説明

カスタムカラーシーリング材を個別に提供するシステム及び方法

カスタムカラーシーリング材を提供するためのシステム及び方法には、ある量のシーリング材基礎溶液を含む分配容器が一般的に用意されている。ノズルは、分配容器における開放端部と取外し可能に固定される形状及び大きさにある。ある量のシーリング材用の増粘剤が入っている補助容器が用意されている。着色剤を分配容器へ選択的に移し替えるために、移替えピペットが用意されてもよい。着色剤は、所望のカラーが得られるまで分配容器を攪拌することによって、シーリング材基礎溶液と混合されてもよい。その後、シーリング剤用の増粘剤が添加され、分配容器の攪拌により混合されてもよい。続いて、ノズルが分配容器に結合されて、カスタムカラーシーリング材が即分配可能となる。

【発明の詳細な説明】
【関連特許出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本願は、名称が「カスタムカラーのシーリング材を個別に提供するシステム及び方法(System and Method of Providing Individual Quantities of Custom Colored Sealing Compound)」である2008年3月24日付けで提出された米国特許出願番号12/053865の一部継続出願であり、この出願の内容を参照によりここに援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 建築及びホーム修繕分野では、幅広いプロジェクトにおいて美観を改善するためにカスタムカラー(特別色)シーリング材がしばしば必要となる。正確にカラーマッチングされたコーキングが必須及び所望である一般的な基板には、塗装表面、着色表面、カウンタートップ、壁紙、事前に着色されたサイディング材、レンガ、ストーン、タイル、風呂及び台所の家具、フローリングなどがある。工場で着色された、非カスタムカラーのコーキング(圧倒的に主要カラーである白色を有する)のいくつかは、この業界で入手できるが、このようなカラーのコーキングのほとんどは、適正に塗り付けられている基板と色が合わない。
【0003】
[0003] 少なくとも1つの企業において、個別の容器に入ったコーキングのカスタムカラーマッチングを行っている。しかし、カスタムカラーマッチングは、会社社内又はその会社の工場のみで行われている。したがって、このようなカスタムカラーサービスは、1)消費者又は請負業者が、カラーを提案し、その後、工場からの配送されるまで数日又は数週間待つ気がある又は待つことができる場合、2)消費者が、比較的大量のカスタムカラーのコーキングを購入しようとする場合、3)消費者が、工場で作られるこのようなカスタムカラーのコーキングのために非常に高い料金を支払おうとする場合のみ提供できる。
【0004】
[0004] 消費者及び請負業者は、容器に入ったシーリング材を個々にプロジェクト現場で便利にカスタムカラーにすることができない。特に、市場において以前から満たされていない要求には、以下のような能力が中心となる。即ち、1度でシーリング材の1つ又は2つのカートリッジ又は押し出しチューブのみカスタムカラーに着色することができること、低・中程度のコストでカスタムカラーシーリング材を取得することができること、特別な又は高価な混合容器又は分配容器を必要とせず、シーリング材をカスタムカラーにすることができること、長時間待つことなく、シーリング材をカスタムカラーにすることができること、である。今まで、これらの統合的な集計の基準は従来利用されていなかった。
【0005】
[0005] 従来技術において、このような問題の解決が妨げられてきた主要な問題点には、いくつかの点を中心としたものがあった。例えば、一般的なシーリング材製品における粘度が高くなると、シーリング材を通して液体又は乾燥の着色剤を簡単にかつ均一に混合することは非常に困難又は不可能となる。この問題とは対照的に、低粘度の製品(例えば、ラテックスペイント)に液体又は乾燥の着色剤を添加及び混合することは、比較的簡単である。標準的なシーリング材容器における基本的な細長い形状(この形状によって、高アスペクト比の容器になる)は、克服するべき他の問題点を有する。このような細長い容器の一端に導入された着色剤を、容器の全長にわたって均一に分配することが困難である。
【0006】
[0006] 従来技術の欠点を克服するための試みには、必要な混合作用及び/又は必要なエネルギーを与える、補助的で機械的な混合装置又は特殊な固定ミキサーの使用が含まれる。このような装置には、機械的な混合用ボウル、商業的で機械的なペイントシェーカー、機械的なペイントシェーカー用の特別な保持用アタプタ、シーリング材容器の中で往復して練るブレード付き混合装置、分配中に高圧落下をもたらすスタティックミキサー(特別な、高価な、希少な、機械的に高てこ力のコーキングガンを用いること以外には、着色剤の分配を困難とする)などがある。
【0007】
[0007] 様々な解決手段が、伝えられるところによると、コーキングが使用される場所で又はその場所の近くで、個別の容器に入ったコーキングをカスタムカラーにするための、簡単で迅速な、そして、便利で安価な方法が可能となるように、以前から提案され、あるいは商業的に企画されている。この解決手段のいくつかは、個別の硬質のコーキングカートリッジにおけるコーキングを現場でカスタムカラーにすることに関し、レベルの低い部分的な成功をもたらしているが、いずれも、混合及び分配に必要な容易さ、経済性、必要とする特別な機械的な混合装置を有しないこと、市場が望み必要とする混合速度をもたらしていない。さらに、従来技術のいずれも、現場で、個別のフレキシブルな押し出しチューブのコーキングをカスタムカラーにすることができず、この分野に満たされていないニーズを残している。
【0008】
