説明

オレフィンブロックコポリマーをベースとするホットメルト接着剤

約5〜50重量%のオレフィンブロックコポリマー、約10〜70重量%の第1粘着付与樹脂、約0〜65%の第2粘着付与樹脂、約0〜60重量%の可塑剤;約0〜20重量%の芳香族強化樹脂、約0.1〜5%の安定剤、および約1〜40重量%の二次ポリマーを含む構成要素のブレンドにおいて、第1および第2粘着付与樹脂ならびに強化樹脂が、250ジュール/グラム以下の結晶化度を有する、該ブレンドを含むホットメルト接着剤組成物であって、構成要素は合計で組成物の100重量%となり、組成物の粘度は、163℃で約20,000mPa.s以下である、組成物。該ホットメルト接着剤を用いた積層体ならびにかかる積層体を作製する方法も記載されている。接着剤組成物および/または積層体は、種々の最終製品において用いられ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットメルト接着剤に関し、より詳細には、弾性構成要素、例えば、使い捨てオムツにおける使用のための弾性ストランドを含有する積層体を作製するための高い初期接着抵抗を提供するオレフィンブロックコポリマー(OBC)を用いたホットメルト接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
製造品、特に、使い捨て品の複雑性の増加はまた、ホットメルト接着剤業界において多くの改善および発展ももたらす。ホットメルト接着剤は、より幅広い接着剤適用プロセスウインドウ内で、多数の最終用途ポートフォリオについて、より広範囲の基材を接着するために用いられている。例えば、オムツ製造業界を考慮すると、関与する材料は、不織布材料、ポリマーフィルム、および一般にはエラストマー構成要素であり得る。これらのエラストマー構成要素は、ストランド、フィルム、不織布の形態またはあらゆる他の連続もしくは別個の形態のオムツのような製品において用いられ得る。
【0003】
ホットメルト接着剤の処理可能性は、ホットメルト接着剤が溶融され、溶融された段階で、接着が必要とされる最終位置に輸送および/またはコートされる能力に関連する。通常、溶融された接着剤は、スプレーされるか、またはフィルムとしてコートされる。一旦冷却されると、接着剤は、多数の要件、例えば、剥離力によって測定される接着強度、または機械的応力下もしくは機械的応力後および種々の加熱条件下もしくは種々の加熱条件後の接着保持を満たすことが必要である。
【0004】
典型的には、ホットメルト接着剤は、ポリマー、例えば、ポリオレフィン(エチレンまたはプロペン系ポリマー);もしくは、官能化されたポリオレフィン(酸素含有モノマーを有するエチレンまたはプロペンコポリマー);または、例えば、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)またはスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)のような少なくとも1つのゴム相を含有するスチレンブロックコポリマーをベースとすることができる。スチレンブロックコポリマーは、それらの二重の特性、すなわち、別の相のゴム挙動に関連するスチレン相の凝集により興味深い。典型的な適用温度は、150℃以上である。
【0005】
長年にわたって、多くの種々のオレフィンポリマーが、使い捨ての織物類の構造に用いられるホットメルト接着剤の配合物において用いられてきた。これらのうちの1つが非晶質ポリプロピレン(APP)である。この材料は、結晶性ポリプロピレンの副生成物として生成され、溶媒抽出により得られた。このAPPポリマーは、種々の粘着付与剤、可塑剤、ワックスなどと組み合わされて、例えば、オムツ構造に用いられ得るホットメルトを生成することができた。
【0006】
後に、元々のAPPポリマーよりもかなり改善された特性を有する目的で生成されたポリマーが利用可能となった。これらは、非晶質ポリアルファオレフィン(APAO)と称された。これらは、チーグラーナッタ触媒作用を用いて主に生成され、限定されないがプロピレン、エチレンおよびブテンを含めた種々のモノマーを用いて作製され得た。種々のコポリマーおよびターポリマーは、多くの製造者によって生成されている。これらとして、Vestoplast(登録商標)ポリマーを生成するEvonik Industries;Rextac(登録商標)RTの範囲の材料を生成するREXtac,LLC、およびEastoflex(登録商標)系のポリマーの製造者であるEastman Chemicalが挙げられる。これらは、全て、DSCによって測定したとき、非常に低い程度の結晶化度を有することを特徴とする。これらは、商業的に生成されるとき、幅広い分子量分布を有するランダムポリマーである。
【0007】
これらは、使い捨て物品の構造用にホットメルト接着剤内に配合されたとき、いくつかの欠陥を有した。これらは、高温耐熱性(特にクリープ抵抗)に一般に欠けるため、弾性付着に用いられなかった。これは、非晶質の特徴に起因した。これらは、オムツ構造適用(不織布をポリエチレンに接着する)に関する広範な使用が見出されたが、弾性付着の適用に必要とされる高温クリープ抵抗のレベルを有していなかった。
【0008】
APAO系ホットメルト接着剤が弾性付着に用いられなかった他の1つの理由は、乏しいスプレー性であった。構造適用は、種々の方法において適用されているが、弾性接着剤は、スプレー適用設備を用いてほとんどの場合に適用される。弾性付着のためのスプレー適用は、構造適用と比較して、必須とされるさらなる要求である。接着剤は、構造適用よりも熱く、高い付加レベルで一般に適用される。この接着剤は、適正に適用されないと、溶け落ちの問題をもたらし得る。加えて、弾性体のストランド上に直接付される弾性適用は、全体としての構造適用の代わりに、より正確に適用される必要がある。
【0009】
歴史上の従来のポリオレフィン、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンは、いずれのオムツ構造適用にも用いられていなかった。これらのポリマーは、包装適用(例えば、ケースおよびカートンの密閉)のためのホットメルト接着剤に用いられているが、使い捨て適用に必要とされる接着、開放時間およびスプレー性に欠く。これらの種類のポリマーの例として、Westlake Chemical CompanyからのEpolene(登録商標)ポリマーが挙げられる。
【0010】
より最近では、メタロセン触媒作用が、より正確に調整された性質を有するポリオレフィンを作製するのに用いられてきた。例えば、ポリマーの分子量は、より古いチーグラーナッタ触媒によっては可能でない方法で制御され得る。ポリマーは、高いレベルのコモノマー、例えばブテン−1およびオクテン−1を用いて作製されて、非常に低いレベルの結晶化度および密度を有するポリマーを生成することができる。これらのポリマーは、より良好な接着特性を有するホットメルト接着剤を作製するのに用いられてきたが、スプレー性の欠失のために、不織布業界において広く用いられていなかった。これらのメタロセンポリマーの例として、Dow Chemical CompanyからのAffinity(登録商標)およびEngage(登録商標)ポリマーが挙げられる。
【0011】
スプレー性の観点での使い捨て業界における標準は、スチレンブロックコポリマー、特定的にはスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロックコポリマーをベースとするホットメルトであった。オレフィン系ポリマーはいずれも、スプレー容易性および適用ウインドウの観点でスチレンブロックコポリマーの特性に適合することができなかった。用語「適用ウインドウ」は、所与の接着剤がよく適用する範囲の条件を意味する。例えば、所与のホットメルト接着剤が、狭い範囲の温度、流量、空気圧、開放時間などにわたってのみ適用され得るとき、狭い適用ウインドウを有すると記載される。一方で、接着剤が、広範囲の条件にわたって適用され得、許容される接着を依然として与えることができるとき、幅広い適用ウインドウを有すると記載される。使い捨て品の製造において用いられる生成物は、幅広い適用ウインドウを有して、例えば、ラインのスタートアップの間に生ずるライン速度変動、または製造の間に起こり得る温度変動の際に休止時間およびスクラップを最小にすることが非常に重要である。これらの製造ラインは、1000フィート/分を超えるライン速度で頻繁に操作されるため、スクラップを最小にすることが重要である。
【0012】
ポリオレフィンポリマーは、非常に広範囲の分子量、モノマー、密度および結晶化度レベルで生成される。これらは、さらに広い範囲の触媒を用いても作製される。チーグラーナッタ触媒作用、メタロセンおよび他の単一引用触媒、ならびにブロックポリオレフィンを生成することができるより最近の触媒が存在する。
【0013】
これらのポリマーは、非常に低い結晶化度のもの、例えば、非晶質ポリプロピレンまたは非晶質ポリ−アルファ−オレフィンによるものから、非常に高い結晶化度のもの、例えば、アイソタクチックポリプロピレンまでの幅がある。ポリマーの結晶化度は、示差走査熱量測定(DSC)またはX線回折技術によって測定され得る。DSCは、圧倒的に最も広く用いられている技術である。融解エンタルピー(溶融潜熱または融解熱としても知られている)は、「Standard Test Method of Enthalpies of fusion and Crystallization by Differential Scanning Calorimetry」のタイトルのASTM E793−01を用いて測定および定量化され得る。融解エンタルピーは、ポリマーの結晶性部分を溶解するのに取得されるエネルギー量である。この値は、ジュール/グラム(J/g)で一般に報告されている。
【0014】
この数値は、ポリマーの結晶化度に応じて、ほとんどゼロから250ジュール/グラムまで広く変動する。理想的には、真性非晶質ポリマーは、結晶化度を有さず、融点を有さず、したがって、ゼロの融解エンタルピーを有する。米国特許第7,524,911号(第8欄、30〜33行)に記述しているように、用語「非晶質」は、示差走査熱量測定(DSC)または同等の技術によって測定されるとき結晶性融点を欠くポリマーを称する。
【0015】
実際問題として、「非晶質ポリ−アルファ−オレフィン」(APAO)として販売されている大部分のポリマーは、ある程度低いレベルの結晶化度を有する。一方で、結晶性であるとみなされているポリマーは、100パーセント結晶性ではない。’911特許において、第8欄、第26〜30行に、「用語「結晶性」は、示差走査熱量測定(DSC)または同等の技術によって測定される第1転移点または結晶性融点(Tm)を有するポリマーを称し、この用語は、用語「半結晶性」と互換可能に用いられてよい」と記述している。
【0016】
「非晶質」ポリマーとみなされているものと「半結晶性」または「結晶性」とみなされているものとの間のある程度の定量化可能な境界を有していることが有用である。米国特許第6,747,114号において、第8欄、第9〜14行に、「半結晶性ポリマーは、DSCによって測定される好ましくは約30J/g〜約80J/g、DSCによって測定されるより好ましくは約40J/g〜約70J/g、DSCによって測定される最も好ましくは約50J/g〜約65J/gの融解熱を有する」と記述している。
【0017】
