説明

キートップユニット、キーボード及び電子機器

【課題】組立性に優れ、少ない部品点数でキートップを固定することができるうえ、ユニット単位での取り扱いを行うこと。
【解決手段】上面が押し下げ面とされ、押し下げられたときにスイッチ回路を形成するための突起部と爪部とが下面側にそれぞれ設けられた複数のキートップ20と、複数のキートップが上面に鍵盤配列されるキーベース21と、キーベースに対して着脱自在に固定され、且つ、鍵盤配列されたキートップが爪部を介して着脱自在に嵌合固定されると共に軸支される複数の軸芯22と、を備え、複数のキートップのうち隣り合う所定数のキートップが、共通の軸芯に嵌合固定されるキートップユニット10を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のキートップを有するキートップユニット、これを備えるキーボード及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話器、PDA等の携帯情報端末、電子辞書やノート型パソコン等、数多くの電子機器が提供されている。この種の電子機器には、文字や数字等を入力するために複数のキートップが鍵盤配列(キーボード配列)されている。特に、電子辞書やノート型パソコン等に関しては、多くの文字情報を取り扱うため、キー数が他の電子機器に比べて一般的に多く設けられている。
【0003】
現在、キートップは、様々なものが提供されているが、リンク部材を介して基板であるキーベースに固定され、キートップを平行に押し下げ操作することができるパンタグラフ構造が主流とされている(特許文献1参照)。なお、通常キーベース上には、ラバーキー(ラバースイッチ)が介在されており、各キートップをラバーの弾性力により上方に持ち上げている。これにより、キートップの押し下げを解除すると、キートップは自然に持ち上がるようになっている。また、キーベースとラバーキーとの間には、メンブレンキー(フィルム基板)が、介在されている。これにより、各キートップを押し下げると、ラバーキーを介してメンブレンキーが潰され、互いに離間していた2つの接点が導通して信号回路が形成されるようになっている。
そして、これらキーベース、ラバーキー、メンブレンキー及び複数のキートップでキーボードユニットを構成しており、ユニット単位で取り扱うことが可能とされている。
【0004】
このように、従来のものはユニット単位で取り扱うことができるので、容易に装置側に組み込むことができると共に、交換が容易であるという利点がある。しかしながら、各キートップがリンク部材を介してそれぞれキーベースに固定される構成であるので、部品点数がどうしても多くなってしまい、高コスト化を招いてしまうものであった。加えて、構成の簡略化を図ることが難しいうえ、キートップの組み付けに時間がかかってしまうものであった。
【0005】
よって、できるだけ簡単な構造でキートップを固定することが望まれている。そこで、このニーズに応えるものの1つとして、少ない部品点数でキートップを固定でき、組立性の良いキーボード構造が知られている(特許文献2参照)。
これは、複数のキートップを共通の軸芯で軸支する構成である。従って、パンタグラフ構造に比べて、部品点数を遥かに少なくすることができるうえ、組立性に優れている。
【特許文献1】特許第4107785号公報
【特許文献2】特開2007−179376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載されているキーボードは、上述した利点がある反面、キートップをユニット単位で取り扱うことができないという不都合があった。つまり、複数のキートップは、軸芯を介して装置側であるケースに設けられた固定部に直接固定されてしまう。そのため、ケースとは切り離して、キートップをユニット単位で取り扱うことは不可能であった。
【0007】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、組立性に優れ、少ない部品点数でキートップを固定することができるうえ、ユニット単位での取り扱いを行うことができるキートップユニット、これを有するキーボード及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するたに以下の手段を提供する。
本発明に係るキートップユニットは、上面が押し下げ面とされ、押し下げられたときに入力信号を出力させるための突起部と爪部とが下面側にそれぞれ設けられた複数のキートップと、複数の前記キートップが上面に鍵盤配列されるキーベースと、前記キーベースに対して着脱自在に固定され、且つ、鍵盤配列された前記キートップが前記爪部を介して着脱自在に嵌合固定されると共に軸支される複数の軸芯と、を備え、複数の前記キートップのうち隣り合う所定数のキートップが、共通の前記軸芯に嵌合固定されることを特徴とする。
【0009】
この発明に係るキートップユニットにおいては、キーベースの上面に鍵盤配列されたキートップを押し下げると、このキートップは軸芯を中心に回転しながら押し下がる。すると、キートップの下面側に設けられた突起部が入力信号を出力させる。これにより、押し下げられたキートップに対応した入力信号を出力させることができ、入力装置として利用することができる。
ところで、キートップユニットを組み立てる場合には、キーベースに対して複数の軸芯を固定すると同時に、これら軸芯に対して爪部を介してキートップを嵌合固定するだけで組み立てを行うことができる。従って、従来のパンダグラフ構造に比べて、遥かに少ない部品点数で容易に組み立てを行ってキートップを固定できる。特に、隣り合う所定数のキートップに関しては、共通の軸芯に嵌合固定させるので、キートップの数に比べて軸芯の数を遥かに減らすことができる。この点においても、部品点数の削減に繋げることができる。
