説明

ガス警報器

【課題】複数の検知対象ガスを応答良く選択的に検出することができるガス警報器を提供すること。
【解決手段】ガスセンサ1で検知された検知対象ガスの濃度が予め設定された警報濃度以上となった際に、ガス濃度が異常となった旨の警報を報知するガス警報器10であって、
ガス濃度の検出期間中に、第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達しかつ第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達した際に、第1および第2のガスのうち応答必要時間が短い方のガスの検出期間を優先して所定時間だけ延長して、当該ガス濃度の検知を継続する検出期間延長手段164を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス警報器に関し、特に、複数の検知対象ガスを応答良く選択的に検出することができるガス警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス警報器用ガスセンサとして、一般的に半導体式ガスセンサが用いられている。都市ガス用ガス警報器の場合、都市ガスの主成分であるメタンおよび水素を検出するのが一般的であり、現在では、燃焼器の不完全燃焼時に発生する一酸化炭素ガスを検出する機能を併せ持ったガス警報器が主流となっている。
【0003】
このようなガス警報器用のガスセンサとしては、メタン(CH4 )、水素(H2 )および一酸化炭素(CO)ガスを同時検出する、図2に示すような構造の半導体式ガスセンサが用いられる。半導体式ガスセンサ1は、酸化錫(SnO2 )等の金属酸化物を主体に形成され、ガスが存在した場合に抵抗変化を示す感ガス体1aと、白金(Pt)等の金属抵抗体で形成されたコイル等からなり、感ガス体1aを加熱するヒーター1bと、ヒーター1bからセンサ外部に導出されたヒーター電極1b1および1b2と、感ガス体1aの抵抗変化を検出するためのセンサ電極1cとを有する。
【0004】
このような半導体式ガスセンサでは、ガスセンサの素子温度とガス検出時のセンサ抵抗値の関係が、図3に示すような特性を持っている。図3では、それぞれ、空気(AIR)中、一酸化炭素(CO)500ppmを含む雰囲気中、メタン(CH4 )500ppmを含む雰囲気中、および水素(H2 )500ppmを含む雰囲気中における素子温度対センサ抵抗値特性が示されている。このような特性を利用することにより、高温側ではメタンを、低温側では一酸化炭素ガスを選択的に検出することが可能であると共に、その中間温度域では、水素を選択的に検出することが可能である。
【0005】
すなわち、図4に示すように、半導体式ガスセンサのヒーター電圧とガス検出ポイントのタイミングチャートにおいて、メタン検出ポイントのA部(400℃に加温する高(HI)電圧から低(LO)電圧に切り替わる直前)と一酸化炭素検出ポイントのB部(100℃に加温する低電圧から高電圧に切り替わる直前)の間のC部(400℃に加温する高電圧から100℃に加温する定電圧の温度変化領域)を用いて水素ガスを検出する。
【0006】
このように、半導体式ガスセンサを用いてメタンを検出する場合は、素子温度を約400℃に加温し、一酸化炭素ガスを検出する場合は、約100℃の温度に加温し、また、水素を検出する場合は、200〜300℃に加温している。
【0007】
ただし、メタン、水素および一酸化炭素を1つのガスセンサで検出する場合、それぞれのガスに適した温度に交互にヒートサイクルを繰り返すような検知システムとしており、次のような問題が常にネックとなっている。
(1)メタン、水素ガスに対する応答性
メタン、水素側では、ガス漏れに対し60秒以内に応答する必要があり、ヒートサイクルを10〜20秒で行うと、約2〜3サイクルで確実に応答させる必要がある。
(2)一酸化炭素ガス側のガス検知安定性
一酸化炭素側では、ヒーターのLO時間を短くすると、水素ガスとの弁別性およびCO感度が完全に応答できない。(図3の半導体式ガスセンサの素子温度とガス検出時のセンサ抵抗値の関係より、LO時間を短くすることは、素子温度を高い状態に維持されることであり、図に示すように素子温度が高いと水素に対する感度を持つこととなる。)
【0008】
上記の問題に対し、特開平10−283583号公報では、ある一定レベルのガスを検知すると検知対象時間を延長させるシステムが開示されている。
【0009】
たとえば、メタンガスを検知する場合、HI−LOのヒーター駆動条件を通常の検知周期HI5秒−LO10秒で行うと、メタンガスに対して60秒以内で応答できない場合が発生する。この対応として、ある一定レベルのメタンガスを検知した場合、メタンの検出期間を延長し、たとえば、HI5秒−LO10秒サイクルをHI20秒−LO10秒サイクルにし、メタンを選択的に検出する手法が行われている。
【0010】
また、同様の考え方として、CO側が10秒で水素ガスとの弁別性的にまたCO感度特性的に検出するのが厳しい場合は、COの一定濃度ガスを検出するとCOの検出期間を延長する方式が考えられる。
【特許文献1】特開平10−283583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような検知システムを設けることで、複数のガスを検知するために複数の温度条件にガスセンサを設定してもより選択的に検知対象ガスを検知することができるが、この場合、第1の検知対象ガスに対し検出期間延長モード中に第2の検知対象ガスが急激に発生する場合、検知遅れ等の問題が懸念されることとなる。
【0012】