Bostikの内部分析は、先の記載と相関する。「非晶質ポリ−アルファオレフィン」は、実際には、全体として非晶質ではなく、DSCによって測定される非常に低いレベルの結晶化度を有する。商品名Eastoflex(登録商標)で「非晶質ポリオレフィン」としてEastman Chemical Co.によって販売されているグレード、商品名Vestoplast(登録商標)で「非晶質ポリ−アルファ−オレフィン」としてEvonik Industriesによって販売されているグレード、REXtac(登録商標)RTとしてREXtac、LLC.によって製造されているグレードの多くの分析は、これらの全てが、25ジュール/グラム未満の融解エンタルピー(または熱)を有することを示している。得られた単一の最も高い値は、Vestoplast(登録商標)708では20.4ジュール/グラムであった。米国特許第7,517,579号(Kimberly−Clark Worldwide、Inc.に譲渡されている)において示されている2つのグレードのうちの1つは、RT2730であり、9.4ジュール/グラムの融解熱を有する。言及されている他のグレードは、RT2723であり、REXtacの通常の命名によると、同一のモノマー比を有する、より低い粘度の型のRT2730であるべきである。したがって、融解エンタルピーは、RT2730と同様であるべきである。要約すると、現在利用可能なデータは、「非晶質ポリ−アルファ−オレフィン」として現在販売されているいずれのグレードのポリマーも約25ジュール/グラム未満の融解エンタルピー値を有するということを強く示している。
【0018】
「半結晶性」ポリマーのカテゴリーに該当する広範囲の他のポリオレフィンは、種々の製造者によって製造されている。これらは、約30ジュール/グラムより大きい融解熱の値を有し、この値は、APAOの範囲外にある。例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマーは、高い酢酸ビニルグレード(40%のVA)の約35ジュール/グラムから、より低い酢酸ビニルグレード(18%のVA)の約73ジュール/グラムの範囲である。ポリアルファオレフィン、例えば、DowのAffinity(登録商標)グレード(エチレン/オクタンコポリマー)は、Affinity(登録商標)8200(比較的低密度のグレード(0.870g/cc、MI=5))の約52ジュール/グラムから、Affinity(登録商標)PL1280と呼ばれる、より高密度のグレード(0.900g/cc、MI=6)の77J/gの範囲である。Dowはまた、57ジュール/グラムの融解熱を有する、特定的にはホットメルト接着剤のためのGA1900と呼ばれる高いメルトインデックスグレード(0.870g/cc、MI=1000)も製造する。明らかに、これらのAffinity(登録商標)ポリマーは、非晶質であるとはみなされ得ず、非晶質ポリ−アルファ−オレフィンではない。
【0019】
ポリオレフィン分野におけるより最近の開発は、「オレフィンブロックコポリマー」またはOBCと称されるものである。これは、チーグラーナッタまたは従来のメタロセン技術によって生成されるランダムポリマーよりもむしろ線状ブロック構造のモノマーを生成する鎖シャトリング触媒作用技術を用いて生成される全体として新規のクラスのポリオレフィンポリマーである。ここで、これらは、Infuse(登録商標)の商品名でDow Chemicalによって製造されている。OBCは、高いコモノマー分および低いガラス転移温度を有する非晶質エチレン−オクテンブロック(軟質)と交互になっている非常に低いコモノマー分および高い溶融温度を有する結晶化可能なエチレン−オクテンブロック(硬質)からなる。これは、同様の密度の典型的なメタロセンランダムポリマーと比較して、かなり良好な高温耐性および弾性をポリマーに与える。Infuse(登録商標)のグレードのいくつかは、非晶質ポリ−アルファ−オレフィンであるとみなされ得ない低い融解熱(およそ20ジュール/グラム)を有する。なぜなら、ポリマー構造が完全に異なり(すなわち、ブロック対ランダム)、結晶性領域を有して特定的に生成されるためである。これらは、より良好な弾性回復、圧縮永久歪みおよび高温耐性を有するOBCと、構成的基準で異なるだけでなく、物性の観点からも大きく異なる。このように、これらは異なる市場に異なる最終用途で販売されており、互いに同等であるとみなされない。
【0020】
米国特許第7,524,911号およびWO2009/029476号は、オレフィンブロックコポリマー(OBC)をベースとする接着剤組成物を開示している。OBCおよびOBCの種々の適用を開示している他の参照文献として、WO2006/101966号、WO2006/102016号、WO2008/005501号、およびWO2008/067503号が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、特に、オムツ構造体における弾性付着および構造にオレフィンブロックコポリマー(OBC)を用いた特有の配合物をベースとしている。本発明は、コーティング技術および付加レベルのような現在用いられているのと同一の適用技術を用いて、スプレー可能なオレフィン系ホットメルト接着剤とすること、かつ、最終用途の適用に、現在のSISおよびSBS系技術によって予測されるレベルと同一のレベルの性能、すなわち、クリープ抵抗の観点からの高い接着強度レベル、剥離力、ならびに一般には機械抵抗および耐熱性による接着保持を付与するという非常に重要な要件を解決する。OBCは、ホットメルト接着剤に配合されたとき、APAO系接着剤または古い世代のポリオレフィンをベースとする接着剤と比較して改善されたスプレー特性を付与する。特に、APAOまたは低い結晶化度を有する他のポリマーと組み合わされて配合されるとき、ホットメルト接着剤は、接着、高温クリープ抵抗およびスプレー性の特有の組み合わせを有して生成され得る。この性質の組み合わせは、スチレンブロックコポリマーを有さずにはこれまでに達成されていない。加えて、常套的なSISベースまたはSBS系接着剤と比較して、OBCは、高温で貯蔵されるとき、改善された粘度安定性を付与する。最終的に、OBCは、高温において熱的に安定である。
【課題を解決するための手段】
【0022】
種々の方法が、ホットメルト接着剤を極めて低い粘度で基材にコートするのに常套的に用いられている。これは、ロールコーティングもしくは任意の印刷タイプの方法によって、またはスロットコーティングによって、押出によってもしくはスプレーガンによって作製され得る。スプレーガン技術は非常に多く、接着剤スプレー、結果として接着剤パターンを成型する圧縮空気の助けによりまたはこれによらずになされ得る。ホットメルト接着剤材料は、タンクにおいて一般に溶融され、次いでホースを経て基材上の最終的なコーティングスポットまでポンピングされる。スプレー適用によって接着剤を適用する方法が本発明に好ましく、最も好ましくは空気によって補助される。これらの技術の中で、最も一般的であるのはスパイラルスプレー(NordsonによるControlled Fiberization(商標))、NordsonによるSummit(商標)、NordsonによるSurewrap(商標)、ITWによるOmega(商標)、NordsonによるCurtain Coating(商標)、および種々の溶融ブロープロセスである。
【0023】
本発明では、ホットメルト接着剤が適用される温度は、感熱基材が損傷されないように、170℃未満であるべきである。好ましくは、この温度は、150℃以下であるべきである。
【0024】
また、接着剤材料の粘度(ASTM D3236−88を介して測定される)は、163℃(325°F)で測定されたとき、一般には20,000mPa.s未満、より好ましくは15,000mPa.s未満、最も好ましくは12,000mPa.s未満であるべきである。かかる低粘度を有する接着剤は、標準のホットメルト接着剤設備を経て操作されて、適用温度にて正しいパターンおよび結果として正しい接着性能を達成することが必要とされる。
【0025】
本発明の接着剤は、最先端において公知である、常套の構造のいずれのプロセスまたはいずれの弾性付着技術によっても用いられ得る。
【0026】
本発明の接着剤は、ストランド、フィルム、不織布の形態またはあらゆる他の連続もしくは別個の形態でオムツのような品目に導入されている不織布材料、ポリマーフィルム、および一般にはエラストマー構成要素のような種々の基材材料が関与しているいずれの適用によっても用いられ得る。あらゆる基材材料およびあらゆる基材形態が、あらゆる可能な組み合わせにおいて用いられ得、接着剤が、2つ以上の基材を一緒に接着させている。基材は、ファイバ、フィルム、スレッド、ストリップ、リボン、コーティング、ホイル、シート、およびバンドなどの多数の形態を有し得る。基材は、ポリオレフィン、ポリアクリル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどのいずれの公知の組成物を有していても、木材、厚紙および紙のようなセルロース、またはコンクリート、ガラスもしくはセラミックのような無機化合物から作製されていてもよい。基材の機械的挙動は、剛性、可塑性またはエラストマー性であり得る。エラストマー材料の中でも、天然もしくは合成ゴム、ポリウレタン系コポリマー、ポリエーテルもしくはポリエステルウレタン、スチレンもしくはアミドのブロックコポリマー、またはオレフィンコポリマーのような種々の例がある。上記リストは、限定的でも包括的でもなく、一般的な例としてのみ提供されている。本発明において、ホットメルト接着剤を処理する種々の方法が使用され得、該方法は、ホットメルト接着剤が溶融され、ならびに、溶融された段階で、接着が必要とされる最終位置に輸送および/またはコートもしくはスプレーされる能力に関連し得る。
【0027】
本発明の接着剤は、複合体および使い捨て製品が、接着剤接着から適切な凝集を得て、特に、クリープ条件下に、低温、周囲温度または高温で機械的応力に耐えながら、170℃未満、好ましくは150℃以下の温度で用いられるホットメルト接着剤と一緒に部品を接着させるのを助けることによって作製される、あらゆる適用によって用いられ得る。オムツ、成人失禁予防製品、生理用ナプキンおよび他の吸収性の使い捨て製品は、ベッドパッド、吸収パッド、外科用ドレープおよび他の関係する医療または外科装置と同様に、本発明の接着剤組成物に想定される適用である。構造適用、構成適用または包装適用、特に、使い捨て品目の包装および食品包装もまた、本発明が有用である適用であり得る。本ホットメルト接着剤の最も特定的な適用は、弾性付着用であり、本発明は、170℃未満、好ましくは150℃以下の温度で接着剤を適用しながらフィルム基材への弾性ストランドの接着を可能にする。
【0028】
オムツ適用における弾性付着のための良好な性能は、典型的には、接着保持が、接着剤が基材に適用された後2日以内になされるとき(初期クリープ試験)、以下に記載の特定的な試験において60%超、好ましくは70%超、より好ましくは75%超、最も好ましくは80%超のいずれかである場合である。これらの試験は、接着剤によって接着およびクリープ抵抗(または接着保持)のいかなるレベルが達成され得るかの指標である。製造および材料コストに関与する経済的側面から、スパイラルスプレー適用に関して好ましい接着剤の付加は、18gsm未満(「gsm」は、接着剤材料によって被覆される基材の平方メートル当たりの接着剤材料のグラムを称する)、より好ましくは15gsm以下、最も好ましくは12gsm以下である。個々のストランドコーティング技術が用いられるとき、付加レベルは、一般に60mg/ストランド/メートル未満である。構造適用では、付加レベルは、典型的には6グラム/平方メートル以下である。他の適用では、付加レベルは、特定的な最終用途要件に応じて変動する。
