説明

カラーフィルタ製造装置、カラーフィルタ製造方法、減圧加熱装置、減圧加熱方法、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法

【課題】減圧環境下で加熱乾燥を行う場合において、着色層の膜面や膜厚形状の欠陥発生を抑制して、歩留まりを向上させることを可能とするカラーフィルタ製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】カラーフィルタ製造装置1は、減圧加熱装置8を備える。減圧加熱装置8は、減圧部9及び加熱部10を有する。カラーフィルタ製造装置1は、減圧環境下で基板3を加熱して基板3の着色層に含まれる溶媒成分(水分や溶剤成分やバインダ)を気化させる。減圧環境下で加熱乾燥することにより、乾燥時間の短縮や均一膜厚の着色層形成を実現することができる。また、所定の減圧条件(減圧圧力や減圧保持時間)及び所定の温度条件(基板温度、加熱温度や加熱時間)の下で減圧及び加熱を行うことにより、着色層における欠陥や膜厚異常の発生を抑制して、歩留まりを向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ製造装置及び製造方法に関する。詳細には、着色層の加熱乾燥を行うカラーフィルタ製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータや携帯電話の普及に伴い、高精細かつ軽薄な表示装置が必要とされる。表示装置は、例えば、LCD(液晶ディスプレイパネル)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、有機EL(ElectroLuminescent Display)である。これらの表示装置の構成部材として、カラーフィルタが用いられる。
【0003】
カラーフィルタにおける着色層の形成方法として、インクジェット法、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法等の各種方法がある。
インクジェット法では、基板上にパターン形成されたインク受容層にインクを付与することにより、着色層が形成される。あるいは、基板上に遮光部により画設された開口部にインクを塗布することにより、着色層が形成される。インク受容層あるいはインクを乾燥及び硬化させるためには、加熱工程が必要となる。例えば、ホットプレートを用いて加熱することにより、プリベイク(乾燥工程)及びポストベイク(硬化工程)が行われる。一般に、吐出安定性を確保するために遅乾性溶媒(例えば、沸点250℃)がインクの主溶剤として用いられる。加熱により溶剤を気化(揮発)させることによりプリベイクが行われる。
【0004】
また、減圧環境下において加熱乾燥を行うことにより、乾燥時間の短縮化を図るカラーフィルタの製造方法が提案されている([特許文献1]参照。)。[特許文献1]には、減圧圧力として133[Pa]以上が好ましく、133[Pa]未満ではカラーフィルタ表面にシワが発生する旨記載されている。また、加熱温度として60[℃]〜80[℃]が好ましい旨記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−182028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、減圧環境下で加熱乾燥を行う場合、減圧及び加熱の条件設定によっては、着色層の膜面や膜厚形状に欠陥が発生するという問題点がある。膜面の欠陥に関しては、クラックや欠けが生じることがある。膜厚形状の欠陥に関しては、面付け周縁部において他の部分より膜厚が大きくなることがある。また、[特許文献1]に記載の減圧圧力や加熱温度の条件は、カラーフィルタの品質や生産効率の面で必ずしも最適な条件ではない。
【0007】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、減圧環境下で加熱乾燥を行う場合において、着色層の膜面や膜厚形状の欠陥発生を抑制して、歩留まりを向上させることを可能とするカラーフィルタ製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために第1の発明は、基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造装置であって、前記基板を収容する容器と、前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、前記容器内の減圧を行う減圧部と、を具備し、前記減圧部が減圧保持時間を70sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とするカラーフィルタ製造装置、前記減圧部が減圧圧力を1.5Pa以上100Pa以下として減圧を行うことを特徴とするカラーフィルタ製造装置、前記加熱部が前記基板の温度を30℃以上100℃以下に加熱することを特徴とするカラーフィルタ製造装置である。
【0009】
第1の発明のカラーフィルタ製造装置は、所定の減圧条件及び所定の温度条件で減圧加熱を行い、基板の着色層に含まれる溶媒成分(水分や溶剤成分やバインダ)を気化させる。
このように、所定の減圧条件及び所定の温度条件で基板に付与された着色層を減圧加熱乾燥することにより、乾燥時間を短縮すると共に、基板の着色層における欠陥の発生を抑制して歩留まりを向上させることができる。特に、面付け周縁部では、他の部分より膜厚が大きくなりがちであるが、上記の減圧条件及び温度条件で減圧加熱を行うことにより、面付け周縁部の着色層の表面形状を改善することができる。
