若しくは三置換される: F、Cl、Br、I、CF3、NO2、CN、COOH、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−O−(C1−C4)アルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)アルキレン−H、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、CON((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、O−(C0−C6)−アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−O−(C1−C4)アルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、S−(C1−C4)アルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、SO−(C1−C4)アルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、SO2−(C1−C4)アルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、[ここでアリール環又は複素環式環は、非置換であるか又はF、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−Hで一置換若しくは二置換されている];
【0037】
N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、[ここでアリール又は複素環式環は、非置換であるか又はF、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、SO2−CH3、COOH、COO−(C1−C6)−アルキル、SF5、CONH2で一置換若しくは二置換されている]。
【0038】
用語「アリール」は、6から14個の炭素原子を単環式環又は二環式環中に含有する芳香族炭化水素環を意味すると理解される。(C6−C14)−アリール環の例はフェニル、ナフチル、例えば1−ナフチル及び2−ナフチル、ビフェニリル、例えば2−ビフェニリル、3−ビフェニリル及び4−ビフェニリル、アントリル又はフルオレニルである。ビフェニリル環、ナフチル環及び特にフェニル環はアリール環のさらなる実施態様である。
【0039】
用語複素環は、3から15個の炭素原子を単環式若しくは二環式環、縮合環、架橋環又はスピロ環中に含有し、3〜15個の環炭素原子のうち1〜5個の炭素原子がヘテロ原子(例えば窒素、酸素又は硫黄)で置き換えられており、さらにヘテロ原子が酸化されていてもよい(例えばN=O、S=O、SO2)、飽和(ヘテロシクロアルキル)、部分的に不飽和(ヘテロシクロアルケニル)又は不飽和(ヘテロアリール)炭化水素環を意味すると理解される。複素環の例は、アクリジニル、アザインドール(1H−ピロロピリジニル)、アザベンゾイミダゾリル、アザスピロデカニル、アゼピニル、アゼチジニル、アジリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル(decahydrochinolinyl)、4,5−ジヒドロオキサゾリニル、ジオキサゾリル、ジオキサジニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジオキソレニル、3,3−ジオキソ[1,3,4]オキサチアジニル、6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]−テトラヒドロフラニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル(ベンゾイミダゾリル)、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、2−イソオキサゾリニル、ケトピペラジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2−オキサ−チエパニル、1,2−オキサチオラニル、1,4−オキサゼパニル、1,4−オキサゼピニル、1,2−オキサジニル、1,3−オキサジニル、1,4−オキサジニル、オキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリル、オキセタニル、オキソカニル(oxocanyl)、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリジノニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラジニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、1,2−チアジニル、1,3−チアジニル、1,4−チアジニル、1,3−チアゾリル、チアゾリル、チアゾリジニル、チアゾリニル、チエニル、チエタニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオモルホリニル、チオフェノリル、チオフェニル、チオピラニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル及びキサンテニルである。
【0040】
複素環式環は、非置換であるか又は例えば以下のような適切な基で一置換、二置換若しくは三置換される:F、Cl、Br、I、CF3、NO2、CN、COOH、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、CO−O−(C1−C4)アルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)アルキレン−H、CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、CON((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)アルキル、(C2−C6)−アルケニル、(C2−C6)−アルキニル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、O−(C0−C6)−アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−O−(C1−C4)アルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、O−CO−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、S−(C1−C4)アルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、S−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、S−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、SO−(C1−C4)アルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、SO2−(C1−C4)アルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、SO2−N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、[ここでアリール環又は複素環式環は非置換であるか又はF、Cl、Br、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−Hで一置換若しくは二置換されている];
【0041】
N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−H)−(C1−C6)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−O−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C6−C12)−アリール、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C13)シクロアルキル、N((C0−C4)アルキレン−H)−CO−N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)アルキレン−(C3−C15)複素環、[ここでアリール又は複素環式環は、非置換であるか又はF、Cl、Br、I、OH、CF3、NO2、CN、OCF3、O−(C1−C6)−アルキル、(C1−C6)−アルキル、N((C0−C4)−アルキレン−H)−(C0−C4)−アルキレン−H,SO2−CH3、COOH、COO−(C1−C6)−アルキル、SF5、CONH2で一置換若しくは二置換されている]。
【0042】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0043】
式Iの化合物中に存在する光学活性な炭素原子は、互いに独立して、R配置又はS配置を有し得る。式Iの化合物は、純粋な鏡像異性体若しくは純粋なジアステレオマーの形態、又は鏡像異性体及び/若しくはジアステレオマーの混合物の形態、例えばラセミ化合物の形態で存在し得る。本発明は、純粋な鏡像異性体、及び鏡像異性体の混合物に加えて純粋なジアステレオマー、及びジアステレオマーの混合物に関する。本発明は、式Iの2つの立体異性体又は2つより多くの立体異性体の混合物を含み、そしてこれは混合物中に全ての比の立体異性体を含む。式Iの化合物がE異性体又はZ異性体(又はcis異性体若しくはtrans異性体)として存在し得る場合、本発明は純粋なE異性体及び純粋なZ異性体の両方、並びに全ての比のE/Z混合物に関する。本発明はまた、式Iの化合物の全ての互変異性体形態を含む。
【0044】
ジアステレオマー(E/Z異性体を含む)は、例えばクロマトグラフィーにより個々の異性体に分離することができる。ラセミ化合物は、慣例の方法により、例えばキラル相でのクロマトグラフィー又は分割により、例えば光学活性な酸又は塩基を用いて得られたジアステレオマー塩の結晶化により、2つの鏡像異性体に分離することができる。立体化学的に均一な式Iの化合物もまた、立体化学的に均一な出発物質を使用することにより、又は立体選択的な反応を使用することにより得ることができる。
【0045】
式Iの化合物は、それらのラセミ化合物、ラセミ混合物、純粋な鏡像異性体、ジアステレオマー及びジアステレオマーの混合物、さらにそれらの互変異性体形態で存在し得る。本発明は、式Iの化合物の全てのこれらの異性体形態及び互変異性体形態を包含する。これらの異性体形態は、一部の場合にはたとえ具体的に記載されていなくても公知の方法により得ることができる。
【0046】
薬学的に許容される塩は、その水に対する溶解性が、元の化合物又は基本化合物のそれより大きいために、特に医学用途において適切である。これらの塩は薬学的に許容されるアニオン又はカチオンを有していなければならない。本発明の化合物の薬学的に許容される適切な酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸などの無機酸;及び、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及び酒石酸などの有機酸の塩である。薬学的に許容される適切な塩基塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム及びカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム及びカルシウム塩など)及びトロメタモール(2アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、ジエタノールアミン、リジン、又はエチレンジアミンの塩である。
【0047】
薬学的に許容されないアニオンを有する塩、例えば、トリフルオロ酢酸塩は、薬学的に許容される塩の製造若しくは精製のための有用な中間体として、及び/又は、非治療的な、例えば、インビトロでの適用における使用のため、同様に本発明の範囲内に属する。
【0048】
本明細書で使用される用語「生理学的に機能性の誘導体」は、本発明の式Iの化合物の生理学的耐容性を有するあらゆる誘導体、例えばエステルを意味し、これは例えば、ヒトなどの哺乳類へ投与した場合、(直接的に又は間接的に)式Iの化合物を又はその活性な代謝物を形成することができる。
【0049】
生理学的に機能性の誘導体はまた、例えば、H.Okadaら,Chem.Pharm.Bull.1994,42,57−61に記載されているような、本発明の化合物のプロドラッグも含む。その様なプロドラッグは、インビボで本発明の化合物に代謝されることが可能である。これらのプロドラッグは、それ自身活性であっても活性でなくてもよい。
【0050】
本発明の化合物はまた、種々の多形体の形態で、例えば、非晶質及び結晶性の多形体として存在することもできる。本発明の化合物の全ての多形体の形態は本発明の範囲内に属し、そしてそれは本発明のさらなる局面である。
【0051】
本明細書以下での「式Iの化合物」への全ての言及は、上記の式Iの化合物及び本明細書に記載した、その塩、溶媒和物及び生理学的に機能性の誘導体を指す。
【0052】
使用
本発明はさらに、PPARリガンドとしての式Iの化合物及びそれらの医薬組成物の使用に関する。本発明のPPARリガンドは、PPAR活性の調節因子として適切である。
【0053】
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、リガンドによって活性化されることができ、核内ホルモン受容体のクラスに属する転写因子である。3種のPPARアイソフォーム、PPARアルファ、PPARガンマ及びPPARデルタ(PPARベータに同じ)が存在し、これらは異なる遺伝子によってコードされる(Peroxisome proliferator−activated receptor(PPAR):structure、mechanisms of activation and diverse functions:Motojima K.,Cell Struct Funct.,1993,18(5),267−77)。
【0054】
ヒトでは、PPARガンマは3つのバリアント、即ち、PPARガンマ1、ガンマ2、及びガンマ3として存在し、これらはプロモーター及びディファレンシャルmRNAスプライシングの代替使用の結果である。異なったPPARは異なる組織分布を有し、そして異なる生理機能を調節する。PPARは多数の遺伝子の調節(regulation)の種々の局面で重要な役割を果たしており、これらの遺伝子の産物は直接的又は間接的に脂質と炭水化物代謝に大きく関わる。従って、例えば、PPARアルファ受容体は、肝臓における脂肪酸異化作用又はリポタンパク質代謝の調節において重要な役割を担うが、PPARガンマは、例えば、脂肪細胞分化の調節に大きく関わる。しかしながら、さらにPPARはまた炭水化物又は脂質代謝に直接関係しないものを含む他の多くの生理学的過程の調節にも関わっている。異なったPPARの活性は、種々の脂肪酸、脂肪酸誘導体及び合成化合物によって種々の程度に調節できる。機能、生理作用及び病態生理関連の総説については、以下を参照のこと:Berger,J.ら,Annu.Rev.Med.,2002,53,409−435;Wilson,T.ら,J.Med.Chem.,2000,43(4),527−550;Kliewer,S.ら,Recent Prog Horm Res.,2001,56,239−63;Moller,D.E.and Berger,J.P.,Int J Obes Relat Metab Disord.,2003,27 Suppl 3,17−21;Ram,V.J.,Drugs Today,2003,39(8),609−32)。
【0055】
3つのPPARアイソフォームのうち、PPARデルタの生理機能は長い間謎であった。PPARデルタの最初に提案された薬理学的役割は、コレステロールホメオスタシスの調節であった。ある程度選択的なPPARデルタリガンドL−165041が、糖尿病動物モデルで血漿コレステロールを上昇させることが示された(Berger J.ら、J.Biol.Chem.、1999、274、6718−6725;Leibowitz M.D.ら、FEBS Lett.、2000、473(3)、333−336)。肥満のインシュリン抵抗性アカゲザルでは、強力かつ選択的なPPARデルタリガンドGW501516がHDL−コレステロールを上昇させ、血漿LDL−コレステロール、トリグリセリド及びインシュリンレベルを減少させる(Oliver、W.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.、2001、98、5306−5311)。二重PPARデルタ/PPARアルファアゴニストYM−16638は、アカゲザルとカニクイザルの血漿脂質を著しく低下させ(Goto、S.ら,Br.J.Pharm.,1996,118,174−178)、健常ボランティアの2週間治験において同様に作用する(Shimokawa,T.ら,Drug Dev.Res.,1996,38,86−92)。
