説明

オーバーレイ精度における温度効果

【解決手段】本発明は、2007年02月23日に出願された先行して係属中の仮出願番号60/891,360の利益を請求する。本発明は集積回路製造の分野に関する。特に、本発明は、基板のフォトレジスト露光中に基板面で温度を測定し、そして温度をオーバーレイ精度に相関させることに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2007年02月23日に出願された先行して係属中の仮出願番号60/891,360の利益を請求する。本発明は集積回路製造の分野に関する。特に、本発明は、基板のフォトレジスト露光中に基板面で温度を測定し、そして温度をオーバーレイ精度に相関させることに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、典型的に基板の形態で製造される。本明細書で用いられるように、用語「集積回路」は、例えばモノリシック半導体基板上に形成されるデバイスおよび、シリコンやゲルマニウムのような第IV類の材料、または砒化ガリウムのような第III〜V類の化合物、或いはこの種の材料の混合物で形成されるデバイス、を含む。前記用語は、メモリおよびロジックのような形成される全ての種類のデバイス、および、MOSおよびバイポーラ形のようなこの種のデバイスの全ての設計、を含む。前記用語はまた、例えばフラットパネルディスプレイ、太陽電池および電荷結合デバイスへの適用を包含する。
【0003】
集積回路は、典型的には、例えば、層を堆積させるステップ、その層の上にフォトレジスト層を形成するステップ、フォトレジスト内へパターンを露光および現像するステップ、および、フォトレジストを通してその下の露光された層を例えばエッチングすることによってある程度変更し、その後残りのフォトレジスト層が取り除かれるステップ、を含む基本的プロセスフローを用いて製造される。この基本的フローは多くの異なる方法で変更されることができるけれども、この基本的プロセスは、集積回路が基板上に製造されるまで、基板上にさらなる層を作製するために繰り返し実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
集積回路の寸法を小さくすることについて継続的な圧力が存在する。この圧力は、所与の空間の中でより多くの回路を有したい、基板上のダイスの数を増加利益に関して増やしたい、そして消費電力を減らしたいという要望のような、多くの異なる原因から来る。集積回路の臨界寸法が減少し続けるにつれて、製造プロセスで解決されなければならない課題は増加し続ける。
【0005】
例えば、1つの課題は、各種の層において形成される機能の、層から層への厳密な位置合わせである。過去に、この種の厳密な位置合わせは、厳密なマスクセットを作製し、層から層への機能の位置合わせに厳しく注意を払うだけで、確保することができた。しかしながら、フォトレジストの露光に用いる光の光学分割を拡張させる新規なリソグラフィ・プロセスが導入されるにつれて、追加的な考慮すべき課題を考慮に入れる必要がある。
【0006】
従って、必要とされるものは、少なくとも部分的に、上述したような課題を解決するためのシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記および他の必要なものは、フォトリソグラフィプロセスにおけるオーバーレイ・エラーを減らす方法によって満たされる。この方法は、第1のパターンが配置されたパーマネント層を有する基板を準備し、前記基板をフォトレジストで被覆し、前記基板全体の複数の異なる第1の位置で温度を測定しながら、前記フォトレジストを第2パターンで露光し、前記フォトレジスト内の前記第2のパターンを現像し、前記基板全体の複数の異なる第2の位置で前記第1および第2のパターン間のオーバーレイ・エラーを測定し、前記基板上の位置によって前記オーバーレイ・エラーを温度に相関させ、前記相関するオーバーレイ・エラーと温度との間に示される任意の関連を決定し、および、決定される任意の関連に応答して前記フォトリソグラフィプロセスの少なくとも1つの温度制御態様を調整する。
【0008】
このように、フォトリソグラフィプロセス中において、例えばプロセスの前記オーバーレイ・エラーに影響を及ぼすかもしれない前記基板の表面全体の微妙な温度バリエーションは、検出されることができ、説明されることができ、またはさもなければそのプロセスで修正されることができる。
【0009】
