説明

キノリノンの製剤

式(I)
【化1】


で示される化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の塩、該互変異性体の塩またはそれらの混合物、
ならびに
(i)セルロース;(ii)二酸化ケイ素;(iii)ステアリン酸マグネシウム;および(iv)クロスポビドン、デンプンまたはラクトースから選択される成分からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む医薬製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は一般にキノリノン化合物の製剤に関する。より具体的に、本明細書に記載の本発明は4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンの乳酸塩のような薬学的に許容される塩を含む固体投与製剤ならびにこのような製剤を製造および使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
1種またはそれ以上の血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ(VEGF−RTK)に対する活性を有する様々な化学化合物および組成物が報告されている。例はWO 98/13350に記載のようなキノリン誘導体、アミノニコチンアミド誘導体(例えば、WO 01/55114参照)、アンチセンス化合物(例えば、WO 01/52904参照)、ペプチド模倣薬(例えば、WO 01/52875参照)、キナゾリン誘導体(例えば、米国特許第6,258,951号参照)、モノクローナル抗体(例えば、EP 1 086 705 A1参照)、様々な5,10,15,20−テトラアリールポルフィリンおよび5,10,15−トリアリールコロール(例えば、WO 00/27379参照)、ヘテロ環式アルカンスルホンおよびアルカンカルボン酸誘導体(例えば、DE19841985参照)、オキシンドリルキナゾリン誘導体(例えば、WO 99/10349参照)、1,4−ジアザアントラシン誘導体(例えば、米国特許第5,763,441号参照)、およびシンノリン誘導体(例えば、WO 97/34876参照)、および様々なインダゾール化合物(例えば、WO 01/02369およびWO 01/53268参照)を含む。
【0003】
4−ヒドロキシキノロンおよび4−ヒドロキシキノリン誘導体の合成は多くの文献に記載されている。例えば、Ukrainets et al.は3−(ベンゾイミダゾール2−イル)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2ジヒドロキノリンの合成を記載している。Ukrainets, I. et al., Tetrahedron Left. 42, 7747-7748 (1995); Ukrainets, I. et al., Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinii, 2, 239-241(1992)。Ukrainetsはまた他の4−ヒドロキシキノロンおよびチオ類似体、例えば、1H−2−オキソ−3−(2−ベンゾイミダゾリル)−4−ヒドロキシキノリンの合成、抗痙攣および抗甲状腺活性を記載している。Ukrainets, I. et al., Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinii, 1, 105-108 (1993); Ukrainets, I. et al., Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinii, 8, 1105-1108 (1993); Ukrainets, 1. et al., Chem. Heterocyclic Comp. 33, 600-604, (1997)。
【0004】
様々なキノリン誘導体の合成はWO 97/48694に記載されている。これらの化合物は核ホルモン受容体へ結合できることおよび骨芽細胞増殖および骨成長を刺激するために有用であることを記載している。該化合物はまた核ホルモン受容体ファミリーと関連する疾患の処置または予防において有用であることを記載している。
【0005】
キノリンのベンゼン環が硫黄基で置換されている様々なキノリン誘導体がWO 92/18483に記載されている。これらの化合物が医薬製剤および薬剤として有用であることが記載されている。
【0006】
キノロンおよびクマリン誘導体が薬剤および医薬製剤と無関係の様々な適用において用途を有することが記載されている。光重合性組成物で使用するためのキノロン誘導体の製造、またはルミネッセンス特性について記載している文献はOkamoto et al.による米国特許第5,801,212号;JP 8−29973;JP 7−43896;JP 6−9952;JP 63−258903;EP 797376;およびDE 23 63 459を含む。
【0007】
キノリノンベンゾイミダゾリル化合物および4−アミノ置換キノリノンベンゾイミダゾリル化合物、例えば、4−アミノ−5−フルオロ−3−[5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]キノリン−2(1H)−オンを含む置換キノリノン化合物の過剰が最近、例えば、WO 02/22598、WO 2004/043389、WO 2005/047244、U.S. 2004/0220196、U.S. 2005/0137399、WO 2005/046590およびWO 2005/046589の文献に記載された。このような化合物はVEGF−RTKを阻害することを記載している。このような化合物はまた米国特許出願U.S. 2002/0107392およびU.S. 2003/0028018号ならびに米国特許第6,605,617、6,774,237、6,762,194および6,800,760号の公開物において記載されている。他のこのような化合物はセリン/スレオニンキナーゼおよびチロシンキナーゼを阻害するこのような化合物の新規使用と一緒に、それぞれ下記仮出願:2002年8月23日に出願された米国仮出願第60/405,729号;2002年11月13日に出願された米国仮出願第60/426,107号;2002年11月13日に出願された米国仮出願第60/426,226号;2002年11月13日に出願された米国仮出願第60/426,282号;2002年11月21日に出願された米国仮出願第601428,210号;2003年4月3日に出願された米国仮出願第60/460,327号;2003年4月3日に出願された米国仮出願第号;2003年4月3日に出願された米国仮出願第60/460,493号;2003年6月16日に出願された米国仮出願第60/478,916号;および2003年7月1日に出願された米国仮出願第601484,048号により優先権主張される2003年8月19日に出願されたWO 2004/018419およびU.S. 2004/0092535に記載されている。キノリノン化合物およびそれらの使用に関するさらなる文献は2005年5月13日に出願された米国仮出願第60/680,722号;2005年5月17日に出願された米国仮出願第60/681,893号;2004年2月20日に出願された米国仮出願第60/546,395号;2004年2月23日に出願された米国仮出願第60/547,103号;2005年3月19日に出願された米国仮出願第60/554,771号;2005年1月27日に出願された米国仮出願第60/647,568号;2005年4月6日に出願された米国仮出願第60/669,245号;2004年1月23日に出願された米国仮出願第60/538,594号;2005年5月23日に出願された米国仮出願第60/683,999号;2005年2月18日に出願された米国特許第11/061,386号;2005年1月21日に出願された米国特許第111041,191号;および2005年2月18日に出願されたPCT出願第PCT/US2005/05316である。ベンゾイミダゾリルキノリノンに関連するヘテロ環式化合物は最近、WO 02/18383、U.S. 2002/0103230および米国特許第6,756,383号に記載された。この段落のそれぞれの文献の全部の記載は、引用により、その全体として、かつすべての目的に関して、本明細書に包含される。
【0008】
様々なキノリノン化合物が記載されているが、新規安定な製剤、薬剤およびこのような化合物を投与するための方法は、これらの化合物が血管形成阻害および癌処置において有する重要な医薬適用のため必要である。
【発明の開示】
【0009】
発明の要旨
本発明は4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンの乳酸塩を含むカプセルまたは錠剤製剤のようなキノリノン化合物の医薬製剤ならびにこのような製剤を製造および使用するための方法に関する。該製剤は乾式混合または湿式造粒法により製造できる。
【0010】
ある局面において、本発明は、式I
【化1】

