説明

ガス検出装置および車両用空調システム

【課題】ガスセンサ素子からセンサ出力値を取得する取得部までの電気経路が故障したと判定された場合に、迅速に特定ガスの検知を再開させる。
【解決手段】ガス検出装置は、故障判定部によるガスセンサ素子からセンサ出力値を取得する取得部(マイクロコンピュータ)までの電気経路における故障の判定結果に関わらず、ガスセンサ素子から出力されたセンサ値に基づいて、特定ガスの濃度状態を求める処理を継続する。更に、ガス検出装置は、故障判定部によってガスセンサ素子から取得部までの電気経路が故障していると判定された場合には、その故障を表す故障信号を出力し、故障判定部によってガスセンサ素子から取得部までの電気経路が故障していないと判定された場合には、継続して求められている特定ガスの濃度状態を表す濃度信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境雰囲気中の特定ガスの濃度変化を検出するガス検出装置と、これを備える車両用空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環境雰囲気中の特定ガスの濃度に応じて電気的特性が変化する酸化物半導体を用いたガスセンサ素子が知られている。ガスセンサ素子によって検出可能な特定ガスとしては、例えば、自動車の排気ガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)などの酸化性ガスやCO、HC(ハイドロカーボン)などの還元性ガスがある。こうしたガスセンサ素子は、例えば、環境雰囲気中の排気ガスの濃度変化に応じて、自動車の空調システムの動作モードを、外気導入と内気循環のいずれかに自動的に切り換える装置に利用されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献2には、こうしたガスセンサ素子の故障を防止する技術が開示されている。具体的には、ガスセンサ素子から出力される電圧が、所定の閾値よりも低い場合に、ショートが発生するおそれがあると判断して、ガスセンサ素子への通電を停止させる技術が記載されている。
【0004】
しかし、特許文献2に記載の技術では、環境温度や湿度の急激な変化や特殊なガスの影響によって一時的にガスセンサ素子が異常な電圧を出力した場合にも、特定ガスの検出が停止されてしまう。そのため、ガスセンサ素子自体は、正常に機能しているにもかかわらず、特定ガスの濃度の検出が長期間不能となってしまう場合があった。また、特許文献2に記載の技術においても、通電が停止された後に、ガスセンサ素子を備える装置を再起動させれば、特定ガスの検出を再開させることも可能ではある。しかし、ガスセンサ素子は、出力を安定させるために十分に加熱する必要があるため、特定ガスの検出再開までに相当の時間を要する場合があった。
【0005】
【特許文献1】特開2005−207760号公報
【特許文献2】特開2007−132829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した問題を考慮し、本発明が解決しようとする課題は、ガスセンサ素子が故障したと判定された場合に、特定ガスの検知結果の出力を迅速に再開させる技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]ガス検出装置であって、環境雰囲気中の特定ガスの濃度に応じて電気的な特性が変化する酸化物半導体を有するガスセンサ素子と、前記ガスセンサ素子から、該ガスセンサ素子の前記電気的な特性を示すセンサ値を取得する取得部と、前記取得されたセンサ値に基づいて、前記ガスセンサ素子から前記取得部までの電気経路の故障を判定する故障判定部と、前記故障判定部による判定の結果に関わらず、前記取得されたセンサ値に基づいて、前記特定ガスの濃度状態を求めるガス濃度検出部と、前記故障判定部によって前記電気経路が故障していると判定された場合には、前記電気経路が故障していることを表す故障信号を出力し、前記故障判定部によって前記電気経路が故障していないと判定された場合には、前記ガス濃度検出部により求められている前記特定ガスの濃度状態を表す濃度信号を出力する信号出力部とを備えるガス検出装置。
【0009】
上記態様のガス検出装置では、故障判定部によるガスセンサ素子の故障の判定結果に関わらず、ガスセンサ素子から出力されたセンサ値に基づいて、特定ガスの濃度状態の検出を続行する。更に、上記態様のガス検出装置では、故障判定部によってガスセンサ素子が故障していると判定された場合には、ガスセンサ素子が故障していることを表す故障信号を出力し、故障判定部によってガスセンサ素子が故障していないと判定された場合には、ガス濃度検出部にて求められている特定ガスの濃度状態を表す濃度信号を出力する。つまり、信号の出力段階において、故障信号を出力するのか濃度信号を出力するのかを選択するので、故障していると誤判定された場合であっても、ガスセンサ素子から出力されるセンサ値が正常な状態に復帰すれば、即座に、特定ガスの濃度状態を出力することが可能になる。
【0010】
[適用例2]適用例1に記載のガス検出装置であって、前記故障判定部は、当該ガス検出装置が起動されてから所定の期間を経過した後に、前記故障の判定を行うガス検出装置。
