説明

カートリッジ及び画像形成装置

【課題】装置本体側からの現像ローラへの電力供給と、現像ローラの安定的な位置決めとを、カートリッジ構成を複雑化することなく簡易に実現する。
【解決手段】レーザプリンタ1は、装置本体1aに現像カートリッジ26を備えたプロセスカートリッジ18が着脱可能に装着されており、その現像カートリッジ26には、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム28と対向配置される現像ローラ38と、現像ローラ38を収容するフレーム部とが設けられている。現像カートリッジ38に設けられた現像ローラ38は、カートリッジ側端子部110によって感光体ドラム28側に付勢されると共に、装置本体1aに設けられた電源回路101からカートリッジ側端子部110を介して電圧が印加されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタなどの画像形成装置の分野では、感光体と現像ローラを対向配置して現像を行う構成が提供されている。例えば、特許文献1では、現像カートリッジを付勢手段によって現像位置方向に付勢することにより、現像ローラを感光体ドラム側に押し付け、安定的に位置決めする構成が開示されている。
【特許文献1】特開2005−107189公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の構成では、現像ローラに電力を供給する手段とは別に、現像ローラを付勢する手段が設けられるため、現像ローラの位置決めと、現像ローラへの電力供給とを共に実現できる。しかしながら、それぞれの手段が別々に設けられるため、カートリッジ構成が複雑になってしまうという問題がある。
また、特許文献1の構成では、現像ローラを感光体に付勢する手段と、現像ローラに電力を供給する手段とが別々に設けられているため、この電力を供給する手段が現像カートリッジの挙動を阻害し、現像ローラが現像位置へ安定して位置決めされない虞がある。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであって、装置本体側からの現像ローラへの電力供給と、現像ローラの現像位置への安定した位置決めとを、カートリッジ構成を複雑化することなく実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジであって、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと対向配置される現像ローラと、前記現像ローラを収容するフレーム部と、を備え、前記現像ローラは、付勢手段によって前記感光体ドラム側に付勢されると共に、前記画像形成装置の装置本体に設けられた電力供給手段から前記付勢手段を介して電圧が印加されることを特徴とする。
本発明の「カートリッジ」は、感光体ドラム及び現像ローラが設けられた構成をなすプロセスカートリッジと、感光体ドラムが設けられていない構成をなす現像カートリッジの双方を含んでいる。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のカートリッジにおいて、前記装置本体の前記電力供給手段に接続される本体側端子部から電圧が印加されると共に、前記現像ローラと電気的に接続されたカートリッジ側端子部を有し、前記本体側端子部及び前記カートリッジ側端子部の少なくともいずれかが前記付勢手段を有することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジであって、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと対向配置される現像ローラと、前記現像ローラを収容するフレーム部と、前記装置本体に設けられた電力供給手段に接続される本体側端子部から電圧が印加され、かつ前記本体側端子部からの押圧により、前記現像ローラを前記感光体ドラム側に付勢する付勢力が生じるカートリッジ側端子部と、備えたことを特徴とする。
「本体側端子部からの押圧によって現像ローラを感光体ドラム側に付勢する付勢力が生じる構成」は、「装置本体に本体側端子部を付勢する付勢手段が設けられる構成」、「カートリッジに付勢手段が設けられ、カートリッジ側端子部が本体側端子部から相対的に押圧される構成」、の両方を含む概念である。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載のカートリッジにおいて、前記カートリッジ側端子部は、当該カートリッジが前記画像形成装置へ装着された使用状態において、前記現像ローラを前記感光体ドラム側に付勢する付勢力が生じることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のカートリッジにおいて、前記現像ローラの長手方向両側に設けられた前記フレーム部の両側壁部よりも前記長手方向外方に突出するように凸部が設けられており、前記凸部の少なくとも一部が前記カートリッジ側端子部とされていることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のカートリッジにおいて、前記カートリッジ側端子部は、前記フレーム部において、前記現像ローラが設けられる側とは反対側の壁部に設けられ、かつ、前記現像ローラの軸部と電気的に接続されており、前記本体側端子部からの押圧により、当該カートリッジ側端子部において前記フレーム部を前記感光体ドラム側に付勢する付勢力が生じるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6に記載のカートリッジにおいて、前記カートリッジ側端子部は、前記画像形成装置の一側部に形成された開口部を開閉するカバー部材が閉塞された時に、前記カバー部材に設けられた前記本体側端子部によって押圧されることを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項2ないし請求項7のいずれかに記載のカートリッジにおいて、前記カートリッジ側端子部は、現像ローラ以外の電気部品に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項2ないし請求項8のいずれかに記載のカートリッジにおいて、前記カートリッジ側端子部は、付勢手段を備えた前記本体側端子部からの付勢力を受けるように押圧されることを特徴とする。
【0014】
請求項10の発明は、請求項2ないし請求項8のいずれかに記載のカートリッジにおいて、前記カートリッジ側端子部が前記付勢手段を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項11の発明は、画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジであって、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと対向配置される現像ローラと、前記現像ローラを収容するフレーム部と、前記現像ローラの長手方向両側における当該カートリッジの側部に設けられ、前記現像ローラを前記感光体ドラムに向かって付勢するための付勢部材と、前記フレーム部の側方に突出するように前記付勢部材の先端に取り付けられる接触部と、を備え、前記現像ローラは、前記画像形成装置の装置本体に設けられた電力供給手段から前記接触部及び前記付勢部材を介して電圧が印加されることを特徴とする。
【0016】
請求項12の発明は、請求項11に記載のカートリッジにおいて、前記接触部は、前記突出方向に対して傾斜面を有していることを特徴とする。
【0017】
請求項13の発明は、画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジであって、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと対向配置される現像ローラと、前記現像ローラを収容するフレーム部と、前記フレーム部に設けられた付勢部材と、前記付勢部材の先端に取り付けられると共に前記現像ローラに接続され、前記装置本体に設けられた電力供給手段と接触可能な接触部と、を備え、前記付勢部材は、前記カートリッジが前記装置本体に装着された画像形成可能な状態において、前記現像ローラを前記感光体ドラムに押圧すると共に、前記接触部を前記電力供給手段に向かって押圧することを特徴とする。
【0018】
請求項14の発明は、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のカートリッジにおいて、前記現像ローラは、前記感光体ドラムとトナーを介して接触しつつ現像を行う構成をなすこと特徴とする。
【0019】
請求項15の発明は、画像形成装置において、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載のカートリッジが着脱可能に設けられることを特徴とする。