[0008] 出願人Renfroによる米国特許出願公開第2003/0099153号では、消費者又は請負業者が、まず液体顔料又はペイントを容器の後部に配置し、次に高価な、特殊なブレード付き混合装置を容器の中に挿入するために、硬質のコーキングカートリッジにおける後方端部から摺動可能なプランジャーを取り外すことを必要とするシステムについて開示している。その後、ブレード付きミキサーは、内容物を混合するために、カートリッジの内側で往復して押し込む必要がある。このような解決手段は、一度だけ使用することができる特殊なブレード付き混合装置の使用を必要とする。さらに、かなりの量の厄介なコーキングをミキサーにおけるブレード及びシャフトに正確に置かずにこのような装置を利用することは不可能であり、このブレード及びシャフトは、その後洗浄しなければならなく、コーキングロスと時間ロスを結果としてもたらす。さらに、ユーザが、液体顔料又はペイントを、非常に粘性が高く、ペスト状のラテックスコーキングの中で直接混合しなければならないため、このような装置を用いて、コーキングカートリッジの全長にわたって均一なカラーにすることは困難であり、手間がかかる。さらに、粘性が高いコーキングの中を通ってブレード付きミキサーの回転を繰り返すと、コーキングの中にかなり多くの気泡が形成される。残念なことに、この同伴空気をコーキングから取り除く方法は提案されていない。このような同伴空気は、飛び散るコーキングの発生をかなり増やし、また、ユーザがコーキングを分配することにつれて、施されたコーキングビーズに裂け目を作る。また非常に重要なことは、この解決手段は、カートリッジ本体の側壁が硬く、さらに、ユーザが容器の全直径に完全にアクセスできることを必要とするため、フレキシブルな押し出しチューブにおけるカスタムカラーのコーキングには完全に不適切であり、ヒートシールされた押し出しチューブに用いることは不可能である。出願人Brandonによる米国特許出願公開番号2004/0173640及び米国特許出願公開番号2007/0242558には、Renfroによる出願と非常に似ているシステムが開示されており、同様な制限及び困難の全てを有する。
【0009】
[0009] 他の先行文献において、出願人Tikusisによる米国特許出願公開第2006/0151531には、特別な硬質のコーキングカートリッジを使用するシステムが開示されており、このコーキングカートリッジは、全体のパッケージの中で2つの独立した区画部を有し、その中の1つの区画部は、粘性の高いコーキング基礎材料によって、工場で予め装填されており、他の区画部は、ユーザが、コーキングを施す直前に、カスタムカラーの着色剤(ペイント、ステイン、液体顔料)をこの区画部の中に注入することができるように中空状態で提供されている。シリンジを用いて着色剤を中空の区画部の中に注入する方法は、実用的であるように開示されているが、実際には非常に手間がかかることである。混合ステップは、2つに仕切られている特別なカートリッジの内側で行われず、取り付けられている固定の混合ノズルの中で行われているが、分配サイクル中に、両区画部が同時に中空となるため、分配が非常に困難となる背圧が形成され、特に、ユーザが、機械的高てこ力を有する珍しい高価で特殊なガンとは対照的に普通のコーキングガン(そのほとんどが常に非常に弱い機械的てこ力を持つ)を用いる場合、分配が非常に困難となる。また、専門的なパッケージ及び計量装置が必要なため、システムのコストが非常に高く、使用するかもしれない多くの人には負担することができなくなる。さらに、この解決手段でも、フレキシブルな押し出しチューブを使用することができず、したがって、その実用性が大きく制限される。
【0010】
[0010] さらなる先行文献において、出願人Andersonらによる米国特許第6302575号並びに米国特許出願公開第2002/0036952号及び2002/0065353では、普通より粘性が低いコーキング形成用組成物が、着色成分と接することによって粘性が高まり、商業的な機械的ペイントシェーカーの中で複合材料が攪拌されて、カスタムカラーの、粘性が高まったコーキング製品が得られるシステムについて開示している。コーキングの基礎材料が、典型的な、高粘性の一般コーキングとして最初から提供されること以外には前記解決手段とある程度似ている手段が、出願人Lostutterによる米国特許第4090612に開示されている。Andersonの解決手段は、商業的な機械的ペイントシェーカーで起きる激しい高エネルギーの攪拌を行うにつれて、着色組成物と接して粘性が高まるコーキング形成用組成物を含む。着色組成物に接した場合コーキング形成用組成物の粘性が高まり始めると、(特に、長くて狭い、そして、高アスペクト比の硬質のコーキングカートリッジの一端に顔料を加えることによって、カートリッジの全長にわたって簡単かつ均一に着色することが困難となることが分かっている場合)、コーキング形成用組成物全体に着色物が完全かつ均一に混合されて均一な最終カラーとなるように、高エネルギーの商業的な機械的ペイントシェーカーによって与えられるパワーを一般的に必要とすることは容易に分かる。Andersonらは、非着色の、コーキング形成用組成物の粘度は、600000〜800000センチポアズの範囲にあると明記したが、コーキング基礎材料における液体又は乾燥の着色剤を均一に手作業で簡単に混合するためには高すぎる範囲である。これらの解決手段のどちらも、消費者又は請負業者が、仕事現場又は彼らの家で、上記の高価で手間のかかる機械的シェーキング装置を必要とせず、直ちに素早くカスタムカラーの、個別の硬質なコーキングカートリッジを実現することができない。さらに、Anderson又はLostutterのどちらも、フレキシブルな押し出しチューブを使用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
