説明

カップホルダ装置

【課題】使い勝手を向上させることが可能であり、かつ、装置の小型化を可能として、レイアウト自由度を向上できるとともに、他のスイッチ類の操作性やメータ類の視認性に悪影響を与えにくいカップホルダ装置を提供すること。
【解決手段】容器底部を支持可能に基体20に設けられた底部支持部21と、基体20に回動軸32,42が回動可能に支持されて、折畳状態とV字状に拡がった展開状態とに形態を変更可能な一対のフラップ部材30,40と、基体20において、展開状態の一対のフラップ部材30,40と共に容器を囲むことができるように配置されて容器外周面を支持する側面支持部23と、を備えているカップホルダ装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器などの容器を保持するカップホルダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のインストルメントパネルなどに設けられたカップホルダ装置として、例えば、特許文献1に示されたものが知られている。
【0003】
この特許文献1には、インストルメントパネル内に設けたケースにスライド可能に支持されて、容器を挿通可能な円形の保持用穴が開口された本体と、この本体に回動可能に支持され、保持用穴に挿通した容器の底部を支持する使用時位置と本体に収容された格納時位置とに回動可能に本体に支持された底部支持アームと、を備えたカップホルダ装置が記載されている。
【0004】
この特許文献1に記載のカップホルダ装置は、不使用時には、底部支持アームを本体に収容した状態で本体をケースに格納することができる。
一方、使用時には、本体をケースから引き出すと、底部支持アームが回動して、保持用穴の下方に配置され、容器を保持用穴に対して上方から差し込むと、容器の底部が底部支持アームに支持され、かつ、容器の側面が保持用穴の内周に当接して保持される。
【特許文献1】特開2004−299544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、使用時に、円形の保持用穴に容器を差し込む動作を行うが、このとき、保持用穴の中心と容器の中心とが一致しなければ、容器を差し込むことができず、また、容器が保持用穴の縁にぶつかって、中味をこぼすおそれがあり、使い勝手の改善が望まれていた。
【0006】
しかも、保持用穴を有した本体は、保持用穴の外径よりも幅広に形成する必要があり、本体およびケースの大型を招く。したがって、インストルメントパネルにおける設置スペースが大きくなり、レイアウト自由度が制限される。加えて、使用時には、インストルメントパネルに配置された他のスイッチ類の操作性や、メータ類の視認性に悪影響を及ぼすおそれもある。
【0007】
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、使い勝手を向上させることが可能であり、かつ、装置の小型化を可能として、レイアウト自由度を向上できるとともに、他のスイッチ類の操作性やメータ類の視認性に悪影響を与えにくいカップホルダ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために本発明は、格納部に格納された格納位置と格納部から引き出された引出位置とにスライド可能に支持部材に支持された基体と、この基体に容器底部を支持可能に設けられた底部支持部と、前記基体において、前記底部支持部の上方であって引出方向の位置に、基端の回動軸が回動可能に支持されて、全体が格納部に格納可能に折り畳まれた折畳状態と、先端が基体の幅外に突出するとともに、前記基端に対して斜め上方に立ち上げられてV字状に拡がった展開状態と、に形態を変更可能な一対のフラップ部材と、前記基体において、前記底部支持部の上方であって格納方向の位置に設けられ、前記展開状態の一対のフラップ部材と共に容器を囲むように配置されて容器外周面を支持する側面支持部と、を備えていることを特徴とするカップホルダ装置とした。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカップホルダ装置において、前記フラップ部材が、円形の容器の外周に沿って接触可能な湾曲部を備えていることを特徴とするカップホルダ装置とした。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のカップホルダ装置において、前記側面支持部は、容器の大きさに応じて移動可能な支持体を備えていることを特徴とするカップホルダ装置とした。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカップホルダ装置において、前記基体の引出方向スライドに連動して前記回動軸を回動させて各フラップ部材を折畳状態から展開状態へ形態変更させ、かつ、前記基体の格納方向スライドに連動して前記回動軸を回動させて各フラップ部材を前記展開状態から折畳状態に形態変更させる連動機構を備えていることを特徴とするカップホルダ装置とした。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のカップホルダ装置において、前記連動機構が、前記支持部材に設けられた駆動用ラックと、前記基体に支持されて、前記基体のスライド時に前記駆動用ラックと噛み合って回転する駆動用ピニオンと、前記駆動用ピニオンの回転を、前記フラップ部材の回動軸に伝達する伝達機構と、を備えていることを特徴とするカップホルダ装置とした。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載のカップホルダ装置において、前記フラップ部材の回動軸が、上向きに傾斜して設けられ、前記連動機構が、前記回動軸と一体的に回動可能な傘歯車を備えていることを特徴とするカップホルダ装置とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、基体においてV字状に展開状態とした一対のフラップ部材の間に容器を差し込み、さらに、基体の底部支持部により、容器の底部を支持して容器の下方への移動を規制し、かつ、両フラップ部材で容器側面の2箇所を支持するとともに、基体の側面支持部で、容器側面を支持し、容器の水平方向の移動を規制した状態で、容器の保持を行うことができる。
