説明

ガス遮断弁ユニット

【課題】異常の原因を容易に確認でき、且つ、モータによって弁体が駆動されて続けてしまうこと防止できるガス遮断弁ユニットを提供する。
【解決手段】ガス遮断弁ユニットは、ガス流路と、回動によりガス流路を開閉する弁体と、弁体を回動させるモータ5と、弁体が所定の停止位置にあることを検出する停止位置センサ9Aと、弁体が所定の開始位置と所定の停止位置との間に定められた確認位置にあることを検出する確認位置センサ9Bと、を備えており、弁体を開始位置から確認位置を経由して停止位置まで回動させるようにモータ5を駆動させたあとに、確認位置センサ9Bによって弁体が確認位置にあることを検出したにもかかわらず、停止位置センサ9Aによって弁体が停止位置にあることが確認されないとき、停止位置センサ9Aの故障を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス遮断弁ユニットに係り、具体的には、ガス漏れなどの異常が発生した場合にガスの供給を遮断するガス遮断弁ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス遮断弁として、電磁石を用いて可動鉄片(プランジャ)を動かすことで、該可動鉄片に取り付けられた弁体を開閉動作させるソレノイド弁が用いられていた。この、ソレノイド弁は、電磁石によって弁体を全開位置又は全閉位置に位置づけて開閉動作を行うので、ガス遮断弁が必ず全開状態と全閉状態とのいずれか一方の状態にあり、弁体が全開位置と全閉位置との間(即ち、途中位置)に位置づけられたガス遮断弁の半開状態は存在せず、また、ソレノイド弁は、動作速度が速いので、弁体を素早く動作させることが可能であり、瞬時にガスを遮断する必要のある遮断弁として適していた。
【0003】
しかしながら、ソレノイド弁を流量が多いガス配管に適用する場合、ガス流量に見合った大型の弁体とこの弁体の開閉動作が可能な強磁力を発する大型の電磁石とが必要となるので、ガス遮断弁が大型化してしまうという問題があった。また、ソレノイド弁は磁力によって弁体を開閉動作させるものであるので、その開閉動作に重力の影響を受け、そのため、ガス配管への組み付け方向(例えば、可動鉄片移動方向を水平とするなど)に制約があり、ガス配管への組み込み可能な箇所が限られるという問題があった。さらに、ソレノイド弁は、弁体と可動鉄片と電磁石とが一体に構成されており、つまり、それら一部のみ交換することができないので、一部に故障が発生した場合においても全体を交換する必要があり、また、全体を交換するので作業時間が多く必要となり、そのため、メンテナンスコストが高くなるという問題があった。
【0004】
これらのソレノイド弁における問題を回避するため、近年、ガス遮断弁として、モータを用いて弁体を開閉動作させるモータ弁が採用されている。このモータ弁の一例を図11、図12に示す。
【0005】
ガス遮断弁700は、弁体部701と、弁体部701の上部にボルトで固定された弁駆動部702とで構成されている。
【0006】
弁体部701は、それぞれ順次連接されてガス流路を構成する、第1ポート731、弁室733、管路734、及び、第2ポート732と、前記弁室733内に回動可能に配設された球体状の弁体であるボールバルブ704と、を備えている。ボールバルブ704は、中心を貫通して設けられた導通路704aと、上部に連接された従動軸741と、を備えている。
【0007】
弁駆動部702は、弁駆動用モータ705と、回転力伝達機構706と、第1フォトインタラプタ709Aと、第2フォトインタラプタ709Bと、を備えている。回転力伝達機構706は、弁駆動用モータ705の主軸751に同軸に固着された小歯車761と、小歯車761に歯合された大歯車762と、大歯車762の回動軸となり且つ連結ピン708によってボールバルブ704の従動軸741と同軸に連結された駆動軸707と、を備えている。第1フォトインタラプタ709Aは、大歯車762に設けられたボールバルブ4の全閉位置を示す段部7621Aを検出し、また、第2フォトインタラプタ709Bは、大歯車762に設けられたボールバルブ4の全開位置を示す段部6721Bを検出し、即ち、第1フォトインタラプタ709Aと第2フォトインタラプタ709Bとは、ボールバルブ4が全閉位置又は全開位置にあることを検出する停止位置センサとして機能している。
【0008】
また、ガス遮断弁700は、連結ピン708を引き抜くとともに、弁駆動部702を弁体部701に固定しているボルトをはずすことで、容易に弁駆動部702と弁体部701とを分離することができる。
【0009】
このガス遮断弁700は、弁駆動用モータ705を駆動制御する図示しないマイクロコンピュータを備えており、弁駆動用モータ705の正逆駆動を回転力伝達機構706を介してボールバルブ704に伝達することにより、第1フォトインタラプタ709Aによってボールバルブ704が全閉位置にあることを検出するまでボールバルブ704を弁室733内で正回動させ、それにより、導通路704aと管路734との中心軸とを直交(即ち、全閉位置)にしてボールバルブ704の自身によって第1ポート731と管路734とを遮断し(即ち、ガス遮断弁700の全閉状態)、又は、第2フォトインタラプタ709Bによってボールバルブ704が全開位置にあることを検出するまでボールバルブ704を弁室733内で逆回動させ、それにより、導通路704aと管路734との中心軸を平行(即ち、全開位置)にして第1ポート731と管路734とを導通する(即ち、ガス遮断弁700の全開状態)。
