説明

カセット式射出成形用金型

【課題】母型に複数のカセット型を同時装着して複数の成形品を高品質かつ高精度に同時成形するカセット式射出成形用金型を提供する。
【解決手段】成形品25はカセット型の可動型18と固定型23で成形される成形品、成形品26はカセット型の可動型19と固定型24で成形される成形品である。先ず射出成形時には通常の型締めを行い、完全に型締めが終了した後、カセット型の可動型18及び19を支持している調整プレート43a及び43bが受ける圧力を圧力センサ44a及び44bにて測定する。測定の結果、測定値に差が無い場合はそのまま成形を行う。測定値に差がある場合は調整装置40a又は40bの駆動機構42a又は42bを型締め方向又は型締めとは逆方向に駆動し、圧力センサ44a及び44bの測定値を一致させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、母型に複数のカセット型を同時装着して複数の成形品を同時成形するカセット式射出成形用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、合成樹脂等で作られる成形品が成形される場合、固定型と可動型の一対の金型が射出成形機の外枠に装着され、可動型と固定型の両方に形成されている成形品の形状に対応するキャビティに、溶解した合成樹脂が注入され固化されて、成形品が成形される。
【0003】
ところで、新製品が開発されると、その新製品に組み込まれる成形品の部品も形状が新しくなる、つまり変更される。したがって、新たに生産される部品の成形品ごとに、成形機に取り付ける金型全体を作り替えなければならないため、成形段取り替えに多大の時間を要して納期の短縮計画を阻害するという解決すべき課題があった。
【0004】
このような技術的な課題を踏まえ、成形段取り替えの時間を短縮する技術として、例えば、特許文献1にように、母型の中に小型のカセット型を組み込む構成のものが知られている。この構成であると、母型を共通にし、小型のカセット型のみのを交換して、種々の成形品に応じた種々の形状の金型を用いることができ、金型製作費用の削減を図ることが出来る。
【0005】
しかしながら、この特許文献1は、ピンゲート方式のカセット型で、専ら、組立て作業を簡単にすることと、バリの発生を防ぐことを目的としており、カセット型を用いて種類の異なる複数の成形品を成形することは考えられていない。
【0006】
これに対して、特許文献2では、同様に母型とカセット型を用いる構成で、キャビティの射出内圧を調節する樹脂流動経路部またはオーバーフロー部に多孔質部を連設することで、1つの金型からそれぞれ形状または体積の異なる複数の樹脂成形品を1回の射出成形で高精度で得ることができるようにした金型が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07−266380号公報
【特許文献1】特開2010−089324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に示される従来技術では、一つのカセット型で成形される複数の成形品の一つが変更になった場合、カセット型には変更になった成形品の型と共に変更になっていない型も作り直すことが必要となる。
【0009】
これでは、カセット型のみを交換して、種々の成形品に応じた種々の形状の金型を用いることができるという母型の中にカセット型を組み込む構成の経済的な効果を有効に活用することができないという解決すべき課題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、母型に複数のカセット型を同時装着して、母型に複数のカセット型を同時装着した場合に生じる不具合を矯正しながら、複数の成形品を同時成形するカセット式射出成形用金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のカセット式射出成形用金型は、成形機に取り付けられる母型と、該母型に同時装着される複数のカセット型と、母型に備えられ、複数のカセット型に対応する複数の成形品の形状が異なる場合の射出内圧差に基づく各カセット型間に発生するパーティング面の傾き又は複数のカセット型の型開き方向の全長がそれぞれ異なる場合に各カセット型間に発生するパーティング面の傾きを矯正するために成形品の成形時に型開き方向に作動する調整装置と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、母型に複数のカセット型を同時装着して複数の成形品を高精度に同時成形するカセット式射出成形用金型を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1に係るカセット式射出成形用金型の主要部を示す斜視図である。