【0029】
したがって、本発明は、以下の構成要素のブレンドを含むホットメルト接着剤組成物を提供する:
【0030】
約5重量%〜約50重量%、好ましくは約10重量%〜約30重量%、最も好ましくは約12重量%〜約20重量%のオレフィンブロックコポリマー(OBC);
【0031】
約10重量%〜約70重量%、好ましくは約40重量〜約65重量%、最も好ましくは約50重量%〜約60重量%の、少なくとも約95℃の軟化点、好ましくは約95℃〜約140℃の軟化点を有する第1粘着付与樹脂;
【0032】
約0重量%〜約65重量%の、第1粘着付与樹脂と異なる第2粘着付与樹脂;
【0033】
約0重量%〜約60重量%、好ましくは約2重量%〜約30重量%、より好ましくは約3重量%〜約20重量%の可塑剤;
【0034】
約0重量%〜約20重量%、好ましくは約2重量%〜約15重量%、より好ましくは約4重量%〜約12重量%、最も好ましくは約6重量%〜約10重量%の、115℃以上の軟化点を有する芳香族強化樹脂;
【0035】
約0.1%〜約5%の安定剤または酸化防止剤;および
【0036】
約1重量%〜約40重量%、好ましくは約2重量%〜約35重量%、より好ましくは約2重量%〜約30重量%の、OBC、第1および第2粘着付与樹脂ならびに強化樹脂とは異なり、比較的低い結晶化度を有する二次ポリマー、ここで低い結晶化度とは、250ジュール/グラム(J/g)以下、好ましくは150ジュール/グラム以下、より好ましくは100ジュール/グラム以下である、二次ポリマー;ならびに上記の各構成要素のブレンド;
【0037】
構成要素は合計で組成物の100重量%となり、組成物の粘度(ASTM D3236−88によって測定される)は、163℃(325°F)で約20,000mPa.s以下、好ましくは163℃で15,000mPa.s以下、より好ましくは163℃で12,000mPa.s以下である。
【0038】
本接着剤組成物における一次ポリマー構成要素は、OBCであり、二次ポリマーは、比較的低い結晶化度を有するべきであるが、OBCと、約1重量%〜約25重量%、好ましくは約1重量%〜約15重量%の、EVAまたはスチレンブロックコポリマー、例えば、SIS、SI、SBS、SB、SIBS、SEB、SEBS、SEP、SEPS、SBBS、SEEPSおよびそれぞれのブレンドを含む追加の補助ポリマーを含有する二次ポリマーとのブレンドもまた、追加の補助ポリマーが相溶性である限り、用いられてよい。補助ポリマーは、OBC、第1および第2粘着付与樹脂、強化樹脂、ならびに二次ポリマーとは異なるポリマーであり、接着剤組成物の最終用途に応じて所望の物性を与える機能を有する。
【0039】
比較的少量(0〜20重量%)のより結晶性の材料、例えば、ワックスもまた、最終用途によって要求される性能レベルを妨げない限り、用いられてよい。
【0040】
本発明はまた、不織布材料の第1層、不織布材料の第2層、ならびに該第1および第2不織布層間に配置され、OBC系接着剤組成物と一緒に接着された1種または複数種のエラストマー基材を含む積層体も提供する。
【0041】
積層体は、不織布材料の第1層、フィルム材料の第2層、ならびに該第1および第2層間に配置され、OBC系接着剤組成物と一緒に接着された1種または複数種のエラストマー基材を含んでいてもよい。フィルム材料は、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレンコポリマーフィルムまたは布様のコートされたフィルム材料を含んでいてよく、エラストマー基材は、好ましくは複数の弾性ストランドである。
【0042】
積層体は、いずれのエラストマー基材をも間に有さずに、接着剤組成物によってフィルムまたは不織布材料の第2層に接着された不織布材料の第1層をさらに含んでいてよい。
【0043】
本発明の接着剤組成物および/または積層体は、種々の最終製品を作製する際に用いられてよい。例として、使い捨てオムツ、生理用ナプキン、ベッドパッド、包帯、外科用ドレープ、テープ、ラベル、可塑性シート、不織布シート、紙シート、厚紙、書物、フィルタ、またはパッケージが挙げられる。
【0044】
なお別の態様において、本発明は、積層体を作製する方法であって:第1基材を第1方向に供給するステップ;該第1基材から離間した第2基材を該第1方向に供給するステップ;接着剤組成物を該基材の一方または両方に適用するステップ;および該基材を一緒に圧縮して積層体を形成するステップを含む方法を提供する。
【0045】
エラストマー積層体が望ましいとき、該方法は、接着剤適用の前、間または後に伸張された、該第1および第2基材間の1種または複数種のエラストマー基材を該第1方向に供給する追加のステップ;ならびに一緒に基材を圧縮する前に、該エラストマー基材のいずれかまたは該基材の一方もしくは両方のいずれかに接着剤組成物を適用する追加のステップを含む。エラストマー基材は、好ましくは、それぞれが初期の緩和された状態から最大で500%まで伸張されている複数の弾性ストランドである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
粘着付与樹脂は、本明細書において定義されているように、分子であっても巨大な分子であってもよく、一般には、ホットメルト接着剤組成物の接着を一般に向上させる天然源もしくは化学プロセスまたはこれらの組み合わせからの、化学化合物または一般的なポリマーと比較してかなり低い分子量のポリマーであり得る。
【0047】
本発明のホットメルト接着剤組成物はまた、OBCコポリマーと相溶性である固体の粘着付与剤を含む。代表的な樹脂として、C/C炭化水素樹脂、合成ポリテルペン、ロジン、ロジンエステル、天然テルペンなどが挙げられる。より詳細には、有用な粘着付与樹脂として、あらゆる相溶性樹脂またはこれらの混合物、例えば、(1)ガムロジン、木材ロジン、トールオイルロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量体化ロジン、および重合ロジンを含めた天然および修飾ロジン;(2)淡色の木材ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、およびロジンのフェノール修飾ペンタエリスリトールエステルを含めた天然および修飾ロジンのグリセロールおよびペンタエリスリトールエステル;(3)天然テルペンのコポリマーおよびターポリマー、例えば、スチレン/テルペンおよびルファメチルスチレン/テルペン;(4)中程度に低い温度においてフリーデルクラフツ触媒の存在下にテルペン炭化水素、例えば、ピレンとして公知の二環式モノテルペンの重合から一般に得られるポリテルペン樹脂;水素化ポリテルペン樹脂も含まれる;(5)フェノール修飾テルペン樹脂およびこれらの水素化誘導体、例えば、酸性媒体における二環式テルペンおよびフェノールの縮合から得られる樹脂生成物;(6)オレフィンおよびジオレフィンから主としてなるモノマーの重合から得られる脂肪族石油炭化水素樹脂;水素化脂肪族石油炭化水素樹脂も含まれる;ならびに(7)環式石油炭化水素樹脂およびこれらの水素化誘導体が挙げられる。先に記載した粘着付与樹脂の2種以上の混合物が、いくつかの配合物に必要とされ得る。環式または非環式C樹脂および芳香族修飾非環式または環式樹脂も含まれる。
【0048】
粘着付与樹脂は、少なくとも約95℃、好ましくは約95℃〜約140℃の間の環球式軟化点(ASTM E28によって測定される)を有するべきであり、最も好ましくは、軟化点は、約95℃〜約115℃の間である。好ましい粘着付与剤は、約100℃〜115℃の間の環球式軟化点を有する水素化芳香族修飾ジシクロペンタジエン樹脂である。最も好ましい粘着付与樹脂は、脂肪族または脂環式炭化水素樹脂のような種類に関わらず完全水素化樹脂、例えば、Eastotac(登録商標)H100W、またはSukorez(登録商標)SU210、純粋な芳香族モノマー樹脂、例えば、Regalrez1094、および芳香族分を有さないDCPD(ジシクロペンタジエン)樹脂、例えば、Escorez5400である。
【0049】
また、他の好ましい粘着付与樹脂は、部分水素化脂肪族炭化水素樹脂、例えば、Eastotac H100LおよびEastotac H100R、ならびに低い芳香族性を有する非水素化脂肪族C5樹脂および芳香族修飾C5樹脂、例えば、それぞれPiccotac1095およびPiccotac9095である。
【0050】
粘着付与剤は、OBCブロックコポリマーの量よりも多い量で接着剤組成物中に一般に存在する。この範囲内では、約10〜70重量%、好ましくは約40〜65重量%の量の組成物が利用され、最も好ましくは約50〜60重量%である。2種以上の粘着付与樹脂のブレンドが用いられてもよい。例えば、第1粘着付与樹脂と、第1粘着付与樹脂とは異なる第2粘着付与樹脂とのブレンドが使用されてもよい。約0重量%〜約65重量%の1種以上の追加の粘着付与樹脂が、所望により第1粘着付与樹脂と一緒にブレンドされてよい。
【0051】
本発明によるホットメルト接着剤配合物に用いられる一次ポリマー構成要素は、オレフィンブロックコポリマー(OBC)である。
【0052】
「オレフィンブロックコポリマー」またはOBCは、ポリオレフィンの分野におけるより最近の開発である。これは、チーグラーナッタまたは従来のメタロセン技術によって生成されるランダムポリマーよりもむしろ線状ブロック構成のモノマーを生成する鎖シャトリング触媒作用技術を用いて生成される全体として新規のクラスのポリオレフィンポリマーである。ここで、これらは、Infuse(登録商標)の商品名でDow Chemicalによって製造されている。OBCは、高いコモノマー分および低いガラス転移温度を有する非晶質エチレン−オクテンブロック(軟質)と交互になっている非常に低いコモノマー分および高い溶融温度を有する結晶化可能なエチレン−オクテンブロック(硬質)からなる。これは、同様の密度の典型的なメタロセンランダムポリマーと比較して、かなり良好な高温耐性および弾性をポリマーに与える。これらのポリマーは、Dow Chemical Coに譲渡されているWO2006/101966およびその他に記載されている。
【0053】
オレフィンブロックコポリマーは、非晶質ポリ−アルファ−オレフィンとみなされるべきではない、なぜなら、該ポリマーの構造は、完全に異なり(すなわち、ブロック対ランダム)、結晶性領域を有するように特定的に生成されるためである。加えて、OBCは、DSC(Differential Scanning Calorimetry)によって測定される溶融プロファイルに影響する、他の従来的に用いられているオレフィン、例えばAPAOよりも、多分散度が著しく狭い。これは、全体の高温耐性に影響することなく、改善された熱間粘着性、接着、および低温柔軟性を有するホットメルト接着剤を提供する、OBCの狭い多分散度と組み合わせた、これらの構成的差異である。
【0054】
OBCコポリマーは、約5重量%〜約50重量%、好ましくは約10重量%〜約30重量%、最も好ましくは約12重量%〜約20重量%の量で組成物に組み込まれていてよい。オレフィンブロックコポリマー(OBC)は、硬質(高度に剛性)および軟質(高度にエラストマー性)セグメントの交互のブロックを有するポリオレフィンである。OBCのブロック構成は、ランダムポリオレフィンコポリマーと比較して柔軟性およびスプレー性の有利な性能バランスを付与する。OBCは、以下のような密度および重量%の結晶化度をベースとして区別可能な種々のグレードで、商品名「Infuse(登録商標)」でDow Chemical Companyから市販されている:
【表1】

OBCは、当該分野において周知である。合成および物性の詳細は、例えば、WO2006/101966、WO2006/102016、WO2006/102150、WO2009/029476および米国特許第7,524,911号において見出すことができ、これらの開示内容は、参照により本明細書に特定的に組み込まれる。当該分野において公知であるように、OBCの密度は、その結晶化度に直接関係する、すなわち、密度が高いほど結晶化度の百分率が高い。本ホットメルト接着剤組成物において有用なOBCは、0.860g/cm〜0.900g/cmの範囲の密度、および2.16kg重量によって190℃でASTM D1238にしたがって測定されるとき1g/10分〜1000g/10分、好ましくは1g/10分〜100g/10分のメルトインデックスを有する。
【0055】
2種以上のOBCポリマーのブレンドが用いられてもよい。例えば、第1OBCポリマーおよび第1OBCとは異なる第2OBCのブレンドが使用されてよい。
【0056】
OBCに加えて、ホットメルト接着剤組成物もまた、約1%〜約40%、好ましくは約2重量%〜約35重量%、最も好ましくは約2重量%〜約30重量%の、比較的低い結晶化度を有する二次ポリマーも含み、低い結晶化度とは、250ジュール/グラム以下、好ましくは150ジュール/グラム以下、より好ましくは100ジュール/グラム以下(J/g)である。いくつかの実施形態において、結晶化度は、約80J/g以下であり、他の実施形態では約50J/g以下、さらに他の実施形態では約25J/gである。したがって、二次ポリマーは、本明細書において先に議論した非晶質ポリ−アルファ−オレフィン(APAO)および結晶性または半結晶性ポリマーの両方を包含する。二次ポリマーは、OBC、第1および第2粘着付与樹脂、ならびに強化樹脂とは異なるポリマーである。例えば、二次ポリマーは、基材、例えば、ポリエチレンに対する接着強度に著しく影響することなく、組成物の比較的低い粘度を維持する機能を有し得る。
【0057】
用語「二次ポリマー」は、本明細書において用いられるとき、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーおよび/またはホモポリマー、コポリマー、もしくはターポリマーのブレンドから構成される熱可塑性材料を称する。所望される配合物に応じて、結晶化度が250J/g未満である限り、単一の二次ポリマーが用いられ得るか、または2種以上の二次ポリマーの混合物が、接着剤組成物内に組み込まれ得るかのいずれかである。
【0058】
種々の周知の容易に入手可能ないずれの熱可塑性材料が接着剤組成物における二次ポリマーとして用いられてもよい。かかる材料の例として、エチレン酢酸ビニル、エチレンアクリレート、エチレンメタクリレート、エチレンメチルアクリレート、エチレンメチルメタクリレート、ターポリマー中のエチレン−スチレン(ESI)、エチレンアクリル酸、エチレン酢酸ビニル一酸化炭素、およびエチレンN−ブチルアクリレート一酸化炭素を含めたエチレン系ポリマー;ポリブテン−1ポリマーまたはコポリマー;ポリオレフィン、例えば、高および低密度ポリエチレン;ポリエチレンブレンドおよび化学修飾ポリエチレン、エチレンおよびC〜Cモノ−またはジ−不飽和モノマーのコポリマー;ポリアミド;ポリブタジエンゴム;ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレート;熱可塑性ポリカーボネート;非晶質ポリアルファオレフィン(APAO);アタクチックポリプロピレン、ポリビニルメチルエーテルおよびその他を含めたアタクチックポリアルファオレフィン;熱可塑性ポリアクリルアミド、例えば、ポリアクリロニトリル、ならびにアクリロニトリルおよび他のモノマー、例えば、ブタジエンスチレンのコポリマー;ポリメチルペンテン;ポリフェニレンスルフィド;芳香族ポリウレタン;ポリビニルアルコールおよびこれらのコポリマー;ポリ酢酸ビニルおよびこれらのランダムコポリマー;スチレン−アクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンエラストマー、A−B、A−B−A、A−(B−A)−B、(A−B)−Yブロックコポリマー、ここで、Aブロックは、ポリビニル芳香族ブロック、例えば、ポリスチレンを含み、Bブロックは、ポリイソプレンまたはポリブタジエンであってよく、場合により水素化されていてよいゴム製の中間ブロックを含み、Yは、多価化合物を含み、nは、少なくとも3の整数であり、該物質の混合物を含む;が挙げられる。これらの後者のブロックコポリマーの例として、スチレン−ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンおよびスチレン−エチレン−エチレン−プロピエン−スチレンが挙げられる。
【0059】
ブロックコポリマーは、Kraton Polymers、Enichem、FinaおよびDexcoから入手可能である。マルチブロックまたはテーパ付ブロックコポリマー(A−(B−A)−B型)は、Firestoneから入手可能である。
【0060】
用いられ得る他の二次ポリマーは、シンジオタクチックポリプロピレン(SPP)ポリマーおよび/またはSPPと非晶質アタクチックポリ−α−オレフィン(APAO)とのブレンドであり、これらは全て当該分野において周知である。SPPポリマーは、本質的に高分子量の立体特異性プロピレンホモポリマーまたはプロピレンと他のα−オレフィンモノマー、例えば、エチレン、ブテン−1もしくはヘキセン−1とのコポリマーである。APAOポリマーは、本質的に非晶質の低分子ホモポリマーまたはプロピレンもしくはエチレンとアルファ−オレフィンコモノマーとのコポリマーのファミリーである。
【0061】
二次ポリマーを含む熱可塑性ポリマー材料は、ポリオレフィン、アクリル修飾ポリオレフィン、酢酸ビニル修飾ポリオレフィン、およびアクリルポリマーから好ましくは選択される熱可塑性材料または熱可塑性材料のブレンドから構成されていてよい。ポリオレフィンは、ポリプロピレンであってもポリエチレンであってもよい。アクリル修飾ポリオレフィンは、ポリプロピレンまたはポリエチレンとアクリルとのコポリマーであってよい。同様に、酢酸ビニル修飾ポリオレフィンは、ポリプロピレンまたはポリエチレンと酢酸ビニルとのコポリマーであってよい。
【0062】
二次ポリマーを含む熱可塑性ポリマー材料は、好ましくは、主要重量部のエチレンおよび少量重量部のC〜C18アルファ−オレフィンコモノマーを含む好適な単一部位もしくはメタロセン触媒化エチレン−系コポリマー、または主要重量部のプロピレンおよび少量重量部のC〜C18アルファ−オレフィンコモノマーを含む単一部位もしくはメタロセン触媒化プロピレン−系コポリマー、またはエチレン系コポリマー、プロピレン系コポリマー、もしくはエチレン系コポリマーと1種以上のプロピレン系コポリマーとのブレンドである。アルファ−オレフィンコモノマーは、3〜12個の炭素原子を好ましくは含有し、4〜10個の炭素原子をより好ましくは含有し、4〜8個の炭素原子を最も好ましくは含有する。より詳細には、アルファ−オレフィンコモノマーは、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ドデセン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、および1−デセンから選択されてよい。特に好ましくは、1−ブテン、またはエチレンと共に重合された1−オクテンコポリマーである。
【0063】
エチレン系コポリマー中のアルファ−オレフィンコモノマー分は、少なくとも20重量%、20重量%〜50重量%の範囲、好ましくは25重量%〜50重量%の範囲、より好ましくは30重量%〜50重量%の範囲である。好適なエチレン系コポリマーは、ASTM D−792によって測定されるとき、0.90g/cm以下、0.90g/cm〜0.85g/cm、好ましくは0.89g/cm〜0.85g/cmの間、最も好ましくは0.885g/cm〜0.85g/cmの間の範囲の密度を有する。好適なエチレン系コポリマーはまた、ASTM D1238によって測定されるとき、190℃および2.16kgで、10g/10分を超える、好ましくは50g/10分を超える、より好ましくは100g/10分を超えるメルトインデックスも有する。
【0064】
プロピレン系コポリマー中のアルファ−オレフィンコモノマー分は、少なくとも5%、好ましくは5重量%〜30重量%、最も好ましくは5重量%〜15重量%であり、好ましいコポリマーは、プロピレン−エチレンコポリマーである。プロピレン系コポリマーは、10g/10分を超える、好ましくは50g/10分を超える、より好ましくは100g/10分を超えるメルトインデックス(230℃で測定される)を有する。
【0065】
「ブレンド」は、2種以上のエチレン系コポリマーもしくは2種以上のプロピレン系コポリマー、または1種以上のプロピレン系コポリマーとの1種以上のエチレン系コポリマーを含んでいてよい。コポリマーのブレンドが用いられるとき、ブレンドの算出された密度はまた、上記の限界内、すなわち、0.900g/cm未満であるが0.850g/cmを超える範囲内にもあるべきである。例えば、0.870g/cmの密度を有する70%のエチレン系コポリマーと、0.885g/cmの密度を有する30%のプロピレン系コポリマーとのブレンドは、0.875g/cmの算出密度を有する最終のブレンドを結果として生ずる。
【0066】
有用な単一部位またはメタロセン触媒化エチレン系ポリマーは、とりわけ、単一部位または制約された幾何形状の触媒化ポリエチレンの生産者であるDow Chemical CompanyおよびExxon Mobil Chemical Companyから入手可能である。これらの樹脂は、AFFINITY(商標)およびEXACT(商標)ポリエチレンとして市販されている。
【0067】
単一部位またはメタロセン触媒化プロピレン系コポリマーは、Dow Chemical CompanyからのVERSIFY(商標)ブランドで入手可能である。かかるポリプロピレンの製造はまた、メタロセンまたは単一部位触媒系を用いることもベースとしており、DowのINSITE(商標)技術をベースとしている。
【0068】
二次ポリマーは、特定のポリマー機能を修飾して、所望に応じてOBC系接着剤組成物の特定の物性および/または特性を修飾する機能を有する。例えば、1種以上の二次ポリマーの添加を用いて、(i)接着剤組成物の弾性;(ii)接着剤組成物の接着;(iii)接着剤組成物の低温耐性;(iv)接着剤組成物の高温耐性;(v)接着剤組成物のクリープ抵抗;(vi)接着剤組成物の凝集強度;(vii)接着剤組成物の感圧特性、(viii)接着剤組成物の粘度特性および/または(ix)接着剤組成物の熟成特性を増加または減少させることができる。上記特性の相対変化(増加または減少)は、二次ポリマーを添加することなく接着剤組成物に対して測定される。したがって、例えば、Kraton G1652またはKraton G1657は、いずれもがスチレン/エチレン−ブチレン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマーであり、添加されて、OBCポリマーに増加した伸長特性を与え、接着剤組成物の弾性を増加させることができる。増加した弾性は、接着剤組成物のより良好なスプレー特性を結果として生ずる。別の例において、Eastoflex1003またはEastoflex1060は、いずれもエチレン系APAOであり、添加されて、所望により、組成物に増加した接着特性を与えることができる。