【0010】
このガス遮断弁700によれば、回転力伝達機構706により小型の弁駆動用モータ705でも大型のボールバルブ704を駆動することができるので、ガス流量が多い箇所に設置する場合でもガス遮断弁の大型化を回避することができ、また、そのボールバルブ704の開閉動作に重力等の影響を受けないので、設置箇所に制約がなくガス配管上の任意の箇所に組み込むことができ、さらに、弁体部701と弁駆動部702とが分離可能であるので、故障が生じやすい弁駆動用モータ705のみ交換することが可能であり、メンテナンスコストを低く抑えることが可能なものであった。また、弁駆動用モータ705によりボールバルブ704を回動するためソレノイド弁に比べて動作速度は遅いものの、小歯車761と大歯車762との減速比を適宜調整することで、ガス遮断弁として必要な動作速度を確保することができた。また、第1フォトインタラプタ709A、第2フォトインタラプタ709B(即ち、停止位置センサ)によってボールバルブ704の回動位置を検出して、ボールバルブ704を正確に全閉位置及び全開位置に位置づけることができた。
【0011】
なお、本発明に関連する文献公知発明のうち、出願人が当該特許出願時に知っているものがないので、開示すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述のガス遮断弁700は、ボールバルブ704の回動位置を停止位置センサによって検出することでそれを全閉位置又は全開位置に位置づけていたので、例えば、停止位置センサの故障、若しくは、ボールバルブ704と弁室733との間への異物混入や回転力伝達機構706における歯車摩耗等の経年劣化などによるボールバルブ704の回動不良(回動量不足等)、が発生し、これらが原因となってボールバルブ704が全開位置又は全閉位置に位置づけられたことが検出できず、そのため、弁駆動用モータ705によってボールバルブ704が駆動され続けてしまうなどの問題があった。また、これらがボールバルブ704の回動不良によるものなのか、又は、停止位置センサの故障によるものなのか、その原因の確認が困難であるという問題があった。
【0013】
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、異常の原因を容易に確認でき、且つ、モータによって弁体が駆動されて続けてしまうこと防止できるガス遮断弁ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、ガス配管に接続される流路と、前記流路に回動可能に組み込まれ且つ回動により前記流路を開閉する弁体と、前記弁体を回動させるモータと、前記弁体が所定の停止位置にあることを検出する停止位置センサと、を有し、前記弁体を所定の開始位置から前記停止位置に向かって回動させるように前記モータを駆動し、前記停止位置センサによって前記弁体が前記停止位置にあることが検出されたとき前記モータの駆動を停止するガス遮断弁ユニットにおいて、前記モータによって前記弁体とともに回動される回動体と、前記回動体に設けられ且つ前記弁体が前記開始位置と前記停止位置との間で任意に定められた確認位置にあることを示す確認位置目印部と、前記確認位置目印部を用いて前記弁体が前記確認位置にあることを検出する確認位置センサと、前記弁体を前記開始位置から前記確認位置まで回動させるように前記モータを駆動する第1駆動制御手段と、前記第1駆動制御手段によって前記モータが駆動されたあとに前記確認位置センサによって前記弁体が前記確認位置にあることが検出されたとき、前記弁体が前記確認位置まで正常に回動されたことを判定する正常回動判定手段と、前記第1駆動制御手段によって前記モータが駆動されたあとに、前記弁体を前記確認位置から前記停止位置まで回動させるように前記モータを駆動する第2駆動制御手段と、前記正常回動判定手段によって前記弁体が前記確認位置まで正常に回動されたことが判定されるとともに、前記第2駆動制御手段によって前記モータが駆動されたあとに前記停止位置センサによって前記弁体が前記停止位置にあることが検出されなかったとき、前記停止位置センサの故障を通知するセンサ故障通知手段と、を有していることを特徴とするガス遮断弁ユニットである。
【0015】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記第1駆動制御手段によって前記モータが駆動されたあとに前記確認位置センサによって前記弁体が前記確認位置にあることが検出されなかったとき、前記弁体が前記確認位置まで正常に回動されなかったことを判定する異常回動判定手段と、前記異常回動判定手段によって、前記弁体が正常に回動されなかったことが判定されたとき、前記弁体の異常回動を通知する異常回動通知手段と、を有していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載された発明によれば、弁体が開始位置から開始位置と停止位置との間で任意に定められた確認位置まで正常に回動されたのち、該弁体が引き続き確認位置から停止位置まで回動されたあとに停止位置センサによって弁体が停止位置にあることが検出されなかったとき、停止位置センサの故障を通知するので、つまり、弁体が開始位置から確認位置まで正常に回動されたのであれば、その後の確認位置から停止位置までの弁体の回動についても正常に行われている可能性が高く、そのため、弁体が確認位置まで正常に回動されたにもかかわらず停止位置まで回動されたことが検知できなかったときは、弁体自体は正常に回動されているものの停止位置センサが故障しているため弁体が停止位置にあることが検出できないものと判断して、この判断に基づいて停止位置センサの故障を通知するので、ガス遮断弁ユニットに生じた異常原因を容易に確認することができる。