【0015】
このように、容器を支持する際には、斜めにV字状に展開した一対のフラップ部材の間に容器を差し込めばよいため、円形の保持用穴に容器を差し込む場合のように、両者の中心を一致させる必要が無く、差込操作が容易となり使い勝手を向上できる。しかも、容器を、V字のフラップ部材の間に斜めに差し込むことができるため、容器を、保持穴に真上から差し込む場合のように、差込方向が一方向に制限されることが無く、この点でも、差込操作が容易となり、使い勝手を向上できる。
【0016】
さらに、V字に展開するフラップ部材は、格納部に収まった折畳状態に形態を変更できるようにしたため、一定形状の容器保持穴を有したものよりも、格納部の必要スペースを小さくすることができ、コンパクトに格納することが可能となる。
よって、レイアウト自由度を向上できる。
また、基体は、保持用穴を有しないことから、保持用穴を有したものよりもコンパクトに形成できるため、容器の保持時に、他のスイッチ類の操作性やメータ類の視認性に悪影響を与えにくくすることができる。
【0017】
さらに、請求項2に記載の発明では、容器の保持時に、フラップ部材の湾曲部が容器の外周に沿って接触する。
このため、フラップ部材が容器に点接触するものに比べて、高い容器保持性能を得ることができる。
【0018】
また、請求項3に記載の発明では、容器の大きさに応じて、側面支持部の支持体を移動させ、複数種類の大きさの容器に、常に、フラップ部材と側面支持部とを接触させて、確実に保持することができる。
【0019】
さらに、請求項4に記載の発明では、基体を格納位置から引出位置へスライドさせるのに連動して、連動機構が回動軸を回動させて、フラップ部材を折畳状態から展開状態へ形態を変更させる。
また、基体を引出位置から格納位置へスライドさせるのに連動して、連動機構が回動軸を回動させて、フラップ部材を展開状態から折畳状態へ形態を変更させる。
したがって、上記形態変更を手動で行うのと比較して、使い勝手に優れる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明では、基体をスライドさせたときには、基体に支持された駆動用ピニオンが支持部材に設けられた駆動用ラックに噛み合って回転し、この回転が、伝達機構を介してフラップ部材の回動軸に伝達されて、フラップ部材が回動する。
したがって、このようなフラップ部材の連動には、モータなどの駆動手段を用いないため、安価でコンパクトに構成することができる。
【0021】
さらに、請求項6に記載の発明では、フラップ部材の回動軸を上向きに傾斜させたため、回動軸を低い位置に配置しながらも、展開状態ではフラップ部材を高い位置に配置させて容器保持時の安定性を確保することができる。
したがって、回動軸を低い位置に配置して、フラップ部材の折畳状態での位置を低くすることで、格納部の必要スペースを小さくさせることと、容器保持時の安定性向上とを両立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態のカップホルダ装置は、格納部(11)に格納された格納位置と格納部(11)から引き出された引出位置とにスライド可能に支持部材(10)に支持された基体(20)と、この基体(20)に、容器底部を支持可能に設けられた底部支持部(21)と、前記基体(20)において、前記底部支持部(21)の上方であって引出方向の位置に、基端の回動軸(32,42)が回動可能に支持されて、全体が格納部(11)に格納可能に折り畳まれた折畳状態と、先端が基体(20)の幅外に突出するとともに、前記基端に対して斜め上方に立ち上げられてV字状に拡がった展開状態と、に形態を変更可能な一対のフラップ部材(30,40)と、前記基体(20)において、前記底部支持部(21)の上方であって格納方向の位置に設けられ、前記展開状態の一対のフラップ部材(30,40)と共に容器を囲むことができるように配置されて容器外周面を支持する側面支持部(23)と、を備えていることを特徴とするカップホルダ装置である。
【実施例1】
【0023】
以下に、図1〜図11に基づいて、この発明の最良の実施の形態の実施例1のカップホルダ装置Aについて説明する。
この実施例1のカップホルダ装置Aは、図1および図2に示すように、車両のインストルメントパネル1の車幅方向の端部において、図外の空調装置からの送風が吹き出されるサイドベントグリル2の車両下方位置に設置されている。なお、各図において、矢印FRが車両前方を、矢印RRが車両後方を、矢印UPが車両上方を、矢印DNが車両下方を、矢印WLが車両左方向を、矢印WRが車両右方向を示している。
【0024】
カップホルダ装置Aは、図1に示すように、容器CAを保持可能な状態と、図2に示すように、インストルメントパネル1に格納された格納状態と、に形態を変更可能に構成されており、以下、この構成について説明する。
