説明

カードコネクタ

【目的】 本発明の目的は、メモリカードを損傷することなく、メモリカードのカード排出時の飛び出しを防止することができるカードコネクタを提供する。
【構成】 メモリカードMが挿入可能なスロット110を有するハウジング部100と、このハウジング部100内のカード当接可能位置に配設されており且つメモリカードと共にカード排出位置αからカード挿入位置βにかけてスライド移動するスライダ200と、スライダ200をカードの排出方向に付勢するスプリング300とを具備する。スライダ200は、スライダ本体210の先端部に設けられた回転ローラ230を有する。一方、ハウジング部100の壁部102の内壁面には、スライダ200がカード挿入位置βに位置したときに、スライダ200の先端部と対向する箇所に傾斜部140が設けられている。この傾斜部140は挿入方向に向けて傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話器、PC、PDA、デジタルカメラ、デジタルオーディオ機器等の電子機器に備えられるカードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカードコネクタとしては、メモリカードが挿脱可能なスロットを有するハウジング部と、このハウジング部内のカード当接可能位置に配設されており且つメモリカードと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけてスライド移動するスライダと、このスライダをカードの排出方向に付勢するスプリングと、前記スライダをカード挿入位置で保持した状態で維持するロック機構とを備えおり、ロック機構が解除されると、スプリングの付勢力によりスライダがメモリカードと共に移動し、これによりメモリカードが排出される構成となっているものがある。
【0003】
このようなカードコネクタは、スプリングの付勢力によりメモリカードが排出される構成となっていることから、カード排出時にメモリカードがハウジング部のスロットから飛び出してしまうという本質的な問題を有している。このような問題を解決し得るものとしてカード飛び出し防止手段を備えたものがある。具体的には、カード排出位置でスライダ等に設けられたロックバネをメモリカードの側面に設けられた凹部に係合させるようにしたもの、ハウジング部のスロットの底面にメモリカードを押圧する弾性体を設けたもの( 特許文献1参照) 等がある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−94713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ロックバネを利用したカード飛び出し防止手段は、メモリカードの凹部の大きさによっては使用することができない。また、ロックバネのバネ力が大きいと、メモリカード自体が損傷する場合がある。一方、ロックバネのバネ力が小さいと、メモリカードMの飛び出しを防止できない場合がある。しかも、ロックバネがメモリカードの凹部に係合された状態を解除できず、メモリカードがスロット内に詰まってしまう場合もある。
【0006】
弾性体を利用したカード飛び出し防止手段は、メモリカードの寸法公差や表面の粗さによってスロットからの飛び出しを防止できなかったりスロット内に引っ掛かったりする場合がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、メモリカードを損傷することなく、メモリカードのカード排出時の飛び出しを防止することができるカードコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のカードコネクタは、メモリカードが挿脱可能なスロットを有するハウジング部と、このハウジング部内のカード当接可能位置に配設されており且つメモリカードと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけてスライド移動するスライダと、このスライダをカードの排出方向に付勢するスプリングとを備えたカードコネクタにおいて、前記スライダのハウジング部対向部には、回転ローラ又は傾斜部が設けられている一方、前記ハウジング部のスライダ対向部には、前記スライダの回転ローラ又は傾斜部と接触可能な傾斜部又は回転ローラが設けられており、前記傾斜部は挿入方向に向けて傾斜していることを特徴としている。
【0009】
前記傾斜部は、前記スライダがカード挿入位置に位置したときには、前記回転ローラに接触せず、前記スライダがカード挿入位置からカード排出位置にかけて移動する過程で前記回転ローラに接触するように傾斜している。
【0010】
前記回転ローラは併設された複数のローラを有する場合、前記傾斜部は互いに形状が異なっており且つ前記各々接触可能な複数の傾斜体を有する構成とすることができる。
【0011】
