説明

カメラ付き通信端末装置

【課題】本体に回動自在に取り付けたカメラを被写体に向けて角度を変更する際に、その回動操作の際に撮像範囲を遮ることなく確実に容易に行えるようにしたカメラ付き通信端末装置外部を提供する。
【解決手段】本体20内部の前面縁寄りにおいてカメラ40を回動自在に取り付け、カメラ40のカメラホルダー401に設けられたカメラレンズ用孔403が前面に臨ませられるカメラ用開口206を前面パネル205に形成し、本体部20の上面204aにカメラホルダー401を露出させる回動操作用開口207を形成し、回動操作用開口207に露出したカメラホルダー401を指で操作してカメラ40を回動するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報信号の処理と送受信を実行する処理回路と操作部などを有する本体にカメラを配し、該カメラで撮影された画像データを送信するカメラ付き通信端末装置に関し、特に、カメラを装置の本体に回動自在に取り付け、カメラを被写体に向けて角度を変更可能にして撮影できるカメラ付き通信端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、通信端末装置としての電話機はカメラを備えた所謂、テレビ電話としての機能を有するものがある。これは送信者、背景、物品などの被写体をカメラで撮影してその映像をMMS(Multimedia Messaging Service)、電子メールなどで送信することに用いられる。
【0003】
また、携帯電話機は通信、電子メール、インターネットへのアクセスなどが可能となっている。即ち、多機能化された通信端末装置として活用されており、撮影用のカメラを有し、送信者、背景、物品などの被写体を撮影して画像信号を記録及び送信する機能を有するものが商品化されている。このような傾向は、携帯電話のみならず、企業や一般加入者が宅内に設置する宅内電話機においても同様である。特に最近では宅内電話機をIP電話として用いることもあり、それらの電話機には送話者、受話者の動画像を相互に送受信できるように撮像用のカメラユニットが備えられるようになってきている。
【0004】
この種のカメラ付き通信端末装置としては、例えば、下記の特許文献1(特開2005−12576号公報)に示す従来技術が提案されている。この従来のカメラ付き通信端末装置は、通信端末装置の本体に着脱可能に装着される表示パネル本体にカメラが設けられている。具体的には、表示パネル本体の上部において上方に開放しかつ表示パネル本体の厚み方向に貫通する凹所が形成され、この凹所にカメラが嵌め込まれている。カメラの側面部分には軸が設けられ、この軸が表示パネル本体に設けられたカメラ保持手段と軸受け部材とによって回動自在に軸支されている。即ち、カメラはレンズ装着部が上下方向に向くように表示パネル本体に角変位可能に設けられている。
【0005】
凹所には、レンズ装着部が下方向を向いたときに視野内に表示パネル本体の一部が入り込まないように傾斜面が形成されている。また、カメラには可撓性の接続ケーブルの一端が接続されている。接続ケーブルの他端は表示パネル本体のフレームに取り付けられた配線基板に接続されている。その結果、カメラで撮影された映像信号が表示パネル本体に送られて配線基板上の回路基板および電子部品などの所定の回路部品によって画像処理、送信制御などを施される。
【0006】
このように構成されたカメラ付き通信端末装置はテーブル上に設置されて使用されるので被写体の高さが異なると被写体を撮影される画面内に収めることができなくなる。しかし、カメラを回動させて上下方向の向きを変えることにより被写体を画像の中央に位置させることができる。また、表示用パネル本体の上部分は、凹所の傾斜面によって後退しているのでカメラを大きく下方向に向けても表示パネル本体が撮影される画面に入ることがない。
【0007】
しかし、上記カメラ付き通信端末装置においては、カメラを取り付ける凹部分を形成するために本体部分を切り取っているので、この切り取り部分に本体内の各種部品が露出しないように壁を形成する必要がある。しかも、この壁は傾斜させて形成しているので表示パネル本体を大きく後退させることになる。そのため、表示パネル本体内部の占有体積が減ぜられて多くの電子部品、部材を納めることが困難となり小型化を阻害するという欠点がある。
【0008】
そこで、下記の特許文献2(特開2007−28605号公報)で示す従来技術が提案されている。この従来技術は、カメラ全体を形成するハウジングを本体部内に回動自在に設置し、カメラの一部分を本体部表面に露出させたものである。本体部表面に露出されるカメラ部分は、カメラレンズ用孔と横方向に長く形成されたつまみ用溝とであり、本体部ケーシングに大きく形成された開口によって露出されている。このような構成によれば、カメラはつまみ用溝を操作してハウジングを回転させ、カメラレンズを通話者などの被写体に向けて撮影することができる。
【0009】
