説明

キナゾリン−4(3A)−オン誘導体とその使用方法

本発明では、ヒトポリペプチドのユビキチンリガーゼ活性阻害剤であるキナゾリン−4(3A)−オン誘導体、詳細にはPOSH阻害剤、およびRING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療のための組成物および方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、ヒトポリペプチドのユビキチンリガーゼ活性の阻害剤、とりわけPOSH阻害剤である小分子ピリミジン誘導体及びRING型E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療のための組成物と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
創薬ターゲットの妥当性評価には、DNA、RNA又はタンパク質分子が疾患過程に関係しているのかどうかと、したがって新治療薬の開発に妥当なターゲットなのかどうかを決定することを含む。創薬は、生物活性化合物を同定し、特徴づける過程であり、ヒトの疾患の新しい治療法の開発において重大なステップである。創薬の展望はゲノミクスの革命により劇的に変化している。DNA配列及びタンパク質配列は多くの新薬ターゲットと膨大な量の関連情報を生み出している。
【0003】
癌や炎症、免疫応答のような様々な疾患又は重要な生物学的プロセスに関与する遺伝子やタンパク質を同定することは、薬物設計の過程において重要な部分である。仮に妥当な分子標的が同定され、適切なアンタゴニストが開発されれば、その状態の分子的病因に関与する一つ又は複数の遺伝子の発現を減少させることにより、多くの疾患や障害を治療又は予防することができるだろう。例えば、一つ又は複数の細胞由来遺伝子が活性化し細胞周期プロセスが監視されることなく進行する癌は、適切な細胞周期抑制遺伝子を拮抗させることにより治療できるだろう。さらに、ハンチントン病やあるプリオンの状態のような遺伝的、後成的要因の両方によって影響を受ける多くのヒト遺伝疾患は、ポリペプチドの機能が完全に失われることに対して、ポリペプチドの不適当な活性に起因する。従って、このような突然変異遺伝子の異常機能を拮抗させることにより、治療手段が提供されるであろう。このような疾患や障害を治療するための薬物療法戦略において、疾患遺伝子のポリペプチド産物を標的にした分子拮抗薬が頻繁に使用されている。しかしながら、関係する遺伝子又は標的タンパク質を発見することは、難しく多大な時間を必要とすることが多い。
【0004】
おそらくユビキチン依存性プロテアソームの作用を通じて選択的分解が行われる標的タンパク質は、ユビキチンのC末端グリシル残基と基質タンパク質における特定のリジル残基との間でイソペプチド結合が形成されることを通じて、ユビキチンが共有結合的に付加される。
【0005】
ユビキチンは、ユビキチン活性化酵素(E1)とユビキチン結合酵素(E2)、ユビキチンリガーゼ(E3)を含む酵素のカスケードによりタンパク質に付加される(Hershko et al.、1983)。E1はユビキチンに結合し、ユビキチンを活性化し、ユビキチンをE2酵素に移す。続いて、E3−ユビキチンリガーゼは、E2に結びつけられたユビキチンをリクルートし、特異的基質を認識し、ユビキチンの基質への移行を仲介又は直接触媒することにより、ユビキチン化プロセスの最終段階において重要な役割を担う。E3ユビキチンリガーゼはいくつかのサブファミリー;RINGドメイン含有E3、HECTドメイン含有E3、U−box及びPHDドメイン含有E3、に分類することができる。
【0006】
RINGドメインサブファミリーは、数百もの異なるE3を含む最大のサブファミリーである。RING E3はユビキチンのE2酵素から基質への直接移動を促進する。タンパク質修飾のユビキチンシステムは細胞プロセスのほぼ全ての局面に関与する重要なメカニズムである。ユビキチンシステムがヒト疾患に関与しているというエビデンスは急速に蓄積しており、それゆえ細胞機能における該システムの重要な役割を反映している。RING E3の作用機序において標準的な酵素活性の欠如は、治療用途の低分子阻害剤により特異的E3を標的にするという課題を非常に難しくする。
【0007】
POSHは、JNK経路の活性化とNF−κBの核移行、アポトーシスの誘導を導くシグナル伝達経路に関与するRac1ターゲットとして最初に同定されたE3ユビキチンリガーゼである(Tapon et al.、1998)。大多数の報告では、POSHは、混合系列キナーゼ(MLK)、MAPキナーゼキナーゼ(MKK)4及びMKK7、c−Jun N末端キナーゼ(JNK)のようなJNK経路の構成要素のための足場として作用することによるプレアポトーシス機能に結びつけられた(Aigaki et al.、2002; Figueroa et al.、2003; Kim et al.、2005a; Kukekov et al.、2006; Seong et al.、2001; Tapon et al.、1998; Tsuda et al.、2005; Tsuda et al.、2006; Wang et al.、2007; Wilhelm et al.、2007; Xu et al.、2003; Xu et al.、2005; Xu et al.、2006; Zhang et al.、2005)。他の機能のなかでPOSHを意味づける報告はほんのわずかしかない。別の報告では、POSHはHIV−1が原形質膜を標的にすることに関与するトランスゴルジ網関連タンパク質であることを示した(Alroy et al.、2005)。ウイルス放出との別の可能な関連として、POSHがショウジョウバエでのカルシウム依存的な様式で、アポトーシス関連遺伝子−2(ALG−2)とALG−2相互作用タンパク質(ALIX/AIP1)と複合体を形成することを述べた報告がある(Tsuda et al.、2006)。Alixは多胞体でのベシクル形成で重要な役割を持ち、ウイルス出芽に関与している(Fujii et al.、2007)。POSH/ALG−2/ALIX複合体はJNK経路の制御において共に機能しているかもしれないことが示された(Tsuda et al.、2006)。POSHは、さらにHerpのユビキチン化を通じてER内でカルシウム恒常性を制御し(Tuvia et al.、2007)、かつ初期エンドソームで肝細胞増殖因子調節性チロシンキナーゼ基質(Hrs)のユビキチン化も行っている(Kim et al.、2005b)。最近では、POSHは軸索伸長も制御することも報告されている(Taylor et al.、2008)。RNAiによるPOSHのサイレンシングはマウスの皮質ニューロンとマウスP19細胞由来のニューロン内で軸索伸長を促進していることが示された。POSH活性は増殖過程を抑制するためにRhoキナーゼをリクルートするアクトミオシン調節タンパク質Shroom3によって仲介される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主題により、ある種のピリミジン誘導体はRING E3ユビキチンリカーゼ阻害剤として作用し、細胞遊走を遮断できることがわかった。
【0009】
本発明の主題はRING E3ユビキチンリガーゼ活性を強く阻害する小分子を対象とする。本発明の主題では、さらにRING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患を含む異なる兆候のための治療薬として、抑制分子の可能性を記述する。このようなRING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患にはこれらに限定されないが、例えば、がんや様々な炎症関連疾患、加齢性黄斑変性(AMD)及び網膜症のような血管新生関連疾患、並びに遺伝性疾患を含む細胞遊走が関係する疾患又は障害、状態が挙げられる。
【0010】
一実施形態において、本発明の主題は、治療有効量の本化合物を対象に投与することを含む、対象におけるRING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法を対象としている。
【0011】
別の実施形態では、本発明の主題は、本化合物を含む治療有効量の医薬組成物を対象に投与することを含む、対象におけるRING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法を対象としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1はHNMRによる化合物Aの特徴付けである。
【図2A】図2AはA375癌細胞における化合物A、B、C、Dの殺滅能を示す図である。
【図2B】図2BはA375癌細胞における化合物Aの細胞遊走阻害能力を示す図である。
【図2C】図2CはA375メラノーマ細胞株の50%阻害濃度(IC50)0.045μMでの細胞遊走に対する化合物Bの阻害効果である。
【図2D】図2DはA375メラノーマ細胞株の50%阻害濃度(IC50)0.92μMでの細胞遊走に対する化合物Cの阻害効果である。
【図2E】図2EはA375メラノーマ細胞株の50%阻害濃度(IC50)0.061μMでの細胞遊走に対する化合物Dの阻害効果である。
【図3】図3は肺癌転移の形成に対する化合物Aのin vivo効果を示す図である。
【図4】図4はEAEモデルにおける化合物Aの抑制活性を示す図である。
【図5】図5はHNMRによる化合物Bの特徴付けである。
【図6】図6はHNMRによる化合物Cの特徴付けである。
【図7】図7は化合物A、B、CでのDTH試験を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
定義
さらなる可能な定義への範囲を制限することなく、本明細書で使用される場合、下記の用語は以下のように定義される。
【0014】
「アルキル」という用語は、直鎖又は分岐鎖であり得、表示された数の炭素原子を含む、炭化水素鎖を意味する。例えば、C〜C10は、包括的に1〜10個の炭素原子をその中に有し得る基であることを意味している。
【0015】
「アルキル」、「アルケニル」又は「アルキニル」ラジカルは、それぞれ、直鎖又は分岐鎖であり得る、「C〜C10アルキル」又は「C〜Cアルキル」、「C〜C12アルケニル」、「C〜C12アルケニル」又は「C〜Cアルケニル」、「C〜C12アルキニル」、「C〜C12アルケニル」又は「C〜Cアルキニル」である。
【0016】
「C〜Cアルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素を意味する。C〜Cアルキル基の例として、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル及びヘキシルが挙げられる。
【0017】
「アルケニル」という用語は、直鎖又は分岐鎖の不飽和炭化水素を意味する。
【0018】
「C〜Cアルケニル」という用語は、1〜6個の炭素原子且つ少なくとも1つの二重結合を含む、直鎖又は分岐鎖の不飽和炭化水素を意味する。C〜Cアルケニル基の例として、これらに限定されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、1−ブチレン、2−ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、イソペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン及びイソヘキセンが含まれる。
【0019】
「C〜C12アルケニル」という用語は、2〜12個の炭素原子且つ少なくとも1つの二重結合を含む、直鎖又は分岐鎖の不飽和炭化水素を意味する。
【0020】
「C〜C10アルコキシ」という用語は、1〜10個の炭素原子且つ少なくとも1個の酸素原子を含む、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素を意味する。
【0021】
「アルコキシル」という用語は、酸素と結合したアルキル基、つまりR−Oを意味する。
【0022】
「アミノ基」という用語は、単結合により水素原子と結合した1個の窒素原子から成る官能基を意味する。
【0023】
「アリール」という用語は、6〜18個の炭素を含む、環式の芳香族炭素環構造を意味する。アリール基の例として、これらに限定されないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、テトラセニル及びフェナントレニルが挙げられる。
【0024】
「アリールアルキル」という用語は、少なくとも1つのアルキル置換基を有するアリール基を意味する。アリールアルキルの例として、これらに限定されないが、トルエニル、フェニルエチル、キシレニル、フェニルブチル、フェニルペンチル及びエチルナフチルが挙げられる。
【0025】
シアノという用語はC≡Nを意味する。
【0026】
「シクロアルケニル」という用語は、それぞれ、すなわち、C5〜10の部分不飽和炭素環式基を意味し、例えば、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルが挙げられる。
【0027】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。
【0028】
「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1個のヘテロ原子を含む、4〜10個の原子から成る単環式芳香族基及び二環式芳香族基を意味する。ヘテロアリールという用語の中で使用される場合のヘテロ原子は、酸素、硫黄及び窒素を意味する。単環式ヘテロアリールの例として、これらに限定されないが、オキサジニル、チアジニル、ジアジニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、フラニル、フラザニル、オキサゾリル、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、及びピリミジニルが挙げられる。
【0029】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、少なくとも1つのアルキル置換基を有するヘテロアリール基を意味する。
【0030】
「ヒドロキシル」という用語は、官能基−OHを意味する。
【0031】
「ニトロ」という用語は2個の酸素原子に結合した窒素原子を有する官能基を意味する。
【0032】
「ヘテロ原子」という用語は、N、S及び/又はOから選択される原子を意味する。
【0033】
「アリール」という用語は、本明細書の上記で定義されるような一つ又は複数のラジカルにより置換され得る、例えばフェニル、ナフチル及びアントラセニル(antracenyl)等の単環式、二環式又は三環式の環で構成される、6〜14個の炭素原子又は6〜10個の炭素原子を有する「C〜C14」芳香族炭素環式基を意味する。
【0034】
