説明

カプセル内視鏡装置

【課題】検査対象とされる部位にカプセル内視鏡が到着してから撮影を開始し、不要な体腔内の撮影を無くすことができるようにしたカプセル内視鏡装置を提供する。
【解決手段】体腔内に嚥下されて体腔内を撮像する撮像素子46を備えたカプセル内視鏡42と、生体外に配置され前記カプセル内視鏡42と通信して該カプセル内視鏡の撮像手段46が撮像した撮像信号を取得する体外ユニット43とを有し、リアルタイムクロック63を起動するトリガ信号を発生するとトリガボタン62と、前記トリガボタン62により起動されるリアルタイムクロック63の起動から前記撮像素子46による前記体腔内の撮影を開始するまでの時間及び前記撮像手段の撮影間隔を記憶するSRAM64と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内に嚥下され、体腔内を撮影することができるカプセル内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カプセル状にして体腔内の生体情報を得るカプセル医療装置が種々提案されている。例えば、特開2001−46357号公報には、生体内に留置されるラジオカプセルと、受信アンテナを備えた体外ユニットとからなるカプセル受信システムが開示されている。
【0003】
また、PCT出願のWO 01/65995にも光学系を備えたカプセルが開示されている。
【特許文献1】特開2001−46357号公報
【特許文献2】PCT出願のWO 01/65995公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、前記PCT出願のWO 01/65995に記載の従来例においては、検査対象とされる部位にカプセル内視鏡が到着するまでの期間に撮影されたデータが不要となってしまうという、問題がある。
【0005】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、検査対象とされる部位にカプセル内視鏡が到着してから撮影を開始し、不要な体腔内の撮影を無くすことができるようにしたカプセル内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明によるカプセル内視鏡装置は、体腔内に嚥下されて体腔内を撮像する撮像手段を備えたカプセル内視鏡と、生体外に配置され前記カプセル内視鏡と通信して該カプセル内視鏡の撮像手段が撮像した撮像信号を取得する体外ユニットとを有するカプセル内視鏡装置において、前記体外ユニットは、前記カプセル内視鏡における前記撮像手段による前記体腔内の撮影を開始するまでの時間を設定するタイマ手段と、前記撮像手段による前記体腔内の撮影を開始するまでの時間および前記撮像手段の撮影間隔に係るタイムスケジュールデータを記憶する記憶手段と、前記タイマ手段を起動するトリガ信号を発生するとトリガ手段と、前記カプセル内視鏡との間で少なくとも前記撮像信号および当該カプセル内視鏡における前記撮像手段による撮像を開始させるための制御信号の送受信を行うための通信部と、当該体外ユニット内における上記通信部以外の所定の回路の動作制御を行う動作制御部と、前記通信部および前記動作制御部に対して電力を供給する電力供給部と、前記電力供給部に設けられ、前記タイマ手段の状態に応じて、前記動作制御部への電力供給の可否を制御する電源制御回路部と、前記電力供給部から前記動作制御部への電力供給の有無に拘わらず前記タイマ手段に対して電力を供給する保守電源と、を備え、前記タイマ手段は、前記通信部と前記カプセル内視鏡との間での送受信を確立した後に前記トリガ信号を発生するトリガ手段の作用に応じて、時間計測を開始し、前記通信部は、前記タイマ手段の計測により所定時間に達した際に、前記カプセル内視鏡に対して前記撮像手段による前記体腔内の撮影を開始するよう前記制御信号を送信し、前記電源制御回路部は、前記タイマ手段が計測を開始した後より当該タイマ手段の計測により所定時間に達するまでの間前記動作制御部への電力供給を遮断するよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるカプセル内視鏡装置は、検査対象とされる部位にカプセル内視鏡が到着してから撮影を開始し、不要な体腔内の撮影を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0009】
図1及び図2は本発明の実施例1に係り、図1は実施例1のカプセル医療装置の構成を示し、図2は電力供給部の動作説明図を示す。
図1に示すように本発明の実施例1のカプセル医療装置1は、患者の口部から飲み込まれることにより体腔内に挿入されるカプセル状の内視鏡(カプセル内視鏡又はカプセルと略記)2と、体外、例えばベルトなどにより患者の体表面付近に設置され、カプセル内視鏡2により得た生体情報を蓄積する体外ユニット3とを有する。
【0010】
カプセル内視鏡2はカプセル状容器4内部に照明を行う照明素子5と、この照明素子5で照明された体腔内を撮像する撮像素子6と、照明素子5及び撮像素子6の駆動や撮像された信号に対する信号処理を行う制御回路7と、制御回路7により生成された画像信号を無線で外部に送信する無線回路8と、これら照明素子5、撮像素子6、制御回路7、無線回路8に動作電力を供給する電池9とが内蔵されている。
【0011】
一方、体外ユニット3は、カプセル内視鏡2から無線で送信される画像信号を蓄積する処理等を行う制御部11と、この制御部11に動作電力を供給する電力供給部12とからなる。
【0012】
制御部11はカプセル内視鏡2の無線回路8から無線で送信される画像信号を受信する等する無線回路14と、この無線回路14で受信した画像信号等のデータを記憶するメモリ15と、無線回路14等を含む制御部11内部の各回路の制御を行う制御回路16と、体外ユニット3の状態の情報を表示する表示装置17と、外部の図示しないパーソナルコンピュータ等に接続して、メモリ15に蓄積したデータを転送するUSBコネクタ等からなる外部インタフェース18と、制御回路16に接続され、術者等が指示操作等を行う操作部19とを有する。
【0013】