前記回転ローラ及び/又は傾斜部は弾性を有する素材で構成することができる。前記回転ローラの軸孔の周面及び/又は回転ローラの外周面にはコーティングを施すことができる。同様に、前記ハウジング部の傾斜部及び/又はスライダに設けられた回転ローラを軸支する軸部にもコーティングを施すことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1及び2に係るカードコネクタによる場合、スライダがスプリングの付勢力により排出されると、スライダ又はハウジング部に設けられた回転ローラが、ハウジング部又はスライダに設けられた挿入方向に傾斜した傾斜部に回転しつつ接触し、これによりスライダの排出速度を減速させるようになっている。即ち、挿入方向に傾斜した傾斜部に回転ローラを接触させることにより、傾斜部と回転ローラとの摩擦の摩擦係数を増大させ、これによりスライダを排出方向に移動させる運動エネルギーを減少させ、スライダの排出速度を減速させるようにしている。このため、メモリカードのカード排出時の飛び出しを安定して防止することができる。しかも、回転ローラが傾斜部に接触する構成となっていることから、従来例の如くメモリカードがスロット内に詰まるようなことがない。更に、メモリカード自体が弾性体やハウジング部に接触する構成となっていないので、メモリカードが損傷や破損することがない。
【0013】
本発明の請求項3に係るカードコネクタによる場合、スライダが排出される過程で併設された複数のローラを異なる形状の傾斜体に各々接触させるようになっているので、一つの回転ローラを一つの傾斜部に接触させる場合と比べて、カードスライダの排出速度を詳細にコントロールすることができる。
【0014】
本発明の請求項4に係るカードコネクタによる場合、回転ローラ及び/又は傾斜部の傾斜面を弾性を有する素材で構成している。このため、カード挿入時及び排出時のスライダに係る付加を吸収させることができるので、壊れにくいコネクタとすることができる。
【0015】
本発明の請求項5又は6に係るカードコネクタによる場合、前記回転ローラの軸孔の周面及び/又は回転ローラの外周面、或いは前記ハウジング部の傾斜部及び/又はスライダに設けられた回転ローラを軸支する軸部をコーティングすることにより、回転ローラと傾斜部との間の摩擦係数、回転ローラと軸部との摩擦係数の調節が可能になる。即ち、コーティングによりスライダの排出速度を詳細にコントロールすることができるので、メモリカード排出速度を更に詳細にコントロールすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るカードコネクタの内部が透過した斜視図、図2は同コネクタの図1のA−A断面図であって、( a) はメモリカードがカード排出位置に位置した状態を示す図、( b)はメモリカードがカード挿入位置に位置した状態を示す図、図3は図1のX部分の拡大図、図4は図2のY部分の拡大図であって、( a) はメモリカードがカード排出位置に位置した状態を示す図、( b)はメモリカードがカード挿入位置に位置した状態を示す図、図5は同コネクタの設計変更例を示す図1のX部分の拡大平面図、図6は同コネクタの別の設計変更例を示す図1のX部分の拡大図である。
【0017】
図1及び図2に示すカードコネクタは、一方の側面に係合凹部10が形成されたメモリメモリカードMが挿入されるコネクタであって、メモリカードMが挿入可能なスロット110を有するハウジング部100と、このハウジング部100内のカード当接可能位置に配設されており且つメモリカードと共にカード排出位置αからカード挿入位置βにかけてスライド移動するスライダ200と、スライダ200をカードの排出方向に付勢するスプリング300とを具備している。以下、各部を詳しく説明する。なお、メモリカードMは、先端部の下面に複数の接触部( 図示せず) を有し、当該先端部の一端部( スライダ200と当接する箇所) に凹部20が設けられている。
【0018】
ハウジング部100は、矩形状の箱体であって、その両端に設けられた壁部101、102と、内部に設けられたスロット110と、壁部102に沿って設けられており且つスロット110と連通する溝部120と、スロット110の挿入側の底面に当該スロット110の内部に望むように配設された複数の接触端子130とを有している。溝部120にはスライダ200及びスプリング300が収容される。即ち、スライダ200が溝部120内をカード排出位置αからカード挿入位置βにかけてスライド移動する。
【0019】
壁部102の内壁面には、図2、図3及び図4に示すように、スライダ200がカード挿入位置βに位置したときに、スライダ200の先端部と対向する箇所に傾斜部140が設けられている。この傾斜部140は挿入方向に向けて傾斜している。具体的には、スライダ200がカード挿入位置βに位置したときには、スライダ200の回転ローラ230に接触せず、スライダ200がカード挿入位置βからカード排出位置αにかけて移動する過程でスライダ200の回転ローラ230に接触するように傾斜している。
【0020】
