説明

キー入力装置および携帯情報機器

【課題】変更できるキー表示と、キー表示よりも変更頻度の高い表示との両方を、消費電力を抑えつつ、行なうキー入力装置を提供する。
【解決手段】携帯電話機100は、CPU102と、RAM104と、ROM106と、LCD108と、LCDコントローラ109と、駆動ドライバ110と、電子ペーパー112と、タッチパネルI/F114と、タッチパネル116と、入力キー118と、入力I/F120と、通信I/F121と、アンテナ122とを備える。電子ペーパー112は、キー表示を行なう。LCD108は、キー表示よりも変更頻度の高い表示を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー入力装置および携帯情報機器に関し、より具体的には、電気的信号により表示を変更し、変更後の表示を電力の供給なしに保持できるキー表示手段を有するキー入力装置および携帯情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キー入力装置において、キー上の文字または記号の表示(以下、キー表示とよぶ)を電子ペーパーで行なうことが考えられている。電子ペーパーは、薄く、曲げることができるなど、紙に似た性質を持ちつつ、その表示内容を電気的に書き換えられるものである。さらに、その表示は、電力の供給なしでも保たれる。
【0003】
例えば、特開2005−352987号公報(特許文献1)には、電子ペーパーでキー表示を行なうキー入力装置が開示されている。このキー入力装置の構成は、電子ペーパーの上に透明なキーシートを配置するというものである。また、特開2004−145648号公報(特許文献2)には、キーボードのキーが配置された表面全体を電子ペーパーで覆ったキー入力装置が開示されている。
【0004】
これらの公報に記載の発明のキー入力装置におけるキー入力部は、物理キー、すなわち、キーを押下するとスイッチ部との通電が起こり、キー入力が認識されるというものであるが、キー入力部として、タッチパネルを用いた機器もよく知られている。
【0005】
特開2001−022508号公報(特許文献3)には、書換え指示ボタンの操作によってフルカラー液晶表示パネル(電子ペーパーの一種)と透明のタッチパネルとからなる操作パネルのレイアウトが変更されるリモコンが開示されている。また、電子ペーパーを用いたものではないが、特開平11−312054号公報(特許文献4)には、タッチパネル上に、固定表示シートと、液晶パネルとを設置したタッチパネル装置が開示されている。
【0006】
また、液晶パネルと電気泳動パネル(電子ペーパーの一種)を併用することが、特開2007−156256号公報(特許文献5)に記載されている。この公報に記載の電気光学装置は、電気泳動パネルと、電気泳動パネルの上面側に配置された液晶パネルとを備え、互いを切替えて表示する。
【特許文献1】特開2005−352987号公報
【特許文献2】特開2004−145648号公報
【特許文献3】特開2001−022508号公報
【特許文献4】特開平11−312054号公報
【特許文献5】特開2007−156256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子ペーパーは表示の書き換えに時間がかかるため、電子ペーパーのみを用いる特開2005−352987号公報、特開2004−145648号公報、特開2001−022508号公報に記載の発明は、キー表示など変更の少ない表示を行なうことはできても、動画などの変化が多い表示を行なうのには不向きである。
【0008】
一方、液晶パネルは、動画の表示はできるが、消費電力が電子ペーパーよりも大きいという欠点がある。
【0009】
特開平11−312054号公報に記載のタッチパネル装置は、操作領域を、可変表示領域と、固定表示領域とにより形成することで、消費電力の削減などを図っているものの、固定表示領域のキー表示は変更できない。固定表示領域には、操作キーが描かれた固定表示シートが設置、あるいはタッチパネルにキー表示が印刷されているからである。
【0010】
また、特開2007−156256号公報に記載の発明は、電気泳動パネルか液晶パネルかのいずれかに画像を表示させることで、消費電力の削減を図っているが、キー表示を行なうことを目的としていない。