「ヘテロシクリル」という用語は、2〜8又は5〜6の環員から成る飽和又は部分不飽和(非芳香族の)単環式、二環式又は三環式のヘテロ環に由来するラジカルを意味し、前記環員の1〜3個はO、S及び/又はNから選択されるヘテロ原子である。非芳香族ヘテロシクリルの非限定的な例としては、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロチエニル、ピロリジニル(pyrrolydinyl)、ピロリニル(pyrrolynyl)、ジヒドロピリジル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ等が挙げられる。
【0035】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、O、S及びNからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む単環式又は多環式の芳香族複素環に由来するラジカルを意味する。具体的な例としては、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,4−トリアジニル、1,2,3−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、インドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル及びベンズオキサゾリル、ベンゾジアゼピニル、並びにさらなる多環式芳香族複素環に由来する他のラジカルが挙げられる。ヘテロアリールラジカルは、本明細書の上記で定義されるような一つ又は複数のラジカルにより置換され得る。多環式ヘテロアリール環が置換される場合、その置換は炭素環及び/又は複素環のいずれかで起こり得ることを理解されたい。一実施形態において、ヘテロアリールはチエニルである。
【0036】
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。いくつかの実施形態において、ハロゲンはクロロである。
【0037】
本明細書で使用される場合、「投与すること」、「投与」等の用語は、健全な医療行為において、治療効果が得られるように被験者に組成物を送達する任意の方法を意味する。本発明の主題の一態様において、治療有効量の本発明の主題の組成物がそれを必要とする患者に経口投与される。他の好適な投与経路には、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、頬側、くも膜下腔内、頭蓋内、鼻腔内又は局所的な経路が含まれ得る。あるいは、同時に、経口的経路により投与されてもよい。投与量は、受容者の年齢、健康及び体重、併用療法の種類、もしあれば、治療頻度及び所望される効果の性質に依存するだろう。
【0038】
「血管新生関連疾患」というフレーズは、新生血管の成長又は望ましくない成長を含む、あらゆる血管新生関連疾患を意味する。このような血管新生関連疾患には、過剰な又は望ましくない血管新生に関連した状態が含まれ得、例えば、糖尿病性失明;慢性炎症;関節炎;加齢性黄斑変性;網膜症;関節リウマチ;変形性関節症;クローン病;乾癬;がん;アルツハイマー病;再狭窄;肺線維症;喘息;血管線維腫;血管新生緑内障;動静脈奇形;偽関節骨折;狼瘡及び他の結合組織障害;ランデュ−オースラー−ウェーバー症候群(Osler−Weber syndrome);動脈硬化巣;移植角膜血管新生;化膿性肉芽腫;水晶体後線維増殖症;強皮症;肉芽形成、血管腫;トラコーマ;血友病関節;腹膜子宮内膜症;肥満症;並びに血管接着(vascular adhesion)が挙げられる。
【0039】
「血管新生阻害剤」というフレーズは、血管新生を阻害する任意の物質を意味する。好適な血管新生阻害剤には、これらに限定されないが、ベバシズマブ(AVASTIN(商標))、スニチニブ(SUTENT(商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(商標))、サリドマイド(THALOMID(商標))、レナリドマイド(REVLIMID(商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(商標))、セツキシマブ(ERBITUX(商標))及びエルロチニブ(TARCEVA(商標))が含まれる。
【0040】
「抗癌剤」というフレーズは、一つ又は複数のチロシンキナーゼ阻害剤を意味する。好適なチロシンキナーゼ阻害剤には、これらに限定されないが、イマチニブ、ダサチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ(bosutinib)、セジラニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマクサニブ(semaxanib)、スチニブ(sutinib)、トセラニブ(toceranib)、バンデタニブ及びバタラニブが含まれる。
【0041】
「抗炎症剤」というフレーズは、炎症を軽減又は抑制する任意の物質を意味する。好適な抗炎症剤には、これらに限定されないが、例えば、コルチゾル、アルドステロン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、ピルビン酸チキソコルトール、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアルコール(triamcinolone alcohol)、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニド(flucinonide)、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム(dexamethasone dodium phosphate)、フルオコルトロン(flucortolone)、ヒドロコルチゾン−17−ブチレート、ヒドロコルチゾン−17−バレレート、プロピオン酸アルクロメタゾン(aclometasone dipropionate)、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プレドニカルベート、クロベタゾン−17−ブチレート、クロベタゾール−17−プロピオネート、カプリン酸フルオコルトロン(flucortolone caproate)、ピバリン酸フルオコルトロン及び酢酸フルプレドニデン(fluprednidene acetate)を含む副腎皮質ステロイド;例えば、cox−2阻害剤、ニメスリド、ジクロフェナク、リコフェロン(licofelone)、アスピリン、イブプロフェン及びナプロキセンを含む非ステロイド性抗炎症剤;フェニルアラニン−グルタミン−グリシン(phenylalanine−glutamine−glycine)及びそのD−異性体等の免疫選択的抗炎症誘導体;並びに、例えば、ハルパゴフィツム属、ヒソップ、ショウガ、ウコン、アルニカ、ヤナギ樹皮及びアサを含む薬草が含まれる。
【0042】
「がん」という用語は、異常な、制御されない細胞分裂、正常組織への浸潤能及び他の身体部分への転移能により特徴付けられる疾患群の総称である。そのようながんには、肛門がん;星状細胞腫;白血病;リンパ腫;頭頸部がん;肝臓がん;精巣がん;子宮頸がん;肉腫;血管腫;食道がん;眼がん;喉頭がん;口腔がん;中皮腫;骨髄腫;口腔がん;直腸がん;咽喉がん;膀胱がん;乳がん;子宮がん;卵巣がん;前立腺がん;肺がん;結腸がん;膵がん;腎細胞癌;胃がん;皮膚がん;並びに基底細胞癌、メラノーマ及び扁平上皮癌;口腔扁平上皮癌;結腸直腸がん;多形神経膠芽腫;子宮内膜がん;並びに悪性神経膠腫が含まれる。
【0043】
「がん化学療法剤」というフレーズは、本発明の主題と共に併用療法で使用され得る任意の周知な化学療法剤を意味し、例えば、これらに限定されないが、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ジカルバジン(dicarbazine)、ストレプトゾシン(streptazocine)、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、クロロゾトシン、ブスルファン、トリエチレンメラミン、チオテパ、ヘキサメチルメラミンを含むアルキル化剤;メトトレキサートを含む代謝拮抗剤; フルオロウラシル; 5−フルオロウラシル; フロクスウリジン (5’−フルオロ−2’−デオキシウリジン); イドクスウリジン; シタラビン; N−ホスホノアセチル−L−アスパラギン酸; 5−アザシチジン; アザリビン; 6−アザウリジン; ピラゾフラン(pyrazofuran); 3−デアザウリジン; アシビシン;チオグアニン、メルカプトプリン、アザチオプリン、ペントスタチン、エリトロヒドロキシノニルアデニン(erythrohydroxynonyladenine)を含むプリン類似体;ビンクリスチン及びビンブラスチンを含むビンカアルカロイド;エトポシド及びテニポシドを含むエピポドフィロトキシン;ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、硫酸ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシンを含む抗菌剤;L−アスパラギナーゼを含む酵素;シスプラチン、カルボプラチンを含む白金配位錯体;ヒドロキシ尿素、プロカルバジン、ミトタン;並びにプレドニゾン及びプレドニゾロン等の副腎皮質ステロイド;アミノグルテチミド;カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲステロール等のプロゲスチン、ジエチルスチルベストロール、フルオキシメステロン、エチニルエストラジオール等のエストロゲン及びアンドロゲン、タモキシフェン等の抗エストロゲン剤、並びにロイプロリド等の性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体を含むホルモン又はホルモン関連薬剤が含まれる。
【0044】
がんを治療するために本方法を実施する際に、本化合物は、単位医薬組成物の一部として少なくとも1種の周知な化学療法剤及び/又は少なくとも1種の抗癌剤と一緒に投与され得る。あるいは、本化合物は、少なくとも1種の周知ながん化学療法剤及び/又は少なくとも1種の抗癌剤に加えて、投与される。
一実施形態において、本化合物並びに少なくとも1種の周知ながん化学療法剤及び/又は少なくとも1種の抗癌剤は、実質的に同時に投与される、すなわち、前記化合物は血液中で同時に治療レベルに達する限り、同時に又は順々に投与される。別の実施形態において、本化合物並びに少なくとも1種の周知ながん化学療法剤及び/又は少なくとも1種の抗癌剤は、血液中で治療レベルに達する限り、個々の投与計画に基づいて投与される。
【0045】
同様に、本発明の主題の別の実施形態は、放射線治療と併用して本化合物を投与することによりがんを治療する方法を対象としている。本実施形態において、本化合物は放射線治療の施行と同時に又は異なる時間に、投与され得る。
「細胞遊走に関連した疾患、障害又は状態」というフレーズは、異常な細胞遊走を特徴とする、あらゆる疾患、障害又は状態を意味する。そのような疾患、障害又は状態には、がん;自己免疫疾患を含む種々の炎症関連疾患;並びに加齢性黄斑変性(AMD)、網膜症等の血管新生関連疾患が含まれ得る。
【0046】
本明細書で使用される場合、「担体」、「賦形剤」又は「免疫賦活剤」という用語は、医薬原体ではない、医薬組成物のあらゆる成分を意味する。
【0047】
本明細書で使用される場合、「製剤」、「薬の剤形」、「最終剤形」等の用語は、それを必要とする患者に投与される、一つ又は複数の医薬原体及び一つ又は複数の賦形剤の組み合わせ(すなわち、医薬組成物)を意味し、その形態は液剤、水性液剤、乳剤、懸濁剤、錠剤、カプセル剤、貼付剤、坐剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤等であり得る。
【0048】
活性成分として本化合物又はその薬剤的に許容できる塩を含有する医薬組成物は、従来的な薬剤配合技術に従って調製できる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(1990年、マック・パブリッシング社、ペンシルバニア州イーストン)を参照されたい。
【0049】
「炎症関連疾患」というフレーズは、異常な細胞遊走を特徴とするあらゆる炎症状態を意味する。そのような炎症状態には、肺線維症;虚血性心疾患;クローン病、皮膚筋炎、真性糖尿病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、混合結合組織病、重症筋無力症、ナルコレプシー、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、潰瘍性大腸炎、脈管炎、ウェゲナー肉芽腫症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性貧血、甲状腺中毒症、多発性硬化症及び強皮症等の自己免疫疾患;喘息、関節リウマチ、変形性関節症、敗血症、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)、慢性腎疾患、炎症性腸疾患及び脈管炎等の慢性炎症状態;腹膜炎;巨大乳頭結膜炎、ブドウ膜炎及び季節性アレルギー性結膜炎等の眼炎症性疾患;慢性前立腺炎;糸球体腎炎;過敏症;炎症性腸疾患;骨盤腹膜炎;再灌流障害;移植拒絶反応;チェディアック−東症候群;慢性肉芽腫症;尿路炎症性疾患;間質性膀胱炎;潰瘍性大腸炎;全身性硬化症;皮膚筋炎;多発性筋炎並びに封入体筋炎が含まれ得る。
【0050】
本明細書で使用される場合、「薬剤的に許容される担体」という用語は、無毒の、不活性な固形、半固形、液体の充填剤、希釈剤、封入材料、製剤助剤のあらゆるタイプを意味し、又は、単に食塩水等の無菌の水性媒体を意味する。薬剤的に許容される担体として使用され得る物質には、いくつかの例として、ラクトース、グルコース及びスクロース、コーンスターチ及びジャガイモデンプン等のデンプン、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びセルロースアセテート等のセルロース及びその誘導体等の糖類;粉末トラガント;麦芽、ゼラチン、滑石;カカオ脂及び座薬ワックス等の賦形剤;落花生油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油等の油剤;プロピレングリコール等のグリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール等のポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル、寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;発熱性物質除去水;等張食塩水、リンゲル液;エチルアルコール及びリン酸緩衝液、並びに医薬製剤で使用される他の無毒で相性の良い物質が挙げられる。
