説明

ガラス−プラスチックグレージング製品用の耐損傷性オリゴマー系コーティング

本発明は、耐損傷性仕上げ塗装を含むガラス積層物品に関する。本発明の積層体は傷を防止し、容易に修復可能であり、さらに約40℃を超える温度で自己修復可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傷防止性および耐損傷性のオリゴマーコーティングを有する合わせガラス物品、およびそのような物品の製造方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2003年9月2日に出願された米国仮出願第60/499,949号明細書の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
自動車の仕上げなどにおいてベースコート/仕上げ塗装系が従来使用されている。このような系は、自動車の塗装および仕上を保護することを意図している。自動車仕上用の修復可能な耐損傷性コーティングが公知であり、たとえば米国特許公報(特許文献1)および米国特許公報(特許文献2)に記載されている。
【0004】
透明ガラス積層体用のコーティングが公知である。たとえば、ポリシロキサンは、フロントガラス積層体のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上の硬質コーティングとして有用となりうる。しかし、ポリシロキサンコーティングは、とがった物体によって永久に傷が残る可能性がある。時間とともにひっかき傷が蓄積することで透明な積層体の工学的品質が大きく低下しうる。さらに、ポリシロキサンコーティングは、2.8μmを超える厚さで積層体に塗布することができず、さもないとコーティングされたフィルムの日常的な取扱いによって亀裂が生じうる。
【0005】
透明積層体用の修復可能なコーティングは公知である。たとえば、2層コートとしてフロントガラスに接着適用可能な予備成形された傷防止性で自己修復可能なポリウレタンシートが、米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献4)、および米国特許公報(特許文献5)に記載されている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,827,910号明細書
【特許文献2】米国特許第6,376,596 B1号明細書
【特許文献3】米国特許第4,784,916号明細書
【特許文献4】米国特許第4,671,838号明細書
【特許文献5】米国特許第4,652,494号明細書
【特許文献6】国際公開第9744402号パンフレット
【特許文献7】米国特許出願公開第2002/0061395 A1号明細書
【特許文献8】米国特許第4,973,511号明細書
【非特許文献1】本願特許出願人の技術報告第17番の表題「ポリエステル接着剤」(DuPont Technical Bulletin No. 17 entitled “Polyester Adhesives”)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様においては、本発明は、仕上げ塗装/ポリマーフィルム二重層を含むガラス積層物品に関し、この仕上げ塗装は、成分(1)および(2)の組み合わせから得られる傷防止コーティング組成物であり、成分(1)が、ヒドロキシル官能性または無水物官能性のいずれかであるオリゴマー化合物からなる群より選択されるオリゴマー化合物を含み、成分(2)は、イソシアネートオリゴマーまたはエポキシ官能性の化合物のいずれかである。
【0008】
別の態様においては、本発明は、2つの成分(1)および(2)を混合して仕上げ塗装組成物を得る工程と;(b)この仕上げ塗装組成物をポリマーフィルム上に塗布することによってポリマーフィルムをコーティングする工程と;(c)ポリマーフィルム上の仕上げ塗装組成物を硬化させて、コーティングして硬化させたフィルムを得る工程と;(d)コーティングして硬化させたフィルムを、少なくとも1つのガラス層を含む積層物上に積層して、ガラス積層体を得る工程とを含み;上記仕上げ塗装組成物が傷防止コーティング組成物であり、その成分(1)が、ヒドロキシル官能性または無水物官能性のいずれかであるオリゴマー化合物からなる群より選択されるオリゴマー化合物を含み、成分(2)が、イソシアネートオリゴマーまたはエポキシ官能性の化合物のいずれかであるガラス積層物品の製造方法に関する。
【0009】
さらに別の実施態様においては、本発明は、2つの成分(1)および(2)を混合して仕上げ塗装組成物を得る工程と;(b)この仕上げ塗装組成物をポリマーフィルム上に塗布することによってポリマーフィルムをコーティングする工程と;(c)ポリマーフィルム上の仕上げ塗装組成物を硬化させて、コーティングして硬化させたフィルムを得る工程と;(d)コーティングして硬化させたフィルムの第2の側に接着剤組成物のコートを塗布する工程と、(e)硬化させたフィルムの接着剤をコーティングした面を、少なくとも1つのガラス層を含む基材の表面と接触させることによって、硬化させたフィルムを基材に適用して、ガラス積層体を得る工程とを含み;上記仕上げ塗装組成物が傷防止コーティング組成物であり、その成分(1)が、ヒドロキシル官能性または無水物官能性のいずれかであるオリゴマー化合物からなる群より選択されるオリゴマー化合物を含み、成分(2)が、イソシアネートオリゴマーまたはエポキシ官能性の化合物のいずれかであるガラス積層物品の製造方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