【0010】
しかも、複数のキートップは、軸芯を介してキーベースに固定されている。従って、装置側のケースに固定されてしまう従来のものとは異なり、全体をユニット化してユニット単位で取り扱うことができる。そのため、容易にユニット全体を交換することも可能となり、利便性を向上することができる。加えて、部品点数が少ないので、低コスト化を図ることができる。更に、低コスト化を図れるので、キートップの形状や色等のデザインのバリエーションを比較的容易に増やすことができる。そのため、ユーザの多様なデザインのニーズに応えることができる。
【0011】
また、本発明に係るキートップユニットは、上記本発明のキートップユニットにおいて、前記キートップには、ストッパ爪が形成され、前記キーベースには、前記キートップの押し下げを解除したときに前記ストッパ爪が当接して、回動角度を規制するストッパ受け部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係るキートップユニットにおいては、押し下げの解除によってキートップが元の位置に戻る際に、ストッパ爪がストッパ受け部に当接する。これにより、回動角度が規制され、毎回同じ姿勢で位置決めされる。従って、各キートップの姿勢のばらつきがなくなり、見た目の外観が良くなるだけでなく、引っ掛かりなくキートップを押し下げることができる。
【0013】
また、本発明に係るキーボードは、上記本発明のキートップユニットと、前記キートップユニットが着脱自在に上面に載置固定され、前記突起部に対向する位置に貫通孔が形成された筐体と、前記貫通孔を通して前記突起部に上端部が接触すると共に下端部に接点が形成された移動体を有し、前記筐体の下面に面接触した状態で固定されたラバースイッチと、スイッチパターンが表面に形成され、前記ラバースイッチの下面に面接触した状態で固定されたプリント基板と、を備え、前記移動体が、前記キートップが押し下げられた時に連られて移動して前記接点と前記スイッチパターンとの導通により前記入力信号を出力させると共に、押し下げが解除されたときに前記キートップを弾性力により押し上げて元の位置に復旧させることを特徴とする。
【0014】
この発明に係るキーボードにおいては、キートップが押し下げされると、突起部に上端部が接触しているラバースイッチの移動体が連られてプリント基板に向けて移動する。そして、移動体の下端部に形成された接点が、プリント基板のスイッチパターンに接触して導通する。これにより、押し下げられたキートップに対応した入力信号を出力させることができる。
一方、キートップの押し下げが解除されると、移動体は自身の弾性力により突起部を介してキートップを押し上げる。これにより、キートップは、元の位置に復旧した状態となる。
【0015】
特に、キートップユニットを筐体から自在に着脱できるうえ、該キートップユニットをユニット単位で取り扱えるので、仮に筐体側或いはキートップユニット側に故障等が発生したとしても、必要最小限の範囲での交換が可能となり対処し易い。
【0016】
また、筐体の下面には、移動体が一体的に設けられたラバースイッチが面接触した状態で固定されている。この際、ラバースイッチは、貫通孔内に移動体が入り込んだ状態で筐体に密着している。そのため、貫通孔は、ラバースイッチによって塞がれた状態となっている。そして、このラバースイッチの下面に、スイッチパターンが形成されたプリント基板が面接触した状態で固定されている。従って、筐体の外部から貫通孔を通じて、塵埃や水滴等が筐体の内部に入り込み難い構造となっており、塵埃や水滴等からプリント基板を守ることができる。つまり、プリント基板は、ラバースイッチによって防塵、防水されており、塵埃や水滴等によって悪影響を受ける可能性が低い。従って、作動の信頼性を高めることができ、高品質化を図ることができる。
【0017】
また、本発明に係るキーボードは、上記本発明のキーボードにおいて、前記ラバースイッチと前記筐体との間には、両者の密着度を他の部分よりも高める密着増強部が前記貫通孔の周囲を囲むように設けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係るキーボードにおいては、密着増強部によって、貫通孔の周囲を囲むようにラバースイッチと筐体との密着度が他の部分よりも局所的に高まっている。そのため、筐体の外部から貫通孔を通じて塵埃や水滴等が内部により入り難い構造となっている。従って、より信頼性のある防塵、防水構造とすることができる。
【0019】
また、本発明に係るキーボードは、上記本発明のキーボードにおいて、前記キートップ及び前記キーベースが、光学的に透明な材料で形成され、前記筐体に設けられ、前記キートップユニットが装着された時に前記キーベースの内部に光を照射して、キーベース全体に光を導光させる発光部と、前記キーベースの上面のうち前記キートップの下方領域以外の領域を遮光して、導光された前記光をキーベースからキートップに集中的に入射させる遮光手段と、を備えていることを特徴とする。
【0020】