【0020】
なお、上記いずれの請求項の発明においても、「付勢手段」は、単一の部品によって構成してもよく、複数の部品によって構成してもよい。例えば、ばね部材等の付勢力を発生する単一の部品によって「付勢手段」を構成してもよく、付勢力を発生する部品と他の部品とによって「付勢手段」を構成してもよい。例えば、ばね部材とこのばね部材によって付勢される部品とによって「付勢手段」が構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、装置本体側からの現像ローラへの電力供給と、現像ローラの現像位置への安定的な位置決めとを、カートリッジ構成を複雑化することなく実現できる。また、現像ローラへの電圧印加を、付勢手段を介して行うようにしているため、電力供給手段から現像ローラに電圧が印加されるときに、カートリッジの挙動が阻害されにくくなる。
【0022】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、付勢手段に付勢機能と端子機能とを兼用させる構成を簡易に実現しうる好適例となる。
【0023】
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、カートリッジ側端子部が、装置本体側からの電力を現像ローラに供給する機能と、付勢力を現像ローラに伝達して現像ローラを現像位置に安定化させる機能とを兼ねることとなる。従って、カートリッジ構成を複雑化することなく両機能を好適に実現できる。
また、カートリッジ側端子部が、装置本体側からの電力を現像ローラに供給する機能と、付勢力を現像ローラに伝達する機能とを兼ねているため、電力供給手段から現像ローラに電圧が印加されるときに、カートリッジの挙動が阻害されにくくなる。
【0024】
<請求項4の発明>
請求項4の構成によれば、当該カートリッジが画像形成装置に装着された使用時において、現像ローラが安定的に位置決めされることとなる。従って、使用時に現像ローラが精度高く位置決めされて良好な現像が実現することとなる。
【0025】
<請求項5の発明>
請求項5の発明によれば、カートリッジ側端子部がフレーム部の両側壁部付近に設けられる構成となるため、現像ローラとカートリッジ側端子部との距離を短くできるので現像ローラに電圧を印加するための配線を簡素化しやすくなる。
【0026】
<請求項6の発明>
請求項6の発明によれば、本体側端子部によってカートリッジ側端子部を押圧し、かつその押圧作用によって現像ローラを付勢させる構成を簡易にかつ好適に実現できる。
【0027】
<請求項7の発明>
請求項7の発明によれば、本体側端子部がカバー部材にまとめられるため、カートリッジの着脱時に本体側端子部が邪魔にならず、着脱を行いやすい構成となる。
【0028】
<請求項8の発明>
請求項8の発明によれば、現像ローラへの電力供給及び現像ローラの安定化を共に実現できると共に、現像ローラ以外の電気部品に電力供給できるようにもなる。
【0029】
<請求項9の発明>
請求項9の発明によれば、装置本体の本体側端子部が付勢手段とされるため、カートリッジ側端子部に付勢手段を設けずに済む。よって、カートリッジ側の構成をより簡素にできる。
【0030】
<請求項10の発明>
請求項10の発明によれば、カートリッジ側端子部に付勢手段が設けられており、使用時に破損しやすい付勢手段がカートリッジ側に配置されることとなる。この構成では、たとえ付勢手段が破損して機能しなくなったとしても、カートリッジを交換することで機能が回復し、装置本体を交換する必要がないので合理的である。
【0031】
<請求項11の発明>
請求項11の発明によれば、装置本体側からの現像ローラへの電力供給と、現像ローラの現像位置への安定的な位置決めとを、カートリッジ構成を複雑化することなく実現できる。また、現像ローラへの電圧印加を、付勢部材及び接触部を介して行うようにしているため、電力供給手段から現像ローラに電圧が印加されるときに、カートリッジの挙動が阻害されにくくなる。
【0032】
<請求項12の発明>
請求項12の発明によれば、カートリッジを装置本体に着脱する際に引っかかりにくくスムーズに着脱できる構成となる。特に、カートリッジの着脱時に特別な操作をすることなしにカートリッジを押し込むという1つの動作でカートリッジの装着と離脱が可能となる。
【0033】
<請求項13の発明>
請求項13の発明によれば、装置本体側からの現像ローラへの電力供給と、現像ローラの現像位置への安定的な位置決めとを、カートリッジ構成を複雑化することなく実現できる。また、接触部が、電力供給手段からの電力を現像ローラに供給する機能と、付勢部材からの付勢力を現像ローラに伝達する機能とを兼ねているため、電力供給手段から現像ローラに電圧が印加されるときに、カートリッジの挙動が阻害されにくくなる。
【0034】
<請求項14の発明>
現像ローラと感光体ドラムとをトナーを介して接触させて現像を行う方式(接触現像方式)を採用した場合、現像ローラの感光体ドラムへの押圧は強すぎても弱すぎても印字不良の原因となるため、適切な圧力に保つ必要がある。更に、現像ローラが感光体ドラムへの振れなどに対して追従できなかったり、現像ローラの感光体ドラムへの押圧が左右で不均一だったりすると、図29に示すように、端部に周期的に印字されない領域が生じる場合がある。
図29は、用紙全面に中間調画像Nを印字した場合の不具合を説明する説明図であり、現像ローラの端部において印字されない領域Mが生じた状態を示している。このような不具合は、現像ローラの端部が感光体ドラムから若干浮いてしまうことにより発生し、特に、感光体ドラムの回転速度が早くなると発生しやすくなる傾向がある。
一方、上述の特許文献1の構成では、現像ローラを感光体ドラム側に付勢する手段と、現像ローラに電力を供給する手段とが別々に設けられているため、この電力を供給する手段がカートリッジの挙動を阻害し、図29のような不具合が発生しやすくなる。特に、現像ローラに電力を供給する手段の接触圧が高すぎる場合や、カートリッジの外壁等に引っかかったりすると直ちに不具合が生じてしまう。
これに対し、請求項14の構成によれば、現像ローラへの電力供給を行う手段がカートリッジの挙動を阻害しないため、現像ローラと感光体ドラムとが端部で不安定になりにくく、図29のような印字不良を効果的に防止することができる。
【0035】
<請求項15の発明>
請求項15の発明によれば、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載のカートリッジと同様の効果を奏する画像形成装置となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
<実施形態1>
本発明の実施形態1について図面を参照しつつ説明する。
1.全体構成
図1は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を概略的に示す要部側断面図である。このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
本体ケーシング2において、一方側の側壁には、後述するプロセスカートリッジ18を着脱するための着脱開口部6が形成されており、その着脱開口部6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている。
【0037】
このフロントカバー7は、その下端部に挿通された図示しないカバー軸に回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー7をカバー軸を中心として閉じると、図1に示すように、フロントカバー7によって着脱開口部6が閉鎖され、フロントカバー7をカバー軸を支点として開くと(傾倒させると)、図2に示すように、着脱開口部6が開放され、この着脱開口部6から、プロセスカートリッジ18を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。
【0038】
なお、以下では、このレーザプリンタ1およびプロセスカートリッジ18(後述する現像カートリッジ26を含む。)において、フロントカバー7が設けられる側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ8と、給紙トレイ8の前端部の上方に設けられる給紙ローラ9および分離パッド(図示略)と、給紙ローラ9の前側において対向配置されるピンチローラ12と、給紙ローラ9の後側上方に設けられるレジストローラ13とを備えている。
【0039】
給紙トレイ8の内部には、用紙3を積層状に載置可能な用紙押圧板14が備えられている。この用紙押圧板14は、後端部において揺動可能に支持されることによって、前端部が上下方向に移動可能にされている。また、給紙トレイ8の前端部には、用紙押圧板14の前端部を上方に持ち上げるためのばね部材15が設けられている。
【0040】
