説明

オゾン液生成器、浄水器及びその洗浄方法

【課題】
オゾンガス発生器の洗浄または乾燥を可能にし、長期間にわたり、高濃度なオゾン発生効率の維持または回復を行うことが可能なオゾン水生成器を提供するものである。
【解決手段】
オゾンガスを発生するオゾンガス発生器101と、前記オゾンガスと液体を混合する混合部102と、液体を貯液する貯液槽103とを備えたオゾン液生成器において、前記オゾン液生成器100に液体を循環させる循環経路Aとを備えていることで、オゾンガス発生器の洗浄を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン液生成器に関するものであり、特にオゾン液生成器の洗浄が可能なオゾン液生成器、浄水器、及びその洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オゾン液生成器はオゾンガスを発生するオゾンガス発生器が搭載され、水などの液体にオゾンガスを混合させることでオゾン液を生成している。一般的なオゾンガス発生器のメカニズムは絶縁物を挟んだ電極間に交流電圧を印加して無声放電を発生させ、電極間に大気圧以上の空気または酸素などの気体を通過させることによりオゾンガスを生成させている。電極形状の種類は様々なものがあり、2枚の平板の金属を並列に配列し放電させるタイプや、円筒形状をした金属と前記円筒形状の中心部分に配置された円柱状の金属との間で放電させるタイプなどがある。
【0003】
しかしながら、これらのオゾンガス発生器を長時間利用する場合、電極表面に窒素酸化物や硝酸アンモニウムなどの物質が堆積し、オゾンガスの発生効率が低下してしまう問題が生じる。この問題は、オゾンガス発生器の無声放電により、大気中の窒素や水分が酸素と結び付き、窒素酸化物などが生成してしまうことに起因している。このため、オゾンガス発生器の電極表面に堆積された堆積物を除去し、オゾンガスの発生効率を復元させる浄水ユニットが知られている。
【0004】
例えば、特許文献1はオゾンガスを発生するオゾナイザーと、水とオゾンガスを混合するエジェクタ―からなるオゾン液生成器を備えた浴槽循環処理装置が開示され、オゾナイザーの洗浄時に液体の流動経路を切り換え、エジェクターからオゾナイザーに液体を導入させることで、オゾナイザーの電極表面に付着した塩を洗浄し、排水口から外部に洗浄に利用した液体を排水させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−24483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のオゾン液生成器の洗浄方法は、エジェクターからオゾナイザーに液体を導入させることで、オゾナイザーの電極表面を洗浄し、排水させているため、液体の流動方向を制御する切り替え手段や新たに排水口を設ける必要があった。このため、例えば、従来のオゾン液生成器を浄水器などに搭載させるためには、少なくとも2つの排水経路、及び、排水処理に関する複雑な配管経路や切り替え手段を設ける必要があり、装置の大型化や、既存の設備を利用できないといった問題が生じていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、オゾンガス発生器に液体を循環させる簡易かつ省スペースな構成にて、オゾンガス発生器の洗浄または乾燥を可能にすることで、長期間にわたり安定したオゾンガス発生効率を維持できるオゾン液生成器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るオゾン液生成器は、オゾンガスを発生するオゾンガス発生器と前記オゾンガスと液体を混合する混合部と、液体を貯液する貯液槽とを備え、前記オゾンガス発生器に液体を循環させる循環経路とを備えている。
【0009】
上記の構成によれば、循環経路を介してオゾンガスを含む気体を導入することが可能なため、高濃度なオゾン液を生成することが可能である。また、循環経路を介して液体を循環させ、オゾンガス発生器の洗浄を行ない、オゾンガス発生器の電極に形成した堆積物を洗浄、除去することが可能なため、オゾンガス発生効率が低下したオゾンガス発生器の発生効率の復元が可能である。
【0010】
また上記の構成において、前記循環経路は、前記オゾン液生成器の内部と外部との間の、気体の流動を制御する流動制御手段が設けられ、前記貯液槽と前記流動制御手段との間の経路に気体または液体の流動を制御する制御手段が設けられていることが好ましい。
【0011】
上記の構成によれば、オゾンガス発生効率の低下の要因となる湿度の高い空気や、オゾンガス発生器の電極に付着した液体を乾燥させることが可能なため、オゾンガス発生効率を高めることが可能である。
【0012】
本発明に係るオゾン液生成器の洗浄方法は、オゾンガスを発生するオゾンガス発生器と、前記オゾンガスと液体を混合する混合部と、液体を貯液する貯液手段と、前記オゾンガス発生器に接続された循環経路とを備え、前記混合部に液体を導入し、前記循環経路を液体により密封状態にさせる第1の工程と、第1の工程の後に前記循環経路から前記オゾン液生成器の外部へ気体を導出させる第2の工程と、第2の工程の後に前記循環経路を密封状態にさせ、前記オゾンガス発生器に前記循環経路を介して液体を循環させる第3の工程とが含まれる。
【0013】