【0017】
また、弁体を、開始位置から確認位置まで回動するようにモータを駆動し、そのあと、確認位置から停止位置まで回動するようにモータを駆動するので、モータが停止位置までの回動角(回動量)を超えて必要以上に駆動されることがなく、弁体の回動異常や停止位置センサの故障により弁体が停止位置にあることが検出されない場合においても、モータが駆動され続けることを防止できる。
【0018】
請求項2に記載された発明によれば、弁体を開始位置から確認位置まで回動するようにモータを駆動したにもかかわらず弁体が確認位置にあることが検出できなかったときに、弁体の回動に異常があるものとしてその旨通知するので、つまり、弁体の固着や弁体の回動機構の不具合などにより弁体の回動に異常が生じたものと判断して、この判断に基づいて弁体の異常回動(回動不良)を通知するので、ガス遮断弁ユニットに生じた異常原因を容易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を示すガス遮断弁ユニットについて、図1〜図10を参照して説明する。
【0020】
図1に示すように、ガス遮断弁ユニット100は、弁体部1と、弁駆動部2と、を備えている。
【0021】
弁体部1は、管状に成形された弁ハウジング3と、弁ハウジング3に組み込まれたボールバルブ4と、を備えている。
【0022】
弁ハウジング3は、一端部に形成されて図示しないガス管がねじ接続されるテーパねじからなる第1ポート31と、他端部に形成されて図示しないガス管がねじ接続されるテーパねじからなる第2ポート32と、この第1ポート31と第2ポート32との間に互いに連接して形成された弁室33と管路34と、を備えている。これら第1ポート31、弁室33、管路34、及び第2ポート32は、順次連接されて1本の導管(即ち、特許請求の範囲に記載した流路に相当)を形成している。第1ポート31、管路34、及び、第2ポート32は、それぞれの中心軸が同一線上に位置づくようにそれぞれが配置されている。また、弁ハウジング3には、弁駆動部2を取り付けるための取付座3Aが設けられている。
【0023】
弁室33は、管路34の中心軸に対して軸芯が直交するように形成された略円柱状の空間部である。弁室33には、第1ポート31及び管路34と連接されている開口部分に、弁座35、35が該開口部分の周囲に沿って配設されており、そして、ボールバルブ4が弁室33内部に弁座35、35に密接するようにして配設される。
【0024】
ボールバルブ4は、特許請求の範囲に記載した弁体に相当し、略球体状に成形されている。ボールバルブ4は、その中心を貫通する導通路4aと、その外面に連接されてボールバルブ4の回動軸となる従動軸41と、を備えている。ボールバルブ4は、従動軸41と弁室33の軸芯とが同一線上に位置するように且つ弁室33との間にわずかな隙間をあけて弁室33内に回動可能に配設されており、そして、従動軸41が、弁ハウジング3に設けられた図示しない軸受けにより軸支され、この従動軸41の端部が弁ハウジング3の外側に露出されている。
【0025】
また、ボールバルブ4が、従動軸41を回動軸として弁室33内で略90度回動することにより、このガス遮断弁ユニット100の全開状態と全閉状態とが切り替わる。即ち、図7(A)に示すように、導通路4aの中心軸と管路34の中心軸とを平行(即ち、全開位置)にすると、導通路4aを介して第1ポート31と管路34とが導通(即ち、全開状態)され、また、図9(A)に示すように、導通路4aの中心軸と管路34の中心軸とを略直交(即ち、全閉位置)にすると、ボールバルブ4自体により第1ポート31と管路34とが遮断(即ち、全閉状態)される。なお、ボールバルブ4を全開位置から全閉位置まで回動させる全閉動作において、全閉位置が、特許請求の範囲に記載した所定の停止位置に相当し、全開位置が、同じく所定の開始位置に相当する。また、ボールバルブ4を全閉位置から全開位置まで回動させる全開動作において、全開位置が、特許請求の範囲に記載した所定の停止位置に相当し、全閉位置が、同じく所定の開始位置に相当する。
【0026】
弁駆動部2は、弁駆動用モータ5を内蔵した下ケース部2Aと、回転力伝達機構6と、表示部(不図示)と、マイクロコンピュータ10と、を内蔵した上ケース部2Bと、を備えている。
【0027】
弁駆動用モータ5は、特許請求の範囲に記載したモータに相当し、周知のステッピングモータであって、制御信号として入力されるパルス信号(パルス個数等)に応じて回動するモータである。弁駆動用モータ5は、下ケース部2A内でその主軸51を上ケース部2Bに突出させて配置されている。弁駆動用モータ5は、マイクロコンピュータ10に接続されており、マイクロコンピュータ10から入力されるパルス信号によって駆動(回動)制御が行われる。
【0028】
回転力伝達機構6は、弁駆動用モータ5の主軸51の先端に同軸に固着された小歯車61と、小歯車61に歯合して配設された大歯車62と、大歯車62の回動軸として上ケース部2Bに設けられた軸受22に軸支された駆動軸7と、大歯車62の回動位置を検出する第1フォトインタラプタ9A、第2フォトインタラプタ9Bと、を備えている。
【0029】