【0011】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであって、変更できるキー表示と、キー表示よりも変更頻度の高い表示との両方を、消費電力を抑えつつ、行なうキー入力装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の局面に係る本願発明は、キー入力装置であって、表示装置と、キー入力装置の動作を制御する制御手段と、外部からの指示を受付ける入力手段とを備え、入力手段は、押されたことを検出する検出手段と、検出手段に対応する位置に設置されており、電気的信号に応じて表示を変更し、変更後の表示を電力の供給なしに保持できるキー表示手段とを含み、制御手段は、キー表示手段に、対応する位置にある検出手段が押された際にキー入力装置が行なうべき処理を識別するためのキー表示を表示させる書換手段と、指示に応じて、表示装置の表示を変更する表示制御手段とを含む。
【0013】
好ましくは、キー入力装置の動作に必要な情報を記憶する記憶手段をさらに備え、記憶手段は、キー入力装置の複数の操作モードと、各操作モードにおいて検出手段が押された際にキー入力装置が行なうべき処理に応じて定められたキー表示情報とを関連付けて記憶し、制御手段は、複数の操作モードを切り替える切替手段をさらに含み、書換手段は、切替手段による操作モードの切替えに応じて、切替え後の操作モードに関連付けられたキー表示情報を記憶手段から読み出し、キー表示手段に読み出されたキー表示情報に基づいたキー表示をさせる。
【0014】
さらに好ましくは、切替手段は、指示に応じて操作モードを切替える。
好ましくは、キー表示手段は、電子ペーパーである。
【0015】
好ましくは、検出手段はタッチパネルであり、キー表示手段は、タッチパネルに覆われた位置に設置されている。
【0016】
好ましくは、検出手段はタッチパネルであり、表示装置は、液晶パネルとバックパネルとからなり、キー表示手段は、タッチパネルとバックパネルとの間にある。
【0017】
他の局面に係る本願発明は、携帯情報機器であって、液晶パネルとバックパネルとからなる表示手段と、携帯情報機器の動作を制御する制御手段と、外部からの指示を受付ける入力手段とを備え、入力手段は、押されたことを検出するタッチパネルと、タッチパネルとバックパネルの間に設置されており、電気的信号に応じて表示を変更し、変更後の表示を電力の供給なしに保持できる電子ペーパーとを含み、携帯情報機器の動作に必要な情報を記憶する記憶手段をさらに備え、記憶手段は、キー入力装置の複数の操作モードと、各操作モードにおいて検出手段が押された際にキー入力装置が行なうべき処理に応じて定められたキー表示情報とを関連付けて記憶し、複数の操作モードを切り替える切替手段をさらに備え、制御手段は、キー表示手段に、切替手段による操作モードの切替えに応じて、切替え後の操作モードに関連付けられたキー表示情報を記憶手段から読み出し、キー表示手段に読み出されたキー表示情報に基づいたキー表示をさせる書換手段と、指示に応じて、表示手段の表示を変更する表示制御手段とを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、表示を電力の供給なしに保持できるキー表示手段により、キー表示を行うとともに、表示手段により、入力手段が受け付けた指示に応じて変化する表示を行うことができる。従って、変更できるキー表示と、キー表示よりも変更頻度の高い表示との両方を効率的に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部分には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0020】
(1.第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話機100の構成をブロック図形式で示す図である。以下、図1を参照して、第1の実施の形態に係る携帯電話機100の構成について説明する。なお、本実施の形態では、携帯電話機100を用いて説明するが、本発明はPDA(Personal Data Assistant)やハンディターミナル等の他の携帯情報端末にも適用できる。また、より一般には、キー入力装置、すなわち、キー入力部を有する装置に応用できる。
【0021】