【0051】
本明細書で担体として使用され得る物質には、いくつかの非制限的な例として、糖、デンプン、セルロース及びその誘導体、粉末トラガント、麦芽、ゼラチン、滑石、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、硫酸カルシウム、植物油、ポリオール、アルギン酸、発熱性物質除去水、等張食塩水、リン酸緩衝液、カカオ脂(坐剤基剤)、乳化剤、並びに他の医薬製剤で使用される他の無毒な薬剤的に相性の良い物質が含まれる。ラウリル硫酸ナトリウム等の湿潤剤及び潤滑剤、並びに着色料、香味剤、賦形剤、錠剤化薬剤(tabletting agent)、安定剤、抗酸化剤及び保存剤も含まれ得る。
【0052】
無毒で、不活性で、且つ有効であればいかなる担体も、本明細書で企図される化合物を処方するために使用され得る。この点において好適な薬剤的に許容される担体、賦形剤及び希釈剤は、当業者に周知であり、例えば、The Merck Index、第13版,Budavariら編集、メルク・アンド・カンパニー社、ニュージャージー州ローウェイ(2001);CTFA(トイレ化粧品・香料工業協会)International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第10版(2004);並びに「Inactive Ingredient Guide」,アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)医薬品評価センター(CDER)管理部、に記載されるものが挙げられ、これら全ての文献の内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。本組成物において有用な薬剤的に許容される賦形剤、担体及び希釈剤の例として、蒸留水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、ハンクス液及びDMSOが挙げられる。
【0053】
これらのさらなる不活性成分、並びに効果的な製剤及び投与手順は該技術分野において十分周知であり、標準的な教科書、例えばGoodman及びGillman’s: The Pharmacological Bases of Therapeutics、第8版、Gilmanら編集、パーガモンプレス社(Pergamon Press)(1990)並びにRemington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、マック・パブリッシング社(Mack Publishing Co.)、ペンシルバニア州イーストン(1990)等に記載されており、これら両方の文献の全体が参照により本発明に組み込まれる。
【0054】
担体は、全体として、本明細書で提示される医薬組成物の約0.1〜約99.99999重量%を構成し得る。
【0055】
本明細書の本医薬組成物は経口組成物の形態であり得る。本明細書で企図される経口組成物は、錠剤、カプセル剤、ソフトゲル剤、ハードゲル剤、水剤、懸濁剤、散剤、分散顆粒剤、カシェ剤、それらの組み合わせ、又は該技術分野において周知であろう任意の他の経口的な薬の剤形の形態をとり得る。
【0056】
固形の担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁化剤、結合剤又は錠剤崩壊剤としても作用し得る一つ又は複数の物質であり得、また封入材料でもあり得る。散剤において、担体は活性化合物と混合状態にある微細固体であり得る。錠剤において、活性化合物は必要な結合特性を有する担体と適切な比率で混合され、所望のサイズ及び形に圧縮され得る。好適な固形担体には、非制限的な例として、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、コーンスターチ、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、他のセルロース誘導体、低融点のワックス、カカオ脂等が挙げられる。
【0057】
本明細書で使用される場合、「薬剤的に許容できる塩」というフレーズは、無修飾の化合物と同様の活性を有し、生物学的でも、さもなければ望ましくもない、特定の成分から成る塩を意味する。塩は、例えば、有機酸又は無機酸との反応で生じ得る。好適な酸には、非制限的な例として、酢酸、アセチルサリチル酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、重亜硫酸(bisulfic acid)、ホウ酸、酪酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、炭酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、ドデシル硫酸(dodecylsulfic acid)、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グリセリン酸、グリセロリン酸、グリシン、グルコヘプタン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリコール酸、ヘミ硫酸(hemisulfic acid)、ヘプタン酸、ヘキサン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフチレンスルホン酸(naphthylanesulfonic acid)、ナフチル酸(naphthylic acid)、ニコチン酸、亜硝酸、シュウ酸、ペラルゴン酸(pelargonic)、リン酸、プロピオン酸、サッカリン、サリチル酸、ソルビン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、チオグリコール酸、チオ硫酸、トシル酸、ウンデシレン酸、並びに天然由来アミノ酸及び合成的に誘導されるアミノ酸が挙げられる。
【0058】
有機塩基が使用される場合、好ましくは揮発性が乏しい塩基が使用され、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−n−プロパノール、ジメチルアミノプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール及びトリイソプロパノールアミン等の低分子アルカノールアミンが含まれる。エタノールアミンはこの点において好適である。さらなる揮発性が乏しい塩基として、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ドデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、ジメチルステアリルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペラジン、4−メチルシクロヘキシルアミン及びN−ヒドロキシエチルモルホリンが記載できる。
【0059】
水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム又は水酸化テトラエチルアンモニウム等の水酸化第4級アンモニウムの塩もまた使用され得、グアニジン及びその誘導体、特にそのアルキル化生成物も使用され得る。しかしながら、塩形成剤として、例えば、メチルアミン、エチルアミン又はトリエチルアミン等の低分子アルキルアミンを使用することも可能である。本発明の主題により使用される成分に好適な塩として、例えば、特にナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、又はアンモニウム塩、特にマグネシウム又はカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等の無機陽イオンとの塩、並びに、例えば亜鉛、アルミニウム又はジルコニウム塩等の二価又は四価の陽イオンとの塩が挙げられる。ジシクロヘキシルアミン塩等の、有機塩基との塩;メチル−D−グルカミン;並びにアルギニン、リジン等のアミノ酸との塩もまた企図される。また、塩基性の窒素含有基は、塩化メチル、臭化メチル及びヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル及びヨウ化エチル、及び塩化プロピル、臭化プロピル及びヨウ化プロピル、並びに塩化ブチル、臭化ブチル及びヨウ化ブチル等の低級ハロゲン化アルキル;硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル及び硫酸ジアミル等の硫酸ジアルキル;塩化デシル、臭化デシル及びヨウ化デシル、塩化ラウリル、臭化ラウリル及びヨウ化ラウリル、及び塩化ミリスチル、臭化ミリスチル及びヨウ化ミリスチル、並びに塩化ステアリル、臭化ステアリル及びヨウ化ステアリル等の長鎖ハロゲン化物;臭化ベンジル及び臭化フェネチル等の喘息ハロゲン化物(asthma halide)等の作用物質により四級化され得る。それによって、水溶性若しくは油溶性の産物、又は分散性の産物が得られる。
【0060】
本明細書で使用される場合、「POSH」、「POSHタンパク質」又は「POSHポリペプチド」という用語は同義的に使用され、RINGドメイン及び少なくとも1つのSH3ドメインをアミノ酸配列に含むポリペプチドを意味する。いくつかの例では、POSHタンパク質は3つ又は4つのSH3ドメインを有し得る。
【0061】
「POSH介在性ユビキチン化」又は「POSHタンパク質介在性ユビキチン化」という用語は同義的に使用され、POSHタンパク質の関与を必要とするあらゆるユビキチン化プロセスを意味する。
【0062】
「ユビキチン化阻害剤」、「POSH阻害剤」又は「POSHタンパク質阻害剤」という用語は同義的に使用され、POSHタンパク質介在性ユビキチン化を含むPOSH活性を阻害する、本明細書において式Iで表わされるピリミジン誘導体を意味し、前記POSH活性は、PCT/US02/36366(WO03/095972)に定義され、前記特許文献は、あたかも本明細書で完全に開示されるかの如く、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0063】
活性薬剤は、好ましくは治療有効量において投与される。本明細書で使用される場合、「安全且つ有効な量」という用語は、本方法で使用される場合、過度の有害副作用(毒性反応、刺激反応又はアレルギー反応等)無しに、所望の治療反応を十分に得ることができ、且つ妥当なリスク・ベネフィット比に十分見合う、成分の量を意味する。本明細書で使用される場合、「治療有効量」というフレーズは、効率的に所望の治療反応が得られる本活性薬剤の量を意味する。実際に投与される量、並びに投与の速度及び経時プロフィール(rate and time−course)は、治療の対象となる状態の性質や重症度に依存するだろう。治療の処方(投与量、投与タイミング等の決定等)は、一般医や専門医の責任の範囲内であり、典型的には治療対象の障害、個々の患者の状態、送達部位、投与方法、及び医師に周知の他の因子群が考慮される。技法及びプロトコルの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
【0064】
本明細書で使用される場合、「対象」、「個体」、「動物」、「患者」又は「哺乳動物」という用語は、あらゆる対象を意味し、特に診断、予後、又は治療が望まれる哺乳類の対象で、例えばヒトを意味する。
【0065】
本明細書で使用される場合、疾患、障害又は状態の「治療」又は疾患、障害又は状態を「治療すること」という用語には、少なくとも1つのその症状の緩和、その重症度の軽減、又はその進行の遅延、予防又は阻害が含まれる。治療により、疾患、障害又は状態が必ずしも完全に治癒されるわけではない。効果的な治療であるためには、本明細書における有用な組成物は、疾患、障害又は状態の重症度の軽減、それに随伴する症状の重症度の軽減、患者または対象の生活の質の改善、疾患、障害又は状態の発症の遅延、予防又は阻害をすることのみを要する。
【0066】
「RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患」というフレーズは、ユビキチンリガーゼ活性を阻害又は調節することにより治療できる、あらゆる疾患、障害又は状態を意味する。そのような疾患には、これらに限定されないが、例えば、がん、血管新生障害及び炎症性疾患を含む細胞遊走が関連する疾患、障害及び状態;ハンチントン病、パーキンソン病、ラフォラ病(LD)、アンゲルマン症候群、フォン・ヒッペル−リンダウ症候群、リドル症候群、ファンコニー貧血及び3M症候群を含む遺伝性疾患;並びに腎疾患が含まれる。
【0067】
特に明記しない限り、本明細書に列挙されるあらゆる濃度の範囲、パーセントテージの範囲又は比の範囲は、その範囲内の整数で表わされるあらゆる濃度、パーセンテージ又は比を含み、整数の10分の1及び整数の100分の1等で表わされるその分数も含むことを理解されたい。
【0068】
特に明記しない限り、高分子サブユニット、サイズ又は厚み等のあらゆる物理的特性に関する、本明細書に列挙されたいかなる数値範囲も、列挙された範囲内にあらゆる整数を含むことを理解されたい。
【0069】
本明細書における上記及び他の場所で使用されるとき、「a」及び「an」という用語は、列挙された成分のうちの「一つ又は複数」を意味することを理解すべきである。特に記載のない限り、単数形の使用により複数も含まれることは、当業者には明らかであろう。従って、本明細書では、「a」、「an」及び「少なくとも一つ」という用語は同義的に使用される。
【0070】
本願を通して、種々の実施形態の説明には「含むこと」という文体が用いられるが、いくつかの特定の場合で、一実施形態が「から本質的に成る」又は「から成る」という文体を用いて代替的に説明され得ることは、当業者に理解されるだろう。
【0071】
本教示を範囲を制限することなくより良く理解する目的のために、特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる量、パーセンテージ又は比率を表わす全ての数値並びに他の数値は、全ての場合において、「約」という用語により変更されることを理解されたい。従って、特に記載のない限り、下記の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメーターは、得ようと試みる所望の特性に応じて変えることのできる近似値である。少なくとも、それぞれの数値パラメーターは、報告された有効数字の数値に照らし、概数技法(ordinary rounding techniques)を適用することにより、少なくとも解釈されるべきである。
【0072】
本明細書で使用される場合、他の用語は当該分野において周知の意味によって定義されることが意図される。
【0073】
本発明の主題の一実施形態は、対象におけるRING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法であって、下記一般式I:
【化1】