駆動軸7は、上ケース部2Bから弁体部1側に露出され、また、この駆動軸7は、連結ピン8によってボールバルブ4の従動軸41に同軸に連結されている。すなわち、大歯車62とボールバルブ4とは互いに同軸且つ同期して回動する。
【0030】
小歯車61は、図2に示すように、その全周に歯61aが成形された歯車である。大歯車62は、その径が小歯車61より大きい扇形状に成形されており、その円弧状の周縁の一部に歯62aが成形されている。また、大歯車62には、略180度離間した2箇所の位置に段部621A、621Bが成形され、この段部621A、621Bの間で歯62aと反対側の周縁に、径を小さくした扇形の切り欠き部622が形成されている。この切り欠き部622の回動円周方向の端部は当接面622A、622Bとなっている。また、大歯車62には、その円弧状の周縁内側で段部621Aから所定の第1角度Kずれた位置に小径の確認孔623Aが形成され、その円弧状の周縁内側で段部621Bから所定の第1角度Kずれた位置に小径の確認孔623Bが形成されている。確認孔623A及び確認孔623Bは、それぞれ後述する第1フォトインタラプタ9A及び第2フォトインタラプタ9Bが備える発光部の光を通すことができる程度の大きさに形成されている。なお、大歯車62は、特許請求の範囲に記載した回動体に相当し、確認孔623A、623Bは、同じく確認位置目印部に相当する。
【0031】
第1フォトインタラプタ9Aは、例えば、赤外LEDからなる発光部と、該発光部に対向して配設されたフォトセンサからなる受光部と、を備え、発光部からの光の有無を受光部で検出することによって物体の位置を判定する、既存の電子部品である。第1フォトインタラプタ9Aは、大歯車62の円弧状の周縁部を発光部及び受光部で挟み込むようにして配設されている。また、第1フォトインタラプタ9Aは、ボールバルブ4が回動されて全閉位置となったときに段部621Aと重なり、又は、ボールバルブ4が全閉位置から全開位置に向かって第1角度K回動されたとき(以下、全開動作時確認位置。特許請求の範囲の確認位置に相当)に確認孔623Aと重なり、発光部からの光を受光部で検出するように、即ち、ボールバルブ4が全閉位置又は全開動作時確認位置になったときにオンし、それ以外のときにオフするように、大歯車62の段部621A及び確認孔623Aとの位置関係が定められている。なお、第1フォトインタラプタ9Aは、全閉動作において、特許請求の範囲に記載した停止位置センサに相当し、全開動作において、同じく確認位置センサに相当する。
【0032】
第2フォトインタラプタ9Bは、第1フォトインタラプタ9Aと同一のものであり、また、第1フォトインタラプタ9Aと同様に、大歯車62の円弧状の周縁部を発光部及び受光部で挟み込むようにして配設されている。第2フォトインタラプタ9Bは、ボールバルブ4が回動して全開位置となったときに段部621Bと重なり、又は、ボールバルブ4が全開位置から全閉位置に向かって第1角度K回動されたとき(以下、全閉動作時確認位置。特許請求の範囲の確認位置に相当)に確認孔623Bと重なり、発光部からの光を受光部で検出するように、即ち、ボールバルブ4が全開位置又は全閉動作時確認位置のときにオンし、それ以外のときにオフするように、大歯車62の段部621B及び確認孔623Bとの位置関係が定められている。なお、第2フォトインタラプタ9Bは、全閉動作において、特許請求の範囲に記載した確認位置センサに相当し、全開動作において、同じく停止位置センサに相当する。
【0033】
また、上ケース部2Bには、上ケース部2B内面から大歯車62に向かうように突出して成形されたボス部21が一体に設けられている。ボス部21は、図3に示すように、ボールバルブ4が全閉状態を超えて正常回転範囲外まで回動したときに、大歯車62の当接面622Aと当接して大歯車62の回動を止め、且つ、ボールバルブ4が全開状態を超えて正常回転範囲外まで回動したときに、大歯車62の当接面622Bと当接して大歯車62の回動を止めるものである。これによりボールバルブ4における異常な回動を防止することができ、異常な弁状態となることを回避することができる。
【0034】
表示部は、ガス遮断弁ユニット100の使用者に対してその動作状態等を通知するための部位であり、例えば、上ケース部2Bの表面に配設された2桁の7セグメントLED等の数値を表示する電子部品を備えており、ガス遮断弁ユニット100の各状態に対応した数値を表示するものである。本実施形態における一例を示すと、ガス遮断弁ユニット100が全開状態で正常に動作しているときは「00」を常時点灯表示し、また、ボールバルブ4の異常回動(回動不良)が検出されたときは「31」を点滅表示し、第1フォトインタラプタ9A又は第2フォトインタラプタ9B(即ち、停止位置センサ)の故障が検出されたときは「32」を点滅表示する。
【0035】
マイクロコンピュータ(以下、MPUという)10は、組み込み機器に適した周知の小型コンピュータであり、MPU10は、図4に示すように、予め定められたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)11と、CPU11のためのプログラム及び制御データ等を格納した読み出し専用のメモリであるROM12と、各種のデータを格納するとともにCPU11の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM13と、弁駆動用モータ5、第1フォトインタラプタ9A、及び、第2フォトインタラプタ9Bに接続され、それらとの間で制御情報を送受信するためのI/O部14と、を備えている。また、I/O部14は、図示しない表示部と接続されており、ガス遮断弁ユニット100の動作状態等を示す数値を表示部にて表示させる。