【0010】
減圧条件に関しては、減圧圧力を1.5Pa以上100Pa以下とし、減圧保持時間を70sec以上3600sec以下とすることが望ましい。減圧圧力を1.5Pa以上とすることによりシワやクラックの発生を防止することができる。減圧圧力を100Pa以下とすることにより額縁部での変形を防止することができる。減圧保持時間を70sec以上とすることにより変形を防止することができる。減圧保持時間を3600sec以下とすることにより予備乾燥後の膜面荒れを防止することができる。
【0011】
また、減圧圧力が1.5Pa以上50Pa以下の場合には、減圧保持時間を70sec以上1200sec以下とすることが望ましい。また、減圧圧力が50Pa以上60Pa以下の場合には、減圧保持時間を1200sec以上1800sec以下とすることが望ましい。また、減圧圧力が60Pa以上100Pa以下の場合には、減圧保持時間を1800sec以上3600sec以下とすることが望ましい。
【0012】
温度条件に関しては、基板温度を30℃以上100℃以下とすることが望ましい。基板温度を30℃以上とすることにより変形を防止することができる。基板温度を100℃以下とすることによりクラックの発生を防止することができる。
【0013】
第2の発明は、基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法であって、前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、を具備し、前記減圧ステップが減圧保持時間を70sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とするカラーフィルタ製造方法、前記減圧ステップが減圧圧力を1.5Pa以上100Pa以下として減圧を行うことを特徴とするカラーフィルタ製造方法、前記加熱ステップが前記基板の温度を30℃以上100℃以下に加熱することを特徴とするカラーフィルタ製造方法である。
第2の発明は、基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法に関する発明である。
【0014】
第3の発明は、基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱装置であって、前記基板を収容する容器と、前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、前記容器内の減圧を行う減圧部と、を具備し、前記減圧部が減圧保持時間を70sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とする減圧加熱装置、前記減圧部が減圧圧力を1.5Pa以上100Pa以下として減圧を行うことを特徴とする減圧加熱装置、前記加熱部が前記基板の温度を30℃以上100℃以下に加熱することを特徴とする減圧加熱装置である。
第3の発明は、基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱装置に関する発明である。
【0015】
第4の発明は、基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱方法であって、前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、を具備し、前記減圧ステップが減圧保持時間を70sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とする減圧加熱方法、前記減圧ステップが減圧圧力を1.5Pa以上100Pa以下として減圧を行うことを特徴とする減圧加熱方法、前記加熱ステップが前記基板の温度を30℃以上100℃以下に加熱することを特徴とする減圧加熱方法である。
第4の発明は、基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱方法に関する発明である。
【0016】
第5の発明は、基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造装置であって、前記基板を収容する容器と、前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、前記容器内の減圧を行う減圧部と、を具備し、前記容器には、前記減圧部と接続されて個別に制御可能な複数の吸気部が設けられることを特徴とするカラーフィルタ製造装置である。
【0017】
第5の発明のカラーフィルタ製造装置では、容器に減圧部による吸気部が複数設けられる。例えば、容器の上側や横側や下側に複数の吸気部が設けられる。各吸気部は、個別に吸気量や使用不使用を制御可能である。各吸気部を単独使用したり、複数の吸気部を同時に組み合わせて使用したりすることにより、容器内の気流を整流し、基板の面内を均一に乾燥させることができる。また、基板周辺の気流が不整流となることがないので、着色層変形等が生じて表示に影響を及ぼすといった欠陥を防止することができる。また、吸気効率が向上して乾燥時間が短縮されるので、生産タクトが短縮する。
【0018】