携帯電話機100は、CPU(Central Processing Unit)102と、RAM(Random Access Memory)104と、ROM(Read Only Memory)106と、LCD(液晶ディスプレイ、Liquid Crystal Display)108と、LCDコントローラ109と、駆動ドライバ110と、電子ペーパー112と、タッチパネルインターフェース(以下、I/Fと書く)114と、タッチパネル116と、入力キー118と、入力I/F120と、通信I/F121と、アンテナ122とを備える。また、、CPU102と、RAM104と、ROM106と、LCDコントローラ109と、駆動ドライバ110と、タッチパネルI/F114と、入力I/F120と、通信I/F121とはバス124で相互に接続されている。
【0022】
入力キー118、タッチパネル116は、外部からの指示を受付ける入力手段として機能する。入力キー118は、ボタンを押すことで通電が起こり信号が出力されるもの(物理キー)である。指示入力I/F120は、入力キー118が受付けた指示を受け取り、信号として出力する。タッチパネル116は、利用者等がタッチパネル116上のどの位置に触れたかを検出し、その検出結果を指示として受付けるものである。タッチパネルI/F114は、タッチパネル116が受付けた指示を受け取り、信号として出力する。
【0023】
CPU102は、携帯電話器100の各部の動作を制御するものである。RAM104は、一時記憶用のメモリである。ROM106は、CPU102の動作のためのプログラム等携帯情報機器100の動作に必要な情報を格納する。
【0024】
CPU102は、入力I/F120あるいはタッチパネルI/F114からの信号に応じて、ROM106に格納されたプログラムをRAM104に読み出し、プログラムを実行することで各部の動作を制御する。
【0025】
また、LCD108は、液晶素子を用いた表示装置である。本実施例では、液晶パネルと、液晶パネルに表示光を照射するバックパネルとからなるLCD108を用いることとするが、他の構成であってもよい。LCDコントローラ109は、CPU102からの指示に応じて、LCD108の表示の変更を行なう。LCD108、LCDコントローラ109の構成は、周知のものを適用すればよい。なお、表示装置としては、他のものを用いてもよい。ただし、動画の表示など変化の多い表示を行なうことができるものであることが望ましい。
【0026】
電子ペーパー112は、後述もするが、タッチパネル116と対応する位置に設置されており、キー表示手段として機能する。電子ペーパー112としては、周知のもの、例えば、特許文献1に記載の電気泳動系マイクロカプセルタイプのものや、電気泳動系白黒回転粒子タイプのものを用いることができる。あるいは、電子ペーパー112は、コレステリック液晶を用いたカラー表示ができるものであってもよい。なお、電子ペーパー112のように薄くなくても、電気的信号に応じて表示を変更し、変更後の表示を電力の供給なしに保持できるものであれば、電子ペーパーの代わりに用いることができる。
【0027】
駆動ドライバ110は、電圧の印加等の電気的信号を電子ペーパー112に与えることにより、電子ペーパー112の表示を書き換えるものである。
【0028】
アンテナ122は、携帯電話器100と外部との通信を行なう。通信I/F121は、アンテナ122の動作の制御を行なう。例えば、情報の送受信の制御を行なう。
【0029】
ここで、電子ペーパー112の表示の書換えについて図2を用いて詳しく説明する。図2は、電子ペーパーの表示の書換えに関わる携帯電話機100の機能ブロック図である。
【0030】
図2中の入力部210は、外部からの指示を受付ける。タッチパネル116、入力キー118が入力部210として機能する。入力受付部220は、入力部210が受付けた指示を受け取り、信号として出力する。タッチパネルI/F114および入力I/F120が入力受付部220として機能する。
【0031】
書換部230は、外部からの信号に応じて、表示の書き換えのための制御信号を電子ペーパー112に出力する。ここで、制御信号は、電圧などの電気的信号である。CPU108、駆動ドライブ110が、書換部230として機能する。
【0032】
記憶部240は、電子ペーパーの表示の書き換えに必要な情報を格納する。具体的には、記憶部240は、複数の操作モードを識別する操作モードID241と、操作モードID241に関連付けられた、従って操作モードに関連付けられた機能設定データ242とキー表示情報244とを格納している。機能設定データ242は、各操作モードにおいて、入力部210が入力を受付けた際に、CPU102が各部にどのような指示を行なうかについて表すデータである。また、キー表示情報244は、各操作モードにおいて電子ペーパー244が行なうキー表示についての情報である。ここで、キー表示情報は、タッチパネル116が押された際に携帯電話器100の各部がCPU102の指示に応じて行なうべき処理に応じて定められる。