で示される化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物、
ならびに
(i)セルロース;(ii)ラクトース、デンプンまたはそれらの混合物;(iii)ポビドン;(iv)二酸化ケイ素またはタルク;(v)薬学的に許容される滑剤;および(vi)クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムから選択される成分からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む医薬製剤を提供する。
【0011】
さらなる局面において、本発明は、式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物;セルロース、ポビドン、二酸化ケイ素、タルクおよび薬学的に許容される滑剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分;ならびにラクトース、デンプン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムおよびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む医薬製剤を提供する。
【0012】
いくつかの態様において、該製剤は:(i)セルロース;(ii)二酸化ケイ素;(iii)ステアリン酸またはステアリン酸の塩;および(iv)クロスポビドン、デンプン、ラクトース、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムから選択される少なくとも1種の成分を含む。いくつかのこのような態様において、該製剤はクロスポビドンを含む。他のこのような態様において、該製剤は部分的アルファ化デンプンのようなデンプンを含む。他の態様において、該製剤はラクトースを含む。
【0013】
いくつかの態様において、該製剤は式Iの化合物の乳酸塩を含む。
いくつかの態様において、該製剤がカプセルまたは錠剤内に含まれている。いくつかのこのような態様において、カプセル内の式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の全質量は25mgから500mgの範囲である。
いくつかの態様において、該製剤は製剤の総重量に基づいて10重量%から50重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む。いくつかのこのような態様において、該製剤は製剤の総重量に基づいて20重量%から45重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む。いくつかのこのような態様において、該製剤は製剤の総重量に基づいて30重量%から40重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む。
【0014】
いくつかの態様において、該製剤で使用されるセルロースは微結晶セルロースである。
いくつかの態様において、該製剤は製剤の総重量に基づいて10重量%から70重量%の範囲量でセルロースを含む。いくつかのこのような態様において、該製剤は製剤の総重量に基づいて20重量%から50重量%の範囲量でセルロースを含み、そして製剤の総重量に基づいて2重量%から6重量%の範囲量でクロスポビドンを含む。
【0015】
いくつかの態様において、該製剤は製剤の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量で部分的アルファ化デンプンであるデンプンを含む。
いくつかの態様において、該製剤は製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素を含む。
いくつかの態様において、該製剤は製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムを含む。
【0016】
いくつかの態様において、該製剤は製剤の総重量に基づいて30重量%から40重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩;製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素、製剤の総重量に基づいて25重量%から40%の範囲量でセルロース、製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムおよび製剤の総重量に基づいて2重量%から4重量%の範囲量でクロスポビドンを含む。
【0017】
いくつかの態様において、該製剤は製剤の総重量に基づいて50重量%から80重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩;製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素、製剤の総重量に基づいて0重量%から50%の範囲量でセルロース、製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムおよび製剤の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量でデンプンを含む。
【0018】
本発明はまた医薬包装容器を提供する。ある態様において、包装容器は2種またはそれ以上のいずれかの態様の医薬製剤を含むカプセルまたは錠剤を含む貯蔵容器を含む。いくつかのこのような態様において、該貯蔵容器は高密度ポリエチレンを含む。いくつかのこのような態様において、該貯蔵容器はコットンまたはレーヨンコイル(coil)を含み、そしていくつかの態様において、熱誘導シールを含む。他の態様において、本発明はいずれかの態様の医薬製剤を含む少なくとも1個のカプセルまたは錠剤を含むブリスターパッケージを含む医薬包装容器を提供する。
【0019】
本発明はまた糖、セルロースポリマーおよびポリメタクリレートポリマーからなる群から選択される物質で本発明の錠剤をコーティングすることを提供する。いくつかの態様において、これはまたゼラチンでコーティングされているか、またはゼラチン鞘(sheath)内に封入されていることを含む。
【0020】
本発明はまた薬学的に許容される着色剤または乳白剤で本発明の錠剤またはカプセルを着色することを提供する。
【0021】
ある局面において、本発明は医薬製剤を製造するための方法を提供する。該方法は(a)(i)式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物、ならびに(ii)セルロース;ラクトース、デンプンまたはそれらの混合物;ポビドン;二酸化ケイ素またはタルク;薬学的に許容される滑剤;およびクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムから選択される成分からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む、第1の混合物を混合し、第1の混合した混合物を提供することを含む。いくつかのこのような態様において、式Iの化合物を(i)セルロース;(ii)二酸化ケイ素;および(iii)クロスポビドン、デンプンまたはラクトースから選択される成分と混合する。該方法は(b)ステアリン酸;ステアリン酸の塩またはそれらの混合物を第1の混合した混合物と混合し、第2の混合した混合物を提供する、および/または(c)第2の混合した混合物から少なくとも1個のカプセルまたは少なくとも1個の錠剤を形成することをさらに含み得る。
【0022】
他の局面において、本発明は医薬製剤を製造するための方法を提供する。該方法は(a)成分の混合物を混合し、第1の混合した混合物を提供することを含む。第1の混合した混合物は(i)式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物(ii)セルロース;デンプン;ラクトースおよびポビドンからなる群から選択される少なくとも1種の成分;(iii)クロスポビドン;クロスカルメロースナトリウム;およびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の成分;酸水溶液;アルコール;水性アルコールまたはそれらのいずれかの2種またはそれ以上の混合物からなる群から選択される造粒液体を含む。該方法はまた(b)造粒液体を除去することを含む。該方法はさらに(c)第1の混合した混合物を(i)クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウム;(ii)ステアリン酸またはステアリン酸の塩;および(iii)二酸化ケイ素またはタルクからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる成分と混合することにより第2の混合した混合物を製造することを含む。該方法はまた(d)第2の混合した混合物から少なくとも1個のカプセルまたは少なくとも1個の錠剤を形成することを含み得る。
【0023】
本発明はまた医薬製剤を(i)ボトムスプレー、トップスプレーまたはタンジェンシャルスプレーメカニズムを備えた流動床造粒機;(ii)高剪断造粒機;(iii)低剪断造粒機;(iv)ローラーコンパクター;および(v)打錠機からなる群から選択される少なくとも1種の装置を使用して製造する、医薬製剤を製造するための方法を提供する。
【0024】
該方法いくつかの態様において、カプセルまたは錠剤における式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物の全質量は25mgから500mgの範囲である。
該方法いくつかの態様において、第2の混合した混合物は式Iの化合物の乳酸塩を含む。他の態様において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて10重量%から50重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む。
医薬製剤を製造するための方法のいくつかの態様において、セルロースは微結晶セルロースである。いくつかの態様において、デンプンはアルファ化デンプンである。
【0025】
いくつかの方法において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて10重量%から70重量%の範囲量でセルロースを含む。いくつかのこのような態様において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から50重量%の範囲量でセルロースおよび第2の混合した混合物第2の混合した混合物の総重量に基づいて2重量%から6重量%の範囲量でクロスポビドンを含む。
いくつかの方法において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から40重量%の範囲量で部分的アルファ化デンプンであるデンプンを含む。
いくつかの方法において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素を含む。
【0026】
医薬製剤を製造するための方法のいくつかの態様において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムを含む。
いくつかの方法において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて50重量%から80重量%の範囲量で、第2の混合した混合物の総重量に基づいて55重量%から75重量%の範囲量でまたは第2の混合した混合物の総重量に基づいて60重量%から70重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む。
【0027】
いくつかのこのような方法において、二酸化ケイ素は第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で存在する。他のこのような方法において、セルロースは第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から45%の範囲量で存在する。さらに他のこのような方法において、ステアリン酸マグネシウムは第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量で存在する。他のこのような方法において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて2重量%から6重量%の範囲量でクロスポビドンをさらに含む。方法の他のこのような態様において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.5重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素、第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から45%の範囲量でセルロース、第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.5重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムおよび第2の混合した混合物の総重量に基づいて2重量%から4重量%の範囲量でクロスポビドンを含む。
【0028】
いくつかの局面において、本発明は対象の癌を処置および/または血管形成を阻害するための方法を提供する。該方法は対象に本明細書におけるいずれかの態様の製剤を投与することを含む。いくつかのこのような態様において、製剤はカプセルを含む。他のこのような態様において、製剤は錠剤を含む。
【0029】
対象の癌を処置するおよび/または血管形成を阻害するための方法のいくつかの態様において、製剤を対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約20から4000ng/mLのCmaxまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約40から8000ng/mLのCmaxを提供するために十分な量で投与する。
【0030】
対象の癌を処置および/または血管形成を阻害するための方法のいくつかの態様において、製剤が投与24時間後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約10から2,000ng/mLまたは投与24時間後に対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約20から4,000ng/mLを提供するために十分な量で投与する。
【0031】
対象の癌を処置および/または血管形成を阻害するための方法のいくつかの態様において、製剤を対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約500から60,000ngh/mLまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約750から120,000ngh/mLのAUCを提供するために十分な量で投与する。
【0032】
対象の癌を処置するおよび/または血管形成を阻害するための方法のいくつかの態様において、製剤を1日に1、2、3または4回投与する。
対象の癌を処置するおよび/または血管形成を阻害するための方法のいくつかの態様において、対象に投与される式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の量が0.25から30mg/kg対象の体重の範囲である。
【0033】
対象の癌を処置するおよび/または血管形成を阻害するための方法のいくつかの態様において、処置される癌は前立腺癌、結腸直腸癌、乳癌、多発性骨髄腫、膵臓癌、小細胞癌腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、慢性リンパ性白血病、肉腫、黒色腫、リンパ腫、甲状腺癌、神経内分泌腺癌、腎細胞癌、胃癌、消化管間質腫瘍、神経膠腫、脳の癌または膀胱癌から選択される。いくつかの態様において、該癌は転移したものを有する。
【0034】
対象の癌を処置および/または血管形成を阻害するための方法のいくつかの態様において、方法は7、14、21または28日間、毎日製剤を投与し、次に7または14日間、製剤を投与しないことを含む処置サイクルの一部として製剤を投与することをさらに含む。いくつかのこのような態様において、処置サイクルは7日間、毎日一定量の化合物を投与し、次に7日間、化合物を投与しないことを含む。いくつかのこのような態様において、処置サイクルを1回またはそれ以上繰り返す。
【0035】
本発明のさらなる目的、特徴および利点は図および下記詳細な説明から明白である。
【0036】
図面の簡単な説明
図1は形態AのXRPD回折パターンである。
図2はカプセル製剤の製造において使用される様々な工程を示すスキームである。
【0037】
発明の詳細な説明
本発明は、キノリノン化合物の製剤を提供する。このような製剤は受容体チロシンキナーゼに拮抗する、さらに特に、PDGFRおよびPDGFRP、bFGFおよび/またはVEGF−RTK機能を阻害するために使用することができる。このような製剤はまた他のチロシンキナーゼおよび様々なセリン/スレオニンキナーゼを阻害するために使用できる。該製剤は、例えば、癌および/またはVEGFRTKの阻害剤に対する必要性を有する患者の処置において有用である。該製剤はまた血管形成の阻害剤に対する必要性を有する対象を処置するために使用できる。
【0038】
下記略語および定義を本出願全体で使用する:
“AUC”は経時的な血漿中の化合物の濃度のグラフの曲線下面積の略語である。
“API”は活性医薬成分を意味する略語である。
“bFGF”は塩基性繊維芽細胞成長因子を意味する略語である。
“bFGFR”はFGFR1とも称され、繊維芽細胞成長因子FGFと相互作用するチロシンキナーゼを意味する略語である。
【0039】
“Cmax”対象の血漿、組織または血液中の投与した化合物の最大濃度を意味する略語である。Cmaxは一般的に対象に化合物を投与した数時間以内に起こる。
“DVS”は動的水蒸気吸着を意味する略語である。
“HDPE”は高密度ポリエチレンを意味する略語である。
“LLOQ”は定量下限濃度を意味する略語である。
“PDGF”は血小板増殖因子の略語である。PDGFはチロシンキナーゼPDGFRαおよびPDGFRβと相互作用する。
【0040】
“PIB”は瓶入り粉末製剤の略語である。
“RH”は相対湿度の略語である。
“RTK”は受容体チロシンキナーゼの略語である。
“VEGF”は血管内皮細胞増殖因子の略語である。
“VEGF−RTK”は血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼの略語である。
“XRPD”はX線粉末回折の略語である。
【0041】
“薬学的に許容される塩”は無機塩基、有機塩基、無機酸、有機酸または塩基性もしくは酸性アミノ酸との塩を含む。無機塩基の塩のとき、本発明は、例えば、アルカリ金属、例えば、ナトリウムまたはカリウム;アルカリ土類金属、例えば、カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウム;およびアンモニアを含む。有機塩基の塩のとき、本発明は、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンを含む。無機酸の塩のとき、本発明は、例えば、塩酸、ヒドロホウ酸、硝酸、硫酸およびリン酸を含む。有機酸の塩のとき、本発明は、例えば、ギ酸、酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸を含む。塩基性アミノ酸の塩のとき、本発明は、例えば、アルギニン、リシンおよびオルニチンを含む。酸性アミノ酸は、例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸を含む。
【0042】
本明細書で使用される“対象”なる用語は、本発明の方法で有利な効果を経験できるすべての動物を意味する。したがって、式Iの化合物、それらの薬学的に許容される塩、それらの互変異性体または互変異性体の薬学的に許容される塩は、本発明により提供される癌を処置するための方法にしたがって化合物の有利な効果を経験できるすべての動物に投与できる。好ましくは、動物は哺乳動物、特にヒトであるが、本発明を制限する意図はない。他の適当な動物の例は、限定はしないが、ラット、マウス、サル、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどを含む。
【0043】
本発明の文脈内の“処置”は、障害もしくは疾患と関連する症状の緩和、または、このような症状のさらなる進行もしくは悪化の停止、または疾患もしくは障害の予防もしくは防止を意味する。例えば、癌の文脈の中で、好結果の処置は、腫瘍の増殖速度の減速、腫瘍の増殖の停止、腫瘍のサイズの減少、癌の部分的なもしくは完全な寛解、または生存率または臨床的有用性の増加により測定される、症状の緩和または疾患の進行の停止を含むことができる。
【0044】
ある局面において、本発明は、式I
【化2】