【0056】
より最近の刊行物は、PPARデルタが異常脂質血症、インシュリン抵抗性、2型糖尿病、アテローム性動脈硬化症及びシンドロームXの処置の重要なターゲットであることを明確に示している(Wang、Y−X.ら,Cell,2003,113,159−170;Luquet,S.ら,FASEB J.,2003,17,209−226;Tanaka,T.ら,PNAS,2003,100,15924−15929;Holst,D.ら,BioChem.Biophys.Acta,2003,1633,43−50;Dressel,U.ら,Mol.Endocrin.,2003,17,2477−2493;Lee,C.H.ら,Science,2003,302,453−457)。
【0057】
脂質、グルコース及びコレステロール代謝の調節因子としての作用の他に、PPARデルタは胚発生、着床及び骨形成において役割を担っていることが知られている(Lim,H.and Dey,S.K.,Trends Endocrinol Metab.,2000,11(4),137−42;Ding,N.Zら Mol Reprod Dev.,2003,66(3),218−24;Mano,H.ら,J Biol Chem.,2000,275(11),8126−32)。
【0058】
多数の刊行物は、PPARデルタが皮膚障害や創傷治癒においてその役割の証拠となるケラチン細胞の増殖と分化を誘導することを証明している(Di−Poi,N.ら,J Steroid Biochem Mol Biol,2003,85(2−5),257−65;Tan,N.S.ら,Am J Clin Dermatol.,2003,4(8),523−30;Wahli,W.,Swiss Med Wkly.,2002,132(7−8),83−91)。
【0059】
PPARデルタは、CNSにおいて顕著に発現すると考えられる;しかし、その機能の大部分は未だに解明されていない。しかし特に注目すべきは、PPARデルタが CNSの主要脂質産生細胞であるげっ歯類の乏突起膠細胞に発現したという発見である(J.Granneman,ら,J.Neurosci.Res.,1998、51、563−573)。更にPPARデルタ選択的アゴニストが、マウス培養物において乏突起膠細胞ミエリン遺伝子発現とミエリン鞘の径を有意に増加させることも見出された(I.Salujaら,Glia,2001,33,194−204)。このように、PPARデルタ活性化因子は、脱髄疾患や髄鞘発育不全疾患の処置に使用することができる。MSや他の脱髄疾患の処置のためのペルオキシソーム増殖因子活性化受容体デルタアゴニストの使用は、WO2005/097098に記載のように示すことができる。
【0060】
脱髄状態は、ミエリン(多くの神経線維を覆う脂質とタンパク質の多重稠密層)の欠損として現れる。これらの層は中枢神経系(CNS)の乏突起膠細胞、及び末梢神経系(PNS)のシュバン(Schwann)細胞によって与えられる。脱髄状態を有する患者では、脱髄は非可逆的であり得る;これは通常、軸索変性及びしばしば細胞変性を伴うか又はこれらが続いて起る。脱髄は、異常免疫反応、局所損傷、虚血、代謝異常、毒性物質又はウイルス感染に起因してもしなくても、神経障害又はミエリン自体への障害の結果として起こり得る(PrineasおよびMcDonald、Demyelinating Diseases. In Greenfield’s Neuropathology、6.sup.th ed.(Edward Arnold:New York、1997)813−811、BeersおよびBerkow編、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy、17.sup.th ed.(Whitehouse Station、N.J.:Merck Research Laboratories、1999)1299、1437、1473−76、1483)。
【0061】
中枢性脱髄(CNSの脱髄)は、しばしば病因不明のいくつかの条件で起こり、原発性脱髄疾患として知られるようになった。これらのうち、多発性硬化症(MS)が最も多いものである。他の原発性脱髄疾患には、副腎脳白質ジストロフィー(ALD)、副腎脊髄ニューロパシー、AIDS空胞性ミエロパシー、HTLV関連ミエロパシー、レーバー(Leber)遺伝性視神経萎縮、進行性多病巣性白質脳症(PML)、亜急性硬化性汎脳炎、ギランバレー症候群及び熱帯性痙性不全対麻痺症が含まれる。加えて、脱髄がCNSにおいて起こり得る急性状態、例えば急性播種性脳脊髄炎(ADEM)及び急性ウイルス性脳脊髄炎がある。更に、原因不明の急性脊髄離断(transectim)が1つ又はそれ以上の隣接胸分節において、灰白質および白質の両方を冒す症候群である急性横断性脊髄炎も脱髄を生じ得る。また、脊髄損傷、ニューロパシー及び神経損傷を含むミエリン形成グリア細胞が損傷される障害である。
【0062】
本発明は、PPARの活性、特にPPARデルタ及びPPARアルファの活性を調節するために適切な式Iの化合物に関する。調節プロファイルによって、式Iの化合物は、以下に記載の適応症の処置、制御及び予防、並びにそれらに関係する多くの他の薬物適用に適切である(例えば、以下を参照:Berger、J.ら、Annu.Rev.Med.、2002、53、409−435;Wilson、T.ら、J.Med.Chem.、2000、43(4)、527−550;Kliewer、S.ら、Recent Prog Horm Res.、2001、56、239−63;Fruchart、J.C.ら、2001、Pharmacological Research、44(5)、345−52;Kersten、S.ら、Nature、2000、405、421−424;Torra、I.P.ら、Curr Opin Lipidol、2001,12、245−254)。
【0063】
このタイプの化合物は、以下の処置及び/又は予防に特に適切である。
1.−脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害
−インシュリン抵抗性が関与する障害
2.糖尿病、特に2型糖尿病(それに伴う続発症の予防を含む)。
これに関連する特別な側面は:
−高血糖症
−インシュリン抵抗性の改善
−耐糖能の改善
−膵臓β細胞の保護
−大血管障害及び微小血管障害の予防である。
3.異常脂質血症、及び、その続発症例えば、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、脳血管障害等、特に以下の1つ又はそれ以上の因子で特徴付けられる疾患(これらに限定されない):
−高血漿トリグリセリド濃度、高い食後の血漿トリグリセリド濃度
−低HDLコレステロール濃度
−低アポAリポタンパク質濃度
−高LDLコレステロール濃度
−小さい高密度LDLコレステロール粒子
−高アポBリポタンパク質濃度
4.以下のような代謝症候群に関連し得る他の種々の状態:
−中心性肥満を含む肥満(過剰体重)
−血栓症、凝固亢進性及び血栓形成前の状態(動脈と静脈の)
−高血圧
−例えば(これに限定されないが)、心筋梗塞、高血圧性心疾患又は心筋症後の心不全5.炎症反応が関与する障害又は状態:
−例えば(これに限定されないが)、狭心症又は心筋梗塞を含む冠動脈硬化症、卒中などのアテローム性動脈硬化症
−血管再狭窄又は再閉塞
−例えば、クローン(Crohn)病や潰瘍性大腸炎などの慢性炎症性腸疾患
−喘息
−エリテマトーデス(LE)、又は例えば関節リウマチなどの炎症性リウマチ障害
−NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)
−他の炎症状態
6.細胞周期又は細胞分化過程の障害:
−脂肪細胞腫瘍
−例えば、脂肪肉腫などの脂肪腫性癌腫
−例えば(これに限定されないが)、消化管、肝臓、胆管及び膵臓の癌腫、内分泌腫瘍、肺、腎臓と尿路、生殖管の癌腫、前立腺癌腫などの充実性腫瘍及び新生物
−急性及び慢性骨髄増殖性疾患、並びにリンパ腫
−血管新生
【0064】
7.下記を含む中枢及び末梢神経系の脱髄及び他の神経変性障害:
−アルツハイマー病
−多発性硬化症
−パーキンソン病
−副腎脳白質ジストロフィー(ALD)
−副腎脊髄神経障害
−AIDS空胞性ミエロパシー
−HTLV関連ミエロパシー
−レーバー遺伝性視神経萎縮
−進行性多病巣性白質脳障害(PML)
−亜急性硬化性汎脳炎
−ギラン−バレー症候群
−熱帯性痙性不全対麻痺症
−急性播種性脳脊髄炎(ADEM)
−急性ウイルス性脳脊髄炎
−急性横断性脊髄炎
−脊髄及び脳外傷
−シャルコー−マリー−ツース病
8.皮膚障害及び/又は創傷治癒過程の障害:
−例えば、乾癬などの紅斑落屑性皮膚病
−尋常性座瘡
−PPARによって調節される他の皮膚障害及び皮膚病変
−湿疹及び神経皮膚炎
−例えば、脂漏性皮膚炎又は光線皮膚炎などの皮膚炎
−例えば、脂漏性角化症、老年性角化症、光線性化症、光誘起性角化症又は毛包性角化症などの角膜炎及び角化症
−ケロイドとケロイド予防
−コンジローム又は尖圭コンジロームを含む疣贅
−例えば、性病性乳頭腫などのヒトパピローマウイルス(HPV)感染、及び例えば伝染性軟属腫、白斑症などのウイルス性疣贅
−例えば、扁平苔癬などの丘疹性皮膚炎
−例えば、基底細胞癌、黒色腫又は皮膚T細胞リンパ腫などの皮膚癌
−例えば、角皮症、表皮母斑などの限局性良性表皮性腫瘍
−凍瘡
−創傷治癒
9.他の障害:
−高血圧
−膵臓炎
−シンドロームX
−多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
−喘息
−変形性関節症
−例えば、関節リウマチなどのエリテマトーデス(LE)又は炎症性リウマチ障害
−脈管炎
−るいそう(悪液質)
−痛風
−虚血/再潅流症候群
−急性呼吸窮迫症候群(ARDS)。
【0065】
製剤
望ましい生物学的効果を達成するために必要な式Iの化合物の量は、例えば、選択した特定の化合物、使用目的、投与様式及び患者の臨床状態など多くの要因に依存する。一日量は、一般的に1日あたり、そして体重1kgあたり0.001mgから100mg(通常0.01mgから50mg)、例えば、0.1〜10mg/kg/日である。静脈内用量は、例えば、0.001mgから1.0mg/kgの範囲であり、これは10ngから100ng/kg・分で注入により適切に投与することができる。これらの目的のための適切な注入液は、例えば、0.1ngから10mg/mlまで、通常1ngから10mg/mlを含有し得る。単回用量は、例えば、1mgから10gの有効成分を含有し得る。従って、注射用アンプルは、例えば、1mgから100mgを含有し得、そして経口投与可能な単回投与製剤、例えばカプセル及び錠剤は、例えば、0.05から1000mg、通常は0.5から600mgを含有し得る。上記の状態の治療のために、式Iの化合物は化合物自体として使用され得るが、許容される担体を用いた医薬組成物の形態が好ましい。この担体は、当然のことながら組成物の他の成分と適合性であり、そして患者の健康に有害ではないという意味で許容しうるものでなければならない。この担体は、固体でも液体でも、又はその両者でもよく、単回用量として、例えば0.05質量%から95質量%の有効成分を含有する錠剤として、この化合物と製剤化することが好ましい。式Iの他の化合物を含め、他の薬剤学的活性物質も同様に存在してよい。本発明の医薬組成物は、成分を薬理学的に許容しうる担体及び/又は賦形剤と混合することから本質的になる、既知の製剤方法の1つによって製造することができる。
【0066】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、局所、口内(例えば舌下)及び非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内又は静脈内)投与に適切であるが、最適な投与様式は、治療すべき状態の性質と重症度、及び個々の症例で使用される式Iの化合物の性質により、症例毎に異なる。被覆製剤及び被覆徐放性製剤も、本発明の範囲内に属する。酸性及び胃液抵抗性製剤が好ましい。適切な胃液抵抗性の被覆は、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びメタクリル酸及びメタクリル酸メチルのアニオン性ポリマーを含む。
【0067】
経口投与に適切な医薬製剤は、例えば、カプセル剤、カシェ剤、可舐錠剤(suckable tablets)又は錠剤などの個別の単位の形態であり得、各製剤は、規定量の式Iの化合物を;粉末又は顆粒として、水性又は非水性液体中の溶液又は懸濁液として;又は水中油若しくは油中水エマルジョンとして含有する。これらの組成物は、既に記載したように、有効成分と担体(1つ又はそれ以上の添加成分から成り得る)を接触させる工程を含むあらゆる適切な製剤方法によって調剤され得る。組成物は、一般的に、有効成分を、液体及び/又は微粉化固体担体と均一かつ均質に混合することによって製造され、必要に応じて、その後生成物は成形される。このように、例えば、錠剤は、化合物の粉末又は顆粒を、必要により1つ又はそれ以上の追加成分と共に、圧縮又は成型することによって製造することができる。圧縮した錠剤は、例えば、粉末又は顆粒などの自由流動形態の化合物を、必要により結合剤、流動促進剤、不活性希釈剤及び/又は1つ(又はそれ以上)の界面活性剤/分散剤と、適切な機械で混合して打錠することによって製造することができる。湿製錠剤(molded tablet)は、粉末形態であり不活性液体希釈剤で加湿した化合物を、適切な機械で成型することによって製造することができる。
【0068】
経口(舌下)投与に適切な医薬組成物は、矯味矯臭剤、通常はショ糖及びアラビアゴム又はトラガントと共に式Iの化合物を含む吸込錠剤、並びにゼラチン及びグリセロール又は蔗糖及びアラビアゴムのような不活性基剤中にこの化合物を含むトローチ剤を含む。
【0069】
非経口投与に適切な医薬組成物は、好ましくは式Iの化合物の滅菌水性製剤を含み、これは対象レシピエントの血液と等張であることが望ましい。これらの製剤は静脈内投与が望ましいが、投与は皮下、筋肉内又は皮内注射で行なってもよい。これらの製剤は、好ましくは本化合物と水を混合し、得られた溶液を滅菌し血液と等張にすることによって製造することができる。本発明の注射用組成物は、一般的に0.1から5質量%の活性化合物を含有する。
【0070】
経腸投与に適切な医薬組成物は、単回投与坐剤の形態が好ましい。これらは、式Iの化合物を1つ又はそれ以上の従来の固体担体、例えばカカオ脂と混合し、得られる混合物を成形することによって製造することができる。
【0071】
皮膚への局所使用に適切な医薬組成物は、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ペースト剤、スプレー剤、エーロゾル剤又は油剤の形態が好ましい。使用可能な担体はワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール類及び2つ又はそれ以上のこれらの物質の組合せである。有効成分は、一般的に組成物の0.1から15質量%の濃度、例えば、0.5から2質量%で存在する。
【0072】
経皮投与も可能である。経皮用途に適切な医薬組成物は、患者の表皮と長期間密接するのに適切な単一硬膏剤の形態であり得る。このような硬膏剤は、水溶液の形態で有効成分を適切に含有し、この水溶液は、必要により緩衝化され、接着剤に溶解及び/又は分散されるか、又はポリマーに分散される。適切な有効成分濃度は、約1%から35%、好ましくは3%から15%である。有効成分が、例えばPharmaceutical Research,2(6):368(1986)に記載のエレクトロトランスポート又はイオントフォレシスによって放出されることが特に可能である。
【0073】
式Iの化合物は、代謝障害に対する好ましい効果によって特徴付けられる。これらは脂質及び糖質の代謝に有益な影響を与え、特にトリグリセリドレベルを低下させ、そしてII型糖尿病及びアテローム性動脈硬化症、並びにその多様な続発症の予防及び処置に適切である。
【0074】
他の薬剤との組み合わせ
本発明の化合物は、単独で、又は1つ若しくはそれ以上の更なる薬理活性物質と組み合わせて投与することができる。特に、本発明の化合物は、類似の薬理作用を有する有効成分と組み合わせて投与することができる。例えば、これらは代謝障害又はそれと高頻度に併発する障害に対して好ましい効果を有する有効成分と組み合わせて投与することができる。
【0075】
このような薬剤の例は:
1.血糖を降下させる薬剤、抗糖尿病薬、
2.異常脂質血症の処置用の有効成分、
3.抗アテローム性動脈硬化症薬、
4.抗肥満剤、
5.抗炎症性有効成分、
6.悪性腫瘍の処置用の有効成分、
7.抗血栓有効成分、
8.高血圧の処置用の有効成分、
