説明

オートダイヤル機能を有する電話装置

【課題】通話終了後所定時間内であれば、オンフック操作することなしに、最後に発信した相手への発信(発信通話)または最後に着信した相手への発信(着信通話)を、所定のキー操作により自動的に行えるようにする。
【解決手段】通話中の相手の電話番号を保持する相手電話番号保持部14−2に、発信ダイヤル番号または着信時に発番号取得部13で取得した相手電話番号を保持し、回線断検出部11−3が回線断を検出してから所定の時間内に予め定められたキーの操作(例えばフック操作以外のAnykey押下)があった場合、自動的に一旦回線を切断してから、回線を捕捉し前記相手電話番号保持手段に保持されている相手電話番号を自動ダイヤルする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オートダイヤル機能を有する電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電話装置において、オンフック操作(回線を切断する)後にまだ話したい内容があったことを思い出して、再度電話をかけ直す場合、最初の電話が自分から発信しものであれば、再ダイヤル機能により再発信し、最初の電話が相手からかかってきたものであれば、着信履歴を利用して発信するのが通例であり、最初の電話がどちらからかけた電話であるかによりダイヤル方法が異なるので操作が煩雑であった。
これを改善する方法として、着信側から発信側に対してワンタッチでダイヤルできる技術がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−27849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記技術でも、一度オンフック操作してから再ダイヤルキーを押す必要があると共に、送信側再ダイヤルキーまたは着信側再ダイヤルキー等の特定のキーを間違いなく押下する必要があり誤操作を招く恐れがあるという欠点があった。
【0004】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、通話終了後所定時間内であれば、オンフック操作することなしに、最後に発信した相手への発信(発信通話)または最後に着信した相手への発信(着信通話)を、所定のキー操作により自動的に行えるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明装置は、オートダイヤル機能を有する電話装置であって、通話中の相手電話番号を保持する相手電話番号保持手段と、回線断を検出する回線断検出手段と、予め定められた所定のキー操作の有無を監視するキー操作監視手段と、前記相手電話番号保持手段に保持された相手の電話番号を自動的にダイヤルする自動ダイヤル手段を有し、前記回線断検出手段が回線断を検出してから所定の時間内に前記予め定められた所定のキーの操作があった場合、前記相手電話番号保持手段に保持されている相手電話番号を自動的にダイヤルすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、回線を切断した直後に言い忘れ等があった場合に、上記切断された呼が発信呼か着信呼かを意識することなく、所定のキー操作、例えばフックボタン以外のいずれかのキーを押下するだけで、再び相手を呼び出し通話を再開できるので、操作が簡単であると共に慌てて操作しても誤操作を招く恐れの少ない電話装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る電話装置の構成を示す機能ブロック図であり、図2は本発明の一実施形態に係る電話装置の外観図である。
図1および図2に示すように、本発明の一実施形態に係る電話装置は、ダイヤルボタン2、機能ボタン3、表示器4、送受話器5、スピーカ6、および回線対応部11、音声入出力部12、発番号取得部13、端末制御部14、キー入力部15、表示処理部16から構成される。
【0008】
回線対応部11は、電話網からの着信を検出する着信検出部11−1と、相手電話番号をダイヤル信号に変換し、発信するダイヤル発信部11−2と、回線状態を監視し呼の切断(回線断)を検出する回線断検出部11−3と、回線を制御する回線制御部11−4によって構成される。
音声入出力部12は、送受話器5から入力された音声信号を回線対応部11に受け渡す。また、回線対応部11から出力された音声信号を送受話器5に送出する。
発番号取得部13は、着信信号の中から発番号を取得する。
端末制御部14は、電話装置全体を制御するための手段であり、たとえばCPUとプログラムを格納するメモリと処理に必要な情報を一時的に格納するメモリとから構成される。
また、所定のキー操作の有無を判定するためのタイマーを含むキー操作監視部14−1と相手電話番号を記憶、保持する相手電話番号保持部14−2を有する。
キー入力部15は、機能ボタン3およびダイヤルボタン2からの入力を端末制御部14に受け渡す。
表示処理部16は、端末制御部14からの表示指示内容を表示器4に表示させる。
【0009】
図3は、図1に示した電話装置の処理手順を示すフローチャートである。
本フローは、電話装置が待機状態(S300)からスタートし、着信検出部11−1にて着信の有無を監視し(S301)、着信を検出した場合は着信検出信号を端末制御部14に送出する(S308)。端末制御部14は発番号取得部13に発信先の発番号抽出を指示する。発番号取得部13では着信信号の中から相手の発番号を抽出し、抽出した発番号を端末制御部14へ送出する(S309)。端末制御部14は、相手電話番号保持部14−2にすでに保持されている相手電話番号を消去して、前記送出された発番号を新たに登録する(S310)。
【0010】