この発明に係るキーボードにおいては、キートップユニットが装着された後、筐体に設けられた発光部がキーベースの内部に光を照射して、キーベースの全体に光を導光させる。ここで、キーベースの上面は、キートップの下方領域以外の領域が遮光手段によって遮光されている。そのため、キーベースの全体に導光された光は、キートップの下方から外部に出射してそのままキートップに集中的に入射する。その結果、複数のキートップを確実に光らせることができ、周囲が暗い状況であってもキートップの押し下げ操作を間違えることなく行うことができる。従って、より使い易くなり利便性を高めることができる。
【0021】
また、本発明に係るキーボードは、上記本発明のキーボードにおいて、前記キートップの上面が、遮光されていると共に、該遮光が所定の文字、数字又は記号を表示するように部分的に抜かれていることを特徴とする。
【0022】
この発明に係るキーボードにおいては、キートップの上面が遮光されていると共に、該遮光が所定の文字、数字又は記号を表示するように部分的に抜かれている。そのため、キートップの全体が光るのではなく、遮光が抜かれた文字、数字或いは記号の部分だけ光が透過する。従って、所定の文字、数字又は記号だけを集中的に光らせることができる。その結果、より明瞭な視認性を確保することができ、操作性をさらに高めることができる。
【0023】
また、本発明に係るキーボードは、上記本発明のキーボードにおいて、前記筐体の上面には、前記キートップユニットを収納する凹部が形成され、キートップユニットが装着されたときに、上面から複数の前記キートップだけを突出させることを特徴とする。
【0024】
この発明に係るキーボードにおいては、筐体の上面に形成された凹部内に収納した状態でキートップユニットを装着することができ、押し下げ操作するキートップのみが筐体の上面に突出する。従って、キートップの操作性を確保しつつ、キートップユニットを極力隠すことができ、デザイン性をさらに高めることができる。
【0025】
また、本発明に係る電子辞書は、上記本発明のキーボードを備えていることを特徴とする。
【0026】
この発明に係る電子機器においては、上述したキーボードを備えているので、耐防塵性や耐防水性があり、作動性能が向上した高品質な機器とすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るキートップユニットによれば、組立性に優れているうえ、少ない部品点数で複数のキートップを固定することができ、且つ、ユニット単位での取り扱いを行うことができる。
【0028】
本発明に係るキーボードによれば、キートップユニットを筐体から自在に着脱できるうえ、該キートップユニットをユニット単位で取り扱えるので、故障時に必要最小限の範囲での交換が可能となり対処し易い。また、プリント基板がラバースイッチによって防塵、防水されているので、塵埃や水滴等によって誤動作する可能性が低い。従って、作動の信頼性を高めることができ、高品質化を図ることができる。
【0029】
本発明に係る電子機器によれば、耐防塵性や耐防水性があり、作動性能が向上した高品質な機器とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る電子機器の第1実施形態を、図1から図8を参照して説明する。なお、本実施形態では、電子機器の一例として、電子辞書を例に挙げて説明する。
【0031】
本実施形態の電子辞書1は、図1に示すように、折り畳み式の携帯用電子機器であって、ヒンジ部2を介して開閉可能に連結された一方の筐体3と他方の筐体4とから構成されている。これにより、不使用時には他方の筐体4を閉じて折り畳むことができ、薄型でコンパクトなサイズにして、例えば、バック等に容易に収納して携帯することが可能とされている。
また、使用時には、一方の筐体3に対して他方の筐体4を回転させることで、使用者の目線に合うように他方の筐体4の開閉角度を調整でき、使い易い設計となっている。
【0032】
これら一方の筐体3及び他方の筐体4は、ブラスチックやアルミ、ステンレス等の金属材料を適宜使用して、全体的に薄型の箱型に形成されている。
このうち、一方の筐体3は、ボトムケース5とトップケース6とが重なった2段構造となっている。一方の筐体3には、図2に示すように、キーボード7を構成するキートップユニット10が着脱自在に固定されている。また、一方の筐体3の内部には、図3に示すように、制御部11、メモリ12、充電池13や図示しない各種の電子部品が実装されたプリント基板14が内蔵されている。
【0033】
制御部11は、CPU等の演算処理部、電子辞書1としての各種のプログラム等が記憶されているROM、一時記憶媒体であるRAM、後述する表示パネル15の制御を行う表示制御部等を有している。そして、制御部11は、キートップ20が押し下げられた時に送られてくる入力信号に基づいて、各構成品を総合的に制御して電子辞書1として各種機能を作動させるようになっている。
また、制御部11は、各種の情報(例えば、辞書の内容、単語の検索内容、充電池13の残量、時刻や日付等)を表示パネル15に表示することが可能とされている。
【0034】
一方、他方の筐体4には、図1に示すように、キーボード7で入力或いは選択された各種の情報を表示する表示パネル15が略全面に亘って設けられており、透明な保護カバー(例えば、プラスチック等の樹脂製のカバー)16を通じて視認できるようになっている。この表示パネル15は、例えば、5インチ程度のカラー或いはモノクロの液晶パネルである。なお、保護カバー16は、必須なものではない。
【0035】
次に、一方の筐体3について詳細に説明する。