上記の洗浄方法によれば、循環経路を介して液体を循環させ、オゾンガス発生器の洗浄を行ない、オゾンガス発生器の電極に形成した堆積物を洗浄、除去することが可能なため、オゾンガス発生効率が低下したオゾンガス発生器の発生効率の復元が可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オゾンガス発生器に液体を循環させる簡易かつ省スペースな構成にて、オゾンガス発生器の洗浄または乾燥を可能にすることで、長期間にわたり安定したオゾンガス発生効率を維持できるオゾン液生成器を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るオゾン液生成器の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るオゾンガス発生器101(a)の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るオゾンガス発生器101(b)の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る混合部の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る圧送部を備えた配管に接続された混合部の概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る貯液槽103(a)の概略説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る貯液槽103(b)の概略説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るオゾン液生成器のタイミングチャートである。
【図9】本発明に係るオゾン液生成器の実験結果の説明図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る浄水ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0016】
本発明の一実施形態について図1を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態に係るオゾン液生成器の概略図である。図1のオゾン液生成器100は、気体または液体を循環する循環経路Aを有し、循環経路Aにオゾンガスを発生するオゾンガス発生器101と、液体とオゾンガスを混合する混合部102と、液体を貯液する貯液槽103が設けられている。
【0017】
オゾンガス発生器101は、空気または酸素などの気体を導入する配管cと接続された導入口104と、金属などの電極により形成され導入された空気や酸素を材料にオゾンガスを発生するオゾンガス発生素子と、オゾンガスを導出する導出口105を備えている。導入口104より導入された酸素または空気に含まれる酸素の一部などからオゾンガスが生成され、導出口から105からオゾンガスとして導出される。
【0018】
ここで、オゾンガス発生器101の一実施形態の詳細について、図2を用いて説明する。図2は円筒型のオゾンガス発生器101(a)の斜視図である。円筒型のオゾンガス発生器101(a)は、空気などの気体を導入する導入口104と、オゾンガスを発生するオゾンガス発生素子21と、オゾンガスなどの気体を導出する導出口105を備えている。ここで、オゾンガス発生素子21は円筒型のオゾンガス発生器101(a)の中心に配置された導電性材料から形成された放電電極22と、放電電極22の周囲のケーシングに配置された筒状の対向電極23とを備えている。また、筒状の対向電極23は内側に誘電体が形成され、外側の表面に導電体が塗布された構成をしている。中心に配置された放電電極22とケーシングに配置された対向電極23は、各々、電源24と接続され、電圧を印加することで無声放電を生じさせることが可能である。このため、導入口104から空気を導入する場合、導入された空気は、放電現象が生じた放電電極22と対向電極23との間を通る過程で、空気に含まれる酸素の一部からオゾンガスを生成し、導出口105から空気と共にオゾンガスを導出する。
【0019】
また、放電現象は空気からオゾンガスだけでなく、窒素酸化物などを発生させるため、長期間、オゾンガス発生器を使用する際、放電現象により発生した窒素酸化物などが放電電極22または対向電極23の表面に堆積し、放電効率を低下させることに起因するオゾン発生効率の低下といった問題が生じる。
【0020】
なお、オゾンガス発生器の一実施形態として、オゾンガス発生器の中心に放電電極、ケーシングに対向電極を配置して説明をしたが、中心の内側に導電体を形成し、外側の表面に誘電体が塗布された対向電極を配置し、ケーシングに放電電極を配置した構成にしても構わない。
【0021】
また、オゾンガス発生器101の他の一実施形態について、図3を用いて説明する。図3は平板型の電極を用いたオゾンガス発生器101(b)の斜視図である。平板型の電極を用いたオゾンガス発生器101(b)は、空気などの気体を導入する導入口104と、オゾンガスを発生するオゾンガス発生素子31と、オゾンガスなどの気体を導出する導出口105を備えている。ここで、導電性材料から形成された放電電極32と、導電性材料から形成され放電電極32に対向して配置された対向電極33を備えている。また、放電電極32と対向電極33は、各々、電源34と接続され、電圧を印加することで無声放電を生じさせることが可能である。このため、導入口104から空気を導入する場合、導入された空気に含まれる酸素は、放電現象が生じた放電電極32と対向電極33との間を通る過程で酸素の一部からオゾンガスが生成され、導出口105から空気と共にオゾンガスが導出される。なお、平板型の電極を備えたオゾンガス発生器101(b)は、長期間使用した際に、円筒型オゾンガス発生器101(a)と同様に窒素酸化物などが堆積する問題が生じる。
【0022】
ここで、オゾンガス発生器101の一実施形態にについて、図2、図3のオゾンガス発生器を用いて説明したが、電極の放電現象によりオゾンガスを発生する構成であれば他の一般的なオゾンガス発生器を用いても構わない。