【0011】
上記態様のガス検出装置によれば、ガス検出装置が起動してから所定の期間を経過した後のセンサ値に基づいて故障判定を行うようにしているため、酸化物半導体を有するガスセンサ素子のセンサ出力値が比較的安定した値を示すようになってから故障の判定を行うことができる。そのため、故障したと誤判定されることを抑制することが可能になる。
【0012】
[適用例3]適用例1または適用例2に記載のガス検出装置であって、前記信号出力部は、前記濃度信号として、前記特定ガスの濃度状態に応じて異なるデューティ比を採るパルス信号を出力するものであり、該信号出力部は、前記濃度信号が採り得る範囲外のデューティ比のパルス信号を、前記故障信号として出力するガス検出装置。
【0013】
上記態様のガス検出装置によれば、性質の異なる2種類の信号を同一の伝送路で出力することが可能になる。
【0014】
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載のガス検出装置であって、前記故障判定部は、前記取得されたセンサ値と予め定められた大きさの異なる2種類の閾値とを比較することで、前記電源経路に断線が生じているか、前記電源経路にショートが生じているか、前記電源経路が正常であるかのいずれかを判定するガス検出装置。
【0015】
上記態様のガス検出装置によれば、ガスセンサ素子から出力されるセンサ値を用いることで、2種類の故障状態を判別することができる。
【0016】
[適用例5]車両に備えられる車両用空調システムであって、適用例1ないし適用例4のいずれかに記載のガス検出装置と、前記ガス検出装置の信号出力部から出力された信号を受信する受信部と、前記受信した信号が、前記濃度信号である場合に、該濃度信号が示す前記特定ガスの濃度状態に応じて前記車両内に導入する大気を外気または内気に切り換え、前記受信した信号が前記故障信号である場合に、故障が発生したことを所定の出力装置に出力する制御部とを備える車両用空調システム。
【0017】
上記態様の車両用空調システムによれば、ガス検出装置から入力した信号に応じて、車両内に導入する大気を切り換えや、故障の報知を行うことが可能になる。
【0018】
なお、本発明は、上述した形態や適用例以外にも、ガス検出装置の制御方法や車両用空調システムの制御方法などとして適用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき次の順序で説明する。
A.車両用空調システムの概略構成:
B.メインルーチン:
C.故障判定処理ルーチン:
D.出力レベル設定処理ルーチン:
E.変形例:
【0020】
A.車両用空調システムの概略構成:
図1は、実施例としてのガス検出装置10を備える車両用空調システム100の概略構成を示す説明図である。本実施例の車両用空調システム100は、ガスセンサ素子12によって検知される大気中の特定ガスの濃度に基づいて、エアコンの動作モードを、外気導入や内気循環に切り換えるシステムである。外気導入とは、車室外の環境雰囲気を車室内へ導入することをいい、内気循環とは、車室内から排出した雰囲気を再度、車室内へ戻して循環させることをいう。
【0021】
図1に示すように、自動車の車室内には、内部にファン27が設けられたダクト25が接続されている。このダクト25には、外気を導入するための外気導入ダクト23と、内気を循環させるための内気循環ダクト24とが接続されている。外気導入ダクト23と内気循環ダクト24のどちらがダクト25に導通するかは、フラップ26の回動動作によって選択される。外気導入ダクト23とダクト25とが導通すれば、外気導入となり、内気循環ダクト24とダクト25とが導通すれば、内気循環となる。
【0022】
車両用空調システム100は、上述したフラップ26を回動させるアクチュエータ22と、アクチュエータ22の駆動を制御するエアコン電子制御装置(以下、エアコンECUという)21と、車室外の環境雰囲気中の特定ガスの濃度を検出するガス検出装置10とを備えている。ガス検出装置10は、例えば、車両のフロントグリルに取り付けられる。
【0023】
ガス検出装置10は、ガスセンサ素子12や、ガスセンサ素子12を加熱するヒータ30、ガスセンサ素子12から出力された電圧を入力するバッファ素子13、バッファ素子13から出力された信号をA/D変換するA/D変換器14、A/D変換器14から出力された信号を解析するマイクロコンピュータ15を備えている。
【0024】
ガスセンサ素子12は、その一端が接地されており、他端が、抵抗器11に接続されている。抵抗器11は、固定された抵抗値Rdを有しており、ガスセンサ素子12とは逆側の端子が、電源電圧Vcc(本実施例では5V)に接続されている。ガスセンサ素子12としては、排気ガス中のNOx等の酸化性ガスに反応し、その濃度に応じて抵抗値Rsが変化する酸化物半導体が使用される。具体的には、本実施例のガスセンサ素子12には三酸化タングステン(WO3)が使用されており、環境雰囲気中の酸化性ガスの濃度が上昇すると抵抗値Rsが上昇する。なお、ガスセンサ素子12を構成する酸化物半導体は三酸化タングステンに限られず、二酸化スズ(SnO2)等の材質を用いても良い。