で示される化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物、
ならびに
(i)セルロース;(ii)ラクトース、デンプンまたはそれらの混合物;(iii)ポビドン;(iv)二酸化ケイ素またはタルク;(v)薬学的に許容される滑剤;および(vi)クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムから選択される成分からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む医薬製剤を提供する。他の態様において、該医薬製剤は(i)セルロース;(ii)ラクトース、デンプン、またはそれらの混合物;(iii)ポビドン;(iv)二酸化ケイ素またはタルク;(v)薬学的に許容される滑剤;ならびに(vi)クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムから選択される成分から選択される少なくとも2、3または4種の成分を含む。
【0045】
他の局面において、本発明は、式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物;セルロース、ポビドン、二酸化ケイ素、タルクおよび薬学的に許容される滑剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分;ならびにラクトース、デンプン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムおよびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む医薬製剤を提供する。
【0046】
該製剤は、粉末のカプセル充填機または打錠機の金属部分に対する粘性を減少させる薬学的に許容される滑剤を含み得る。このような滑剤は当分野で既知であり、C16−22脂肪酸、C16−22脂肪酸の塩、C16−22脂肪酸エステル、C16−22脂肪酸エステルの塩;平均分子量6,000から10,000を有するポリエチレングリコールおよびそれらのいずれかの2種またはそれ以上の混合物を含む。いくつかの態様において、薬学的に許容される滑剤はステアリン酸、その塩、そのエステル、そのエステルの塩またはそれらの混合物である。例えば、該製剤はステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、モノステアリン酸グリセリン、パルミチン酸ステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリルまたはステアリルフマル酸ナトリウムを含み得る。当業者により理解されるとおり、ステアリン酸、その塩、エステルおよびエステルの塩はC16およびC18脂肪酸の混合物を含み、これらの混合物は本発明の範囲内である。
【0047】
該製剤は式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物、ならびに(i)セルロース;(ii)二酸化ケイ素;(iii)ステアリン酸、ステアリン酸の塩またはそれらの混合物;および(iv)クロスポビドン、デンプン、ラクトース、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムから選択される少なくとも1種の成分から本質的になる、またはからなり得る。いくつかの態様において、該製剤は(i)微結晶セルロース;(ii)二酸化ケイ素;(iii)ステアリン酸マグネシウム;(iv)クロスポビドン、部分的アルファ化デンプンおよびラクトースから選択される少なくとも1種の成分を含む。
【0048】
該製剤は式Iの化合物の乳酸塩を含み得る。いくつかの特定の態様において、該乳酸塩本明細書の実施例部においてより詳細に記載され描写されている形態Aのような無水結晶形態である。
【0049】
該製剤はカプセルまたは錠剤内に含まれ得る。いくつかのこのような態様において、カプセルまたは錠剤における式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の全質量は25mgから500mgの範囲である。使用できるカプセルは、例えば、Capsugelから販売されているCSのようなwhite opaque size #0ゼラチンカプセルまたはQuali−VおよびShinogiから販売されているHPMCカプセルを含む。
【0050】
いくつかの態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて10重量%から50重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む。いくつかのこのような態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて20重量%から45重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む。他のこのような態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて30重量%から40重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む。
【0051】
いくつかの態様において、製剤で使用されるセルロースは微結晶セルロースである。他の態様において、使用されるセルロースはケイ化微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはヒドロキシプロピルセルロースである。
【0052】
いくつかの態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて10重量%から70重量%の範囲量でセルロースを含む。いくつかのこのような態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて20重量%から50重量%の範囲量でセルロースおよび製剤の総重量に基づいて2重量%から6重量%の範囲量でクロスポビドンを含む。いくつかの態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて20重量%から45重量%の範囲量でセルロースおよび製剤の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量でデンプンまたはラクトースを含む。
【0053】
いくつかの態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量で部分的アルファ化デンプンであるデンプンを含む。
【0054】
該製剤は製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素を含む。いくつかの態様において、二酸化ケイ素は製剤の総重量に基づいて0.2重量%から5%、0.4重量%から4%、0.5重量%から2%、0.75重量%から1.5%または0.8重量%から1.2重量%の範囲の量で存在する。いくつかの態様において、二酸化ケイ素は製剤の総重量に基づいて約1重量%の量で存在する。他の態様において、該二酸化ケイ素は同じまたは同様の重量%のコロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウムまたはタルクで置き換えることができる。
【0055】
該製剤は製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムを含み得る。いくつかの態様において、ステアリン酸は製剤の総重量に基づいて0.2重量%から5%、0.4重量%から4%、0.5重量%から2%、0.75重量%から1.5%または0.8重量%から1.2重量%の範囲量で存在する。いくつかの態様において、ステアリン酸は製剤の総重量に基づいて約1重量%の量で存在する。他の態様において、ステアリン酸マグネシウムは同じまたは同様の重量%でステアリン酸、その塩、それらの混合物および/または他の薬学的に許容される滑剤に置き換えることができる。
【0056】
いくつかの製剤において、製剤は製剤の総重量に基づいて30重量%から40重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩;製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素、製剤の総重量に基づいて25重量%から40%の範囲量でセルロース、製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムおよび製剤の総重量に基づいて2重量%から4重量%の範囲量でクロスポビドンを含むか、これらから実質的になるか、またはこれらからなる。
【0057】
高用量製剤(例えば、200−500mgまたはそれ以上のAPI)のような他の製剤において、組成物は製剤の総重量に基づいて50重量%から80重量%、製剤の総重量に基づいて55重量%から75重量%または製剤の総重量に基づいて60重量%から70重量%の範囲量で式Iの化合物の乳酸塩を含む。
【0058】
いくつかの製剤において、組成物は製剤の総重量に基づいて50重量%から80重量%の範囲量で式Iの化合物の乳酸塩;製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素、製剤の総重量に基づいて0重量%から50%の範囲量でセルロース、製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムおよび製剤の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量でデンプンを含む。いくつかのこのような態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて55重量%から75重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩、製剤の総重量に基づいて5重量%から40%の範囲量でセルロースおよび製剤の総重量に基づいて15重量%から30重量%の範囲量でデンプンを含む。他のこのような態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて60重量%から70重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩および製剤の総重量に基づいて5重量%から25%の範囲量でセルロースを含む。
【0059】
いくつかの製剤において、製剤は製剤の総重量に基づいて50重量%から80重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩;製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素、製剤の総重量に基づいて0重量%から50%の範囲量でセルロース、製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムおよび製剤の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量でラクトースを含むか、から実質的になるか、またはからなる。いくつかのこのような態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて55重量%から75重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩および製剤の総重量に基づいて5重量%から40%の範囲量でセルロースを含む。他のこのような態様において、製剤は製剤の総重量に基づいて60重量%から70重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩および製剤の総重量に基づいて5重量%から40%の範囲量でセルロースを含む。
【0060】
いくつかの製剤において、製剤は抗酸化剤、キレート化剤、アスコルビン酸、還元糖またはそれらのいずれかの2種またはそれ以上の混合物をさらに含む。経口のための適当な抗酸化剤および他の製剤は、例えば、0.01から0.1wt%のアスコルビン酸、例えば、0.65mg/単位用量までの重亜硫酸ナトリウム、例えば、16mg/単位用量までの塩酸システイン、メチオニンならびに、例えば、0.01から0.1wt%のメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。経口のための他の適当な抗酸化剤および他の製剤は、例えば、1から55wt%のケトンまたはアルデヒド基を含む還元糖、例えば、フルクトース、グルコース、アラビノースおよびマルトースである。適当なキレート剤は、例えば、0.005から0.1wt%のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム(エデト酸カルシウム二ナトリウム)およびエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(エデト酸四ナトリウム)ならびに、例えば、0.3から2wt%のクエン酸ナトリウムである。
【0061】
本明細書に記載されている医薬製剤は安定である。40℃および部屋の湿度75%で該製剤を3か月間保存後、例えば、本発明の製剤における式Iの化合物の分解量は一般的に製剤の総重量に基づいて10重量%未満である。いくつかの態様において、40℃でおよび部屋の湿度75%で該製剤を3か月間保存後、該分解量は製剤の総重量に基づいて8%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満またはさらに1重量%未満である。
【0062】
本発明はまた医薬包装容器を提供する。ある態様において、包装容器は2個またはそれ以上のカプセルまたは錠剤を含む貯蔵容器を提供し、該カプセルまたは錠剤は本明細書のいずれかの態様の医薬製剤を含む。いくつかのこのような態様において、多数のカプセルまたは錠剤はいずれかの態様の医薬製剤を含む。いくつかのこのような態様において、貯蔵容器は高密度ポリエチレン(HDPE)を含む。いくつかのこのような態様において、貯蔵容器はレーヨンまたはコットンコイルを含み、いくつかの態様において、熱誘導シールを含む。他の態様において、該貯蔵容器は熱誘導シールを有するがレーヨンコイルを有さない高密度ポリエチレンを含む。他の態様において、本発明はAI−AIブリスターパッケージまたはポリ塩化ビニル(PVC)パッケージ、またはポリ塩化ビニリデン(PVDC)パッケージまたはAclar(登録商標)パッケージのようなブリスターパッケージを含む医薬包装容器を提供する。該ブリスターパッケージは本明細書に記載のいずれかの態様の医薬製剤を含む少なくとも1種のカプセルまたは錠剤を含む。
【0063】
他の局面において、本発明はコーティング物質、例えば、糖、セルロースポリマー、ポリメタクリレートポリマーでコーティングされた本発明の錠剤またはカプセルを含むことができる。薬剤をコーティングする例示的セルロースポリマーは、限定はしないが、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびエチルセルロースを含む。薬剤をコーティングする適当なポリメタクリレートポリマーは、限定はしないが、メタクリル酸コポリマー、例えば、ポリ(メタクリル酸−メタクリル酸メチル)およびポリ(メタクリル酸−アクリル酸エチル);アンモニオメタクリレートコポリマー、例えば、ポリ(アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド);およびポリ(アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル)を含む。使用できる他のコーティング物質は商標名Opadry(登録商標)、Surelease(登録商標)、Aquacoat(登録商標)およびEudragit(登録商標)の下に販売されているものを含む。本発明の他の局面はゼラチンでコーティングした錠剤またはゼラチン鞘内に封入されている錠剤を含むことができる。
【0064】
他の局面において、本発明はコーティング物質に薬学的に許容される着色剤を含むことを提供する。本発明のさらに他の局面において、コーティング物質は薬学的に許容される乳白剤を含むことができる。適当な乳白剤は二酸化チタニウムまたはタルクを含むことができる。
【0065】
ある局面において、本発明は医薬製剤を製造するための方法を提供する。該方法は(a)(i)式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物、および(ii)セルロース;ラクトース、デンプン、またはそれらの混合物;ポビドン;二酸化ケイ素またはタルク;薬学的に許容される滑剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分;およびクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムから選択される成分を含む第1の混合物を混合し、第1の混合した混合物を提供することを含む。いくつかのこのような態様において、式Iの化合物を(i)セルロース;(ii)二酸化ケイ素;および(iii)クロスポビドン、デンプンまたはラクトースから選択される成分と混合する。該方法は(b)ステアリン酸、ステアリン酸の塩、またはそれらの混合物を第1の混合した混合物と混合し、第2の混合した混合物を提供し、そして/または(c)第2の混合した混合物から少なくとも1種のカプセルまたは少なくとも1種の錠剤を形成することをさらに含み得る。
【0066】
他の局面において、本発明は医薬製剤を製造するための方法を提供する。該方法は(a)成分の混合物を混合し、第1の混合した混合物を提供することを含む。第1の混合した混合物はi)式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩、またはそれらの混合物、(ii)セルロース;デンプン;ラクトース;およびポビドンからなる群から選択される少なくとも1種の成分;(iii)クロスポビドン;クロスカルメロースナトリウム;およびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の成分;酸水溶液;アルコール;水性アルコールまたはそれらのいずれかの2種またはそれ以上の混合物からなる群から選択される造粒液体を含む。例えば、該方法の造粒液体は水または水性塩酸であり得る。該方法はまた(b)例えば、乾燥させることにより造粒液体を除去することを含む。該方法はまた(c)第1の混合した混合物を(i)クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウム;(ii)ステアリン酸またはステアリン酸の塩;および(iii)二酸化ケイ素またはタルクからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる成分と混合することにより第2の混合した混合物を製造することを含む。工程(a)、(b)および(c)は連続してまたは同時に実施されるか、または工程(c)は工程(b)の前に実施できる。該方法はまた(d)第2の混合した混合物から少なくとも1個のカプセルまたは少なくとも1個の錠剤を形成することを含む。
【0067】
本明細書に記載されている医薬製剤を製造するための方法は当業者に既知の様々な装置の使用を含む。
適当な装置はボトムスプレー、トップスプレーまたはタンジェンシャルスプレーメカニズムを備えた流動床造粒機;高剪断造粒機;低剪断造粒機;ローラーコンパクター;寸法測定器;カプセル増量剤および/または打錠機を含む。したがって、例えば、使用できる流動床造粒機はNiro Pharma Systemsから販売されているもの、例えば、Sirocco(登録商標)、Multi−processor(登録商標)、MP−Micro(登録商標)、STREA1(登録商標)、MP−1 Multi−processor(登録商標)、ならびにGlattから販売されている流動床造粒機/乾燥機/塗工機;Niro Pharma Systemsから販売されている高剪断造粒機、例えば、Collette Gral(登録商標)、UltimaGral(登録商標)、PMA Pharma Matrix(登録商標)、Bohleから販売されているもの、例えば、Bohle mini granulator、およびGlatt Air Techniquesから販売されているもの、例えば、Glatt−Powrex Vertical Granulator;低剪断造粒機、例えば、V−BlenderおよびHobart混合機/造粒機;ならびに、Fitzpatrick Chilsonatorsから販売されているローラーコンパクター、Gerteis Micro−、Mini−、およびMacro−pactors、およびVector TFC ローラーコンパクターであり;サイジング装置はComilからのQuadro、Fitzpatrick ChilsonatorsからのHammer mill、およびいくつかのメーカーから販売されている振動子;MG2(MG)、Bosch(GKF)およびIMA(Zanasi)からのカプセル増量剤;および/または打錠機、例えば、Manesty、FetteoyおよびCourtoyから販売されているものである。