なお、図1および図2では、カップホルダ装置Aが、インストルメントパネル1の車両右方向の端部に設置されたもののみを示しており、以下の説明も、この車両右方向端部に設置されたものについて説明するが、インストルメントパネル1の車両左方向端部にも、同様のカップホルダ装置Aが設置されているものとする。
この実施例1のカップホルダ装置Aは、図3および図4に示すように、ケース(支持部材)10と、基体20と左右一対のフラップ部材30,40とを備えている。
【0025】
ケース10は、格納部11を備えるとともに、基体20を車両前後方向にスライド可能に支持するものであり、開口部12を車両後方へ向けた箱状に形成されている。
すなわち、ケース10は、格納部11を挟んで車幅方向に対向する一対の側壁13a,13bと、格納部11の下側を覆う底壁14と、車両前方の端部に起立されて格納部11の車両前方を覆う奥壁15と、を備えている。
また、各側壁13a,13bの上端には、断面L字形状を成してフランジ16a,16bが連続して形成され、かつ、両フランジ16a,16bの先端面に挟まれて、駆動用溝17が車両前後方向に延在されている。
【0026】
そして、ケース10は、開口部12を、インストルメントパネル1においてサイドベントグリル2の下方位置で車両後方に向けて、インストルメントパネル1の内側に設置されている。
【0027】
基体20は、開口部12からケース10の格納部11に出入可能な幅に形成されており、かつ、底部支持部21とフラップ支持部22と側面支持部23とにより車両幅方向から視て略凹状に形成されている。
【0028】
底部支持部21は、略四角筒状を成し、車両前後方向に延在され、内部に後述する連動機構50の一部を収容している。そして、この底部支持部21の車両上方を向いた面が、容器CAの底部を支持する底部支持面21aとなっている。
なお、底部支持面21aは、容器CAが滑り難い処理が施されている。この処理としては、例えば、容器CAとの摩擦力を高めるギザギザ形状を加える表面処理や、容器CAを滑りにくくするゴムや軟質樹脂などを表面に貼設する処理などを用いることができる。
【0029】
フラップ支持部22は、フラップ部材30,40を支持するもので、底部支持部21の車両後方端部から上方に延在された筒状を成すとともに、車両前方に上向き傾斜した傾斜面22aを有し、内部には、連動機構50の一部を収容する収容室22bが形成されている。
【0030】
さらに、基体20のフラップ支持部22の車両後方端面には、フィニッシャ25が設けられている。このフィニッシャ25は、インストルメントパネル1と同質の素材で形成されて、カップホルダ装置Aを格納状態としたときに、インストルメントパネル1の表面と同一面を成すように配置されている。
ちなみに、基体20は、前述の格納位置では、図7に示すように、フィニッシャ25を残してケース10に収容され、一方、前述の引出位置では、図4および図6に示すように、側面支持部23の一部をケース10内に残す位置まで車両後方へ引き出される。
【0031】
側面支持部23は、図3,図4に示すように、略四角の筒状を成し、底部支持部21の車両前方の端部から上方に立ち上げられている。そして、車両後方を向いた部分に、容器CAの側面を支持する側面支持面24aを有した側面支持片24が、その上端部を回動可能に取り付けられている。この側面支持片24は、図示を省略した付勢スプリングにより回動付勢されて、小径容器用の位置に配置され、また、大径容器を支持する場合には、付勢スプリングの付勢力に抗して、略直立した位置まで車両前方へ回動する。
なお、側面支持面24aは、容器CAの外周の円弧形状に応じて緩やかな円弧面形状に形成されている。
【0032】
また、側面支持部23の車両前方側端部には、断面略L字の縦壁23aが形成されている。そして、縦壁23aから車両前方に向かって延びる係合片23bが、側面支持部23から車両前方に向かって突出されている。なお、係合片23bの先端には、後述するラッチ機構70に係合する爪部が形成されている。
さらに、縦壁23aの車両上方かつ車両前方には、側面支持部23の車幅方向両側面を形成する側壁23c,23dに挟まれた駆動スプリング格納部23eが形成されている。
【0033】
フラップ部材30,40は、基体20のフラップ支持部22の傾斜面22aに取り付けられており、それぞれ、帯板状の支持片31,41と回動軸32,42とを備えている。
両回動軸32,42は、支持片31,41の基端に一体に設けられ、傾斜面22aに、回動中心軸を車両前方斜め上方に向けた状態で回動可能に支持され、かつ、車幅方向に並設されている。
支持片31,41は、回動軸32,42から、車両前方斜め上方を向いた回動中心軸に対し、直交方向よりも車両前方に傾斜して外径方向に延在されている。
【0034】
したがって、フラップ部材30,40は、図8および図9に示すように、支持片31,41どうしを近接させ、先端を車両前方下方に向けて、基体20を車両上下方向および車両前後方向に投影させた範囲内、すなわち、格納部11に格納可能に折り畳まれた折畳状態と、図3および図4に示すように、支持片31,41の先端どうしを離し、両先端を車両前方上方に起立させて、支持片31,41をV字状に拡げた展開状態と、に形態を変更可能に構成されている。
【0035】
さらに、支持片31,41には、湾曲部31a,41aと突部31b,41bとが形成されている。