【0023】
混合部102は、オゾン液生成器の外部から水などの液体を導入する導入口106と、配管aに接続されオゾンガスや空気などの気体を導入する導入口107と、配管bと接続され気体と液体を混合した気液混合体を導出する導出口108とを備えている。導入口106から導入された水などの液体は、導入口107から導入された空気やオゾンガスなどの気体と混合され、導出口108からオゾン液などの気液混合体として導出される。ここで、オゾン液とは、液体にオゾンガスが溶け込んだオゾン溶液または、液体にオゾンガスが気泡として混合されるオゾンバブル液が含まれる状態を示す。また、液体とは、水や農耕用の溶媒として利用される栽培養液や医療用の溶媒として利用される溶液など、オゾンガスを混合させる溶液が含まれる。
【0024】
ここで、混合部の一実施形態の詳細について、図4を用いて説明する。図4はベンチュリー型の混合部の断面図である。ベンチュリー型の混合部102は、液体が導入される導入口106と連通した導入経路41と、導入経路41に連通し、導入経路41に比べて小さな径を有する連通経路42と、連通経路と連通し、連通経路42に比べて大きな径を有する導出経路43とを備え、導出経路43は導出口108と連通され、液体が導出される。また、連通経路42は、経路の途中に開設して設けられた導入口107を備え、配管aを介してオゾンガス発生器101と接続されている。ここで、開設とは、配管の側面に穴などを設けることを示し、穴として配管に開設された開設口は、他の配管と連通させて接続させることが可能である。なお、穴の形状は、丸、楕円、多角形など適宜、自由に設計して構わない。
【0025】
導入口106から液体を導入すると、導入経路41を通り連通経路42に到達した液体は、導入経路41に比べ細い管に導入されるため、ベルヌーイの定理に知られるように、流速が増加し静圧が減少する。この結果、流動する液体の静圧は負圧になり、配管aを介して連通経路42へ向かい気体が自然吸引される。その後、導入された気体と液体が混合され、気液混合体として導出経路43と連通された導出口108から導出される。ここで、オゾンガス発生器101により、オゾンガスが発生している場合、導入される液体とオゾンガスが混合され、オゾン液が生成される。ここで、混合部の一実施形態として、図4のベンチュリー型の混合部を用いて説明したが、気体の自然吸引が可能な混合部であれば、他の構成をした混合部を用いても構わない。
【0026】
次に、他の混合部の一実施形態について、図5のように、配管aまたは配管cに圧送部を備え、気体の自然吸引が不可能な混合部102と接続した概略図を用いて説明する。図5(a)は圧送部118を備えた配管aと接続された混合部の一実施形態である。図5(b)は圧送部118を備えた配管cと接続された混合部の一実施形態である。
【0027】
圧送部118はポンプなどにより形成され、配管を介して液体または気体を流動させることができる。 また、配管に設けられる圧送部118の能力は、混合部102に対して気体や液体を圧送する必要があるため、混合部102から圧送部118へかかる水圧よりも高い圧送能力を備えたものを配置する。このため、図5(a)、(b)のいずれの構成も自然吸引力がないタイプの混合部を配置する場合にも、自然吸引力がある混合部と同様に、循環経路Aを介して混合部102に気体を導入し、導入口106から導入される液体と混合することが可能となる。
【0028】
貯液槽103は液体や気体が貯蔵できる容器などからなり、液体の貯液が可能な貯液手段としての役割を担う。配管bに接続され液体を導入する導入口109と、オゾン液生成器の外部へ水やオゾン液などの液体を導出する導出口110と、配管cに接続され空気やオゾンガスなどの気体または水やオゾン液などの液体を導出する導出口111とを備え、貯液槽103の下層に導入された液体が貯液され、上層に空気やオゾンガスなどの気体が貯蔵される構成となっている。
【0029】
例えば、貯液槽の導入口109から導入されたオゾン液は、オゾン液に気泡として含まれていたオゾンガスや空気などの気体が分離され、貯液槽103の上層に貯蔵され、貯液槽103の下層に液体にオゾンガスが溶解したオゾン溶液が貯液される。
【0030】
また、導出口111は、貯液槽103に設けられた導出口110の位置より、重力方向に対して高い位置に設けられている。また、導出口111は、生成したオゾン液をオゾン液生成器の外部に導出するオゾン液生成モード時に、貯液槽に貯液されるオゾン液の水位より高い位置に設けられているため、貯液された液体に浸らないように設計されている。このため、オゾン液生成モード時に導出口110から液体を導出し、導出口111から気体を導出することが可能となる。
【0031】
次に、貯液槽103の一実施形態の詳細について、図6の概略説明図を用いて説明する。図6(a)は貯液槽103(a)の斜視図である。図6(b)は貯液槽103(b)の断面図である。
【0032】
貯液槽103(a)は容器部61に囲まれた液体や気体を貯蔵する貯蔵部62を有し、貯蔵部62に液体を導入する導入口109と、オゾン液などの液体を導出する導出口110と、気体または液体を導出する導出口111を備えている。ここで、導出口111は導出口110より重力方向に対して高い位置に設けられ、導出口111は効率的に気体を導出させるため貯蔵部62の天井近傍に設けることがよい。
【0033】
導入口109から導入された液体は貯蔵部62に貯液され、貯蔵部62に貯液された液体の水位が導出口110の高さを超えたときに、導出口110から液体が導出される。導出口111は導出口110が設けられた位置より高い位置に設けられ、オゾン液生成器により生成したオゾン液をオゾン液生成器の外部に導出するオゾン液生成モード時に、貯蔵部62に貯液される液体の水位より高い位置に設けられているため、貯液された液体に浸らない位置に配置されるように設計されている。このため、オゾン液生成モード時に貯蔵部62は下層に液体が貯液され、上層に気体が貯蔵されることとなる。
