説明

キナーゼ阻害剤に対する抗癌応答を予測する生物学的マーカー

本発明は、EGFRキナーゼ、PDGFRキナーゼ、またはFGFRキナーゼ阻害剤による癌患者の治療効果を予測するための診断および予後診断方法を提供する。EMTが生じた後、腫瘍細胞は、間葉状であるが、依然として、上皮および間葉細胞の両方の特徴を発現し、このような細胞が、受容体タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤による阻害に対する感受性を変化させた、という驚くべき発見に基づいて、それらは、EGFRキナーゼ阻害剤に対して比較的感受性が無くなってきたが、しばしば、PDGFRまたはFGFR等の他の受容体タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤に対する感受性を得たという点において、諸方法を、このような「ハイブリッド」腫瘍細胞を同定する(例えば、ビメンチンおよび上皮ケラチンの共発現の決定)、ひいては、EGFRキナーゼ、PDGFRキナーゼ、またはFGFRキナーゼ阻害剤に対する腫瘍の考えられる感受性を予測する、特異的上皮および間葉バイオマーカーのレベルを決定するために発明した。このような方法を取り入れるEGFR、PDGFR、またはFGFRキナーゼ阻害剤を用いて癌患者を治療するための改善した方法も提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
EGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する腫瘍細胞増殖の感受性を予測するための方法であって、腫瘍細胞により発現した上皮バイオマーカーのレベルを評価すること、腫瘍細胞により発現した間葉バイオマーカーのレベルを評価すること、EGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する腫瘍細胞増殖の感受性を予測すること、を含み、同様のレベルの上皮および間葉バイオマーカーの共発現は、EGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する低い感受性と相関し、前記上皮バイオマーカーは、上皮ケラチン1−28および71−80から選択される1つ以上のケラチンを含み、前記間葉バイオマーカーは、ビメンチンである、方法。
【請求項2】
EGFRキナーゼ阻害剤は、エルロチニブを含む、請求項1の方法。
【請求項3】
PDGFRまたはFGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する腫瘍細胞増殖の感受性を予測するための方法であって、腫瘍細胞により発現した上皮バイオマーカーのレベルを評価すること、腫瘍細胞により発現した間葉バイオマーカーのレベルを評価すること、PDGFRまたはFGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する腫瘍細胞増殖の感受性を予測すること、を含み、同様のレベルの上皮および間葉バイオマーカーの共発現は、PDGFRまたはFGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する高い感受性と相関し、前記上皮バイオマーカーは、上皮ケラチン1−28および71−80から選択される1つ以上のケラチンを含み、前記間葉バイオマーカーは、ビメンチンである、方法。
【請求項4】
PDGFRの阻害剤は、イマチニブ、リンゴ酸スニチニブ(sunitib malate)、ダサチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、RPR127963、CP−868596、タンデュチニブ(tandutinib)、モテサニブ(motesanib)、レフルノミド、OSI−930、XL−999、SU6668、CHIR−258、RO4383596、およびBIBF−1120から選択される、請求項3の方法。
【請求項5】
FGFRの阻害剤は、RO−4396686、CHIR−258、PD 173074、PD 166866、ENK−834、ENK−835、SU5402、XL−999、SU6668、CHIR−258、RO4383596、およびBIBF−1120から選択される、請求項3の方法。
【請求項6】
患者における腫瘍または腫瘍転移を治療するための方法であって、
EGFR、PDGFR、またはFGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する腫瘍細胞増殖の感受性を予測することによって、患者のEGFR、PDGFR、またはFGFRキナーゼ阻害剤に対して考えられる反応性を診断するステップであって、腫瘍細胞により発現した上皮バイオマーカーのレベルを評価すること、腫瘍細胞により発現した間葉バイオマーカーのレベルを評価すること、EGFR、PDGFR、またはFGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する腫瘍細胞増殖の感受性を予測すること、を含み、同様のレベルの上皮および間葉バイオマーカーの共発現は、EGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する低い感受性およびPDGFRまたはFGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する高い感受性に相関し、前記上皮バイオマーカーは、上皮ケラチン1−28および71−80から選択される1つ以上のケラチンを含み、前記間葉バイオマーカーは、ビメンチンである、ステップと、
EGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する高い感受性が予測される際、治療有効量のEGFRキナーゼ阻害剤を前記患者に投与するステップ、あるいは
EGFRキナーゼ阻害剤による阻害に対する低い感受性が予測される際、治療有効量のPDGFRまたはFGFRキナーゼ阻害剤を前記患者に投与するステップと、を含む、方法。
【請求項7】
EGFRキナーゼ阻害剤は、エルロチニブを含む、請求項6の方法。
【請求項8】
PDGFRキナーゼ阻害剤は、イマチニブ、リンゴ酸スニチニブ(sunitib malate)、ダサチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、RPR127963、CP−868596、タンデュチニブ(tandutinib)、モテサニブ(motesanib)、レフルノミド、OSI−930、XL−999、SU6668、CHIR−258、RO4383596、およびBIBF−1120から選択される、請求項6の方法。
【請求項9】
FGFRキナーゼ阻害剤は、RO−4396686、CHIR−258、PD 173074、PD 166866、ENK−834、ENK−835、SU5402、XL−999、SU6668、CHIR−258、RO4383596、およびBIBF−1120を含む、請求項6の方法。
【請求項10】
1つ以上の追加の抗癌剤または治療が、EGFR、PDGFR、またはFGFRキナーゼ阻害剤とともに、同時に、または続けて、併用投与される、請求項6の方法。
【請求項11】
追加の抗癌剤は、EGFR、PDGFR、またはFGFRキナーゼ阻害剤を含む、請求項10の方法。
【請求項12】
EGFRキナーゼ阻害剤は、エルロチニブを含む、請求項11の方法。
【請求項13】
上皮バイオマーカーは、ケラチン8および/またはケラチン18を含む、請求項1の方法。
【請求項14】
上皮ケラチンは、腫瘍細胞により発現した全てまたは大部分の前記ケラチンバイオマーカーを検出する方法を使用して評価される、請求項1の方法。
【請求項15】
上皮バイオマーカーは、ケラチン8および/またはケラチン18を含む、請求項3の方法。
【請求項16】
上皮ケラチンは、腫瘍細胞により発現した全てまたは大部分の前記ケラチンバイオマーカーを検出する方法を使用して評価される、請求項3の方法。
【請求項17】
上皮バイオマーカーは、ケラチン8および/またはケラチン18を含む、請求項6の方法。
【請求項18】
上皮ケラチンは、腫瘍細胞により発現した全てまたは大部分の前記ケラチンバイオマーカーを検出する方法を使用して評価される、請求項6の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−533836(P2010−533836A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503090(P2010−503090)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/004819
【国際公開番号】WO2008/127719
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(506330575)オーエスアイ・ファーマスーティカルズ・インコーポレーテッド (25)
【Fターム(参考)】