説明

カプセル型内視鏡カメラ及び内視鏡システム

【課題】 簡単な構成で、生体内の画像を撮像することのできるカプセル型内視鏡カメラを提供する。
【解決手段】 生体内の壁面に沿って移動可能であり、生体内の撮像に用いられるカプセル型内視鏡カメラにおいて、生体内の壁面に向かって照明光を照射するための発光素子と、複数の光電変換素子を含み、発光素子による照明領域を撮像するための撮像ユニットと、発光素子及び撮像ユニットを収容するケースとを有する。撮像ユニットは、複数の光電変換素子がケースのうち生体内の壁面と対向する領域における外周面に沿って並ぶように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内に取り込まれ、生体内を撮像するためのカプセル型内視鏡カメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、胃カメラや大腸スコープとは異なるカプセルタイプの内視鏡カメラが提案され、実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のカプセル型内視鏡では、外装ケース部材の中心部において、受光面が相反する方向を向くように、2つのラインセンサを配置している。そして、各ラインセンサと外装ケース部材との間に、外部からの光(被写体光)をラインセンサに導くためのプリズムが配置されている。
【0004】
このようなカプセル型内視鏡は、小型化及びワイヤレス化されているため、従来の有線タイプ(チューブタイプ)の胃カメラでは撮影することができなかった被検者の消化管の小腸部分等の撮影が可能であり、被検者に対する苦痛等を与えることなく体内撮影を行うことができる。
【特許文献1】特開2006−43276号公報(図3,4等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のカプセル型内視鏡では、被写体光をラインセンサに導くために、プリズムを用いているため、プリズムを配置するためのスペースが必要となり、カプセル型内視鏡が大型化してしまう。しかも、プリズムを用いることにより、入射光の屈折率等を調整しなければならず、構造が複雑になってしまう。
【0006】
さらに、特許文献1に記載のカプセル型内視鏡では、外装ケース部材の中心部に、2つのラインセンサを並列に配置しているため、ラインセンサの配列方向に位置する被写体を撮像することができない。すなわち、プリズムは、ラインセンサの受光面と対向する位置にのみ配置されているため、ラインセンサの受光面と同一面内に位置する被写体からの光を、ラインセンサの受光面に導くことができない。これにより、カプセル型内視鏡の外周全体における被写体画像をもれなく撮像することができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、簡単な構成としつつ、カプセル型内視鏡カメラの外周全体に位置する被写体画像を容易に取得することのできるカプセル型内視鏡カメラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、生体内の壁面に沿って移動可能であり、生体内の撮像に用いられるカプセル型内視鏡カメラであって、生体内の壁面に向かって照明光を照射するための発光素子と、複数の光電変換素子を含み、発光素子による照明領域を撮像するための撮像ユニットと、発光素子及び撮像ユニットを収容するケースとを有している。そして、撮像ユニットは、複数の光電変換素子がケースのうち生体内の壁面と対向する領域における外周面に沿って並ぶように配置されている。
【0009】
ここで、複数の光電変換素子を、カプセル型内視鏡カメラの移動方向と略直交する面内に配置することができる。また、複数の光電変換素子を、カプセル型内視鏡カメラの移動方向にも並んで配置することができる。
【0010】
複数の発光素子を用いる場合において、複数の発光素子を、カプセル型内視鏡カメラの移動方向において、撮像ユニットを挟んだ位置に配置することができる。これにより、複数の発光素子を用いて、撮像ユニットによる撮像領域を適切に照明することができる。
【0011】
また、複数の発光素子を用いる場合において、複数の発光素子を、撮像ユニットと隣り合う位置において、ケースの上記外周面に沿って配置することができる。これにより、ケースの外周面と対向する生体内のすべての壁面に対して照明光を照射することができ、撮像ユニットによって生体内のすべての壁面を撮像することができる。
【0012】
一方、ケースを、生体内の壁面に圧接させることができる。これにより、生体内の壁面における変位(例えば、小腸のぜん動運動)を用いて、カプセル型内視鏡カメラを移動させることができる。
【0013】
ここで、撮像ユニットで撮像された画像を外部に無線送信するための送信ユニットを設けることにより、撮像された画像(画像データ)を容易に取得することができる。また、発光素子及び撮像ユニットの駆動を制御するコントローラを設けることができる。