一実施態様においては、本発明は、耐損傷性仕上げ塗装を含むガラス積層体に関する。本発明のガラス積層体は、少なくとも1つの熱可塑性ポリマー中間層に積層された少なくとも1つのガラス層を含む。この熱可塑性ポリマー中間層は、ガラス積層体の製造において周知であり従来使用されていたあらゆるポリマー材料であってよい。たとえば、熱可塑性ポリマーは、(i)ポリウレタン(PU)、(ii)ポリカーボネート(PC)、(iii)ポリビニルブチラール(PVB)、(iv)ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、または(v)エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合で得られるエチレン酸コポリマー、またはその誘導体から選択することができる。種々の従来の中間層材料の組み合わせを本発明の実施に使用することができる。好ましくは、中間層材料は、PVBおよびエチレン酸コポリマーまたはその誘導体から選択される。本発明の実施に有用となる好適な酸誘導体は当業者に周知であり、エステル、塩、無水物、アミドなどが挙げられる。酸コポリマーは、完全または部分的に中和させて塩(または部分塩)にすることができる。完全または部分的に中和した酸コポリマーは従来、アイオノマーとして知られている。好適なコポリマーは、エチレン系不飽和カルボン酸のエステルとなることができる第3のモノマー成分を場合により含むことができる。本発明の実施に有用な好適な酸コポリマーは、たとえば、本願特許出願人より商品名サーリン(Surlyn)(登録商標)およびニュクレル(Nucrel)(登録商標)などを商業的に購入することができる。
【0011】
本発明の積層体は、ガラスに積層されない第2の表面上で中間層に積層される第2のポリマー層をさらに含む。第2のポリマー層は、澄んでいるか透明かであり、中間層および仕上げ塗装組成物に接着させることが可能なあらゆるポリマー層であってよく、たとえばポリウレタン、PET、およびエチレン/酸コポリマーなどであってよい。第2のポリマー層として本発明の実施に好ましいものはPETである。
【0012】
仕上げ塗装は、第2のポリマー層の上にコーティングされる。仕上げ塗装は、(A)少なくとも1種のヒドロキシル含有オリゴマーと少なくとも1種のイソシアネートオリゴマーとの組み合わせ、または(B)少なくとも1種の無水物含有オリゴマーと少なくとも1種のエポキシド含有化合物との組み合わせのいずれかより形成することができる。本発明の実施に使用すると好適なオリゴマーは、特に、(特許文献6)および米国特許公報(特許文献1)に記載されており、これらに記載されるようにして得ることができる。
【0013】
好適なヒドロキシ含有オリゴマーは、ペンタエリスリトール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、類似の化合物、またはそれらの混合物などの多官能性アルコールを、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸などの環状モノマー無水物と反応させ、こうして得られた酸オリゴマーを、ブチレンオキシド、プロピレンオキシド、類似の化合物、またはそれらの混合物などの一官能性エポキシ化合物とさらに反応させることによって得ることができる。本発明の実施に使用すると好適なヒドロキシル含有オリゴマーは、約300〜約3,000の範囲の分子量を有することができる。好ましくは、ヒドロキシル含有オリゴマーの分子量は約400〜約2,500の範囲である。より好ましくは、この分子量は約450〜約2,000の範囲であり、最も好ましくは約500〜約1,500の範囲である。
【0014】
好適なイソシアネートオリゴマーは、たとえば、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート三量体;バイエル(Bayer)より入手可能なデスモジュール(DESMODUR)(登録商標)3300;ローディア(Rhodia)より入手可能なトロネート(Tolonate)(登録商標)HDT;およびイソホロンジアミンのイソシアヌレート三量体などである。
【0015】
好適な無水物オリゴマーは、一般式:R−CO−O−CO−(R’−CO−O−CO)−Rで表される構造を有する線状無水物であり、式中、Rは2〜50個の炭素原子を有する一置換炭化水素基であり、R’は2〜50個の炭素原子を有する二置換炭化水素基であり、炭化水素基RおよびR’は、エーテル結合、ウレタン結合、またはエステル結合を含有する場合も含有しない場合もあり、nは1〜500の整数である。(1)中心部分と、(2)各中心部分に結合する2つ以上の非環状無粋物部分とを含む約2000未満の分子量を有する無水物も好適である。無水物(b)型無水物として使用すると好適な無水物は、ペンタエリスリトール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパンなどの多官能性アルコールを、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸などの環状モノマー無水物と反応させ、こうして得られた酸オリゴマーをケテンとさらに反応させることによって得ることができる。
【0016】