第6の発明は、基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法であって、前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、を具備し、前記減圧ステップは、前記容器に設けられる複数の吸気部を個別に制御することを特徴とするカラーフィルタ製造方法である。
【0019】
第6の発明は、基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法に関する発明である。
【0020】
第7の発明は、基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱装置であって、前記基板を収容する容器と、前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、前記容器内の減圧を行う減圧部と、を具備し、前記容器には、前記減圧部と接続されて個別に制御可能な複数の吸気部が設けられることを特徴とする減圧加熱装置である。
【0021】
第7の発明は、基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱装置に関する発明である。
【0022】
第8の発明は、基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱方法であって、前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、を具備し、前記減圧ステップは、前記容器に設けられる複数の吸気部を個別に制御することを特徴とする減圧加熱方法である。
【0023】
第8の発明は、基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱方法に関する発明である。
【0024】
第9の発明は、基板にインクを付与して着色層が形成されたカラーフィルタを備える表示装置の製造装置であって、第1の発明及び第5の発明のカラーフィルタ製造装置を具備することを特徴とする表示装置の製造装置である。
第10の発明は、基板にインクを付与して着色層が形成されたカラーフィルタを備える表示装置の製造方法であって、第2の発明及び第6の発明のカラーフィルタ製造方法を具備することを特徴とする表示装置の製造方法である。
表示装置は、例えば、LCD(液晶ディスプレイパネル)、LCD(液晶ディスプレイパネル)、有機EL(Electroluminescence Display)、PDP(Plasma Display Panel)である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、減圧環境下で加熱乾燥を行う場合において、着色層の膜面や膜厚形状の欠陥発生を抑制して、歩留まりを向上させることを可能とするカラーフィルタ製造装置及び製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係るカラーフィルタ製造装置及び製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0027】
(1.カラーフィルタ製造装置1の構成)
最初に、図1を参照しながら、カラーフィルタ製造装置1の構成について説明する。
図1は、カラーフィルタ製造装置1の構成図である。
【0028】
カラーフィルタ製造装置1は、制御部2、基板3が載置される吸着テーブル4、インクジェットヘッド5、移動部6、アライメントカメラ7、減圧加熱装置8から構成される。
カラーフィルタ製造装置1は、基板3に対してインクジェットヘッド5からインクを吐出してパターニングを行い、カラーフィルタを製造する装置である。
【0029】
基板3は、ガラス基板やフィルム基板である。
吸着テーブル4は、基板3を吸着して固定するテーブルである。基板の吸着は、例えば、吸着テーブル4と基板3との間の空気を減圧あるいは真空にすることにより行われる。この場合、吸着テーブルには、空気を吸引するための小孔(図示しない)が設けられ、吸着の際には当該孔を通じて真空ポンプ(図示しない)等により空気の吸引が行われる。
【0030】
インクジェットヘッド5は、着色剤等を含むインクを吐出する装置である。インクジェットヘッド5は、基板3上に形成されたインク受容層にインクを付与したり、遮光部により画設された開口部にインクを塗布する。
移動部6は、吸着テーブル4及びインクジェットヘッド5の移動及び位置決めを行う装置である。尚、移動機構としては、汎用のガイド機構や移動用アクチュエータを用いることができる。例えば、移動用アクチュエータとして、ステップモータ、サーボモータ、リニアモータを用い、ガイド機構として、直線移動機構、エアースライドを用いることができる。
アライメントカメラ7は、基板3の位置座標を検出するために、基板3の所定箇所(基板上に形成されるアライメントマーク等)を撮像するカメラである。
【0031】
減圧加熱装置8は、減圧環境下で加熱を行う装置である。減圧加熱装置8は、減圧部9及び加熱部10を備える。減圧加熱装置8は、基板3に対して減圧環境下で加熱を行い、インクが付与されたインク受容層あるいや塗布されたインクを乾燥及び硬化させる。減圧加熱装置8の詳細については後述する。
【0032】
制御部2は、演算処理や各装置の動作制御を行う装置である。制御部2は、CPU(中央演算処理装置)やメモリを備える。制御部2は、アライメントカメラ7による撮像画像に基づいて基板3の位置座標を算出し、移動部6を介してインクジェットヘッド5及び基板3の移動及び位置決めを行う。また、制御部2は、インクジェットヘッド5におけるインク吐出タイミングを制御する。