【0014】
本発明の内視鏡システムは、上述したカプセル型内視鏡カメラと、撮像ユニットで撮像された画像を合成して、生体内の壁面の画像を生成する画像生成装置とを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の光電変換素子を、ケースのうち生体内の壁面と対向する領域における外周面に沿って並ぶように配置しているため、複数の光電変換素子を用いて、カプセル型内視鏡カメラの外周全体に位置する被写体をもれなく撮像することができる。しかも、複数の光電変換素子をケースの外周面に沿って配置するだけであるため、カプセル型内視鏡カメラを簡素な構成とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1であるカプセル型内視鏡カメラ(以下、内視鏡カメラと称す)について、図1を用いて説明する。ここで、図1は、内視鏡カメラの内部構成を示す概略図である。
【0018】
ケース10は、内視鏡カメラ1の外装を構成しており、カプセル状に形成されている。すなわち、ケース10は、内視鏡カメラ1の長手方向(図1の左右方向)と直交する面内での形状が円形状に形成されており、内視鏡カメラ1の長手方向における両端に位置する領域が、球面に沿った形状に形成されている。
【0019】
ケース10は、光を透過させる機能を有する透過領域10aと、光を遮蔽する機能を有する遮光領域10bとを有している。透過領域10aは、内視鏡カメラ1の長手方向において所定の幅を有しており、内視鏡カメラ1の周方向に形成されている。ここで、ケース10(特に、透過領域10a)の外周面に汚れ等が付着するのを抑制するために、ケース10の外周面に、例えば、生体適合性物質であるMPCポリマー(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの重合体)等のコーティングを施すことができる。
【0020】
なお、ケース10のすべての領域を、透過領域とすることもできる。ここで、被写体(生体内の壁面)に対して照射される照明光が通過する領域と、撮像に用いられる被写体光が通過する領域とが、透過領域となっていればよい。
【0021】
ケース10の内部において、内視鏡カメラ1の長手方向における略中央の位置には、撮像ユニット20が配置されている。撮像ユニット20は、ケース10(透過領域10a)の周方向に沿って配置された3つのラインセンサ21を有している。3つのラインセンサ21は、内視鏡カメラ1の長手方向において並んで配置されている。
【0022】
各ラインセンサ21は、後述するように、複数の光電変換素子が一方向に並んで配置されたものである。そして、各ラインセンサ21は、図2に示すように、内視鏡カメラ1の長手方向と直交する断面(図1のA−A断面)において、リング状に形成されている。すなわち、各ラインセンサ21を構成する複数の光電変換素子は、ケース10(透過領域10a)の外周に沿って配置されている。また、各ラインセンサ21における複数の光電変換素子は、受光面がケース10側(言い換えれば、被写体側)を向くように配置されている。これにより、被写体光を光電変換素子の受光面に到達させることができる。ここで、図2に示す領域Bは、ラインセンサ21による撮像領域を示している。
【0023】
なお、本実施例では、3つのラインセンサ21を用いているが、これに限るものではない。すなわち、ラインセンサ21の数は適宜設定することができ、1つのラインセンサ21を用いてもよいし、複数のラインセンサ21を用いてもよい。
【0024】
ここで、図3を用いて、ラインセンサ21の構成について、具体的に説明する。図3は、内視鏡カメラ1の長手方向と直交する面で、ラインセンサ21を切断したときの断面図であって、ラインセンサ21の一部の構成を示す図である。なお、図3では、複数の光電変換素子等が直線上で並んで配置された構成となっているが、実際には、図2を用いて説明したように、複数の光電変換素子等が曲線(ケース10に沿った曲線)上で並んで配置されている。
【0025】
ラインセンサ21の外表面(ケース10側の面)には、レンズアレイ211が配置されている。レンズアレイ211は、所定の光学特性(集光特性)を備えた複数のマイクロレンズ211aを有している。レンズアレイ211に対して像面側には、RGBのカラーフィルタ212が配置されている。カラーフィルタ212は、互いに異なる波長領域の光を通過させるための複数の領域を有している。
【0026】
各光電変換素子213は、レンズアレイ211における各マイクロレンズ211aに対応して設けられている。そして、各光電変換素子213は、各マイクロレンズ211aで集光され、カラーフィルタ212を透過した光(被写体光)を受光することにより、電気信号に変換する。各光電変換素子213から出力された信号は、被写体の画像データを生成するために用いられる。なお、各光電変換素子213は、不図示の基板に実装されている。また、光電変換素子213としては、フォトダイオード等を用いることができる。