【0069】
本発明は、約0重量%〜約20重量%、好ましくは約2重量%〜約15重量%、より好ましくは約4重量%〜約12重量%、最も好ましくは約6重量%〜約10重量%の、115°C以下の軟化点を有する芳香族強化樹脂を含んでいてもよい。かかる強化樹脂の例は、重合可能な不飽和基を有するいずれの実質的に芳香族のモノマーから調製されてもよい。かかる芳香族モノマーの典型的な例として、スチレンモノマー、スチレン、アルファメチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、クマロン、インデンおよびメチルインデンを含めたインデンモノマーが挙げられる。芳香族強化樹脂の環球式軟化点は、好ましくは115℃〜160℃の間である。より好ましくは、軟化点は、約115℃〜140℃、最も好ましくは約120℃〜140℃の間である。好ましい例は、Eastman Chemicalから入手可能なPlastolyn240、Plastolyn290およびPlastolynR1140である。これらは、120℃〜140℃の環球式軟化点を有する。
【0070】
本明細書において用いられるとき、用語「弾性」は、材料が、変形力が除去された後に元の形状を部分的または完全に回復する能力である。
【0071】
本明細書において用いられるとき、用語「接着」は、2つの表面が原子価力もしくは連動作用または両方の組み合わせであり得る界面張力によって一緒に保持されている状態を意味する。
【0072】
本明細書において用いられるとき、用語「低温耐性」は、比較的低い温度(すなわち、室温未満)で接着強度および構成的一体性を保持する接着剤の相対能力を意味する。
【0073】
本明細書において用いられるとき、用語「高温耐性」は、高温(例えば、体温または倉庫条件)で接着強度および構成的一体性を保持する接着剤の相対能力を意味する。
【0074】
本明細書において用いられるとき、用語「クリープ抵抗」は、大幅なずれがない代わりに伸張された弾性ストランドを保持する接着剤の能力を意味する。
【0075】
本明細書において用いられるとき、用語「凝集強度」は、変形に抵抗する材料の内部強度の程度を意味する。凝集強度を決定する種々の方法、例えば、Instron型の引張試験機を用いた引張試験方法が存在する。
【0076】
本明細書において用いられるとき、用語「感圧性」は、圧力のみを用いて基材に接着を形成する接着剤の能力を意味する。
【0077】
OBCは、一次ポリマー構成要素であるが、接着剤組成物はまた、OBCと約1重量%〜約15重量%の別の補助ポリマーとのブレンドを場合により含有してもよい。ホットメルト接着剤組成物においてOBCと共に用いられてよいこれらの後者の補助ポリマーの例として、限定されないが、スチレンブロックコポリマー(SBC)が挙げられ、スチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン−ブチレン(SEB)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブタジエン−スチレン(SBBS)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−シトレン(SEEPS)およびスチレン−エチレンプロピレン(SEP)が挙げられる。かかるポリマーは、例えば、Kraton Polymers、Polimeri Europa、Total Petrochemicals、Dexco、およびKurarayから入手可能である。マルチブロックまたはテーパ付ブロックコポリマー(A−(B−A)−B型)は、Firestoneから入手可能である。また、ホットメルト接着剤の補助ポリマー画分は、エテン、プロペンもしくは他のオレフィンモノマーのコポリマーのような、アクリルモノマーの共重合のような他のポリマーを含有することができる。これらの追加のポリマーは、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよく、グラフト化または鎖切断のような重合修飾の間または後のいずれによっても潜在的に修飾され得る。種々の補助ポリマーのブレンドもまた、組成物が本発明の所望される粘度、クリープ抵抗および低温適用特性を保持する限り使用されてもよい。
【0078】
本発明によるホットメルト接着剤配合物はまた、約0重量%〜約60重量%、好ましくは約2重量%〜約30重量%、より好ましくは約3重量%〜約20重量%の任意の可塑剤も含有する。好適な可塑剤は、有用な可塑化油、例えば、鉱油だけでなく、オレフィンオリゴマーおよび低分子ポリマー、安息香酸グリコール、さらには植物および動物油ならびにかかる油の誘導体も含む群から選択されてよい。使用され得る石油誘導油は、少ない割合でのみ芳香族炭化水素を含有する比較的高い沸点の材料である。これに関して、芳香族炭化水素は、好ましくは30重量%未満、より詳細には15重量%未満の油であるべきである。代替的には、該油は、全体的に非芳香族性であってよい。オリゴマーは、約100〜約10,000g/molの間の平均分子量を有するポリプロピレン、ポリブテン、水素化ポリイソプレン、水素化ブタジエンなどであってよい。好適な植物および動物油として、有用な脂肪酸のグリセロールエステルおよびこれらの重合生成物が挙げられる。好適な相溶性を有する他の可塑剤が用いられてよい。Nyflex222Bは、Nynas Corporationによって製造されているナフテン鉱油であり、適切な可塑剤であることが見出されている。認識されるように、可塑剤は、接着剤強度および/または接着剤の使用温度を実質的に低減させることなく、接着剤組成物全体の粘度を低下させるのに典型的には使用されてきた。可塑剤の選択は、特定の最終用途(例えば、湿潤強度コアの適用)のための配合物において有用であり得る。製造および材料コストに関与する経済的側面から、可塑剤は、ポリマーおよび粘着付与樹脂のような、配合物に含まれる他の材料よりも低いコストを通常は有するため、接着剤中の可塑剤の量は、コストの考慮から最大にされるべきである。
【0079】
0重量%〜20重量%の量のワックスが接着剤組成物に用いられてもよく、接着剤接着特性をかなり低減させることなく、ホットメルト構造接着剤の溶融粘度を低減するのに用いられる。これらのワックスもまた、温度性能に影響することなく組成物の開放時間を低減するのに用いられる。
【0080】
接着剤のワックス材料構成要素は、場合によるが含まれている場合、接着剤組成物の最大で約20重量%を構成していてよい。
【0081】
有用なワックス材料の中で以下:
【0082】
(1)ASTM法D−1321によって測定されるときに約0.1〜120の硬度値、および約66℃〜120℃のASTM軟化点を有する、低分子量、すなわち、100〜6000g/molのポリエチレン;
【0083】
(2)石油ワックス、例えば、約130〜170°Fの融点を有するパラフィンワックス、および約135〜200°Fの融点を有する微結晶ワックス(後者の融点は、ASTM法D127−60によって測定される);
【0084】
(3)約120〜160℃の環球式軟化点を有するアタクチックポリプロピレン;
【0085】
(4)名称「Licocene」でClariantによって商業化されているもののようなメタロセン触媒化プロピレン系ワックス;
【0086】
(5)例えば米国特許第4,914,253号、同第6,319,979号またはWO97/33921もしくはWO98/03603に記載されているもののようなメタロセン触媒化ワックスまたは単一部位触媒化ワックス;
【0087】
(6)一酸化炭素および水素を重合することによって作製される合成ワックス、例えば、フィッシャートロプスワックス;ならびに
【0088】
(7)ポリオレフィンワックス。本明細書において用いられるとき、用語「ポリオレフィンワックス」は、オレフィンモノマー単位から構成されるこれらのポリマーまたは長鎖要素を称する。これらの材料は、商品名「Epolene」でWestlake Chemical Co.から市販されている。本発明の組成物において用いるのに好ましい材料は、200°F〜350°Fの環球式軟化点を有する。理解されるべきであるように、これらのワックスのそれぞれは、室温で固体である。他の有用な物質として、水素化された動物、魚、および植物油脂、例えば、水素化された獣油、ラード、ダイズ油、綿実油、ヒマシ油、ニシン油、タラ肝油などが挙げられ、これらは、水素化されているという理由から周囲温度で固体であり、ワックス材料等価物として機能するという点で有用であることも見出されている。これらの水素化された材料は、接着剤業界において「動物または植物ワックス」としばしば称される。
【0089】
接着剤はまた、約0.1%〜約5%の安定剤または酸化防止剤も典型的には含む。本発明のホットメルト接着剤組成物において有用である安定剤は、接着剤の製造および適用の間に、ならびに最終製品の周囲環境への通常の暴露において一般的には生じる熱的および酸化的分解の影響から上記のポリマーおよびこれによる接着剤系全体を保護することを助けるために組み込まれる。かかる分解は、接着剤の外見、物性および性能特性によって通常は顕在化される。特に好ましい酸化防止剤は、Ciba−Geigyによって製造されているIrganox1010、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−teri−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート))メタンである。適用可能な安定剤の中で、高分子量のヒンダードフェノールおよび多官能性フェノール、例えば、硫黄およびリン含有フェノールである。ヒンダードフェノールは、当業者に周知であり、そのフェノールヒドロキシル基にごく近接して立体的に嵩高いラジカルも含有するフェノール化合物と特徴付けられ得る。特に、tert−ブチル基は、フェノールヒドロキシル基に対して少なくとも1個のオルト位においてベンゼン環上で一般に置換されている。ヒドロキシル基近傍におけるこれらの立体的に嵩高い置換されたラジカルの存在は、伸張振動数を低下させ、したがってその反応性を低下させる働きをし;この立体障害がこれによりフェノール化合物に安定化特性を与える。代表的なヒンダードフェノールとして以下が挙げられる:
【0090】
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3−5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン;
【0091】
テトラキス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ペンタエリスリトール;
【0092】
n−オクタデシル−3(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;
【0093】
4,4’−メチレンビス(4−メチル−6−tertブチルフェノール);
【0094】
4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール);
【0095】
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;
【0096】
6−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2,4−ビス(n−オシチルチオ)−1,3,5−トリアジン;