式中、
R1は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、1〜5個のRで任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、独立してハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、C−C10アルキル、C−Cハロアルキル、C−C10アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−C12アラルキル、C−C12ヘテロアラルキル、C−Cヘテロシクリル、C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、C−C10シクロアルケニル、C−C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボン酸塩、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、C−Cアルキルアミノ、C−Cアルキルアミノアルキル、C−Cジアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノアルキル、メルカプト、SOH、−S−アルキル、−S(O)アルキル、S(O)アルキル、硫酸塩、S(O)NH、S(O)NH、ホスホニル(phosphonyl)、アシル、アミノカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、C−Cジアルキルアミノカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル、C−C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C−Cアルキルヒドラジノカルボニル、C−Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、アルコキシアミノカルボニル、−NHSONH、または−OCHCHN(Rから選ばれ;
R2は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、1〜5個のRで任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは上記のとおりである;
で表される治療有効量の化合物、もしくは鏡像異性体、またはその薬剤的に許容される塩を、該対象に投与することを含む、方法に関する。
【0074】
別の実施形態において、本発明の主題は対象におけるRING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法であって、下記一般式I:
【化2】

式中、
R1は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、1〜5個のRで任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、独立してハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、C−C10アルキル、C−Cハロアルキル、C−C10アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−C12アラルキル、C−C12ヘテロアラルキル、C−Cヘテロシクリル、C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、C−C10シクロアルケニル、C−C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボン酸塩、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、C−Cアルキルアミノ、C−Cアルキルアミノアルキル、C−Cジアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノアルキル、メルカプト、SOH、−S−アルキル、−S(O)アルキル、S(O)アルキル、硫酸塩、S(O)NH、S(O)NH、ホスホニル(phosphonyl)、アシル、アミノカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、C−Cジアルキルアミノカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル、C−C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C−Cアルキルヒドラジノカルボニル、C−Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、アルコキシアミノカルボニル、−NHSONH、または−OCHCHN(Rより選ばれ;
R2は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、1〜5個のRで任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは上記のとおりである;
で表される化合物、もしくは鏡像異性体、またはその薬剤的に許容される塩を含む治療有効量の医薬組成物を、該対象に投与することを含む方法に関する。
【0075】
更なる実施形態において、本発明の主題は、前記化合物が下記式:
【化3】