【0025】
バッファ素子13は、電源電圧Vccをガスセンサ素子12と抵抗器11とで分圧する分圧点に、その入力ポートが接続されている。このバッファ素子13には、ガスセンサ素子12の抵抗値Rsに基づいて変化する電圧Vsが入力される。抵抗器11の抵抗値Rdは一定であることから、酸化性ガスの濃度が上がりガスセンサ素子12の抵抗値Rsが上昇すると、ガスセンサ素子12の出力電圧Vsは大きくなる。
【0026】
バッファ素子13の出力側にはA/D変換器14が接続されている。A/D変換器14は、バッファ素子13からアナログ値である電圧Vsを入力すると、これをデジタル信号のセンサ値に変換し、マイクロコンピュータ15に出力する。具体的には、A/D変換器14は、0Vから5Vの間で連続的に変化する電圧Vsを、256段階のセンサ値に量子化して、マイクロコンピュータ15に出力する。
【0027】
マイクロコンピュータ15は、CPU17やROM16、RAM18を備えている。ROM16には、所定の制御プログラムが記憶されている。CPU17は、この制御プログラムをRAM18にロードして実行することで、後述するメインルーチンや、故障判定処理ルーチン、出力レベル設定処理ルーチンの処理を実現する。CPU17は、この制御プログラムの働きにより、本願の「取得部」、「故障判定部」、「ガス濃度検出部」、「信号出力部」として機能する。
【0028】
マイクロコンピュータ15の出力ポート51にはエアコンECU21が接続されている。マイクロコンピュータ15からエアコンECU21には、ガス検出装置10の故障状態を示す故障信号や、ガスセンサ素子12が検出した特定ガスの濃度のレベルを示す濃度信号が、パルス波(パルス信号)によって出力される。マイクロコンピュータ15は、故障信号と濃度信号とでパルス波のデューティ比を変化させることで、これらの信号を同一の伝送路によってエアコンECU21に送信する。
【0029】
エアコンECU21は、マイクロコンピュータ15から故障信号や濃度信号を入力すると、入力した信号に応じた処理を実行する。具体的には、エアコンECU21は、マイクロコンピュータ15から故障信号を入力した場合には、エアコンECU21に接続された警告灯40を点灯させる。なお、本実施例では警告灯40を点灯させることとしたが、エアコンECU21が備えるフラッシュメモリなどに、故障が発生した旨を、故障の種別やその発生時期と共に記録することとしてもよい。
【0030】
エアコンECU21は、マイクロコンピュータ15から濃度信号を入力した場合には、その濃度信号によって表される特定ガスの濃度レベルに応じて、アクチュエータ22を制御し、フラップ26の開度を調整する。こうすることで、エアコンECU21は、特定ガスの濃度レベルに応じて、外気導入と内気循環との切り替えを行うことができる。
【0031】
マイクロコンピュータ15の出力ポート52には、スイッチング素子31が接続されている。スイッチング素子31は、ガスセンサ素子12の近傍に配置されたヒータ30のオン・オフを行う素子である。ヒータ30は、ガス検出装置10の起動と共にオンにされ、ガスセンサ素子12を数百℃程度に加熱する。ガスセンサ素子12を活性化させて精度良く特定ガスの濃度を検出すると共に、ガスセンサ素子12からの出力電圧Vsの早期安定化を促し、早期の特定ガスの濃度検出につなげるためである。ヒータ30による加熱により、ガスセンサ素子12は、概ね30秒程度で活性化し、出力電圧Vsが安定した挙動を呈する。本実施例では、ヒータ30は、ガスセンサ素子12とともに同一の絶縁性セラミック基板32上に実装されている。
【0032】
B.メインルーチン:
図2は、マイクロコンピュータ15が実行するメインルーチンのフローチャートである。このメインルーチンは、ガス検出装置10の起動と共に実行される処理である。
【0033】
このメインルーチンが実行されると、マイクロコンピュータ15は、まず、初期化処理を行う(ステップS10)。この初期化処理では、マイクロコンピュータ15が使用する各種パラメータの準備や初期化が行われる。また、この初期化処理によりタイマのカウントが開始される。本実施例では、この初期化処理によって、後述する処理で用いられる断線フラグが「0」、ショートフラグが「0」、出力レベルが「0」に設定される。
【0034】
初期化処理が終了すると、マイクロコンピュータ15は、A/D変換器14から、センサ値を取得する(ステップS20)。
【0035】
センサ値を取得すると、マイクロコンピュータ15は、故障判定処理を実行する(ステップS30)。故障判定処理とは、A/D変換器14から取得したセンサ値に基づいて、ガスセンサ素子12の故障(ショートもしくは断線)を検出する処理である。この故障判定処理の詳細については後述する。
【0036】
故障判定処理が終了すると、マイクロコンピュータ15は、現在のタイマの値に基づき、予め定められた初期暖気時間が経過したかを判断する(ステップS40)。初期暖気時間とは、ガスセンサ素子12が活性化するために必要な時間である。本実施例では、この初期暖気時間を35秒とした。
【0037】