本発明のこの態様に従うさまざまな実施形態において、前記基板は、組み込まれた温度センサを有する機器搭載基板である。いくつかの実施形態において、前記第1および第2のパターンは、前記基板上において一方を他方の上に位置合わせする同一のパターンである。他の実施態様において、前記第1および第2のパターンは、異なるパターンである。いくつかの実施形態において、前記パーマネント層は、酸化物、窒素化合物および金属材料のうちの少なくとも1つからなるエッチングされた層である。いくつかの実施形態において、前記温度は、前記基板の所定の位置で当該位置の露光と同時に測定される。
【0010】
本発明の別の態様では、製造プロセスための熱プロファイルを生成する装置であって、組み込まれた温度センサを有する機器搭載基板と、前記温度センサの上に配置されたパーマネント層とを備え、パーマネント層は当該層に配置された第1パターンを有する装置が、記載されている。本発明のこの態様によるいくつかの実施形態において、温度センサは抵抗型熱デバイスであり、他の実施形態では、温度センサは熱電対である。いくつかの実施例において、パーマネント層は、酸化物、窒素化合物および金属的材料のうちの少なくとも1つからなるエッチングされた層である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の更なる効果は、図と共に考慮されるとき詳細な説明を参照することによって明らかである。図は、より明らかに詳細を示すために一定の比率ではなく、いくつかの図を通して同様の参照番号は同様の要素を示す。
【図1】図1は、本発明の一実施形態による基板の上面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による基板の断面図であり、永久にエッチングされた層およびパターン化されたフォトレジスト層が基板上に配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、フォトレジストパターンは、例えばカリフォルニア州サンタクララのセンスアレイ社(SensArray Corporation)によって製造されるプロセスプローブ(PROCESS PROBE)のような機器搭載基板上に位置合わせされる。一方、測定温度は基板上の異なる位置で変化する。集められる情報は、好ましくは、基板面で温度変動によって生じるオーバーレイ・エラーを処理するために用いられる。
【0013】
図1を参照すると、基板12を含む本発明によるシステム10の一実施形態が示されている。基板12は、好ましくは、基板12中のさまざまな位置に配置される温度センサ14を含む。以下でより多くの特殊性に関して記載されているように、センサ14の正確な数および位置は、分析されるプロセスの必要性に従って特定されることができる。センサ14は、例えば抵抗型熱デバイスまたは熱電対のような異なるタイプのものでもよい。
【0014】
センサ14は、センサ14と測定器16との間の電気的接続を形成することによってモニターされる。この種の電気的接続を形成する1つの方法は、図1に示すように、ハーネス18によってセンサ14を配線することである。しかしながら、より多くの好ましい実施形態では、配線されて基板上の制御システムに付随するセンサ14は、機器搭載基板12に気密封止される。このように、機器搭載基板12は、これらの実施形態において、集めたデータをワイヤレスで伝え、外部のハーネス18が不要な内蔵型の気密封止システムである。
【0015】
基板12は、好ましくは、図2に示すように、酸化物または一部の他のフィルムからなり永久的なエッチングパターンを有する層20を加えることによって修正される。センサ14は、図2には示されていないが、好ましくは層20より下に存在する。永久的なエッチングパターン層20は、本実施形態における2つのオーバーレイ構造の第1部分を成す。「永久的(パーマネント)」とは、基板12から層20を取り除く方法が絶対にないということを意味しない。むしろ、層20が実質的に取り除かれないか、侵食されないか、またはさもなければ、後で詳しく述べるように、基板12の通常の使用によって修正されないことを意味する。しかしながら、層20は、好ましくは、他の手段によって取り除かれることが可能である。この種の除去は、層20のパターンを変えるか、層20が形成される材料を変えるか、または、使用する時間とともにすり減るかまたはさもなければ損傷を受けたあとで層20を更新したいという要望がある場合に、実行される場合がある。
【0016】
オーバーレイ構造の第2部分は、パターン化され現像済みのフォトレジストの層22である。フォトレジスト層22は、好ましくは、基板12をフォトレジストの層22でコーティングし、フォトレジストの層22をソフトベークし、フォトレジスト層22を露光し、フォトレジスト層22を現像し、フォトレジスト層22を光学的にハードベークすることによって形成される。電気ハーネス18が基板12に対する電気的接続として用いられる実施形態のために、回転すること以外でフォトレジスト層22を適用するための方法が必要な場合がある。