用紙押圧板14の前端部が持ち上げられると、用紙押圧板14上の最上位にある用紙3は、給紙ローラ9に押圧され、その給紙ローラ9の回転によって搬送開始される。
【0041】
給紙ローラ9によって送り出された用紙3は、1枚ごとに捌かれて給紙される。給紙された用紙3は、給紙ローラ9とピンチローラ12との間を通り、レジストローラ13に搬送される。
【0042】
レジストローラ13は、互いに対向する1対のローラから構成され、用紙3を、レジスト後に、画像形成部5の転写位置(後述する感光体ドラム28と転写ローラ30との間のニップ位置であって、感光体ドラム28上のトナー像を用紙3に転写する位置)に向けて搬送する。
【0043】
画像形成部5は、スキャナ部17、プロセスカートリッジ18、定着部19などを備えている。
スキャナ部17は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー20、fθレンズ21、反射鏡22、レンズ23および反射鏡24などを備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、図1の一点鎖線で示すように、ポリゴンミラー20で偏向されて、fθレンズ21を通過した後、反射鏡22によって光路が折り返され、さらにレンズ23を通過した後、反射鏡24によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ18の後述する感光体ドラム28の表面上に高速走査にて照射される。
【0044】
プロセスカートリッジ18は、スキャナ部17の下方において、本体ケーシング2に対して着脱可能に装着されている。このプロセスカートリッジ18は、ドラムカートリッジ25と、ドラムカートリッジ25に対して着脱可能に装着される現像カートリッジ26とを備えている。
【0045】
ドラムカートリッジ25は、それぞれ前後方向に延び、その前後方向に直交する方向(以下、単に「幅方向」という。)において互いに対向配置された1対の側板27(図3参照)の間において、前側に、現像カートリッジ26が装着され、その後側に、感光体ドラム28、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ30およびクリーニングブラシ31を備えている。
【0046】
感光体ドラム28は、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成される円筒形状のドラム本体32と、このドラム本体32の軸心において、ドラム本体32の長手方向に沿って延びる金属製のドラム軸33とを備えている。ドラム軸33がドラムカートリッジ25の両側板27に回転不能に支持され、このドラム軸33に対してドラム本体32が回転可能に支持されることにより、感光体ドラム28は、両側板27間において、ドラム軸33を中心に回転可能に設けられている。
【0047】
スコロトロン型帯電器29は、感光体ドラム28の後側斜め上方において、感光体ドラム28と接触しないように、間隔を隔てて対向配置されている。このスコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム28の表面を一様に正極性に帯電させることができるように設けられている。
【0048】
転写ローラ30は、ドラムカートリッジ25の両側板27に回転自在に支持されており、感光体ドラム28と上下方向において下側から対向して接触し、感光体ドラム28との間にニップを形成するように配置されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸34を、導電性のゴム材料からなるローラ35で被覆することにより構成されている。転写ローラ30には、転写時に転写バイアスが印加される。
【0049】
クリーニングブラシ31は、感光体ドラム28の後方において、ブラシの先端が感光体ドラム28のドラム本体32の表面に接触する状態で配置されている。
現像カートリッジ26は、ドラムカートリッジ25に対して着脱自在に装着されており、後側が開口されたボックス状をなすフレーム部36と、このフレーム部36内に設けられる、供給ローラ37、現像ローラ38および層厚規制ブレード39を備えている。
【0050】
フレーム部36内には、その上面から下方に向かって突出する仕切板40が幅方向に延びて設けられており、その仕切板40よりも前方の内部空間がトナー収容室41とされ、仕切板40よりも後方の内部空間が現像室42とされている。
【0051】
トナー収容室41内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが収容されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが使用されている。このような重合トナーは、球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
【0052】
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
また、トナー収容室41内には、このトナー収容室41内のトナーを撹拌するためのアジテータ43が設けられている。アジテータ43は、トナー収容室41の中心部において、幅方向に延びるアジテータ回転軸44に支持されており、このアジテータ回転軸44を支点として、アジテータ43が回転されることによって、トナー収容室41内のトナーは、撹拌され、仕切板40の下方のトナー放出口45から現像室42に向けて放出される。
【0053】
供給ローラ37は、現像室42内において、前側下方に配置され、フレーム部36の幅方向に対向する両側板間に回転自在に支持されている。この供給ローラ37は、幅方向に延びる、金属製の供給ローラ軸46と、その供給ローラ軸46の周りを被覆する、導電性の発泡材料からなるスポンジローラ47とを備えている。
【0054】
現像ローラ38は、現像ローラ軸48の軸方向を長手方向とする長手状に形成されており、現像室42内において、後側下方に配置され、フレーム部36の幅方向に対向する両側板間に回転自在に支持されている。また、現像ローラ38は、その表面の一部がフレーム部36から後方に突出して露出するように配置され、現像カートリッジ26がドラムカートリッジ25に装着された状態で、感光体ドラム28と前後方向に対向して接触する。この現像ローラ38は、金属製の現像ローラ軸48と、その現像ローラ軸48の周りを被覆する、導電性のゴム材料からなるゴムローラ49とを備えている。ゴムローラ49は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなり、その表面が、フッ素含有ウレタンゴムまたはポリイミドなどの樹脂材料により被覆されている。また、ゴムローラ49は、供給ローラ37のスポンジローラ47と互いに圧縮されるように接触して配置されている。現像ローラ38の下方のフレーム部36には、ロアフィルム130が設けられており、現像ローラ38と摺動して、トナーがこぼれないように構成されている。
【0055】
層厚規制ブレード39は、金属の板ばね材からなり、その先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧ゴム部材50を備えている。そして、層厚規制ブレード39は、現像ローラ38の上方においてフレーム部36に支持されて、その下端部が、現像ローラ38のゴムローラ49に対して前側から対向し、押圧ゴム部材50が、層厚規制ブレード39の弾性力によってゴムローラ49に圧接される。
【0056】
そして、アジテータ43の回転によってトナー放出口45から現像室42に放出されるトナーは、供給ローラ37の回転によって、現像ローラ38のゴムローラ49上に供給され、このとき、供給ローラ37のスポンジローラ47と現像ローラ38のゴムローラ49との間で正に摩擦帯電される。ゴムローラ49上に供給されたトナーは、現像ローラ38の回転に伴って、層厚規制ブレード39の押圧ゴム部材50とゴムローラ49との間に進入し、一定厚さの薄層となって、ゴムローラ49上に担持される。
【0057】
一方、感光体ドラム28の表面は、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナ部17からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0058】
次いで、現像ローラ38の回転により、現像ローラ38のゴムローラ49上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光体ドラム28に対向して接触する時に、感光体ドラム28の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体ドラム28の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像によりトナー像が形成される。
【0059】