9.心不全の処置用の有効成分、及び
10.糖尿病により生じる合併症又は糖尿病に伴う合併症の処置及び/又は予防用の有効成分、
11.神経変性疾患の処置用の有効成分、
12.中枢神経系障害の処置用の有効成分、
13.薬物、ニコチン及びアルコール依存症の処置用の有効成分、
14.鎮痛薬、
である。
【0076】
これらは特に活性の相乗的増強のために、本発明の式Iの化合物と組み合わせることができる。有効成分の組み合わせの投与は、患者に対する有効成分の別々の投与によって、又は複数の有効成分が1つの医薬製剤に存在する配合剤(combination product)の形態で実施することができる。
【0077】
配合剤に特に適切な更なる有効成分は:
Rote Liste 2005,Chapter 12に記載の全ての抗糖尿病薬;Rote Liste 2005,Chapter 1に記載の全ての減量薬/食欲抑制薬;Rote Liste 2005,Chapter 58に記載の全ての脂質低下薬である。特に効果の相乗的増強のために、これらを本発明の式Iの化合物と組み合わせることができる。この有効成分の組み合わせは、患者への有効成分の別々の投与によるか、又は複数の有効成分が1つの医薬製剤に存在する配合剤の形態で投与することができる。以下に記載の活有効成分の大部分は、USP Dictionary of USAN and International Drug Names,US Pharmacopeia,Rockville 2001に開示されている。
【0078】
抗糖尿病薬としては、例えば、Lantus(登録商標)(www.lantus.com参照)又はLevemir(登録商標)(インスリンデテミル)HMR1964、又はWO2005005477(Novo Nordisk)に記載のもののようなインシュリン及びインシュリン誘導体;速効性インスリン(USP6,221,633参照);例えば、Exubera(登録商標)のような吸入インスリン;又は、例えばIN−105(Nobex)又はOral−lynTM(Generex Biotechnology)などの経口インスリン;例えば、エクセナチド(Exenatide)、リラグルチド(Liraglutide)、又はNovo Nordisk A/SのWO98/08871、WO2005027978、WO2006037811若しくはWO2006037810、ZealandのWO01/04156、又はBeaufour−IpsenのWO00/34331に開示のもののようなGLP−1誘導体及びGLP−1アゴニスト;酢酸プラムリンチド(Symlin;Amylin Pharmaceuticals);BIM−51077、PC−DAC−エキセンディン−4(組換えヒトアルブミンに共有結合したエキセンディン−4類縁体)、例えばD.Chenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 104(2007)943に記載されるもののようなアゴニスト、WO2006124529に記載されるもの、並びに更に経口で有効な血糖降下有効成分が挙げられる。
抗糖尿病薬には、例えばWO2006121860に記載されるような、グルコース依存性インスリン分泌性(insulinotropic)ポリペプチド(GIP)受容体のアゴニストも含まれる。
【0079】
経口で有効な血糖降下有効成分としては、好ましくは:
スルホニル尿素類、
ビグアニジン類、
メグリチニド類、
オキサジアゾリジンジオン類、
チアゾリジンジオン類、
グルコシダーゼ阻害剤、
グリコゲンホスホリラーゼ阻害剤、
グルカゴンアンタゴニスト、
グルコキナーゼ活性化因子、
フルクトース−1,6−ビスホスファターゼの阻害剤、
グルコース輸送担体4(GLUT4)の調節因子、
グルタミン:フラクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤、
GLP−1アゴニスト、
カリウムチャンネル開口薬、例えば、ピナシジル、クロマカリム、ジアゾキシド又はR.D.Carrら、Diabetes 52、2003、2513.2518、J.B.Hansenら、Current Medicinal Chemistry 11、2004、1595−1615、T.M.Tagmoseら、J.Med.Chem.47、2004、3202−3211若しくはM.J.Coghlanら、J.Med.Chem.44、2001、1627−1653に記載されるもの、又はNovo Nordisk A/SのWO97/26265およびWO99/03861に開示されているもの、
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤、
インスリン増感剤、
糖新生及び/又はグリコゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素の阻害剤、
グルコース取込み、グルコース輸送及びグルコース逆吸収(back resorption)の調節因子、
11β−HSD1の阻害剤、
タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤、
ナトリウム依存性グルコース輸送担体1又は2(SGLT1、SGLT2)の調節因子、
抗高脂血症性有効成分や抗脂血有効成分などの脂質代謝を変える化合物、
食物取込みを低下させる化合物、
熱発生を増加させる化合物、
PPAR及びPXR調節因子、並びに
ベータ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する有効成分、
が挙げられる。
【発明を実施するための形態】
【0080】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えば、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン又はL−659699などのHMGCoAレダクターゼ阻害剤と組み合わせて投与される。
【0081】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、例えば、エゼチミブ、チクエシド、パマクエシド、FM−VP4(シトスタノール/リン酸カンペステロー ルアスコルビル;Forbes Medi−Tech,WO2005042692,WO2005005453)、MD−0727(Microbia Inc.、WO2005021497、WO2005021495)のようなコレステロール吸収阻害剤と、又はWO2002066464、WO2005000353(Kotobuki Pharmaceutical Co.Ltd.)、若しくはWO2005044256若しくはWO2005062824(Merck & Co.)若しくはWO2005061451及びWO2005061452(AstraZeneca AB)、並びにWO2006017257(Phenomix)若しくはWO2005033100(Lipideon Biotechnology AG)に記載されるもの、又はWO2004097655、WO2004000805、WO2004000804、WO2004000803、WO2002050068、WO2002050060、WO2005047248、WO2006086562、WO2006102674、WO2006116499、WO2006121861、WO2006122186、WO2006122216、WO2006127893、WO2006137794、WO2006137796、WO2006137782、WO2006137793、WO2006137797、WO2006137795、WO2006137792、WO2006138163に記載される化合物と組み合わせて投与される。
【0082】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、VytorinTM(エゼチミブ及びシンバスタチンの合剤)と組み合わせて投与される。
【0083】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、エゼチミブとアトルバスタチンとの合剤と組み合わせて投与される。
【0084】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、エゼチミブとフェノフィブラートとの合剤と組み合わせて投与される。
【0085】
本発明のさらなる実施態様において、式Iの化合物は、フェノフィブラート及びロスバスタチンの合剤と組み合わせて投与される。
【0086】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、Synordia(登録商標)(フェノフィブラートとメトホルミンとの合剤)と組み合わせて投与される。
【0087】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、ISIS−301012(アポリポタンパク質B遺伝子を調節することができるアンチセンスオリゴヌクレオチド)と組み合わせて投与される。
【0088】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、PPARガンマアゴニスト、例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、JTT−501、Gl 262570、R−483、CS−011(リボグリタゾン)と組み合わせて投与される。
【0089】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、CompetactTM(ピオグリタゾン塩酸塩とメトホルミン塩酸塩との合剤)と組み合わせて投与される。
【0090】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、TandemactTM(ピオグリタゾンとグリメピリドとの合剤)と組み合わせて投与される。
【0091】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、ピオグリタゾン塩酸塩とアンギオテンシンIIアゴニスト、例えばTAK−536との合剤と組み合わせて投与される。
【0092】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、PPARアルファアゴニスト、例えばGW9578、GW−590735、K−111、LY−674、KRP−101、DRF−10945、LY−518674又はWO2001040207、WO2002096894、WO2005097076に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0093】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、混合(mixed)PPARアルファ/ガンマアゴニスト、例えばナベグリタザール(naveglitazar)、LY−510929、ONO−5129、E−3030、AVE 8042、AVE 8134、AVE 0847、CKD−501(ロベグリタゾン(lobeglitazone)硫酸塩)又はWO00/64888、WO00/64876、WO03/020269若しくはJ.P.Bergerら、TRENDS in Pharmacological Sciences 28(5)、244−251、2005に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0094】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、PPARデルタアゴニスト、例えばGW−501516又はWO2006059744、WO2006084176、WO2006029699、WO2007039172−WO2007039178に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0095】
一実施態様において、式Iの化合物は、メタグリダセン(metaglidasen)若しくはMBX−2044と、又は他の部分的PPARガンマアゴニスト/アンタゴニストと組み合わせて投与される。
【0096】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、フィブラート、例えばフェノフィブラート、クロフィブラート又はベザフィブラートと組み合わせて投与される。
【0097】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、MTP阻害剤、例えばインプロタピド、BMS−201038、R−103757、AS−1552133又はWO2005085226、WO2005121091、WO2006010423に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0098】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、CETP阻害剤、例えばトルセトラピブ若しくはJTT−705又はWO2006002342、WO2006010422、WO2006012093、WO2006073973、WO2006072362、WO2006097169、WO2007041494に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0099】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、胆汁酸吸収抑制剤(例えば、US 6,245,744、US 6,221,897又はWO00/61568を参照のこと)、例えばHMR 1741又はDE 10 2005 033099.1及びDE 10 2005 033100.9、WO2007009655−56に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0100】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、ポリマー胆汁酸吸着剤、例えばコレスチラミン又はコレセベラムと組み合わせて投与される。
【0101】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、LDL受容体誘発因子(US 6,342,512を参照のこと)、例えばHMR1171、HMR1586又はWO2005097738に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0102】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2006072393に記載されるようなABCA1発現エンハンサーと組み合わせて投与される。
【0103】
本発明のさらなる実施態様において、式Iの化合物は、PCSK9(プロタンパク質コンバターゼサブチリシン/ケキシン9型)に対する治療用のRNAiと組み合わせて投与される。
【0104】
一実施態様において、式Iの化合物は、Omacor(登録商標)(オメガ−3脂肪酸;高度に濃縮されたエイコサペンタエン酸のエチルエステル及びドコサヘキサエン酸のエチルエステル)と組み合わせて投与される。
【0105】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、ACAT阻害剤、例えば、アバシミベ又はSMP−797と組み合わせて投与される。
【0106】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、抗酸化剤、例えばOPC−14117、プロブコール、トコフェロール、アスコルビン酸、β−カロテン又はセレンと組み合わせて投与される。
【0107】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、ビタミン、例えばビタミンB6又はビタミンB12と組み合わせて投与される。
【0108】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、リポタンパク質リパーゼ調節因子、例えばイブロリピム(NO−1886)と組み合わせて投与される。
【0109】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、ATPシトレートリアーゼ阻害剤、例えばSB−204990と組み合わせて投与される。
【0110】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、スクアレン合成酵素阻害剤、例えば、BMS−188494、TAK−475又はWO2005077907、JP2007022943に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0111】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、リポタンパク質(a)アンタゴニスト、例えば、ゲムカベン(gemcabene)(CI−1027)と組み合わせて投与される。
