説明

オレフィン重合のための様々な直径を有するループ型反応器

20〜150℃ではあるが、形成しようとするポリマーの融点は下回っている温度で且つ5〜100バールの圧力で、ループ型反応器において、少なくとも1種のオレフィンモノマーを重合させる方法であって、その場合、形成されたポリマーは、液体懸濁媒体中懸濁液又は超臨界懸濁媒体中懸濁液の中に存在し、そして、この懸濁液は、軸流ポンプによって循環され、また、該ループ型反応器が、支配的な反応器管直径を基準として少なくとも10%だけ直径が変化する環状反応器管を含み、そしてまた、該軸流ポンプの領域以外の他の領域において少なくとも1つの拡大及び狭窄が存在する前記方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、20〜150℃ではあるが、形成しようとするポリマーの融点は下回っている温度で、且つ5〜100バールの圧力で、ループ型反応器において、少なくとも1種のオレフィンモノマーを重合させる方法に関する。その場合、形成されたポリマーは、液体懸濁媒体中懸濁液又は超臨界懸濁媒体中懸濁液の中に存在し、また、この懸濁液は、軸流ポンプによって循環される。
【0002】
更に、本発明は、環状反応器管と、軸流ポンプ、特に、重合混合物を運搬するためのインペラポンプとを含む、オレフィンモノマーを重合させるためのループ型反応器を提供する。
【0003】
オレフィンを重合させるための懸濁重合法は以前から公知であった。重合がループ型反応器で実行される懸濁重合は、特に、通常は更なるコモノマーと一緒にエチレンを重合させるのに特に有用であることを見出した。前記ループ型反応器では、重合混合物は、環状反応器管中で連続的にポンピングされる。ポンピングされた循環流は、まず最初に、反応混合物の連続混合を達成し、また、反応混合物中に、計量された触媒及び供給モノマーを分配する。第二に、ポンピングされた循環流は、懸濁されたポリマーの沈降を防止する。
反応器壁を介する反応熱の除去も、ポンピングされた循環流によって促進される。
【0004】
ポリマーは、一般的に、沈降脚において、ループ反応器から不連続に放出される。これらの沈降脚は、反応器管の下部から垂直に分岐していて、且つその中でポリマー粒子が沈殿する突起である。ポリマーの沈降が特定のポイントに達したら、沈降脚の下端の弁が短時間開口され、沈降したポリマーは断続的に放出される。
【0005】
ループ型反応器は生産目的のために長年使用されてきたことから、これらの反応器の経済学及びそこで実行される重合法の改善には多くの努力がなされてきた。前記方法の空時収量の増加は、特に望ましい。空時収量は、特に、反応器壁を介する反応熱の除去によって、また、反応懸濁液のポリマー含量によって制限される。反応器中の固体の比率が増加すると、特に、ポリマーの放出が更に効果的になり、また、反応器中におけるポリマーの平均滞留時間も長くなる。
【0006】
US−A−第6,239,235号は、反応器中の平均固体比率の増加が連続放出システムによって達成される、ループ型反応器における重合法を説明している。この連続放出システムでは、反応器中において53重量%の平均固体比率が達成されるが、従来の不連続放出では、45重量%の平均固体濃度が達成されるのみである。従来の教示にしたがって、その文書では、可変反応器直径については言及しておらず;逆に、緩やかな曲線によって、乱れのない流れが達成されると言っている。インペラポンプの領域においてのみ、明らかにインペラ構造のために、反応管直径の小さな拡大があるようである。また、この文書で説明されている方法にも、反応器の固体濃度に関して不満な点がある。また、その文書では、一般的に、懸濁液重合法において37〜40重量%を超えるポリマー固体濃度を達成できないという現在の支配的な見方も立証している。
【0007】
ループ型反応器においてより高い固体濃度及びより高い空時収量を可能にする、前記ループ型反応器においてオレフィンモノマーを重合させる方法を見出すことは本発明の目的である。
【0008】
この目的は、使用されるループ型反応器が、直径が反応器管の支配的な直径を基準として少なくとも10%だけ変化し、また、その場合、軸流ポンプの領域以外の他の領域において少なくとも1つの拡大及び狭窄が存在する環状反応器管を含むとき、初めに記載した方法によって達成されることを見出した。
【0009】
更に、20〜150℃ではあるが、形成しようとするポリマーの融点は下回っている温度で且つ5〜100バールの圧力で、ループ型反応器において、少なくとも1種のオレフィンモノマーを重合させる方法を見出した。前記方法では、重合は、反応器の内容物の総質量を基準として、53重量%超の反応器中平均固体濃度で行われる。
【0010】