その後、感光体ドラム28と転写ローラ30とが、それらの間で用紙3を挟持して搬送するように回転駆動され、感光体ドラム28と転写ローラ30との間を用紙3が搬送されることにより、感光体ドラム28の表面に担持されているトナー像が用紙3上に転写される。
【0060】
なお、転写後に、用紙3との接触によって感光体ドラム28の表面に付着した紙粉は、その感光体ドラム28の表面が、感光体ドラム28の回転に伴って、クリーニングブラシ31のブラシと対向した時に、そのブラシによって除去される。
【0061】
定着部19は、プロセスカートリッジ18の後側に設けられ、図示しない定着フレームと、この定着フレームに回転自在に支持され、上下方向に対向配置される加熱ローラ52および押圧ローラ53とを備えている。
【0062】
加熱ローラ52は、円筒状部材としての金属素管64を備え、その軸方向に沿ってハロゲンランプ66が内装されている。この、ハロゲンランプ66により、加熱ローラ52の表面が定着温度に加熱される。
【0063】
押圧ローラ53は、金属製の押圧ローラ軸80と、この押圧ローラ軸80の周りを被覆する、ゴム材料からなるゴムローラ81とを備えている。この押圧ローラ53は、ゴムローラ81が加熱ローラ52の金属素管64に弾性的に押圧され、加熱ローラ52の回転に従動される。
【0064】
定着部19では、図1に示すように、用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ52と押圧ローラ53との間を通過する間に熱定着させる。トナーが定着した用紙3は、搬送ローラ86によって搬送されて排紙パス82に移る。排紙パス82に搬送された用紙3は、その上端に設けられる排紙ローラ83によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ84上に排紙される。
【0065】
2.特徴構成
次に、特徴構成について詳細に説明する。
図3は、プロセスカートリッジ18を概略的に示す側面図であり、図4は、その側断面図である。また、図5は、ドラムカートリッジ25から現像カートリッジ26を取り外した状態を示す側面図であり、図6は、その側断面図である。図7は、プロセスカートリッジ18を前方から見た正面図であり、図8は、図5とは反対側から見た現像カートリッジ26を概略的に示す側面図である。
【0066】
現像カートリッジ26は本発明のカートリッジに相当するものであり、レーザプリンタ1の装置本体1aに装着される構成をなし、図3、図4に示すように、感光体ドラム28と対向配置される現像ローラ38と、現像ローラ38を収容するフレーム部36とを備え、ドラムカートリッジ25に装着されることで、当該ドラムカートリッジ25と共にプロセスカートリッジ18を構成している。現像ローラ38の現像ローラ軸48の長手方向両端部に設けられたコロ71が、ドラムカートリッジ25に設けられたガイド溝72に嵌まることで、現像カートリッジ26はドラムカートリッジ25に対して前後に移動可能に装着される。そして、現像カートリッジ26は、図5、図6に示すように、ドラムカートリッジ25に対し着脱可能とされている。なお、本発明の「装置本体」は、画像形成装置全体における「カートリッジ」の装着対象となる部分を指しており、実施形態1では、レーザプリンタ1におけるプロセスカートリッジ18以外の部分が装置本体1aに相当している。
【0067】
この現像カートリッジ26は、上述したように現像ローラ38を有しているが、この現像ローラ38は、ばね部材111の弾性力によりフレーム部36が感光体ドラム28側に押圧されることで、当該感光体ドラム28側に付勢される構成をなしており、かつレーザプリンタ1の装置本体1aに設けられた電源回路101(電源回路は電力供給手段に相当する)からばね部材111を介して電圧が印加されるようになっている。電源回路101は、商用電源に基づいて所定の高電圧を発生させる公知の高圧電源回路である。なお、図1、図2では、電源回路101の構成を破線にて概念的に示しているが、電源回路101の配置や形状はこれに限定されないことは勿論である。
【0068】
具体的には、現像カートリッジ26は、装置本体1aの電源回路101に接続される本体側端子部105から電圧が印加されるカートリッジ側端子部110を有している。このカートリッジ側端子部110は、フレーム部36において、現像ローラ38が設けられる側とは反対側の壁部36aに設けられており、本体側端子部105と接触する接触部に相当する導電性の接触部材113と、この接触部材113とフレーム部36とを離間させる方向に付勢する付勢部材としての導電性のばね部材111を有している。また、ばね部材111が斜めに傾きすぎないようにばねガイド部材118がばね部材111の内側に設けられている。
【0069】
レーザプリンタ1は、上述したように、一側部に着脱開口部6(着脱開口部6は開口部に相当する)が形成されると共に、その着脱開口部6を開閉するフロントカバー7(フロントカバー7はカバー部材に相当する)が設けられており、本体側端子部105は、このフロントカバー7に設けられている。そして、カートリッジ側端子部110は、図1のようなフロントカバー7の閉塞時に、本体側端子部105に押圧される構成をなしている。
【0070】
そして、カートリッジ側端子部110は、図1のように装置本体1aに装着された使用状態において、ばね部材111が自然状態から縮むようになっており、この使用状態では、ばね部材111の弾性変形によって接触部材113が本体側端子部105側に向けて付勢されると共に、フレーム部36が感光体ドラム28に向かって装置本体1aの後方側に付勢されるようになっている。
【0071】
即ち、フロントカバー7を閉塞した装着状態では、フロントカバー7が所定位置に定められ、本体側端子部105とフレーム部36との間が狭くなる。従って、ばね部材111が自然状態より縮み、接触部材113が本体側端子部105側に付勢されることとなる。さらに、装着状態では、接触部材113が、本体側端子部105から押圧された状態で位置決めされており、カートリッジ側端子部110では、この押圧によって変形しているばね部材111の弾性復帰力により、現像カートリッジ26を後方側に付勢する付勢力が生じるようになっている。
【0072】
なお、カートリッジ側端子部110は、当該プロセスカートリッジがレーザプリンタ1へ装着された使用状態(即ち、図1の状態)において、現像ローラ38を感光体ドラム28側に付勢する付勢力が生じる構成をなしているため、使用時に現像ローラ38が精度高く位置決めされて良好な現像が実現するようになっている。なお、本発明の「使用状態」とは、画像形成が行われるときの状態を意味している。
【0073】
また、上記のように構成されるカートリッジ側端子部110は、図3、図5に示すように、現像ローラ38の現像ローラ軸48(現像ローラ軸48は現像ローラの軸部に相当する)と電気的に接続されている。具体的には、カートリッジ側端子部110において、導電性の接触部材113及び導電性のばね部材111に加え、ばね部材111からの押圧を受ける導電性のベース部材115が設けられており、このベース部115には細長の導電性部材116が接続されている。導電性部材116は、針金あるいは細長く切った板金等でできており、現像ローラ軸48を支持する導電性の軸受部材117に接続されている。軸受部材117は、現像ローラ軸48を回転可能に支持しており、現像ローラ軸48との電気的な接続が保たれている。このような構成により、本体側端子部105からの電力が、接触部材113、ばね部材111、ベース部115、導電性部材116、軸受部材117を介して現像ローラ軸48に供給され、現像ローラ軸48にバイアス電圧が印加されるようになっている。
【0074】
また、本実施形態に係る構成では、カートリッジ側端子部110が、現像ローラ110以外の電気部品にも電気的に接続されている。具体的には、図3、図5に示すように、軸受部材117が供給ローラ38の供給ローラ軸46を回転可能に支持しており、軸受部材117と供給ローラ軸46との電気的な接続が保たれている。従って、現像ローラ38への電力供給及び現像ローラ38の現像位置への安定した位置決めを共に実現できると共に、現像ローラ38以外の電気部品(ここでは供給ローラ38)にも同電位の電圧を印加できるようになっている。なお、現像ローラ38以外の「電気部品」は、電力供給を要する部品であればよく、供給ローラ38以外の電気部品、例えば、層厚規制ブレード39、ロアフィルム130などであってもよい。
【0075】
図7に示すように、本実施形態では現像カートリッジ26の両端にカートリッジ側端子部110が設けられており、図3ないし図5に示すように一方のカートリッジ側端子部110から現像ローラ38とこれと同電位に制御する部材(本実施形態では供給ローラ38)に電圧を印加するようにしている。
なお、本実施形態では、一方のカートリッジ側端子部110のみによって現像ローラ38及びそれ以外の部材(供給ローラ38)に電圧を印加し、もう一方のカートリッジ側端子部110を電圧印加に用いないようにしているが、もう一方のカートリッジ側端子部110から、別部品(例えば、現像ローラ38とは異なるレベルの電圧を印加する部品など)に電圧を印加するようにしてもよい。