【0068】
方法のいくつかの態様において、カプセルまたは錠剤における式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物の全質量は25mgから500mgの範囲である。
【0069】
いくつかの態様において、第2の混合した混合物は式Iの化合物の乳酸塩を含む。他の態様において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて10重量%から50重量%の範囲量で、第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から45重量%の範囲量で、または第2の混合した混合物の総重量に基づいて30重量%から40重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む。
【0070】
医薬製剤を製造するための方法のいくつかの態様において、セルロースは微結晶セルロースである。いくつかの態様において、デンプンはアルファ化デンプンである。
【0071】
いくつかの方法において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて10重量%から70重量%の範囲量でセルロースを含む。いくつかのこのような態様において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から50%重量%の範囲量でセルロースを含み、そして第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて2重量%から6重量%の範囲量でクロスポビドンを含む。いくつかの態様において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から50重量%の範囲量でセルロースを含み、そして第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量でデンプンまたはラクトースを含む。
【0072】
いくつかの方法において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から40重量%の範囲量で部分的アルファ化デンプンであるデンプンを含む。
【0073】
いくつかの方法において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素を含む。他の態様において、二酸化ケイ素は第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.2重量%から5重量%、0.4重量%から4重量%、0.5重量%から2重量%、0.75重量%から1.25%または0.8重量%から1.2重量%の量で存在する。いくつかの態様において、二酸化ケイ素は第2の混合した混合物の総重量に基づいて約1重量%の量で存在する。
【0074】
いくつかの方法において、第2の混合した混合物はステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸の塩を含む。例えば、いくつかの方法において、ステアリン酸マグネシウムは第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量で存在する。他の態様において、ステアリン酸の塩は第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.2重量%から5%、0.4重量%から4重量%、0.5重量%から1.5%、0.75重量%から1.25%または0.8重量%から1.2重量%の範囲量で存在する。いくつかの態様において、ステアリン酸の塩は第2の混合した混合物の総重量に基づいて約1%または1重量%の量で存在する。
【0075】
いくつかの方法において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて50重量%から80重量%の範囲量で、第2の混合した混合物の総重量に基づいて55重量%から75重量%の範囲量で、または第2の混合した混合物の総重量に基づいて60重量%から70重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む。
【0076】
いくつかの方法において、二酸化ケイ素は第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で存在する。他のこのような方法において、セルロースは第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から45%の範囲量で存在する。さらに他のこのような方法において、ステアリン酸マグネシウムは第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量で存在する。他のこのような方法において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて2重量%から6重量%の範囲量でクロスポビドンをさらに含む。方法の他のこのような態様において、第2の混合した混合物は第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.5重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素、第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から45%の範囲量でセルロース、第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.5重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムおよび第2の混合した混合物の総重量に基づいて2重量%から4重量%の範囲量でクロスポビドンを含む。
【0077】
本発明はまた対象の癌を処置および/または血管形成を阻害するための方法を提供する。該方法は対象にいずれかの態様の製剤を投与することを含む。いくつかのこのような態様において、製剤はカプセルまたは錠剤を含む。適当な対象はラット、マウス、サルおよび他の霊長類、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどの哺乳動物を含む。いくつかの態様において、対象はヒトであり、いくつかのこのような態様において、ヒト癌患者である。いくつかの態様において、製剤はヒト癌患者のような患者にカプセルまたは錠剤として経口的に送達される。
【0078】
該製剤を対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約20から4000ng/mLのCmaxまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約40から8000ng/mLのCmaxを提供するために十分な量で投与できる。いくつかの態様において、投与される量は対象の血漿中において約35から2000ng/mLのCmaxもしくは対象の血漿中において約70から4000ng/mLのCmax、対象の血漿中において約50から500ng/mLのCmaxもしくは対象の血漿中において約100から1000ng/mLのCmax、対象の血漿中において約50から250ng/mLのCmaxもしくは対象の血漿中において約100から500ng/mLのCmax、対象の血漿中において約75から150ng/mLのCmaxもしくは対象の血漿中において約150から300ng/mLのCmax、対象の血漿中において約100から2000ng/mLのCmaxもしくは対象の血漿中において約200から4000ng/mLのCmax、または、対象の血漿中において100から1000ng/mLのCmaxもしくは対象の血漿中において約200から2000ng/mLのCmaxを提供するために十分な量である。
【0079】
該製剤を投与24時間後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約10から2,000ng/mLまたは投与24時間後に対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約20から4,000ng/mLを提供するために十分な量で投与できる。いくつかの態様において、投与される量は投与24時間後に対象の血漿中において約20から1,000ng/mLもしくは投与24時間後に対象の血漿中において約40から2,000ng/mL、投与24時間後に対象の血漿中において約40から500ng/mLもしくは投与24時間後に対象の血漿中において約80から1,000ng/mL、または、投与24時間後に対象の血漿中において約40から250ng/mLもしくは投与24時間後に対象の血漿中において約80から500ng/mLを提供するために十分な量である。
【0080】
該製剤をさらにまた、対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約500から60,000ngh/mLまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約750から120,000ngh/mLのAUCを提供するために十分な量で投与できる。他のこのような態様において、投与される量は対象の血漿中において約1,000から30,000ngh/mLまたは対象の血液中において約1,500から60,000ngh/mLのAUCを提供するために十分な量である。他のこのような態様において、AUCは対象の血漿中において約2,000から15,000ngh/mLまたは対象の血液中において約3,000から30,000ngh/mLである。
【0081】
本発明の製剤は、カプセルまたは錠剤内に、
(a)対象に投与後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約20から4000ng/mLのCmaxまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約40から8000ng/mLのCmax
(b)対象に投与24時間後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約10から2,000ng/mLまたは投与24時間後に対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約20から4,000ng/mL、または
(c)対象に投与後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約500から60,000ngh/mLまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約750から120,000ngh/mLのAUC
の少なくとも1つを提供するために十分な量が存在してもよい。
【0082】
本発明の製剤は、またカプセルまたは錠剤内に、
(a)対象に投与後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約50から500ng/mLのCmaxまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約100から1000ng/mLのCmax
(b)対象に投与24時間後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約20から1,000ng/mLまたは投与24時間後に対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約40から2,000ng/mL、または
(c)対象に投与後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約1,000から30,000ngh/mLまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約1,500から60,000ngh/mLのAUC
の少なくとも1つを提供するために十分な量が存在してもよい。
【0083】
本発明の製剤は、さらにまたカプセルまたは錠剤内に、
(a)対象に投与後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約50から250ng/mLのCmaxまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約100から500ng/mLのCmax
(b)対象に投与24時間後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約40から500ng/mLまたは投与24時間後に対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約80から1,000ng/mL、または
(c)対象に投与後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約2,000から15,000ngh/mLまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約3,000から30,000ngh/mLのAUC
の少なくとも1つを提供するために十分な量が存在してもよい。
【0084】
本発明の製剤は、さらにまたカプセルまたは錠剤内に、
(a)対象に投与後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約75から150ng/mLのCmaxまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約150から300ng/mLのCmax、または
(b)対象に投与24時間後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約40から250ng/mLまたは投与24時間後に対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約80から500ng/mL
の少なくとも1つを提供するために十分な量が存在してもよい。
【0085】
いくつかの態様において、製剤のそれぞれの単位用量は対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約100から2000ng/mLのCmaxまたは対象に投与後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約200から4000ng/mLのCmax;または投与後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約100から1000ng/mLのCmaxまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約200から2000ng/mLのCmaxを提供するために十分な量である。
【0086】
対象の癌を処置および/または血管形成を阻害するための方法のいくつかの態様において、製剤を1日に1、2、3または4回投与する。
【0087】
対象に投与される式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の量は0.25から30mg/kg対象の体重の範囲であってよい。他の態様において、対象に投与される量は1日あたり約25から1500mg/対象、1日あたり約100から1000mg/対象または1日あたり約200から500mg/対象の範囲であってよい。
【0088】
対象の癌を処置および/または血管形成を阻害するための方法のいくつかの態様において、処置される癌は前立腺癌、結腸直腸癌、乳癌、多発性骨髄腫、膵臓癌、小細胞癌腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、慢性リンパ性白血病、肉腫、黒色腫、リンパ腫、甲状腺癌、神経内分泌腺癌、腎細胞癌、胃癌、消化管間質腫瘍、神経膠腫、脳の癌または膀胱癌から選択される。いくつかの態様において、該癌は転移したものを有する。
【0089】
対象の癌を処置および/または血管形成を阻害するための方法のいくつかの態様において、方法は7、14、21または28日間、毎日製剤を投与し、次に7または14日間、製剤を投与しないことを含む処置サイクルの一部として製剤を投与することをさらに含む。いくつかのこのような態様において、処置サイクルが7日間、毎日一定量の化合物を投与し、次に7日間、化合物を投与しないことを含む。いくつかのこのような態様において、該処置サイクルを1回またはそれ以上繰り返す。
【0090】
本明細書に記載されているものに加えてさらなる成分が本発明の製剤に含まれていてもよい。このようなさらなるまたは別の成分は、例えば、“Remington's Pharmaceutical Sciences”Mack Pub. Co., New Jersey (1991)に記載されている(これを出典明示により本明細書に包含させる)。このようなさらなるまたは別の成分は、限定はしないが:メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、カルボシル、Avicel PH、ポリ(アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル)、制限はしないが、ポリ(メタクリル酸−メタクリル酸メチル)およびポリ(メタクリル酸−メタクリル酸エチル)のようなメタクリル酸コポリマー、ならびに制限はしないが、ポリ(アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル−塩化メタクリル酸トリメチルアンモニオエチル)のようなメタクリル酸アミノコポリマーである。
【0091】
本発明の製剤は短時間作用型、速崩壊型、持続型および徐放型のために設計できる。したがって、医薬製剤はまた制御放出型または徐放型で調剤できる。
【0092】
治療有効用量は症状の改善をもたらす化合物の量を意味する。特定の用量は疾患の状態、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、対象の食事、投与間隔、投与形路、排出速度および薬剤の組合せに依存して調節できる。有効量を含むいずれかの上記投与形態は慣用の経験の範囲内および本発明の範囲内が良い。治療有効用量は投与形路および投与形態に依存して変化し得る。好ましい化合物または本発明の化合物は高い治療指数を示す製剤である。該治療指数は毒性効果と治療効果の用量比であり、これはLD50とED50の比率として示すことができる。該LD50は集団の50%に対する致死量であり、該ED50は集団の50%に対する治療有効量である。該LD50およびED50は動物細胞培養または実験動物における標準医薬的方法により測定する。
【0093】
提供されるこのような方法により処置され得るRTK疾患またはRTK介在疾患は、RTKが関連するか、またはRTKの阻害が障害または疾患状態において欠損している生化学的経路を増強するなんらかの生物学的障害または疾患を含む。このような疾患の例は、前立腺癌、結腸直腸癌、乳癌、多発性骨髄腫、膵臓癌、小細胞癌腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病または骨髄増殖性疾患のような癌である。
【0094】
スキーム1は本発明の製剤において使用される化合物の合成のための例示的な合成経路の1つの記載であり、いかなる方法でも本発明を限定すると解釈してはならない。
【0095】
本発明のいずれかの製剤、方法またはパッケージングにおいて、カプセルが提供されるとき錠剤もまた提供でき、そして錠剤が提供されるときカプセルもまた提供できると考慮できる。
スキーム1
【化3】