【図2】図1に示す可動型と固定型をパーティング面で型開きしたときの可動型をパーティング面側(空間方向側)から見た図である。
【図3】図2のA−A断面矢視図である。
【図4】図2に示した可動型取付板、可動型板、調整プレートで形成されている空間に対してカセット型の2個の可動型を図4の左右方向から装着した状態を示す図である。
【図5】図1に示したカセット型の母型にカセット型の2個の可動型と2個の固定型を装着した状態と一般に母型に複数のカセット型を同時装着した場合に生じる不具合を示す図である。
【図6】実施例1に係るカセット式射出成形用金型の母型にカセット型の2個の可動型と2個の固定型を装着した状態を簡略に示す図である。
【図7】実施例1に係るカセット式射出成形用金型の2つの調整装置によるカセット型の2つの可動型に対する力の掛かり方を示す図である。
【図8】(a) は実施例1に係るカセット式射出成形用金型の調整装置の駆動機構の例を調整プレートと共に示す斜視図、(b) は断面図である。
【図9】(a) は実施例1に係るカセット式射出成形用金型の調整装置の駆動機構の他の例を調整プレートと共に示す斜視図、(b) は断面図である。
【図10】実施例2に係るカセット式射出成形用金型の母型にカセット型の2つの可動型と2つの固定型を装着した状態を2つの成形品と2つの調整装置の他の例と共に簡略に示す図である。
【図11】実施例2に係るカセット式射出成形用金型の構成における調整装置の動作を説明する図である。
【図12】実施例3に係るカセット式射出成形用金型の母型にカセット型の2つの可動型と2つの固定型を装着した状態を2つの成形品と調整装置と共に簡略に示す図である。
【図13】(a) は実施例3に係るカセット式射出成形用金型の調整装置の駆動機構の構成を示す斜視図、(b) はその断面図である。
【図14】実施例3に係るカセット式射出成形用金型の構成における調整装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係るカセット式射出成形用金型の主要部を示す斜視図である。尚、図1に示すカセット式射出成形用金型1は、図示を省略したカセット型に代えてカセット型の可動型が入る空間2とカセット型の固定型が入る空間3のみを示している。
【0016】
カセット型の可動型が入る空間2を形成する可動型4は、受板と一体な形状の可動型取付板5と可動型板6からなる。
【0017】
他方のカセット型の固定型が入る空間3を形成する固定型7は、固定型取付板8と固定型板9とランナロックピンを固定する型部材11から成る。型部材11には、湯口を有するスプルーブッシュ12が固定型取付板8を貫通して係合している。
【0018】
可動型取付板5及び可動型板6の上下面と、固定型板9の上下面との間には、型開き位置を規制する引張りリンク13が差し渡されて取り付けられている。上記可動型4と固定型7とで母型14が構成されている。この母型14の可動型板6と固定型板9との当接面は型開きのときのパーティング面15を形成している。
【0019】
図2は、図1に示す可動型4と固定型7をパーティング面15で型開きしたときの可動型4を、パーティング面15側から、つまり空間3方向側から見た図である。尚、図2には、図1に示した構成と同一の構成部分には図1と同一の番号を付与して示している。
【0020】
また、図2には、可動型板6で上下を囲まれた可動型取付板5の中央面に配置された後述する調整装置の調整プレート16(16a、16b)を示している。
【0021】
図3は、図2のA−A断面矢視図である。尚、図3には、図1及び図2に示した構成と同一の構成部分には図1及び図2と同一の番号を付与して示している。図3に示すように可動型取付板5の内部には調整装置20(20a、20b、但し20aは断面の図の手前側になるので図示されない、以下同様)が埋め込まれるように配置されている。
【0022】
調整装置20(20a、20b)は、調整プレート16(16a、16b)と、この調整プレート16をパーティング面15方向に進退駆動する駆動機構17(17a、17bとで構成されている。
【0023】
図3に示す空間2(図1の空間2も同様)には、後述するカセット型の2個の可動型が可動型取付板5と可動型板6に対し型開き方向(図面左右方向)とは直角な方向となる図面奥行き方向の前後から交換可能に装着される。
【0024】
同様に後述するカセット型の2個の固定型は、図1に示した固定型板9と固定型取付板8に対し型開き方向(図面左右方向)とは直角方向となる図面奥行き方向の前後から交換可能に装着される。
【0025】
図4は、図2に示した可動型取付板5、可動型板6、調整プレート16(16a、16b)で形成されている空間2に対して、カセット型の2個の可動型18及び19が図4の左右方向から、装着された状態を示している。