都市ガス用警報器は、通常、可燃性ガスの検出時には、LEL(爆発下限界)の1/200〜1/4の範囲で警報させる必要があるため、この範囲内に1段目警報設定点と2段目警報設定点を持っている。一般的には、1段目警報設定点は、LELの1/50〜1/100付近、メタンの場合0.05〜0.1%に設定され、2段目警報設定点は、LELの約1/20である0.3%付近に設定される。また、不完全燃焼ガスである一酸化炭素ガスについては、1段目警報設定点は、100〜150ppm、2段目警報設定点は、250〜350ppmに設定される。
【0013】
このような条件で、メタンの検知特性を向上させるためには、まだ危険度の低い1段目警報設定点レベルまたはそれ以下の設定点レベルのガス濃度を検出した場合に、メタン検出期間を延長させる必要がある。また、COの検知特性を向上させるためには、1段目警報設定点以下の非常に低い設定点レベルでCO検出期間の延長を行う必要がある。
【0014】
ただし、このような条件の下で複合的にガスが発生する場合、従来のガス警報器では危険性を判別できない。すなわち、幾つかのガスを1つのガスセンサで検出を行う場合、どうしても検知対象ガスを適切に検出できる時間に時間差が生じる。したがって、検知対象ガスをより敏速に検知しようと、それぞれの検知対象ガスを警報する以前の危険度の低いレベルで事前検知を行い、その状態でより敏速に検知するための手法が、前述の特許文献1等で提案されている。ただし、この手法を用いると、複数のガスが同時に発生した場合、どのガスを優先して検知すればよいか分からない。
【0015】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、複数の検知対象ガスを応答良く選択的に検出することができるガス警報器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載の本発明は、図1の基本構成図に示すように、ガスセンサで検知された検知対象ガスの濃度が予め設定された警報濃度以上となった際に、ガス濃度が異常となった旨の警報を報知するガス警報器であって、ガス濃度の検出期間中に、第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達しかつ第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達した際に、前記第1および第2のガスのうち応答必要時間が短い方のガスの検出期間を優先して所定時間だけ延長して、当該ガス濃度の検知を継続する検出期間延長手段164を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載のガス警報器において、前記検出期間延長手段164は、ガス濃度の検出期間中に、検出された前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達したか否かを判定する第1の判定手段164aと、ガス濃度の検出期間中に、検出された前記第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達したか否かを判定する第2の判定手段164bと、前記第1のガスの応答必要時間と前記第2のガスの応答必要時間を比較する比較手段164cと、前記第1の判定手段164aで前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達したと判定されかつ前記第2の判定手段164bで前記第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達したと判定された場合、前記比較手段164cにより、前記第1のガスの応答必要時間が前記第2のガスの応答時間より短いという比較結果が得られた場合、前記第1のガスの検出期間を第1の所定時間だけ延長する第1のガス検出期間延長手段164dと、前記第1の判定手段164aで前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達したと判定されかつ前記第2の判定手段164bで前記第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達したと判定された場合、前記比較手段164cにより、前記第2のガスの応答必要時間が前記第1のガスの応答時間より短いという比較結果が得られた場合、前記第2のガスの検出期間を第2の所定時間だけ延長する第2のガス検出期間延長手段164eとを含むことを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の本発明は、請求項2記載のガス警報器において、
前記第1のガス検出期間延長手段164dは、さらに、前記第1の判定手段164aで前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達したと判定されかつ前記第2の判定手段164bで前記第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達していないと判定された場合、前記第1のガスの検出期間を第1の所定時間だけ延長し、