【0017】
基板12の温度は、好ましくは、例えば露光プロセス中のような、フォトレジストプロセスのさまざまな段階中に測定される。このように、基板12の熱プロファイルは獲得されることができる。ここで、基板12の異なる位置の温度は、温度が測定された位置に関連して測定され、記録される。この情報は、要望通り、多くの異なるプロセスステップのために、そして、多くの異なる基板12のために、集められて例えばデータベースに記録されることができる。あるいは、センサは、記載されているように温度プロファイルを生成するために、例えば標準的な基板が備わっているプラテンまたはチャックの内部または上部のような、標準的な基板の裏側に配置されることができる。
【0018】
パターン化されたフォトレジスト層22が永久的なエッチング層20の上に形成されたあと、永久的なエッチング層20と現像済みのフォトレジストパターン22との間のオーバーレイ・エラーが測定される。オーバーレイ・エラーは、フォトレジスト層22の所望のパターンと実際のパターンとの違いである。これらの違いは、多くの異なる方法で決定されることができる。例えば、図2に24で示されるように、永久的なエッチング層20のパターンは、フォトレジスト層22のパターンと正確に同じパターンである場合がある。この場合、2つのパターンの違いは、直接測定されることができる。
【0019】
あるいは、または加えて、永久的なエッチング層20のパターンは、フォトレジスト層22のパターンに対する優遇のパターンである場合がある。ここで、パターンは正確に同じではないが、図2に26で示されるように、例えば交錯する線、ネスティングボックス、および他のこの種の幾何学的なパターンのような、相互に簡単な基準を提供する形構造である。このように、パーマネント層20のパターンが、フォトレジスト層22のパターンにおけるオーバーレイ・エラーを決定する基準として、好ましくは使われる。
【0020】
基板12上のさまざまな位置で測定されるときのオーバーレイ・エラーは、基板12上の位置によって被測定オーバーレイ・エラーと被測定温度との相関を決定するために、同じ位置か近くの位置で測定されるときの温度と好ましくは関連している。プロセス中における基板12の異なる位置間での温度の差異が非常にわずかな場合でも、基板12全体の温度差はそれでもフォトリソグラフィプロセス中にオーバーレイ・エラーの課題の原因となるのに充分な場合がある。このように、温度とオーバーレイ・エラーとの間に検出されるいかなる相関も、将来の生産プロセスにおけるオーバーレイ・エラーを減らすために、プロセスを生成しまたは測定器の修正をするのに用いることができる。
【0021】
基板12は、フォトレジスト層22を取り除き、プロセスを例えば異なるプロセス条件のように要望通り繰り返すことによって、好ましくは再利用される。上述したように、フォトレジスト層22が基板12から取り除かれる方法は、いずれにせよパーマネント層20を実質的には修正しないことが好ましい。
【0022】
本実施形態が多種多様な異なるプロセスに適用できるけれども、本発明のさまざまな実施形態が、例えば、流体メニスカスの変化が蒸発または他の効果に起因する温度変動を生じさせる浸漬スキャナの特性試験において使われることができる。本発明の実施形態は、ドライ走査に適用されることもできる。
【0023】
本発明のための好ましい実施形態の前述の説明は、図例および説明のために示された。それは、正確な開示形式に対して網羅的であること、または本発明を制限することを目的としない。明らかな修正または変更は、上記の教示を考慮して可能である。実施形態は選択され、本発明および実際的適用の原理で最高の具体例を提供するべく記載されている。これにより、当業者は、さまざまな実施形態において本発明を利用することができ、そして、考察される特定の使用に適するようにさまざまな修正とともに本発明を利用することができる。すべてのこの種の修正変更は、それらが公正に、合法的に、そして正当に権利を与えられる外延に従って解釈される場合に、添付の請求の範囲によって定まる本発明の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトリソグラフィプロセスにおけるオーバーレイ・エラーを減少する方法であって、
第1のパターンが配置されたパーマネント層を有する基板を準備するステップ、
前記基板をフォトレジストで被覆するステップ、
前記基板全体の複数の異なる第1の位置で温度を測定しながら、前記フォトレジストを第2パターンで露光するステップ、
前記フォトレジスト内の前記第2のパターンを現像するステップ、
前記基板全体の複数の異なる第2の位置で前記第1および第2のパターン間のオーバーレイ・エラーを測定するステップ、