【0097】
2,4,6−トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル−フェノキシ)−1,3,5−トリアジン;
【0098】
ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート;
【0099】
2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;および
【0100】
ヘキサ−(3,3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオン酸ソルビトール。
【0101】
これらの安定剤の性能は、(1)共力剤、例えば、チオジプロピオネートエステルおよびホスファイト;ならびに(2)キレート剤および金属不活性化剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、その塩、およびジサリチラルプロピレンジイミンと併せて利用することによってさらに向上され得る。
【0102】
本発明の方法において有用な接着剤組成物は、当該分野において公知のいずれの技術を用いても製造され得る。手順の代表的な例は、回転子を備えたジャケット付混合ケトル、好ましくはBaker−PerkinsまたはDay型のジャケット付の高耐久性混合器に全ての物質を入れ、その後、この混合物の温度を120℃〜177℃の範囲に上昇させることを含む。このステップにおいて用いられる正確な温度が、特定の成分の融点に依ることが理解されるべきである。得られた接着剤組成物は、ポリマーが完全に溶解するまで振とうされる。次いで真空が適用されて、いずれの封入空気も除去する。
【0103】
特定の物性を修飾するために最大で25%の場合による添加剤が接着剤組成物に組み込まれてよい。これらの添加剤として、着色剤、例えば、二酸化チタンおよび充填剤、例えば、タルク、炭酸カルシウムおよびクレイ、架橋剤、核形成剤、反応性化合物、難燃性の無機または有機剤、ならびに紫外光(UV)吸収剤およびUV蛍光剤を挙げることができる。これらの場合による添加剤は、この分野において周知である。
【0104】
一定の実施形態において、接着剤配合物は、完全に芳香族または実質的に完全に芳香族の強化樹脂を含有していてよい。芳香族または実質的に完全に芳香族の樹脂は、115℃以上の軟化点を有するべきである。かかる強化樹脂の例は、重合可能な不飽和基を有するいずれの実質的に芳香族のモノマーから調製されてもよい。かかる芳香族モノマーの典型的な例として、スチレンモノマー、スチレン、アルファメチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレンなど、クマロン、インデンおよびメチルインデンを含めたインデンモノマーが挙げられる。芳香族末端ブロック樹脂の環球式軟化点は、好ましくは115〜160℃の間である。より好ましくは、軟化点は、約115〜140℃の間、最も好ましくは約120℃〜140℃の間である。2種の好ましい例は、Eastman chemicalから入手可能なPlastolyn240およびPlastolyn290である。これらは、それぞれ120℃および140℃の環球式軟化点を有する。好ましくは、スチレンおよび/もしくはアルファ−メチル−スチレンならびに/またはビニルトルエンモノマーが用いられる。これらはまた、実質的に完全に水素化された芳香族炭化水素樹脂、例えば、140℃の環球式軟化点を有するPlastolyn R1140であってもよい。強化樹脂は、存在する場合には、約0%〜約20%、好ましくは約2%〜約15%の間、より好ましくは約4%〜約12%、最も好ましくは約6%〜約10%の量で接着剤組成物中に存在すべきである。
【0105】
種々の方法は、非常に低い粘度で基材にホットメルト接着剤をコートするのに常套的に用いられる。これは、ロールコーティングもしくはあらゆる印刷タイプの方法によって、またはスロットコーティングによって、押出によって、またはスプレーガンによって作製され得る。スプレーガン技術は、非常に多く、接着剤スプレー、結果として接着剤パターンを成型する圧縮空気の助けによりまたはこれによらずになされ得る。ホットメルト接着剤材料は、タンクにおいて一般に溶融され、次いでホースを経て基材上の最終的なコーティングスポットまでポンピングされる。
【0106】
スプレー適用によって接着剤を適用する方法が本発明に好ましく、最も好ましくは空気によって補助される。これらの技術の中で、最も一般的であるのはスパイラルスプレー(NordsonによるControlled Fiberization(商標))、NordsonによるSummit(商標)、NordsonによるSurewrap(商標)、ITWによるOmega(商標)、NordsonによるCurtain Coating(商標)、および種々の溶融ブロープロセスである。本発明では、ホットメルト接着剤が適用される温度は、感熱基材が損傷されないように、170℃未満であるべきである。好ましくは、この温度は、160℃以下、最も好ましくは150℃以下であるべきである。
【0107】
接着剤材料の粘度(ASTM D3236−88を介して測定される)は、所望のスプレーパターン、結果として所望の接着性能(注記:1mPa.sは、1センチポイズに等しい)を達成するために、163℃(325°F)で測定されたときに一般には20,000mPa.s未満、より好ましくは15,000mPa.s未満、最も好ましくは12,000mPa.s未満である必要がある。ライン速度、付加レベルならびに開放時間、設定時間、圧縮力および圧縮時間もまた、プロセス制御パラメータである。
【0108】
オムツ製造プロセスの環境において弾性ストランドを接着する例を考慮すると、典型的な条件は、接着剤の特徴に関して非常に厳しい。接着剤は、ポリマーフィルム(通常、エチレン系またはプロピレン系、40gsmの基準重量ので)、または初期の緩和された状態から最大で500%まで、好ましくは約300%の伸長で伸張された弾性ストランドのいずれかに典型的にはスプレーされる。フィルムおよび弾性ストランドは、接着剤スプレーの前、間、または後に一緒に接触される。次いで、フィルムが、伸張された弾性ストランドと一緒に低い基準重量(50gsmで)の不織布ウエブに積層される。実際、一次基材は、不織布ウエブであってもよく、このウエブが接着剤によって簡単にスプレーされて、次いで弾性ストランド上に折り畳まれるとき、第2ウエブ基材と同じであってもよい。可塑性フィルムは、例えば、通気性、色彩、印刷、伸張性、エンボス加工、または表面処理のような種々の特徴を有して、接着剤またはインクからの接着を好み得る。弾性ストランドは、天然または合成ゴムから、特殊なポリウレタン配合物から作製され得、ストリップ形態であっても、多繊維形態であってもよい。より特定的には、オムツ構造のための弾性ストランドは、InvistaからのLycra(商標)もしくはLycra XA(商標)、またはFulflex ElastomericsからのFulflex(商標)のような天然もしくは合成ゴムの狭帯域から作製された狭帯域のような、正しいエラストマー強度を得るのに一緒に接着されたポリエステルポリウレタン微小繊維から通常は作製される。
【0109】
ライン速度は、700フィート/分以上と高くてよく、開放時間は、典型的には約0.5秒未満である。設定時間は、ニップロール内への圧縮が、接着剤材料を設定することを通常助けるため、即時またはごく僅かとみなされる。付加レベルは、適用および所要の接着強度レベルに応じて変動する。本発明の接着剤の粘度は、163℃(325°F)で20,000mPa.s以下である。好ましくは、該粘度は、Brookfield Thermocelまたは他の適切な粘度計を使用し、ASTM法D3236−88に記載されている試験技術を利用することによって測定されるとき、15,000mPa.s未満、より好ましくは12,000mPa.s未満であるべきである。
【0110】
本発明は、したがって、最先端において公知である常套の弾性付着技術のあらゆるプロセスも包含する。本発明はまた、ストランド、フィルム、不織布の形態またはあらゆる他の連続もしくは別個の形態のオムツのような品目に導入されている不織布材料、ポリマーフィルム、および一般にはエラストマー構成要素のような種々の材料が関与し得るあらゆる適用も包含する。あらゆる基材材料およびあらゆる基材形態が、あらゆる可能な組み合わせにおいて用いられ得、接着剤は、2つ以上の基材を一緒に接着させる。基材の形態は、例えば、ファイバ、フィルム、スレッド、ストリップ、リボン、コーティング、ホイル、シート、およびバンドであり得る。基材の材料は、ポリオレフィン、ポリアクリル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、または木材、厚紙および紙のようなセルロースであり得る。基材の機械的挙動は、剛性、可塑性またはエラストマー性であり得る。エラストマー性材料の中でも、天然もしくは合成ゴム、ポリウレタン系コポリマー、ポリエーテルもしくはポリエステルウレタン、スチレンもしくはアミドのブロックコポリマー、またはオレフィンコポリマーのような種々の例がある。上記リストは、限定的ではなく、本発明が包含し得ることの例を記載することが意図されているだけである。
【0111】
本発明は、積層体、複合体および使い捨て製品が、接着剤接着から良好な凝集を得て、特に、クリープ条件下に、低温、周囲温度または高温で機械的応力に耐えながら、170℃未満、好ましくは150℃以下の温度で用いられるホットメルト接着剤と一緒に部品を接着させるのを助けることによって作製される、あらゆる適用を包含する。オムツ、成人失禁予防製品、生理用ナプキンおよび他の吸収性の使い捨て製品は、ベッドパッド、吸収パッド、外科用ドレープおよび他の関係する医療または外科装置と同様に、本発明に関して想定される適用であり得る。構造適用、構成適用または包装適用、特に、使い捨て品目の包装および食品包装もまた、本発明が有用である適用であり得る。特定的に、弾性付着用では、本発明は、170℃未満、好ましくは160℃以下の温度で接着剤を適用しながらフィルム基材への弾性ストランドの接着を可能にする。接着強度は、主に、特定のクリープ構成下で接着を試験し、赤ん坊の運動が積層体を室温または体温で伸張する使い捨てのオムツの実際のライフサイクルで遭遇される制約のモデルを与えることによって測定される。クリープ試験法は、業界の間で変動する可能性があり、本出願人は、ある1種の接着剤がコートされて積層された構成を一旦形成したときに該接着剤が効果的な弾性付着機能に好適であるか否かを決定することで、該分野に見られる大部分の適用を満足しかつ接着剤を互いに比較し識別することができる特有の試験方法を長年にわたって開発してきた。クリープ試験は、コーティング操作後1日以内に実施されて、また、数日または数週間後に高温で実施されて、貯蔵および発送条件下での熟成効果をシミュレートすることができる。
【0112】