【0027】
図1において、撮像ユニット20に対して、内視鏡カメラ1の長手方向における両側には、複数の発光素子22が配置されている。各発光素子22は、内視鏡カメラ1の外部に位置する被写体に対して照明光を照射するために用いられる。図1では、2つの発光素子22を示しているが、実際には、撮像ユニット20の両側において、複数の発光素子22がケース10の外周に沿って配置されている。具体的には、透過領域10aの周方向において、等間隔に6つの発光素子22が配置されている。
【0028】
ここで、ケース10の周方向において隣り合う発光素子22の間隔は、適宜設定することができるが、等間隔であることが好ましい。これにより、発光素子22を用いて、内視鏡カメラ1の外部に位置する被写体を均等に照明することができる。
【0029】
なお、本実施例では、撮像ユニット20の両側に発光素子22を配置しているが、撮像ユニット20の一方の側にのみ発光素子22を配置するだけでもよい。すなわち、発光素子22を用いて、被写体を照明することができればよい。
【0030】
ここで、発光素子22は、撮影光路(撮像ユニット20に向かう被写体光の光路)外に配置しなければならないため、撮影光軸に対して角度を持った状態で照明光が照射されることになる。この場合において、被写体が凹凸形状を有している場合には、照明光によってハレーションが生じるおそれがある。そこで、本実施例のように、撮影光軸(撮像ユニット20)を挟んで対向する位置に発光素子22を配置することで、照明光によって生じるハレーションを相殺することができる。
【0031】
なお、発光素子22の数は適宜設定することができる。また、発光素子22としては、例えば、低消費電力であるLEDを用いることができる。そして、発光素子22を設ける位置に応じて異なる種類のLEDを用いることができる。例えば、内視鏡カメラ1の長手方向と直交する面内において、中心点と点対称に配置された一対の発光素子22として、白色光を照射するLEDを用い、他の発光素子22として、他の波長を有する光(近赤外波長光線や紫外線波長光線等)を照射するLEDを用いることができる。
【0032】
一方、撮像ユニット20と隣り合った位置には、内視鏡カメラ1における動作を制御するためのコントローラ30が配置されている。
【0033】
コントローラ30に対して、内視鏡カメラ1の一端側には、外部(具体的には、生体外)に配置された送電コイルからの電力(電磁エネルギ)を受信する第1の受信ユニット41が配置されている。また、撮像ユニット20に対して、内視鏡カメラ1の他端側には、外部(具体的には、生体外)に配置された送電コイルからの電力(電磁エネルギ)を受信する第2の受信ユニット42が配置されている。すなわち、第1及び第2の受信ユニット41,42を用いることにより、内視鏡カメラ1の駆動に必要な電力を受けるようになっている。
【0034】
第1の受信ユニット41は、コア41aと、コア41aの外周に巻き付けられたコイル41bとを有している。また、第2の受信ユニット42は、コア42aと、コア42aの外周に巻き付けられたコイル42bとを有している。ここで、コイル41b及びコイル42bは、互いにつながった状態でコントローラ30に接続されている。
【0035】
第1及び第2の受信ユニット41,42で受信された電磁エネルギは、コントローラ30に送信され、コントローラ30において内視鏡カメラ1の駆動エネルギが生成される。この駆動エネルギは、コントローラ30、ラインセンサ21及び発光素子22の駆動や、後述する送信ユニット50及び温度センサ60の駆動に用いられる。
【0036】
なお、内視鏡カメラ1の内部に電力を発生させるバッテリを設けることもできる。ここで、本実施例では、生体外に配置された送電コイルからの電力供給を受けながら、コントローラ30等の駆動を行うため、内視鏡カメラ1の内部にバッテリを設ける必要がなくなり、内視鏡カメラ1を小型化することができる。
【0037】
内視鏡カメラ1の一端に位置する領域には、内視鏡カメラ1で生成された信号(例えば、ラインセンサ21の出力信号)を生体外に配置された受信アンテナに無線送信するための送信ユニット(トランスミッタ等)50が配置されている。また、内視鏡カメラ1の他端に位置する領域には、温度センサ60が配置されている。この温度センサ60は、内視鏡カメラ1が取り込まれた生体内の温度を検出するために用いられる。温度センサ60による検出信号は、送信ユニット50を介して生体外に無線送信される。これにより、患部の温度を参考的にモニタリングすることができる。
【0038】
なお、温度センサ60の代わりに、他の部材を設けることもできる。例えば、生体内の壁面に対して、薬液等を供給するための供給機構を設けることができる。この供給機構としては、具体的には、薬液等を収容するタンクと、薬液等を外部に導くための通路とで構成することができる。
【0039】