接触端子130は、先端部がスロット110内に突出し、挿入されたメモリカードMの接触部と接触する一方、後端部がハウジング部100から突出し、カードコネクタが備えられる電子機器と電気的に接続可能になっている。このようにして前記電子機器とメモリカードMとを電気的に接続する。
【0021】
スプリング300は、コイルスプリングであって、溝部120の長さ方向の両端部の壁のうち挿入側の壁と、当該溝部120に収容されたスライダ200のスライダ本体210の後端部との間に介在し、これによりスライダ200を排出方向に付勢する。このスプリング300の付勢力によりスライダ200がカード挿入位置βからカード排出位置αにかけて移動し、これに伴ってメモリカードMがスロット110から排出される。
【0022】
スライダ200は、図1、図2、図3及び図4に示すように、溝部120をスライド移動するスライダ本体210と、このスライダ本体210から張り出した張出部220と、スライダ本体210の先端部( スライダ対向部) に設けられた回転ローラ230と、スライダ本体210に取り付けられたロックバネ240とを有している。スライダ本体210には、回転ローラ230が嵌まり込む略円形の嵌合部211が設けられている。この嵌合部211の略中心には、回転ローラ230の軸部211aが凸設されている。また、スライダ本体210の嵌合部211の挿脱方向の後側の部分には、ロックバネ240を取り付けるための取付部212が設けられている。この取付部212は、ロックバネ240が嵌まり込む凹部であって、ロックバネ240の後端部を係合するための係合部212aが設けられている。
【0023】
回転ローラ230はスライダ200の軸部211aに回転可能に取り付けられるリング状の部材である。回転ローラ230、ハウジング部100の傾斜部140及びスライダ200の軸部211aを構成する素材については、回転ローラ230とハウジング部100の傾斜部140との間に生じる摩擦の摩擦係数及び回転ローラ230とスライダ200の軸部211aとの間に生じる摩擦の摩擦係数に応じて適宜選定する。この摩擦係数については、スライダ200がスプリング300の付勢力によりメモリカードMと共に排出される際に、メモリカードMがスロット110から飛び出すことなく安定して排出されるのに必要な程度の摩擦係数とする。具体的には、回転ローラ230と傾斜部140とにより発生する摩擦力F( 傾斜) と、回転ローラ230と軸部211aとにより発生する摩擦力F( 軸) とを合わせたものが、スプリング300の最小排出力F( SP_min) より小さくなるように設定する。即ち、次の数式が成り立つように回転ローラ230と傾斜部140との間の摩擦係数及び回転ローラ230と軸部211aとの間の摩擦係数を決定し、各部の素材を適宜選定するのである。なお、スプリング300の最小排出力とはメモリカードMがカード排出位置αに位置するときにスプリング300に発生する力のことである。
【数1】

【0024】
回転ローラ230の素材としてはシリコンゴム等の弾性体を用いることができる。この場合も、前記数式が成り立つように傾斜部140及び軸部211aの素材を適宜選定する。なお、ハウジング部100の傾斜部140についても、シリコンゴム等の弾性体で構成することができる。
【0025】
回転ローラ230の軸孔の周面及び/又は回転ローラ230の外周面については、コーティングを施すことが可能である。即ち、回転ローラ230の軸孔の周面、回転ローラ230の外周面をコーティングすることにより、その表面状態を変化させ、ハウジング部100の傾斜部140との間に生じる摩擦の摩擦係数、スライダ200の軸部211aとの間に生じる摩擦の摩擦係数を調整することができる。なお、コーティングについては、ハウジング部100の傾斜部140、スライダ200の軸部211aにも同様に施すことが可能である。
【0026】
ロックバネ240は、略S字状の板バネであって、後端部がハウジング部100の取付部212の係合部212aに係合される。このロックバネ240の先端部は、略く字状に折り曲げられた凸部241を有している。ロックバネ240の凸部241は、ハウジング部100の取付部212からハウジング部100のスロット110内に突出した突出位置からハウジング部100の取付部212に収容される収容位置に変位可能となっている。即ち、メモリカードMが挿入されると、メモリカードMによりロックバネ240の凸部241が押圧され、これにより当該凸部241が突出位置から収容位置に変位する。そして、メモリカードMが更に挿入され、メモリカードMの係合凹部10が凸部241に対向する位置に移動すると、ロックバネ240の凸部241が収容位置から突出位置に変位し、これにより当該凸部241がメモリカードMの係合凹部10に嵌まり込む。
【0027】