【0096】
本発明の有機化合物は互変異性の現象を示し得ることは理解すべきである。この明細書内の化学構造は一度に可能な互変異性形態の1つしか示すことができないが、本発明は記載されている構造のすべての互変異性形態を含むと理解すべきである。例えば、式Iの化合物である1つの互変異性体、互変異性体Iaを以下に示す:
【化4】

式Iの化合物の他の互変異性体である、互変異性体Ibおよび互変異性体Icを以下に示す:
【化5】

【0097】
このように一般的に記載されている本発明は、説明のためであり本発明を限定する意図のない下記実施例を参照することによりさらに理解できる。
【実施例】
【0098】
実施例
下記略語を実施例で使用する:
EtOH: エタノール
O: 水
HCI: 塩酸
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
KHMDS: カリウムビス(トリメチルシリル)アミド
LiHMDS: リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
NaHMDS: ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
NaOH: 水酸化ナトリウム
N2: 窒素
TBME: t−ブチルメチルエーテル
THF: テトラヒドロフラン
【0099】
実施例化合物に対する命名法は、Advanced Chemistry Development、Inc.、Chemlnnovation NamExpertから販売されているACD Nameバージョン 5.07ソフトウェア(2001年11月14日)+Chemlnnovation Software, Inc. から販売されているNomenclatorTM商標ソフトウェア、およびChemOffice(登録商標)から販売されているAutoNomバージョン2.2、CambridgeSoft Corporation(Cambridge, MA)から販売されているUltraソフトウェアパッケージ・バージョン7.0を使用して提供した。いくつかの化合物および出発物質は標準IUPAC命名法を使用して命名した。
【0100】
様々な出発物質は商品から得ることができる、および当業者に既知の方法により製造できる。
【0101】
実施例1
5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリンの合成
製造法A
【化6】

5−クロロ−2−ニトロアニリン(500g、2.898mol)および1−メチルピペラジン(871g、8.693mol)を2000mLの冷却器を備えたフラスコに置き、Nでパージした。フラスコを100℃で油浴に入れ、HPLCによる測定で5−クロロ−2−ニトロアニリンが完全に反応するまで(一般的に一晩)加熱した。5−クロロ−2−ニトロアニリン消失をHPLCで確認後、反応混合物を直接(まだ温かい)、2500mLの室温の水に機械的撹拌しながら注いだ。室温に到達するまで得られた混合物を撹拌し、次にそれを濾過した。このようにして得られた黄色固体を1000mLの水に加え、30分撹拌した。得られた混合物を濾過し、得られた固体をTBME(500mL、2×)で洗浄し、次にラバーダムを使用して真空下で1時間乾燥させた。得られた固体を乾燥しているトレイに移し、真空オーブンで50℃で一定重量に乾燥させ、670g(97.8%)の表題化合物を黄色粉末として得た。
【0102】
製造法B
5−クロロ−2−ニトロアニリン(308.2g、1.79mol)を5000mLのオーバーヘッド式撹拌棒、冷却器、ガス注入口、添加用漏斗および温度計を備えた4口丸底フラスコに加えた。フラスコを次にNでパージした。1−メチルピペラジン(758.1g、840mL、7.57mol)および200プルーフのエタノール(508mL)を反応フラスコに撹拌しながら加えた。フラスコを再びNでパージし、反応物をN下で維持した。フラスコを97℃(+/−5℃)の内部温度に加熱マントルで加熱し、HPLCによる測定で反応が完了するまで温度を維持した(一般的に約40時間)。反応完了後、加熱を中止し、反応物を約20℃から25℃の内部温度に撹拌しながら冷却し、反応物を2から3時間撹拌した。沈殿がもう起こらなくなるまで、5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルニトロアニリンの種結晶(0.20g、0.85mmol)を反応混合物に加えた。水(2,450mL)を撹拌した反応混合物に約1時間にわたって、内部温度を約20℃から30℃の範囲の温度で維持しながら加えた。水の添加完了後、得られた混合物を約1時間、20℃から30℃の温度で撹拌した。得られた混合物を次に濾過し、フラスコおよび濾過ケーキを水(3×2.56L)で洗浄した。黄金色の固体生成物を真空オーブン中で真空下で約50℃で416g(収率98.6%)の一定重量に乾燥させた。
【0103】
製造法C
5−クロロ−2−ニトロアニリン(401g、2.32mol)を12Lのオーバーヘッド式撹拌棒、冷却器、ガス注入口、添加用漏斗および温度計を備えた4口丸底フラスコに加えた。フラスコを次にNでパージした。1−メチルピペラジン(977g、1.08L、9.75mol)および100%のエタノール(650mL)を反応フラスコに撹拌しながら加えた。フラスコを再びNでパージし、反応物をN下で維持した。フラスコを97℃(+/−5℃)の内部温度に加熱マントルで加熱し、HPLCによる測定で反応が完了するまで温度を維持した(一般的に約40時間)。反応完了後、加熱を中止し、反応物を約80℃の内部温度に撹拌しながら冷却し、水(3.15L)を混合物に添加用漏斗を介して1時間にわたって、内部温度を82℃(+/−3℃)に維持しながら加えた。水の添加完了後、加熱を中止し、反応混合物を4時間以内で20−25℃の内部温度に冷却した。反応混合物を次にさらに1時間、20−30℃の内部温度で撹拌した。得られた混合物を次に濾過し、フラスコおよび濾過ケーキを水(1×1L)、50%エタノール(1×1L)および95%エタノール(1×1L)で洗浄した。黄金色の固体生成物を乾燥している皿に置き、真空下で約50℃で546g(収率99%)の一定重量に乾燥させた。
【0104】
実施例2
[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−酢酸エチルエステルの合成
製造法A
【化7】

5000mLの4口フラスコに撹拌棒、温度計、冷却器およびガス注入口/注出口を取り付けた。該フラスコを265.7g(1.12mol.1.0当量)の5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリンおよび2125mLの200プルーフのEtOHで満たした。得られた溶液を15分間Nでパージした。次に、20.0gの5%のPd/C(50%HOw/w)を加えた。Hで混合物にバブリングしながら反応物を40−50℃(内部温度)で激しく撹拌した。反応をHPLCにより5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリンの消失について1時間ごとにモニタリングした。典型的な反応時間は6時間であった。
【0105】
すべての5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリンが反応物から消滅した後、溶液を15分間Nでパージした。次に、440.0g(2.25mol)の3−エトキシ−3−イミノプロパン酸エチル塩酸塩を固体で加えた。反応物を反応が完了するまで40−50℃(内部温度)で撹拌した。反応をジアミノ化合物の消失をHPLCによりモニタリングした。典型的な反応時間は1−2時間であった。反応完了後、室温に冷却し、セライト濾過材のパッドを介して濾過した。セライト濾過材を無水EtOH(2×250mL)で洗浄し、濾液を減圧下濃縮し、濃い褐色/橙色油状物を得た。得られた油状物を850mLの0.37%のHCI溶液に取った。次に固体NaOH(25g)を一度に加え、沈殿を形成した。得られた混合物を1時間撹拌し、次に濾過した。固体をHO(2×400mL)で洗浄し、真空オーブン中で50℃で乾燥させ、251.7g(74.1%)の[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]酢酸エチルエステルを薄い黄色粉末として得た。
【0106】
製造法B
5000mLの4口ジャケット形フラスコに自動撹拌棒、冷却器、温度計、ガス注入口およびオイルバブラーを取り付けた。該フラスコを300g(1.27mol)の5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリンおよび2400mLの200プルーフのEtOHで満たした(該反応は95%のエタノールで行うことができ、この反応のために200プルーフのエタノールを使用することは必要ない)。得られた溶液を撹拌し、15分間Nでパージした。次に、22.7gの5%のPd/C(50% HO w/w)を反応フラスコに加えた。反応容器を15分間Nでパージした。Nでパージ後、反応容器をフラスコを介してHのゆっくりであるが一定流量を維持することによりHでパージした。5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリンがHPLCによる測定で完全に消費されるまでHで混合物にバブリングしながら、反応物を45−55℃(内部温度)で撹拌した。典型的な反応時間は6時間であった。
【0107】
すべての5−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−2−ニトロアニリンが反応物から消滅した後、溶液を15分間Nでパージした。ジアミン中間体は空気感受性であり、だから注意深く空気への暴露を避けるように取り出した。500g(2.56mol)の3−エトキシ−3−イミノプロパン酸エチル塩酸塩を約30分にわたって反応混合物に加えた。ジアミンがHPLCによる測定で完全に消費されるまで反応物を45−55℃(内部温度)でH下で撹拌した。典型的な反応時間は約2時間であった。反応完了後、セライトパッドを介して温めながら反応物を濾過した。次に反応フラスコおよびセライトを200プルーフのEtOH(3×285mL)で洗浄した。5000mLのフラスコ中に濾液を合わせ、約3300mLのエタノールを真空下で除去し、橙色油状物を製造した。水(530ml)および1MのHCL(350mL)を得られた油状物に加え、得られた混合物を撹拌した。得られた溶液を、30%のNaOH(200mL)をpHを9から10にしながら約25−30℃の内部温度を維持し約20分にわたって加えながら、激しく撹拌した。得られた懸濁液を約20−25℃の内部温度で維持しながら約4時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをHO(3×300mL)で洗浄した。回収した固体を真空オーブン中で真空下で50℃で一定重量に乾燥させ、345.9g(90.1%)の[6−(4−メチル−ピペラジン−l−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−酢酸エチルエステルを薄い黄色粉末として得た。別の後処理で、濾液を合わせ、エタノールを少なくとも約90%を除去するまで真空下で除去した。次に中性pHの水を得られた油状物に加え、溶液を約0℃に冷却した。次に迅速に撹拌しながら20%のNaOH水溶液を加え、pH9.2までに持ってきた(pHメーターで読む)。次に得られた混合物を濾過し、上記のとおりに乾燥させた。この別の後処理法は97%という高い収率で明黄褐色から明黄色の生成物を提供した。
【0108】
実施例3
[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−酢酸エチルエステルの含水率を減少するための方法
あらかじめ後処理し、約8−9%のHOの含水量に乾燥させた[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−酢酸エチルエステル(120.7g)を2000mLの丸底フラスコに入れ、無水エタノール(500mL)に溶解した。琥珀色の溶液をロータリーエバポレーターを使用して濃い油状物に、すべての溶媒が除去されるまで加熱しながら濃縮した。この方法をさらに2回繰り返した。こうして得られた濃い油状物をフラスコ内に入れ、真空オーブンに入れ、50℃で一晩加熱した。Karl Fisher分析結果は5.25%の含水率を示した。この方法により得られた低い含水率は実施例4の製造法において高い収率を提供した。トルエンおよびTHFのような他の溶媒はこの乾燥処理においてエタノールの代わりに使用できる。
【0109】
実施例4
4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンの合成
製造法A
【化8】