で表される、RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法に関する。
【0076】
更なる別の実施態様において、本発明の主題は、前記医薬組成物が更に少なくとも一つの薬剤的に許容される担体をさらに含む、RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法に関する。
【0077】
別の実施形態において、本発明の主題は、前記RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患が、がん、炎症性疾患、自己免疫疾患、および血管新生障害からなる群から選択される、RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法に関する。
【0078】
別の実施形態において、本発明の主題は、前記RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患ががんである、RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法に関する。
【0079】
更なる別の実施形態において、本発明の主題は、前記がんが、肛門がん;星状細胞腫;白血病;リンパ腫;頭頸部がん;肝臓がん;精巣がん;子宮頸がん;肉腫;血管腫;食道がん;眼がん;喉頭がん;口腔がん;中皮腫;骨髄腫;口腔がん;直腸がん;咽喉がん;膀胱がん;乳がん;子宮がん;卵巣がん;前立腺がん;肺がん;結腸がん;膵がん;腎細胞癌;胃がん;皮膚がん;基底細胞癌;メラノーマ;扁平上皮癌;口腔扁平上皮癌;結腸直腸がん;多形神経膠芽腫;子宮内膜がん;および悪性神経膠腫からなる群から選択される、がんの治療方法に関する。
【0080】
一実施形態において、本発明の主題は、前記医薬組成物が、少なくとも一つの有効量の抗癌剤をさらに含む、がんの治療方法に関する。
【0081】
更なる実施形態において、本発明の主題は、前記少なくとも一つの抗癌剤が、イマチニブ、ダサチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ(bosutinib)、セジラニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマクサニブ(semaxanib)、スニチニブ、トセラニブ(toceranib)、バンデタニブ、およびバタラニブからなる群から選択される、がんの治療方法に関する。
【0082】
更なる別の実施態様において、本発明の主題は、前記対象に有効量の少なくとも一つの抗癌剤を投与することをさらに含む、がんの治療方法に関する。
【0083】
更なる別の実施態様において、本発明の主題は、前記少なくとも一つの抗癌剤が、前記医薬組成物の投与と同時、投与前または投与後に投与される、がんの治療方法に関する。
【0084】
一実施形態において、本発明の主題は、前記医薬組成物が、有効量の少なくとも一つのがん化学療法剤をさらに含む、がんの治療方法に関する。
【0085】
別の実施形態において、本発明の主題は、前記少なくとも一つのがん化学療法剤が、メクロレタミン;シクロホスファミド;イホスファミド;メルファラン;クロラムブシル;ジカルバジン(dicarbazine);ストレプトゾシン;カルムスチン;ロムスチン;セムスチン;クロロゾトシン;ブスルファン;トリエチレンメラミン;チオテパ;ヘキサメチルメラミン;代謝拮抗剤;メトトレキサート;フルオロウラシル;5−フルオロウラシル;フロクスウリジン(5’−フルオロ−2’−デオキシウリジン);イドクスウリジン;シタラビン;N−ホスホノアセチル−L−アスパラギン酸;5−アザシチジン;アザリビン;6−アザウリジン;ピラゾフラン(pyrazofuran);3−デアザウリジン;アシビシン;プリン類似体;チオグアニン;メルカプトプリン;アザチオプリン;ペントスタチン;エリトロヒドロキシノニルアデニン(erythrohydroxynonyladenine);ビンカアルカロイド;ビンクリスチン;ビンブラスチン;エピポドフィロトキシン;エトポシド;テニポシド;抗菌剤;ダクチノマイシン;ダウノルビシン;ドキソルビシン;硫酸ブレオマイシン;プリカマイシン;マイトマイシン;酵素;L−アスパラギナーゼ;白金配位錯体;シスプラチン;カルボプラチン;ヒドロキシ尿素;プロカルバジン;ミトタン;ホルモン;副腎皮質ステロイド;プレドニゾン;プレドニゾロン;アミノグルテチミド;プロゲスチン;カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン;酢酸メドロキシプロゲステロン;酢酸メゲステロール;エストロゲン;アンドロゲン;ジエチルスチルベストロール;フルオキシメステロン;エチニルエストラジオール;抗エストロゲン剤;タモキシフェン;性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体;およびロイプロリドからなる群から選択される、がんの治療方法に関する。
【0086】
さらなる別の実施形態において、本発明の主題は、前記対象に、有効量の少なくとも一つのがん化学療法剤を投与することをさらに含む、がんの治療方法に関する。
【0087】
更なる実施形態において、本発明の主題は、前記少なくとも一つのがん化学療法剤が、前記医薬組成物の投与と同時、投与前または投与後に投与される、がんの治療方法に関する。
【0088】
更なる別の実施態様において、本発明の主題は、前記対象に放射線治療を行うことをさらに含むがんの治療方法に関する。
【0089】
一実施形態において、本発明の主題は、放射線治療が前記医薬組成物の投与と同時、投与前または投与後に行われる、がんの治療方法に関する。
【0090】
更なる実施形態において、本発明の主題は、前記RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患が炎症性疾患である、RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法に関する。
【0091】
別の実施形態において、本発明の主題は、前記炎症性疾患が、肺線維症;虚血性心疾患;クローン病;皮膚筋炎;真性糖尿病;ギラン・バレー症候群;橋本病;特発性血小板減少性紫斑病;混合結合組織病;重症筋無力症;ナルコレプシー;尋常性天疱瘡;悪性貧血;多発性筋炎;原発性胆汁性肝硬変;シェーグレン症候群;側頭動脈炎;潰瘍性大腸炎;脈管炎;ウェゲナー肉芽腫症;全身性エリテマトーデス;ループス腎炎;グッドパスチャー症候群;溶血性貧血;甲状腺中毒症;多発性硬化症;強皮症;喘息;関節リウマチ;変形性関節症;敗血症;粥状動脈硬化症;慢性腎疾患;炎症性腸疾患;脈管炎;腹膜炎;巨大乳頭結膜炎;ブドウ膜炎;季節性アレルギー性結膜炎;慢性前立腺炎;糸球体腎炎;過敏症;炎症性腸疾患;骨盤腹膜炎;再灌流障害;移植拒絶反応;チェディアック−東症候群;慢性肉芽腫症;尿路炎症性疾患;間質性膀胱炎;潰瘍性大腸炎;全身性硬化症;皮膚筋炎;多発性筋炎;および封入体筋炎からなる群から選択される、炎症性疾患の治療方法に関する。
【0092】
一実施形態において、本発明の主題は、前記医薬組成物が少なくとも一つの抗炎症剤をさらに含む、炎症性疾患の治療方法に関する。
【0093】
別の実施形態において、本発明の主題は、前記抗炎症剤が、副腎皮質ステロイド;コルチゾル;アルドステロン;ヒドロコルチゾン;酢酸ヒドロコルチゾン;酢酸コルチゾン;ピルビン酸チキソコルトール;プレドニゾロン;メチルプレドニゾロン;プレドニゾン;トリアムシノロンアセトニド;トリアムシノロンアルコール(triamcinolone alcohol);モメタゾン;アムシノニド;ブデソニド;デソニド;フルオシノニド;フルオシノロンアセトニド;ハルシノニド;ベタメタゾン;リン酸ベタメタゾンナトリウム;デキサメタゾン;リン酸デキサメタゾンナトリウム;フルオコルトロン;ヒドロコルチゾン−17−ブチレート;ヒドロコルチゾン−17−バレレート;アルクロメタゾンプロピオン酸エステル;吉草酸ベタメタゾン;ジプロピオン酸ベタメタゾン;プレドニカルベート;クロベタゾン−17−ブチレート;クロベタゾール−17−プロピオネート;フルオコルトロンカプロン酸;ピバリン酸フルオコルトロン;酢酸フルプレドニデン(fluprednidene acetate);非ステロイド性抗炎症薬;COX−2阻害剤;ニメスリド;ジクロフェナク;リコフェロン(licofelone);アスピリン;イブプロフェン;ナプロキセン;免疫選択的抗炎症性誘導体(immune selective anti−inflammatory derivative);フェニルアラニン−グルタミン−グリシン(phenylalanine−glutamine−glycine);薬草;ハルパゴフィツム属;ヒソップ;ショウガ;ウコン;アルニカ;ヤナギ樹皮;およびアサからなる群から選択される、炎症性疾患の治療方法に関する。
【0094】
更に別の実施形態において、本発明の主題は前記対象に、有効量の少なくとも一つの抗炎症剤を投与することをさらに含む、炎症性疾患の治療方法に関する。
【0095】
更なる別の実施形態において、本発明の主題は、前記少なくとも一つの抗炎症剤が、前記医薬組成物の投与と同時、投与前または投与後に投与される、炎症性疾患の治療方法に関する。
【0096】
更なる実施形態において、本発明の主題は、前記RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患が血管新生障害である、RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法に関する。
【0097】
更なる実施形態において、本発明の主題は、前記血管新生障害が、糖尿病性失明;慢性炎症;関節炎;加齢性黄斑変性;網膜症;関節リウマチ;変形性関節症;クローン病;乾癬;がん;アルツハイマー病;再狭窄;肺線維症;喘息;血管線維腫;血管新生緑内障;動静脈奇形;偽関節骨折(nonunion fracture);狼瘡;結合組織障害;ランデュ−オースラー−ウェーバー症候群(Osler−Weber syndrome);動脈硬化巣;移植角膜血管新生(corneal graft neovascularization);化膿性肉芽腫;水晶体後線維増殖症;強皮症;肉芽形成、血管腫;トラコーマ;血友病関節;腹膜子宮内膜症;肥満症;および血管接着(vascular adhesion)からなる群から選択される、血管新生障害の治療方法に関する。
【0098】
更なる別の実施態様において、本発明の主題は、前記医薬組成物が少なくとも一つの血管新生阻害剤をさらに含む、血管新生障害の治療方法に関する。
【0099】
更なる別の実施態様において、本発明の主題は、前記少なくとも一つの血管新生阻害剤が、ベバシズマブ、スニチニブ、ソラフェニブ、サリドマイド、レナリドマイド、パニツムマブ、セツキシマブ、およびエルロチニブからなる群から選択される、血管新生障害の治療方法に関する。
【0100】
一実施形態において、本発明の主題は、前記RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患が自己免疫疾患である、RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法に関する。
【0101】
別の実施形態において、本発明の主題は、前記自己免疫疾患が、クローン病、皮膚筋炎、真性糖尿病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、混合結合組織病、重症筋無力症、ナルコレプシー、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、潰瘍性大腸炎、脈管炎、ウェゲナー肉芽腫症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性貧血、甲状腺中毒症、多発性硬化症、および強皮症からなる群から選択される、自己免疫疾患の治療方法に関する。
【0102】
一実施形態において、本発明の主題は、抗癌剤、血管新生阻害剤、および抗炎症剤からなる群から選択される、治療有効量の少なくとも一種を、前記対象に投与することをさらに含む、自己免疫疾患の治療方法に関する。
【0103】
更なる実施形態において、本発明の主題は、前記医薬組成物が、抗癌剤、血管新生阻害剤および抗炎症剤からなる群から選択される有効量の少なくとも一種をさらに含む、RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法に関する。
【0104】
更なる別の実施態様において、本発明の主題は、前記医薬組成物が、抗癌剤、血管新生阻害剤、および任意に抗炎症剤をさらに含む、がんの治療方法に関する。
【実施例】
【0105】
実施例1: 化合物A(7006286)の合成経路
N−アセチルアントラニル酸(2)
10g(73mmol)のアントラニル酸(1)を15mlの無水酢酸及び15mlの酢酸と混合し、2時間還流させた。冷却後、その混合物を氷上に注ぎ、沈殿物を濾過し、50%EtOHから再結晶化した。収率9.3g(80%)。
【0106】
2−メチル−3−(3−ニトロフェニル)−4−キナゾロン(3)
250mlフラスコ中に、3.58g(20mmol)のN−アセチルアントラニル酸(2)、2.76g(20mmol)の3−ニトロアニリン及び35mlのトルエンを入れた。その混合物に、撹拌させながら、5mlのトルエン中の920mg(6.7mmol)の三塩化リン溶液を滴加した。その後得られた懸濁液を還流させながら2時間撹拌し、冷却後、40mlの10%炭酸ナトリウム溶液で処理された。真空中の間接的水蒸気蒸留によりトルエンを除去した後、固形物が濾去され、メタノールから再結晶化した。収率3.25g(58%)
【0107】
2−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−ビニル]−3−(3−ニトロフェニル)−4−キナゾロン(化合物A)
2−メチル−3−(3−ニトロフェニル)−4−キナゾロン(3)(2.81g、10mmol)、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.34g、11mmol)及び600mg(7.3mmol)の無水酢酸ナトリウムの混合物を25mlの酢酸に溶解させ、10時間還流させた。冷却時に形成された沈殿物を濾過し、沸騰水で洗浄し、空気中で乾燥させた。山吹色の粉末(mp 286〜89)の収率は1.72g(45%)であった。
【化4】