【0036】
図5に示すように、CPU11は、ROM12に格納されたプログラムに基づいて、(1)ボールバルブ4を全開位置から全閉動作時確認位置まで(あるいは、全閉位置から全開動作時確認位置まで)第1角度K回動させるように弁駆動用モータ5を駆動する第1駆動制御手段11a、(2)第1駆動制御手段11aによって弁駆動用モータ5が駆動されたあとに第2フォトインタラプタ9B(あるいは、第1フォトインタラプタ9A(即ち、確認位置センサ))によってボールバルブ4が全閉動作時確認位置(あるいは、全開動作時確認位置)にあることが検出されたとき、ボールバルブ4が全閉動作時確認位置(あるいは、全開動作時確認位置)まで正常に回動されたことを判定する正常回動判定手段11b、(3)第1駆動制御手段11aによって弁駆動用モータ5が駆動されたあとに、ボールバルブ4を全閉動作時確認位置から全閉位置まで(あるいは、全開動作時確認位置から全開位置まで)第2角度L回動させるように弁駆動用モータ5を駆動する第2駆動制御手段11c、(4)正常回動判定手段11bによってボールバルブ4が全閉動作時確認位置(あるいは、全開動作時確認位置)まで正常に回動されたことが判定されるとともに、第2駆動制御手段11cによって弁駆動用モータ5が駆動されたあとに第1フォトインタラプタ9A(あるいは、第2フォトインタラプタ9B(即ち、停止位置センサ))によってボールバルブ4が全閉位置(あるいは、全開位置)にあることが検出されなかったとき、第1フォトインタラプタ9A(あるいは、第2フォトインタラプタ9B)の故障を通知するセンサ故障通知手段11d、(5)第1駆動制御手段11aによって弁駆動用モータ5が駆動されたあとに第2フォトインタラプタ9B(あるいは、第1フォトインタラプタ9A)によってボールバルブ4が全閉動作時確認位置(あるいは、全開動作時確認位置)にあることが検出されなかったとき、ボールバルブ4が全閉動作時確認位置(あるいは、全開動作時確認位置)まで正常に回動されなかったことを判定する異常回動判定手段11e、及び、(6)異常回動判定手段11eによって、ボールバルブ4が正常に回動されなかったことが判定されたとき、ボールバルブ4の異常回動を通知する異常回動通知手段11f、として機能するものである。
【0037】
また、ROM12には、制御データとして、ボールバルブ4を全開位置から全閉動作時確認位置(あるいは、全閉位置から全開動作時確認位置)まで回動させるのに必要とされる第1角度K(例えば、30度)に対応した、弁駆動用モータ5を駆動するための第1角度パルス数(例えば、1200パルス)と、ボールバルブ4を全閉動作時確認位置から全閉位置(あるいは、全開動作時確認位置から全開位置)まで回動させるのに必要とされる第2角度L(例えば、75度)に対応した、弁駆動用モータ5を駆動するための第2角度パルス数(例えば、3000パルス)と、が格納されている。実際には、第1角度K及び第2角度Lは、回転力伝達機構6におけるバックラッシュなどの回動誤差を吸収できるように、若干のマージンを含む値が設定されている。
【0038】
また、RAM13には、ボールバルブ4が全閉動作時確認位置(あるいは、全開動作時確認位置)まで正常に回動されたことを示す正常回動情報を格納する正常回動情報領域が設けられており、例えば、ボールバルブ4が確認位置まで正常回動されたときは「0」が、正常回動されなかったときは「1」が格納される。
【0039】
次に、上述したCPU11が実行する本発明に係る遮断処理(全閉処理)の一例を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0040】
ガス遮断弁ユニット100に電源が投入されると、ボールバルブ4を全開位置に位置づけて全開状態にする等の所定の初期化処理がなされたのち、図示しないガス漏れ検出部によってガス漏れを検出する検出動作に移行する。その後、ガス漏れが検出されたとき、CPU11の処理がステップS110に進む。
【0041】
ステップS110では、弁体であるボールバルブ4を全閉位置に向かって、予め定められた単位角度(例えば、1度)回動させるように、弁駆動用モータ5に対してこの単位角度に対応した個数のパルス(例えば、40個)を送信する。そして、ステップS120に進む。
【0042】
ステップS120では、ステップS110においてボールバルブ4を回動させた角度を積算して、即ち、ステップS110において弁駆動用モータ5に送信したパルス個数を積算して、その積算したパルス個数とROM12に格納された第1角度パルス数とを比較する。そして、積算したパルス個数が第1角度パルス数以上のときは、ボールバルブ4が第1角度K回動されたものとしてステップS130に進み(S120でY)、積算したパルス個数が第1角度パルス数未満のときは、ボールバルブ4を再度単位角度回動させるためステップS110に進む(S120でN)。
【0043】
ステップS130では、ボールバルブ4が全閉動作時確認位置に正常に到達したかを判定し、即ち、第2フォトインタラプタ9Bのオン/オフを判定して、オンのときはボールバルブ4が正常に全閉動作時確認位置に到達したものとして、RAM13の正常回動情報領域に「0」を格納したのちステップS150に進み(S130でY)、オフのときはボールバルブ4が全閉動作時確認位置に到達していない、即ち、ボールバルブ4の回動に異常があるものとして、正常回動情報領域に「1」を格納したのちステップS140に進む(S130でN)。