(上記のとおりにエタノールで乾燥させた)[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−酢酸エチルエステル(250g、820mmol)を5000mLの冷却器、自動撹拌棒、温度計を備えたフラスコ中でTHF(3800mL)に溶解し、アルゴンでパージした。2−アミノ−6−フルオロ−ベンゾニトリル(95.3g、700mmol)を溶液に加え、内部温度を40℃に上げた。すべての固体が溶解し、溶液温度が40℃に達したとき、固体KHMDS(376.2g、1890mmol)を5分にわたって加えた。カリウム塩基の添加が完了したとき、不均一の黄色溶液を得、内部温度を62℃に上げた。60分後、内部温度を40℃に下げ、反応が完了していることをHPLCにより測定した(出発物質または非環状中間体は存在しなかった)。濃い反応混合物を次にそれをHO(6000mL)に注ぎ、室温に達するまで得られた混合物を撹拌することによりクエンチした。混合物を次に濾過し、ろ過パッドを水(1000mL2×)で洗浄した。明るい黄色固体を乾燥しているトレイに置き、真空オーブンで50℃で一晩乾燥させ、155.3g(47.9%)の所望の4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンを得た。
【0110】
製造法B
5000mLの4口ジャケット付フラスコに蒸留装置、温度計、Nガス注入口、添加用漏斗および自動撹拌棒を取り付けた。[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−酢酸エチルエステル(173.0g、570mmol)で反応容器を満たし、反応容器をNで15分間パージした。乾燥THF(2600ml)を次に撹拌しながらフラスコに満たした。すべての固体が溶解した後、溶媒を必要なとき熱を使用して(水を除去するために高い温度が役立つ)蒸留により除去した(真空または大気圧で)。1000mLの溶媒を除去後、蒸留を停止し、反応物をNでパージした。1000mLの乾燥THFを次に反応容器に加え、すべての固体が溶解したとき、さらに1000mLの溶媒が除去されるまで蒸留(真空または大気圧)を再び実施した。乾燥THFの添加および溶媒除去のこの方法を少なくとも4回繰り返し(最初の3回の蒸留のときほんの40%であるが、4回目の蒸留において溶媒の60%が除去される)、この後、含水率を測定するために1mLのサンプルをKarl Fischer分析のために取り出した。分析でサンプルが0.20%未満の水を含むことを示すとき、反応を次の段落で記載されているとおりに続けた。しかしながら、分析で0.20%以上の水を示すとき、0.20%未満の含水率に達するまで上記乾燥処理を続けた。
【0111】
前の段落に記載されている製造法を使用して約0.20%未満の含水量に達した後、蒸留装置を還流冷却器と置き換え、反応物を2−アミノ−6フルオロ−ベンゾニトリル(66.2g、470mmol)(いくつかの製造法において、0.95当量を使用する)で満たした。反応物を次に38−42℃の内部温度に加熱した。内部温度が38−42℃に達したとき、KHMDS溶液(1313g、1.32mol、THF中の20%のKHMDS)を添加中、約38−50℃の内部温度を維持しながら5分にわたって添加用漏斗を介して反応物に加えた。カリウム塩基の添加が完了したとき、38−42℃で内部温度を維持しながら反応物を3.5から4.5時間(いくつかの実施例において、それを30から60分間撹拌し、そしてその反応はその時間内に完了し得る)撹拌した。反応物のサンプルを次に取り出し、HPLCにより分析した。反応が完了しなかったとき、さらなるKHMDS溶液を5分にわたってフラスコに加え、反応物を42℃で45−60分間撹拌した(加えたKHMDS溶液の量を下記により測定した:IPC比が<3.50のとき、125mLを加えた;10.0≧IPC比>3.50のとき、次に56mLを加えた;20.0≧IPC比≧10のとき、30mLを加えた。IPC比は非環化中間体に対応する領域により分割された4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オン)に対応する領域に等しい)。反応が完了したとき(IPC比>20)、反応容器を25−30℃の内部温度に冷却し、水(350mL)を25−35℃で内部温度を維持しながら15分間にわたって反応容器に満たした(あるいは、反応を40℃で実施し、水を5分以内に加えた。素早いクエンチが経時的に形成される不純物の量を減少させる)。還流冷却器を次に蒸留装置に置き換え、溶媒を必要なとき熱を使用して蒸留により除去した(真空または大気圧)。1500mLの溶媒を除去後、蒸留を中止し、反応物をNでパージした。20−30℃で内部温度を維持しながら水(1660mL)を次に反応フラスコに加えた。反応混合物を次に20−30℃で30分間維持し、それを5−10℃の内部温度に冷却し、次に1時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、フラスコおよび濾過ケーキを水(3×650mL)で洗浄した。こうして得られた固体を真空オーブン中で真空下で50℃で一定重量に乾燥させ、103.9g(収率42.6%)の4−アミノフルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンを黄色粉末として得た。
【0112】
製造法C
【化9】

(乾燥した)[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−酢酸エチルエステル(608g、2.01mol)および2−アミノ−6−フルオロ−ベンゾニトリル(274g、2.01mol)を、加熱マントル上に設置し、冷却器、自動撹拌棒、ガス注入口および温度計を備えた12Lの4口フラスコに満たした。反応容器をNでパージし、撹拌しながらトルエン(7.7L)を反応混合物に満たした。反応容器を再びNでパージし、N下で維持した。混合物の内部温度を63℃(+/−3℃)の温度に達するまで上げた。約2.6Lのトルエンを減圧下(380+/−10torr、蒸留用ヘッドt=40℃(+/−10℃)でフラスコから蒸留される間、。混合物の内部温度を63℃(+/−3℃)で維持した(混合物中の含水率をチェックするためにKarl Fischer分析を使用した。含水率が0.03%より高いとき、さらに2.6Lのトルエンを加え、蒸留を繰り返した。0.03%未満の含水率に達するまでこの方法を繰り返した)。0.03%未満の含水率に達した後、加熱を中止し、反応物をN下で17−19℃の内部温度に冷却した。THF中のカリウムt−ブトキシド(THF中で20%;3.39kg、6.04モルのカリウムt−ブトキシド)を次にN下で反応物の内部温度が20℃以下を維持するような速度で反応物に加えた。カリウムt−ブトキシドの添加が完了した後、反応物を20℃未満の内部温度で30分撹拌した。次に温度を25℃に上げ、反応物を少なくとも1時間撹拌した。次に温度を30℃に上げ、反応物を少なくとも30分撹拌した。次に反応を出発物質の消費を確認するためHPLCを使用して完了をモニタリングした(一般的に2−3時間、両方の出発物質を消費した(HPLC面積%により0.5%未満))。2時間後に反応が完了しないとき、さらに0.05当量のカリウムt−ブトキシドを一度に加え、HPLCが反応の完了を示したとき該処理を完了した。反応が完了した後、650mLの水を撹拌した反応混合物に加えた。反応物を次に50℃の内部温度に温め、THFを反応混合物から減圧下で留去した(約3L容量)。次に水(2.6L)を添加用漏斗を使用して反応混合物に滴下した。次に混合物を室温に冷却し、少なくとも1時間撹拌した。次に混合物を濾過し、濾過ケーキを水(1.2L)、70%のエタノール(1.2L)および95%のエタノール(1.2L)で洗浄した。明るい黄色固体を乾燥しているトレイに置き、一定重量を得るまで50℃で真空オーブンで乾燥させ、674g(85.4%)の所望のアミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンを得た。
【0113】
実施例5
4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンの精製
3000mLの冷却器、温度計、Nガス注入口および自動撹拌棒を備えた4口フラスコを加熱マントルに置いた。次にフラスコを4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オン(101.0g、0.26mol)で満たし、黄色固体を95%のエタノール(1000mL)に懸濁し、撹拌した。いくつかの場合において、8:1の溶媒比を使用する。次に懸濁液を約1時間にわたって撹拌しながら穏やかに還流温度(約76℃の温度)に加熱した。次に反応物を還流しながら45−75分撹拌した。ここで、熱をフラスコから除去し、懸濁液を25−30℃の温度に冷却した。次に懸濁液を濾過し、ろ過パッドを水(2×500mL)で洗浄した。次に黄色固体を乾燥しているトレイに置き、一定重量が得られるまで(一般的に16時間)50℃で真空オーブンで乾燥させ、97.2g(96.2%)の精製した生成物を黄色粉末として得た。
【0114】
実施例6
4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール2−イル]−1H−キノリン−2−オンの乳酸塩の製造
【化10】

3000mLの4口ジャケット形フラスコに冷却器、温度計、Nガス注入口および自動撹拌棒を備えた。反応容器を少なくとも15分Nでパージし、次に4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール2−イル]−1H−キノリン−2−オン(484g、1.23mol)で満たした。D,L−乳酸(243.3g、1.72molのモノマー−下記段落参照)、水(339mL)およびエタノール(1211mL)の溶液を製造し、次に反応フラスコに満たした。撹拌を中速で開始し、反応物を68−72℃の内部温度に加熱した。反応物の内部温度を15−45分68−72℃で維持し、次に加熱を中止した。得られた混合物を10−20ミクロンフリットを介して濾過し、12Lのフラスコ中に濾液を回収した。12Lのフラスコに内部温度プローブ、還流冷却器、添加用漏斗、ガス注入口、注出口およびオーバーヘッド式撹拌棒を備えた。次に濾液を中速で撹拌し、還流温度に(約78℃の内部温度)加熱した。穏やかに還流を維持しながら、エタノール(3,596mL)を約20分にわたってフラスコに満たした。次に反応フラスコを15−25分以内に約64−70℃の範囲の内部温度に冷却し、この温度を約30分維持した。反応容器を結晶について調べた。結晶が存在しないならば、4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オン(484mg、0.1モル%)の乳酸塩の結晶をフラスコに加え、反応物を30分64−70℃で撹拌し、再びフラスコを結晶について調べた。結晶が存在したならば、撹拌を低速に減速し、反応物をさらに90分64−70℃で撹拌した。次に反応物を約2時間にわたって約0℃に冷却し、得られた混合物を25−50ミクロンフリットフィルターを介して濾過した。反応容器をエタノール(484mL)で洗浄し、内部温度が約0℃になるまで撹拌した。冷エタノールを使用し、濾過ケーキを洗浄し、この処理を2回以上繰り返した。回収した固体を真空オーブン中で真空下で50℃で一定重量に乾燥させ、510.7g(85.7%)の4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンの乳酸塩の黄色結晶を得た。この処理で該化合物の乳酸塩の形態Aを得た。ラバーダムまたは不活性条件を一般的に濾過処理中に使用した。乾燥固体が非常に吸湿性であるようには見えないが、湿性濾過ケーキは水を吸収しやすく、粘着性になる。予防措置を湿性濾過ケーキの該雰囲気への長時間暴露を避けるために取った。
【0115】
市販の乳酸は一般に約8−12%w/wの水を含み、モノマー乳酸に加えてダイマーおよびトリマーを含む。乳酸ダイマー対モノマーのモル比は一般に約1.0:4.7である。市販級の乳酸を反応混合物からの一乳酸塩の選択的な沈殿のために上記段落に記載されている処理で使用できる。
【0116】
実施例7
形態Aである乳酸塩のX線分析
予備結晶性試験
予備XRPD(X線粉末回折)分析をCu Kα放射を使用してShimadzu XRD−6000X線粉末回折計で実施した。該装置は高精度X線チューブを備えている。該チューブのボルトおよびアンペアはそれぞれ40kVおよび40mAであった。発散および散乱スリットを1°でセットし、受取スリットを0.15mmでセットした。回折放熱をNalシンチレーション検出器により検出した。2.5から40℃で3°<分(0秒/0.02°工程)でθ−2θ連続読み取りを使用した。4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(メチルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オン乳酸塩が高度の結晶度を示し、明瞭な粉末X線回折を有することを見いだした。
【0117】
形態Aである4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−l−1H−キノリン−2−オン乳酸塩のさらなるXRPD特性
XRPDをPhilips X’Pert粉末回折計(銅Kα放射)で実施した。0.4または0.8mmの深さの金属サンプルホルダーを使用した(TTK型)。試験薬剤の高力価のために、層流台で製造後、サンプルホルダーを薄いKaptonホイルで覆った。CuKα1放射の波長は1.54060Åである。X線チューブを40kVのボルトおよび40mAの電流で作動させた。工程あたり0.02°のステップサイズおよび2.0から2.4秒の計数時間を適用した。サンプルホルダー中の粉末の包装密度のために、記録された密度は変化し得て、Kaptonホイルから得られる少量の非結晶バックグラウンドを結晶化実験から得られたサンプルで存在し得るなんらかの結晶薬剤と区別することは難しい。
【0118】
形態AのXRPDパターンを図1で提供する。相対的に顕著な2θピークを約5.7、約11.3、約12.4、約15.3、約15.9、約17.0、約19.1、約19.7、約20.5、約20.9、約22.8、約23.4、約23.7、約24.7、約25.0、約25.9、約26.9および約31.2度で観察した。
【0119】
実施例8
形態Aの吸湿性
DVS実験における形態Aである4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オン乳酸の研究は、約80%未満のRHであり、研究した形態Aが吸湿性ではない(表1参照)ことを示す。すべてのDVS測定を時間あたりの2.5%の相対湿度変化で実施した。しかしながら、90%を超えるRH条件への暴露が有意な水吸収を誘導し、提供される測定時間中、これは完全に可逆性ではない。さらに、4500分で相対湿度を95%から50%で検査したとき、水吸収は完全ではなかった。DVS測定の結果を図2および3に示す。
表1.4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンの塩の湿度により誘導される重量変化
【表1】