【0026】
可動型18及び19には、空間2に装着する際の重量のある可動型18又は19を手に保持するに足る十分に頑丈な取っ手21又は22が取り付けられている。図4において、可動側取付板5のカセット型の可動型18及び19が装着される範囲に、図2に示した調整プレート16a及び16bが埋め込まれている。
【0027】
図5は、図1に示した空間2及び3に、カセット型の2個の可動型18及び19と2個の固定型23及び24を装着した状態と、このように母型に複数のカセット型を同時装着した場合に生じる不具合を示す図である。
【0028】
尚、図5には、図1ないし図4に示したと同一構成又は同一の機能部分には図1ないし図4に示したと同一の番号を付与し、以後の説明では要点のみを説明できるように、より簡略な模式図で示している。
【0029】
また、図5には、参考のため、カセット型の2個の可動型18及び19と2個の固定型23及び24に対応する形状と大きさの異なる2個の成形品25及び26を示している。
【0030】
図5に示すように、一つの母型に複数のカセット型を組み込んで成形を行う場合、カセット型の構造の違いや成形品の形状や大きさの違いによって、射出内圧の差、又はカセット型の型開き方向の全長の違が生じ、これにより成形時において母型に傾きが発生してしまう。
【0031】
この傾きによる図5に示す寸法差dは、図では分かりやすく大きな差のように示しているが、実測によれば、0.011〜0.018mmの範囲である。しかし、このように実測の寸法差dが一見僅かのように見えても、成形品の品質や精度に大きな悪影響が出てしまう。
【0032】
そこで、本発明者は、この寸法差dを矯正することを考えた。そうすれば、母型に複数のカセット型を同時装着して複数の成形品を高精度に同時成形するというカセット式射出成形の経済的な効果を有効に活用することができる。図2及び図3に示した調整プレート16と駆動機構17から成る調整装置20が、寸法差dを矯正するための装置である。
【0033】
図6は、要部の動作を簡明に示すため、カセット式射出成形用金型1の母型14を、可動側取付板5、固定側取付板8、9、調整プレート16a、16b、駆動機構17a、及び17bのみ示し、これにカセット型の可動型18、19、カセット型の固定型23、24を装着した状態を簡略に示す図である。
【0034】
尚、成形品25はカセット型の可動型18と固定型23で成形される成形品であり、成形品26はカセット型の可動型19と固定型24で成形される成形品を示している。
【0035】
この構成において、先ず、射出成形時には通常の型締めを行う。完全に型締めが終了した後、調整装置20aの駆動機構17aにより調整プレート16aを型締め方向に駆動する。
【0036】
これと共に、調整装置20bの駆動機構17bにより調整プレート16bを型締め方向に駆動する。更に調整装置20aの駆動機構17aにより調整プレート16aを駆動してカセット型の可動型18を型締め方向へ動かして固定型23を更に押圧する。
【0037】
図7は、このときの調整装置20a及び調整装置20bによるカセット型の可動型18及び可動型19に対する力の掛かり方を示している。このように、調整装置20a及び調整装置20bの押圧駆動力を調整する。
【0038】
これにより、カセット型の可動型18と固定型23、及びカセット型の可動型19と固定型24の構造の違いや成形品25及び成形品26の形状や大きさの違いによる射出内圧の差又は、カセット型の可動型18と可動型19の全長の違いによる各カセット型間に発生するパーティング面の傾きを抑制することができ、成形品の品質や精度を向上させることができる。
【0039】
図8(a),(b) は調整装置20(20a、20b)の駆動機構の例を調整プレート16(16a、16b)と共に示す図であり、(a) は斜視図、(b) は断面図である。
【0040】
図8(a),(b) に示すように、駆動機構17は、基台27に固定されたシリンダ28と、シリンダ28内を摺動自在なピストン29、ピストン29に固定されたピストンシャフト31、ピストン29と基台27で形成される間隙に連結された油圧パイプ32とで構成されている。
【0041】
ピストンシャフト31の先端は調整プレート16の下面に固定されている。また、油圧パイプ32の図外左方には油圧ポンプが接続されている。油圧ポンプから油圧パイプ32を介してシリンダ28に送り込まれる油圧によって、調整プレート16の押圧力を図7に示すように調整することができる。
【0042】
図9(a),(b) は調整装置20(20a、20b)の駆動機構の他の例を調整プレート16(16a、16b)と共に示す図であり、(a) は斜視図、(b) は断面図である。
【0043】