達成可能な固体濃度は、生成物の放出が連続的であるか不連続的であるかに左右され得る。更に、20〜150℃ではあるが、形成しようとするポリマーの融点は下回っている温度で且つ5〜100バールの圧力で、ループ型反応器において、少なくとも1種のオレフィンモノマーを重合させる方法を見出した。前記方法では、重合は、連続生成物放出の場合、反応器の内容物の総質量を基準として53重量%超の反応器中平均固体濃度で行われ、また、不連続生成物放出の場合は、反応器の内容物の総質量を基準として45重量%超の反応器中平均固体濃度で行われる。
【0011】
更に、環状反応器管と、軸流ポンプ、好ましくは、重合混合物を運搬するためのインペラポンプとを含み、そして該環状反応器管の直径が、支配的な反応器管直径を基準として少なくとも10%だけ変化し、そしてまた、該軸流ポンプの領域以外の他の領域において少なくとも1つの拡大及び狭窄が存在する、オレフィンモノマーを重合させるための新規なループ型反応器を見出した。
【0012】
本発明の方法は、様々なオレフィンモノマー、特にエチレン、プロピレン及び1−ブテン又はこれらのモノマーの混合物を重合させるのに適する。コモノマーとして追加のモノマーを、例えば更なるα−オレフィン、例えば1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン又は1−デセンを使用することも可能である。
【0013】
特に好ましくは、エチレンをモノマーとして使用し、そして、3〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種のα−オレフィン、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンをコモノマーとして使用する方法である。コモノマーの量は、コモノマーに関する特定の触媒の混和挙動(incorporation behavior)に左右され、またコポリマーの望ましい密度にも左右される。ポリマー中に混和されるコモノマーが多いほど、コポリマーの密度は低くなる。当業者は、それを考慮して、モノマー対コモノマーの比率を容易に設定できる。
【0014】
触媒が許される場合、ビニル芳香族コモノマー、例えばスチレン、又は極性コモノマー、例えばビニルアセテート、ビニルアルコール、アクリル酸若しくはアクリル酸エステルを重合させることもできる。環状モノマー、例えばノルボルネン、及びジエン、例えばブタジエン、1,5−ヘキサジエン又は1,7−オクタジエンもコモノマーとして使用できる。
【0015】
本発明の重合法は、有利には、20〜150℃、好ましくは50〜110℃で行うことができ、前記温度範囲の上限は、形成しようとするポリマーの融点を基準として反応温度において設定される。
【0016】
反応圧力は、通常は5〜100バールであり、好ましくは10〜80バールである。
低い圧力は一般的に低い空時収量と関連があり、一方、高い圧力は、より多くの設備投資が必要であり、圧縮のためにより多くのエネルギーコストが掛かる。一般的に、20〜50バールの反応圧力において、装置コストと反応収率との良好な妥協点が得られる。超臨界プロパンのような超臨界懸濁媒体が使用されるとき、技術的な観点から、臨界圧を超えるより高い圧力が適していることがある。
【0017】
本発明方法のための適当な懸濁媒体は、ループ型反応器で使用される一般的に公知の全ての媒体である。懸濁媒体は、不活性であるべきであり、また、反応条件下で液体又は超臨界であるべきであり、また、生成物混合物からの出発原料の蒸留による回収を可能にするために、使用されるモノマー及びコモノマーの沸点とは有意に異なる沸点を有しているべきである。従来の懸濁媒体は、例えばイソブタン、ブタン、プロパン、イソペンタン、ペンタン及びヘキサンである。
【0018】
本発明方法の重要な特徴は、高いエチレン濃度で重合させることができる点である。反応器中における固体の比率(本明細書の文脈では単に「反応器密度」とも呼ぶ)が高いと、それに対応して反応器中の懸濁媒体の比率が低下する。一般的に、懸濁媒体の体積が小さければ小さいほど、反応器中のエチレンの量も低下し、その結果としてポリマーの形成も減少する。対照的に、本発明の方法は、懸濁媒体中のエチレン濃度を増加させるので、高い反応器密度でも、より多くのポリマー形成及びより速い重合速度を達成することができる。
【0019】
而して、本発明方法の好ましい態様では、懸濁媒体を基準として少なくとも10モル%のエチレン濃度で重合が行われる。
而して、懸濁媒体を基準として15モル%のエチレン濃度、また17モル%のエチレン濃度も、本発明方法で達成された。
【0020】
この文脈では、用語「懸濁媒体」とは、使用される懸濁媒体(例えばイソブタン)を単に指しているのではなく、その中に溶解されたモノマーを有する懸濁媒体の混合物を指している。エチレン濃度は、懸濁媒体のガスクロマトグラフィー分析によって容易に測定できる。