[0011] したがって、個別で硬質のカスタムカラー用のカートリッジに用いられる非常に簡単で便利な、そして、経済的なシステムや、高価で機械的な混合装置(専門的で、機械的に高てこ力のコーキングガン)を必要としない個別のフレキシブルなコーキング押し出しチューブであって、カスタムカラーに達すると、コーキングガンを用いて又は用いず、非常に簡単にコーキングを分配することができる個別のフレキシブルなコーキング押し出しチューブが必要であることは分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0012] この概要は、概念の一選択肢を単純化した形で紹介するために用いられており、この単純化した形は、次の詳細な説明において詳細に説明される。この概要及び上記背景技術は、請求項に係る内容の重要態様又は主要態様を特定するためのものではない。さらに、この要約は、請求項に係る内容の範囲を確定する際の補助内容として使用するためのものでもない。
【0013】
[0013] カスタムカラーシーリング材(例えばコーキング)についてのシステム及び方法説明する。一態様において、このシステムは、開放した内側区画部と出し入れ自由な状態で流体連通されている開放端部を有する分配容器を含む。ある量のシーリング材基礎溶液が、分配容器における内側区画部の中に置かれる。開放した内側部分と互いに反対向きとなっている第1及び第2の端部とを有するノズルが用いられており、このような第1の端部は、シーリング材の分配を可能とするために、分配容器における開放端部に固定されるとよい。ある量のシーリング材用増粘剤で少なくとも部分的に充填される補助容器が用いられるとよい。ある量の少なくとも1つの着色剤も利用できる。移替えピペットが、着色剤を分配容器の中にある混合物に段階的に添加するために用いられるとよい。
【0014】
[0014] 使用の際、分配容器を開放し、少なくとも一部分の着色剤をシーリング材基礎溶液に添加する。その後、所望の均一な色に達するまで、分配容器を振る。続いて、補助容器を収容位置から取り出して、シーリング材用増粘剤を補助容器から分配容器に分配し、内容物を完全に混合するために、分配容器をさらに振る。その後、ノズルを分配容器における開放端部に係合することができる。一態様において、先端を切り取ることによってノズルの一部分を除去する。その後、カスタムカラーのコーキングを使用場所に分配することができる。
【0015】
[0015] 様々な実施形態において、本発明のシステム及び方法は、消費者又は請負業者が仕事現場でシーリング材の個別容器を用いて均一にカスタムカラーにすることができる簡単な手段を提供する。さらなる混合装置を必要とすることなく、硬質の、標準的なカートリッジ及びフレキシブルな押し出しチューブを交互に用いることができる。このシステム及び方法によって、ユーザが分配容器の単純なシェーキング動作を持って成分を手動で混合した後、カスタムカラーのコーキングを分配容器から非常に簡単に分配することができる。事実上手間がかかることなく、また、製品の損失もないこの方法における、必要な色混合を果たすために必要な時間は、他の方法より大幅に減らされる。さらに、本発明のシステム及び方法によって、ユーザが、必要量の着色剤を簡単に導入するために分配容器の内側に簡単に、手間がかかることなくアクセスすることができる。
【0016】
[0016] 本発明のシステム及び方法におけるこれら及び他の態様が、明細書における詳細な説明及び図面を考慮すると明らかになるであろう。
【0017】
[0017] 以下の図面を参照しながら本発明における非制限的で非網羅的な実施形態(本発明の好ましい実施形態を含む)を説明し、特に明記しない限り、様々な図面における同じ構成要素には同じ参照番号を用いる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムにおける一実施形態の正面図を示す。
【図2】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムに用いることができるノズル及び補助容器における一実施形態の斜視図を示し、補助容器を収容位置から取り出すことができる一方法を示す。
【図3】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムに用いることができるノズル及び分配容器における一実施形態の斜視図を示し、ノズルを分配容器から取り出すことができる一方法を示す。
【図4】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムに用いることができるノズルにおける一実施形態の斜視図であり、ノズルを測定装置として使用することができる一方法を示す。
【図5】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムに用いることができるノズル及び分配容器における一実施形態の斜視図であり、ノズルを使用して、添加材料を分配容器における内側区画部に導入することができる一方法を示す。
【図6】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムに用いることができるノズル及び分配容器における一実施形態の斜視図であり、分配容器における内容物を攪拌する前に、ノズルを分配容器における開放端部に固定することができる一方法を示す。
【図7】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムにおける一実施形態の斜視図を示し、システムが攪拌して内容物を混合することができる一方法を示す。
【図8】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムに用いることができる補助容器における一実施形態の正面図であり、補助容器が開放され得る一方法を示す。
【図9】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムに用いることができる補助容器及び分配容器における一実施形態の斜視図であり、補助容器を用いて、分配容器における内側区画部に補助材料を導入することができる一方法を示す。
【図10】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムに用いることができるノズル及び分配容器における一実施形態の斜視図であり、ノズルを開放して、システムにおける内容物の分配を行うことができる一方法を示す。