【0044】
ステップS140では、I/O部14を介して、表示部にボールバルブ4の異常回動を示す数値「31」を点滅表示させる。そして、ステップS150に進む。
【0045】
ステップS150では、ボールバルブ4を全閉位置に向かって、予め定められた単位角度(例えば、1度)回動させるように、弁駆動用モータ5に対してこの単位角度に対応した個数のパルス(例えば、40個)を送信する。そして、ステップS160に進む。
【0046】
ステップS160では、ボールバルブ4が全閉位置に到達したかを判定し、即ち、第1フォトインタラプタ9Aのオン/オフを判定して、オンのときはボールバルブ4が全閉位置に到達したものとして本フローチャートの処理を終了し(S160でY)、オフのときはボールバルブ4が全閉位置に到達していないものとしてステップS170に進む(S160でN)。
【0047】
ステップS170では、ステップS150においてボールバルブ4を回動させた角度を積算して、即ち、ステップS150において弁駆動用モータ5に送信したパルス個数を積算して、その積算したパルス数とROM12に格納された第2角度パルス数とを比較する。そして、積算したパルス個数が第2角度パルス数以上のときは、ボールバルブ4が第2角度L回動されたものとしてステップS180に進み(S170でY)、積算したパルス個数が第2角度パルス数未満のときは、ボールバルブ4を再度単位角度回動させるためステップS150に進む(S170でN)。
【0048】
ステップS180では、ボールバルブ4が弁閉動作時確認位置まで正常に回動されていたかを判定し、即ち、ボールバルブ4の異常回動の通知が既に行われたかどうかを判定する。詳細には、RAM13の正常回動情報領域に格納された値を読み出して、その値が「0」のときは、ボールバルブ4が弁閉動作時確認位置まで正常に回動されていた(ボールバルブ4の異常回動の通知が行われていない)ものとしてステップS190に進み(S180でY)、その値が「1」のときは、ボールバルブ4が弁閉動作時確認位置まで正常に回動されていない(ボールバルブ4の異常回動の通知が行われている)ものとして本フローチャートの処理を終了する(S180でN)。
【0049】
ステップS190では、I/O部14を介して、表示部に第1フォトインタラプタ9A(即ち、停止位置センサ)の故障を示す数値「32」を点滅表示させる。そして、本フローチャートの処理を終了する。
【0050】
なお、ステップS110、S120が、特許請求の範囲に記載した第1駆動制御手段に相当し、ステップS130が、同じく正常回動判定手段及び異常回動判定手段に相当し、ステップS140が、同じく異常回動通知手段に相当し、ステップS150、S170が、同じく第2駆動制御手段に相当し、ステップS190が、同じくセンサ故障通知手段に相当する。また、上記はボールバルブ4を全開位置から全閉位置まで回動させる全閉処理について説明したものであるが、ボールバルブ4を全閉位置から全開位置まで回動させる全開処理についても、全閉位置と全開位置とが入れ替わり、全閉動作時確認位置と全開動作時確認位置とが入れ替わり、第1フォトインタラプタ9Aと第2フォトインタラプタ9Bとが入れ替わる以外は上記と同様の処理が行われる。
【0051】
次に、ガス遮断弁ユニット100における、本発明に係る遮断動作(全閉動作)の一例を、図7〜図10を参照して説明する。
【0052】
図7(A)は、ボールバルブ4が全開位置にある状態を示す図であり、図7(B)は、そのときの第1フォトインタラプタ9A、第2フォトインタラプタ9B、及び、大歯車62の位置関係を示す図である。図8(A)は、ボールバルブ4が全開位置から全閉位置に向かって第1角度K回動された全閉動作時確認位置にある状態を示す図であり、図8(B)は、そのときの第1フォトインタラプタ9A、第2フォトインタラプタ9B、及び、大歯車62の位置関係を示す図である。図9(A)は、ボールバルブ4が全閉位置にある状態を示す図であり、図9(B)は、そのときの第1フォトインタラプタ9A、第2フォトインタラプタ9B、及び、大歯車62の位置関係を示す図である。図10(A)は、ボールバルブ4が全閉位置から全開位置に向かって第1角度K回動された全開動作時確認位置にある状態を示す図であり、図10(B)は、そのときの第1フォトインタラプタ9A、第2フォトインタラプタ9B、及び、大歯車62の位置関係を示す図である。
【0053】
図7に示すように、ボールバルブ4が全開位置にあるとき、第1フォトインタラプタ9Aは、その発光部と受光部との間に大歯車62の円弧状の周縁部が位置づけられており、即ち、発光部の光が遮られて第1フォトインタラプタ9Aはオフされている。このことは、ボールバルブ4が全閉位置にないことを示している。また、第2フォトインタラプタ9Bは、その発光部と受光部との間に段部621Bが第1フォトインタラプタ9A寄りにわずかにずれて位置づけられており、即ち、発光部の光が受光部に到達して第2フォトインタラプタ9Bはオンされている。このことは、ボールバルブ4が全開位置にあることを示している(即ち、全開状態)。そして、この全開状態においてガス漏れが検出されると、弁駆動用モータ5によって、大歯車62が、段部621Aを第1フォトインタラプタ9Aに近づける方向に回動され始める(S110)。また、大歯車62とボールバルブ4とは駆動軸7及び従動軸41とで連結されているのでそれぞれ同期して回動される。