【0021】
初めに言及したように、ループ型反応器の技術は以前から公知であった。一般的に、これらの反応器は、反応熱を取り除くための冷却ジャケットによって取り囲まれている1つ以上の上行セグメント及び1つ以上の下行セグメントを有する環状反応器管と、垂直セグメントを接続する水平管とから基本的に成る。更に下の管セクションは、通常は、軸流ポンプ、特にインペラポンプと、触媒とモノマーのための供給設備と、及び放出デバイス、すなわち一般的には沈降脚とを収容している。しかしながら、反応器は、蛇行配列が得られるように、3つ以上の垂直管セクションも有することができる。
【0022】
本発明は、反応器の内容物の総質量を基準として53重量%超の固体濃度で、ループ型反応器中で懸濁液重合法を実行することができ、而して、ループ型反応器の生産能力を増加させることができる。これらの高い固体濃度は、様々な手段によって達成できる。
【0023】
本発明の一つの態様では、高い固体濃度は、支配的な反応器管直径を基準として10%超だけ変えられる環状反応器管直径によって達成される。構造に必要とされる軸流ポンプの領域における反応器管の拡大は、本明細書で特に考察すべきことではない。なぜならば、前記の拡大は、第一に反応管中に軸流ポンプを収容するのに役立ち、また、いかなる場合でも、非常に乱れた流れが、この領域で頻繁に起こるからである。むしろ、本発明は、一般的な意見に反して、特にインペラポンプが使用される場合、軸流ポンプの領域の外側でも、反応管の領域における重合混合物の緩やかな不均一流によって反応器中の固体濃度を増加させることが可能であるという観察結果に基づいている。この効果は、不均一反応混合物の更に効果的な混合に基づくものであると考えられるが、この仮説に束縛されることは望まない。特に、供給されるモノマー、例えばエチレンは、明らかに反応混合物中により迅速に分散され、懸濁媒体中により迅速に溶解され、そして、重合のためになおいっそう利用できる。流れの妨害は、流れ方向に対して直角な動き、すなわち冷却された反応器壁の方向における動き(均一なプラグ流の場合には極めて限られた程度でのみ起こる)を増加させるので、反応熱の除去も促進されると考えられる。
【0024】
この所望の方法で流動状態に影響を及ぼすことができるように、反応管直径は、特定の程度まで変えられるべきである。反応器の直径は、反応器管の支配的な直径を基準として少なくとも10%変化するべきである。本発明の目的のために、反応器管の支配的な直径とは、反応器管の最も長い伸びにわたって一定である管直径である。管直径は、好ましくは、少なくとも20%だけ、より良好には少なくとも30%、そして、非常に特に好ましくは少なくとも50%だけ変化すべきである。
【0025】
流れ方向における反応器管直径の円錐形の拡大は、約0.5〜10°、好ましくは0.5〜1.5°のテーパー角度を有しているべきであり、また、支配的な管直径から狭まっていく管直径の狭窄におけるテーパー角度は、約0.5〜10°、好ましくは1〜3°であるべきである。
【0026】
拡大管直径を有するセクションの長さは、好ましくは、支配的な管直径の2〜30倍、特に好ましくは5〜15倍である。
本発明方法の好ましい態様では、軸流ポンプの領域において、反応管の追加の拡大及び狭窄も存在する。上記したように、構造に必要とされる前記の拡大は既に公知である。しかしながら、本発明によるこれらの拡大の効果は、反応管を更に拡大させることによって、そしてまた、おそらくは、構造上必要とされる長さに比べてより長いセクションにわたって拡大を延長させることによっても増大させることができる。
【0027】
反応器中の固体濃度を増加させることができる本発明の効果は、とりわけ、反応混合物におけるモノマーのより良好な混合に基づくものであると考えられる。この発明の効果は、モノマー、例えばエチレンを、反応管に沿った様々なポイントで供給することによって強化できることを見出した。而して、本発明方法の有利な態様は、反応器管に沿って少なくとも2つのポイントで少なくとも1種のオレフィンモノマーを供給することを含む。例えば反応器管に沿って3つ又は4つのポイントでモノマーを供給すると有利であることが見出された。これらの供給ポイントは、反応器管に沿って一様に提供することができ、また、供給ポイントは、いずれの場合でも、生成物放出領域の前にある最後の垂直セグメントの領域にではなく、反応器管の拡大の上流に配置すると有利である。
【0028】
本発明の好ましい態様において反応器の固体濃度を更に増加させるために、反応器は、WO第04/26463号にて説明されているように、主経路とは異なった移動時間を有する別の経路により主ループの2つの点の間を連結している1つ以上のバイパス・ラインを具備することができ、且つ/又は内部で再循環を行うように改変された軸流ポンプを具備することができ、且つ/又は循環しているスラリーの均一性を改善する混合要素を具備することができる。