前記基板上の位置によって前記オーバーレイ・エラーを温度に相関させるステップ、
前記相関するオーバーレイ・エラーと温度との間に示される任意の関連を決定するステップ、および
決定される任意の関連に応答して前記フォトリソグラフィプロセスの少なくとも1つの温度制御態様を調整するステップ、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記基板は、組み込まれた温度センサを有する機器搭載基板である、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記第1および第2のパターンは、前記基板上において一方を他方の上に位置合わせする同一のパターンである、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記第1および第2のパターンは異なるパターンである、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記パーマネント層は、酸化物、窒素化合物および金属材料のうちの少なくとも1つからなるエッチングされた層である、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記温度は、前記基板の所定の位置で当該位置の露光と同時に測定される、方法。
【請求項7】
フォトリソグラフィプロセスにおけるオーバーレイ・エラーを減少する方法あって、
第1のパターンが配置されたパーマネント層を有する基板であり、組み込まれた温度センサを有する機器搭載基板を準備するステップ、
前記基板をフォトレジストで被覆するステップ、
前記基板の所定の位置で当該位置の露光と同時に測定される温度を、前記基板全体の複数の異なる第1の位置で温度測定しながら、前記フォトレジストを第2のパターンで露光するステップ、
前記フォトレジスト内の前記第2のパターンを現像するステップ、
前記基板全体の複数の異なる第2の位置で前記第1および第2のパターン間のオーバーレイ・エラーを測定するステップ、
前記基板上の位置によって前記オーバーレイ・エラーを温度に相関させるステップ、
前記相関するオーバーレイ・エラーと温度との間に示される任意の関連を決定するステップ、および
決定される任意の関連に応答して前記フォトリソグラフィプロセスの少なくとも1つの温度制御態様を調整するステップ、
を含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記第1および第2のパターンは、前記基板上において一方を他方の上に位置合わせする同一のパターンである、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記第1および第2のパターンは異なるパターンである、方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法であって、前記パーマネント層は、酸化物、窒素化合物および金属材料のうちの少なくとも1つからなるエッチングされた層である、方法。
【請求項11】
製造プロセスための熱プロファイルを生成する装置であって、組み込まれた温度センサを有する機器搭載基板と、前記温度センサの上に配置され、第1のパターンを有するパーマネント層と、を備える装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、前記温度センサは、抵抗型熱デバイス、熱電対、集積回路センサ、およびサーミスタのうちの少なくとも1つを含む、装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置であって、前記機器搭載基板は、生産シリコン基板に実質的に等しい平坦度および厚みを有する、装置。
【請求項14】
請求項11に記載の装置であって、前記パーマネント層は、酸化物、窒素化合物および金属材料のうちの少なくとも1つからなるエッチングされた層である、装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−522436(P2010−522436A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554771(P2009−554771)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/057833
【国際公開番号】WO2008/118780
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(502442049)ケーエルエー−テンカー・コーポレーション (77)
【氏名又は名称原語表記】KLA−TENCOR CORPORATION
【Fターム(参考)】