すなわち、湾曲部31a,41aは、展開状態で両支持片31,41の間に図6に示すように、大径の容器CA(大)を配置させた際に、その外周面に沿って接触可能な湾曲形状に形成されている。
一方、突部31b,41bは、湾曲部31a,41aの支持片31,41の基端側に連続して形成されており、図示を省略した小径の容器CA(小)を両支持片31,41の間に配置させた際に、両突部31b,41bを容器CA(小)の外周面に当接させることができる位置および突出量に形成されている。
【0036】
さらに、カップホルダ装置Aには、図3および図8に示すように、連動機構50が設けられている。この連動機構50は、一対のフラップ部材30,40を、基体20のスライドに連動させて上述の折畳状態と展開状態とに左右同調させて回動させるもので、駆動用ラック51、駆動用ピニオン52および伝達機構53を備えている。
【0037】
駆動用ラック51は、ケース10の底壁14の上面において、開口部12の近傍のあらかじめ設定された駆動範囲DV(図5参照)に亘って車両前後方向に設けられている。
駆動用ピニオン52は、基体20の側面支持部23の下端部の両側壁23c,23dの間に、車幅方向を向いた軸を中心に回動可能であるとともに、駆動用ラック51と噛み合い可能な高さに支持されている。
【0038】
したがって、基体20がケース10に対してスライドした際に、駆動用ピニオン52は、駆動用ラック51が設けられていない範囲(これを空走域とする)では、回転しないが、前述の駆動範囲DVに達して駆動用ラック51と噛み合うと、基体20のスライドに連動して回転する。
【0039】
伝達機構53は、駆動用ピニオン52の回転を、両フラップ部材30,40の回動軸32,42に伝達するもので、ウォーム531、駆動軸532、第1伝達ギア533、第2伝達ギア534、第3伝達ギア535、第4伝達ギア536、傘歯車537、同調ギア538,539を備えている。
【0040】
駆動軸532は、基体20の底部支持部21の内部に、車両前後方向に延在して回転可能に支持されており、車両前方の端部に、駆動用ピニオン52と噛み合うウォーム531が一体的に回転可能に結合され、車両後方の端部に、第1伝達ギア533が一体的に回転可能に結合されている。したがって、駆動用ピニオン52の回転時には、ウォーム531と一体の駆動軸532と共に第1連動ギアが回転される。
【0041】
第2伝達ギア534〜第4伝達ギア536は、ぞれぞれ、フラップ支持部22に車両前後方向を向いた軸を中心に回転可能に支持され、第1伝達ギア533から車両上方に向かって相互に噛み合って配置されている。
なお、第1伝達ギア533〜第3伝達ギア535は、両フラップ部材30,40の車幅方向中間位置において、略一直線上に上下に並設されているが、第4伝達ギア536は、その回転中心が、右側のフラップ部材40の回動軸42の下方に配置されている。
【0042】
傘歯車537は、車両前後方向を向いた第4伝達ギア536の回転を、傾斜面22aに支持されて車両前後方向に対して斜めを向いた回動軸42に伝達するもので、回動軸42と同軸に設けられ、第4伝達ギア536に噛み合わされている。
同調ギア538,539は、両回動軸32,42を同調回動させるもので、それぞれ回動軸32,42と同軸に設けられ、相互に噛み合わされている。
【0043】
したがって、連動機構50は、基体20をケース10から車両後方に引出スライドさせる際に、駆動用ピニオン52が駆動範囲DVにおいて駆動用ラック51に噛み合って回転するのに連動して、フラップ部材30,40を、折畳状態から展開状態に形態を変更させる。また、基体20をケース10に格納させる車両前方への格納スライドの際に、駆動用ピニオン52が駆動範囲DVにおいて駆動用ラック51と噛み合って回転するのに連動して、フラップ部材30,40を、展開状態から折畳状態に形態を変更させる。
【0044】
基体20の引出スライドは、駆動スプリング60の弾発力により成される。
すなわち、駆動スプリング60は、帯板状のスプリング本体61と、このスプリング本体61を巻取可能な巻取軸62と、を備えている。
【0045】
巻取軸62は、基体20の側面支持部23の駆動スプリング格納部23eにおいて、側壁23c,23dの間に車幅方向の軸を中心に回動可能に支持されている。
【0046】
スプリング本体61は、一端を、ケース10の駆動用溝17の車両後方側端部に固定され、もう一方の端部が、巻取軸62に巻き付けられており、このスプリング本体61は、巻取軸62から引き出された際に、巻取軸62に巻き取られる方向に復元する。
【0047】
したがって、基体20を、図6に示すように、ケース10から車両後方へ最も引き出した引出位置で、スプリング本体61は、ほぼ全長を巻取軸62に巻き取られている。
一方、この状態から、基体20をケース10に格納すると、基体のスライド量の分だけ、スプリング本体が巻取軸から巻き出され、図8および図9に示す格納位置では、スプリング本体61は、巻取軸62から大きく引き出されている。
この状態では、駆動スプリング60のスプリング本体61の復元力が、巻取軸に巻き取られる方向に作用し、基体20を引出スライドさせるよう作用する。
【0048】
さらに、ケース10の奥壁15には、ラッチ機構70が設けられている。
このラッチ機構70は、基体20の係合片23bと係合して、基体20が駆動スプリング60の付勢力でスライドするのを規制して格納位置に保持するもので、係合片23bの、車両前方への最初の押し込みで係合状態となるとともに、次回の押し込みに連動して係合を解除する周知の構造となっている。
【0049】