【図11】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムにおける一実施形態の正面図を示し、このシステムを使用する前に、図11と同じく組み立てることができる一方法を示す。
【図12】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムにおける三つの実施形態の縦断面図を示し、このシステムを使用する前に、同じく組み立てることができる様々な方法を示す。
【図13】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムにおける他の実施形態の底面斜視図を示し、補助容器を分配容器の一端部における収容部の中に一時的に収容することができる一方法を示す。
【図14】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムにおけるさらに他の実施形態の底面斜視図を示し、補助容器を分配容器の一端部における収容部の中に一時的に収容することができる他の方法を示す。
【図15】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムにおける他の実施形態の底面斜視図を示し、補助容器を分配容器の一端部における収容部の中に一時的に収容することができる他の方法を示す。
【図16】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムにおける他の実施形態の底面斜視図を示し、補助容器を分配容器の一端部における収容部の中に一時的に収容することができる他の方法を示す。
【図17】カスタムカラーシーリング材を提供するシステムに用いることができるノズル及び移替えピペットにおける一実施形態の斜視図を示し、移替えピペットをノズルの中の収容位置から取り出すことができる一方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0035] 以下において添付図面を参照しながら、実施形態をさらに十分に説明する。添付図面は、例として特定の典型的な実施形態を示し、この明細書の一部分を形成する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように十分詳細に開示されている。しかしながら、この実施形態は、多くの異なる形で実施されてもよく、ここに記載の実施形態に制限されるものと解釈されるべきではない。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味に取られるべきものではない。
【0020】
[0036] 図1を参照すると、カスタムカラーシーリング材用のシステム10には分配容器12が設けられており、この分配容器12は、硬い円筒状コーキングカートリッジ、フレキシブルな押し出しチューブなどの形状を取ることができる。この分配容器12は、第1の開放端部14を一般的に有し、第1の開放端部14は、開放した内側区画部16と出し入れ自由な状態で流体連通されている。一態様において、分配容器12の内側区画部16は、工場において、非常に低い粘度のシーリング材基礎溶液18によって少なくとも部分的に充填される。
【0021】
[0037] 液体ラテックスコーキングベースは、システム10に用いることのできるシーリング材基礎溶液18の一例である。一態様において、シーリング材基礎溶液18である液体ラテックスコーキングベースは、青色や紫色がかった色合いに調製される。シーリング材は硬化すると、あるシーリング材を「クリアな」外観に硬化するために調製した場合でないと頻繁に発生する望ましくない琥珀色又は黄色がかった色調をエンドユーザが中和することによって達成される最終カラーの「清浄度」を高めるために、青から紫の色合いを有する「水色透明」な外観(きれいな水のプールと似ている)を呈する。少なくとも1つの実施形態において、シーリング材基礎溶液の粘度は、低せん断速度下で100〜50000センチポアズの範囲にある。粘度をこのような範囲にすることによって、シーリング材基礎溶液18と、分配容器に添加される液体又はドライの着色剤とを手作業で混合することが容易となる。一態様において、上述の粘度範囲は、この分野で用いられるコーキングベースの一般的な粘度範囲よりその大きさが少なくとも1桁小さい。
【0022】
[0038] システム10にはノズル20がさらに設けられており、ノズル20は、開放した第1の端部24と、反対側の第2の端部26とによって画される開放した内側部分22を有する。少なくとも1つの態様において、分配容器12の内側区画部16が、ノズル20の内側部分22と出し入れ自由な状態で流体連通されて配置され得るように、第1の端部24は、分配容器12における開放端部14に固定されるよう形状及び大きさ(寸法又はサイズ)が定められている。少なくとも一実施形態において、分配容器12の第1の開放端部14には穴及びねじ付き小部片(threaded nub)28が設けられている。この態様では、ノズル20における開放した第1の端部24には、ねじ付き小部片28と協働可能に係合するように成形されている対をなすねじが設けられてもよい。一態様において、ねじ付き小部片28の直径は、少なくとも5/8インチとすることができ、これによって、一般的なコーキングカートリッジに見られる標準の1/2インチ直径の出口より約56.3%多い流量範囲を提供することができる。また、この直径を大きくすることによって、分配容器12に加えられるべき材料をより簡単に利用できる。しかし、ねじ付き小部片28を形成するために、多様な様々な直径が用いられ得ると考えられる。
【0023】
[0039] 図2、図10及び図11を参照すると、補助容器30が提供されてもよく、この補助容器30は、ある量のシーリング材用増粘剤34で少なくとも部分的に充填される内側部分32を有する。補助容器の形状及び大きさは、状況及び使用目的に応じて変更され得ると考えられる。しかしながら、少なくとも1つの実施形態において、補助容器30は、ノズル20の内側部分22内に収まるよう形状及び大きさが定められ、下部球状部分と、内側部分にアクセスするために除去される部分となり得る上部ステムとを有する。あるいは、ノズル20が、液体又はドライのシーリング材用増粘剤34で充填されてもよく、また、ノズル20の開放した第1の端部24が、例えばノズル20の開放した第1の端部に熱シールされるホイル積層シールのようなシールで封止されてもよい。