上述したように、一方の筐体3は、ボトムケース5とトップケース6とで構成されている。両ケース5、6は、密着した状態で重ね合わされており、重ね合わせた隙間から内部に塵埃等が侵入しないように設計されている。トップケース6の上面の大部分には、図2に示すように、キートップユニット10を収納するための凹部6aが凹み形成されている。キートップユニット10は、この凹部6a内に収納された状態でトップケース6に載置固定されるようになっている。
なお、固定方法としては、例えば、キートップユニット10側の図示しない爪部を凹部6aの内周壁に嵌めこむことで固定する。但し、この場合に限定されるものではなく、着脱自在に固定できれば構わない。
【0036】
凹部6aの深さは、キートップユニット10が装着された時にトップケース6の上面からキートップ20が突出(0.5mm〜1.5mm程度突出)する深さとされている。これにより、図1に示すように装着時にキートップユニット10を極力隠すことができつつ、キートップ20の押し下げ性を確保することが可能とされている。
【0037】
キートップユニット10は、図4に示すように、複数のキートップ20と、これら複数のキートップ20が上面に鍵盤配列(キーボード配列)されるキーベース21と、キーベース21に着脱自在に固定されると共にキートップ20を軸支する複数の軸芯22と、で主に構成される。
複数のキートップ20は、図4及び図5に示すように、それぞれ上面が押し下げ面とされており、下面側に突起部25と爪部26とがそれぞれ設けられている。押し下げ面であるキートップ20の上面は、指の腹がフィットし易いように滑らかに湾曲している。突起部25は、先端が平坦な円柱状に形成されており、キートップ20が押し下げられたときに、後述する接点44とスイッチパターン14aとを導通させて入力信号を出力させる役割を担っている。
【0038】
爪部26は、先端が二股に分かれており、第1の爪部26aと第2の爪部26bとが対向した形になっている。そして、この第1の爪部26aと第2の爪部26bとの間に軸芯22を押し込むことで、軸芯22を挟み込んで固定することができるようになっている。このように、キートップ20は、爪部26を介して軸芯22に対して着脱自在に嵌合固定されるようになっている。しかも、キートップ20は、軸芯22に軸支された状態であるので、嵌合固定された後に軸芯22を中心に回動するようになっている。これにより、キートップ20を押し下げることが可能とされている。
なお、本実施形態では、爪部26が間隔をあけて2つ形成されている場合を例に挙げて説明する。但し、2つに限定されるものではなく、1つだけ形成しても構わないし、3つ形成しても構わない。
【0039】
ところで、複数のキートップ20のうち、一方の筐体3の長手方向(図4に示す矢印L1方向)に隣り合うキートップ20に関しては、共通の軸芯22に固定されている。そのため、キートップ20の数に比べて軸芯22の数を減らすことができ、本実施形態の場合には4本にすることができる。なお、軸芯22は、金属製又は硬質材料で形成された円柱状の長尺なロッド又は長尺なワイヤである。
【0040】
また、複数のキートップ20には、先端が鉤状に形成されたストッパ爪27がそれぞれ形成されている。このストッパ爪27は、突起部25を間に挟んで2つの爪部26とは反対側の位置において、側壁から下方に延在するように形成されている。このストッパ爪27は、キートップ20の押し下げを解除したときに、後述するストッパ受け部31に当接して回動角度を規制する役割を担っている。
【0041】
キーベース21は、トップケース6に形成された凹部6a内に収納されるサイズで平板状に形成されたプレートである。このキーベース21には、突起部25に対向する位置に形成された挿通孔30と、ストッパ爪27を当接させるストッパ受け部31と、が複数のキートップ20の数に対応して設けられている。さらに、一方の筐体3の短手方向(図4に示す矢印L2方向)に並ぶ4つの軸芯22を、それぞれ長手方向に沿わせた状態でそれぞれ着脱自在に固定する固定爪部32が複数形成されている。
【0042】
固定爪部32は、キーベース21の上面に立設され、互いに対向する第1の固定爪部32aと第2の固定爪部32bとで構成されている。そして、第1の固定爪部32aと第2の固定爪部32bとの間に軸芯22を押し込むことで、軸芯22を挟み込んで固定することができるようになっている。これにより、軸芯22は、固定爪部32を介して着脱自在に固定されている。
【0043】
このように構成された固定爪部32は、キーベース21の長手方向に沿って一列に並ぶように複数形成されている。本実施形態では、1つのキートップ20の下方に固定爪部32が間隔をあけて2つずつ設けられている場合を例にしている。なお、2つの固定爪部32の間隔H1は、キートップ20の2つの爪部26の間隔H2よりも広く形成されており、キーベース21と軸芯22とキートップ20とを組み合わせた際に両固定爪部32の間に両爪部26が収まるように設計されている。
【0044】
また、キーベース21上には、固定爪部32に固定した軸芯22をキーベース21上から若干浮かせるための凸状の枕部33が固定爪部32に隣接して形成されている。つまり、軸芯22は、枕部33上に載置された状態で固定爪部32に固定されるようになっている。これにより、軸芯22に軸支されたキートップ20の爪部26は、キーベース21の上面に接触しないように考慮されている。
【0045】
挿通孔30は、キーベース21を貫通する孔であり、キートップ20の突起部25に対向する位置に形成されている。本実施形態では、突起部25の外形より大きい平面視円形状に形成されている場合を例に挙げるが、平面視楕円状や四角形等の多角形状でも構わない。