前記第2のガス検出期間延長手段164eは、さらに、前記第1の判定手段164aで前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達していないと判定されかつ前記第2の判定手段164bで前記第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達したと判定された場合、前記第2のガスの検出期間を第2の所定時間だけ延長することを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の本発明は、請求項1記載のガス警報器において、前記検出期間延長手段164は、さらに、ガス濃度の検出期間中に、前記第1および第2のガス濃度が、それぞれ、所定の第1および第2のガス検出期間延長判定点に達し、かつ第3のガス濃度が所定の第3のガス検出期間延長判定点に達した際に、前記第1および第2のガスのいずれかのガスの応答必要時間と前記第3のガスの応答必要時間がほぼ同等である場合、前記第1、第2および第3のガスのいずれの検出期間の延長も行わないことを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の本発明は、ガスセンサで検知された検知対象ガスの濃度が予め設定された警報濃度以上となった際に、ガス濃度が異常となった旨の警報を報知するガス警報器であって、ガス濃度の検出期間中に、前記第1のガス濃度が所定の第1のガスの検出期間延長判定点に達しかつ前記第2のガス濃度が所定の第2のガスの検出期間延長判定点に達した場合に、前記第1および第2のガスのいずれの検出期間の延長も行なわず、前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達しかつ第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達していなかった場合に、前記第1のガスの検出期間を所定時間だけ延長して、前記第1のガス濃度の検知を継続し、前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達しておらずかつ第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達した場合に、前記第2のガスの検出期間を所定時間だけ延長して、前記第1のガス濃度の検知を継続する検出期間延長手段164を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1から3記載の発明によれば、複数の検知対象ガスを検出するガス警報器において、複合的に検知対象ガスが発生した場合、その発生ガスの危険度に応じ、検出期間の延長時間を調整する機能を持たせることにより、フェールセーフにユーザーに危険状況を報知することが可能なガス警報器を提供することができる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、複数の検知対象ガスを検出するガス警報器において、複合的に検知対象ガスが発生した場合、その発生ガスの危険度に応じ、検出期間の延長時間を調整する機能を持たせると共に、同等な優先性を有する2つのガスを含む複数のガスが同時に発生した場合には、検出期間の延長を解除して通常の検出期間で検出する通常検知モードとすることにより、フェールセーフにユーザーに危険状況を報知することが可能なガス警報器を提供することができる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、複数の検知対象ガスを検出するガス警報器において、複合的に検知対象ガスが発生した場合、その発生ガスの危険度に応じ、検出期間の延長時間を調整する機能を持たせると共に、複数のガスが同時にそれぞれの検出期間延長判定点レベルを超えている場合には、検出期間の延長を解除して通常の検出期間で検出する通常検知モードとすることにより、フェールセーフにユーザーに危険状況を報知することが可能なガス警報器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係るガス警報器の実施の形態について説明する。本発明では、以下に説明するように、複数のガスが同時発生した場合に、ガスの危険度に応じて当該ガスの検出期間を適宜延長して、ユーザーに対して最もフェールセーフにガスを検知し警報できる構成を有するガス警報器を提供するものである。
【0025】
(第1の実施形態)第1の実施形態では、まず、第1の検知対象ガスの検出期間延長判定点を感知した場合、第1の検知対象ガスの検出期間延長を行う。検出期間延長を行った後、第1の検知対象ガスにて警報判定点を感知した場合は、ユーザーへ危険を知らせる警報を報知する。この状態で、第2の検知対象ガスの検出期間延長判定点を感知した場合は、第2の検知対象ガスの検出期間延長を行う。検出期間延長を行った後、第2の検知対象ガスにて警報判定点を感知した場合は、ユーザーへ危険を知らせる警報を報知する。
【0026】
また、第1の検知対象ガスの検出期間延長判定点を感知し、第1の検知対象ガスの検出期間延長を行わせた状態でかつ第1の検知対象ガスの警報判定点を超えていない場合に、第2の検知対象ガスの検出期間延長判定点を超えると、検知対象ガスで早期に検出が必要な検知対象ガスの検知を優先させる。たとえば、検知対象ガスが、メタンガスと一酸化炭素ガスの場合は、メタンガスは60秒以内に検出する必要があるのに対し、一酸化炭素ガスは5分以内に警報すれば良く、したがって、メタンガスを優先させる。
【0027】
図5は、本発明の実施の形態に係るガス警報器を示す回路図である。ガス警報器10は、半導体式ガスセンサ1、加熱駆動回路14、動作モード制御回路16および警報回路18を有する。
【0028】
半導体式ガスセンサ1は、図1に示す構造を有し、検知対象ガスとしてのメタンおよび一酸化炭素を検出するセンサである。半導体式ガスセンサ1のヒーター1bは、その一端が加熱駆動回路14のpnp型トランジスタQ1のコレクタに接続されると共に、他端が接地されている。センサ電極1cは、CPU164の入力ポートP3に接続され、感ガス体1aがガスに接触すると、その濃度に反応して検出電圧が立ち上がり始め、この検出電圧が、CPU164の入力ポートP3に印加される。