【0024】
[0040] 分配容器12における第2の端部54に形成された収容部52を有する概ね硬い分配容器12が用いられる他の実施形態においては、補助容器30が収容部52の中に取外し可能に配置されてもよい。いくつかの実施形態においては、収容部52への開口部が、補助容器30が収容部52の中から誤って脱落することを防ぐ取外し可能な収容部バリヤーで一時的に閉じられてもよい。図13を参照すると、取外し可能な収容部バリヤーは、底壁58と、底壁58に従属する少なくとも1つの側壁60とを有するキャップ56の形で提供されてもよい。キャップ56は、少なくとも側壁60を分配容器の外部又は内部と摩擦嵌めの関係で配置するように形作られると考えられる。例えば、図13は、キャップ56が分配容器の外部表面を嵌め込むことができる方法を示している。このような実施形態において、キャップ56は押され、収容部52を取り囲む位置から引き抜かれてもよい。その一方、図14及び図15は、キャップ62、64が分配容器の内部表面に嵌め込むことができる方法を示している。いくつかの実施形態においては、補助容器30が収容部52の中に配置されかつ最適状態にあることを製造者、小売業者又は潜在的購入者が速やかに確認することができるように、キャップ62が少なくとも全般的に透明な材料で形成されてもよい。いくつかの態様においては、キャップ62を分配容器12との係合位置から引き離すためにてこで動かしてもよく、一方、他の態様においては、キャップ62を形成するために用いられる材料が、収容部52へアクセスするために穿刺されるほど薄くてもよい。図15を参照すると、開口部66が、キャップ64の底壁68を貫通するように形成されてもよい。開口部は、この開口部を通る補助容器30の通過を防ぐ大きさとされるが、ユーザが指又は他の物体を挿入して、キャップ64を分配容器12との係合位置からてこで動かすことができるほど大きいのがよい。キャップ64の縁部は、キャップ64を収容部52と係合する方法、かつ、キャップ64を収容部52から取り外す方法を容易にするために面取りされてもよい。図16を参照すると、取外し可能な収容部バリヤーは、分配容器の収容部への開口部を少なくとも部分的に覆う1枚以上のフレキシブルな材料70の形で提供されてもよい。いくつかの実施形態においては、このフレキシブルな材料が、単にテープであってもよい。このような実施形態において、テープによって、収容部52への開口部をカバーし、又は、補助容器30を直接に収容部52の中に固定することができる。
【0025】
[0041] 図4を参照すると、システム10にはある量の少なくとも1つの着色剤36が提供されるべきである。一態様においては、複数の着色剤36が提供されてもよい。その着色剤は様々な形態を取ることができると考えられる。例えば、着色剤36は、液体顔料、乾燥顔料、ラテックスペイント又はラテックスステインからなるものとすることができる。着色剤は、補助容器30において説明されたものと同様な第2の補助容器に入れられもよい。一方、シーリング材が使用される基板と適合するほとんど同じ色を与えるために、エンドユーザによって着色剤が提供され得ると考えられる。いくつかの実施形態においては、ある量の着色剤36によって少なくとも部分的に充填され得る開放した内側部分74を有する移替えピペット72が提供されてもよい。本発明の方法において、ユーザは大量の着色剤36を使用してもよく、移替えピペット72を用いることによって、少量の着色剤36を取って、分配容器内の材料に着色剤36を一度に一滴ずつ添加してもよい。移替えピペット72は、様々な既知の材料からなる別個独立のバルブ及びステムで形成され得ると考えられる。しかしながら、いくつかの実施形態においては、シリンジなどを含むことができる代替的な分配構造より遥かに安価な移替えピペット72をもたらす様々な技術で成形され得る一体形の移替えピペットが提供される。いくつかの実施形態において、図17のように、ノズル20における内側部分22の中に移替えピペット72を一時的に収納することができるが、さらに、移替えピペット72は、補助容器30について前で説明した方法で、収容部52の中に収まるよう形作られ得ると考えられる。したがって、補助容器30及び移替えピペット72の両方が同時に収容部52に収容できると考えられる。
【0026】
[0042] 図2及び図3を参照すると、ノズル20は分配容器12と結合されてもよい。一実施形態において、ノズル20は、互いに反対向きとなっている第1及び第2の端部を有する概ねにフレキシブルなストラップ38によって、分配容器12におけるねじ付き小部片28と結合されている。一態様においては、ストラップ38における第1の端部が、使用する前に、輸送及び貯蔵中に、ノズル20及び分配容器12を一まとめに維持するために、ねじ付き小部片28を取り囲むよう設けられてもよい。ストラップ38の第1の端部内におけるフィンガは、小部片28におけるねじ(又は他の構造要素)と解除可能に係合されてもよい。第2の端部は、様々な既知方法の一つによってノズル20と一体的に又は機械的に結合されてもよい。
【0027】
[0043] キャップ40は、ノズルにおける開放した第1の端部24についてこの明細書において説明した方法と同じ方法により、分配容器における第1の開放端部14と取外し可能に結合されてもよい。キャップは、システム10の輸送、攪拌及び保存中に、分配容器の内容物に封じ込めと保護の手段を与える。このようなキャップ40は、シーリング材がカスタムカラーにされた後の、システム10の使用と使用との合間に用いられるとよい。同様に、システム10には、分配容器12における第1の開放端部14と、ノズル20における開放した第1の端部24との間に固定され得る1つ以上の取外し可能なシール42が提供されてもよい。補助容器30又は他の物がノズル20の中に収容された場合、ノズル20及び分配容器12における内容物のそれぞれに収容及び保護を与えるために、システム10の初期輸送及び保存前に、このようなシールがシステム10に固定される。シール42を形成する場合、様々な紙、プラスチック及びホイルの材料が用いられ得ると考えられる。しかし、このような材料は、システム10の状況及び目的用途に応じて変更されてもよい。