【0034】
なお、貯液槽103は図6の形態に限られず、貯蔵部62は円筒形状である必要はなく、直方体などの多角形や円錐形状などの貯蔵部62を形成させてもよく、液体と気体を貯蔵することが可能な容器であれば、他の構成の貯液槽を配置しても構わない。
【0035】
また、貯液槽103の大きさは設計に応じて、適宜、変えることが可能であり、配管の一部を広げ、貯蔵部を形成させることで、貯液槽を形成させても構わない。
【0036】
次に、貯液槽103の他の一実施形態について、図7の概略説明図を用いて説明する。図7(a)は貯液槽103(b)の斜視図である。図7(b)は貯液槽103(b)の断面図である。
【0037】
図7の貯液槽103(b)は外壁71に囲まれた液体や気体を貯蔵する貯蔵部72を有し、貯蔵部72に液体を導入する導入口109と、オゾン液などの液体を導出する導出口110と、気体または液体を導出する導出口111を備えている。また、貯蔵部72は、導入口109と連通し、内壁73により形成された内水筒74と外壁71と内壁73との間に形成され、液体を貯液可能な外水筒75を備えた2重管構造として形成されている。導出口111は、内壁73により形成される壁の高さより重力方向に対して高い位置に設けられ、導出口110は内壁73により形成される壁の高さより重力方向に対して低い位置に設けられている。ここで、導出口111は効率的に気体を導出させるため貯蔵部72の天井近傍に設け、導出口110は効率的に液体を導出させるため貯蔵部72の底面近傍に設けることがよい。
【0038】
導入口109から導入された液体は、貯蔵部72の内水筒74に貯液され、やがて貯液された液体の水位が内壁73の壁の高さを超えて溢れると、外水筒75に貯液されることとなる。その後、外水筒75に貯液された液体は、導出口110から導出される。このため、貯液槽103(b)はオゾン液生成モード時に貯蔵部72の下層に液体が貯液され、貯蔵部72の上層に気体が貯蔵されることとなる。この結果、貯液槽103(b)は導入口109から液体を導入し、導出口111から気体を導出させることが可能となる。なお、貯液槽103(b)は、導入口109から導入させた液体の流れを内壁73に衝突させることでさえぎり、内水筒74に貯液させた後に、導出口110から導出させるため、オゾン液に含まれるオゾンガスなどの気体の気液分離をより効果的に行うことが可能となる。
【0039】
なお、図7では導出口110を貯液槽103(b)の底面に設けているが、オゾン液を外水筒75に貯液できるように、外水筒75の底面と内壁73の上部との間に位置する外壁71に導出口110を設けても構わない。
【0040】
また、図7では、二重管構造により形成された貯液槽103(b)について説明をしたが、円筒形状として構成する必要はなく、多角形等の二重構造にしてもよく、気体と液体を分離することが可能な構成であれば、他の構成を用いても構わない。
【0041】
循環経路Aはホースやパイプなどからなる配管系から形成され、オゾンガス発生器101の導出口105と混合部102の導入部107との間を接続する配管aと、混合部102の導出口108と貯液槽103の導入口109との間を接続する配管bと、貯液槽103の導出口111とオゾンガス発生器101の導入口104との間を接続する配管cから構成されている。循環経路Aは気体または液体をオゾン液生成器内100に循環させ、オゾンガス発生器101や混合部102や貯液槽103に気体または液体を導出入させることができる。このため、オゾン液生成器内100に液体を循環させることで、オゾンガス発生器101や貯液槽103や循環経路Aなどのオゾン液生成器100の洗浄を行うことが可能となる。また、貯液槽103に長期間、貯液されて淀んだ水を一定時間、循環経路Aを介して循環させることで、細菌の発生を防ぐことも可能である。
【0042】
配管cは、経路の途中に開設して設けられた開設口112を備え、前記オゾン液生成器の内部と外部との間の、気体または液体の流動を制御する流動制御手段と接続されている。流動制御手段は、配管を流動する気体や液体の流動量を制御可能な第1の制御部113が設けられた配管dにより構成され、配管dの一方は、配管cの経路の途中に開設して設けられた開設口112と連通して接続され、もう一方は大気と連通している外部口114が形成されている。このため、第1の制御部113を用いて配管dを流動する気体または液体の流動量を制御することによって、外部口114と大気との間で気体または液体の流動を制御することが可能である。
【0043】
また、配管dはオゾンガスを還元する機能を有するオゾンフィルタ115を設けてもよい。配管dに設けられたオゾンフィルタ115は、オゾンガスを還元した後に外部口114から大気へ導出するため、外部口114から気体を安全に大気中に開放することが可能となる。ここで、オゾンフィルタ115はオゾン分解触媒を格子状に構成した紙やアルミニウム付着させたものなど一般的なオゾンフィルタを配置する。
【0044】
なお、流動制御部は、オゾン液生成器100の内部と外部との間の、気体または液体の流動を制御可能な手段であればよく、開設口112に配管dを介さず、直接、第1の制御部113を設けた構成など、他の構成を用いても構わない。また、外部口114は気体の導入及び導出が可能な構成であればよく、酸素や空気を貯蔵したボンベなどと接続させた構成としてもよい。
【0045】