【0033】
(2.カラーフィルタ製造方法)
次に、図2及び図3を参照しながら、カラーフィルタ製造方法について説明する。
【0034】
(2−1.インク受容層にインクを付与するカラーフィルタ製造方法)
図2は、インク受容層にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法を示す図である。
【0035】
図2(a)に示すように、基板3に遮光層21及びインク受容層22が形成される。遮光層21は、光を透過させない層である。遮光層21は、着色層を画設するブラックマトリクスあるいはブラックストライプである。遮光層21に関しては、インク受容層22の上に形成するようにしてもよい。インク受容層22は、インク付与により着色される着色媒体である。
図2(b)に示すように、フォトマスク24を用いて光23を照射してパターン露光が行われる。インク受容層22にネガ型の樹脂組成物が用いられる場合、露光部分のインク受容層22は、インク受容能を失って非着色域25となる。露光部分以外のインク受容層22は、着色域26となる。
【0036】
図2(c)に示すように、インクジェットヘッド5からインク27が吐出される。インク27は、染料あるいは顔料等の着色剤を含有する。インク受容層22の着色域26にインク27が付与されて着色される。インク27は、インク受容層22の着色域26に吸収されて拡散する。着色された着色域26と着色されない非着色域25とからなる着色層28が形成される。この段階では、着色層28は、水分や溶剤成分を含み、湿潤状態(ウェット状態)である。
図2(d)に示すように、着色層28が形成された基板3は、減圧加熱装置8に搬送される。減圧加熱装置8は、基板3を減圧環境下で加熱し、着色層28に含まれる水分や溶剤成分を除去して乾燥させる。その後、減圧加熱装置8は、基板3をさらに高温で加熱して着色層28全体を硬化させる。
図2(e)に示すように、必要に応じて着色層28上に保護層29が形成される。
【0037】
以上の過程を経て、基板3に形成されるインク受容層22にインク27を付与することにより、カラーフィルタが製造される。
【0038】
(2−2.開口部にインクを塗布するカラーフィルタ製造方法)
図3は、開口部にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法を示す図である。
【0039】
図3(a)に示すように、基板3に遮光層31が形成される。遮光層31は、隔壁部である。遮光層31により、各画素に対応する開口部が形成される。
図3(b)に示すように、インクジェットヘッド5からインク32が吐出される。インク32は、染料あるいは顔料等の着色剤を含有する。開口部にインク32が塗布され、着色層33が形成される。この段階では、着色層33は、水分や溶剤成分を含み、湿潤状態(ウェット状態)である。
図3(c)に示すように、着色層33が形成された基板3は、減圧加熱装置8に搬送される。減圧加熱装置8は、基板3を減圧環境下で加熱し、着色層33に含まれる水分や溶剤成分を除去して乾燥させる。その後、減圧加熱装置8は、基板3をさらに高温で加熱して着色層33全体を硬化させる。
図3(d)に示すように、必要に応じて着色層33上に保護層34が形成される。
【0040】
以上の過程を経て、基板3に形成される開口部にインク32を塗布することにより、カラーフィルタが製造される。
【0041】
(3.減圧加熱装置8)
次に、図4を参照しながら、減圧加熱装置8について説明する。
図4は、減圧加熱装置8の構成図である。
【0042】
減圧加熱装置8は、基板3を収容するチャンバ41に減圧部9と加熱部10とが設けられて構成される。減圧部9は、チャンバ41内の空気を吸引する減圧装置である。減圧部9は、例えば、真空ポンプである。加熱部10は、チャンバ41内の基板3を加熱する装置である。加熱部10は、例えば、ホットプレート、電熱線、ランプ、赤外線放射装置である。尚、図4の着色層45は、図2の着色層28及び図3の着色層33に相当する。
【0043】
チャンバ41には、減圧部9による吸気部を複数設けることが望ましい。例えば、チャンバ41の上側や横側や下側に複数の吸気部を設けてもよい。各吸気部を単独使用したり、複数の吸気部を同時に組み合わせて使用したりすることにより、チャンバ41内の気流を整流し、基板3の面内を均一に乾燥させることができる。また、基板3周辺の気流が不整流となることがないので、着色層変形等が生じて表示に影響を及ぼすといった欠陥を防止することができる。また、吸気効率が向上して乾燥時間が短縮されるので、生産タクトが短縮する。
【0044】
(4.減圧条件及び温度条件)
次に、図5を参照しながら、減圧加熱装置8における減圧条件及び温度条件について説明する。
図5は、減圧加熱装置8における減圧条件及び温度条件を示す図である。
【0045】
減圧加熱装置8は、減圧部9によりチャンバ41内の空気を吸引して減圧する。減圧圧力51は、チャンバ41内の圧力であり真空度を示す。減圧保持時間52は、減圧状態のまま保持する時間である。
減圧加熱装置8は、加熱部10により基板3の着色層45を加熱する。基板温度53は、基板3及び着色層45における実際の温度である。尚、基板温度53は、基板3と加熱部10との加熱距離55(プロキシ量)や加熱部10による加熱部温度56や加熱部加熱時間57により決定される。
【0046】
(5.減圧条件及び温度条件)