オムツ適用の弾性付着に良好な性能は、クリープ試験が、接着剤が基材に適用された後2日以内に行われるとき(初期クリープ試験)に、初期接着保持が60%超、好ましくは70%超、より好ましくは75%超、最も好ましくは80%超であるときに典型的には得られる。これらの条件は、クリープ条件下での、達成され得る接着および接着保持レベルの指標である。これらの条件は、スパイラルスプレーまたはSurewrap(登録商標)のような用いられる接着剤適用技術に依り、例えば;接着剤付加レベルに;空気圧、ライン速度および接着剤温度のようなプロセスパラメータに依る。製造および材料コストに関与する経済的側面から、スパイラルスプレー適用に好ましい接着剤付加は、18gsm未満、より好ましくは15gsm以下、最も好ましくは12gsm以下である。個々のストランドコーティング技術が用いられるとき、付加レベルは、60mg/ストランド/メートル未満である。構造適用では、付加レベルは、典型的には6グラム/平方メートル以下である。他の適用では、付加レベルは、特定の最終用途要件に応じて変動する。
実施例
【0113】
ホットメルト接着剤を、本明細書にて以下に記載する成分および混合手順により調製した。それぞれ合計2000グラムを作製し、モータにより駆動されるプロペラ;加熱マントル;温度コントロールユニット;および約1ガロンのサイズの容器からなる実験室タイプの混合機内で、二酸化炭素雰囲気下、約150℃〜190℃で混合を行った。以下の表に示した比にしたがって算出した適量の各構成要素を、成分の加熱および剪断分解を制限しながら、混合を可能にする適切な順序で容器に添加した。容器内の成分を完全に溶融させ、完全に混合して、良好な目視均一性を可能にした後、サンプルを適切に貯蔵して試験した。
【0114】
積層された試料は、高速実験室コーターを800フィート/分で用いることにより形成した。スパイラルスプレー技術を用いるときには、コーターに、Nordson Corporationから入手可能な、12個の空気穴を有する常套の0.018インチから0020インチの直径のスパイラルスプレー押出ノズルを適合させた。Surewrap(登録商標)技術を用いるときには、コーターに、Nordson Corporationから入手可能な3ストランドの0.018インチの直径の押出ノズルを適合させた。種々の開放時間−典型的には0.05〜0.1秒で、所要の適用に応じて種々のコーティング重量で接着剤をスプレーした。
【0115】
標準ポリプロピレン系のスパン接着不織布ウエブは、15.7グラム/平方メートルのコーティング重量でBBA Corporationから入手可能である。標準ポリエチレンの、非通気性処理されエンボス加工された、17グラム/平方メートルの白色フィルムは、Clopay Corporationから商品名DH−216で入手可能である。標準のスパンデックスストランドは、Invistaから商標Lycra XAで入手可能であり、用いられるグレードは、800decitexで262Pである。
【0116】
スパイラルスプレーを用いるとき、スプレーヘッドは、一般に、基材に垂直に、0.5〜1インチの間の高さであり、積層された構成に12〜14mm幅のパターンを取得し、それらの間にある、5mmを有するLycra材料の3つの平行ストランドを被覆する。
【0117】
弾性ストランドを含有する積層された試料を用いてクリープ抵抗試験または接着保持試験を行う。試料を、約350mmの長さに切断し、完全に伸張し、その端部を剛性基板片にしっかりと付着させる。300mmの長さを機械方向にマークし、弾性ストランドを該マークで切断する。次いで、試料を、38℃で空気循環オーブンに置く。これらの条件下、伸張した弾性ストランドは、一定の間隔で縮み得または収縮し得る。各弾性ストランドの端部間の距離を4時間後に測定する。最終長さ対初期長さの比は、接着保持と定義されて百分率(%)で表され、接着剤が弾性ストランドを保持する能力の尺度である。この比を、8〜12本の弾性ストランドについて測定し、次いで、結果を平均する。この試験は、接着剤コーティングがなされた後2日以内に実施されるとき、初期クリープ試験と称される。この試験は、コーティング操作の後1週間、試料を38℃以上のオーブンに置いた後に実施されるとき、1週間熟成クリープ試験と称される。
【0118】
クリープ試験を実施するための手順は以下の通りである:
背景:一定の伸長(250%または300%伸張)における弾性体を、接着剤を用いて2種(2)の基材(一次および二次基材)間に挟持して、積層体を形成する。
目的:この試験は、一次および二次基材からの弾性体の移動すなわち「クリープ」を測定することである。
手順:
A.ホチキスを用いて、積層体の一方の端部を波形の基板に固定する。積層体を、積層を確実に過剰伸張しないようにしながら、完全伸長まで伸張する。次いで、積層体の他方の端部を固定する。
B.ルーラを用いて、弾性体を横切っておよそ300mmの長さでマークする。
C.全てのサンプルを固定してマークしたら、弾性体のストランドのそれぞれを横切ってカミソリで切断する。
D.試験サンプルを通常38℃に設定されたオーブン内に置き、試験する。サンプルを4時間後にチェックするべきである。各弾性ストランドの端部をマークし、クリープ保持(%)またはクリープ(%)を測定する。
E.積層体サンプルを高温(>38℃)で1週間(またはこれより長く)熟成して、クリープ保持(%)を経時的に測定する。積層体を試験前に室温で一晩中調整する。
数値計算例:
初期の積層体=300mm
4時間後の積層体=250mm
クリープ保持(%)=x時間後の積層の長さ×100%
初期の積層の長さ
クリープ保持(%)=250mm×100%
300mm
クリープ保持(%)=83.0%
貯蔵モジュラス(G’)、TgおよびTxoverを、TA Instruments Aresレオメータを用いて測定した。用いた平行なプレートは、25ミリメートルの直径および1.6ミリメートルのギャップを有した。機器を10rads/secの周波数に設定し、温度掃引を140℃から−40℃まで実施した。
【0119】
剥離強度を、Instron引張試験機において室温(すなわち約72°F)で12インチ/分のクロスヘッド速度にて180°で測定した。
【0120】
実施例に示し本明細書において記載されている種々の組成物において用いた原材料を以下に定義する:

【表2】



【0121】
「APAO」は、本明細書において用いられるとき、「非晶質ポリアルファオレフィン」の略号である。
【0122】
「HC」は、本明細書において用いられるとき、「炭化水素」の略号である。
【0123】
「OBC」は、本明細書において用いられるとき、「オレフィンブロックコポリマー」の略号である。
【0124】
「SB」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−ブタジエン」の略号である。
【0125】
「SI」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−イソプレン」の略号である。
【0126】
「SIBS」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン」の略号である。
【0127】
「SEBS」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン」の略号である。
【0128】
「SEB」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−エチレン−ブチレン」の略号である。
【0129】
「SEP」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−エチレン−プロピレン」の略号である。
【0130】
「SEEPS」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン」の略号である。
【0131】
「EVA」は、本明細書において用いられるとき、「エチレン酢酸ビニル」の略号である。
【0132】
「SIS」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−イソプレン−スチレン」の略号である。
【0133】
「SBS」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−ブタジエン−スチレン」の略号である。
【0134】
「SEPS」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン」の略号である。
【0135】
「SBBS」は、本明細書において用いられるとき、「スチレン−ブタジエン−ブタジエン−スチレン」の略号である。
【0136】
「SPP」は、本明細書において用いられるとき、「シンジオタクチックポリプロピレン」の略号である。
【0137】
本発明を以下に記載の特定的な例によってさらに説明する。
実施例1
【0138】
表1は、より低い密度グレードのOBC(Infuse(商標)9807)を用いて本発明にしたがって調製された4種の異なる組成物を示し、これらを、二次ポリマー(45−B)を含有しない組成物および弾性付着適用のためにBostik Inc.から入手可能な市販されているSBS系ホットメルト接着剤(H4237)と比較する。表1は、付加された接着剤がスパイラルスプレー構成において12グラム/メートル(gsm)であるときの、記載されている組成物の初期クリープ抵抗の結果を示す。表1は、配合物45−Bが適正でないクリープ抵抗を有することを実証する一方で、配合物50−G、50−H、50−Iおよび50−Kは全て適したクリープ抵抗を有するが、H4237に匹敵する。これらの結果から、配合物50−G、50−H、50−Iおよび50−Kが、本発明が記載している要件を満たすのに好適であることが明らかである。
【表3】

実施例2
【0139】
表2は、より高い密度グレードのOBC(Infuse(商標)9817)を用いて本発明にしたがって調製された6種の異なる組成物を示し、これらを、弾性付着適用のためにBostik Inc.から入手可能な市販されているSBS系ホットメルト接着剤(H4237)と比較する。表2はまた、付加された接着剤がスパイラルスプレー構成において12gsmであるときの表2に記載の組成物の初期クリープ試験結果も示す。表2は、配合物AI、AJ、AK、AM、50−Nおよび50−Oが全て適正なクリープ抵抗を有し、H4237に匹敵することを実証している。これらの結果から、配合物AI、AJ、AK、AM、50−Nおよび50−Oが、本発明が記載している要件を満たすのに好適であることが明らかである。
【表4】

実施例3
【0140】
表3および3Aは、弾性付着適用のためにBostik Inc.から入手可能な市販されているSBS系ホットメルト接着剤(H4237)と比較した、異なるポリマーブレンドを含有する、本発明にしたがって調製された多くの異なる組成物(WO2006/102150からの従来技術の組成物である50N−26、50N−27および50N−28ならびに二次ポリマーを有さない50N−9を除く)を示す。表3および3Aはまた、付加された接着剤がスパイラルスプレー構成において12gsmであるときの表3および3Aに記載されている組成物の初期クリープ保持(%)を示す。これらの結果から、配合物(3種の従来技術の組成物および上記の50N−9を除く)が、本発明が記載している要件を満たすのに好適であることが明らかである。加えて、例50N−9、50N−11および50N−12は、二次ポリマーの量がそれぞれ0%から11%から20%に増加するにしたがい、クリープ保持もまた増加することが明らかである。
【表5】

【表6】

実施例4
【0141】