配管cは貯液槽103の導出口111と開設口112との間に第2の制御部116が設けられており、貯液槽103の導出口111と開設口112との間の配管cを流動する気体や液体の流動量を制御することができる。ここで、第1の制御部113及び第2の制御部116はバルブなどから形成され、配管を流動する気体または液体の流動量を制御することが可能である。なお、第1の制御部113及び第2の制御部116を電子的な制御が可能な電子バルブとして、開閉制御のタイミングをコントロールすることが可能なコントロール部117と接続させ、電子的な制御を可能とした構成としてもよい。
【0046】
≪動作説明≫
実施例1に係るオゾン液生成器の動作説明について図1から図8に基づいて説明する。図8は本発明に係るオゾン液生成器の各モードにおけるタイミングチャートを模式的に示したものである。ここで、各制御部の制御状態は、各制御部の開閉状態を示しており、開状態は制御部を流動する流体の流動量が高い状態を示し、閉状態は制御部を流動する流体の流動量を停止させた状態を示している。オゾンガス発生器の生成状態は、オゾンガス発生器によるオゾンガスの生成状態を示しており、ON状態はオゾンガスが発生している状態であり、OFF状態はオゾンガスの発生が停止している状態を示している。
【0047】
時間t0〜t1はオゾン液生成モード、時間t1〜t4はオゾンガス発生器洗浄モード、時間t4〜t5はオゾンガス発生器乾燥モードのタイミングチャートを示しているが、各モードの切り替えは図8に示されたモードの順番に限られず、また、全てのモードを含む必要はない。また、各モードの切り替えはコントロール部により、あらかじめプログラムされたタイミングや、センサを用いることで制御部を制御してもよく、または、制御部を手動において切りかえても構わない。
【0048】
はじめにオゾン液生成モードについて説明する。オゾン液生成モードとは、オゾン液生成器により生成したオゾン液をオゾン液生成器の外部に導出させるモードである。図8のタイミングチャートのt0〜t1の期間のように、オゾンガス発生器101をON状態にして、第1の制御部113を閉状態にし、第2の制御部116を開状態にし、混合部の導入口106に水などの液体を導入する。
【0049】
混合部102の導入口106から導入された水などの液体は、配管bを介して、貯液槽103に導入され貯液される。このため、貯液槽103に貯蔵されていた空気などの気体の一部は、導入された液体に押し出されように貯液槽103の導出口110から導出される。やがて、貯液槽103に貯液された液体の水位が高くなり、貯液槽103の導出口110が位置する高さを超えると、導出口110は液体により塞がれる。また、第1の制御部113が閉状態であるため、オゾン液生成器100内の気体は貯液槽103と配管aと配管cの空間に閉じ込められた密封状態となる。ここで、密封状態とは物理的に密封された状態ではなく、気体が液体により閉じ込められた状態を示す。
【0050】
閉じ込められた空気などの気体は水流により流動され、オゾンガス発生器101に導入され、オゾンガス発生器101によりオゾンガスが生成される。その後、オゾンガスは、配管aを介して、混合部102の導入口107から導入され、もう一方の導入口106から導入された水などの液体と混合されることでオゾン液が生成される。生成したオゾン液は、配管bを介して、貯液槽103に導出され気体と液体に分離される。
【0051】
ここで、オゾン液には、液体にオゾンガスが溶け込んだオゾン溶液や液体にオゾンガスが気泡として混合されるオゾンバブル液が含まれているため、貯液槽103にてオゾンガスや空気などを含む気体とオゾン溶液を含む液体に分離される。分離されたオゾンガスや空気を含む気体は、もとの閉じ込められた空間に戻り、再び循環することになる。このため、貯液槽103の気体は次のような経路にて循環することになる。貯液槽103→配管c→オゾンガス発生器101→配管a→混合部102→配管b→貯液槽103→配管c→オゾンガス発生器101→混合部102→・・・。 この結果、オゾンガス発生器101は、水に溶けきれず、気液分離されたオゾンガスを含む気体をもとにオゾン液を生成するため、より高濃度なオゾン液が生成されることとなる。
【0052】
ここで、本発明に係るオゾン液生成器の高濃度オゾン水の生成メカニズムについて、2L/minの空気をもとに濃度500ppm程度のオゾンガスを生成するオゾンガス発生器と水とオゾンガスを混合させる混合部を用いて、0.4mg/L程度のオゾンガスが溶け込んだオゾン水を生成するモデルを用いて説明する。
【0053】
オゾン水濃度0.4mg/Lとは、水1L中、0.4mgのオゾンガスが溶け込んでいる状態であり、1Lの水に0.18ml程度の体積のオゾンガスが溶け込むことになる。このため、2Lの空気に90ppmのオゾンガスが溶け込んだことになる。
【0054】
計算式は以下の通りである。オゾン水濃度0.4mg/Lの単位をmol/Lに変換すると、
8.33×10−6mol/Lとなる。(0.4mg/L÷1000g/mg÷48g/mol=8.33×10−6mol/L)1molの体積は22.4Lであるため、0.18mlのオゾンガスが水1L中に溶け込むことになる。(8.33×10−6mol/L×22.4L/mol=0.18ml)水に溶け込む0.18mlのオゾンガスの濃度を、2L/minの体積として計算すると、90ppmとなる。(0.18ml÷2000ml=90×10−6=90ppm)
つまり、オゾンガス発生器にて空気をもとに生成するオゾンガスのオゾンガス濃度500ppmは、水に溶解して減少するオゾンガス濃度90ppmより大きいため、気体を循環する度にオゾンガス濃度は増加することになる。このため、オゾンガス発生器で発生するオゾンガスのオゾン濃度は、循環開始から時間が経過するとオゾンガス発生器に導入される気体のオゾン濃度が上昇し、オゾンガス発生器の発生能力限界値まで増加することとなる。