好適なエポキシオリゴマーは、たとえば、チバ・ガイギー(Ciba Geigy)のアラルダイト(Araldite)(登録商標)CY−184などのシクロヘキサンジカルボン酸のジグリシジルエステル、およびユニオン・カーバイド(Union Carbide)より入手可能なERL(登録商標)−4221などの脂環式エポキシなどである。別の実施態様においては、本発明は、仕上げ塗装組成物を調製する工程を含む清掃帯の製造方法に関する。本発明の仕上げ塗装は、少なくとも1種のオリゴマー成分(1)化合物を、少なくとも1種のオリゴマー成分(2)化合物と混合することによって得ることができる。成分(1)がヒドロキシル含有オリゴマーである場合は、成分(2)はイソシアネート含有オリゴマーであることが好ましく、成分(1)が無水物含有オリゴマーである場合は、成分(2)がエポキシド含有オリゴマーであることが好ましい。たとえば、少なくとも1種の好適なヒドロキシル含有オリゴマーを、少なくとも1種の好適なイソシアネートオリゴマーと混合することができる。これらのイソシアネートオリゴマーおよびヒドロキシルオリゴマーは、存在するすべてのヒドロキシル官能性がイソシアネート官能性と反応する化学量論比で混合することができ、すなわち、すべてのヒドロキシル官能基が反応した後で、わずかに化学量論的過剰のイソシアネートが存在する。しかし好ましくは、すべてのイソシアネート官能基が反応した後である程度ヒドロキシル官能基が残留するように、化学量論的過剰のヒドロキシル成分が加えられる。本明細書において使用されるモル当量は、成分(1)などの反応物が、成分(2)などの1モルの別の反応物と完全に反応するために必要なモル数である。当量比は、実際に存在する反応物のモル数を、完全な反応に必要なモル数で割ることによって当業者により容易に決定することが可能な比である。ヒドロキシルオリゴマーのイソシアネートオリゴマーに対する当量比(HY:ISO)は0.60を超える。好ましくはこの比は約0.70〜約1.50の範囲であり、より好ましくは約0.80〜約1.40の範囲であり、最も好ましくは約0.90〜約1.35の範囲である。特に好ましい実施態様においては、テトラヒドロキシルオリゴマーの場合、ヒドロキシルオリゴマーのイソシアネートオリゴマーに対する当量比が約1.10〜約1.35の範囲となる。驚くべきことに、HY:ISOの比が大きいと、より低温で傷および切り目の回復が速くなることが分かった。好ましくは、すべての無水物が反応した後で過剰のエポキシが残留するような化学量論比で、無水物オリゴマーは、エポキシド含有オリゴマーと混合される。好ましくは、エポキシオリゴマーの無水物に対する当量比は少なくとも0.70であり、好ましくは約0.70〜約1.40である。より好ましくは、エポキシドの無水物に対する当量比は約0.90〜約1.30であり、最も好ましくは約1.00〜約1.25である。
【0017】
仕上げ塗装成分(1)および(2)は、ポリマーフィルムに塗布する直前に混合されることが好ましい。好ましくは、ポリマーフィルムに塗布する前の約60分未満に成分(1)および(2)が混合される。仕上げ塗装をポリマーフィルムに塗布した後で、仕上げ塗装を硬化させるため加熱環境に置く前に、室温で典型的には30分未満コーティングを静置することができる。このコーティングは、少なくとも約100℃の温度、好ましくは120℃を超える温度、最も好ましくは約125℃を超え約150℃未満の温度で硬化させることができる。
【0018】
本明細書に記載されるようにして得られたコーティングして硬化させたポリマーフィルムは、くもりが少なく良好な透視鮮明度を有する光学的に透明なフィルムである。
【0019】
硬化した仕上げ塗装を含む積層体は、コーティングしたポリマーフィルムを、本明細書に記載の好適な材料に積層することによって得ることができる。本発明で使用される積層方法は、当技術分野において周知である、または従来使用されるあらゆる方法であってよい。しかし、好ましい積層方法は、積層体の構造および/または積層体の形成に使用される材料などの積層に関する具体的な詳細に依存しうる。たとえば、積層組立体は、好適な材料を使用し、それらを組立体に望ましい順序で配置することによって構成することができる。好ましくは、本発明の実施において、仕上げ塗装フィルムの露出面を覆い保護するためにガラスカバープレートが使用される。場合によっては、組立体をバッグの中に入れ、そのバッグを真空チャンバー中に入れて、バッグおよびチャンバーからできるだけ空気を除去した後、減圧下で維持しながらバッグを封止することが望ましい場合がある。真空バッグに入れても入れなくても、次に積層組立体は、90〜150℃に設定したオーブン中で少なくとも約20分加熱することができる。このオーブンは、約125℃を超える温度および約12気圧を超える圧力に組立体をさらすことができるオートクレーブであってもよい。その厳密な時間は使用される条件に依存する場合があるが、オートクレーブの冷却および圧抜きの前に、少なくとも約9分間は温度および圧力が所望のレベルで維持される。
【0020】
好ましい実施態様においては、本発明の積層体は、ポリマーフィルムのコーティングしていない面、すなわちガラス面との積層を意図する面に接着剤組成物をコーティングした後、ポリマーフィルムの接着剤をコーティングした面をガラス面と接触させることによって得ることができる。この接着剤は、湿気活性化接着剤であってよい。このような場合、ガラス面および/またはポリマーフィルムの接着剤をコーティングした面のいずれかまたは両方は、これら2つの面を接触させる前に濡らすことができる。場合によっては、ガラスをポリマーフィルムの接着剤をコーティングした面と接触させる前に、ガラス面を濡らすことが好ましいことがある。他の場合では、ポリマーフィルムの接着剤をコーティングした面を濡らすことが好ましいことがある。さらに別の場合では、互いに接触させる前に両方の面を濡らすことが好ましいことがある。たとえば、本願特許出願人より入手可能なエルバノール(Elvanol)(登録商標)ポリビニルアルコールの水性混合物が、水活性化接着剤としての本発明での使用に適している場合がある。