初期暖気時間が経過していれば(ステップS40:Yes)、マイクロコンピュータ15は、ガス濃度検知処理を実行する(ステップS50)。ガス濃度検知処理とは、A/D変換器14から入力したセンサ値に基づいて、ガスセンサ素子12が検出した特定ガスの濃度を判定する処理である。本実施例では、このガス濃度検知処理によって、特定ガスの濃度が、低濃度であって環境雰囲気が清浄状態にある(低レベル)か、高濃度であって環境雰囲気が汚染状態にある(高レベル)のいずれかに判定される。なお、上記ステップS40において、初期暖気時間が経過していない場合には(ステップS40:No)、ガスセンサ素子12がまだ活性化されておらず、その出力が不安定な状態にある可能性があるので、マイクロコンピュータ15は、このステップS50のガス濃度検知処理をスキップする。
【0038】
本実施例のガスセンサ素子12は、酸化物半導体によって構成されているため、ガスセンサ素子12の抵抗値Rsは、酸化性ガスの濃度変化とは無関係に、温度や湿度の変化に影響されて変動する場合がある。そのため、上記ステップS50のガス濃度検知処理では、ガス濃度の変化を判定するためにセンサ値と比較する基準値を動的に定める。具体的には、この基準値を、過去のセンサ値と所定の係数とに基づいて計算することで、現在のセンサ値の変動に緩慢に追従するような値とする。そして、現在のセンサ値とこの基準値との差分を求め、この差分が、所定の閾値より大きくなった場合に、特定ガスの濃度が高まったと判断する。逆に、現在のセンサ値が、基準値よりも下回れば、特定ガスの濃度が低下したと判断する。このような処理を行うことで、マイクロコンピュータ15は、温度や湿度の変化による影響を抑制して、精度良く、特定ガスの濃度変化を検出することが可能になる。このようなガス濃度検知処理の詳細は、例えば、特開2005−207760号公報や特開2005−114616号公報に開示されている。
【0039】
ステップS50のガス濃度検知処理が終了した場合、もしくは、ステップS40で初期暖気時間が経過していないと判定された場合には、マイクロコンピュータ15は、続いて、出力レベル設定処理を実行する(ステップS60)。この出力レベル設定処理では、ステップS30で実行した故障判定処理の結果を示す故障信号や、ステップS50で検出した特定ガスの濃度レベルを示す濃度信号がエアコンECU21に出力される。かかる処理の詳細については後述する。
【0040】
出力レベル設定処理の実行後、マイクロコンピュータ15は、タイマの値が所定のサンプリング時間までカウントアップされたか判断する(ステップS70)。本実施例では、このサンプリング時間を、0.1秒とする。サンプリング時間までカウントアップされていなければ(ステップS70:NO)、マイクロコンピュータ15は、このステップS70の処理をループすることで、タイマがサンプリング時間までカウントアップされるのを待機する。一方、サンプリング時間までカウントアップされれば、マイクロコンピュータ15は、上記ステップS20に処理を移行する。つまり、本実施例では、上述したステップS20からステップS70までの処理が、0.1秒単位で繰り返し実行されることになる。
【0041】
以上、本実施例のマイクロコンピュータ15が実行するメインルーチンについて説明した。以下、上記ステップS30において実行される故障判定処理ルーチンの詳細と、上記ステップS60において実行される出力レベル設定処理ルーチンの詳細について説明する。
【0042】
C.故障判定処理ルーチン:
図3は、図2に示したメインルーチンのステップS30で実行される故障判定処理ルーチンの詳細なフローチャートである。この故障判定処理ルーチンが実行されると、まず、マイクロコンピュータ15は、断線フラグが「1」であるかを判断する(ステップS100)。上述したように、この断線フラグは、ガス検出装置10の起動直後には「0」であるため、故障判定処理ルーチンが最初に実行された場合には、ステップS100では、「No」と判断される。
【0043】
ステップS100で、「No」と判断されると、マイクロコンピュータ15は、続いて、ショートフラグが「1」であるかを判断する(ステップS110)。上述したように、このショートフラグも、ガス検出装置10の起動直後には「0」であるため、故障判定処理ルーチンが最初に実行された場合には、ステップS110では、「No」と判断される。
【0044】
ステップS110で、「No」と判断されると、マイクロコンピュータ15は、タイマの値に基づき、現時点が、故障判定タイミングであるかを判断する(ステップS120)。本実施例では、この故障判定タイミングは、ガス検出装置10の起動から30秒後とする。このタイミングは、ガスセンサ素子12からの出力電圧Vs(換言すれば、センサ値)が比較的安定した挙動を呈するために必要な時間を勘案して設定されている。また、この故障判定タイミングは、上述したメインルーチンでガス濃度検知処理の実行が開始される初期暖気時間(35秒)よりも若干短い時間に設定されている。これは、特定ガスの濃度の測定を開始する前に、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路に電気的な故障が生じているかを判断するためである。
【0045】