【0028】
[0044] 図12に示すような少なくとも1つの実施形態において、システムには、分配容器12における開放した第1の端部14と結合されている計量カップ44が設けられてもよい。分配カップは、シーリング材用増粘剤、着色剤又は他の添加剤の量を測るために有用である。あるいは、専用計量カップの必要性をなくすために、ノズル20及び/又はキャップ40が計量装置として用いられてもよい。
【0029】
[0045] 図12をさらに参照すると、分配容器12には、分配容器12内で直線的に移動するプランジャー48におけるスカート部の端部と、カートリッジ壁の端部との両方を少なくとも部分的に巻いて締め付ける小さな環状クランプリング46が取り付けられてもよい。クランプリングは、金属、プラスチック又は他の適当な材料で形成され得る。クランプリング46が分配容器12における端部と結合された場合、ユーザが着色剤の混合工程又は増粘工程中に分配容器を振ったり又は他の方法で攪拌したりしているうちに、プランジャー48が、分配容器12の後部から押し出されることができなくなる。システム10には、このようなクランプリング46を有しない分配容器12が提供され得ると考えられるが、ユーザによって攪拌されるうちにプランジャー48が、分配容器12の後部から出てしまう可能性がある。プランジャー48が分配容器12の後部から誤って抜け出ると、内容物が排出されて混乱をもたらすであろう。
【0030】
[0046] 他の態様において、分配容器12には少なくとも部分的に透明な側壁が設けられてもよい。一実施形態においては、側壁の大部分が透明であってもよく、他の実施形態においては、概ね透明な窓50が側壁に形成されてもよい。側壁における残り部分は比較的不透明なままであってもよい。この態様において、ユーザには、分配容器12における内容物を見るための便利な手段が与えられたことになる。ユーザが着色剤の混合工程後に分配容器12を開けることなく、内容物の最終カラーを確認する必要がある場合、これが特に有用である。これは、ユーザが増粘工程後に達成された粘度レベルを視覚的に確認することができるとの利点をさらに与えることができる。
【0031】
[0047] 上述のシーリング材基礎溶液18にシーリング材用増粘剤が導入される場合、垂れないコーキング粘度をもたらすために適切なシーリング材用増粘剤の例には、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、2−アミノメチルプロパノール、Acrysol ASE−60、Acrysol SCT−275、Acrysol RM−2020、Acrysol RM−825、Carbopol Aqua SF−1、Polyphobe 106HE、Tafigel PUR−61、Methocel、Bermocoll、Tylose、Rheolate 1、Rheolate 425などが挙げられる。なお、これらに何ら限定されるものでもない。
【0032】
[0048] 少なくとも1つの実施形態において、上述の一般的低粘度シーリング材基礎溶液用の代表的な配合は次の通りである(この例から様々な可能な変更を行うことも可能である)。
【表1】


上記シーリング材基礎溶液の物理的な性質には、以下を含む。
【表2】


[0049] しかしながら、上述の増粘剤及びシーリング材基礎溶液の例は単に、配合シーリング材分野の当業者にとって同様な最終結果をもたらすことができる原材料及び配合割合における事実上無限な変更例の代表例に過ぎないことを理解しなければならない。例えば、上記シーリング材基礎溶液は、アクリルラテックスエマルジョンポリマー(Rhoplex 2620)の使用に基づいているが、次のポリマーエマルジョンタイプも、同様な効果を得るために用いられ得る。即ち、スチレンアクリルポリマー、エチレン酢酸ビニルポリマー、スチレンブタジエンポリマー、ウレタンポリマー、アクリルウレタンポリマー、酢酸ビニルポリマー、ブチルポリマーなどであるが、これらに制限されることもない。同様な変更は、そのような配合が依存する原材料についても同様に可能であり、界面活性剤、殺生物剤、不凍剤、可塑剤、pH調整剤、接着促進剤、架橋剤、中和剤、テクスチャー剤、溶媒、つや消し剤などがあるが、これらに制限されることもない。
【0033】
[0050] 一使用方法において、分配容器12を開放し、ある量の少なくとも1種類の着色剤36を内側区画部16に導入する。次に、ユーザは、内容物が混合されるまで、例えば図7に示すように手で分配容器12を振ることによって、分配容器12の内側区画部16における内容物を攪拌する。さらなる着色剤36を添加し、その後、シーリング材基礎溶液18が所望の最終カスタムカラーに近似するまで混合してもよい。続いて、ユーザは、補助容器30からある量のシーリング材用増粘剤34を分配容器12における内側区画部16に導入してもよい。内容物が分配容器12の全長にわたり混合されるまで、例えば手で分配容器12を振ることによって、分配容器を再び攪拌する必要がある。このステップでは、塗付容易でかつ垂れないカスタムカラーシーラント材料に対して一般的に必要な強擬塑性又はチキソトロピーレオロジー流動度合いと、必要な高粘度とを達成すべきである。その後、ユーザは、ノズル20における第1の端部24を分配容器12における第1の開放端部14に協働可能に結合させ、シーラント材ビーズの所望の大きさ及び形状を作るために、ノズルにおける第2の端部26の一部分を除去してから、必要に応じてシーラント材料を押し出す。
【0034】