【0021】
水活性化が不要である他の接着剤を使用することもできる。たとえば、米国特許公報(特許文献7)には、本発明での使用に適した接着剤が記載されている。好ましい実施態様においては、積層体によって吸収された、または取り込まれた水によって発生しうる問題を回避するために、水を含まない接着剤および/または水による活性化が不要である接着剤が望ましい場合もある。
【0022】
いずれの場合も、本発明の目的に適した接着剤は公知である。たとえば好適な接着剤が、米国特許公報(特許文献8)に記載されている。好適な接着剤は、透明な接着剤であり、(非特許文献1)に記載されているポリエステル接着剤、特にその中の接着剤No.46960、46971、および46690;「バーサロン」(Versalon)1140(ゼネラル・ミルズ(General Mills))などのポリアミド接着剤;および/または安全合わせガラスの構成に従来使用されるビニル樹脂系接着剤などを挙げることができる。
【0023】
さらに別の実施態様においては、本発明は、本発明の耐損傷性コーティングがコーティングされたポリマーフィルムを含む積層体であって、このポリマーフィルムは、ガラスと直接接着され、ガラスとコーティングされたポリマーフィルムとの間に熱可塑性中間層の中間層を有さない積層体に関する。たとえばこれは、積層体構造からPVBが排除され、コーティングされたPETフィルムがガラスに接着される一部の用途に望ましい場合がある。
【0024】
本発明は、優れた耐久性、耐衝撃性、靭性、および中間層の切断、傷、切り目などに対する抵抗性を有する。傷付いた本発明の積層体は、積層体の仕上げ塗装層を加熱することによって容易に修復することができる。本発明のコーティングされた積層体上に生じたする傷は、傷付いた積層体を少なくとも約30°の温度で少なくとも約15分加熱することによって除去(修復)することができる。好ましくは、この積層体の表面は少なくとも約35℃の温度で少なくとも約30分加熱され、より好ましくは40℃で少なくとも約30分加熱される。さらにより好ましくは、傷付いた積層体は、少なくとも約60℃の温度で少なくとも約45分加熱される。最も好ましくは、傷付いた積層体は、積層体表面を少なくとも約70℃の温度で少なくとも約60分加熱することによって修復することができる。
【0025】
本発明の積層体は、フロントガラスおよび/またはサイドライト(sidelite)および/またはムーンルーフなどとして自動車において有用となりうる。本発明の積層体は、建築物などの建築用途においても特に有用となりうる。本発明の積層体は、容易に清浄にすることができ、剥落、および発射体による貫入に対して抵抗性である。
【実施例】
【0026】
実施例は説明のみを目的としており、本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【0027】
(実施例1)
71.1重量%のパート1を28.9重量%のパート2と混合することによってコーティング配合物(A)を調製した。パート1は、56.87重量%のテトラヒドロキシルオリゴマー(米国特許公報(特許文献2)の手順1に記載のようにして得た)と、0.68重量%の、ビックケミー(Byk Chemie)より入手可能なプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中の10%BYK 301と、2.8重量%の、メチルエチルケトン中の1%ジブチルスズジラウレートの混合物と、10.75重量%の酢酸ブチルとからなる。パート2は、ローディア(Rhodia)より入手可能なヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート三量体であるトロネート(Tolonate)(登録商標) HDT LVである。重量パーセント値は、パート1およびパート2を合わせた全重量を基準にしている。
【0028】
(実施例2)
72.04重量%のパート1を27.96重量%のパート2と混合することによってコーティング配合物(B)を調製した。パート1は、28.73重量%のテトラヒドロキシルオリゴマー(米国特許公報(特許文献2)の手順1に記載のようにして得た)と、29.09重量%のジヒドロキシオリゴマー(米国特許公報(特許文献2)の手順2に記載のようにして得た)と、0.68重量%の、ビックケミー(Byk Chemie)より入手可能なプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中の10%BYK 301と、2.77重量%の、メチルエチルケトン中の1%ジブチルスズジラウレートの混合物と、10.77重量%の酢酸ブチルとからなる。パート2は、ローディア(Rhodia)より入手可能なヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート三量体であるトロネート(Tolonate)(登録商標) HDT LVである。重量パーセント値は、パート1およびパート2を合わせた全重量を基準にしている。基材表面に塗布する直前にパート1およびパート2を混合する。
【0029】
(実施例3)