【0112】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、GPR109Aのアゴニスト(HM74A受容体アゴニスト;NARアゴニスト(ニコチン酸受容体アゴニスト)、例えば、MK−0524Aと併用したニコチン酸若しくは持続放出ナイアシン、またはWO2006045565、WO2006045564、WO2006069242、WO2006124490、WO2006113150、WO2007017261、WO2007017262、WO2007017265、WO2007015744、WO2007027532に記載される化合物と組み合わせて投与される。
【0113】
本発明の別の実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2006067531、WO2006067532に記載されるようなGPR116のアゴニストと組み合わせて投与される。
【0114】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタットまたはセチリスタット(ATL−962)と組み合わせて投与される。
【0115】
本発明の一実施態様において、式Iの化合物は、インスリンと組み合わせて投与される。
【0116】
一実施態様において、式Iの化合物は、スルホニル尿素、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピザイド、グリクラジド又はグリメピリドと組み合わせて投与される。
【0117】
一実施態様において、式Iの化合物は、インスリン分泌を増強する物質、例えばKCP−265(WO2003097064)またはWO2007026761に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0118】
一実施態様において、式Iの化合物は、グルコース依存性インスリン分泌性(insulinotropic)受容体(GDIR)のアゴニスト、例えばAPD−668と組み合わせて投与される。
【0119】
一実施態様において、式Iの化合物は、ビグアニド、例えばメトホルミンと組み合わせて投与される。
【0120】
さらに別の実施態様において、式Iの化合物は、メグリチニド、例えばレパグリニド、ナテグリニドまたはミチグリニドと組み合わせて投与される。
【0121】
さらなる実施態様において、式Iの化合物は、ミチグリニドとグリタゾン、例えばピオグリタゾン塩酸塩との組み合わせとともに投与される。
【0122】
さらなる実施態様において、式Iの化合物は、ミチグリニドとアルファ−グルコシダーゼ阻害剤との組み合わせとともに投与される。
【0123】
一実施態様において、式Iの化合物は、チアゾリジンジオン、例えばトログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン又はDr.Reddy’s Research FoundationのWO97/41097に開示される化合物、特に5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソ−2−キナゾリニルメトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオンと組み合わせて投与される。
【0124】
一実施態様において、式Iの化合物は、α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばミグリトール又はアカルボースと組み合わせて投与される。
【0125】
一実施態様において、式Iの化合物は、ベータ細胞のATP−依存性カリウムチャネルに対して作用する活性成分、例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリピザイド、グリメピリド又はレパグリニドと組み合わせて投与される。
【0126】
一実施態様において、式Iの化合物は、上述の化合物の1つより多くと組み合わせて、例えばスルホニル尿素及びメトホルミンと、スルホニル尿素及びアカルボースと、レパグリニド及びメトホルミンと、インスリン及びスルホニル尿素と、インスリン及びメトホルミンと、インスリン及びトログリタゾンと、インスリン及びロバスタチンなどと組み合わせて投与される。
【0127】
一実施態様において、式Iの化合物は、グリコゲンホスホリラーゼの阻害剤、例えば、PSN−357若しくはFR−258900又はWO2003084922、WO2004007455、WO2005073229−31若しくはWO2005067932に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0128】
一実施態様において、式Iの化合物は、グルカゴン受容体アンタゴニスト、例えばA−770077、NNC−25−2504又はWO2004100875若しくはWO2005065680に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0129】
一実施態様において、式Iの化合物は、グルコキナーゼの活性化因子、例えばLY−2121260(WO2004063179)、PSN−105、PSN−110、GKA−50又は例えばWO2004072031、WO2004072066、WO2005080360、WO2005044801、WO2006016194、WO2006058923、WO2006112549、WO2006125972、WO2007017549、WO2007017649、WO2007007910、WO2007007040−42、WO2007006760−61、WO2007006814、WO2007007886、 WO2007028135、WO2007031739、WO2007041365、WO2007041366、WO2007037534、WO2007043638、WO2007053345、WO2007051846、WO2007051845、WO2007053765、WO2007051847に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0130】
一実施態様において、式Iの化合物は、糖新生の阻害剤、例えばFR−225654と組み合わせて投与される。
【0131】
一実施態様において、式Iの化合物は、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(FBPase)の阻害剤、例えばCS−917(MB−06322)若しくはMB−07803又はWO2006023515、WO2006104030、WO2007014619に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0132】
一実施態様において、式Iの化合物は、グルコース輸送担体4(GLUT4)の調節因子、例えばKST−48(D.−O.Leeら: Arzneim.−Forsch.Drug Res.54(12)、835(2004))と組み合わせて投与される。
【0133】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2004101528に記載されるようなグルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤、と組み合わせて投与される。
【0134】
一実施態様において、式Iの化合物は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤、例えばビルダグリプチン(LAF−237)、シタグリプチン(MK−0431)、シタグリプチンリン酸塩、サクサグリプチン(BMS−477118)、GSK−823093、PSN−9301、SYR−322、SYR−619、TA−6666、TS−021、GRC−8200、GW−825964X、KRP−104、DP−893、ABT−341、ABT−279若しくはその別の塩、又はWO2003074500、WO2003106456、WO2004037169、WO200450658、WO2005058901、WO2005012312、WO2005/012308、WO2006039325、WO2006058064、WO2006015691、WO2006015701、WO2006015699、WO2006015700、WO2006018117、WO2006099943、WO2006099941、JP2006160733、WO2006071752、WO2006065826、WO2006078676、WO2006073167、WO2006068163、WO2006090915、WO2006104356、WO2006127530、WO2006111261、WO2007015767、WO2007024993、WO2007029086に記載される化合物と組み合わせて投与される。
【0135】
一実施態様において、式Iの化合物は、JanumetTM(シタグリプチンリン酸塩とメトホルミン塩酸塩との合剤)と組み合わせて投与される。
【0136】
一実施態様において、式Iの化合物は、11−ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1(11β−HSD1)の阻害剤、例えばBVT−2733、JNJ−25918646、INCB−13739又は例えばWO200190090−94、WO200343999、WO2004112782、WO200344000、WO200344009、WO2004112779、WO2004113310、WO2004103980、WO2004112784、WO2003065983、WO2003104207、WO2003104208、WO2004106294、WO2004011410、WO2004033427、WO2004041264、WO2004037251、WO2004056744、WO2004058730、WO2004065351、WO2004089367、WO2004089380、WO2004089470−71、WO2004089896、WO2005016877、WO2005097759、WO2006010546、WO2006012227、WO2006012173、WO2006017542、WO2006034804、WO2006040329、WO2006051662、WO2006048750、WO2006049952、WO2006048331、WO2006050908、WO2006024627、WO2006040329、WO2006066109、WO2006074244、WO2006078006、WO2006106423、WO2006132436、WO2006134481、WO2006134467、WO2006135795、WO2006136502、WO2006138695、WO2006133926、WO2007003521、WO2007007688、US2007066584、WO2007047625、WO2007051811、WO2007051810に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0137】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO200119830−31、WO200117516、WO2004506446、WO2005012295、WO2005116003、WO2005116003、WO2006007959、DE 10 2004 060542.4、WO2007009911、WO2007028145、WO2007081755に記載されるような、タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP1B)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0138】
一実施態様において、式Iの化合物は、ナトリウム依存性グルコース輸送担体1又は2(SGLT1、SGLT2)の調節因子、例えばKGA−2727、T−1095、SGL−0010、AVE 2268、SAR 7226及びセルグリフロジン(sergliflozin)又は例えばWO2004007517、WO200452903、WO200452902、PCT/EP2005/005959、WO2005085237、JP2004359630、WO2005121161、WO2006018150、WO2006035796、WO2006062224、WO2006058597、WO2006073197、WO2006080577、WO2006087997、WO2006108842、WO2007000445、WO2007014895、WO2007080170 若しくはA.L.HandlonによるExpert Opin.Ther.Patents(2005) 15(11)、1531−1540に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0139】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2007013689、WO2007033002に記載されるようなGPR40の調節因子と組み合わせて投与される。
【0140】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2004041274に記載されるようなGPR119bの調節因子と組み合わせて投与される。
【0141】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2005061489(PSN−632408)、WO2004065380、WO2007003960−62およびWO2007003964に記載されるようなGPR119の調節因子と組み合わせて投与される。
【0142】
さらなる実施態様において、式Iの化合物はGPR120の調節因子と組み合わせて投与される。
【0143】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2005073199、WO2006074957、WO2006087309、WO2006111321、WO2007042178に記載されるようなホルモン感受性リパーゼ(HSL)及び/又はホスホリパーゼの阻害剤と組み合わせて投与される。
【0144】
一実施態様において、式Iの化合物は、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)の阻害剤、例えばWO199946262、WO200372197、WO2003072197、WO2005044814、WO2005108370、JP2006131559、WO2007011809、WO2007011811、WO2007013691に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0145】
さらなる実施態様において、式Iの化合物は、キサンチン酸化還元酵素(XOR)の調節因子と組み合わせて投与される。
【0146】
一実施態様において、式Iの化合物は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害剤、例えばWO2004074288に記載されるものと組み合わせて投与される。
【0147】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばUS2005222220、WO2005085230、WO2005111018、WO2003078403、WO2004022544、WO2003106410、WO2005058908、US2005038023、WO2005009997、US2005026984、WO2005000836、WO2004106343、EP1460075、WO2004014910、WO2003076442、WO2005087727又はWO2004046117に記載されるようなグリコゲン合成酵素キナーゼ−3ベータ(GSK−3ベータ)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0148】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2006072354に記載されるような血清/グルココルチコイド調節キナーゼ(SGK)の阻害剤と組み合わせて投与される。
【0149】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2007035355に記載されるようなRUP3受容体のアゴニストと組み合わせて投与される。
【0150】
一実施態様において、式Iの化合物は、タンパク質キナーゼCベータ(PKCベータ)の阻害剤、例えばルボキシスタウリンと組み合わせて投与される。
【0151】
別の実施態様において、式Iの化合物は、血管拡張性失調症変異(ATM)タンパク質キナーゼをコードする遺伝子の活性化因子、例えばクロロキンと組み合わせて投与される。