HNMRによる化合物Aの特徴付けを図1に示す。
【0108】
実施例2: 化合物B(7084016)の合成経路
(E)−2−(4−メトキシスチリル)−3−(3−ニトロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
氷酢酸(3.0ml)中の2−メチル−3−(3−ニトロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン(合成1については、化合物Aの調製を参照、165mg、0.6mmol)、4−メトキシベンズアルデヒド(4−methoxybenzaldheyde)(120mg、0.70mmol)及びNaOAc(53mg、0.70mmol)の混合物を還流させながら10時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、得られた沈殿物を減圧濾過により収集し、水で洗浄し、EtOHから再結晶し、114mg(51%)の標的化合物を得た。
【化5】

HNMRによる化合物Bの特徴付けは図5に示した。
【0109】
実施例3: 化合物C(7084151)の合成経路
(E)−2−(4−ブロモスチリル)−3−(3−ニトロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン
氷酢酸(3.0ml)中の2−メチル−3−(3−ニトロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン(合成1については、化合物Aの調製を参照、165mg、0.6mmol)、4−ブロモベンズアルデヒド(4−bromobenzaldheyde)(120mg、0.70mmol)及びNaOAc(53mg、0.70mmol)の混合物を還流させながら10時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、得られた沈殿物を減圧濾過により収集し、水で洗浄し、EtOHから再結晶し、114mg(51%)の標的化合物を得た。
【化6】

HNMRによる化合物Cの特徴付けは図6に示した。
【0110】
実施例4: 化合物D(7084175)の合成経路
(E)−3−(3−(ジヒドロキシアミノ)フェニル)−2−(2−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ビニル)キナゾリン−4(3H)−オン
氷酢酸(3.0ml)中の2−メチル−3−(3−ニトロフェニル)−3H−キナゾリン−4−オン(合成1については、化合物Aの調製を参照、165mg、0.6mmol)、1−メチル−1H−ピラゾール−3−カルバルデヒド(120mg、0.70mmol)及びNaOAc(53mg、0.70mmol)の混合物を還流させながら10時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、得られた沈殿物を減圧濾過により収集し、水で洗浄し、EtOHから再結晶し、114mg(51%)の標的化合物を得た。
【化7】