ステップS120において、現時点が、故障判定タイミングでないと判断されれば(ステップS120:No)、つまり、ガス検出装置10の起動から30秒未満であるか、もしくは、30秒を経過したと判断されれば、マイクロコンピュータ15は、当該故障判定処理ルーチンを抜けて、処理をメインルーチンに戻す。
【0046】
一方、現在が、故障判定タイミングであると判断されれば(ステップS120:Yes)、マイクロコンピュータ15は、メインルーチンのステップS20で取得したセンサ値が、所定の断線判定閾値を超えているかを判断する(ステップS130)。本実施例では、断線判定閾値を、4.3Vとした。図1に示すように、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路に断線が発生した場合には、バッファ素子13の入力ポートが、抵抗器11を介して、電源電圧Vccに接続された状態になる可能性がある。この場合、センサ値は、電源電圧Vcc(5V)に近づく。そのため、本実施例では、ある程度の測定誤差を考慮し、断線判定閾値を4.3Vとした。なお、断線判定閾値は、4.3Vに限定される必要はなく、電源電圧Vccの80%程度以上の電圧とすることが可能である。
【0047】
ステップS130で、センサ値が、断線判定閾値を超えていると判断されれば(ステップS130:Yes)、マイクロコンピュータ15は、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路に断線が生じていると判定する。そこで、その判定結果として、断線フラグを「1」に設定する(ステップS140)。断線フラグを「1」に設定すると、マイクロコンピュータ15は、当該故障判定処理ルーチンを抜けて、処理を、メインルーチンに戻す。
【0048】
ステップS130で、センサ値が、断線判定閾値を超えていないと判断されれば(ステップS130:No)、続いて、マイクロコンピュータ15は、メインルーチンのステップS20で取得したセンサ値が、所定のショート判定閾値未満であるかを判断する(ステップS150)。本実施例では、ショート判定閾値を、0.5Vとした。図1に示すように、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路がショートした場合には、バッファ素子13の入力ポートが接地された状態になる可能性がある。この場合、センサ値は0Vに近づく。そのため、本実施例では、ある程度の測定誤差を考慮して、ショート判定閾値を0.5Vとした。なお、ショート判定閾値は、0.5Vに限定される必要はなく、電源電圧Vccの10%以下程度の電圧とすることが可能である。
【0049】
ステップS150で、センサ値が、ショート判定閾値未満であると判断されれば(ステップS150:Yes)、マイクロコンピュータ15は、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路がショートしていると判定する。そこで、その判定結果として、ショートフラグを「1」に設定する(ステップS160)。ショートフラグを「1」に設定すると、マイクロコンピュータ15は、当該故障判定処理ルーチンを抜けて、処理を、メインルーチンに戻す。これに対して、ステップS150で、センサ値が、ショート判定閾値未満でないと判断されれば(ステップS150:No)、マイクロコンピュータ15は、ステップS160の処理をスキップし、処理を、メインルーチンに戻す。
【0050】
以上で説明したように、本実施例の故障判定処理ルーチンでは、ガス検出装置10の起動から30秒経過した故障判定タイミングの際に、1回だけ、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路に断線やショートが発生しているかを判定している。
【0051】
上記ステップS100で、断線フラグが「1」であると判断された場合(ステップS100:Yes)、つまり、故障判定タイミング時にガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路に断線が生じていると判断されていた場合には、マイクロコンピュータ15は、センサ値が、上述した断線判定閾値以下になったかを判断する(ステップS170)。つまり、このステップS170では、一旦、断線が生じていると判断された状態から、ガスセンサ素子12の出力が正常な状態に復帰したかを判断する。このステップS170において、センサ値が、断線判定閾値以下になったと判断されれば(ステップS170:Yes)、マイクロコンピュータ15は、断線フラグを「0」にクリアして(ステップS180)、当該故障判定処理ルーチンを抜ける。一方、センサ値が、依然として、断線判定閾値を超えたままであれば(ステップS170:No)、マイクロコンピュータ15は、断線フラグを「1」に維持したまま、当該故障判定処理ルーチンを抜ける。
【0052】