【0033】
以下、携帯電話器100が、操作モードの変更の指示を、表示書換の指示として扱う場合の説明を行なう。
【0034】
まず、入力部210が、操作モードの変更の指示を受付けると、入力受付部220は、操作モード変更のための信号を出力する。つまり、入力部210が操作モードの変更の指示を受け付けることにより、すなわち、タッチパネル116、入力キー118が入力を受付けることにより、操作モードの変更の信号が出力される。
【0035】
書換部230として機能するCPU108は、入力受付部220が出力した操作モード変更の信号を受信し、記憶部240から信号に対応する操作モードID241に関連付けられた機能設定データ242を読み出し、読み出した機能設定データ242に基づき、入力部210が入力を受付けた際に、CPU102が各部に行なう指示の設定を変更する。また、CPU230は、記憶部240から信号に対応する操作モードに関連付けられたキー表示情報244を読み出し、読み出したキー表示情報244を駆動ドライバ110に送る。駆動ドライバ110は、送られたキー表示情報244に基づき、制御信号を作成し、作成した制御信号を電子ペーパー112に送る。電子ペーパー112の表示は、制御信号に応じて切替えられる。
【0036】
なお、上の説明における操作モードの変更の信号は、入力部210への指示に応じて派生するものに限られず、他のきっかけにより発生するものであってもよい。例えば、電話の着信を信号として扱ったり、入力部210が、予め設定された時間、外部からの指示を検出しなかった時に、信号を出力するような構成であってもよい。
【0037】
次に、本実施の形態に係る携帯電話機100におけるLCD108、電子ペーパー112、タッチパネル116の位置関係について図3から図5を用いて説明する。
【0038】
図3は、本発明に係る携帯電話機100の外観図である。携帯電話機100の前面には、ディスプレイ300、入力キー118が設置されている。また、携帯電話機100は、アンテナ122を備える。ただし、これは一例であって、携帯電話機100の外観はこれに限られない。例えば、折畳式などであっても構わない。
【0039】
ディスプレイ300は、LCD108、電子ペーパー112、タッチパネル116、バックパネル400からなる。これらは、図4に示すように、上(外部から視認される側)から、タッチパネル116、電子ペーパー112、LCD108、バックパネル400の順番で配置されるものとする。図4は、ディスプレイ300の断面の一例を示す図である。なお、操作性の面から、タッチパネルは、最上面に設置されることが好ましいが、電子ペーパー112、LCD108の順序は逆でもよい。そのような配置を図5に示す。
【0040】
次に、ディスプレイ300に表示される画面および画面の切替について、図6、図7を用いて、説明する。
【0041】
本実施の形態に係る携帯電話機100は、既に説明したように、複数の操作モードを有し、操作モード変更の指示に応じて、ディスプレイ300の表示を書き換える。以下では、操作モードの例として、アプリケーション「電話」「メール」を挙げて説明する。また、操作モード変更の指示は、入力部210が、各アプリケーションの起動あるいは終了の指示を受付けたことに応じて、出力するものとする。ただし、操作モードとして、アプリケーション以外のものを用いてもよい。例えば、アプリケーション「メール」において平仮名入力、英字入力等の各種入力モードなどが存在する場合がある。このような場合に、それぞれの入力モードに対応させて操作モードが設定されていてもよい。
【0042】
図6は、アプリケーション「電話」の動作時(以下、電話モードとよぶ)における、ディスプレイ300の表示内容を示す図である。
【0043】
ディスプレイ300に含まれるLCD108は、例えば、図6に示すように、入力された電話番号を表示する。
【0044】
ディスプレイ300内の電子ペーパー112は、発信ボタン601、電話帳ボタン602を表示する。具体的には、アプリケーション「電話」の起動に応じて、CPU102が、駆動ドライバ110を介して、電子ペーパー112に、これらの発信ボタン601、電話帳ボタン602を表示させる。