[0051] シーリング材のカスタムカラー用個別容器に関する本発明のシステム及び方法は、硬質のカートリッジ又はフレキシブルな押し出しチューブを交互に使用する可能性を提供する。しかしながら、同様に重要なことは、本発明のシステム及び方法は、分配容器12に導入される着色剤36(例えば、着色されたラテックスペイント)の適正量を測定するための、安価で、高精度で、自給式の便利な手段を提供することである。シーリング材がカスタムカラーにされ、かつ、粘性が高まると、一般的な、標準の、即入手可能な機械的に低てこ力のコーキングガンを伴った硬質のカートリッジから非常に簡単に分配することができ、又は、短い低背圧のノズルを通して簡単に押し出すことによって、押し出しチューブから直接に分配することができる。よって、消費者及び請負業者に、さらなる特殊な装置、特別な混合装置又は外部サービスを設ける必要なく、シーリング材のカスタムカラー用個別容器における、自給式の、使いやすく、速くて安価で便利な手段を提供する。本発明のシステム及び方法に関する構成要素は、比較的安価でかつ即使用可能な使いやすい形に製造できる。
【0035】
[0052] システムは、特定の構造、材料及び方法論的なステップに固有のものであると言葉で説明したが、特許請求の範囲において規定される発明は、説明された特定の構造、材料及び/又はステップに限定される必要がないと理解されたい。むしろ、特定の態様及びステップは、請求項に係る発明を実施する形態として説明したものである。本発明の多くの実施形態は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく実施できるため、本発明は以下に添付された特許請求の範囲に属する。特に明記されない限り、この明細書に用いられる明確な寸法、物理的特性などの全ての数値又は表現は、全ての場合において、用語「約」ないし「概ね」によって修飾されると理解されたい。少なくとも、かつ、特許請求の範囲への均等論の適用を制限する試みとしてではなく、用語「約」によって修飾された明細書又は特許請求の範囲に記載の各数値パラメータは少なくとも、普通の四捨五入法を適用することによって、記載された有効桁の数字を考慮すると解釈すべきである。さらに、この明細書に記載の全ての範囲は、特許請求の範囲に包含されるいかなる、そして全ての部分的な範囲、又は、いかなる、そして全ての個別値を挙げる特許請求の範囲に対するサポートを含み、そのサポートを提供すると理解されたい。例えば、1から10までの一定の範囲は、1である最小値及び10である最大値を含み、かつ、1である最小値と10である最大値との間にあるいかなる、そして全ての部分的な範囲、又は、いかなる、そして全ての個別値;1以上である最小値で始まる或いは10以下である最大値で終わる全ての部分的な範囲(例えば、5.5〜10、2.34〜3.56など)、又は、1から10までのいずれかの値(例えば、3、5.8、9.9994、など)を挙げる特許請求の範囲に対するサポートを含み、そのサポートを提供すると考えるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタムカラーシーリング材を提供するためのシステムであって、
開放した内側区画部と出し入れ自由な状態で流体連通されている第1の開放端部を有する分配容器と、
前記分配容器における前記内側区画部の中に置かれるある量のシーリング材基礎溶液と、
開放した内側部分並びに互いに反対向きとなっている第1の端部及び第2の端部を有するノズルであり、前記分配容器における前記内側区画部が該ノズルにおける前記内側部分と出し入れ自由な状態で流体連通して配置されるように、前記第1の端部が、前記分配容器における前記第1の開放端部に固定される形状及び大きさにされている、ノズルと、
ある量のシーリング材用増粘剤で少なくとも部分的に充填される内側部分を有する補助容器と、
ある量の着色剤で少なくとも部分的に充填され得る開放した内側部分を有する移替えピペットと、
を備えているシステム。
【請求項2】
前記分配容器における前記第1の開放端部に取外し可能に結合されているキャップをさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ノズルが、前記ノズルと前記分配容器との間で延びているストラップによって、前記分配容器に結合されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記移替えピペットは、前記ノズルにおける前記内側部分の中に配置されるよう形状及び大きさが定められており、前記移替えピペットが前記ノズルにおける前記内側部分の中から誤って脱落しないように、前記ノズルの前記第1の端部における開口部が、取外し可能なバリヤーで一時的に閉じられている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記分配容器が、前記分配容器の前記第2の端部に形成されている収容部を有する概ね硬質のカートリッジとして用いられており、前記補助容器が、前記分配容器の前記第2の端部における前記収容部の中に取外し可能に配置されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記分配容器の前記第2の端部における前記収容部への開口部は、前記移替えピペットが前記収容部の中から誤って脱落することを防ぐ取外し可能な収容部バリヤーで一時的に閉じられている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記分配容器が、前記分配容器の前記第2の端部に形成されている収容部を有する概ね硬質のカートリッジとして用いられており、前記補助容器が、前記分配容器の前記第2の端部における前記収容部の中に取外し可能に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記分配容器の前記第2の端部における前記収容部の前記開口部と協働可能に結合されている取外し可能な収容部バリヤーをさらに備え、前記補助容器が前記収容部の中から誤って脱落することを防ぐ、