【0054】
全開状態において大歯車62が回動されると、大歯車62の円弧状の周縁部に第2フォトインタラプタ9Bの発光部の光が遮られて、第2フォトインタラプタ9Bがオフされ、そして、図8に示すように、ボールバルブ4が第1角度Kまで回動されると(S120)、第2フォトインタラプタ9Bの位置に重ねて確認孔623Bが位置づけられ、その発光部の光が受光部に到達して第2フォトインタラプタ9Bがオンされる(S130)。そして、さらにボールバルブ4の回動が進む(S150)と確認孔623Bが第2フォトインタラプタ9Bから離れて第2フォトインタラプタ9Bが再びオフされ、その後、第1フォトインタラプタ9Aがオンするまで(S160)、あるいは、ボールバルブ4の回動角度が第2角度Lに達するまで(S170)、ボールバルブ4が回動される。そして、図9に示すように、第1フォトインタラプタ9Aがオンすることなくボールバルブ4の回動角度が第2角度Lに達したとき、第1フォトインタラプタ9Aの故障を示す数値「32」が表示部に点滅表示される(S190)。
【0055】
また、全開状態において大歯車62が回動されたとき、ボールバルブ4の固着や回転力伝達機構6の経年劣化などにより、ボールバルブ4が第1角度K回動されたにもかかわらず第2フォトインタラプタ9Bがオフのまま(S130)のとき(即ち、弁駆動用モータ5の駆動のみ行われ実際にはボールバルブ4が回動していない状態)、ボールバルブ4の異常回動を示す数値「31」が表示部に点滅表示される(S140)。なお、上記は全閉動作に関するものであったが、全開動作についても、上記において、全閉位置と全開位置とが入れ替わり、第1フォトインタラプタ9Aと第2フォトインタラプタ9Bとが入れ替わり、段部621Aと段部621Bとが入れ替わり、確認孔623Aと確認孔623Bとが入れ替わる以外は上記と同様である(図9、図10)。
【0056】
以上より、本発明によれば、全閉動作において、ボールバルブ4が全開位置から全閉動作時確認位置まで正常に回動されたのち、ボールバルブ4が引き続き全閉動作時確認位置から全閉位置まで回動されたあとに第1フォトインタラプタ9Aによってボールバルブ4が全閉位置にあることが検出されなかったとき、第1フォトインタラプタ9Aの故障を通知するので、つまり、ボールバルブ4が全開位置から全閉動作時確認位置まで正常に回動されたのであれば、その後の全閉動作時確認位置から全閉位置までのボールバルブ4の回動についても正常に行われている可能性が高く、そのため、ボールバルブ4が全閉動作時確認位置まで正常に回動されたにもかかわらず全閉位置まで回動されたことが検知できなかったときは、ボールバルブ4自体は正常に回動されているものの第1フォトインタラプタ9Aが故障しているためボールバルブ4が全閉位置にあることが検出できないものと判断して、この判断に基づいて第1フォトインタラプタ9Aの故障を通知するので、ガス遮断弁ユニット100に生じた異常原因を容易に確認することができる。
【0057】
また、ボールバルブ4を、全開位置から全閉動作時確認位置まで回動するように弁駆動用モータ5を駆動し、そのあと、全閉動作時確認位置から全閉位置まで回動するように弁駆動用モータ5を駆動するので、全閉位置を超えて必要以上にモータが駆動されることがなく、ボールバルブ4の回動異常や第1フォトインタラプタ9Aの故障によりボールバルブ4が全閉位置にあることが検出されない場合においても、弁駆動用モータ5が駆動され続けることを防止することができる。
【0058】
また、ボールバルブ4を全開位置から全閉動作時確認位置まで回動するように弁駆動用モータ5を駆動したにもかかわらずボールバルブ4が全閉動作時確認位置にあることが検出できなかったときに、ボールバルブ4の回動に異常があるものとしてその旨通知するので、つまり、ボールバルブ4の固着やその回動機構の不具合などによりボールバルブ4の回動に異常が生じたものと判断して、この判断に基づいてボールバルブ4の異常回動(回動不良)を通知するので、ガス遮断弁ユニット100に生じた異常原因を容易に確認することができる。
【0059】
また、ボールバルブ4が全閉動作時確認位置まで正常に回動されたことを確認する確認位置センサとして、元々備えられている第2フォトインタラプタ9Bを用いているので、別途確認位置センサを設ける必要がなく、異常原因を容易に確認することができるガス遮断弁ユニット100を安価に提供することができる。(なお、全開動作についても、全開位置と全閉位置とが入れ替わり、全閉動作時確認位置と全開動作時確認位置とが入れ替わり、第1フォトインタラプタと第2フォトインタラプタとが入れ替わる以外は上記と同様である)
【0060】
なお、本実施形態においては、全閉動作及び全開動作それぞれにおいて、ボールバルブ4の異常回動の通知、停止位置センサの故障の通知を行っているが、全閉動作と全開動作とのいずれか一方の動作時のみ、これら各通知を行うようにしてもよい。
【0061】
また、確認位置センサとして、元々備えられている第2フォトインタラプタ9B、及び、第1フォトインタラプタ9Aを用いているが、これらとは別体の確認位置センサを配設しても良い。
【0062】
また、ボールバルブ4の異常回動を通知したあとにボールバルブ4を第2角度L回動させるように弁駆動用モータ5を駆動しているが、この状態において既に異常が発生しているので、例えば、異常回動通知後の弁駆動用モータ5の駆動を行わないようにしてもよい。
【0063】