次に、図6〜図12を参照しながら、減圧条件及び温度条件と基板3の着色層45の状態について説明する。
図6は、減圧条件及び温度条件と基板3の着色層45の状態との関係を示す図である。図6は、減圧圧力51=1.5[Pa]〜100[Pa]における、基板3の着色層45の状態を示す。
基板温度53及び減圧保持時間52が領域70の範囲内の場合には、基板3の着色層45に表示に影響を及ぼすような欠陥は特段発生しない。
【0047】
図10(a)は、良好な着色層45を示す図である。図10(b)は、欠陥のある着色層45を示す図である。
基板温度53及び減圧保持時間52が領域61の範囲内では、図10(b)に示すように基板3の着色層45にクラック81等の欠陥が発生する。
【0048】
図11は、膜厚分布が正常である着色層を示す図である。図11(a)は、着色層45の上面図であり、図11(b)は、図11(a)のA−A断面図である。
図12は、膜厚分布が異常である着色層を示す図である。図12(a)は、着色層45の上面図であり、図12(b)は、図12(a)のB−B断面図である。
基板温度53及び減圧保持時間52が領域63の範囲内では、図12に示すように基板3の着色層45に膜厚異常等の欠陥が生じる。膜厚異常は例えば厚膜化や薄膜化である。図12(b)に示すように、面付けの周縁近傍の点101では、着色層45の膜厚が厚くなり、点101より内側の点102では、着色層の膜厚が薄くなる。
【0049】
基板温度53及び減圧保持時間52が領域62の範囲内では、基板3の着色層45に膜面荒れ等の欠陥が生じる。
【0050】
(5−1.基板温度53)
基板温度53が100[℃]以上の場合には、図10(b)に示すように基板3の着色層45にクラック81等の欠陥が発生する。基板3の着色層45の表面のみが乾燥し、その後、内部の溶剤揮発成分が着色層45の表面を破壊するため、減圧保持時間52に関係なくシワやクラック81等の欠陥が発生する。
基板温度53が30[℃]以下の場合には、図12に示すように基板3の着色層45に膜厚異常等の欠陥が発生する。基板3の着色層45の乾燥が遅くなって着色層45内で溶質のフローが生じるため、膜厚異常等の変形が生じる。
このように、減圧環境下で加熱乾燥を行う場合、基板温度53を30[℃]〜100[℃]の範囲内に設定することにより、欠陥の発生を抑制することができる。
【0051】
(5−2.減圧保持時間52)
減圧保持時間52が70[sec]以下の場合には、図12に示すように基板3の着色層45に膜厚異常等の欠陥が発生する。基板3の着色層45の乾燥が遅くなって着色層45内で溶質のフローが生じるため、膜厚異常等の変形が生じる。
減圧保持時間52が3600[sec]以上の場合には、予備乾燥後に基板3の着色層45に膜面荒れ等の欠陥が生じる。乾燥によるインク主溶媒の減少に伴って分散剤の凝集が生じるため、膜面荒れが生じる。
このように、減圧環境下で加熱乾燥を行う場合、減圧保持時間52を70[sec]〜3600[sec]の範囲内に設定することにより、欠陥の発生を抑制することができる。
【0052】
(5−3.減圧圧力51と減圧保持時間52)
図7〜図9は、図6の領域70の詳細を示す図である。図6は、減圧圧力51=1.5[Pa]〜100[Pa]における基板3の着色層45の状態を示す。図7〜図9は、それぞれ、減圧圧力51=1.5[Pa]〜50[Pa]、減圧圧力51=50[Pa]〜60[Pa]、減圧圧力51=60[Pa]〜100[Pa]における基板3の着色層45の状態を示す。
【0053】
(5−3−1.減圧圧力51=1.5[Pa]〜50[Pa])
減圧圧力51=1.5[Pa]〜50[Pa]において、基板温度53及び減圧保持時間52が図7の領域71の範囲内、すなわち、図6の領域70の範囲内で減圧保持時間52=70[sec]〜1200[sec]の場合には、基板3の着色層45の状態は良好である。一方、基板温度53及び減圧保持時間52が図7の領域72の範囲内、すなわち、図6の領域70の範囲内で減圧保持時間52=1200[sec]〜3600[sec]の場合には、基板3の着色層45の外周表面に膜面荒れが生じるが表示に影響を及ぼすような欠陥は特段生じない。
このように、減圧圧力51=1.5[Pa]〜50[Pa]の場合には、減圧保持時間52=70[sec]〜3600[sec]と設定することにより欠陥の発生を抑制することができる。さらに、減圧保持時間52=70[sec]〜1200[sec]と設定することにより、より良好な基板3の着色層45を形成することができる。また、減圧保持時間52が短縮されるので生産効率を向上させることができる。
【0054】
(5−3−2.減圧圧力51=50[Pa]〜60[Pa])
減圧圧力51=50[Pa]〜60[Pa]において、基板温度53及び減圧保持時間52が図8の領域73の範囲内、すなわち、図6の領域70の範囲内で減圧保持時間52=1200[sec]〜1800[sec]の場合には、基板3の着色層45の状態は良好である。一方、基板温度53及び減圧保持時間52が図8の領域74及び領域75の範囲内、すなわち、図6の領域70の範囲内で減圧保持時間52=70[sec]〜1200[sec]及び減圧保持時間52=1800[sec]〜3600[sec]の場合には、基板3の着色層45の外周表面に膜面荒れが生じるが表示に影響を及ぼすような欠陥は特段生じない。
このように、減圧圧力51=50[Pa]〜60[Pa]の場合には、減圧保持時間52=70[sec]〜3600[sec]と設定することにより欠陥の発生を抑制することができる。さらに、減圧保持時間52=1200[sec]〜1800[sec]と設定することにより、より良好な基板3の着色層45を形成することができる。