この制御部11に動作電力を供給する電力供給部12には、ソケット21が設けてあり、このソケットには複数の電力供給源として、例えば2つのバッテリ22a、22bを着脱自在に装着することができるようにしている。バッテリ22a、22bとしては例えば充電可能なリチウムイオン電池を採用することができる。
【0014】
バッテリ22a、22bの電力は2系統の構成にしたメインスイッチ23の各スイッチ23a、23bを経てリレー(のスイッチ)24a、24b側に供給されると共に、電圧検出を行う電圧検出回路25a、25bに入力される。
メインスイッチ23を構成するスイッチ23a、23bは、連動するスイッチであり、ユーザの操作で連動してON/OFFできる。
【0015】
電圧検出回路25a、25bは検出した電圧値を電源監視回路26に伝達する。電源監視回路26は、電圧検出回路25a、25bで検出した値に基づき、2つのバッテリ22a、22bの残量状態が十分か残量が少なくバッテリ切替を行うべき状態かを(バッテリ切替閾値等)で判定し、その判定結果を告知用のLED27a、28a、27b、28bで別々に表示する。
【0016】
LED27a、28aは例えばバッテリ22aの残量状態を表示するもので、残量が十分の場合には緑色で発光するLED27aを点灯させ、残量が少なくなると黄色で発光するLED28aを点灯させる。
さらに残量が少なくなり切替閾値以下になると黄色で発光するLED28aを点滅させて交換を促すように告知する。
【0017】
同様に、LED27b、28bは例えばバッテリ22bの残量状態を表示するもので、残量が十分の場合には緑色で発光するLED27bを点灯させ、残量が少なくなると黄色で発光するLED28bを点灯させる。
さらに残量が少なくなると黄色で発光するLED28bを点滅させて交換を促すように告知する。
【0018】
また、電源監視回路26は、バッテリ22a、22bの残量状態の情報を制御回路16に送り、制御回路16は表示装置17で残量状態の表示を行えるようにしている。
【0019】
また、この電源監視回路26は、電圧検出回路25a、25bの検出出力に応じて、リレー24a、24bのON/OFFを制御するリレー制御出力26a、26bをアンド回路29a、29bを介してリレー24a、24bに出力し、リレー24a、24bのON/OFFを制御する。
【0020】
具体的には、後述するように例えば一方のバッテリ22aで使用している状態で、その検出電圧の値が切替閾値以下に達した場合には、他方のバッテリ22bを選択するようにリレー24bをONにしてその他方のバッテリ22bで電力供給を行う状態にした直後にバッテリ22aに接続されたリレー24aをOFFにするON/OFF制御を行う。
【0021】
このリレー24a、24bは電源が供給されていない状態ではクローズ(ON)状態となるリレーであり(例えばメインスイッチ23がOFFにされた状態ではON)、アンド回路29a、29bの出力信号でON/OFFが制御される。また、リレー24a、24bは例えば“L”でONとなり、“H”でOFFとなるものとする。
【0022】
また、本実施例では、メインスイッチ23がONされたような初期状態における所定の制御動作状態を保持するようにタイマ回路31が設けてあり、このタイマ回路31は電源監視回路26と共にアンド回路29a、29bを介してリレースイッチ24a、24bのON/OFFを制御する。
【0023】
具体的には、タイマ回路31は、メインスイッチ23がONされた際に、電源監視回路26の状態に関わらず、2つのリレー24a、24bをONの状態に保持する。つまり、この場合には、タイマ回路31のアンド回路29a及び29bへの出力は“L”を保持し、その後に電圧検出回路25a、25b、電源監視回路26等が安定した動作状態に達した後に、“H”を保持し、電源監視回路26のリレー制御出力26a、26bでリレー24a、24bのON/OFF制御を可能にする状態を保持する。
【0024】
なお、タイマ回路31には、リレー24a、24bを通した制御部11に接続された電源端子から抵抗Rをそれぞれ介してバッテリ22a、22bから動作に必要な電力が供給される。抵抗Rの抵抗値は電圧検出回路25a、25bによるバッテリ22a、22bの電圧検出に影響しないような大きな値である。
図示しないが、電源開始回路26、アンド回路29a、29b等も、タイマ回路31への電力供給と同様な方法で動作に必要な電力が供給されている。
【0025】
このようにメインスイッチ23のONによる初期状態では、バッテリ22a、バッテリ22bのどちらかが消費されている、もしくはソケット21に装着されていない状態であっても安定的に制御部11及び電力供給部12に電力が供給されるようになっている。そして、電源監視回路26等による動作が安定状態になった時間間隔の後に、タイマ回路31はリレー24a、24bの制御信号の状態を変化させる。具体的にはタイマ回路31の出力は“H”となる。
【0026】
従って、その後は、電源監視回路26の制御に従い、バッテリ22a、22bの接続が制御される。電源監視回路26は一方のバッテリ(例えばバッテリ22a)の接続をONにし、他方の接続をOFFにする。
【0027】
本実施例では、体外ユニット3に、制御部11に動作用の電力を供給する電力供給部12に複数の電力源を着脱自在(交換自在)に設け、各電力源の電気エネルギ残量を監視して、実際に使用中の電力源の電気エネルギ残量が少なくなった場合には、電気エネルギの残量が十分な他方の電力源に切り替える電力源セレクト手段を形成していることが特徴となっており、この構成により動作中においても、その動作を中断させることなく、電気エネルギ残量が少なくなった電力源を交換可能にしている。
【0028】
このような構成による本実施例の動作を図2のタイミングチャートを参照して説明する。
メインスイッチ23が投入(ON)される前のOFF状態ではリレー24a、24bはONに保持されており、メインスイッチ23がONされると、電源監視回路26やタイマ回路31等の電力供給部12と共に、制御部11に電力が供給されるようになる。
【0029】
電力が供給されると、タイマ回路31は電源監視回路26よりも短い時間で動作状態に立ち上がり、そのタイマ回路31の出力を“L”に保持し、その間に電源監視回路26及び電圧検出回路25a、25b等も動作状態になる。