【0029】
加熱駆動回路14は、加熱駆動手段として働き、エミッタが電源Vccに接続され、コレクタがガスセンサ1のヒーター1bに接続されたpnp型トランジスタQ1と、トランジスタQ1のエミッタとベース間に接続された抵抗R1と、トランジスタQ1のベースとCPU164の出力ポートP4間に接続された抵抗R2とからなる。
【0030】
加熱駆動回路14は、CPU164の出力ポートP4からの加熱制御信号に応じて、図3に示すように、高電圧および低電圧とに交互にパルス的にレベル変化するヒーター電圧をヒーター1bに供給して、半導体式ガスセンサ1の温度が、所定の検出期間(たとえば、5秒)だけ70〜100℃程度の低温域(好適には、100℃)になりかつ所定の検出期間(たとえば、10秒)だけ350〜400℃程度の高温域(好適には、400℃)になるように、加熱制御する。
【0031】
動作モード制御回路16は、動作モード制御手段として働き、検出期間延長手段、第1の判定手段164a、第2の判定手段164b、比較手段164c、第1のガス検出期間延長手段164dおよび第2のガス検出期間延長手段164eとしてのCPU164を中心にして構成されており、さらに、第1ガスとしてのメタンガスに対する警報を発生する基準濃度としての第1ガス警報濃度に対応する基準電圧レベルとしての第1のガスの警報判定点(メタンガス用の2段目警報設定点に相当)レベルを設定するための第1基準電圧生成部と、第2ガスとしての一酸化炭素ガスに対する警報を発生する基準濃度としての第2ガス警報濃度に対応する基準電圧レベルとしての第2のガスの警報判定点(一酸化炭素ガス用の1段目警報設定点に相当)レベルを設定するための第2基準電圧生成部とを有する。
【0032】
第1基準電圧生成部は、電源Vccと接地間に直列接続された抵抗R7と、CPU164の出力ポートP7からの制御信号で可変制御される電子ボリュームVR1とから構成されている。第1ガス警報レベルは、この電子ボリュームVR1を調節して得られるVR1の抵抗値と抵抗R7の抵抗値との分圧比(すなわち、VR1/(VR1+R7))によって決定され、CPU164の入力ポートP1に出力される。
【0033】
同様に、第2基準電圧生成部は、電源電圧Vccと接地間に直列接続された抵抗R9と、CPU164の出力ポートP7からの制御信号で可変制御される電子ボリュームVR2とから構成されている。第2ガス警報レベルは、この電子ボリュームVR2を調節して得られるVR2の抵抗値と抵抗R9の抵抗値との分圧比(すなわち、VR2/(VR2+R9))によって決定され、CPU164の入力ポートP2に出力される。
【0034】
動作モード制御回路16は、前述の高温域で、メタンガスの検出ポイントA部で取り込んだ半導体式ガスセンサ1の検出電圧によりセンサ抵抗値を検出し、このセンサ抵抗値に基づいてメタンガスの濃度を検出し、検出された濃度が第1ガス警報濃度に達した際に、メタンガスの濃度が異常となった旨の警報を報知する機能を有する。
【0035】
さらに、動作モード制御回路16は、前述の低温域で、一酸化炭素ガスの検出ポイントB部で取り込んだ半導体式ガスセンサ1の検出電圧によりセンサ抵抗値を検出し、このセンサ抵抗値に基づいて一酸化炭素ガスの濃度を検出し、検出された濃度が第2ガス警報濃度に達した際に、一酸化炭素ガスの濃度が異常となった旨の警報を報知する機能を有する。
【0036】
動作モード制御回路16に設けられたセンサ制御部162は、エミッタが電源Vccに接続されかつコレクタが抵抗R4を介して負荷としてのセンサ電極1cに接続されているpnp型トランジスタQ2と、電源VccとトランジスタQ2のベース間に接続された抵抗R5と、トランジスタQ2のベースとCPU164の出力ポートP5間に接続された抵抗R6と、センサ電極1cにバイアス電流を与えるために電源Vccとセンサ電極1c間に接続された抵抗R3とから構成されている。
【0037】
センサ制御部162は、図3に示すメタン検出ポイントのA部と、一酸化炭素検出ポイントのB部と、水素検出ポイントのC部との検出タイミングで、ガスセンサ1におけるガス濃度の検出電圧の生成を命令するためのイネーブル信号を生成する機能を有する。
【0038】
CPU164は、出力ポートP5からイネーブル制御信号を出力してトランジスタQ2を制御することにより、センサ電極1cからのガス濃度の検出電圧を入力端子P3から取り込んでいる。
【0039】
警報回路18は、警報手段として働き、CPU164の出力ポートP6にベースが接続されたnpn型トランジスタQ3と、トランジスタQ3のコレクタ負荷としてコレクタと電源Vcc間に接続されたブザー(BZ)182と、CPU164の出力ポートP9にベースが接続されたnpn型トランジスタQ4と、トランジスタQ4のコレクタ負荷としてコレクタと電源Vcc間に接続された発光ダイオード(LED)183とから構成されている。
【0040】
警報を報知する警報手段18のLED183は、半導体式ガスセンサ1の検出電圧12aが、第1のガスの警報判定点(2段目警報設定点)レベルを超える検出値に達した場合、CPU164の制御により点灯する。このLED183の点灯により、メタンの濃度が危険な濃度に達していることが警報される。
【0041】
警報を報知する警報手段18のBZ182は、半導体式ガスセンサ1の検出電圧12aが、第1のガスの警報判定点(2段目警報設定点)レベルを超える検出値に達した場合、CPU164の制御により鳴動を開始して警報音18aを発する。このBZ182の警報音18aにより、メタンの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯と共に警報される。