65.79重量%のパート1を34.21重量%のパート2と混合することによってコーティング配合物(D)を調製した。パート1は、26.17重量%のペンダント基含有無水物樹脂(米国特許公報(特許文献1)の実施例1Aに記載される)と、24.53重量%の線状無水物(米国特許公報(特許文献1)の実施例1Bに記載される)と、1.23重量%の、ビックケミー(Byk Chemie)より入手可能なプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中の10%BYK 301と、1.23重量%の、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中の25%テトラブチルホスホニウムクロリドの混合物と、1.45重量%の、メチルエチルケトン中の25%ナイアックスA−99(Niax A−99)(ユニオン・カーバイド(Union Carbide)より入手可能な第3級アミン)の混合物と、7.86重量%の酢酸ブチルとからなる。パート2は、チバ・ガイギー(Ciba−Geigy)よりアラルダイト(Araldite)(登録商標)CY−184として入手可能な1,2−シクロヘキサンジカルボン酸のジグリシジルエステルである。重量パーセント値は、パート1およびパート2を合わせた全重量を基準にしている。基材表面に塗布する直前にパート1およびパート2を混合する。
【0030】
(実施例4〜8)
実施例1〜3のコーティング組成物A、B、およびDのそれぞれを、接着性を改善するためにあらかじめ表面の火炎処理を行っておいた4ミルのポリエチレンテレフタレートフィルム上にコーティングした。これらのコーティングしたフィルム試料を、コーティング後室温で5〜10分維持した後、140℃で30分焼き付けを行ってコーティングを硬化させた。これらのコーティング厚さは、表1に記載の通りに変動させた。傷挙動、耐摩耗性、コーティング接着力、およびコーティング接着力に対する沸騰水に浸漬することの影響、ならびにヘイズを、後述の方法に試験した。これらの試験結果は以下の表1〜4に示している。
【0031】
(実施例9〜14)
実施例1〜2のコーティング組成物AおよびBのそれぞれを、リソースI(RESOURCE I)実験室用コーター装置に取り付けた30番巻線ロッドを使用して、接着性を改善するためにあらかじめ表面の火炎処理を行っておいた4ミルのポリエチレンテレフタレートフィルムの上にコーティングした。これらのコーティングしたフィルム試料を、コーティング後室温で10分維持した後、熱風オーブン中100℃、120℃、または140℃のいずれかで30分焼き付けを行ってコーティングを硬化させた。これらのコーティング厚さは、「A」組成物の場合28〜36μm、「B」組成物の場合32〜37μmであった。
【0032】
(実施例15−一般的積層手順)
ガラス/PVB/PET/仕上げ塗装/カバープレートとなるようにガラス積層組立体が構成される。カバープレートは、あらゆる剛性材料であってよいが、一般にはフロートガラスである。カバープレート上にあらゆる表面パターンを使用することができる、光学的用途の場合は平滑な表面が望ましい。この多層構造体は、従来技術に従って積層することができる。本明細書に記載される積層体は、以下の手順に従って真空バッグに入れられる。積層構造体をプラスチックバッグの中に入れ、そのバッグを真空チャンバー中に入れて、排気して空気を除去し、減圧下のままでヒートシールする。この真空バッグに入れた構造体をオートクレーブ中に入れ、約17気圧の圧力および約125℃〜約150℃の温度で30分維持する。チャンバーの圧抜きを行い冷却する。積層体をバッグから取り出し、カバープレートを除去する。
【0033】
(実施例16〜21)
実施例15の積層手順を使用しオートクレーブ中140℃オートクレーブ温度で、実施例9〜14のコーティングして硬化させたフィルムを、ガラスに積層した。ガラスカバープレートを使用し、カバープレートと仕上げ塗装との間の固着を防止するため、これらのカバープレートは使用前に350ppmのMgSOを含有する水で洗浄した。得られた積層体は光学的に平坦および平滑であり、カバープレートは容易に除去できた。
【0034】
(傷挙動)
試験する各試料の傷挙動は、半径0.003インチの先端を有し90°の開先角度でラッピングを行うダイヤモンドスタイラスを取り付けたテーバー・シェア/スクラッチ・テスター・モデル502(Taber Shear/Scratch Tester,Model 502)を使用して測定した。このスタイラスは、試験するコーティングしたフィルムの表面に対して90°の角度で、テスターのアーム上に配置した。コーティングしたフィルム試料は、スタイラスを受け入れるためコーティングした面が上方に向かうように、テスターのディスク上に水平に配置した。アームに沿って表示の位置まで重りを滑らすことによってアームに所定の重量を加えた。スタイラスが取り付けられたアームを下げ、コーティングしたフィルムと接触させ、コーティングしたフィルムが取り付けられたディスクを0.5インチ/秒の速度で回転させた。次にスタイラスの進路に傷があるかどうかを調べ、目に見えるすべての傷の幅を測定した。スタイラスアームに対して異なる重量を使用してこの方法を繰り返した。視認性の程度および実際の傷幅を記録した後、試料を70℃に維持したオーブン中で30分加熱して、傷の視認性および幅に対する影響を調べた。実施例4〜8で得られた結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
(耐摩耗性)
ANSI Z−26.1の試験番号34(Test Number 34)で定義されるテーバー摩耗試験(Taber Abrasion test)を使用して耐摩耗性を評価した。この試験では、500グラムの重量下で100回転においてCS−10F摩耗試験機ホイールによって試料表面を摩耗させる。摩耗したレーン中の透明試料のヘイズの増加を測定し、これをテーバー・ヘイズ(Taber Haze)として%の単位で表す。クリアコーティングした試料をコーティングした面上で摩耗させ、テーバー・ヘイズ(Taber Haze)を測定し、次に70℃に維持したオーブン中で30分加熱し維持した。オーブンから取り出した後で、再びテーバー・ヘイズ(Taber Haze)を測定して、摩耗により傷が加熱によってなくなるかどうかを調べた。これらの結果を表2に報告する。