【0055】
この原理を利用することで、高濃度なオゾンガスを混合部に導入し、結果として高濃度なオゾン液の生成が可能となる。また、循環経路Aは、水圧の影響を受け閉じ込められた空間の空気が圧縮されて加圧状態となる。このため、混合部に高密度な気体の導入を可能となり飛躍的に高い濃度のオゾン液を生成することが可能となる。
【0056】
なお、上記のモデルの計算によれば、水に溶解するオゾンガス溶解量は、100Lの水を流して18ml程度の溶解量となり、オゾン水生成器内を循環する気体の増減に大きな影響を与えない。
【0057】
また、オゾン液生成モードのみを使用する際は、第2の制御部116を使用しないため、オゾン液生成器100に第2の制御部116を設ける必要はない。
【0058】
次にオゾンガス発生器洗浄モードについて説明する。オゾンガス発生器洗浄モードとは、循環経路Aを介してオゾンガス発生器に水などの液体を導入させ、オゾンガス発生器を洗浄するモードである。図8のタイミングチャートのように、オゾン液生成モードと同一の第1の制御状態(t1〜t2)と、第2の制御状態(t2〜t3)と、第3の制御状態(t3〜t4)が含まれる。なお、オゾン液生成モード中に第2の制御状態に切り替え、その後に第3の制御状態へ切り換えることで、オゾンガス発生器の洗浄を行うことも可能である。
【0059】
第1の制御状態(t1〜t2)は、オゾン液生成モードと同様にオゾンガス発生器101をON状態にして、第1の制御部113を閉状態にし、第2の制御部116を開状態にし、混合部の導入口106に水などの液体を導入する。一定時間経過したオゾン液生成器100は、オゾンガスや空気などの気体が循環経路Aを循環し、オゾン液が貯液槽110の導出口から導出する状態に安定する。詳細な過程は、オゾン液生成モードの説明と同一であるため省略する。
【0060】
オゾン液生成器100の液体または気体の流れが第1の制御状態に安定した後に、第2の制御状態に切り替える。このとき、切り替えのタイミングは、オゾン液生成器の液体または気体の流れが安定する時間をあらかじめプログラムしておき、制御時間が経過したときにコントロールしてもよい。また、貯液槽103に貯液量をセンシング可能なセンサを設け、貯液量が一定の水位に安定したときや、貯液槽103から導出する液体の水量をセンシング可能な流量センサを設け、導出する流量が一定値に安定したときに切り替えるようにコントロールしてもよい。また、貯液槽103または循環経路Aである配管などに圧力計を備え、測定する圧力が安定した時に切り替えるようにコントロールしてもよい。
【0061】
第2の制御状態(t1〜t2)は、オゾンガス発生器をOFF状態にして、第1の制御部113を開状態にし、第2の制御部116を開状態にし、混合部102の導入口107に水などの液体の導入を継続する。
【0062】
混合部102に導入された液体は、配管bを介して貯液槽103に導入され、貯液槽103の導出口110から導出される。一方、第1の制御部113が開状態に切り替わり、大気に連通した外部口114が大気解放圧となるため、循環経路Aを循環している気体は、気圧の低い外部口114から導出する。このため、貯液槽103内に貯蔵された気体の体積が減少し、貯液槽103内の気圧が低くなるため、貯液槽103に貯液される液体の水位が徐々に高くなる。やがて、貯液槽103の液体の水位が高くなり、一定の貯液量を超えた際に、第3の制御状態へと切り替える。
【0063】
ここで貯液槽103の一定の貯液量とは、貯液槽103の液体の水位が、貯液槽103に設けられた導出口111の高さと同程度、あるいはそれ以上の高さとなる貯液量をさし、例えば、貯液槽103の導出口111が貯液された液体により塞がれるときや、配管cを液体が流動するときや、配管dの外部口114から液体が導出するときに、第3の制御状態に切り替えることとしてもよい。
【0064】
このとき、切り替えのタイミングは、あらかじめ貯液槽103に貯液された液体一定の貯液量を超える時間をプログラムしておき、制御時間が経過したときにコントロールしてもよい。また、貯液槽103に貯液量をセンシング可能なセンサを設け、貯液量が貯液される液体の水位をセンシング可能なセンサを設け、貯液量が一定の水位を超えたときや、循環経路Aである配管に液体の流動を感知するセンサを設け、液体を感知したときにコントロールしても構わない。また、貯液槽103または循環経路Aである配管などに圧力計を備え、測定する圧力に応じて切り替えるようにコントロールしてもよい。
【0065】
図8のタイミングチャートの第3の制御状態(t3〜t4)では、オゾンガス発生器をOFF状態にして、第1の制御部113を閉状態にし、第2の制御部116を開状態にし、混合部102に水などの液体の導入を継続する。
【0066】
混合部102に導入された液体は、引き続き貯液槽103の導出口110から導出される。一方、第1の制御部113が閉状態に切り替わり、配管aと配管cは再び密封された状態となるため、配管cや貯液槽103などの気体または液体は混合部102に吸引される。
【0067】
このため、オゾン液生成器100内の気体または液体は循環経路Aを介して循環することになる。この結果、オゾン液生成器100の内部を循環する液体は、循環経路Aに設けられたオゾンガス発生器101の電極表面に付着した窒素酸化物などの堆積物または循環経路Aに付着した汚れを洗浄することが可能である。なお、オゾンガス発生器洗浄モードのみを使用する際は、第2の制御部116を使用しないため、オゾン液生成器100に第2の制御部116を設けない構成としてもよい。
【0068】
次にオゾン液生成器乾燥モードについて説明する。オゾン液生成器乾燥モードとは、オゾン液生成器に付着した水分や水蒸気を乾燥させるモードであり、特にオゾンガス発生器の電極に付着した液体を乾燥させるモードである。