【0042】
なお、上述の警報動作は、第1のガスとしてのメタンガスの検出の場合について説明したが、第2のガスとしての一酸化炭素の検出の場合も同様の動作となるので、説明を省略する。次に、上述の構成を有するガス警報器のガス検出動作について説明する。
【0043】
図6は、本発明の第1の実施形態において、CPU164が実行するガス検出処理を示すフローチャートである。
【0044】
まず、待機動作が行われ(ステップS1)、次に、センサ出力が第1のガスの検出期間延長判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS2)。第1のガスの検出期間延長判定点は、第1のガスの1段目警報設定点と同じかまたはそれ以下のレベルに予め設定されている。ステップのS2の答えがノーならば、次いで、センサ出力が第2のガスの検出期間延長判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS3)。第2のガスの検出期間延長判定点は、第2のガスの1段目警報設定点と同じかまたはそれ以下のレベルに予め設定されている。ステップS3の答がノーならば、次いで待機動作が行われ(ステップS4)、次いでステップS1に戻る。ステップS3の答がイエスならば、次いでステップS11に進む。
【0045】
ステップS2の答がイエスならば、次いで、センサ出力が第2のガスの検出期間延長判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS5)。その答がノーならば、次いで、第1のガスの検出期間(5秒)が第1の所定時間(たとえば、5秒)だけ延長され(ステップS6)、次に、延長された第1のガスの検出期間(10秒)中に、センサ出力が第1のガス警報判定点を超えたか否かが判定される(ステップS7)。その答がイエスならば、次いで、第1のガス警報処理が行われる(ステップS8)。この第1のガス警報処理では、第1のガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS7の答がノーならば、次いで、待機動作が行われ(ステップS9)、次いでステップS1に戻る。
【0046】
ステップS5の答がイエスならば、次いで、第1のガスの応答必要時間が第2のガスの応答必要時間より小さいか否かが判定される(ステップS10)。その答がノーならば、次いで、第2のガスの検出期間(10秒)が第2の所定時間(たとえば、5秒)だけ延長され(ステップS11)、次に、延長された第2のガスの検出期間(15秒)中に、センサ出力が第2のガスの警報判定点を超えたか否かが判定される(ステップS12)。その答がイエスならば、次いで、第2のガス警報処理が行われる(ステップS13)。この第2のガス警報処理では、第2のガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS12の答がノーならば、次いで、待機動作が行われ(ステップS14)、次いでステップS1に戻る。
【0047】
ステップS10の答がイエスならば、次いで、第1のガスの検出期間(5秒)が第1の所定時間(5秒)だけ延長され(ステップS15)、次に、延長された第1のガスの検出期間(10秒)中に、センサ出力が第1のガスの警報判定点を超えたか否かが判定される(ステップS16)。その答がイエスならば、次いで、第1のガス警報処理が行われる(ステップS17)。この第1のガス警報処理では、第1のガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS16の答がノーならば、次いで、待機動作が行われ(ステップS18)、次いでステップS1に戻る。
【0048】
このように、第1のガスはメタンであり、第2のガスは一酸化炭素であるから、メタンの応答必要時間(60秒)の方が、一酸化炭素の応答必要時間(5分)より短くなっているので、メタンガスと一酸化炭素ガスが同時に発生した場合は、メタンガスの検出期間を優先的に延長する。すなわち、第1の検知対象ガスがメタンの場合は、第1の検知対象ガスを優先し、第1の検知対象ガスがCOの場合は、第2の検知対象ガスを優先させる。
【0049】
以上のように、第1の実施形態によれば、複数の検知対象ガスを検出する複合型ガス警報器での、検知対象ガスを低濃度で検知し検出期間を変更するガス警報器において、複合的に検知対象ガスが発生した場合、その発生ガスの危険度に応じ、検出期間の延長時間を調整する機能を持たせることで、よりフェールセーフにユーザーに危険状況を報知することが可能なガス警報器を提供することができる。
【0050】
(第2の実施形態)第2の実施形態では、まず、第1の検知対象ガスの検出期間延長判定点を感知した場合、第1の検知対象ガスの検出期間延長を行う。検出期間延長を行った後、第1の検知対象ガスにて警報判定点を感知した場合は、ユーザーへ危険を知らせる警報を報知する。この状態で、第2の検知対象ガスの検出期間延長判定点を感知した場合は、既にユーザーへは、警報を報知しており、第2の検知対象ガスで非常に早期に安定に警報を報知することもないので、検出期間の延長を解除して通常検知モードとして判定を行い、第2の検知対象ガスの警報判定点を超えた場合に警報を報知する。
【0051】
図7は、本発明の第2の実施形態において、図5に示すガス警報器におけるCPU164が実行するガス検出処理を示すフローチャートである。
【0052】