【0152】
一実施態様において、式Iの化合物は、エンドセリンA受容体アンタゴニスト、例えば、アボセンタン(avosentan)(SPP−301)と組み合わせて投与される。
【0153】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2001000610、WO2001030774、WO2004022553又はWO2005097129に記載されるような「I−κBキナーゼ」の阻害剤(IKK阻害剤)と組み合わせて投与される。
【0154】
一実施態様において、式Iの化合物は、例えばWO2005090336、WO2006071609、WO2006135826に記載されるようなグルココルチコイド受容体(GR)の調節因子と組み合わせて投与される。
【0155】
さらなる実施態様において、式Iの化合物は、以下と組み合わせて投与される:CART調節因子(「Cocaine−amphetamine−regulated transcript influences energy metabolism、anxiety and gastric emptying in mice」 Asakawa、A.ら:Hormone and Metabolic Research(2001)、33(9)、554−558を参照のこと);
NPYアンタゴニスト、例えばナフタレン−1−スルホン酸{4−[(4−アミノキナゾリン−2−イルアミノ)メチル]シクロヘキシルメチル}アミド塩酸塩(CGP 71683A);
NPY−5受容体アンタゴニスト、例えばL−152804、又は例えばWO2006
001318に記載されるもの;
例えばWO2007038942に記載されるようなNPY−4受容体アンタゴニスト;
例えばWO2007038943に記載されるようなNPY−2受容体アンタゴニスト;
ペプチドYY 3−36(PYY3−36)又は類縁化合物、例えばCJC−1682(Cys34を介してヒト血清アルブミンと結合体化したPYY3−36)、CJC−1643(インビボで血清アルブミンと結合体化するPYY3−36の誘導体)又はWO2005080424、WO2006095166に記載されるもの;
WO2006096847に記載されるようなペプチドオベスタチンの誘導体;
CB1R(カンナビノイド受容体1)アンタゴニスト(例えばリモナバン、SR147778、SLV−319、AVE−1625、MK−0364若しくはその塩又は例えばEP 0656354、WO00/15609、WO2001/64632−64634、WO02/076949、WO2005080345、WO2005080328、WO2005080343、WO2005075450、WO2005080357、WO200170700、WO2003026647−48、WO200302776、WO2003040107、WO2003007887、WO2003027069、US6,509,367、WO200132663、WO2003086288、WO2003087037、WO2004048317、WO2004058145、WO2003084930、WO2003084943、WO2004058744、WO2004013120、WO2004029204、WO2004035566、WO2004058249、WO2004058255、WO2004058727、WO2004069838、US20040214837、US20040214855、US20040214856、WO2004096209、WO2004096763、WO2004096794、WO2005000809、WO2004099157、US20040266845、WO2004110453、WO2004108728、WO2004000817、WO2005000820、US20050009870、WO200500974、WO2004111033−34、WO200411038−39、WO2005016286、WO2005007111、WO2005007628、US20050054679、WO2005027837、WO2005028456、WO2005063761−62、WO2005061509、WO2005077897、WO2006047516、WO2006060461、WO2006067428、WO2006067443、WO2006087480、WO2006087476、WO2006100208、WO2006106054、WO2006111849、WO2006113704、WO2007009705、WO2007017124、WO2007017126、WO2007018459、WO2007016460、WO2007020502、WO2007026215、WO2007028849、WO2007031720、WO2007031721、WO2007036945、WO2007038045、WO2007039740、US20070015810、WO2007046548、WO2007047737、WO2007084319、WO2007084450に記載される化合物);
例えばWO2007001939、WO2007044215、WO2007047737に記載されるようなカンナビノイド受容体1/カンナビノイド受容体2(CB1/CB2)調節化合物;
【0156】
MC4アゴニスト(例えば、1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−カルボン酸[2−(3a−ベンジル−2−メチル−3−オキソ−2,3,3a,4,6,7−ヘキサヒドロピラゾロ[4,3−c]ピリジン−5−イル)−1−(4−クロロフェニル)−2−オキソエチル]アミド;(WO01/91752))又はLB53280、LB53279、LB53278若しくはTHIQ、MB243、RY764、CHIR−785、PT−141又はWO2005060985、WO2005009950、WO2004087159、WO2004078717、WO2004078716、WO2004024720、US20050124652、WO2005051391、WO2004112793、WOUS20050222014、US20050176728、US20050164914、US20050124636、US20050130988、US20040167201、WO2004005324、WO2004037797、WO2005042516、WO2005040109、WO2005030797、US20040224901、WO200501921、WO200509184、WO2005000339、EP1460069、WO2005047253、WO2005047251、WO2005118573、EP1538159、WO2004072076、WO2004072077、WO2006021655−57、WO2007009894、WO2007015162、WO2007041061、WO2007041052に記載されるもの;
オレキシン受容体アンタゴニスト(例えば1−(2−メチルベンゾオキサゾール−6−イル)−3−[1,5]ナフチリジン−4−イル尿素塩酸塩(SB−334867−A)又は例えばWO200196302、WO200185693、WO2004085403、WO2005075458若しくはWO2006067224に記載されるもの);
ヒスタミンH3受容体アゴニスト(例えば3−シクロヘキシル−1−(4,4−ジメチル−1,4,6,7−テトラヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル)プロパン−1−オン シュウ酸塩(WO00/63208)又はWO200064884、WO2005082893、WO2006107661、WO2007003804、WO2007016496、WO2007020213に記載されるもの);
ヒスタミンH1/ヒスタミンH3調節因子、例えばベタヒスチン及びその塩酸塩;
CRFアンタゴニスト(例えば[2−メチル−9−(2,4,6−トリメチルフェニル)−9H−1,3,9−トリアザフルオレン−4−イル]ジプロピルアミン(WO00/66585));
CRF BPアンタゴニスト(例えばウロコルチン);
ウロコルチンアゴニスト;
ベータ−3 アドレナリン受容体のアゴニスト、例えば1−(4−クロロ−3−メタンスルホニルメチルフェニル)−2−[2−(2,3−ジメチル−1H−インドール−6−イルオキシ)エチルアミノ]エタノール塩酸塩(WO01/83451);又はSolabegron(GW−427353)若しくはN−5984(KRP−204)又はJP2006111553、WO2002038543、WO2007048840−843に記載されるもの;
【0157】
MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト;
MCH(メラニン凝集ホルモン)受容体アンタゴニスト(例えばNBI−845、A−761、A−665798、A−798、ATC−0175、T−226296、T−71、GW−803430又はWO2005085200、WO2005019240、WO2004011438、WO2004012648、WO2003015769、WO2004072025、WO2005070898、WO2005070925、WO2004039780、WO2004092181、WO2003033476、WO2002006245、WO2002089729、WO2002002744、WO2003004027、FR2868780、WO2006010446、WO2006038680、WO2006044293、WO2006044174、JP2006176443、WO2006018280、WO2006018279、WO2006118320、WO2006130075、WO2007018248、WO2007012661、WO2007029847、WO2007024004、WO2007039462、WO2007042660、WO2007042668、WO2007042669、US2007093508、US2007093509、WO2007048802、JP2007091649に記載されるような化合物);
CCK−Aアゴニスト(例えば{2−[4−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−5−(2−シクロヘキシルエチル)チアゾール−2−イルカルバモイル]−5,7−ジメチルインドール−1−イル}酢酸 トリフルオロ酢酸塩(WO99/15525)、SR−146131(WO0244150)若しくはSSR−125180又はWO2005116034に記載されるもの);
セロトニン再取り込み阻害剤(例えば、デクスフェンフルラミン);
混合性(mixed)セロトニン/ドーパミン再取り込み阻害剤(例えばブプロピオン(bupropion))、又はブプロピオン(bupropion)とナルトレキソンとの合剤;
混合性(mixed)セロトニン作動性及びノルアドレナリン作動性化合物(例えばWO00/71549);
5−HT受容体アゴニスト、例えば1−(3−エチルベンゾフラン−7−イル)ピペラジンシュウ酸塩(WO01/09111);
混合性(mixed)ドーパミン/ノルエピネフリン/アセチルコリン再取り込み阻害剤(例えばテソフェンシン(tesofensine));
5−HT2C受容体アゴニスト(例えばロルカセリン(lorcaserin)塩酸塩(APD−356)、BVT−933又はWO200077010、WO20077001−02、WO2005019180、WO2003064423、WO200242304、WO2005035533、WO2005082859、WO2006077025、WO2006103511に記載されるもの);
5−HT6受容体アンタゴニスト、例えばE−6837若しくはBVT−74316又は
例えばWO2005058858、WO2007054257に記載されるもの;
ボンベシン受容体アゴニスト(BRS−3 アゴニスト);
ガラニン受容体アンタゴニスト;
【0158】
成長ホルモン(例えばヒト成長ホルモン又はAOD−9604);
成長ホルモン放出化合物(第三級ブチル 6−ベンジルオキシ−1−(2−ジイソプロピルアミノエチルカルバモイル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボキシレート(WO01/85695));
成長ホルモン分泌促進物質受容体アンタゴニスト(グレリンアンタゴニスト)、例えばA−778193又はWO2005030734に記載されるもの;
TRHアゴニスト(例えばEP 0 462 884を参照のこと);
脱共役タンパク質2又は3調節因子;
レプチンアゴニスト(例えば、Lee、Daniel W.;Leinung、Matthew C.;Rozhavskaya−Arena、Marina;Grasso、Patricia.Leptin agonists as a potential approach to the treatment of obesity.Drugs of the Future(2001)、26(9)、873−881を参照のこと);
DAアゴニスト(ブロモクリプチン又はDoprexin);
リパーゼ/アミラーゼ阻害剤(例えばWO00/40569);
ジアシルグリセロール O−アシルトランスフェラーゼ(DGAT)の阻害剤、例えばBAY−74−4113又は例えばUS2004/0224997、WO2004094618、WO200058491、WO2005044250、WO2005072740、JP2005206492、WO2005013907、WO2006004200、WO2006019020、WO2006064189、WO2006082952、WO2006120125、WO2006113919、WO2006134317、WO2007016538に記載されるもの;
脂肪酸合成酵素(FAS)の阻害剤、例えばC75又はWO2004005277に記載されるもの;
例えばWO2007009236、WO2007044085、WO2007046867、WO2007046868、WO20070501124に記載されるようなステアロイル−CoA デルタ9デサチュラーゼ(SCD1)の阻害剤;
オキシントモジュリン;
オレオイル−エストロン
又は甲状腺ホルモン受容体アゴニスト若しくは部分的アゴニスト、例えば:KB−2115若しくはWO20058279、WO200172692、WO200194293、WO2003084915、WO2004018421、WO2005092316、WO2007003419、WO2007009913、WO2007039125に記載されるもの。
【0159】
一実施態様において、さらなる活性成分は、バレニクリン酒石酸塩、アルファ4−ベータ2ニコチン性アセチルコリン受容体の部分的アゴニストである。
【0160】
一実施態様において、さらなる活性成分はトロズスクエミン(trodusquemine)である。
【0161】
一実施態様において、さらなる活性成分はSIRT1酵素の調節因子である。
【0162】
一実施態様において、更なる有効成分はレプチンである;例えば、“Perspectives in the therapeutic use of leptin”,Salvador,Javier;Gomez−Ambrosi,Javier;Fruhbeck,Gema,Expert Opinion on Pharmacotherapy(2001),2(10),1615−1622を参照。
【0163】
一実施態様において、更なる有効成分はデキサンフェタミン又はアンフェタミンである。
【0164】
一実施態様において、更なる有効成分はフェンフルラミン又はデクスフェンフルラミンである。
【0165】
本発明の別の実施態様において、更なる有効成分はシブトラミンである。
【0166】
一実施態様において、更なる有効成分はマジンドール又はフェンテルミンである。
【0167】
一実施態様において、式Iの化合物は、膨張性薬剤、好ましくは不溶性膨張性薬剤(例えば、イナゴマメ/Caromax(登録商標)(Zunft H J;et al.Carob pulp preparation for treatment of hypercholesterolemia,ADVANCES IN THERAPY(2001 Sep−Oct),18(5),230−6)と組み合わせて投与される。Caromax(登録商標)はNutrinova,Nutrition Specialties & Food Ingredients GmbH,Industriepark Hoechst,65926 Frankfurt/Main製のイナゴマメ含有製品である)。Caromax(登録商標)との組み合わせは、1つの製剤で、又は式Iの化合物及びCaromax(登録商標)を別々に投与することにより可能である。これに関連して、Caromax(登録商標)は、例えば、ベーカリー製品又はムースリ・バーなどの食品の形態でも投与することができる。
【0168】
当然のことながら、本発明の化合物と上述の化合物の1種又はそれ以上及び場合により1種又はそれ以上のさらなる薬理学的に活性な物質との全ての適切な組み合わせが、本発明により与えられる保護内であると見なされる。
【0169】
【化2】