【0030】
そして、電圧検出回路25a、25bにより、バッテリ22a、22bの電圧検出が行われ、その検出出力が電源監視回路26に入力され、電源監視回路26は入力される電圧検出値が切替閾値以下か否かの判断を行う。図2のようにバッテリ22a、22bの電圧検出値が共に切替閾値を越えている場合には、例えばリレー制御出力26aを“L”に、他方のリレー制御出力26bを“H”にする。
【0031】
その後、タイマ回路31の出力は“L”に切り替わり、電源監視回路26等によるリレー制御出力26a、26bで、リレー24a、24bはON/OFFが制御される状態となる。この場合には、リレー24aはON、リレー24bはOFFとなる。
【0032】
つまり、バッテリ22aの電力で制御部11及び電力供給部12が動作する状態となる。そして、このバッテリ22aの電圧が時間の経過と共に、減少し、その値が切替閾値以下になると、リレー制御出力26bが“L”に切替られて、リレー24bがONに切替られ、その直後にリレー制御出力26aが“H”に切替られて、リレー24aがOFFに切替られる。
【0033】
この場合、図2には示していないがLED28aが点滅して、バッテリ22aの交換を促す。
そして、今度はバッテリ22bにより、制御部11及び電力供給部12は継続して動作状態を維持する。
【0034】
そして、その間にバッテリ22aが交換されると、その電圧検出回路25aの検出を介して電源監視回路26はその電圧が切替閾値以上であることを検出する。そして、さらに時間の経過により、バッテリ22bの電圧が切替閾値以下になると、リレー制御出力26aが“L”に切替られて、リレー24aがONに切替られ、その直後にリレー制御出力26bが“H”に切替られて、リレー24bがOFFに切替られる。
【0035】
この場合、LED28bが点灯して、バッテリ22bの交換を促す。このようにして、本実施例では長時間の連続動作が可能となる。
【0036】
本実施例は以下の効果を有する。
本実施例では複数のバッテリ22a、22bを用いて、一方のバッテリの電池残量が少なくなると、自動的に電池残量が十分な他方のバッテリに切り替えるようにしているので、使用中でも電池残量が少なくなった方のバッテリを交換して、どの体外ユニット3の動作を中断することなく、長時間の連続動作をさせることができる。
【0037】
従って、バッテリの容量による駆動時間の限界をなくすことができる。
また、このような構成及び動作ができるので、体に取り付ける体外ユニット3の重さ及び大きさを抑えることができる。
また、体外ユニット3を軽量に構成できる。
【0038】
なお、図1を参照した構成及び動作説明では、例えばLED28aは切替閾値に至る前の残量状態で点灯させると説明したが、図2のタイミングチャートにおける切替閾値になる残量状態で点灯させるようにしても良い。
また、バッテリ22a等の残量をLED27a,28a等で視覚的に告知する他に、ブザー等で音響的に告知するようにしても良い。
【実施例2】
【0039】
次に図3及び図4を参照して本発明の実施例2を説明する。図3は実施例2のカプセル医療装置の構成を示し、図4は電力供給部の動作説明図を示す。 図3に示すように本発明の実施例2のカプセル医療装置1Bは、図1のカプセル医療装置1において、電力供給部12にはさらに外部電源を着脱自在に接続できるように、外部電源からの電力が供給される外部入力端子31が設けられ、この外部入力端子31の電源電圧は電圧検出回路25cで検出されて電源監視回路26に入力される。
【0040】
また、外部入力端子31はDC−DCコンバータ32を経て制御部11に動作用の電源が供給されると共に、このDC−DCコンバータ32の出力端には蓄電手段としてのコンデンサ33が接続され、蓄電する。
【0041】
また、電源監視回路26には外部電源の電圧状態(残量)を告知するLED27cが接続され、外部電源の電圧が使用可能な所定レベル以上であるとLED27cが点灯し、所定レベル以下になるとLED27cが点滅する。なお、LED27a、28aのように2つのLEDを設け、LED27a、28aと同様の制御を行うようにしても良い。
【0042】
その他の構成は実施例1と同様であり、同一の構成要素には同じ符号を付け、その説明を省略する。
次に本実施例の動作を図4のタイミングチャ−トを参照して説明する。この場合の使用例として、最初は実施例1のように動作させ、途中で外部電源を接続した場合の動作を説明する。なお、図3におけるコンデンサ33の出力端の電圧をP点電圧と記す。
【0043】
メインスイッチ23をONする前では、外部電源が接続されていないとして説明する。この場合には、メインスイッチ23がONされ、電源監視回路26によりバッテリ22aが選択され、その電圧で動作することは実施例1と同様である。
【0044】
このバッテリ22aが選択され、その電圧で動作している最中に外部電源が接続されると、その電圧が検出されると共に、コンデンサ33を通したP点電圧も指数関数的に立ち上がる。
【0045】
外部電源の電圧が所定レベル以上であると、電源監視回路26は所定レベル以上で、且つコンデンサ33を通した電圧が切替閾値以上に立ち上がるまでに要する時間の後、リレー制御出力26aを“L”から“H”に切替え、この切替えによりリレー24aはONからOFFに切替わる。
【0046】
この切替えにより、制御部11及び電力供給部12はバッテリ22aからの電力供給がOFFにされ、外部電源による電力供給で動作する状態となる。なお、この切替の際の図4の符号T1で示す期間がバッテリ22aと外部電源両方で電力供給がされる期間となる。
【0047】
この状態で使用し、途中で外部電源を外部入力端子31から外して外部電源による電力供給を停止すると、その外部電源による電圧が検出されて電源監視回路26はリレー制御出力26aを“H”から“L”に切替え、この切替えによりリレー24aはOFFからONに切替わる。
【0048】
この切替えにより、制御部11及び電力供給部12は外部電源からの電力供給がOFFにされ、バッテリ22aによる電力供給で動作する状態となる。なお、この切替えによりコンデンサ33により保持された電圧は指数関数的に低下し、まもなくその電圧は0になる。この場合、期間T2は期間T1と同様にバッテリ22aと外部電源とから電力が供給される期間となる。