従って、上記特許文献2に示す従来技術は、カメラ全体が本体内部に設置されているので、前記特許文献1に示す本体内部の各種部品が露出しないようにするための壁を必要としない。そのため、本体内部の占有体積を減ずるという欠点を解消できる。勿論、本体上部に開口が設けられない場合には、上記特許文献2に示す開口部分を前面から上面にわたって形成するものと異なり、開口を前面のみに形成し、この開口によってカメラレンズ用孔とハウジングを露出させて回動操作を行う技術が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−12576号公報(段落0053〜段落0061、図6、図12)
【特許文献2】特開2007−28605号公報(段落0024、段落0028、段落0032、 段落0041、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1や2に示されたような、カメラ全体を形成するハウジングを本体部内に回動自在に設置し、本体部ケーシングに形成した開口にカメラレンズ用孔とつまみ用溝とを露出させる構成の従来のものにあっては、カメラの回動操作を本体前方から行うので、指がカメラの前面を覆うってしまうことがあり映像画面を正確にモニターすることができない。また、カメラレンズ用孔が開口によって大きく露出されているので指がレンズ面に触れてレンズを汚してしまうなどの問題点があった。特に、開口を前面のみに形成した場合は、上記の問題点の発生が著しい。
【0012】
従って、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、カメラを回動操作する際に、カメラレンズ用孔の前方を指で遮ることのないカメラ付き通信端末装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係るカメラ付き通信端末装置の発明は、情報信号の処理と送受信を実行する処理回路と操作部などを有する本体にカメラを配し、該カメラで撮影された画像データを送信するカメラ付き通信端末装置であって、前記カメラは、前記本体内部の前面縁寄りにおいて回動自在に取り付けられたカメラホルダーと、該カメラホルダー内に設けられたカメラモジュールと、該カメラホルダーに形成されたカメラレンズ用孔とを有し、前記本体は、前面縁寄りに形成された前記カメラレンズ用孔を臨ませるためのカメラ用開口と、該本体の前面と異なる面に前記カメラホルダーの外周面を指で触れる広さでもって露出させる操作用開口とを有してなることを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項2に係る発明は、前記本体における前記回動操作用開口が設けられた面は、前記前面から後方に向かって後退するように傾斜して形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のカメラ付き通信端末装置は、次に示すような優れた効果を奏する。
【0016】
即ち、請求項1に係る発明においては、カメラは、本体内部の前面の縁寄りにおいて回動自在に取り付けられたカメラホルダーと、カメラホルダー内に設けられたカメラモジュールと、カメラホルダーの外周面に形成されたカメラレンズ用孔とを有している。そして、本体は、前面の縁寄りに形成されたカメラレンズ用孔を臨ませるためのカメラ開口部と、本体の前面と異なる面にカメラホルダーの外周面を指で触れる広さでもって露出させる回動操作用開口部とを有している。
【0017】
従って、カメラ開口部は操作用開口部と独立して形成されているので回動操作の際に指がカメラ開口部を覆ってしまい映像画面によるモニターを妨げることがない。また、指がカメラレンズ孔に触れることがなくレンズをきれいに保つことができる。
【0018】
また、請求項2に係る発明においては、回動操作用開口が形成されている面がカメラホルダーの回転中心軸に接近しているので、カメラホルダーの外周面を回動操作用開口から大きく露出させることができる。従って、カメラホルダーでもってカメラを回動させる操作が容易となる。
【0019】
また、回動操作用開口が形成されている面は前面に対して後方に向かって傾いているので、回動操作用開口の向きをカメラ用開口の向きと大きく異ならしめて回動操作の際に指でカメラ用開口を遮ることが確実に防止できる。回動操作用開口を設けた上面は、回動操作のためにカメラホルダーの操作部が露出するだけ下方に位置するように形成されるので、装置、通信端末装置全体を小型に出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例に係るカメラ付き通信端末装置の正面図である。
【図2】図1におけるカメラ付き通信端末装置の前面パネルを取り除いて前面上部を部分的に示した正面図である。
【図3】図1におけるカメラが配置されている本体部分を前面方向から見た斜視図である。
【図4】図1におけるカメラが配置されている本体部分を後面方向から見た斜視図である。
【図5】図4におけるカメラが配置されている本体部分をA−A線で切断した断面図である。
【図6】図2におけるカメラを示す正面図である。
【図7】図6におけるカメラをB−B線で切断した断面図である。
【図8】図6におけるカメラをC−C線で切断した断面図である。
【図9】図6におけるカメラの後ホルダーを示す斜視図である。
【図10】図2におけるカメラと回転支持部との部分において、カメラが上向きに回動位置された状態を示す斜視図である。