本実施形態では、ロアフィルム130に対する電力供給の具体的構成は図示を省略しているが、現像ローラ38と同電位の電圧を印加する場合には、現像ローラ38に接続される一方のカートリッジ側端子部110とロアフィルム130とを電気的に接続する構成とすることで実現できる。また、ロアフィルム130に対し、現像ローラ38と異なる電位の電圧を印加する場合には、他方のカートリッジ側端子部110にロアフィルム130を電気的に接続する構成とし、この他方のカートリッジ側端子部110に装置本体1a側から所定の電圧を印加するようにすれば実現できる。
【0076】
図7等に示すように、本実施形態ではカートリッジ側端子部110が左右一対設けられ、それぞれに付勢部材としてのばね部材111が配されているため(即ち付勢部材が左右一対設けられているため)、現像カートリッジ26をより安定的に位置決めできるようになっている。
なお、本実施形態では、両カートリッジ側端子部110,110のそれぞれに左右一対でばね部材111を設けつつ、電力供給は一方のカートリッジ側端子部110のみによって行っているが、これらを共に電力供給に用いるようにしてもよい。
【0077】
なお、現像ローラ38、供給ローラ37、アジテータ回転軸44は、図示しないメインモータの駆動を受けて回転する駆動ギヤ120と連動して回転するようになっている。具体的には、図8に示すように、現像ローラ38の現像ローラ軸48に固定される第1ギヤ138と、供給ローラ37の供給ローラ軸46に固定される第2ギヤ137とが設けられている。駆動ギヤ120には、カップリング部121が一体で設けられており、装置本体1a側の駆動力入力用カップリング部(図示略)からの駆動力が伝達されるように構成されている。これら第1ギヤ138及び第2ギヤ137が駆動ギヤ120から歯車伝動による駆動力を受け、これに応じて現像ローラ38、供給ローラ37が回転するようになっている。アジテータ回転軸44には、第3ギヤ144が固定されており、この第3ギヤ144が中間ギヤ122を介して駆動ギヤ120から駆動力を受けて回転することでアジテータ回転軸44が回転するようになっている。
【0078】
以上のように、本実施形態では、レーザプリンタ1の装置本体に設けられた電源回路101(電力供給手段)から付勢部材としての導電性のばね部材111を介して電圧が印加されるようになっている。従って、レーザプリンタ1において、現像ローラ38を感光体ドラム28側に付勢する付勢機能と、現像ローラ38に対して電力供給するための端子機能とを付勢手段に兼用させることのできる構成となっている。
【0079】
また、現像カートリッジ26には、装置本体1aの電源回路101に接続される本体側端子部105から電圧が印加されるカートリッジ側端子部110が設けられており、このカートリッジ側端子部110に設けられた導電性のばね部材111が付勢部材とされている。また、ばね部材111と接触部材113によって付勢手段が構成されている。この構成によれば、付勢手段に付勢機能と端子機能とを兼用させる構成を簡易に実現できることとなる。
【0080】
また、現像カートリッジ26のカートリッジ側端子部110は、本体側端子部105から押圧されることにより、現像ローラ38を感光体ドラム28側に付勢する付勢力が生じる構成をなしている。この構成では、カートリッジ側端子部110が、装置本体側からの電力を現像ローラ38に供給する機能と、付勢力を現像ローラ38に伝達して現像ローラ38を現像位置に安定して位置決めする機能とを兼ねることとなる。従って、カートリッジ構成を複雑化することなく両機能を好適に実現できることとなる。
【0081】
さらに、カートリッジ側端子部110は、現像カートリッジ26がレーザプリンタ1へ装着された使用状態において、現像ローラ38を感光体ドラム28側に付勢する付勢力が生じるようになっている。従って、使用時に現像ローラ38が精度高く位置決めされて良好な現像が実現することとなる。
【0082】
また、カートリッジ側端子部110は、フレーム部36において、現像ローラ38が設けられる側とは反対側の壁部36aに設けられ、かつ、現像ローラ38の現像ローラ軸48(軸部)と電気的に接続されており、本体側端子部105からの押圧により、フレーム部36を感光体ドラム28側に付勢する付勢力が生じるように構成されている。この構成によれば、本体側端子部105によってカートリッジ側端子部110を押圧し、かつその押圧作用によって現像ローラ38を付勢させる構成を簡易にかつ好適に実現できる。
【0083】
また、レーザプリンタ1は、一側部に着脱開口部6が形成され、かつその着脱開口部6を開閉するフロントカバー7が設けられ、さらに、本体側端子部105が、フロントカバー7に設けられている。そして、カートリッジ側端子部110は、フロントカバー7の閉塞時に、本体側端子部105に押圧される構成をなしている。この構成によれば、本体側端子部105がフロントカバー7に設けられているため、フロントカバー7を開放したときに本体側端子部105は現像カートリッジ26の着脱経路から退避した退避位置に移動する。従って、現像カートリッジ26の着脱時に本体側端子部105が邪魔にならず、現像カートリッジ26の着脱(即ち、プロセスカートリッジ18の着脱)を行いやすくなる。
【0084】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について、図9ないし図10を参照して説明する。
図9は実施形態2に係るレーザプリンタ1を概念的に例示する側断面図であり、図10は、図9のレーザプリンタ1においてフロントカバー7を開いた状態を示す図である。なお、実施形態2は、カートリッジ側端子部及び本体側端子部の構成が実施形態1と異なりその他の構成は実施形態1と同一である。従って、同一部分については実施形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0085】
本実施形態では、装置本体1aの本体側端子部205によって現像カートリッジ26に設けられたカートリッジ側端子部210が押圧されて付勢力(即ち、現像カートリッジ26のフレーム部36全体を感光体ドラム28側に押し出す力)が生じるようになっている。この構成を採ると、装置本体1aの本体側端子部205が付勢手段を有するため、カートリッジ側端子部210に付勢手段を設けずに済む。よって、プロセスカートリッジ側の構成を簡素にできるという利点がある。以下、具体的に説明する。
【0086】
図9に示すように、実施形態2のレーザプリンタ1に用いられる現像カートリッジ26は、実施形態1と同様に現像ローラ38を備えたカートリッジとして構成されている。この現像カートリッジ26では、現像ローラ38が、導電性のばね部材207の弾性力により感光体ドラム28側に付勢される構成をなしており、かつレーザプリンタ1の装置本体1aに設けられた実施形態1と同様の電源回路101(電力供給手段)からばね部材207を介して電圧が印加されるようになっている。なお、本実施形態では、ばね部材207と接触部材206によって付勢手段が構成されている。
【0087】
現像カートリッジ26は、装置本体1aの電源回路101に接続される本体側端子部205から電圧が印加されるカートリッジ側端子部210を有している。このカートリッジ側端子部210は、フレーム部36において、現像ローラ38が設けられる側とは反対側の壁部36aに設けられており、本体側端子部105と接触する導電性の金属部材などによって構成されている。このカートリッジ側端子部210は、実施形態1と同様の導電性部材(図5の符号116参照)が接続されており、現像ローラ38の現像ローラ軸48を支持する軸受部材(図5の符号117参照)と電気的に接続されている。これにより、本体側端子部205からの電力が、カートリッジ側端子部210、導電性部材(図5の符号116)、軸受部材(図5の符号117)を介して現像ローラ軸48に供給され、現像ローラ軸48にバイアス電圧が印加されるようになっている。
【0088】
レーザプリンタ1には、実施形態1と同様に、一側部に着脱開口部6(着脱開口部6は開口部に相当する)が形成され、その着脱開口部6を開閉するフロントカバー7(カバー部材)が設けられている。本体側端子部205は、このフロントカバー7に設けられており、弾性変形可能な導電性のばね部材207と、このばね部材207によって付勢される導電性の接触部材206とを有している。そして、接触部材206がフロントカバー7側に押されると、ばね部材207が縮み、そのばね部材207の弾性復帰力により接触部材206が付勢されるようになっている。また、ばね部材207が斜めに傾きすぎないようにばねガイド部材208がばね部材207の内側に設けられている。
【0089】
図9のようなフロントカバー7の閉塞時には、本体側端子部205が、カートリッジ側端子部210によって押圧されてばね部材207が縮み、その弾性復帰力に応じた接触部材206の付勢によりカートリッジ側端子部210が接触部材206によって押圧される。