まず、待機動作が行われ(ステップS31)、次に、センサ出力が第1のガスの検出期間延長判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS32)。その答がノーならば、次いで、センサ出力が第2のガスの検出期間延長判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS33)。その答がイエスならば、次いで、第2のガス検出期間の延長が行われ(ステップS34)、次いで、センサ出力が第2のガスの警報判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS35)。その答がイエスならば、次いで、第1のガス警報処理が行われる(ステップS36)。この第1のガス警報処理では、第1のガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS35の答がノーならば、次いで、待機動作が行われ(ステップS37)、次いでステップS31に戻る。
【0053】
ステップS32の答がイエスならば、次いで、センサ出力が第2のガスの検出期間延長判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS38)。その答がノーならば、次いで、第1のガス検出期間の延長が行われ(ステップS39)、次いで、センサ出力が第1のガスの警報判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS40)。その答がイエスならば、次いで、第1のガス警報処理が行われる(ステップS41)。この第1のガス警報処理では、第1のガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS40の答がノーならば、次いで、待機動作が行われ(ステップS42)、次いでステップS31に戻る。
【0054】
ステップS38の答がイエスならば、次いで、通常検知モードとして検出期間の延長を解除し(ステップS43)、次いで、センサ出力が第1のガスの警報判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS44)。その答がイエスならば、次いで、第1のガス警報処理が行われる(ステップS45)。この第1のガス警報処理では、第1のガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS44の答がノーならば、またはステップS45の処理後、次いで、センサ出力が第2のガスの警報判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS46)。その答がイエスならば、次いで、第2のガス警報処理が行われる(ステップS47)。この第2のガス警報処理では、第2のガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS47の処理後、ステップS44に戻る。ステップS46の答えがノーならば、次いで、待機動作が行われ(ステップS48)、次いでステップS31に戻る。
【0055】
このように、検出期間延長判定点を超える濃度のメタンガスと一酸化炭素ガスが同時に発生した場合は、検出期間の延長を解除して通常検知モードで判定、警報を行う。すなわち、第2の実施形態によれば、複数の検知対象ガスを検出する複合型ガス警報器での、検知対象ガスを低濃度で検知し検出期間を変更するガス警報器において、複合的に検知対象ガスが発生した場合、その発生ガスの危険度に応じ、検出期間の延長時間を調整する機能を持たせると共に、複数のガスが同時にそれぞれの検出期間延長判定点レベルを超えている場合には通常検知モードとすることにより、フェールセーフにユーザーに危険状況を報知することが可能なガス警報器を提供することができる。
【0056】
(第3の実施形態)第3の実施形態では、3つの検知対象ガスが同時発生し、そのうちの2つのガスが同等程度の優先性を持っている場合について好適なガス警報器を提供するものである。ここでは、たとえば、第1の検知対象ガスはメタン、第2の検知対象ガスは一酸化炭素ガス、第3の検知対象ガスは水素とする。
【0057】
図8および図9は、本発明の第3の実施形態において、図5に示すガス警報器におけるCPU164が実行するガス検出処理を示すフローチャートである。
【0058】
まず、待機動作が行われ(ステップS61)、次に、センサ出力が第1のガスの検出期間延長判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS62)。その答がノーならば、次いで、センサ出力が第2のガスの検出期間延長判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS63)。ステップS63の答がノーならば、次いで待機動作が行われ(ステップS64)、次いでステップS61に戻る。
【0059】
ステップS62の答がイエスならば、次いで、センサ出力が第2のガスの検出期間延長判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS65)。その答がノーならば、次いで、第1のガス検出期間が所定時間だけ延長され(ステップS66)、次に、センサ出力が第1のガス警報判定点を超えたか否かが判定される(ステップS67)。その答がイエスならば、次いで、第1のガス警報処理が行われる(ステップS68)。この第1のガス警報処理では、第1のガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS67の答がノーならば、次いで、待機動作が行われ(ステップS69)、次いでステップS61に戻る。
【0060】