ストッパ受け部31は、先端が鉤状に形成されており、キーベース21の上面に立設するように設けられている。キートップ20は、ストッパ爪27の先端がストッパ受け部31の先端の下方に入り込む形で軸芯22に固定される。そのため、キートップ20の押し下げを解除した際、ストッパ爪27の先端がストッパ受け部31の先端に当接し、それ以上の回動を規制できるようになっている。
【0046】
このように構成されたキートップユニット10は、上述したように図2に示す如く凹部6a内に収納された状態でトップケース6に着脱自在に固定される。
ところで、トップケース6には、図2、図6から図8に示すように、複数のキートップ20の突起部25に対向する位置に貫通孔6bが形成されている。そのため、キートップユニット10をトップケース6に装着した際に、キーベース21の挿通孔30と貫通孔6bとが連通するようになっている。
【0047】
また、トップケース6の下面には、シート状のラバースイッチ40が面接触した状態で固定され、さらにこのラバースイッチ40の下面にはスイッチパターン14aが表面に形成された上記プリント基板14が面接触した状態で固定されている。
なお、ラバースイッチ40とプリント基板14とは、図示しないねじ等の締結手段によってトップケース6の下面に固定されている。但し、締結手段に限られず、接着剤等を利用して固定されていても構わない。
【0048】
ラバースイッチ40は、平坦なシート部41と、スカート部42を介してシート部41に一体的に形成された複数の移動体43と、で主に構成されている。複数の移動体43は、キーベース21に形成された貫通孔6bをそれぞれ通してキートップ20の突起部25に上端部が接触しており、スカート部42の弾性により突起部25を上方に押し上げている。これにより、通常時には、移動体43とプリント基板14との間に空間が形成され、互いに離間した状態となっている。
【0049】
なお、ラバースイッチ40の下面には、上記空間をそれぞれ連通させる図示しない連通溝が例えば格子状に形成されている。また、この連通溝は、一方の筐体3の内部空間にも連通している。そのため、ラバースイッチ40の下面にプリント基板14を固定する際に、上記空間に空気が溜め込まれないように設計されている。
【0050】
一方、キートップ20が押し下げられた場合には、スカート部42が変形すると共に移動体43が連られて下方に移動する。これにより、移動体43の下端部はプリント基板14に接触する。ところで、移動体43の下端部には、導電性の膜をカーボン印刷等で形成した接点44が設けられている。そのため、移動体43の下端部がプリント基板14に接触すると、接点44とスイッチパターン14aとが導通して入力信号が制御部11に出力されるようになっている。
そして、キートップ20の押し下げを解除すると、上述したように移動体43がスカート部42の弾性により上方に移動するので、突起部25を介してキートップ20を元の位置に復旧させるようになっている。
【0051】
次に、このように構成された電子辞書1を使用する場合について、以下に説明する。
まず、一方の筐体3を机上等の平面上に載置した後、図1に示すように、ヒンジ部2を介して他方の筐体4を所定の角度まで開かせる。そして、一方の筐体3に装着されたキートップユニット10の複数のキートップ20を適宜押下することで、電子辞書1としての各種機能を作動させることができる。
【0052】
次に、キートップ20の押下について詳細に説明する。
図7及び図8に示すように、指先でキートップ20を押し下げると、軸芯22を中心として下方に回動し始める。これと同時に、スカート部42が変形するので、突起部25に上端部が接触しているラバースイッチ40の移動体43が連られてプリント基板14に向けて移動する。そして、移動体43の下端部がプリント基板14に接触すると共に、接点44がスイッチパターン14aに接触して導通する。これにより、押し下げられたキートップ20に対応した入力信号を制御部11に出力することができる。制御部11は、この入力信号に基づいた制御を行い、電子辞書1としての機能を作動させる。
【0053】
一方、キートップ20の押し下げを解除すると、移動体43はスカート部42の弾性力により上方に移動するので、移動体43を押し上げる。これにより、キートップ20は、軸芯22を中心として回動しながら元の位置に復旧する。しかも、元の位置に復旧する際に、キートップ20のストッパ爪27の先端がキーベース21のストッパ受け部31の先端に当接する。そのため、回動角度が規制され、キートップ20は毎回同じ姿勢で位置決めされる。従って、キートップ20の姿勢のばらつきがなくなり、見た目の外観が良くなるだけでなく、引っ掛かりなくキートップ20を押し下げることができる。
【0054】
しかも、キートップユニット10は、トップケース6の凹部6a内に収納された状態となっており、図1に示すように、複数のキートップ20だけがトップケース6の上面に突出している。従って、キートップ20の操作性を確保しつつ、キートップユニット10を極力隠すことができ、デザイン性に優れた電子辞書1にすることができる。
【0055】
また、トップケース6の下面には、図7及び図8に示すように、ラバースイッチ40が面接触した状態で固定されている。しかも、ラバースイッチ40は、貫通孔6b内に移動体43が入り込んだ状態で固定されている。そのため、貫通孔6bは、ラバースイッチ40によって塞がれた状態となっている。従って、トップケース6の外部から貫通孔6bを通じて塵埃や水滴等が一方の筐体3の内部に入り込み難い構造になっており、塵埃や水滴等からプリント基板14を守ることができる。つまり、プリント基板14は、ラバースイッチ40によって防塵、防水されており、塵埃や水滴等によって悪影響を受ける可能性が低い。従って、作動の信頼性を高めることができ、高品質化を図ることができる。