【0069】
図8のタイミングチャートのt4〜t5の期間のように、オゾンガス発生機をOFF状態にして、第1の制御部113を開状態にし、第2の制御部116を閉状態にし、混合部102の導入口106に水などの液体を導入する。
【0070】
混合部102に導入された液体は、配管bを介して貯液槽103に導入され、貯液槽103の導出口110から導出される。一方、第1の制御部113が開状態になっているため、空気などの気体が、配管dの外部口114から混合部102の導入口107に吸引される。このとき、気体が配管を介して、オゾンガス発生器101を流動することになるため、オゾンガス発生器及び配管が乾燥することとなる。特にオゾンガス発生器101の電極表面に付着した水蒸気を乾燥させることが可能である。また、混合部102の導入口107に導入された気体は、混合部102の導入口106に導入された水などの液体と混合された後、貯液槽103の導出口110より導出されることとなる。
【0071】
なお、オゾン液生成器乾燥モードは、オゾンガス発生器洗浄モードの後だけでなく、オゾン液生成モードの後に行ってもよい。一般的にオゾンガス発生器は、湿度の高い空気を材料にオゾンガスを生成するより、湿度の低い空気を材料にオゾンガスを生成させる方が、オゾンガス濃度の高いオゾンガスが生成されることが知られている。これは、電極表面に水蒸気が付着し、電極表面に接触する酸素量が減少することや、空気に含まれる水蒸気のため、相対的な酸素量が低下することなどにより、オゾンガスの発生効率を低下させることに起因している。このため、オゾン液生成器乾燥モードは、オゾン液生成器内部の気体の湿度を抑え、オゾンガス発生効率を高めるために有効である。
【0072】
上述の説明により、オゾン液生成器、特にオゾンガス発生器の電極部に堆積された窒素酸化物の洗浄及び乾燥が可能であり、オゾンガス発生器の自己再生が可能となる。
【0073】
≪実験結果≫
次に本発明に係るオゾン液生成器の洗浄動作に関する洗浄実験について図9の実験結果の説明図を用いて説明する。実験は図1の構成にて、100mg/hのオゾンガスを発生するオゾンガス発生器101を使用し、混合部102に対して2.5L/minの水を導入させて、オゾン液の生成を20時間経過させた後に行った。
【0074】
オゾンガス濃度はオゾンガス発生器により発生するオゾンガスの濃度を示し、オゾン液濃度は混合部から導出される液体のオゾン濃度を測定したものである。「洗浄なし」は、上述の実験条件にてオゾン液導出モードを20時間経過させた後のオゾンガス濃度、オゾン液濃度の推移を示している。「洗浄あり」は、上述の実験条件にて、オゾン液導出モードを20時間経過させ、オゾンガス発生器洗浄モードにて水を2分間循環させて洗浄し、オゾンガス発生器乾燥モードにて、5分間乾燥させた後のオゾンガス濃度、オゾン液濃度の推移を示している。
【0075】
実験の結果、図9の全ての実験条件において、「洗浄あり」に示された結果は「洗浄なし」に示された結果に比べて、オゾンガス濃度及びオゾン液濃度はともに高い結果を得られた。これは、オゾンガス発生器の電極表面に堆積していた窒素酸化物や水蒸気を水によって除去した結果、オゾンガス発生器のオゾンガス発生能力を回復させたことに起因している。このため、本発明に係るオゾン液生成器を利用することで、オゾンガス発生能力を回復することができ、長期間安定した濃度のオゾン液の生成が可能である。
【実施例2】
【0076】
図10は本発明に係るオゾン液生成器を備えた浄水器ユニットの概略図である。浄水ユニット200はオゾン液を生成するオゾン液生成器100と水などの液体を濾過する濾過部201(と水などの液体を流動させる経路を形成する配管)を備え、水道水などの液体をオゾン液生成器100に導入してオゾン液を生成するオゾン液生成経路Bと、水道水などの液体を濾過部201に導入し浄水を生成する浄水経路Cとを有している。
【0077】
オゾン液生成器100は、配管を介して導入された水などの液体をもとにオゾン液を導出することが可能である。なお、オゾン液生成器100は実施例1の構成と同一であるため、同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0078】
濾過部201はUF膜(Ultrafiltration Membrane)フィルタなど粒子を除去できるフィルタにより形成され、配管を介して導入される水などの液体を濾過して導出することが可能である。
【0079】
オゾン液生成経路Bは液体を導入する配管eとオゾン液生成器100を備えた配管fから形成され、浄水経路Cは配管eと配管gから形成されている。配管eは配管fと配管gとに分岐する分岐点202を備え、オゾン液生成経路Bと浄水経路Cの2つの経路に共有されている。配管fは制御部203を備え、配管gは制御部204を備え、それぞれの配管を流動する液体の流動量を制御することが可能である。このため、浄水ユニット200は、オゾン液を生成するオゾン液生成経路Bと、浄水を生成する浄水経路Cに切り替えることが可能である。
【0080】
なお、制御部203、204を電子バルブにより形成し、コントロール部205と接続させ、電子的な制御を行ってもよい。また、コントロール部205はオゾン液生成器100のコントロール部117と共有させ、1つのコントロール部にて制御部のそれぞれを制御する構成としても構わない。
【0081】
また、配管eは、分岐点202の前にプレフィルタや活性炭フィルタなどの濾過部206を設けても構わない。上述の構成にすることで、2つの経路にフィルタを設ける必要がなく、効率的に浄水することが可能である。
【0082】
≪動作説明≫
実施例1に係る浄水ユニット200の動作説明について図10に基づいて説明する。浄水ユニット200は、オゾン液生成器モードと、浄水モードを備えている。