【0055】
(5−3−3.減圧圧力51=60[Pa]〜100[Pa])
減圧圧力51=60[Pa]〜100[Pa]において、基板温度53及び減圧保持時間52が図9の領域76の範囲内、すなわち、図6の領域70の範囲内で減圧保持時間52=1800[sec]〜3600[sec]の場合には、基板3の着色層45の状態は良好である。一方、基板温度53及び減圧保持時間52が図9の領域77の範囲内、すなわち、図6の領域70の範囲内で減圧保持時間52=70[sec]〜1800[sec]の場合には、基板3の着色層45の外周表面に膜面荒れが生じるが表示に影響を及ぼすような欠陥は特段生じない。
このように、減圧圧力51=60[Pa]〜100[Pa]の場合には、減圧保持時間52=70[sec]〜3600[sec]と設定することにより欠陥の発生を抑制することができる。さらに、減圧保持時間52=1800[sec]〜3600[sec]と設定することにより、より良好な基板3の着色層45を形成することができる。
【0056】
(5−3−4.減圧圧力51が1.5[Pa]以下あるいは100[Pa]以上)
尚、基板温度53及び減圧保持時間52が図6の領域70の範囲内であっても、減圧圧力51が1.5[Pa]以下の場合には、基板3の着色層45の表面にシワやクラック81等の欠陥が生じ、減圧圧力51が100[Pa]以上の場合には、基板3の着色層45の額縁部に変形が生じる。
【0057】
(6.表示装置131の製造)
図13は、表示装置131を示す図である。ここでは、表示装置131として液晶ディスプレイパネルを挙げて説明する。
基板132は、カラーフィルタ製造装置1により製造されたカラーフィルタである。基板132には、液晶封入空間を確保するためのスペーサ136が形成される。基板133は、TFT(Thin Film Transistor)等のアレイ基板である。基板132と基板133とを貼り合わせ、基板の周辺部分にシール材134を設け、基板間に液晶137を封入することにより、表示装置131が製造される。
【0058】
(7.その他)
以上詳細に説明したように、減圧環境下で加熱乾燥を行う場合、所定の減圧条件及び所定の温度条件の下で減圧及び加熱を行うことにより、着色層における欠陥や膜厚異常の発生を抑制して、歩留まりを向上させることができる。
加熱乾燥工程(プリベイク)において減圧加熱工程を導入することにより、減圧を行わない場合と比較して、タクトタイム内での残留溶剤成分量が減少する。従って、ポストベイクのタクトも短縮することができる。
尚、インクの吐出は、インクジェットヘッドに限られず、例えば、ディスペンサ等を用いることもできる。
【0059】
また、上述の実施形態では、基板3の下面から加熱するものとして説明したが、基板3の上面から加熱してもよいし、上面及び下面の両側から加熱してもよい。
また、上述の実施形態では、基板3は吸着テーブル4に吸着固定されるものとして説明したが、支持ピンや長方体の基板支持具を用いて基板を点接触あるいは線接触で支持し、基板とステージと間にギャップを持たせるようにしてもよい。尚、温度分布の影響によりステージ溝や支持ピン等の跡が基板に転写されるのを防止するために、非着色領域で基板支持具による支持を行うことが望ましい。
【0060】
以上、添付図面を参照しながら、本発明にかかるカラーフィルタ製造装置及び製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】カラーフィルタ製造装置1の構成図
【図2】インク受容層にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法を示す図
【図3】開口部にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法を示す図
【図4】減圧加熱装置8の構成図
【図5】減圧加熱装置8における減圧条件及び温度条件を示す図
【図6】減圧条件及び温度条件と基板3の着色層45の状態との関係を示す図(減圧圧力:1.5[Pa]〜100[Pa])
【図7】減圧条件及び温度条件と基板3の着色層45の状態との関係を示す図(減圧圧力:1.5[Pa]〜50[Pa])
【図8】減圧条件及び温度条件と基板3の着色層45の状態との関係を示す図(減圧圧力:50[Pa]〜60[Pa])
【図9】減圧条件及び温度条件と基板3の着色層45の状態との関係を示す図(減圧圧力:60[Pa]〜100[Pa])
【図10】(a)良好な着色層を示す図、(b)欠陥のある着色層を示す図
【図11】膜厚分布が正常である着色層を示す図
【図12】膜厚分布が異常である着色層を示す図
【図13】表示装置131を示す図
【符号の説明】
【0062】
1………カラーフィルタ製造装置
2………制御部
3………基板
4………吸着テーブル
5………インクジェットヘッド
6………移動部
7………アライメントカメラ
8………減圧加熱装置
9………減圧部
10………加熱部
21、31………遮光層
22………インク受容層
27、32………インク
28、33、45………着色層
41………チャンバ
51………減圧圧力
52………減圧保持時間
53………基板温度
55………加熱距離
56………加熱部温度
57………加熱部加熱時間
81………クラック
131………表示装置
132………カラーフィルタ基板
133………アレイ基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、