【図11】図2におけるカメラと回転支持部との部分において、カメラが下向きに回動位置された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術的思想を具体化するためのカメラ付き通信端末装置を例示するものであって、本発明をこのカメラ付き通信端末装置に特定することを意図するものでなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のカメラ付き通信端末装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0022】
図1は本発明の一実施例に係るカメラ付き通信端末装置の正面図であり、図2は図1におけるカメラ付き通信端末装置の前面パネルを取り除いて前面上部を部分的に示した正面図である。
【0023】
本実施例に係るカメラ付き通信端末装置10はカメラ付き電話機に適用されたものであり、図1で示すように、本体20とスタンド30とからなっている。本体20の前面上部にはカメラ40が配置されている。本体20の前面中央には液晶表示パネルからなる表示部201、下方には各種の操作キーを配した操作部202、左方には通話用のハンドセット203が夫々配置されている。また、本体20は全体的に筐体204と前面パネル205によって構成されおり、その内部には情報信号の処理と送受信を実行する処理回路、電源回路などの各種部品、部材が内蔵されている。
【0024】
図2に示すように、本体20の前面上縁寄りには、カメラ40が筺体204に取り付けられている。カメラ40は円筒状のカメラホルダー401と、カメラホルダー401の両側に突出して設けられた軸402とからなる。筺体204には軸402を回転自在に軸支する軸支部50が設けられている。即ち、カメラホルダー401は水平方向を回転中心軸として本体20に回動自在に取り付けられている。また、カメラホルダー401には、レンズが前面に臨まされるカメラレンズ用孔403と、外周面に滑り止め用のローレット404(図4参照)とが形成されている。
【0025】
カメラ40の左方及び右方の筺体204には各種の部品、部材が配置されている。カメラ40の左方にはマイクロホン60が配置され、マイクロホン60の左方には前面パネル嵌合部70が配置され、前面パネル嵌合部70の左方にはアンテナ固定部80が配置されている。一方、カメラ40の右方には電源表示用LED(Light Emitting Diode)90とその基板901とが配置され、その右方には正面パネル嵌合部70が形成されている。
【0026】
図3、図4はカメラ40が取り付けられている本体20の外観を示す。これらの図で明らかなように、前面パネル205にカメラレンズ用孔403を臨ませるカメラ用開口206が形成され、筺体204の上面204aにカメラホルダー401の外周面に設けた滑り止め用のローレット404を露出させて回動操作を可能にした回動操作用開口207が形成されている。
【0027】
カメラ用開口206は、カメラレンズ用孔403の直径より若干広い幅と、カメラ用レンズ孔403の上下方向の回動する範囲に対応する長さとからなり、全体的に縦長状に形成されている。そして、カメラレンズ用孔403は前面パネル205の表面からは突出しない状態で位置されている。一方、回動操作用開口207は、カメラホルダー401が部分的に露出するようにカメラホルダー401の幅より若干広い幅の大きさになっている。
【0028】
また、図5に示すように、回動操作用開口207が設けられている上面204aは、2点差線Pで示す従前の位置よりも下げてカメラホルダー401が積極的に露出されるように形成されている。併せて、上面204aは、前面側の前面パネル205から後方に向かって後退するように傾斜し、カメラホルダー401の回転中心の軸402により接近されるように形成されている。即ち、回動操作用開口207はカメラ用開口206と明確に分離された状態を維持する共に、積極的に露出するように上面204aに形成されている。また、上面204aは前面パネル205に対して後方に向かって傾いているので、回動操作用開口207の向きをカメラ用開口206の向きと大きく異ならしめて回動操作の際に指をカメラ用開口207の前に至らしめない。
【0029】
図6はカメラ40を示す正面図であり、カメラ40は本体20内に設けられたプリント回路基板(図示せず)との間を接続するフレキシブル・プリント回路基板405を備えている。このフレキシブル・プリント回路基板405は軸402に巻き付けられている。また、一方の軸402には、軸402を回転中心軸方向に沿って偏倚させて所定の位置に保持するための弾性材からなるOリング406が装着されている。
【0030】
図7、図8はカメラ40を切断して内部を示す断面図であり、カメラホルダー401は、前ホルダー407と、後ホルダー408と、前ホルダー407と後ホルダー408とを一体化して固定するための固定用ねじ409と、前ホルダー407と後ホルダー408とによって形成される空間部410と、前ホルダー407に形成されたカメラレンズ用孔403に連なる貫通孔411とから構成されている。
【0031】