また、本実施例では、各ラインセンサ21を、内視鏡カメラ1の長手方向(図1の左右方向)と直交する面内に配置しているが、これに限るものではない。具体的には、図4に示すように、ラインセンサ21を、内視鏡カメラ1の長手方向(図4の左右方向)に対して傾斜するように配置することもできる。図4に示す構成でも、ラインセンサ21は、図2に示した構成(断面)と同様に、ケース10(透過領域10a)の外周に沿って配置されている。そして、図4に示す構成であっても、内視鏡カメラ1の外周全体に位置する被写体をまとめて撮像することができる。
【0040】
さらに、ラインセンサ21は、内視鏡カメラ1の外側面に相当する領域であれば、いかなる位置に設けてもよい。ここでいう外側面とは、図4に示す領域Rに相当する面であり、内視鏡カメラ1が生体内に取り込まれたときに、内視鏡カメラ1(ケース10)のうち、生体内の壁面と向かう合う面をいう。
【0041】
次に、本実施例の内視鏡カメラ1を用いた内視鏡システムについて、図5を用いて説明する。
【0042】
使用者500が装着する装着具100には、内視鏡カメラ1に対して電力を供給するための送電コイル101と、内視鏡カメラ1から送信されたデータ(画像データや温度データ等)を受信するための受信アンテナ102とが設けられている。受信アンテナ102は、データ記憶装置200に接続されており、受信アンテナ102で受信されたデータは、データ記憶装置200内に記憶される。
【0043】
データ記憶装置200内に記憶された画像データは、アンテナ201を介して画像処理装置300に無線で送信される。画像処理装置300は、アンテナ301を介して、データ記憶装置200から送信されたデータを受信する。また、画像処理装置300は、PC(Personal Computer)等の画像表示装置400に接続されている。
【0044】
本実施例では、データ記憶装置200及び画像処理装置300の間におけるデータの送受信を無線で行うようにしているが、データ記憶装置200及び画像処理装置300の間における送受信をケーブル(有線)を介して行うようにしてもよい。
【0045】
次に、内視鏡カメラ1の撮像動作と、画像処理装置300の動作について、図6を用いて説明する。
【0046】
内視鏡カメラ1が、例えば、生体内の小腸に位置している場合において、小腸のぜん動運動によって内視鏡カメラ1は、X方向(内視鏡カメラ1の長手方向に相当する)に移動することになる。すなわち、内視鏡カメラ1のケース10は、小腸の壁面に圧接するようになっており、小腸の壁面のぜん動運動によってX方向に押し出されることになる。このぜん動運動によって内視鏡カメラ1が進む速度は、例えば、1〜1.5〔m/h〕となっている。
【0047】
ここで、コントローラ30は、所定のタイミング毎に撮像動作が行われるように、撮像ユニット20(ラインセンサ21)及び発光素子22の駆動を制御している。そして、撮像ユニット20によって、小腸の壁面全周(内視鏡カメラ1の外周360度の範囲)が撮像されることになる。また、本実施例の内視鏡カメラ1では、ラインセンサ21の受光面が生体内の壁面と向かい合うようになっているため、生体内の壁面に関する正確な画像情報を得ることができる。
【0048】
図6(A)に示す各列C1〜C8は、互いに異なるタイミングにおいて撮像ユニット20の撮像動作によって生成された画像データを示す。画像C1〜C8は、撮像ユニット20の1回の撮像動作によって得られる画像であり、内視鏡カメラ1の外周360度の範囲内に位置する被写体像を示している。このように、本実施例の内視鏡カメラ1では、ラインセンサ21を駆動するだけで、内視鏡カメラ1の外周全体における被写体像を漏れなく取得することができる。
【0049】
ここで、各画像C1〜C8は、隣り合う他の画像に対して、画像の端部が一致又は、一部において重複していることが好ましい。すなわち、このような画像を得ることにより、後述するように画像C1〜C8を合成したときに、被写体全体の画像を漏れなく取得することができる。この場合において、生体内における内視鏡カメラ1の移動速度(移動距離)を考慮して、撮像ユニット20の撮像タイミングを決定すればよい。
【0050】
なお、内視鏡カメラ1が所定の位置にある場合において、複数回の撮像動作を行うようにしてもよい。例えば、画像C1に対応した被写体に対して、複数回の撮像動作を行うことができる。この場合には、取得した複数の画像データ(いずれも、画像C1を示すものである)を、画像処理によって互いに重なり合うように合成することで、1枚の画像データに比べて精度の良い画像データを得ることができる。
【0051】
しかも、特定の被写体に対して複数回の撮像動作を行う場合には、発光素子22の発光量を抑えることができ、発光素子22での電力消費を低減することができる。すなわち、発光素子22の発光量を抑えて撮像動作を行っても、同一の被写体を示す複数の画像データを合成することで、露出を補完することができる。
【0052】