前記容器内の減圧を行う減圧部と、
を具備し、
前記減圧部は、減圧保持時間を70sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とするカラーフィルタ製造装置。
【請求項2】
前記減圧部は、減圧圧力を1.5Pa以上50Pa以下とし、減圧保持時間を70sec以上1200sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ製造装置。
【請求項3】
前記減圧部は、減圧圧力を50Pa以上60Pa以下とし、減圧保持時間を1200sec以上1800sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ製造装置。
【請求項4】
前記減圧部は、減圧圧力を60Pa以上100Pa以下とし、減圧保持時間を1800sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ製造装置。
【請求項5】
基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、
前記容器内の減圧を行う減圧部と、
を具備し、
前記減圧部は、減圧圧力を1.5Pa以上100Pa以下として減圧を行うことを特徴とするカラーフィルタ製造装置。
【請求項6】
基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、
前記容器内の減圧を行う減圧部と、
を具備し、
前記加熱部は、前記基板の温度を30℃以上100℃以下に加熱することを特徴とするカラーフィルタ製造装置。
【請求項7】
基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、
前記容器内の減圧を行う減圧部と、
を具備し、
前記容器には、前記減圧部と接続されて個別に制御可能な複数の吸気部が設けられることを特徴とするカラーフィルタ製造装置。
【請求項8】
基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法であって、
前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、
前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、
を具備し、
前記減圧ステップは、減圧保持時間を70sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とするカラーフィルタ製造方法。
【請求項9】
前記減圧ステップは、減圧圧力を1.5Pa以上50Pa以下とし、減圧保持時間を70sec以上1200sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタ製造方法。
【請求項10】
前記減圧ステップは、減圧圧力を50Pa以上60Pa以下とし、減圧保持時間を1200sec以上1800sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタ製造方法。
【請求項11】
前記減圧ステップは、減圧圧力を60Pa以上100Pa以下とし、減圧保持時間を1800sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項8に記載のカラーフィルタ製造方法。
【請求項12】
基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、
前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、
を具備し、
前記減圧ステップは、減圧圧力を1.5Pa以上100Pa以下として減圧を行うことを特徴とするカラーフィルタ製造方法。
【請求項13】
基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、
前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、
を具備し、
前記加熱ステップは、前記基板の温度を30℃以上100℃以下に加熱することを特徴とするカラーフィルタ製造方法。
【請求項14】
基板にインクを付与して着色層を形成するカラーフィルタ製造方法であって、
前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、
前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、
を具備し、
前記減圧ステップは、前記容器に設けられる複数の吸気部を個別に制御することを特徴とするカラーフィルタ製造方法。
【請求項15】
基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、
前記容器内の減圧を行う減圧部と、
を具備し、
前記減圧部は、減圧保持時間を70sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とする減圧加熱装置。
【請求項16】
前記減圧部は、減圧圧力を1.5Pa以上50Pa以下とし、減圧保持時間を70sec以上1200sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項15に記載の減圧加熱装置。
【請求項17】