【0029】
反応器中の固体濃度を増加させるために、連続放出システムも有用であり得ることは、US−A−第6,239,235号により公知である。この手段は、本発明の方法と組み合わせることができる。而して、本発明は、形成されたポリマーを反応器から連続的に放出する上記方法も提供する。
【0030】
本発明によって要求される反応器における高い固体濃度は、既に示したように、上記手段によって達成できる。特に好ましくは、重合が、反応器の内容物の総質量を基準として53重量%超の反応器中平均固体濃度で行われる方法である。この固体濃度は、好ましくは55重量%超であり、より好ましくは58重量%超であり、特に好ましくは60重量%超である。実施例に示すように、62重量%超の固体濃度を達成できる。本発明の目的のために、平均固体濃度は、反応管中の固体濃度である。はるかに高い固体濃度が、沈降に起因して、連続又は不連続にかかわらず、放出システムで観察できる。
【0031】
高い固体濃度は、ポリマー生成物を連続放出しなくても、本発明によって提供される手段によって達成できる。而して、本発明方法の一つの変法は、不連続な仕方で、反応器から形成されたポリマーを放出する工程、及び反応器の内容物の総質量を基準として45重量%超の反応器中平均固体濃度で重合を行う工程を含む。これらの条件下では、反応器中の固体濃度は、好ましくは50重量%超であり、特に好ましくは55重量%超である。
【0032】
本発明の方法は、一段法で運転することができるが、また、更なる重合反応器を使用して本発明の方法を組み合わせることによって、多段式のカスケード法として行うことができる。而して、本発明方法の一つの態様は、ループ型反応器で少なくとも1種のオレフィンモノマーを重合させる方法であって、その場合、このループ型反応器での重合は、ループ型反応器又は気相反応器での少なくとも1つの更なる重合工程によって先行されるか又は続行される。本発明に特有の特徴ではない前記カスケード法は、例えばEP−A−第517 868号及び US−A−第6 355 741号に記載されている。
【0033】
反応管における懸濁流の上記妨害とは別に、反応器密度は、他の手段によっても、例えば特に適する触媒を選択することによっても、影響を受け得る。
本発明方法での使用に適する触媒は、原則として、ループ型反応器でも使用される全ての触媒、すなわち、例えば、フィリップスタイプのクロム触媒、チーグラー触媒、チーグラー・ナッタ触媒、又はシングルサイト触媒、例えばメタロセン触媒である。フィリップス触媒は、特にループ型反応器において広範囲に使用されており、また、本発明の方法においても特に有利に使用できる。これらの触媒の中では、特に好ましくは、特許出願WO−第01/18069号、WO−第01/17675号、WO−第01/17676号、WO−第01/90204号に記載されている触媒である。
【0034】
また、本発明は、環状反応器管と、軸流ポンプ、特に、重合混合物を運搬するためのインペラポンプとを含み、そして、該環状反応器管の直径が、主たる反応器管直径を基準として少なくとも10%だけ変化し、そしてまた、該軸流ポンプの領域以外の他の領域において少なくとも1つの拡大及び狭窄が存在する、オレフィンモノマーを重合させるためのループ型反応器も提供する。特に好ましくは、反応器管中へモノマーを供給するための設備が少なくとも2つのポイントに配置されているループ型反応器である。
【0035】
図1は、本発明の反応器の要素を例示している。図は、反応器が、曲げ管によって互いに連結されている2つの上行セグメント(1)及び 2つの下行セグメント(2)を有していることを示している。エチレンは、ライン(3)を経て懸濁媒体入口(4)に供給され、この場合は2つのポイントで反応器に入る。重合生成物は沈降脚(5)に沈殿し、反応器から不連続的に放出される。反応懸濁液は、インペラ(6)によって循環され混合される。領域(7)は拡大管直径を有する領域を示しており、そして領域(8)は支配的な管直径を有する領域を示している。
【0036】
(実施例)
実施例
活性化工程までの触媒の調製は、WO第01/90204号に記載されている方法で行った。活性化は、流動床活性化剤中で、空気の存在下、650℃で行った。弗化物のドーピングは、活性化において、2.5重量%のヘキサフルオロケイ酸アンモニウムを有する触媒前駆体(触媒の総質量を基準として約1重量%の弗化物含量)の混合物を使用して行った。活性化のために、この混合物を、1時間、350℃に加熱して、その温度で1時間保ち、更に、望ましい活性化温度650℃に加熱して、その温度で2時間保ち、そして、N下で350℃未満の温度まで冷却した。
【0037】
重合:
0.18mの反応器容積及び図1の幾何学的形状を有するループ型反応器において、上記触媒を使用して、39バールの圧力及び104℃でエチレンを1−ヘキセンと共重合させた。エチレンは、2つのポイント(その1つはインペラの直前)で反応器に供給した。イソブタンは、懸濁媒体として使用した。イソブタンは、インペラポンプシャフトの領域及び触媒が導入される場所を含む6つのポイントで反応器中に供給した。インペラポンプは、毎分1700〜1900回転で動作させた。生成物は、従来の沈降脚を介して不連続的に放出した。重合は様々なわずかに異なるエチレン/イソブタン比で行ったが、得られた生成物は、常に、約0.949g/ccmの密度及び約6.0のハイロードメルトインデックス(21.6/190)を有していた。反応器の内容物の総質量を基準として62重量%を超える反応器密度が達成された。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のループ型反応器の要素を例示している図である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
20〜150℃ではあるが、形成しようとするポリマーの融点は下回っている温度で且つ5〜100バールの圧力で、ループ型反応器において、少なくとも1種のオレフィンモノマーを重合させる方法であって、その場合、形成されたポリマーは、液体懸濁媒体中懸濁液又は超臨界懸濁媒体中懸濁液の中に存在し、そして、この懸濁液は、軸流ポンプによって循環され、またその場合、該ループ型反応器が、支配的な反応器管直径を基準として少なくとも10%だけ直径が変化する環状反応器管を含み、そしてまた、該軸流ポンプの領域以外の他の領域において少なくとも1つの拡大及び狭窄が存在する前記方法。
【請求項2】
該重合が、連続的な生成物放出の場合、該反応器の内容物の総質量を基準として53重量%超の該反応器中平均固体濃度で行われ、また、不連続的な生成物放出の場合、該反応器の内容物の総質量を基準として45重量%超の反応器中平均固体濃度で行われる請求項1記載の重合法。
【請求項3】
該軸流ポンプの領域において反応器管の追加の拡大及び狭窄が存在する請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
エチレンがモノマーとして使用され、そして、3〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種のα−オレフィンがコモノマーとして使用される請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1種のオレフィンモノマーが、反応器管に沿って少なくとも2つのポイントで供給される請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
該形成されたポリマーが、反応器から連続的に放出される請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
該重合が、該懸濁媒体を基準として少なくとも10モル%のエチレン濃度で重合が行われる請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
このループ型反応器での該重合が、ループ型反応器又は気相反応器での少なくとも1つの更なる重合工程によって先行されるか又は続行される請求項1〜7のいずれかに記載されているループ型反応器において少なくとも1種のオレフィンモノマーを重合させる方法。
【請求項9】
環状反応器管と、重合混合物を運搬するための軸流ポンプとを含むオレフィンモノマーを重合させるためのループ型反応器であって、該環状反応器管の直径が、支配的な反応器管直径を基準として少なくとも10%だけ変化し、そしてまた、該軸流ポンプの領域以外の他の領域において少なくとも1つの拡大及び狭窄が存在する前記ループ型反応器。
【請求項10】
反応器管中へモノマーを供給するための設備が、少なくとも2つのポイントに配置されている請求項9記載のループ型反応器。

【公表番号】特表2007−506818(P2007−506818A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527316(P2006−527316)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010375
【国際公開番号】WO2005/028097
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(500289758)バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー (118)
【Fターム(参考)】