【0120】
実施例9
4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンの調剤
カプセル製剤を図2に示した一般方法を使用して製造した。4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンの乳酸塩を上記のとおりに製造し、無水結晶形態を好ましくは本明細書に記載されている製剤(形態A)を製造するために使用した。製剤において使用される賦形剤はラクトース一水和物(例えば、Foremost Whey Products and DMV Corp.からのFAST FLO #316)、微結晶セルロース(例えば、FMC Corp.からのAVICEL 101)、部分的アルファ化デンプン(例えば、Colorcon、Inc.からのデンプン 1500)、ポビドン(ISPまたはBaseからの)、クロスポビドン(例えば、ISPからのPOLYPLASDONE XL)、二酸化ケイ素(例えば、Grace DavisonまたはCabotISPからのSYLOID 244FP)、およびステアリン酸マグネシウム(例えば、Mallinckrodtからの)を含む。
【0121】
12個のカプセル製剤(組成物1−12)を表2に示される重量%量の成分を有するように製造した。カプセルをそれぞれ15mgのAPI(式Iの化合物)を有するように調節した。3種のさらなる製剤を2つの異なる濃度(25mgおよび100mg(組成物13)ならびに30mgおよび100mg(組成物14および15))で約1.5kgの規模で製造した。組成物を製造するために使用する成分および量は表3−5に示す。
【0122】
簡単に言うと、ステアリン酸マグネシウムを除くそれぞれの成分を粉末化する前に合わせ、あらかじめ混合した。粉末化および混合後、ステアリン酸マグネシウムを加え、混合物を2回目の混合をした。加えたステアリン酸マグネシウムと混合後、組成物を封入し、25mg、30mgおよび100mgの組成物を提供した。25および30mgの組成物レベルに対して、サイズ2のSwedish orange opaqueカプセルを使用し、100mgの組成物に対して、サイズ0のgrey opaqueゼラチン(CS、Capsugel)またはHPIVIC(QUALI−V、Shanogi)カプセルを使用した。同じまたは同様の製造法は表2−5で示されるサイズ以外のカプセルを製造するために使用できる。例えば、同じ製造法を当業者に明白である適当なカプセルサイズおよび組成物における成分の量を簡単に調節することにより25mg、30mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mgおよび500mgのカプセルを製造するための使用できる。
【0123】
表2に示されているそれぞれの製剤の安定性を、40℃/75%部屋の湿度で製剤を保存し、3か月にわたって評価した。不純物および分解がこの期間ですべての製剤において0.6%未満、ほとんどの製剤において0.4%未満であることを発見した。
表2.乾燥混合製剤
【表2】

G=硬ゼラチンカプセル;H=ヒドロキシメチルプロピルセルロースカプセル
PS=部分的アルファ化デンプン
CP=クロスポビドン
SLS=ラウリル硫酸ナトリウム
MCC=微結晶セルロース
API=式Iの化合物
【0124】
これらの結果に基づいて、3つのさらなる製剤(組成物13−15)を上記のとおりに製造した。それぞれの組成物が表6−15に示されるとおりの所望の安定性および溶解特性を有することを見いだした。したがって、様々な態様で本明細書に記載のいずれかの組成物を含む。崩壊生成物はいずれの製剤でも検出しなかった。組成物13−15のそれぞれが優れた溶解特徴を有した。例えば、組成物1の80%が10分溶解し、組成物2の85%が10分溶解し、そして組成物3の85%が20分溶解した。これらは、食品医薬品局により課されている85%が45分以内に溶解すべきという基準を満たす。いくつかの態様において、組成物14が選択の製剤である。他の態様において、組成物13または組成物15が選択の製剤である。
【0125】
工程内試験をすべての組成物の混合の均一性、混合物の粒径分布(PSD)および容量/タップ密度を測定するために実施した。3種のパッケージング形態を製造後、カプセルに保存するために使用した。第1の形態において、カプセルをレーヨンコイルおよび熱誘導シールを備えた高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル中で保存した。第2の形態において、カプセルをレーヨンコイルなしであるが熱誘導シールを備えたHDPEボトル中で保存した。第3の形態において、カプセルをAI−AIブリスターパッケージ中で保存した。安定性試験を内容物、外観および溶解特性の均一性について実施した。HPLCアッセイをまたカプセル製剤の安定性を試験するために使用した。
表3.カプセル組成物13
【表3】

【0126】
表4.カプセル組成物14
【表4】

【0127】
表5.カプセル組成物15
【表5】

【0128】
表6.40℃(75% RH)で3か月間保存したカプセル組成物に対する安定性のデータ
【表6】

パッケージング形態はレーヨンコイルおよび熱誘導シールを備えていないHDPEボトルだった。
【0129】
表7.40℃(75% RH)で3か月間保存したカプセル組成物に対する安定性のデータ
【表7】

パッケージング形態はレーヨンコイルおよび熱誘導シールを備えたHDPEボトルだった。
【0130】
表8.40℃(75% RH)で6か月間保存したカプセル組成物に対する安定性のデータ
【表8】

パッケージング形態はレーヨンコイルおよび熱誘導シールを備えていないHDPEボトルだった。
【0131】
表9.40℃(75% RH)で3か月間保存したカプセル組成物に対する安定性のデータ
【表9】

パッケージング形態はレーヨンコイルおよび熱誘導シールを備えたHDPEボトルだった。
【0132】
溶解安定性
医薬組成物13、14および15の溶解安定性を50rpmでUSP装置IIを使用して疑似胃液において測定した。組成物を100mgおよび25または30mgのAPI用量で試験した。それぞれの組成物は60分後、完全に疑似胃液に溶解した。安定性試験の結果を表10−15に示す。
【0133】
表10.40℃(75% RH)で保存した組成物13(25mg)カプセル組成物の溶解安定性
【表10】

【0134】
表11.40℃(75% RH)で保存した組成物13(100mg)カプセル組成物の溶解安定性
【表11】

【0135】
表12.40℃(75% RH)で保存した組成物14(30mg)カプセル組成物の溶解安定性
【表12】

【0136】
表13.40℃(75% RH)で保存した組成物14(100mg)カプセル組成物の溶解安定性
【表13】

【0137】
表14.40℃(75% RH)で保存した組成物15(30mg)カプセル組成物の溶解安定性
【表14】

【0138】
表15.40℃(75% RH)で保存した組成物15(100mg)カプセル組成物の溶解安定性
【表15】

【0139】
実施例10
4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オン製剤における粉末分析試験
200mg濃度でのAPIの薬剤負荷試験を実施した。それぞれ70%、60%、50%および60%負荷での組成物16、17、18および19(表16−19)を標識した製剤を、ポリエチレンバッグ混合技術を使用して製造した。ステアリン酸マグネシウムを除くAPIおよび賦形剤をPEバッグ中で3分バッグ混合した。次に混合物を30番メッシュハンドスクリーンに通し、3分さらにバッグ混合するためPEバッグに満たした。次にステアリン酸マグネシウムを30番メッシュハンドスクリーンに通し、混合物に加え、さらに3分または目視検査により混合物が一様に見えるまでバッグ混合した。
【0140】
すべての組成物を許容される流動性について200mg濃度で評価した。すべての流動試験をCarr Index測定により評価した。Carr Indexを下記式にしたがって計算した:(タップ密度−かさ密度)/(タップ密度)。表20はかさ密度、タップ密度、Carr indexおよび安息角を含む評価の結果を示す。表16−19で示したそれぞれの組成物が許容される流動性を有することを発見した。したがって、様々な態様は本明細書に記載のすべての組成物を含む。
【0141】
表16.カプセルサイズ“0”の組成物16
【表16】

【0142】
表17.カプセルサイズ“0EL”の組成物17
【表17】

【0143】
表18.カプセルサイズ“0EL”の組成物18
【表18】

【0144】
表19.カプセルサイズ“0EL”の組成物19
【表19】

【0145】
表20.組成物16、17、18および19に対するCarr Index値
【表20】

【0146】
実施例11
4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−l−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンの湿性粒状製剤
カプセル製剤を実施例10の一般的方法と同様の方法と下記の2つのさらなる工程で製造した:(1)最初の混合を造粒液体、例えば、水性、アルコール性または水性アルコール液体の存在下で実施する、および(2)乾燥工程を造粒液体を除去するために利用する。4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−l−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1H−キノリン−2−オンの乳酸塩を上記のとおりに製造し、無水結晶形態を好ましくは本明細書に記載の製剤(形態A)を製造するために使用した。様々な製剤を約15gの規模で製造し、それぞれのカプセルが約15mgのAPIを含むことを目標にした。4−アミノ−5−フルオロ−3−[6−(4−メチル−ピペラジン−l−イル)−1H−ベンゾイミダゾール2−イル]−1H−キノリン−2−オンの乳酸塩に加えて、ラクトース一水和物、微結晶セルロースおよび部分的アルファ化デンプンを希釈剤として加えた;ポビドンを結合剤として加えた;クロスポビドンを崩壊剤として加えた;二酸化ケイ素を流動調節剤として加えた;ラウリル硫酸ナトリウムを湿潤剤として加えた;そして水または0.5NのHCIを溶媒または造粒液体として加えた。
【0147】
製造法は下記のとおりであった:ラウリル硫酸ナトリウムおよびクロスポビドンの半分以外のすべての成分を合わせ、あらかじめ混合し、乾燥させた(650rpmでスクリューおよび2500rpmでチョッパーを2分)。存在するならば、ラウリル硫酸ナトリウムを造粒液体に溶解した。650(チョッパー オフ)のスクリュースピードで混合しながら、造粒液体を混合物にピペットにより加えた。造粒液体の添加完了後、チョッパーを始動し(2500rpm)、混合物をさらに2分混合した。湿性造粒混合物を20メッシュスクリーンを通過させ、乾燥減量が1%未満になるまで混合物を約50℃でオーブンで乾燥させた。造粒物を再び20メッシュスクリーンでふるいにかけ、残ったクロスポビドンと10分さらに混合した。
【0148】
組成物をそれぞれのカプセル中に15mgのAPIを提供するように封入した。使用したカプセルはCapsugelからの白色opaque size #0ゼラチンカプセルまたはShanogiからのHPMCカプセルのいずれかであった。同じまたは同様の製造法を記載のサイズ以外のカプセルを製造するために使用できる。例えば、当業者に明白な通り、適当なカプセルサイズおよび組成物中の成分の量を単に調節することにより、同じ製造法を25mg、30mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mgおよび500mgのカプセルを製造するために使用できる。
【0149】
表21は上記方法により製造した湿性製剤の12個の組成物(20−31)を示す。
表21.湿性造粒組成物
【表21】

HC=造粒液体:1=造粒液体として水;−1=造粒液体として0.5NのHCl
G=硬ゼラチンカプセル;H=ヒドロキシメチルプロピルセルロースカプセル
PS=部分的アルファ化デンプン
CP=クロスポビドン
PD=ポビドン
SLS=ラウリル硫酸ナトリウム
MCC=微結晶セルロース
API=式Iの化合物
【0150】
実施例12
イヌでの製剤評価
4種の製剤をイヌで評価した。製剤は組成物13、組成物14、組成物15および瓶入り粉末(PIB)製剤を含んだ。イヌに投与される用量は100mgの化合物/イヌ/期間(100mg/イヌ/期間)であった。試験における動物の数は4匹の雄イヌおよび4匹の雌イヌ(N=4/性)であった。四方向ランダム交差試験デザインを評価に使用した。1週ウオッシュアウトを処置の間に使用した。定量下限濃度(LLOQ)は約1ng/mLであった。それぞれの組成物のAUC(nghr/mL)を評価し、100から350nghr/mLの範囲であることを発見した。PIB組成物は、150−450nghr/mLの範囲であるAUCを生じた。明白な性効果は観察されなかった。処置または期間効果は観察されなかった。同様の観察がCmaxについてなされた。これらの試験でそれぞれの組成物、特に組成物14が医薬製剤としての所望の特性を有することを示した。
【0151】
それぞれの上記特許、特許出願および飲用された関連文献の内容を出典明示により本明細書に包含させ、それらの全体をすべての目的のために含む。
【0152】
本発明は実例として説明している態様に限定されず、本明細書および特許請求の範囲に存在する記載の範囲内にあるようなそれらのすべての形態を包含すると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】形態AのXRPD回折パターン。
【図2】カプセル製剤の製造において使用される様々な工程を示すスキーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