また、基体20の側壁23cには、図7に示すダンパ80が取り付けられている。このダンパ80は、基体20のスライド速度を緩和させるもので、このダンパ80は、ケース10の側壁13aに車両前後方向に沿って形成されたダンパ用ラック13cと噛み合うピニオン81を備えており、基体20がケース10に対してスライドするのに伴いピニオン81が回転するときの回転速度を、内部の油圧ダンパ構造により回転抵抗を与えることで設定範囲内に抑える。
【0050】
次に、実施例1の作動例を説明する。
(非使用時)
容器CAを保持しない場合には、基体20をケース10に格納位置まで押し込み、図2に示すように、基体20のフィニッシャ25を、インストルメントパネル1と略同一面に配置した格納状態とする。
この格納状態では、フラップ部材30,40は、図8および図9に示すように、折畳状態となって、車幅方向、車両上下方向、車両前後方向で基体20よりも内側に収まった状態で、格納部11に格納されている。
【0051】
また、このように、基体20をケース10に押し込んだ状態では、駆動スプリング60のスプリング本体61が、図10に示すように、駆動用溝17の略全長に亘って巻取軸62から引き出され、その復元力により基体20が、ケース10から突出する方向である車両後方に付勢されている。
同時に、基体20の側面支持部23に一体に設けた係合片23bが、ラッチ機構70に係合され、上記付勢力に抗して基体20がケース10に押し込まれた格納位置に保持されている。
【0052】
以上のように、格納状態では、フラップ部材30,40は、折畳状態となって基体20よりも内側で格納部11に格納されるため、格納部11に必要なスペースを小さくすることができ、コンパクトに格納することが可能となる。よって、レイアウト自由度を向上できる。
【0053】
(容器保持時)
容器CAを保持する場合には、フィニッシャ25を車両前方に押して、基体20をケース10に対して僅かに押し込む。この操作により、ラッチ機構70と係合片23bとの係合が外れ、基体20は、駆動スプリング60の付勢力により車両後方へスライドされる。
【0054】
また、このスライドの際に、ダンパ80の緩衝作用により、緩やかにスライドされ、高級感が演出される。
【0055】
そして、基体20がケース10に対して車両後方へスライドし、図5に示すように、フラップ部材30,40がケース10の格納部11の外部に配置される位置に達し、さらに、基体20に設けられた駆動用ピニオン52が、図5に示す駆動範囲DVに達すると、駆動用ピニオン52が、駆動用ラック51と噛み合って、図において、時計回り方向に回転される。
したがって、連動機構50にあっては、この駆動用ピニオン52の回転が、ウォーム531、駆動軸532、第1伝達ギア533、第2伝達ギア534、第3伝達ギア535、第4伝達ギア536、傘歯車537、同調ギア539,538に順に伝達され、フラップ部材30,40が回動されて、図3,図4に示すV字状の展開状態となる。
このように、フラップ部材30,40が展開方向に回動する際には、既に、格納部11の外部に配置されており、ケース10と干渉することは無い。
【0056】
そして、この展開状態では、フラップ部材30,40の先端が、基体20よりも車幅方向に拡がるとともに、上向き傾斜となり、図示のようにV字状に展開される。
【0057】
したがって、V字のフラップ部材30,40の間に、容器CAを保持することができる。
そこで、この容器CAの保持姿勢について説明すると、図6示すように、容器CAを略直立状態として、その底部は、底部支持部21の底部支持面21aで支持し、また、容器CAの側面は、フラップ部材30,40と側面支持片24との3点で、容器CAを囲むように当接することで、外径方向の移動を規制する。なお、この保持状態では、サイドベントグリル2からの送風を容器CAに吹き付けて、容器CA内の飲料の温度変化を抑えることができる。
【0058】
このとき、容器CAが大径のもの(CA(大))の場合、フラップ部材30,40の各湾曲部31a,41aが容器CA(大)の外周面に、線状に接触するとともに、側面支持片24が容器CA(大)に押されて、側面支持部23に沿った略直立状態となって、側面支持面24aが面接触する。この場合、点接触に比べて確実に保持することができる。
【0059】
一方、容器CAが小径のもの(CA(小))の場合、側面支持片24は、図示を省略したスプリングの付勢力で、図示の傾斜状態となり、その先端で周状に接触するとともに、フラップ部材30,40の各突部31b,41bで接触する。このように容器CAが小径のものCA(小)であっても、側面支持片24が移動して、3箇所で当接した確実な保持状態を維持することができる。
加えて、フラップ部材30,40は、上向きで展開されていることから、水平に展開した場合と比較して、高い位置で容器に当接させて高い保持性能を得ることができる。
【0060】
ここで、容器CAを保持する際のフラップ部材30,40への差込操作について説明する。
この場合、フラップ部材30,40がV字状に拡がっているため、フラップ部材30,40の先端は、容器CAの外径寸法よりも広い間隔で拡がっている。したがって、容器CAをV字状に展開させたフラップ部材30,40に差し込む際に、容器CAの中心位置と、一対のフラップ部材30,40の中心位置とが車幅方向にずれていても、容器CAをフラップ部材30,40の間に差し込むことができる。
したがって、容器CAと略同径の保持穴に差し込む場合よりも、差込操作性に優れる。
【0061】