【0049】
図4のタイミングチャートによれば、途中で外部電源を接続することにより、バッテリ22aで動作させた場合よりもその使用時間を長く動作させることができる。
【0050】
また、図4では示していないが、外部電源により動作させている期間にバッテリ22a及び22bを交換することもできる。
【0051】
従って、本実施例によれば実施例1の効果を有する他に、やもえず、バッテリ22a、バッテリ22bともに消費してしまった場合でも外部電源を使用して検査を続行しながら、バッテリ22a及び22bの交換ができる。
また、外部電源を途中で使用することにより、バッテリ22a及び22bで使用する場合よりも長い時間使用することができる。
【実施例3】
【0052】
次に図5ないし及び図8を参照して本発明の実施例3を説明する。図5は実施例3のカプセル医療装置の構成を示し、図6は体外ユニットをパソコンに接続して、タイムスケジュールを入力する様子を示し、図7は動作手順のフローチャートを示し、図8は動作説明のタイミングチャートを示す。
【0053】
図5に示すカプセル医療装置41は患者の口部から飲み込まれることにより体腔内に挿入されるカプセル状の内視鏡(カプセル内視鏡又はカプセルと略記)42と、体外、例えばベルトなどにより患者の体表面付近に設置され、カプセル内視鏡42により得た生体情報を蓄積する体外ユニット43と、図6に示すようにこの体外ユニット43が着脱自在に接続され、タイムスケジュールの入力や、体外ユニット43にデータを転送したりするパソコン50とから構成される。
【0054】
カプセル内視鏡42はカプセル状容器44内部に照明を行う照明素子45と、この照明素子45で照明された体腔内を撮像する撮像素子46と、照明素子45及び撮像素子46の駆動や撮像された信号に対する信号処理を行う制御回路47と、制御回路47により生成された画像信号を無線で外部に送信すると共に外部からの信号を受信する無線回路48と、これら照明素子45、撮像素子46、制御回路47、無線回路48に動作電力を供給する電池49とが内蔵されている。なお、無線回路48はアンテナも備えている。
【0055】
一方、体外ユニット43は、カプセル内視鏡42と無線による通信状態を保持する無線部51と、その他の制御動作等を行う制御部52と、無線部51及び制御部52に電力供給を行う電力供給部53とからなる。
【0056】
無線部51は、カプセル内視鏡42の無線回路48と通信を行う無線回路55及び無線で電波の放射及び受信を行うアンテナ56と、無線回路55をカプセル内視鏡42が撮影を行わない状態であっても、カプセル内視鏡42側の無線回路48と通信状態を保持するように制御する無線制御回路57とを有する。
【0057】
制御部52は、無線制御回路57と接続され、全体を制御する制御回路58と、この制御回路58に接続された画像データなどを記憶するメモリ59と、外部装置と接続する外部インタフェース60と、体外ユニット43の状態等の表示を行う表示装置61と、タイマ起動操作を行うトリガボタン62と、時間計測するリアルタイムクロック(RTCと略記)63と、患者のデータ等の設定データを保持するSRAM64と、RTC63及びSRAM64を常時動作状態に電源を供給する保守電源65とを有する。
【0058】
設定データは、保守電源65付きのSRAM64に格納されているので、制御部52への電源がOFFにされても、設定データが消滅することなく、保持される。保守電源65はRTC63にも常時動作に必要な電力を供給するようにしている。
このRTC63は設定された時間が経過した場合にその時間経過を知らせるアラーム出力を有するタイマ回路を内蔵しており、タイマ回路の設定は、後述するように患者データの入力時等に、操作者が入力する。
【0059】
また、電力供給部53は、電力を供給するバッテリ66を有し、このバッテリ66は電力供給のON/OFFを行う電源スイッチ(メインスイッチ)67を介して制御部52への電力供給の制御を行う電源制御回路68に電力を供給すると共に、無線部51にも電力を供給するようにしている。
【0060】
この電源制御回路68は、バッテリ66に接続された電源スイッチ67に直列に接続されたリレー69のON/OFFを制御することにより、このリレー69を経て制御部52に供給されるバッテリ66からの電力の供給/遮断を制御する。
【0061】
また、この電源制御回路68は手動スイッチ70が接続され、手動で制御することもできる。
また、電源制御回路68は、無線制御回路57及びRTC63と接続され、これらの出力に基づいてリレー69のON/OFFを制御する。
【0062】
本実施例では無線部51はカプセル42と通信を行う状態を維持するために常時電力が供給されているが、制御部52は、画像取得を行わない状態では、その電源がOFFとなるように電力供給部53の電源制御回路53が制御することにより、バッテリ66による駆動時間を長く行えるようにしている。
【0063】
次に図6を参照してパソコン50により体外ユニット43に患者データ71及びタイムスケジュールデータの入力を行う場合の動作を説明する。
操作者は、図6に示すように体外ユニット43をパソコン50の本体50aに外部インタフェース60を介して接続し、パソコン50のキーボード50bから患者データ71、タイムスケジュールデータ72を入力する。
【0064】
タイムスケジュールデータ72はカプセル42を嚥下したときから撮影(撮像)を開始するまでの時間、そして撮影間隔である。
そして、パソコン50のディスプレイ50cに患者データ71及びタイムスケジュール72を表示し、そのデータでOKの場合には、キーボード50bから転送の指示操作をして、設定データを体外ユニット43に送信する。体外ユニット43の制御回路58は送信されたデータをSRAM64に格納する。
【0065】
また、タイムスケジュールデータ72における撮影開始までのタイマ設定時間データ等はRTC63に設定されるようになる。
次に本実施例の動作をまず、図7を参照して説明する。
【0066】
図7のステップS1に示すように、パソコン50を操作して患者データ入力処理を行い、次にステップS2に示すようにパソコン50と体外ユニット43を接続し、体外ユニット43の電源をONする。なお、図7等においては、パソコンをPCと略記する。