上記ステップS110で、ショートフラグが「1」であると判断された場合(ステップS110:Yes)、つまり、故障判定タイミング時にガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路にショートが生じていると判断されていた場合には、マイクロコンピュータ15は、センサ値が、上述したショート判定閾値以上になったかを判断する(ステップS190)。つまり、このステップS190では、一旦、ショートが生じている判断された状態から、ガスセンサ素子12の出力が正常な状態に復帰したかを判断する。このステップS190において、センサ値が、ショート判定閾値以上になったと判断されれば(ステップS190:Yes)、マイクロコンピュータ15は、ショートフラグを「0」にクリアして(ステップS200)、当該故障判定処理ルーチンを抜ける。一方、センサ値が、依然としてショート判定閾値未満のままであれば(ステップS170:No)、マイクロコンピュータ15は、断線フラグを「1」に維持したまま、当該故障判定処理ルーチンを抜ける。
【0053】
以上で説明した故障判定処理ルーチンによれば、ガス検出装置10の起動後30秒の時点の故障判定タイミングにおいて、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路に断線またはショートが発生していると判定された場合であっても、その後に、ガスセンサ素子12の出力が正常な値となっていれば、故障判定の結果をクリアすることができる。
【0054】
D.出力レベル設定処理ルーチン:
図4は、図2に示したメインルーチンのステップS60で実行される出力レベル設定処理ルーチンの詳細なフローチャートである。この出力レベル設定処理ルーチンが実行されると、マイクロコンピュータ15は、まず、断線フラグとショートフラグの少なくとも一方が「1」であるかを判断する(ステップS300)。つまり、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路に故障が生じているかを判断する。
【0055】
ステップS300において、断線フラグとショートフラグの少なくともいずれか一方が「1」であると判断されれば(ステップS300:Yes)、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路に故障が生じていることになるので、マイクロコンピュータ15は、故障信号をエアコンECU21に出力する。具体的には、マイクロコンピュータ15は、その故障状態に応じて出力信号のレベルを設定する(ステップS310)。本実施例では、断線フラグが「1」であれば、マイクロコンピュータ15は、出力レベルを「0」に設定する。一方、ショートフラグが「0」であれば、マイクロコンピュータ15は、出力レベルを「1」に設定する。ステップS310によって出力レベルの設定が完了すると、マイクロコンピュータ15は、当該出力レベル設定処理ルーチンを抜ける。
【0056】
ステップS300において、断線フラグとショートフラグの両者が「0」であると判断されれば(ステップS300:No)、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路は正常な状態であるので、マイクロコンピュータ15は、濃度信号をエアコンECU21に出力する。つまり、メインルーチンのステップS50で検知した特定ガスの濃度状態に応じて出力信号のレベルを設定する(ステップS320)。具体的には、ガス濃度が低濃度であれば、出力レベルを「2」に設定する。一方、ガス濃度が高濃度であれば、出力レベルを「3」に設定する。ステップS320によって出力レベルの設定が完了すると、マイクロコンピュータ15は、当該出力レベル設定処理ルーチンを抜ける。
【0057】
以上で説明した出力レベル設定処理ルーチンによれば、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路が故障中であれば、故障状態を示す信号がエアコンECU21に出力される。一方、故障中でなければ、特定ガスの濃度レベルがエアコンECU21に出力される。
【0058】
上記出力レベル設定処理ルーチンのステップS310またはステップS320によって出力レベルが設定されると、設定された出力レベルに応じたパルス信号が、マイクロコンピュータ15の出力ポート51からエアコンECU21に出力される。
【0059】
図5は、出力レベルに応じたパルス信号の一覧を示す表である。図示するように、本実施例では、出力レベルが「0」、すなわち、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路にショートが発生した場合には、デューティ比が10%のパルス信号が出力される。これに対して、出力レベルが「1」、すなわち、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路に断線が発生した場合には、デューティ比が90%のパルス信号が出力される。また、出力レベルが「2」、すなわち、ガス濃度が低濃度の場合(環境雰囲気が清浄状態である場合)には、デューティ比が30%のパルス信号が出力される。また、出力レベルが「3」、すなわち、ガス濃度が高濃度の場合(環境雰囲気が汚染状態である場合)には、デューティ比が50%のパルス信号が出力される。つまり、本実施例では、故障信号のデューティ比を、濃度信号が採り得るデューティ比の範囲外のデューティ比としている。エアコンECU21は、マイクロコンピュータ15から受信したパルス信号のデューティ比を判別することで、入力したパルス信号が、故障を示す信号であるか、ガス濃度を示す信号であるのかを判別する。そして、入力した信号が故障信号(出力レベル0,1)であれば、警告灯40を点灯させる。また、濃度信号であれば、その濃度に応じたフラップ26の回動制御を行う。具体的には、低濃度信号(出力レベル2)であれば、外気循環とし、高濃度信号(出力レベル3)であれば、内気循環モードとする。