【0090】
即ち、フロントカバー7を閉塞した装着状態では、フロントカバー7が所定位置に定められ、フロントカバー7と接触部材206の間が狭くなる。従って、ばね部材207が自然状態より縮み、接触部材206がカートリッジ側端子部210側に付勢されることとなる。カートリッジ側端子部210は、この付勢力を受けて現像カートリッジ26のフレーム部36全体を後方側に付勢する付勢力が生じるようになっている。
【0091】
なお、本実施形態でも、カートリッジ側端子部210は、当該プロセスカートリッジ18がレーザプリンタ1へ装着された使用状態(即ち、図9の状態)において、現像ローラ38を感光体ドラム28側に付勢する付勢力が生じる構成をなしているため、使用時に現像ローラ38が精度高く位置決めされて良好な現像が実現するようになっている。
【0092】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3について、図11ないし図16を参照して説明する。
図11は実施形態3に係るレーザプリンタ1を概念的に例示する側断面図である。図12は、実施形態3のレーザプリンタ1に用いられるプロセスカートリッジ18を概念的に示す側面図であり、図13は、そのプロセスカートリッジ18において、ドラムカートリッジ25から現像カートリッジ26を取り外した状態を示す図である。図14は、図12のプロセスカートリッジ18を前方側から見た正面図である。図15は、図12のプロセスカートリッジ18を装置本体1aに装着した状態を概念的に説明する説明図である。図16は、図15から現像カートリッジ26を離脱させた状態を示す説明図である。なお、本実施形態は、カートリッジ側端子部及び本体側端子部の構成及びドラムカートリッジ25の構成が実施形態1と異なり、その他の構成は実施形態1と同じである。従って、その他の同一部分については実施形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0093】
図11に示すように、実施形態3のレーザプリンタ1に用いられる現像カートリッジ26は、実施形態1と同様に現像ローラ38を備えたカートリッジとして構成されており、図12のようにドラムカートリッジ25と共にプロセスカートリッジ18を構成し、かつ図13のようにドラムカートリッジ25に対して着脱可能とされている。
【0094】
さらに本実施形態では、図11に示すように、フレーム部36の前方側の壁部36aにカートリッジ側端子部を設けず、図12,図14に示すように、フレーム部36の側壁部36bにカートリッジ側端子部310が設けられている。具体的には、現像ローラ38の軸方向と平行な幅方向(即ち現像ローラ38の回転軸と平行な方向を幅方向とした場合のその幅方向)において、フレーム部36の両側壁部36b,36bの外方に突出する凸部が設けられており、この凸部がカートリッジ側端子部310とされている。このカートリッジ側端子部310は、導電性樹脂や金属材料などによって構成されており、図12、図13に示すように導電性部材116に接続されている。なお、導電性部材116と軸受部材117との接続構成及び軸受部材117による現像ローラ軸48の支持構成は実施形態1と同様の構成とされており、カートリッジ側端子部310と現像ローラ軸48とは電気的に接続されている。この構成によれば、カートリッジ側端子部310がフレーム部36の両側壁部付近に設けられる構成となるため、現像ローラ38に電圧を印加するための配線を簡素化できることとなる。
より詳細に述べると、導電性部材116が同一平面上(フレーム部36の側壁部36b)に配置されているため、例えば、実施形態1、2の場合のように、側壁部36bから前方側の壁部36aに回り込むために、板金を型抜きしてから曲げ加工する必要がなく、型抜きだけで構成することができる。
また、現像ローラ38を感光体ドラム28側に付勢する手段が、より端の方に配置されているため、現像ローラ38が感光体ドラム28から浮いた場合の復元力が一層強く働き、現像ローラ38の挙動をより安定させることができる。
【0095】
また、本実施形態に係る現像カートリッジ26は、図15に示すように、現像ローラ38が、本体側端子部305からの付勢力により感光体ドラム28側に付勢される構成をなしており、かつレーザプリンタ1の装置本体1aに設けられた実施形態1と同様の電源回路101(電力供給手段)から、本体側端子部305を介して電圧が印加されるようになっている。なお、ここでは本体側端子部305が付勢手段を有している。本体側端子部305は、装置本体1aにおける現像カートリッジ26の側部と対向する内壁部に設けられており、導電性の揺動部材306がその装置本体1aの壁部に回転軸309を中心に揺動可能に支持されている。揺動部材306には、導電性のばね部材307が接続されており揺動部材306の所定位置を感光体ドラム28側に付勢するように構成されている。なお、本実施形態では、ばね部材307と揺動部材306によって付勢手段が構成されている。図15のような装着状態では、カートリッジ側端子部310が揺動部材306の端部側(回動軸309が設けられた側とは反対側)を前方に押圧し、ばね部材307が図16の自然状態から縮むようになっている。従って、装着状態では、ばね部材307の弾性復帰力により揺動部材306の端部側が後方側(感光体ドラム28側)に付勢され、それによりカートリッジ側端子部310が後方側(感光体ドラム28側)に付勢される。従って、現像カートリッジ26のフレーム部36全体が感光体ドラム28側に付勢され、現像ローラ38が安定的に位置決めされることとなる。
【0096】
図16に示すように、本実施形態のレーザプリンタ1では、プロセスカートリッジ18を装着した状態(図15の状態)から現像カートリッジ26のみを着脱できるようになっている。即ち、ドラムカートリッジ25を装置本体1aに装着したまま、このドラムカートリッジ25に現像カートリッジ26を着脱できるようになっている。また、ドラムカートリッジ25と現像カートリッジ26を一体的に着脱できるようにもなっている。
【0097】
プロセスカートリッジ18或いは現像カートリッジ26を取り外した状態では、図16のようにばね部材307が自然状態とされる。この状態から現像カートリッジ26を装着させようとすると、カートリッジ側端子部310が揺動部材306の上端部306aに案内されて、揺動部材306の後方側に移動し、図15のように係合部306bと係合する。この係合状態では、上述のようにばね部材307が自然状態から縮むこととなり、本体側端子部305に付勢力が生じることとなる。一方、図15の状態から現像カートリッジ26を取り外す場合には、現像カートリッジ26の前端部を上方に持ち上げることで、カートリッジ側端子部310が係合部306bの上方側のテーパ面306cに案内されて図16のように外れることとなる。なお、プロセスカートリッジ18を取り外すとき(即ち、ドラムカートリッジ25と現像カートリッジ26とを一体的に取り外す場合)も同様であり、プロセスカートリッジ18の前方側の端部を上方に持ち上げることでカートリッジ側端子部310が係合部306bの上方側のテーパ面306cに案内されて外れることとなる。
【0098】
なお、本実施形態では、図15に示すように、本体側端子部305が前面側から見て隠れた位置に配置されているため、破損しにくい構成となっている。即ち、図10のような構成の場合、フロントカバー7を開放した状態では、本体側端子部205が露出かつ突出状態となるため、メンテナンス等の際に接触しやすく破損しやすいという問題があるが、本実施形態の構成では、図15のように本体側端子部305が装置本体1aにおける奥まった位置に配置されており、破損や劣化を効果的に防止できるようになっている。
【0099】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4について、図17ないし図25を参照して説明する。
図17は実施形態4に係るレーザプリンタ1を概念的に例示する側断面図である。図18は、実施形態4のレーザプリンタ1に用いられるプロセスカートリッジ18を概念的に示す側面図であり、図19は、そのプロセスカートリッジ18において、ドラムカートリッジ25から現像カートリッジ26を取り外した状態を示す図である。図20は、図18のプロセスカートリッジ18を前方側から見た正面図である。図21は、図18のプロセスカートリッジ18を装置本体1aに装着した状態を概念的に説明する説明図である。図22は、実施形態4のレーザプリンタ1における装置本体1aの内壁部を概念的に例示する斜視図である。図23は、実施形態4の現像カートリッジ26に用いられるカートリッジ側端子部410を例示する斜視図であり、図24は、そのカートリッジ側端子部410を上方から見た図である。図25は、カートリッジ側端子部410の装着状態の様子を説明する説明図である。図26、図27は、カートリッジ側端子部410の変形例を示す図である。