図9(a),(b) に示すように、駆動機構17は、基台33に下端を固定されたラックガイド34と、ラックガイド34に昇降自在に保持されたラック35とを備えている。ラック35の上端は調整プレート16の下面に固定されている。
【0044】
更に、駆動機構17は、モータ36と、モータ36の回転軸37に固定された駆動ギア38を備えている。ラック歯35と駆動ギア38との間には、ピニオン保持部39に保持されたピニオン41が介装されている。
【0045】
モータ36が正逆いずれかへ回転することによりた、回転軸37、駆動ギア38、ピニオン41を介してラック35が昇降駆動され、図8の場合と同様に、調整プレート16の押圧力を調整することができる。
【実施例2】
【0046】
図10は、実施例2に係るカセット式射出成形用金型1の、図1に示した母型14に、カセット型の可動型18、19、固定型23、24を装着した状態を、成形品25、26と、調整装置の他の例と共に簡略に示す図である。尚、図10に示す実施例2は、図6に示した実施例1とは調整装置の構成のみが異なる。
【0047】
すなわち図10に示す実施例2の調整装置40(40a、40b)は、可動側取付板5に固定された駆動機構42(42a、42b)と圧力センサ44(44a、44b)と、駆動機構42に固定された調整プレート43(43a、43b)を備えている。
【0048】
図11は、上記実施例2の構成における調整装置40の動作を説明する図である。先ず、射出成形時に通常の型締めを行う。完全に型締めが終了した後、カセット型の可動型18及び19を支持している調整プレート43a及び43bが受ける圧力を、圧力センサ44a及び44bにより測定する。
【0049】
この測定の結果から、測定値に差が無い場合はそのまま成形を行う。しかし、測定値に差があった場合は、調整装置40の駆動機構42を型締め方向又は型締めとは逆方向に駆動し、圧力センサ44a及び44bの測定値を一致させる。
【0050】
これにより、この場合も、カセット型の可動型18及び19、固定型23及び24の構造の違いや成形品25及び26の形状や大きさの違いによる射出内圧の差、又はカセット型の可動型18又は19の全長の違いによって生じる母型14の傾きを矯正することができ、成形品の品質や精度を向上させることができる。
【0051】
尚、本例の調整装置40の駆動機構42も、図8(a),(b) 又は図9(a),(b) に示した駆動機構17と同様な構成である。
【実施例3】
【0052】
図12は、実施例3に係るカセット式射出成形用金型1の図1に示した母型14に、カセット型の可動型18、19、固定型23、24を装着した状態を、成形品25、26と、調整装置と共に簡略に示す図である。
【0053】
この実施例3においては、実施例1又は2では可動型取付板5に埋め込まれていた調整装置が、可動型板6のパーティング面において、調整装置45(45a、45b)として可動型板6に埋め込まれて固定されている。
【0054】
図13(a) 本例における調整装置45(45a、45b)は、圧力センサ46(46a、46b)と駆動機構47(47a、47b)とで構成されている。
【0055】
図13(a),(b) は、本例の調整装置45の駆動機構47(47a、47b)を示す図であり、(a) は斜視図、(b) は断面図である。尚、図13(a),(b) には、図8(a),(b) と同一の構成又は同一の機能部分には、図8(a),(b) と同一の番号を付与して示している。
【0056】
図13(a),(b) に示すように、本例においては、ピストンシャフト31の先端には、可動型18、19に当接して支持する調整プレート16に代わって、固定型板9のパーティング面に当接して、固定型板9を押圧するための突き当て板(突き当て部)48が固定されている。
【0057】
図14は、上記実施例3の構成における調整装置45の動作を説明する図である。先ず、射出成形時に通常の型締めを行う。完全に型締めが終了した後、可動型板6が固定型板9から受ける圧力を、圧力センサ46a及び46bにより測定する。
【0058】
この測定の結果から、測定値に差が無い場合はそのまま成形を行う。しかし、測定値に差があった場合は、調整装置45の駆動機構47を型締め方向又は型締めとは逆方向に駆動し、圧力センサ46a及び46bの測定値を一致させるようにする。
【0059】
これにより、この場合も、カセット型の可動型18及び19、固定型23及び24の構造の違いや成形品25及び26の形状や大きさの違いによる射出内圧の差、又はカセット型の可動型18又は19の全長の違いによって生じる母型14の傾きを矯正することができ、成形品25及び26の品質や精度を向上させることができる。