【0067】
そして、ステップS3に示すようにパソコン50から体外ユニット43に設定データの転送を行う。
そして、ステップS4に示すようにタイマ設定時間等をセットする。その後、カプセル42と体外ユニット43の通信を確立した後、ステップS5に示すようにトリガボタン62を押し、カプセル42を患者は嚥下する。
【0068】
トリガボタン62を押した際に、ステップS6に示すようにRTC63に設定のタイマがスタートする。この状態では、電源制御回路68はRTC63のタイマ出力を受け、リレー69をOFFにして制御部52への電力供給を遮断する。
この状態では、無線部51は通電状態であり、カプセル42との通信が可能であることの確認が常にできている状態にある。
【0069】
なお、カプセル42との通信が切れるなどイレギュラーな状態が発生した場合には、無線制御回路57は、電源制御回路68に通電要求を出力し、制御部52に通電を再開させる。制御部52は無線制御回路57と通信し、状態を判断し、必要に応じて表示装置61でその状態を表示し、患者、操作者にその状態を知らせる。
【0070】
ステップS6の後、RTC63は撮影開始までの時間が経過したかの判断を行い、その時間の経過を待ち、その時間経過後にアラーム出力を電源制御回路68に出す。そして、ステップS8に示すように電源制御回路68はリレー69をONにして制御部52に電力が供給される状態にする。
【0071】
また、RTC63は制御回路58に撮影開始までの時間が経過したことを知らせ、制御回路58はステップS9に示すように撮影(撮像)要求を無線部52を介してカプセル42に送信する。
【0072】
カプセル42はこの信号を受けて制御回路47は照明素子45及び撮像素子46を動作状態に設定する。
そして照明素子45はその内部のLEDを点灯して、患者の体腔内を照明し、その照明された体腔内を撮像素子46で撮像し、制御回路47で信号処理し、無線回路48を経て無線で外部の体外ユニット43に撮像した画像データを送信する(ステップS10)。
【0073】
そして、ステップS11に示すように体外ユニット43は終了か否かを判断する。例えば、撮影開始から所定の枚数、或いは所定時間の撮影が行われたかにより終了か否かを判断し、終了していない場合にはステップS9に戻り、カプセル42に撮影要求を出して画像データを送信させる。
【0074】
そして、所定の枚数等の撮影が行われた後には制御回路58は無線制御回路57を介してカプセル42側に終了のコマンドを送信して撮影動作を終了させると共に、電源制御回路68に撮影終了の信号を送り、電源制御回路68はリレー69をOFFにして終了する(ステップS12)。
【0075】
図8ではタイミングチャートにより本実施例の代表的な動作例を示す。
【0076】
体外ユニット43の電源スイッチ67の投入された後、パソコン50から体外ユニット43に、パソコン50に入力された患者及びタイムスケジュール等の設定データが転送される。
【0077】
また、体外ユニット43に転送された設定データにおけるタイムスケジュールデータはRTC63に、患者データはSRAM64に書き込まれる。
【0078】
その後、トリガボタン62が操作されて、検査開始の信号が制御回路58に入力され、RTC63によりタイマ動作が起動すると共に、リレー69がタイマ動作の期間、OFFにされる。
【0079】
そして、タイマ動作により、撮影開始までの時間経過の後、リレー69がONにされ、体外ユニット43はカプセル42に撮影要求の信号を送信し、カプセル42側はこの信号を受けて撮影(撮像)を行い、撮影した画像データを体外ユニット43側に送信する。
【0080】
この場合、体外ユニット43は、予め設定した例えば所定枚数に達するまで、所定の撮影間隔で撮影要求の信号を送り、この信号が送信される限りはカプセル42は撮影して画像データを送信することになる。
【0081】
本実施例は以下の効果を有する。
画像取得が必要となると設定された時間までは、体外ユニット43の主要部分の回路の動作を完全にOFFすることができるので、体外ユニット43の電力消費を節約でき、必要とされる動作を長い時間行うことができる。
従って、バッテリ66の電気エネルギ容量を小さくできるので、小型で装着感のよい体外ユニット43等を提供できる。
【実施例4】
【0082】
次に図9を参照して本発明の実施例4を説明する。図9は本発明の実施例4のカプセル医療装置41Bを示す。
このカプセル医療装置41Bは実施例3において、体外ユニット43の電源制御回路68の代わりに、高速と低速のクロックを切り替えて出力するクロック装置81を採用した電力供給部53Bを有する体外ユニット43Bを採用している。
【0083】
また、この電力供給部53Bでは、電源制御回路68がON/OFF制御を行うリレー69を採用しないで、バッテリ66の電力は電源スイッチ67を経て制御部52にも供給されるようにしている。また、クロック装置81はこのクロック装置81で発生したクロックを制御部52に供給し、制御部52はクロック装置81から供給されるクロックにより動作する。
【0084】
本実施例では、カプセル42からの画像取得を行う期間ではクロック装置52は高速のクロックを制御部52に供給し、画像取得を行わない期間では低速クロックを制御部52に供給する。
【0085】
つまり、画像取得を行わない場合には制御部52は低速のクロックで消費電力の少ない省電力モードで動作し、画像取得のように高速処理が必要な場合に高速のクロックで動作するようにしている。
【0086】
つまり、実施例3では画像取得を行わない期間では制御部52をOFFにしたが、本実施例では省電力モードとし、実施例3において画像取得を行う場合には制御部52に電力を供給していた期間では、(本実施例では)高速クロックで動作させるようにしている。
上述した以外の構成及び作用は実施例3と同様となる。
【0087】
本実施例は以下の効果を有する。
画像取得を行わない状態では、システムクロックを低速に切替ておき、画像取得を開始する期間ではクロックを高速側に切り替えることができるため、電力を節約した動作を実現できる。