さらに、本実施例1では、容器CAを、図1において一点鎖線で示すように、車両後方からフラップ部材30,40のV字の間に斜めに差し込み、その後、図において二点差線で示す前述した略直立状態で保持することができる。
【0062】
このように、容器CAを斜めに差し込みその後略直立状態とする動作は、インストルメントパネル1に対面して図外のシートに着座した乗員が、容器CAを掴んだ腕を、肘を中心に回動させた際の容器の軌跡に略一致する。したがって、乗員が自然な動作で容器CAをフラップ部材30,40の間に差し込んで、保持状態とすることができ、操作性に優れる。
このような動作は、特に、容器CAとして図示の蓋が開いた缶容器よりも、キャップを開閉する一般にペットボトルと称される容器を保持する場合に、より有効である。
【0063】
以上説明したように、実施例1のカップホルダ装置Aは、容器保持時には、容器CAと略同径の保持穴に差し込む場合よりも、楽に差し込むことが可能であり、操作性に優れる。しかも、実施例1では、フラップ部材30,40の間に、乗員が自然な動作で容器CAを差し込むことが可能であり、さらに操作性に優れる。
【0064】
(容器保持状態からの格納時)
容器CAの保持を終えて、基体20を格納位置に戻す場合には、フィニッシャ25を車両前方に押して、基体20を、駆動スプリング60の付勢力に抗してケース10内の格納位置まで押し込む。
この場合、押込初期において、駆動用ピニオン52が、駆動範囲DVにおいて駆動用ラック51に噛み合って図6の時計回り方向に回動することにより、連動機構50は、図5に示すように、フラップ部材30,40を、ケース10の格納部11に格納される前に折畳方向に回動させる。
【0065】
したがって、フラップ部材30,40は、格納部11に格納される時点では、既に、基体20の内側に配置され、フラップ部材30,40がケースと干渉することはない。
【0066】
そして、基体20を、図8および図9に示すように、格納部11の奥の格納位置まで押し込むと、係合片23bがラッチ機構70に係合され、この位置で、基体20が駆動スプリング60の復元力で引出方向にスライドするのを規制して、保持される。
【0067】
以上説明してきたように、本実施例1のカップホルダ装置Aでは、格納時には、フラップ部材30,40が折畳状態となって基体20よりも内側に配置されるため、格納部11に必要なスペースを小さくすることができ、容器CAの外径に略等しい保持用穴を有した本体を格納する場合よりも、ケース10を小型に形成することができる。
よって、レイアウト自由度を向上できる。特に、サイドベントグリル2の近傍などの限られたスペースに設置する上で有利となる。
加えて、従来のように、保持用穴を備えた大型の本体が不要であり、基体20を、容器CAの保持に必要な幅よりも幅の狭い形状とすることができ、他のスイッチ類の操作性やメータ類の視認性に悪影響を与えにくくすることができる。
【0068】
さらに、容器保持時には、容器CAの中心が、両フラップ部材30,40の中心に対し車幅方向に多少ずれていても差し込むことができるとともに、乗員が自然な動作で容器CAをフラップ部材30,40の間に容器を差し込むことができ、操作性に優れる。
しかも、フラップ部材30,40に、湾曲部31a,41aと突部31b,41bとを形成し、大径の容器CA(大)は、湾曲部31a,41aによりその外周に線接触させ、小径の容器CA(小)の場合には、突部31b,41bを当接させ、いずれの外径の容器も確実に保持可能としたため、高い保持性能が得られる。
【0069】
加えて、フラップ部材30,40の回動軸32,42を上向きに傾斜させたため、回動軸32,42を低い位置に配置しながらも、展開状態では、フラップ部材30,40を高い位置に配置させて容器保持時の安定性を確保することができる。
したがって、回動軸32,42を低い位置に配置して、基体20の高さならびにフラップ部材30,40の折畳状態での高さを低くすることで、格納部11の必要スペースを小さくさせることと、容器保持時の安定性向上とを両立させることができる。
【0070】
また、実施例1では、側面支持部23に、側面支持片24を回動可能に設け、大径の容器CA(大)と小径の容器CA(小)といずれの大きさの容器にも当接して、外側面を支持するようにしたため、高い容器保持性能を得ることができる。
【0071】
さらに、実施例1では、連動機構50により、基体20をスライドさせるのに連動してフラップ部材30,40を回動させて、折畳状態と展開状態とに自動的に形態を変更するようにしたため、手動でフラップ部材30,40を回動させるのと比較して、使い勝手に優れる。
しかも、連動機構50は、フラップ部材30,40の回動専用のモータやスプリングなどの駆動手段を用いることなく、駆動スプリング60による基体20のスライドをフラップ部材30,40の回動に変換しているため、フラップ部材30,40の回動専用の駆動手段を用いるのと比較して、コンパクトに構成することができるとともに、安価に製造することができる。
【0072】
また、連動機構50は、フラップ部材30,40が格納部11の外部に配置される位置に基体20がスライドしたときに、駆動用ピニオン52が噛み合う位置に駆動用ラック51を形成した。したがって、基体20のスライドと、フラップ部材30,40の回動を確実に一致させることができ、基体20のスライドとフラップ部材30,40の回動とを、それぞれ独立して実行させた場合のように、フラップ部材30,40がケース10に干渉する不具合を確実に防止することができる。
【0073】