張出部220は、その外形がメモリカードMの凹部20に嵌合する形状となっている。この張出部220には、ハウジング部110に取り付けられたピン150( 図2参照) と共にハートカム機構を構成するカム溝221が設けられている。このハートカム機構は周知のハートカム機構であって、スロット110内に挿入されたメモリカードMをカード挿入位置βで更に挿入方向に押し込むことによって、ピン150がカム溝221の係合部に係合され、当該メモリカードMと共に移動したスライダ200をカード挿入位置βにロックする一方、再度押し込むことによって、ピン150がカム溝221の係合部の係合から解除され、そのロックを解除する構成となっている。
【0028】
以下、このように構成されたカードコネクタの使用方法を説明すると共に、各部の動作について説明する。まず、メモリカードMをハウジング部100のスロット110内に挿入し、当該メモリカードMをスプリング300の付勢力に抗してスロット110に押し込む。この過程で、メモリカードMの凹部20にスライダ200の張出部220が嵌まり込むと共に、当該メモリカードMの係合凹部10にロックバネ240の凸部241が嵌まり込む。そして、スライダ200がメモリカードMと共にカード排出位置αからカード挿入位置βにかけて移動すると、回転ローラ230がハウジング部100の排出側の壁部102、傾斜部140に回転しつつ接触し、スライダ200がカード挿入位置βに位置すると、回転ローラ230が排出側の壁部102、傾斜部140に接触しない位置に位置する。スライダ200がカード挿入位置βに位置した状態で、メモリカードMを更に挿入方向に押し込むと、前記ハートカム機構によりスライダ200がカード挿入位置βでロックされる。
【0029】
その後、メモリカードMを挿入方向に押し込むと、前記ハートカム機構のロックが解除される。ロックが解除されると、スプリング300の付勢力によりスライダ200がメモリカードMと共にカード挿入位置βからカード排出位置αにかけて移動する。この過程で、スライダ200の回転ローラ230がハウジング部100の傾斜部140、排出側の壁部102に回転しつつ接触する。このとき、回転ローラ230と軸部211aとの間に生じる摩擦の摩擦係数及び回転ローラ230と傾斜部140との間に生じる摩擦の摩擦係数が増大すると共にスプリング300が伸長し、これによりスライダ200を排出方向へ移動させる運動エネルギーを減少させる。このようにしてスライダ200の排出速度を減速させる。スライダ200及びメモリカードMが減速しつつカード排出位置α位置すると、スライダ200のロックバネ240の凸部241とメモリカードMの係合凹部10との係合により、メモリカードMのスロット110から突出が防止される。その後、メモリカードMをハウジング部100のスロット110から引き抜く。このようにしてメモリカードMを取り出すことができる。
【0030】
このようなカードコネクタによる場合、回転ローラ230を挿入方向に傾斜した傾斜部140に接触させ、回転ローラ230と軸部211aとの間に生じる摩擦の摩擦係数及び回転ローラ230と傾斜部140との間に生じる摩擦の摩擦係数を増大させ、これによりスライダ200を排出方向へ移動させる運動エネルギーを減少させてスライダ200の排出速度を減速させるようにしている。このため、メモリカードMのカード排出時の飛び出しを安定して防止することができる。しかも、回転ローラ230が傾斜部140に接触する構成となっていることから、メモリカードMがスロット110内に詰まることがない。更に、従メモリカードM自体が従来例の如くハウジング部に設けられた弾性体等に接触する構成となっていないので、メモリカードMが損傷や破損を防止することができる。特に、前記カードコネクタがデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ゲーム機、携帯電話等の持ち運び可能な電子機器に備えられた場合、外出時に不用意な操作によるメモリカードMの飛び出しを防止することができることから、メモリカードMの紛失を防止することができる。
【0031】
なお、このカードコネクタは、メモリカードが挿脱可能なスロットを有するハウジング部と、このハウジング部内のカード当接可能位置に配設されており且つメモリカードと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけてスライド移動するスライダと、このスライダをカードの排出方向に付勢するスプリングとを備えたカードコネクタにおいて、前記スライダのハウジング部対向部には、回転ローラ又は傾斜部が設けられている一方、前記ハウジング部のスライダ対向部には、前記スライダの回転ローラ又は傾斜部と接触可能な傾斜部又は回転ローラが設けられており、前記傾斜部は挿入方向に向けて傾斜している限りどように設計変更してもかまわない。
【0032】