【0037】
【表2】

【0038】
(光学的性質)
フィルムの光学的性質を調べるために、フィルム試料を沸騰水中に2時間および6時間浸漬し、ASTM D 1003−61(1977年に再承認された)の手順に従ってガードナ・ヘイズ(Gardner Haze)値を測定した。本発明のフィルムは、良好な透視鮮明度および少ないくもりを有した。これらの結果を表3に報告する。
【0039】
【表3】

【0040】
(コーティング接着力)
ステンレス鋼に対する剥離強度が40オンス/インチであるパーマセル(PERMACEL)TMテープを使用し、ASTM D3359−87テープ試験(Tape Test)に従ってコーティング接着力を測定した。この接着力は、沸騰水に浸漬する前、2時間浸漬した後、および6時間浸漬した後に測定した。この接着試験の結果を表4に示す。
【0041】
【表4】

【0042】
(実施例22〜27)
ヒドロキシルのイソシアネートに対する当量比が表5に示されるよう変動するように種々の比率でパート1をパート2と混合することによって、コーティング配合物を調製した。パート1は、56.87重量%のテトラヒドロキシルオリゴマーと、0.68重量%の、ビックケミー(Byk Chemie)より入手可能なプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中の10%BYK 301と、2.8重量%の、メチルエチルケトン中の1%ジブチルスズジラウレートの混合物と、10.75重量%の酢酸ブチルとからなる。パート2は、ローディア(Rhodia)より入手可能なヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート三量体であるトロネート(Tolonate)(登録商標) HDT LVである。重量パーセント値は、パート1およびパート2を合わせた全重量を基準にしている。
【0043】
【表5】

【0044】
(実施例28〜33)
PETフィルム上に厚さ7ミルで上記コーティング組成物をコーティングすることによって仕上げ塗装したPETフィルムを得た。実施例15の手順に従って積層体を作製し、オートクレーブ処理後に光学的性質および性能を評価した。これらの積層体は変色せず、透明でヘイズがないままであり、カバープレートに対して完全に適合して光学的に平坦な表面が得られ、固着傾向が全く見られずにカバープレートから容易に剥離できた。これらの結果を表6にまとめている。
【0045】
【表6】

【0046】
【表7】

【0047】
(実施例34〜35)
実施例15に記載されるようにして、以下の表8aに記載されるコーティング組成物を使用して、2つの積層体を作製した。次にこれらの積層体について、ASTM G26−90方法Aを使用して実施されるキセノテスト(XENOTEST)(登録商標)1200 CPS試験を行った。試料を1,515MJ/mのUV放射線(300〜400 nm)に合計5,260時間曝露した。曝露した積層体について、ガードナ・ヘイズ(Gardner Haze)(ASTM 1003−61)、20°光沢、およびASTM テープ接着試験(ASTM 3359−97)によるコーティング接着力を測定した。表8bに結果を示している。これらの試料について、黄色度および透視鮮明度も目視で検査した。
【0048】
【表8】

【0049】
これらの試料は目視では色の変化は全く見られず、鮮明度も良好であると思われた。キセノテスト(XENOTEST)(登録商標)散水サイクルによりある程度くもりが生じた。
【0050】
【表9】

【0051】
(実施例36)
水活性化接着剤として機能させるために、エルバノール(ELVANOL)(登録商標)PVA配合物の水溶液を、火炎処理した7ミルの透明PETフィルムの一方の面にコーティングし、傷防止の修復性コーティングとして機能させるために実施例34(B1)に記載のオリゴマー仕上げ塗装を反対の面にコーティングした。ガラスおよび/または接着剤をコーティングした面上のフィルムを濡らすことによってフィルムをガラスと接合した後、ゴムローラーまたは「スキージ」を使用して濡れたフィルムをガラスに押しつけることによって過剰の水をすべて除去した。ガラスおよびフィルムが接合した構造体を次に、接着剤が乾燥するまで、すなわちPETフィルムから水分が拡散するまで室温で乾燥させ、接着剤層を「硬化」させて、フィルムをガラスにしっかりと接着した。
【0052】
(実施例37)
両面を火炎処理した7ミルの透明なクロナー(CRONAR)(登録商標)PETフィルムの一方の面に、28番巻き線コーティングロッドを使用してエルバノール(ELVANOL)(登録商標)タイプ51−05粉末を含有する15%水溶液をコーティングした。このコーティングを室温で乾燥させた後、実施例34(B1)に記載の仕上げ塗装配合物を反対の面にコーティングした。この配合物は、28番巻き線コーティングロッドを使用してコーティングした。このコーティングの溶媒を室温で蒸発させ、続いて室温で24時間静置した後、仕上げ塗装を有するPETフィルムをガラスに適用した(以下の実施例39の「ガラス適用手順」を参照)。
【0053】
(実施例38)