【0170】
【化3】

【0171】
【化4】

【0172】
【化5】

【0173】
【化6】

【0174】
【化7】

【0175】
【化8】

【0176】
【化9】

【0177】
【化10】

【0178】
【化11】

【0179】
化合物の活性を以下のように試験した。
【0180】
細胞PPARアルファアッセイにおけるPPARアゴニストのEC50値の決定
原理
ヒトPPARアルファに結合し、それをアゴニスト様に活性化する物質の効力を、本明細書でPPARアルファレポーター細胞株と呼ばれる安定にトランスフェクトされたHEK細胞株(HEK=ヒト腎臓胚)を用いて分析した。これは2つの遺伝要素、ルシフェラーゼレポーターエレメント(pデルタM−GAL4−Luc−Zeo)とPPARアルファリガンドに依存するルシフェラーゼレポーターエレメントの発現を媒介するPPARアルファ融合タンパク質(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−BD)を含有する。安定で構成的に発現された融合タンパク質GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBDは、PPARアルファレポーター細胞株の細胞核において、GAL4蛋白部分を経由して、細胞株のゲノムに安定に組み込まれたルシフェラーゼレポーターエレメントのGAL4DNA結合モチーフの5’上流に結合する。脂肪酸欠乏ウシ胎仔血清(cs−FCS)をアッセイに使用する場合、PPARアルファリガンドがない状態では、ルシフェラーゼレポーター遺伝子は少量しか発現しない。PPARアルファリガンドは、PPARアルファ融合タンパク質に結合して活性化し、それによってルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を刺激する。形成されたルシフェラーゼは、適切な基質を経由して化学発光法によって検出することができる。
【0181】
PPARアルファレポーター細胞株の構築
PPARアルファレポーター細胞株を2段階で調製した。最初に、ルシフェラーゼレポーターエレメントを構築し、そしてHEK細胞に安定にトランスフェクトした。この目的のために、酵母転写因子GAL4(登録番号AF264724)の5つの結合部位を、68bp長の最小MMTVプロモーター(登録番号V01175)の5’上流でクローニングした。最小MMTVプロモーター部分は、RNAポリメラーゼIIによる効率的な転写を可能にするようにCCAATボックス及びTATAエレメントを含有する。GAL4−MMTV構築物のクローニング及び配列決定を、Sambrook J.ら(Molecular cloning、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)の記載と同様にして行った。次いで完全なPhotinus pyralis遺伝子(登録番号M15077)をGAL4−MMTVエレメントの3’下流にクローニングした。配列決定後、5つのGAL4結合部位、MMTVプロモーター及びルシフェラーゼ遺伝子からなるルシフェラーゼレポーターエレメントをプラスミドに再クローニングし(recloned)、これはプラスミドpデルタM−GAL4−Luc−Zeoを得るためにゼオシン抵抗性を与える。このベクターをAusubel、F.M.ら(Current protocols in molecular biology、Vol.1−3、John Wiley & Sons、Inc.、1995)の記述に従ってHEK細胞にトランスフェクトした。次いでゼオシン含有培地(0.5mg/ml)を使用して、ルシフェラーゼ遺伝子の非常に低い基礎発現(basal expression)を示す適切な安定細胞クローンを選択した。
【0182】
第二段階において、PPARアルファ融合タンパク質(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を記載された安定細胞クローンに導入した。この目的のために、最初にグルココルチコイド受容体(登録番号P04150)のN末端76アミノ酸をコードするcDNAを、酵母転写因子GAL4(登録番号P04386)のアミノ酸1−147をコードするcDNA部分に連結した。ヒトPPARアルファ受容体のリガンド結合ドメイン(アミノ酸S167−Y468;登録番号S74349)のcDNAを、このGR−GAL4構築物の3’末端にクローニングした。このようにして製造した融合構築物(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を、サイトメガロウイルスプロモーターによる構成的発現を可能にするために、プラスミドpcDNA3(Invitrogen)に再クローニングした。このプラスミドを、制限エンドヌクレアーゼを用いて線状化し、そして以前に記載したルシフェラーゼレポーターエレメントを含有する細胞クローンに安定にトランスフェクトした。ルシフェラーゼレポーターエレメントを含有し、PPARアルファ融合タンパク質(GR−GAL4−ヒトPPARアルファ−LBD)を構成的に発現する完成したPPARアルファレポーター細胞株を、ゼオシン(0.5mg/ml)及びG418(0.5mg/ml)を用いた選択により単離した。
【0183】
アッセイ手順
PPARアルファアゴニストの活性を、以下に示す3日間のアッセイによって測定した。1日目
PPARアルファレポーター細胞株を、以下の添加物類と混合したDMEM(#41965−039、Invitrogen)中で80%のコンフルエンスまで培養した:10% cs−FCS(ウシ胎仔血清;#SH−30068.03、Hyclone)、0.5mg/mlゼオシン(#R250−01、Invitrogen)、0.5mg/ml G418(#10136−027、Invitrogen)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(#15140−122、Invitrogen)及び2mM L−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)。5%炭酸ガス存在下、37℃の条件で、細胞培養インキュベーター中で標準細胞培養ビン(#353112、Becton Dickinson)にて培養を行った。80%コンフルエントの細胞を、15mlのPBS(#14190−094、Invitrogen)で一回洗浄し、37℃で2分間、3mlのトリプシン溶液(#25300−054、Invitrogen)で処理し、5mlの前記DMEMに入れて、細胞計数装置で計数した。500,000細胞数/mlに希釈し、透明のプラスチック基板(#3610、Corning Costar)を有する96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェルに35,000個の細胞を播種した。そのプレートを37℃、5%炭酸ガス下で細胞培養インキュベータで24時間インキュベートした。
【0184】
2日目
試験するPPARアルファアゴニストを、10mMの濃度でDMSOに溶解した。このストック液を、5% cs−FCS(#SH−30068.03、Hyclone)、2mM L−グルタミン(#25030−024、Invitrogen)及び前記の抗生物質(ゼオシン、G418、ペニシリン及びストレプトマイシン)とを混合したDMEM(#41965−039、Invitrogen)中で希釈した。
【0185】
試験物質を10μMから100pMの範囲の11の異なった濃度で試験した。より有効な化合物を1μMから10pM、又は100nMと1pMとの間の濃度範囲で試験した。1日目に播種したPPARアルファレポーター細胞株の培地を吸引によって完全に除去し、培地中に希釈した試験物質を直ちに細胞に加えた。物質の希釈と添加は、ロボット(Beckman FX)によって行われた。培地に希釈された試験物質の最終的な量は、96ウェルマイクロタイタープレートの1ウェル当たり100μlである。アッセイにおけるDMSO濃度は、溶媒の細胞傷害性作用を防ぐために0.1%v/v未満とした。
【0186】
各プレートに標準PPARアルファアゴニストを入れ、これをそれぞれ個々のプレート中のアッセイが機能していることを実証するために、11の異なった濃度に同様希釈した。アッセイプレートを、インキュベーター中、37℃、5%炭酸ガス下で24時間インキュベートした。
【0187】
3日目
試験物質で処理したPPARアルファレポーター細胞をインキュベーターから取り出し、培地を吸引除去した。96ウェルマイクロタイターの各ウェルに50μlのBright Glo試薬(Promega製)をピペッティングして細胞を溶解した。暗所で10分間、室温にてインキュベーションした後、マイクロタイタープレートを照度計(Wallac製のTrilux)で測定した。マイクロタイタープレートの1ウェル当たりの測定時間は1秒であった。
【0188】
評価
照度計からの生データを、Microsoft社のExcelファイルに移した。PPARアゴニストの用量効果プロット及びEC50値を、製造者(IDBS)の指示のとおりにXL.Fitプログラムを用いて計算した。
【0189】
このアッセイにおける実施例1から24までの化合物について、PPARアルファEC50値は、0.2μMから10μMまでの範囲にあった。式Iの本発明の化合物は、PPARアルファ受容体を活性化する。
【0190】
細胞のPPARデルタのアッセイにおけるPPARアゴニストのEC50値の測定
原理
ヒトPPARデルタに結合し、それをアゴニスト様に活性化する物質の効力を、本明細書でPPARデルタレポーター細胞株と呼ばれる安定にトランスフェクトされたHEK細胞株(HEK=ヒト腎臓胚)を用いて分析した。PPARアルファについて記載されたアッセイと同様にして、PPARデルタレポーター細胞株もまた、2つの遺伝要素、ルシフェラーゼレポーターエレメント(pデルタM−GAL4−Luc−Zeo)及びPPARデルタリガンドに依存するルシフェラーゼレポーターエレメントの発現を媒介するPPARデルタ融合タンパク質(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)を含有する。安定で構成的に発現された融合タンパク質GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBDは、PPARデルタレポーター細胞株の細胞核において、GAL4タンパク質部分を介して、細胞株のゲノムに安定に組み込まれたルシフェラーゼレポーターエレメントのGAL4DNA結合モチーフの5’上流に結合する。脂肪酸欠乏ウシ胎仔血清(cs−FCS)をアッセイに使用する場合、PPARデルタリガンドがない状態では、ルシフェラーゼレポーター遺伝子は少量しか発現しない。PPARデルタリガンドは、PPARデルタ融合タンパク質に結合して活性化し、それによってルシフェラーゼレポーター遺伝子の発現を刺激する。形成されたルシフェラーゼは、適切な基質を経由して化学発光法によって検出することができる。
【0191】
PPARデルタレポーター細胞株の構築
安定なPPARデルタレポーター細胞株の生成は、ルシフェラーゼレポーターエレメントを用いて安定にトランスフェクトされた安定なHEK−細胞クローンに基づいている。この工程は、すでに「PPARアルファレポーター細胞株の構築」の項で記載されている。二つ目の工程において、PPARデルタ融合タンパク質(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)をこの細胞クローンに安定に導入した。この目的のために、グルココルチコイド受容体(登録番号#P04150)のN末端76アミノ酸をコードするcDNAを、酵母転写因子GAL4(登録番#P04386)のアミノ酸1〜147をコードするcDNA部分に連結した。ヒトPPARデルタ受容体(アミノ酸S139−Y441;登録番号#L07592)のリガンド結合ドメインのcDNAを、このGR−GAL4構築物の3’末端にクローニングした。このようにして調製された融合構築物(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)を、サイトメガロウイルスプロモータによる構成的発現を可能にするために、プラスミドpcDNA3(Invitrogen)に再クローニングした。このプラスミドを制限エンドヌクレアーゼで線状化し、そして前記のルシフェラーゼレポーターエレメントを含む細胞クローンに安定にトランスフェクトした。ルシフェラーゼレポーターエレメントを含み、PPARデルタ融合タンパク質(GR−GAL4−ヒトPPARデルタ−LBD)を構成的に発現する得られたPPARデルタレポーター細胞株を、ゼオシン(0.5mg/ml)及びG418(0.5mg/ml)を用いた選択によって単離した。
【0192】
アッセイの手順及び評価
PPARデルタアゴニストの活性を、PPARデルタレポーター細胞株及び特異的PPARデルタアゴニストを試験の有効性を制御するための標準として使用したことを除いて、3日間の分析でPPARアルファレポーター細胞株についてすでに記載した手順と全く同様の手順で測定した。
【0193】
1nMから>10μMの範囲のPPARデルタEC50値が、本出願に記載される実施例1〜24のPPARアゴニストについて測定された。本発明の式Iの化合物は、PPARデルタ受容体を活性化する。
【0194】
表Iに示される実施例は、本発明を説明するために役立つが本発明を限定しない。
【0195】
【表1】

【0196】
【表2】

【0197】
【表3】

【0198】
記載される実施例のうちのいくつかの効力を以下の表に示す:
【表4】

【0199】
方法
本発明に従う一般式Iの化合物は、以下の反応スキームで概説されるように得ることができる:
【0200】
方法A
【化12】

【0201】
式A−1の化合物(式中、n、R3、R4、R5、R6、R7、X4およびX5は定義されているとおりであり、Halは塩素、ホウ素またはヨウ素のようなハロゲンを意味する)を、ボロン酸または式A−2のボロン酸エステル(式中、M1およびM2は独立して水素またはアルキル(アルキルである場合は、M1およびM2は環系を形成することができる)であってもよく、R8、R9、X1、X2およびX3は定義されているとおりである)のいずれかと、鈴木型反応の条件下、つまり触媒量の遷移金属(例えばパラジウム)およびリガンド(例えばトリフェニルホスフィン)を用いて塩基(例えばCs2CO3)の存在下にて溶媒(例えばDMF/水)中で還元して式A−3の化合物を得、次いでこのA−3の化合物を水素化リチウムアルミニウムのような還元剤とテトラヒドロフランのような溶媒中で反応させて、式A−5の化合物を得る。別法としては、式A−1の化合物を上述の反応条件下で最初に還元し式A−4の化合物を得て、次いでこの化合物A−4を上述の鈴木型反応の条件下でボロン酸または式A−2のボロン酸エステルと反応させて式A−5の化合物を得る。次いで、式A−5の化合物を式A−6の塩化スルホニル(式中、R1およびR2は定義されているとおりである)と、トリエチルアミンやピリジンのような塩基の存在下にてジクロロメタンのような溶媒中で反応させて式A−7の化合物を得る。式A−7の化合物をトリエチルアミンのような塩基の存在下でテトラヒドロフランおよびメタノールのような溶媒中で塩酸ヒドロキシルアミンと反応させて式A−8の化合物を得る。この反応は、反応混合物をマイクロ波照射下で加熱することにより容易にすることができる。この式A−8の化合物を、ピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下でクロロぎ酸フェニルと反応させ、その後この反応混合物をマイクロ波照射によって加熱して環化させるか、あるいは得られた中間物を単離して1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンのような塩基と共にアセトニトリルのような溶媒中で処理する。
【0202】
実施例1〜24を方法Aに従って得た。
【0203】
他の化合物はそれに従って、又は公知の方法により得ることができる。
【0204】
略語リスト:
【表5】

【0205】
【表6】

【0206】
式Iのさらなる化合物を同様に、又は公知の方法により製造することができる。
上述の実施例を製造するための実験手順を以下に記載する:
以下の実施例の物質は、方法Aに従って製造した。
【0207】
実施例1
3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化13】

【0208】
6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン
【化14】

462mgの4−(トリフルオロメチル)フェニル−イルボロン酸、500mgの6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンおよび2.16gの炭酸セシウムを、2mlの水と8mlのジメチルホルムアミドの混合物中に溶解した。この反応混合物をアルゴンで脱気し、次いで128mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加え、その混合物を2時間で90℃まで加熱した。冷却した反応混合物を100mlの酢酸エチルで希釈し、50mlの水およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、溶媒を減圧除去した。得られた粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、637mgの6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オンを得た。
C16H12F3NO(291.28)、MS(ESI+): 333.21(M+MeCN+H+)。
【0209】
6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン
【化15】

630mgの6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン を10mlのテトラヒドロフランに溶解した。 テトラヒドロフランに溶解した4.76mlの水素化リチウムアルミニウム 1M溶液を加え、その反応混合物を1時間室温で攪拌した。その後100μlの水および100μlの15% 水酸化ナトリウム溶液を氷で冷却した反応混合物に加えた。次いでその反応混合物から不溶塩を濾過除去し、ろ液を減圧下でエバポレートして485mgの6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンを得た。
C16H14F3N(277.29)、MS(ESI+): 278.1(M+H+)。
【0210】
4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−ベンゾニトリル
【化16】

582mgの市販の4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドを5mlのピリジンに溶解した。次いで、400mgの6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンを加え、その混合物を室温で30分間攪拌した。その後290mgの市販の4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドを加え、その混合物を室温でさらに2時間攪拌した。次いで、溶媒を減圧除去し残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して307mgの4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−ベンゾニトリルを得た。
C23H17F3N2O2S(442.46)。
【0211】
N−ヒドロキシ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−ベンズアミジン
【化17】

305mgの4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−ベンゾニトリルを10mlのテトラヒドロフランと10mlのメタノールの混合物中に溶解した。1.19gの塩酸ヒドロキシルアミンを加え、その後2.42mlのトリエチルアミンを加えた。反応混合物を90℃で4時間攪拌した。溶媒を減圧除去し、得られた残留物を50mlの水に注ぎ、50mlの酢酸エチルの部分量で5回抽出した。合わせた有機抽出物を100mlのブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下でエバポレートして355mgの粗製N−ヒドロキシ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−ベンズアミジンを得た。この物質をさらに精製することなく使用した。
C23H20F3N3O3S(475.49)、MS(ESI+): 476.14(M+H+)、517.2(M+MeCN+ H+)。
【0212】
3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化18】

355mgの粗製N−ヒドロキシ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−ベンズアミジンを4mlのジクロロメタンに溶解した。73μlのピリジンおよび113μlのクロロギ酸フェニルを加え、その混合物を室温で10分間攪拌した。この混合物を、4mlのアセトニトリルと558μlの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを加えることにより希釈した。この混合物を室温で15分間攪拌した。混合物を減圧下でエバポレートし、得られた粗製物質を逆相HPLCで精製して209mgの3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C24H18F3N3O4S(501.49)、MS(ESI-): 499.9、(M−H+)、545.9(M+ギ酸(fomic acid)アニオン)。
【0213】
実施例2
3−{2−クロロ−4−[6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化19】

実施例1において3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載された方法に従って、6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン 、2−(トリフルオロメチル)ピリジン(pyridn)−5−イルボロン酸および3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドから、3−{2−クロロ−4−[6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C23H16ClF3N4O4S(536.92)、MS(ESI+): 537.1(M+H+)。
【0214】
実施例3
3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化20】