【0060】
以上で説明した本実施例の車両用空調システム100では、所定の故障判定タイミングにおいて、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路が故障していると判定された場合であっても(図3のステップS140,S160参照)、その判定の結果に関わらず、ガスセンサ素子12を用いて、ガス濃度の検知を続行する(図2のステップS50参照)。ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路に断線やショートが生じることは希な現象であるため、ガスセンサ素子12の出力(センサ値)が異常であっても、それは、温度や湿度の急激な変化や特殊なガスの影響による誤判定である可能性が高い。そのため、ある程度の時間が経過すれば、ガスセンサ素子12の出力(センサ値)が正常な出力に復帰する場合が多いためである。この結果、本実施例のガス検出装置10によれば、故障であると誤判定された場合でも、センサ値が正常な値に復帰すれば、迅速に、特定ガスの濃度レベルの出力を再開させることができる。
【0061】
また、本実施例では、上述のように、故障判定の結果に関わらず、ガス濃度の検知を続行させるため、ガス検知の再開時にガスセンサ素子12を再度、加熱して活性化させる処理が不要となる。従って、この点でも、迅速に、ガスの濃度レベルの出力を再開させることが可能になる。
【0062】
更に、本実施例では、上記出力レベル設定処理ルーチンによって、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路が故障中であれば、故障状態を示す信号がエアコンECU21に出力され、故障中でなければ、ガスの濃度レベルがエアコンECU21に出力される。つまり、故障の発生時ではなく、信号の出力段階において、故障信号を出力するのか、濃度信号を出力するのかを選択している。そのため、ガスセンサ素子からマイクロコンピュータ15までの電気経路が故障していると誤判定された場合であっても、ガスセンサ素子から出力されるセンサ値が正常な状態に復帰すれば、即座に、特定ガスの濃度レベルの出力を再開させることが可能になる。
【0063】
また、本実施例では、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路が故障しているか否かの判断を、ガス検出装置10の起動後、所定のタイミング(故障判定タイミング)が経過した後に一回のみ行うこととした。これにより、本実施例によれば、故障の誤判定によって車両の走行時に警告灯40が頻繁に点灯する事態を抑制することが可能になる。
【0064】
また、本実施例では、マイクロコンピュータ15からエアコンECU21に出力するパルス信号のデューティ比を異ならせることで、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路の故障を示す信号と、ガスの濃度を示す信号とを同一の伝送路で出力することにした。そのため、マイクロコンピュータ15とエアコンECU21とを結ぶ配線の数を削減することが可能になる。
【0065】
E.変形例:
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、以下のような変形が可能である。
【0066】
上記実施例では、ガス検出装置10が検出可能なガス濃度が、「低濃度」か「高濃度」の2種類であるものとした。しかし、ガス濃度の検知は、より多段階に行うこととしてもよい。このように、多段階でガス濃度を検知すれば、エアコンECU21は、ガス濃度に応じてフラップ26の開度を制御することで、外気と内気の混合割合を調整することが可能になる。
【0067】
上記実施例では、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路が故障しているか否かの判断を、ガス検出装置10の起動後、所定のタイミング(故障判定タイミング)で一回のみ行うこととした。これに対して、故障しているか否かは、ガス検出装置10の起動中に定期的に行うこととしてもよい。この場合、1回の故障判定につき、センサ値が、数秒ないし数分間、異常な値であれば、故障やショートが発生していると判断することとする。こうすることで、故障したとの誤判定を抑制することが可能になる。
【0068】