【0045】
また、少なくともこれらのボタンが表示される領域を覆うようにタッチパネル116が構成されているものとする。発信ボタン601が表示されている部分に対応するタッチパネル116への入力がなされると、タッチパネルI/F114が信号をCPU102に送り、CPU102は、入力された電話番号への電話発信を通信I/F121に行なわせる。また、電話帳ボタン602が表示されている部分に対応するタッチパネル116への入力がなされると、タッチパネルI/F114が信号をCPU102に送り、CPU102は、ROM106に記憶されている電話帳を読出し、読み出した電話帳をタッチパネルI/F114を介してLCD108に表示させる。
【0046】
さて、アプリケーション「電話」の起動中に、CPU102が、ユーザからのアプリケーション「メール」の起動の指示を受付けたとする。すると、CPU102は、記憶部240から、アプリケーション「メール」の起動時の操作モード(以下、メールモードとする)に関連付けられた機能設定データ241を読出し、ユーザがタッチパネル116への入力を行なった時に、CPU102が行なう処理を変更する。また、ディスプレイ300の表示を、図6に示したような電話モードの表示から、図7に示すようなメールモードの表示に変化させる。
【0047】
図7は、メールモードにおける、ディスプレイ300の表示内容を示す図である。ディスプレイ300には、メールの宛先、本文の他に、送信ボタン701、下書き保存ボタン702の表示がなされる。送信ボタン701、下書き保存ボタン702は、発信ボタン601、電話帳ボタン602と同様に、電子ペーパー112により表示される。
【0048】
ユーザが発信ボタン601が表示されている部分に対応するタッチパネル116への入力を行なうと、タッチパネルI/F116が信号をCPU102に送り、CPU102は、メールの送信を通信I/F121に行なわせる。また、下書き保存ボタン702が表示されている部分に対応するタッチパネル116への入力がユーザからなされると、タッチパネルI/F116が信号をCPU102に送り、CPU102は、宛先、本文をROM106に記憶する。
【0049】
なお、電子ペーパー112の表示内容は上で説明したものに限られない。一般には、電子ペーパー112の表示内容は、各操作モードにおいて、電子ペーパーが表示するボタン部分にあるタッチパネル116が押された際に携帯電話器100が行なうべき処理を利用者が識別できるようなキー表示になっていればよい。
【0050】
また、LCD108、電子ペーパー112、タッチパネル116の位置関係は、図6、図7に示したものに限られるわけではない。例えば、これらが、ディスプレイ300の全面にわたって設置されていても構わない。
【0051】
また、上では2つのボタンを表示する例を挙げたが、ボタンの数は1つあるいは3つ以上であってもよい。例えば、CPU102は、電話モードでは、電子ペーパー112に数字キー“1”、“2”、…を表示させ、メールモードでは、電子ペーパー112に文字キー“A”、“B”、…を表示させてもよい。
【0052】
さらに、タッチパネル116の代わりに、ボタンを押すことで通電が起こり信号が出力される物理キーであっても構わない。この場合、キー表示をユーザが視認できるように、物理キーの上に、電子ペーパー112を配置するという構成になる。タッチパネル116を用いる場合であっても、物理キーを用いる場合であっても、キー表示を行なう電子ペーパー112は、電子ペーパー112の表示内容と対応する処理を指示するためのキー入力部と、近い位置に設置される。
【0053】
電子ペーパーの表示作成にあたって本発明に係る携帯電話器100が行なう処理の流れについて図8を用いて説明する。図8は、電子ペーパーの表示作成にあたって携帯情報機器100が行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
まず、CPU108は、ステップS102において操作モードの切替のための信号を受付ける。そして、ステップS104において、受付けた信号に応じて切替後の操作モードの機能設定データをROM106から読み出す。
【0055】
次に、CPU108は、ステップS106において、ステップS104で読み出した機能設定データに基づき、タッチパネルを操作したときにCPU108が行なう処理についての設定を変更する。
【0056】