【0100】
なお、本実施形態は、カートリッジ側端子部410及び本体側端子部405の構成及びドラムカートリッジ25の構成が実施形態1と異なり、その他の構成は実施形態1と同じである。従って、その他の同一部分については実施形態1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0101】
図17に示すように、実施形態3のレーザプリンタ1に用いられる現像カートリッジ26は、実施形態1と同様に現像ローラ38を備えたカートリッジとして構成されており、図18のようにドラムカートリッジ25と共にプロセスカートリッジ18を構成し、かつ図19のようにドラムカートリッジ25に対して着脱可能とされている。
【0102】
さらに本実施形態では、図17に示すように、フレーム部36の前方側の壁部36aにカートリッジ側端子部を設けず、図18,図20に示すように、フレーム部36の側壁部36bにカートリッジ側端子部410が設けられている。具体的には、現像ローラ38の軸方向と平行な幅方向(即ち現像ローラ38の回転軸と平行な方向を幅方向とした場合のその幅方向)において、フレーム部36の両側壁部36b,36bの外方に突出する凸部が設けられており、この凸部がカートリッジ側端子部410とされている。
【0103】
このカートリッジ側端子部410は、幅方向に伸縮可能とされており(矢印F参照)、現像カートリッジ26を装置本体1aに装着した際には、図21に示すように、両カートリッジ側端子部410,410が装置本体1aの内壁部450に形成された係合穴451と係合するようになっている。図21、図22に示すように、係合穴451の底部には、装置本体1aの電源回路101(電力供給手段)に接続される導電性部材からなる本体側端子部405が設けられており、カートリッジ側端子部410が係合穴451に係合すると、カートリッジ側端子部410の接触部材413が本体側端子部405に接触し電気的に接続されるようになっている。接触部材413は接触部に相当している。
【0104】
図23、図24に示すように、カートリッジ側端子部410は、導電性を有する接触部材413と、付勢部材としての金属材料からなるコイルばね411を有しており、コイルばね411の内部には、フレーム部36bの側壁部36bに形成された突起412が挿通されている。なお、本実施形態では、コイルばね411と接触部材413によって付勢手段が構成されている。この突起412は、コイルばね411が傾斜しすぎることを防止する役割を果たしている。図18、図19に示すように、コイルばね411は、導電性部材116に電気的に接続されている。なお、導電性部材116と軸受部材117との接続構成及び軸受部材117による現像ローラ軸48の支持構成は実施形態1と同様の構成とされており、カートリッジ側端子部410と現像ローラ軸48とは電気的に接続されている。この構成によれば、カートリッジ側端子部410がフレーム部36の両側壁部付近に設けられる構成となるため、現像ローラ38に電圧を印加するための配線を簡素化できることとなる。
より詳細に述べると、導電性部材116が同一平面上(フレーム部36の側壁部36b)に配置されているため、例えば、実施形態1、2の場合のように、側壁部36bから前方側の壁部36aに回り込むために、板金を型抜きしてから曲げ加工する必要がなく、型抜きだけで構成することができる。
また、現像ローラ38を感光体ドラム28側に付勢する手段が、より端の方に配置されているため、現像ローラ38が感光体ドラム28から浮いた場合の復元力が一層強く働き、現像ローラ38の挙動をより安定させることができる。
【0105】
本実施形態でも、現像ローラ38は、カートリッジ側端子部410によって感光体ドラム28側に付勢されると共に、装置本体1aに設けられた電源回路101(電力供給手段)からカートリッジ側端子部410を介して電圧が印加されるようになっている。このカートリッジ側端子部410は、付勢手段を有し、本体側端子部405からの押圧に応じて、現像ローラ38を感光体ドラム28側に付勢する付勢力が生じるようになっている。
【0106】
図25は、現像カートリッジ26を装置本体1aに装着した状態において、一方側のカートリッジ側端子部410付近を上方から見た図である。現像カートリッジ26が装置本体1aに装着された状態では、図25のように、両カートリッジ側端子部410,410における各接触部材413が突起412に対して相対的に移動するように案内されて係合穴451と係合する。この係合の際には、接触部材413の変位に応じてコイルばね411が変形するため、コイルばね411には弾性復帰力が生じ、現像カートリッジ26を後方側(感光体ドラム28側)に付勢する付勢力が生じる。実施形態1〜3では、ばね部材(コイルばね)の圧縮による復元力を利用したが、本実施形態では、横方向への変位による復元力を利用している。即ち、現像カートリッジ26が装置本体1aに装着されたとき、コイルばね411によって接触部材413が係合穴451に押し込められる。そうすると、接触部材413は、感光体ドラム28側に移動し、コイルばね411は横方向から感光体ドラム28側に傾くこととなる。その結果、コイルばね411には横方向への復元力が発生し、上記のように現像カートリッジ26が感光体ドラム28側に付勢されることとなる。
【0107】
なお、図17ないし図25の例では、外面が半球状の接触部材413を有するカートリッジ側端子部410を例示したが、本体側端子部405からの押圧に応じて現像ローラ38を感光体ドラム28側に付勢する構造であれば、形状はこれに限定されない。例えば、図26のように、円錐状の接触部材を有するものであってもよく、図27のようにくさび状の接触部材を有するものであってもよい。この場合、変形例においても、係合穴451への着脱を容易にするための斜面が接触部材413の着脱方向に設けられていることが望ましい。このような斜面が接触部材413に設けられていることにより、現像カートリッジ26を画像形成装置の正面方向からまっすぐに脱着することが可能となり、実施形態3のように、現像カートリッジ26を回動する操作を必要としないという利点がある。
【0108】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0109】
(1)実施形態3では、「フレーム部の両側壁部の外方に突出する凸部」として、フレーム部36の側壁部に形成される凸部を例示したが、フレーム部36の側壁部を貫通するように形成される凸部であってもよい。例えば、現像ローラ38の現像ローラ軸46をフレーム部36及びドラムカートリッジ25から側方に突出させ、これを実施形態3と同様の本体側端子部によって付勢するようにしてもよい。この場合、本体側端子部によって付勢する方向に現像ローラ軸46が移動可能となるようにドラムカートリッジ25に長孔を形成するようにするとよい。
なお、このように現像ローラ軸46を本体側端子部によって付勢する構成としては、現像ローラ軸46を本体側端子部によって直接押圧する構成であってもよく、現像ローラ軸46を支持する軸受を設け、これを本体側端子部によって付勢するようにしてもよい。
【0110】
(2)上記実施形態では、本発明に係る「カートリッジ」の例として感光体ドラムが設けられない現像カートリッジを例示したが、本発明の対象はこのような構成に限られず、例えば、現像ローラと感光体ドラムとが一体的にユニット化されたプロセスカートリッジであってもよい。その場合には、上記実施形態のプロセスカートリッジが本発明の「カートリッジ」を構成することになる。
(3)上記実施形態では現像ローラと感光体ドラムとをトナーを介して接触させて現像を行う方式(接触現像方式)を採用した構成を例示したが、現像ローラと感光体ドラムとが非接触に構成される方式であってもよい。
(4)上記実施形態では、付勢部材として導電性のばね部材を設けたが、導電性ではない付勢部材を用いるようにしてもよい。図28は、図5の変形例を示しており、ばね部材111を非導電性部材(例えば非導電性の樹脂部材など)によって構成した点、及び接触部材113とベース部115とを可撓性を有する導電性のリード線119を設けた点のみが実施形態1と異なっておりそれ以外は実施形態1と同一の構成となっている。このように、本体側端子部は、少なくともカートリッジ側端子部を付勢する作用点が導電性の部材によって構成されていれば、必ずしも全体が導電性部材によって構成されていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の画像形成装置の実施形態1に係るレーザプリンタについて概略的に例示する側断面図
【図2】図1のレーザプリンタにおいてフロントカバーを開いた状態を示す図
【図3】図1のレーザプリンタに用いられるプロセスカートリッジを概略的に示す側面図
【図4】図3のプロセスカートリッジの側断面図
【図5】ドラムカートリッジから現像カートリッジを取り外した状態を側方から見た側面図
【図6】図5の状態の側断面図