次に、端末制御部14は、スピーカ6へ着信信号を送出し、着信音を鳴動させる(S311)。操作者が送受話器5をオフフックすると、回線制御部11−4は、オフフックを検出して(S312)電話回線への接続を行う。その結果操作者は相手との通話が可能となる(S313)。
【0011】
着信有無の監視(S301)において、着信がない場合は、回線制御部11−4は、オフフックの有無を検出して(S302)オフフックが検出された場合は電話回線への接続を行う。
回線断検出部11−3は、電話回線からのダイヤルトーンを検出し、検出信号を端末制御部14へ送出する(S303)。
端末制御部14はキー入力部15から入力される相手電話番号を抽出し(S304)、相手電話番号保持部14−2にすでに保持されている相手電話番号を消去して、前記抽出した相手電話番号を新たに登録(S305)する。
【0012】
次に、端末制御部14は、抽出した相手電話番号情報を、ダイヤル発信部11−2に送出し、ダイヤル発信部11−2は受取った情報をダイヤル信号に変換して発信する(S306)。
相手先が応答すれば(S307)操作者は相手との通話が可能となる(S313)。
【0013】
相手と通話中(S313)に、回線断検出部11−3は自端末および相手端末からの回線断を監視し回線断と判定した場合(S314,Yes)、端末制御部14へ回線断を通知する。
端末制御部14は、前記回線断の通知を受けてからキー操作監視部14−1のタイマーを作動開始させ(S315)、予め定められた所定のキー操作の有無を監視する(S316)。
所定のキー操作としては、例えば、フック操作以外のキーのどれかを押下することでよい。これにより、慌てて操作しても誤操作となりにくい。
所定のキー操作がない場合は(S316,No)、回線制御部11−4は送受話器5のオンフック有無の監視を行い(S317)、オンフックがあった場合は回線を切断し(S319)待機状態へ戻る(S300)。
オンフックされず(S317,No)、キー操作監視部14−1のタイマーがタイムアウトとなった場合は(S318,Yes)、回線を切断し(S319)待機状態へ(S300)戻る。
【0014】
キー操作監視部14−1が、予め定められた所定のキー操作を検出した場合(S316,Yes)は、回線制御部11−4にて回線を一度切断した上で(S320)、再度回線を捕捉する(S321)。回線断検出部11−3は、電話回線からのダイヤルトーンを検出し、検出信号を端末制御部14へ送出する(S322)。
【0015】
端末制御部14はダイヤルトーン検出信号を受付けた後、相手電話番号保持部14−2に保持されている相手電話番号を呼び出す(S323)。
端末制御部14は、呼び出した相手電話番号情報をダイヤル発信部11−2に送出し、ダイヤル発信部11−2は受取った情報をダイヤル信号に変換して発信する(S324)。
【0016】
以上により、操作者はハンドセットを持ったまま、一旦フックオンすることなく、また、通話していた呼がこちらからの発信だったのか相手からの着信だったのかを意識することなく、当該通話相手を簡単に呼出すことが可能となる。しかも、回線断直後に慌てて呼出す場合でも誤操作になりにくい。なお、この所定の操作は回線断の一定時間内(例えば10秒程度)のみ有効なので、通常使用時に誤発信することはない。
【0017】
以上、単体電話機を例に実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、本発明装置は、呼制御を処理する主装置と内線電話機から成るボタン電話システムであってもよい。また、本発明の機能を有効にしたり無効にすることができるような機能設定ボタンを設けてもよいし、所定の操作として、キー操作部に存在する特定のキーが操作された場合や、特定の複数のキーが操作された場合に限定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る電話装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電話装置の外観図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0019】
1 電話装置
2 ダイヤルボタン
3 機能ボタン
4 表示器
5 送受話器
6 スピーカ
11 回線対応部
11−1 着信検出部
11−2 ダイヤル発信部
11−3 回線断検出部
11−4 回線制御部
12 音声入出力部
13 発番号取得部
14 端末制御部
14−1 キー操作監視部
14−2 相手電話番号保持部
15 キー入力部
16 表示処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートダイヤル機能を有する電話装置であって、
通話中の相手電話番号を保持する相手電話番号保持手段と、回線断を検出する回線断検出手段と、予め定められた所定のキー操作の有無を監視するキー操作監視手段と、前記相手電話番号保持手段に保持された相手の電話番号を自動的にダイヤルする自動ダイヤル手段を有し、
前記回線断検出手段が回線断を検出してから所定の時間内に前記予め定められた所定のキーの操作があった場合、前記相手電話番号保持手段に保持されている相手電話番号を自動的にダイヤルすることを特徴とするオートダイヤル機能を有する電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−258709(P2008−258709A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−96029(P2007−96029)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【出願人】(000134707)株式会社ナカヨ通信機 (522)
【Fターム(参考)】