さらに、伝達機構53として、フラップ部材30,40の回動軸32,42と同軸に傘歯車537を備えているため、傾斜して支持された回動軸32,42に角度の異なる方向への駆動伝達を円滑に行うことができる。
【0074】
また、傘歯車537を経て回動軸42に伝達された回動を、同調ギア539,538を介して回動軸32に伝達させるようにしたため、両回動軸32,42のそれぞれに傘歯車を用いて、角度を変更させながら、同調させるのと比較して、高価な傘歯車の使用数を抑えて、安価に構成することができる。
【0075】
(他の実施例)
以下に、本発明の実施の形態の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例は、実施例1の変形例であるため、実施例1との相違点のみを説明し、実施例1と同様の構成を図示する場合には実施例1と同じ符号を付けて説明を省略する。また、実施例1と同様の作用効果についても説明を省略する。
【実施例2】
【0076】
図12に基づいて、この発明の実施の形態の実施例2のカップホルダ装置Bについて説明する。
この実施例2のカップホルダ装置Bは、基体220の底部支持部221に、容器CAの図示を省略した底部の凹み部分に差し込まれて、容器CAの水平方向への移動を規制する凸部225を備えている。
この凸部225は、車両上方に凸状であり車両上方から視て円形状に形成されており、大径の容器CA(大)と小径の容器CA(小)とのいずれでも、上述の容器底部の凹みに差し込むことのできる、位置、突出量、直径に設定されている。
【0077】
なお、この実施例2のカップホルダ装置Bでは、実施例1で示した側面支持片24を廃止して、側面支持部23に、容器CAの側面に接触して支持する側部支持面226を設けている。
【0078】
したがって、底部支持部221では、凸部225が容器底部の凹みに嵌って、容器CAが水平方向へ移動するのを規制できる。
よって、実施例2では、大径の容器CA(大)を保持する場合、フラップ部材30,40と、側面支持部23の側部支持面226と、を容器CAに接触させて保持することができる。これに対し、小径の容器CA(小)を保持する場合には、側部支持面226と小径の容器CA(小)との側面とが離れることになるが、凸部225が容器底部に嵌ることで、フラップ部材30,40と凸部225により小径の容器CA(小)が水平方向へ移動するのを確実に防止して、高い容器保持性能を得ることができる。
なお、他の構成および作用効果については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0079】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1,2を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および実施例1,2に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0080】
例えば、実施例1,2では、インストルメントパネル1の左右端部に設置した例を示したが、インストルメントパネル1の中央部のセンタコンソール部分など、インストルメントパネル1の他の箇所に設置してもよい。さらに、本発明のカップホルダの設置箇所としては、インストルメントパネル1に限られるものではなく、例えば、後席用として、センタコンソールの後端部などに設置してもよい。
【0081】
また、基体の形状は、実施例1,2で示した形状に限定されない。基体は、要は、容器底部を支持する底部支持部と、フラップ部材を回動可能に支持する部分と、容器側面を支持する側面支持部と、を備えていれば良く、上記3部分を備えた枠形状などに形成することができる。
【0082】
さらに、実施例1では、側面支持部23に側面支持片24を設け、実施例2では、凸部225を設けたものを示したが、側面支持片24と凸部225との両方を設けてもよい。また、実施例1では、側面支持部において、容器の大きさに応じてスライド可能な支持体として、側面支持部23に回動可能に取り付けられた側面支持片24を示したが、この支持体は、回動により移動するものに限定されるものではなく、例えば、容器の大きさに応じてスライドするものを用いてもよい。
【0083】
また、実施例1,2では、基体を支持する支持部材として、格納部11を備えたケース10を示したが、支持体は、ケースに限定されない。すなわち、格納部は、例えば、インストルメントパネル1の内側などに設けてもよく、この場合、支持部材は、単に、基体を格納位置と引出位置とにスライド可能に支持する部材であればよいため、ケース10に限定されるものではなく、例えば、レール状の部材など、格納部11を形成しない部材を用いてもよい。
【0084】
また、実施例1,2では、基体20のスライドに連動して、フラップ部材30,40が展開および折畳を行う連動機構50を設けたものを示したが、この連動機構50を廃止して、手動によりフラップ部材の折畳および展開を行うようにしてもよい。同様に、基体20の移動も、手動により行うようにしてもよいし、あるいは、駆動スプリング60以外の駆動装置、例えば、モータなどを用いて基体を移動させるようにしてもよい。あるいは、展開と折畳の一方を自動で行い、もう一方を手動で行うようにしてもよい。
【0085】
また、実施例1,2では、連動機構として、駆動用ラック51、駆動用ピニオン52、伝達機構53を備え、かつ、伝達機構53として、ウォーム531、駆動軸532、複数の伝達ギア533〜536、傘歯車537、同調ギア538,539を備えたものを示したが、連動機構としては、これに限定されるものではない。