【0056】
加えて、本実施形態の電子辞書1によれば、図2に示すように、キートップユニット10を一方の筐体3から自在に着脱できるうえ、キートップユニット10をユニット単位で取り扱うことができる。そのため、仮に一方の筐体3側或いはキートップユニット10側に故障等が発生したとしても、必要最小限の範囲での交換が可能となり対処し易い。
【0057】
ところで、キートップユニット10を組み立てる場合には、図5に示すように、まず、キーベース21に対して複数の軸芯22を固定する。具体的には、キーベース21に設けられた第1の固定爪部32aと第2の固定爪部32bとの間に軸芯22を押し込む。これにより、軸芯22を両固定爪部32で挟み込んで固定することができる。このように、押し込むだけの簡単な方法で軸芯22を固定することができる。
続いて、これら軸芯22に対して複数のキートップ20を固定する。具体的には、第1の爪部26aと第2の爪部26bとの間に軸芯22を押し込ませる。この際、ストッパ爪27の先端を、ストッパ受け部31の先端の下方に潜り込ませた状態にしておく。これにより、軸芯22を両爪部26で挟み込むことができるので、キートップ20を軸芯22に固定することができる。このように、キートップ20を固定する場合も同様に、単に押し込むだけの簡単な方法で固定することができる。その結果、キートップユニット10を組み立てることができる。
【0058】
特に、従来のパンタグラフ構造に比べて遥かに少ない部品点数で容易に組み立てを行ってキートップ20を固定することができる。しかも、長手方向に隣り合うキートップ20に関しては、共通の軸芯22に嵌合固定させるので、キートップ20の数に比べて軸芯22の数を遥かに減らすことができる。この点においても、部品点数の削減に繋げることができる。
更に、複数のキートップ20は、軸芯22を介してキーベース21に固定されている。従って、装置側のケースに固定されてしまう従来のものとは異なり、上述したように全体をユニット化してユニット単位で取り扱えるので、交換が容易であり利便性を向上することができる。
【0059】
加えて、部品点数が少ないので、低コスト化を図ることができる。そして、低コスト化を図れるので、キートップ20の形状や色等のデザインのバリエーションを比較的容易に図り易い。よって、デザインのバリエーションを容易に増やすことができ、ユーザの多様なデザインのニーズに応えることができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態を、図9から図13を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、キートップ20が発光するように構成されている点である。
【0061】
即ち、本実施形態の電子辞書50は、図9及び図10に示すように、キートップユニット10が一方の筐体3に装着された時にキーベース21の内部に光Lを照射して、キーベース21全体に光Lを導光させるLED(発光部)51と、キーベース21の上面のうち各キートップ20の下方領域以外の領域を遮光して、導光された光Lをキーベース21からキートップ20に集中的に入射させる遮光シート(遮光手段)52と、を備えている。
【0062】
トップケース6に形成された凹部6aの内周壁には、図9に示すように、一定の間隔をあけて開口窓6cが複数形成されている。LED51は、図11に示すように、この開口窓6cに収まった状態でトップケース6の内部に固定されており、凹部6aの内側に向けて光Lを照射するように構成されている。各LED51は、プリント基板14に電気的に接続されており、制御部11によって発光タイミングが制御されている。
このようにLED51が固定されているので、各LED51から発せられた光Lはキーベース21の内部に入射するようになっている。ここで、本実施形態のキーベース21は、光学的に透明な材料、例えば、PMMA(polymethyl methacrylate)で形成されている。そのため、内部に入射した光Lは、キーベース21の全体に亘って広がりキーベース21の表面全体を発光させている。
【0063】
遮光シート52は、図10及び図12に示すように、黒色の薄いシートであり、光Lの透過を規制する役割を果している。この遮光シート52は、キーベース21と略同じサイズに形成されており、キーベース21の上面に重ねられた状態で固定されている。この際、遮光シート52には、キーベース21に設けられた固定爪部32、枕部33、挿通孔30及びストッパ受け部31を露出させるための切欠孔52aが複数形成されている。これにより、キーベース21の内部に導光された光Lは、この切欠孔52aを通してのみ上面側に出射するようになっている。しかも、この切欠孔52aは、キートップ20の外形ラインSの内側に収まるようなサイズとされている。そのため、切欠孔52aを通して出射した光Lは、図11に示すように、キートップ20の略真下からキートップ20に集中的に入射するようになっている。このように、遮光シート52が設けられているので、余計な方向に光Lが出射してしまうことを防止でき、キーベース21に入射された光Lを各キートップ20に効率良く且つ集中的に入射させることができるようになっている。
【0064】