貫通孔411は、図9で示すように、前の部分が円形でカメラレンズ用孔403となっており後ろの部分が矩形の穴であってその境界に係止用段部412を有し、係止用段部412が前ホルダー407の後方から挿入して装着される矩形のカメラモジュール413を係止するようになっている。
【0032】
カメラホルダー401の空間部410内には、図6、図7に示すように、カメラモジュール413の後面と後ホルダー408の内壁414との間に、カメラ用フレキシブル・プリント回路基板415と、クッション材416と、コネクター417が順に積層されて配さている。この積層状態では、クッション材416が圧縮されて介挿されコネクター417が内壁414に弾性的に当接されている。
【0033】
このように、前ホルダー407と後ホルダー408で形成される軸内に空間部を設け、この空間部内でカメラ用フレキシブル・回路基板415の折り曲げを行うものであるから、カメラを回転させる際に操作するカメラホルダーの操作部の幅、すなわち、カメラホルダー401の外周面に設けた滑り止め用のローレット404(図4参照)の幅を小さくすることが出来る。
【0034】
また、カメラ用フレキシブル・プリント回路基板415は、一端がカメラモジュール413に接続されクッション材416を迂回して他端がコネクター417に至るようになっている。コネクター415は、カメラ用フレキシブル・プリント回路基板415側のカメラ側コネクター417aとフレキシブル・プリント回路基板405側の本体側コネクター417bとからなり、矢印Xで示すカメラモジュール413の光軸方向に変位して接続、離脱可能に構成されている。ここで、図示の状態ではカメラ側コネクター417aと本体側コネクター417bが接続された状態を示す。
【0035】
また、クッション材416は、一方の面がカメラモジュール413側のカメラ用フレキシブル・プリント回路基板415に接着され、他方の面がカメラ側コネクター417aの背面に接着されている。即ち、カメラ用フレキシブル・プリント回路基板415とクッション材416とは接着されて積層状態でカメラモジュール413の後部に配置されている。
【0036】
図10はカメラ40が上向きに回動された状態を示し、図11はカメラ40が下方に回動された状態を示しているが、軸支部50に回動範囲を規制するストッパー501が設けられている。
【0037】
次に、上述した実施例のカメラ付き通信端末装置10におけるカメラ40の組み立て方法について説明する。
【0038】
まず、カメラホルダー401は前ホルダー407と後ホルダー408とに分離する。一方、クッション材416は一方の面をカメラモジュール413側のカメラ用フレキシブル・プリント回路基板415に接着し、他方の面をカメラ側コネクター417aの背面に接着する。即ち、カメラモジュール413の後部にカメラ用フレキシブル・プリント回路基板415とクッション材416とカメラ側コネクター417aを重ねて配置する。
【0039】
これら重ねられ積層状態で一体化されたカメラモジュール413、カメラ用フレキシブル・プリント回路基板415、クッション材416及びカメラ側コネクター417aには、カメラ側コネクター417aと本体側コネクター417bとを接続することにより、フレキシブル・プリント回路基板405を結合する。
【0040】
そして、これら一体になったカメラモジュール413、カメラ用フレキシブル・プリント回路基板415、クッション材416及びコネクター417(カメラ側コネクター417aと本体側コネクター417b)をカメラホルダー401に装着する。この装着はカメラモジュール413を前ホルダー407の後方から貫通孔411に挿入し、その後、前ホルダー407と後ホルダー408とを一体にして固定用ねじ409で固定する。このとき、フレキシブル・プリント回路基板405をカメラホルダー401の外方に引き出して部分的に軸402に巻きつけた状態とする。
【0041】
このようにしてカメラモジュール413、クッション材416、コネクター417などがカメラホルダー401内に組み込まれた状態では、カメラモジュール413が係止用段部412で係止され、カメラモジュール413の後面にクッション材416を介挿してコネクター417が配される。そして、コネクター417が内壁414に当接され、クッション材416が圧縮されてコネクター417とカメラモジュール413とを弾性的に押圧する。
【0042】
上述した手順を踏んで組み立てられたカメラ40は、軸402にOリング406を装架して、軸402を軸支部50に装着する。その結果、カメラ40は筺体204の上部に回動自在に取り付けられる。その後、前面パネル205を前面パネル嵌合部70でもって筺体204に取り付ける。
【0043】
本体20に取り付けられたカメラ40は、図3、図4及び図5で示すように、前面のカメラ用開口206にカメラレンズ用孔403が臨まされ、上面204aの回動操作用開口207にカメラホルダー401の外周面が部分的に露出される。その結果、回動操作用開口207に露出されたカメラホルダー401の外周面でもってカメラホルダー401を回動することによりカメラレンズ用孔403を上向きと下向きとに可変して被写体に向けることができる。この可変範囲はストッパー501によって規制される(図10、図11参照)。
【0044】