【図7】図3のプロセスカートリッジを前方側から見た正面図
【図8】現像カートリッジを図5とは反対側の側方から見た側面図
【図9】実施形態2に係るレーザプリンタについて概略的に例示する側断面図
【図10】図9のレーザプリンタにおいてフロントカバーを開いた状態を示す図
【図11】実施形態3に係るレーザプリンタを概念的に例示する側断面図
【図12】実施形態3のレーザプリンタに用いられるプロセスカートリッジを概念的に示す側面図
【図13】図12のプロセスカートリッジにおいて、ドラムカートリッジから現像カートリッジを取り外した状態を示す側面図
【図14】図12のプロセスカートリッジを前方側から見た正面図
【図15】図12のプロセスカートリッジを装置本体に装着した状態を概念的に説明する説明図
【図16】図15から現像カートリッジを離脱させた状態を示す説明図
【図17】実施形態4に係るレーザプリンタを概念的に例示する側断面図
【図18】実施形態4のレーザプリンタに用いられるプロセスカートリッジを概念的に示す側面図
【図19】図18のプロセスカートリッジにおいて、ドラムカートリッジから現像カートリッジを取り外した状態を示す図
【図20】図18のプロセスカートリッジを前方側から見た正面図
【図21】図18のプロセスカートリッジを装置本体に装着した状態を概念的に説明する説明図
【図22】実施形態4のレーザプリンタにおける装置本体の内壁部を概念的に例示する斜視図
【図23】実施形態4の現像カートリッジに用いられるカートリッジ側端子部を例示する斜視図
【図24】図23のカートリッジ側端子部を上方から見た図
【図25】カートリッジ側端子部の装着状態の様子を説明する説明図
【図26】図23の端子を変形した変形例1を示す図
【図27】図23の端子を変形した変形例2を示す図
【図28】図5の変形例を示す図であり、ばね部材111を非導電性部材によって構成した例を示す図
【図29】従来の問題点を説明する説明図
【符号の説明】
【0112】
1…レーザプリンタ(画像形成装置)
1a…装置本体
6…着脱開口部(開口部)
7…フロントカバー(カバー部材)
26…現像カートリッジ(カートリッジ)
28…感光体ドラム
36…フレーム部
36a…壁部
36b…フレーム部の側壁部
37…供給ローラ(現像ローラ以外の電気部品)
38…現像ローラ
48…現像ローラ軸(現像ローラの軸部)
101…電源回路(電力供給手段)
105…本体側端子部
110…カートリッジ側端子部
111…ばね部材(付勢手段、付勢部材)
113…接触部材(付勢手段、接触部)
130…ロアフィルム(現像ローラ以外の電気部品)
205…本体側端子部
206…接触部材(付勢手段)
207…ばね部材(付勢手段)
210…カートリッジ側端子部
305…本体側端子部
306…揺動部材(付勢手段)
307…ばね部材(付勢手段)
310…カートリッジ側端子部(凸部)
405…本体側端子部
410…カートリッジ側端子部(凸部)
411…ばね部材(付勢手段、付勢部材)
413…接触部材(付勢手段、接触部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジであって、
表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと対向配置される現像ローラと、
前記現像ローラを収容するフレーム部と、
を備え、
前記現像ローラは、付勢手段によって前記感光体ドラム側に付勢されると共に、前記画像形成装置の装置本体に設けられた電力供給手段から前記付勢手段を介して電圧が印加されることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記装置本体の前記電力供給手段に接続される本体側端子部から電圧が印加されると共に、前記現像ローラと電気的に接続されたカートリッジ側端子部を有し、
前記本体側端子部及び前記カートリッジ側端子部の少なくともいずれかが前記付勢手段を有することを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジであって、
表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと対向配置される現像ローラと、
前記現像ローラを収容するフレーム部と、
前記装置本体に設けられた電力供給手段に接続される本体側端子部から電圧が印加され、かつ前記本体側端子部からの押圧により、前記現像ローラを前記感光体ドラム側に付勢する付勢力が生じるカートリッジ側端子部と、
を備えたことを特徴とするカートリッジ。
【請求項4】
前記カートリッジ側端子部は、当該カートリッジが前記画像形成装置へ装着された使用状態において、前記現像ローラを前記感光体ドラム側に付勢する付勢力が生じることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記現像ローラの長手方向両側に設けられた前記フレーム部の両側壁部よりも前記長手方向外方に突出するように凸部が設けられており、
前記凸部の少なくとも一部が前記カートリッジ側端子部とされていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記カートリッジ側端子部は、前記フレーム部において、前記現像ローラが設けられる側とは反対側の壁部に設けられ、かつ、前記現像ローラの軸部と電気的に接続されており、
前記本体側端子部からの押圧により、当該カートリッジ側端子部において前記フレーム部を前記感光体ドラム側に付勢する付勢力が生じるように構成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記カートリッジ側端子部は、前記画像形成装置の一側部に形成された開口部を開閉するカバー部材が閉塞された時に、前記カバー部材に設けられた前記本体側端子部によって押圧されることを特徴とする請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジ側端子部は、現像ローラ以外の電気部品に電気的に接続されていることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記カートリッジ側端子部は、付勢手段を備えた前記本体側端子部からの付勢力を受けるように押圧されることを特徴とする請求項2ないし請求項8のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記カートリッジ側端子部が前記付勢手段を有していることを特徴とする請求項2ないし請求項8のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジであって、
表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと対向配置される現像ローラと、
前記現像ローラを収容するフレーム部と、
前記現像ローラの長手方向両側における当該カートリッジの側部に設けられ、前記現像ローラを前記感光体ドラムに向かって付勢するための付勢部材と、
前記フレーム部の側方に突出するように前記付勢部材の先端に取り付けられる接触部と、
を備え、
前記現像ローラは、前記画像形成装置の装置本体に設けられた電力供給手段から前記接触部及び前記付勢部材を介して電圧が印加されることを特徴とするカートリッジ。
【請求項12】
前記接触部は、前記突出方向に対して傾斜面を有していることを特徴とする請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
画像形成装置の装置本体に装着されるカートリッジであって、
表面に静電潜像が形成される感光体ドラムと対向配置される現像ローラと、
前記現像ローラを収容するフレーム部と、
前記フレーム部に設けられた付勢部材と、
前記付勢部材の先端側において当該付勢部材からの付勢を受けるように取り付けられると共に前記現像ローラに接続され、前記装置本体に設けられた電力供給手段と接触可能な接触部と、
を備え、
前記付勢部材は、前記カートリッジが前記装置本体に装着された画像形成可能な状態において、前記現像ローラを前記感光体ドラムに押圧すると共に、前記接触部を前記電力供給手段に向かって押圧することを特徴とするカートリッジ。
【請求項14】
前記現像ローラは、前記感光体ドラムとトナーを介して接触しつつ現像を行う構成をなすこと特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれかに記載のカートリッジが着脱可能に設けられることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2007−193125(P2007−193125A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11424(P2006−11424)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】