従って、体外ユニット43Bのバッテリ66の電気エネルギ容量を少なくでき、小型軽量な体外ユニット43Bを提供できる。
【0088】
ところで、上述したカプセル2、42等として、図10に示すようなカプセル82を採用しても良い。
【0089】
この場合、従来例は図10(D)に示すようにカプセル外装容器83の内部に撮像部84と、撮像部84を制御する制御回路85と、撮像部84で撮像し、制御回路85で処理した画像データを無線で送信する処理する無線回路86と、無線回路86を経た信号を電波で放射するアンテナ87と、撮像部84等に動作電源を供給する電池88とを内蔵しており、カプセル内部でアンテナ87のGNDと撮像部84、制御回路85、無線回路86、電池88のGNDとが接続されている。なお、図10では撮像部84は撮像素子と照明を行う照明素子をまとめて示している。
【0090】
この従来例では、アンテナ87のGND面積が小さいので、本実施例では、図10(A)〜図10(C)に示すようにしてアンテナゲインを増大している。
図10(A)に示すカプセル82Aでは、図10(D)において、太い線で示す部分が新規の部分であり、アンテナ87のGND端子がカプセル外装容器83の外部端子89と接続され且つ、撮像部84、制御回路85、無線回路86等から構成される電気回路のGNDと共通になっている。
【0091】
カプセル外装容器83の外部に臨む外部端子89は人体と接触するようになっている。このため人体をGNDとして使えるためGND面積を大きくできる。
従って、人体をGNDとして使うためアンテナ87のGND面積が大きくなり、アンテナゲイン特性を改善できる。
【0092】
図10(B)のカプセル82Bも太い線で示す部分が新規である。このカプセル82Bは、図10(A)において、さらに撮像部84、制御回路85、無線回路86等から構成される電気回路のGNDがハイパスフィルタ90を介してアンテナ87のGNDに接続されている。また外部端子89は人体と接触するようになっている。
【0093】
このハイパスフィルタ90は、無線周波数では低インピーダンスになる様に設計することこの周波数では人体をGNDとして使えるためGND面積が大きく見えるようになる。
【0094】
図10(C)のカプセル82Cも太い線で示す部分が新規である。このカプセル82Cは、図10(A)において、さらに撮像部84、制御回路85、無線回路86等から構成される電気回路のGNDが直列共振回路91を介してアンテナ87のGNDに接続されている。また外部端子89は人体と接触するようになっている。
【0095】
この直列共振回路91は無線周波数では低インピーダンスになる様に設計されており、この周波数では人体をGNDとして使えるためGND面積を大きくできるようにしている。
【実施例5】
【0096】
次に本発明の実施例5を図11を参照して説明する。図11は本発明の実施例5におけるカプセル111を示す。
このカプセル111は、円筒部分とその両端を丸く覆ったカバーで水密構造のカプセル本体112が形成され、その一方の端部側に体腔内の例えばpHを検出するpHセンサ113の検出部を突出(或いは露出)するように設けている。
【0097】
このpHセンサ113の検出部をカプセル本体(容器)112の孔部から突出させる場合、水密機能が高い接着剤で固定して内部を水密構造にしている。
【0098】
このpHセンサ113の後端側はカプセル本体112内部に設けたpH検出の処理や検出したpHのデータを蓄積したり、外部に送信する通信手段等の機能を備えた回路基板114と接続されている。また、この回路基板114はこの回路基板114を動作させる電源を供給する電池115と接続されている。この電池115は、例えば酸化銀もしくは形状の自由度が高く、高効率の燃料電池を用いている。
【0099】
また、本実施例では、カプセル本体112内には、pHセンサ113と反対側の端部付近に永久磁石或いは磁性体116を収納している。
そして、例えばイレウスチューブなどの細長チューブ状で、先端付近に永久磁石を収納した回収具によって、このカプセル111が狭窄部等で詰まったような場合には回収できるようにしている。
【0100】
本実施例では(医療用)生体情報検出手段として、pHを検出するpHセンサ113を採用しているが、この他に温度センサ、圧力センサ、光センサ、又は血液センサ(具体的にはヘモグロビン検出用センサ)等を採用しても良い。その他のカプセル111と体外ユニット5との送受信方法に関しては、例えば実施例3と同様である。
【0101】
このように本実施例ではセンサ部分(検出部)により、生体内液の化学量(pH値)、各臓器の温度、カプセル通過時のカプセル外面にかかる管腔内面からの圧力、生体内の明るさ、各臓器のヘモグロビン量(出血の有無)等の情報を入手し、得られたデータはカプセル内部の無線通信手段により体外に置かれている体外ユニット43の無線部51に送信される。
【0102】
そして、無線部51から制御部52の制御回路58を介してメモリ59により得られたデータを蓄積し、基準値と比較することで、病気や出血等の異常の有無の判断、カプセル通過位置や通過状態の判断を体外において、医者やコメディカル等の医療従事者が行うことができる。
【0103】
特に、カプセル111により被検者は苦痛なく、生体の消化管内部のpH値やヘモグロビン量等を測定することができ、消化器疾患の診断や生理学的解析を行えることの効果が大きい。各種センサは、目的に応じて複数種類用意することで、効率良い検査を行うことができる。送受信を効率的に行っているので、電池寿命を長く保ちつつ、長時間の測定ができるという効果がある。
【0104】
また、図11では各種センサを設けたカプセル111を説明したが、各種センサの代わりに図12に示すように超音波探触子142を設けたカプセル141でも良い。
【0105】
このカプセル141では、カプセル本体143の例えば前面には超音波探触子142の前面に設けた音響レンズ144がカプセル本体143の外面に露出するように配置され、音響レンズ144はカプセル本体143に接着剤等により水密的に固定され、カプセル内部は水密構造になっている。
【0106】
超音波探触子142の裏面側のカプセル内部には、超音波送受信回路や、その信号から超音波断層像を生成する処理等を行う回路基板114が配置され、回路基板114は電池115からの電源で駆動する。また、後端側には永久磁石116が収納されている。