両面を火炎処理した7ミルの透明なクロナー(CRONAR)(登録商標)PETフィルムの一方の面に、28番巻き線コーティングロッドを使用してエルバノール(ELVANOL)(登録商標)タイプ51−05粉末を含有する15%水溶液をコーティングした。このコーティングを室温で乾燥させた後、実施例35(B2)に記載の仕上げ塗装配合物を反対の面にコーティングした。この配合物は、28番巻き線コーティングロッドを使用してコーティングした。このコーティングの溶媒を室温で蒸発させ、続いて室温で24時間静置した後、仕上げ塗装を有するPETフィルムをガラスに適用した(以下の実施例40の「ガラス適用手順」を参照)。
【0054】
(ガラス適用手順)
(実施例39)
実施例37のコーティングしたフィルムの、厚さ90ミルの焼きなましたフロートガラスへの取付を、(1)水の霧をガラス面に吹き付け、(2)コーティングしたフィルムのエルバノール(ELVANOL)(登録商標)コーティングした面を、濡らしたガラスの上に重ね、(3)ゴム製の刃の「スキージ」を使用し、複数回移動させたフィルムをガラス上に押しつけて界面から過剰の水をすべて除去することによって行った。このコーティングしたフィルム/ガラス構造体を数日間乾燥させた後、傷防止性および光学的性質の試験を行った。乾燥させた構造体はほぼ無色透明で、フィルムは十分にガラスに接合した。
【0055】
(実施例40)
実施例38のコーティングしたフィルムを、実施例39の手順に従って、厚さ90ミルの焼きなましたフロートガラスに取り付けた。
【0056】
【表10】

【0057】
実施例39および40のフィルム/ガラス構造体について、50グラムおよび100グラムの傷荷重を使用して前述のようにテーバー(Taber)傷試験を行った。傷付いた試料の傷幅を顕微鏡で測定し、肉眼で視認性を調べた。次にこれらを室温で静置した後、傷を再度調べた。結果を表10に示す。
【0058】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕上げ塗装(clearcoat)/ポリマーフィルム二重層を含むガラス積層体であって、前記仕上げ塗装が、成分(1)および(2)の組み合わせから得られる傷防止コーティング組成物であり、成分(1)が、ヒドロキシル官能性または無水物官能性のいずれかであるオリゴマー化合物からなる群より選択されるオリゴマー化合物を含み、成分(2)が、イソシアネートオリゴマーまたはエポキシ官能性の化合物のいずれかであることを特徴とするガラス積層体。
【請求項2】
成分(1)が少なくとも1種のヒドロキシル含有オリゴマーであり、成分(2)が少なくとも1種のイソシアネートオリゴマーであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
少なくとも1つの熱可塑性ポリマー層に積層された少なくとも1つのガラス層を含むことを特徴とする請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
前記仕上げ塗装/ポリマー二重層の前記ポリマーが前記熱可塑性ポリマー層に積層されることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリマーがPVBまたはエチレンコポリマーのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の積層体。
【請求項6】
前記熱可塑性ポリマーがPVBであることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
【請求項7】
前記二重層成分の前記ポリマーがPETであることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
前記少なくとも1種のヒドロキシ含有オリゴマーが、多官能性アルコールと環状モノマー無水物との反応生成物をさらにエポキシドと反応させたものであることを特徴とする請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
前記多官能性アルコールが、ペンタエリスリトール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、類似の化合物、またはそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項8に記載の積層体。
【請求項10】
前記エポキシドが、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、および類似の化合物、またはそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項9に記載の積層体。
【請求項11】
前記ヒドロキシ含有オリゴマーがテトラヒドロキシ含有オリゴマーであることを特徴とする請求項10に記載の積層体。
【請求項12】
前記イソシアネートオリゴマーがヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート三量体であることを特徴とする請求項11に記載の積層体。
【請求項13】
前記仕上げ塗装/ポリマーフィルム二重層が、ガラスに接着され、前記ガラスと前記二重層との間に熱可塑性ポリマー層が介在しないことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項14】
成分(1)が少なくとも1種のヒドロキシル含有オリゴマーであり、成分(2)が少なくとも1種のイソシアネートオリゴマーであることを特徴とする請求項13に記載の積層体。
【請求項15】
前記二重層成分の前記ポリマーがPETであることを特徴とする請求項14に記載の積層体。
【請求項16】