回転ローラ230については、スライダ200に設けられているとしたが、図5に示すように、ハウジング部100に設けることも可能である。この場合、スライダ200には傾斜部140を設ける。また、回転ローラ230は水平方向に沿って設けられているとしたが、水平方向と直交するように設けることも当然可能である。この場合、傾斜部140はハウジング部100の溝部120に設ける。更に、回転ローラ230は一つであるとしたが、複数のローラを有する構成とすることもできる。この場合、傾斜部140は互いに形状が異なっており且つ前記ローラに各々接触可能な複数の傾斜体を有する構成とする。例えば、図6に示すように、併設された二つのローラ231、232を用いた場合、ハウジング部100の壁部102には、ローラ231、232に各々接触可能な傾斜体141、142を設ける。この傾斜体141、142については互いに異なる形状とする。このようにローラ231、232を異なる形状の傾斜体141、142に接触させることにより、一つの回転ローラ230を一つの傾斜部140に接触させた場合と比べて、スライダ200の排出速度を詳細にコントロールすることができる。
【0033】
ロックバネ240については、設けるか否か任意である。特に、スプリング300によるスライダ200の排出力が弱い場合には、ロックバネ240を設けなくても良い。なお、ロックバネ240を設ける場合、このロックバネ240の形状は、上記と同様に機能し得る限り、どのような形状のものを用いても良い。
【0034】
傾斜部140は、挿入方向に向けて傾斜している限りどのような形状であっても良い。即ち、上述したように複数の傾斜体を有する構成とすることが可能である。
【0035】
ハートカム機構については、同様の機能を実現可能である限り、どのようなものを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るカードコネクタの内部が透過した斜視図である。
【図2】同コネクタの図1のA−A断面図であって、( a) はメモリカードがカード排出位置に位置した状態を示す図、( b)はメモリカードがカード挿入位置に位置した状態を示す図である。
【図3】図1のX部分の拡大図である。
【図4】図2のY部分の拡大図であって、( a) はメモリカードがカード排出位置に位置した状態を示す図、( b)はメモリカードがカード挿入位置に位置した状態を示す図である。
【図5】同コネクタの設計変更例を示す図1のX部分の拡大平面図である。
【図6】同コネクタの別の設計変更例を示す図1のX部分の拡大図である。
【符号の説明】
【0037】
100 ハウジング部
102 壁部
120 溝部
140 傾斜部
200 スライダ
230 回転ローラ
300 スプリング
M カード
10 係合凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリカードが挿脱可能なスロットを有するハウジング部と、このハウジング部内のカード当接可能位置に配設されており且つメモリカードと共にカード排出位置からカード挿入位置にかけてスライド移動するスライダと、このスライダをカードの排出方向に付勢するスプリングとを備えたカードコネクタにおいて、前記スライダのハウジング部対向部には、回転ローラ又は傾斜部が設けられている一方、前記ハウジング部のスライダ対向部には、前記スライダの回転ローラ又は傾斜部と接触可能な傾斜部又は回転ローラが設けられており、前記傾斜部は挿入方向に向けて傾斜していることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のカードコネクタにおいて、前記傾斜部は、前記スライダがカード挿入位置に位置したときには、前記回転ローラに接触せず、前記スライダがカード挿入位置からカード排出位置にかけて移動する過程で前記回転ローラに接触するように傾斜していることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項3】
請求項1記載のカードコネクタにおいて、前記回転ローラは併設された複数のローラを有しており、前記傾斜部は互いに形状が異なっており且つ前記ローラに各々接触可能な複数の傾斜体を有していることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項4】
請求項1又は2記載のカードコネクタにおいて、前記回転ローラ及び/又は傾斜部は弾性を有する素材で構成されていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項5】
請求項1又は2記載のカードコネクタにおいて、前記回転ローラの軸孔の周面及び/又は回転ローラの外周面にはコーティングが施されていることを特徴とするカードコネクタ。
【請求項6】
請求項1又は2記載のカードコネクタにおいて、前記ハウジング部の傾斜部及び/又はスライダに設けられた回転ローラを軸支する軸部にはコーティングが施されていることを特徴とするカードコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−140068(P2006−140068A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−329805(P2004−329805)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】