【0111】
実施例5: 化合物A、B、C及びDの癌細胞に対するin vitroにおける効果
375細胞(CRL−1619、メラノーマ癌細、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(「ATCC」)、米国バージニア州マナッサス)を10%FBS含有RPMIで培養した(1ウェル当たり300細胞)。播種から24時間後、細胞を様々な濃度の化合物Aで処理した。WST−1試薬(ロシェ)処理から72時間後に細胞の生存率を検査した。LD50をPrismソフトウェア(グラフパッド社)を用いて計算した。化合物Aは20μMのLD50でA375癌細胞を死滅させた。
【0112】
A375細胞を10%FBS含有RPMIで培養した。細胞をFBSを含まない培地で24時間飢餓状態にした。スタベーションの終わりに、FBSを含まない培地中の5x10個の細胞を24ウェルのTRANSWELL装置(Corning TRANSWELL(登録商標)ポリカーボネート膜インサート、孔径5μm)のアッパーチャンバーに溶媒(DMSO/PEG400)又は様々な濃度の化合物A、B、C又はDと共に播いた。FBS並びに化合物A、B、C又はDを含む培地をボトムチャンバーに加えた。24時間後、アッパーチャンバーからの細胞を綿棒で除去した。膜の底部に遊走した細胞をCalcein−AM(シグマ)で染色し、蛍光顕微鏡で画像を取り込んだ。遊走細胞の数をImage Jソフトウェアで定量化し、IC50値をPrismソフトウェア(グラフパッド)を用いて計算した。図2Bには、A375メラノーマ細胞株において0.1μMのIC50を有する化合物Aの細胞遊走阻害効果を示す。
【0113】
3つの実験から得られた結果により、化合物A、B、C及びDはA375細胞に対し、これらの化合物の毒性濃度より200〜150倍低い濃度で、抗遊走活性を有することが示された。これにより、これらの化合物が顕著な細胞毒性を引き起こさずに、細胞遊走を含む兆候の治療ために使用され得ることが示された。
【0114】
実施例6: 化合物Aの肺がん転移形成に対するin vivoでの効果
肺がん転移形成に対する抑制活性を、D122Lewis肺がん細胞を雄C57BLマウスの尾静脈に注入することにより検査した。動物には、20mg/kgの化合物A又は溶媒(5%DMSO、10%PEG400、5%Solutol HS15、5%トウィーン80)を腹腔内に1日2回注射処理した。28日間処理を継続した。33日目に、動物を屠殺し、肺を取り出し重量を計測した。化合物A群とビヒクル群を比較すると、化合物A群における増加肺重量が50%減少している(図3)。対照群の平均体重増加が250mgであるのに対し、化合物A群の平均体重増加は125mgだけであった。両側t検定を用いてデータを解析し、そのデータが有意であることが示された(p値=0.0085)。化合物Aの投与後に観察された効果により、該化合物が抗転移活性を有するという主張が裏付けられる。
【0115】
実施例7: 抗炎症性検定法
遅延型過敏(DTH)反応は、細胞免疫の発現によるものであり、多くの炎症性疾患の病理及び慢性化において主要な役割を持つ。遅延型過敏(DTH)反応は、オキサゾロン、2、4−ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)及び羊赤血球(SRBC)を含む種々のアレルゲンにより誘導され得る。最も特徴的なDTHの兆候の1つは接触過敏症であり、腫脹により、且つサイトカインの組織レベルの増加により特徴付けられる。接触過敏症(CHS)は、皮膚感作及び反応性ハプテンでの攻撃に応じたT細胞介在性の免疫反応であり、前記ハプテンは可溶性の細胞結合タンパク質に直接結合でき、自己のMHC産物との関連においてT細胞により認識される。皮膚において、抗原−タンパク質複合体を認識する細胞はランゲルハンス細胞(LC)である。局所的なアレルゲン処理の後、皮膚における免疫応答を誘導する主要な抗原提示細胞(APC)である、ランゲルハンス細胞(LC)は、表面MHCクラスII分子の発現増強を示し、皮膚から、特異的なリンパ球活性化が起こると考えられる所属リンパ節へと遊走し始める。ハプテンとの2度目の接触後、T細胞がまず組織にリクルートされ、その後抗原提示細胞により活性化され、局所炎症を仲介するサイトカインを産生する。ミエロペルオキシダーゼ(MPO)は好中性顆粒中にのみ存在する酵素であり、一般に顆粒球浸潤の指標として使用され、その阻害により消炎作用が示される。
【0116】
本研究の目標は、化合物A、B及びCのオキサゾロン誘導性DTHに対する効果を調べることである。
【0117】
動物:
動物の種及び系統:50BALB/cマウス
性別、年齢及び重量:雌、19〜21g、6〜8週齢
ブリーダー/供給元:上海SLAC実験動物有限公司(Shanghai SLAC Laboratory Animal Co. Ltd.)
動物社及び飼育:
試験設備: ファーマレガシー実験動物施設(PharmaLegacy Laboratories Vivarium)
順応: 7日以上
飼育部屋: 通常飼育部屋
室温: (19〜26)℃
室内相対湿度: 40〜70%
光周期: 蛍光灯で12時間明(8:00〜20:00)及び12時間暗
動物の収納: 治療群ごとに5マウス/ケージ
餌: 自由に餌を得られる環境(照射済み、上海SLAC実験動物有限公司(Shanghai SLAC Laboratory Animal Co. Ltd.)、中国)
水: 自由に水を得られる環境(Molanimal Ultrapure Water Systemにより濾過された都市水道水)
試薬:
オキサゾロン: シグマ・アルドリッチ社(米国ミズーリ州セントルイス)、カタログ番号: E0753、ロット番号: 124K3690
ペントバルビタールナトリウム: 上海Westangバイオテック有限公司(Shanghai Westang Biotech Co.、Ltd)(中国上海)、ロット番号: WS20090520
イソフルラン: He Bei Jiu Paiバイオテック有限公司(He Bei Jiu Pai Biotech Co.、Ltd)、カタログ番号: H19980141
アセトン: シノファームケミカルリエージェント有限会社(Sinopharm Chemical Reagent Co.、Ltd)、カタログ番号: 10000418
オリーブ油: シノファームケミカルリエージェント有限会社(Sinopharm Chemical Reagent Co.、Ltd)、カタログ番号: 69018028
食塩水: 安徽ダブルクレーン製薬有限会社(double−crane Pharmaceutical Co.、Ltd)、カタログ番号:H34023609
対照薬剤: デキサメタゾン: シグマ・アルドリッチ社、カタログ番号: D1756−1G
設備:
マイクロメーター: ミツトヨ(No.045−020、0〜25mm、0.001mm、日本)
手順:
試薬は下記のように調製した:
オキサゾロン溶液: オキサゾロンを10mg/mLでアセトン/オリーブ油(4:1)に溶解させた。
対照薬剤溶液: デキサメタゾンを2.5mg/mLでアセトンに溶解させた。
【0118】
免疫化及び攻撃
無作為に選んだ50匹の動物を5つのグループに分けた(n=10)。
【0119】
マウスを1.0%ペントバルビタールナトリウム(60mg/kg)で麻酔し、腹部を剪毛した。アセトン/オリーブ油(4:1)中3%オキサゾロンを150μL、0日目に各マウスの腹部に塗布した。
【0120】
5日目に全てのマウスを、アセトン/オリーブ油(4:1)中1%オキサゾロンを20μL、右耳の両側に局所的(10μL/側)に塗布することで攻撃した。
【0121】
処理:
化合物A、B及びC、並びに対照薬剤を、別々の投与プロトコルに従い投与した:a)グループ1(ビヒクル群)、食塩水をオキサゾロンによる攻撃の1時間前に経口投与した。b)対照薬剤群、グループ2において、アセトン中デキサメタゾン(0.05mg/耳)を、オキサゾロンによる攻撃の1時間後及び6時間後に、右耳の両側に局所的(20μL/耳、10μL/側)に塗布した。異なる用量の、3種の食塩水中被験物質を、グループ3、4及び5におけるオキサゾロンによる攻撃の1時間前に、経口投与した。
【0122】
測定:
全てのマウスの体重を、0日目から6日目まで、毎日記録した。
【0123】
耳の膨張反応を、オキサゾロンによる攻撃の前及び24時間後に、マイクロメーターを用いて耳の厚さを測定することにより判定し、耳の厚さにおける平均値の変化(ΔT±標準誤差)として報告した。耳の膨張反応の抑制率を、抑制率=[1−(試験処理に曝された感作マウスのΔT/ビヒクル処理に曝された感作マウスのΔT)]×100として計算した。
【0124】
マウスを、最後の耳の厚さ測定後(オキサゾロンによる攻撃の24時間後)に、95%COで安楽死させた。
【0125】
各群の耳介を、安楽死後すぐに、直径10mmパンチを用いてパンチングすることにより収集し、重量を測定した。グループ1については、左耳及び右耳の両方が収集され、グループ2〜5については、右耳だけが収集された。耳サンプルは液体窒素で凍結した。
【0126】
図7で示されるように、化合物A、B及びCは対照と同様の抗炎症活性を有する。
【0127】
統計:
結果は平均値±標準誤差として示されている。分散の1元分析と続くダネットの事後検定(Dunnett’s post test)を用いて、群間の差異を測定した。P<0.05は統計的に有意であると考えられる。
【0128】
実施例8: 多発性硬化症のEAEモデル
CSJL/F1マウスにおけるEAEモデルは、多発性硬化症用に確立されたモデルである。全てのマウスに脳炎惹起性の乳剤を注入(MSCH/CFA、各マウスの左足蹠に0.05ml注射)し、疾患を誘導した。10mg/kg及び20mg/kgの化合物A又は溶媒(5%DMSO、10%PEG400、5%Solutol HS15、5%トウィーン80)を腹腔内に注射する処理は、試験の1日目から開始し、最初の9日間は1日2回投与し、その後は試験終了まで1日1回投与した。EAEの臨床兆候のスコアリングをEAE誘導の10日後から開始し、毎日継続した。前記臨床兆候は表1に記載される評点方式に従って記録された。
【表1】

【0129】
化合物Aを20mg/kgで投与することにより、EAE誘導により発現した臨床兆候は、水及びビヒクル対照のスコアの約半分まで減少した。化合物Aを10mg/kgで投与した場合効果は観察されず、このことはこの投与計画では有効濃度に到達しなかったことを示している。テヴァ製薬産業(Teva Pharmaceutical Industries)により供給されるラキニモド(Laquinimod)で処理された群(一日1mg/kgを経口投与)を対照群とした。
【0130】
実施例9: 化合物A、B、C及びDの使用
患者は乳がん患者である。治療有効量の化合物A、B、C又はDを条件に合う剤形で患者に投与される。患者は状態を改善又は回復するであろうことが期待される。
【0131】
本明細書を通して、種々の科学出版物及び米国特許若しくは米国特許出願公開が参照される。これら各出版物の全開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本章又は本願の他のあらゆる部分におけるいかなる参考文献の引用又は特定も、このような参考文献が本発明の従来技術として使用可能であるとは解釈しないものとする。
【0132】
種々の変更がその本質的な性質から逸脱することなく行われ得ることは、本発明の主題が関係する分野の当業者に明白であろう。そのような変更全てが、添付の特許請求の範囲の範囲内で包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象におけるRING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患を治療する方法であって、下記一般式I:
【化1】

式中、
R1は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、1〜5個のRで任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、独立してハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、C−C10アルキル、C−Cハロアルキル、C−C10アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−C12アラルキル、C−C12ヘテロアラルキル、C−Cヘテロシクリル、C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、C−C10シクロアルケニル、C−C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボン酸塩、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、C−Cアルキルアミノ、C−Cアルキルアミノアルキル、C−Cジアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノアルキル、メルカプト、SOH、−S−アルキル、−S(O)アルキル、S(O)アルキル、硫酸塩、S(O)NH、S(O)NH、ホスホニル(phosphonyl)、アシル、アミノカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、C−Cジアルキルアミノカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル、C−C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C−Cアルキルヒドラジノカルボニル、C−Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、アルコキシアミノカルボニル、−NHSONH、または−OCHCHN(Rから選ばれ;
R2は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、1〜5個のRで任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは上記のとおりである;
で表される治療有効量の化合物、もしくは鏡像異性体、またはその薬剤的に許容される塩を、該対象に投与することを含む、方法。
【請求項2】
対象におけるRING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療方法であって、下記一般式I:
【化2】

式中、
R1は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、1〜5個のRで任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、独立してハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、C−C10アルキル、C−Cハロアルキル、C−C10アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−C12アラルキル、C−C12ヘテロアラルキル、C−Cヘテロシクリル、C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、C−C10シクロアルケニル、C−C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボン酸塩、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、C−Cアルキルアミノ、C−Cアルキルアミノアルキル、C−Cジアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノアルキル、メルカプト、SOH、−S−アルキル、−S(O)アルキル、S(O)アルキル、硫酸塩、S(O)NH、S(O)NH、ホスホニル(phosphonyl)、アシル、アミノカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、C−Cジアルキルアミノカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル、C−C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C−Cアルキルヒドラジノカルボニル、C−Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、アルコキシアミノカルボニル、−NHSONH、または−OCHCHN(Rから選ばれ;
R2は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、1〜5個のRで任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは上記のとおりである;
で表される化合物、もしくは鏡像異性体、またはその薬剤的に許容される塩を含む治療有効量の医薬組成物を該対象に投与することを含む、方法。
【請求項3】
前記化合物が、
下記式:
【化3】