【0107】
このカプセル141では、回路基板114により形成される超音波送受信回路により体腔内の超音波断層像が生成され、得られたデータは図11の場合と同様に、体外ユニット43に送信される。これにより、小腸等、体腔内深部の深さ方向の異常の有無の診断が長時間行える。
光学的な観察手段(撮像手段)と両方を備えても良く、そのような構成にすれば、体腔内表面と深部との診断を一度に行える。
【0108】
図13は第2変形例のカプセル121を示す。
このカプセル121は、円筒とその両端を丸く覆ったカバーでカプセル本体122を形成し、さらにカプセル本体122を長手方向の2箇所でそれぞれ仕切部材123a、123bで仕切り、薬剤収納部124、永久磁石/磁性体収納部125、体液吸入部126との3つの収納手段を形成している。
【0109】
薬剤収納部124には治療のための薬剤127を収納し、また収納した薬剤127を外部に放出するための開口手段としての投薬口128が設けてある。
また、この薬剤収納部124と反対側に設けた体液吸入部126にも、このカプセル本体122外部からの体液を吸入するための体液吸入口129が設けてある。
【0110】
また、永久磁石/磁性体収納部125には永久磁石或いは磁性体130が収納されている。
投薬口128及び体液吸入口129の開口は、胃液により消化されるゼラチンや腸液で消化される脂肪酸膜等からなる溶解膜128a、129aが設けてある。
【0111】
そして、目的部位にカプセル121が到達したら、体外ユニット43からの制御信号を送信することにより、カプセル121で受信して、溶解膜128a等が消化されて治療用の薬剤127の投与や、体液の吸入を行うことができる。又、体外ユニットから放出信号を送り、カプセル医療装置121で受信して、放出の制御を行うこともできる。
このように本変形例によれば、目的部位で治療や検査のための体液の吸入等を行うことができる。
【0112】
図14は第3変形例のカプセル131を示す。
このカプセル131は、円筒とその両端を丸く覆ったカバーでカプセル本体132を形成し、その一方の端部側には開口133を設けて、例えば薬剤注入用注射針134を突没自在にしている。このカプセル本体132内部には、この薬剤注入用注射針134を突没する駆動手段と、その制御手段が配置され、外部の体外ユニットから制御信号を送り、カプセル131で受信することにより、薬剤注入用注射針134を突没して、薬剤を注入できるようにしている。
また、カプセル本体132内部における開口133と反対側の端部付近に永久磁石或いは磁性体135を収納している。
【0113】
血液センサや観察手段で出血部位を確認後、体外からの通信によりカプセル内部に収納した止血剤注入針等の処置具の動作を指示し、止血剤であるエタノールや粉末薬品を出血部位に散布して止血することができる。
【0114】
本変形例によれば、電池寿命を長く保ちつつ止血等の処置を行うことができる。
なお、上述した各実施の形態等を部分的等で組み合わせて構成される実施の形態等は本発明に属する。
【0115】
[付記]
1.生体に挿入(または嚥下)され、生体情報を得る生体情報検出手段を備えたカプセルと、生体外に配置される体外ユニットとからなるカプセル医療装置において、
オペレーションを開始するトリガ手段と、前記トリガ手段から発生したトリガ信号を受けてから生体情報取得を開始するまでの休止時間を設定するタイマ手段を有することを特徴とするカプセル医療装置。
1.1.付記1において、前記生体情報検出手段は画像を取得する撮像手段であり、前記タイマ手段はトリガ信号を受けてから画像取得を開始するまでの休止時間を設定する。
2.付記1において、前記タイマ手段の休止時間を設定するタイマ設定手段を有する。
【0116】
3.生体に挿入(または嚥下)され、生体情報を得る生体情報検出手段を備えたカプセルと、生体外に配置される体外ユニットとからなるカプセル医療装置において、
オペレーションを開始するトリガ手段と、前記トリガ手段から発生してからの画像取得間隔を設定するオペレーション設定手段を有し、前記オペレーション設定手段で設定されたタイムスケジュールに従い画像取得操作を実施することを特徴とするカプセル医療装置。
4.付記3において、前記体外ユニットに配置された、前記オペレーション設定手段で設定したオペレーション内容を記録するメモリを有する。
【0117】
5.生体に挿入(または嚥下)され、生体情報を得る生体情報検出手段を備えたカプセルと、生体外に配置される体外ユニットとからなるカプセル医療装置において、
オペレーションを開始するトリガ手段と、前記トリガ手段から発生したトリガ信号を受けてから生体情報取得を開始するまでの休止時間を設定するタイマ手段を有し、前記タイマ手段が動作中、体外ユニットの少なくとも一部への電力供給を停止する電源制御手段を有することを特徴とするカプセル医療装置。
5.1.付記5において、前記生体情報検出手段は画像を取得する撮像手段であり、前記タイマ手段はトリガ信号を受けてから画像取得を開始するまでの休止時間を設定する。
6.付記5において、前記電源制御手段で電力を停止する部分がカプセルと体外ユニットの通信を行う無線手段以外である。
【0118】
7.生体に挿入(または嚥下)され、生体情報を得る生体情報検出手段を備えたカプセルと、生体外に配置される体外ユニットとからなるカプセル医療装置において、
オペレーションを開始するトリガ手段と、前記トリガ手段から発生したトリガ信号を受けてから生体情報取得を開始するまでの休止時間を設定するタイマ手段を有し、前記タイマ手段が動作中、体外ユニットの少なくとも一部を省電力モードで動作させる電力制御手段を有することを特徴とするカプセル医療装置。
7.1.付記7において、前記生体情報検出手段は画像を取得する撮像手段であり、前記タイマ手段はトリガ信号を受けてから画像取得を開始するまでの休止時間を設定する。
【0119】
(付記1〜7.1の背景)
カプセル内視鏡は、カプセル内視鏡本体(以後、カプセル)と、カプセルと通信し送信された(画像)データを保存する体外ユニット、体外ユニットに保存されたデータを表示させる表示ユニットで構成される。