ここで、本実施形態のキートップ20もキーベース21と同様に、光学的に透明な材料(例えば、PMMA)で形成されている。そのため、キートップ20に入射した光Lがキートップ20を透過するので、キートップ20自体を光らせることが可能とされている。ところで、各キートップ20には、押し下げ面である上面に遮光膜53が塗装等により成膜されていると共に、この遮光膜53が所定の文字、数字や記号等を表示するように部分的に抜かれている。例えば、図13に示すように、アルファベット「A」の文字を表示するように抜かれている。これにより、キートップ20の全体が発光するのではなく、遮光が抜かれた部分、例えば、「A」の文字の箇所だけ光が透過するようになっている。従って、「A」の文字だけを光らせることができるようになっている。
【0065】
このように構成された本実施形態の電子辞書50によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができるうえ、さらに以下の作用効果を奏することができる。
つまり、電子辞書50を周囲が若干暗い状況で使用する際に、制御部11を介して各LED51を発光させる。すると、各LED51が発光した光Lは、キーベース21の内部に入射してキーベース21の全体を発光させる。この際、キーベース21の上面は、各キートップ20の下方領域以外の領域が遮光シート51によって遮光されている。そのため、キーベース21の全体に導光された光Lは、図11に示すように、切欠孔52aを通してキートップ20の下方から外部に出射してそのままキートップ20に集中的に入射する。そして、各キートップ20に割り当てられた文字、数字又は記号を光らせる。
【0066】
これにより、周囲が暗い状況であっても各キートップ20を明瞭に視認でき、キートップ20の押し下げ操作を間違えることなく行うことができる。従って、より使い易くなり利便性を高めることができる。
【0067】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0068】
例えば、上記各実施形態においては、携帯用電子機器を電子辞書として説明したが、電子辞書に限られるものではない。例えば、デスクトップ型或いはノート型パソコン等でも構わない。
また、上記各実施形態において、一方の筐体3の長手方向に並ぶキートップ20の全てを、共通の軸芯22に固定した場合を例に挙げたが、この場合に限られず、例えば、軸芯22の数を増やし、2つ或いは3つのキートップ20を1つのグループとして共通の軸芯22に固定するようにしても構わない。
【0069】
また、上記各実施形態において、ラバースイッチ40と一方の筐体3であるトップケース6との間に、両者の密着度を他の部分よりも高める密着増強部を貫通孔6bの周囲を囲むように設けても構わない。
例えば、図14に示すように、トップケース6の下面に貫通孔6bの周囲を囲む環状の突起部6dを密着増強部として設けると良い。このようにすることで、突起部6dに押されてラバースイッチ40のシート部41が局所的に圧縮される。そのため、突起部6dを中心として、ラバースイッチ40とトップケース6との密着度を他の部分よりも局所的に高めることができる。その結果、トップケース6の外部から貫通孔6bを通じて塵埃や水滴等が内部により入り難い構造となる。よって、より信頼性のある防塵、防水構造とすることができ、好ましい。
なお、図15に示すように、ラバースイッチ40側に貫通孔6bの周囲を囲む環状の突起部14bを密着増強部として設けて構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。
【0070】
また、上記第2実施形態において、LED51の数は自由に選択して構わない。更に、LED51の色や種類等にも特に制限はなく、状況に応じて適宜変更して構わない。また、LED51に限定されるものではなく、キーベース21の内部に光Lを入射できれば発光部として利用することができる。
【0071】
また、上記第2実施形態では、遮光シート52を利用してキーベース21の上面を遮光したが、遮光シート52に限られず、塗装等によって遮光膜を成膜しても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。いずれにしても、キーベース21の上面の予め領域を遮光できれば遮光手段として利用して構わない。
また、上記第2実施形態では、キートップ20の上面を遮光膜53で成膜したうえで、所定の文字、数字や記号を表示するように遮光膜53を抜いた形にしたが、遮光膜53ではなく文字等の部分が予め抜かれた遮光シートを貼付しても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏することができる。更には、キートップ20の上面を遮光せず、単に文字等を表示するだけでも良い。この場合であっても、キートップ20全体が発光するので暗い状況であってもキートップ20の押し下げ操作をやはり間違えることなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係る電子機器の第1実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示す状態から、キートップユニットを取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示す一方の筐体の内部に実装されている各種部品にブロック図である。
【図4】図2に示すキートップユニットの分解斜視図である。
【図5】図4に示すキートップと、軸芯と、キーベースとの取付関係を示す斜視図である。
【図6】図2に示す一方の筐体を構成するトップケースの一部断面図である。