で表される化合物A、
下記式:
【化4】

で表される化合物B、
下記式:
【化5】

で表される化合物C、
下記式:
【化6】

で表される化合物D
からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記医薬組成物が、少なくとも一つの薬剤的に許容される担体をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患が、がん、炎症性疾患、自己免疫疾患、および血管新生障害からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患ががんである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記がんが、肛門がん、星状細胞腫、白血病、リンパ腫、頭頸部がん、肝臓がん、精巣がん、子宮頸がん、肉腫、血管腫、食道がん、眼がん、喉頭がん、口腔がん、中皮腫、骨髄腫、口腔がん、直腸がん、咽喉がん、膀胱がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、膵がん、腎細胞癌、胃がん、皮膚がん、基底細胞癌、メラノーマ、扁平上皮癌、口腔扁平上皮癌、結腸直腸がん、多形神経膠芽腫、子宮内膜がん、および悪性神経膠腫からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記医薬組成物が、有効量の少なくとも一つの抗癌剤をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも一つの抗癌剤が、イマチニブ、ダサチニブ、アキシチニブ、ボスチニブ(bosutinib)、セジラニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマクサニブ(semaxanib)、スニチニブ、トセラニブ(toceranib)、バンデタニブ、およびバタラニブからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記対象に有効量の少なくとも一つの抗癌剤を投与することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つの抗癌剤が、前記医薬組成物の投与と同時、投与前または投与後に投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記医薬組成物が、有効量の少なくとも一つのがん化学療法剤をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも一つのがん化学療法剤が、メクロレタミン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ジカルバジン(dicarbazine)、ストレプトゾシン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、クロロゾトシン、ブスルファン、トリエチレンメラミン、チオテパ、ヘキサメチルメラミン、代謝拮抗剤、メトトレキサート、フルオロウラシル、5−フルオロウラシル、フロクスウリジン(5’−フルオロ−2’−デオキシウリジン)、イドクスウリジン、シタラビン、N−ホスホノアセチル−L−アスパラギン酸、5−アザシチジン、アザリビン、6−アザウリジン、ピラゾフラン(pyrazofuran)、3−デアザウリジン、アシビシン、プリン類似体、チオグアニン、メルカプトプリン、アザチオプリン、ペントスタチン、エリトロヒドロキシノニルアデニン(erythrohydroxynonyladenine)、ビンカアルカロイド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エピポドフィロトキシン、エトポシド、テニポシド、抗菌剤、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、硫酸ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシン、酵素、L−アスパラギナーゼ、白金配位錯体、シスプラチン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、プロカルバジン、ミトタン、ホルモン、副腎皮質ステロイド、プレドニゾン、プレドニゾロン、アミノグルテチミド、プロゲスチン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲステロール、エストロゲン、アンドロゲン、ジエチルスチルベストロール、フルオキシメステロン、エチニルエストラジオール、抗エストロゲン剤、タモキシフェン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似体、およびロイプロリドからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記対象に、有効量の少なくとも一つのがん化学療法剤を投与することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも一つのがん化学療法剤が、前記医薬組成物の投与と同時、投与前または投与後に投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記対象に放射線治療を行うことをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項17】
放射線治療が前記医薬組成物の投与と同時、投与前または投与後に行われる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患が炎症性疾患である、請求項5に記載の方法。
【請求項19】
前記炎症性疾患が、肺線維症、虚血性心疾患、クローン病、皮膚筋炎、真性糖尿病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、混合結合組織病、重症筋無力症、ナルコレプシー、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、潰瘍性大腸炎、脈管炎、ウェゲナー肉芽腫症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性貧血、甲状腺中毒症、多発性硬化症、強皮症、喘息、関節リウマチ、変形性関節症、敗血症、粥状動脈硬化症、慢性腎疾患、炎症性腸疾患、脈管炎、腹膜炎、巨大乳頭結膜炎、ブドウ膜炎、季節性アレルギー性結膜炎、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、過敏症、炎症性腸疾患、骨盤腹膜炎、再灌流障害、移植拒絶反応、チェディアック−東症候群、慢性肉芽腫症、尿路炎症性疾患、間質性膀胱炎、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、皮膚筋炎、多発性筋炎、および封入体筋炎からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記医薬組成物が少なくとも一つの抗炎症剤をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記抗炎症剤が、副腎皮質ステロイド、コルチゾル、アルドステロン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、ピルビン酸チキソコルトール、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンアルコール(triamcinolone alcohol)、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、フルオコルトロン、ヒドロコルチゾン−17−ブチレート、ヒドロコルチゾン−17−バレレート、プロピオン酸アルクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、プレドニカルベート、クロベタゾン−17−ブチレート、クロベタゾール−17−プロピオネート、フルオコルトロンカプロン酸、ピバリン酸フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン(fluprednidene acetate)、非ステロイド性抗炎症薬、COX−2阻害剤、ニメスリド、ジクロフェナク、リコフェロン(licofelone)、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、免疫選択的抗炎症性誘導体(immune selective anti−inflammatory derivative)、フェニルアラニン−グルタミン−グリシン(phenylalanine−glutamine−glycine)、薬草、ハルパゴフィツム属、ヒソップ、ショウガ、ウコン、アルニカ、ヤナギ樹皮、およびアサからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記対象に、有効量の少なくとも一つの抗炎症剤を投与することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも一つの抗炎症剤が、前記医薬組成物の投与と同時、投与前または投与後に投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患が血管新生障害である、請求項5に記載の方法。
【請求項25】
前記血管新生障害が、糖尿病性失明、慢性炎症、関節炎、加齢性黄斑変性、網膜症、関節リウマチ、変形性関節症、クローン病、乾癬、がん、アルツハイマー病、再狭窄、肺線維症、喘息、血管線維腫、血管新生緑内障、動静脈奇形、偽関節骨折(nonunion fracture)、狼瘡、結合組織障害、ランデュ−オースラー−ウェーバー症候群(Osler−Weber syndrome)、動脈硬化巣、移植角膜血管新生(corneal graft neovascularization)、化膿性肉芽腫、水晶体後線維増殖症、強皮症、肉芽形成、血管腫、トラコーマ、血友病関節、腹膜子宮内膜症、肥満症、および血管接着(vascular adhesion)からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記医薬組成物が、少なくとも一つの血管新生阻害剤をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも一つの血管新生阻害剤が、ベバシズマブ、スニチニブ、ソラフェニブ、サリドマイド、レナリドマイド、パニツムマブ、セツキシマブ、およびエルロチニブからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患が自己免疫疾患である、請求項5に記載の方法。
【請求項29】
前記自己免疫疾患が、クローン病、皮膚筋炎、真性糖尿病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、混合結合組織病、重症筋無力症、ナルコレプシー、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、潰瘍性大腸炎、脈管炎、ウェゲナー肉芽腫症、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性貧血、甲状腺中毒症、多発性硬化症、および強皮症からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
抗癌剤、血管新生阻害剤、および抗炎症剤からなる群から選択される、治療有効量の少なくとも一種を、前記対象に投与することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項31】
前記医薬組成物が、抗癌剤、血管新生阻害剤および抗炎症剤からなる群から選択される、有効量の少なくとも一種をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項32】
前記医薬組成物が、抗癌剤、血管新生阻害剤、および任意に抗炎症剤をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項33】
下記式II:
【化7】

で表される化合物、またはその薬剤的に許容できる塩。
【請求項34】
下記式III:
【化8】

で表される化合物、またはその薬剤的に許容できる塩。
【請求項35】
下記式IV:
【化9】

で表される化合物、またはその薬剤的に許容できる塩。
【請求項36】
RING E3ユビキチンリガーゼ関連疾患の治療のための、下記一般式I:
【化10】

式中、
R1は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、1〜5個のRで任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは、独立してハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、C−C10アルキル、C−Cハロアルキル、C−C10アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、C−C10アリール、C−C10ヘテロアリール、C−C12アラルキル、C−C12ヘテロアラルキル、C−Cヘテロシクリル、C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、C−C10シクロアルケニル、C−C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボン酸塩、シアノ、ニトロ、アミノ、アミノアルキル、C−Cアルキルアミノ、C−Cアルキルアミノアルキル、C−Cジアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノアルキル、メルカプト、SOH、−S−アルキル、−S(O)アルキル、S(O)アルキル、硫酸塩、S(O)NH、S(O)NH、ホスホニル(phosphonyl)、アシル、アミノカルボニル、C−Cアルキルアミノカルボニル、C−Cジアルキルアミノカルボニル、C−C10アルコキシカルボニル、C−C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C−Cアルキルヒドラジノカルボニル、C−Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニル、アルコキシアミノカルボニル、−NHSONH、または−OCHCHN(Rから選ばれ、
R2は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリールアルキル、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキル、1〜5個のRで任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;
各Rは上記のとおりである;
で表される化合物、もしくは鏡像異性体、またはその薬剤的に許容される塩の使用。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2013−518810(P2013−518810A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540508(P2012−540508)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【国際出願番号】PCT/IB2010/003048
【国際公開番号】WO2011/064657
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(509125693)プロテオロジクス リミテッド (4)
【Fターム(参考)】