【0215】
4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン
【化21】

1.90gの4−(トリフルオロメチル)フェニル−イルボロン酸、2.0gの6−ブロモ−4,4−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(EP 419132に記載された合成)および8.14gの炭酸セシウムを、3.5mlの水および10mlのジメチルホルムアミドの混合物中に溶解した。この反応混合物をアルゴンで脱気し、その後480mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加え、その混合物を1時間で100℃まで加熱した。冷却した反応混合物を400mlの酢酸エチルで希釈し、150mlの水およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。得られた粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、1.2gの4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンを得た。
C18H18F3N(305.35)、MS(ESI+): 306.2(M+MeCN+H+)、Rf(n−ヘプタン:酢酸エチル=2:1)=0.45。
【0216】
3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化22】

実施例1において3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンおよび3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドから、3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C26H21ClF3N3O4S(563.98)、MS(ESI-): 562.1(M−H+)、Rf(酢酸エチル:メタノール=9:1)=0.30。
【0217】
実施例4
3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化23】

実施例3において3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、6−ブロモ−4,4−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(EP 419132に記載された合成)、2−(トリフルオロメチル)ピリジン(pyridn)−5−イルボロン酸および3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C25H20ClF3N4O4S(564.97)、MS(ESI+): 565.1(M+H+)、606.1(M+MeCN+H+)、 Rf(酢酸エチル:メタノール=9:1)=0.28。
【0218】
実施例5
3−{2−クロロ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化24】

実施例3において3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、6−ブロモ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(WO9629327に記載された合成)、4−(トリフルオロメチル)フェニル−イルボロン酸および3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−クロロ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C26H21ClF3N3O4S(563.99)、MS(ESI-): 562.0(M−H+)、607.9(M+Formiat).
【0219】
実施例6
3−{4−[4−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−2−クロロ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化25】

【0220】
(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
【化26】

884mgの1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル)−(カルバミン酸 tert−ブチルエステルおよび1.07gの炭酸カルシウムを50mlのメタノールに溶解した。20mlのジクロロメタンに溶解した1.3gのジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウムを−78℃にて1.5時間で加えた。この反応混合物を−78℃で2時間攪拌した。その後2mlの飽和NaHSO3溶液を加え、混合物を室温まで温めた。反応混合物を100mlの酢酸エチルで希釈し、50mlの水およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。得られた粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、700mgの(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得た。
C14H19IN2O2(374.22)。
【0221】
[1−[3−クロロ−4−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
【化27】

実施例3にて3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル、4−(トリフルオロメチル)フェニル−イルボロン酸および3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、[1−[3−クロロ−4−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得た。
C29H26ClF3N4O6S(651.07)。
【0222】
3−{4−[4−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−2−クロロ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化28】

560mgの[1−[3−クロロ−4−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−4−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを7mlのジクロロメタンに溶解し、1mlのトリフルオロ酢酸を加え、その反応混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を逆相クロマトグラフィーで精製し、7mgの3−{4−[4−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−2−クロロ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C24H18ClF3N4O4S(550.95)、MS(ESI−): 548.9。
【0223】
実施例7
3−{2−クロロ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化29】

実施例1にて3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフトピリジン−2−オン 、4−(トリフルオロメチル)フェニル−ボロン酸および3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−クロロ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−[1,8]ナフチリジン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C23H16ClF3N4O4S(536.92)、MS(ESI+): 537.1(M+H+)。
【0224】
実施例8
3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化30】

実施例3にて3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン、4−(トリフルオロメチル)フェニル−イルボロン酸および3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C22H14ClF3N4O5S(538.89)、MS(ESI+): 539.1(M+H+)、Rf(酢酸エチル)=0.08。
【0225】
実施例9
3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化31】

実施例1にて3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、7−ブロモ−2H[1,4]ベンゾチアジン−3(4H)−オン、4−(トリフルオロメチル)フェニル−ボロン酸および3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C23H15ClF3N3O4S2(553.97)、MS(ESI-): 551.9(M−H+)。
【0226】
実施例10
3−{2,3−ジクロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化32】

実施例9の3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを精製して、3−{2,3−ジクロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを単離した。
C23H14Cl2F3N3O4S2(588.41)、MS(ESI-): 585.9(M−H+)。
【0227】
実施例11
3−{2−クロロ−4−[1,1−ジオキソ−7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化33】

40mgの3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを10mlのジクロロメタンに溶解した。35.6mgのm−クロロ過安息香酸を0℃で加えた。この反応混合物を0℃で1時間攪拌し、次いで室温まで温めた。溶媒を減圧除去し、残留物を逆相クロマトグラフィーで精製して19mgの3−{2−クロロ−4−[1,1−ジオキソ−7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C23H15ClF3N3O6S2(585.97)、MS(ESI-): 583.9(M−H+)。
【0228】
実施例12
3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化34】

実施例6の3−{4−[4−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−2−クロロ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンに記載した方法に従って、7−ブロモ−1,2,3,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−4−カルボン酸 tert−ブチルエステル、4−(トリフルオロメチル)フェニル−ボロン酸および3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−クロロ−4−[7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C24H18ClF3N4O4S(550.95)、MS(ESI+): 551.2(M+H+)。
【0229】
実施例13
3−{2−クロロ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化35】

【0230】
6−ブロモ−2−ヨード−ピリジン−3−イルアミン
【化36】

5.0gの5−アミノ−2−ブロモピリジンを70mlのエタノールに溶解した。9.0gの硫化銀および7.33gのヨウ素を加えた。この反応混合物を室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧除去し、残留物を500mlの酢酸エチルで希釈して、セライトパッドで濾過した。ろ液を200mlの飽和Na2S203溶液および水で洗浄し、MgSO4で乾燥させて、溶媒を減圧除去して7.7gの6−ブロモ−2−ヨード−ピリジン−3−イルアミンを得た。
C5H4BrIN2(298.91)、MS(ESI+): 300.9(M+H+)、Rf(酢酸エチル:n−ヘプタン=1:2)=0.26.
【0231】
(E)−3−(3−アミノ−6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステル
【化37】

15.5gの6−ブロモ−2−ヨード−ピリジン−3−イルアミン、5.9mlのアクリル酸エチル、2.72gのトリフェニルホスフィンおよび28.75mlのトリエチルアミンを90mlのアセトニトリルに溶解した。反応混合物にアルゴンを10分間通気させ、その後2.33gの酢酸パラジウム(II)を加え、反応混合物を80℃で攪拌した。その反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、その後溶媒を減圧除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、10.2gの(E)−3−(3−アミノ−6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステルを得た。
C10H11BrN2O2(271.12)、MS(ESI+): 273.0、271.0(M+H+)、Rf(酢酸エチル:n−ヘプタン=1:2)=0.12。
【0232】
(E)−3−[3−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アクリル酸エチルエステル
【化38】

3.0gの(E)−3−(3−アミノ−6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステル、3.05gの4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸および3.61gの炭酸セシウムを、21mlのジメチルホルムアミドおよび7mlの水の混合物中に溶解した。反応混合物にアルゴンを30分間通気させ、その後333mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加え、反応混合物を110℃で1.5時間攪拌した。その反応混合物を50mlの水を加えて希釈し、80mlのジクロロメタンを分割したもので3回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、溶媒を減圧除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、2.4gの(E)−3−[3−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アクリル酸エチルエステルを得た。
C17H15F3N2O2(336.32)、MS(ESI+): 337.2(M+H+)、Rf(酢酸エチル:n−ヘプタン=1:2)=0.14。
【0233】
3−[3−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−プロピオン酸エチルエステル
【化39】

2.4gの(E)−3−[3−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アクリル酸エチルエステルを50mlのテトラヒドロフランに溶解した。100mgのパラジウム炭素(palladium on charcoil)を加え、反応混合物を40℃で水素雰囲気下で4時間攪拌した。冷却した反応混合物を濾過し、そのろ液を真空でエバポレートして2.4gの3−[3−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−プロピオン酸エチルエステルを得た。
C17H17F3N2O2(338.33)、MS(ESI+): 339.2(M+H+)。
【0234】
6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−1H−[1,5]ナフチリジン−2−オン
【化40】

2.4gの3−[3−アミノ−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−プロピオン酸エチルエステルを200mlのエタノールに溶解した。2.41gのナトリウムエチラートを加え、反応混合物を室温で10分間攪拌し、その後60℃で1.5時間攪拌した。冷却した反応混合物を真空でエバポレートし、残留物を100mlの酢酸エチルに溶解して、200mlの4M HClを加えた。その混合物を室温で激しく攪拌した。有機層を分離し、100mlの4M HClで洗浄した。合わせた水層をNaOHで中和した。沈殿物を濾過し、水で洗浄して真空で乾燥させて1.87gの6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−1H−[1,5]ナフチリジン−2−オンを得た。
C15H11F3N2O(292.26)、MS(ESI+): 293.1(M+H+)、Rf(酢酸エチル:n−ヘプタン=1:1)=0.13。
【0235】
3−{2−クロロ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化41】

実施例1の3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンに記載した方法に従って、6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−1H−[1,5]ナフチリジン−2−オンおよび3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−クロロ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−[1,5]ナフチリジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C23H16ClF3N4O4S(536.92)、MS(ESI+): 537.0(M+H+)。
【0236】
実施例14
3−{2−クロロ−4−[2,2−ジメチル−7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化42】

【0237】
7−ブロモ−2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン
【化43】

5.0gの2−アミノ−5−ブロモフェノールを100mlのアセトンに溶解した。その後11.0gの炭酸カリウムおよび6.74gの2−ブロモイソ酪酸エチルを加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、一晩還流した。その後冷却した反応混合物を濾過し、ろ液を減圧して濃縮した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、4.6gの7−ブロモ−2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オンを黄色の固体として得た。
C10H10BrNO2(256.10)、MS(ESI+): 256.0、258.0(M+H+)、Rf(酢酸エチル:n−ヘプタン=1:4)=0.11。
【0238】
3−{2−クロロ−4−[2,2−ジメチル−7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化44】

実施例1の3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンに記載した方法に従って、7−ブロモ−2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸および3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−クロロ−4−[2,2−ジメチル−7−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C25H19ClF3N3O5S(565.96)、MS(ESI-): 564.3(M−H+)。
【0239】
実施例15
3−{2−ブロモ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
3−ブロモ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリド
【化45】

40mgのCuClを10mlの水に溶解し、氷浴中で0℃まで冷却した。1.6mlの塩化チオニルを滴下した。この反応溶液を一晩、室温まで温めた。1.0gの4−アミノ−2−ブロモ−ベンゾニトリルを12mlの塩酸および45mlの水に懸濁させ、全ての4−アミノ−2−ブロモ−ベンゾニトリルが溶解するまで、96℃で温めた。溶液を−5℃まで冷却し、10mlの水に溶解した380mgのNaNO2を加えた。その後、塩化チオニル溶液を−2℃まで冷却し、滴下した。沈殿した3−ブロモ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドを濾過により回収し、氷で冷やした水で洗浄し、真空で乾燥させて956mgの3−ブロモ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドを固体として得た。この物質をさらなる精製なしに用いた。
C7H3BrClNO2S(280.53)。
【0240】
3−{2−ブロモ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化46】

実施例3において3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、6−ブロモ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(WO9629327に記載されている合成)、4−(トリフルオロメチル)フェニル−イルボロン酸および3−ブロモ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−ブロモ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C26H21BrF3N3O4S(608.44)、MS(ESI−): 606.4、609.4。
【0241】
実施例16
3−{2−シクロプロピル−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
2−シクロプロピル−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−ベンゾニトリル
【化47】

90mgの2−ブロモ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−ベンゾニトリル(実施例3において3−{2−クロロ−4−[4,4−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載された方法に従って6−ブロモ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(WO9629327に記載された合成)、4−(トリフルオロメチル)フェニル−イルボロン酸および3−ブロモ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドから誘導された)、153mgのリン酸カリウム(三塩基性七水和物)、6mgのトリシクロヘキシルホスフィンおよび42mgのシクロプロピルボロン酸を、30mlのトルエンおよび0.6mlの水の混合物に溶解した。その反応混合物にアルゴンを20分間通気した。その後、7.4mgの酢酸パラジウム(II)を加え、その反応混合物をマイクロ波照射下で120℃にて1時間攪拌した。冷却した反応混合物を50mlの酢酸エチルで希釈し、セライトパッドを通して濾過した。このろ液をエバポレートし、シリカゲルクロマトグラフィーで精製して73mgの2−シクロプロピル−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−ベンゾニトリルを得た。
C28H25F3N2O2S(510.58)、Rf(酢酸エチル:n−ヘプタン=1:4)=0.27。
【0242】
3−{2−シクロプロピル−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化48】

実施例1において3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、2−シクロプロピル−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−ベンゾニトリルより、3−{2−シクロプロピル−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C29H26F3N3O4S(569.61)、MS(ESI-): 568.4(M−H+)。
【0243】
実施例17
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−イソブチル−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化49】

実施例16において3−{2−シクロプロピル−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、2−ブロモ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−ベンゾニトリルおよび(2−メチルプロピル)ボロン酸より、3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−イソブチル−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C30H30F3N3O4S(585.65)、MS(ESI-): 584.4(M−H+)。
【0244】
実施例18
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フラン−3−イル−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化50】

実施例16において3−{2−シクロプロピル−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、2−ブロモ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−ベンゾニトリルおよびフラン−3−ボロン酸より、3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フラン−3−イル−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。C30H24F3N3O5S(595.60)、MS(ESI-): 594.4(M−H+)。
【0245】
実施例19
3−{2−クロロ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化51】