また、上記実施例では、ガス検出装置10の起動後の所定のタイミング(故障判定タイミング)において、1回のサンプリングで取得したセンサ値に基づいて、故障の判断を行っている(図3のステップS130,S150参照)。これに対して、故障の判断は、連続してサンプリングした複数のセンサ値に基づいて行うこととしてもよい。具体的には、故障判定タイミング後、連続して10回、センサ値をサンプリングし、そのうちの6個以上のセンサ値が、断線判定閾値を超えた場合に、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路が断線していると判断することができる。また、連続して10回サンプリングしたセンサ値のうち、6個以上のセンサ値が、ショート判定閾値を下回った場合に、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路がショートしていると判断することができる。このように、複数回連続してサンプリングしたセンサ値と所定の閾値とを比較し、その閾値と所定の関係になるセンサ値の割合を求めて故障の判定を行うこととすれば、より精度良く、ガスセンサ素子12からマイクロコンピュータ15までの電気経路が故障しているか否かを判断することができる。
【0069】
上記実施例では、ガスセンサ素子12は、酸化性ガスに反応する酸化物半導体によって構成されていることとした。これに対して、ガスセンサ素子12は、COやHCなどの還元性ガスに反応する酸化物半導体によって構成されていてもよい。また、酸化性ガスと還元性ガスの両者に反応する酸化物半導体によって構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】ガス検出装置10を備える車両用空調システム100の概略構成を示す説明図である。
【図2】メインルーチンのフローチャートである。
【図3】故障判定処理ルーチンの詳細なフローチャートである。
【図4】出力レベル設定処理ルーチンの詳細なフローチャートである。
【図5】出力レベルに応じたパルス信号の一覧を示す表である。
【符号の説明】
【0071】
10…ガス検出装置
11…抵抗器
12…ガスセンサ素子
13…バッファ素子
14…A/D変換器
15…マイクロコンピュータ
16…ROM
17…CPU
18…RAM
21…エアコンECU
22…アクチュエータ
23…外気導入ダクト
24…内気循環ダクト
25…ダクト
26…フラップ
27…ファン
30…ヒータ
31…スイッチング素子
32…絶縁性セラミック基板
40…警告灯
51,52…出力ポート
100…車両用空調システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス検出装置であって、
環境雰囲気中の特定ガスの濃度に応じて電気的な特性が変化する酸化物半導体を有するガスセンサ素子と、
前記ガスセンサ素子から、該ガスセンサ素子の前記電気的な特性を示すセンサ値を取得する取得部と、
前記取得されたセンサ値に基づいて、前記ガスセンサ素子から前記取得部までの電気経路の故障を判定する故障判定部と、
前記故障判定部による判定の結果に関わらず、前記取得されたセンサ値に基づいて、前記特定ガスの濃度状態を求めるガス濃度検出部と、
前記故障判定部によって前記電気経路が故障していると判定された場合には、前記電気経路が故障していることを表す故障信号を出力し、前記故障判定部によって前記電気経路が故障していないと判定された場合には、前記ガス濃度検出部により求められている前記特定ガスの濃度状態を表す濃度信号を出力する信号出力部と
を備えるガス検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のガス検出装置であって、
前記故障判定部は、当該ガス検出装置が起動されてから所定の期間を経過した後に、前記故障の判定を行う
ガス検出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のガス検出装置であって、
前記信号出力部は、前記濃度信号として、前記特定ガスの濃度状態に応じて異なるデューティ比を採るパルス信号を出力するものであり、
該信号出力部は、前記濃度信号が採り得る範囲外のデューティ比のパルス信号を、前記故障信号として出力する
ガス検出装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガス検出装置であって、
前記故障判定部は、前記取得されたセンサ値と予め定められた大きさの異なる2種類の閾値とを比較することで、前記電源経路に断線が生じているか、前記電源経路にショートが生じているか、前記電源経路が正常であるかのいずれかを判定する
ガス検出装置。
【請求項5】
車両に備えられる車両用空調システムであって、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のガス検出装置と、
前記ガス検出装置の信号出力部から出力された信号を受信する受信部と、
前記受信した信号が、前記濃度信号である場合に、該濃度信号が示す前記特定ガスの濃度状態に応じて前記車両内に導入する大気を外気または内気に切り換え、前記受信した信号が前記故障信号である場合に、故障が発生したことを所定の出力装置に出力する制御部と
を備える車両用空調システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−174937(P2009−174937A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12357(P2008−12357)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】