ステップS65の答がイエスならば、次いで、第1のガスの応答必要時間が第2のガスの応答必要時間より小さいか否かが判定される(ステップS70)。その答がノーならば、次いでステップS76に進む。
【0061】
ステップS70の答がイエスならば、次いで、第1のガス検出期間が第1の所定時間だけ延長され(ステップS71)、次に、センサ出力が第1のガス警報判定点を超えたか否かが判定される(ステップS72)。その答がイエスならば、次いで、第1のガス警報処理が行われる(ステップS73)。この第1のガス警報処理では、第1のガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS72の答がノーならば、次いで、待機動作が行われ(ステップS74)、次いでステップS61に戻る。
【0062】
ステップS63の答がイエスならば、次いで、センサ出力が第3のガスの検出期間延長判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS75)。その答がノーならば、第2のガスの検出期間が第2の所定時間だけ延長され(ステップS76)、次に、センサ出力が第2のガスの警報判定点を超えたか否かが判定される(ステップS77)。その答がイエスならば、次いで、第2のガス警報処理が行われる(ステップS78)。この第2のガス警報処理では、第2のガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS77の答がノーならば、次いで、待機動作が行われ(ステップS79)、次いでステップS61に戻る。
【0063】
ステップS75の答がイエスならば、次いで、第2のガスの応答必要時間が第3のガスの応答必要時間より小さいか否かが判定される(ステップS80)。その答がイエスならば、次いでステップS76に進む。
【0064】
ステップS80の答がノーならば、次いで、第2のガスの応答必要時間が第3のガスの応答必要時間に等しいか否かが判定される(ステップS81)。その答がイエスならば、次いで、通常検知モードとして検出期間の延長を解除し(ステップS83)、次いで、センサ出力が第1または第2または第3のガスの警報判定点レベルを超えたか否かが判定される(ステップS84)。その答がイエスならば、次いで、検知したガスでのガス警報処理が行われる(ステップS85)。この検知したガスでの警報処理では、検知したガスの濃度が危険な濃度に達していることが、LED183の点灯とBZ182の警報音18aにより警報される。ステップS84の答がノーならば、次いで、待機動作が行われ(ステップS86)、次いでステップS61に戻る。
【0065】
このように、3つの検知対象ガスが同時発生し、そのうちの2つのガスが同等程度の優先性を持っている場合は、検出期間の延長を解除して通常検知モードで判定、警報を行う。すなわち、第3の実施形態によれば、複数の検知対象ガスを検出する複合型ガス警報器での、検知対象ガスを低濃度で検知し検出期間を変更するガス警報器において、複合的に検知対象ガスが発生した場合、その発生ガスの危険度に応じ、検出期間の延長時間を調整する機能を持たせると共に、同等の優先性を持つ2つのガスを含む複数のガスが同時にそれぞれの検出期間延長判定点レベルを超えている場合には通常検知モードとすることにより、フェールセーフにユーザーに危険状況を報知することが可能なガス警報器を提供することができる。
【0066】
以上の通り、本発明の最良の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
【0067】
たとえば、上述の実施形態では、警報は、警報回路18のLED183とBZ182で行っているが、これに限らず、CPU164から外部へ出力する外部出力信号を用いて、外部へも警報信号を送信する機能を追加することもできる。
【0068】
また、警報回路18のBZ182およびLED183は、第1、第2および第3の検知対象ガス等に対する警報をそれぞれ識別できる形態とすることができる。たとえば、BZ182の警報音18aをガス毎に異なる断続回数で発生させたり、LED183をガス毎に異なる点滅速度としたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係るガス警報器の基本構成図である。
【図2】半導体式ガスセンサの構造例を示す略図である。
【図3】ガスセンサの素子温度とガス検出時のセンサ抵抗値の関係を示す特性図である。
【図4】半導体式ガスセンサのヒーター電圧とガス検出ポイントのタイミングチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係るガス警報器を示す回路図である。(第1の実施形態)
【図6】本発明の第1の実施形態におけるガス検出処理を示すフローチャートである。(第1の実施形態)
【図7】本発明の第2の実施形態におけるガス検出処理を示すフローチャートである。(第2の実施形態)
【図8】本発明の第3の実施形態におけるガス検出処理を示すフローチャートである。(第3の実施形態)
【図9】本発明の第3の実施形態におけるガス検出処理を示すフローチャートである。(第3の実施形態)
【符号の説明】
【0070】
1 半導体式ガスセンサ
10 ガス警報器
14 加熱駆動回路
16 動作モード制御回路
18 警報回路
164 CPU(検出期間延長手段、第1の判定手段、第2の判定手段、比較手段、第1のガス検出期間延長手段、第2のガス検出期間延長手段)
182 ブザー(BZ)