【0083】
オゾン液生成器モードはオゾン液生成器100に水などの液体を導入させ、オゾン液の生成、オゾンガス発生器の洗浄、またはオゾンガス発生器の乾燥を行うことが可能であり、制御部203を開状態にし、制御部204を閉状態にして、配管eに液体を導入する。
【0084】
導入された液体は、オゾン液生成経路Bである配管e及び配管fを介してオゾン液生成器100に導入され、再び配管fを介して液体が導出される。オゾン液生成器の動作説明は、実施例1のオゾン液生成器100の動作説明と同一であるため、省略する。
【0085】
次に浄水モードについて説明する。浄水モードは、濾過部に水などの液体を導入させ、浄水させて導出することが可能であり、制御部203を閉状態にし、制御部204を開状態にして、配管eに液体を導入する。導入された液体は、浄水経路Cである配管e及び配管gを介して濾過部201に導入され、濾過部201により濾過後に、再び配管gを介して導出される。
【0086】
本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
100 オゾン液生成器
101 オゾンガス発生器
102 混合部
103、103(a)、103(b) 貯液槽
104 オゾンガス発生器の導入口
105 オゾンガス発生器の導出口
106 混合部の導入口
107 混合部の導入口
108 混合部の導出口
109 貯液槽の導入口
110 貯液槽の導出口
111 貯液槽の導出口
112 開設口
113 第1の制御部
114 外部口
115 オゾンフィルタ
116 第2の制御部
117 コントロール部
21、31 オゾンガス発生素子
22、32 放電電極
23、33 対向電極
24、34 電源
41 導入経路
42 連通経路
43 導出経路
118 圧送部
61 容器部
62 貯蔵部
71 外壁
72 貯蔵部
73 内壁
74 内水筒
75 外水筒
200 浄水ユニット
201、206 濾過部
203、204 制御部
205 コントロール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンガスを発生するオゾンガス発生器と、前記オゾンガスと液体を混合する混合部と、液体を貯液する貯液槽とを備えたオゾン液生成器において、
前記オゾンガス発生器に液体を循環させる循環経路とを備えていることを特徴とするオゾン液生成器。
【請求項2】
前記循環経路は、前記オゾン液生成器の内部と外部との間の、気体の流動を制御する流動制御手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のオゾン液生成器。
【請求項3】
前記貯液槽は、液体を導入する導入口と、
液体を導出する第1の導出口と
第1の導出口より重力方向に対して高い位置に設けられた第2の導出口を有しており、
前記第2の導出口は前記循環経路と接続されていることを特徴とする請求項2に記載のオゾン液生成器。
【請求項4】
前記循環経路は、前記貯液槽と前記流動制御手段との間の経路に気体または液体の流動を制御する制御手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のオゾン液生成器。
【請求項5】
前記混合部は、
液体が導入する導入経路と、
導入経路に連通し、導入経路に比べて小さな径を有する連通経路と、
連通経路と連通し、連通経路に比べて大きな径を有する導出経路とを備え、
連通経路へ気体を導入することが可能な配管を介して前記オゾンガス発生器と接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のオゾン液生成器。
【請求項6】
前記循環経路は圧送部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のオゾン液生成器。
【請求項7】
請求項1から6に記載の前記オゾン液生成器を備えた浄水器。
【請求項8】
請求項1から6に記載の前記オゾン液生成器と液体を濾過する濾過手段とを備えた浄水器であって、
液体を前記オゾン液生成器に導入してオゾン液を生成するオゾン液生成経路と、
液体を濾過手段に導入し濾過後に導出する浄水経路とを切り替えることを特徴とする浄水器。
【請求項9】
オゾンガスを発生するオゾンガス発生器と、前記オゾンガスと液体を混合する混合部と、液体を貯液する貯液槽とを備えたオゾン液生成器と、前記オゾンガス発生器に接続された循環経路とを備えたオゾン液生成器の洗浄方法であって、
前記循環経路を介して液体を循環させ、前記オゾンガス発生器を洗浄することを特徴とするオゾン液生成器の洗浄方法。
【請求項10】
オゾンガスを発生するオゾンガス発生器と、前記オゾンガスと液体を混合する混合部と、液体を貯液する貯液槽とを備えたオゾン液生成器と、前記オゾンガス発生器に接続された循環経路とを備えたオゾン液生成器の洗浄方法であって、
前記混合部に液体を導入し、前記循環経路を液体により密封状態にさせる第1の工程と、
第1の工程の後に前記循環経路から前記オゾン液生成器の外部へ気体を導出させる第2の工程と、
第2の工程の後に前記循環経路を密封状態にさせ、前記オゾンガス発生器に前記循環経路を介して液体を循環させる第3の工程とを含むオゾン液生成器の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−148943(P2012−148943A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10464(P2011−10464)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】