【0060】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各実施形態の各部材の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。
例えば、上述の調整装置においては、弾性部材を用いてパーティング面の傾きを調整してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、母型に複数のカセット型を同時装着して複数の成形品を同時成形するカセット式射出成形用金型に利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 カセット式射出成形用金型
2 カセット側の可動型が入る空間
3 カセット側の固定型が入る空間
4 可動型
5 可動型取付板
6 可動型板
7 固定型
8 固定型取付板
9 固定型板
11 型部材
12 スプルーブッシュ
13 引張りリンク
14 母型
15 パーティング面
16(16a、16b) 調整プレート
17(17a、17b) 駆動機構
18、19 可動型
20(20a、20b) 調整装置
21、22 取っ手
23、24 固定型
25、26 成形品
27 基台
28 シリンダ
29 ピストン
31 ピストンシャフト
32 油圧パイプ
33 基台
34 ラックガイド
35 ラック
36 モータ
37 回転軸
38 駆動ギア
39 ピニオン保持部
40(40a、40b) 調整装置
41 ピニオン
42(42a、42b) 駆動機構
43(43a、43b) 調整プレート
44(44a、44b) 圧力センサ
45(45a、45b) 調整装置
46(46a、46b) 圧力センサ
47(47a、47b) 駆動機構
48 突き当て板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機に取り付けられる母型と、
該母型に同時装着される複数のカセット型と、
前記母型に備えられ、複数の前記カセット型に対応する複数の成形品の形状が異なる場合の射出内圧差に基づく各カセット型間に発生するパーティング面の傾き又は複数のカセット型の型開き方向の全長がそれぞれ異なる場合に各カセット型間に発生するパーティング面の傾きを矯正するために前記成形品の成形時に型開き方向に作動する調整装置と、
を有することを特徴とするカセット式射出成形金型。
【請求項2】
前記調整装置は、少なくとも調整プレートと該調整プレートを進退させる駆動機構とからなり、前記成形機の可動側取付板に接する前記母型に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のカセット式射出成形金型。
【請求項3】
前記調整装置は、前記成形品の成形時の型締め力に加えて、前記複数のカセット型の前記パーティング面が同一面内に維持されるよう各カセット型の圧縮方向に作動する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカセット式射出成形金型。
【請求項4】
前記調整装置は、可動側型板のパーティング面に配置され、成形時は型開方向に作動する、ことを特徴とする請求項1に記載のカセット式射出成形金型。
【請求項5】
前記調整装置は、圧力センサを有し、該圧力センサにより前記成形品の成形時における前記カセット型毎にかかる圧力を検出し、この検出結果に基づいて前記カセット型毎にかかる圧力が均一になるよう作動する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカセット式射出成形金型。
【請求項6】
前記調整装置は、突き当て部と、該突き当て部を進退させる駆動機構と、圧力センサとを有し、該圧力センサにより前記成形品の成形時における前記カセット型毎にかかる圧力を検出し、この検出された圧力差に応じて前記突き当て部を型開き方向に進出駆動する、ことを特徴とする請求項1又は4に記載のカセット式射出成形金型。
【請求項7】
前記駆動機構は、ポンプと油圧シンリンダとピストン、ポンプとエアシンリンダとピストン、又はモータとピニオンとラックで構成される、ことを特徴とする請求項2、3又は5に記載のカセット式射出成形金型。
【請求項8】
前記調整装置は、弾性部材で構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のカセット式射出成形金型。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−30408(P2012−30408A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169922(P2010−169922)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】