カメラ40は、カメラモジュール413の後面とカメラホルダー401の内壁414との間にクッション材416を介挿してカメラモジュール413に接続されたコネクター417を配置したので、単一のクッション材416でもってカメラモジュール413とコネクター417を弾性力で押圧できる。そのため、カメラモジュール413をがたつきのない状態で保持すると共に、コネクター417が振動、衝撃などの外力の影響を緩和して確実な接続状態を維持する。
【0045】
特に、コネクター417は、カメラ側コネクター417aと本体側コネクター417bとの接離方向となる矢印Xで示す方向にクッション材416によって押圧されているので、振動、衝撃などの外力によりカメラ側コネクター417aと本体側コネクター417bの接続状態が外れてしまうことを防止する。
【0046】
従って、上述した本発明の実施例のカメラ付き通信端末装置10によれば、カメラ40は本体20における前面パネル205の上縁寄りに回動自在に取り付けられ、この上縁寄りにカメラレンズ用孔403を臨ませるカメラ用開口206が形成されている。また、上面204aにはローレット404が施されたカメラホルダー401の外周面を露出させる回動操作用開口207が形成されている。
【0047】
その結果、カメラ用開口206と回動操作用開口207とは夫々独立して異なる面に形成されているので、回動操作の際に指がカメラ用開口206にかかってこれを遮ることがなく表示部201の映像画面を良好にモニターできる。また、カメラ用開口206はカメラホルダー401に形成したカメラレンズ用孔403が臨まされるだけの小さな形状に形成できるので、指が直接にレンズに触れて汚してしまうことがない。
【0048】
一方、回動操作用開口207は、前面より後方に向かって後退するように傾斜した上面204aに形成してカメラホルダー401の外周面が全幅にわたって大きく露出させたので、指が触れるローレット404の面が広くなって操作が容易に行える。しかも、上面204aは前面パネル205に対して後方に向かって傾いているので、回動操作用開口207の向きをカメラ用開口206の向きと大きく異ならしめて回動操作の際に指でカメラ用開口206を遮ることが確実に防止できる。
【0049】
また、回動操作用開口207を設けた上面204aは、図5で示すように、2点鎖線Pで示す従前の位置よりも下方にするので装置全体を小型にできる。
【0050】
なお、上記実施例においては、カメラ付き通信端末装置10をスタンドを有する電話機に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく携帯電話機、各種情報処理のための電子機器などの各種の装置に適用できる。
【符号の説明】
【0051】
10・・・・カメラ付き通信端末装置
20・・・・本体
30・・・・スタンド
40・・・・カメラ
50・・・・軸支部
60・・・・マイクロホン
70・・・・前面パネル嵌合部
80・・・・アンテナ固定部
90・・・・電源表示用LED
201・・・表示部
202・・・操作部
203・・・ハンドセット
204・・・筺体
204a・・上面
205・・・前面パネル
206・・・カメラ用開口
207・・・回動操作用開口
401・・・カメラホルダー
402・・・軸
403・・・カメラレンズ用孔
404・・・ローレット
405・・・フレキシブル・プリント回路基板
406・・・Oリング
407・・・前ホルダー
408・・・後ホルダー
409・・・固定用ねじ
410・・・空間部
411・・・貫通孔
412・・・係止用段部
413・・・カメラモジュール
414・・・内壁
415・・・カメラ用フレキシブル・プリント回路基板
416・・・クッション材
417・・・コネクター
417a・・カメラ側コネクター
417b・・本体側コネクター
501・・・ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報信号の処理と送受信を実行する処理回路と操作部などを有する本体にカメラを配し、該カメラで撮影された画像データを送信するカメラ付き通信端末装置であって、
前記カメラは、前記本体内部の前面縁寄りにおいて回動自在に取り付けられたカメラホルダーと、該カメラホルダー内に設けられたカメラモジュールと、該カメラホルダーに形成されたカメラレンズ用孔とを有し、
前記本体は、前面縁寄りに形成された前記カメラレンズ用孔を臨ませるためのカメラ用開口と、該本体の前面と異なる面に前記カメラホルダーの外周面を指で触れる広さでもって露出させる操作用開口とを有してなることを特徴とするカメラ付き通信端末装置。
【請求項2】
前記本体における前記回動操作用開口が設けられた面は、前記前面から後方に向かって後退するように傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付き通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−223282(P2011−223282A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89959(P2010−89959)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】