【0246】
2−(6−ブロモ−3−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステル
【化52】

330mgのナトリウムを10mlの1,4−ジオキサンに懸濁した。その後、1.7gの2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルを滴下した。この混合物を50℃で30分間攪拌し、その後全てのナトリウムが溶解するまで70℃で30分間攪拌した。次いで、この溶液を、5mlの1,4 ジオキサンに溶解させた2.7gの2,6−ジブロモ−3−ニトロピリジンの溶液に0℃で滴下した。氷浴を取り除き、その混合物を室温で一晩攪拌し、その後70℃で4時間攪拌した。冷却した反応混合物を真空で還元し、その残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して640mgの2−(6−ブロモ−3−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルを白色固体として得た。
C10H11BrN2O5(319.11)、MS(ESI+): 319.0、320.0(M+H+)、Rf(酢酸エチル:n−ヘプタン=1:4)=0.36。
【0247】
6−ブロモ−3,3−ジメチル−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2−オン
【化53】

640mgの2−(6−ブロモ−3−ニトロ−ピリジン−2−イルオキシ)−2−メチル−プロピオン酸メチルエステルおよび542mgのスズ粉の溶液に、10mlの濃塩酸を、反応温度が40℃を超えないように氷浴中で冷却しながら加えた。その後氷浴を取り除き、反応混合物を85℃で1時間攪拌した。冷却した反応混合物に100mlの水を加えた。沈殿物を回収し、300mlの酢酸エチルに溶解して、MgSO4で乾燥させ、その後酢酸エチルを減圧除去し、335mgの6−ブロモ−3,3−ジメチル−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2−オンを白色固体として得た。
C9H9BrN2O2(257.09)、MS(ESI+): 257.0、259.0(M+H+)。
【0248】
3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2−オン
【化54】

443mgの4−(トリフルオロメチル)フェニル−イルボロン酸、300mgの6−ブロモ−3,3−ジメチル−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2−オン、33mgのトリシクロヘキシルホスフィンおよび1.1リン酸三カリウム三水和物(tri potassiom phosphate trihydrate)を、0.5mlの水および5mlのトルエンの混合物に溶解した。この反応混合物をアルゴンで脱気し、その後262mg酢酸パラジウム(II)を加え、その混合物を1時間で100℃まで加熱した。冷却した反応混合物を400mlの酢酸エチルで希釈し、150mlの水およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、溶媒を減圧除去した。得られた粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して184mgの3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2−オンを白色固体として得た。
C16H13F3N2O2(322.29)、MS(ESI+): 323.1(M+H+)、Rf(n−ヘプタン:酢酸エチル=1:2)=0.44。
【0249】
3−{2−クロロ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化55】

実施例1において3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2−オンおよび3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−クロロ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C24H18ClF3N4O5S(566.95)、MS(ESI+): 567.0(M+H+)。
【0250】
実施例20
3−{2−クロロ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化56】

実施例19において3−{2−クロロ−4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、2,6−ジブロモ−3−ニトロピリジン、ヒドロキシ酢酸メチルエステル、4−(トリフルオロメチル)フェニル−イルボロン酸および3−クロロ−4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{2−クロロ−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2,3−ジヒドロ−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−スルホニル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C22H14ClF3N4O5S(538.89)、MS(ESI+):539.0(M+H+)。
【0251】
実施例21
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フルオロ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化57】

【0252】
1−(4−ブロモ−3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン
【化58】

500mgの3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(実施例1において3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載された方法に従って6−ブロモ−3,3−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(WO9629327に記載される合成)および4−(トリフルオロメチル)フェニル−イルボロン酸より得られた)および294mgの4−ジメチルアミノピリジンを、10mlのジクロロメタンおよび5mlのピリジンの混合物中に溶解した。次いで、671mgの4−ブロモ−3−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを加え、その反応混合物を40℃で6時間、および室温で2日間攪拌した。その反応混合物を200mlのジクロロメタンを加えることで希釈し、100mlの水で洗浄した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥させた。その溶媒を真空でエバポレートし、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して710mgの1−(4−ブロモ−3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンを白色固体として得た。
C24H20BrF4NO2S(542.39)、Rf(n−ヘプタン:酢酸エチル=4:1)=0.39。
【0253】
4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フルオロ−ベンゾニトリル
【化59】

710mgの1−(4−ブロモ−3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンおよび123mgのシアン化銅(I)を1.5mlのジメチルホルムアミドに溶解し、マイクロ波の照射下で30分間、200℃まで加熱した。冷却した反応混合物を50mlの2M 塩酸に注ぎ、20mlの酢酸エチルの部分量で5回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させた。溶媒を真空でエバポレートし、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して481mgの4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フルオロ−ベンゾニトリルを得た。
C25H20F4N2O2S(488.51)、Rf(n−ヘプタン:酢酸エチル=4:1)=0.26。
【0254】
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フルオロ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化60】

実施例1において3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フルオロ−ベンゾニトリルより、3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フルオロ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C26H21F4N3O4S(547.53)、MS(ESI−): 546.1(M−H+)、592.0(M+ギ酸)。
【0255】
実施例22
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−メチル−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化61】

実施例20において3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フルオロ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンおよび4−ブロモ−3−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドより、3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−メチル−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C27H24F3N3O4S(543.57)、MS(ESI-): 542.5(M−H+)。
【0256】
実施例23
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−エトキシ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化62】

【0257】
4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−エトキシ−ベンゾニトリル
【化63】

165mgの4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フルオロ−ベンゾニトリルおよび30mlのエタノールを3mlのジメチルホルムアミドに溶解した。その後、10mgの水素化ナトリウムを加え、その反応混合物を室温で4時間攪拌した。次いでその混合物を20mlの水に注ぎ、20mlの酢酸エチルの部分量で5回抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO4で乾燥させ、真空でエバポレートし、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して40mgの4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−エトキシ−ベンゾニトリルを得た。
C27H25F3N2O3S(514.57)、Rf(n−ヘプタン:酢酸エチル=4:1)=0.32。
【0258】
3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−エトキシ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化64】

実施例1において3−{4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル]−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−エトキシ−ベンゾニトリルより、3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−エトキシ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C28H26F3N3O5S(573.60)、MS(ESI+): 574.3(M+H+)。
【0259】
実施例24
3−[4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化65】

実施例23において3−{4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−エトキシ−フェニル}−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンについて記載した方法に従って、4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−フルオロ−ベンゾニトリルおよび2,2,2−トリフルオロエタノールより、3−[4−[3,3−ジメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル]−2−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−フェニル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンを得た。
C28H23F6N3O5S(627.57)、MS(ESI-): 626.4(M−H+)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全ての立体異性形態及びあらゆる比率の混合物の、式I:
【化1】

[式中、
YはO、S、SO、SO2、(C0−C2)アルキレン−N(R10)、C(R3)(R4)であり、
R1はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリールであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R2はH、(C1−C8)アルキル、ハロゲン、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R3はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R4はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R3およびR4はそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C7)シクロアルキル環を形成し、ここで1個の炭素原子はO、SまたはNからなる群より選択されるヘテロ原子で置き換えられていてもよく;
R5はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R6はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリール、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R5およびR6はそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C7)シクロアルキル環を形成し、ここで1つの炭素原子はO、SまたはNからなる群より選択されるヘテロ原子で置換されていてもよく;
R7はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R8はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C4)アルキレン−Hであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され、ここでR8は唯一炭素原子に接続しており;
R9はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C6−C10)アリールであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R10はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R11はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
X1、X2、X3、X4、X5は独立してNまたはCHである]
の化合物並びにその生理学的に許容しうる塩および互変異性体。
【請求項2】
請求項1に記載の式I:
[式中、
YはO、S、SO、SO2、(C0−C2)アルキレン−N(R10)、C(R3)(R4)であり;
R1はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−(C3−C7)シクロアルキル、(C0−C4)アルキレン−(C5−C10)ヘテロアリール、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R2はH、(C1−C8)アルキル、ハロゲンであり;
R3はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R4はH、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−N(R10)(R11)であり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R3およびR4はそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C7)シクロアルキル環を形成し;
R5はH、(C1−C8)アルキルであり;
R6はH、(C1−C8)アルキルであり;
R5およびR6はそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C7)シクロアルキル環を形成し;
R7はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキルであり;
R8はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキルであり;
R9はH、ハロゲン、(C1−C8)アルキル、(C0−C4)アルキレン−O−(C0−C8)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換され;
R10はH、(C1−C8)アルキルであり;
R11はH、(C1−C8)アルキルであり;
X1、X2、X3、X4、X5のうち1つまたは2つがNでありその他がCHである]の化合物。
【請求項3】
YがO、S、C(R3)(R4)である、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
R1がF、Cl、(C1−C4)アルキル、(C0−C2)アルキレン−(C3−C6)シクロアルキル、(C0−C2)アルキレン−(C5−C6)ヘテロアリール、(C0−C2)アルキレン−O−(C1−C6)アルキルであり、ここでアルキル及びアルキレンは非置換であるか又は1〜3回Fで置換されている、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
R2がR1のパラ位にある、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
R2がH、(C1−C3)アルキル、F、Clである、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
R3がH、(C1−C4)アルキル、N(R10)(R11)である、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
R4がH、(C1−C4)アルキルである、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
R3およびR4がそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C6)シクロアルキル環を形成する、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
R5がH、(C1−C4)アルキルである、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項11】
R6がH、(C1−C4)アルキルである、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項12】
R5およびR6がそれらを有する炭素原子と一緒になって(C3−C6)シクロアルキル環を形成する、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項13】
R7がH、F、Cl、(C1−C4)アルキルである、請求項1または2に記載の式Iに記載の化合物。
【請求項14】
R8がH、Fである、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項15】
R9がH、Cl、(C1−C)アルキル、O−(C1−C4)アルキルであり、ここでアルキルは非置換であるかまたは1〜3回Fで置換されている、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項16】
R10がHである、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項17】
R11がHである、請求項1または2に記載の式Iに記載の化合物。
【請求項18】
X1、X2、X3のうちの1つがNであってその他がCHであり、かつX4およびX5がCHであるか、またはX1、X2、X3がCHであって、かつX4およびX5のうちの1つがNであって他方がCHである、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項19】
X1、X2、X3、X4がCHであり、かつX5がNである、請求項1または2に記載の式Iの化合物。
【請求項20】
請求項1〜19に記載の式I:
[式中、
YはO、S、SO2、CR3R4、CH2−NR10であり;
R1はH、F、Cl、(C1−C4)アルキル、O−(C1−C4)アルキル、(C3)シクロアルキル、(C5)ヘテロアリールであり、ここでアルキルは非置換であるかまたは1〜3回Fで置換されており;
R2はH、Clであり;
R3はH、(C1−C4)アルキル、NH2であり;
R4はH、(C1−C4)アルキルであり;
R5はH、(C1−C4)アルキルであり;
R6はH、(C1−C4)アルキルであり;
R7はHであり;
R8はHであり;
R9はCF3であり;
R10はHであり、
X1、X4、X5は独立してCHまたはNであり;
X2、X3はCHである]
の化合物。
【請求項21】
請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の式Iの化合物を1つまたはそれ以上含む医薬。
【請求項22】
請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の式Iの化合物を1つ又はそれ以上、及び代謝障害又はそれらに頻繁に関連する障害に対して有利な効果を有する1種又はそれ以上の活性物質を含む医薬。
【請求項23】
請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の式Iの化合物を1つ又はそれ以上、及び1つ又はそれ以上の抗糖尿病薬を含む医薬。
【請求項24】
請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の式Iの化合物を1つ又はそれ以上、及び1つ又はそれ以上の脂質調節因子を含む医薬。
【請求項25】
脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害の処置及び/又は予防における使用のための、請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の式Iの化合物。
【請求項26】
インスリン抵抗性が関与する障害の処置及び/又は予防における使用のための、請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の式Iの化合物。
【請求項27】
糖尿病に関連する続発症の予防を含む、糖尿病の処置及び/又は予防における使用のための、請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の式Iの化合物。
【請求項28】
異常脂質血症及びそれらの続発症の処置及び/又は予防における使用のための、請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の式Iの化合物。
【請求項29】
代謝症候群と関連し得る状態の処置又は予防における使用のための、請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の式Iの化合物。
【請求項30】
中枢及び末梢神経系の脱髄及び他の神経変性障害の処置又は予防における使用のための、請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の式Iの化合物。
【請求項31】
脂肪酸代謝の障害及びグルコース利用障害の処置における使用のための、少なくとも1つのさらなる活性化合物と組み合わせた請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の化合物。
【請求項32】
インスリン抵抗性が関与する障害の処置における使用のための、少なくとも1つのさらなる活性化合物と組み合わせた請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の化合物。
【請求項33】
請求項1〜20の1項またはそれ以上の項に記載の化合物を1つ又はそれ以上含む医薬の製造方法であって、活性化合物と薬学的に適切な担体を混合すること、及びこの混合物を投与に適した形態にすることを含む、方法。

【公表番号】特表2011−523664(P2011−523664A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512853(P2011−512853)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003648
【国際公開番号】WO2009/149820
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】