前記少なくとも1種のヒドロキシ含有オリゴマーが、多官能性アルコールと環状モノマー無水物との反応生成物をさらにエポキシドと反応させたものであることを特徴とする請求項15に記載の積層体。
【請求項17】
前記多官能性アルコールが、ペンタエリスリトール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、類似の化合物、またはそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項16に記載の積層体。
【請求項18】
前記エポキシドが、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、および類似の化合物、またはそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項17に記載の積層体。
【請求項19】
前記ヒドロキシ含有オリゴマーがテトラヒドロキシ含有オリゴマーであることを特徴とする請求項18に記載の積層体。
【請求項20】
前記ヒドロキシルオリゴマーの前記イソシアネートオリゴマーに対する当量比が、相対比で0.60を超えることを特徴とする請求項19に記載の積層体。
【請求項21】
前記当量比が約0.70〜約1.50の範囲であることを特徴とする請求項20に記載の積層体。
【請求項22】
前記当量比が約0.80〜約1.40の範囲であることを特徴とする請求項21に記載の積層体。
【請求項23】
前記当量比が約0.90〜約1.35の範囲であることを特徴とする請求項22に記載の積層体。
【請求項24】
前記イソシアネートオリゴマーがヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート三量体であることを特徴とする請求項23に記載の積層体。
【請求項25】
ポリマーフィルム上に仕上げ塗装を含む物品であって、前記仕上げ塗装が、成分(1)および(2)の組み合わせを0.90を超える当量比で混合した生成物であり、成分(1)が、ヒドロキシル官能性または無水物官能性のいずれかであるオリゴマー化合物からなる群より選択されるオリゴマー化合物を含み、成分(2)が、イソシアネートオリゴマーまたはエポキシ官能性化合物のいずれかであることを特徴とする物品。
【請求項26】
前記ポリマーフィルムが、ポリウレタン、エチレン/酸コポリマー、およびPETからなる群より選択されるポリマーであることを特徴とする請求項25に記載の物品。
【請求項27】
前記ポリマーフィルムがPETであることを特徴とする請求項26に記載の物品。
【請求項28】
ポリマーフィルム上に仕上げ塗装を有する物品であって、前記仕上げ塗装が、成分(1)および(2)の組み合わせを約1.10〜約1.35の範囲の当量比で混合した生成物であり、成分(1)が、ヒドロキシル官能性または無水物官能性のいずれかであるオリゴマー化合物からなる群より選択されるオリゴマー化合物を含み、成分(2)が、イソシアネートオリゴマーまたはエポキシ官能性の化合物のいずれかであり、成分(1)が約300〜約3000の範囲の分子量を有することを特徴とする物品。
【請求項29】
成分(1)が約400〜約2,500の範囲の分子量を有することを特徴とする請求項28に記載の物品。
【請求項30】
成分(1)が約450〜約2,000の範囲の分子量を有することを特徴とする請求項29に記載の物品。
【請求項31】
成分(1)が約500〜約1,500の範囲の分子量を有することを特徴とする請求項30に記載の物品。
【請求項32】
ガラス積層物品の製造方法であって、(a)2つの成分(1)および(2)を混合して仕上げ塗装組成物を得る工程と、(b)前記仕上げ塗装組成物を、ポリマーフィルムの少なくとも2つの表面の一方の表面上に塗布することによって前記ポリマーフィルムにコーティングする工程と、(c)前記ポリマーフィルムの前記表面上の前記仕上げ塗装組成物を硬化させて、前記ポリマーフィルムの少なくとも一方の表面が露出している、硬化した仕上げ塗装/ポリマーフィルム二重層フィルムを得る工程と、(d)前記硬化した二重層フィルムの前記露出したポリマー表面を、少なくとも1つのガラス層を含む積層物(stack)に積層してガラス積層体を得る工程とを含み、前記仕上げ塗装組成物が傷防止コーティング組成物であり、成分(1)が、ヒドロキシル官能性または無水物官能性のいずれかであるオリゴマー化合物からなる群より選択されるオリゴマー化合物を含み、成分(2)が、イソシアネートオリゴマーまたはエポキシ官能性化合物のいずれかであることを特徴とする方法。
【請求項33】
透明な積層体の表面から欠陥を除去する方法であって、前記積層体の前記欠陥を有する表面を少なくとも70℃に加熱する工程を含み、前記表面が、少なくとも0.90の当量比[成分(1):成分(2)]で2つの成分(1)および(2)を混合することによって得られる仕上げ塗装を含み、成分(1)が、ヒドロキシル官能性または無水物官能性のいずれかであるオリゴマー化合物からなる群より選択されるオリゴマー化合物を含み、成分(2)が、イソシアネートオリゴマーまたはエポキシ官能性の化合物のいずれかであることを特徴とする方法。

【公表番号】特表2007−504024(P2007−504024A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525376(P2006−525376)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/028132
【国際公開番号】WO2005/035241
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】