表4は、ポリエチレン(PE)フィルムおよび不織布(NW)基材を用いた構造適用に用いたときの、4gsmの付加された接着剤を有する5種の異なる組成物(42−J−A、42−J−B、42−J−C、110および100−A)の初期および1週間後の剥離強度を示す。これらの5種の配合物を、OBCを含有するが二次ポリマーを含有しない3種の異なる組成物(42、42−Fおよび42−J)、ならびに弾性付着適用のためにBostik Inc.から入手可能な市販されているSBS系ホットメルト接着剤(H4073)と比較する。これらの結果から、配合物42−J−A、42−J−B、42−J−C、110および100−Aが、本発明が記載している要件を満たすのに好適であることが明らかである、なぜならこれらは全て適正な剥離強度を有してH4073に匹敵するが、配合物42、42−Fおよび42−Jは所望の粘度よりも高い粘度を有し、したがって、構造適用に好適でない。
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構成要素:
約5重量%〜約50重量%のオレフィンブロックコポリマー;
約10重量%〜約70重量%の、少なくとも約95℃の軟化点を有する第1粘着付与樹脂;
約0重量%〜約65重量%の、第1粘着付与樹脂と異なる第2粘着付与樹脂;
約0重量%〜約60重量%の可塑剤;および
約0重量%〜約20重量%の、115℃以上の軟化点を有する芳香族強化樹脂;
約1重量%〜約40重量%の、比較的低い結晶化度を有する二次ポリマー、ここで低い結晶化度とは、250ジュール/グラム以下であり、オレフィンブロックコポリマー、第1および第2粘着付与樹脂、ならびに強化樹脂とは異なる二次ポリマー;ならびに
約0.1%〜約5%の安定剤;
のブレンドを含むホットメルト接着剤組成物であって、構成要素は合計で組成物の100重量%となり、組成物の粘度は、163℃で約20,000mPa.s以下である、組成物。
【請求項2】
SB、SI、SIS、SBS、EVA、SEB、SEEPS、SIBS、SEBS、SEP、SEPS、SBBSおよびこれらのブレンドからなる群から選択される、約1重量%〜約25重量%の補助ポリマーをさらに含み、該補助ポリマーが、オレフィンブロックコポリマー、第1および第2粘着付与樹脂、強化樹脂、および二次ポリマーとは異なるポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
約10重量%〜約30重量%の前記オレフィンブロックコポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
約12重量%〜約20重量%の前記オレフィンブロックコポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
約2重量%〜約30重量%の前記可塑剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記第1粘着付与樹脂が、約95℃〜約140℃の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
163℃で15,000mPa.s以下の粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
163℃で12,000mPa.s以下の粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
約2%〜約15%の前記芳香族強化樹脂を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
芳香族強化樹脂が、純粋なモノマー重合からの生成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
芳香族強化樹脂が、約115℃〜約160℃の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
芳香族強化樹脂が、約115℃〜約140℃の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
芳香族強化樹脂が、約120℃〜約140℃の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
約40重量%〜約65重量%の前記第1粘着付与樹脂を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
約50重量%〜約60重量%の前記第1粘着付与樹脂を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも約60%の初期接着保持を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
少なくとも約70%の初期接着保持を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
少なくとも約80%の初期接着保持を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記二次ポリマーが、150ジュール/グラム以下の結晶化度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記二次ポリマーが、100ジュール/グラム以下の結晶化度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
約2重量%〜約30重量%の前記二次ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
第1粘着付与樹脂が、脂肪族炭化水素樹脂およびこれらの水素化誘導体、水素化脂環式炭化水素樹脂、芳香族修飾脂肪族または水素化脂環式炭化水素樹脂、脂肪族修飾芳香族炭化水素樹脂、部分または完全水素化芳香族炭化水素樹脂、ならびにポリテルペンおよびスチレン化ポリテルペン樹脂からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記可塑剤が、鉱油および液体ポリブテンからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
石油ワックス、微結晶ワックス、低分子ポリエチレンおよびポリプロピレン、ならびに合成ワックスおよびポリオレフィンワックスからなる群から選択されるワックスをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
不織布材料の第1層、不織布材料の第2層、ならびに該第1および第2不織布層間に配置され、請求項1に記載の接着剤組成物と一緒に接着された1種または複数種のエラストマー基材を含む弾性積層体。
【請求項26】
前記1種または複数種のエラストマー基材が、弾性ストランドである、請求項25に記載の弾性積層体。
【請求項27】
不織布材料の第1層、フィルム材料の第2層、ならびに該第1および第2層間に配置され、請求項1に記載の接着剤組成物と一緒に接着された1種または複数種のエラストマー基材を含む弾性積層体。
【請求項28】
前記フィルムが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレンコポリマーフィルムまたは布様のコートされたフィルム材料を含む、請求項27に記載の弾性積層体。
【請求項29】
前記1種または複数種のエラストマー基材が、弾性ストランドである、請求項27に記載の弾性積層体。請求項27に記載の弾性積層体。
【請求項30】
請求項1に記載の接着剤組成物によってフィルム材料の第2層に接着された不織布材料の第1層を含む積層体。
【請求項31】
前記フィルム材料が、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレンコポリマーフィルムまたは布様のコートされたフィルム材料を含む、請求項30に記載の積層体。
【請求項32】
請求項1に記載の接着剤組成物を含む物品。
【請求項33】
使い捨てオムツ、生理用ナプキン、ベッドパッド、包帯、外科用ドレープ、テープ、ラベル、可塑性シート、不織布シート、紙シート、厚紙、書物、フィルタ、またはパッケージを含む、請求項32に記載の物品。
【請求項34】
弾性積層体を作製する方法であって:
第1基材を第1方向に供給するステップ;
該第1基材から離間した第2基材を該第1方向に供給するステップ;
接着剤適用の前、間または後に伸張された、該第1および第2基材間の1種または複数種のエラストマー基材を該第1方向に供給するステップ;
該エラストマー基材のいずれかまたは該基材の一方もしくは両方に請求項1に記載の接着剤組成物を適用するステップ;ならびに
該基材を一緒に圧縮して該弾性積層体を形成するステップ
を含む方法。
【請求項35】
前記1種または複数種のエラストマー基材が、前記第1方向に伸張された弾性ストランドである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1または第2基材が、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレンコポリマーフィルムもしくは布様のコートされたフィルム材料、または不織布材料を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記エラストマー基材が、初期の緩和された状態から最大で500%まで伸張されている、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記接着剤が、ファイバの形態で連続的または断続的に適用される、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記接着剤が、ビーズ、ドット、またはフィルムの形態で連続的または断続的に適用される、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
積層体を作製する方法であって:
第1基材を第1方向に供給するステップ;
該第1基材から離間した第2基材を該第1方向に供給するステップ;
請求項1に記載の接着剤組成物を該基材の一方または両方に適用するステップ;および
該基材を一緒に圧縮して該積層体を形成するステップ
を含む方法。
【請求項41】
前記第1または第2基材が、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−プロピレンコポリマーフィルムもしくは布様のコートされたフィルム材料、または不織布材料を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1および第2基材の少なくとも一方が、天然のエラストマーである、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記接着剤が、ファイバの形態で連続的または断続的に適用される、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記接着剤が、ビーズ、ドット、またはフィルムの形態で連続的または断続的に適用される、請求項40に記載の方法。

【公表番号】特表2013−500359(P2013−500359A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521849(P2012−521849)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/043119
【国際公開番号】WO2011/011729
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(510180393)ボスティック,インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】