説明

オレフィンブロック重合体の製造方法

【課題】高い生産性で、セグメントの数や分子量がより精密に制御されたブロックポリマーを製造する方法を提供すること。
【解決手段】炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを、少なくとも下記(I)および(II)を含む複数のステップで重合することを特徴とするブロック重合体の製造方法;
(I)第一のオレフィン重合触媒(PC1)および可逆的連鎖移動剤(C)の存在下に前記オレフィン(M1)を重合するステップ、
(II)同等の重合条件下で触媒(PC1)によって調製される重合体とは化学的性質又は物理的性質が異なる重合体を調製可能な第二のオレフィン重合触媒(PC2)および可逆的連鎖移動剤(C)の存在下に前記オレフィン(M2)を重合するステップ。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを、少なくとも下記(I)および(II)を含む複数のステップで重合することを特徴とするオレフィンブロック重合体の製造方法;
(I)第一のオレフィン重合触媒(PC1)および可逆的連鎖移動剤(C)の存在下に前記オレフィン(M1)を重合するステップ、
(II)同等の重合条件下で触媒(PC1)によって調製される重合体とは化学的性質又は物理的性質が異なる重合体を調製可能な第二のオレフィン重合触媒(PC2)および可逆的連鎖移動剤(C)の存在下に前記オレフィン(M2)を重合するステップ。
【請求項2】
前記第一のオレフィン重合触媒(PC1)および第二のオレフィン重合触媒(PC2)が、それぞれ独立に、元素周期律表第3〜11族(3族にはランタノイドおよびアクチノイドも含まれる)から選ばれる遷移金属化合物(A)を含むことを特徴とする請求項1に記載のオレフィンブロック重合体の製造方法。
【請求項3】
前記遷移金属化合物(A)が、下記一般式(1)から選ばれる遷移金属化合物であることを特徴とする請求項2に記載のオレフィンブロック重合体の製造方法。
【化1】

(式(1)中、Mは元素周期律表3〜11族(3族にはランタノイドおよびアクチノイドも含まれる)から選ばれる遷移金属原子を表し、Lは窒素含有基、リン含有基、酸素含有基、イオウ含有基、セレン含有基およびシクロペンタジエニル環構造を有する基からなる群から選ばれる結合基を1つ以上含有し、該結合基を介して遷移金属原子Mと共有結合、イオン結合または配位結合で結合する単座または多座配位子を表し、aは配位子Lの数を表す1〜3の整数であり、aが2または3のときはそれぞれのLは同一でも異なっていても良く、また複数のLが炭化水素基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、酸素含有基、イオウ含有基および窒素含有基からなる群から選ばれる1つ以上の架橋基を介して相互に結合していても良く、Xは水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ハロゲン含有基およびヘテロ環式化合物残基からなる群から選ばれる原子または基を表し、bはXの数を表す0〜3の整数であり、bが2または3のときはそれぞれのXは同一でも異なっていても良く、また複数のXが互いに結合して環を形成していても良く、Yは電子供与性基を有する中性配位子を表し、cはYの数を表す0〜3の整数であり、cが2または3のときはそれぞれのYは同一でも異なっていても良く、また複数のYが互いに結合して環を形成していても良い。)
【請求項4】
前記第一のオレフィン重合触媒(PC1)および第二のオレフィン重合触媒(PC2)が、それぞれ独立に、下記一般式(2)および(3)からなる群から選ばれる1つ以上の遷移金属化合物(A)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィンブロック重合体の製造方法。
【化2】

(式(2)中、M、X、a、bはそれぞれ請求項3に記載の式(1)と同様のものを表し、Qは窒素原子または置換基R2を有する炭素原子を表し、Gは酸素原子、イオウ原子、
セレン原子または置換基R5を有する窒素原子を表し、R1は1個以上のヘテロ原子を有する炭化水素基またはヘテロ原子含有基を1個以上有する炭化水素基を表し、R2〜R5は互いに同一でも異なっていても良く、炭化水素基、ハロゲン原子、水素原子、炭化水素置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基からなる群から選ばれる原子または基を表し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していても良く、aが2または3のときはR1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士は互いに同一でも異なっていても良く、いずれか1つの配
位子に含まれるR2〜R5のうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR2〜R5のうちの1個の基とが連結されていても良い。)
【化3】

(式(3)中、M、X、bはそれぞれ請求項3に記載の式(1)と同様のものを表し、R6は水素以外に1〜30個の原子を含有する炭化水素基を表し、Tは水素以外に1〜40
個の原子を含有する二価の架橋基を表し、Zはルイス塩基官能性を有する炭素原子数5〜40のヘテロアリール基、またはその二価の誘導体を表す。)
【請求項5】
前記ステップ(I)を実施した後、重合系に第二のオレフィン重合触媒(PC2)を添加することにより前記ステップ(II)を実施することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィンブロック重合体の製造方法。
【請求項6】
前記ステップ(I)を実施した後、第一のオレフィン重合触媒(PC1)の活性を低下させる手段を含むステップ(X)を実施し、その後前記ステップ(II)を実施することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィンブロック重合体の製造方法。
【請求項7】
前記ステップ(X)における活性を低下させる手段が、加熱処理であることを特徴とする請求項6に記載のオレフィンブロック重合体の製造方法。
【請求項8】
オレフィンの1種として少なくともエチレンを用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のオレフィンブロック重合体の製造方法。
【請求項9】
前記ステップ(I)におけるオレフィン(M1)と前記ステップ(II)におけるオレフィン(M2)とが、異なる種類のオレフィンまたは異なる組成の2種以上のオレフィンであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のオレフィンブロック重合体の製造
方法。
【請求項10】
前記可逆的連鎖移動剤(C)が、有機アルミニウム化合物または有機亜鉛化合物であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のオレフィンブロック重合体の製造方法。
【請求項11】
前記可逆的連鎖移動剤(C)が、トリエチルアルミニウムまたはジエチル亜鉛であることを特徴とする請求項10に記載のオレフィンブロック重合体の製造方法。
【請求項12】
前記オレフィン重合触媒(PC1)および/または(PC2)が、遷移金属化合物(A)と共に、
(B−1)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B−2)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)を含むことを特徴とする請求項1〜11に記載のオレフィンブロック重合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−126557(P2010−126557A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299971(P2008−299971)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】