また、第1角度K、第2角度Lについては、ガス遮断弁ユニットの構成に適した値を設定する必要がある。なお、第1角度Kを大きくするほど、停止位置センサの故障検出の確度を高めることができる。また、全閉動作及び全開動作における確認孔はそれぞれ1つずつであったが、確認孔を複数個設けても良く、そのようにすることで、ガス遮断弁ユニットの回動異常や故障の検出精度を高めることができる。
【0064】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態を示すガス遮断弁ユニットの断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】大歯車の回転範囲を示す図である。
【図4】マイクロコンピュータの構成及び接続を示すブロック図である。
【図5】マイクロコンピュータの機能を示すブロック図である。
【図6】マイクロコンピュータのCPUにおける本発明に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】(A)は、ボールバルブが全開位置にある状態を示す図であり、(B)は、この状態での、第1フォトインタラプタ、第2フォトインタラプタ、及び、大歯車の位置関係を示す図である。
【図8】(A)は、ボールバルブが全閉動作時確認位置にある状態を示す図であり、(B)は、この状態での、第1フォトインタラプタ、第2フォトインタラプタ、及び、大歯車の位置関係を示す図である。
【図9】(A)は、ボールバルブが全閉位置にある状態を示す図であり、(B)は、この状態での、第1フォトインタラプタ、第2フォトインタラプタ、及び、大歯車の位置関係を示す図である。
【図10】(A)は、ボールバルブが全開動作時確認位置にある状態を示す図であり、(B)は、この状態での、第1フォトインタラプタ、第2フォトインタラプタ、及び、大歯車の位置関係を示す図である。
【図11】従来のガス遮断弁を示す断面図である。
【図12】図11のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 弁体部
2 弁駆動部
4 ボールバルブ(弁体)
5 弁駆動用モータ(モータ)
6 回転力伝達機構
9A 第1フォトインタラプタ(停止位置センサ、確認位置センサ)
9B 第2フォトインタラプタ(確認位置センサ、停止位置センサ)
10 マイクロコンピュータ
11a 第1駆動制御手段(CPU)
11b 正常回動判定手段(CPU)
11c 第2駆動制御手段(CPU)
11d センサ故障通知手段(CPU)
11e 異常回動判定手段(CPU)
11f 異常回動通知手段(CPU)
62 大歯車(回動体)
623A、623B 確認孔(確認位置目印部)
100 ガス遮断弁ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス配管に接続される流路と、前記流路に回動可能に組み込まれ且つ回動により前記流路を開閉する弁体と、前記弁体を回動させるモータと、前記弁体が所定の停止位置にあることを検出する停止位置センサと、を有し、前記弁体を所定の開始位置から前記停止位置に向かって回動させるように前記モータを駆動し、前記停止位置センサによって前記弁体が前記停止位置にあることが検出されたとき前記モータの駆動を停止するガス遮断弁ユニットにおいて、
前記モータによって前記弁体とともに回動される回動体と、
前記回動体に設けられ且つ前記弁体が前記開始位置と前記停止位置との間で任意に定められた確認位置にあることを示す確認位置目印部と、
前記確認位置目印部を用いて前記弁体が前記確認位置にあることを検出する確認位置センサと、
前記弁体を前記開始位置から前記確認位置まで回動させるように前記モータを駆動する第1駆動制御手段と、
前記第1駆動制御手段によって前記モータが駆動されたあとに前記確認位置センサによって前記弁体が前記確認位置にあることが検出されたとき、前記弁体が前記確認位置まで正常に回動されたことを判定する正常回動判定手段と、
前記第1駆動制御手段によって前記モータが駆動されたあとに、前記弁体を前記確認位置から前記停止位置まで回動させるように前記モータを駆動する第2駆動制御手段と、
前記正常回動判定手段によって前記弁体が前記確認位置まで正常に回動されたことが判定されるとともに、前記第2駆動制御手段によって前記モータが駆動されたあとに前記停止位置センサによって前記弁体が前記停止位置にあることが検出されなかったとき、前記停止位置センサの故障を通知するセンサ故障通知手段と、を有している
ことを特徴とするガス遮断弁ユニット。
【請求項2】
前記第1駆動制御手段によって前記モータが駆動されたあとに前記確認位置センサによって前記弁体が前記確認位置にあることが検出されなかったとき、前記弁体が前記確認位置まで正常に回動されなかったことを判定する異常回動判定手段と、
前記異常回動判定手段によって、前記弁体が正常に回動されなかったことが判定されたとき、前記弁体の異常回動を通知する異常回動通知手段と、を有していることを特徴とする請求項1に記載のガス遮断弁ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−299804(P2009−299804A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155529(P2008−155529)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【Fターム(参考)】