183 発光ダイオード(LED)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスセンサで検知された検知対象ガスの濃度が予め設定された警報濃度以上となった際に、ガス濃度が異常となった旨の警報を報知するガス警報器であって、
ガス濃度の検出期間中に、第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達しかつ第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達した際に、前記第1および第2のガスのうち応答必要時間が短い方のガスの検出期間を優先して所定時間だけ延長して、当該ガス濃度の検知を継続する検出期間延長手段を備えた
ことを特徴とするガス警報器。
【請求項2】
請求項1記載のガス警報器において、
前記検出期間延長手段は、
ガス濃度の検出期間中に、検出された前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達したか否かを判定する第1の判定手段と、
ガス濃度の検出期間中に、検出された前記第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達したか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第1のガスの応答必要時間と前記第2のガスの応答必要時間を比較する比較手段と、
前記第1の判定手段で前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達したと判定されかつ前記第2の判定手段で前記第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達したと判定された場合、前記比較手段により、前記第1のガスの応答必要時間が前記第2のガスの応答時間より短いという比較結果が得られた場合、前記第1のガスの検出期間を第1の所定時間だけ延長する第1のガス検出期間延長手段と、
前記第1の判定手段で前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達したと判定されかつ前記第2の判定手段で前記第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達したと判定された場合、前記比較手段により、前記第2のガスの応答必要時間が前記第1のガスの応答時間より短いという比較結果が得られた場合、前記第2のガスの検出期間を第2の所定時間だけ延長する第2のガス検出期間延長手段とを含む
ことを特徴とするガス警報器。
【請求項3】
請求項2記載のガス警報器において、
前記第1のガス検出期間延長手段は、さらに、前記第1の判定手段で前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達したと判定されかつ前記第2の判定手段で前記第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達していないと判定された場合、前記第1のガスの検出期間を第1の所定時間だけ延長し、
前記第2のガス検出期間延長手段は、さらに、前記第1の判定手段で前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達していないと判定されかつ前記第2の判定手段で前記第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達したと判定された場合、前記第2のガスの検出期間を第2の所定時間だけ延長する
ことを特徴とするガス警報器。
【請求項4】
請求項1記載のガス警報器において、
前記検出期間延長手段は、さらに、ガス濃度の検出期間中に、前記第1および第2のガス濃度が、それぞれ、所定の第1および第2のガス検出期間延長判定点に達し、かつ第3のガス濃度が所定の第3のガス検出期間延長判定点に達した際に、前記第1および第2のガスのいずれかのガスの応答必要時間と前記第3のガスの応答必要時間がほぼ同等である場合、前記第1、第2および第3のガスのいずれの検出期間の延長も行わない
ことを特徴とするガス警報器。
【請求項5】
ガスセンサで検知された検知対象ガスの濃度が予め設定された警報濃度以上となった際に、ガス濃度が異常となった旨の警報を報知するガス警報器であって、
ガス濃度の検出期間中に、前記第1のガス濃度が所定の第1のガスの検出期間延長判定点に達しかつ前記第2のガス濃度が所定の第2のガスの検出期間延長判定点に達した場合に、前記第1および第2のガスのいずれの検出期間の延長も行なわず、前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達しかつ第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達していなかった場合に、前記第1のガスの検出期間を所定時間だけ延長して、前記第1のガス濃度の検知を継続し、前記第1のガス濃度が所定の第1のガス検出期間延長判定点に達しておらずかつ第2のガス濃度が所定の第2のガス検出期間延長判定点に達した場合に、前記第2のガスの検出期間を所定時間だけ延長して、前記第1のガス濃度の検知を継続する検出期間延長手段を備えた
ことを特徴とするガス警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−65716(P2007−65716A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−247247(P2005−247247)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】