例えば、複数の伝達ギア533〜536に代えて、ベルトやプーリなどの他の回転伝達を行う機構を用いてもよい。
あるいは、フラップ部材の折畳および展開専用のスプリングやモータなどの駆動装置を用い、これを、基体の移動に連動させるようにしてもよい。
【0086】
また、実施例1,2では、フラップ部材30,40の回動軸32,42を、上向きに傾斜させ、回動軸32,42を低く配置しながらも、展開時に支持片31,41の位置を高く配置して、高い保持安定性が得られるようにした。しかしながら、回動軸を、略水平に配置させても、フラップ部材をコンパクトに折り畳むことができる効果、ならびに、V字状の展開時に、操作性に優れかつ安定した保持性能を得る効果は得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の最良の実施の形態の実施例1のカップホルダ装置Aの容器保持状態を示す斜視図である。
【図2】実施例1のカップホルダ装置Aの格納状態を示す斜視図である。
【図3】実施例1のカップホルダ装置Aの容器保持状態を示す拡大斜視図である。
【図4】実施例1のカップホルダ装置Aを車幅方向中央で切断した状態の斜視図である。
【図5】実施例1のカップホルダ装置Aの引出スライド時においてフラップ部材が展開する途中の状態を示す縦断面図である。
【図6】実施例1のカップホルダ装置Aのフラップ部材展開状態を示す縦断面図であって、図11のS6−S6線で切断した状態を示している。
【図7】実施例1のカップホルダ装置Aの車両左側から視た側面図である。
【図8】実施例1のカップホルダ装置Aの格納状態を示す車幅方向中央で切断した状態の斜視図である。
【図9】実施例1のカップホルダ装置Aの格納状態を示す縦断面図である。
【図10】実施例1のカップホルダ装置Aの格納状態を示す平面図である。
【図11】実施例1のカップホルダ装置Aの容器保持状態を示す車両後方から視た正面図である。
【図12】実施例2のカップホルダ装置Bを示す車両右方向から視た側面図である。
【符号の説明】
【0088】
10 ケース(支持部材)
11 格納部
20 基体
21 底部支持部
22 フラップ支持部
23 側面支持部
24 側面支持片(支持体)
30 フラップ部材
31a 湾曲部
32 回動軸
40 フラップ部材
41a 湾曲部
42 回動軸
50 連動機構
51 駆動用ラック
52 駆動用ピニオン
53 伝達機構
531 ウォーム
532 駆動軸
533 第1伝達ギア
534 第2伝達ギア
535 第3伝達ギア
536 第4伝達ギア
537 傘歯車
538 同調ギア
539 同調ギア
A カップホルダ装置
B カップホルダ装置
CA 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納部に格納された格納位置と格納部から引き出された引出位置とにスライド可能に支持部材に支持された基体と、
この基体に容器底部を支持可能に設けられた底部支持部と、
前記基体において、前記底部支持部の上方であって引出方向の位置に、基端の回動軸が回動可能に支持されて、全体が格納部に格納可能に折り畳まれた折畳状態と、先端が基体の幅外に突出するとともに、前記基端に対して斜め上方に立ち上げられてV字状に拡がった展開状態と、に形態を変更可能な一対のフラップ部材と、
前記基体において、前記底部支持部の上方であって格納方向の位置に設けられ、前記展開状態の一対のフラップ部材と共に容器を囲むように配置されて容器外周面を支持する側面支持部と、
を備えていることを特徴とするカップホルダ装置。
【請求項2】
前記フラップ部材が、円形の容器の外周に沿って接触可能な湾曲部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のカップホルダ装置。
【請求項3】
前記側面支持部は、容器の大きさに応じて移動可能な支持体を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカップホルダ装置。
【請求項4】
前記基体の引出方向スライドに連動して前記回動軸を回動させて各フラップ部材を折畳状態から展開状態へ形態変更させ、かつ、前記基体の格納方向スライドに連動して前記回動軸を回動させて各フラップ部材を前記展開状態から折畳状態に形態変更させる連動機構を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のカップホルダ装置。
【請求項5】
前記連動機構が、
前記支持部材に設けられた駆動用ラックと、
前記基体に支持されて、前記基体のスライド時に前記駆動用ラックと噛み合って回転する駆動用ピニオンと、
前記駆動用ピニオンの回転を、前記フラップ部材の回動軸に伝達する伝達機構と、
を備えていることを特徴とする請求項4に記載のカップホルダ装置。
【請求項6】
前記フラップ部材の回動軸が、上向きに傾斜して設けられ、
前記連動機構が、前記回動軸と一体的に回動可能な傘歯車を備えていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のカップホルダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−83626(P2009−83626A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254947(P2007−254947)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】