CPU108は、ステップS108において、ROM106から、切替後の操作モードの電子ペーパー用データを読み出す。
【0057】
そして、CPU108は、ステップS110において、受付けた操作モードの切替指示に応じて、駆動ドライバ110を制御し、電子ペーパー112の表示を切替後の操作モードの電子ペーパー用データに対応する表示に書き換えて、書換処理を終了する。
【0058】
なお、ステップS104からステップS110の処理の順番は、本フローチャートで示したものに限られない。機能設定データ読出(ステップS104)以降にタッチパネル機能変更(ステップS106)が行なわれ、電子ペーパー用データ読出(ステップS108)以降に電子ペーパー表示書換(ステップS110)が行なわれるならよい。
【0059】
このように本発明に係る携帯電話器は、操作モードの切替に応じて変更されるものであって、変更が少ないキー表示を電子ペーパーに表示させる。また、キー表示に比べて変更の多い表示を、変更の多い表示に向くものの固定の表示を行なう際の消費電力が電子ペーパーに比べて多いLCDに表示させる。従って、変更できるキー表示と、キー表示よりも変更頻度の高い表示との両方を、消費電力を抑えつつ、行なうことができる。
【0060】
また、キー表示手段である電子ペーパーには、アプリケーションなどの操作モードに特化した表示がされるので、表示が見やすくなる。
【0061】
(2.第2の実施の形態)
ここからは、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるキー入力装置は、工場等で用いられるハンディターミナルである。
【0062】
まず、図9、図10を参照して、本発明に係るハンディターミナル900の構成について説明する。図9は、本発明に係るハンディターミナル900の構成をブロック図形式で示す図である。また、図10は、本発明に係るハンディターミナル900の外観図である。第1の実施の形態と異なる点は、外部端子910を介して外部機器から送られる信号に応じて、電子ペーパー112の表示が書き換えられることである。
【0063】
外部端子910は、電子ペーパー112の表示変更のための外部機器、例えば、工場内のコンピュータが接続されるものである。外部機器を接続した状態で、ハンディターミナル900あるいは外部機器に電子ペーパー112の表示の書き換えのための指示をユーザが行なうと、外部機器は、ハンディターミナル900に電気的信号を供給し、電子ペーパー112の表示を書き換える。
【0064】
このように、外部機器によりキー表示を書き換えることができるハンディターミナル900によれば、例えば、工場内の複数のライン毎に異なるキー表示を行なうハンディターミナルが必要な場合などでも、1種類のハンディターミナル900を準備することで対応できる。また、キー表示を、電子ペーパー112で行なうので、電力消費を抑えることができる。
【0065】
また、ハンディターミナルではなく、外部機器が、キー表示情報を格納する記憶部を有していてもよい。この構成によれば、ハンディターミナルの記憶容量を節約することができる。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る携帯電話機100の構成をブロック図形式で示す図である。
【図2】電子ペーパーの表示の書換えに関わる携帯電話機100の機能ブロック図である。
【図3】本発明に係る携帯電話機100の外観図である。
【図4】ディスプレイ300の断面の一例を示す図である。
【図5】ディスプレイ300の断面の他の例を示す図である。
【図6】電話モードにおける、ディスプレイ300の表示内容を示す図である。
【図7】メールモードにおける、ディスプレイ300の表示内容を示す図である。
【図8】電子ペーパーの表示作成にあたって携帯電話機が行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明に係るハンディターミナル900の構成をブロック図形式で示す図である。
【図10】本発明に係るハンディターミナル900の外観図である。
【符号の説明】
【0068】