内視鏡カメラ1で得られた複数の画像C1〜C8は、図6(B)に示すように、特定の基準線Lで切断して展開することで、被写体の全面(例えば、小腸の内壁全周)を1つの画面内で観察することができる(図6(C)参照)。ここで、画像C1〜C8において、互いに重複する部分については、画像処理によって互いに重なり合わされる。
【0053】
上述した複数の画像C1〜C8を繋ぎ合わせて1つの画像Iを生成する処理は、図5に示す画像処理装置300で行われる。そして、画像処理装置300で生成された画像Iは、画像表示装置400で表示される。これにより、使用者(例えば、医師)は、画像表示装置400で表示された画像Iを観察することで、撮像された被写体(例えば、小腸の内壁)の状態を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1である内視鏡カメラの内部構成を示す概略図である。
【図2】実施例1である内視鏡カメラのうち、長手方向と直交する断面を示す概略図である。
【図3】ラインセンサの構成を示す断面図である。
【図4】ラインセンサの配置に関する変形例を示す概略図である。
【図5】実施例1において、内視鏡システムの構成を示す概略図である。
【図6】内視鏡システムにおいて、被写体の画像を得るための説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1:カプセル型内視鏡カメラ
10:ケース
20:撮像ユニット
21:ラインセンサ
22:発光素子
30:コントローラ
41,42:受信ユニット
50:送信ユニット
60:温度センサ
211:レンズアレイ
213:光電変換素子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内の壁面に沿って移動可能であり、前記生体内の撮像に用いられるカプセル型内視鏡カメラであって、
前記生体内の壁面に向かって照明光を照射するための発光素子と、
複数の光電変換素子を含み、前記発光素子による照明領域を撮像するための撮像ユニットと、
前記発光素子及び前記撮像ユニットを収容するケースとを有し、
前記撮像ユニットは、前記複数の光電変換素子が前記ケースのうち前記生体内の壁面と対向する領域における外周面に沿って並ぶように配置されていることを特徴とするカプセル型内視鏡カメラ。
【請求項2】
前記複数の光電変換素子は、前記カプセル型内視鏡カメラの移動方向と略直交する面内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカプセル型内視鏡カメラ。
【請求項3】
前記複数の光電変換素子は、前記カプセル型内視鏡カメラの移動方向にも並んで配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカプセル型内視鏡カメラ。
【請求項4】
前記発光素子を複数有しており、
前記複数の発光素子は、前記カプセル型内視鏡カメラの移動方向において、前記撮像ユニットを挟んだ位置に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のカプセル型内視鏡カメラ。
【請求項5】
前記発光素子を複数有しており、
前記複数の発光素子は、前記撮像ユニットと隣り合う位置において、前記ケースの前記外周面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のカプセル型内視鏡カメラ。
【請求項6】
前記ケースは、前記生体内の壁面に圧接することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のカプセル型内視鏡カメラ。
【請求項7】
前記撮像ユニットで撮像された画像を外部に無線送信するための送信ユニットを有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のカプセル型内視鏡カメラ。
【請求項8】
前記発光素子及び前記撮像ユニットの駆動を制御するコントローラを有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載のカプセル型内視鏡カメラ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載のカプセル型内視鏡カメラと、
前記撮像ユニットで撮像された画像を合成して、前記生体内の壁面の画像を生成する画像生成装置とを有することを特徴とする内視鏡システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−189742(P2009−189742A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−36477(P2008−36477)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(304035908)株式会社アールエフ (8)
【Fターム(参考)】