【図7】図キートップユニットが装着されている際の、キートップユニット及びトップケースの一部断面図である。
【図8】キートップユニットが装着されている際の、キートップユニット及びトップケースの一部断面図である。
【図9】本発明に係る電子機器の第2実施形態を示す外観斜視図であって、キートップユニットが取り外されている状態の図である。
【図10】第2実施形態のキートップユニットの分解斜視図である。
【図11】キートップユニットが装着されている際の、キートップユニット及びトップケースの一部断面図である。
【図12】図10に示す遮光シートとキーベースとの関係を示す図である。
【図13】第2実施形態のキートップの斜視図である。
【図14】本発明に係る変形例を示す図であって、トップケースの下面に環状の突起部が設けられ、トップケースとラバースイッチとの密着度を局所的に高めた場合の図である。
【図15】本発明に係る変形例を示す図であって、ラバースイッチの上面に環状の突起部が設けられ、トップケースとラバースイッチとの密着度を局所的に高めた場合の図である。
【符号の説明】
【0073】
1、50…電子辞書(電子機器)
3…一方の筐体(筐体)
4…他方の筐体(筐体)
6a…筐体の凹部
6b…筐体の貫通孔
6d、14b…突起部(密着増強部)
10…キートップユニット
14…プリント基板
14a…スイッチパターン
20…キートップ
21…キーベース
22…軸芯
25…キートップの突起部
26…キートップの爪部
27…キートップのストッパ爪
30…キーベースの挿通孔
31…キーベースのストッパ受け部
40…ラバースイッチ
43…ラバースイッチの移動体
44…移動体の接点
51…LED(発光部)
52…遮光シート(遮光手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が押し下げ面とされ、押し下げられたときに入力信号を出力させるための突起部と爪部とが下面側にそれぞれ設けられた複数のキートップと、
複数の前記キートップが上面に鍵盤配列されるキーベースと、
前記キーベースに対して着脱自在に固定され、且つ、鍵盤配列された前記キートップが前記爪部を介して着脱自在に嵌合固定されると共に軸支される複数の軸芯と、を備え、
複数の前記キートップのうち隣り合う所定数のキートップは、共通の前記軸芯に嵌合固定されることを特徴とするキートップユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のキートップユニットにおいて、
前記キートップには、ストッパ爪が形成され、
前記キーベースには、前記キートップの押し下げを解除したときに前記ストッパ爪が当接して、回動角度を規制するストッパ受け部が形成されていることを特徴とするキートップユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のキートップユニットと、
前記キートップユニットが着脱自在に上面に載置固定され、前記突起部に対向する位置に貫通孔が形成された筐体と、
前記貫通孔を通して前記突起部に上端部が接触すると共に下端部に接点が形成された移動体を有し、前記筐体の下面に面接触した状態で固定されたラバースイッチと、
スイッチパターンが表面に形成され、前記ラバースイッチの下面に面接触した状態で固定されたプリント基板と、を備え、
前記移動体は、前記キートップが押し下げられた時に連られて移動して前記接点と前記スイッチパターンとの導通により前記入力信号を出力させると共に、押し下げが解除されたときに前記キートップを弾性力により押し上げて元の位置に復旧させることを特徴とするキーボード。
【請求項4】
請求項3に記載のキーボードにおいて、
前記ラバースイッチと前記筐体との間には、両者の密着度を他の部分よりも高める密着増強部が前記貫通孔の周囲を囲むように設けられていることを特徴とするキーボード。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のキーボードにおいて、
前記キートップ及び前記キーベースは、光学的に透明な材料で形成され、
前記筐体に設けられ、前記キートップユニットが装着された時に前記キーベースの内部に光を照射して、キーベース全体に光を導光させる発光部と、
前記キーベースの上面のうち前記キートップの下方領域以外の領域を遮光して、導光された前記光をキーベースからキートップに集中的に入射させる遮光手段と、を備えていることを特徴とするキーボード。
【請求項6】
請求項5に記載のキーボードにおいて、
前記キートップの上面は、遮光されていると共に、該遮光が所定の文字、数字又は記号を表示するように部分的に抜かれていることを特徴とするキーボード。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか1項に記載のキーボードにおいて、
前記筐体の上面には、前記キートップユニットを収納する凹部が形成され、キートップユニットが装着されたときに、上面から複数の前記キートップだけを突出させることを特徴とするキーボード。
【請求項8】
請求項3から7のいずれか1項に記載のキーボードを備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−118167(P2010−118167A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288640(P2008−288640)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】