100 携帯電話機、102 CPU、104 RAM、106 ROM、108 LCD、109 LCDコントローラ、110 駆動ドライバ、112 電子ペーパー、114 タッチパネルI/F、116 タッチパネル、118 キー入力部、120 入力I/F、121 通信I/F、122 アンテナ、210 入力部、220 入力受付部、230 書換部、240 記憶部、241 操作モードID、242 機能設定データ、244 電子ペーパー用データ、300 ディスプレイ、400 バックパネル、601 発信ボタン、602 電話帳、701 送信ボタン、702 下書き保存ボタン、900 ハンディターミナル、910 外部端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キー入力装置であって、
表示装置と、
前記キー入力装置の動作を制御する制御手段と、
外部からの指示を受付ける入力手段とを備え、
前記入力手段は、
押されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段に対応する位置に設置されており、電気的信号に応じて表示を変更し、変更後の表示を電力の供給なしに保持できるキー表示手段とを含み、
前記制御手段は、
前記キー表示手段に、対応する位置にある前記検出手段が押された際に前記キー入力装置が行なうべき処理を識別するためのキー表示を表示させる書換手段と、
前記指示に応じて、前記表示装置の表示を変更する表示制御手段とを含む、キー入力装置。
【請求項2】
前記キー入力装置の動作に必要な情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記キー入力装置の複数の操作モードと、各前記操作モードにおいて前記検出手段が押された際に前記キー入力装置が行なうべき処理に応じて定められたキー表示情報とを関連付けて記憶し、
前記制御手段は、前記複数の操作モードを切り替える切替手段をさらに含み、
前記書換手段は、前記切替手段による前記操作モードの切替えに応じて、切替え後の操作モードに関連付けられた前記キー表示情報を前記記憶手段から読み出し、前記キー表示手段に前記読み出されたキー表示情報に基づいたキー表示をさせる、請求項1に記載のキー入力装置。
【請求項3】
前記切替手段は、前記指示に応じて前記操作モードを切替える、請求項2に記載のキー入力装置。
【請求項4】
前記キー表示手段は、電子ペーパーである、請求項1から3のいずれか1項に記載のキー入力装置。
【請求項5】
前記検出手段はタッチパネルであり、
前記キー表示手段は、前記タッチパネルに覆われた位置に設置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のキー入力装置。
【請求項6】
前記検出手段はタッチパネルであり、
前記表示装置は、液晶パネルとバックパネルとからなり、
前記キー表示手段は、前記タッチパネルと前記バックパネルとの間にある、請求項1から3のいずれか1項に記載のキー入力装置。
【請求項7】
携帯情報機器であって、
液晶パネルとバックパネルとからなる表示手段と、
前記携帯情報機器の動作を制御する制御手段と、
外部からの指示を受付ける入力手段とを備え、
前記入力手段は、
押されたことを検出するタッチパネルと、
前記タッチパネルと前記バックパネルの間に設置されており、電気的信号に応じて表示を変更し、変更後の表示を電力の供給なしに保持できる電子ペーパーとを含み、
前記携帯情報機器の動作に必要な情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記キー入力装置の複数の操作モードと、各前記操作モードにおいて前記検出手段が押された際に前記キー入力装置が行なうべき処理に応じて定められたキー表示情報とを関連付けて記憶し、
前記複数の操作モードを切り替える切替手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記キー表示手段に、前記切替手段による前記操作モードの切替えに応じて、切替え後の操作モードに関連付けられた前記キー表示情報を前記記憶手段から読み出し、前記キー表示手段に前記読み出されたキー表示情報に基づいたキー表示をさせる書換手段と、
前記指示に応じて、前記表示手段の表示を変更する表示制御手段とを含む、携帯情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−98795(P2009−98795A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−268078(P2007−268078)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】