前記減圧部は、減圧圧力を50Pa以上60Pa以下とし、減圧保持時間を1200sec以上1800sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項15に記載の減圧加熱装置。
【請求項18】
前記減圧部は、減圧圧力を60Pa以上100Pa以下とし、減圧保持時間を1800sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項15に記載の減圧加熱装置。
【請求項19】
基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、
前記容器内の減圧を行う減圧部と、
を具備し、
前記減圧部は、減圧圧力を1.5Pa以上100Pa以下として減圧を行うことを特徴とする減圧加熱装置。
【請求項20】
基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、
前記容器内の減圧を行う減圧部と、
を具備し、
前記加熱部は、前記基板の温度を30℃以上100℃以下に加熱することを特徴とする減圧加熱装置。
【請求項21】
基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱装置であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱部と、
前記容器内の減圧を行う減圧部と、
を具備し、
前記容器には、前記減圧部と接続されて個別に制御可能な複数の吸気部が設けられることを特徴とする減圧加熱装置。
【請求項22】
基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱方法であって、
前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、
前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、
を具備し、
前記減圧ステップは、減圧保持時間を70sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とする減圧加熱方法。
【請求項23】
前記減圧ステップは、減圧圧力を1.5Pa以上50Pa以下とし、減圧保持時間を70sec以上1200sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項21に記載の減圧加熱方法。
【請求項24】
前記減圧ステップは、減圧圧力を50Pa以上60Pa以下とし、減圧保持時間を1200sec以上1800sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項21に記載の減圧加熱方法。
【請求項25】
前記減圧ステップは、減圧圧力を60Pa以上100Pa以下とし、減圧保持時間を1800sec以上3600sec以下として減圧を行うことを特徴とする請求項21に記載の減圧加熱方法。
【請求項26】
基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱方法であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、
前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、
を具備し、
前記減圧ステップは、減圧圧力を1.5Pa以上100Pa以下として減圧を行うことを特徴とする減圧加熱方法。
【請求項27】
基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱方法であって、
前記基板を収容する容器と、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、
前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、
を具備し、
前記加熱ステップは、前記基板の温度を30℃以上100℃以下に加熱することを特徴とする減圧加熱方法。
【請求項28】
基板にインクを付与して形成される着色層を減圧環境下で加熱する減圧加熱方法であって、
前記基板を容器に収容する基板収容ステップと、
前記容器に収容された基板を加熱する加熱ステップと、
前記容器内の減圧を行う減圧ステップと、
を具備し、
前記減圧ステップは、前記容器に設けられる複数の吸気部を個別に制御することを特徴とする減圧加熱方法。
【請求項29】
基板にインクを付与して着色層が形成されたカラーフィルタを備える表示装置の製造装置であって、
請求項1から請求項7までのいずれかに記載のカラーフィルタ製造装置を具備することを特徴とする表示装置の製造装置。
【請求項30】
基板にインクを付与して着色層が形成されたカラーフィルタを備える表示装置の製造方法であって、
請求項8から請求項14までのいずれかに記載のカラーフィルタ製造方法を具備することを特徴とする表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−86387(P2009−86387A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−256946(P2007−256946)
【出願日】平成19年9月29日(2007.9.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】