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記取外し可能な収容部バリヤーが、周辺縁部を持つ底壁を有するキャップの形で用いられており、前記周辺縁部が、前記収容部への前記開口部における縁部に取外し可能に係合する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記キャップの前記底壁には、前記底壁を貫通する開口部が設けられており、前記開口部は、前記補助容器30が前記開口部を通る通過を防ぐ大きさにされている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記キャップは、前記補助容器が前記収容部の中に配置されており、かつ、前記キャップが前記収容部への前記開口部における前記縁部と係合されている場合、前記補助容器を前記分配容器の外側から見ることができる概ね透明な材料からなる、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記取外し可能な収容部バリヤーが、前記分配容器における前記収容部への開口部を少なくとも部分的にカバーする1枚以上のフレキシブルな材料の形で用いられている、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
カスタムカラーシーリング材をカスタムカラーにするための方法であって、
ある量のシーリング材基礎溶液が少なくとも部分的に充填されている開放した内側区画部と出し入れ自由な状態で流体連通されている第1の開放端部を有する分配容器を用意するステップと、
開放した内側部分と互いに反対向きとなっている第1の端部及び第2の端部とを有するノズルであり、前記分配容器における前記内側区画部が該ノズルにおける前記内側部分と出し入れ自由な状態で流体連通して置かれるように、前記第1の端部が、前記分配容器における前記第1の開放端部に固定される形状及び大きさにされている、ノズルを用意するステップと、
ある量のシーリング材用増粘剤が少なくとも部分的に充填されている内側部分を有する補助容器を用意するステップと、
開放した内側部分を有する移替えピペットを用意するステップと、
前記移替えピペットにおける開放した前記内側部分の中に、ある量の着色剤を手動で入れるステップと、
前記着色剤の量を前記移替えピペットから前記分配容器における前記内側区画部に注入するステップと、
内容物が混合されて、前記シーリング材基礎溶液が最終カスタムカラーに近似するまで、前記分配容器の前記内側区画部における前記内容物を攪拌するステップと、
ある量の前記シーラント材増粘剤を前記補助容器から前記分配容器における前記内側区画部に導入するステップと、
内容物が混合されて、粘性が高まるまで、前記分配容器の前記内側区画部における前記内容物を攪拌するステップと、
前記ノズルにおける前記第1の端部を前記分配容器における前記第1の開放端部と協働可能に結合するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記移替えピペットが、前記ノズルにおける前記内側部分の中に取外し可能に配置され、前記移替えピペットにおける開放した前記内側部分の中にある量の着色剤を手動で入れる前記ステップの前に、前記移替えピペットが取り出される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記補助容器が、前記分配容器の前記第2の端部に形成されている前記収容部の中に取外し可能に配置され、ある量の前記シーラント材増粘剤を前記補助容器から前記分配容器における前記内側区画部に導入する前記ステップの前に、前記補助容器が取り出される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ノズルが前記分配容器における前記第1の端部と協働可能に結合され、前記分配容器の前記内側区画部における前記内容物が混合された後に、前記ノズルの前記第2の端部における一部分を取り外すステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記分配容器の前記内側区画部における前記内容物を攪拌する前記ステップの少なくとも1つが、前記分配容器を手で振ることによって行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
カスタムカラーシーリング材を提供するためのシステムであって、
開放した内側区画部と出し入れ自由な状態で流体連通されている第1の開放端部を有する分配容器と、
前記分配容器における前記内側区画部の中に配置されるある量のシーリング材基礎溶液と、
開放した内側部分並びに互いに反対向きとなっている第1の端部及び第2の端部を有するノズルであり、前記分配容器における前記内側区画部が該ノズルにおける前記内側部分と出し入れ自由な状態で流体連通して配置されるように、前記第1の端部が、前記分配容器における前記開放端部に固定される形状及び大きさにされている、ノズルと、
ある量のシーリング材用増粘剤と、
前記ノズルにおける開放した前記内側部分の中に配置される移替えピペットであり、ある量の着色剤で少なくとも部分的に充填され得る開放した内側部分を有する移替えピペットと、
を備えているシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2011−515287(P2011−515287A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501021(P2011−501021)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/038120
【国際公開番号】WO2009/120705
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(510252520)サシュコ, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】