【0120】
体外ユニットはカプセルによる観察中、常に通信できる様に患者に装着されているかまたは近傍に存在する必要がある。患者の動作を妨げないためにストレージユニットはバッテリ駆動するが、長時間連続動作させるためには容量の大きいバッテリを搭載しなければならず、ストレージユニットが重くなるという問題がある。
【0121】
また、検査対象とされる部位にカプセル本体が到着するまでの期間に撮影されたデータは不要となってしまう。また、通常の動作状態を維持すると電力を消費してしまうため、バッテリを大型化するなど対応が必要となってしまう。
【0122】
(付記1〜7.1の目的)
軽量の体外ユニットを備えたカプセル医療装置を提供することを目的として付記1〜7.1の構成にした。
【0123】
8.カプセル医療装置において、
アンテナのGND端子がカプセルの外装に備わるカプセル医療装置。
9.付記8において、アンテナのGNDがカプセル内部のその他の電気回路のGNDとハイパスフィルタ回路を介して接続された。
10.付記9において、前記ハイパスフィルタ回路が電波として出力される搬送波周波数でインピーダンスが下がる。
10.付記8において、アンテナのGNDがカプセル内部のその他の電気回路のGNDと直列共振回路を介して接続された。
11.付記10において、前記直列共振回路が電波として出力される搬送波周波数でインピーダンスが下がる。
【0124】
(付記8〜11の背景)
小型アンテナの場合GND面積を確保することにより、アンテナゲイン特性が確保される。
しかしながらカプセル医療装置の場合電気回路のGND面積が非常に小さくなり、アンテナゲイン特性を確保すること難しくなる。 (付記8〜11の目的)このため、カプセル医療装置の大きさを変えることなく、アンテナゲイン特性を改善するカプセル医療装置を提供することを目的として、付記8〜11の構成にした。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施例1のカプセル医療装置の構成を示すブロック図。
【図2】電力供給部の動作説明のタイミングチャート図。
【図3】本発明の実施例2のカプセル医療装置の構成を示すブロック図。
【図4】電力供給部の動作説明のタイミングチャート図。
【図5】本発明の実施例3のカプセル医療装置の構成を示すブロック図。
【図6】体外ユニットをパソコンに接続して、タイムスケジュール等を入力する様子を示す図。
【図7】動作手順のフローチャート図。
【図8】動作説明のタイミングチャート図。
【図9】本発明の実施例4のカプセル医療装置の構成を示すブロック図。
【図10】変形例等のカプセルの概略の構成を示す図。
【図11】本発明の実施例5におけるカプセルの構成を示す図。
【図12】本発明の実施例5の第1変形例のカプセルの概略の構成図。
【図13】第2変形例のカプセルの概略の構成図。
【図14】第3変形例のカプセルの概略の構成図。
【符号の説明】
【0126】
41…カプセル医療装置
42…カプセル(内視鏡)
43…体外ユニット
45…照明素子
46…撮像素子
47…制御回路
48…無線回路
52…制御部
62…トリガボタン
63…リアルタイムクロック
64…SRAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内に嚥下されて体腔内を撮像する撮像手段を備えたカプセル内視鏡と、生体外に配置され前記カプセル内視鏡と通信して該カプセル内視鏡の撮像手段が撮像した撮像信号を取得する体外ユニットとを有するカプセル内視鏡装置において、
前記体外ユニットは、
前記カプセル内視鏡における前記撮像手段による前記体腔内の撮影を開始するまでの時間を設定するタイマ手段と、
前記撮像手段による前記体腔内の撮影を開始するまでの時間および前記撮像手段の撮影間隔に係るタイムスケジュールデータを記憶する記憶手段と、
前記タイマ手段を起動するトリガ信号を発生するとトリガ手段と、
前記カプセル内視鏡との間で少なくとも前記撮像信号および当該カプセル内視鏡における前記撮像手段による撮像を開始させるための制御信号の送受信を行うための通信部と、
当該体外ユニット内における上記通信部以外の所定の回路の動作制御を行う動作制御部と、
前記通信部および前記動作制御部に対して電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部に設けられ、前記タイマ手段の状態に応じて、前記動作制御部への電力供給の可否を制御する電源制御回路部と、
前記電力供給部から前記動作制御部への電力供給の有無に拘わらず前記タイマ手段に対して電力を供給する保守電源と、
を備え、
前記タイマ手段は、前記通信部と前記カプセル内視鏡との間での送受信を確立した後に前記トリガ信号を発生するトリガ手段の作用に応じて、時間計測を開始し、
前記通信部は、前記タイマ手段の計測により所定時間に達した際に、前記カプセル内視鏡に対して前記撮像手段による前記体腔内の撮影を開始するよう前記制御信号を送信し、
前記電源制御回路部は、前記タイマ手段が計測を開始した後より当該タイマ手段の計測により所定時間に達するまでの間前記動作制御部への電力供給を遮断するよう制御する、
ことを特徴とするカプセル内視鏡装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶される前記撮影を開始するまでの時間及び撮影間隔は、入力手段から前記記憶手段に入力されて記憶設定されることを特徴とする請求項1に記載のカプセル内視鏡装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2008−178703(P2008−178703A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60271(P2008−60271)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【分割の表示】特願2005−128466(P2005−128466)の分割
【原出願日】平成14年5月16日(2002.5.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】