で示される化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物、
ならびに
(i)セルロース;(ii)ラクトース、デンプンまたはそれらの混合物;(iii)ポビドン;(iv)二酸化ケイ素またはタルク;(v)薬学的に許容される滑剤;および(vi)クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムから選択される成分からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む医薬製剤。
【請求項2】
薬学的に許容される滑剤がC16−22脂肪酸、C16−22脂肪酸の塩、C16−22脂肪酸エステル、C16−22脂肪酸エステルの塩;平均分子量6,000から10,000を有するポリエチレングリコールからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
製剤が
(i)セルロース;(ii)二酸化ケイ素;(iii)ステアリン酸またはステアリン酸の塩;および
(iv)クロスポビドン、デンプン、ラクトース、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムから選択される少なくとも1種の成分を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項4】
製剤が式Iの化合物の乳酸塩を含む、請求項1−3のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項5】
式Iの化合物の乳酸塩が無水結晶形態である、請求項1−4のいずれかに記載の製剤。
【請求項6】
無水結晶形態が形態Aである、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
製剤が
(i)微結晶セルロース;
(ii)二酸化ケイ素;
(iii)ステアリン酸マグネシウム;
(iv)クロスポビドン、部分的アルファ化デンプンおよびラクトースから選択される少なくとも1種の成分を含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項8】
製剤が製剤の総重量に基づいて10重量%から50重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む、請求項1−7のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項9】
製剤が製剤の総重量に基づいて20重量%から45重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項10】
製剤が製剤の総重量に基づいて30重量%から40重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む、請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項11】
セルロースが微結晶セルロースである、請求項1−10のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項12】
製剤が製剤の総重量に基づいて10重量%から70重量%の範囲量でセルロースを含む、請求項1−11のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項13】
製剤が製剤の総重量に基づいて20重量%から50重量%の範囲量でセルロースを含み、そして製剤の総重量に基づいて2重量%から6重量%の範囲量でクロスポビドンを含む、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項14】
製剤が製剤の総重量に基づいて20重量%から50重量%の範囲量でセルロースを含み、そして製剤の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量でデンプンまたはラクトースを含む、請求項1−11のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項15】
製剤が製剤の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量で部分的アルファ化デンプンであるデンプンを含む、請求項14に記載の医薬製剤。
【請求項16】
製剤が製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素を含む、請求項1−15のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項17】
製剤が製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1−16のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項18】
製剤が製剤の総重量に基づいて30重量%から40重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩;製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素、製剤の総重量に基づいて25重量%から40%の範囲量でセルロース、製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウム、そして製剤の総重量に基づいて2重量%から4重量%の範囲量でクロスポビドンを含む、請求項1−7のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項19】
製剤が製剤の総重量に基づいて50重量%から80重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩;製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素、製剤の総重量に基づいて0重量%から50%の範囲量でセルロース、製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウム、そして製剤の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量でデンプンを含む、請求項1−7のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項20】
製剤が製剤の総重量に基づいて55重量%から75重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩、製剤の総重量に基づいて5重量%から40%の範囲量でセルロース、そして総重量に基づいて15重量%から30重量%の範囲量でデンプン製剤を含む、請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項21】
製剤が製剤の総重量に基づいて60重量%から70重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩、そして製剤の総重量に基づいて5重量%から25%の範囲量でセルロースを含む、請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項22】
製剤が製剤の総重量に基づいて50重量%から80重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩;製剤の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素、製剤の総重量に基づいて0重量%から50%の範囲量でセルロース、製剤の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウム、そして製剤の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量でラクトースを含む、請求項1−7のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項23】
製剤が製剤の総重量に基づいて55重量%から75重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩、そして製剤の総重量に基づいて5重量%から40%の範囲量でセルロースを含む、請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項24】
製剤が製剤の総重量に基づいて60重量%から70重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩、そして製剤の総重量に基づいて5重量%から40%の範囲量でセルロースを含む、請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項25】
式I
【化2】

で示される化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物、
ならびに
セルロース、ポビドン、二酸化ケイ素、タルクおよび薬学的に許容される滑剤ならびにラクトース、デンプン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムおよびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の成分からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む医薬製剤。
【請求項26】
抗酸化剤、キレート剤、アスコルビン酸、還元糖またはそれらのいずれかの2種またはそれ以上の混合物をさらに含む、請求項1−25のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項27】
製剤がカプセル内に含まれている、請求項1−26のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項28】
製剤が錠剤内に含まれている、請求項1−26のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項29】
カプセルまたは錠剤における式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の全質量が25mgから500mgの範囲である、請求項27または28の医薬製剤。
【請求項30】
40℃および部屋の湿度75%で製剤を3か月間保存後、式Iの化合物の分解量が製剤の総重量に基づいて10重量%未満である、請求項1−27のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項31】
(a)
(i)式I
【化3】

で示される化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物、
ならびに
(ii)セルロース;ラクトース、デンプンまたはそれらの混合物;ポビドン;二酸化ケイ素またはタルク;薬学的に許容される滑剤;およびクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウムから選択される成分からなる群から選択される少なくとも1種の成分を含む、第1の混合物を混合し、第1の混合した混合物を提供することを含む、医薬製剤を製造するための方法。
【請求項32】
式Iの化合物が(i)セルロース;(ii)二酸化ケイ素;および(iii)クロスポビドン、デンプンまたはラクトースから選択される成分を混合されている、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
(b)ステアリン酸、ステアリン酸の塩またはそれらの混合物を第1の混合した混合物と混合し、第2の混合した混合物を提供することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
(c)第2の混合した混合物から少なくとも1種のカプセルまたは少なくとも1種の錠剤を形成することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
(a)成分の混合物を混合し、
(i)式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物、
(ii)セルロース;デンプン;ラクトースおよびポビドンからなる群から選択される少なくとも1種の成分;
(iii)クロスポビドン;クロスカルメロースナトリウムおよびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の成分;
(iv)酸水溶液;アルコール;水性アルコールまたはそれらのいずれかの2種またはそれ以上の混合物からなる群から選択される造粒液体を含む第1の混合した混合物を提供し;
(b)造粒液体を除去し;
(c)第1の混合した混合物を
(i)クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウム;
(ii)ステアリン酸またはステアリン酸の塩および
(iii)二酸化ケイ素またはタルクからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる成分と混合することにより第2の混合した混合物を製造することを含む、医薬製剤を製造するための方法。
【請求項36】
(d)第2の混合した混合物から少なくとも1種のカプセルまたは少なくとも1種の錠剤を形成することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
カプセルまたは錠剤における式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の薬学的に許容される塩、該互変異性体の薬学的に許容される塩またはそれらの混合物の全質量が25mgから500mgの範囲である、請求項34または36に記載の方法。
【請求項38】
(a)、(b)および(c)の工程を同時に実施する、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
第2の混合した混合物が式Iの化合物の乳酸塩を含む、請求項33−36のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて10重量%から50重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から45重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて30重量%から40重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて10重量%から70重量%の範囲量でセルロースを含む、請求項33−42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から50重量%の範囲量でセルロースを含み、そして第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて2重量%から6重量%の範囲量でクロスポビドンを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から50重量%の範囲量でセルロースを含み、そして第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて10重量%から40重量%の範囲量でデンプンまたはラクトース含む、請求項33−43のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
セルロースが微結晶セルロースである、請求項31−45のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から40重量%の範囲量で部分的アルファ化デンプンであるデンプンを含む、請求項33−43のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素を含む、請求項33−43のいずれかに記載の方法。
【請求項49】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムである、請求項33−43のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて50重量%から80重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む、請求項33−38のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて55重量%から75重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて60重量%から70重量%の範囲量で該化合物の乳酸塩を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.3重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素をさらに含む、請求項50−52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から45%の範囲量でセルロースをさらに含む、請求項50−52のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.1重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムをさらに含む、請求項50−52のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて2重量%から6重量%の範囲量でクロスポビドンをさらに含む、請求項50−52のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
第2の混合した混合物が第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.5重量%から2重量%の範囲量で二酸化ケイ素を含み、第2の混合した混合物の総重量に基づいて20重量%から45%の範囲量でセルロースを含み、第2の混合した混合物の総重量に基づいて0.5重量%から2重量%の範囲量でステアリン酸マグネシウムを含み、そして第2の混合した混合物の総重量に基づいて2重量%から4重量%の範囲量でクロスポビドンを含む、請求項50−52のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
2種またはそれ以上の請求項1−30のいずれかに記載の医薬製剤を含むカプセルまたは錠剤を含む貯蔵容器を含む、医薬包装容器。
【請求項59】
該貯蔵容器が高密度ポリエチレンを含む、請求項58に記載の医薬包装容器。
【請求項60】
該貯蔵容器がコットンまたはレーヨンコイル(coil)をさらに含む、請求項59に記載の医薬包装容器。
【請求項61】
該貯蔵容器が熱誘導シールをさらに含む、請求項59に記載の医薬包装容器。
【請求項62】
請求項1−30のいずれかに記載の医薬製剤を含む少なくとも1個のカプセルまたは錠剤を含むブリスターパッケージを含む医薬包装容器。
【請求項63】
錠剤が糖、セルロースポリマーおよびポリメタクリレートポリマーからなる群から選択される物質でコーティングされている、請求項29、34または36に記載の医薬製剤。
【請求項64】
錠剤がさらにゼラチンでコーティングされているか、またはゼラチン鞘(sheath)内に封入されている、請求項29、34または36に記載の医薬製剤。
【請求項65】
コーティング物質が薬学的に許容される着色剤をさらに含む、請求項63または64に記載の医薬製剤。
【請求項66】
コーティング物質が薬学的に許容される乳白剤をさらに含む、請求項63−65のいずれかに記載の医薬製剤。
【請求項67】
医薬製剤を(i)ボトムスプレー、トップスプレーまたはタンジェンシャルスプレーメカニズムを備えた流動床造粒機;(ii)高剪断造粒機;(iii)低剪断造粒機;(iv)ローラーコンパクター;および(V)打錠機からなる群から選択される少なくとも1種の装置を使用して製造する、請求項31−57のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
対象の癌を処置するおよび/または血管形成を阻害するための方法であって、対象に請求項1−30のいずれかに記載の製剤を投与することを含む方法。
【請求項69】
製剤を対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約20から4000ng/mLのCmaxまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約40から8000ng/mLのCmaxを提供するために十分な量で投与する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
製剤が投与24時間後に対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約10から2,000ng/mLまたは投与24時間後に対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約20から4,000ng/mLを提供するために十分な量で投与する、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
製剤を対象の血漿中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約500から60,000ngh/mLまたは対象の血液中において式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の約750から120,000ngh/mLのAUCを提供するために十分な量で投与する、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
製剤を1日に1、2、3または4回投与する、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
対象に投与される式Iの化合物、該化合物の互変異性体、該化合物の乳酸塩、該互変異性体の乳酸塩またはそれらの混合物の量が0.25から30mg/kg対象の体重の範囲である、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
処置される癌が前立腺癌、結腸直腸癌、乳癌、多発性骨髄腫、膵臓癌、小細胞癌腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄増殖性疾患、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、慢性リンパ性白血病、肉腫、黒色腫、リンパ腫、甲状腺癌、神経内分泌腺癌、腎細胞癌、胃癌、消化管間質腫瘍、神経膠腫、脳の癌または膀胱癌から選択される、請求項68に記載の方法。
【請求項75】
7、14、21または28日間、毎日製剤を投与し、次に7または14日間製剤を投与しないことを含む処置サイクルの一部として製剤を投与することをさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項76】
処置サイクルが7日間、毎日一定量の化合物を投与し、次に7日間化合物を投与しないことを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項77】
処置サイクルを1回またはそれ以上繰り返す、請求項75または76に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−517481(P2009−517481A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543426(P2008−543426)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/045711
【国際公開番号】WO2007/064719
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】